(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-25
(45)【発行日】2022-08-02
(54)【発明の名称】プログラム、画像形成装置、情報処理装置、及び情報処理システム
(51)【国際特許分類】
G06F 3/12 20060101AFI20220726BHJP
B41J 29/38 20060101ALI20220726BHJP
H04N 1/00 20060101ALI20220726BHJP
【FI】
G06F3/12 353
B41J29/38
G06F3/12 338
G06F3/12 322
G06F3/12 308
H04N1/00 C
(21)【出願番号】P 2018167286
(22)【出願日】2018-09-06
【審査請求日】2021-06-16
(73)【特許権者】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】国見 敬二
(72)【発明者】
【氏名】田中 正人
(72)【発明者】
【氏名】松浦 宏樹
【審査官】豊田 真弓
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-132720(JP,A)
【文献】特開2015-217673(JP,A)
【文献】特開2016-212592(JP,A)
【文献】特開2009-129357(JP,A)
【文献】特開2010-033419(JP,A)
【文献】特開2017-067972(JP,A)
【文献】特開2006-094297(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/12
B41J 29/38
H04N 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
カラー印刷又はモノクロ印刷とは異なる特別な色を印刷可能な画像形成装置と通信可能に接続されるコンピュータを、
前記画像形成装置に送信する印刷データのうち、前記特別な色で印刷する描画データのRGB値を設定する特別色の設定画面を表示する印刷設定部、及び
前記特別色の設定画面で設定された前記RGB値を前記特別な色で印刷することを指示する前記印刷データを生成し、前記画像形成装置に送信する描画部、
として機能させ
、
前記特別色の設定画面は、前記描画データの属性毎に前記RGB値を設定可能であることを特徴とする、プログラム。
【請求項2】
前記特別色の設定画面は、前記特別な色で印刷する描画データの前記RGB値の許容範囲を設定可能であることを特徴とする請求項1に記載のプログラム。
【請求項3】
前記描画データの属性は、文字、図形、又は写真を含む、請求項
1又は2に記載のプログラム。
【請求項4】
カラー印刷又はモノクロ印刷を行う通常印刷部と、
前記カラー印刷及び前記モノクロ印刷とは異なる特別な色を印刷する特別色印刷を行う特別色印刷部と、
受信した印刷データに、前記特別な色で印刷する
描画データの属性毎に通信可能に接続される情報処理装置の特別色の設定画面で設定可能なRGB値が指示されている場合、前記印刷データの前記RGB値で指示された色を、前記特別色印刷部に前記特別な色で印刷させる印刷制御部と、
を有する、画像形成装置。
【請求項5】
前記特別色印刷は、目視では認識が困難な不可視印刷を含む、請求項
4に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記特別色印刷は、赤外線を用いて認識が可能なIRトナー印刷を含む、請求項
4又は
5に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記印刷制御部は、前記印刷データにおいて前記特別な色の下に他の色がある場合、前記特別な色の下にある前記他の色を印刷するオーバープリントを行う、請求項
4乃至
6のいずれか一項に記載の画像形成装置。
【請求項8】
カラー印刷又はモノクロ印刷とは異なる特別な色を印刷可能な画像形成装置と通信可能に接続される情報処理装置であって、
前記画像形成装置に送信する印刷データのうち、前記特別な色で印刷する描画データのRGB値を設定する特別色の設定画面を表示する印刷設定部と、
前記特別色の設定画面で設定された前記RGB値を前記特別な色で印刷することを指示する前記印刷データを作成し、前記画像形成装置に送信する描画部と、
を有
し、
前記特別色の設定画面は、前記描画データの属性毎に前記RGB値を設定可能であることを特徴とする、情報処理装置。
【請求項9】
画像形成装置と、前記画像形成装置と通信可能に接続される情報処理装置とを含む情報処理システムであって、
前記画像形成装置は、
カラー印刷又はモノクロ印刷を行う通常印刷部と、
前記カラー印刷及び前記モノクロ印刷とは異なる特別な色を印刷する特別色印刷を行う特別色印刷部と、
受信した印刷データに、前記特別な色で印刷するRGB値が指示されている場合、前記印刷データの前記RGB値で指示された色を、前記特別色印刷部に前記特別な色で印刷させる印刷制御部と、
を有し、
前記情報処理装置は、
前記画像形成装置に送信する印刷データのうち、前記特別な色で印刷する描画データのRGB値を設定する特別色の設定画面を表示する印刷設定部と、
前記特別色の設定画面で設定された前記RGB値を前記特別な色で印刷することを指示する前記印刷データを作成し、前記画像形成装置に送信する描画部と、
を有
し、
前記特別色の設定画面は、前記描画データの属性毎に前記RGB値を設定可能であることを特徴とする、情報処理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プログラム、画像形成装置、情報処理装置、及び情報処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
静止画像等の画像データに様々な付加情報を埋め込む技術が知られている。
【0003】
また、入力画像データの色を分析する色分析処理部と、隠したいデータの色の指定を受け付けるデータ入力部とを備え、指定された色と同じデータ部分のみを透明色に変換する画像処理装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示された技術によれば、例えば、静止画像等を印刷する際に、所定の色のデータのみを透明色に変換することができる。
【0005】
一方、例えば、情報処理装置から、画像形成装置を用いて静止画像を印刷する際に、目視では認識しにくい画像パターン(以下、不可視パターンと呼ぶ)を、静止画像に付加したいという要求がある。これにより、例えば、著作権の保護対象となる静止画像等に不正コピー防止用の不可視パターン等を付加することや、宣伝用のポスターにURL(Uniform Resource Locator)情報等の付加情報を付加すること等ができるようになる。
【0006】
なお、不可視パターンを印刷する方法としては、一例として、赤外線吸収材料を用いたトナー(以下、不可視トナーと呼ぶ)を用いる方法が考えられる。例えば、通常のカラートナーでカラー画像を印刷すると共に、不可視トナーで不可視パターンを印刷することにより、静止画像に不可視パターンを付加した画像を印刷することができる。
【0007】
しかし、従来の技術では、カラー画像と共に不可視パターンを印刷するためには、例えば、C(Cyan)、M(Magenta)、Y(Yellow)、K(Key plate)の4色と、CMYKとは異なる単色とした作られた特色に対応した専用のアプリケーションが用いられていた。
【0008】
一方、オフィスアプリケーション等の一般的なアプリケーションでは、例えば、R(Red)、G(Green)、B(Blue)の3色のRGB値で色を指定することはできるが、例えば、不可視トナー等の特別な色を指定して印刷することができないという問題がある。
【0009】
本発明の一実施形態は、上記の問題点に鑑みてなされたものであって、一般的なアプリケーションを用いて、特別な色を指定して印刷することができるようにする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するため、本発明の一実施形態に係るプログラムは、カラー印刷又はモノクロ印刷とは異なる特別な色を印刷可能な画像形成装置と通信可能に接続されるコンピュータを、前記画像形成装置に送信する印刷データのうち、前記特別な色で印刷する描画データのRGB値を設定する特別色の設定画面を表示する印刷設定部、及び前記特別色の設定画面で設定された前記RGB値を前記特別な色で印刷することを指示する前記印刷データを生成し、前記画像形成装置に送信する描画部、として機能させ、前記特別色の設定画面は、前記描画データの属性毎に前記RGB値を設定可能であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明の一実施形態によれば、一般的なアプリケーションを利用して、特別な色を指定して印刷することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】一実施形態に係る情報処理システムのシステム構成の一例を示す図である。
【
図2】一実施形態に係る情報処理装置のハードウェア構成の例を示す図である。
【
図3】一実施形態に係る画像形成装置のハードウェア構成の例を示す図である。
【
図4】一実施形態に係る情報処理システムの機能構成の例を示す図である。
【
図5】一般的なアプリケーションにおける色の設定について説明するための図である。
【
図6】第1の実施形態に係る特別色の設定画面の例を示す図である。
【
図7】第1の実施形態に係る特別色の設定情報の例を示す図である。
【
図8】第2の実施形態に係る特別色の設定画面の例を示す図である。
【
図9】第2の実施形態に係る特別色の設定情報の例を示す図である。
【
図10】第3の実施形態に係る特別色の設定画面の例を示す図である。
【
図11】第3の実施形態に係る特別色の設定情報の例を示す図である。
【
図12】一実施形態に係る情報処理装置の処理の例を示すフローチャートである。
【
図13】一実施形態に係る画像形成装置の処理の例を示すフローチャートである。
【
図14】一実施形態に係るオーバープリントについて説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に、本発明の実施の形態について、添付の図面を参照して説明する。
【0014】
<システム構成>
図1は、一実施形態に係る情報処理システムのシステム構成の一例を示す図である。
図1に示すように、情報処理システム100は、例えば、インターネットやLAN(Local Area Network)等のネットワーク101を介して通信可能に接続された情報処理装置110と画像形成装置120とを含む。なお、情報処理装置110と画像形成装置120は、ネットワーク101に限られず、例えば、ケーブルや近距離無線通信等によって通信可能に接続されているものであっても良い。
【0015】
画像形成装置120は、例えば、スキャン機能、コピー機能、印刷機能、ファクシミリ機能等を一つの筐体に搭載したMFP(Multifunction Peripheral/Printer/Product)や、プリンタ等の印刷機能を有する電子機器である。
【0016】
また、本実施形態に係る画像形成装置120は、通常のカラー印刷又はモノクロ印刷(以下、通常印刷と呼ぶ)に加えて、通常印刷とは異なる特別な色を用いた印刷(以下、特別色印刷と呼ぶ)を行うことができる。
【0017】
例えば、画像形成装置120は、カラートナーを用いてカラー印刷を行うと共に、目視では認識が困難であり、かつ赤外線カメラ等の特別な装置を用いて認識可能なIR(infrared)トナーで不可視パターンを印刷するIRトナー印刷を行うことができる。
【0018】
なお、IRトナー印刷は、目視では認識が困難な不可視パターンを印刷する不可視印刷の一例である。不可視印刷は、IRトナーに限られず、例えば、紫外線、又はブラックライト等を照射することにより視認が可能な特別なトナー、インク等を用いて印刷を行うものであっても良い。
【0019】
さらに、IRトナー印刷及び不可視印刷は、特別色印刷の一例である。特別色印刷は、IRトナー印刷又は不可視印刷に限られず、例えば、蛍光色、金色、銀色等、通常のカラートナーでは出せない特別な色を用いて印刷を行うものであっても良い。ここでは、一例として、特別色印刷が、IRトナーを用いたIRトナー印刷であるものとして以下の説明を行う。
【0020】
画像形成装置120は、一例として、C(Cyan)トナー、M(Magenta)トナー、Y(Yellow)トナー、及びK(Key plate、又はBlack)トナーの4色のトナーを搭載可能なプリンタを用いることができる。この場合、画像形成装置120のKトナーに代えて、IRトナー等の特別な色のトナーを搭載して特別色印刷を行うと共に、Cトナー、Mトナー、及びYトナーを用いてカラー印刷を行う。このとき、本来、Kトナーで印刷するべき黒色の印刷部分については、例えば、C、M、Yの3色のトナーを用いて印刷を行う。例えば、Cトナー、Mトナー、及びYトナーの濃度を均等にすることにより、黒色を表現することができる。
【0021】
別の一例として、画像形成装置120は、C、M、Y、Kの4色のトナーに加えて、例えば、IRトナー等の特別な色のトナーを搭載可能なものであっても良い。
【0022】
情報処理装置110は、印刷を制御するプログラムであるプリンタドライバがインストールされたコンピュータである。例えば、情報処理装置110は、プリンタドライバを実行することにより、画像形成装置120に送信する印刷データのうち、例えば、IRトナー等の特別な色で印刷する描画データのRGB(Red, Green, Blue)値を設定する特別色の設定画面を表示する。また、情報処理装置110は、印刷データに、特別色の設定画面で設定されたRGB値を特別な色で印刷することを指示する特別色の設定情報を付加して、画像形成装置120に送信する。
【0023】
一方、画像形成装置120は、情報処理装置110から受信した印刷データに、特別な色で印刷するRGB値を指示する特別色の設定情報が含まれている場合、RGB値で指定された色を、IRトナー等の特別な色で特別色印刷する。
【0024】
上記の構成により、ユーザは、情報処理装置110の特別色の設定画面を用いて、例えば、不可視トナー等の特別な色で印刷したい文字や図形等のRGB値を設定することができるようになる。
【0025】
また、例えば、ワードプロセッサ、表計算等の一般的なアプリケーションにおいても、文字、図形等の色をRGB値で指定することができるので、ユーザは、所定のRGB値で入力した描画データを、IRトナー等の特別な色で特別色印刷することができる。
【0026】
以上、本実施形態によれば、一般的なアプリケーションを利用して、特別な色を指定して印刷することができるようになる。
【0027】
<ハードウェア構成>
(情報処理装置のハードウェア構成)
図2は、一実施形態に係る情報処理装置のハードウェア構成の例を示す図である。情報処理装置110は、例えば、CPU(Central Processing Unit)201、RAM(Random Access Memory)202、ROM(Read Only Memory)203、ストレージ装置204、ネットワークI/F(Interface)205、入力装置206、表示装置207、外部接続I/F208、及びバス209等を有する。
【0028】
CPU201は、ROM203やストレージ装置204等に格納されたプログラムやデータをRAM202上に読み出し、処理を実行することで、情報処理装置110の各機能を実現する演算装置である。RAM202は、CPU201のワークエリア等として用いられる揮発性のメモリである。ROM203は、電源を切ってもプログラムやデータを保持する不揮発性のメモリである。
【0029】
ストレージ装置204は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)や、SSD(Solid State Drive)等の大容量の記憶装置であり、OS(Operating System)、アプリ、プリンタドライバ、各種のデータ等を記憶する。ネットワークI/F205は、情報処理装置110をネットワーク101等に接続するための通信インタフェースである。
【0030】
入力装置206は、例えば、マウス等のポインティングデバイスや、キーボード等の入力デバイスであり、情報処理装置110に各操作信号を入力するために用いられる。表示装置207はディスプレイ等の表示デバイスであり、情報処理装置110による処理結果等を表示する。なお、入力装置206、及び表示装置207は、例えば、タッチパネルディスプレイのように一体化された表示入力装置であっても良い。
【0031】
外部接続I/F208は、情報処理装置110に外部装置を接続するためのインタフェースである。外部装置には、例えば、記憶媒体210等が含まれ得る。バス209は、上記の各構成要素に接続され、アドレス信号、データ信号、及び各種制御信号等を伝送する。
【0032】
(画像形成装置のハードウェア構成)
図3は、一実施形態に係る画像形成装置のハードウェア構成の例を示す図である。画像形成装置120は、例えば、コントローラ310、操作パネル320、通信I/F330、プロッタ340、スキャナ350、及びファクスコントロールユニット(以下、FCUと呼ぶ)360等を有する。
【0033】
コントローラ310は、コンピュータの構成を有しており、例えば、CPU311、RAM312、ROM313、NVRAM(Non-Volatile RAM)314、及びHDD315等を含む。
【0034】
ROM313は、各種プログラムやデータを格納している不揮発性の記憶装置である。RAM312は、プログラムやデータを一時保持する揮発性の記憶装置である。NVRAM314は、例えば設定情報等を格納する書き込み可能な不揮発性の記憶装置である。HDD315は、各種プログラムやデータを格納している大容量の記憶装置である。
【0035】
CPU311は、ROM313、NVRAM314、HDD315等からプログラムやデータ、設定情報等をRAM312上に読み出し、処理を実行することで、画像形成装置120の全体の制御や機能を実現する演算装置である。
【0036】
操作パネル320は、ユーザからの入力を受付する入力部と、表示を行う表示部とを備えている。通信I/F330は、画像形成装置120をネットワーク101等に接続するための通信インタフェースである。
【0037】
プロッタ340は、印刷データを印刷する印刷装置である。スキャナ350は、原稿等を読み取る読取装置である。FCU360は、ファクスデータの送受信等を行う。
【0038】
<機能構成>
図4は、一実施形態に係る情報処理システムの機能構成の例を示す図である。
【0039】
(情報処理装置の機能構成)
情報処理装置110は、
図2のCPU201でプリンタドライバ400を実行することにより、印刷設定部410、及び描画部420を実現している。なお、情報処理装置110は、一般的なOS、アプリケーション等の他のプログラムも実行しているが、ここでは、他のプログラムの機能構成に関する説明は省略する。
【0040】
印刷設定部410は、例えば、ユーザがアプリケーションから印刷を行う際に、印刷に関する様々な設定を行う設定画面を表示させて、ユーザによる設定操作を受け付ける。印刷設定部410は、例えば、印刷設定表示部411、及び特別色設定表示部412を含む。
【0041】
印刷設定表示部411は、例えば、原稿サイズ、原稿方向、カラー/モノクロ、片面/両面、集約、ステープル等の一般的な設定項目を設定する印刷設定画面を、
図2の表示装置207等に表示させる。
【0042】
特別色設定表示部412は、画像形成装置120に送信する印刷データのうち、IRトナー等の特別な色で印刷する文字、図形等の描画データのRGB値を設定する特別色の設定画面を表示する。なお、特別色の設定画面については、後述する第1~3の実施形態で詳しく説明する。
【0043】
一例として、印刷設定表示部411が表示させる印刷設定画面には、一般的なプリンタドライバが表示させる印刷設定画面の項目に加えて、特別色の設定画面を呼出すためのボタン等が含まれる。ユーザは、この特別色の設定画面を呼出すためのボタン等を選択することにより、特別色設定表示部412に特別色の設定画面を表示させることができる。
【0044】
また、別の一例として、印刷設定表示部411が表示させる印刷設定画面と、特別色設定表示部412が表示させる特別色の設定画面は、印刷設定部410が表示させる1つの印刷設定画面の中に含まれているものであっても良い。
【0045】
描画部420は、印刷対象となるデータに基づいて、画像形成装置120で印刷可能な印刷データを作成し、作成した印刷データを、例えば、OSの機能を利用して画像形成装置120に送信する。描画部420は、例えば、印刷データ生成部421、及び特別色設定情報生成部422を含む。
【0046】
印刷データ生成部421は、印刷対象となるデータを、画像形成装置120で印刷可能な印刷データに変換する。なお、印刷データ生成部421の機能は、一般的なプリンタドライバの描画部が備える機能と同様で良い。
【0047】
特別色設定情報生成部422は、特別色の設定画面で設定されたRGB値を、IRトナー等の特別な色で印刷することを指示する特別色の設定情報を生成する。なお、特別色の設定情報については、後述する第1~3の実施形態で詳しく説明する。
【0048】
上記の構成により、プリンタドライバ400の印刷設定部410は、画像形成装置120に送信する印刷データのうち、IRトナー等の特別な色で印刷する描画データをRGB値で設定する特別色の設定画面を、
図2の表示装置207等に表示させる。
【0049】
また、プリンタドライバ400の描画部420は、特別色の設定画面で、特別な色で印刷するRGB値が設定された場合、設定されたRGB値を特別な色で印刷することを指示する特別色の設定情報を含む印刷データを、画像形成装置120に送信する。
【0050】
(画像形成装置の機能構成)
画像形成装置120は、例えば、
図3のCPU311で所定のプログラムを実行することにより、通常印刷部431、特別色印刷部432、及び印刷制御部433等を実現している。なお、通常印刷部431、特別色印刷部432、及び印刷制御部433のうち、少なくとも一部は、ハードウェアによって実現されるものであっても良い。
【0051】
通常印刷部431は、印刷制御部433からの制御に従って、
図3のプロッタ340を用いて、カラー印刷、モノクロ印刷等の通常の印刷を行う。例えば、画像形成装置120が、C、M、Y、Kの4色のトナーを搭載可能である場合、通常印刷部431は、C、M、Yの3色のトナーを用いて、カラー印刷又はモノクロ印刷を行う。
【0052】
また、画像形成装置120が、C、M、Y、Kの4色のトナーに加えて、IRトナー等の特別な色のトナーを搭載可能である場合、通常印刷部431は、C、M、Y、Kの4色のトナーを用いて、カラー印刷、又はモノクロ印刷を行う。
【0053】
特別色印刷部432は、印刷制御部433からの制御に従って、
図3のプロッタ340を用いて、IRトナー等の特別な色で特別色印刷を行う。例えば、画像形成装置120が、C、M、Y、Kの4色のトナーを搭載可能である場合、Kトナーに代えてIRトナー等の特別な色のトナーを装着し、特別色印刷部432は、この特別な色のトナーを用いて特別色印刷を行う。
【0054】
また、画像形成装置120が、C、M、Y、Kの4色のトナーに加えて、IRトナー等の特別な色のトナーを搭載可能である場合、特別色印刷部432は、IRトナー等の特別な色のトナーを用いて特別色印刷を行う。
【0055】
印刷制御部433は、通常印刷部431による通常印刷、及び特別色印刷部432による特別色印刷を制御する。
【0056】
例えば、情報処理装置110から受信した印刷データに、特別な色で印刷するRGB値を指示する特別色の設定情報が含まれていない場合、印刷制御部433は、印刷データを通常印刷部431に通常印刷させる。なお、「印刷データに特別色の設定情報が含まれていない場合」には、印刷データに付加された特別色の設定情報がオフ(無効)に設定されている場合も含まれる。
【0057】
一方、情報処理装置110から受信した印刷データに、特別色の設定情報が含まれている場合、印刷制御部433は、印刷データのうち、特別色の設定情報で指示されたRGB値以外の描画データを、通常印刷部431に通常印刷させる。さらに、印刷制御部433は、印刷データのうち、特別色の設定情報で指示されたRGB値の描画データを、特別色印刷部432に特別色印刷させる。なお、「印刷データに特別色の設定情報が含まれている場合」には、印刷データに付加された特別色の設定情報がオフ(無効)に設定されている場合は含まれない。
【0058】
好ましくは、印刷制御部433は、受信した印刷データにおいて、IRトナー等の特別な色の下に他の色がある場合、特別な色の下にある他の色を印刷するオーバープリントの設定を有効にする。なお、オーバープリントについては後述する。
【0059】
<アプリケーションにおける色の設定について>
ここで、オフィスアプリケーション等の一般的なアプリケーションにおける色の設定について説明する。ワードプロセッサ、表計算、プレゼンテーション等の一般的なアプリケーションでは、例えば、
図5(a)に示すような色の設定画面510を用いて、文字や図形等の色をRGB値で設定することができる。
【0060】
例えば、
図5(a)示す色の設定画面510において、ユーザは、「カラーモデル」のプルダウンメニュー511を用いて「RGB」を選択し、赤(R)、緑(G)、青(B)の設定欄512を用いて、R、G、Bの値を設定することができる。
【0061】
標準的なアプリケーションでは、R、G、Bの値を、それぞれ、0~255の数値で設定する。0~255は、デジタル値の8ビットで表現できる数値を10進数で表したものであり、各色を0~255の256段階で設定することにより、256の3乗(=16777216色)の色を表現することができる。
【0062】
図5(b)は、R、G、Bの値で表されるRGBの色空間を示している。
図5(b)において、R、G、Bの各値が0、すなわち、(0、0、0)は、「黒」を表わしている。また、R、G、Bの各値が255、すなわち(255、255、255)は、「白」を表している。同様に、(0、0、255)は「青」、(255、0、0)は「赤」、(0、255、0)は「緑」をそれぞれ表している。このように、R、G、B値の組合せによって、
図5(b)に示すRGBの色空間における全ての色を表現することができる。
【0063】
なお、
図5(a)に示す色の設定画面510において、カラーモデルのプルダウンメニュー511を用いて、例えば、「HSL」を選択することにより、HSLの色空間で文字や図形等の色を設定することができる。HSLの色空間では、H(Hue:色彩)、S(Saturation:彩度)、L(Lightness:輝度)の値で表されるが、公知の計算式により、RGBの色空間のR、G、Bの値に変換することができる。
【0064】
また、アプリケーションによっては、RGBの色空間におけるR、G、Bの値を0%~100%で設定する場合もあるが、この場合も、255を100%とすることにより、0%~100%の設定値を、0~255のRGB値に変換することができる。
【0065】
このように、一般的なアプリケーションでは、RGBの色空間の範囲内で色の設定を行うことができるが、特別な色(例えば、不可視トナー、蛍光色等)で印刷したい場合には、C、M、Y、Kと、特色に対応した専用のアプリケーションを利用していた。
【0066】
<プリンタドライバにおける特別色の設定について>
続いて、プリンタドライバ400における特別色の設定画面と、印刷データに付加される特別色の設定情報について、第1~3の実施形態を例示して説明する。
【0067】
[第1の実施形態]
図6は、第1の実施形態に係る特別色の設定画面の例を示す図である。この図は、情報処理装置110の特別色設定表示部412が、
図2の表示装置207等に表示させる特別色の設定画面の一例を示している。
【0068】
ユーザは、例えば、
図6に示すような特別色の設定画面600において、特別色を「設定する」、又は「設定しない」を設定する設定欄601で「設定する」を選択することにより、特別色の設定を行うことができる。
【0069】
例えば、ユーザは、アプリケーションで、IRトナー等の特別な色で印刷したい文字や図形等を所定のRGB値を指定して作成し、特別色の設定画面600においてRGB値の設定欄602に所定のRGB値を入力して「OK」ボタン603を選択する。
【0070】
これにより、情報処理装置110の特別色設定情報生成部422は、例えば、
図7に示すような、特別色の設定情報701を生成する。なお、生成された特別色の設定情報701は、印刷データ生成部421が生成する印刷データ700に付加されて、画像形成装置120に送信される。
【0071】
図7に示す特別色の設定情報701において、「@PJL SET IR_PRINT=ON」の記述は、特別色印刷を行うことを示している。
【0072】
また、特別色の設定情報701において、「@PJL SET IR_COLOR_R=255」、「@PJL SET IR_COLOR_G=255」、「@PJL SET IR_COLOR_B=0」の記述は、特別色で印刷する描画データのRGB値を示している。
【0073】
例えば、
図7に示す特別色の設定情報701が印刷データ700に付加されている場合、画像形成装置120は、印刷データに含まれる描画データのうち、RGB値が(255、255、0)の描画データを、IRトナー等の特別な色で印刷する。
【0074】
[第2の実施形態]
図8は、第2の実施形態に係る特別色の設定画面の例を示す図である。この図は、情報処理装置110の特別色設定表示部412が、
図2の表示装置207等に表示させる特別色の設定画面の別の一例を示している。
【0075】
図8に示す特別色の設定画面800では、
図6に示す第1の実施形態に係る特別色の設定画面600に対して、許容範囲の設定欄801が追加されている。許容範囲の設定欄801では、RGB値の設定欄602で設定されたR、G、Bの各値の許容範囲を設定可能である。例えば、RGB値の設定欄602で設定されたRGB値が(r、g、b)であり、許容範囲の設定欄801で設定された許容範囲が±2である場合、RGB値が(r±2、g±2、b±2)の範囲内の色が、IRトナー等の特別な色で特別色印刷される。
【0076】
ユーザは、例えば、
図8に示すような特別色の設定画面800において、設定欄601で「設定する」を選択することにより、特別色の設定を行うことができる。また、ユーザは、アプリケーションで、IRトナー等の特別な色で印刷したいRGB値を決定し、決定したRGB値を、RGB値の設定欄602に入力する。さらに、ユーザは、IRトナー等の特別な色で印刷したRGB値の許容範囲を設定する場合、許容範囲の設定欄801で許容範囲を設定する。
【0077】
これにより、情報処理装置110の特別色設定情報生成部422は、例えば、
図9に示すような、特別色の設定情報901を生成する。なお、生成された特別色の設定情報901は、印刷データ生成部421が生成する印刷データ900に付加されて、画像形成装置120に送信される。
【0078】
図9に示す特別色の設定情報901には、
図7に示す第1の実施形態に係る特別色の設定情報701に対して、「@PJL SET IR_COLOR_MARGIN=1」の記述902が追加されている。この記述は、許容範囲の設定欄801で設定されたRGB値の許容範囲が「±1」であることを示している。
【0079】
例えば、
図9に示す特別色の設定情報901が印刷データ700に付加されている場合、画像形成装置120は、印刷データに含まれる描画データのうち、RGB値が(255±1、255±1、0±1)の描画データを、IRトナー等の特別な色で印刷する。
【0080】
[第3の実施形態]
図10は、第3の実施形態に係る特別色の設定画面の例を示す図である。この図は、情報処理装置110の特別色設定表示部412が、
図2の表示装置207等に表示させる特別色の設定画面の別の一例を示している。
【0081】
図10に示す特別色の設定画面1000では、例えば、文字、図形、イメージ(写真)等の描画データの属性毎に、特別色の設定を行うか否か、及びIRトナー等の特別な色で印刷するRGB値等を設定可能である。
【0082】
例えば、文字の設定画面1001では、文字に特別色の設定を行うか否か、及びIRトナー等の特別な色で印刷するRGB値等の設定を行うことができる。また、図形の設定画面1002では、図形に特別色の設定を行うか否か、及びIRトナー等の特別な色で印刷するRGB値等の設定を行うことができる。さらに、イメージの設定画面1003では、例えば、写真等のイメージに特別色の設定を行うか否か、及びIRトナー等の特別な色で印刷するRGB値等の設定を行うことができる。
【0083】
これにより、情報処理装置110の特別色設定情報生成部422は、例えば、
図11に示すような、特別色の設定情報1101~1103を生成する。なお、生成された特別色の設定情報1101~1103は、印刷データ生成部421が生成する印刷データ1100に付加されて、画像形成装置120に送信される。
【0084】
図11に示す特別色の設定情報1101には、
図10の文字の設定画面1001で設定された情報が記述されている。例えば、「@PJL SET IR_TEXT=ON」の記述は、印刷データにおける文字を特別色印刷することを示している。また、「@PJL SET IR_TEXT_COLOR_R=255」、「@PJL SET IR_TEXT_COLOR_G=255」、「@PJL SET IR_TEXT_COLOR_B=0」の記述は、特別色で印刷する文字のRGB値を示している。
【0085】
また、
図11に示す特別色の設定情報1102には、
図10の図形の設定画面1002で設定された情報が記述されている。例えば、「@PJL SET IR_GRAPHICS=ON」の記述は、印刷データにおける図形(グラフィックス)を特別色印刷することを示している。また、「@PJL SET IR_GRAPHICS_COLOR_R=0」、「@PJL SET IR_GRAPHICS_COLOR_G=255」、「@PJL SET IR_GRAPHICS_COLOR_B=255」の記述は、特別色で印刷する図形のRGB値を示している。
【0086】
さらに、
図11に示す特別色の設定情報1103には、
図10のイメージの設定画面1003で設定された情報が記述されている。例えば、「@PJL SET IR_IMAGE=OFF」の記述は、印刷データにおける図形(グラフィックス)を特別色印刷しないことを示している。
【0087】
例えば、
図11に示す特別色の設定情報1101~1103が印刷データ1100に付加されている場合、画像形成装置120は、印刷データに含まれる写真等のイメージを通常印刷する。また、画像形成装置120は、印刷データに含まれる文字のうち、RGB値が(255、255、0)の文字を、IRトナー等の特別な色で印刷する。さらに、画像形成装置120は、印刷データに含まれる図形のうち、RGB値が(0、255、255)の図形を、IRトナー等の特別な色で印刷する。
【0088】
なお、
図10に示す第3の実施形態に係る特別色の設定画面1000においても、第2の実施形態で示したような、許容範囲の設定欄が含まれていても良い。
【0089】
[その他の実施形態]
図6~11で説明した特別色の設定画面は一例であり、様々な応用が可能である。
【0090】
例えば、特別色の設定画面は、RGB値の設定欄602に代えて、例えば、黒、シアン、マゼンタ、黄、赤、緑、青、白等の色を表示させて、選択された色のRGB値を取得するものであっても良い。この場合、特別色設定情報生成部422は、選択された色のRGB値を用いて、
図7、9、11等に示すような特別色の設定情報を作成する。これにより、画像形成装置120は、第1~3の実施形態と同様の処理を実行することができる。
【0091】
また、特別色の設定画面は、RGB値の設定欄602に代えて、前述したHSLの値を入力するHSLの設定欄等を表示させて、設定されたHSL値等からRGB値を算出するもの等であっても良い。
【0092】
このように、特別色設定表示部412が表示させる特別色の設定画面は、例えば、IRトナー等の特別な色で印刷する描画データのRGB値を設定することができるものであれば良く、その入力方法や入力形式等は、任意の方法や形式であって良い。
【0093】
さらに、特別色の設定画面は、例えば、R、B、Gの各値を同じ値に設定する「R=G=B」、及びその許容範囲を設定可能なものであっても良い。この場合、グレー、白、黒を選択的に、IRトナー等の特別な色で特別色印刷することができる。
【0094】
<処理の流れ>
続いて、一実施形態に係る情報処理システム100における情報処理方法の処理の流れについて説明する。
【0095】
(情報処理装置の処理)
図12は、一実施形態に係る情報処理装置の処理の例を示すフローチャートである。この処理は、例えば、ユーザが、一般的なアプリケーションで作成したデータを印刷する際等に、プリンタドライバ400が実行する処理の例を示している。
【0096】
なお、この処理は、第1~3の実施形態に共通する処理になるが、ここでは、説明を容易にするため、特別色の設定画面が、
図6に示すような第1の実施形態に係る特別色の設定画面600であるものとして、以下の説明を行う。
【0097】
ステップS1201において、プリンタドライバ400の印刷設定部410は、一般的な印刷設定画面、及び、例えば、
図6に示すような特別色の設定画面600を、
図2の表示装置207等に表示させる。
【0098】
ステップS1202において、印刷設定部410は、印刷設定画面、及び特別色の設定画面600に対するユーザの設定操作を受け付ける。
【0099】
ステップS1203において、印刷設定部410は、及び特別色の設定画面600において、特別色の設定がオン(有効)に設定されたか否かを判断する。例えば、印刷設定部410は、
図6に示す特別色の設定画面600の設定欄601において、「設定する」が選択された場合、特別色の設定がオン(有効)に設定されたと判断する。また、印刷設定部410は、設定欄601で「設定しない」が選択された場合、及び「設定する」、「設定しない」のいずれも選択されていない場合、特別色の設定がオン(有効)に設定されていないと判断する。
【0100】
特別色の設定がオン(有効)に設定されている場合、プリンタドライバ400は、処理をステップS1204に移行させる。一方、特別色の設定がオン(有効)に設定されていない場合、プリンタドライバ400は、処理をステップS1205に移行させる。
【0101】
ステップS1204に移行すると、プリンタドライバ400の描画部420は、特別色の設定画面600で設定されたRGB値を、IRトナー等の特別な色で印刷することを指示する印刷データを作成する。例えば、特別色設定情報生成部422は、特別色の設定画面600で設定されたRGB値を用いて、
図7に示すような特別色の設定情報701を生成する。また、印刷データ生成部421は、印刷対象となるデータを、画像形成装置120が印刷可能な形式に変換し、特別色設定情報生成部422が生成した特別色の設定情報701を付加した印刷データ700を生成する。
【0102】
一方、ステップS1203からステップS1205に移行すると、プリンタドライバ400の描画部420は、例えば、特別色の設定情報701を含まない通常の印刷データを生成する。
【0103】
別の一例として、プリンタドライバ400の描画部420は、
図7に示すような特別色の設定情報701において、「@PJL SET IR_PRINT」の値がOFF(無効)に設定された特別色の設定情報を含む印刷データを生成するものであっても良い。
【0104】
ステップS1206において、プリンタドライバ400の描画部420は、作成した印刷データを、OSの機能(例えば、スプーラ等)を利用して画像形成装置120に送信する。
【0105】
(画像形成装置の処理)
図13は、一実施形態に係る画像形成装置の処理の例を示すフローチャートである。この処理は、画像形成装置120が、
図12のステップS1206で送信された印刷データを受信したときに実行する処理の例を示している。
【0106】
ステップS1301において、画像形成装置120は、情報処理装置110から送信された印刷データを受信する。
【0107】
ステップS1302において、画像形成装置120の印刷制御部433は、受信した印刷データにおいて、特別色の設定がオン(有効)になっているか否かを判断する。例えば、印刷制御部433は、
図7に示すように、印刷データ700に特別色の設定情報701が含まれており、かつ「@PJL SET IR_PRINT」の値がオン(有効)に設定されている場合、特別色の設定がオン(有効)になっていると判断する。
【0108】
一方、印刷制御部433は、受信した印刷データに特別色の設定情報701が含まれていない場合、及び特別色の設定情報701において、「@PJL SET IR_PRINT」の値がオフ(無効)に設定されている場合、特別色の設定がオフ(無効)と判断する。
【0109】
特別色の設定がオン(有効)になっている場合、印刷制御部433は、処理をステップS1303に移行させる。一方、特別色の設定がオフ(無効)である場合、処理をステップS1306に移行させる。
【0110】
ステップS1303に移行すると、画像形成装置120の印刷制御部433は、印刷データに含まれる、例えば、
図7に示すような特別色の設定情報701から、例えば、IRトナー等の特別な色で印刷する色(RGB値)を読み取る。
図7の例では、RGB値として(255、255、0)が読み出される。
【0111】
ステップS1304において、画像形成装置120の印刷制御部433は、通常印刷部431を制御して、特別な色に設定されている色(RGB値)以外の部分を、例えば、C、M、Yトナーを使って通常印刷(カラー印刷又はモノクロ印刷)させる。
【0112】
好ましくは、印刷制御部433は、受信した印刷データにおいて、特別な色の下に他の色がある場合、特別な色の下にある他の色を印刷するオーバープリントを行う。
【0113】
図14は、一実施形態に係るオーバープリントについて説明するための図である。ここでは、説明用の一例として、
図14(a)に示すように、背景色で塗りつぶされた領域1401の上に黒色(Black)の文字1402を印刷するものとする。
【0114】
オーバープリントを行わない場合、
図4(b)に示すように、領域1401のうち、文字1402の下の部分1403には背景色の印刷が行われない。一方、オーバープリントを行う場合、
図4(c)に示すように、領域1401は、文字1402の下の部分も背景色の印刷が行われる。
【0115】
従って、例えば、IRトナーを用いて文字1402を印刷する場合、オーバープリントを行わないと、
図14(b)に示すように、領域1401内の文字1402の部分に用紙の色(例えば、白色)が見えてしまうことになる。そこで、本実施形態では、オーバープリントを指定して、IRトナー等の特別な色以外の部分を通常印刷する。これにより、例えば、
図14(b)に示すように、領域1401内の文字1402の部分にも背景色が印刷されるので、例えば、IRトナーを用いて特別色印刷を行った場合でも、期待通りの印刷結果が得られるようになる。
【0116】
ここで、
図13に戻り、フローチャートの説明を続ける。
【0117】
ステップS1305において、画像形成装置120の印刷制御部433は、特別色印刷部432を制御して、特別な色に設定されている色(RGB値)を、例えば、IRトナー等の特別な色で印刷する。なお、ステップS1305の処理は、ステップS1304の処理と並行して実行しても良い。
【0118】
一方、ステップS1302からステップS1306に移行すると、画像形成装置120の印刷制御部433は、印刷データを、例えば、C、M、Yトナーを使って通常印刷(カラー印刷又はモノクロ印刷)する。
【0119】
上記の処理により、ユーザは、印刷データのうち、例えば、
図6に示す特別色の設定画面600で設定したRGB値に対応する描画データ(文字、図形等)を、IRトナー等の特別な色で印刷することができる。
【0120】
なお、例えば、
図8に示す特別色の設定画面800で、許容範囲が設定された場合には、
図13のステップS1304において、印刷制御部433は、設定されたRGB値から許容内の色以外の部分を、通常印刷部431に通常印刷させる。また、
図13のステップS1305において、印刷制御部433は、設定されたRGB値から許容内の色の部分を、特別色印刷部432に、例えば、IRトナー等の特別な色で特別色印刷させる。
【0121】
さらに、例えば、
図10に示す特別色の設定画面800で、特別な色で印刷する文字のRGB値、及び特別な色で印刷する図形のRGB値が指定されているものとする。この場合、
図13のステップS1304において、印刷制御部433は、指定されたRGB値の文字、及び指定されたRGB値の図形以外の部分を、通常印刷部431に通常印刷させる。また、
図13のステップS1305において、印刷制御部433は、指定されたRGB値の文字、及び指定されたRGB値の図形を、特別色印刷部432に、例えば、IRトナー等の特別な色で特別色印刷させる。
【0122】
以上、本発明の各実施形態によれば、一般的なアプリケーションを用いて、特別な色を指定して印刷することができるようになる。
【符号の説明】
【0123】
100 情報処理システム
110 情報処理装置(コンピュータ)
120 画像形成装置
400 プリンタドライバ(プログラム)
410 印刷設定部
420 描画部
431 通常印刷部
432 特別色印刷部
433 印刷制御部
600、800、1000 特別色の設定画面
【先行技術文献】
【特許文献】
【0124】