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特許7113548時刻タイミング信号を生成する方法及びシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-28
(45)【発行日】2022-08-05
(54)【発明の名称】時刻タイミング信号を生成する方法及びシステム
(51)【国際特許分類】
   H04B 10/2575 20130101AFI20220729BHJP
   H04B 10/071 20130101ALI20220729BHJP
   H04L 7/00 20060101ALI20220729BHJP
【FI】
H04B10/2575
H04B10/071
H04L7/00 990
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2021065742
(22)【出願日】2021-04-08
【審査請求日】2021-04-08
(73)【特許権者】
【識別番号】504261077
【氏名又は名称】大学共同利用機関法人自然科学研究機構
(74)【代理人】
【識別番号】100110423
【弁理士】
【氏名又は名称】曾我 道治
(74)【代理人】
【識別番号】100111648
【弁理士】
【氏名又は名称】梶並 順
(74)【代理人】
【識別番号】100221729
【弁理士】
【氏名又は名称】中尾 圭介
(72)【発明者】
【氏名】木内 等
【審査官】対馬 英明
(56)【参考文献】
【文献】特開2021-197606(JP,A)
【文献】特開2011-71700(JP,A)
【文献】特開2013-101256(JP,A)
【文献】特開平11-344583(JP,A)
【文献】特開2019-146014(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0199072(US,A1)
【文献】KREHLIK P. et al.,ELSTAB - Fiber-Optic Time and Frequency Distribution Technology: A General Characterization and Fundamental Limits,TRANSACTIONS ON ULTRASONICS, FERROELECTRICS, AND FREQUENCY CONTROL,米国,IEEE,2016年07月,VOL. 63, NO. 7,pages 993-1004
【文献】KREHLIK P. et al.,A Hybrid Solution for Simultaneous Transfer of Ultrastable Optical Frequency, RF Frequency, and UTC Time-Tags Over Optical Fiber,TRANSACTIONS ON ULTRASONICS, FERROELECTRICS, AND FREQUENCY CONTROL,米国,IEEE,2017年12月,VOL. 64, NO. 12,pages 1884-1890
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 10/00-10/90
H04J 14/00-14/08
H04L 7/00-7/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
時刻タイミング信号により基準マイクロ波信号を位相変調してマイクロ波位相変調信号を生成するステップと、
前記マイクロ波位相変調信号によりレーザ光を光強度変調して光強度変調信号を生成するステップと、
前記光強度変調信号を往路光強度変調信号として基地局から光ファイバを通してリモート局に伝送するステップと、
前記リモート局に伝送された前記往路光強度変調信号の偏波を回転させ、復路光強度変調信号として、前記光ファイバを通して前記基地局に返送するステップと、
前記復路光強度変調信号を光電気変換して復路マイクロ波位相変調信号を電気的に抽出するステップと、
基準マイクロ波信号の位相が調整された復調用マイクロ波搬送波信号を用いて前記復路マイクロ波位相変調信号を同期検波することにより逆拡散時刻タイミング信号を抽出するステップと、
前記時刻タイミング信号と前記逆拡散時刻タイミング信号とのタイミング差から伝送遅延を求めるステップと、
前記時刻タイミング信号を前記伝送遅延だけ進めてリモート局用の時刻タイミング信号を生成するステップと、
を備える、
時刻タイミング信号を生成する方法。
【請求項2】
基地局とリモート局とが光ファイバを通して接続されたシステムであって、
前記基地局は、
レーザ光を生成するレーザ光源と、
時刻タイミング信号を生成する時刻タイミング信号生成部と、
基準マイクロ波信号を生成する基準マイクロ波信号生成部と、
前記時刻タイミング信号により前記基準マイクロ波信号を位相変調してマイクロ波位相変調信号を生成するマイクロ波位相変調器と、
前記マイクロ波位相変調信号により前記レーザ光を光強度変調して前記リモート局に伝送する光強度変調信号を生成する光強度変調器と、
前記光強度変調信号を往路光強度変調信号として前記基地局から前記光ファイバを通して前記リモート局に伝送すると共に、前記光強度変調信号を往路光強度変調信号として前記光ファイバに供給すると共に、前記光ファイバを通して前記リモート局から返送される復路光強度変調信号を偏波の違いにより前記往路光強度変調信号から分離する光分離器と、
前記復路光強度変調信号を光電気変換して復路マイクロ波位相変調信号を電気的に抽出する光電気変換器と、
基準マイクロ波信号の位相を調整して復調用マイクロ波搬送波信号を生成する移相器と、
前記復調用マイクロ波搬送波信号を用いて前記復路マイクロ波位相変調信号を同期検波することにより逆拡散時刻タイミング信号を抽出するマイクロ波位相変調信号復調器と、
前記時刻タイミング信号と前記逆拡散時刻タイミング信号とのタイミング差から伝送遅延を求める遅延算出部と、
前記時刻タイミング信号を前記伝送遅延だけ進め、リモート局用の時刻タイミング信号を生成する制御部と、を備え、
前記リモート局は、前記基地局から伝送された前記往路光強度変調信号の偏波を回転させ、前記復路光強度変調信号として前記光ファイバを通して前記基地局に返送する逆送部を備える、
時刻タイミング信号を生成するシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この開示は、時刻タイミング信号を生成する方法及びシステムに関し、特に、基地局からリモート局に光ファイバを通して伝送するリモート局用の時刻タイミング信号を生成する方法及びシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
高速光通信、深宇宙探査、天文精密計測などの分野では、非常に離れた複数の測定地点で時刻を高精度に同期させる必要がある。このような時刻の同期のため、高精度な時刻タイミング信号の生成が求められている。
【0003】
非常に離れた基地局とリモート局とが光ファイバにより接続されており、基地局からリモート局にタイミング信号を伝送して同期をとる場合、光ファイバにおいて生じる伝送遅延を精密に測定し、測定した伝送遅延分を進めたリモート局用のタイミング信号を基地局からリモート局に伝送することで、時刻同期を行う。この種の技術は、以下の非特許文献1に記載されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【文献】P.Krehlik, L.Sliwczynski, L.Buczek, J.Kolodziej, M.Lipinski, 「ELSTAB.Fiber-Optic Time and Frequency Distribution Technology: A General Characterization and Fundamental Limits,」, IEEE Trans on Ultrasonics, Ferroelectrics, and frequency control, (vol.63, no.7, pp.993-1004, Jul. 2016)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記非特許文献1に記載された従来の手法では、以下のようにして時刻同期を行う。
1. 基地局は、時刻タイミング信号によりレーザ光を振幅変調し、振幅変調された光信号を生成する。
2. 基地局は、光信号を光ファイバ経由でリモート局に伝送する。
3. リモート局は、光ファイバ経由で伝送された光信号を光電気変換により電気信号に変換し、時刻タイミング信号を抽出する。
4. リモート局は、抽出した時刻タイミング信号によりレーザ光を振幅変調し、光信号を再生成する。ただし、基地局で生成された光信号とリモート局で再生成された光信号とを、基地局で分離可能なように、リモート局において再生成する光信号の波長は、光フィルタで分離可能なように、基地局で生成された光信号の波長と異なるものにしておく。
5. リモート局は、再生成した光信号を光ファイバ経由で基地局に伝送する。
6. 基地局は、リモート局から伝送された光信号を光フィルタにより分離抽出し、分離抽出した光信号を光電気変換により電気信号に変換し、時刻タイミング信号を抽出する。
7. 基地局は、元の時刻タイミング信号と、リモート局から伝送された光信号に含まれる時刻タイミング信号とのタイミングを比較し、光信号の往復により生じた遅延(往復遅延)を検出する。
8. 基地局は、往復遅延の1/2の伝送遅延に相当する時間を早めたリモート局用の時刻タイミング信号によりレーザ光を振幅変調し、リモート局同期用光信号を生成する。
9. 基地局は、リモート局同期用光信号を光ファイバ経由でリモート局に伝送する。
【0006】
従来手法では、基地局からリモート局までの往路の光信号と、リモート局から基地局までの復路の光信号とで、光フィルタにより分離可能なように異なる波長を採用する必要がある。この場合、光ファイバ伝送における波長分散の影響により、往路と復路の光信号の波長の違いに応じて、往路と復路の遅延量が変化する。
【0007】
また、従来手法では、リモート局は、基地局からの光信号から時刻タイミング信号を抽出し、抽出した時刻タイミング信号によりレーザ光を振幅変調して光信号を再生成している。この場合、リモート局内の処理に起因して、基地局からリモート局までの光信号の往路とリモート局から基地局までの光信号の復路とで異なる経路を通ることがある。
【0008】
以上のような事情により、光ファイバ伝送される光信号に生じる伝送遅延を正確に測定することが困難になり、リモート局用の高精度な時刻タイミング信号を生成することが困難になるという問題があった。
【0009】
この開示は、上記の問題に鑑みてなされたものであり、基地局とリモート局との間で光ファイバ伝送される光信号に生じる伝送遅延を正確に測定し、基地局からリモート局に光ファイバを通して伝送するリモート局用の時刻タイミング信号を生成する方法及びシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この開示に係る時刻タイミング信号を生成する方法は、時刻タイミング信号により基準マイクロ波信号を位相変調してマイクロ波位相変調信号を生成するステップと、マイクロ波位相変調信号によりレーザ光を光強度変調して光強度変調信号を生成するステップと、光強度変調信号を往路光強度変調信号として基地局から光ファイバを通してリモート局に伝送するステップと、リモート局に伝送された往路光強度変調信号の偏波を回転させ、復路光強度変調信号として、光ファイバを通して基地局に返送するステップと、復路光強度変調信号を光電気変換して復路マイクロ波位相変調信号を電気的に抽出するステップと、基準マイクロ波信号の位相が調整された復調用マイクロ波搬送波信号を用いて復路マイクロ波位相変調信号を同期検波することにより逆拡散時刻タイミング信号を抽出するステップと、時刻タイミング信号と逆拡散時刻タイミング信号とのタイミング差から伝送遅延を求めるステップと、時刻タイミング信号を伝送遅延だけ進めてリモート局用の時刻タイミング信号を生成するステップと、を備える。
【0011】
この開示に係る時刻タイミング信号を生成するシステムは、基地局とリモート局とが光ファイバを通して接続されたシステムであって、基地局は、レーザ光を生成するレーザ光源と、時刻タイミング信号を生成する時刻タイミング信号生成部と、基準マイクロ波信号を生成する基準マイクロ波信号生成部と、時刻タイミング信号により基準マイクロ波信号を位相変調してマイクロ波位相変調信号を生成するマイクロ波位相変調器と、マイクロ波位相変調信号によりレーザ光を光強度変調してリモート局に伝送する光強度変調信号を生成する光強度変調器と、光強度変調信号を往路光強度変調信号として光ファイバに供給すると共に、光ファイバを通してリモート局から返送される復路光強度変調信号を偏波の違いにより往路光強度変調信号から分離する光分離器と、復路光強度変調信号を光電気変換して復路マイクロ波位相変調信号を電気的に抽出する光電気変換器と、基準マイクロ波信号の位相を調整して復調用マイクロ波搬送波信号を生成する移相器と、復調用マイクロ波搬送波信号を用いて復路マイクロ波位相変調信号を同期検波することにより逆拡散時刻タイミング信号を抽出するマイクロ波位相変調信号復調器と、時刻タイミング信号と逆拡散時刻タイミング信号とのタイミング差から伝送遅延を求める遅延算出部と、時刻タイミング信号を伝送遅延だけ進めてリモート局用の時刻タイミング信号を生成する制御部と、を備え、リモート局は、基地局から伝送された往路光強度変調信号の偏波を回転させ、復路光強度変調信号として、光ファイバを通して基地局に返送する逆送部を備える。
【発明の効果】
【0012】
この開示に係る時刻タイミング信号を生成する方法及びシステムによれば、基地局とリモート局との間で光ファイバ伝送される光信号に生じる伝送遅延を正確に測定し、基地局からリモート局に光ファイバを通して伝送するリモート局用の時刻タイミング信号を生成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】実施の形態1に係るシステムの構成を示すブロック図である。
図2】実施の形態1におけるマイクロ波位相変調信号の生成の様子を示すタイミングチャートである。
図3】実施の形態1における伝送遅延の算出の様子を示すタイミングチャートである。
図4】実施の形態1に係るシステムにおける各部の処理手順を示すフローチャートである。
図5】実施の形態2に係るシステムの構成を示すブロック図である。
図6】実施の形態2に係るシステムにおける各部の処理手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本開示の時刻タイミング信号を生成する方法及びシステムの実施の形態につき、図面を用いて説明する。
実施の形態1.
はじめに、本開示の実施の形態1におけるシステム1Aの構成について、図1を参照して説明する。図1は、実施の形態1に係るシステム1Aの構成を示すブロック図である。
【0015】
[システム1Aの構成]
システム1Aは、主に、基地局100と、リモート局200と、光ファイバ300とにより構成されている。
【0016】
基地局100には、制御部101と、時刻タイミング信号生成部110と、レーザ光源120と、基準マイクロ波信号生成部130と、移相器135と、マイクロ波位相変調器140と、光強度変調器150と、光分離器160と、光電気変換器170と、マイクロ波位相変調信号復調器180と、遅延算出部190と、が設けられている。
【0017】
リモート局200には、ファラデー反射器210が設けられている。
光ファイバ300は、高速光通信、深宇宙探査、または天文精密計測などを行うため非常に離れた測定地点に設けられている基地局100とリモート局200とを、光通信可能に接続している。なお、リモート局200は、1つである必要は無く、複数存在していてもよい。
【0018】
[システム1Aの各部の動作]
制御部101は、基地局100とリモート局200との時刻同期の制御を行う。システム1Aの各部は、制御部101の制御に基づいて、高精度な時刻タイミング信号を生成する方法の各ステップを実行する。すなわち、制御部101は、以下に述べるようにして伝送遅延を算出した後、時刻同期の制御として、伝送遅延だけ進めた時刻タイミング信号によりレーザ光を変調してリモート局同期用光信号を生成し、光ファイバ300を通してリモート局同期用光信号をリモート局200に送信するように、基地局100の各部を制御する。
【0019】
時刻タイミング信号生成部110は、1秒信号などの特定の周期の精密な時刻タイミング信号を生成する。
レーザ光源120は、光ファイバ300を往復し、伝送遅延を測定するためのレーザ光を生成する。なお、実施の形態1において、伝送遅延を測定する際にレーザ光の位相を用いないため、レーザ光の波長安定性は重要でない。
【0020】
基準マイクロ波信号生成部130は、特定の周波数の基準マイクロ波信号を生成する。実施の形態1において、「マイクロ波」とは、一般にマイクロ波と呼ばれる300MHz~300GHzの周波数範囲に限定されず、短波(3MHz~30MHz)、超短波(30MHz~300MHz)などの周波数範囲をも含むものとする。実施の形態1において、基準マイクロ波信号は、例えば、10MHz等の単一周波数の基準信号とすることができる。
【0021】
移相器135は、マイクロ波位相変調信号復調器180における同期検波のため、基準マイクロ波信号の位相を調整して復調用マイクロ波搬送波信号を生成し、マイクロ波位相変調信号復調器180に供給する。
【0022】
マイクロ波位相変調器140は、時刻タイミング信号生成部110において生成されたベースバンド信号としての時刻タイミング信号により、搬送波としての基準マイクロ波信号を位相変調し、マイクロ波位相変調信号を生成する。
【0023】
マイクロ波位相変調器140よるマイクロ波位相変調信号の生成について、図2を参照して説明する。図2は、実施の形態1におけるマイクロ波位相変調信号の生成の様子を示すタイミングチャートである。図2の(a)は、時刻タイミング信号生成部110において生成される1秒信号などの時刻タイミング信号の波形を示している。図2の(b)は、基準マイクロ波信号生成部130において生成される基準マイクロ波信号の波形を示している。図2の(c)は、マイクロ波位相変調器140において、時刻タイミング信号により基準マイクロ波信号を位相変調して生成されるマイクロ波位相変調信号の波形を示している。
【0024】
図2の(c)に示すマイクロ波位相変調信号は、図2の(b)に示す基準マイクロ波信号を搬送波として、図2の(a)に示す時刻タイミング信号の波形変化タイミングで基準マイクロ波信号の位相が変化する状態になっており、振幅に変化は生じていない。
【0025】
光強度変調器150は、マイクロ波位相変調器140において生成されたマイクロ波位相変調信号により、レーザ光を偏波保持状態で光強度変調することで、偏波を保持した状態の光強度変調信号を生成する。ここで、光強度変調は、変調したい信号を光のパワーの強弱に変換する変調方式である。この光強度変調において、強度は振幅の2乗に比例する点が、振幅変調と異なる。なお、実施の形態1において、レーザ光源120により生成された光であって、変調されていなものを「レーザ光」と呼ぶ。そして、実施の形態1において、レーザ光が各種の信号により光強度変調された光を「光強度変調信号」と呼ぶ。
【0026】
光分離器160は、光強度変調器150において生成された光強度変調信号を光ファイバ300に供給する。これにより、光強度変調信号は、基地局100から送信され、往路光強度変調信号として光ファイバ300を通り、リモート局200に向かう。
【0027】
リモート局200において、基地局100からの往路光強度変調信号は、ファラデー反射器210により偏波回転されつつ反射され、復路光強度変調信号として光ファイバ300を通して基地局100へ向かう。すなわち、ファラデー反射器210は、逆送部として、基地局100からの往路光強度変調信号を外部に取り出すことをせずに偏波回転したうえで、復路光強度変調信号として基地局100へ返送する。なお、基地局100の光分離器160での分離を容易にするため、ファラデー反射器210は往路光強度信号の偏波を90°回転させることが望ましい。
【0028】
光分離器160は、リモート局200から光ファイバ300を通して基地局100に到達する復路光強度変調信号を、偏波の違いにより往路光強度変調信号と区別し、光電気変換器170に供給する。すなわち、光分離器160は、往路光強度変調信号と復路光強度変調信号とを偏波の違いにより分離しており、往路光強度変調信号を図1中の端子aから端子bに向けて光ファイバ300に供給し、復路光強度変調信号を図1中の端子bから端子cに向けて光電気変換器170に供給する。
【0029】
なお、基地局100から光ファイバ300を通りリモート局200に向かう往路光強度変調信号の一部は、リモート局200に到達する前に、光ファイバ300の途中で異常反射して、異常反射光強度信号として基地局100に戻ることがある。
この異常反射光強度変調信号は、元の往路光強度変調信号と同じ偏波であり、リモート局200において偏波回転されて正常に返送されてくる復路光強度変調信号と比較して、偏波に90°の違いを有している。
このため、光分離器160において、異常反射光強度変調信号を、復路光強度変調信号と分離し、容易に遮断することができる。また、基地局100において、光位相変調を用いず、光強度変調器150による光強度変調を用いていることで、偏波消光比の高い光強度変調信号(偏光光信号)を発生することが可能である。
【0030】
光電気変換器170は、復路光強度変調信号を光電気変換し、復路光強度変調信号に含まれるマイクロ波位相変調信号(以下、「復路マイクロ波位相変調信号」と呼ぶ)を電気的に抽出する。復路マイクロ波位相変調信号は、基地局100~リモート局200の間を往復して基地局100に戻るため、基準マイクロ波信号生成部130で生成された基準マイクロ波信号に対して伝送遅延の2倍の往復遅延が含まれている。
【0031】
マイクロ波位相変調信号復調器180は、移相器135からの復調用マイクロ波搬送波信号を基準搬送波として用いて復路マイクロ波位相変調信号を同期検波することにより、復路マイクロ波位相変調信号から逆拡散により抽出された時刻タイミング信号(以下、「逆拡散時刻タイミング信号」と呼ぶ)を抽出する。なお、移相器135は、復路マイクロ波位相変調信号の搬送波と位相が一致するように基準マイクロ波信号を位相調整して、復調用マイクロ波搬送波信号を生成する。例えば、移相器135は、マイクロ波位相変調信号復調器180から抽出される逆拡散時刻タイミング信号の振幅が最大になるように、位相調整を行う。なお、移相器135は、フェーズロックドループ(Phase Locked Loop)制御を用いて復調用マイクロ波搬送波信号を生成してもよい。
【0032】
遅延算出部190は、マイクロ波位相変調器140において光強度変調に使用した時刻タイミング信号と、マイクロ波位相変調信号復調器180において抽出された逆拡散時刻タイミング信号とを比較し、往復遅延に相当するタイミング差Δtを求める。遅延算出部190は、Δtの1/2を伝送遅延として算出する。
【0033】
以下、同期検波により逆拡散時刻タイミング信号を抽出し、伝送遅延を算出する様子を図3により説明する。図3は、実施の形態1における伝送遅延の算出の様子を示すタイミングチャートである。
【0034】
図3の(a)は、復路光強度変調信号が光電気変換されて生成された復路マイクロ波位相変調信号の波形を示している。図3の(b)は、移相器135により生成された復調用マイクロ波搬送波信号の波形を示している。図3の(c)は、復調用マイクロ波搬送波信号(図3の(b))を基準搬送波として使用し、復路マイクロ波位相変調信号(図3の(a))を同期検波することにより抽出された逆拡散時刻タイミング信号の波形を示している。図3の(d)は、マイクロ波位相変調器140においてマイクロ波位相変調に使用した時刻タイミング信号の波形を示している。
【0035】
基地局100からリモート局200に向けた往路マイクロ波位相変調信号が、復路マイクロ波位相変調信号としてリモート局200から基地局100に返送されてくるため、図3の(c)と(d)とにおけるタイミング差Δtは、光ファイバ300を往復したことによる往復遅延に相当する。
【0036】
よって、遅延算出部190は、マイクロ波位相変調器140において光強度変調に使用した時刻タイミング信号と、マイクロ波位相変調信号復調器180において抽出された逆拡散時刻タイミング信号とを比較し、往復遅延に相当するタイミング差Δtを求める。更に、遅延算出部190は、このΔtの1/2を、光ファイバ300を通して基地局100からリモート局200までに生じる伝送遅延として算出する。
【0037】
[システム1Aにおける各部の処理手順]
以下、図4のフローチャートを参照して、システム1Aにおける各部の処理手順、すなわち、時刻タイミング信号を生成する方法の手順を説明する。図4は、実施の形態1に係るシステム1Aにおける各部の処理手順を示すフローチャートである。
【0038】
基地局100では、前提として、時刻タイミング信号生成部110による時刻タイミング信号の生成と、基準マイクロ波信号生成部130による基準マイクロ波信号の生成と、レーザ光源120によるレーザ光の生成と、移相器135による基準マイクロ波信号の位相を調整した復調用マイクロ波搬送波信号の生成とを行っている。
【0039】
まず、ステップS101において、マイクロ波位相変調器140は、時刻タイミング信号により基準マイクロ波信号を位相変調して、マイクロ波位相変調信号を生成する。この後、処理はステップS102へと進む。
【0040】
ステップS102において、光強度変調器150は、マイクロ波位相変調信号により、レーザ光を光強度変調して、リモート局200に伝送する光強度変調信号を生成する。この後、処理はステップS103へと進む。
【0041】
ステップS103において、光分離器160は、光強度変調器150で生成された光強度変調信号を往路光強度変調信号として光ファイバ300に供給する。供給された往路光強度変調信号は、光ファイバ300を通して、リモート局200に伝送される。この後、処理は、リモート局200のステップS201に移る。
【0042】
ステップS201において、リモート局200は、光ファイバ300を通して基地局100から伝送された往路光強度変調信号を受信する。この後、処理はステップS202へと進む。
【0043】
ステップS202において、ファラデー反射器210は、往路光強度変調信号の偏波を回転させつつ反射し、復路光強度変調信号として光ファイバ300を通して基地局100へ返送する。この後、処理は、基地局100のステップS104に移る。
【0044】
ステップS104において、光分離器160は、光ファイバ300を通してリモート局200から到達した復路光強度変調信号を、偏波の違いによって往路光強度変調信号と分離し、光電気変換器170に供給する。この後、処理はステップS105へと進む。
【0045】
ステップS105において、光電気変換器170は、復路光強度変調信号を光電気変換し、復路光強度変調信号に含まれる復路マイクロ波位相変調信号を電気的に抽出する。この後、処理はステップS106へと進む。
【0046】
ステップS106において、マイクロ波位相変調信号復調器180は、移相器135からの復調用マイクロ波搬送波信号を基準搬送波として用いて、復路マイクロ波位相変調信号を同期検波する。マイクロ波位相変調信号復調器180は、この同期検波により、復路マイクロ波位相変調信号から逆拡散により逆拡散時刻タイミング信号を抽出する。この後、処理はステップS107へと進む。
【0047】
ステップS107において、遅延算出部190は、マイクロ波位相変調器140において光強度変調に使用した時刻タイミング信号と、マイクロ波位相変調信号復調器180において抽出された逆拡散時刻タイミング信号とを比較し、往復遅延に相当するタイミング差Δtを求める。遅延算出部190は、更に、Δtの1/2を伝送遅延として算出する。この結果、基地局100とリモート局200との間において光ファイバ300で伝送される光信号に生じる伝送遅延を正確に測定することが可能になる。この後、処理はステップS108へと進む。
【0048】
ステップS108において、制御部101は、伝送遅延だけ進めた時刻タイミング信号(以下、「リモート局用の時刻タイミング信号」と呼ぶ)を生成するよう、時刻タイミング信号生成部110を制御する。この後、処理はステップS109へと進む。
【0049】
ステップS109において、制御部101は、光ファイバ300を通してリモート局同期用光信号をリモート局200に送信するよう制御する。このリモート局同期用光信号については、マイクロ波位相変調と光強度変調以外の変調であってもよい。この後、処理は、リモート局200のステップS203に移る。
【0050】
ステップS203において、リモート局200は、光ファイバ300を通して受信したリモート局同期用光信号からリモート局用の時刻タイミング信号を抽出し、リモート局用の時刻タイミング信号によってリモート局200内の各部のタイミングを制御する。
【0051】
以上の一連の処理により、基地局100とリモート局200との間において時刻を高精度に同期させた状態にすることができる。そして、基地局100とリモート局200とは、時刻を高精度に同期させた状態において、高速光通信、深宇宙探査、天文精密計測などを行うことが可能になる。
【0052】
[システム1Aの特徴]
実施の形態1のシステム1Aにおいて、ベースバンド信号としての精密な時刻タイミング信号で、搬送波としての基準マイクロ波信号を位相変調してマイクロ波位相変調信号を生成し、このマイクロ波位相変調信号によりレーザ光を光強度変調して光強度変調信号を生成し、この光強度変調信号を伝送路である光ファイバ300から取り出すことなく、基地局100とリモート局200との間を往復させて遅延を測定する。これにより、光電気変換器170とマイクロ波位相変調信号復調器180のみで復路光強度変調信号を復調して逆拡散時刻タイミング信号を抽出できるため、光信号周波数の制御が必要な複雑な光位相同期回路や光波長レベルでの伝送路長の温度補償等が不要になり、高精度な時刻同期が可能になる。
【0053】
実施の形態1のシステム1Aにおいて、遅延算出部190は、時刻タイミング信号と、逆拡散時刻タイミング信号とのタイミングを比較し、伝送遅延を算出している。ここで、逆拡散時刻タイミング信号は、時刻タイミング信号に、往路光強度変調信号の伝送時間と復路マイクロ波位相変調信号の伝送時間とが加わったものであるため、伝送遅延を高精度に算出することができる。
【0054】
マイクロ波位相変調信号復調器180において復調される復路マイクロ波位相変調信号の搬送波周波数は、基準マイクロ波信号生成部130で生成された基準マイクロ波信号の周波数に、光ファイバ300の伝送路変化による変異分が付加された程度であり、ほとんど変化していない。このため、マイクロ波位相変調信号復調器180は、基準マイクロ波信号生成部130で生成された元の基準マイクロ波信号を移相器135で位相シフトした復調用マイクロ波搬送波信号を用いることで、復路マイクロ波位相変調信号の同期検波による復調を容易に行うことができる。
【0055】
実施の形態1のシステム1Aにおいて、レーザ光の位相をパラメータとして用いていないため、レーザ光源120において生成されるレーザ光の波長安定性は重要でない。よって、波長安定性及び狭線幅発振特性等に特別に配慮された高価なレーザ光源を用いる必要はない。
【0056】
実施の形態1のシステム1Aにおいて、レーザ光の光周波数シフトを行っておらず、往復させる往路光強度変調信号と復路光強度変調信号との周波数差は、伝送により生じる変動程度であって極めて小さい。このため、往路光強度変調信号と復路光強度変調信号とを同一光波長とみなすことができる。このため、光ファイバ300における波長分散の影響を非常に小さく抑えることができる。
【0057】
実施の形態1のシステム1Aにおいて、基地局100からリモート局200に向けて、基地局100と同期した状態の時刻タイミング信号と共に、基準マイクロ波信号を伝送することができる。従って、リモート局200において、時刻タイミング信号のほかに、基準マイクロ波信号を利用した各種の処理を実行することができる。
【0058】
光強度変調器150がマイクロ波位相変調信号によりレーザ光を偏波保持状態で光強度変調し、偏波消光比の高い偏光光信号としての光強度変調信号を発生することができる。このため、光ファイバ300の途中で異常反射により生じる異常反射光強度信号は、光分離器160において偏波の違いにより遮断されるため、異常反射光強度変調信号の影響を受けることなく、伝送遅延を正確に測定し、同期した状態を実現することができる。
【0059】
実施の形態1のシステム1Aにおいて、マイクロ波位相変調器140における処理とマイクロ波位相変調信号復調器180における処理とはマイクロ波を扱う回路であり、光電気変換器170は単純な光電気変換回路である。このため、光信号周波数の制御が必要な複雑な光位相同期回路や光波長レベルでの伝送路長の温度補償等が不要であり、光位相変調信号復調器のような光周波制御や伝送路長の光波長レベルでの安定性は要求されない。従って、実施の形態1のシステム1Aは、高精度な処理を容易に実現することができる。
【0060】
レーザ光を位相変調する場合、位相変調により得られる光位相変調信号には振幅の変化が無いため、光電気変換によって目的の信号を直接的に検出することはできない問題を有している。これに対し、実施の形態1のシステム1Aは、光強度変調器150によりレーザ光を強度変調することにより、振幅の変化を伴う光強度変調信号を生成している。このため、実施の形態1のシステム1Aでは、光電気変換器170で復路光強度変調信号から復路マイクロ波位相変調信号を抽出することが可能になっている。これにより、光信号からマイクロ波信号への変換を容易に行うことができる。従って、簡易な回路構成により高精度な処理を行うことが可能になる。
【0061】
以上のシステム1Aは、基地局100からリモート局200までの光信号の往路とリモート局200から基地局100までの光信号の復路において、光強度変調信号を外部に取り出していないため、往路光強度変調信号と復路光強度変調信号とは同一の経路を通っている。すなわち、光信号が異なる経路を伝送されるために生じる経路差に基づく誤差の問題は発生しない。
【0062】
実施の形態2.
次に、本開示の実施の形態2におけるシステム1Bの構成について、図5及び図6を参照して説明する。図5は、実施の形態2に係るシステム1Bの構成を示すブロック図である。図6は、実施の形態2に係るシステム1Bにおける各部の処理手順を示すフローチャートである。なお、図5において、図1に示した実施の形態1に係るシステム1Aと同一物には同一番号を付している。また、図6のフローチャートにおいて、図4のフローチャートと同一処理には同一ステップ番号を付している。
【0063】
ここで、実施の形態2におけるシステム1Bの構成及び処理について、実施の形態1におけるシステム1Aと異なる部分を中心にして説明する。
【0064】
実施の形態1において、マイクロ波位相変調信号復調器180は、移相器135からの復調用マイクロ波搬送波信号を基準搬送波として用いて、復路マイクロ波位相変調信号を同期検波することにより、逆拡散時刻タイミング信号を抽出していた。
一方、実施の形態2において、マイクロ波位相変調信号復調器181は、コスタスループ等により構成され、マイクロ波搬送波信号を再生する発信器を内蔵している。このため、マイクロ波位相変調信号復調器181は、ステップS106bにおけるマイクロ波搬送波信号の再生と、ステップS106aにおける逆拡散時刻タイミング信号の抽出とを、単独で並行して行うことができる。
【0065】
位相比較部132は、ステップS110において、基準マイクロ波信号生成部130で生成された基準マイクロ波信号と、マイクロ波位相変調信号復調器181で再生されたマイクロ波搬送波信号とを位相比較し、位相差信号を生成する。
移相器136は、ステップS111において、位相比較部132で生成された位相差信号に基づき、基準マイクロ波信号とマイクロ波搬送波信号との位相が一致するように、基準マイクロ波信号の位相を調整する。
【0066】
これにより、実施の形態2のシステム1Bは、実施の形態1と同じ効果を得られるほか、以下のような特徴的な効果を得ることができる。
すなわち、リモート局200に到達するリモート局同期用光信号(ステップS203)に含まれるマイクロ波位相変調信号の位相は、光ファイバ300での伝送状態にかかわらず、固定された状態になる。従って、実施の形態2のシステム1Bにおいて、基地局100からリモート局200に向けて、基地局100と同期した状態の時刻タイミング信号と共に、位相の固定された状態の基準マイクロ波信号を伝送することができる。この結果、リモート局200において、時刻タイミング信号のほかに、基準マイクロ波信号を利用した各種の処理を実行することができる。
【0067】
[実施の形態1と実施の形態2の比較]
以下、実施の形態1のシステム1Aと実施の形態2のシステム1Bとの違いについて説明する。
実施の形態1のシステム1Aの復路マイクロ波位相変調信号において、位相が反転するタイミング信号位置は安定しているものの、位相そのものは光ファイバ300での長距離伝送の影響により安定しないことがある。ただし、マイクロ波位相変調信号復調器180を簡単な回路構成にすることができる。
一方、実施の形態2のシステム1Bの復路マイクロ波位相変調信号において、位相が反転するタイミング信号位置が安定しているだけでなく、光ファイバ300での長距離伝送の影響にかかわらず位相そのものも安定している。ただし、マイクロ波位相変調信号復調器181は、コスタスループ等の複雑な回路構成にする必要がある。
【0068】
以上のようなシステム1Aとシステム1Bの特性の違いを考慮し、以下のような選択が考えられる。
リモート局200に対して正確な時刻タイミング信号の伝送のみで良い場合は、実施の形態1のシステム1Aを選択することが望ましい。
リモート局200に対して正確な時刻タイミング信号を伝送するほかに、位相そのものが安定した状態の基準マイクロ波信号を伝送したい場合は、実施の形態2のシステム1Bを選択することが望ましい。
【0069】
[変形例]
以下、システム1Aとシステム1Bの変形例を以下に説明する。
実施の形態1及び2のリモート局200におけるファラデー反射器210は、ファラデー回転子と方向性結合器との間を短い光ファイバによりループ形状に接続したものに置き換えることが可能である。
【0070】
図2のタイミングチャートの(a)に示す時刻タイミング信号は、0110100のSYN符号の場合を一例として示しているが、どのような符号列であってもよい。
【0071】
[実施の形態により得られる効果]
基地局100からリモート局200に光ファイバ300を通して伝送する時刻タイミング信号を生成する方法及びシステムの実施の形態により得られる効果は以下の通りである。
【0072】
この開示では、時刻タイミング信号により基準マイクロ波信号を位相変調してマイクロ波位相変調信号を生成し、マイクロ波位相変調信号によりレーザ光を光強度変調して光強度変調信号を生成し、光強度変調信号を往路光強度変調信号として基地局100から光ファイバ300を通してリモート局200に伝送し、リモート局200に伝送された往路光強度変調信号の偏波を回転させ、復路光強度変調信号として、光ファイバ300を通して基地局100に返送し、復路光強度変調信号を光電気変換して復路マイクロ波位相変調信号を電気的に抽出し、基準マイクロ波信号の位相が調整された復調用マイクロ波搬送波信号を用いて復路マイクロ波位相変調信号を同期検波することにより逆拡散時刻タイミング信号を抽出し、時刻タイミング信号と逆拡散時刻タイミング信号とのタイミング差から伝送遅延を求め、時刻タイミング信号を伝送遅延だけ進めてリモート局200用の時刻タイミング信号を生成する。これにより、以上の方法を用いて生成された高精度な時刻タイミング信号を含むリモート局同期用光信号を、基地局100からリモート局200に伝送することができるため、離れた局同士において時刻を高精度に同期させることができる。
【産業上の利用可能性】
【0073】
本開示は、たとえば、離れた複数の局間において時刻を高精度に同期させた状態にすることができるため、超高速光通信、深宇宙探査、宇宙・天文精密計測、及び各種精密計測分野への応用が可能である。
【符号の説明】
【0074】
1A 実施の形態1のシステム、1B 実施の形態2のシステム、100 基地局、101 制御部、110 時刻タイミング信号生成部、120 レーザ光源、130 基準マイクロ波信号生成部、132 位相比較部、135 移相器、140 マイクロ波位相変調器、150 光強度変調器、160 光分離器、170 光電気変換器、180,181 マイクロ波位相変調信号復調器、190 遅延算出部、200 リモート局、210 ファラデー反射器、300 光ファイバ。
【要約】
【課題】基地局とリモート局と間の伝送遅延を測定し、高精度な同期用時刻タイミング信号を生成する。
【解決手段】時刻タイミング信号により基準マイクロ波信号を位相変調してマイクロ波位相変調信号を生成し、マイクロ波位相変調信号によりレーザ光を光強度変調して生成した往路光強度変調信号を光ファイバ300経由でリモート局200に伝送し、リモート局200は往路光強度変調信号の偏波を回転させて復路光強度変調信号として光ファイバ300を通して基地局100に返送し、復路光強度変調信号を光電気変換して復路マイクロ波位相変調信号を電気的に抽出し、復調用マイクロ波搬送波信号を用いて復路マイクロ波位相変調信号を同期検波することにより逆拡散時刻タイミング信号を抽出し、時刻タイミング信号と逆拡散時刻タイミング信号との差から伝送遅延を求め、時刻タイミング信号を伝送遅延だけ進めてリモート局用の時刻タイミング信号を生成する。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6