(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-25
(45)【発行日】2022-08-02
(54)【発明の名称】光変調素子
(51)【国際特許分類】
G02F 1/13 20060101AFI20220726BHJP
G02F 1/1339 20060101ALI20220726BHJP
G02B 1/11 20150101ALI20220726BHJP
G02B 1/18 20150101ALI20220726BHJP
【FI】
G02F1/13 505
G02F1/1339 500
G02B1/11
G02B1/18
(21)【出願番号】P 2020563587
(86)(22)【出願日】2019-07-02
(86)【国際出願番号】 KR2019008075
(87)【国際公開番号】W WO2020009443
(87)【国際公開日】2020-01-09
【審査請求日】2020-11-12
(31)【優先権主張番号】10-2018-0076481
(32)【優先日】2018-07-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2019-0079555
(32)【優先日】2019-07-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】500239823
【氏名又は名称】エルジー・ケム・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】龍華国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】ユ、ジュン スン
(72)【発明者】
【氏名】オー、ドン ヒュン
(72)【発明者】
【氏名】キム、ナム ギュ
(72)【発明者】
【氏名】リム、ウン ジュン
【審査官】磯崎 忠昭
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-198744(JP,A)
【文献】特表2012-529661(JP,A)
【文献】特開2004-093873(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0078423(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02F 1/13
G02F 1/1339
G02F 1/15-1/19
G02B 1/11
G02B 1/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
対向配置された第1及び第2基材フィルム及び、前記第1及び第2基材フィルムの間に配置されており、スペーサーを含む光変調層を有し、
前記第1及び第2基材フィルムのうち一つ以上の基材フィルムの外側に配置されたバッファー層をさらに有
し、
前記第1及び第2基材フィルムのうち一つ以上の基材フィルムは、前記スペーサーにより表面屈曲を有し、
前記バッファー層は、バッファーフィルム及び感圧式粘着層を順次に含み、
前記バッファーフィルムは、前記感圧式粘着層を媒体として前記第1及び第2基材フィルムのうち一つ以上の基材フィルムの外側に付着され、
前記バッファーフィルムは、少なくとも外表面が平坦である、
光変調素子。
【請求項2】
前記第1又は第2基材フィルムの厚さ(T4)と対向配置された前記第1及び第2基材フィルムの間の間隔(T5)の割合(T4/T5)は、1~30の範囲内である、請求項1に記載の光変調素子。
【請求項3】
前記スペーサーは、前記光変調層内に互いに離隔されて複数存在する、請求項1または2に記載の光変調素子。
【請求項4】
前記バッファーフィルムは、両表面が平坦である、請求項
1から3のいずれか一項に記載の光変調素子。
【請求項5】
前記
感圧式粘着層は、前記バッファーフィルムに向ける表面は平坦であり、前記光変調層に向ける表面は表面屈曲を有する、請求項
1から4の何れか一項に記載の光変調素子。
【請求項6】
前記
感圧式粘着層は、OCA(Optically Clear Adhesive)
感圧式粘着剤を含む、請求項
1から
5の何れか一項に記載の光変調素子。
【請求項7】
前記
感圧式粘着層の厚さ(T1)と前記第1又は第2基材フィルムの厚さ(T2)の割合(T1/T2)が0.1~4の範囲内である、請求項
1から
6の何れか一項に記載の光変調素子。
【請求項8】
前記
感圧式粘着層の厚さ(T1)と前記バッファーフィルムの厚さ(T3)の割合(T3/T1)が0.25~50の範囲内である、請求項
7に記載の光変調素子。
【請求項9】
前記表面屈曲は、前記スペーサーが存在する領域に対応する基材フィルムの領域で凸部を有し、前記スペーサーが存在しない領域に対応する基材フィルムの領域で凹部を有する、請求項
1から8の何れか一項に記載の光変調素子。
【請求項10】
前記表面屈曲で最も凸な領域と最も凹な領域の高さ差が0.1μm~1μmである、請求項
1から9の何れか一項に記載の光変調素子。
【請求項11】
前記第1基材フィルム及び第2基材フィルムのうち一つ以上の基材フィルムは、フレキシブルフィルムである、請求項1から
10の何れか一項に記載の光変調素子。
【請求項12】
前記第1基材フィルムの内側に第1電極層を含み、前記第2基材フィルムの内側に第2電極層をさらに含む、請求項1から
11の何れか一項に記載の光変調素子。
【請求項13】
前記光変調層に対する電圧印加の有無によって透過率を変化させる、請求項1から
12の何れか一項に記載の光変調素子。
【請求項14】
前記光変調層は、光変調物質として液晶化合物を含む、請求項1から
13の何れか一項に記載の光変調素子。
【請求項15】
前記バッファー層の外側に配置された機能性層をさらに含み、前記機能性層は、アンチフォグ層(anti-fog layer)、セルフヒーリング層(self-healing layer)、アンチリフレッション層(anti-reflection layer)、アンチフィンガー層(anti-finger layer)、アンチファウリング層(anti-fouling layer)、アンチグレア層(anti-glare layer)、ミラー層(mirror layer)又は硬度向上層を含む、請求項1から
14の何れか一項に記載の光変調素子。
【請求項16】
請求項1から
15の何れか一項に記載の光変調素子を含むフレキシブル表示装置。
【請求項17】
前記フレキシブル表示装置は、アイウェアであり、
前記アイウェアは、それぞれ前記光変調素子を含む左眼用レンズと右眼用レンズ;及び前記左眼用レンズと右眼用レンズを支持するフレームを含む、請求項
16に記載のフレキシブル表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願との相互引用
本出願は、2018年07月02日に提出された大韓民国特許出願第10-2018-0076481号及び2019年07月02日に提出された大韓民国特許出願第10-2019-0079555号 に基づく優先権の利益を主張し、該当韓国特許出願の文献に開示されたすべての内容は本明細書の一部として組み込まれる。
【0002】
技術分野
本出願は、光変調素子及びその用途に関する。
【背景技術】
【0003】
特許文献1(大韓民国登録特許公報第1775332号)で、液晶セル(Liquid crystal cell)のような光変調素子は、一般的に上部基材フィルムと下部基材フィルムのセルギャップを維持するためにスペーサーを含むことができる。また、光変調素子をアイウェア(Eyewear)などのようにバンディングされているフレキシブル表示装置に適用しようとする場合、上部基材フィルム及び下部基材フィルムでフレキシブル(flexible)基材フィルムが必要なことがある。
【0004】
しかし、フレキシブル基材フィルムを適用して光変調素子を製作する場合、スペーサーが存在する部分と存在しない部分の押される程度差によって上部基材フィルムと下部基材フィルムの表面に屈曲が発生する問題が発生できる。このような表面屈曲によって光変調素子の表面を反射視感で観察すると、表面屈曲が確認されて製品の品質が低下される問題が発生できる。したがって、スペーサーにより誘発される基材フィルムの表面屈曲を改善することができる光変調素子が要求される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本出願の課題は、スペーサーにより誘発される基材フィルムの表面屈曲を改善することで表面反射視感観察時の表面屈曲(waviness)現象を抑制することができる光変調素子を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本出願は、光変調素子に関する。前記光変調素子は、対向配置された第1基材フィルムと第2基材フィルムを含むことができる。前記光変調素子は、第1基材フィルムと第2基材フィルムの間に配置された光変調層を含むことができる。前記光変調層は、スペーサーを含むことができる。前記光変調素子は、前記第1基材フィルムと第2基材フィルムのうち一つ以上の基材フィルムの外側に配置されたバッファー層をさらに有することができる。前記バッファー層は、第1基材フィルムの外側に形成されるか、第2基材フィルムの外側に形成されるか、又は第1基材フィルム及び第2基材フィルムのそれぞれの外側に形成されてもよい。
【0007】
本明細書で「光変調層」は、外部エネルギーの印加有無によって光の透過率、反射率又はヘイズなどを変化させることができる機能性層を意味することができる。
【0008】
本明細書で「バッファー層」は、スペーサーにより誘発される基材フィルムの表面屈曲を緩和することができる機能性層を意味することができる。
【0009】
本明細書で用語「内側」は、光変調素子で光変調層に向ける側を意味し、「外側」は、光変調素子で光変調層に向ける側の反対側を意味する。
【0010】
図1は、本出願の光変調素子を例示的に示す。
図1の光変調素子は、対向配置された第1基材フィルム10と第2基材フィルム20、前記第1基材フィルム10と第2基材フィルム20の間に配置されたスペーサー31を含む光変調層30及び、前記第1基材フィルム10と第2基材フィルム20のそれぞれの外側に配置されたバッファー層40を含む光変調素子を例示的に示す。
【0011】
前記光変調層は、スペーサーを含むことができる。前記スペーサーは、第1基材フィルムと第2基材フィルムの間の間隔を維持するセルギャップ維持部材として機能することができる。前記スペーサーは、ボールスペーサー(Ball Spacer)又はコラムスペーサー(Column Spacer)であってもよい。前記スペーサーは、高分子系物質、炭素系物質、酸化物系物質及びこれらの複合物質から選択される1種以上を含むことができる。ボールスペーサーの材料は、具体的に、シリカ、ポリシロキサンポリマー又はジビニルベンゼンコポリマーであってもよい。コラムスペーサーの材料は、具体的に、UV硬化性アクリレート又はエポキシであってもよい。一つの例示で、前記スペーサーは、ブラックスペーサーであってもよい。ブラックボールスペーサーは、カーボンブラックを含むことができ、ブラックコラムスペーサーもカーボンブラックを含むことができる。
【0012】
前記スペーサーのサイズは、第1基材フィルムと第2基材フィルムの間隔(セルギャップ)を考慮して適切に調節され得る。スペーサーのサイズは、ボールスペーサーの場合、粒径を意味することができ、コラムスペーサーである場合、高さを意味することができる。スペーサーのサイズは、例えば、1μm~50μmであってもよい。スペーサーのサイズは、具体的に、1μm以上、2μm以上又は3μm以上であってもよく、50μm以下、40μm以下、30μm以下又は20μm以下であってもよい。
【0013】
前記光変調層は、スペーサーを複数個含むことができる。このとき、前記複数個のスペーサーは、光変調層内で互いに離隔された状態で存在することができる。本明細書で「離隔された状態」は、所定間隔を置いて離れた状態で存在することを意味することができる。
【0014】
前記光変調層で、スペーサーが存在する領域とスペーサーが存在しない領域の押される程度の差によって第1基材フィルム及び/又は第2基材フィルムは表面屈曲を有することができる。本出願の光変調素子は、第1基材フィルム及び/又は第2基材フィルムの外側にバッファー層を形成することで、前記表面屈曲が認知される程度を改善することができ、これによって、表面反射視感観察時に表面屈曲が観察される現象を抑制することができる。
【0015】
以下、バッファー層に対して詳しく説明する。
図1に示したように、前記バッファー層40は、バッファーフィルム42及び粘着層41を順次に含むことができる。
【0016】
前記バッファーフィルムは、両表面が平坦であってもよい。前記バッファーフィルムとしては、光学的透明性を有するフレキシブルフィルムを用いることができる。例えば、バッファーフィルムとしては、光学的に透明なプラスチックフィルムを用いることができる。具体的に、前記プラスチックフィルムとしては、DAC(diacetyl cellulose)又はTAC(triacetyl cellulose)フィルムのようなセルロースフィルム;ノルボルネン誘導体樹脂フィルムなどのCOP(cyclo olefin copolymer)フィルム;PMMA(poly(methyl methacrylate)フィルムなどのアクリルフィルム;PC(polycarbonate)フィルム;PE(polyethylene)又はPP(polypropylene)フィルムなどのようなオレフィンフィルム;PVA(polyvinyl alcohol)フィルム;PES(poly ether sulfone)フィルム;PEEK(polyetheretherketone)フィルム;PEI(polyetherimide)フィルム;PEN(polyethylenenaphthatlate)フィルム;PET(polyethyleneterephtalate)フィルムなどのようなポリエステルフィルム;PI(polyimide)フィルム;PSF(polysulfone)フィルム;PAR(polyarylate)フィルム又はフッ素樹脂フィルムなどが例示され得、一般的には、セルロースフィルム、ポリエステルフィルム又はアクリルフィルムなどが用いられ得、好ましくは、TACフィルム又はPCフィルムが用いられ得るが、本出願の目的を考慮して適切に選択され得る。
【0017】
前記バッファーフィルムの厚さは、50μm以上であってもよい。このような厚さ範囲は、基材フィルムの表面屈曲を改善するのに一層有利である。前記バッファーフィルムの厚さの上限は、例えば、1000μm以下であってもよい。バッファーフィルムの厚さは、具体的に、50μm以上、100μm以上又は150μm以上であってもよく、1000μm以下、900μm以下、800μm以下、700μm以下、600μm以下又は550μm以下であってもよい。バッファーフィルムの材料によって厚さ範囲も適切に選択され得る。一つの例示で、バッファーフィルムでPCフィルムを用いる場合、厚さ範囲は、200μm~800μm又は400μm~600μmであってもよい。他の一つの例示で、バッファーフィルムでTACフィルムを用いる場合、厚さ範囲は、50μm~350μm又は150μm~250μmであってもよい。
【0018】
前記粘着層は、バッファーフィルムに向ける表面が平坦であり、光変調層に向ける表面は、表面屈曲を有することができる。具体的に、前記粘着層は、光変調素子の第1基材フィルム及び/又は第2基材フィルムの表面に発生する屈曲に付着され、前記第1基材フィルム及び/又は第2基材フィルムの表面屈曲に対応する面は、表面屈曲を有し、その反対側面は、平坦に形成され得る。これによって、前記バッファーフィルムは、前記粘着層の平坦な面に形成されて両表面が平坦である。
【0019】
前記粘着層は、OCA(Optically Clear Adhesive)粘着剤を含むことができる。前記OCA粘着剤は、感圧式粘着剤であってもよく、例えば、アクリル系粘着剤、シリコン系粘着剤、ゴム系粘着剤、ウレタン粘着剤などの公知の粘着剤を特な制限なしに用いることができる。OCA粘着剤は、液状で提供されるOCR(Optically Clear Resin)粘着剤と区分される概念であって、主に固相、半固相又は弾性を有する状態で提供され得る。前記感圧式粘着剤は、接着剤の一種であって、水、溶剤、熱などを使用せず、接着剤の一部分に加える少しの圧力のみでも被着剤に粘着する機能を有する物質を意味することができる。
【0020】
適合な表面特性の確保のために、前記粘着層の厚さが制御され得る。例えば、前記粘着層の厚さ(T1)と前記基材フィルム(すなわち、前記粘着層が付着される基材フィルム)の厚さ(T2)の割合(T1/T2)が約0.1~4の範囲内であってもよい。上記割合(T1/T2)は、他の例示で、約0.2以上、約0.3以上又は約0.4以上であるか、約3.5以下、約3以下、約2.5以下、約2以下、約1.9以下、1.8以下、1.7以下、1.6以下、1.5以下、1.4以下、1.3以下、1.2以下、1.1以下又は1以下程度であってもよい。
【0021】
一方、粘着層の厚さ(T1)と前記バッファーフィルムの厚さ(T3)の割合(T3/T1)が約0.25~50の範囲内であってもよい。上記割合(T3/T1)は、他の例示で、約0.5以上、約0.75以上、約1以上、約1.25以上、約1.5以上、約1.75以上、約2以上、約2.25以上又は約2.5以上であるか、約40以下、約30以下、約20以下、約10以下、約9以下、約8以下、約7以下、約6以下又は約5以下程度であってもよい。
【0022】
このような範囲で光変調素子、特に薄い基材フィルムが適用されると共にセルギャップが適正レベルに確保された光変調素子の表面屈曲問題を効率的に解消することができる。
【0023】
図2は、スペーサーにより誘発される表面屈曲を説明するための光変調素子の一部拡大図である。上述したように、前記第1基材フィルム10及び第2基材フィルム20のうち一つ以上の基材フィルムは、スペーサー31により誘発される表面屈曲を有することができる。前記表面屈曲を有する基材フィルムは、両表面が全て表面屈曲を有することができる。
【0024】
前記表面屈曲は、スペーサーが存在する領域に対応する基材フィルムの領域で凸部を有し、スペーサーが存在しない領域に対応する基材フィルムの領域で凹部を有することができる。
【0025】
一つの例示で、前記基材フィルムの表面屈曲で最も凸な領域と最も凹な領域の高さ差(
図2のB)は、0.1μm~1μmであってもよい。前記高さ差Bは、具体的に、0.2μm~0.8μm又は0.4μm~0.6μmであってもよい。このような高さ差は、スペーサーのサイズ乃至基材フィルムの柔軟性に依存できる。
【0026】
図2に示したように、スペーサーにより誘発される基材フィルムの表面屈曲によって光変調層30も表面屈曲を有することができる。基材フィルムと同様に、光変調層もスペーサーが存在する領域で凸部を有し、スペーサーが存在しない領域で凹部を有することができる。
【0027】
一つの例示で、前記光変調層の表面屈曲で最も凸な領域と最も凹な領域の高さ差(
図2のA)は、0.1μm~1μmであってもよい。前記高さ差Aは、具体的に、0.2μm~0.8μm又は0.4μm~0.6μmであってもよい。
【0028】
図2に示したように、粘着層が表面屈曲を有する基材フィルムに適用された状態では、スペーサーにより誘発される基材フィルムの表面屈曲によって粘着層41の一面も表面屈曲を有することができる。粘着層は、スペーサーが存在する領域に対応する領域で凹部を有し、スペーサーが存在しない領域に対応する領域で凸部を有することができる。
【0029】
一つの例示で、粘着層の厚さは、20μm以上であってもよい。このような厚さ範囲は、基材フィルムの表面屈曲を改善するのに一層有利である。前記粘着層の厚さは、具体的に、20μm以上、50μm以上又は80μm以上であってもよく、200μm以下、150μm以下又は120μm以下であってもよい。前記粘着層の厚さは、粘着層が表面屈曲を有する基材フィルムに適用される前の粘着層自体の厚さを意味することができる。
【0030】
一つの例示で、粘着層が表面屈曲を有する基材フィルムに適用された状態で、粘着層の厚さの最大値と最小値の差(
図2のC-D)は、前記基材フィルムの表面屈曲で最も凸な領域と最も凹な領域の高さ差Bと同一な値を有することができる。したがって、前記粘着層の厚さの最大値と最小値の差C-Dは、0.1μm~1μm、0.2μm~0.8μm又は0.4μm~0.6μmであってもよい。上記で粘着層の厚さの最大値Cと最小値Dは、それぞれ粘着層が表面屈曲を有する基材フィルムに適用された状態で、平坦な面を有する外側表面を基準で測定した厚さの最大値と最小値を意味することができる。
【0031】
粘着層が表面屈曲を有する基材フィルムに適用された状態で、粘着層の厚さの最大値Cは、粘着層自体の厚さで表面屈曲による高さ差を合わせた値であってもよい。一つの例示で、粘着層自体の厚さが20μmである場合、粘着層の厚さの最大値Cは、約20μm~21μmであってもよい。
【0032】
粘着層が表面屈曲を有する基材フィルムに適用された状態で、粘着層の厚さの最小値Dは、粘着層自体の厚さで表面屈曲による高さ差を引いた値であってもよい。一つの例示で、粘着層自体の厚さが20μmである場合、粘着層の厚さの最大値Cは、約19μm~20μmであってもよい。
【0033】
前記粘着層は、硬化された状態で第1基材フィルム及び第2基材フィルムのうち一つ以上の基材フィルムに付着され得る。前記粘着層の硬化は、適切なエネルギーの印加、例えば、熱及び/又は光の照射を通じて行われ得る。一つの例示で、前記粘着層は、両面にそれぞれ離型フィルムが存在する形態で準備され得る。前記粘着層の一面の離型フィルムを除去して粘着層を基材フィルムの外側に積層した後、粘着層の他の一面の離型フィルムを除去して粘着層にバッファーフィルムを積層することで、バッファー層を形成することができる。
【0034】
前記第1基材フィルム及び第2基材フィルムのうち一つ以上の基材フィルムは、フレキシブルフィルムであってもよい。具体的に、前記第1基材フィルム及び第2基材フィルムのうちいずれか一つがフレキシブルフィルムであるか、又は二つが全てフレキシブルフィルムであってもよい。
【0035】
本明細書で、前記フレキシブルフィルムは、柔軟性を有するフィルムを意味することができる。前記フレキシブルフィルムとしては、光学的透明性を有するフレキシブルフィルムを用いることができる。例えば、前記第1基材フィルム及び/又は第2基材フィルムとしては、光学的に透明なプラスチックフィルムを用いることができる。具体的に、前記プラスチックフィルムとしては、DAC(diacetyl cellulose)又はTAC(triacetyl cellulose)フィルム又はシートのようなセルロースフィルム又はシート;ノルボルネン誘導体樹脂フィルム又はシートなどのCOP(cyclo olefin copolymer)フィルム又はシート;PMMA(poly(methyl methacrylate)フィルム又はシートなどのアクリルフィルム又はシート;PC(polycarbonate)フィルム又はシート;PE(polyethylene)又はPP(polypropylene)フィルム又はシートなどのようなオレフィンフィルム又はシート;PVA(polyvinyl alcohol)フィルム又はシート;PES(poly ether sulfone)フィルム又はシート;PEEK(polyetheretherketone)フィルム又はシート;PEI(polyetherimide)フィルム又はシート;PEN(polyethylenenaphthatlate)フィルム又はシート;PET(polyethyleneterephtalate)フィルム又はシートなどのようなポリエステルフィルム又はシート;PI(polyimide)フィルム又はシート;PSF(polysulfone)フィルム又はシート;PAR(polyarylate)フィルム又はシート又はフッ素樹脂フィルム又はシートなどが例示され得、一般的には、セルロースフィルム又はシート、ポリエステルフィルム又はシート又はアクリルフィルム又はシートなどが用いられ得、好ましくは、PETフィルム又はシートが用いられ得るが、本出願の目的を考慮して適切に選択され得る。
【0036】
フレキシブルフィルムは、曲率半径(radius of curvature)が小さいほど柔軟性の側面で有利である。一つの例示で、前記フレキシブルフィルムの曲率半径は、必要な場合、1mm~10mm程度のレベルに調節され得る。このようなフレキシブルフィルムを適用した光変調素子の曲率半径は、約40mm~50mm程度であってもよい。光変調素子の曲率半径が多少大きくなる理由は、電極層のクラック又はセルギャップを維持するシーラントの付着力などが考慮されるからである。このような光変調素子が適用されるフレキシブル表示装置の曲率半径は、50mm~200mm程度であってもよい。フレキシブルフィルム、光変調素子乃至フレキシブル表示装置の曲率半径は、最終製品の形状を考慮して適切に変更され得る。
【0037】
上記のような第1及び/又は第2基材フィルムの厚さ(T4)と前記対向配置された第1及び第2基材フィルムの間の間隔(すなわち、セルギャップ)(T5)の割合(T4/T5)は、約1~100の範囲内であってもよい。上記割合(T4/T5)は、他の例示で、約1、約2以上又は約3以上程度であるか、約90以下、約80以下、約70以下、約60以下、約50以下又は約40以下程度であってもよい。
【0038】
上記のような状態で前記基材フィルムの厚さ(T4)は、一つの例示で、約20μm~200μmの範囲内であってもよい。前記厚さは、他の例示で、約30μm以上、約40μm以上又は約50μm以上であるか、約190μm以下、約180μm以下、約170μm以下、約160μm以下又は約150μm以下程度であってもよい。
【0039】
前記基材フィルムの厚さ(T4)は、少なくともその内側に前記電極層が付着された基材フィルムの厚さであってもよい。
【0040】
このような基材フィルムの厚さ制御を通じて、薄いと共に柔軟性に優れ、目的とする光学性能が確保された光変調素子を提供することができ、その状態で上述したバッファー層の存在を通じて表面屈曲などによる性能低下も防止することができる。
【0041】
前記第1電極層及び/又は第2電極層としては、透明伝導性層を用いることができる。例えば、前記第1電極層及び/又は第2電極層としては、伝導性高分子、伝導性金属、伝導性ナノワイヤ又はITO(Indium Tin Oxide)などの金属酸化物などを終着して形成したものを用いることができる。第1電極層及び/又は第2電極層の厚さは、それぞれ15nm~25nmであってもよい。
【0042】
一つの例示で、前記光変調素子は、前記第1基材フィルム及び/又は第2基材フィルムの内側に配向膜(図示せず)をさらに含むことができる。具体的に、前記配向膜は、第1電極層及び/又は第2電極層の内側に存在できる。
【0043】
前記配向膜は、後述するように光変調層が光変調物質として液晶化合物を含む場合に液晶化合物の初期整列状態を制御することができる配向力を有することができる。前記配向膜は、垂直配向膜又は水平配向膜であってもよい。光変調素子が第1基材フィルムの内側に第1配向膜を含み、第2基材フィルムの内側に第2配向膜を含む場合に、第1配向膜及び第2配向膜は、全て垂直配向膜であるか、全て水平配向膜であるか、又はいずれか一つは垂直配向膜であり、他の一つは水平配向膜であってもよい。前記配向膜としては、ラビング配向膜のように接触式配向膜又は光配向膜化合物を含んで直線偏光の照射などのような非接触式方式によって配向特性を示すことができるもので、公知された配向膜を用いることができる。
【0044】
本出願の光変調素子は、光変調層に外部エネルギー、例えば、電圧印加の有無によって透過率、反射率又はヘイズなどを変化させることができる。前記変化される透過率、反射率又はヘイズなどの範囲は、光変調素子の用途によって適切に制御され得る。
【0045】
前記光変調層は、光変調物質を含むことができる。前記光変調物質は、前記光変調層内でスペーサーが存在しない領域に含まれ得る。前記光変調物質としては、液晶化合物を例示することができる。前記液晶化合物としては、外部電圧の印加によってその配向方向が変更され得る液晶化合物を特な制限なしに用いることができる。前記液晶としては、例えば、スメクチック(smectic)液晶、ネマチック(nematic)液晶又はコレステリック(cholesteric) 液晶などを用いることができる。また、外部電圧の印加によってその配向方向が変更されるように、前記液晶は、例えば、重合性基又は架橋性基を有しない化合物であってもよい。
【0046】
前記光変調層は、異方性染料をさらに含むことができる。前記異方性染料は、光変調素子の遮光率を改善して透過率変化に寄与することができる。本明細書で用語「染料」は、可視光領域、例えば、400nm~700nmの波長範囲内で少なくとも一部又は全体範囲内の光を集中的に吸収及び/又は変形させることができる物質を意味することができる。また、本明細書で用語「異方性染料」は、前記可視光領域の少なくとも一部又は全体範囲で光の異方性吸収が可能な物質を意味することができる。前記異方性染料としては、例えば、液晶の整列状態によって整列される特性を有するもので、知られた公知の染料を選択して用いることができ、例えば、黒色染料(black dye)を用いることができる。このような黒色染料としては、例えば、アゾ染料又はアントラキノン染料などで公知されているが、これに制限されるものではない。
【0047】
本出願の光変調素子は、機能性層をさらに含むことができる。前記機能性層は、前記バッファー層の外側に配置され得る。
図3は、バッファー層40、例えば、バッファーフィルム42の外側に機能性層50が配置された光変調素子を例示的に示す。本出願の光変調素子は、バッファー層の外側に機能性層をさらに配置することで多様な機能を補強することができる。
【0048】
前記機能性層の種類は、光変調素子に補強しようとする機能を考慮して適切に選択され得る。一つの例示で、前記機能性層は、アンチフォグ層(anti-fog layer)、セルフヒーリング層(self-healing layer)、アンチリフレッション層(anti-reflection layer)、アンチフィンガー層(anti-finger layer)、アンチファウリング層(anti-fouling layer)、アンチグレア層(anti-glare layer)、ミラー層(mirror layer)又は硬度向上層を含むことができる。前記硬度向上層は、当業界で通常的に「ハードコーティング層」と呼称される。
【0049】
前記機能性層を形成する材料及び形成方法は、当業界に公知されたことを適切に選択して用いることができる。例えば、前記機能性層は、機能性層を別に製造した後に前記バッファー層の外側に接着させるか、機能性層組成物を前記バッファー層の外側にコーティングするか、又はバッファー層に機能性層材料を蒸着して形成することができる。
【0050】
また、本出願は、前記光変調素子の用途に関する。例示的な光変調素子は、スペーサーにより誘発される基材フィルムの表面屈曲を抑制することで反射視感を低下させて製品の品質を高めることができる。
【0051】
一つの例示で、光変調素子は、フレキシブル表示装置に適用され得る。このようなフレキシブル装置としては、カーブド、ベンダブル、フォルダブル、ローラーブル表示装置を例示することができる。
【0052】
前記フレキシブル表示装置は、サングラス、AR(Argumented Reality)又はVR(Virtual Reality)などのアイウェア(eyewear);建物の外壁用スマートウィンドウ(smart window);又は車両用サンルーフ、フロントドアウィンドウ(front door window)、リアドアウィンドウ(rear door window)、バックライト(backlight)、 ウィンドシールド(windshield)などが例示され得る。
【0053】
前記フレキシブル表示装置がアイウェアである場合、前記アイウェアの構造は特に制限されない。すなわち、公知のアイウェア構造の左眼用及び/又は右眼用レンズ内に前記光変調素子が含まれて適用され得る。
【0054】
例えば、前記アイウェアは、左眼用レンズと右眼用レンズ;及び前記左眼用レンズと右眼用レンズを支持するフレームを含むことができる。前記アイウェアで左眼用レンズ及び右眼用レンズは、それぞれ前記光変調素子を含むことができる。このようなレンズは、前記光変調素子のみを含むか、その他構成を含んでもよい。
【発明の効果】
【0055】
本出願は、スペーサーにより誘発される基材フィルムの表面屈曲を改善することで表面反射視感観察時の表面屈曲(waviness)現象を抑制することができる。このような光変調素子は、多様なフレキシブル表示装置に適用されて製品の品質を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【
図2】表面屈曲を説明するための光変調素子の一部拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0057】
以下、実施例を通じて本出願を具体的に説明するが、本出願の範囲が下記実施例によって限定されるものではない。
【0058】
<実施例1>
実施例1の光変調素子として、アイウェアのレンズ形状を有する光変調素子を製造した。具体的に、第1及び第2基材フィルム上にそれぞれ電極層が形成されたフィルムとして、PCフィルム上にITO層が蒸着された、総厚さが100μmであるPC-ITOフィルム(Teijin社)を準備した。第1基材フィルムの電極層上に液晶化合物(MDA-16-1235、Merck社)及び12μmの粒径を有するボールスペーサー(KBN-512、Sekisui社)を含む組成物を塗布して、光変調層を形成した。このとき、前記組成物は、PC-ITOフィルム上にアイウェアのレンズのわく形状で塗布された外部シーラントの内部領域に塗布した。第2基材フィルムの電極層が光変調層に接するように第2基材フィルムを合紙した後、スペーサーが存在する領域とスペーサーが存在しない領域の間の基材フィルムが押される力の差によって第1基材フィルムと第2基材フィルムの両表面に表面屈曲が形成された。このとき、基材フィルムの表面屈曲で最も凸な領域と最も凹な領域の高さ差は、0.4μmであった。前記高さ差は、レーザー顕微鏡(OLS4000、オリンパス)を用いて粗さ測定方式で確認した。第2基材フィルムの外側に厚さ100μmのOCA粘着剤(V310、LG化学社)を積層した。第2基材フィルム上にOCA粘着剤を媒介として一面にアンチフォグ層(機能性層)がコーティングされた厚さ190μmのTACフィルム(SAF-RT190、UGAM社)を第2基材フィルムに積層して光変調素子を製造した。前記光変調素子でアンチフォグ層が最外側に存在する。
【0059】
<実施例2>
一面にアンチフォグ層の代わりにハードコーティング層が形成された厚さ190μmのTACフィルム(SHC40T190M、DAICEL社)を用いたこと以外は、実施例1と同一の方法で光変調素子を製造した。
【0060】
<実施例3>
一面にアンチフォグ層がコーティングされた厚さ190μmのTACフィルムの代わりに、一面にハードコーティング層がコーティングされた厚さ500μmのPCフィルム(OM81-5、Polyopt社)を用いたこと以外は、実施例1と同一の方法で光変調素子を製造した。
【0061】
<比較例1>
第2基材フィルム外側に粘着層, バッファー層及びアンチフォグ層を形成しないこと以外は、実施例1と同一の方法で
図4に示した光変調素子を製造した。
【0062】
<比較例2>
第2基材フィルムの外側にUV硬化アクリレート樹脂(LGC)をバーコーティングし、3JでUV硬化して3μmのコーティング層を形成したこと以外は、比較例1と同一の方式で光変調素子を製造した。
【0063】
<評価例1.表面屈曲(waviness)の評価>
表面屈曲を評価するために、実施例及び比較例の光変調素子に対して表面反射視感を観察し、その結果を
図5~
図9に示した。具体的に、下部反射を防止するために光変調素子の下部(第1基材フィルム側)に黒色フィルムを位置させ、光変調素子の上部(機能性層側)に蛍光灯スタンドを位置させた。光変調素子の上部に正面を基準で約45°の角度でデジタルカメラを固定させた後に撮影して、表面反射視感を観察した。
【0064】
図5及び
図9に示したように、比較例1及び比較例2は、光変調素子の内部の明るい領域と暗い領域の間に表面が滑らかに見えないで高低が異なる領域があることが観察された。一方、
図6~
図8に示したように、実施例1~実施例3は、光変調素子の内部の明るい領域と暗い領域の間に高低が異なる領域が観察されず、表面屈曲がないことで評価された。このような実験結果から、バッファー層を具備した実施例1~3は、バッファー層を具備しない比較例1及び比較例2に比べて表面屈曲現象を解消したことが分かる。
【0065】
本明細書によれば、以下の各項目に記載の構成もまた開示される。
[項目1]
対向配置された第1及び第2基材フィルム及び、前記第1及び第2基材フィルムの間に配置されており、スペーサーを含む光変調層を有し、
前記第1及び第2基材フィルムのうち一つ以上の基材フィルムの外側に配置されたバッファー層をさらに有する、光変調素子。
[項目2]
前記第1又は第2基材フィルムの厚さ(T4)と対向配置された前記第1及び第2基材フィルムの間の間隔(T5)の割合(T4/T5)は、1~30の範囲内である、項目1に記載の光変調素子。
[項目3]
前記スペーサーは、前記光変調層内に互いに離隔されて複数存在する、項目1または2に記載の光変調素子。
[項目4]
前記バッファー層は、バッファーフィルム及び粘着層を順次に含む、項目1から3の何れか一項に記載の光変調素子。
[項目5]
前記バッファーフィルムは、前記粘着層を媒介として前記第1基材フィルム及び第2基材フィルムのうち一つ以上の基材フィルムの外側に付着されている、項目4に記載の光変調素子。
[項目6]
前記バッファーフィルムは、両表面が平坦である、項目4または5に記載の光変調素子。
[項目7]
前記粘着層は、前記バッファーフィルムに向ける表面は平坦であり、前記光変調層に向ける表面は表面屈曲を有する、項目4または5に記載の光変調素子。
[項目8]
前記粘着層は、OCA(Optically Clear Adhesive)粘着剤を含む、項目4から7の何れか一項に記載の光変調素子。
[項目9]
前記粘着層の厚さ(T1)と前記第1又は第2基材フィルムの厚さ(T2)の割合(T1/T2)が0.1~4の範囲内である、項目4から8の何れか一項に記載の光変調素子。
[項目10]
前記粘着層の厚さ(T1)と前記バッファーフィルムの厚さ(T3)の割合(T3/T1)が0.25~50の範囲内である、項目9に記載の光変調素子。
[項目11]
前記第1基材フィルム及び第2基材フィルムのうち一つ以上の基材フィルムは、前記スペーサーにより表面屈曲を有する、項目1から10の何れか一項に記載の光変調素子。
[項目12]
前記表面屈曲は、前記スペーサーが存在する領域に対応する基材フィルムの領域で凸部を有し、前記スペーサーが存在しない領域に対応する基材フィルムの領域で凹部を有する、項目11に記載の光変調素子。
[項目13]
前記表面屈曲で最も凸な領域と最も凹な領域の高さ差が0.1μm~1μmである、項目11または12に記載の光変調素子。
[項目14]
前記第1基材フィルム及び第2基材フィルムのうち一つ以上の基材フィルムは、フレキシブルフィルムである、項目1から13の何れか一項に記載の光変調素子。
[項目15]
前記第1基材フィルムの内側に第1電極層を含み、前記第2基材フィルムの内側に第2電極層をさらに含む、項目1から14の何れか一項に記載の光変調素子。
[項目16]
前記光変調層に対する電圧印加の有無によって透過率を変化させる、項目1から15の何れか一項に記載の光変調素子。
[項目17]
前記光変調層は、光変調物質として液晶化合物を含む、項目1から16の何れか一項に記載の光変調素子。
[項目18]
前記バッファー層の外側に配置された機能性層をさらに含み、前記機能性層は、アンチフォグ層(anti-fog layer)、セルフヒーリング層(self-healing layer)、アンチリフレッション層(anti-reflection layer)、アンチフィンガー層(anti-finger layer)、アンチファウリング層(anti-fouling layer)、アンチグレア層(anti-glare layer)、ミラー層(mirror layer)又は硬度向上層を含む、項目1から17の何れか一項に記載の光変調素子。
[項目19]
項目1から18の何れか一項に記載の光変調素子を含むフレキシブル表示装置。
[項目20]
前記フレキシブル表示装置は、アイウェアであり、
前記アイウェアは、それぞれ前記光変調素子を含む左眼用レンズと右眼用レンズ;及び前記左眼用レンズと右眼用レンズを支持するフレームを含む、項目19に記載のフレキシブル表示装置。
<符号の説明>
10:第1基材フィルム
20:第2基材フィルム
30:光変調層
31:スペーサー
40:バッファー層
41:粘着層
42:バッファーフィルム
50:機能性層