(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-28
(45)【発行日】2022-08-05
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法、情報処理プログラム、表示制御装置、表示制御方法、及び表示制御プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/10 20120101AFI20220729BHJP
【FI】
G06Q50/10
(21)【出願番号】P 2019026962
(22)【出願日】2019-02-18
【審査請求日】2021-01-25
(73)【特許権者】
【識別番号】306037311
【氏名又は名称】富士フイルム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】特許業務法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】石川 成利
(72)【発明者】
【氏名】金子 泰久
(72)【発明者】
【氏名】中津川 晴康
【審査官】岸 健司
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2015/0327518(US,A1)
【文献】特開2006-042670(JP,A)
【文献】特開平09-035036(JP,A)
【文献】特開2002-183296(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
G16H 10/00-80/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
検査対象の動物に対する検査結果を取得する取得部と、
前記検査対象の動物のオーナーが複数の動物を飼育しているか否かを判定する判定部と、
前記検査結果が、前記検査対象の動物が感染症に感染していることを表し、かつ前記オーナーが複数の動物を飼育していると判定された場合、前記オーナーに、前記検査対象の動物が感染症に感染していることを表す情報を通知する通知部と、
を備え
、
前記判定部は、前記オーナーが飼育している前記複数の動物のうちの前記検査対象の動物以外の動物の種族が、前記検査対象の動物が感染した感染症が感染する可能性のある動物の種族であるか否かを判定することによって、前記感染症が、前記検査対象の動物以外の動物に感染する可能性があるか否かを更に判定し、
前記通知部は、前記感染症が、前記オーナーが飼育している前記複数の動物のうちの前記検査対象の動物以外の動物に感染する可能性があるか否かを表す情報を更に通知する
情報処理装置。
【請求項2】
前記判定部は、前記感染症が人に感染する可能性があるか否かを更に判定し、
前記通知部は、前記感染症が人に感染する可能性があるか否かを表す情報を更に通知する
請求項
1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
検査対象の動物に対する検査結果を取得し、
前記検査対象の動物のオーナーが複数の動物を飼育しているか否かを判定し、
前記検査結果が、前記検査対象の動物が感染症に感染していることを表し、かつ前記オーナーが複数の動物を飼育していると判定した場合、前記オーナーに、前記検査対象の動物が感染症に感染していることを表す情報を通知
し、
前記オーナーが飼育している前記複数の動物のうちの前記検査対象の動物以外の動物の種族が、前記検査対象の動物が感染した感染症が感染する可能性のある動物の種族であるか否かを判定することによって、前記感染症が、前記検査対象の動物以外の動物に感染する可能性があるか否かを更に判定し、
前記感染症が、前記オーナーが飼育している前記複数の動物のうちの前記検査対象の動物以外の動物に感染する可能性があるか否かを表す情報を更に通知する
処理をコンピュータが実行する情報処理方法。
【請求項4】
検査対象の動物に対する検査結果を取得し、
前記検査対象の動物のオーナーが複数の動物を飼育しているか否かを判定し、
前記検査結果が、前記検査対象の動物が感染症に感染していることを表し、かつ前記オーナーが複数の動物を飼育していると判定した場合、前記オーナーに、前記検査対象の動物が感染症に感染していることを表す情報を通知
し、
前記オーナーが飼育している前記複数の動物のうちの前記検査対象の動物以外の動物の種族が、前記検査対象の動物が感染した感染症が感染する可能性のある動物の種族であるか否かを判定することによって、前記感染症が、前記検査対象の動物以外の動物に感染する可能性があるか否かを更に判定し、
前記感染症が、前記オーナーが飼育している前記複数の動物のうちの前記検査対象の動物以外の動物に感染する可能性があるか否かを表す情報を更に通知する
処理をコンピュータに実行させるための情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報処理装置、情報処理方法、情報処理プログラム、表示制御装置、表示制御方法、及び表示制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
ウイルスに感染したことが疑われる旨をシステムへの参加者に通知する感染監視システムが開示されている(特許文献1参照)。この感染監視システムは、ウイルスの感染者がウイルスに感染したと推定される日時である感染推定日時を病院から取得する。そして、この感染監視システムは、感染推定日時以降に感染者から所定の距離以内に接近した参加者に対して上記の通知を行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、複数の動物を飼育しているオーナーが存在する。例えば、オーナーが飼育している複数の動物のうちの一部の動物が感染症に感染した場合、同じ家屋内等の比較的狭い範囲内で生活している他の動物にも感染症が感染する可能性は比較的高い。この場合、一部の動物が感染症に感染したことをオーナーに通知することができると、感染症の拡大を抑制するうえで好ましい。
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、ウイルスに感染したことが疑われる旨をシステムの参加者に通知するためには、感染者及び感染者以外のシステムの参加者の位置情報等を用いた煩雑な処理を行う必要がある。従って、感染症の拡大を効率的に抑制することはできない。
【0006】
本開示は、以上の事情を鑑みてなされたものであり、感染症の拡大を効率的に抑制することができる情報処理装置、情報処理方法、情報処理プログラム、表示制御装置、表示制御方法、及び表示制御プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本開示の情報処理装置は、検査対象の動物に対する検査結果を取得する取得部と、検査対象の動物のオーナーが複数の動物を飼育しているか否かを判定する判定部と、検査結果が、検査対象の動物が感染症に感染していることを表し、かつオーナーが複数の動物を飼育していると判定された場合、オーナーに、検査対象の動物が感染症に感染していることを表す情報を通知する通知部と、を備える。
【0008】
なお、本開示の情報処理装置は、判定部が、感染症が、オーナーが飼育している複数の動物のうちの検査対象の動物以外の動物に感染する可能性があるか否かを更に判定し、通知部は、感染症が、オーナーが飼育している複数の動物のうちの検査対象の動物以外の動物に感染する可能性があるか否かを表す情報を更に通知してもよい。
【0009】
また、本開示の情報処理装置は、判定部が、感染症が人に感染する可能性があるか否かを更に判定し、通知部が、感染症が人に感染する可能性があるか否かを表す情報を更に通知してもよい。
【0010】
また、本開示の表示制御装置は、情報処理装置から通知された、動物が感染症に感染していることを表す情報を受信する受信部と、受信部により受信された情報に基づいて、複数の動物のうちの何れの動物が感染症に感染しているかを判別可能な状態で、複数の動物の画像を表示する制御を行う表示制御部と、を備える。
【0011】
また、本開示の情報処理方法は、検査対象の動物に対する検査結果を取得し、検査対象の動物のオーナーが複数の動物を飼育しているか否かを判定し、検査結果が、検査対象の動物が感染症に感染していることを表し、かつオーナーが複数の動物を飼育していると判定した場合、オーナーに、検査対象の動物が感染症に感染していることを表す情報を通知する処理をコンピュータが実行するものである。
【0012】
また、本開示の情報処理プログラムは、検査対象の動物に対する検査結果を取得し、検査対象の動物のオーナーが複数の動物を飼育しているか否かを判定し、検査結果が、検査対象の動物が感染症に感染していることを表し、かつオーナーが複数の動物を飼育していると判定した場合、オーナーに、検査対象の動物が感染症に感染していることを表す情報を通知する処理をコンピュータに実行させるためのものである。
【0013】
また、本開示の表示制御方法は、情報処理装置から通知された、動物が感染症に感染していることを表す情報を受信し、受信した情報に基づいて、複数の動物のうちの何れの動物が感染症に感染しているかを判別可能に、複数の動物の画像を表示する制御を行う処理をコンピュータが実行するものである。
【0014】
また、本開示の表示制御プログラムは、情報処理装置から通知された、動物が感染症に感染していることを表す情報を受信し、受信した情報に基づいて、複数の動物のうちの何れの動物が感染症に感染しているかを判別可能に、複数の動物の画像を表示する制御を行う処理をコンピュータに実行させるためのものである。
【0015】
また、本開示の情報処理装置は、コンピュータに実行させるための命令を記憶するメモリと、記憶された命令を実行するよう構成されたプロセッサと、を備え、プロセッサは、検査対象の動物に対する検査結果を取得し、検査対象の動物のオーナーが複数の動物を飼育しているか否かを判定し、検査結果が、検査対象の動物が感染症に感染していることを表し、かつオーナーが複数の動物を飼育していると判定した場合、オーナーに、検査対象の動物が感染症に感染していることを表す情報を通知する。
【0016】
また、本開示の表示制御装置は、コンピュータに実行させるための命令を記憶するメモリと、記憶された命令を実行するよう構成されたプロセッサと、を備え、プロセッサは、情報処理装置から通知された、動物が感染症に感染していることを表す情報を受信し、受信した情報に基づいて、複数の動物のうちの何れの動物が感染症に感染しているかを判別可能に、複数の動物の画像を表示する制御を行う。
【発明の効果】
【0017】
本開示によれば、感染症の拡大を効率的に抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】実施形態に係る情報処理システムの構成の一例を示すブロック図である。
【
図2】実施形態に係る情報処理装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【
図3】実施形態に係る動物管理テーブルの一例を示す図である。
【
図4】実施形態に係る感染症テーブルの一例を示す図である。
【
図5】実施形態に係る端末装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【
図6】実施形態に係る動物情報テーブルの一例を示す図である。
【
図7】実施形態に係る情報処理装置の機能的な構成の一例を示すブロック図である。
【
図8】実施形態に係る端末装置の機能的な構成の一例を示すブロック図である。
【
図9】実施形態に係る通知処理の一例を示すフローチャートである。
【
図10】実施形態に係る表示制御処理の一例を示すフローチャートである。
【
図11】実施形態に係る表示画面の一例を示す図である。
【
図12】実施形態に係る表示画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面を参照して、本開示の技術を実施するための形態例を詳細に説明する。
【0020】
まず、
図1を参照して、本実施形態に係る情報処理システム10の構成を説明する。
図1に示すように、情報処理システム10は、情報処理装置12及び複数の端末装置14を含む。情報処理装置12及び複数の端末装置14は、それぞれネットワークNに接続され、ネットワークNを介して互いに通信が可能とされる。
【0021】
情報処理装置12は、例えば動物病院に設置される。情報処理装置12の例としては、サーバコンピュータ等が挙げられる。なお、情報処理装置12は、クラウドサーバであってもよい。端末装置14は、例えば、ペット等の動物のオーナーによって所持される。端末装置14の例としては、スマートフォン及びタブレットコンピュータ等が挙げられる。端末装置14が開示の技術に係る表示制御装置の一例である。なお、本明細書における「動物」とは、犬及び猫等の「人」を除く動物を意味する。
【0022】
次に、
図2を参照して、本実施形態に係る情報処理装置12のハードウェア構成を説明する。
図2に示すように、情報処理装置12は、CPU(Central Processing Unit)20、一時記憶領域としてのメモリ21、及び不揮発性の記憶部22を含む。また、情報処理装置12は、液晶ディスプレイ等の表示部23、キーボードとマウス等の入力部24、及びネットワークNに接続されるネットワークI/F(InterFace)25を含む。CPU20、メモリ21、記憶部22、表示部23、入力部24、及びネットワークI/F25は、バス26に接続される。
【0023】
記憶部22は、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、及びフラッシュメモリ等によって実現される。記憶媒体としての記憶部22には、情報処理プログラム30が記憶される。CPU20は、記憶部22から情報処理プログラム30を読み出してからメモリ21に展開し、展開した情報処理プログラム30を実行する。また、記憶部22には、動物管理テーブル32及び感染症テーブル34が記憶される。
【0024】
図3に、動物管理テーブル32の一例を示す。動物管理テーブル32は、動物のオーナーと、オーナーに飼育されている動物とを管理するためのテーブルである。
図3に示すように、動物管理テーブル32には、動物のオーナーに関する情報(以下、「オーナー情報」という)と、動物に関する情報(以下、「動物情報」という)とが対応付けられて記憶される。
【0025】
オーナー情報には、オーナーの識別情報の一例としてのID(IDentifier)、名前、及び連絡先等が含まれる。なお、本実施形態では、連絡先として、電子メールアドレスを適用した場合を説明するが、これに限定されない。連絡先として、メッセージングサービスのIDを適用してもよいし、SNS(Social Networking Service)のアカウントのIDを適用してもよいし、電話番号を適用してもよい。
【0026】
動物情報には、対応するオーナー情報が示すオーナーに飼育されている動物の識別情報の一例としてのID、名前、性別、年齢、種族、及び品種等が含まれる。また、1人のオーナーが複数の動物を飼育している場合は、1つのオーナー情報に、複数の動物情報が対応付けられる。
【0027】
図4に、感染症テーブル34の一例を示す。感染症テーブル34は、感染症が感染する可能性のある対象を管理するためのテーブルである。
図4に示すように、感染症テーブル34には、感染症毎に、感染症に感染する可能性のある動物の種族が記憶される。また、動物だけではなく、人に感染する可能性のある感染症については、種族列に、動物の種族に加えて「人」も記憶される。
【0028】
猫のみに感染する感染症の例としては、猫汎白血球減少症、猫白血病ウイルス感染症、猫免疫不全ウイルス感染症、猫伝染性腹膜炎、及び猫風邪等が挙げられる。犬のみに感染する感染症の例としては、犬のケンネルコフ、犬ジステンパーウイルス感染症、犬パルボウイルス感染症、及び犬アデノウイルス感染症等が挙げられる。犬及び猫の双方に感染し、かつ人にも感染する感染症の例としては、犬猫回虫幼虫移行症及び皮膚糸状菌症等が挙げられる。
【0029】
次に、
図5を参照して、本実施形態に係る端末装置14のハードウェア構成を説明する。
図5に示すように、端末装置14は、CPU40、一時記憶領域としてのメモリ41、及び不揮発性の記憶部42を含む。また、端末装置14は、液晶ディスプレイ等の表示部43、タッチパネル等の入力部44、及び無線通信によるネットワークNへの接続を司るネットワークI/F45を含む。CPU40、メモリ41、記憶部42、表示部43、入力部44、及びネットワークI/F45は、バス46に接続される。
【0030】
記憶部42は、フラッシュメモリ等によって実現される。記憶媒体としての記憶部42には、表示制御プログラム50が記憶される。CPU40は、記憶部42から表示制御プログラム50を読み出してからメモリ41に展開し、展開した表示制御プログラム50を実行する。また、記憶部42には、動物情報テーブル52が記憶される。
【0031】
図6に、動物情報テーブル52の一例を示す。動物情報テーブル52は、端末装置14を所持するオーナーが飼育している動物に関する情報が記憶されるテーブルである。
図6に示すように、動物情報テーブル52には、オーナーが飼育している動物について、動物管理テーブル32の動物情報と同じ情報が記憶される。更に、動物情報テーブル52には、動物の画像を示す画像データの格納パスも記憶される。
【0032】
次に、
図7を参照して、本実施形態に係る情報処理装置12の機能的な構成について説明する。
図7に示すように、情報処理装置12は、取得部60、判定部62、及び通知部64を含む。CPU20が情報処理プログラム30を実行することで、取得部60、判定部62、及び通知部64として機能する。
【0033】
本実施形態に係る動物病院の獣医師は、例えば、検査対象の動物が感染症に感染していることが疑われる場合、動物から検体を採取し、採取した検体を外部の検査機関に送付することによって診断を依頼する。検査機関での検査が終了すると、検査機関から検査結果を表す情報が情報処理装置12に送信され、情報処理装置12は検査機関から送信された検査結果を表す情報を受信する。この検査結果を表す情報には、検査対象の動物のIDが含まれ、かつ動物が感染症に感染している場合は感染症の病名が含まれる。なお、検査結果を表す情報は、動物病院の獣医師によって、入力部24を介して入力されてもよい。
【0034】
取得部60は、検査機関から送信された、検査対象の動物に対する検査結果を表す情報を取得する。判定部62は、動物管理テーブル32を参照し、検査対象の動物のオーナーが複数の動物を飼育しているか否かを判定する。
【0035】
また、判定部62は、取得部60により取得された情報が表す検査結果が感染症に感染していることを表し、かつ検査対象の動物のオーナーが複数の動物を飼育している場合は、検査結果を表す情報から感染症の病名を抽出する。そして、判定部62は、動物管理テーブル32及び感染症テーブル34を参照し、抽出した病名の感染症が、オーナーが飼育している複数の動物のうちの検査対象の動物以外の動物に感染する可能性があるか否かを判定する。なお、以下では、検査対象の動物を「第1の動物」といい、オーナーが飼育している複数の動物のうちの第1の動物以外の動物を「第2の動物」という。具体的には、判定部62は、第2の動物の種族が、第1の動物が感染した感染症が感染する可能性のある動物の種族であるか否かを判定する。
【0036】
更に、判定部62は、感染症テーブル34を参照し、第1の動物が感染した感染症が人に感染する可能性があるか否かを判定する。
【0037】
通知部64は、第1の動物に対する検査結果が、第1の動物が感染症に感染していることを表し、かつ第1の動物のオーナーが複数の動物を飼育していると判定された場合、動物管理テーブル32を参照し、第1の動物のオーナーの連絡先を取得する。そして、通知部64は、取得した連絡先に、第1の動物の動物IDと第1の動物が感染している感染症の病名とを含む情報を送信することによって、オーナーに、第1の動物が感染症に感染していることを表す情報を通知する。
【0038】
更に、通知部64は、取得した連絡先に、判定部62による判定結果である第1の動物が感染した感染症が第2の動物に感染する可能性があるか否かを表す情報を送信することによってオーナーに通知する。また、通知部64は、取得した連絡先に、判定部62による判定結果である第1の動物が感染した感染症が人に感染する可能性があるか否かを表す情報を送信することによってオーナーに通知する。
【0039】
なお、本実施形態では、通知部64により通知される情報として、テキストデータを適用した場合について説明するが、これに限定されない。通知部64により通知される情報として、音声データを適用してもよいし、テキストデータ及び音声データの双方を適用してもよい。
【0040】
次に、
図8を参照して、本実施形態に係る端末装置14の機能的な構成について説明する。
図8に示すように、端末装置14は、受信部70及び表示制御部72を含む。CPU40が表示制御プログラム50を実行することで、受信部70及び表示制御部72として機能する。
【0041】
受信部70は、情報処理装置12から通知された、第1の動物が感染症に感染していることを表す情報を受信する。また、受信部70は、情報処理装置12から通知された、感染症が第2の動物に感染する可能性があるか否かを表す情報を受信する。また、受信部70は、情報処理装置12から通知された、感染症が人に感染する可能性があるか否かを表す情報を受信する。
【0042】
表示制御部72は、受信部70により受信された情報に基づいて、複数の動物のうちの何れの動物が感染症に感染しているかを判別可能な状態で、複数の動物の画像を表示する制御を行う。
【0043】
本実施形態では、表示制御部72は、動物情報テーブル52を参照し、動物情報テーブル52に記憶されている全ての動物のうちの何れの動物が感染症に感染しているかを判別可能な状態で、全ての動物の画像を表示部43に並べて表示する制御を行う。また、表示制御部72は、第1の動物が感染した感染症が第2の動物に感染する可能性があるか否かを表す情報も表示部43に表示する制御を行う。更に、表示制御部72は、感染症が人に感染する可能性があるか否かを表す情報も表示部43に表示する制御を行う。
【0044】
次に、
図9を参照して、本実施形態に係る情報処理装置12の作用を説明する。CPU20が情報処理プログラム30を実行することによって、
図9に示す通知処理が実行される。
図9に示す通知処理は、例えば、検査機関から送信された検査結果を表す情報を情報処理装置12が受信した場合に実行される。
【0045】
図9のステップS10で、取得部60は、検査機関から送信された第1の動物に対する検査結果を表す情報を取得する。ステップS12で、判定部62は、ステップS10の処理により取得された情報が表す検査結果が感染症に感染していることを表すか否かを判定する。この判定が肯定判定となった場合は、処理はステップS14に移行する。ステップS14で、判定部62は、動物管理テーブル32を参照し、第1の動物のオーナーが複数の動物を飼育しているか否かを判定する。この判定が肯定判定となった場合は、処理はステップS16に移行する。
【0046】
ステップS16で、判定部62は、ステップS10の処理により取得された情報から、第1の動物のID及び感染症の病名を抽出する。ステップS18で、通知部64は、動物管理テーブル32を参照し、第1の動物のオーナーの連絡先を取得する。そして、通知部64は、前述したように、取得した連絡先に、第1の動物が感染症に感染していることを表す情報を通知する。
【0047】
ステップS20で、判定部62は、動物管理テーブル32及び感染症テーブル34を参照し、ステップS16の処理により抽出された病名の感染症が、オーナーが飼育している複数の動物のうちの第2の動物に感染する可能性があるか否かを判定する。ステップS22で、通知部64は、ステップS18の処理により取得された連絡先に、ステップS20の処理による判定結果である第1の動物が感染した感染症が第2の動物に感染する可能性があるか否かを表す情報を送信することによってオーナーに通知する。
【0048】
ステップS24で、判定部62は、感染症テーブル34を参照し、第1の動物が感染した感染症が人に感染する可能性があるか否かを判定する。ステップS26で、通知部64は、ステップS18の処理により取得された連絡先に、ステップS24の処理による判定結果である第1の動物が感染した感染症が人に感染する可能性があるか否かを表す情報を送信することによってオーナーに通知する。ステップS26の処理が終了すると、本通知処理が終了する。一方、ステップS12の判定が否定判定となった場合も本通知処理が終了する。また、ステップS14の判定が否定判定となった場合も本通知処理が終了する。
【0049】
次に、
図10を参照して、本実施形態に係る端末装置14の作用を説明する。CPU40が表示制御プログラム50を実行することによって、
図10に示す表示制御処理が実行される。
図10に示す表示制御処理は、例えば、情報処理装置12から通知された第1の動物が感染症に感染していることを表す情報を端末装置14が受信した場合に実行される。
【0050】
図10のステップS30で、上記ステップS18の処理により情報処理装置12から通知された、第1の動物が感染症に感染していることを表す情報を受信する。また、受信部70は、上記ステップS22の処理により情報処理装置12から通知された、感染症が第2の動物に感染する可能性があるか否かを表す情報を受信する。また、受信部70は、上記ステップS26の処理により情報処理装置12から通知された、感染症が人に感染する可能性があるか否かを表す情報を受信する。
【0051】
ステップS32で、表示制御部72は、動物情報テーブル52を参照し、動物情報テーブル52に記憶されている全ての動物のうちの何れの動物が感染症に感染しているかを判別可能な状態で、全ての動物の画像を表示部43に並べて表示する制御を行う。また、表示制御部72は、第1の動物が感染した感染症が第2の動物に感染する可能性があるか否かを表す情報も表示部43に表示する制御を行う。更に、表示制御部72は、感染症が人に感染する可能性があるか否かを表す情報も表示部43に表示する制御を行う。ステップS32の処理が終了すると、本表示制御処理が終了する。
【0052】
ステップS32の処理により、一例として
図11に示すように、オーナーが飼育している全ての動物の画像が表示部43に縦に並べられて表示される。なお、
図11では、オーナーがペットA、B、Cの3頭のペットを飼育し、ペットA、Bの種族が犬であり、ペットCの種族が猫である例を示している。また、
図11では、ペットBが感染症に感染した第1の動物であり、ペットA、Cが、オーナーが飼育している全ての動物のうちの第1の動物以外の第2の動物である例を示している。また、
図11では、ペットBが感染した感染症が犬のみに感染し、猫及び人には感染しない場合の例を示している。
【0053】
図11に示すように、本実施形態では、感染症に感染していることを表すメッセージがペットBの画像に重畳されて表示されることによって、ペットBが感染症に感染していることが判別可能となっている。また、
図11の例では、感染症が他の犬に感染することを注意するメッセージも表示されている。更に、
図11の例では、猫及び人には感染症が感染しないことを表すメッセージが表示されている。
【0054】
また、
図11の例において感染症が猫及び人にも感染する場合の表示画面の一例を
図12に示す。この場合、
図12に示すように、
図11における猫及び人には感染症が感染しないことを表すメッセージに代えて、猫及び人にも感染症が感染することを表すメッセージと、注意を促すメッセージとが表示される。
【0055】
以上説明したように、本実施形態によれば、検査結果が、検査対象の動物が感染症に感染していることを表し、かつオーナーが複数の動物を飼育していると判定された場合、オーナーに、検査対象の動物が感染症に感染していることを表す情報を通知する。従って、位置情報等を用いた煩雑な処理を行わずに上記通知ができる結果、感染症の拡大を効率的に抑制することができる。
【0056】
また、本実施形態によれば、第1の動物が感染した感染症が第2の動物に感染する可能性があるか否かを表す情報を通知している。従って、オーナーが第2の動物に感染症が感染する可能性があるか否かを把握することができる。
【0057】
また、本実施形態によれば、第1の動物が感染した感染症が人に感染する可能性があるか否かを表す情報を通知している。従って、オーナー自身が感染症に感染する可能性があるか否かを把握することができる。
【0058】
なお、上記実施形態において、動物管理テーブル32のオーナー情報に、オーナーの家族に関する情報を更に記憶してもよい。この場合、通知部64は、
図9に示す通知処理のステップS18、S22、及びS26で行ったオーナーへの通知を、オーナーの家族にも行ってもよい。この場合、オーナーの家族が所持する端末装置14の表示部43にも
図11又は
図12に示す表示画面が表示される。この形態例では、オーナーが家に不在の場合でも、家にいる家族が他の動物への感染症の拡大を抑制する対処ができる。また、この場合における感染症の拡大を抑制する対処が完了した場合、対処した人が所持する端末装置14が、対処が完了したことを表すメッセージを、家族が所持する端末装置14に送信してもよい。
【0059】
また、上記実施形態において、例えば、
図11又は
図12に示す表示画面において、オーナーが感染症に感染した第1の動物を指定する操作を行った場合に、動物病院の診療日時を予約する診療予約画面に遷移してもよい。
【0060】
また、上記実施形態において、例えば、取得部60、判定部62、通知部64、受信部70、及び表示制御部72といった各種の処理を実行する処理部(processing unit)のハードウェア的な構造としては、次に示す各種のプロセッサ(processor)を用いることができる。上記各種のプロセッサには、前述したように、ソフトウェア(プログラム)を実行して各種の処理部として機能する汎用的なプロセッサであるCPUに加えて、FPGA等の製造後に回路構成を変更可能なプロセッサであるプログラマブルロジックデバイス(Programmable Logic Device:PLD)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)等の特定の処理を実行させるために専用に設計された回路構成を有するプロセッサである専用電気回路等が含まれる。
【0061】
1つの処理部は、これらの各種のプロセッサのうちの1つで構成されてもよいし、同種又は異種の2つ以上のプロセッサの組み合わせ(例えば、複数のFPGAの組み合わせや、CPUとFPGAとの組み合わせ)で構成されてもよい。また、複数の処理部を1つのプロセッサで構成してもよい。
複数の処理部を1つのプロセッサで構成する例としては、第1に、クライアント及びサーバ等のコンピュータに代表されるように、1つ以上のCPUとソフトウェアの組み合わせで1つのプロセッサを構成し、このプロセッサが複数の処理部として機能する形態がある。第2に、システムオンチップ(System On Chip:SoC)等に代表されるように、複数の処理部を含むシステム全体の機能を1つのIC(Integrated Circuit)チップで実現するプロセッサを使用する形態がある。このように、各種の処理部は、ハードウェア的な構造として、上記各種のプロセッサの1つ以上を用いて構成される。
【0062】
更に、これらの各種のプロセッサのハードウェア的な構造としては、より具体的には、半導体素子などの回路素子を組み合わせた電気回路(circuitry)を用いることができる。
【0063】
また、上記実施形態では、情報処理プログラム30が記憶部22に予め記憶(インストール)されている態様を説明したが、これに限定されない。情報処理プログラム30は、CD-ROM(Compact Disc Read Only Memory)、DVD-ROM(Digital Versatile Disc Read Only Memory)、及びUSB(Universal Serial Bus)メモリ等の記録媒体に記録された形態で提供されてもよい。また、情報処理プログラム30は、ネットワークを介して外部装置からダウンロードされる形態としてもよい。
【0064】
また、上記実施形態では、表示制御プログラム50が記憶部42に予め記憶(インストール)されている態様を説明したが、これに限定されない。表示制御プログラム50は、CD-ROM、DVD-ROM、及びUSBメモリ等の記録媒体に記録された形態で提供されてもよい。また、表示制御プログラム50は、ネットワークを介して外部装置からダウンロードされる形態としてもよい。
【符号の説明】
【0065】
10 情報処理システム
12 情報処理装置
14 端末装置
20、40 CPU
21、41 メモリ
22、42 記憶部
23、43 表示部
24、44 入力部
25、45 ネットワークI/F
26、46 バス
30 情報処理プログラム
32 動物管理テーブル
34 感染症テーブル
50 表示制御プログラム
52 動物情報テーブル
60 取得部
62 判定部
64 通知部
70 受信部
72 表示制御部
N ネットワーク