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特許71102333D印刷システムで使用される組成物、その適用
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-22
(45)【発行日】2022-08-01
(54)【発明の名称】3D印刷システムで使用される組成物、その適用
(51)【国際特許分類】
   B29C 64/112 20170101AFI20220725BHJP
   B29C 64/264 20170101ALI20220725BHJP
   B29C 64/40 20170101ALI20220725BHJP
   B33Y 70/00 20200101ALI20220725BHJP
   B33Y 10/00 20150101ALI20220725BHJP
   C08F 4/30 20060101ALI20220725BHJP
   C08F 220/06 20060101ALI20220725BHJP
   C08F 220/04 20060101ALI20220725BHJP
   C08F 222/02 20060101ALI20220725BHJP
   C08F 220/14 20060101ALI20220725BHJP
   C08F 220/12 20060101ALI20220725BHJP
【FI】
B29C64/112
B29C64/264
B29C64/40
B33Y70/00
B33Y10/00
C08F4/30
C08F220/06
C08F220/04
C08F222/02
C08F220/14
C08F220/12
【請求項の数】 16
(21)【出願番号】P 2019558436
(86)(22)【出願日】2018-04-16
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-06-18
(86)【国際出願番号】 EP2018059654
(87)【国際公開番号】W WO2018197248
(87)【国際公開日】2018-11-01
【審査請求日】2021-04-15
(31)【優先権主張番号】PCT/CN2017/081898
(32)【優先日】2017-04-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】508020155
【氏名又は名称】ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア
【氏名又は名称原語表記】BASF SE
【住所又は居所原語表記】Carl-Bosch-Strasse 38, 67056 Ludwigshafen am Rhein, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100100354
【弁理士】
【氏名又は名称】江藤 聡明
(72)【発明者】
【氏名】シュー,ハン
(72)【発明者】
【氏名】チョウ,ションチョン
(72)【発明者】
【氏名】ヒルゼマン,シュテファン
【審査官】神田 和輝
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2016/121587(WO,A1)
【文献】国際公開第2018/043582(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29C 64/00-64/40
B33Y 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
a) 10質量%~30質量%の、式I
【化1】
(式中、Rは、カルボキシル基の置換を伴う又は伴わないC~Cアルケニル基である)で表される少なくとも1種のモノマー、
b)10質量%~30質量%の、式II
【化2】
(式中、Rは、ヒドロキシ基、2-(2-エトキシエトキシ)基の置換を伴う又は伴わないC~C18アルキル基又はC~Cアルコキシ基、C~Cアルケニル基、シクロヘキシル基、又はテトラヒドロフルフリル基であり、RはC~Cアルキル基又はC~Cアルケニル基であり、R及びRの不飽和結合の総数は1である)の少なくとも1種のモノマー、
c)5~15質量%の、式III及び/又は式IV
【化3】
【化4】
(式中、Mはナトリウム、カリウム及びリチウムから選択されるアルカリ金属であり、R、R、R、R、R、R及びR10は、互いに独立して、水素、メチル又はエチル基であり、n、m、及びlは、互いに独立して0~3の整数である)の少なくとも1種のアルカリ金属塩、
d)0.5質量%~10質量%の少なくとも1種の水溶性多価金属カチオンを生成するための水溶性多価金属塩
e)1質量%~10質量%の少なくとも1種の重合開始剤、及び
f)20質量%~50質量%の水、
を含み、成分a)、b)、c)、d)又はe)の割合が組成物の総質量に基づく、3D印刷におけるサポート材料を形成するための組成物。
【請求項2】
式Iの前記モノマーが、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、アリル酢酸、3-ブテン酸及び2-ヘプテン酸又はそれらの混合物から選択される、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
式IIの前記モノマーが、アリルアクリレート、アリルメタクリレート、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n-プロピル(メタ)アクリレート、n-ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、n-ヘキシル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n-オクチル(メタ)アクリレート、n-デシル(メタ)アクリレート、n-ドデシル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2-メトキシエチル(メタ)アクリレート、2-エトキシエチル(メタ)アクリレート、2-エトキシプロピル(メタ)アクリレート、3-エトキシプロピル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、2-(2-エトキシエトキシ)エチルアクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート及びイソデシルアクリレート又はそれらの混合物から選択される、請求項1又は2に記載の組成物。
【請求項4】
式III及び/又は式IVの前記アルカリ金属塩が、ナトリウムアクリレート、カリウムアクリレート、リチウムアクリレート、ペンテン酸ナトリウム塩、クロトン酸ナトリウム塩、2-ブテン二酸二ナトリウム塩及びカリウムクロトネート又はそれらの混合物から選択される、請求項1から3のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項5】
前記水溶性多価金属カチオンが、第二鉄カチオン、カルシウムカチオン、アルミニウムカチオン、マグネシウムカチオン又はそれらの混合物から選択される、請求項1から4のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項6】
前記重合開始剤が、過硫酸ナトリウム、過硫酸リチウム、過硫酸カリウム、過硫酸第二鉄、過硫酸マグネシウム、過硫酸アンモニウムから選択される少なくとも1種の酸化剤、及び亜硫酸ナトリウム、重亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カリウム、重亜硫酸カリウム、亜硫酸リチウム、重亜硫酸リチウム、亜硫酸アンモニウム、重亜硫酸アンモニウム、硫酸第一鉄、塩化第一鉄から選択される少なくとも1種の還元剤から構成されるレドックス開始剤であり、酸化剤と還元剤のモル比が1~1.2である、請求項1から5のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項7】
前記重合開始剤が、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル及びベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインフェニルエーテル及びベンゾインアセテート、アセトフェノン、2,2-ジメトキシアセトフェノン及び1-ジクロロアセトフェノン、ベンジルジメチルケタール及びベンジルジエチルケタール、2-メチルアントラキノン、2-エチルアントラキノン、2-tert-ブチルアントラキノン、1-クロロアントラキノン及び2-アミルアントラキノン、2,4,6-トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、ベンゾフェノン及び4,4’-ビス(N,N’-ジメチル-アミノ)ベンゾフェノン、1-クロロ-4-プロポキシ-9H-チオキサンテン-9-オン、2-クロロチオキサンテン-9-オン、2,4-ジエチル-9H-チオキサンテン-9-オン、イソプロピル-9H-チオキサンテン-9-オン、10-メチルフェノチアジン、チオキサンテン-9-オン、9(10H)-アクリダノン、1-フェニル-1,2-プロパンジオン-2-O-ベンゾイルオキシム、1-アミノフェニルケトン、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、フェニル-1-ヒドロキシイソプロピルケトン及び4-イソプロピルフェニル-1-ヒドロキシイソプロピルケトン又はそれらの混合物から選択されるUV光開始剤である、請求項1から5のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項8】
少なくとも1種の重合抑制剤が、2,2,6,6-テトラメチル-1-ピペリジニルオキシ、ブチル化ヒドロキシトルエン、モノ-tert-ブチルヒドロキノン、ターシャリーブチルヒドロキノン、ジ-tert-ブチルヒドロキノン、p-ベンゾキノン、o-ベンゾキノン、ニトロベンゼン、ジニトロクロロベンゼン、ベータナフチルアミン、塩化第二鉄、塩化銅、2,2-ジフェニル-2,4,6-トリニトロフェニルヒドラジン、ヒドロキノン、メチルヒドロキノン、tertブチルヒドロキノン及び2,5-ジ-tert-ブチルヒドロキノン、4-メトキシフェノール、p-tert-ブチルカテコール又はそれらの混合物から選択される、請求項1から7のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項9】
前記組成物の動的粘度が、25℃で101.325KPaで、0.01Pa・s~0.1Pa・sである、請求項1から8のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項10】
i)構築材料を分配する工程であって、前記構築材料が組立材料組成物及びサポート材料組成物を含み、前記サポート材料組成物が、請求項1から9のいずれか一項に記載の組成物を含む、工程、
ii)工程i)で分配された層を硬化させる工程、
iii)工程i)及びii)を繰り返して、物体の形状に対応する構成パターンで複数の層を連続して形成する工程、及び
iv)前記構築材料から前記サポート材料を除去する工程、を含む、立体物を作製する方法。
【請求項11】
前記重合開始剤がレドックス開始剤であり、工程i)で分配された前記層の硬化が加熱によって行われる、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
加熱の温度が25℃~100℃である、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記重合開始剤がUV光開始剤であり、工程i)で分配された前記層の硬化がUV光によって行われる、請求項10に記載の方法。
【請求項14】
前記UV光が300ナノメートル~400ナノメートルの波長を有する、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
硬化したサポート材料を酸性水溶液と接触させることにより、前記サポート材料を除去する、請求項10から14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
前記酸性水溶液が、硫酸、酢酸、塩酸、硝酸、トリフルオロ酢酸、リン酸、プロピオン酸、乳酸、リン酸、グリコール酸、過塩素酸、塩素酸、フルオロケイ酸、過マンガン酸、メタリン酸又はその混合物を含む、請求項15に記載の方法
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、3D(3次元)印刷用のサポート材料を形成するための組成物、及び3D印刷プロセスにおける前記組成物の適用、及び得られる3D物体に関する。
【背景技術】
【0002】
3D(3次元)印刷は、コンピュータープログラムの制御下で3次元の物体を形成する積層造形(additive manufacturing)技術である。3D印刷の材料には、主に熱可塑性プラスチック、UV光硬化性樹脂、ゴム、金属、セラミックなどが含まれる。UV光硬化性樹脂の3D印刷には、インクジェットプリンタシステム(IPS)、光造形(SLA)及び連続液体界面製造(Continuous Liquid Interface Production)(CLIP)などの技術がしばしば使用される。
【0003】
IPS及びSLA技術では、構築材料(build material)は、液体中で印刷されてUV光で急速に硬化するUV光硬化性樹脂である。物体が中空構造や高度な張り出しなどの複雑な形状を有する場合、印刷プロセスの間に構築材料を所定の位置に保持するためのサポート材料が必要である。印刷が終了した後、サポート材料は物体から除去される。そのような除去が困難な場合、寸法の不正確さ、さらには物体の形状の歪みを引き起こすおそれがある。従って、容易に除去可能なサポート材料は、高解像度印刷に不可欠である。
【0004】
IPS技術では、UV光硬化性ポリマーを骨格の表面上に極めて薄い層で噴霧し、その層を直ちにUV光で硬化させる。複雑な幾何形状のためのサポート材料は、その後除去される。SLA技術では、UV光硬化性ポリマー樹脂のバット(vat)上にUVレーザーを集束させ、予め設定された設計プログラムに従って、UV光硬化性ポリマーバットの表面上に形状を描く。UV光と接触したUV光硬化性ポリマーを硬化させて単層を形成し、このようなプロセスを繰り返して3D物体に到達させる。SLA技術は、ボトムアップ印刷における重力による構築材料のたわみを防ぐためのサポート材料を必要とする。
【0005】
米国特許第2007/0168815A1号は、少なくとも1種の非反応性及び低毒性成分、少なくとも1種の界面活性剤、及び少なくとも1種の安定剤、及びさらに少なくとも1種の反応性成分及び少なくとも1種のUV光開始剤を含む、3D物体の構築における支持に適した組成物を開示した。組成物は、インクジェットプリンタでの使用に適合するように配合される。より詳細には、様々な動的弾性率を有する「第一の界面材料」及び「第二の界面材料」が、別個のノズルから噴射され、様々な比率で組み合わされて構成層、支持層及び剥離層を形成する。例えば、構成層よりも低い動的弾性率を有する支持層を製造するために、30~70%の第一の界面材料と70~30%の第二の界面材料とを含む組み合わせが使用される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】米国特許第2007/0168815A1号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
米国特許第2007/0168815A1号の技術は、「第一の界面材料」及び「第二の界面材料」の2つの配合物をそれぞれ調製し、且つサポート材料に到達するように2つの配合物の比率を調整する必要があり、これは適用を複雑にする。さらに、このような配合物はインクジェットプリンタ用に設計されているので、SLAなどの他の3D印刷技術には適用することができない。さらに、米国特許第2007/0168815A1号には、支持層及び/又は剥離層を構成層から除去する実験データがなく、実施形態に、例えば、第二の界面材料が剥離層を形成するように配合されて、その支持体から立体物を手動で容易に分離又は洗浄できるようになることが記載されているのみである。構成層から支持層及び/又は剥離層を除去するには、依然として手動で分離する必要があることが示されている。
【0008】
従って、調製及び構築材料からの除去が容易であり、様々な3D印刷技術に適用可能である、3D印刷におけるサポート材料を形成するための組成物を提供することが、依然として必要である。
【課題を解決するための手段】
【0009】
発明の要約
一態様では、本発明は、以下の成分:
a) 10質量%~30質量%の、式I
【0010】
【化1】
(式中、Rは、カルボキシル基の置換を伴う又は伴わないC~Cアルケニル基である)で表わされる少なくとも1種のモノマー、
b)10質量%~30質量%の、式II
【0011】
【化2】
(式中、Rは、ヒドロキシ基、2-(2-エトキシエトキシ)基の置換を伴う又は伴わないC~C18アルキル基又はC~Cアルコキシ基、C~Cアルケニル基、シクロヘキシル基、又はテトラヒドロフルフリル基であり、RはC~Cアルキル基又はC~Cアルケニル基であり、R及びRの不飽和結合の総数は1である)の少なくとも1種のモノマー、
c)5~15質量%の、式III及び/又は式IV
【0012】
【化3】
【0013】
【化4】
(式中、Mはナトリウム、カリウム及びリチウムから選択されるアルカリ金属であり、R、R、R、R、R、R及びR10は、互いに独立して、水素、メチル又はエチル基であり、n、m、及びlは、互いに独立して0~3の整数である)の少なくとも1種のアルカリ金属塩、
d)0.5質量%~10質量%の少なくとも1種の水溶性多価金属カチオンを生成するための水溶性多価金属塩
e)1質量%~10質量%の少なくとも1種の重合開始剤、及び
f)20質量%~50質量%の水、
を含み、成分a)、b)、c)、d)又はe)の質量割合が、組成物の総質量に基づく、3D印刷におけるサポート材料を形成するための組成物を提供することである。

【0014】
別の態様では、本発明は、i)造形材料(model material)組成物及びサポート材料組成物を含む構築材料を分配する(dispensing)工程、ii)工程i)で分配された層を硬化させる工程、iii)工程i)及びii)を繰り返して、物体の形状に対応する構成パターンで複数の層を連続して形成する工程、及びiv)構築材料からサポート材料を除去する工程、を含む、立体物を作製する方法である。
【0015】
さらなる態様では、本発明は、立体物を作製する方法によって得られる立体物である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
技術的な課題
インクジェットプリンタシステム(IPS)、光造形(SLA)などの3D印刷技術は、構築材料としてUV光硬化性ポリマーを使用し、複雑な形状を有する物体を印刷するためにサポート材料を必要とする。サポート材料は、硬化前の低い動粘度、速い硬化速度、硬化後の十分な機械的性質及び構築材料からの容易な除去など、多くの要件を満たす必要がある。しかし、最新技術では、3D印刷技術におけるあらゆる要件を満たすことができるサポート材料を提供していなかった。
【0017】
課題の解決策
最新技術、すなわち膨潤及び/又は手動での分離によるサポート材料の除去と比較して、本発明は、酸性水溶液に速く且つ完全に溶解し、同時に動的弾性率のような機械的性質を十分に有するサポート材料を形成する組成物を提供する。
【0018】
本発明において核心となる化学は、アクリル酸中の多価金属カチオンとカルボキシル基との間の配位である。Fe3+のような多価金属カチオンは物理的架橋剤の役目を務め、これによって硬化した組成物は十分な機械的性質を有することとなる。同時に、多価金属カチオンは、酸性水溶液により、又は多価金属カチオンとの相互作用力がカルボキシル基よりも強いキレート化の配位子化合物を含有する他の溶液により、速く溶解する。「物理的架橋」という用語は、架橋が化学結合の代わりに分子間力を介して形成されることを意味する。「キレート化の配位子化合物」という用語は、中心金属カチオンに結合して配位錯体を形成するイオン又は分子又は官能基を意味する。
【0019】
式Iのモノマーは、架橋点、すなわち、多価金属カチオンとの物理的架橋のためのカルボキシル基を提供する。好ましくは、式Iのモノマーは、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、アリル酢酸、3-ブテン酸及び2-ヘプテン酸又はそれらの混合物から選択される。
【0020】
式Iのモノマーの質量割合は、組成物の総質量に基づいて10質量%から30質量%である。式Iのモノマーの含有量が10%未満である場合、組成物は硬化後、低い動的弾性率を有する傾向がある。式Iのモノマーの含有量が30%を超える場合、組成物は硬化前に、高い動的粘度を有する傾向があり、これによって印刷が困難になり、さらに硬化後の架橋度が高すぎて酸性水溶液中への溶解が遅く、不完全となる。
【0021】
式IIのモノマーは、架橋点、すなわち式Iのモノマーにより提供されるカルボキシル基を希釈するために導入される。好ましくは、式IIのモノマーは、アリルアクリレート、アリルメタクリレート、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n-プロピル(メタ)アクリレート、n-ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、n-ヘキシル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n-オクチル(メタ)アクリレート、n-デシル(メタ)アクリレート、n-ドデシル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2-メトキシエチル(メタ)アクリレート、2-エトキシエチル(メタ)アクリレート、2-エトキシプロピル(メタ)アクリレート、3-エトキシプロピル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、2-(2-エトキシエトキシ)エチルアクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート及びイソデシルアクリレート又はそれらの混合物から選択される。
【0022】
式IIのモノマーの質量割合は、組成物の総質量に基づいて10質量%から30質量%である。式IIのモノマーの含有量が10%未満である場合、組成物は硬化前に、高い動的粘度を有する傾向があり、印刷プロセスは困難となる。式IIのモノマーの含有量が30%を超える場合、架橋点、すなわち式Iのモノマーによって提供されるカルボキシル基が過剰に希釈され、これによって多価金属カチオンとの物理的架橋が弱まり、硬化した組成物が不十分な機械的性質を有することとなる。
【0023】
あらゆる水溶性の多価金属塩を、本発明における多価金属カチオンを生成するために使用することができる。「水溶性」という用語は、水100gに対する溶解度が、20℃で101.325KPaで1g以上であることを意味する。水に溶解した後、カルボキシル基間の物理的架橋において架橋剤の役目を務める遊離多価金属カチオンが形成される。好ましくは、水溶性多価金属カチオンは、第二鉄カチオン、カルシウムカチオン、アルミニウムカチオン、マグネシウムカチオン又はそれらの混合物から選択される。
【0024】
多価金属カチオンの質量割合は、組成物の総質量に基づいて0.5質量%から5質量%である。多価金属カチオンの含有量が0.5%未満である場合、架橋度が低すぎて十分な機械的性質を有するサポート材料が形成されない。多価金属カチオンの含有量が5%を超える場合、架橋度が高すぎ、その結果としてサポート材料の酸性水溶液への速く完全な溶解が困難になる。
【0025】
多価金属カチオンを提供する化合物の例には、第二鉄(メタ)アクリレート、カルシウム(メタ)アクリレート、アルミニウム(メタ)アクリレート、マグネシウム(メタ)アクリレート、酢酸第二鉄、酢酸カルシウム、酢酸アルミニウム、酢酸マグネシウム、トリフルオロ酢酸第二鉄、トリフルオロ酢酸カルシウム、トリフルオロ酢酸アルミニウム、トリフルオロ酢酸マグネシウム、塩化第二鉄、塩化カルシウム、塩化アルミニウム、塩化マグネシウム、硫酸第二鉄及び硫酸アルミニウムが含まれる。
【0026】
式III及び/又は式IVのアルカリ金属塩は共重合に関与し、得られるポリマーは式III及び/又は式IVのアルカリ金属塩の繰り返し単位を含有する。このような繰り返し単位が存在することで、サポート材料は酸性水溶液にはるかに溶けやすくなる。式III及び/又は式IVのアルカリ金属塩の質量割合は、組成物の総質量に基づいて5質量%~15質量%である。式III及び/又は式IVのアルカリ金属塩の含有量が5%未満である場合、得られるサポート材料は酸性水溶液に溶解しにくい傾向がある。しかし、式III及び/又は式IVのアルカリ金属塩の含有量が15%を超える場合、式III及び/又は式IVのアルカリ金属塩は、水溶液から沈殿する傾向がある。
【0027】
好ましくは、式III及び/又は式IVのアルカリ金属塩は、ナトリウムアクリレート、カリウムアクリレート、リチウムアクリレート、ペンテン酸ナトリウム塩、クロトン酸ナトリウム塩、2-ブテン二酸二ナトリウム塩及びカリウムクロトネート又はそれらの混合物から選択される。
【0028】
組成物は、UV光重合又は熱重合のいずれかによって硬化させる。熱重合では、レドックス開始剤を使用して重合反応を引き起こす。好ましくは、重合開始剤は、過硫酸ナトリウム、過硫酸リチウム、過硫酸カリウム、過硫酸第二鉄、過硫酸マグネシウム、過硫酸アンモニウムから選択される少なくとも1種の酸化剤、及び亜硫酸ナトリウム、重亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カリウム、重亜硫酸カリウム、亜硫酸リチウム、重亜硫酸リチウム、亜硫酸アンモニウム、重亜硫酸アンモニウム、硫酸第一鉄、塩化第一鉄から選択される少なくとも1種の還元剤から構成されるレドックス開始剤であり、酸化剤と還元剤のモル比は1~1.2である。
【0029】
UV光重合では、UV光開始剤を使用して重合反応を引き起こす。好ましくは、重合開始剤は、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル及びベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインフェニルエーテル及びベンゾインアセテート、アセトフェノン、2,2-ジメトキシアセトフェノン及び1-ジクロロアセトフェノン、ベンジルジメチルケタール及びベンジルジエチルケタール、2-メチルアントラキノン、2-エチルアントラキノン、2-tert-ブチルアントラキノン、1-クロロアントラキノン及び2-アミルアントラキノン、2,4,6-トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、ベンゾフェノン及び4,4’-ビス(N,N’-ジメチル-アミノ)ベンゾフェノン、1-クロロ-4-プロポキシ-9H-チオキサンテン-9-オン、2-クロロチオキサンテン-9-オン、2,4-ジエチル-9H-チオキサンテン-9-オン、イソプロピル-9H-チオキサンテン-9-オン、10-メチルフェノチアジン、チオキサンテン-9-オン、9(10H)-アクリダノン、1-フェニル-1,2-プロパンジオン-2-O-ベンゾイルオキシム、1-アミノフェニルケトン、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、フェニル-1-ヒドロキシイソプロピルケトン及び4-イソプロピルフェニル-1-ヒドロキシイソプロピルケトン又はそれらの混合物から選択されるUV光開始剤である。
【0030】
ラジカル重合は硬化プロセスで起こる。重合開始剤は、モノマーがポリマー鎖に追加される場所である「重合反応の活性中心」を作る。「重合反応の活性中心」という用語は、モノマーと反応してオリゴマー又はポリマー鎖を成長させようとする活性ラジカルを有するモノマー、オリゴマー又はポリマー鎖の末端を意味する。熱によって活性化されるレドックス開始剤又はUV光によって活性化されるUV光開始剤のいずれかは、「重合反応の活性中心」を作る。本発明において、ラジカル重合は水溶液中で起こり、従って所定の割合の「重合反応の活性中心」は、酸素によってクエンチされる傾向がある。
【0031】
重合開始剤の質量割合は、組成物の総質量に基づいて2質量%~10質量%である。重合開始剤の含有量が2%より低い場合、「重合反応の活性中心」の濃度はすべてのモノマーを重合させるのに十分ではなく、従って得られるサポート材料は固体ではなく、構築材料に対して機械的支持を提供することができない。重合開始剤の含有量が10%を超える場合、重合開始剤が熱又はUV光によって引き起こされると、「重合反応の活性中心」の瞬間濃度が高くなる。重合開始剤とモノマーとの間の反応により大量の熱が放出され、これによってサポート材料が燃焼する傾向がある。
【0032】
様々なモノマーについて、重合反応の速度は変動する。また、様々な3D印刷技術について、印刷速度も異なる。重合反応の速度が印刷の速度よりも速い条件では、重合抑制剤が必要である。重合抑制剤によって生成されたラジカルは、モノマーと反応するよりもはるかに速く重合開始剤と反応する。重合開始剤が熱又はUV光によって引き起こされると、非常に短い時間内に重合開始剤のラジカルの濃度がピーク値に達し、重合反応が起こってすぐに終了するため、処理時間が非常に短くなる。重合抑制剤の添加は、重合開始剤のラジカル濃度のピーク値の到来を遅らせる。そのため、処理時間が長くなり、印刷が可能となる。
【0033】
好ましくは、重合抑制剤は、2,2,6,6-テトラメチル-1-ピペリジニルオキシ、ブチル化ヒドロキシトルエン、モノ-tert-ブチルヒドロキノン、ターシャリーブチルヒドロキノン、ジ-tert-ブチルヒドロキノン、p-ベンゾキノン、o-ベンゾキノン、ニトロベンゼン、ジニトロクロロベンゼン、ベータナフチルアミン、塩化第二鉄、塩化銅、2,2-ジフェニル-2,4,6-トリニトロフェニルヒドラジン、ヒドロキノン、メチルヒドロキノン、tertブチルヒドロキノン及び2,5-ジ-tert-ブチルヒドロキノン、4-メトキシフェノール、p-tert-ブチルカテコール又はそれらの混合物から選択される。好ましくは、重合抑制剤の量は、重合開始剤の質量に基づいて0.1質量%~1質量%である。
【0034】
サポート材料の組成物は、印刷前は液体状態である。「液体」という用語は、組成物の動的粘度が25℃で101.325KPaでわずか10Pa.sであることを意味する。液体サポート材料には、2つの要件、すなわち、第一にノズルから容易に流出すること、第二にノズルから絞り出された後に球状の液滴を形成すること、を同時に満たすために、適切な範囲の動的粘度が必要である。本発明において、組成物の動的粘度は、25℃で101.325KPaで0.01Pa・s~0.1Pa・sである。動的粘度が0.01Pa・sより低い場合、液体サポート材料は、ノズルから絞り出された後に広がる傾向がある。動的粘度が0.1Paより高い場合、液体サポート材料はノズルから絞り出されにくい傾向がある。
【0035】
本発明はまた、i)造形材料組成物及びサポート材料組成物を含む構築材料を分配する工程であって、そのサポート材料組成物が本発明の組成物を含む工程、ii)工程i)で分配された層を硬化させる工程、iii)工程i)及びii)を繰り返して、物体の形状に対応する構成パターンで複数の層を連続して形成する工程、及びiv)構築材料からサポート材料を除去する工程、を含む、立体物を作製する方法を提供する。
【0036】
本発明の方法の工程ii)において、構築材料を熱によって硬化させる場合、重合開始剤はレドックス開始剤であり、工程i)で分配された層の硬化は加熱によって行われる。好ましくは、加熱温度は25℃~100℃である。構築材料をUV光で硬化させる場合、重合開始剤はUV光開始剤であり、工程i)で分配された層の硬化はUV光によって行われる。好ましくは、UV光は300ナノメートル~400ナノメートルの波長を有する。
【0037】
本発明の方法の工程iv)において、硬化したサポート材料を酸性水溶液と接触させることにより、サポート材料を除去する。好ましくは、前記酸性水溶液は、硫酸、酢酸、塩酸、硝酸、トリフルオロ酢酸、リン酸、プロピオン酸、乳酸、リン酸、グリコール酸、過塩素酸、塩素酸、フルオロケイ酸、過マンガン酸、メタリン酸又はその混合物を含む。
【0038】
従来技術と比較して、本発明のサポート材料は、最初に手動で除去する必要がない。酸性水溶液は、造形材料に影響を与えることなく、サポート材料を完全に溶解することができる。また、溶解速度は温度、酸の濃度、及び攪拌などの他の要因に依存する。より高い温度、より高い酸の濃度及び攪拌によって、溶解がより速くなる。ここでの攪拌は、手動又は機械的又は磁気的攪拌のいずれかである。
【0039】
本発明はまた、本発明の方法によって得られる立体物を提供する。
【0040】
技術的効果
印刷及び硬化後、本発明のサポート材料は、手動での分離なしで、酸性水溶液によって構築材料から容易に且つ完全に除去される。同時に、酸性水溶液は造形材料に対する影響を有しない。手動での除去の欠点は、造形材料に施与される力が、特に精密な構造の3次元物体の形状又は幾何構造をゆがめやすいことである。本発明のサポート材料は、前記の精密な構造に対して起こりうるあらゆる害を回避する。
【0041】
濃度が10質量%の酸性水溶液中で、本発明のサポート材料は、攪拌なしで20℃で4時間以内に完全に溶解する。温度が40℃で、手動での攪拌が使用される場合、サポート材料は同じ酸性水溶液に30分以内に溶解する。
【0042】
同時に、本発明の組成物は、ノズルから容易に絞り出され、熱又はUV光によって直ちに硬化する。硬化した組成物の動的弾性率は24KPaを超え、これは、印刷プロセスの間に造形材料を支持するのに十分である。
【0043】
実施形態
第1の実施形態は、a)10質量%~30質量%の、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、アリル酢酸、3-ブテン酸及び2-ヘプテン酸から選択される少なくとも1種、b)10質量%~30質量%の、アリルアクリレート、アリルメタクリレート、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n-プロピル(メタ)アクリレート、n-ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、n-ヘキシル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n-オクチル(メタ)アクリレート、n-デシル(メタ)アクリレート、n-ドデシル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2-メトキシエチル(メタ)アクリレート、2-エトキシエチル(メタ)アクリレート、2-エトキシプロピル(メタ)アクリレート、3-エトキシプロピル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、2-(2-エトキシエトキシ)エチルアクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート及びイソデシルアクリレートから選択される少なくとも1種、c)5質量%~15質量%の、ナトリウムアクリレート、カリウムアクリレート、リチウムアクリレート、ペンテン酸ナトリウム、クロトン酸ナトリウム、2-ブテン二酸二ナトリウム塩及びカリウムクロトネートから選択される少なくとも1種、d)0.5質量%~10質量%の、第二鉄(メタ)アクリレート、カルシウム(メタ)アクリレート、アルミニウム(メタ)アクリレート、マグネシウム(メタ)アクリレート、酢酸第二鉄、酢酸カルシウム、酢酸アルミニウム、酢酸マグネシウム、トリフルオロ酢酸第二鉄、トリフルオロ酢酸カルシウム、トリフルオロ酢酸アルミニウム、トリフルオロ酢酸マグネシウム、塩化第二鉄、塩化カルシウム、塩化アルミニウム、塩化マグネシウム、硫酸第二鉄及び硫酸アルミニウム又はそれらの混合物によって提供される第二鉄カチオン、カルシウムカチオン、アルミニウムカチオン及びマグネシウムカチオンから選択される少なくとも1種、e)1質量%~10質量%の、過硫酸ナトリウム、過硫酸リチウム、過硫酸カリウム、過硫酸第二鉄、過硫酸マグネシウム、過硫酸アンモニウムから選択される少なくとも1種の酸化剤、及び亜硫酸ナトリウム、重亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カリウム、重亜硫酸カリウム、亜硫酸リチウム、重亜硫酸リチウム、亜硫酸アンモニウム、重亜硫酸アンモニウム、硫酸第一鉄、塩化第一鉄から選択される少なくとも1種の還元剤から構成されるレドックス開始剤であって、酸化剤と還元剤のモル比が1~1.2であるレドックス開始剤、f)20質量%~50質量%の水、を含む組成物である。
【0044】
第2の実施形態は、a)10質量%~30質量%の、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、アリル酢酸、3-ブテン酸及び2-ヘプテン酸から選択される少なくとも1種、b)10質量%~30質量%の、アリルアクリレート、アリルメタクリレート、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n-プロピル(メタ)アクリレート、n-ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、n-ヘキシル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n-オクチル(メタ)アクリレート、n-デシル(メタ)アクリレート、n-ドデシル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2-メトキシエチル(メタ)アクリレート、2-エトキシエチル(メタ)アクリレート、2-エトキシプロピル(メタ)アクリレート、3-エトキシプロピル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、2-(2-エトキシエトキシ)エチルアクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート及びイソデシルアクリレートから選択される少なくとも1種、c)5質量%~15質量%の、ナトリウムアクリレート、カリウムアクリレート、リチウムアクリレート、ペンテン酸ナトリウム、クロトン酸ナトリウム、2-ブテン二酸二ナトリウム塩及びカリウムクロトネートから選択される少なくとも1種、d)0.5質量%~10質量%の、第二鉄(メタ)アクリレート、カルシウム(メタ)アクリレート、アルミニウム(メタ)アクリレート、マグネシウム(メタ)アクリレート、酢酸第二鉄、酢酸カルシウム、酢酸アルミニウム、酢酸マグネシウム、トリフルオロ酢酸第二鉄、トリフルオロ酢酸カルシウム、トリフルオロ酢酸アルミニウム、トリフルオロ酢酸マグネシウム、塩化第二鉄、塩化カルシウム、塩化アルミニウム、塩化マグネシウム、硫酸第二鉄及び硫酸アルミニウム又はそれらの混合物によって提供される第二鉄カチオン、カルシウムカチオン、アルミニウムカチオン及びマグネシウムカチオンから選択される少なくとも1種、e)1質量%~10質量%の、過硫酸ナトリウム、過硫酸リチウム、過硫酸カリウム、過硫酸第二鉄、過硫酸マグネシウム、過硫酸アンモニウムから選択される少なくとも1種の酸化剤、及び亜硫酸ナトリウム、重亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カリウム、重亜硫酸カリウム、亜硫酸リチウム、重亜硫酸リチウム、亜硫酸アンモニウム、重亜硫酸アンモニウム、硫酸第一鉄、塩化第一鉄から選択される少なくとも1種の還元剤から構成されるレドックス開始剤であって、酸化剤と還元剤のモル比が1~1.2であるレドックス開始剤、f)30質量%~50質量%の水、を含む組成物である。
【0045】
第3の実施形態は、a)10質量%~30質量%の、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、アリル酢酸、3-ブテン酸及び2-ヘプテン酸から選択される少なくとも1種、b)10質量%~30質量%の、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート及び3-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、n-ブチル(メタ)アクリレート、3-エトキシプロピル(メタ)アクリレート及び2-(2-エトキシエトキシ)エチルアクリレートから選択される少なくとも1種、c)5質量%~15質量%の、ナトリウムアクリレート、カリウムアクリレート、リチウムアクリレート、ペンテン酸ナトリウム、クロトン酸ナトリウム、2-ブテン二酸二ナトリウム塩及びカリウムクロトネートから選択される少なくとも1種、d)0.5質量%~10質量%の、第二鉄(メタ)アクリレート、カルシウム(メタ)アクリレート、アルミニウム(メタ)アクリレート、マグネシウム(メタ)アクリレート、酢酸第二鉄、酢酸カルシウム、酢酸アルミニウム、酢酸マグネシウム、トリフルオロ酢酸第二鉄、トリフルオロ酢酸カルシウム、トリフルオロ酢酸アルミニウム、トリフルオロ酢酸マグネシウム、塩化第二鉄、塩化カルシウム、塩化アルミニウム、塩化マグネシウム、硫酸第二鉄及び硫酸アルミニウム又はそれらの混合物によって提供される第二鉄カチオン、カルシウムカチオン、アルミニウムカチオン及びマグネシウムカチオンから選択される少なくとも1種、e)1質量%~10質量%の、過硫酸ナトリウム、過硫酸リチウム、過硫酸カリウム、過硫酸第二鉄、過硫酸マグネシウム、過硫酸アンモニウムから選択される少なくとも1種の酸化剤、及び亜硫酸ナトリウム、重亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カリウム、重亜硫酸カリウム、亜硫酸リチウム、重亜硫酸リチウム、亜硫酸アンモニウム、重亜硫酸アンモニウム、硫酸第一鉄、塩化第一鉄から選択される少なくとも1種の還元剤から構成されるレドックス開始剤であって、酸化剤と還元剤のモル比が1~1.2であるレドックス開始剤、f)30質量%~50質量%の水、を含む組成物である。
【0046】
第4の実施形態は、a)10質量%~30質量%の、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、アリル酢酸、3-ブテン酸及び2-ヘプテン酸から選択される少なくとも1種、b)10質量%~30質量%の、アリルアクリレート、アリルメタクリレート、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n-プロピル(メタ)アクリレート、n-ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、n-ヘキシル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n-オクチル(メタ)アクリレート、n-デシル(メタ)アクリレート、n-ドデシル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2-メトキシエチル(メタ)アクリレート、2-エトキシエチル(メタ)アクリレート、2-エトキシプロピル(メタ)アクリレート、3-エトキシプロピル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、2-(2-エトキシエトキシ)エチルアクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート及びイソデシルアクリレートから選択される少なくとも1種、c)5質量%~15質量%の、ナトリウムアクリレート、カリウムアクリレート、リチウムアクリレート、ペンテン酸ナトリウム、クロトン酸ナトリウム、2-ブテン二酸二ナトリウム塩及びカリウムクロトネートから選択される少なくとも1種、d)0.5質量%~10%質量%の、第二鉄(メタ)アクリレート、カルシウム(メタ)アクリレート、アルミニウム(メタ)アクリレート、酢酸第二鉄、酢酸カルシウム、酢酸アルミニウム、トリフルオロ酢酸第二鉄、トリフルオロ酢酸カルシウム、トリフルオロ酢酸アルミニウム、塩化第二鉄、塩化カルシウム、塩化アルミニウム、硫酸第二鉄及び硫酸アルミニウム又はそれらの混合物によって提供される第二鉄カチオン、アルミニウムカチオン及びカルシウムカチオンから選択される少なくとも1種、e)1質量%~10質量%の、過硫酸ナトリウム、過硫酸リチウム、過硫酸カリウム、過硫酸第二鉄、過硫酸マグネシウム、過硫酸アンモニウムから選択される少なくとも1種の酸化剤、及び亜硫酸ナトリウム、重亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カリウム、重亜硫酸カリウム、亜硫酸リチウム、重亜硫酸リチウム、亜硫酸アンモニウム、重亜硫酸アンモニウム、硫酸第一鉄、塩化第一鉄から選択される少なくとも1種の還元剤から構成されるレドックス開始剤であって、酸化剤と還元剤のモル比が1~1.2であるレドックス開始剤、f)30質量%~50質量%の水、を含む組成物である。
【0047】
第5の実施形態は、a)10質量%~30質量%の、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、アリル酢酸、3-ブテン酸及び2-ヘプテン酸から選択される少なくとも1種、b)10質量%~30質量%の、アリルアクリレート、アリルメタクリレート、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n-プロピル(メタ)アクリレート、n-ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、n-ヘキシル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n-オクチル(メタ)アクリレート、n-デシル(メタ)アクリレート、n-ドデシル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2-メトキシエチル(メタ)アクリレート、2-エトキシエチル(メタ)アクリレート、2-エトキシプロピル(メタ)アクリレート、3-エトキシプロピル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、2-(2-エトキシエトキシ)エチルアクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート及びイソデシルアクリレートから選択される少なくとも1種、c)5質量%~15質量%の、ナトリウムアクリレート、カリウムアクリレート、リチウムアクリレート、ペンテン酸ナトリウム、クロトン酸ナトリウム、2-ブテン二酸二ナトリウム塩及びカリウムクロトネートから選択される少なくとも1種、d)0.5質量%~10質量%の、第二鉄(メタ)アクリレート、カルシウム(メタ)アクリレート、アルミニウム(メタ)アクリレート、マグネシウム(メタ)アクリレート、酢酸第二鉄、酢酸カルシウム、酢酸アルミニウム、酢酸マグネシウム、トリフルオロ酢酸第二鉄、トリフルオロ酢酸カルシウム、トリフルオロ酢酸アルミニウム、トリフルオロ酢酸マグネシウム、塩化第二鉄、塩化カルシウム、塩化アルミニウム、塩化マグネシウム、硫酸第二鉄及び硫酸アルミニウム又はそれらの混合物によって提供される第二鉄カチオン、カルシウムカチオン、アルミニウムカチオン及びマグネシウムカチオンから選択される少なくとも1種、e)1質量%~10質量%の、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウムから選択される少なくとも1種の酸化剤、及び亜硫酸ナトリウム、重亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カリウム、重亜硫酸カリウムから選択される少なくとも1種の還元剤から構成されるレドックス開始剤であって、酸化剤と還元剤のモル比が1~1.2であるレドックス開始剤、f)30質量%~50質量%の水、を含む組成物である。
【0048】
第6の実施形態は、a)10質量%~30質量%の、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、アリル酢酸、3-ブテン酸及び2-ヘプテン酸から選択される少なくとも1種、b)10質量%~30質量%の、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート及び3-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、n-ブチル(メタ)アクリレート、3-エトキシプロピル(メタ)アクリレート及び2-(2-エトキシエトキシ)エチルアクリレートから選択される少なくとも1種、c)5質量%~15質量%の、ナトリウムアクリレート、カリウムアクリレート、リチウムアクリレート、ペンテン酸ナトリウム、クロトン酸ナトリウム、2-ブテン二酸二ナトリウム塩及びカリウムクロトネートから選択される少なくとも1種、d)0.5質量%~10%質量%の、第二鉄(メタ)アクリレート、カルシウム(メタ)アクリレート、アルミニウム(メタ)アクリレート、酢酸第二鉄、酢酸カルシウム、酢酸アルミニウム、トリフルオロ酢酸第二鉄、トリフルオロ酢酸カルシウム、トリフルオロ酢酸アルミニウム、塩化第二鉄、塩化カルシウム、塩化アルミニウム、硫酸第二鉄及び硫酸アルミニウム又はそれらの混合物によって提供される第二鉄カチオン、アルミニウムカチオン及びカルシウムカチオンから選択される少なくとも1種、e)1質量%~10質量%の、過硫酸ナトリウム、過硫酸リチウム、過硫酸カリウム、過硫酸第二鉄、過硫酸マグネシウム、過硫酸アンモニウムから選択される少なくとも1種の酸化剤、及び亜硫酸ナトリウム、重亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カリウム、重亜硫酸カリウム、亜硫酸リチウム、重亜硫酸リチウム、亜硫酸アンモニウム、重亜硫酸アンモニウム、硫酸第一鉄、塩化第一鉄から選択される少なくとも1種の還元剤から構成されるレドックス開始剤であって、酸化剤と還元剤のモル比が1~1.2であるレドックス開始剤、f)30質量%~50質量%の水、を含む組成物である。
【0049】
第7の実施形態は、a)10質量%~30質量%の、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、アリル酢酸、3-ブテン酸及び2-ヘプテン酸から選択される少なくとも1種、b)10質量%~30質量%の、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート及び3-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、n-ブチル(メタ)アクリレート、3-エトキシプロピル(メタ)アクリレート及び2-(2-エトキシエトキシ)エチルアクリレートから選択される少なくとも1種、c)5質量%~15質量%の、ナトリウムアクリレート、カリウムアクリレート、リチウムアクリレート、ペンテン酸ナトリウム、クロトン酸ナトリウム、2-ブテン二酸二ナトリウム塩及びカリウムクロトネートから選択される少なくとも1種、d)0.5質量%~10質量%の、第二鉄(メタ)アクリレート、カルシウム(メタ)アクリレート、アルミニウム(メタ)アクリレート、マグネシウム(メタ)アクリレート、酢酸第二鉄、酢酸カルシウム、酢酸アルミニウム、酢酸マグネシウム、トリフルオロ酢酸第二鉄、トリフルオロ酢酸カルシウム、トリフルオロ酢酸アルミニウム、トリフルオロ酢酸マグネシウム、塩化第二鉄、塩化カルシウム、塩化アルミニウム、塩化マグネシウム、硫酸第二鉄及び硫酸アルミニウム又はそれらの混合物によって提供される第二鉄カチオン、カルシウムカチオン、アルミニウムカチオン及びマグネシウムカチオンから選択される少なくとも1種、e)1質量%~10質量%の、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウムから選択される少なくとも1種の酸化剤、及び亜硫酸ナトリウム、重亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カリウム、重亜硫酸カリウムから選択される少なくとも1種の還元剤から構成されるレドックス開始剤であって、酸化剤と還元剤のモル比が1~1.2であるレドックス開始剤、f)30質量%~50質量%の水、を含む組成物である。
【0050】
第8の実施形態は、a)10質量%~30質量%の、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、アリル酢酸、3-ブテン酸及び2-ヘプテン酸から選択される少なくとも1種、b)10質量%~30質量%の、アリルアクリレート、アリルメタクリレート、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n-プロピル(メタ)アクリレート、n-ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、n-ヘキシル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n-オクチル(メタ)アクリレート、n-デシル(メタ)アクリレート、n-ドデシル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2-メトキシエチル(メタ)アクリレート、2-エトキシエチル(メタ)アクリレート、2-エトキシプロピル(メタ)アクリレート、3-エトキシプロピル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、2-(2-エトキシエトキシ)エチルアクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート及びイソデシルアクリレートから選択される少なくとも1種、c)5質量%~15質量%の、ナトリウムアクリレート、カリウムアクリレート、リチウムアクリレート、ペンテン酸ナトリウム、クロトン酸ナトリウム、2-ブテン二酸二ナトリウム塩及びカリウムクロトネートから選択される少なくとも1種、d)0.5質量%~10%質量%の、第二鉄(メタ)アクリレート、カルシウム(メタ)アクリレート、アルミニウム(メタ)アクリレート、酢酸第二鉄、酢酸カルシウム、酢酸アルミニウム、トリフルオロ酢酸第二鉄、トリフルオロ酢酸カルシウム、トリフルオロ酢酸アルミニウム、塩化第二鉄、塩化カルシウム、塩化アルミニウム、硫酸第二鉄及び硫酸アルミニウム又はそれらの混合物によって提供される第二鉄カチオン、アルミニウムカチオン及びカルシウムカチオンから選択される少なくとも1種、e)1質量%~10質量%の、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウムから選択される少なくとも1種の酸化剤、及び亜硫酸ナトリウム、重亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カリウム、重亜硫酸カリウムから選択される少なくとも1種の還元剤から構成されるレドックス開始剤であって、酸化剤と還元剤のモル比が1~1.2であるレドックス開始剤、f)30質量%~50質量%の水、を含む組成物である。
【0051】
第9の実施形態は、a)10質量%~30質量%の、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、アリル酢酸、3-ブテン酸及び2-ヘプテン酸から選択される少なくとも1種、b)10質量%~30質量%の、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート及び3-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、n-ブチル(メタ)アクリレート、3-エトキシプロピル(メタ)アクリレート及び2-(2-エトキシエトキシ)エチルアクリレートから選択される少なくとも1種、c)5質量%~15質量%の、ナトリウムアクリレート、カリウムアクリレート、リチウムアクリレート、ペンテン酸ナトリウム、クロトン酸ナトリウム、2-ブテン二酸二ナトリウム塩及びカリウムクロトネートから選択される少なくとも1種、d)0.5質量%~10%質量%の、第二鉄(メタ)アクリレート、カルシウム(メタ)アクリレート、アルミニウム(メタ)アクリレート、酢酸第二鉄、酢酸カルシウム、酢酸アルミニウム、トリフルオロ酢酸第二鉄、トリフルオロ酢酸カルシウム、トリフルオロ酢酸アルミニウム、塩化第二鉄、塩化カルシウム、塩化アルミニウム、硫酸第二鉄及び硫酸アルミニウム又はそれらの混合物によって提供される第二鉄カチオン、アルミニウムカチオン及びカルシウムカチオンから選択される少なくとも1種、e)1質量%~10質量%の、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウムから選択される少なくとも1種の酸化剤、及び亜硫酸ナトリウム、重亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カリウム、重亜硫酸カリウムから選択される少なくとも1種の還元剤から構成されるレドックス開始剤であって、酸化剤と還元剤のモル比が1~1.2であるレドックス開始剤、f)30質量%~50質量%の水、を含む組成物である。
【0052】
第10の実施形態は、a)10質量%~30質量%の、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、アリル酢酸、3-ブテン酸及び2-ヘプテン酸から選択される少なくとも1種、b)10質量%~30質量%の、アリルアクリレート、アリルメタクリレート、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n-プロピル(メタ)アクリレート、n-ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、n-ヘキシル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n-オクチル(メタ)アクリレート、n-デシル(メタ)アクリレート、n-ドデシル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2-メトキシエチル(メタ)アクリレート、2-エトキシエチル(メタ)アクリレート、2-エトキシプロピル(メタ)アクリレート、3-エトキシプロピル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、2-(2-エトキシエトキシ)エチルアクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート及びイソデシルアクリレートから選択される少なくとも1種、c)5質量%~15質量%の、ナトリウムアクリレート、カリウムアクリレート、リチウムアクリレート、ペンテン酸ナトリウム、クロトン酸ナトリウム、2-ブテン二酸二ナトリウム塩及びカリウムクロトネートから選択される少なくとも1種、d)0.5質量%~10質量%の、第二鉄(メタ)アクリレート、カルシウム(メタ)アクリレート、アルミニウム(メタ)アクリレート、マグネシウム(メタ)アクリレート、酢酸第二鉄、酢酸カルシウム、酢酸アルミニウム、酢酸マグネシウム、トリフルオロ酢酸第二鉄、トリフルオロ酢酸カルシウム、トリフルオロ酢酸アルミニウム、トリフルオロ酢酸マグネシウム、塩化第二鉄、塩化カルシウム、塩化アルミニウム、塩化マグネシウム、硫酸第二鉄及び硫酸アルミニウム又はそれらの混合物によって提供される第二鉄カチオン、カルシウムカチオン、アルミニウムカチオン及びマグネシウムカチオンから選択される少なくとも1種、e)1質量%~10質量%の、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル及びベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインフェニルエーテル及びベンゾインアセテート、アセトフェノン、2,2-ジメトキシアセトフェノン及び1-ジクロロアセトフェノン、ベンジルジメチルケタール及びベンジルジエチルケタール、2-メチルアントラキノン、2-エチルアントラキノン、2-tert-ブチルアントラキノン、1-クロロアントラキノン及び2-アミルアントラキノン、2,4,6-トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、ベンゾフェノン及び4,4’-ビス(N,N’-ジメチル-アミノ)ベンゾフェノン、1-クロロ-4-プロポキシ-9H-チオキサンテン-9-オン、2-クロロチオキサンテン-9-オン、2,4-ジエチル-9H-チオキサンテン-9-オン、イソプロピル-9H-チオキサンテン-9-オン、10-メチルフェノチアジン、チオキサンテン-9-オン、9(10H)-アクリダノン、1-フェニル-1,2-プロパンジオン-2-O-ベンゾイルオキシム、1-アミノフェニルケトン、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、フェニル-1-ヒドロキシイソプロピルケトン及び4-イソプロピルフェニル-1-ヒドロキシイソプロピルケトンから選択される少なくとも1種、f)20質量%~50質量%の水、を含む組成物である。
【0053】
第11の実施形態は、a)10質量%~30質量%の、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、アリル酢酸、3-ブテン酸及び2-ヘプテン酸から選択される少なくとも1種、b)10質量%~30質量%の、アリルアクリレート、アリルメタクリレート、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n-プロピル(メタ)アクリレート、n-ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、n-ヘキシル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n-オクチル(メタ)アクリレート、n-デシル(メタ)アクリレート、n-ドデシル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2-メトキシエチル(メタ)アクリレート、2-エトキシエチル(メタ)アクリレート、2-エトキシプロピル(メタ)アクリレート、3-エトキシプロピル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、2-(2-エトキシエトキシ)エチルアクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート及びイソデシルアクリレートから選択される少なくとも1種、c)5質量%~15質量%の、ナトリウムアクリレート、カリウムアクリレート、リチウムアクリレート、ペンテン酸ナトリウム、クロトン酸ナトリウム、2-ブテン二酸二ナトリウム塩及びカリウムクロトネートから選択される少なくとも1種、d)0.5質量%~10質量%の、第二鉄(メタ)アクリレート、カルシウム(メタ)アクリレート、アルミニウム(メタ)アクリレート、マグネシウム(メタ)アクリレート、酢酸第二鉄、酢酸カルシウム、酢酸アルミニウム、酢酸マグネシウム、トリフルオロ酢酸第二鉄、トリフルオロ酢酸カルシウム、トリフルオロ酢酸アルミニウム、トリフルオロ酢酸マグネシウム、塩化第二鉄、塩化カルシウム、塩化アルミニウム、塩化マグネシウム、硫酸第二鉄及び硫酸アルミニウム又はそれらの混合物によって提供される第二鉄カチオン、カルシウムカチオン、アルミニウムカチオン及びマグネシウムカチオンから選択される少なくとも1種、e)1質量%~10質量%の、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル及びベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインフェニルエーテル及びベンゾインアセテート、アセトフェノン、2,2-ジメトキシアセトフェノン及び1-ジクロロアセトフェノン、ベンジルジメチルケタール及びベンジルジエチルケタール、2-メチルアントラキノン、2-エチルアントラキノン、2-tert-ブチルアントラキノン、1-クロロアントラキノン及び2-アミルアントラキノン、2,4,6-トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、ベンゾフェノン及び4,4’-ビス(N,N’-ジメチル-アミノ)ベンゾフェノン、1-クロロ-4-プロポキシ-9H-チオキサンテン-9-オン、2-クロロチオキサンテン-9-オン、2,4-ジエチル-9H-チオキサンテン-9-オン、イソプロピル-9H-チオキサンテン-9-オン、10-メチルフェノチアジン、チオキサンテン-9-オン、9(10H)-アクリダノン、1-フェニル-1,2-プロパンジオン-2-O-ベンゾイルオキシム、1-アミノフェニルケトン、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、フェニル-1-ヒドロキシイソプロピルケトン及び4-イソプロピルフェニル-1-ヒドロキシイソプロピルケトンから選択される少なくとも1種、f)20質量%~40質量%の水、を含む組成物である。
第12の実施形態は、a)10質量%~30質量%の、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、アリル酢酸、3-ブテン酸及び2-ヘプテン酸から選択される少なくとも1種、b)10質量%~30質量%の、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート及び3-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートから選択される少なくとも1種、c)5質量%~15質量%の、ナトリウムアクリレート、カリウムアクリレート、リチウムアクリレート、ペンテン酸ナトリウム、クロトン酸ナトリウム、2-ブテン二酸二ナトリウム塩及びカリウムクロトネートから選択される少なくとも1種、d)0.5質量%~10質量%の、第二鉄(メタ)アクリレート、カルシウム(メタ)アクリレート、アルミニウム(メタ)アクリレート、マグネシウム(メタ)アクリレート、酢酸第二鉄、酢酸カルシウム、酢酸アルミニウム、酢酸マグネシウム、トリフルオロ酢酸第二鉄、トリフルオロ酢酸カルシウム、トリフルオロ酢酸アルミニウム、トリフルオロ酢酸マグネシウム、塩化第二鉄、塩化カルシウム、塩化アルミニウム、塩化マグネシウム、硫酸第二鉄及び硫酸アルミニウム又はそれらの混合物によって提供される第二鉄カチオン、カルシウムカチオン、アルミニウムカチオン及びマグネシウムカチオンから選択される少なくとも1種、e)1質量%~10質量%の、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル及びベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインフェニルエーテル及びベンゾインアセテート、アセトフェノン、2,2-ジメトキシアセトフェノン及び1-ジクロロアセトフェノン、ベンジルジメチルケタール及びベンジルジエチルケタール、2-メチルアントラキノン、2-エチルアントラキノン、2-tert-ブチルアントラキノン、1-クロロアントラキノン及び2-アミルアントラキノン、2,4,6-トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、ベンゾフェノン及び4,4’-ビス(N,N’-ジメチル-アミノ)ベンゾフェノン、1-クロロ-4-プロポキシ-9H-チオキサンテン-9-オン、2-クロロチオキサンテン-9-オン、2,4-ジエチル-9H-チオキサンテン-9-オン、イソプロピル-9H-チオキサンテン-9-オン、10-メチルフェノチアジン、チオキサンテン-9-オン、9(10H)-アクリダノン、1-フェニル-1,2-プロパンジオン-2-O-ベンゾイルオキシム、1-アミノフェニルケトン、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、フェニル-1-ヒドロキシイソプロピルケトン及び4-イソプロピルフェニル-1-ヒドロキシイソプロピルケトンから選択される少なくとも1種、f)20質量%~40質量%の水、を含む組成物である。
【0054】
第13の実施形態は、a)10質量%~30質量%の、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、アリル酢酸、3-ブテン酸及び2-ヘプテン酸から選択される少なくとも1種、b)10質量%~30質量%の、アリルアクリレート、アリルメタクリレート、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n-プロピル(メタ)アクリレート、n-ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、n-ヘキシル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n-オクチル(メタ)アクリレート、n-デシル(メタ)アクリレート、n-ドデシル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2-メトキシエチル(メタ)アクリレート、2-エトキシエチル(メタ)アクリレート、2-エトキシプロピル(メタ)アクリレート、3-エトキシプロピル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、2-(2-エトキシエトキシ)エチルアクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート及びイソデシルアクリレートから選択される少なくとも1種、c)5質量%~15質量%の、ナトリウムアクリレート、カリウムアクリレート、リチウムアクリレート、ペンテン酸ナトリウム、クロトン酸ナトリウム、2-ブテン二酸二ナトリウム塩及びカリウムクロトネートから選択される少なくとも1種、d)0.5質量%~10%質量%の、第二鉄(メタ)アクリレート、カルシウム(メタ)アクリレート、アルミニウム(メタ)アクリレート、酢酸第二鉄、酢酸カルシウム、酢酸アルミニウム、トリフルオロ酢酸第二鉄、トリフルオロ酢酸カルシウム、トリフルオロ酢酸アルミニウム、塩化第二鉄、塩化カルシウム、塩化アルミニウム、硫酸第二鉄及び硫酸アルミニウム又はそれらの混合物によって提供される第二鉄カチオン、アルミニウムカチオン及びカルシウムカチオンから選択される少なくとも1種、e)1質量%~10質量%の、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル及びベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインフェニルエーテル及びベンゾインアセテート、アセトフェノン、2,2-ジメトキシアセトフェノン及び1-ジクロロアセトフェノン、ベンジルジメチルケタール及びベンジルジエチルケタール、2-メチルアントラキノン、2-エチルアントラキノン、2-tert-ブチルアントラキノン、1-クロロアントラキノン及び2-アミルアントラキノン、2,4,6-トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、ベンゾフェノン及び4,4’-ビス(N,N’-ジメチル-アミノ)ベンゾフェノン、1-クロロ-4-プロポキシ-9H-チオキサンテン-9-オン、2-クロロチオキサンテン-9-オン、2,4-ジエチル-9H-チオキサンテン-9-オン、イソプロピル-9H-チオキサンテン-9-オン、10-メチルフェノチアジン、チオキサンテン-9-オン、9(10H)-アクリダノン、1-フェニル-1,2-プロパンジオン-2-O-ベンゾイルオキシム、1-アミノフェニルケトン、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、フェニル-1-ヒドロキシイソプロピルケトン及び4-イソプロピルフェニル-1-ヒドロキシイソプロピルケトンから選択される少なくとも1種、f)20質量%~40質量%の水、を含む組成物である。
【0055】
第14の実施形態は、a)10質量%~30質量%の、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、アリル酢酸、3-ブテン酸及び2-ヘプテン酸から選択される少なくとも1種、b)10質量%~30質量%の、アリルアクリレート、アリルメタクリレート、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n-プロピル(メタ)アクリレート、n-ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、n-ヘキシル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n-オクチル(メタ)アクリレート、n-デシル(メタ)アクリレート、n-ドデシル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2-メトキシエチル(メタ)アクリレート、2-エトキシエチル(メタ)アクリレート、2-エトキシプロピル(メタ)アクリレート、3-エトキシプロピル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、2-(2-エトキシエトキシ)エチルアクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート及びイソデシルアクリレートから選択される少なくとも1種、c)5質量%~15質量%の、ナトリウムアクリレート、カリウムアクリレート、リチウムアクリレート、ペンテン酸ナトリウム、クロトン酸ナトリウム、2-ブテン二酸二ナトリウム塩及びカリウムクロトネートから選択される少なくとも1種、d)0.5質量%~10質量%の、第二鉄(メタ)アクリレート、カルシウム(メタ)アクリレート、アルミニウム(メタ)アクリレート、マグネシウム(メタ)アクリレート、酢酸第二鉄、酢酸カルシウム、酢酸アルミニウム、酢酸マグネシウム、トリフルオロ酢酸第二鉄、トリフルオロ酢酸カルシウム、トリフルオロ酢酸アルミニウム、トリフルオロ酢酸マグネシウム、塩化第二鉄、塩化カルシウム、塩化アルミニウム、塩化マグネシウム、硫酸第二鉄及び硫酸アルミニウム又はそれらの混合物によって提供される第二鉄カチオン、カルシウムカチオン、アルミニウムカチオン及びマグネシウムカチオンから選択される少なくとも1種、e)1質量%~10質量%の、ビス-(2,4,6-トリメチルベンゾイル)-フェニルホスフィンオキシド、ベンゾインメチルエーテル、2,2’-ジメトキシアセトフェノン、2-エチルアントラキノン、10-メチルフェノチアジン及びベンゾフェノンと1-ヒドロキシ-シクロヘキシルフェニルケトンの1:1(モル比)の混合物から選択される少なくとも1種、f)20質量%~40質量%の水、を含む組成物である。
【0056】
第15の実施形態は、a)10質量%~30質量%の、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、アリル酢酸、3-ブテン酸及び2-ヘプテン酸から選択される少なくとも1種、b)10質量%~30質量%の、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート及び3-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、n-ブチル(メタ)アクリレート、3-エトキシプロピル(メタ)アクリレート及び2-(2-エトキシエトキシ)エチルアクリレートから選択される少なくとも1種、c)5質量%~15質量%の、ナトリウムアクリレート、カリウムアクリレート、リチウムアクリレート、ペンテン酸ナトリウム、クロトン酸ナトリウム、2-ブテン二酸二ナトリウム塩及びカリウムクロトネートから選択される少なくとも1種、d)0.5質量%~10%質量%の、第二鉄(メタ)アクリレート、カルシウム(メタ)アクリレート、アルミニウム(メタ)アクリレート、酢酸第二鉄、酢酸カルシウム、酢酸アルミニウム、トリフルオロ酢酸第二鉄、トリフルオロ酢酸カルシウム、トリフルオロ酢酸アルミニウム、塩化第二鉄、塩化カルシウム、塩化アルミニウム、硫酸第二鉄及び硫酸アルミニウム又はそれらの混合物によって提供される第二鉄カチオン、アルミニウムカチオン及びカルシウムカチオンから選択される少なくとも1種、e)1質量%~10質量%の、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル及びベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインフェニルエーテル及びベンゾインアセテート、アセトフェノン、2,2-ジメトキシアセトフェノン及び1-ジクロロアセトフェノン、ベンジルジメチルケタール及びベンジルジエチルケタール、2-メチルアントラキノン、2-エチルアントラキノン、2-tert-ブチルアントラキノン、1-クロロアントラキノン及び2-アミルアントラキノン、2,4,6-トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、ベンゾフェノン及び4,4’-ビス(N,N’-ジメチル-アミノ)ベンゾフェノン、1-クロロ-4-プロポキシ-9H-チオキサンテン-9-オン、2-クロロチオキサンテン-9-オン、2,4-ジエチル-9H-チオキサンテン-9-オン、イソプロピル-9H-チオキサンテン-9-オン、10-メチルフェノチアジン、チオキサンテン-9-オン、9(10H)-アクリダノン、1-フェニル-1,2-プロパンジオン-2-O-ベンゾイルオキシム、1-アミノフェニルケトン、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、フェニル-1-ヒドロキシイソプロピルケトン及び4-イソプロピルフェニル-1-ヒドロキシイソプロピルケトンから選択される少なくとも1種、f)20質量%~40質量%の水、を含む組成物である。
【0057】
第16の実施形態は、a)10質量%~30質量%の、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、アリル酢酸、3-ブテン酸及び2-ヘプテン酸から選択される少なくとも1種、b)10質量%~30質量%の、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート及び3-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートから選択される少なくとも1種、c)5質量%~15質量%の、ナトリウムアクリレート、カリウムアクリレート、リチウムアクリレート、ペンテン酸ナトリウム、クロトン酸ナトリウム、2-ブテン二酸二ナトリウム塩及びカリウムクロトネートから選択される少なくとも1種、d)0.5質量%~10質量%の、第二鉄(メタ)アクリレート、カルシウム(メタ)アクリレート、アルミニウム(メタ)アクリレート、マグネシウム(メタ)アクリレート、酢酸第二鉄、酢酸カルシウム、酢酸アルミニウム、酢酸マグネシウム、トリフルオロ酢酸第二鉄、トリフルオロ酢酸カルシウム、トリフルオロ酢酸アルミニウム、トリフルオロ酢酸マグネシウム、塩化第二鉄、塩化カルシウム、塩化アルミニウム、塩化マグネシウム、硫酸第二鉄及び硫酸アルミニウム又はそれらの混合物によって提供される第二鉄カチオン、カルシウムカチオン、アルミニウムカチオン及びマグネシウムカチオンから選択される少なくとも1種、e)1質量%~10質量%の、ビス-(2,4,6-トリメチルベンゾイル)-フェニルホスフィンオキシド、ベンゾインメチルエーテル、2,2’-ジメトキシアセトフェノン、2-エチルアントラキノン、10-メチルフェノチアジン及びベンゾフェノンと1-ヒドロキシ-シクロヘキシルフェニルケトンの1:1(モル比)の混合物から選択される少なくとも1種、f)20質量%~40質量%の水、を含む組成物である。
【0058】
第17の実施形態は、a)10質量%~30質量%の、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、アリル酢酸、3-ブテン酸及び2-ヘプテン酸から選択される少なくとも1種、b)10質量%~30質量%の、アリルアクリレート、アリルメタクリレート、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n-プロピル(メタ)アクリレート、n-ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、n-ヘキシル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n-オクチル(メタ)アクリレート、n-デシル(メタ)アクリレート、n-ドデシル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2-メトキシエチル(メタ)アクリレート、2-エトキシエチル(メタ)アクリレート、2-エトキシプロピル(メタ)アクリレート、3-エトキシプロピル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、2-(2-エトキシエトキシ)エチルアクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート及びイソデシルアクリレートから選択される少なくとも1種、c)5質量%~15質量%の、ナトリウムアクリレート、カリウムアクリレート、リチウムアクリレート、ペンテン酸ナトリウム、クロトン酸ナトリウム、2-ブテン二酸二ナトリウム塩及びカリウムクロトネートから選択される少なくとも1種、d)0.5質量%~10%質量%の、第二鉄(メタ)アクリレート、カルシウム(メタ)アクリレート、アルミニウム(メタ)アクリレート、酢酸第二鉄、酢酸カルシウム、酢酸アルミニウム、トリフルオロ酢酸第二鉄、トリフルオロ酢酸カルシウム、トリフルオロ酢酸アルミニウム、塩化第二鉄、塩化カルシウム、塩化アルミニウム、硫酸第二鉄及び硫酸アルミニウム又はそれらの混合物によって提供される第二鉄カチオン、アルミニウムカチオン及びカルシウムカチオンから選択される少なくとも1種、e)1質量%~10質量%の、ビス-(2,4,6-トリメチルベンゾイル)-フェニルホスフィンオキシド、ベンゾインメチルエーテル、2,2’-ジメトキシアセトフェノン、2-エチルアントラキノン、10-メチルフェノチアジン及びベンゾフェノンと1-ヒドロキシ-シクロヘキシルフェニルケトンの1:1(モル比)の混合物から選択される少なくとも1種、f)20質量%~40質量%の水、を含む組成物である。
【0059】
第18の実施形態は、a)10質量%~30質量%の、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、アリル酢酸、3-ブテン酸及び2-ヘプテン酸から選択される少なくとも1種、b)10質量%~30質量%の、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート及び3-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、n-ブチル(メタ)アクリレート、3-エトキシプロピル(メタ)アクリレート及び2-(2-エトキシエトキシ)エチルアクリレートから選択される少なくとも1種、c)5質量%~15質量%の、ナトリウムアクリレート、カリウムアクリレート、リチウムアクリレート、ペンテン酸ナトリウム、クロトン酸ナトリウム、2-ブテン二酸二ナトリウム塩及びカリウムクロトネートから選択される少なくとも1種、d)0.5質量%~5質量%の、第二鉄(メタ)アクリレート、カルシウム(メタ)アクリレート、アルミニウム(メタ)アクリレート、酢酸第二鉄、酢酸カルシウム、酢酸アルミニウム、トリフルオロ酢酸第二鉄、トリフルオロ酢酸カルシウム、トリフルオロ酢酸アルミニウム、塩化第二鉄、塩化カルシウム、塩化アルミニウム、硫酸第二鉄及び硫酸アルミニウム又はそれらの混合物によって提供される第二鉄カチオン、アルミニウムカチオン及びカルシウムカチオンから選択される少なくとも1種、e)2質量%~10質量%の、ビス-(2,4,6-トリメチルベンゾイル)-フェニルホスフィンオキシド、ベンゾインメチルエーテル、2,2’-ジメトキシアセトフェノン、2-エチルアントラキノン、10-メチルフェノチアジン及びベンゾフェノンと1-ヒドロキシ-シクロヘキシルフェニルケトンの1:1(モル比)の混合物から選択される少なくとも1種、f)20質量%~40質量%の水、を含む組成物である。
【0060】
第19の実施形態は、a)10質量%~30質量%の、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、アリル酢酸、3-ブテン酸及び2-ヘプテン酸から選択される少なくとも1種、b)10質量%~30質量%の、アリルアクリレート、アリルメタクリレート、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n-プロピル(メタ)アクリレート、n-ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、n-ヘキシル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n-オクチル(メタ)アクリレート、n-デシル(メタ)アクリレート、n-ドデシル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2-メトキシエチル(メタ)アクリレート、2-エトキシエチル(メタ)アクリレート、2-エトキシプロピル(メタ)アクリレート、3-エトキシプロピル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、2-(2-エトキシエトキシ)エチルアクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート及びイソデシルアクリレートから選択される少なくとも1種、c)5質量%~15質量%の、ナトリウムアクリレート、カリウムアクリレート、リチウムアクリレート、ペンテン酸ナトリウム、クロトン酸ナトリウム、2-ブテン二酸二ナトリウム塩及びカリウムクロトネートから選択される少なくとも1種、d)0.5質量%~10質量%の、第二鉄(メタ)アクリレート、カルシウム(メタ)アクリレート、アルミニウム(メタ)アクリレート、マグネシウム(メタ)アクリレート、酢酸第二鉄、酢酸カルシウム、酢酸アルミニウム、酢酸マグネシウム、トリフルオロ酢酸第二鉄、トリフルオロ酢酸カルシウム、トリフルオロ酢酸アルミニウム、トリフルオロ酢酸マグネシウム、塩化第二鉄、塩化カルシウム、塩化アルミニウム、塩化マグネシウム、硫酸第二鉄及び硫酸アルミニウム又はそれらの混合物によって提供される第二鉄カチオン、カルシウムカチオン、アルミニウムカチオン及びマグネシウムカチオンから選択される少なくとも1種、e)1質量%~10質量%の、過硫酸ナトリウム、過硫酸リチウム、過硫酸カリウム、過硫酸第二鉄、過硫酸マグネシウム、過硫酸アンモニウムから選択される少なくとも1種の酸化剤、及び亜硫酸ナトリウム、重亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カリウム、重亜硫酸カリウム、亜硫酸リチウム、重亜硫酸リチウム、亜硫酸アンモニウム、重亜硫酸アンモニウム、硫酸第一鉄、塩化第一鉄から選択される少なくとも1種の還元剤から構成されるレドックス開始剤であって、酸化剤と還元剤のモル比が1~1.2であるレドックス開始剤、f)20質量%~50質量%の水及び2,2,6,6-テトラメチル-1-ピペリジニルオキシ、ブチル化ヒドロキシトルエン、モノ-tert-ブチルヒドロキノン、ターシャリーブチルヒドロキノン、ジ-tert-ブチルヒドロキノン、p-ベンゾキノン、o-ベンゾキノン、ニトロベンゼン、ジニトロクロロベンゼン、ベータナフチルアミン、塩化第二鉄、塩化銅、2,2-ジフェニル-2,4,6-トリニトロフェニルヒドラジン、ヒドロキノン、メチルヒドロキノン、tertブチルヒドロキノン、2,5-ジ-tert-ブチルヒドロキノン、4-メトキシフェノール及びp-tert-ブチルカテコール又はそれらの混合物から選択される重合抑制剤、を含む組成物である。重合抑制剤の量は、重合開始剤の質量に基づいて0.1質量%~1質量%である。
【0061】
第20の実施形態は、a)10質量%~30質量%の、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、アリル酢酸、3-ブテン酸及び2-ヘプテン酸から選択される少なくとも1種、b)10質量%~30質量%の、アリルアクリレート、アリルメタクリレート、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n-プロピル(メタ)アクリレート、n-ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、n-ヘキシル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n-オクチル(メタ)アクリレート、n-デシル(メタ)アクリレート、n-ドデシル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2-メトキシエチル(メタ)アクリレート、2-エトキシエチル(メタ)アクリレート、2-エトキシプロピル(メタ)アクリレート、3-エトキシプロピル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、2-(2-エトキシエトキシ)エチルアクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート及びイソデシルアクリレートから選択される少なくとも1種、c)5質量%~15質量%の、ナトリウムアクリレート、カリウムアクリレート、リチウムアクリレート、ペンテン酸ナトリウム、クロトン酸ナトリウム、2-ブテン二酸二ナトリウム塩及びカリウムクロトネートから選択される少なくとも1種、d)0.5質量%~10質量%の、第二鉄(メタ)アクリレート、カルシウム(メタ)アクリレート、アルミニウム(メタ)アクリレート、マグネシウム(メタ)アクリレート、酢酸第二鉄、酢酸カルシウム、酢酸アルミニウム、酢酸マグネシウム、トリフルオロ酢酸第二鉄、トリフルオロ酢酸カルシウム、トリフルオロ酢酸アルミニウム、トリフルオロ酢酸マグネシウム、塩化第二鉄、塩化カルシウム、塩化アルミニウム、塩化マグネシウム、硫酸第二鉄及び硫酸アルミニウム又はそれらの混合物によって提供される第二鉄カチオン、カルシウムカチオン、アルミニウムカチオン及びマグネシウムカチオンから選択される少なくとも1種、e)1質量%~10質量%の、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル及びベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインフェニルエーテル及びベンゾインアセテート、アセトフェノン、2,2-ジメトキシアセトフェノン及び1-ジクロロアセトフェノン、ベンジルジメチルケタール及びベンジルジエチルケタール、2-メチルアントラキノン、2-エチルアントラキノン、2-tert-ブチルアントラキノン、1-クロロアントラキノン及び2-アミルアントラキノン、2,4,6-トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、ベンゾフェノン及び4,4’-ビス(N,N’-ジメチル-アミノ)ベンゾフェノン、1-クロロ-4-プロポキシ-9H-チオキサンテン-9-オン、2-クロロチオキサンテン-9-オン、2,4-ジエチル-9H-チオキサンテン-9-オン、イソプロピル-9H-チオキサンテン-9-オン、10-メチルフェノチアジン、チオキサンテン-9-オン、9(10H)-アクリダノン、1-フェニル-1,2-プロパンジオン-2-O-ベンゾイルオキシム、1-アミノフェニルケトン、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、フェニル-1-ヒドロキシイソプロピルケトン及び4-イソプロピルフェニル-1-ヒドロキシイソプロピルケトンから選択される少なくとも1種、f)20質量%~50質量%の水及び2,2,6,6-テトラメチル-1-ピペリジニルオキシ、ブチル化ヒドロキシトルエン、モノ-tert-ブチルヒドロキノン、ターシャリーブチルヒドロキノン、ジ-tert-ブチルヒドロキノン、p-ベンゾキノン、o-ベンゾキノン、ニトロベンゼン、ジニトロクロロベンゼン、ベータナフチルアミン、塩化第二鉄、塩化銅、2,2-ジフェニル-2,4,6-トリニトロフェニルヒドラジン、ヒドロキノン、メチルヒドロキノン、tertブチルヒドロキノン、2,5-ジ-tert-ブチルヒドロキノン、4-メトキシフェノール及びp-tert-ブチルカテコール又はそれらの混合物から選択される重合抑制剤、を含む組成物である。重合抑制剤の量は、重合開始剤の質量に基づいて0.1質量%~1質量%である。
【0062】
第21の実施形態は、a)10質量%~30質量%の、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、アリル酢酸、3-ブテン酸及び2-ヘプテン酸から選択される少なくとも1種、b)10質量%~30質量%の、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート及び3-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、n-ブチル(メタ)アクリレート、3-エトキシプロピル(メタ)アクリレート及び2-(2-エトキシエトキシ)エチルアクリレートから選択される少なくとも1種、c)5質量%~15質量%の、ナトリウムアクリレート、カリウムアクリレート、リチウムアクリレート、ペンテン酸ナトリウム、クロトン酸ナトリウム、2-ブテン二酸二ナトリウム塩及びカリウムクロトネートから選択される少なくとも1種、d)0.5質量%~10%質量%の、第二鉄(メタ)アクリレート、カルシウム(メタ)アクリレート、アルミニウム(メタ)アクリレート、酢酸第二鉄、酢酸カルシウム、酢酸アルミニウム、トリフルオロ酢酸第二鉄、トリフルオロ酢酸カルシウム、トリフルオロ酢酸アルミニウム、塩化第二鉄、塩化カルシウム、塩化アルミニウム、硫酸第二鉄及び硫酸アルミニウム又はそれらの混合物によって提供される第二鉄カチオン、アルミニウムカチオン及びカルシウムカチオンから選択される少なくとも1種、e)1質量%~10質量%の、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウムから選択される少なくとも1種の酸化剤、及び亜硫酸ナトリウム、重亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カリウム、重亜硫酸カリウムから選択される少なくとも1種の還元剤から構成されるレドックス開始剤であって、酸化剤と還元剤のモル比が1~1.2であるレドックス開始剤、f)30質量%~50質量%の水及び2,2,6,6-テトラメチル-1-ピペリジニルオキシ、ブチル化ヒドロキシトルエン、モノ-tert-ブチルヒドロキノン、ターシャリーブチルヒドロキノン、ジ-tert-ブチルヒドロキノン、p-ベンゾキノン、o-ベンゾキノン、ニトロベンゼン、ジニトロクロロベンゼン、ベータナフチルアミン、塩化第二鉄、塩化銅、2,2-ジフェニル-2,4,6-トリニトロフェニルヒドラジン、ヒドロキノン、メチルヒドロキノン、tertブチルヒドロキノン、2,5-ジ-tert-ブチルヒドロキノン、4-メトキシフェノール及びp-tert-ブチルカテコール又はそれらの混合物から選択される重合抑制剤、を含む組成物である。重合抑制剤の量は、重合開始剤の質量に基づいて0.1質量%~1質量%である。
【0063】
第22の実施形態は、a)10質量%~30質量%の、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、アリル酢酸、3-ブテン酸及び2-ヘプテン酸から選択される少なくとも1種、c)5質量%~15質量%の、ナトリウムアクリレート、カリウムアクリレート、リチウムアクリレート、ペンテン酸ナトリウム、クロトン酸ナトリウム、2-ブテン二酸二ナトリウム塩及びカリウムクロトネートから選択される少なくとも1種、d)0.5質量%~5%質量%の、第二鉄(メタ)アクリレート、カルシウム(メタ)アクリレート、アルミニウム(メタ)アクリレート、酢酸第二鉄、酢酸カルシウム、酢酸アルミニウム、トリフルオロ酢酸第二鉄、トリフルオロ酢酸カルシウム、トリフルオロ酢酸アルミニウム、塩化第二鉄、塩化カルシウム、塩化アルミニウム、硫酸第二鉄及び硫酸アルミニウム又はそれらの混合物によって提供される第二鉄カチオン、アルミニウムカチオン及びカルシウムカチオンから選択される少なくとも1種、e)2質量%~10質量%の、ビス-(2,4,6-トリメチルベンゾイル)-フェニルホスフィンオキシド、ベンゾインメチルエーテル、2,2’-ジメトキシアセトフェノン、2-エチルアントラキノン、10-メチルフェノチアジン及びベンゾフェノンと1-ヒドロキシ-シクロヘキシルフェニルケトンの1:1(モル比)の混合物から選択される少なくとも1種、f)20質量%~40質量%の水及び2,2,6,6-テトラメチル-1-ピペリジニルオキシ、ブチル化ヒドロキシトルエン、モノ-tert-ブチルヒドロキノン、ターシャリーブチルヒドロキノン、ジ-tert-ブチルヒドロキノン、p-ベンゾキノン、o-ベンゾキノン、ニトロベンゼン、ジニトロクロロベンゼン、ベータナフチルアミン、塩化第二鉄、塩化銅、2,2-ジフェニル-2,4,6-トリニトロフェニルヒドラジン、ヒドロキノン、メチルヒドロキノン、tertブチルヒドロキノン、2,5-ジ-tert-ブチルヒドロキノン、4-メトキシフェノール及びp-tert-ブチルカテコール又はそれらの混合物から選択される重合抑制剤、を含む組成物である。重合抑制剤の量は、重合開始剤の質量に基づいて0.1質量%~1質量%である。
【0064】
第23の実施形態は、a)10質量%~30質量%の、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、アリル酢酸、3-ブテン酸及び2-ヘプテン酸から選択される少なくとも1種、b)10質量%~30質量%の、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート及び3-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、n-ブチル(メタ)アクリレート、3-エトキシプロピル(メタ)アクリレート及び2-(2-エトキシエトキシ)エチルアクリレートから選択される少なくとも1種、c)5質量%~15質量%の、ナトリウムアクリレート、カリウムアクリレート、リチウムアクリレート、ペンテン酸ナトリウム、クロトン酸ナトリウム、2-ブテン二酸二ナトリウム塩及びカリウムクロトネートから選択される少なくとも1種、d)0.5質量%~10%質量%の、第二鉄(メタ)アクリレート、カルシウム(メタ)アクリレート、アルミニウム(メタ)アクリレート、酢酸第二鉄、酢酸カルシウム、酢酸アルミニウム、トリフルオロ酢酸第二鉄、トリフルオロ酢酸カルシウム、トリフルオロ酢酸アルミニウム、塩化第二鉄、塩化カルシウム、塩化アルミニウム、硫酸第二鉄及び硫酸アルミニウム又はそれらの混合物によって提供される第二鉄カチオン、アルミニウムカチオン及びカルシウムカチオンから選択される少なくとも1種、e)1質量%~10質量%の、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウムから選択される少なくとも1種の酸化剤、及び亜硫酸ナトリウム、重亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カリウム、重亜硫酸カリウムから選択される少なくとも1種の還元剤から構成されるレドックス開始剤であって、酸化剤と還元剤のモル比が1~1.2であるレドックス開始剤、f)30質量%~50質量%の水及びヒドロキノン、メチルヒドロキノン、tertブチルヒドロキノン、2,5-ジ-tert-ブチルヒドロキノン、4-メトキシフェノール及びp-tert-ブチルカテコール又はそれらの混合物から選択される重合抑制剤、を含む組成物である。重合抑制剤の量は、重合開始剤の質量に基づいて0.1質量%~1質量%である。
【0065】
第24の実施形態は、a)10質量%~30質量%の、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、アリル酢酸、3-ブテン酸及び2-ヘプテン酸から選択される少なくとも1種、c)5質量%~15質量%の、ナトリウムアクリレート、カリウムアクリレート、リチウムアクリレート、ペンテン酸ナトリウム、クロトン酸ナトリウム、2-ブテン二酸二ナトリウム塩及びカリウムクロトネートから選択される少なくとも1種、d)0.5質量%~10%質量%の、第二鉄(メタ)アクリレート、カルシウム(メタ)アクリレート、アルミニウム(メタ)アクリレート、酢酸第二鉄、酢酸カルシウム、酢酸アルミニウム、トリフルオロ酢酸第二鉄、トリフルオロ酢酸カルシウム、トリフルオロ酢酸アルミニウム、塩化第二鉄、塩化カルシウム、塩化アルミニウム、硫酸第二鉄及び硫酸アルミニウム又はそれらの混合物によって提供される第二鉄カチオン、アルミニウムカチオン及びカルシウムカチオンから選択される少なくとも1種、e)2質量%~10質量%の、ビス-(2,4,6-トリメチルベンゾイル)-フェニルホスフィンオキシド、ベンゾインメチルエーテル、2,2’-ジメトキシアセトフェノン、2-エチルアントラキノン、10-メチルフェノチアジン及びベンゾフェノンと1-ヒドロキシ-シクロヘキシルフェニルケトンの1:1(モル比)の混合物から選択される少なくとも1種、f)20質量%~40質量%の水及びヒドロキノン、メチルヒドロキノン、tertブチルヒドロキノン、2,5-ジ-tert-ブチルヒドロキノン、4-メトキシフェノール及びp-tert-ブチルカテコール又はそれらの混合物から選択される重合抑制剤、を含む組成物である。重合抑制剤の量は、重合開始剤の質量に基づいて0.1質量%~1質量%である。
【実施例
【0066】
以下の例は、本発明の組成物をどのように調製するかを示し、動的粘度試験は印刷前の組成物について行い、動的弾性率試験は硬化後の組成物について行い、溶解試験は組成物から得られたサポート材料について行った。これらの例は、特許請求の範囲の保護範囲を限定することなく、本発明の実施形態を説明するために使用される。
【0067】
実施例1
以下の成分を混合して組成物を調製した:
【0068】
【表1】
【0069】
実施例2
以下の成分を混合して組成物を調製した:
【0070】
【表2】
【0071】
実施例3
以下の成分を混合して組成物を調製した:
【0072】
【表3】
【0073】
実施例4
以下の成分を混合して組成物を調製した:
【0074】
【表4】
【0075】
実施例5
以下の成分を混合して組成物を調製した:
【0076】
【表5】
【0077】
実施例6
以下の成分を混合して組成物を調製した:
【0078】
【表6】
【0079】
実施例7
以下の成分を混合して組成物を調製した:
【0080】
【表7】
【0081】
実施例8
以下の成分を混合して組成物を調製した:
【0082】
【表8】
【0083】
実施例9
以下の成分を混合して組成物を調製した:
【0084】
【表9】
【0085】
実施例10
以下の成分を混合して組成物を調製した:
【0086】
【表10】
【0087】
実施例11
以下の成分を混合して組成物を調製した:
【0088】
【表11】
【0089】
実施例12
以下の成分を混合して組成物を調製した:
【0090】
【表12】
【0091】
実施例13
以下の成分を混合して組成物を調製した:
【0092】
【表13】
【0093】
実施例1~13から得られた組成物の動的粘度試験は、Anton Paar MCR302装置を使用して25℃で101.325KPaで行った。ローターは同心円筒で、せん断速度は300s-1であった。動的粘度の試験結果を表1にまとめた。
【0094】
造形材料であるメチルメタクリレート及び実施例1~3から得られた組成物は、2つの独立したノズルから印刷され、それぞれUV光と熱によって硬化させた。実施例1~3の硬化組成物は、サンプル#1~#3として記した。
【0095】
造形材料であるメチルメタクリレート及び実施例4~13から得られた組成物は、2つの独立したノズルから印刷され、両方ともUV光によって硬化させた。実施例4~13の硬化組成物は、サンプル#4~#13として記した。
【0096】
サンプル#1~#13の動的弾性率試験は、Anton Paar MCR302装置を使用して25℃で101.325KPaで行った。ローターは平板で、振動モードは10rad/sの角周波数を選択し、歪みは0.01%から1%に変化した。動的弾性率の試験結果を表1にまとめた。
【0097】
サンプル#1~#13は、濃度が10質量%のHSO水溶液中に、それぞれ20℃及び40℃で手動で攪拌する場合としない場合で、溶解した。各サンプルの溶解時間を記録した。結果を表1にまとめた。
【0098】
サンプル#1~#13は、濃度が10質量%のHCl水溶液中に、それぞれ20℃及び40℃で手動で攪拌する場合としない場合で、溶解した。
【0099】
サンプル#1~#13は、濃度が10質量%の酢酸水溶液中に、それぞれ20℃及び40℃で手動で攪拌する場合としない場合で、溶解した。各サンプルの溶解時間を記録した。結果を表1にまとめた。
【0100】
【表14】


【0101】
表1に示すように、実施例1~13の組成物の動的粘度は25℃で29~39mPa・sであり、プリンタのノズルからの滑らかな流動を可能にした。硬化後、サンプル1~13が得られ、これらのサンプルの動的弾性率は25℃で24.6~39.9KPaであり、構築材料を支持するのに十分な機械的強度を提供した。
【0102】
サンプル1~13は、濃度が10質量%のHSOの酸性水溶液中に、20℃及び40℃で、攪拌がある場合又はない場合のそれぞれで、溶解した。同様の処理を、濃度が10質量%のHCl溶液と同じ濃度の酢酸中のサンプル1~13に対して行った。サンプルは70分以内に酸性水溶液に完全に溶解した。また、温度が40℃で攪拌が使用される場合、完全に溶解する時間は10分未満であった。