(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-28
(45)【発行日】2022-08-05
(54)【発明の名称】具材入り液状調味料
(51)【国際特許分類】
A23L 27/10 20160101AFI20220729BHJP
A23L 27/12 20160101ALI20220729BHJP
A23L 29/262 20160101ALI20220729BHJP
【FI】
A23L27/10 C
A23L27/10 Z
A23L27/12
A23L29/262
(21)【出願番号】P 2017131024
(22)【出願日】2017-07-04
【審査請求日】2020-07-06
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】514057743
【氏名又は名称】株式会社Mizkan Holdings
(73)【特許権者】
【識別番号】317006214
【氏名又は名称】株式会社Mizkan
(74)【代理人】
【識別番号】110002572
【氏名又は名称】特許業務法人平木国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】大池 正樹
【審査官】福間 信子
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-209296(JP,A)
【文献】特開2006-254803(JP,A)
【文献】特開2013-039097(JP,A)
【文献】特開2003-299458(JP,A)
【文献】特開昭61-285960(JP,A)
【文献】特開2002-142705(JP,A)
【文献】特開昭56-042564(JP,A)
【文献】特開2015-171328(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A23L
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
Mintel GNPD
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
パルプを原料として精製された
粉末セルロース(セルロース複合体を除く)、及びおから粉末から選ばれるいずれか1種又は2種の水不溶性食物繊維と、果
汁とを含有する
ドレッシング及びポン酢のいずれかから選ばれる具材入り液状調味料であって、該液状調味料における水不溶性食物繊維の含有量が、0.5~12質量%であり、かつ、該水不溶性食物繊維と該果
汁の含有比が質量比で1:1~1:100の範囲内であることを特徴とする、具材入り液状調味料
(豆乳を含有する液状調味料を除く)。
【請求項2】
前記果汁が、りんご、桃、ぶどう、アセロラ、ブルーベリー、梨、レモン、ゆず、すだち、ライム、みかん、及びグレープフルーツから選ばれる1種又は2種以上の果汁である、請求項1に記載の液状調味料。
【請求項3】
固形具材をさらに含有する、請求項1又は2に記載の具材入り液状調味料。
【請求項4】
前記固形具材が、乾燥具材である、請求項3に記載の具材入り液状調味料。
【請求項5】
前記固形具材が、湿重量で調味料全体の5~60質量%含有する、請求項3又は4に記載の具材入り液状調味料。
【請求項6】
ドレッシング及びポン酢のいずれかから選ばれる具材入り液状調味料に、該具材入り液状調味料中のパルプを原料として精製された
粉末セルロース(セルロース複合体を除く)、及びおから粉末から選ばれるいずれか1種又は2種の水不溶性食物繊維の含有量が0.5~12質量%となるように、かつ、該水不溶性食物繊維と果
汁の含有比が質量比で1:1~1:100の範囲内となるように、水不溶性食物繊維と、果
汁とを含有させることを特徴とする、具材入り液状調味料
(豆乳を含有する液状調味料を除く)の食感を改善する方法。
【請求項7】
ドレッシング及びポン酢のいずれかから選ばれる具材入り液状調味料に、該具材入り液状調味料中のパルプを原料として精製された
粉末セルロース(セルロース複合体を除く)、及びおから粉末から選ばれるいずれか1種又は2種の水不溶性食物繊維の含有量が0.5~12質量%となるように、かつ、該水不溶性食物繊維と果
汁の含有比が質量比で1:1~1:100の範囲内となるように、水不溶性食物繊維と、果汁
とを含有させることを特徴とする、具材入り液状調味料
(豆乳を含有する液状調味料を除く)の保存時の経時変化を抑制する方法。
【請求項8】
前記果汁が、りんご、桃、ぶどう、アセロラ、ブルーベリー、梨、レモン、ゆず、すだち、ライム、みかん、及びグレープフルーツから選ばれる1種又は2種以上の果汁である、請求項6又は7に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、おろし状又はピューレ状の具材の食感を持ち、かつ、色や臭いの経時変化のない具材入り液状調味料に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、サラダや調理食品には、様々な味や形態の調味料が使用されている。なかでも、調味液中におろし野菜や細かくカットした野菜などの具材を含有する形態の液状調味料は、調味液に予め具材が加えられているため、具材を別途準備し、調味液と混ぜ合わせて加熱等の調理をするなどの手間が省け、また、具材のバリエーションにより、多様化する消費者の嗜好に応えるものである。
【0003】
具材入り液状調味料では、通常の液状調味料に要求される味や香りのほか、具材の食感が重要である。これまで具材特有の変化に富んだ食感を出すための工夫として、固形状の具材と、大根おろしやりんごピューレ等のおろし状又はピューレ状の具材を含有する具材入り調味料が提案されている。例えば、おろし野菜と乾燥野菜を併用することによって、乾燥野菜単独ではだせないおろし野菜に特有なフレッシュ感や香味を付与した液体調味料(特許文献1)、目開き2mmのフルイ上に残る具材と、目開き2mmのフルイを通過する極めて小さな固形物又はペースト状物を除く液部に含有する野菜すりつぶし状調味液(特許文献2)などが提案されている。しかしながら、大根おろしやりんごピューレ等の具材は、経時的に変色や異臭が発生しやすく、調味液において味の調整が必要であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開平11-130号公報
【文献】特開2013-39097号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の課題は、おろし状又はピューレ状の具材特有の食感を有し、かつ、保存中に経時的に発生する変色や異臭がない具材入り液状調味料を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、具材入り液状調味料において、水不溶性食物繊維に対して果汁及び/又は野菜汁を一定量含有させることによって、おろし野菜や果実・野菜ピューレのような、おろし状又はピューレ状の具材特有の食感が得られること、固形状の具材も合わせて含有させると、固形状の具材にシャキシャキ感が増強されることを見出した。また、おろし野菜や果実・野菜ピューレを用いた調味料に経時的に発生しやすい変色や異臭が抑制されることを見出し、本発明を完成させるに至った。
【0007】
すなわち、本発明は、以下の発明を包含する。
(1)水不溶性食物繊維と、果汁及び/又は野菜汁とを含有する具材入り液状調味料であって、該液状調味料における水不溶性食物繊維の含有量が、0.25~15質量%であり、かつ、該水不溶性食物繊維と該果汁及び/又は野菜汁の含有比が質量比で1:1~1:100の範囲内であることを特徴とする、具材入り液状調味料。
(2)前記水不溶性食物繊維が、セルロース又はおから粉末である、(1)に記載の具材入り液状調味料。
(3)固形具材をさらに含有する、(1)又は(2)に記載の具材入り液状調味料。
(4)前記固形具材が、乾燥具材である、(3)に記載の具材入り液状調味料。
(5)前記固形具材が、湿重量で調味料全体の5~60質量%含有する、(3)又は(4)に記載の具材入り液状調味料。
(6)具材入り液状調味料に、該具材入り液状調味料中の水不溶性食物繊維の含有量が0.25~15質量%となるように、かつ、該水不溶性食物繊維と果汁及び/又は野菜汁の含有比が質量比で1:1~1:100の範囲内となるように、水不溶性食物繊維と、果汁及び/又は野菜汁とを含有させることを特徴とする、具材入り液状調味料の食感を改善する方法。
(7)具材入り液状調味料に、該具材入り液状調味料中の水不溶性食物繊維の含有量が0.25~15質量%となるように、かつ、該水不溶性食物繊維と果汁及び/又は野菜汁の含有比が質量比で1:1~1:100の範囲内となるように、水不溶性食物繊維と、果汁及び/又は野菜汁とを含有させることを特徴とする、具材入り液状調味料の保存時の経時変化を抑制する方法。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、おろし状又はピューレ状の具材特有の食感(すりおろしりんごのような繊維感に富み、まろやかで口当たりのよい食感)を有し、また、固形状の具材のシャキシャキした食感が増強された具材入り液状調味料が提供される。本発明の具材入り液状調味料は、従来の大根おろしやりんごピューレ等の具材を用いた液状調味料において見られた保存中の変色や異臭の発生がなく、具材由来の風味が十分に感じられる。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の具材入り液状調味料(以下、「本発明の液状調味料」という)は、水不溶性食物繊維と、果汁及び/又は野菜汁とを含有する具材入り液状調味料であって、水不溶性食物繊維を所定量含有し、かつ、該水不溶性食物繊維と該果汁及び/又は野菜汁の含有量の割合が所定の比率であることを特徴とする。
【0010】
<液状調味料>
本発明において「液状調味料」とは、料理や食品素材の美味しさを引き立たせるために用いられる流動性を有する調味料という。本発明の液状調味料としては、野菜、肉類、又は魚介類等にかけて味付けをするドレッシングのほか、たれ類、ソース類、つゆ類、ポン酢等が挙げられる。
【0011】
<具材>
本発明において「具材」とは、固形具材、粉末化具材、微粉砕具材、おろし状具材、ペースト状具材、または水不溶性食物繊維を意味する。
【0012】
<水不溶性食物繊維>
本発明において「水不溶性食物繊維」とは、セルロース、ヘミセルロース、リグニン、不溶性ペクチン等の水に不溶性の液中に分散する食物繊維をいう。本発明において用いる水不溶性食物繊維としては、例えば、パルプ等を原料として精製されたセルロースが挙げられ、セルロースを乾燥させて粉末状にした粉末セルロース、セルロースに物理的又は化学的処理を行ったセルロース、例えば、結晶構造が認められる結晶セルロース、セルロースを繊維状に加工処理を施した繊維状セルロース等のいずれあってもよいが、粉末セルロースが好ましい。また、本発明においては、水不溶性食物繊維として、上記セルロース以外に、穀類、豆類、果実類、野菜類等の植物を原料として精製されたもの、例えば、大豆ファイバー(おから粉末、きな粉など)、ふすま(小麦ふすま、大麦ふすま、ライ麦ふすま、オーツ麦ふすまなど)、インゲン豆、ひよこ豆、エンドウ豆等の豆類から得られる繊維成分、コーンファイバー、ビートファイバー、ポテトファイバー、りんごやオレンジなどの果実パルプを使用することができる。これらの不溶性食物繊維は一種を単独で使用してもよいが、二種以上を組み合わせて使用することもできる。
【0013】
本発明の液状調味料における水不溶性食物繊維の含有量は、0.25~15質量%、好ましくは0.5~12質量%、より好ましくは、2~10質量%である。水不溶性食物繊維の含有量が上記範囲であると、おろし状の果実や野菜のような繊維感のあるシャリシャリした食感が得られるので好ましい。水不溶性食物繊維の含有量が15質量%よりも高いとピューレ状の果実や野菜のような滑らかでまろやかな食感がなく、ザラつきが感じられるので好ましくない。また、水不溶性食物繊維の含有量が0.25質量%よりも低いと、おろし状の果実や野菜のような繊維感のあるシャリシャリした食感が弱いので、好ましくない。
【0014】
<果汁又は野菜汁>
本発明において「果汁」とは、果実の搾汁液又は抽出等によって得られる果実の液部をいい、果実を裏ごし又はすりおろし処理したピューレ、おろしを使用する場合は、その内の液部をいう。本発明の液状調味料に使用する果汁としては、例えば、りんご、桃、ぶどう、アセロラ、ブルーベリー、梨、レモン、ゆず、すだち、ライム、みかん、グレープフルーツ、いちご、バナナ、メロン、キウイ、パイナップル、カシス、アプリコット、グアバ、プラム、マンゴー、パパイヤ、ライチ等に由来する果汁が挙げられる。これらのうち、りんご、桃、ぶどう、アセロラ、ブルーベリー、梨、又は、レモン、ゆず、すだち、ライム、みかん、グレープフルーツ等の柑橘類の果汁がより好ましい。これらの果汁は、一種又は二種以上を用いることができる。また、上記果汁は、凍結、濃縮、還元等の加工を行った後用いることもできる。
【0015】
本発明において「野菜汁」とは、野菜を破砕等して搾汁したものをいい、野菜を裏ごし又はすりおろし処理したピューレ、おろしを使用する場合は、その内の液部をいう。本発明の液状調味料に使用する野菜汁としては、搾汁が可能な野菜、例えば、タマネギ、大根、ニンジン等の根菜、トマト、ピーマン、パプリカ、きゅうり、ナス等の果菜、キャベツ、レタス、ほうれん草、白菜、セロリ、小松菜、チンゲン菜、モロヘイヤ、ケール、シソ、ニラ、パセリ等の葉菜、アスパラガス、たけのこ等の茎菜、ブロッコリー、カリフラワー等の花菜等に由来する野菜汁が挙げられる。これらのうち、タマネギ、大根がより好ましい。これらの野菜汁は、一種又は二種以上を用いることができる。
【0016】
本発明の液状調味料において、水不溶性食物繊維と果汁及び/又は野菜汁の含有比が質量比で1:1~1:100、好ましくは1:5~1:50、より好ましくは1:10~1:25である。水不溶性食物繊維と果汁及び/又は野菜汁の含有比が上記範囲内であると、おろし状の果実や野菜のような繊維感のあるシャリシャリした食感が得られやすいので好ましい。水不溶性食物繊維に対する果汁及び/又は野菜汁の含有比が上記含有比の範囲よりも高いと、おろし状の果実や野菜のような繊維感のあるシャリシャリした食感が弱くなるので好ましくなく、また、水不溶性食物繊維に対する果汁及び/又は野菜汁の含有比が上記含有比の範囲よりも低いと、ピューレ状の果実や野菜のような滑らかでまろやかな食感がなく、繊維のザラつきが感じられやすくなるので好ましくない。本発明の「具材入り液状調味料の食感」とは、液状調味料を食した際に感じる上記記載のおろし状の果実や野菜のような繊維感のあるシャリシャリした食感やピューレ状の果実や野菜のような滑らかでまろやかな食感をさす。
【0017】
<固形具材>
本発明の液状調味料には、固形具材を含有させることもできる。本発明において「固形具材」とは、上記の水不溶性食物繊維と果汁及び/又は野菜汁との混合により得られる、おろし状又はペースト状の具材とは異なり、ある程度の大きさ(例えば、3mm以上)を有し、その具材固有の食感(たとえば、タマネギであればシャキシャキとした食感)が感じられる具材をいう。本発明の液状調味料に用いる「固形具材」は、生具材、塩蔵した具材、乾燥具材のいずれでもよいが、乾燥具材が好ましい。
【0018】
固形具材の大きさは、調味液中で膨潤後の具材の最長辺の長さが、好ましくは1~60mmであり、より好ましくは1~20mmであり、さらに好ましくは2~20mmであり、最も好ましくは4~20mmである。膨潤後の具材の大きさが1mm未満の場合には、固形具材としての食感が得られない、また60mmを超えると、シャキシャキ感の付与が得られにくい。
【0019】
本発明の液状調味料における固形具材の含有量は、湿重量で調味料全体の5~60質量%、好ましくは10~50質量%、より好ましくは10~40質量%である。具材の含有量が、湿重量で5質量%未満であると、固形具材としての食感が十分に得られない。また具材の含有量が、湿重量で60質量%を超えると、具材そのもの及び液状調味料の風味は良好になるものの、おろし様の食感、繊維成分による食感増強効果が十分に得られない。
【0020】
本発明の液状調味料に使用する固形具材が、野菜の場合、野菜の種類は特に限定されないが、例えばタマネギ、キャベツ、白菜、ニンジン、ピーマン、大根、大根葉、ビート、レンコン、ゴボウ、ネギ、シソ、セロリ、パセリ、パプリカ、トマト、きゅうり、とうもろこし、カリフラワー、なす、ジャガイモ、サツマイモ、サトイモ、ヤマイモ、カボチャ等が挙げられる。このうち、タマネギ、キャベツ、白菜、ニンジン、ネギ、セロリ、パプリカが好ましく、タマネギ、キャベツ、白菜、ニンジンがより好ましい。これらの野菜は、一種又は二種以上を用いることができる。
【0021】
野菜以外の例としては、例えば、果実類(レモン、ゆず、すだち、ライム、みかん、グレープフルーツ、りんご、パイナップル、桃、ぶどう、いちご、梨、バナナ、メロン、キウイ、カシス、アセロラ、ブルーベリー、アプリコット、グアバ、プラム、マンゴー、パパイヤ、ライチ等)、種実類(アーモンド、ピーナッツ、松の実、トウモロコシ、ココナッツ等)、きのこ類(しめじ、しいたけ、マッシュルーム、エリンギ、マイタケ等)、豆類(大豆、えんどう豆、レンズ豆、ひよこ豆、エジプト豆等)が挙げられる。
【0022】
本発明の液状調味料に含有させる固形具材が乾燥野菜である場合、当該乾燥野菜の水分量は、余分な水分を調味液に移行させない点から、8質量%以下が好ましく、6質量%以下がより好ましく、5質量%以下がさらに好ましい。
【0023】
前記乾燥野菜は、乾燥前に糖類と混合、あるいは糖類含有溶液に浸漬して加熱混合することにより調製したものでも良い。具体的には、糖類としては、ブドウ糖、果糖、ショ糖、乳糖、澱粉分解物等が挙げられ、二種以上を用いてもよい。糖類の添加量、混合時間、及び糖類含有溶液に浸漬する場合の濃度、加熱混合温度及び時間、ならびに続く乾燥の温度及び時間は、野菜の種類、サイズ等により任意に選択すればよいが、糖類と混合する場合の糖類の添加量は乾燥野菜に対して5~30質量%が好ましく、糖類含有溶液に浸漬する場合の糖類の濃度は5~30質量%が好ましく、溶液中での加熱混合条件は50~80℃で10分~12時間が好ましい。
【0024】
また、前記乾燥野菜は、カットした野菜をカルシウム塩溶液中で加熱混合した後、乾燥したものでも良い。カルシウム塩溶液の濃度、加熱混合温度及び時間、ならびに続く乾燥の温度及び時間は、野菜の種類、サイズ等により任意に選択すればよい。具体的には、カットした野菜を、塩化カルシウム、乳酸カルシウム、酢酸カルシウム等のカルシウム塩を水に0.5~5質量%となるように溶解した水溶液中で50~80℃で1~120分攪拌した後に、処理液と分離し、液切りを行った後、65~80℃で3~12時間乾燥すれば良い。上記カルシウム水溶液に、ブドウ糖、果糖、ショ糖、乳糖、澱粉分解物等の糖類を5~30質量%含有させることもできる。
【0025】
前記乾燥野菜は、所定の大きさにカットした後に乾燥又は乾燥後にカットすることにより製造できる。乾燥方法としては、熱風乾燥、凍結乾燥、減圧加熱乾燥、マイクロウェーブ乾燥、天日乾燥、自然乾燥等が挙げられる。
【0026】
<その他の原料>
本発明の液状調味料には、上記原料のほか、その種類に応じて通常の液状調味料において用いられる調味等のための原料を含有させることができる。本発明の液状調味料は、油脂を含まないノンオイルタイプ、油脂量を減少させた低オイルタイプ(10重量%以下)、油脂を含むオイルタイプ(乳化タイプ及び分離タイプを含む)のいずれのタイプの液状調味料であってもよいが、果汁及び/又は野菜汁と水不溶性食物繊維の添加によってコクのある風味が得られるので、ノンオイルタイプが好ましい。例えば、本発明の液状調味料がノンオイルタイプのドレッシングである場合には、一般的に、水、食酢、糖類(高甘味度甘味料を含む)、食塩が基本原料となる。本発明の液状調味料には、このような基本原料に加えて、例えば、香辛料、香辛料抽出物、香味オイル、アミノ酸系調味料、核酸系調味料、有機酸系調味料、発酵調味料(風味原料、旨味調味料)、酒類、フレーバーなどの呈味・風味成分、粘度調整剤、安定剤、着色料、カルシウム塩等などの添加剤などを用いることができる。これらの成分の含有量は、特に限定はされず、用途に応じて適宜決定することができる。
【0027】
上記食酢には、米や麦などの穀物や果汁を主原料として生産される醸造酢と、氷酢酸や酢酸の希釈液に砂糖等の調味料を加えるか、又はそれに醸造酢を加えた合成酢があり、本発明においてはいずれも使用できる。醸造酢としては、例えば、穀物酢(米酢、玄米酢、黒酢、粕酢、麦芽酢、はと麦酢、大豆酢等)、果実酢(りんご酢、ぶどう酢、レモン酢、カボス酢、梅酢、ワイン酢、バルサミコ酢等)、エタノールを原料とした酢酸発酵によって製造される酒精酢、中国酢、シェリー酢などが挙げられ、また、合成酢としては、氷酢酸又は酢酸を水で適宜希釈したものなどが挙げられる。これらのうち、酢酸含有量が高く、原料に由来する風味が弱い、高酢酸濃度の酒精酢や合成酢が好ましい。また、これらの食酢は、単独で用いてもよく、2種以上併用してもよい。
【0028】
上記糖類としては、例えば、ショ糖、麦芽糖、果糖、異性化液糖、ブドウ糖、水あめ、デキストリンやソルビトール、マルチトール、キシリトールなどの糖アルコール類等が挙げられる。これらの糖類は、一種のみを単独で使用してもよく、二種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
【0029】
上記高甘味度甘味料としては、例えば、アスパルテーム、アセスルファムカリウム、スクラロース、ネオテーム、甘草抽出物、ステビアやその酵素処理物等が挙げられる。これらの高甘味度甘味料は、一種のみを単独で使用してもよく、二種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
【0030】
上記食塩はそのものでもよいが、食塩を含有する食品でも良い。食塩を含有する食品は特に限定はないが、例として、醤油、味噌、出汁等が挙げられる。
【0031】
上記醤油としては特に限定されるものではないが、例えば濃口醤油、淡口醤油、白醤油、溜り醤油、再仕込み醤油等が挙げられる。これらの醤油は、一種のみを単独で使用してもよく、二種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
【0032】
上記味噌としては特に限定されるものではないが、例えば麦味噌、米味噌、豆味噌、調合味噌などに加えて、その製法に起因する色の違いによって命名される赤味噌・白味噌・淡色味噌等が挙げられる。これらの味噌は、一種のみを単独で使用してもよく、二種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
【0033】
上記香辛料とは、特有の香り、刺激的な呈味、色調を有し、香り付け、消臭、調味、着色等の目的で飲食品に配合する植物体の一部(植物の果実、果皮、花、蕾、樹皮、茎、葉、種子、根、地下茎など)をいい、香辛料にはスパイス又はハーブが含まれる。スパイスとは香辛料のうち、利用部位として茎と葉と花を除くものをいい、例えば、胡椒(黒胡椒、白胡椒、赤胡椒)、ニンニク、ショウガ、ごま(ごまの種子)、唐辛子、ホースラディシュ(西洋ワサビ)、マスタード、ケシノミ、ナツメグ、シナモン、パプリカ、カルダモン、クミン、サフラン、オールスパイス、クローブ、山椒、オレンジピール、ウイキョウ、カンゾウ、フェネグリーク、ディルシード、カショウ、ロングペパー、オリーブの実などが挙げられる。また、ハーブとは香辛料のうち、茎と葉と花を利用するものをいい、例えば、クレソン、コリアンダー、シソ、セロリ、タラゴン、チャイブ、チャービル、セージ、タイム、ローレル、ニラ、パセリ、マスタードグリーン(からしな)、ミョウガ、ヨモギ、バジル、オレガノ、ローズマリー、ペパーミント、サボリー、レモングラス、ディル、ワサビ葉、山椒の葉などが挙げられる。
【0034】
上記香辛料抽出物としては、一般的に「香辛料」又は「スパイス」と表示される食品の抽出物であれば何でもよく、その例としては唐辛子抽出物、マスタード抽出物(カラシ抽出物)、ショウガ抽出物(ジンジャー抽出物)、ワサビ抽出物、ペパー抽出物、ニンニク抽出物(ガーリック抽出物)、オニオン抽出物、サンショウ抽出物等が挙げられる。これらの香辛料抽出物は、一種のみを単独で使用してもよく、二種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
【0035】
上記香味オイルとしては、例えば、ジンジャーオイル、ガーリックオイル、マスタードオイル、オニオンオイル、ゴマ油、ねぎオイル、ニラオイル、セリオイル、しそオイル、わさびオイル、レモンオイル、魚介オイル、畜肉オイル等が挙げられる。これらの香味オイルは、一種のみを単独で使用してもよく、二種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
【0036】
上記アミノ酸系調味料としては、例えば、L-グルタミン酸ナトリウム、DL-アラニン、グリシン、L-又はDL-トリプトファン、L-フェニルアラニン、L-又はDL-メチオニン、L-リシン、L-アスパラギン酸、L-アスパラギン酸ナトリウム、L-アルギニン等が挙げられる。これらのアミノ酸系調味料は、一種のみを単独で使用してもよく、二種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
【0037】
上記核酸系調味料としては、例えば、5’-イノシン酸二ナトリウム、5’-グアニル酸二ナトリウム、5’-ウリジル酸二ナトリウム、5’-シチジル酸二ナトリウム、5’-リボヌクレオチドカルシウム、5’-リボヌクレオチド二ナトリウム等が挙げられる。これらの核酸系調味料は、一種のみを単独で使用してもよく、二種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
【0038】
上記有機酸系調味料としては、例えば、クエン酸カルシウム、クエン酸三ナトリウム、グルコン酸カリウム、グルコン酸ナトリウム、コハク酸、コハク酸一ナトリウム、コハク酸二ナトリウム、酢酸ナトリウム、DL-酒石酸水素カリウム、L-酒石酸水素カリウム、DL-酒石酸ナトリウム、L-酒石酸ナトリウム、乳酸カリウム、乳酸カルシウム、乳酸ナトリウム、フマル酸一ナトリウム、DL-リンゴ酸ナトリウム等が挙げられる。これらの有機酸系調味料は、一種のみを単独で使用してもよく、二種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。二種以上の有機酸系調味料を併用することで、双方の呈味が相乗的に高まるため好ましい。
【0039】
上記風味原料としては、例えば、鰹だし、昆布だし、野菜エキス、鰹エキス、昆布エキス、魚介エキス、畜肉エキス等が挙げられる。これらの風味原料は、一種のみを単独で使用してもよく、二種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
【0040】
上記旨味調味料としては、例えば、たん白加水分解物、酵母エキス等が挙げられる。これらの旨味調味料は、一種のみを単独で使用してもよく、二種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
【0041】
上記酒類としては、清酒、合成清酒、みりん、焼酎、ワイン、リキュール、紹興酒等が挙げられる。これらの酒類は、一種のみを単独で使用してもよく、二種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
【0042】
上記フレーバーとしては、例えば、ジンジャーフレーバー、ガーリックフレーバー、マスタードフレーバー、オニオンフレーバー、ゴマフレーバー、ねぎフレーバー、ニラフレーバー、しそフレーバー、わさびフレーバー、レモンフレーバー等が挙げられる。これらのフレーバーは、一種のみを単独で使用してもよく、二種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
【0043】
上記粘度調整剤としては、例えば、アラビアガム、アルギン酸、アルギン酸ナトリウム、カラギナン、カラヤガム、寒天、ローカストビーンガム、キサンタンガム、グァーガム、ジェランガム、セルロース、タマリンドシードガム、タラガム、トラガントガム、プルラン、ペクチン、キチン、キトサン、加工デンプン等が挙げられる。これらの粘度調整剤は、一種のみを単独で使用してもよく、二種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
【0044】
<具材入り液状調味料の製造方法>
本発明の液状調味料は、上記の原料を水に投入し、必要に応じて加熱しながら混合攪拌する工程を含む製造方法により製造することができる。原料の混合攪拌は、従来、公知の方法によればよいが、上記混合攪拌工程における好ましい温度は、20℃~95℃であり、加熱しながら混合を行う場合には、風味、色調等の変質を抑制するために、加熱温度の上限を90℃とすることが好ましい。上記の工程により均一な液状とした後、そのまま、あるいは、加熱殺菌や加圧殺菌などの殺菌処理に供した後、一般の液状調味料と同様に、容器に充填する。本発明の液状調味料に使用する容器としては、材質や形状は特に限定はされないが、例えば、プラスチック製容器、パウチ(ポリエチレンパウチ、アルミパウチ)、ペットボトル、スチール缶、アルミ缶、瓶容器などが挙げられる。また、本発明の液状調味料は容器に充填した後で、加熱殺菌、あるいはレトルト殺菌などの殺菌処理に供して液状調味料とすることができる。
【0045】
<具材入り液状調味料の使用態様>
本発明の液状調味料の使用態様は、特に限定されず、野菜や魚介類、肉類等の食材又は料理に振りかける、和えるなどして使用できる。使用時の食材又は料理は加熱状態であっても非加熱状態のいずれであってもよいが、サラダ、調理済みの揚げ物、焼き物(ステーキ、焼き魚)、豆腐などに、非加熱状態で用いることが好ましい。
【実施例】
【0046】
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明する。但し、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0047】
(試験例1)水不溶性食物繊維の含有量、水不溶性食物繊維と果汁の含有比の検討
(1)試験品の調製(実施例1~8、及び比較例1~3)
表1に示す配合量(質量%)に従い、食塩、砂糖、醸造酢(酸度15%)、及びキサンタンガムからなる共通原料と、おから粉末(水不溶性食物繊維)、りんご果汁(5倍濃縮)又はりんごピューレを水に混合し、均一になるように攪拌した後、80℃5分の殺菌処理を行い、ボトルに充填し、試験品の具材入り液状調味料を調製した。
【0048】
(2)官能評価試験
試験品の具材入り液状調味料について、「すりおろしりんご様の食感」、「口当たりのまろやかさ」、「すりおろし様の具材感」の官能評価を行った。官能評価は訓練された官能検査員のべ4名にて、下記基準により行った。各評価項目の評価点の算出方法は、4名の評価を加重平均し、小数点2以下を四捨五入した。
【0049】
(すりおろしりんご様の食感)
5:すりおろしりんご様の繊維感のあるシャリシャリした食感とジューシーさがとても良く感じられる。
4:すりおろしりんご様の繊維感のあるシャリシャリした食感とジューシーさが良く感じられる。
3:すりおろしりんご様の繊維感のあるシャリシャリした食感とジューシーさが感じられる。
2:すりおろしりんご様の繊維感のあるシャリシャリした食感とジューシーさがあまり感じられない。
1:すりおろしりんご様の繊維感のあるシャリシャリした食感とジューシーさが感じられない。
(口当たりのまろやかさ)
5:ザラつきがなく、口当たりがまろやかで良好。
4:ザラつきがなく、口当たりがややまろやかである。
3:ザラつきがない。
2:ややザラつきがある。
1:ザラつきがある。
(すりおろし様の具材感)
5:すりおろし様の具材の食べ応えが十分ある。
4:すりおろし様の具材の食べ応えがある。
3:すりおろし様の具材の食べ応えが多少ある。
2:すりおろし様の具材の食べ応えがあまりない。
1:すりおろし様の具材の食べ応えがない。
【0050】
(3)保存試験
試験品の具材入り液状調味料を10℃と50℃で7日間保存した後、常温にもどし、50℃保存のサンプルについて10℃保存のサンプルと比較して、「色」、「臭い」、「風味」の変化を評価した。評価は訓練された官能検査員のべ4名にて、下記基準により行った。各評価項目の評価点の算出方法は、4名の評価を加重平均し、小数点2以下を四捨五入した。3点以上を許容範囲内とした。
【0051】
(色の変化)
5:変色がまったくない。
4:変色がほとんどない。
3:わずかに変色がある。
2:変色がある。
1:変色がかなりある。
(臭いの変化)
5:異臭がまったくない。
4:異臭がほとんどない。
3:わずかに異臭がある。
2:異臭がある。
1:異臭がかなりある。
(風味の変化)
5:風味の変化がまったくない。
4:風味の変化がほとんどない。
3:わずかに風味の変化がある。
4:風味の変化がある。
1:風味の変化がかなりある。
【0052】
(4)試験結果
上記の各試験結果を表1に示す。
【0053】
【表1】
(※1)果汁90質量%、 (※2)りんごピューレ由来の果汁を含む
【0054】
表1に示されるように、水不溶性食物繊維(おから粉末)と果汁(りんご果汁)とを含有し、水不溶性食物繊維(おから粉末)の含有量が0.5~12質量%で、水不溶性食物繊維(おから粉末):果汁(りんご果汁)の比率が1:1~1:100の範囲にある実施例1乃至7の具材入り液状調味料は、すりおろしたりんご様の食感を得ながら口当たりがまろやかで、すりおろし様の具材の食べ応えがあった。また、保存後においても変色、異臭の発生、味の変化は少なかった。また、りんごピューレを一部使用した実施例8において、本発明の効果を阻害しない程度であれば、果汁の一部がピューレ由来であっても、水不溶性食物繊維(おから粉末)と果汁(りんご果汁)とを含有し、水不溶性食物繊維(おから粉末)の含有量が0.5~12質量%で、水不溶性食物繊維(おから粉末):果汁(りんご果汁)の比率が1:1~1:100の範囲にあれば、具材入り液状調味料は、すりおろした果実様の食感を得ながら口当たりがまろやかで、すりおろし様の具材の食べ応えがあった。また、保存後においても変色、異臭の発生、味の変化も許容できる範囲内であった。一方、水不溶性食物繊維の含有量が少ない比較例1は、食感、口当たり、食べ応えのいずれにおいても十分ではなかった。また、水不溶性食物繊維の含有量が多い比較例2は、やや口当たりの良さに欠け、またペースト状になり容器からの取出しやトッピングがしづらかった。従来のピューレのみからなる比較例3は、冷蔵保存でも製造直後より色の変化が見られ、高温ではかなり変色が見られた。
【0055】
(試験例2)水不溶性食物繊維の種類及び野菜の形態の検討
(1)試験品の調製(実施例9~12、及び比較例4~7)
表2に示す配合量(質量%)にて、りんご酢、食塩、砂糖、醸造酢(酸度15%)、キサンタンガムからなる共通原料と、水不溶性食物繊維(おから粉末/粉末セルロースA、粉末セルロースB)、タマネギ(汁/ピューレ/パウダー)、大根(汁/すりおろし/パウダー)を水に混合し、均一になるように攪拌した後、80℃5分の殺菌処理を行い、ボトルに充填し、試験品の具材入り液状調味料を調製した。粉末セルロースは、日本製紙ケミカル社製のW-50(粉末セルロースA)、W-100(粉末セルロースB)を用いた。
【0056】
(2)官能評価試験
試験品の具材入り液状調味料について、調味液に対しては「すりおろし野菜様の食感」、「口当たりのまろやかさ」、「すりおろし様の具材感」を、調味料全体に対しては「固形タマネギの食感」の官能評価を行った。官能評価は訓練された官能検査員のべ5名にて、下記基準により行った。各評価項目の評価点の算出方法は、5名の評価を加重平均し、小数点2以下を四捨五入した。総合評価は、各評価項目の評価点を加重平均した。
【0057】
(すりおろし野菜様の食感)
5:タマネギ、または大根の様な繊維感のあるシャリシャリした食感とみずみずしい野菜感がとても良く感じられる。
4:タマネギ、または大根の様な繊維感のあるシャリシャリした食感とみずみずしい野菜感が感じられる。
3:タマネギ、または大根の様な繊維感のあるシャリシャリした食感とみずみずしい野菜感が多少感じられる。
2:タマネギ、または大根の様な繊維感のあるシャリシャリした食感とみずみずしい野菜感があまり感じられない。
1:タマネギ、または大根の様な繊維感のあるシャリシャリした食感とみずみずしい野菜感が感じられない。
(口当たりのまろやかさ)
5:ザラつきがなく、口当たりがまろやかで良好。
4:ザラつきがなく、口当たりがややまろやかである。
3:ザラつきがない。
2:ややザラつきがある。
1:ザラつきがある。
(すりおろし様の具材感)
5:すりおろし様の具材の食べ応えが十分ある。
4:すりおろし様の具材の食べ応えがある。
3:すりおろし様の具材の食べ応えが多少ある。
2:すりおろし様の具材の食べ応えがあまりない。
1:すりおろし様の具材の食べ応えがない。
(固形タマネギの食感)
5:繊維分が固形タマネギにからまりシャキシャキ感が引き立てられている。
4:繊維分が固形タマネギにからまりシャキシャキ感が良く感じられる。
3:繊維分が固形タマネギに幾分かからまりシャキシャキ感が多少良く感じられる。
2:繊維分が殆どからまず固形タマネギのシャキシャキ感はあまり引き立っていない。
1:繊維分がからまず固形タマネギのシャキシャキ感は引き立っていない。
【0058】
(3)保存試験
試験品の具材入り液状調味料を10℃と50℃で7日間保存した後、常温にもどし、50℃保存のサンプルについて10℃保存のサンプルと比較して、「色」、「臭い」、「風味」の変化を、試験例1と同様にして確認した。
【0059】
(4)試験結果
上記の各試験結果を表2に示す。
【0060】
【0061】
表2に示されるように、水不溶性食物繊維(おから粉末、粉末セルロース)と野菜汁(タマネギ汁、大根汁)とを含有する実施例9乃至12の具材入り液状調味料は、すりおろし野菜様の食感を得ながら口当たりがまろやかで、食べ応えがあった。また、保存後においても変色、異臭の発生、味の変化は少なかった。また、固形具材とのからみがよく、固形具材のシャキシャキ感が良く感じられた。一方、従来の野菜ピューレやおろし(タマネギピューレ、すりおろし大根)のみからなる比較例4及び比較例6は、口当たりにやや刺激が感じられ、食べ応えが十分ではなかった。また、固形具材とはからまず、固形具材の食感が引き立つこともなかった。また、野菜パウダー(タマネギパウダー、大根パウダー)のみからなる比較例5及び比較例7は、口当たりや食べ応えが悪く、保存後においては、臭みが感じられ、風味も悪かった。
【産業上の利用可能性】
【0062】
本発明は、ドレッシングなどの液状調味料の製造分野において利用できる。