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特許7114270タンデム処理領域を有するプラズマチャンバ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-29
(45)【発行日】2022-08-08
(54)【発明の名称】タンデム処理領域を有するプラズマチャンバ
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/3065 20060101AFI20220801BHJP
   H01L 21/31 20060101ALI20220801BHJP
【FI】
H01L21/302 101B
H01L21/31 C
【請求項の数】 20
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2018031629
(22)【出願日】2018-02-26
(65)【公開番号】P2018148207
(43)【公開日】2018-09-20
【審査請求日】2021-02-19
(31)【優先権主張番号】15/453,868
(32)【優先日】2017-03-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】390040660
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
(74)【代理人】
【識別番号】100101502
【弁理士】
【氏名又は名称】安齋 嘉章
(72)【発明者】
【氏名】アンドリュー ヌグエン
(72)【発明者】
【氏名】ヨガナンダ サロデ ビシュワナス
(72)【発明者】
【氏名】シュエ ヤン チャン
【審査官】田中 崇大
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2005/0247265(US,A1)
【文献】特表2011-518444(JP,A)
【文献】特開2009-004729(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2003/0176074(US,A1)
【文献】特開2018-088339(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2008/0069668(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/3065
H01L 21/31
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板を処理するための装置であって、
第1の処理領域を有する第1のチャンバ側と、第2の処理領域を有する第2のチャンバ側とを有するチャンバ本体であって、チャンバ本体は、
前壁、前壁に対向する後壁、及び前壁と後壁との間に接続された底壁と、
底壁を貫通して配置された第1のチャンバ側ポート及び第2のチャンバ側ポートと、
底壁を貫通して配置された真空ポートであって、底壁は、真空ポートの第1の部分を画定し、真空ポートは、処理領域の各々のための排気経路の少なくとも一部である真空ポートと、
前壁から延在し、真空ポートの第2の部分を画定する真空ハウジングとを含むチャンバ本体と、
第1の処理領域内に配置された第1の基板支持体、及び第1の基板支持体に結合され、第1のチャンバ側ポートを貫通して延在する第1のステムと、
第2の処理領域内に配置された第2の基板支持体、及び第2の基板支持体に結合され、第2のチャンバ側ポートを貫通して延在する第2のステムとを含む装置。
【請求項2】
チャンバ本体は、第1の処理領域と第2の処理領域との間に配置され、処理領域の各々に対して排気経路を仕切る隔壁を含み、隔壁の少なくとも一部は真空ハウジング内に配置されている、請求項1記載の装置。
【請求項3】
第1の基板支持体は、第1のステムを貫通して延在する第1の長手軸を有し、第2の基板支持体は、第2のステムを貫通して延在する第2の長手軸を有し、真空ポートは、第1のチャンバ側ポートと第2のチャンバ側ポートとの間に配置され、第1のチャンバ側ポート及び第2のチャンバ側ポートは、第1のステムの第1の長手軸及び第2のステムの第2の長手軸を貫通して延在するx軸を有し、真空ポートは、前壁に向かって、第1のチャンバ側ポート及び第2のチャンバ側ポートのx軸の真下に配置されている、請求項1記載の装置。
【請求項4】
前壁は、第1のチャンバ側の第1の処理領域への第1のサービスポートと、第2のチャンバ側の第2の処理領域への第2のサービスポートとを有し、真空ポートは、第1のサービスポートと第2のサービスポートとの間に配置され、前壁及び対向する後壁は、第1のサービスポートと第2のサービスポートとの間で平行である、請求項1記載の装置。
【請求項5】
真空ハウジングは、開放位置と閉鎖位置との間で移動可能な蓋アセンブリを含む、請求項1記載の装置。
【請求項6】
基板を処理するための装置であって、
隔壁によって隔てられた第1の処理領域及び第2の処理領域を有するチャンバ本体であって、チャンバ本体は、
第1及び第2の処理領域を境界付ける底壁と、
底壁を貫通して配置された第1の部分を有し、第1及び第2の処理領域に流体結合された真空ポートと、
底壁に接続された前壁と、
前壁に接続され、前壁から外方に延在する真空ハウジングであって、真空ポートの第2の部分が内部に形成されている真空ハウジングとを含むチャンバ本体を含む装置。
【請求項7】
底壁は、真空ポートに隣接する周囲を有し、真空ポートは、底壁を貫通して延在する表面領域を有し、真空ポートの表面領域のうちの少なくとも50%は、真空ポートに隣接している底壁の周囲から外方へ延在している、請求項6記載の装置。
【請求項8】
チャンバ本体は、
前壁に対向し、基板を第1の処理領域内に装填するための第1の基板搬送ポートと、基板を第2の処理領域内に装填するための第2の基板搬送ポートとを有する後壁を含む、請求項6記載の装置。
【請求項9】
真空ハウジングは、
開位置と閉位置との間で移動可能な蓋アセンブリを含む、請求項6記載の装置。
【請求項10】
真空ハウジング及びチャンバ本体は、単一の塊の材料から製造される、請求項6記載の装置。
【請求項11】
第1の長手軸は、底壁を貫通して配置された第1のチャンバ側ポートを貫通して延在し、第2の長手軸は、底壁を貫通して配置された第2のチャンバ側ポートを貫通して延在し、真空ポートは、第1のチャンバ側ポートと第2のチャンバ側ポートとの間に配置され、第1のチャンバ側ポート及び第2のチャンバ側ポートは、第1の長手軸及び第2の長手軸を貫通して延在するx軸を有し、真空ポートは、前壁に向かって、第1のチャンバ側ポート及び第2のチャンバ側ポートのx軸の真下に配置されている、請求項6記載の装置。
【請求項12】
基板を処理するための装置であって、
第1の処理領域内で基板を支持するための第1の基板支持体及び第1の基板支持体に結合された第1のステムであって、第1の基板支持体は、第1のステムを貫通する第1の長手軸を有する第1の基板支持体及び第1のステムと、
第2の処理領域内で基板を支持するための第2の基板支持体及び第2の基板支持体に結合された第2のステムであって、第2の基板支持体は、第2のステムを貫通する第2の長手軸を有する第2の基板支持体及び第2のステムと、
第1の処理領域を含む第1のチャンバ側と、第2の処理領域を含む第2のチャンバ側とを有し、第1のチャンバ側のための第1の排気路と、第2のチャンバ側のための第2の排気路とを画定するチャンバ本体であって、
前壁と、
前壁に接続された底壁と、
底壁内に配置された第1のチャンバ側ポート及び第2のチャンバ側ポートであって、第1のステムは第1のチャンバ側ポートを貫通して延在し、第2のステムは第2のチャンバ側ポートを貫通して延在し、第1のチャンバ側ポート及び第2のチャンバ側ポートは、第1のステムの第1の長手軸及び第2のステムの第2の長手軸を貫通して延在するx軸を有する第1のチャンバ側ポート及び第2のチャンバ側ポートと、
底壁内に配置された真空ポートであって、真空ポートは、第1のチャンバ側ポートと第2のチャンバ側ポートとの間に配置され、真空ポートは、前壁に向かって、第1のチャンバ側ポートと第2のチャンバ側ポートのx軸の完全に下方に配置される真空ポートとを含み、
第1の排気経路は、第1の処理領域から真空ポートまで延在し、
第2の排気経路は、第2の処理領域から真空ポートまで延在し、
真空ポートは、真空ポート直径を含み、第1のチャンバ側ポート及び第2のチャンバ側ポートは、チャンバポート分離距離によって分離され、真空ポート直径は、チャンバポート分離距離よりも大きいチャンバ本体とを含む装置。
【請求項13】
基板を処理するための装置であって、
第1の処理領域内で基板を支持するための第1の基板支持体及び第1の基板支持体に結合された第1のステムであって、第1の基板支持体は、第1のステムを貫通する第1の長手軸を有する第1の基板支持体及び第1のステムと、
第2の処理領域内で基板を支持するための第2の基板支持体及び第2の基板支持体に結合された第2のステムであって、第2の基板支持体は、第2のステムを貫通する第2の長手軸を有する第2の基板支持体及び第2のステムと、
第1の処理領域を含む第1のチャンバ側と、第2の処理領域を含む第2のチャンバ側とを有し、第1のチャンバ側のための第1の排気路と、第2のチャンバ側のための第2の排気路とを画定するチャンバ本体であって、
前壁と、
前壁に接続された底壁と、
底壁内に配置された第1のチャンバ側ポート及び第2のチャンバ側ポートであって、第1のステムは第1のチャンバ側ポートを貫通して延在し、第2のステムは第2のチャンバ側ポートを貫通して延在し、第1のチャンバ側ポート及び第2のチャンバ側ポートは、第1のステムの第1の長手軸及び第2のステムの第2の長手軸を貫通して延在するx軸を有する第1のチャンバ側ポート及び第2のチャンバ側ポートと、
底壁内に配置された真空ポートであって、真空ポートは、第1のチャンバ側ポートと第2のチャンバ側ポートとの間に配置され、真空ポートは、前壁に向かって、第1のチャンバ側ポートと第2のチャンバ側ポートのx軸の完全に下方に配置される真空ポートとを含み、
第1の排気経路は、第1の処理領域から真空ポートまで延在し、
第2の排気経路は、第2の処理領域から真空ポートまで延在し、
前壁に対向する後壁を含み、第1のチャンバ側ポートは、前壁よりも後壁に近いチャンバ本体とを含む装置。
【請求項14】
第1のチャンバ側ポート及び第2のチャンバ側ポートは、前壁と後壁との間で非対称に位置合わせされ、x軸は、前壁及び後壁に平行である、請求項13記載の装置。
【請求項15】
底壁は、真空ポートに隣接する周囲を有し、真空ポートは、底壁を貫通して延在する表面領域を有し、真空ポートの表面領域のうちの少なくとも50%は、真空ポートに隣接している底壁の周囲から外方へ延在している、請求項1記載の装置。
【請求項16】
チャンバ本体は、
基板を第1の処理領域内に装填するための第1の基板搬送ポートと、基板を第2の処理領域内に装填するための第2の基板搬送ポートとを有する、請求項1記載の装置。
【請求項17】
隔壁は真空ハウジング内に延在する、請求項6記載の装置。
【請求項18】
真空ハウジングはチャンバ本体から取り外し可能である、請求項6記載の装置。
【請求項19】
チャンバ本体は、
前壁に対向し、基板を第1の処理領域内に装填するための第1の基板搬送ポートと、基板を第2の処理領域内に装填するための第2の基板搬送ポートとを有する後壁を含む、請求項12記載の装置。
【請求項20】
チャンバ本体は、
前壁に対向し、基板を第1の処理領域内に装填するための第1の基板搬送ポートと、基板を第2の処理領域内に装填するための第2の基板搬送ポートとを有する後壁を含む、請求項13記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【背景】
【0001】
(分野)
本明細書に記載の実施形態は、概して、プラズマ半導体基板処理システムに関する。より具体的には、実施形態は、2つの基板を同時に処理するためのタンデム処理領域を有するプラズマチャンバに関する。
【0002】
(関連技術の説明)
半導体処理は、一般的に、材料の堆積と、基板からの材料の除去(「エッチング」)とを含む。タンデム処理領域を有するプラズマチャンバは、半導体処理において2つの基板の処理を同時に可能にするために使用される。プラズマチャンバは、少なくとも1つの基板を処理するための第1のチャンバ側と、第2の基板を処理するための第2のチャンバ側とを含む。チャンバ側はそれぞれ、処理領域内に配置された可動基板支持体を含む。各基板支持体は、処理領域内のプラズマ処理又は他の処理中に基板を支持する基板支持面を含む。基板支持体は、プラズマチャンバの底壁内に配置されたチャンバ側ポートを通って延びるステムを更に含む。
【0003】
真空ポートを介して両方の処理領域に結合された真空ポンプを有する共用ポンピングシステムを使用して、プラズマチャンバを準大気圧(すなわち、真空)までポンプダウンすることは従来的である。真空ポートは、プラズマチャンバの底壁内に配置され、両方の処理領域に対して開いている。真空ポンプは、処理された副生成物をプラズマチャンバの内部から真空ポートを介して排出(ポンプアウト)する。共用ポンピングシステムは、コンポーネント及び動作コストを低減する。
【0004】
上述のようなプラズマチャンバは、電気的制御、高周波(RF)制御、ガス流制御、及び熱制御を含む基板の処理において高度な技術をますます使用して、縮小されたデバイスの幾何学的形状を取り扱い、歩留まりが改善され、スループットが高く、更に基板当たりのコストがより低い基板均一性を達成する。電力ライン、ガス供給ライン、及び制御ライン(集合的にユーティリティライン)は、基板支持体内で使用される高度な技術を、ステムを介して、プラズマチャンバの外部に配置されたガス供給源、電気供給源、及びコントローラに結合するために使用される。基板支持体の改善は、しばしば、ステムのサイズによって制限され、基板支持体内に追加の高度な技術を実装するのに必要な追加のユーティリティラインを配線するためのスペースは利用できない。
【0005】
したがって、基板を処理するための改良された方法及び装置が必要とされている。
【概要】
【0006】
本開示の実施形態は、基板を処理するための方法及び装置を説明する。一例では、基板を処理するための装置は、第1の処理領域を有する第1のチャンバ側と、第2の処理領域を有する第2のチャンバ側とを有するプラズマチャンバ本体を含む。チャンバ本体は、前壁、前壁に対向する後壁、及び前壁と後壁との間に接続された底壁を含む。第1のチャンバ側ポート及び第2のチャンバ側ポートは底壁を貫通して配置され、真空ポートは底壁上に配置される。底壁は、真空ポートの第1の部分を画定し、真空ポートは、第1及び第2の処理領域の各々のための排気経路の少なくとも一部である。真空ハウジングは、前壁から延在し、真空ポートの第2の部分を画定する。第1の基板支持体は、第1の処理領域内に配置される。第1のステムは、第1の基板支持体に結合され、第1のチャンバ側ポートを貫通して延在する。第2の基板支持体は、第2の処理領域内に配置され、第2のステムは、第2の基板支持体に結合される、第2のステムは、第2のチャンバ側ポートを貫通して延在する。
【0007】
別の一実施形態では、基板を処理するための装置は、隔壁によって隔てられた第1の処理領域及び第2の処理領域を有するチャンバ本体を含む。チャンバ本体は、第1及び第2の処理領域を境界付ける底壁と、底壁を貫通して配置された第1の部分を有する真空ポートを有する。真空ポートは、第1及び第2の処理領域に流体結合される。チャンバ本体は、底壁に接続された前壁と、前壁に接続され、前壁から外方に延在する真空ハウジングを更に含む。真空ハウジングは、真空ポートの第2の部分が内部に形成されている。
【0008】
別の一実施形態では、プラズマチャンバは、処理領域内で基板を支持するための第1の基板支持体を含む。第1のステムは、第1の基板支持体に結合され、第1のステムを貫通して延在する第1の長手軸を有する。第2の基板支持体は、処理領域内で基板を支持し、第2のステムは、基板支持体に結合される。第2の基板支持体は、第2のステムを貫通して延在する第2の長手軸を有する。チャンバ本体は、第1の処理領域を含む第1のチャンバ側と、第2の処理領域を含む第2のチャンバ側とを有する。チャンバ本体は、第1のチャンバ側のための第1の排気経路と、第2のチャンバ側のための第2の排気経路とを画定する。チャンバ本体は、前壁と、前壁に接続された底壁とを含む。第1のチャンバ側ポート及び第2のチャンバ側ポートは、底壁内に配置される。第1のステムは、第1のチャンバ側ポートを貫通して延在し、第2のステムは、第2のチャンバ側ポートを貫通して延在する。第1のチャンバ側ポート及び第2のチャンバ側ポートは、第1のステムの第1の長手軸及び第2のステムの第2の長手軸を貫通して延在するx軸を有する。真空ポートは、底壁内に配置され、第1のチャンバ側ポートと第2のチャンバ側ポートとの間に配置される。真空ポートは、前壁に向かって、チャンバ側ポートの水平軸の下に配置される。第1の排気経路は、第1の処理領域から真空ポートまで延在し、第2の排気経路は、第2の処理領域から真空ポートまで延在する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
本開示の上述した構成を詳細に理解することができるように、上記に簡単に要約した本開示のより具体的な説明を、実施形態を参照して行う。実施形態のいくつかは添付図面に示されている。しかしながら、添付図面は本開示の限定的な実施形態を示しているに過ぎず、したがってこの範囲を制限していると解釈されるべきではなく、本開示は他の等しく有効な実施形態を含み得ることに留意すべきである。
図1】一実施形態に係るプラズマチャンバのチャンバ本体の上面斜視図を示す。
図2】一実施形態に係るプラズマチャンバの前面概略断面図を示す。
図3A】一実施形態に係るプラズマチャンバのチャンバ本体の底面斜視図を示す。
図3B】一実施形態に係るプラズマチャンバのチャンバ本体の上面斜視図を示す。
図3C】一実施形態に係るプラズマチャンバのチャンバ本体の底面概略図を示す。
図4A】一実施形態に係るプラズマチャンバのチャンバ本体の上部斜視概略図を示す。
図4B】一実施形態に係るプラズマチャンバのチャンバ本体の底面斜視概略図を示す。
図4C】一実施形態に係るプラズマチャンバのチャンバ本体の底面概略図を示す。
【0010】
理解を促進するために、図面に共通する同一の要素を示す際には可能な限り同一の参照番号を使用している。また、一実施形態の要素は、本明細書に記載の他の実施形態での利用に有利に適合させることができる。
【詳細な説明】
【0011】
本明細書の実施形態は、概して、単一の真空ポートを共有するタンデム処理領域内で複数の基板を同時に処理するように適合された装置を提供する。この装置は、高品質基板処理、高い基板スループット、及び縮小したシステム設置面積に対して、単一の基板処理チャンバの利点と複数基板の取り扱いの利点とを組み合わせたプラズマチャンバとして具現化することができる。プラズマチャンバは、第1のチャンバ側と第2のチャンバ側とを有するチャンバ本体を含む。チャンバ本体は、チャンバ内部領域内で使用される複数の高度な技術を取り扱うように適合されている。
【0012】
図1及び図2は、一実施形態に係るプラズマチャンバ100の前面斜視図及び断面図をそれぞれ示す。図1を参照すると、プラズマチャンバ100は、第1のチャンバ側104及び第2のチャンバ側106を有するチャンバ本体102を含む。第1及び第2のチャンバ側104、106の各々は、それぞれのチャンバ内部領域110、112を含む。チャンバ本体102は、内壁130、132、上壁122、底壁126、側壁124A、124B、及び後壁134を含む。チャンバ内部領域110、112は、内壁130、132によって境界付けられている。基板搬送ポート120は、後壁134を貫通してチャンバ内部領域110、112内へと延在する。
【0013】
真空ポートハウジング182は、チャンバ本体102に結合される。一例では、真空ポートハウジング182は、第1のチャンバ側104のチャンバ内部領域110に通じる第1のサービスポート180Aと、第2のチャンバ側106のチャンバ内部領域110に通じる第2のサービスポート180Bから等距離に配置される。サービスポート180A、180Bは、開放可能なカバー(図示せず)を有し、点検及び修理のためにチャンバ内部領域110、112へのアクセスを可能にする。
【0014】
真空ポートハウジング182は、ハウジング側壁184及びハウジング上壁186を有する。いくつかの実施形態では、真空ポートハウジング182は、チャンバ本体102の前壁128と一体的に形成される。いくつかの実施形態では、チャンバ本体102及び真空ポートハウジング182は、単一の塊の材料から製造される。他の実施形態では、真空ポートハウジング182及びチャンバ本体102は、密封的に固定された又は共に溶接された別個のコンポーネントであってもよい。チャンバ本体102及び真空ポートハウジング182は、アルミニウム又は他の金属材料で作ることができる。ハウジング側壁184は、チャンバ本体102の前壁128から延在する。一例では、ハウジング側壁184は、凸状又は部分円筒形の形状を有する。前壁128は、チャンバ本体102の後壁134と対向する。いくつかの実施形態では、前壁128と対向する後壁134とは平行であり、例えば、サービスポート180A、180Bの間の前壁128の部分は、後壁134の対向する部分と平行である。ハウジングの上壁186は、前壁128及び後壁134に対して垂直とすることができる。いくつかの実施形態では、ハウジング上壁186は、チャンバ本体102の上壁122の下に配置することができる。いくつかの実施形態では、真空ポートハウジング182は、装置のための追加のスペースを提供するという利点を有する。
【0015】
一実施形態では、ハウジング上部壁186は、ハウジング蓋178を含む。ハウジング蓋178は、開放位置と閉鎖位置との間で移動可能である。閉鎖位置にあるとき、ハウジング蓋178は、ハウジング上壁186内に気密シールを形成する。図1に示す実施形態では、ハウジング蓋178は、蓋Oリング172及び蓋RFガスケット174を有する。蓋Oリング172は、ハウジング蓋178が閉位置にあるとき、ハウジング上壁186内に気密シールを形成する。蓋RFガスケット174は、ハウジング蓋178が閉位置にあるとき、ハウジング蓋178とハウジング側壁184との間に接地を提供する。開位置にあるとき、蓋アセンブリ162は、真空ポートハウジング182の上部開口部にアクセスできるように配置される。これは、図2に示す真空ポート192、真空バルブ194、及び真空ポンプ196の点検、保守、及び修理が、真空ポートハウジング182のハウジング蓋178を開き、これによって真空バルブ194又は真空ポンプ196を分解する必要性、又はチャンバ本体102のチャンバ内部領域110、112を通って、真空ポート192、真空バルブ194、及び真空ポンプ196にアクセスする必要性を回避することが可能となるので有益である。
【0016】
図2を参照すると、チャンバ内部領域110、112は、処理領域116、118を含み、図1に示す基板搬送ポート120は、処理領域116、118へ、及び処理領域116、118から基板をロボットによって装填する、及び取り除くために使用される。真空ポート192は、チャンバ本体102の底壁126に開口を提供し、第1の処理領域116のための第1の排気経路204A及び第2の処理領域118のための第2の排気経路204Bの一部となる。真空ポート192は、真空バルブ194(例えば、ゲートバルブ)及び真空ポンプ196に結合される。図2に示す実施形態では、真空バルブ194は、真空ポート192に対して鉛直に配置されたバルブピストン194Aを有する鉛直プランジャバルブであり、真空ポート192を通る流れを制御し、チャンバ内部領域110、112に対して圧力制御を提供する。いくつかの実施形態では、真空バルブ194は、少なくとも部分的に真空ポートハウジング182内に配置されたバルブピストン194Aを有する鉛直プランジャバルブであってもよい。他の実施形態では、異なるタイプのスロットルゲートバルブを真空バルブ194のために使用することができる。真空ポンプ196は、一般的に、第1のチャンバ側104及び第2のチャンバ側106の処理領域116、118を基板処理のために望ましい圧力に維持し、廃ガス及び処理副生成物を迅速に除去するように構成される。
【0017】
チャンバ内部領域110、112の各々は、蓋アセンブリ162によって囲まれている。図1は、蓋アセンブリ162無しのチャンバ本体102を示し、チャンバ内部領域110、112を示している。隔壁114は、それぞれの第1のチャンバ側104と第2のチャンバ側106との間に配置される。いくつかの実施形態では、隔壁114は、上壁122から底壁126まで延在することができる。隔壁114は、処理領域116、118を互いに分離している。
【0018】
チャンバ本体102のチャンバ内部領域110、112の各々は、内部に配置されたそれぞれの基板支持体136A、136Bを有する。基板支持体136A、136Bはそれぞれ、処理領域116、118内で基板を支持するように寸法決めされている。基板支持体136A、136Bは、ステム140A、140Bに接続されている。基板支持体136A、136Bは、オプションとして、各々の長手軸144A、144Bに沿って回転方向及び/又は鉛直方向に移動可能である。基板支持体136A、136Bのステム140A、140Bは、チャンバ本体102の底壁126内に位置するチャンバ側ポート142A、142Bを貫通して延在する。一例では、基板支持体136A、136Bは、RFエネルギーを処理領域116、118内に結合するための下部電極150を含む。いくつかの実施形態では、下部電極150は、陰極とすることができる。基板支持体136A、136Bは、オプションとして、処理中に基板支持体136A、136B上に基板を保持する静電チャックを含んでもよい。ユーティリティライン160は、下部電極150に対して電力を供給する電源154に下部電極150を結合する。
【0019】
プラズマチャンバ100は、基板支持体136A、136Bの昇降、基板支持体136A、136Bの回転、基板の保持及び解放、プロセスの終了の検出、内部診断、基板の加熱等のためのシステムを更に含むことができる。そのようなシステムは、支持システム156として図2に集合的に示されている。支持システム156は、支持システム156内で使用するための基板支持体136A、136Bのステム140A、140Bを貫通して延在する機械式装置を含むことができる。ユーティリティライン160は、ガスラインと、基板支持体136A、136B及び支持システム156に電力を供給するために、基板支持体136A、136Bのステム140A、140Bを貫通して延在する電力ラインとを含むことができる。蓋アセンブリ162は、電源166Aに結合された上部電極164を含む。一実施形態では、上部電極164は陽極である。上部電極164及び下部電極150を使用して、処理領域116、118内にプラズマを発生させる。蓋アセンブリ162はまた、ガス供給源166Bに結合されたシャワーヘッド170を含み、処理領域116、118に処理ガスを供給することができる。
【0020】
プラズマチャンバ100は、チャンバ内部領域110、112内に位置するいくつかのコンポーネントを有することができる制御・監視システム158及び他の先進技術を更に含み、処理領域116、118における下部電極150及び処理環境を制御することができる。いくつかの実施形態では、ユーティリティライン160を使用して、制御・監視システム158に電力を供給することができる。
【0021】
ユーティリティライン160を使用して、チャンバ内部領域110、112内に配置された基板支持体136A、136Bを電源154及びコントローラ176に結合する。ユーティリティライン160は、ステム140A、140B及びチャンバ側ポート142A、142Bを貫通してチャンバ内部領域110、112へと延在し、そこでユーティリティライン160は、基板支持体136A、136B及び制御・監視システム158に結合される。いくつかの実施形態におけるユーティリティライン160は、ガス導管、センサ配線、電源供給導体、及び流体導管を含むことができる。ステム140A、140Bは、チャンバ本体102の外側からチャンバ内部領域110、112へと延在するユーティリティライン160を収容する大きさに作られている。チャンバ側ポート142A、142Bは、チャンバ側ポート142A、142Bを貫通して延在するステム140A、140Bの一部を収容する大きさに作られている。
【0022】
図2に示すように、第1のチャンバ側104のための排気経路204Aは、チャンバ内部領域110を通って延び、第1のチャンバ側104の処理領域116から内壁開口部200Aを通って真空ポート192を通って延びる。図2に示され、矢印で示されているような第2のチャンバ側106のための排気経路204Bは、チャンバ内部領域112を通って延び、第2のチャンバ側106の処理領域118から内壁開口部200Bを通って真空ポート192を通って延びる。隔壁114は、第1のチャンバ側116と第2のチャンバ側118との間に配置され、第1の処理領域116のための第1の排気経路204Aの少なくとも一部を第2の処理領域118のための第2の排気経路204Bから分離している。いくつかの実施形態では、隔壁114は、真空ポート192までは延在しないことが可能であり、排気経路204A、204Bは、隔壁114によって分離されることなく、内壁開口部200A、200Bを通って真空ポート192に入る。
【0023】
図3A及び図3Bは、プラズマチャンバ100のチャンバ本体102の底部斜視図及び上部斜視図をそれぞれ示している。第1チャンバ側ポート142A及び第2チャンバ側ポート142Bは、底壁126を貫通して延びている。底壁126内の真空ポート192は、チャンバ内部領域110、112に結合される。隔壁114は、チャンバ内部領域110、112から真空ポートハウジング182のハウジング側壁184まで延びる。真空ポートハウジング182内の隔壁114、ハウジング側壁184、及びハウジング上壁186は、第1の真空ハウジングチャンバ188A及び第2の真空ハウジングチャンバ188Bを形成する。隔壁114は、チャンバ本体102の底壁126から真空ポートハウジング182のハウジング上壁186まで延びて、真空ハウジングチャンバ188A、188Bを分離することができる。他の実施形態では、隔壁114は、真空ポートハウジング182内に延在しない。前壁128上の真空ポートハウジング182のハウジング上壁186の鉛直位置は、真空ポートハウジング182の所望の形状及び容積に依存して変えることができる。いくつかの実施形態では、底壁126は、ボルト又は他の締結具でチャンバ本体102に取り付け可能な別個のコンポーネントであってもよい。底壁126は、真空シール用のOリングと、底壁126とチャンバ本体102との間の接地用のRFガスケットとを含むことができる。取り外し可能な底壁126は、複数の底壁126を可能にし、各々が底壁126内の真空ポート192、第1のチャンバ側ポート142A、及び第2のチャンバ側ポート142Bの間で異なる間隔及び大きさを有する異なる底壁を備えた複数の底壁126を可能にする。チャンバ本体102は、異なる動作パラメータを満たすように底壁126を変更することによってカスタマイズすることができる。
【0024】
いくつかの実施形態では、チャンバ側部104、106の第1の内壁130及び第2の内壁132のそれぞれは、底壁126から鉛直上方に延び、真空ポート192及び真空ポートハウジング182に通じる内壁開口部200A、200Bを有する。排気通路204Aが図3Bに示されており、第1のチャンバ側104のための内壁開口部200Aを通って流れる。内壁開口部200A、200Bは、第1のチャンバ側104及び第2のチャンバ側106のための排気経路204A、204Bの一部を形成する。図3A及び図3Bに示されるように、第1の真空ハウジングチャンバ188A及び第2の真空ハウジングチャンバ188Bは、それぞれ排気経路204A及び204Bの各々の部分である。
【0025】
図3A及び図3Bを参照すると、真空ポートハウジング182のハウジング側壁184の少なくとも一部は、チャンバ本体102の前壁128から外方へと延在する。ハウジング側壁184及び底壁126は、真空ポート192を取り囲む周囲を画定し、チャンバ内部領域110、112からチャンバ本体102の外部へと通じる。図3Cに示すように、底壁126は、真空ポート192の第1の部分192Aを画定し、真空ポートハウジング182は、前壁128から外方へと延在する真空ポート192の第2の部分192Bと、を画定し、真空ポート192に隣接する底壁126の周囲を画定する。図3Cでは、底壁126の周囲は、破線195によって示されている。
【0026】
図3Cは、実施形態に係るプラズマチャンバ100のチャンバ本体102の定性的底面図を示す。第1のチャンバ側ポート142A及び第2のチャンバ側ポート142Bは、後壁134と前壁128との間に対称的に配置される。x軸210は、第1のチャンバ側ポート142Aの中心206A及び第2のチャンバ側ポート142Bの中心206Bを通って延びる。いくつかの実施形態では、x軸は、後壁134と前壁128の中間に配置された中心線であり、これによって第1のチャンバ側ポート142A及び第2のチャンバ側ポート142Bは対称的に配置される。他の実施形態では、第1のチャンバ側ポート142A及び第2のチャンバ側ポート142Bは、後壁134と前壁128との間に非対称に配置されてもよく、x軸210は、後壁134と前壁128との間の中心線ではない。
【0027】
いくつかの実施形態では、第1のy軸208Aは、中心206Aを通って延び、第2のy軸208Bは、中心206Bを通って延び、両方はx軸210に対して垂直である。図2に示すようなステム140A、140Bに対応する長手軸144A、144Bは、中心206A、206Bを通って延びることができる。チャンバ側ポート142A、142Bの中心206A、206Bは、基板搬送ポート120を介して処理領域116、118内の装填位置に基板を装填するために使用される基板装填装置によって提供される基板装填位置に対応する、チャンバ本体102の後壁134から選択された垂直距離に位置する。後壁134とチャンバ側ポート142A、142Bの中心206A、206Bとの間のこの距離は、Y-rとして表される。
【0028】
一実施形態では、真空ポート192は、第1のチャンバ側ポート142Aの第1のy軸208Aと第2のチャンバ側ポート142Bの第2のy軸208Bとの間に配置される。真空ポート192は、チャンバ本体102の前壁128に向かってx軸210の真下に配置される。真空ポート192がx軸210の下にある距離は、線212及びY-pによって表される。真空ポート192の周囲は、x軸210の真下にある。真空ポート192をx軸210の真下で前壁128の方に配置する利点は、第1のチャンバ側ポート142A及び第2のチャンバ側ポート142Bのサイズが、底壁126の構造的一体性を提供しながら増加することができることである。構造的一体性は、チャンバ本体102の底壁126への真空力に耐えるために必要であり、チャンバ側ポート142A、142Bと真空ポート192との間の選択された分離を維持することによって改善される。
【0029】
図1及び図3A図3Cに示す実施形態では、真空ポート192の少なくとも一部は、チャンバ本体102の前壁128を越えて延び、真空ポートハウジング182内に存在する。一実施形態では、真空ポート192の表面積の50%は、前壁128から延び、真空ハウジングチャンバ188A、188Bに垂直に導かれ、真空ポート192の表面積の他の50%は、底壁126によって画定される。他の実施形態では、真空ポート192の表面積の50%以上が、前壁128を越えて延びる。第1のチャンバ側ポート142A、第2のチャンバ側ポート142B、及び真空ポート192のための底壁126上で利用可能な利用可能表面積は、真空ポート192の増加した部分が前壁128を越えて延びるにつれて増加する。これは、増加した表面積を使用して、第1のチャンバ側ポート142A及び第2のチャンバ側ポートの表面積及び直径を増加させて、これによってチャンバ側ポート142A、142B及びステム140A、140Bを貫通して経路付けされたユーティリティライン160のサイズ及び数を増加させることができるので有益である。
【0030】
図4A及び図4Bは、別の一実施形態に係るチャンバ本体302の上部斜視図及び下部斜視図をそれぞれ示す。真空ポート192は、図1及び図3A図3Cに示されたチャンバ本体102の実施形態の真空ポート192と比較して異なる位置でチャンバ本体302上に配置される。より具体的には、図4A図4Cに示す真空ポート192は、前壁128に隣接して底壁126内に配置される。真空ポート192は、底壁126の周囲内に配置され、前壁128内でチャンバ内部領域110、112内へと開口している。
【0031】
図4Cは、実施形態に係るプラズマチャンバ100のチャンバ本体302の定性的底面図を示す。図4Cに開示される実施形態では、第1のチャンバ側ポート142A及び第2のチャンバ側ポート142Bは、後壁134と前壁128との間に非対称に配置される。より具体的には、チャンバ側ポート142A、142Bは、前壁128よりも後壁134に近い。チャンバ側ポート142A、142Bの位置は、チャンバ本体302の後壁134から選択された距離の処理領域116、118内に基板を装填するために使用される装置に対応する。他の実施形態では、チャンバ側ポート142A、142Bは、後壁134と前壁128との間に対称的に配置されてもよい。x軸210は、第1のチャンバ側ポート142Aの中心206A及び第2のチャンバ側ポート142Bの中心206Bを通って延びる。x軸210は、前壁128及び後壁134と平行であってもよい。
【0032】
一実施形態では、真空ポート192は、第1のチャンバ側ポート142Aの第1のy軸208Aと第2のチャンバ側ポート142Bの第2のy軸208Bとの間に配置される。真空ポート192は、x軸210の真下に配置され、これによって真空ポート192は、チャンバ本体102の前壁128に向かって配置される。真空ポート192がx軸210の下にある距離は、Y-pによって表され、真空ポート192の周囲220は、x軸210の下にある。真空ポート192をx軸210の真下に移動させることにより、チャンバ側ポート142A、142Bと真空ポート192との間の垂直軸224に沿った垂直分離が増大し、図4CにはY-pとして示されている。この垂直分離Y-pは、チャンバ側ポート142A、142Bと真空ポート192との間の適切な間隔を維持して底壁126の構造的一体性を維持しながら、互いに又は真空ポート192と重ならずにチャンバ側ポート142A、142Bの表面積を増加させることができる。
【0033】
図4Cに示すように、垂直軸224、第1の周囲軸226A、及び第2の周囲軸226Bは、前壁128から後壁134まで延び、平行である。垂直軸224は、真空ポート192の中心216を通って延びる。垂直軸224と第1の周囲軸226Aとの間の距離は、X-P1で示され、いくつかの実施形態では、真空ポート192の半径とすることができる。垂直軸224と第2の周囲軸226Bとの間の距離は、X-P2で示され、いくつかの実施形態では、真空ポート192の半径とすることができる。図4Cに示すように、第1のチャンバ側ポート142Aの周囲230Aは、第1の周囲軸226A上に延在し、第2のチャンバ側ポート142Bの周囲230Bは、第2の周囲軸226B上に延在する。第1のチャンバ側ポート142A及び第2のチャンバ側ポート142Bは、図4CにX-Cで示すチャンバポート分離距離によって分離されている。チャンバポート分離距離は、周囲230Aと周囲230Bとの間の距離である。真空ポート周囲距離は、第1の周囲軸226Aと第2の周囲軸226Bとの間の距離である。真空ポート周囲距離を図4Cに示され、X-P1+X-P2であり、いくつかの実施形態では、真空ポート192の直径とすることができる。チャンバポート分離距離は、真空ポート周囲距離よりも小さい。チャンバポートの分離距離を真空ポート周囲距離よりも小さくすることによって、チャンバ側ポート142A、142Bの表面積を増大させることができる。チャンバ側ポート142A、142Bのサイズの増大は、より大きなステム140A、140Bがチャンバ側ポート142A、142Bを通って延びることを可能にする。
【0034】
チャンバ側ポート142A、142Bを前壁128よりも後壁134に近くに移動させ、真空ポート192をx軸210の真下にシフトさせることによって、チャンバ側ポート142A、142Bと真空ポンプ196との間の垂直軸224に沿った垂直分離は増加し、図4CではY-pとして示されている。この垂直分離Y-pは、チャンバ側ポート142A、142Bと真空ポート192との間の適切な間隔を維持して、底壁134の構造的一体性を維持しながら、互いに又は真空ポート192と重ならずにチャンバ側ポート142A、142Bの表面積を増加させることを可能にする。底壁134の構造的強度は、動作中の真空圧力を含む底壁への応力に耐えるために必要である。
【0035】
図2に示し、前述したように、多数のユーティリティライン160及び支持システム156が、ステム140A、140Bを通ってチャンバ本体302のチャンバ内部領域110、112内に延びて、基板を処理するための所望の処理環境を実現する。追加のユーティリティライン160と、ステム140A、140B及びチャンバ側ポート142A、142Bを通って延びるのに必要な装置とを取り扱うことができるチャンバ本体302を有することは、より良好なプロセス制御及び改善された処理結果のために有益である。これは、チャンバ側ポート142A、142Bのサイズ及び直径を増加させて、より大きな直径及びサイズを有するステム140A、140Bを収容することによって達成される。
【0036】
また、記載された実施形態では、真空ポンプ196へのアクセス及び真空ポート192のサイズを増大させてもよい。これは、真空ポート192のサイズ及び真空ポート直径を大きくすることは、より少ない電力消費とより安価な真空ポンプ196により良好な真空発生を可能にするので有益である。記載された実施形態はまた、チャンバ側ポート142A、142Bからの真空ポート192の追加の間隔のため、より大きい真空ポンプ196の使用を可能にする。より大きな真空ポンプ196により、より高い真空を処理領域116、118内で維持することが可能となり、これにより実行可能なプロセスの数及びタイプが有利に増加する。
【0037】
上記は本開示の実施形態を対象としているが、本開示の他の及び更なる実施形態は本開示の基本的範囲を逸脱することなく創作することができ、その範囲は以下の特許請求の範囲に基づいて定められる。
図1
図2
図3A
図3B
図3C
図4A
図4B
図4C