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特許7110637表示入力装置、画像形成装置、画面表示方法およびプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-25
(45)【発行日】2022-08-02
(54)【発明の名称】表示入力装置、画像形成装置、画面表示方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/0481 20220101AFI20220726BHJP
   H04N 1/00 20060101ALI20220726BHJP
   G06F 3/04886 20220101ALI20220726BHJP
【FI】
G06F3/0481
H04N1/00 350
G06F3/04886
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2018051836
(22)【出願日】2018-03-19
(65)【公開番号】P2019164573
(43)【公開日】2019-09-26
【審査請求日】2021-01-18
(73)【特許権者】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100089118
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 宏明
(72)【発明者】
【氏名】畑中 裕厚
(72)【発明者】
【氏名】澁川 知希
【審査官】塩屋 雅弘
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-106625(JP,A)
【文献】欧州特許出願公開第03032394(EP,A1)
【文献】国際公開第2009/157560(WO,A1)
【文献】特開2001-356870(JP,A)
【文献】特開2012-199799(JP,A)
【文献】山本 隆一郎,HTML5×組み込みのメリット,Interface ,第39巻 第9号 通巻435号,日本,CQ出版社,2013年09月01日,25-31,CSDB
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F3/048-3/04895
H04N1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の入力フィールドを有する画面を表示して前記複数の入力フィールドへの入力を受け付ける表示入力装置において、
前記複数の入力フィールドのうち、前記画面へのソフトウェアキーボードの表示を必要とする入力フィールドが選択されたことを条件として、選択された前記入力フィールド及び当該入力フィールドとともに入力が必要な他の入力フィールドについてのみ、前記ソフトウェアキーボードによって隠されることなく同一画面に表示する制御手段を備える、
ことを特徴とする表示入力装置。
【請求項2】
共に入力が必要な複数の入力フィールドをグループ化した情報を有するデータ処理手段を更に備え、
前記制御手段は、選択された前記入力フィールドとともに入力が必要な他の入力フィールドを、前記情報に基づいて決定する、
ことを特徴とする請求項1に記載の表示入力装置。
【請求項3】
前記制御手段は、選択された前記入力フィールドとともに入力が必要な他の入力フィールドを、前記画面の表示のための言語の属性に基づいて決定する、
ことを特徴とする請求項1に記載の表示入力装置。
【請求項4】
前記制御手段は、前記入力フィールド間のマージンを制御する、
ことを特徴とする請求項1に記載の表示入力装置。
【請求項5】
前記制御手段は、前記入力フィールドの大きさを制御する、
ことを特徴とする請求項1に記載の表示入力装置。
【請求項6】
前記制御手段は、前記入力フィールドの位置を制御する、
ことを特徴とする請求項1に記載の表示入力装置。
【請求項7】
前記制御手段は、選択された前記入力フィールドに対して前記ソフトウェアキーボードによって値が入力された場合、次の入力フィールドの選択か、前記ソフトウェアキーボードを閉じるかの選択を受け付ける、
ことを特徴とする請求項1に記載の表示入力装置。
【請求項8】
請求項1ないし7のいずれか一項に記載の表示入力装置を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項9】
複数の入力フィールドを有する画面を表示して前記複数の入力フィールドへの入力を受け付ける表示入力装置における画面表示方法であって、
前記複数の入力フィールドのうち、前記画面へのソフトウェアキーボードの表示を必要とする入力フィールドが選択されたことを条件として、選択された前記入力フィールド及び当該入力フィールドとともに入力が必要な他の入力フィールドについてのみ、前記ソフトウェアキーボードによって隠されることなく同一画面に表示する制御工程を含む、
ことを特徴とする画面表示方法。
【請求項10】
複数の入力フィールドを有する画面を表示して前記複数の入力フィールドへの入力を受け付ける表示入力装置を制御するコンピュータを、
前記複数の入力フィールドのうち、前記画面へのソフトウェアキーボードの表示を必要とする入力フィールドが選択されたことを条件として、選択された前記入力フィールド及び当該入力フィールドとともに入力が必要な他の入力フィールドについてのみ、前記ソフトウェアキーボードによって隠されることなく同一画面に表示する制御手段として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示入力装置、画像形成装置、画面表示方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、表示部(いわゆるディスプレイ)の物理的なサイズが限られている場合、表示部に表示される画面上の入力フィールドへの入力を行う際、ソフトウェアキーボードがユーザに提供される。
【0003】
ソフトウェアキーボードで複数の入力フィールドに入力する場合、一の入力フィールドの入力を終了して他の入力フィールドを選択するためには、一旦、ソフトウェアキーボードを閉じ、そのあとで他の入力フィールドを選択し、再びソフトウェアキーボードを表示するという手間が生じていた。
【0004】
この手間を解消するため、例えば特許文献1には、入力対象である入力フィールドを次の入力フィールドに変更するための指示を受け付けるためのキーをソフトウェアキーボードとともに表示させる技術が開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に開示の技術によれば、ソフトウェアキーボード上のキー操作に従って遷移する入力フィールドの順番が決められてしまう。すなわち、特許文献1に開示の技術によれば、未入力でよい入力フィールドであっても表示してしまう、という問題がある。
【0006】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、入力が必要な入力フィールドを、ソフトウェアキーボードに邪魔されることなく、同一画面に表示することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、複数の入力フィールドを有する画面を表示して前記複数の入力フィールドへの入力を受け付ける表示入力装置において、前記複数の入力フィールドのうち、前記画面へのソフトウェアキーボードの表示を必要とする入力フィールドが選択されたことを条件として、選択された前記入力フィールド及び当該入力フィールドとともに入力が必要な他の入力フィールドについてのみ、前記ソフトウェアキーボードによって隠されることなく同一画面に表示する制御手段を備える、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、入力が必要な入力フィールドを、ソフトウェアキーボードに邪魔されることなく、同一画面に表示することができる、という効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、第1の実施の形態にかかるMFPのハードウェア構成図である。
図2図2は、MFPのソフトウェア構成の一例を示す図である。
図3図3は、MFPに設けられているソフトウェアの一例を示す図である。
図4図4は、ホームアプリの機能ブロック図である。
図5図5は、テーブルの一例を示す図である。
図6図6は、登録画面を表示する際の各部の動作の流れを示すシーケンス図である。
図7図7は、登録画面の一例を示す図である。
図8図8は、表示方法の決定手法の一例を示す図である。
図9図9は、登録画面の一例を示す図である。
図10図10は、登録画面の一例を示す図である。
図11図11は、第2の実施の形態にかかる登録画面の一例を示す図である。
図12図12は、図11に示すような入力フィールドのHTML記載例を示す図である。
図13図13は、登録画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に添付図面を参照して、表示入力装置、画像形成装置、画面表示方法およびプログラムの実施の形態を詳細に説明する。
【0011】
(第1の実施の形態)
図1は、第1の実施の形態にかかる複合機(MFP:Multifunction Peripheral)1のハードウェア構成図である。MFP1は、画像形成装置の一例である。MFP1は、図1に示すように例えばコピー機能、スキャナ機能、ファクシミリ機能、プリンタ機能等の各種の画像処理機能を備えた画像処理部である本体10と、ユーザの操作に応じた入力を受け付ける表示入力装置である操作部20とを備える。
【0012】
本体10と操作部20は、専用の通信路30を介して相互に通信可能に接続されている。通信路30は、例えばUSB(Universal Serial Bus)規格のものを用いることができる。また、通信路30は、有線又は無線を問わず任意の規格のものでもよい。また、本体10は、コピー機能、スキャナ機能、ファクシミリ機能、プリンタ機能等の画像形成機能のうち、一つの機能を有していてもよいし、複数の機能を有していてもよい。
【0013】
操作部20としては、単独で完結した情報処理を実行可能な電子機器を用いることができる。一例として、操作部20としては、スマートフォン又はタブレット型端末等の情報処理端末を用いることができる。この場合、操作部20として用いられる情報処理端末は、MFP1の操作部として機能する。
【0014】
より詳しくは、従来、MFP1には、操作部として専用の操作パネルが固定され設置されていた。これに対して、第1の実施の形態のMFP1の操作部20として用いられる情報処理端末は、MFP1の本体10に装着及び取り外し可能となっている。すなわち、操作部20として用いられる情報処理端末は、例えばMFP1の操作パネルが配置される位置等の所定の位置から取り外し可能(分離可能)ながらも、MFP1と一体的に設置することも可能となっている。このため、操作部20として用いられる情報処理端末及びMFP1は、一台の装置として把握されるものである。操作部20として用いられる情報処理端末は、MFP1から取り外されると、MFP1との間で、例えばBluetooth(登録商標)又は赤外線通信等の無線通信を行い、MFP1の操作部として機能する。
【0015】
本体10は、操作部20で受け付けた入力に応じた動作を行う。また、本体10は、クライアントPC(パーソナルコンピュータ)等の外部装置とも通信可能であり、外部装置から受信した指示に応じた動作も行う。
【0016】
(本体のハードウェア構成)
次に、本体10のハードウェア構成について説明する。図1に示すように、本体10は、CPU(Central Processing Unit)11と、ROM(Read Only Memory)12と、RAM(Random Access Memory)13と、HDD(Hard Disk Drive)14とを備える。また、本体10は、通信I/F(Interface)15と、接続I/F16と、エンジン17と、ファクシミリモデム(FAXモデム)19とを備える。各部11~17及びFAXモデム19は、システムバス18を介して相互に接続されている。
【0017】
CPU11は、本体10の動作を統括的に制御する。CPU11は、RAM13をワークエリア(作業領域)としてROM12又はHDD14等に格納されたプログラムを実行することで、本体10全体の動作を制御し、上述したコピー機能、スキャナ機能、ファクシミリ機能、プリンタ機能などの各種の画像形成機能を実現する。なお、この本体10のHDD14は、フラッシュメモリを用いても、同様に実現可能である。
【0018】
通信I/F15は、ネットワーク40上のクライアントPC(Personal Computer)、Webサーバ装置又は認証サーバ装置等の外部装置と通信するためのインタフェースである。接続I/F16は、通信路30を介して操作部20と通信するためのインタフェースである。なお、図1及び以下に説明する図2において、通信路30は、有線的に図示しているが、上述のように操作部20は、MFP1の本体10に対して装着及び取り外しが可能となっている。このため、操作部20をMFP1に装着しているときには、通信路30は有線通信路として機能し、操作部20をMFP1から取り外したときには、通信路30は無線通信路として機能するものと理解されたい。
【0019】
エンジン17は、コピー機能、スキャナ機能、ファクシミリ機能及びプリンタ機能等を実現させるための、汎用的な情報処理及び通信以外の処理を行うハードウェアである。エンジン17は、例えば原稿の画像をスキャンして読み取るスキャナ、用紙等のシート材への印刷を行うプロッタ、ファクシミリ通信を行うファクシミリ通信部等を備えている。さらに、印刷済みシート材を仕分けるフィニッシャ及び原稿を自動給送するADF(Auto Document Feeder:自動原稿給送装置)のような特定のオプションを設けてもよい。
【0020】
(操作部のハードウェア構成)
次に、操作部20のハードウェア構成について説明する。図1に示すように、操作部20は、CPU21と、ROM22と、RAM23と、フラッシュメモリ24と、通信I/F25と、接続I/F26と、操作パネル27と、ICカードI/F29とを備え、これらがシステムバス28を介して相互に接続されている。なお、この操作部20のフラッシュメモリ24は、HDDを用いても同様に実現可能である。
【0021】
CPU21は、操作部20の動作を統括的に制御する。CPU21は、RAM23をワークエリア(作業領域)としてROM22等に格納されたプログラムを実行することで操作部20全体の動作を制御する。また、CPU21は、ROM22等に格納されたユーザ認証プログラムを実行することでユーザ認証処理を行う。通信I/F25は、例えばネットワーク40上のサーバ装置60と通信するためのインタフェースである。接続I/F26は、通信路30を介して本体10と通信するためのインタフェースである。
【0022】
ICカードI/F29は、例えばUSBケーブル等を介してカードリーダ6に接続されている。カードリーダ6は、MFP1に対するログイン操作のときに、ユーザにより近接操作(非接触操作)されたICカード5との間で非接触無線通信を行い、ICカード5に記憶されているカードID、ユーザ情報等の認証情報の読み取りを行う。なお、非接触操作のほか、接触操作でICカード5から認証情報を読み取ってもよい。
【0023】
また、一例として、カードリーダ6と操作部20は、物理的に異なる装置同士が、USBケーブル等を介して接続されていることとしたが、操作部20にカードリーダ6が内蔵されていてもよい。すなわち、操作部20とカードリーダ6が一体的に形成されていてもよい(一つの装置として形成されていてもよい)。
【0024】
また、ICカード又はIDカード等の呼称の違いがあっても、記憶媒体であれば、どのような記憶媒体でも本発明を適用可能であり、ICカード又はIDカード等のみに本発明の適用範囲が限定されることはない。また、カードリーダ装置も同様であり、このような記憶媒体からユーザ情報を読み取れる装置であればいずれも用いることができる。
【0025】
操作パネル27は、タッチセンサを備えた液晶表示装置(LCD:Liquid Crystal Display)で構成される。操作パネル27は、ユーザの操作に応じた各種の入力を受け付けると共に、例えば受け付けた入力に応じた情報、MFP1の動作状況を示す情報、設定状態を示す情報等の各種の情報を表示する。なお、操作パネル27は、タッチセンサを備えた有機EL(Organic Light-Emitting Diode:OLED)表示装置で構成してもよい。さらに、これに加えて又はこれに代えて、ハードウェアキー等の操作部又は発光部等の表示部を設けてもよい。
【0026】
(MFPのソフトウェア構成)
図2は、MFP1のソフトウェア構成の一例を示す図である。この図2に示すように、本体10は、アプリ層101と、サービス層102と、OS(Operating System)層103とを有する。アプリ層101、サービス層102及びOS層103の実体は、ROM12又はHDD14等に格納されている各種ソフトウェアである。CPU11が、これらのソフトウェアを実行することにより、各種の機能が提供される。
【0027】
アプリ層101のソフトウェアは、ハードウェア資源を動作させて所定の機能を提供するための制御アプリケーション(以下の説明では、単に「アプリ」と称する場合がある)である。例えばアプリとしては、コピー機能を提供するためのコピーアプリ、スキャナ機能を提供するためのスキャナアプリ、ファクシミリ機能を提供するためのFAXアプリ、プリンタ機能を提供するためのプリンタアプリ等が挙げられる。
【0028】
サービス層102のソフトウェアは、アプリ層101とOS層103との間に介在し、アプリに対し、本体10が備えるハードウェア資源を利用するためのインタフェースを提供するソフトウェアである。具体的には、ハードウェア資源に対する動作要求の受け付け、動作要求の調停を行う機能を提供するためのソフトウェアである。サービス層102が受け付ける動作要求は、例えばスキャナによる読み取り又はプロッタによる印刷等の要求である。
【0029】
なお、サービス層102によるインタフェースの機能は、本体10のアプリ層101だけではなく、操作部20のアプリ層201に対しても提供される。すなわち、操作部20のアプリ層201(アプリ)も、サービス層102のインタフェース機能を介して、本体10のハードウェア資源(例えばエンジン17)を利用した機能を実現することができる。
【0030】
OS層103のソフトウェアは、本体10が備えるハードウェアを制御する基本機能を提供するための基本ソフトウェア(オペレーティングシステム)である。サービス層102のソフトウェアは、各種アプリからのハードウェア資源の利用要求を、OS層103が解釈可能なコマンドに変換してOS層103に渡す。そして、OS層103のソフトウェアによりコマンドが実行されることで、ハードウェア資源は、アプリの要求に従った動作を行う。
【0031】
同様に、操作部20は、アプリ層201と、OS層203とを有する。操作部20が備えるアプリ層201及びOS層203も、階層構造については本体10側と同様である。ただし、アプリ層201のアプリにより提供される機能が受け付け可能な動作要求の種類は、本体10側とは異なる。アプリ層201のアプリは、操作部20が備えるハードウェア資源を動作させて所定の機能を提供するためのソフトウェアである。例えば、本体10が備える機能(コピー機能、スキャナ機能、ファクシミリ機能、プリンタ機能)に関する操作及び表示を行うためのUI(ユーザインタフェース)の機能を提供するためのソフトウェアである。
【0032】
また、この第1の実施の形態のMFP1の場合、機能の独立性を保つために、本体10側のOS層103のソフトウェアと操作部20側のOS層203のソフトウェアが互いに異なる。一例ではあるが、本体10側のOS層103のソフトウェアとしてLinux(登録商標)がインストールされ、操作部20側のOS層203のソフトウェアとしてAndroid(登録商標)がインストールされている。これにより、本体10と操作部20は、別々のオペレーティングシステムで互いに独立して動作するようになっている。
【0033】
本体10及び操作部20を、別々のオペレーティングシステムで動作させることで、本体10と操作部20との間の通信は、共通の装置内のプロセス間通信ではなく、異なる装置間の通信として行われる。操作部20が受け付けた入力(ユーザからの指示内容)を本体10へ伝達する動作(コマンド通信)及び本体10が操作部20へイベントを通知する動作等がこれに該当する。ここでは、操作部20が本体10へコマンド通信を行うことにより、本体10の機能を使用することができる。また、本体10から操作部20に通知するイベントには、本体10における動作の実行状況、本体10側で設定された内容等が挙げられる。
【0034】
また、第1の実施の形態の例では、操作部20に対する電力供給は、本体10から通信路30を経由して行われているので、操作部20の電源制御を、本体10の電源制御とは別に(独立して)行うことができる。
【0035】
なお、この例では、本体10と操作部20は、通信路30を介して電気的かつ物理的に接続されているが、上述のように本体10から操作部20を取り外すこともできる。この場合、本体10及び操作部20に、例えば赤外線通信部、RF通信部、Bluetooth(登録商標)通信部等の近距離無線通信部を設ける。RFは、「Radio Frequency」の略記である。または、本体10及び操作部20に、Wi-Fi(登録商標)等の無線LAN通信機能を設け、図2に示すように無線LANアクセスポイント(無線LANAP)41及びネットワーク40を介して相互に通信可能としてもよい。LANは、「Local Area Network」の略記である。本体10から操作部20を取り外し可能である場合、操作部20は、通信路30を介して本体10から供給された電力を二次電池に蓄電しておき、本体10から取り外されたときに、二次電池に蓄電された電力で動作して本体10と通信を行う。
【0036】
(MFPに設けられているソフトウェア)
図3は、MFP1に設けられているソフトウェアの一例を示す図である。上述のように、本体10は、アプリ層101、サービス層102及びOS層103に分かれている。このうち、アプリ層101には、図1に示すエンジン17を制御して、原稿の読み取り制御又は印刷制御等を行うアプリが記憶されている。具体的には、アプリ層101には、コピーアプリ111、スキャナアプリ112、プリンタアプリ113及びFAXアプリ114が記憶されている。コピーアプリ111~FAXアプリ114は、標準搭載のジョブ実行機能アプリであり、制御アプリケーションの一例である。
【0037】
また、サービス層102には、省エネルギー管理プログラム(省エネ管理プログラム)121、メモリ管理プログラム122及びコントローラ制御プログラム123等の、各アプリが共通で行う処理に対応する各種プログラムが記憶されている。サービス層102は、省エネルギー管理及びメモリ管理等、各アプリが共通で行う処理を行っている。
【0038】
これに対して、操作部20は、アプリ層201及びOS層203に分かれている。本体アプリと操作部アプリの違いは、本体アプリではコントローラ制御プログラム123によるエンジン制御等を行うことで、例えば読み取り及び印刷等の画像形成装置の機能を制御するのに対し、操作部アプリではUI制御を行っている。つまり、操作部アプリで画面表示を行うことでユーザの操作を受け付け、そのユーザ操作に基づいたエンジン制御を本体アプリ(コントローラ制御プログラム123)が行っている。
【0039】
操作部アプリには、スキャナアプリ133等に対して開発ベンダーが開発するベンダーアプリ137が存在する。
【0040】
また、操作部アプリには、ベンダーアプリ137の開発を簡単にするために、操作部20のコピーアプリ131~FAXアプリ135と同等の機能をベンダー等に提供する機能提供アプリ136が設けられている。
【0041】
すなわち、操作部20のアプリ層201には、ユーザインタフェースを介してユーザ操作を受け付けるアプリが記憶されている。具体的には、アプリ層201には、ホームアプリ130、コピーアプリ131、スキャナアプリ133、プリンタアプリ134、FAXアプリ135、機能提供アプリ136、ベンダーアプリ137、エラー管理アプリ140が記憶されている。
【0042】
ホームアプリ130は、所望の操作を指定するためのアイコン等が並べられたメイン画面(初期画面)を表示する。そして、ユーザによりアイコン操作を介して指定されたアプリを起動する。コピーアプリ131は、操作ボタン及び設定ボタンを介して、ユーザのコピー操作を受け付けるアプリである。スキャナアプリ133は、操作ボタン及び設定ボタン等を介して、ユーザのスキャナ操作を受け付けるアプリである。プリンタアプリ134は、操作ボタン及び設定ボタン等を介して、ユーザのプリンタ操作を受け付けるアプリである。FAXアプリ135は、操作ボタン及び設定ボタン等を介して、ユーザのファクシミリ送受信操作を受け付けるアプリである。
【0043】
機能提供アプリ136は、画像処理プログラムの一例である。また、機能提供アプリ136は、一例として操作部20のROM22、RAM23又はフラッシュメモリ24等の記憶部に記憶される。
【0044】
機能提供アプリ136は、上述のようにベンダーアプリ137の開発を容易化するために、操作部20のコピーアプリ131~FAXアプリ135と同等の機能を開発ベンダー等に提供する。
【0045】
ベンダーアプリ137は、要求アプリケーションの一例である。ベンダーアプリ137は、例えばプリントの設定や実行を行う際に、例えばプリンタアプリ134にかかる機能提供アプリ136を呼び出す。
【0046】
すなわち、機能提供アプリ136が例えばスキャナアプリ133に対応するアプリの場合、機能提供アプリ136は、通常の操作メニュー及び設定メニュー等のユーザインタフェースを表示する機能を開発ベンダーに提供する。また、機能提供アプリ136が例えばプリンタアプリ134に対応するアプリの場合、機能提供アプリ136は、通常の操作メニュー及び設定メニュー等のユーザインタフェースを表示する機能を開発ベンダーに提供する。
【0047】
このようにMFP1の操作部20には、コピーアプリ131~FAXアプリ135と同等の機能をベンダー等に提供するための機能提供アプリ136が設けられている。ベンダーアプリ137の開発ベンダーに対しては、機能提供アプリ136の機能を実現するAPI(Application Programming Interface)が公開されている。
【0048】
ホームアプリ130は、例えば、初期状態において各種のユーザ情報の登録を受け付ける登録画面を表示する。
【0049】
(ホームアプリ130の機能)
図4は、ホームアプリ130の機能ブロック図である。操作部20のCPU21は、例えばROM22、RAM23又はフラッシュメモリ24等の記憶部に記憶されているホームアプリ130を実行することで、図4に示す、制御手段150、通信手段151、データ処理手段152、データ保管手段153を実現する。
【0050】
制御手段150は、操作パネル27に対する表示および操作パネル27からの入力を制御する。また、制御手段150は、ユーザからの入力をデータ処理手段152に伝える。
【0051】
通信手段151は、本体10のコントローラ制御プログラム123と通信し、データのやり取りを行う。
【0052】
データ処理手段152は、制御手段150を介して入力されたユーザ操作を解釈し、ユーザ操作に応じたデータを生成処理する。
【0053】
データ処理手段152は、テーブルT(図5参照)を有している。図5は、テーブルTの一例を示す図である。図5に示す入力フィールドは、後述する登録画面A1(図7参照)における画面定義情報(ユーザ名、アドレス、パスワード、メモ)に対応した入力フィールドF1~F4である。図5に示すテーブルTは、入力フィールドF1~F4について、関連のある入力フィールド(共に入力が必要な入力フィールド)をグループとして管理する。図5に示す例では、ユーザ名、アドレス、パスワードが同一グループとして管理されている。
【0054】
データ保管手段153は、データ処理手段152で処理されたデータをRAM23又はフラッシュメモリ24等の記憶部に保管する。
【0055】
なお、この例では、制御手段150、通信手段151、データ処理手段152、データ保管手段153をソフトウェアで実現することとしたが、制御手段150、通信手段151、データ処理手段152、データ保管手段153のうち、一部又は全部を、IC(Integrated Circuit)等のハードウェアで実現してもよい。
【0056】
また、ホームアプリ130は、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD-ROM、フレキシブルディスク(FD)等のコンピュータ装置で読み取り可能な記録媒体に記録して提供してもよい。また、CD-R、DVD(Digital Versatile Disk)、ブルーレイディスク(登録商標)、半導体メモリ等のコンピュータ装置で読み取り可能な記録媒体に記録して提供してもよい。また、ホームアプリ130は、インターネット等のネットワーク経由でインストールする形で提供してもよい。また、ホームアプリ130は、機器内のROM等に予め組み込んで提供してもよい。
【0057】
(ホームアプリのユーザ登録画面の表示動作)
次に、ホームアプリ130の登録画面の表示動作を説明する。図6は、登録画面を表示する際の各部の動作の流れを示すシーケンス図である。
【0058】
図6に示すように、データ処理手段152は、登録が必要となったタイミングで、制御手段150に対して登録画面の画面表示要求を通知する(ステップS1)。ここで、制御手段150は、登録画面の画面表示要求として画面定義情報(ユーザ名、アドレス、パスワード、メモ)を取得する。
【0059】
次いで、制御手段150は、取得した画面定義情報(ユーザ名、アドレス、パスワード、メモ)に基づいて登録画面を表示する(ステップS2)。
【0060】
ここで、図7は登録画面A1の一例を示す図である。図7に示すように、登録画面A1は、画面定義情報(ユーザ名、アドレス、パスワード、メモ)に対応した入力フィールドF1~F4が設けられる。
【0061】
ここで、ユーザがユーザ名の入力フィールドF1を選択したものとする(ステップS3)。ここで、入力フィールドF1は、後述するソフトウェアキーボードK(図9参照)の表示を必要とする。
【0062】
ユーザがユーザ名の入力フィールドF1を選択した場合、制御手段150は、データ処理手段152に対してユーザ名の入力フィールドF1が選択された旨を通知する(ステップS4)。
【0063】
データ処理手段152は、ユーザ名の入力フィールドF1の選択の通知を受けると、テーブルTを参照する(ステップS5)。
【0064】
そして、データ処理手段152は、テーブルTを参照して得られた同一グループの画面定義情報(ユーザ名、アドレス、パスワード)の入力フィールドについて制御手段150に対する表示要求を行う(ステップS6)。
【0065】
次いで、制御手段150は、画面定義情報(ユーザ名、アドレス、パスワード)の入力フィールドの表示方法を決定する(ステップS7)。例えば、制御手段150は、画面の表示領域と表示内容のサイズから表示領域に合わせて表示内容(ユーザー名、アドレス、パスワード)のサイズを縮小する、表示内容の間の余白を表示領域に合わせて縮小するなど表示方法を決める。
【0066】
ここで、表示方法の決定手法について例を挙げて説明する。図8は、表示方法の決定手法の一例を示す図である。図8に示す例は、入力フィールド間の隙間dを調整するものである。制御手段150は、下記に示す式(1)に従って入力フィールド間の隙間dを算出する。
d=(a-b-(c×n))/(n+1)・・・(1)
d:入力フィールド間の隙間
a:表示領域の奥行
b:ソフトウェアキーボードの奥行
c:入力フィールドの奥行
n:入力フィールドの数
【0067】
上記式(1)に従って入力フィールド間の隙間dを算出することにより、画面の表示領域と表示内容のサイズから表示領域に合わせて表示内容(ユーザー名、アドレス、パスワード)の入力フィールド間の余白(入力フィールド間の隙間)を表示領域に合わせて縮小することができる。
【0068】
また、画面の表示領域と表示内容のサイズから表示領域に合わせて表示内容(ユーザー名、アドレス、パスワード)の入力フィールドの奥行サイズを縮小する場合、制御手段150は、下記に示す式(2)に従って入力フィールドの奥行cを算出する。
c=(a-b-d(n+1))/n
c:入力フィールドの奥行
a:表示領域の奥行
b:ソフトウェアキーボードの奥行
d:入力フィールド間の隙間
n:入力フィールドの数
【0069】
上記式(2)に従って入力フィールドの奥行cを算出することにより、画面の表示領域と表示内容のサイズから表示領域に合わせて表示内容(ユーザー名、アドレス、パスワード)の入力フィールドの奥行サイズを縮小することができる。
【0070】
その後、制御手段150は、ステップS7で決定された表示方法に従い、画面定義情報(ユーザ名、アドレス、パスワード)に対応する入力フィールドを表示するとともに(ステップS8)、ソフトウェアキーボードを表示する(ステップS9)。
【0071】
ここで、図9は登録画面A2の一例を示す図である。図9に示すように、登録画面A2は、画面定義情報(ユーザ名、アドレス、パスワード)に対応した入力フィールドF1~F3が設けられるとともに、ソフトウェアキーボードKが表示されている。登録画面A2によれば、入力フィールドF1を入力対象としている場合、入力対象に関連する入力フィールドF2、入力フィールドF3の入力フィールドの大きさ、位置、入力フィールド間のマージンを制御し、関連する入力フィールドの一覧(F1、F2、F3)をソフトウェアキーボードKとともに表示する。
【0072】
図9に示すように、登録画面A2によれば、入力フィールドF1の入力時に関連する入力フィールドF2、入力フィールドF3がソフトウェアキーボードKで隠れず、ユーザはどの入力フィールドF1、F2、F3に対しても直接入力することができる。
【0073】
ユーザは、入力フィールドF1の入力の終了後、関連する入力フィールドF2または入力フィールドF3を選択し、ソフトウェアキーボードKを表示したまま関連する他の入力フィールドF2、入力フィールドF3の入力を開始する(ステップS10)。
【0074】
このように本実施の形態によれば、ソフトウェアキーボードKの表示を必要とするユーザが選択した入力フィールドととともに入力が必要な入力フィールドを、ソフトウェアキーボードKに邪魔されることなく、同一画面に表示することができる。
【0075】
なお、図6に示すシーケンス図におけるステップS10において、ソフトウェアキーボードKの表示を必要とする入力フィールドに対してソフトウェアキーボードKによって値が入力された場合、次の入力フィールドの選択か、ソフトウェアキーボードKを閉じるかの選択を受け付けるようにしてもよい。
【0076】
また、ソフトウェアキーボードKの表示を必要とするユーザが選択した入力フィールドと関連のある入力フィールドの数が多い場合、入力フィールドの幅を短縮して並列に並べるようにしてもよい。ここで、図10は登録画面A3の一例を示す図である。図10に示すように、登録画面A3は、入力フィールドF1~F6が2列で設けられるとともに、ソフトウェアキーボードKが表示されている。登録画面A2によれば、入力フィールドF1を入力対象としている場合、入力対象に関連する入力フィールドの一覧(F1~F6)をソフトウェアキーボードKとともに表示する。
【0077】
(第2の実施の形態)
次に、第2の実施の形態について説明する。
【0078】
第2の実施の形態は、ソフトウェアキーボードKの表示の際に、HTMLの属性に基づいて表示対象となる項目の入力フィールドを決定する点が、第1の実施の形態と異なる。以下、第2の実施の形態の説明では、第1の実施の形態と同一部分の説明については省略し、第1の実施の形態と異なる箇所について説明する。
【0079】
ここで、図11は第2の実施の形態にかかる登録画面A4の一例を示す図である。図11に示すように、登録画面A4は、画面定義情報(ユーザ名、アドレス、パスワード、メモ)に対応した入力フィールドF1~F4が設けられる。また、図11に示すように、入力フィールドF1~F3には、入力必須項目であることを示す「※入力必須」が表示されている。
【0080】
図12は、図11に示すような入力フィールドF1~F4のHTML記載例を示す図である。図12に示すように、HTMLの属性として「required」が記載された項目は入力必須項目である。
【0081】
本実施の形態においては、制御手段150は、データ処理手段152によるテーブルTの参照を不要とし、入力フィールドF1~F4に「required」の属性が設定されているか否かを判断し、この属性が設定されている入力フィールドを関連のある入力フィールドとして決定する。すなわち、図11に示す例においては、入力フィールドF1~F3を関連のある入力フィールドとする。
【0082】
ここで、図13は登録画面A5の一例を示す図である。図13に示すように、登録画面A5は、「※入力必須」が表示されている画面定義情報(ユーザ名、アドレス、パスワード)に対応した入力フィールドF1~F3が設けられるとともに、ソフトウェアキーボードKが表示されている。登録画面A5によれば、「※入力必須」が表示されている入力フィールドF1~F3の入力フィールドの大きさ、位置、入力フィールド間のマージンを制御し、「※入力必須」が表示されている入力フィールドの一覧(F1、F2、F3)をソフトウェアキーボードKとともに表示する。
【0083】
このように本実施の形態によれば、ソフトウェアキーボードKの表示を必要とするユーザが選択した入力フィールドととともに入力が必要な入力フィールドを、ソフトウェアキーボードKに邪魔されることなく、同一画面に表示することができる。
【0084】
なお、上記各実施の形態では、本発明の画像形成装置を、コピー機能、プリンタ機能、スキャナ機能およびファクシミリ機能のうち少なくとも2つの機能を有する複合機に適用した例を挙げて説明するが、複写機、プリンタ、スキャナ装置、ファクシミリ装置等の画像形成装置であればいずれにも適用することができる。
【0085】
また、本発明は、画像形成装置以外に、ソフトウェアキーボードを用いて入力フィールドに入力するスマートフォン、タブレットPC、タッチパネル機能を有するノートPCやテレビなどの家電製品にも適用することができる。
【符号の説明】
【0086】
1 画像形成装置
20 表示入力装置
150 制御手段
152 データ処理手段
【先行技術文献】
【特許文献】
【0087】
【文献】特開2016‐177816号公報
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