(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-29
(45)【発行日】2022-08-08
(54)【発明の名称】2-フェニルフェノキシ置換ペリレンビスイミド化合物およびそれらの使用
(51)【国際特許分類】
C09B 5/62 20060101AFI20220801BHJP
H01L 33/50 20100101ALI20220801BHJP
G02B 5/20 20060101ALI20220801BHJP
C09K 11/06 20060101ALI20220801BHJP
C09D 11/037 20140101ALI20220801BHJP
F21V 9/32 20180101ALI20220801BHJP
F21V 9/38 20180101ALI20220801BHJP
【FI】
C09B5/62 CSP
H01L33/50
G02B5/20
C09K11/06 645
C09D11/037
F21V9/32
F21V9/38
(21)【出願番号】P 2019518519
(86)(22)【出願日】2017-10-05
(86)【国際出願番号】 EP2017075274
(87)【国際公開番号】W WO2018065502
(87)【国際公開日】2018-04-12
【審査請求日】2020-09-25
(32)【優先日】2016-10-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】508020155
【氏名又は名称】ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア
【氏名又は名称原語表記】BASF SE
【住所又は居所原語表記】Carl-Bosch-Strasse 38, 67056 Ludwigshafen am Rhein, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100135633
【氏名又は名称】二宮 浩康
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】マルティン ケーネマン
(72)【発明者】
【氏名】ゲアハート ヴァーゲンブラスト
(72)【発明者】
【氏名】ソリン イヴァノヴィチ
(72)【発明者】
【氏名】マーティナ ミトグーデ
【審査官】桜田 政美
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2016/151068(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0002591(US,A1)
【文献】特表2014-519191(JP,A)
【文献】特表2016-513338(JP,A)
【文献】特表2017-523124(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C09B 5/62
H01L 33/50
G02B 5/20
C09K 11/06
C09D 11/037
F21V 9/32
F21V 9/38
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)
【化1】
[式中、
R
1およびR
2は、互いに独立して、水素、各場合において置換されていないかもしくは置換されたC
1~C
30-アルキル、ポリアルキレンオキシ、C
1~C
30-アルコキシ、C
1~C
30-アルキルチオ、C
3~C
20-シクロアルキル、C
3~C
20-シクロアルキルオキシ、C
6~C
24-アリールおよびC
6~C
24-アリールオキシからなる群から選択され;
R
3、R
10、R
11およびR
18は、互いに独立して、フェニル、および1、2、3、4または5個の基Lで置換されているフェニルから選択され、ここで、Lは、ハロゲン、シアノ、ヒドロキシル、メルカプト、-NR
Ar1COR
Ar2、置換されていないかもしくは置換されたC
1~C
30-アルキル、ポリアルキレンオキシ、C
1~C
30-アルコキシ、C
1~C
30-アルキルチオ、C
3~C
20-シクロアルキル、C
3~C
20-シクロアルコキシ、C
6~C
24-アリール、C
6~C
24-アリールオキシおよびC
6~C
24-アリールチオから選択され;
R
4、R
5、R
6、R
7、R
8、R
9、R
12、R
13、R
14、R
15、R
16、およびR
17は、互いに独立して、水素、ハロゲン、シアノ、ヒドロキシル、メルカプト、-NR
Ar1COR
Ar2、-CONR
Ar1R
Ar2、-SO
2NR
Ar1R
Ar2、-COOR
Ar1、-SO
3R
Ar2、各場合において置換されていないかもしくは置換されたC
1~C
30-アルキル、ポリアルキレンオキシ、C
1~C
30-アルコキシ、C
1~C
30-アルキルチオ、C
3~C
20-シクロアルキル、C
3~C
20-シクロアルコキシ、C
6~C
24-アリール、C
6~C
24-アリールオキシおよびC
6~C
24-アリールチオからなる群から選択され;
ここで、R
4とR
5、R
5とR
6、R
7とR
8、R
8とR
9、R
12とR
13、R
13とR
14、
R
15とR
16、および/またはR
16とR
17は、それらが結合している炭素原子と一緒になって縮合された芳香族または非芳香族の炭素環系を形成してもよく、ここで、縮合環系は置換されていないかもしくは置換されており、
ここで、R
Ar1およびR
Ar2は、互いに独立して、水素、置換されていないかもしくは置換されたC
1~C
18-アルキル、置換されていないかもしくは置換されたC
3~C
20-シクロアルキル、置換されていないかもしくは置換されたヘテロシクリル、置換されていないかもしくは置換されたC
6~C
20-アリールまたは置換されていないかもしくは置換されたヘテロアリールである]のペリレンビスイミド化合物。
【請求項2】
式(I)におけるR
1およびR
2が、互いに独立して、
置換されていないかもしくはC
6~C
10-アリールで置換されているC
1~C
10-アルキルであって、C
6~C
10-アリールもまた置換されていないかもしくは1、2または3個のC
1~C
10-アルキルで置換されている、C
1~C
10-アルキル、
置換されていないかもしくは1、2または3個のC
1~C
10-アルキルで置換されているC
3~C
8-シクロアルキル、および
置換されていないかもしくは1、2または3個のC
1~C
10-アルキルで置換されているC
6~C
10-アリール
から選択される、請求項1記載の化合物。
【請求項3】
R
3、R
10、R
11およびR
18が、互いに独立して、フェニル、ならびにC
1~C
6-アルキル、C
1~C
6-アルコキシ-C
1~C
6-アルキルおよびC
1~C
6-アルコキシから選択される1または2個の基で置換されているフェニルから選択される、請求項1または2記載の化合物。
【請求項4】
R
4、R
5、R
6、R
7、R
8、R
9、R
12、R
13、R
14、R
15、R
16、およびR
17が、互いに独立して、水素、ハロゲン、C
1~C
18-アルキル、C
6~C
10-アリール、C
6~C
10-アリール-C
1~C
10-アルキレン、C
6~C
10-アリールオキシおよびC
6~C
10-アリールチオから選択され、ここで、C
6~C
10-アリール、C
6~C
10-アリール-C
1~C
10-アルキレン、C
6~C
10-アリールオキシおよびC
6~C
10-アリールチオのアリール部分は、置換されていないかもしくは1個以上のC
1~C
10-アルキルで置換されている、請求項1から3までのいずれか1項記載の化合物。
【請求項5】
R
4、R
5、R
6、R
7、R
8、R
9、R
12、R
13、R
14、R
15、R
16、およびR
17が、互いに独立して、水素、C
1~C
6-アルキルおよびC
6~C
10-アリールから選択される、請求項4記載の化合物。
【請求項6】
請求項1から5までのいずれか1項記載の蛍光色素として式(I)の少なくとも1種の化合物と、マトリックスとして少なくとも1種のポリマーとを含み、ここで、ポリマーは、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、ポリビニルピロリドン、ポリメタクリレート、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニル、ポリブテン、シリコーン、ポリアクリレート、エポキシ樹脂、ポリビニルアルコール、ポリ(エチレンビニルアルコール)-コポリマー、ポリアクリロニトリル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ(スチレン-アクリロニトリル)、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリビニルブチレート、ポリ塩化ビニル、ポリアミド、ポリオキシメチレン、ポリイミド、ポリエーテルイミドおよびそれらの混合物からなる群から選択され
る、色変換体。
【請求項7】
前記色変換体が、散乱体として少なくとも1種の無機白色顔料をさらに含む、請求項6記載の色変換体。
【請求項8】
(i)式II
【化2】
[式中、
R
21、R
22、R
23、R
24、R
25、R
26、R
27、R
28、R
29およびR
210は、それぞれ独立して、水素、シアノ、または置換されていないかもしくは1個以上の同一もしくは異なる置換基R
2Arを有するアリールであり、
ここで、
各R
2Arは、独立して、シアノ、ヒドロキシル、メルカプト、ハロゲン、C
1~C
20-アルコキシ、C
1~C
20-アルキルチオ、ニトロ、-NR
2Ar2R
2Ar3、-NR
2Ar2COR
2Ar3、-CONR
2Ar2R
2Ar3、-SO
2NR
2Ar2R
2Ar3、-COOR
2Ar2、-SO
3R
2Ar2、
C
1~C
30-アルキル、C
2~C
30-アルケニル、C
2~C
30-アルキニル(ここで、後者の3個の基は、置換されていないかもしくは1個以上のR
2a基を有する)、
C
3~C
8-シクロアルキル、3~8員のヘテロシクリル(ここで、後者の2個の基は、置換されていないかもしくは1個以上のR
2b基を有する)、
アリール、U-アリール、ヘテロアリールおよびU-ヘテロアリール(ここで、後者の4個の基は、置換されていないかもしくは1個以上のR
2b基を有する)から選択され、
ここで、
各R
2aは、独立して、シアノ、ヒドロキシル、オキソ、メルカプト、ハロゲン、C
1~C
20-アルコキシ、C
1~C
20-アルキルチオ、ニトロ、-NR
2Ar2R
2Ar3、-NR
2Ar2COR
2Ar3、-CONR
2Ar2R
2Ar3、-SO
2NR
2Ar2R
2Ar3、-COOR
2Ar2、-SO
3R
2Ar2、C
3~C
8-シクロアルキル、3~8員のヘテロシクリル、アリールおよびヘテロアリールから選択され、ここで、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリールおよびヘテロアリール基は、置換されていないかもしくは1個以上のR
2b基を有し;
各R
2bは、独立して、シアノ、ヒドロキシル、オキソ、メルカプト、ハロゲン、C
1~C
20-アルコキシ、C
1~C
20-アルキルチオ、ニトロ、-NR
2Ar2R
2Ar3、-NR
2Ar2COR
2Ar3、-CONR
2Ar2R
2Ar3、-SO
2NR
2Ar2R
2Ar3、-COOR
2Ar2、-SO
3R
2Ar2、C
1~C
18-アルキル、C
2~C
18-アルケニル、C
2~C
18-アルキニル、C
3~C
8-シクロアルキル、3~8員のヘテロシクリル、アリールおよびヘテロアリールから選択され、ここで、後者の4つの基は、置換されていないかもしくは1個以上のR
2b1基を有し;
各R
2b1は、独立して、シアノ、ヒドロキシル、メルカプト、オキソ、ニトロ、ハロゲン、-NR
2Ar2R
2Ar3、-NR
2Ar2COR
2Ar3、-CONR
2Ar2R
2Ar3、-SO
2NR
2Ar2R
2Ar3、-COOR
2Ar2、-SO
3R
2Ar2、-SO
3R
2Ar2、C
1~C
18-アルキル、C
2~C
18-アルケニル、C
2~C
18-アルキニル、C
1~C
12-アルコキシ、およびC
1~C
12-アルキルチオから選択され;
Uは、-O-、-S-、-NR
2Ar1-、-CO-、-SO-または-SO
2-部分であり;
R
2Ar1、R
2Ar2、R
2Ar3は、それぞれ独立して、水素、C
1~C
18-アルキル、3~8員のシクロアルキル、3~8員のヘテロシクリル、アリールまたはヘテロアリールであり、ここで、アルキルは、置換されていないかもしくは1個以上のR
2a基を有し、ここで、3~8員のシクロアルキル、3~8員のヘテロシクリル、アリール
およびヘテロアリールは、置換されていないかもしくは1個以上のR
2b基を有する]のシアノ化ナフトイルベンズイミダゾール化合物およびそれらの混合物、ただし、式IIの化合物は、少なくとも1個のシアノ基を含む;
(ii)式(III)
【化3】
[式中、
Z
3置換基のうちの一方はシアノであり、他方のZ
3置換基は、CO
2R
39、CONR
310R
311、C
1~C
18-アルキル、C
2~C
18-アルケニル、C
2~C
18-アルキニル、C
3~C
12-シクロアルキルまたはC
6~C
14-アリールであり、ここで、
C
1~C
18-アルキル、C
2~C
18-アルケニル、C
2~C
18-アルキニルは、置換されていないかもしくは1個以上の同一もしくは異なるZ
3a置換基を有し、
C
3~C
12-シクロアルキルは、置換されていないかもしくは1個以上の同一もしくは異なるZ
3b置換基を有し、
C
6~C
14-アリールは、置換されていないかもしくは1個以上の同一もしくは異なるZ
3Ar置換基を有し;
Z
3*置換基のうちの一方はシアノであり、他方のZ
3*置換基は、CO
2R
39、CONR
310R
311、C
1~C
18-アルキル、C
2~C
18-アルケニル、C
2~C
18-アルキニル、C
3~C
12-シクロアルキルまたはC
6~C
14-アリールであり、ここで、
C
1~C
18-アルキル、C
2~C
18-アルケニル、C
2~C
18-アルキニルは、置換されていないかもしくは1個以上の同一もしくは異なるZ
3a置換基を有し、
C
3~C
12-シクロアルキルは、置換されていないかもしくは1個以上の同一もしくは異なるZ
3b置換基を有し、
C
6~C
14-アリールは、置換されていないかもしくは1個以上の同一もしくは異なるZ
3Ar置換基を有し;
R
31、R
32、R
33、R
34、R
35、R
36、R
37およびR
38は、それぞれ独立して、水素、シアノ、臭素および塩素から選択され、
ただし、R
31、R
32、R
33、R
34、R
35、R
36、R
37またはR
38置換基の1、2、3、4、5、6、7または8個はシアノであり;
ここで
R
39は、水素、C
1~C
10-アルキル、C
2~C
10-アルケニル、C
2~C
10-アルキニル、C
3~C
12-シクロアルキルまたはC
6~C
14-アリールであり、ここで、
C
1~C
10-アルキル、C
2~C
10-アルケニル、C
2~C
10-アルキニルは、置換されていないかもしくは1個以上の同一もしくは異なるR
3a置換基を有し、
C
3~C
12-シクロアルキルは、置換されていないかもしくは1個以上の同一もしくは異なるR
3b置換基を有し、
C
6~C
14-アリールは、置換されていないかもしくは1個以上の同一もしくは異なるR
3Ar置換基を有し;
R
310およびR
311は、それぞれ独立して、水素、C
1~C
10-アルキル、C
2~C
10-アルケニル、C
2~C
10-アルキニル、C
3~C
12-シクロアルキルまたはC
6~C
14-アリールであり、ここで、
C
1~C
10-アルキル、C
2~C
10-アルケニル、C
2~C
10-アルキニルは、置換されていないかもしくは1個以上の同一もしくは異なるR
3a置換基を有し、
C
3~C
12-シクロアルキルは、置換されていないかもしくは1個以上の同一もしくは異なるR
3b置換基を有し、
C
6~C
14-アリールは、置換されていないかもしくは1個以上の同一もしくは異なるR
3Ar置換基を有し;
各Z
3aは、独立して、ハロゲン、ヒドロキシル、NR
310aR
311a、C
1~C
10-アルコキシ、C
1~C
10-ハロアルコキシ、C
1~C
10-アルキルチオ、C
3~C
12-シクロアルキル、C
6~C
14-アリール、C(=O)R
39a;C(=O)OR
39aまたはC(O)NR
310aR
311aであり、ここで、
C
3~C
12-シクロアルキルは、置換されていないかもしくは1個以上の同一もしくは異なるR
3b置換基
を有し、
C
6~C
14-アリールは、置換されていないかもしくは1個以上の同一もしくは異なるR
3Ar置換基
を有し;
各Z
3bおよび各Z
3Arは、独立して、ハロゲン、ヒドロキシル、NR
310aR
311a、C
1~C
10-アルキル、C
1~C
10-アルコキシ、C
1~C
10-ハロアルコキシ、C
1~C
10-アルキルチオ、C(=O)R
39a;C(=O)OR
39aまたはC(O)NR
310aR
311aであり;
各R
3aは、独立して、ハロゲン、ヒドロキシル、C
1~C
10-アルコキシ、C
3~C
12-シクロアルキルまたはC
6~C
14-アリールであり;
各R
3bは、独立して、ハロゲン、ヒドロキシル、C
1~C
10-アルキル、C
1~C
10-アルコキシ、C
1~C
10-ハロアルコキシ、C
1~C
10-アルキルチオ、C
2~C
10-アルケニル、C
2~C
10-アルキニル、C
3~C
12-シクロアルキルまたはC
6~C
14-アリールであり;
各R
3Arは、独立して、ハロゲン、ヒドロキシル、C
1~C
10-アルキル、C
1~C
10-アルコキシ、C
1~C
10-ハロアルコキシ、C
1~C
10-アルキルチオ、C
2~C
10-アルケニル、C
2~C
10-アルキニル、C
3~C
12-シクロアルキルまたはC
6~C
14-アリールであり;
R
39aは、水素、C
1~C
10-アルキル、C
2~C
10-アルケニル、C
2~C
10-アルキニル、C
3~C
12-シクロアルキルまたはC
6~C
14-アリールであり;
R
310a、R
311aは、それぞれ独立して、水素、C
1~C
10-アルキル、C
2~C
10-アルケニル、C
2~C
10-アルキニル、C
3~C
12-シクロアルキルまたはC
6~C
14-アリールである]のシアノ化ペリレン化合物およびそれらの混合物;
(iii)式(IV)
【化4】
[式中、
m4は、0、1、2、3または4であり;
各R
41は、互いに独立して、臭素、塩素、シアノ、-NR
4aR
4b、C
1~C
24-アルキル、C
1~C
24-ハロアルキル、C
1~C
24-アルコキシ、C
1~C
24-ハロアルコキシ、C
3~C
24-シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロアリール、C
6~C
24-アリール、C
6~C
24-アリールオキシ、C
6~C
24-アリール-C
1~C
10-アルキレンから選択され、ここで、最後に挙げた6個の基におけるシクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロアリール、アリール、アリールオキシの環は、置換されていないかもしくは1、2、3、4または5個の同一もしくは異なる基R
41aで置換されており、C
1~C
24-アルキル、C
1~C
24-ハロアルキル、C
1~C
24-アルコキシ、およびC
6~C
24-アリール-C
1~C
10-アルキレンのアルキレン部分は、O、SおよびNR
4cから選択される1個以上の基によって中断されていてもよく;
基R
42、R
43、R
44およびR
45のうちの少なくとも1つはCNであり、残りの基は、互いに独立して、水素、塩素および臭素から選択され、
X
40は、O、S、SOまたはSO
2であり、
Aは、一般式(A.1)、(A.2)、(A.3)、および(A.4)
【化5】
[式中、
*は、各場合において、分子の残りの部分への結合点を表し、
n4は、0、1、2、3または4であり;
o4は、0、1、2または3であり;
p4は、0、1、2または3であり;
R
46は、水素、C
1~C
24-アルキル、C
1~C
24-ハロアルキル、C
3~C
24-シクロアルキル、C
6~C
24-アリールまたはC
6~C
24-アリール-C
1~C
10-アルキレンであり、ここで、最後に挙げた3個の基におけるシクロアルキル、アリール、およびアリール-アルキレンの環は、置換されていないかもしくは1、2、3、4または5個の同一もしくは異なる基R
46aで置換されており、C
1~C
24-アルキル、C
1~C
24-ハロアルキル、およびC
6~C
24-アリール-C
1~C
10-アルキレンのアルキレン部分は、O、SおよびNR
4cから選択される1個以上のヘテロ原子またはヘテロ芳香族基によって中断されていてもよく;
各R
47は、互いに独立して、臭素、塩素、シアノ、-NR
4aR
4b、C
1~C
24-アルキル、C
1~C
24-ハロアルキル、C
1~C
24-アルコキシ、C
1~C
24-ハロアルコキシ、C
3~C
24-シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロアリール、C
6~C
24-アリール、C
6~C
24-アリールオキシ、C
6~C
24-アリール-C
1~C
10-アルキレンから選択され、ここで、最後に挙げた6個の基におけるシクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロアリール、アリールおよびアリール-アルキレンの環は、置換されていないかもしくは1、2、3、4または5個の同一もしくは異なる基R
47aで置換されており、C
1~C
24-アルキル、C
1~C
24-ハロアルキル、C
1~C
24-アルコキシ、C
1~C
24-ハロアルコキシ、およびC
6~C
24-アリール-C
1~C
10-アルキレンのアルキレン部分は、O、SおよびNR
4cから選択される1個以上の基によって中断されていてもよく;
各R
48は、互いに独立して、臭素、塩素、シアノ、NR
4aR
4b、C
1~C
24-アルキル、C
1~C
24-ハロアルキル、C
1~C
24-アルコキシ、C
1~C
24-ハロアルコキシ、C
3~C
24-シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロアリール、C
6~C
24-アリール、C
6~C
24-アリールオキシ、C
6~C
24-アリール-C
1~C
10-アルキレンから選択され、ここで、最後に挙げた6個の基におけるシクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロアリール、アリールおよびアリール-アルキレンの環は、置換されていないかもしくは1、2、3、4または5個の同一もしくは異なる基R
48aで置換されており、C
1~C
24-アルキル、C
1~C
24-ハロアルキル、C
1~C
24-アルコキシ、C
1~C
24-ハロアルコキシ、およびC
6~C
24-アリール-C
1~C
10-アルキレンのアルキレン部分は、O、SおよびNR
4cから選択される1個以上の基によって中断されていてもよく;
各R
49は、互いに独立して、臭素、塩素、シアノ、NR
4aR
4b、C
1~C
24-アルキル、C
1~C
24-ハロアルキル、C
1~C
24-アルコキシ、C
1~C
24-ハロアルコキシ、C
3~C
24-シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロアリール、C
6~C
24-アリール、C
6~C
24-アリールオキシ、C
6~C
24-アリール-C
1~C
10-アルキレンから選択され、ここで、最後に挙げた6個の基におけるシクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロアリール、アリールおよびアリール-アルキレンの環は、置換されていないかもしくは1、2、3、4または5個の同一もしくは異なる基R
49aで置換されており、C
1~C
24-アルキル、C
1~C
24-ハロアルキル、C
1~C
24-アルコキシ、C
1~C
24-ハロアルコキシ、およびC
6~C
24-アリール-C
1~C
10-アルキレンのアルキレン部分は、O、SおよびNR
4cから選択される1個以上の基によって中断されていてもよく;
R
41a、R
46a、R
47a、R
48a、R
49aは、互いに独立して、C
1~C
24-アルキル、C
1~C
24-フルオロアルキル、C
1~C
24-アルコキシ、フッ素、塩素および臭素から選択され;
R
4a、R
4b、R
4cは、互いに独立して、水素、C
1~C
20-アルキル、C
3~C
24-シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロアリールおよびC
6~C
24-アリールから選択される]のジラジカルから選択されるジラジカルである]のシアノ化化合物およびそれらの混合物;
(iv)式(V)
【化6】
[式中、
R
51は、置換されていないかもしくはハロゲン、R
511、OR
552、NHR
552およびNR
552R
557から選択される1、2、3、4または5個の置換基を有するフェニルであり;
R
52、R
53、R
54、R
55、R
56、R
57、R
58およびR
59は、互いに独立して、水素、ハロゲン、R
553、OR
553、NHR
553およびNR
553R
554から選択され、ここで、
R
511は、C
2~C
18-アルキル、C
6~C
24-アリールおよびヘテロアリールから選択され;
R
552およびR
557は、互いに独立して、C
1~C
18-アルキル、C
6~C
24-アリールおよびヘテロアリールから選択され;
R
553およびR
554は、互いに独立して、C
1~C
18-アルキル、C
6~C
24-アリールおよびヘテロアリールから選択される]ベンゾキサンテン化合物およびそれらの混合物;
(v)式(VI)
【化7】
[式中、上掲のベンズイミダゾール構造の六員環の1個以上のCH基は、窒素で置き換えられていてもよく、記号は、それぞれ以下の通り定義される;。
n6は、式(VI)の各構造単位についての0~(10-p6)の数であり、ここで、p6は、上掲のベンズイミダゾール構造の六員環において窒素で置き換えられているCH単位の数であり、
X6は、化学結合、O、S、SO、SO
2、NR
61であり;
Rは、それぞれ置換基を有していてもよい脂肪族基、脂環式基、アリール、ヘテロアリール、それぞれ式(VI)の構造単位の他の芳香族環に縮合している芳香族もしくはヘテロ芳香族の環または環系であり
、
ここで、2個のR基は一緒になって1個の環式基を形成してもよく、
ここで、X6およびRは、n6>1の場合、同一もしくは異なっていてもよく;
R
61は、それぞれ独立して、水素、C
1~C
18-アルキルまたはシクロアルキルであって、その炭素鎖は1個以上の-O-、-S-、-CO-、-SO-および/または-SO
2-部分を含んでいてもよく、一置換もしくは多置換されていてもよいC
1~C
18-アルキルまたはシクロアルキル;
一置換もしくは多置換されていてもよいアリールまたはヘテロアリールである]の少なくとも1つの構造単位を含む蛍光化合物およびそれらの混合物;
(vi)式(VII)、(VIII)、(IX)または(X)
【化8】
[式中、
p7は2であり、
R
71、R
72は、それぞれ独立して、C
1~C
30-アルキル、C
3~C
8-シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アリール-C
1~C
10-アルキレンであり、ここで、後者の3個の基における芳香族環は、置換されていないかもしくはC
1~C
10-アルキルで一置換もしくは多置換されており;
R
73は、置換されていないかもしくはC
1~C
10-アルキルもしくはC
6~C
10-アリールで一置換もしくは多置換されているアリールオキシであり、ここで、R
73基は、
*で示される位置にあり;
p8は2であり;
R
81、R
82は、それぞれ独立して、C
1~C
30-アルキル、C
3~C
8-シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アリール-C
1~C
10-アルキレンであり、ここで後者の3個の基における芳香族環は、置換されていないかもしくはC
1~C
10-アルキルで一置換もしくは多置換されており;
R
83は、置換されていないかもしくはC
1~C
10-アルキルもしくはC
6~C
10-アリールで一置換もしくは多置換されているアリールオキシであり、ここでR
83基は、
*で示される位置にあり;
R
92は、C
1~C
30-アルキル、C
3~C
8-シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アリール-C
1~C
10-アルキレンであり、ここで、後者の3個の基における芳香族環は、置換されていないかもしくはC
1~C
10-アルキルで一置換もしくは多置換されており;
R
101、R
102は、それぞれ独立して、C
1~C
30-アルキル、C
3~C
8-シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アリール-C
1~C
10-アルキレンであり、ここで、後者の3個の基における芳香族環は、置換されていないかもしくはC
1~C
10-アルキルで一置換もしくは多置換されている]のペリレン化合物;
(vii)式(XI)
【化9】
[式中、
R
111およびR
112は、互いに独立して、水素、各場合において置換されていないかもしくは置換されたC
1~C
30-アルキル、ポリアルキレンオキシ、C
1~C
30-アルコキシ、C
1~C
30-アルキルチオ、C
3~C
20-シクロアルキル、C
3~C
20-シクロアルキルオキシ、C
6~C
24-アリールおよびC
6~C
24-アリールオキシから選択され;
R
114、R
115、R
116、R
117、R
118、R
119、
R
1112、R
1113、R
1114、R
1115、R
1116、
およびR
1117
は、互いに独立して、水素、ハロゲン、シアノ、ヒドロキシル、メルカプト、ニトロ、-NE
111E
112、-NR
Ar111COR
Ar112、-CONR
Ar111R
Ar112、-SO
2NR
Ar111R
Ar112、-COOR
Ar111、-SO
3R
Ar112、各場合において置換されていないかもしくは置換されたC
1~C
30-アルキル、ポリアルキレンオキシ、C
1~C
30-アルコキシ、C
1~C
30-アルキルチオ、C
3~C
20-シクロアルキル、C
3~C
20-シクロアルコキシ、C
6~C
24-アリール、C
6~C
24-アリールオキシおよびC
6~C
24-アリールチオから選択され;
R
113
、R
1110
、R
1111
、およびR
1118
は、互いに独立して、水素、ハロゲン、シアノ、ヒドロキシル、メルカプト、ニトロ、-NE
111
E
112
、-NR
Ar111
COR
Ar112
、-CONR
Ar111
R
Ar112
、-SO
2
NR
Ar111
R
Ar112
、-COOR
Ar111
、-SO
3
R
Ar112
、各場合において置換されていないかもしくは置換されたC
1
~C
30
-アルキル、ポリアルキレンオキシ、C
1
~C
30
-アルコキシ、C
1
~C
30
-アルキルチオ、C
3
~C
20
-シクロアルキルおよびC
3
~C
20
-シクロアルコキシから選択され;
ここで、R
113とR
114、R
114とR
115、R
115とR
116、R
116とR
117、R
117とR
118、R
118とR
119、R
119とR
1110、R
1111とR
1112、R
1112とR
1113、R
1113とR
1114、R
1114とR
1115、R
1115とR
1116、R
1116とR
1117および/またはR
1117とR
1118は、それらが結合しているビフェニリル部分の炭素原子と一緒になって更なる縮合された芳香族または非芳香族の環系を形成してもよく、ここで、縮合環系は置換されていないかもしくは置換されており;
ここで、
E
111およびE
112は、互いに独立して、水素、置換されていないかもしくは置換されたC
1~C
18-アルキル、置換されていないかもしくは置換されたC
2~C
18-アルケニル、置換されていないかもしくは置換されたC
2~C
18-アルキニル、置換されていないかもしくは置換されたC
3~C
20-シクロアルキルまたは置換されていないかもしくは置換されたC
6~C
10-アリールであり;
R
Ar111およびR
Ar112は、互いに独立して、水素、置換されていないかもしくは置換されたC
1~C
18-アルキル、置換されていないかもしくは置換されたC
3~C
20-シクロアルキル、置換されていないかもしくは置換されたヘテロシクリル、置換されていないかもしくは置換されたC
6~C
20-アリールまたは置換されていないかもしくは置換されたヘテロアリールである]のペリレンビスイミド化合物およびそれらの混合物
、
および前記(i)~(vii)の化合物の混合物から選択される少なくとも1種の更なる有機蛍光色素を含む、請求項
6または
7記載の色変換体。
【請求項9】
前記少なくとも1種の更なる有機蛍光色素が、式(VI)の少なくとも1つの構造単位を含む蛍光化合物である、請求項8記載の色変換体。
【請求項10】
420nm~480nmの発光の中心波長を有する青色LEDによって生成された光を変換して第二のより長い波長の光にするための、請求項6から9までのいずれか1項記載の色変換体の使用。
【請求項11】
6,000K~20,000Kの相関色温度を有する冷白色LEDによって生成された光を変換してより低い相関色温度を有する白色光を提供するための、請求項6から9までのいずれか1項記載の色変換体の使用。
【請求項12】
以下:
(i)420nm~480nmの発光の中心波長を有する青色LEDおよび6,000K~20,000Kの相関色温度を有する冷白色LEDから選択される少なくとも1つの発光ダイオード(LED)と、
(ii)請求項6から9までのいずれか1項記載の少なくとも1つの色変換体と
を含み、ここで、少なくとも1つの色変換体が少なくとも1つのLEDからリモート配置にある、照明装置。
【請求項13】
光源
から放出された光を変換して第二のより長い波長の光にするための、コーティング、印刷インキおよびプラスチックを着色するための、電磁放射を吸収および/または放出する水性ポリマー分散液を製造するための、データ保存用、光学ラベル用、文書における偽造防止ラベル用の、ならびに商標保護用または生体分子用の蛍光標識としての、色変換体における請求項1から5までのいずれか1項記載の式(I)のペリレンビスイミド化合物またはそれらの混合物の使用。
【請求項14】
偽造防止印刷用の偽造防止インキにおける、請求項1から5までのいずれか1項記載の式(I)のペリレンビスイミド化合物またはそれらの混合物の使用。
【請求項15】
請求項1から5までのいずれか1項記載の式(I)の少なくとも1種の化合物またはそれらの混合物を含む、偽造防止印刷用の印刷インキ配合物。
【請求項16】
以下:
a)請求項1から5までのいずれか1項記載の式(I)の少なくとも1種の化合物またはそれらの混合物;
b)ポリマーバインダー;
c)任意に有機溶剤;
d)任意に少なくとも1種の着色剤;および
e)任意に少なくとも1種の更なる添加剤
を含む、偽造防止印刷用の、請求項15記載の印刷インキ配合物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、共役ペリレンコアの各湾位(1,6,7,12位)に2-フェニル-フェノキシ置換基を有する新規ペリレンビスイミド化合物に関する。本発明は特に、色変換体における前記化合物の使用、前記色変換体およびそれらの使用、ならびに少なくとも1つのLEDと少なくとも1つの前記色変換体とを含む照明装置に関する。本発明はまた、前記フェノキシ置換ペリレンビスイミド化合物の少なくとも1種を含む偽造防止印刷用の印刷インキ配合物に関する。
【0002】
発明の背景
LED(発光ダイオード)は、電気エネルギーを光に変換する重要な種類の装置であり、白熱灯および蛍光灯などの従来の光源の代わりにますます用いられている。LEDは、白熱灯よりも実質的に高い変換効率、より長い寿命およびより小さいサイズを有し、従来の光源よりも少ない電力を使用するので、それらはより効率的に光を提供する。LEDは、一般的な照明システム、信号機、自動車用照明、またはバックライトなど、多岐にわたる照明用途で使用される。
【0003】
LEDの発光は、半導体中で順方向に分極されたpn接合の接合領域における電子-正孔対(励起子)の再結合に基づく。LEDは、狭いスペクトル波長範囲の光を生成し、ここで、中心発光ピーク波長は、活性層を形成する半導体材料によって決まる。例えば、青色から緑色のLEDは、AlN(窒化アルミニウム)、GaN(窒化ガリウム)、InN(窒化インジウム)またはInGaN(窒化インジウムガリウム)などの窒化物半導体を使用して製造することができる。赤色LEDは、GaP(リン化ガリウム)、AlGaAs(アルミニウムガリウムヒ素)またはGaAsP(リン化ガリウムヒ素)などの半導体を使用して製造することができる。
【0004】
白色光照明は、一般的な照明目的のためのみならず液晶ディスプレイバックライトなどの他の広範囲の用途においてしばしば必要とされる。現在、白色光を直に発することができるLEDは存在しない。周知のように、赤色、緑色および青色のLEDは、白色光を生成するように構成することができる。異なるLEDに対する異なる輝度および動作条件のために、マルチLEDは技術的に複雑であり、したがって高価である。さらに、マルチLEDの部品の小型化は非常に限られている。
【0005】
LEDベースの白色光源に対する更なるアプローチは、青色LEDの発光面上に黄色味を帯びた蛍光体などの波長変換材料を堆積させることである。LEDにおいて生成された青色光子は、黄色蛍光体層をそのまま通過するか、または黄色蛍光体層において黄色光子に変換されるかのいずれかである。吸収されていない青色光は黄色光と混合されて白色光を模倣する。
【0006】
LEDに基づく1つの種類の白色光源は青色LEDから構築されており、ここで、無機蛍光体材料がLEDチップへの介在スペースなしに直接適用される。この種類のLEDは、「蛍光体オンチップ」LEDまたは蛍光体変換型LEDとも呼ばれる。欠点は、蛍光体材料が比較的高い熱応力および放射応力を受けることである。この目的のために最も一般に使用されている蛍光体は、セリウムドープイットリウムアルミニウムガーネット(Ce:YAGとも呼ばれる)である。しかしながら、Ce:YAGを使用する蛍光体変換型LEDは、生成された白色光のスペクトル中の赤色成分が弱すぎるため、6000Kを超える相関色温度(CCT)および70前後の不十分な演色性(CRI)を有する冷白色光を発する。したがって、この種類の白色光源は一般的な照明用途の要件を満たしていない。温白色光を得るためには、例えば可視スペクトルの赤色部分において発光する他の蛍光体を加えることによって発光スペクトルを赤色にシフトさせなければならない。無機赤色蛍光体は希土類蛍光体をベースとしており、それは高価であり、さらに環境に優しくない。量子ドットと無機蛍光体とのブレンドも、放出された白色光の波長を調整するために使用することができる。
【0007】
蛍光体層用に選択された材料および厚さは、放出された白色光のCCTに影響を及ぼす。青色光と黄色光の比率および/または蛍光体層の厚さ/均一性のわずかな変動でさえも、CCTに多大な変動を引き起こす。
【0008】
LEDに基づく更なる種類の白色光源は、色変換体(単に「変換体」とも呼ばれる)と組み合わせた青色LEDから構築されており、ここで、色変換体は青色LEDチップから一定の距離にある。そのような構造は、「リモートホスファー」または「リモート・ホスファー」LEDと呼ばれる。色変換体は、一般的に少なくとも1種のポリマーと少なくとも1種の有機蛍光色素とを含む。有機蛍光色素は、一般的に比較的高い温度および輻射線に対して敏感であるが、一次光源、すなわち青色LEDと色変換体との間の空間距離は、熱および輻射線から生じる応力を、適切な有機蛍光色素が安定性に関する要件を達成し得る程度まで減少させる。有機蛍光色素は、しばしば強くて調整可能な発光特性を有する。このアプローチによれば、黄色有機蛍光色素と赤色有機蛍光色素との混合物がしばしば発光スペクトルを広げるために使用され、それは温白色光を生じる。リモートホスファーLEDに基づく白色光源は、ほぼ全可視スペクトルおよび近赤外線スペクトルの一部をカバーし、そのためリモートホスファーLEDは一般的な照明に適している。しかしながら、リモート・ホスファーLEDの1つの欠点は、赤色蛍光体発光の大部分が700nmを超えて発生するため(これは人間の目の感度を超えている)、それらが蛍光体変換型LEDよりも効率が低いことである。
【0009】
LEDに基づく別の種類の白色光源は、少なくとも1種の有機蛍光色素を含む色変換体と組み合わせた青色LEDによって励起される蛍光体変換型LEDから構築されており、ここで、蛍光体変換型LEDと色変換体は空間距離にある(リモートホスファー配置)。この種類はハイブリッドLEDとも呼ばれる。
【0010】
青色LEDによって励起される蛍光体変換型LEDは、LCD(液晶ディスプレイ)用のバックライトとして適した冷白色光を提供する。現在のプロセスは、製造プロセスの変動により、蛍光体変換型LEDに一貫したCCTを提供しない。バックライト用途では、CCTの変動が重大な問題となる可能性があり、バックライト製造業者はバックライトに必要なスペクトルにぴったり一致するLEDのみを使用する。これらの要件を満たさないLEDは「欠陥品」と見なされる。現在、大量の「欠陥のある」LEDが市場で入手可能となっている。他の用途、特に一般的な照明用途にそれらを使用することが望ましいであろう。したがって、バックライトとして適していないLEDの性能特性を改善すること、特に一般的な照明用の光源の選択にとっても重要な要素であるCCTおよび/またはCRIを改善することが継続して必要である。
【0011】
G.SeyboldおよびG.Wagenblastは、Dyes and Pigments,1989,303-317にペリレンイミド型の色素を記載している。N,N’-ビス(2,6-ジイソプロピルフェニル)-1,6,7,12-テトラフェノキシペリレン-3,4:9,10-テトラカルボキシジイミドが優れた耐候堅牢性および高い蛍光量子収率を有することが述べられている。
【0012】
国際公開第2007/006717号(WO2007/006717)は、置換リレン誘導体、ならびに高分子量の有機および無機材料を着色するための、電磁放射を吸収および/または放出する水性ポリマー分散液を製造するための、赤外光を吸収し、人間の目には見えないマーキングおよび刻印を得るための、熱管理用の赤外線吸収剤としての、プラスチック部品の融着におけるIRレーザービーム吸収材料としての、レーザーマーキングおよびレーザー刻印用の、有機エレクトロニクスにおける半導体としての、ディスプレイ用途におけるフィルターおよびエミッターとしての、化学発光用途におけるエミッターとしての、検出方法における標識基としての、および光電装置における活性成分としてのそれらの使用を開示している。ペリレンコアの各湾位に2-フェニルフェノキシを有するペリレンジイミドは開示されていない。
【0013】
欧州特許第3072887号明細書(EP3072887)には、N,N’-ビス(2,6-ジイソプロピルフェニル)-1,7-ジ(2,6-ジフェニル-フェノキシ)ペリレン-3,4;9,10-テトラカルボキシイミド、N,N’-ビス(2,6-ジイソプロピルフェニル)-1,6-ジ(2,6-ジフェニルフェノキシ)ペリレン-3,4;9,10-テトラカルボキシイミドおよび白色発光ダイオードの発光効率を改善するための色変換体における前記化合物の使用が記載されている。
【0014】
未公開の欧州特許第16151228.0号明細書(EP16151228.0)(公開後の国際公開第2017/121833号(WO2017/121833))には、LEDの発光効率を改善するための色変換体における蛍光色素として有用な剛性2,2’-ビフェノキシ架橋を有するペリレンビスイミド化合物が記載されている。この化合物は偽造防止印刷用の吸収剤としても適している。
【0015】
国際公開第2012/042438号(WO2012/042438)には、ポリマー主鎖に組み込まれた芳香族部分を有するポリエステルを含むポリマー材料中にペリレンテトラカルボン酸ジイミドを含む色変換体が記載されている。ペリレンテトラカルボン酸ジイミドはペリレンコアの湾位に最大4個の置換基を有し、これらの置換基は、フッ素、メトキシ、非置換C1~C16-アルキル、およびフッ素、メトキシまたはC1~C16-アルキルで任意に置換されているフェノキシから選択される。
【0016】
国際公開第2012/152812号(WO2012/152812)には、各湾位に、置換されていないかもしくは1、2または3個の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基で置換されているフェノキシ基を有するペリレンテトラカルボン酸ジイミドを含んでよい色変換体が記載されている。
【0017】
国際公開第2015/169935号(WO2015/169935)には、シアノ化ペリレン化合物、および特に青色LED用の色変換体における蛍光色素としてのそれらの使用が記載されている。
【0018】
国際公開第2014/122549号(WO2014/122549)には、有機赤色発光体としてペリレンテトラカルボン酸ジイミドおよびそれを用いた発光装置が記載されている。ペリレンテトラカルボン酸ジイミドはペリレンコアの湾位に最大4個の置換基を有し、これらの置換基は、フッ素、塩素、メトキシ、非置換C1~C16-アルキルおよび最大16個の炭素原子を有する酸素含有アルキルおよびフッ素、メトキシまたはC1~C16-アルキルで任意に置換されているフェノキシから選択されるが、ただし、ペリレンコアの湾位にある置換基のうちの少なくとも2つは、フッ素および塩素から選択される少なくとも1個の基を有するフェノキシである。
【0019】
したがって、本発明の根底にある課題は、改善された適用特性を有する新規の有機蛍光色素を提供することである。特に、新規の蛍光色素は、以下の特性のうちの少なくとも1つを有するべきである:
- 6,000K~20,000Kの相関色温度を有する冷白色LED光をより低い相関色温度を有する白色光に下方変換することに対する適性;
- 青色LED光を白色光に下方変換することに対する適性;
- 高い光安定性;
- 高い熱安定性;
- 水分および酸素に関する高い化学的安定性;
- ポリマーマトリックス中の高い蛍光量子収率;
- LED製造作業との高い相溶性;
- 偽造防止印刷用の蛍光色素としての適性;
- 化学薬品に対する優れた堅牢性、特に次亜塩素酸塩による漂白に対する堅牢性および(トルエン、アセトンまたはジクロロメタンのような)溶剤に対する堅牢性;
- 沸騰水に対する堅牢性;
- 多数の配合物、特に偽造防止印刷に使用される印刷インキ配合物およびレーザー溶接に使用される熱可塑性ポリマー配合物との高い相溶性。
【0020】
この課題および更なる課題は、下記の式(I)のペリレンビスイミド化合物によって解決される。
【0021】
発明の概要
第一の態様において、本発明は、式(I)
【化1】
[式中、
R
1およびR
2は、互いに独立して、水素、各場合において置換されていないかもしくは置換されたC
1~C
30-アルキル、ポリアルキレンオキシ、C
1~C
30-アルコキシ、C
1~C
30-アルキルチオ、C
3~C
20-シクロアルキル、C
3~C
20-シクロアルキルオキシ、C
6~C
24-アリールおよびC
6~C
24-アリールオキシからなる群から選択され;
R
3、R
10、R
11およびR
18は、互いに独立して、フェニル、および1、2、3、4または5個の基Lで置換されているフェニルから選択され、ここで、Lは、ハロゲン、シアノ、ヒドロキシル、メルカプト、-NR
Ar1COR
Ar2、置換されていないかもしくは置換されたC
1~C
30-アルキル、ポリアルキレンオキシ、C
1~C
30-アルコキシ、C
1~C
30-アルキルチオ、C
3~C
20-シクロアルキル、C
3~C
20-シクロアルコキシ、C
6~C
24-アリール、C
6~C
24-アリールオキシおよびC
6~C
24-アリールチオから選択され;
R
4、R
5、R
6、R
7、R
8、R
9、R
12、R
13、R
14、R
15、R
16、およびR
17は、互いに独立して、水素、ハロゲン、シアノ、ヒドロキシル、メルカプト、-NR
Ar1COR
Ar2、-CONR
Ar1R
Ar2、-SO
2NR
Ar1R
Ar2、-COOR
Ar1、-SO
3R
Ar2、各場合において置換されていないかもしくは置換されたC
1~C
30-アルキル、ポリアルキレンオキシ、C
1~C
30-アルコキシ、C
1~C
30-アルキルチオ、C
3~C
20-シクロアルキル、C
3~C
20-シクロアルコキシ、C
6~C
24-アリール、C
6~C
24-アリールオキシおよびC
6~C
24-アリールチオからなる群から選択され;
ここで、R
4とR
5、R
5とR
6、R
7とR
8、R
8とR
9、R
12とR
13、R
13とR
14、R
14とR
15、R
15とR
16、および/またはR
16とR
17は、それらが結合している炭素原子と一緒になって縮合された芳香族または非芳香族の炭素環系を形成してもよく、ここで、縮合環系は置換されていないかもしくは置換されており、
ここで、R
Ar1およびR
Ar2は、互いに独立して、水素、置換されていないかもしくは置換されたC
1~C
18-アルキル、置換されていないかもしくは置換されたC
3~C
20-シクロアルキル、置換されていないかもしくは置換されたヘテロシクリル、置換されていないかもしくは置換されたC
6~C
20-アリールまたは置換されていないかもしくは置換されたヘテロアリールである]の新規ペリレンビスイミド化合物を提供する。
【0022】
更なる態様において、本発明は、蛍光色素として式(I)の少なくとも1種の化合物またはそれらの混合物と、マトリックスとして少なくとも1種のポリマーとを含む色変換体を提供し、ここで、ポリマーは、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、ポリビニルピロリドン、ポリメタクリレート、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニル、ポリブテン、シリコーン、ポリアクリレート、エポキシ樹脂、ポリビニルアルコール、ポリ(エチレンビニルアルコール)-コポリマー、ポリアクリロニトリル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレンアクリロニトリル、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリビニルブチレート、ポリ塩化ビニル、ポリアミド、ポリオキシメチレン、ポリイミド、ポリエーテルイミドおよびそれらの混合物からなる群から選択され、好ましくはポリスチレン、ポリカーボネートまたはポリエチレンテレフタレートである。
【0023】
更なる態様において、本発明は、420nm~480nmの発光の中心波長を有する青色LEDによって生成された光を変換して第二のより長い波長の光にするための、上記で定義される色変換体の使用を提供する。
【0024】
更なる態様において、本発明は、6,000K~20,000Kの相関色温度を有する冷白色LEDによって生成された光を変換してより低い相関色温度を有する白色光を提供するための、上記で定義される色変換体の使用を提供する。
【0025】
更なる態様において、本発明は、420nm~480nmの発光の中心波長を有する少なくとも1つの青色LEDと、上記で定義される少なくとも1つの色変換体とを含み、ここで、LEDと色変換体とがリモートホスファー配置にある、照明装置を提供する。
【0026】
更なる態様において、本発明は、6,000K~20,000Kの相関色温度を有する少なくとも1つの冷白色LEDと、上記で定義される少なくとも1つの色変換体とを含み、ここで、LEDと色変換体とがリモートホスファー配置にある、照明装置を提供する。
【0027】
更なる態様において、本発明は、光源、特にLEDおよびOLED(有機発光ダイオード)から選択される光源から放出された光を変換して第二のより長い波長の光にするための、コーティング、印刷インキおよびプラスチックを着色するための、電磁放射を吸収および/または放出する水性ポリマー分散液を製造するための、データ保存用、光学ラベル用、文書における偽造防止ラベル用の、ならびに商標保護用または生体分子用の蛍光標識としての、色変換体における式(I)の化合物またはそれらの混合物の使用を提供する。
【0028】
更なる態様において、本発明は、偽造防止印刷用の偽造防止インキにおける、上記で定義される式(I)のペリレンビスイミド化合物またはそれらの混合物の使用を提供する。
【0029】
更なる態様において、本発明は、上記で定義される式(I)の少なくとも1種の化合物またはそれらの混合物を含む、偽造防止印刷用の印刷インキ配合物を提供する。
【0030】
本発明の実施形態
本発明は特に、以下の好ましい実施形態を含む:
1.式(I)
【化2】
[式中、
R
1およびR
2は、互いに独立して、水素、各場合において置換されていないかもしくは置換されたC
1~C
30-アルキル、ポリアルキレンオキシ、C
1~C
30-アルコキシ、C
1~C
30-アルキルチオ、C
3~C
20-シクロアルキル、C
3~C
20-シクロアルキルオキシ、C
6~C
24-アリールおよびC
6~C
24-アリールオキシからなる群から選択され;
R
3、R
10、R
11およびR
18は、互いに独立して、フェニル、および1、2、3、4または5個の基Lで置換されているフェニルから選択され、ここで、Lは、ハロゲン、シアノ、ヒドロキシル、メルカプト、-NR
Ar1COR
Ar2、置換されていないかもしくは置換されたC
1~C
30-アルキル、ポリアルキレンオキシ、C
1~C
30-アルコキシ、C
1~C
30-アルキルチオ、C
3~C
20-シクロアルキル、C
3~C
20-シクロアルコキシ、C
6~C
24-アリール、C
6~C
24-アリールオキシおよびC
6~C
24-アリールチオから選択され;
R
4、R
5、R
6、R
7、R
8、R
9、R
12、R
13、R
14、R
15、R
16、およびR
17は、互いに独立して、水素、ハロゲン、シアノ、ヒドロキシル、メルカプト、-NR
Ar1COR
Ar2、-CONR
Ar1R
Ar2、-SO
2NR
Ar1R
Ar2、-COOR
Ar1、-SO
3R
Ar2、各場合において置換されていないかもしくは置換されたC
1~C
30-アルキル、ポリアルキレンオキシ、C
1~C
30-アルコキシ、C
1~C
30-アルキルチオ、C
3~C
20-シクロアルキル、C
3~C
20-シクロアルコキシ、C
6~C
24-アリール、C
6~C
24-アリールオキシおよびC
6~C
24-アリールチオからなる群から選択され;
ここで、R
4とR
5、R
5とR
6、R
7とR
8、R
8とR
9、R
12とR
13、R
13とR
14、R
14とR
15、R
15とR
16、および/またはR
16とR
17は、それらが結合している炭素原子と一緒になって縮合された芳香族または非芳香族の炭素環系を形成してもよく、ここで、縮合環系は置換されていないかもしくは置換されており、
ここで、R
Ar1およびR
Ar2は、互いに独立して、水素、置換されていないかもしくは置換されたC
1~C
18-アルキル、置換されていないかもしくは置換されたC
3~C
20-シクロアルキル、置換されていないかもしくは置換されたヘテロシクリル、置換されていないかもしくは置換されたC
6~C
20-アリールまたは置換されていないかもしくは置換されたヘテロアリールである]のペリレンビスイミド化合物。
【0031】
2.式(I)におけるR1およびR2が、互いに独立して、
置換されていないかもしくはC6~C10-アリールで置換されているC1~C10-アルキルであって、このC6~C10-アリールもまた置換されていないかもしくは1、2または3個のC1~C10-アルキルで置換されている、C1~C10-アルキル、
置換されていないかもしくは1、2または3個のC1~C10-アルキルで置換されているC3~C8-シクロアルキル、および
置換されていないかもしくは1、2または3個のC1~C10-アルキルで置換されているC6~C10-アリール
から選択される、実施形態1において定義される化合物。
【0032】
3.式(I)におけるR1およびR2が、互いに独立して、C1~C8-アルキル、置換されていないかもしくは1、2または3個のC1~C6-アルキルで置換されているC3~C8-シクロアルキル、および置換されていないかもしくは1、2または3個のC1~C6-アルキルで置換されているC6~C10-アリールから選択される、実施形態2において定義される化合物。
【0033】
4.式(I)におけるR1およびR2が、同じ意味を有し、置換されていないかもしくは1、2または3個のC1~C6-アルキルで置換されているフェニルである、実施形態3において定義される化合物。
【0034】
5.R3、R10、R11およびR18が、互いに独立して、フェニル、ならびにC1~C6-アルキル、C1~C6-アルコキシ-C1~C6-アルキルおよびC1~C6-アルコキシから選択される1、2または3個の基Lで置換されているフェニルから選択され、好ましくはフェニル、ならびにC1~C6-アルキル、C1~C6-アルコキシ-C1~C6-アルキルおよびC1~C6-アルコキシから選択される1または2個の基Lで置換されているフェニルから選択される、実施形態1から4までのいずれか1つにおいて定義される化合物。
【0035】
6.R3、R10、R11およびR18が、互いに独立して、フェニル、および1または2個のC1~C6-アルキルで置換されているフェニルから選択され、好ましくはフェニルである、実施形態5において定義される化合物。
【0036】
7.R4、R5、R6、R7、R8、R9、R12、R13、R14、R15、R16、およびR17が、互いに独立して、水素、ハロゲン、C1~C18-アルキル、C6~C10-アリール、C6~C10-アリール-C1~C10-アルキレン、C6~C10-アリールオキシおよびC6~C10-アリールチオから選択され、ここで、C6~C10-アリール、C6~C10-アリール-C1~C10-アルキレン、C6~C10-アリールオキシおよびC6~C10-アリールチオのアリール部分は、置換されていないかもしくは1個以上のC1~C10-アルキルで置換されており、
ここで、R5とR6、R7とR8、R13とR14および/またはR15とR16は、それらが結合している炭素原子と一緒になって縮合されたベンゼン環を形成してもよく、ここで、縮合されたベンゼン環は置換されていないかもしくは置換されている、実施形態1から6までのいずれか1つにおいて定義される化合物。
【0037】
8.R4、R5、R6、R7、R8、R9、R12、R13、R14、R15、R16、およびR17が、互いに独立して、水素、C1~C6-アルキルおよびC6~C10-アリールから選択される、実施形態1から7までのいずれか1つにおいて定義される化合物。
【0038】
9.実施形態1から7までのいずれか1つにおいて定義される蛍光色素として式(I)の少なくとも1種の化合物またはそれらの混合物と、マトリックスとして少なくとも1種のポリマーとを含み、ここで、ポリマーは、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、ポリビニルピロリドン、ポリメタクリレート、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニル、ポリブテン、シリコーン、ポリアクリレート、エポキシ樹脂、ポリビニルアルコール、ポリ(エチレンビニルアルコール)-コポリマー、ポリアクリロニトリル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ(スチレン-アクリロニトリル)、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリビニルブチレート、ポリ塩化ビニル、ポリアミド、ポリオキシメチレン、ポリイミド、ポリエーテルイミドおよびそれらの混合物からなる群から選択され、好ましくはポリスチレン、ポリカーボネートまたはポリエチレンテレフタレートである、色変換体。
【0039】
10.ポリマーが本質的にポリスチレンからなる、実施形態9において定義される色変換体。
【0040】
11.ポリマーが本質的にポリカーボネートからなる、実施形態9において定義される色変換体。
【0041】
12.ポリマーが本質的にポリエチレンテレフタレートからなる、実施形態9において定義される色変換体。
【0042】
13.色変換体が、散乱体として少なくとも1種の無機白色顔料をさらに含む、実施形態9から12までのいずれか1つにおいて定義される色変換体。
【0043】
14.(i)式II
【化3】
[式中、
R
21、R
22、R
23、R
24、R
25、R
26、R
27、R
28、R
29およびR
210は、それぞれ独立して、水素、シアノ、または置換されていないかもしくは1個以上の同一もしくは異なる置換基R
2Arを有するアリールであり、
ここで、
各R
2Arは、独立して、シアノ、ヒドロキシル、メルカプト、ハロゲン、C
1~C
20-アルコキシ、C
1~C
20-アルキルチオ、ニトロ、-NR
2Ar2R
2Ar3、-NR
2Ar2COR
2Ar3、-CONR
2Ar2R
2Ar3、-SO
2NR
2Ar2R
2Ar3、-COOR
2Ar2、-SO
3R
2Ar2、
C
3~C
30-アルキル、C
2~C
30-アルケニル、C
2~C
30-アルキニル(ここで、後者の3個の基は、置換されていないかもしくは1個以上のR
2a基を有する)、
C
3~C
8-シクロアルキル、3~8員のヘテロシクリル(ここで、後者の2個の基は、置換されていないかもしくは1個以上のR
2b基を有する)、
アリール、U-アリール、ヘテロアリールおよびU-ヘテロアリール(ここで、後者の4個の基は、置換されていないかもしくは1個以上のR
2b基を有する)から選択され、
ここで、
各R
2aは、独立して、シアノ、ヒドロキシル、オキソ、メルカプト、ハロゲン、C
1~C
20-アルコキシ、C
1~C
20-アルキルチオ、ニトロ、-NR
2Ar2R
2Ar3、-NR
2Ar2COR
2Ar3、-CONR
2Ar2R
2Ar3、-SO
2NR
2Ar2R
2Ar3、-COOR
2Ar2、-SO
3R
2Ar2、C
3~C
8-シクロアルキル、3~8員のヘテロシクリル、アリールおよびヘテロアリールから選択され、ここで、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリールおよびヘテロアリール基は、置換されていないかもしくは1個以上のR
2b基を有し;
各R
2bは、独立して、シアノ、ヒドロキシル、オキソ、メルカプト、ハロゲン、C
1~C
20-アルコキシ、C
1~C
20-アルキルチオ、ニトロ、-NR
2Ar2R
2Ar3、-NR
2Ar2COR
2Ar3、-CONR
2Ar2R
2Ar3、-SO
2NR
2Ar2R
2Ar3、-COOR
2Ar2、-SO
3R
2Ar2、C
1~C
18-アルキル、C
2~C
18-アルケニル、C
2~C
18-アルキニル、C
3~C
8-シクロアルキル、3~8員のヘテロシクリル、アリールおよびヘテロアリールから選択され、ここで、後者の4つの基は、置換されていないかもしくは1個以上のR
2b1基を有し;
各R
2b1は、独立して、シアノ、ヒドロキシル、メルカプト、オキソ、ニトロ、ハロゲン、-NR
2Ar2R
2Ar3、-NR
2Ar2COR
2Ar3、-CONR
2Ar2R
2Ar3、-SO
2NR
2Ar2R
2Ar3、-COOR
2Ar2、-SO
3R
2Ar2、-SO
3R
2Ar2、C
1~C
18-アルキル、C
2~C
18-アルケニル、C
2~C
18-アルキニル、C
1~C
12-アルコキシ、およびC
1~C
12-アルキルチオから選択され;
Uは、-O-、-S-、-NR
2Ar1-、-CO-、-SO-または-SO
2-部分であり;
R
2Ar1、R
2Ar2、R
2Ar3は、それぞれ独立して、水素、C
1~C
18-アルキル、3~8員のシクロアルキル、3~8員のヘテロシクリル、アリールまたはヘテロアリールであり、ここで、アルキルは、置換されていないかもしくは1個以上のR
2a基を有し、ここで、3~8員のシクロアルキル、3~8員のヘテロシクリル、アリールまたはヘテロアリールは、置換されていないかもしくは1個以上のR
2b基を有する]のシアノ化ナフトイルベンズイミダゾール化合物およびそれらの混合物、ただし、式IIの化合物は、少なくとも1個のシアノ基を含む;
(ii)式(III)
【化4】
[式中、
Z
3置換基のうちの一方はシアノであり、他方のZ
3置換基は、CO
2R
39、CONR
310R
311、C
1~C
18-アルキル、C
2~C
18-アルケニル、C
2~C
18-アルキニル、C
3~C
12-シクロアルキルまたはC
6~C
14-アリールであり、ここで、
C
1~C
18-アルキル、C
2~C
18-アルケニル、C
2~C
18-アルキニルは、置換されていないかもしくは1個以上の同一もしくは異なるZ
3a置換基を有し、
C
3~C
12-シクロアルキルは、置換されていないかもしくは1個以上の同一もしくは異なるZ
3b置換基を有し、
C
6~C
14-アリールは、置換されていないかもしくは1個以上の同一もしくは異なるZ
3Ar置換基を有し;
Z
3*置換基のうちの一方はシアノであり、他方のZ
3*置換基は、CO
2R
39、CONR
310R
311、C
1~C
18-アルキル、C
2~C
18-アルケニル、C
2~C
18-アルキニル、C
3~C
12-シクロアルキルまたはC
6~C
14-アリールであり、ここで、
C
1~C
18-アルキル、C
2~C
18-アルケニル、C
2~C
18-アルキニルは、置換されていないかもしくは1個以上の同一もしくは異なるZ
3a置換基を有し、
C
3~C
12-シクロアルキルは、置換されていないかもしくは1個以上の同一もしくは異なるZ
3b置換基を有し、
C
6~C
14-アリールは、置換されていないかもしくは1個以上の同一もしくは異なるZ
3Ar置換基を有し;
R
31、R
32、R
33、R
34、R
35、R
36、R
37およびR
38は、それぞれ独立して、水素、シアノ、臭素および塩素から選択され、
ただし、R
31、R
32、R
33、R
34、R
35、R
36、R
37またはR
38置換基の1、2、3、4、5、6、7または8個はシアノであり;
ここで
R
39は、水素、C
1~C
10-アルキル、C
2~C
10-アルケニル、C
2~C
10-アルキニル、C
3~C
12-シクロアルキルまたはC
6~C
14-アリールであり、ここで、
C
1~C
10-アルキル、C
2~C
10-アルケニル、C
2~C
10-アルキニルは、置換されていないかもしくは1個以上の同一もしくは異なるR
3a置換基を有し、
C
3~C
12-シクロアルキルは、置換されていないかもしくは1個以上の同一もしくは異なるR
3b置換基を有し、
C
6~C
14-アリールは、置換されていないかもしくは1個以上の同一もしくは異なるR
3Ar置換基を有し;
R
310およびR
311は、それぞれ独立して、水素、C
1~C
10-アルキル、C
2~C
10-アルケニル、C
2~C
10-アルキニル、C
3~C
12-シクロアルキルまたはC
6~C
14-アリールであり、ここで、
C
1~C
10-アルキル、C
2~C
10-アルケニル、C
2~C
10-アルキニルは、置換されていないかもしくは1個以上の同一もしくは異なるR
3a置換基を有し、
C
3~C
12-シクロアルキルは、置換されていないかもしくは1個以上の同一もしくは異なるR
3b置換基を有し、
C
6~C
14-アリールは、置換されていないかもしくは1個以上の同一もしくは異なるR
3Ar置換基を有し;
各Z
3aは、独立して、ハロゲン、ヒドロキシル、NR
310aR
311a、C
1~C
10-アルコキシ、C
1~C
10-ハロアルコキシ、C
1~C
10-アルキルチオ、C
3~C
12-シクロアルキル、C
6~C
14-アリール、C(=O)R
39a;C(=O)OR
39aまたはC(O)NR
310aR
311aであり、ここで、
C
3~C
12-シクロアルキルは、置換されていないかもしくは1個以上の同一もしくは異なるR
3b置換基であり、
C
6~C
14-アリールは、置換されていないかもしくは1個以上の同一もしくは異なるR
3Ar置換基であり;
各Z
3bおよび各Z
3Arは、独立して、ハロゲン、ヒドロキシル、NR
310aR
311a、C
1~C
10-アルキル、C
1~C
10-アルコキシ、C
1~C
10-ハロアルコキシ、C
1~C
10-アルキルチオ、C(=O)R
39a;C(=O)OR
39aまたはC(O)NR
310aR
311aであり;
各R
3aは、独立して、ハロゲン、ヒドロキシル、C
1~C
10-アルコキシ、C
3~C
12-シクロアルキルまたはC
6~C
14-アリールであり;
各R
3bは、独立して、ハロゲン、ヒドロキシル、C
1~C
10-アルキル、C
1~C
10-アルコキシ、C
1~C
10-ハロアルコキシ、C
1~C
10-アルキルチオ、C
2~C
10-アルケニル、C
2~C
10-アルキニル、C
3~C
12-シクロアルキルまたはC
6~C
14-アリールであり;
各R
3Arは、独立して、ハロゲン、ヒドロキシル、C
1~C
10-アルキル、C
1~C
10-アルコキシ、C
1~C
10-ハロアルコキシ、C
1~C
10-アルキルチオ、C
2~C
10-アルケニル、C
2~C
10-アルキニル、C
3~C
12-シクロアルキルまたはC
6~C
14-アリールであり;
R
39aは、水素、C
1~C
10-アルキル、C
2~C
10-アルケニル、C
2~C
10-アルキニル、C
3~C
12-シクロアルキルまたはC
6~C
14-アリールであり;
R
310a、R
311aは、それぞれ独立して、水素、C
1~C
10-アルキル、C
2~C
10-アルケニル、C
2~C
10-アルキニル、C
3~C
12-シクロアルキルまたはC
6~C
14-アリールである]のシアノ化ペリレン化合物およびそれらの混合物;
(iii)式(IV)
【化5】
[式中、
m4は、0、1、2、3または4であり;
各R
41は、互いに独立して、臭素、塩素、シアノ、-NR
4aR
4b、C
1~C
24-アルキル、C
1~C
24-ハロアルキル、C
1~C
24-アルコキシ、C
1~C
24-ハロアルコキシ、C
3~C
24-シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロアリール、C
6~C
24-アリール、C
6~C
24-アリールオキシ、C
6~C
24-アリール-C
1~C
10-アルキレンから選択され、ここで、最後に挙げた6個の基におけるシクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロアリール、アリール、アリールオキシの環は、置換されていないかもしくは1、2、3、4または5個の同一もしくは異なる基R
41aで置換されており、C
1~C
24-アルキル、C
1~C
24-ハロアルキル、C
1~C
24-アルコキシ、およびC
6~C
24-アリール-C
1~C
10-アルキレンのアルキレン部分は、O、SおよびNR
4cから選択される1個以上の基によって中断されていてもよく;
基R
42、R
43、R
44およびR
45のうちの少なくとも1つはCNであり、残りの基は、互いに独立して、水素、塩素および臭素から選択され、
X
40は、O、S、SOまたはSO
2であり、
Aは、一般式(A.1)、(A.2)、(A.3)、および(A.4)
【化6】
[式中、
*は、各場合において、分子の残りの部分への結合点を表し、
n4は、0、1、2、3または4であり;
o4は、0、1、2または3であり;
p4は、0、1、2または3であり;
R
46は、水素、C
1~C
24-アルキル、C
1~C
24-ハロアルキル、C
3~C
24-シクロアルキル、C
6~C
24-アリールまたはC
6~C
24-アリール-C
1~C
10-アルキレンであり、ここで、最後に挙げた3個の基におけるシクロアルキル、アリール、およびアリール-アルキレンの環は、置換されていないかもしくは1、2、3、4または5個の同一もしくは異なる基R
46aで置換されており、C
1~C
24-アルキル、C
1~C
24-ハロアルキル、およびC
6~C
24-アリール-C
1~C
10-アルキレンのアルキレン部分は、O、SおよびNR
4cから選択される1個以上のヘテロ原子またはヘテロ芳香族によって中断されていてもよく;
各R
47は、互いに独立して、臭素、塩素、シアノ、-NR
4aR
4b、C
1~C
24-アルキル、C
1~C
24-ハロアルキル、C
1~C
24-アルコキシ、C
1~C
24-ハロアルコキシ、C
3~C
24-シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロアリール、C
6~C
24-アリール、C
6~C
24-アリールオキシ、C
6~C
24-アリール-C
1~C
10-アルキレンから選択され、ここで、最後に挙げた6個の基におけるシクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロアリール、アリールおよびアリール-アルキレンの環は、置換されていないかもしくは1、2、3、4または5個の同一もしくは異なる基R
47aで置換されており、C
1~C
24-アルキル、C
1~C
24-ハロアルキル、C
1~C
24-アルコキシ、C
1~C
24-ハロアルコキシ、およびC
6~C
24-アリール-C
1~C
10-アルキレンのアルキレン部分は、O、SおよびNR
4cから選択される1個以上の基によって中断されていてもよく;
各R
48は、互いに独立して、臭素、塩素、シアノ、NR
4aR
4b、C
1~C
24-アルキル、C
1~C
24-ハロアルキル、C
1~C
24-アルコキシ、C
1~C
24-ハロアルコキシ、C
3~C
24-シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロアリール、C
6~C
24-アリール、C
6~C
24-アリールオキシ、C
6~C
24-アリール-C
1~C
10-アルキレンから選択され、ここで、最後に挙げた6個の基におけるシクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロアリール、アリールおよびアリール-アルキレンの環は、置換されていないかもしくは1、2、3、4または5個の同一もしくは異なる基R
48aで置換されており、C
1~C
24-アルキル、C
1~C
24-ハロアルキル、C
1~C
24-アルコキシ、C
1~C
24-ハロアルコキシ、およびC
6~C
24-アリール-C
1~C
10-アルキレンのアルキレン部分は、O、SおよびNR
4cから選択される1個以上の基によって中断されていてもよく;
各R
49は、互いに独立して、臭素、塩素、シアノ、NR
4aR
4b、C
1~C
24-アルキル、C
1~C
24-ハロアルキル、C
1~C
24-アルコキシ、C
1~C
24-ハロアルコキシ、C
3~C
24-シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロアリール、C
6~C
24-アリール、C
6~C
24-アリールオキシ、C
6~C
24-アリール-C
1~C
10-アルキレンから選択され、ここで、最後に挙げた6個の基におけるシクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロアリール、アリールおよびアリール-アルキレンの環は、置換されていないかもしくは1、2、3、4または5個の同一もしくは異なる基R
49aで置換されており、C
1~C
24-アルキル、C
1~C
24-ハロアルキル、C
1~C
24-アルコキシ、C
1~C
24-ハロアルコキシ、およびC
6~C
24-アリール-C
1~C
10-アルキレンのアルキレン部分は、O、SおよびNR
4cから選択される1個以上の基によって中断されていてもよく;
R
41a、R
46a、R
47a、R
48a、R
49aは、互いに独立して、C
1~C
24-アルキル、C
1~C
24-フルオロアルキル、C
1~C
24-アルコキシ、フッ素、塩素および臭素から選択され;
R
4a、R
4b、R
4cは、互いに独立して、水素、C
1~C
20-アルキル、C
3~C
24-シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロアリールおよびC
6~C
24-アリールから選択される]のジラジカルから選択されるジラジカルである]のシアノ化ペリレン化合物およびそれらの混合物;
(iv)式(V)
【化7】
[式中、
R
51は、置換されていないかもしくはハロゲン、R
511、OR
552、NHR
552およびNR
552R
557から選択される1、2、3、4または5個の置換基を有するフェニルであり;
R
52、R
53、R
54、R
55、R
56、R
57、R
58およびR
59は、互いに独立して、水素、ハロゲン、R
553、OR
553、NHR
553およびNR
553R
554から選択され、ここで、
R
511は、C
2~C
18-アルキル、C
6~C
24-アリールおよびヘテロアリールから選択され;
R
552およびR
557は、互いに独立して、C
1~C
18-アルキル、C
6~C
24-アリールおよびヘテロアリールから選択され;
R
553およびR
554は、互いに独立して、C
1~C
18-アルキル、C
6~C
24-アリールおよびヘテロアリールから選択される]ベンゾキサンテン化合物およびそれらの混合物;
(v)式(VI)
【化8】
[式中、上掲のベンズイミダゾール構造の六員環の1個以上のCH基は、窒素で置き換えられていてもよく、記号は、それぞれ以下の通り定義される;
n6は、式(VI)の各構造単位についての0~(10-p6)の数であり、ここで、p6は、上掲のベンズイミダゾール構造の六員環において窒素で置き換えられているCH単位の数であり、
X6は、化学結合、O、S、SO、SO
2、NR
61であり;
Rは、それぞれ置換基を有していてもよい脂肪族基、脂環式基、アリール、ヘテロアリール、それぞれ式(VI)の構造単位の他の芳香族環に縮合している芳香族もしくはヘテロ芳香族の環または環系であり、X6が化学結合ではない場合、F、Cl、Br、CN、Hであり;
ここで、2個のR基は一緒になって1個の環式基を形成してもよく、
ここで、X6およびRは、n6>1の場合、同一もしくは異なっていてもよく;
R
61は、それぞれ独立して、水素、C
1~C
18-アルキルまたはシクロアルキルであって、その炭素鎖は1個以上の-O-、-S-、-CO-、-SO-および/または-SO
2-部分を含んでいてもよく、一置換もしくは多置換されていてもよいC
1~C
18-アルキルまたはシクロアルキル;
一置換もしくは多置換されていてもよいアリールまたはヘテロアリールである]の少なくとも1つの構造単位を含む蛍光化合物およびそれらの混合物;
(vi)式(VII)、(VIII)、(IX)または(X)
【化9】
[式中、
p7は2であり、
R
71、R
72は、それぞれ独立して、C
1~C
30-アルキル、C
3~C
8-シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アリール-C
1~C
10-アルキレンであり、ここで、後者の3個の基における芳香族環は、置換されていないかもしくはC
1~C
10-アルキルで一置換もしくは多置換されており;
R
73は、置換されていないかもしくはC
1~C
10-アルキルもしくはC
6~C
10-アリールで一置換もしくは多置換されているアリールオキシであり、ここで、R
73基は、
*で示される位置にあり;
p8は2であり;
R
81、R
82は、それぞれ独立して、C
1~C
30-アルキル、C
3~C
8-シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アリール-C
1~C
10-アルキレンであり、ここで後者の3個の基における芳香族環は、置換されていないかもしくはC
1~C
10-アルキルで一置換もしくは多置換されており;
R
83は、置換されていないかもしくはC
1~C
10-アルキルもしくはC
6~C
10-アリールで一置換もしくは多置換されているアリールオキシであり、ここでR
83基は、
*で示される位置にあり;
R
92は、C
1~C
30-アルキル、C
3~C
8-シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アリール-C
1~C
10-アルキレンであり、ここで、後者の3個の基における芳香族環は、置換されていないかもしくはC
1~C
10-アルキルで一置換もしくは多置換されており;
R
101、R
102は、それぞれ独立して、C
1~C
30-アルキル、C
3~C
8-シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アリール-C
1~C
10-アルキレンであり、ここで、後者の3個の基における芳香族環は、置換されていないかもしくはC
1~C
10-アルキルで一置換もしくは多置換されている]のペリレン化合物;
(vii)式(XI)
【化10】
[式中、
R
111およびR
112は、互いに独立して、水素、各場合において置換されていないかもしくは置換されたC
1~C
30-アルキル、ポリアルキレンオキシ、C
1~C
30-アルコキシ、C
1~C
30-アルキルチオ、C
3~C
20-シクロアルキル、C
3~C
20-シクロアルキルオキシ、C
6~C
24-アリールおよびC
6~C
24-アリールオキシから選択され;
R
113、R
114、R
115、R
116、R
117、R
118、R
119、R
1110、R
1111、R
1112、R
1113、R
1114、R
1115、R
1116、R
1117およびR
1118は、互いに独立して、水素、ハロゲン、シアノ、ヒドロキシル、メルカプト、ニトロ、-NE
111E
112、-NR
Ar111COR
Ar112、-CONR
Ar111R
Ar112、-SO
2NR
Ar111R
Ar112、-COOR
Ar111、-SO
3R
Ar112、各場合において置換されていないかもしくは置換されたC
1~C
30-アルキル、ポリアルキレンオキシ、C
1~C
30-アルコキシ、C
1~C
30-アルキルチオ、C
3~C
20-シクロアルキル、C
3~C
20-シクロアルコキシ、C
6~C
24-アリール、C
6~C
24-アリールオキシおよびC
6~C
24-アリールチオから選択され;
ここで、R
113とR
114、R
114とR
115、R
115とR
116、R
116とR
117、R
117とR
118、R
118とR
119、R
119とR
1110、R
1111とR
1112、R
1112とR
1113、R
1113とR
1114、R
1114とR
1115、R
1115とR
1116、R
1116とR
1117および/またはR
1117とR
1118は、それらが結合しているビフェニリル部分の炭素原子と一緒になって更なる縮合された芳香族または非芳香族の環系を形成してもよく、ここで、縮合環系は置換されていないかもしくは置換されており;
ここで、
E
111およびE
112は、互いに独立して、水素、置換されていないかもしくは置換されたC
1~C
18-アルキル、置換されていないかもしくは置換されたC
2~C
18-アルケニル、置換されていないかもしくは置換されたC
2~C
18-アルキニル、置換されていないかもしくは置換されたC
3~C
20-シクロアルキルまたは置換されていないかもしくは置換されたC
6~C
10-アリールであり;
R
Ar111およびR
Ar112は、互いに独立して、水素、置換されていないかもしくは置換されたC
1~C
18-アルキル、置換されていないかもしくは置換されたC
3~C
20-シクロアルキル、置換されていないかもしくは置換されたヘテロシクリル、置換されていないかもしくは置換されたC
6~C
20-アリールまたは置換されていないかもしくは置換されたヘテロアリールである]のペリレンビスイミド化合物およびそれらの混合物
から選択される少なくとも1種の更なる有機蛍光色素を含む、実施形態9から13までのいずれか1つにおいて定義される色変換体。
【0044】
15.少なくとも1種の更なる有機蛍光色素が、
- 式(II)の化合物およびそれらの混合物、
- 式(IV)の化合物およびそれらの混合物、
- 式(VI)の少なくとも1つの構造単位を含む化合物およびそれらの混合物、
- 式(VII)の化合物、
- 式(VIII)の化合物、
- 式(XI)の化合物およびそれらの混合物
ならびにそれらの混合物
から選択される、実施形態14において定義される色変換体。
【0045】
16.式(VI)の少なくとも1つの構造単位を含む化合物が、式(VI-5)、(VI-6)、(VI-7)、(VI-8)
【化11】
の化合物から選択される、実施形態14または15において定義される色変換体。
【0046】
17.更なる蛍光材料として、ガーネット、ケイ酸塩、硫化物、窒化物および酸窒化物から選択される少なくとも1種の無機蛍光材料を含む、実施形態9から16までのいずれか1つにおいて定義される色変換体。
【0047】
18.結晶質半導体材料からの少なくとも1つの量子ドットを含む、実施形態9から17までのいずれか1つにおいて定義される色変換体。
【0048】
19.420nm~480nmの発光の中心波長を有する青色LEDによって生成された光を変換して第二のより長い波長の光を提供するための、実施形態9から18までのいずれか1つにおいて定義される色変換体の使用。
【0049】
20.6,000K~20,000Kの相関色温度、例えば20,000K~8,000Kまたは15,000K~8,100Kの相関色温度を有する冷白色LEDによって生成された光を変換してより低い相関色温度を有する白色光を提供するための、実施形態9から18までのいずれか1つにおいて定義される色変換体の使用。
【0050】
21.420nm~480nmの発光の中心波長を有する少なくとも1つの青色LEDと、実施形態9から18までのいずれか1つにおいて定義される少なくとも1つの色変換体とを含み、ここで、LEDと色変換体とがリモートホスファー配置にある、照明装置。
【0051】
22.6,000K~20,000Kの相関色温度を有する少なくとも1つの冷白色LEDと、実施形態9から18までのいずれか1つにおいて定義される少なくとも1つの色変換体とを含み、ここで、LEDと色変換体とがリモートホスファー配置にある、照明装置。
【0052】
23.光源、特にLEDおよびOLEDから選択される光源から放出された光を変換して第二のより長い波長の光にするための、コーティング、印刷インキおよびプラスチックを着色するための、電磁放射を吸収および/または放出する水性ポリマー分散液を製造するための、データ保存用、光学ラベル用、文書における偽造防止ラベル用の、ならびに商標保護用または生体分子用の蛍光標識としての、色変換体における実施形態1から8までのいずれか1つにおいて定義される式(I)のペリレンビスイミド化合物またはそれらの混合物の使用。
【0053】
24.偽造防止印刷用の偽造防止インキにおける、実施形態1から8までのいずれか1つにおいて定義される式(I)のペリレンビスイミド化合物またはそれらの混合物の使用。
【0054】
25.実施形態1から8までのいずれか1つにおいて定義される式(I)の少なくとも1種の化合物またはそれらの混合物を含む、偽造防止印刷用の印刷インキ配合物。
【0055】
26.以下:
a)実施形態1から8までのいずれか1つにおいて定義される式(I)の少なくとも1種の化合物またはそれらの混合物;
b)ポリマーバインダー;
c)任意に有機溶剤;
d)任意に少なくとも1種の着色剤;および
e)任意に少なくとも1種の更なる添加剤
を含む、偽造防止印刷用の、実施形態25において定義される印刷インキ配合物。
【0056】
27.以下:
a)実施形態1から8までのいずれか1つにおいて定義される式(I)の少なくとも1種の化合物またはそれらの混合物0.0001~25重量%;
b)少なくとも1種のポリマーバインダー5~75重量%;
c)少なくとも1種の溶剤0~94.9999重量%;
d)少なくとも1種の着色剤0~25重量%;および
e)少なくとも1種の更なる添加剤0~25重量%
を含み、ここで、成分a)~e)の合計は100%になる、実施形態25または26記載の印刷インキ配合物。
【0057】
28.実施形態25から27までのいずれか1つ記載の印刷インキ配合物を基材上に印刷する工程を含む、偽造防止文書の製造方法。
【0058】
29.基材と硬化インキとを含み、インキが、実施形態1から8までのいずれか1つにおいて定義される式(I)の少なくとも1種の化合物またはそれらの混合物を含む、偽造防止文書。
【0059】
30.実施形態25から27までのいずれかに1つにおいて定義される印刷インキ配合物が用いられる印刷プロセスによって得られる、実施形態29記載の偽造防止文書。
【0060】
31.紙幣、パスポート、小切手、バウチャー、IDカードまたは取引カード、切手およびタックスラベルから選択される、実施形態29または30記載の偽造防止文書。
【0061】
32.剛性または柔軟包装、カートンボードまたは商標または製品ラベルの一部である、実施形態30または31記載の偽造防止文書。
【0062】
発明の詳細な説明
式(I)の化合物は、個々の化合物の形態で、または式(I)の少なくとも2種の異なる化合物を含む混合物の形態で存在し得る。これらの混合物の個々の化合物は、例えば置換基R1~R18の意味または立体化学に関して異なり得る。概して、式(I)の個々の化合物のみならず式(I)の化合物の混合物も、本発明による使用に適している。
【0063】
したがって、本発明の文脈において、「式(I)の少なくとも1種の化合物またはそれらの複数の混合物」という表現、「式(I)の少なくとも1種の化合物またはそれらの混合物」という表現、および「式(I)の化合物またはそれらの混合物」という表現には、式(I)の個々の化合物または式(I)の少なくとも2、例えば3または4種以上の異なる化合物が含まれると理解される。
【0064】
本発明の文脈において、「蛍光体」という用語は、放射変換発光団とも呼ばれる。これらの用語は、第一の波長の光を第二の波長の光に変換する材料を記述するために互換的に使用される。「蛍光体」という用語は、無機蛍光体および有機蛍光体を包含する。有機蛍光体は、有機蛍光色素または着色剤とも呼ばれる。有機蛍光体、有機蛍光色素、有機蛍光着色剤および有機放射変換発光団という用語は、本発明の文脈において互換的に使用される。
【0065】
本発明の文脈において、黄色蛍光色素は、電磁スペクトルの黄色、黄緑色の範囲または緑色の範囲の光を放出する有機色素/着色剤を意味すると理解される。したがって、「黄色蛍光色素」、「黄緑色蛍光色素」、「緑黄色蛍光色素」および「緑色蛍光色素」は同義語として使用される。
【0066】
本発明の文脈において、赤色蛍光色素は、電磁スペクトルの橙色、橙赤色の範囲または赤色の範囲の光を放出する有機色素/着色剤を意味すると理解される。したがって、「橙色蛍光色素」、「橙赤色蛍光色素」、「赤橙色蛍光色素」および「赤色蛍光色素」は同義語として使用される。
【0067】
本発明の文脈において、「青色LED」は、420~480nm、好ましくは440~470nm、最も好ましくは440nm~460nmの中心波長を有する電磁スペクトルの青色の範囲の光を放出するLEDを意味すると理解される。適切な半導体材料は、炭化ケイ素、セレン化亜鉛、および窒化アルミニウム(AlN)、窒化ガリウム(GaN)、窒化インジウム(InN)および窒化インジウムガリウム(InGaN)などの窒化物である。標準的なInGaNベースの青色LEDはサファイア基板上に作製され、ピーク発光波長は通常445~455nmに中心がある。
【0068】
本発明の文脈において、「緑色LED」は、501~560nm、好ましくは501~540nm、特に520~540nmの中心波長を有する電磁スペクトルの緑色の範囲の光を放出するLEDを意味すると理解される。適切な半導体材料は、例えばGaInNAに基づく。
【0069】
本発明の文脈において、「白色LED」は白色光を生成するLEDを意味すると理解される。「白色LED」という用語は、青色LEDによって励起される蛍光体変換LED、青色LEDによって励起されるリモートホスファーLED、および青色LEDによって励起されるハイブリッドLEDを包含する。白色光は、一般的にその相関色温度CCTによって記述される(下記参照)。
【0070】
量子ドットは、量子力学的性質を示すのに十分小さい半導体材料でできたナノ結晶である。量子ドットは、経時変化を受けないで光化学的にも安定である規定の発光波長を有する。ドットの色出力は、結晶のサイズを制御することによって調整することができる。量子ドットのサイズが小さいほど、量子ドットはより短い波長の光を放出する。
【0071】
本発明の文脈において、「色変換体」は、特定の波長の光を吸収し、それを第二の波長の光に変換することができる全ての物理的装置を意味すると理解される。色変換体は、例えば、照明装置、特に光源としてLEDまたはOLEDを利用する照明装置、または蛍光変換太陽電池の一部である。したがって、青色光は、励起波長よりも長い波長の可視光に(少なくとも)部分的に変換されることができる。
【0072】
相関色温度(CCT)は、電気光源から放出された白色光の色の見え方を記述し、ケルビンで測定される。それはCIE国際規格により決定される。通常、白色光源からのCCTは、1,500K~20,000K、特に2,000K~20,000Kの範囲にある。より高いCCTを有する白色光は、短波長領域(青色)における比較的高い強度を含み、より低いCCTを有する白色光と比較してより長い波長領域(赤色)における比較的低い強度を含む。したがって、より高いCCTは、一般的により有意な青色成分または冷たい色調を有する白色光を示し、一方で、より低いCCTは、一般的により有意な赤色の色調または温かい色調を有する光を示す。4,500K~20,000Kの範囲のCCTを有する白色光はしばしば冷白色光と呼ばれ、2,700K~3,200Kの範囲のCCTを有する白色光はしばしば温白色光と呼ばれ、3,200K~4,500Kの範囲のCCTを有する白色光はしばしば中性白色と呼ばれる。
【0073】
演色性(CRI)は、光源が物体の色を人間の目にどのように見えるようにするかと、色合いの微妙な変化がどれほどよく現れているのかとを示す尺度である。CIE 17.4,International Lighting Vocabularyによれば、演色性(CRI)は、「基準光源下の色の見え方との意識的または無意識的な比較による物体の色の見え方に及ぼす光源の影響」と定義される。黒体放射などの基準線源は、100のCRI指数(Ra)を有するものとして定義され、すなわち100の値は、線源が基準と同じように色をレンダリングすることを示す。負の値も可能である。平均または一般演色評価数Raは、8つのパステルCIE標準(基準)色サンプルR1~R8(CIE 13.3-1995)の色度の差から計算される。多くの一般的な室内照明用途の場合、80よりも高いCRI値(Ra)が許容される。一般的な照明の場合、演色評価数は85を超えている必要がある。正確な演色が必要とされる用途では、少なくとも90の高いCRIが通常大いに望ましい。一般的な照明および他の様々な用途では、高いCRI(例えば90以上)を有する白色光を生成する光源を提供することがしばしば望ましく、そのため光源によって照明された物体は人間の目にとってより自然な色を有しているように見せることができる。
【0074】
Raは、6つの高飽和色(R9~R14)に対応する係数を含まない。これらのうち、R9は強い赤色に対応し、それは色をレンダリングするのに有益であり得る赤緑色のコントラストに影響を及ぼし得る。赤色は処理された色に混在して見出されることが多いため、正確に色をレンダリングするには赤色を適切に再現する能力が不可欠である。したがって、光源が正しく赤をレンダリングすることができない場合、赤色味を帯びているものは鈍くなる。したがって、高いCRIおよび正のR9値を有する光源は最も鮮明な色を生成する傾向にある。
【0075】
CIE 1931標準表色系によれば、色は特定の色彩曲線に従って人間の目で知覚される。標準視感度曲線Vλは、人間の目の感度の波長依存性を説明する。555nmの波長の単色光(緑色)の場合、視感度曲線は683lm/Wの最大可能値を有する。光束は知覚される光のパワーの尺度である。
【0076】
本発明の文脈における「本質的に」という単語は、「完全に」、「全体的に」および「全て」という単語を包含する。この語は、90%以上、例えば95%以上、特に99%または100%の割合を包含する。
【0077】
上記の式で特定される可変部の定義は、各置換基を一般的に表す総称を使用する。定義Cn~Cmは、各場合において各置換基または置換基部分において可能な炭素原子数を与える。
【0078】
「ハロゲン」という表現は、各場合において、フッ素、臭素、塩素またはヨウ素、特に塩素、臭化物またはヨウ素を表す。
【0079】
本発明の文脈において、「各場合において置換されていないかもしくは置換されたアルキル、シクロアルキルおよびアリール」という表現は、置換されていないかもしくは置換されたアルキル、置換されていないかもしくは置換されたシクロアルキルおよび置換されていないかもしくは置換されたアリールを表す。
【0080】
同様に本発明の文脈において、「各場合において置換されていないかもしくは置換されたC1~C30-アルキル、ポリアルキレンオキシ、C1~C30-アルコキシ、C1~C30-アルキルチオ、C3~C20-シクロアルキル、C3~C20-シクロアルキルオキシ、C6~C24-アリールおよびC6~C24-アリールオキシ」という表現は、置換されていないかもしくは置換されたC1~C30-アルキル、置換されていないかもしくは置換されたポリアルキレンオキシ、置換されていないかもしくは置換されたC1~C30-アルコキシ、置換されていないかもしくは置換されたC1~C30-アルキルチオ、置換されていないかもしくは置換されたC3~C20-シクロアルキル、置換されていないかもしくは置換されたC3~C20-シクロアルキルオキシ、置換されていないかもしくは置換されたC6~C24-アリールおよび置換されていないかもしくは置換されたC6~C24-アリールオキシを表す。
【0081】
「脂肪族基」という用語は、非環式の飽和もしくは不飽和の、直鎖状もしくは分岐状の炭化水素基を指す。通常、脂肪族基は1~100個の炭素原子を有する。脂肪族基の例は、アルキル、アルケニルおよびアルキニルである。
【0082】
「脂環式基」という用語は、通常3~20個の環炭素原子を有する環式、非芳香族飽和もしくは不飽和の炭化水素基を指す。例は、シクロアルカン、シクロアルケン、およびシクロアルキンである。脂環式基はまた、N、O、SおよびSO2から選択されるヘテロ原子またはヘテロ原子基を含んでいてもよい。
【0083】
本明細書およびアルコキシ、アルキルチオ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニルなどのアルキル部分で使用される「アルキル」という用語は、通常1~100個(「C1~C100-アルキル」)、1~30個(「C1~C30-アルキル」)、1~18個(「C1~C18-アルキル」)、1~12個(「C1~C12-アルキル」)、1~8個(「C1~C8-アルキル」)または1~6個(「C1~C6-アルキル」)の炭素原子を有する飽和直鎖状もしくは分岐状の炭化水素基を指す。アルキルは、好ましくはC1~C30アルキル、より好ましくはC1~C20アルキルである。アルキル基の例は、特にメチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、n-ペンチル、1-メチルブチル、1-エチルプロピル、ネオペンチル、n-ヘキシル、1-メチルペンチル、2-メチルペンチル、1-エチルブチル、2-エチルブチル、n-ヘプチル、1-メチルヘキシル、2-メチルヘキシル、1-エチルペンチル、1-プロピルブチル、2-エチルペンチル、n-オクチル、1-メチルヘプチル、2-メチルヘプチル、1-エチルヘキシル、2-エチルヘキシル、1-プロピルペンチル、2-プロピルペンチル、n-ノニル、1-メチルオクチル、2-メチルオクチル、1-エチルヘプチル、2-エチルヘプチル、1-プロピルヘキシル、2-プロピルヘキシル、1-ブチルペンチル、n-デシル、2-メチルデシル、1-メチルノニル、2-メチルノニル、1-エチルオクチル、2-エチルオクチル、1-プロピルヘプチル、2-プロピルヘプチル、1-ブチルヘキシル、2-ブチルヘキシル、n-ウンデシル、2-エチルノニル、1-プロピルオクチル、2-プロピルオクチル、1-ブチルヘプチル、2-ブチルヘプチル、1-ペンチルヘキシル、n-ドデシル、2-エチルデシル、2-プロピルノニル、1-ブチルオクチル、2-ブチルオクチル、1-ペンチルヘプチル、2-ペンチルヘプチル、2-プロピルデシル、n-トリデシル、1-ペンチルオクチル、2-ペンチルオクチル、1-ヘキシルヘプチル、2-ブチルノニル、n-テトラデシル、1-ヘキシルオクチル、2-ヘキシルオクチル、2-ペンチルノニル、2-ヘキシルノニル、2-ペンチルデシル、2-ブチルデシル、n-ヘキサデシル、1-ヘプチルオクチル、2-ヘプチルノニル、2-ヘキシルデシル、2-ヘプチルデシル、n-オクタデシル、2-オクチルデシル、n-エイコシル、2-ノニルウンデシル、2-オクチルウンデシル、2-ヘプチルウンデシル、2-ヘキシルウンデシル、2-ペンチルウンデシル、2-ブチルウンデシル、2-プロピルウンデシル、2-エチルウンデシル、2-メチルウンデシル、2-デシルドデシル、2-ノニルドデシル、2-オクチルドデシル、2-ヘプチルドデシル、2-ヘキシルドデシル、2-ペンチルドデシル、2-ブチルドデシル、2-プロピルドデシル、2-エチルドデシル、2-メチルドデシル、2-ウンデシルトリデシル、2-デシルトリデシル、2-ノニルトリデシル、2-オクチルトリデシル、2-ヘプチルトリデシル、2-ヘキシルトリデシル、2-ペンチルトリデシル、2-ブチルトリデシル、2-プロピルトリデシル、2-エチルトリデシル、2-メチルトリデシル、2-ウンデシルテトラデシル、2-デシルテトラデシル、2-ノニルテトラデシル、2-オクチルテトラデシル、2-ヘプチルテトラデシル、2-ヘキシルテトラデシル、2-ペンチルテトラデシル、2-ブチルテトラデシル、2-プロピルテトラデシル、2-エチルテトラデシル、2-メチルテトラデシル、2-テトラデシルヘキサデシル、2-トリデシルヘキサデシル、2-ドデシルヘキサデシル、2-ウンデシルヘキサデシル、2-デシルヘキサデシル、2-ノニルヘキサデシル、2-オクチルヘキサデシル、2-ヘプチルヘキサデシル、2-ヘキシルヘキサデシル、2-ペンチルヘキサデシル、2-ブチルヘキサデシル、2-プロピルヘキサデシル、2-エチルヘキサデシル、2-メチルヘキサデシル、2-ドデシルオクタデシル、2-ウンデシルオクタデシル、2-デシルオクタデシル、2-ノニルオクタデシル、2-オクチルオクタデシル、2-ヘプチルオクタデシル、2-ヘキシルオクタデシル、2-ペンチルオクタデシル、2-ブチルオクタデシル、2-プロピルオクタデシル、2-エチルオクタデシル、2-メチルオクタデシル、2-デシルエイコサニル、2-ノニルエイコサニル、2-オクチルエイコサニル、2-ヘプチルエイコサニル、2-ヘキシルエイコサニル、2-ペンチルエイコサニル、2-ブチルエイコサニル、2-プロピルエイコサニル、2-エチルエイコサニル、2-メチルエイコサニル、2-オクタデシルドコサニル、2-ヘプタデシルドコサニル、2-ヘキサデシルドコサニル、2-ペンタデシルドコサニル、2-テトラデシルドコサニル、2-トリデシルドコサニル、2-ウンデシルドコサニル、2-デシルドコサニル、2-ノニルドコサニル、2-オクチルドコサニル、2-ヘプチルドコサニル、2-ヘキシルドコサニル、2-ペンチルドコサニル、2-ブチルドコサニル、2-プロピルドコサニル、2-エチルドコサニル、2-メチルドコサニル、2-ドコサニルテトラコサニル、2-ヘキサデシルテトラコサニル、2-ペンタデシルテトラコサニル、2-ペンタデシルテトラコサニル、2-テトラデシルテトラコサニル、2-トリデシルテトラコサニル、2-ドデシルテトラコサニル、2-ウンデシルテトラコサニル、2-デシルテトラコサニル、2-ノニルテトラコサニル、2-オクチルテトラコサニル、2-ヘプチルテトラコサニル、2-ヘキシルテトラコサニル、2-ペンチルテトラコサニル、2-ブチルテトラコサニル、2-プロピルテトラコサニル、2-エチルテトラコサニル、2-メチルテトラコサニル、2-ドデシルオクタコサニル、2-ウンデシルオクタコサニル、2-デシルオクタコサニル、2-ノニルオクタコサニル、2-オクチルオクタコサニル、2-ヘプチルオクタコサニル、2-ヘキシルオクタコサニル、2-ペンチルオクタコサニル、2-ブチルオクタコサニル、2-プロピルオクタコサニル、2-エチルオクタコサニルおよび2-メチルオクタコサニルである。
【0084】
置換されたアルキル基は、アルキル鎖の長さに応じて、1個以上(例えば1、2、3、4、5または6個以上)の置換基を有する。これらは、好ましくは、それぞれ互いに独立して、置換されていないかもしくは置換されたシクロアルキル、置換されていないかもしくは置換されたシクロアルキルオキシ、置換されていないかもしくは置換されたシクロアルキルチオ、置換されていないかもしくは置換されたヘテロシクロアルキル、置換されていないかもしくは置換されたアリール、置換されていないかもしくは置換されたアリールオキシ、置換されていないかもしくは置換されたアリールチオ、置換されていないかもしくは置換されたヘタリール、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、ヒドロキシル、メルカプト、置換されていないかもしくは置換されたアルコキシ、置換されていないかもしくは置換されたポリアルキレンオキシ、置換されていないかもしくは置換されたアルキルチオ、置換されていないかもしくは置換されたシクロアルキルオキシ、置換されていないかもしくは置換されたアリールオキシ、置換されていないかもしくは置換されたアリールチオ、シアノ、ニトロ、置換されていないかもしくは置換されたアルキルカルボニルオキシ、ホルミル、アシル、COOH、カルボキシレート、-COORAr1、NE1E2、-NRAr1CORAr2、-CONRAr1RAr2、-SO2NRAr1RAr2および-SO3RAr2(ここで、E1およびE2は、水素、置換されていないかもしくは置換されたC1~C18-アルキル、置換されていないかもしくは置換されたC2~C18-アルケニル、置換されていないかもしくは置換されたC2~C18-アルキニル、置換されていないかもしくは置換されたC3~C20-シクロアルキルまたは置換されていないかもしくは置換されたC6~C10-アリールであり、RAr1およびRAr2は、互いに独立して、水素、置換されていないかもしくは置換されたC1~C18-アルキル、置換されていないかもしくは置換されたC3~C20-シクロアルキル、置換されていないかもしくは置換されたヘテロシクリル、置換されていないかもしくは置換されたC6~C20-アリールまたは置換されていないかもしくは置換されたヘテロアリールである)から選択される。特に、置換されたアルキル基は、置換されていないかもしくは置換されたシクロアルキル、置換されていないかもしくは置換されたアリール、フッ素、塩素、臭素、ヒドロキシル、アルコキシ、ポリアルキレンオキシ、メルカプト、アルキルチオ、シアノ、ニトロ、NE1E2、-NRAr1CORAr2、-CONRAr1RAr2、-SO2NRAr1RAr2および-SO3RAr2(ここで、E1およびE2は、互いに独立して、水素、置換されていないかもしくは置換されたC1~C18-アルキル、置換されていないかもしくは置換されたC2~C18-アルケニル、置換されていないかもしくは置換されたC2~C18-アルキニル、置換されていないかもしくは置換されたC3~C20-シクロアルキルまたは置換されていないかもしくは置換されたC6~C10-アリールであり、RAr1およびRAr2は、それぞれ互いに独立して、水素、置換されていないかもしくは置換されたC1~C18-アルキル、置換されていないかもしくは置換されたC3~C20-シクロアルキル、置換されていないかもしくは置換されたヘテロシクリル、置換されていないかもしくは置換されたC6~C20-アリールまたは置換されていないかもしくは置換されたヘテロアリールである)から選択される1個以上、例えば1、2または3個の置換基を有する。
【0085】
置換されたアルキル基の特定の実施形態は、1個の水素原子がアリール基(「アラルキル」、以下ではアリールアルキルまたはアリールアルキレンとも呼ばれる)、特にフェニル基で置き換えられているアルキル基である。アリール基はまた、置換されていなくても置換されていてもよく、適切な置換基は、アリールについての以下に述べられる置換基である。アリール-C1~C4-アルキルの特定の例には、ベンジル、1-フェネチル、2-フェネチル、1-フェニルプロピル、2-フェニルプロピル、3-フェニル-1-プロピル、2-フェニル-2-プロピル、ナフチルメチル、ナフチルエチルなどが含まれる。
【0086】
置換されたアルキル基の更なる特別な実施形態は、これらの基における水素原子の一部または全部が上記で述べられるハロゲン原子で置き換えられていてもよいアルキル基、例えばC1~C4-ハロアルキルである。
【0087】
本明細書で使用される「アルケニル」という用語は、通常2~100個(「C2~C100-アルケニル」)、2~18個(「C2~C18-アルケニル」)、2~10個(「C2~C10-アルケニル」)、2~8個(「C2~C8-アルケニル」)、または2~6個(「C2~C6-アルケニル」)の炭素原子および1個以上、例えば2または3個の二重結合を任意の位置に有する直鎖状もしくは分岐状の炭化水素基を指す。置換されたアルケニル基は、アルケニル鎖の長さに応じて、1個以上(例えば1、2、3、4、5または6個以上)の置換基を有する。これらは、好ましくは、それぞれ互いに独立して、置換されていないかもしくは置換されたシクロアルキル、置換されていないかもしくは置換されたシクロアルキルオキシ、置換されていないかもしくは置換されたシクロアルキルチオ、置換されていないかもしくは置換されたヘテロシクロアルキル、置換されていないかもしくは置換されたアリール、置換されていないかもしくは置換されたアリールオキシ、置換されていないかもしくは置換されたアリールチオ、置換されていないかもしくは置換されたヘタリール、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、ヒドロキシル、メルカプト、置換されていないかもしくは置換されたアルコキシ、置換されていないかもしくは置換されたポリアルキレンオキシ、置換されていないかもしくは置換されたアルキルチオ、置換されていないかもしくは置換されたシクロアルキルオキシ、置換されていないかもしくは置換されたアリールオキシ、置換されていないかもしくは置換されたアリールチオ、シアノ、ニトロ、置換されていないかもしくは置換されたアルキルカルボニルオキシ、ホルミル、アシル、COOH、カルボキシレート、-COORAr1、NE1E2、-NRAr1CORAr2、-CONRAr1RAr2、-SO2NRAr1RAr2および-SO3RAr2(ここで、E1およびE2は、水素、置換されていないかもしくは置換されたC1~C18-アルキル、置換されていないかもしくは置換されたC2~C18-アルケニル、置換されていないかもしくは置換されたC2~C18-アルキニル、置換されていないかもしくは置換されたC3~C20-シクロアルキルまたは置換されていないかもしくは置換されたC6~C10-アリールであり、RAr1およびRAr2は、互いに独立して、水素、置換されていないかもしくは置換されたC1~C18-アルキル、置換されていないかもしくは置換されたC3~C20-シクロアルキル、置換されていないかもしくは置換されたヘテロシクリル、置換されていないかもしくは置換されたC6~C20-アリールまたは置換されていないかもしくは置換されたヘテロアリールである)から選択される。特に、置換されたアルケニル基は、置換されていないかもしくは置換されたシクロアルキル、置換されていないかもしくは置換されたアリール、フッ素、塩素、臭素、ヒドロキシル、アルコキシ、ポリアルキレンオキシ、メルカプト、アルキルチオ、シアノ、ニトロ、NE1E2、-NRAr1CORAr2、-CONRAr1RAr2、-SO2NRAr1RAr2および-SO3RAr2(ここで、E1およびE2は、互いに独立して、水素、置換されていないかもしくは置換されたC1~C18-アルキル、置換されていないかもしくは置換されたC2~C18-アルケニル、置換されていないかもしくは置換されたC2~C18-アルキニル、置換されていないかもしくは置換されたC3~C20-シクロアルキルまたは置換されていないかもしくは置換されたC6~C10-アリールであり、RAr1およびRAr2は、それぞれ互いに独立して、水素、置換されていないかもしくは置換されたC1~C18-アルキル、置換されていないかもしくは置換されたC3~C20-シクロアルキル、置換されていないかもしくは置換されたヘテロシクリル、置換されていないかもしくは置換されたC6~C20-アリールまたは置換されていないかもしくは置換されたヘテロアリールである)から選択される1個以上、例えば1、2または3個の置換基を有する。
【0088】
本明細書で使用される「アルキニル」(その炭素鎖が1個以上の三重結合を含み得るアルキルとも呼ばれる)という用語は、通常2~100個(「C2~C100-アルキニル」)、2~18個(「C2~C18-アルキニル」)、2~10個(「C2~C10-アルキニル」)、2~8個(「C2~C8-アルキニル」)、または2~6個(「C2~C6-アルキニル」)の炭素原子および1個以上、例えば2または3個の三重結合を任意の位置に有する直鎖状もしくは分岐状の炭化水素基を指す。置換されたアルキニル基は、アルキニル鎖の長さに応じて、1個以上(例えば1、2、3、4、5または6個以上)の置換基を有する。これらは、好ましくは、それぞれ互いに独立して、置換されていないかもしくは置換されたシクロアルキル、置換されていないかもしくは置換されたシクロアルキルオキシ、置換されていないかもしくは置換されたシクロアルキルチオ、置換されていないかもしくは置換されたヘテロシクロアルキル、置換されていないかもしくは置換されたアリール、置換されていないかもしくは置換されたアリールオキシ、置換されていないかもしくは置換されたアリールチオ、置換されていないかもしくは置換されたヘタリール、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、ヒドロキシル、メルカプト、置換されていないかもしくは置換されたアルコキシ、置換されていないかもしくは置換されたポリアルキレンオキシ、置換されていないかもしくは置換されたアルキルチオ、置換されていないかもしくは置換されたシクロアルキルオキシ、置換されていないかもしくは置換されたアリールオキシ、置換されていないかもしくは置換されたアリールチオ、シアノ、ニトロ、アルキルカルボニルオキシ、ホルミル、アシル、COOH、カルボキシレート、-COORAr1、NE1E2、-NRAr1CORAr2、-CONRAr1RAr2、-SO2NRAr1RAr2および-SO3RAr2(ここで、E1およびE2は、水素、置換されていないかもしくは置換されたC1~C18-アルキル、置換されていないかもしくは置換されたC2~C18-アルケニル、置換されていないかもしくは置換されたC2~C18-アルキニル、置換されていないかもしくは置換されたC3~C20-シクロアルキルまたは置換されていないかもしくは置換されたC6~C10-アリールであり、RAr1およびRAr2は、互いに独立して、水素、置換されていないかもしくは置換されたC1~C18-アルキル、置換されていないかもしくは置換されたC3~C20-シクロアルキル、置換されていないかもしくは置換されたヘテロシクリル、置換されていないかもしくは置換されたC6~C20-アリールまたは置換されていないかもしくは置換されたヘテロアリールである)から選択される。特に、置換されたアルキニル基は、置換されていないかもしくは置換されたシクロアルキル、置換されていないかもしくは置換されたアリール、フッ素、塩素、臭素、ヒドロキシル、アルコキシ、ポリアルキレンオキシ、メルカプト、アルキルチオ、シアノ、ニトロ、NE1E2、-NRAr1CORAr2、-CONRAr1RAr2、-SO2NRAr1RAr2および-SO3RAr2(ここで、E1およびE2は、互いに独立して、水素、置換されていないかもしくは置換されたC1~C18-アルキル、置換されていないかもしくは置換されたC2~C18-アルケニル、置換されていないかもしくは置換されたC2~C18-アルキニル、置換されていないかもしくは置換されたC3~C20-シクロアルキルまたは置換されていないかもしくは置換されたC6~C10-アリールであり、RAr1およびRAr2は、それぞれ互いに独立して、水素、置換されていないかもしくは置換されたC1~C18-アルキル、置換されていないかもしくは置換されたC3~C20-シクロアルキル、置換されていないかもしくは置換されたヘテロシクリル、置換されていないかもしくは置換されたC6~C20-アリールまたは置換されていないかもしくは置換されたヘテロアリールである)から選択される1個以上、例えば1、2または3個の置換基を有する。
【0089】
本明細書で使用される「アルコキシ」という用語は、酸素原子を介して結合されたアルキル基を指し、すなわち「アルコキシ」基は-O-アルキルとして表すことができ、ここで、アルキルは上記で定義した通りである。C1~C2-アルコキシは、メトキシまたはエトキシである。C1~C4-アルコキシは、例えば、メトキシ、エトキシ、n-プロポキシ、1-メチルエトキシ(イソプロポキシ)、ブトキシ、1-メチルプロポキシ(sec-ブトキシ)、2-メチルプロポキシ(イソブトキシ)または1,1-ジメチルエトキシ(tert-ブトキシ)である。
【0090】
したがって、本明細書で使用される「置換されていないかもしくは置換されたアルコキシ」という用語は-O-アルキルを指し、ここで、アルキルは置換されていないかもしくは上記で定義した通り置換されている。
【0091】
本明細書で使用される「ポリオキシアルキレン」という用語は、酸素原子を介して分子の残りの部分に結合されたアルキル基を指し、ここで、アルキルは1個以上の隣接していない酸素原子によって中断されており、アルキルは上記で定義した通りである。
【0092】
したがって、本明細書で使用される「置換されていないかもしくは置換されたポリアルキレンオキシ」という用語は-O-アルキルを指し、ここで、アルキルは1個以上の隣接していない酸素原子によって中断されており、アルキルは置換されていないかもしくは上記で定義した通り置換されている。
【0093】
本明細書で使用される「アルキルチオ」という用語は、硫黄原子を介して結合されたアルキル基を指し、すなわち「アルキルチオ」基は-S-アルキルとして表すことができ、ここで、アルキルは上記で定義した通りである。C1~C2-アルキルチオは、メチルチオまたはエチルチオである。C1~C4-アルキルチオは、例えば、メチルチオ、エチルチオ、n-プロピルチオ、1-メチルエチルチオ(イソプロピルチオ)、ブチルチオ、1-メチルプロピルチオ(sec-ブチルチオ)、2-メチルプロピルチオ(イソブチルチオ)または1,1-ジメチルエチルチオ(tert-ブチルチオ)である。
【0094】
したがって、本明細書で使用される「置換されていないかもしくは置換されたアルキルチオ」という用語は-S-アルキルを指し、ここで、アルキルは置換されていないかもしくは上記で定義した通り置換されている。
【0095】
本明細書で使用される「シクロアルキル」という用語は、3~24個(「C3~C24-シクロアルキル」)、3~20個(「C3~C20-シクロアルキル」)の原子、好ましくは3~8個(「C3~C8-シクロアルキル」)または3~6個(「C3~C6-シクロアルキル」)の炭素原子を有する単環式または二環式または多環式の飽和炭化水素基を指す。3~6個の炭素原子を有する単環式基の例には、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチルおよびシクロヘキシルが含まれる。3~8個の炭素原子を有する単環式基の例には、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチルおよびシクロオクチルが含まれる。7~12個の炭素原子を有する二環式基の例には、ビシクロ[2.2.1]ヘプチル、ビシクロ[3.1.1]ヘプチル、ビシクロ[2.2.2]オクチル、ビシクロ[3.3.0]オクチル、ビシクロ[3.2.1]オクチル、ビシクロ[3.3.1]ノニル、ビシクロ[4.2.1]ノニル、ビシクロ[4.3.1]デシル、ビシクロ[3.3.2]デシル、ビシクロ[4.4.0]デシル、ビシクロ[4.2.2]デシル、ビシクロ[4.3.2]ウンデシル、ビシクロ[3.3.3]ウンデシル、ビシクロ[4.3.3]ドデシル、およびペルヒドロナフチルが含まれる。多環式環の例は、ペルヒドロアントラシル、ペルヒドロフルオレニル、ペルヒドロクリセニル、ペルヒドロピセニル、およびアダマンチルである。
【0096】
置換されたシクロアルキル基は、環サイズに応じて、1個以上(例えば1、2、3、4、5または6個以上)の置換基を有する。これらは、好ましくは、それぞれ互いに独立して、置換されていないかもしくは置換されたアルキル、置換されていないかもしくは置換されたアルケニル、置換されていないかもしくは置換されたアルキニル、置換されていないかもしくは置換されたシクロアルキル、置換されていないかもしくは置換されたシクロアルキルオキシ、置換されていないかもしくは置換されたシクロアルキルチオ、置換されていないかもしくは置換されたヘテロシクロアルキル、置換されていないかもしくは置換されたアリール、置換されていないかもしくは置換されたアリールオキシ、置換されていないかもしくは置換されたアリールチオ、置換されていないかもしくは置換されたヘタリール、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、ヒドロキシル、メルカプト、置換されていないかもしくは置換されたアルコキシ、置換されていないかもしくは置換されたポリアルキレンオキシ、置換されていないかもしくは置換されたアルキルチオ、置換されていないかもしくは置換されたシクロアルキルオキシ、置換されていないかもしくは置換されたアリールオキシ、置換されていないかもしくは置換されたアリールチオ、シアノ、ニトロ、置換されていないかもしくは置換されたアルキルカルボニルオキシ、ホルミル、アシル、COOH、カルボキシレート、-COORAr1、-NE1E2、-NRAr1CORAr2、-CONRAr1RAr2、-SO2NRAr1RAr2および-SO3RAr2(ここで、E1およびE2は、水素、置換されていないかもしくは置換されたC1~C18-アルキル、置換されていないかもしくは置換されたC2~C18-アルケニル、置換されていないかもしくは置換されたC2~C18-アルキニル、置換されていないかもしくは置換されたC3~C20-シクロアルキルまたは置換されていないかもしくは置換されたC6~C10-アリールであり、RAr1およびRAr2は、互いに独立して、水素、置換されていないかもしくは置換されたC1~C18-アルキル、置換されていないかもしくは置換されたC3~C20-シクロアルキル、置換されていないかもしくは置換されたヘテロシクリル、置換されていないかもしくは置換されたC6~C20-アリールまたは置換されていないかもしくは置換されたヘテロアリールである)から選択される。特に、置換されたシクロアルキル基は、置換されていないかもしくは置換されたアルキル、置換されていないかもしくは置換されたシクロアルキル、置換されていないかもしくは置換されたアリール、フッ素、塩素、臭素、ヒドロキシル、アルコキシ、ポリアルキレンオキシ、メルカプト、アルキルチオ、シアノ、ニトロ、NE1E2、-NRAr1CORAr2、-CONRAr1RAr2、-SO2NRAr1RAr2および-SO3RAr2(ここで、E1およびE2は、互いに独立して、水素、置換されていないかもしくは置換されたC1~C18-アルキル、置換されていないかもしくは置換されたC2~C18-アルケニル、置換されていないかもしくは置換されたC2~C18-アルキニル、置換されていないかもしくは置換されたC3~C20-シクロアルキルまたは置換されていないかもしくは置換されたC6~C10-アリールであり、RAr1およびRAr2は、それぞれ互いに独立して、水素、置換されていないかもしくは置換されたC1~C18-アルキル、置換されていないかもしくは置換されたC3~C20-シクロアルキル、置換されていないかもしくは置換されたヘテロシクリル、置換されていないかもしくは置換されたC6~C20-アリールまたは置換されていないかもしくは置換されたヘテロアリールである)から選択される1個以上、例えば1、2または3個の置換基を有する。
【0097】
本明細書で使用される「シクロアルキルオキシ」という用語は、酸素原子を介して結合されたシクロアルキル基を指し、すなわち「シクロアルキルオキシ」基は-O-シクロアルキルとして表すことができ、ここで、シクロアルキルは上記で定義した通りである。
【0098】
したがって、本明細書で使用される「置換されていないかもしくは置換されたシクロアルキルオキシ」という用語は-O-シクロアルキルを指し、ここで、シクロアルキルは置換されていないかもしくは上記で定義した通り置換されている。
【0099】
本明細書で使用される「シクロアルキルチオ」という用語は、硫黄原子を介して結合されたシクロアルキル基を指し、すなわち「シクロアルキルチオ」基は-S-シクロアルキルとして表すことができ、ここで、シクロアルキルは上記で定義した通りである。
【0100】
したがって、本明細書で使用される「置換されていないかもしくは置換されたシクロアルキルチオ」という用語は-S-シクロアルキルを指し、ここで、シクロアルキルは置換されていないかもしくは上記で定義した通り置換されている。
【0101】
ヘテロシクロアルキルという用語は、環員としての炭素原子の他に、環員としてのO、N、NRcc、S、SOおよびS(O)2から選択される1、2、3または4個のヘテロ原子もしくはヘテロ原子含有基を含む、一般的に5~8個の環員、好ましくは5または6個の環員を有する非芳香族、部分不飽和または完全飽和の複素環を指し、ここで、Rccは、水素、C1~C20-アルキル、C3~C24-シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、C6~C24-アリールまたはヘテロアリールである。ヘテロシクロアルキル基の例は、特にピロリジニル、ピペリジニル、イミダゾリジニル、ピラゾリジニル、オキサゾリジニル、モルホリニル、チアゾリジニル、イソチアゾリジニル、イソオキサゾリジニル、ピペラジニル、テトラヒドロチオフェニル、ジヒドロチエン-2-イル、テトラヒドロフラニル、ジヒドロフラン-2-イル、テトラヒドロピラニル、2-オキサゾリニル、3-オキサゾリニル、4-オキサゾリニルおよびジオキサニルである。
【0102】
置換されたヘテロシクロアルキル基は、環サイズに応じて、1個以上(例えば1、2、3、4、5または6個以上)の置換基を有する。これらは、好ましくは、それぞれ互いに独立して、置換されていないかもしくは置換されたアルキル、置換されていないかもしくは置換されたアルケニル、置換されていないかもしくは置換されたアルキニル、置換されていないかもしくは置換されたシクロアルキル、置換されていないかもしくは置換されたシクロアルキルオキシ、置換されていないかもしくは置換されたシクロアルキルチオ、置換されていないかもしくは置換されたヘテロシクロアルキル、置換されていないかもしくは置換されたアリール、置換されていないかもしくは置換されたアリールオキシ、置換されていないかもしくは置換されたアリールチオ、置換されていないかもしくは置換されたヘタリール、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、ヒドロキシル、メルカプト、置換されていないかもしくは置換されたアルコキシ、置換されていないかもしくは置換されたポリアルキレンオキシ、置換されていないかもしくは置換されたアルキルチオ、置換されていないかもしくは置換されたシクロアルキルオキシ、置換されていないかもしくは置換されたアリールオキシ、置換されていないかもしくは置換されたアリールチオ、シアノ、ニトロ、置換されていないかもしくは置換されたアルキルカルボニルオキシ、ホルミル、アシル、COOH、カルボキシレート、-COORAr1、-NE1E2、-NRAr1CORAr2、-CONRAr1RAr2、-SO2NRAr1RAr2および-SO3RAr2(ここで、E1およびE2は、水素、置換されていないかもしくは置換されたC1~C18-アルキル、置換されていないかもしくは置換されたC2~C18-アルケニル、置換されていないかもしくは置換されたC2~C18-アルキニル、置換されていないかもしくは置換されたC3~C20-シクロアルキルまたは置換されていないかもしくは置換されたC6~C10-アリールであり、RAr1およびRAr2は、互いに独立して、水素、置換されていないかもしくは置換されたC1~C18-アルキル、置換されていないかもしくは置換されたC3~C20-シクロアルキル、置換されていないかもしくは置換されたヘテロシクリル、置換されていないかもしくは置換されたC6~C20-アリールまたは置換されていないかもしくは置換されたヘテロアリールである)から選択される。特に、置換されたヘテロシクロアルキル基は、置換されていないかもしくは置換されたアルキル、置換されていないかもしくは置換されたシクロアルキル、置換されていないかもしくは置換されたアリール、フッ素、塩素、臭素、ヒドロキシル、アルコキシ、ポリアルキレンオキシ、メルカプト、アルキルチオ、シアノ、ニトロ、NE1E2、-NRAr1CORAr2、-CONRAr1RAr2、-SO2NRAr1RAr2および-SO3RAr2(ここで、E1およびE2は、互いに独立して、水素、置換されていないかもしくは置換されたC1~C18-アルキル、置換されていないかもしくは置換されたC2~C18-アルケニル、置換されていないかもしくは置換されたC2~C18-アルキニル、置換されていないかもしくは置換されたC3~C20-シクロアルキルまたは置換されていないかもしくは置換されたC6~C10-アリールであり、RAr1およびRAr2は、それぞれ互いに独立して、水素、置換されていないかもしくは置換されたC1~C18-アルキル、置換されていないかもしくは置換されたC3~C20-シクロアルキル、置換されていないかもしくは置換されたヘテロシクリル、置換されていないかもしくは置換されたC6~C20-アリールまたは置換されていないかもしくは置換されたヘテロアリールである)から選択される1個以上、例えば1、2または3個の置換基を有する。
【0103】
本発明の文脈において、「アリール」という用語は、フェニル、または少なくとも1個の縮合されたフェニル環および通常9~24個の炭素原子の環員の総数を有する縮合された二環式、三環式もしくは多環式の芳香族基を指す。アリールがフェニルではない場合、この用語は、縮合環の場合、飽和形態(ペルヒドロ形態)、部分不飽和形態(例えばジヒドロ形態もしくはテトラヒドロ形態)または芳香族形態を含む。「アリール」という用語は、例えば、両方の環が芳香族である二環式芳香族基および一方の環のみが芳香族である二環式芳香族基を含む。二環式または三環式の芳香族炭素環の例には、ナフチル、1,2-ジヒドロナフチル、1,4-ジヒドロナフチル、1,2,3,4-テトラヒドロナフチル、インダニル、インデニル、アントラセニル、フルオレニルなどが含まれる。好ましくは、「アリール」という用語は、フェニルおよびナフチルを表す。
【0104】
置換されたアリールは、それらの環系の数と大きさに応じて、1個以上(例えば1、2、3、4、5または6個以上)の置換基を有することができる。これらは、好ましくは、それぞれ互いに独立して、置換されていないかもしくは置換されたアルキル、置換されていないかもしくは置換されたアルケニル、置換されていないかもしくは置換されたアルキニル、置換されていないかもしくは置換されたシクロアルキル、置換されていないかもしくは置換されたシクロアルキルオキシ、置換されていないかもしくは置換されたシクロアルキルチオ、置換されていないかもしくは置換されたヘテロシクロアルキル、置換されていないかもしくは置換されたアリール、置換されていないかもしくは置換されたアリールオキシ、置換されていないかもしくは置換されたアリールチオ、置換されていないかもしくは置換されたヘタリール、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、ヒドロキシル、メルカプト、置換されていないかもしくは置換されたアルコキシ、置換されていないかもしくは置換されたポリアルキレンオキシ、置換されていないかもしくは置換されたアルキルチオ、置換されていないかもしくは置換されたシクロアルキルオキシ、置換されていないかもしくは置換されたアリールオキシ、置換されていないかもしくは置換されたアリールチオ、シアノ、ニトロ、置換されていないかもしくは置換されたアルキルカルボニルオキシ、ホルミル、アシル、COOH、カルボキシレート、-COORAr1、-NE1E2、-NRAr1CORAr2、-CONRAr1RAr2、-SO2NRAr1RAr2および-SO3RAr2(ここで、E1およびE2は、水素、置換されていないかもしくは置換されたC1~C18-アルキル、置換されていないかもしくは置換されたC2~C18-アルケニル、置換されていないかもしくは置換されたC2~C18-アルキニル、置換されていないかもしくは置換されたC3~C20-シクロアルキルまたは置換されていないかもしくは置換されたC6~C10-アリールであり、RAr1およびRAr2は、互いに独立して、水素、置換されていないかもしくは置換されたC1~C18-アルキル、置換されていないかもしくは置換されたC3~C20-シクロアルキル、置換されていないかもしくは置換されたヘテロシクリル、置換されていないかもしくは置換されたC6~C20-アリールまたは置換されていないかもしくは置換されたヘテロアリールである)から選択される。特に、置換されたアリール基は、置換されていないかもしくは置換されたアルキル、置換されていないかもしくは置換されたシクロアルキル、置換されていないかもしくは置換されたアリール、フッ素、塩素、臭素、ヒドロキシル、アルコキシ、ポリアルキレンオキシ、メルカプト、アルキルチオ、シアノ、ニトロ、NE1E2、-NRAr1CORAr2、-CONRAr1RAr2、-SO2NRAr1RAr2および-SO3RAr2(ここで、E1およびE2は、互いに独立して、水素、置換されていないかもしくは置換されたC1~C18-アルキル、置換されていないかもしくは置換されたC2~C18-アルケニル、置換されていないかもしくは置換されたC2~C18-アルキニル、置換されていないかもしくは置換されたC3~C20-シクロアルキルまたは置換されていないかもしくは置換されたC6~C10-アリールであり、RAr1およびRAr2は、それぞれ互いに独立して、水素、置換されていないかもしくは置換されたC1~C18-アルキル、置換されていないかもしくは置換されたC3~C20-シクロアルキル、置換されていないかもしくは置換されたヘテロシクリル、置換されていないかもしくは置換されたC6~C20-アリールまたは置換されていないかもしくは置換されたヘテロアリールである)から選択される1個以上、例えば1、2または3個の置換基を有する。
【0105】
置換されたアリールは、好ましくは、少なくとも1個のアルキル基で置換されたアリール(「アルカリール」、以下ではアルキルアリールとも呼ばれる)である。アルカリール基は、芳香族環系の大きさに応じて、1個以上(例えば1、2、3、4、5、6、7、8、9または10個以上)のアルキル置換基を有することができる。アルキル置換基は、置換されていなくても置換されていてもよい。これに関して、置換されていないかもしくは置換されたアルキルに関する上記の記載が参照される。特別な実施形態はアルカリール基に関し、ここで、アルキルは置換されていない。アルカリールは、好ましくは、1、2、3、4または5個、好ましくは1、2または3個、より好ましくは1または2個のアルキル置換基を有するフェニルである。1個以上のアルキル基を有するアリールは、例えば、2-、3-および4-メチルフェニル、2,4-、2,5-、3,5-および2,6-ジメチルフェニル、2,4,6-トリメチルフェニル、2-、3-および4-エチルフェニル、2,4-、2,5-、3,5-および2,6-ジエチルフェニル、2,4,6-トリエチルフェニル、2-、3-および4-n-プロピルフェニル、2-、3-および4-イソプロピルフェニル、2,4-、2,5-、3,5-および2,6-ジ-n-プロピルフェニル、2,4,6-トリプロピルフェニル、2-,3-および4-イソプロピルフェニル、2,4-、2,5-、3,5-および2,6-ジイソプロピルフェニル、2,4,6-トリイソプロピルフェニル、2-、3-および4-ブチルフェニル、2,4-、2,5-、3,5-および2,6-ジブチルフェニル、2,4,6-トリブチルフェニル、2-、3-および4-イソブチルフェニル、2,4-、2,5-、3,5-および2,6-ジイソブチルフェニル、2,4,6-トリイソブチルフェニル、2-、3-および4-sec-ブチルフェニル、2,4-、2,5-、3,5-および2,6-ジ-sec-ブチルフェニル、2,4,6-トリ-sec-ブチルフェニル、2-、3-および4-tert-ブチルフェニル、2,4-、2,5-、3,5-および2,6-ジ-tert-ブチルフェニルおよび2,4,6-トリ-tert-ブチルフェニルである。
【0106】
C6~C24-アリールオキシ:酸素原子(-O-)を介して骨格に結合している、上記で定義されるC6~C24-アリール。フェノキシおよびナフチルオキシが好ましい。
【0107】
したがって、本明細書で使用される「置換されていないかもしくは置換されたアリールオキシ」という用語は-O-アリールを指し、ここで、アリールは置換されていないかもしくは上記で定義した通り置換されている。
【0108】
C6~C24-アリールチオ:硫黄原子(-S-)を介して骨格に結合している、上記で定義されるC6~C24-アリール。フェニルチオおよびナフチルチオが好ましい。
【0109】
したがって、本明細書で使用される「置換されていないかもしくは置換されたアリールチオ」という用語は-S-アリールを指し、ここで、アリールは置換されていないかもしくは上記で定義した通り置換されている。
【0110】
本発明の文脈において、「ヘタリール」(ヘテロアリールとも呼ばれる)という表現は、ヘテロ芳香族、単環式または多環式の基を含む。環炭素原子に加えて、これらは環員として1、2、3、4または5個以上のヘテロ原子を有する。ヘテロ原子は、好ましくは、酸素、窒素、セレンおよび硫黄から選択される。ヘタリール基は、好ましくは5~18個、例えば5、6、8、9、10、11、12、13または14個の環原子を有する。
【0111】
単環式ヘタリール基は、好ましくは5または6員のヘタリール基、例えば2-フリル(フラン-2-イル)、3-フリル(フラン-3-イル)、2-チエニル(チオフェン-2-イル)、3-チエニル(チオフェン-3-イル)、セレノフェン-2-イル、セレノフェン-3-イル、1H-ピロール-2-イル、1H-ピロール-3-イル、ピロール-1-イル、イミダゾール-2-イル、イミダゾール-1-イル、イミダゾール-4-イル、ピラゾール-1-イル、ピラゾール-3-イル、ピラゾール-4-イル、ピラゾール-5-イル、3-イソオキサゾリル、4-イソオキサゾリル、5-イソオキサゾリル、3-イソチアゾリル、4-イソチアゾリル、5-イソチアゾリル、2-オキサゾリル、4-オキサゾリル、5-オキサゾリル、2-チアゾリル、4-チアゾリル、5-チアゾリル、1,2,4-オキサジアゾール-3-イル、1,2,4-オキサジアゾール-5-イル、1,3,4-オキサジアゾール-2-イル、1,2,4-チアジアゾール-3-イル、1,2,4-チアジアゾール-5-イル、1,3,4-チアジアゾール-2-イル、4H-[1,2,4]-トリアゾール-3-イル、1,3,4-トリアゾール-2-イル、1,2,3-トリアゾール-1-イル、1,2,4-トリアゾール-1-イル、ピリジン-2-イル、ピリジン-3-イル、ピリジン-4-イル、3-ピリダジニル、4-ピリダジニル、2-ピリミジニル、4-ピリミジニル、5-ピリミジニル、2-ピラジニル、1,3,5-トリアジン-2-イルおよび1,2,4-トリアジン-3-イルである。
【0112】
多環式ヘタリール基は、2、3、4または5個以上の縮合環を有する。縮合環は、芳香族、飽和または部分不飽和であってもよい。多環式ヘタリール基の例は、キノリニル、イソキノリニル、インドリル、イソインドリル、インドリジニル、ベンゾフラニル、イソベンゾフラニル、ベンゾチオフェニル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾイソオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾオキサジアゾリル、ベンゾチアジアゾリル、ベンゾオキサジニル、ベンゾピラゾリル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾトリアゾリル、ベンゾトリアジニル、ベンゾセレノフェニル、チエノチオフェニル、チエノピリミジル、チアゾロチアゾリル、ジベンゾピロリル(カルバゾリル)、ジベンゾフラニル、ジベンゾチオフェニル、ナフト[2,3-b]チオフェニル、ナフタ[2,3-b]フリル、ジヒドロインドリル、ジヒドロインドリジニル、ジヒドロイソインドリル、ジヒドロキノリニルおよびジヒドロイソキノリニルである。
【0113】
置換されたヘタリール基は、それらの環系の数と大きさに応じて、1個以上(例えば1、2、3、4、5または6個以上)の置換基を有することができる。これらは、好ましくは、それぞれ互いに独立して、置換されていないかもしくは置換されたアルキル、置換されていないかもしくは置換されたアルケニル、置換されていないかもしくは置換されたアルキニル、置換されていないかもしくは置換されたシクロアルキル、置換されていないかもしくは置換されたシクロアルキルオキシ、置換されていないかもしくは置換されたシクロアルキルチオ、置換されていないかもしくは置換されたヘテロシクロアルキル、置換されていないかもしくは置換されたアリール、置換されていないかもしくは置換されたアリールオキシ、置換されていないかもしくは置換されたアリールチオ、置換されていないかもしくは置換されたヘタリール、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素、ヒドロキシル、メルカプト、置換されていないかもしくは置換されたアルコキシ、置換されていないかもしくは置換されたポリアルキレンオキシ、置換されていないかもしくは置換されたアルキルチオ、置換されていないかもしくは置換されたシクロアルキルオキシ、置換されていないかもしくは置換されたアリールオキシ、置換されていないかもしくは置換されたアリールチオ、シアノ、ニトロ、置換されていないかもしくは置換されたアルキルカルボニルオキシ、ホルミル、アシル、COOH、カルボキシレート、-COORAr1、-NE1E2、-NRAr1CORAr2、-CONRAr1RAr2、-SO2NRAr1RAr2および-SO3RAr2(ここで、E1およびE2は、水素、置換されていないかもしくは置換されたC1~C18-アルキル、置換されていないかもしくは置換されたC2~C18-アルケニル、置換されていないかもしくは置換されたC2~C18-アルキニル、置換されていないかもしくは置換されたC3~C20-シクロアルキルまたは置換されていないかもしくは置換されたC6~C10-アリールであり、RAr1およびRAr2は、互いに独立して、水素、置換されていないかもしくは置換されたC1~C18-アルキル、置換されていないかもしくは置換されたC3~C20-シクロアルキル、置換されていないかもしくは置換されたヘテロシクリル、置換されていないかもしくは置換されたC6~C20-アリールまたは置換されていないかもしくは置換されたヘテロアリールである)から選択される。特に、置換されたヘタリール基は、置換されていないかもしくは置換されたアルキル、置換されていないかもしくは置換されたシクロアルキル、置換されていないかもしくは置換されたアリール、フッ素、塩素、臭素、ヒドロキシル、アルコキシ、ポリアルキレンオキシ、メルカプト、アルキルチオ、シアノ、ニトロ、NE1E2、-NRAr1CORAr2、-CONRAr1RAr2、-SO2NRAr1RAr2および-SO3RAr2(ここで、E1、E2、RAr1およびRAr2は、上記で定義した通りである)から選択される1個以上、例えば1、2または3個の置換基を有する。
【0114】
縮合環系は、脂環式、脂肪族複素環式、芳香族および複素芳香族の環ならびにそれらの組合せ、縮合により結合されたヒドロ芳香族を含み得る。縮合環系は、2、3個以上(例えば4、5、6、7または8個)の環を含む。縮合環系における環の結合の仕方に応じて、オルト縮合(すなわち、各環が、隣接する各環と少なくとも1個のエッジまたは2個の原子を共有すること)と、炭素原子が3個以上の環に属するペリ縮合とで区別される。好ましい縮合環系はオルト縮合環系である。
【0115】
本発明の化合物の部分構造を示す式中に#または*が現れる場合、それは残りの分子における結合手を表す。
【0116】
本発明による式(I)の化合物を使用する目的で、可変部R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10、R11、R12、R13、R14、R15、R16、R17およびR18に関して以下に記載した補足が、それ自体でも、特に、互いに可能なあらゆる組合せでも有効である。
【0117】
式(I)の化合物において、R1およびR2は、同じまたは異なる意味を有していてもよい。
【0118】
好ましくは、R1およびR2は、互いに独立して、C1~C10-アルキル、C3~C8-シクロアルキルおよびC6~C10-アリールから選択され、ここで、上述の脂肪族、脂環式および芳香族基の炭素原子は任意に置換されていてもよい。
【0119】
より好ましくは、R1およびR2は、互いに独立して、
- 置換されていないC1~C10-アルキル;
- C6~C10-アリールで置換されているC1~C10-アルキルであって、このC6~C10-アリールもまた置換されていないかもしくは1、2または3個のC1~C10-アルキルで置換されている、C1~C10-アルキル;
- 置換されていないC3~C8-シクロアルキル;
- 1、2または3個のC1~C10-アルキルで置換されているC3~C8-シクロアルキル;
- 置換されていないC6~C10-アリール;
- 1、2または3個のC1~C10-アルキルで置換されているC6~C10-アリールから選択される。
【0120】
より好ましくは、R1およびR2は、互いに独立して、C1~C8-アルキル;C3~C8-シクロアルキル;1、2または3個のC1~C6-アルキル置換基を有するC3~C8-シクロアルキル;C6~C10-アリール;および1、2または3個のC1~C6-アルキル置換基を有するC6~C10-アリールから選択される。R1およびR2は、互いに独立して、典型的にはメチル、エチル、n-プロピル、n-ブチル、n-ペンチル、n-ヘキシル、n-ヘプチルまたはn-オクチル、イソプロピル、sec-ブチル、イソブチル、tert-ブチル、イソペンチル、2-ペンチル、tert-ペンチル、2-エチルヘキシル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、2-メチルシクロヘキシル、2,4-ジメチルシクロヘキシル、2,6-ジメチルシクロヘキシル、2-エチルシクロヘキシル、2,4-ジエチルシクロヘキシル、2,6-ジエチルシクロヘキシル、2-イソプロピルシクロヘキシル、2,4-ジイソプロピルシクロヘキシル、2,6-ジイソプロピルシクロヘキシル、フェニル、ナフチル、2-メチルフェニル、2,4-ジメチルフェニル、2,6-ジメチルフェニル、2-エチルフェニル、2,4-ジエチルフェニル、2,6-ジエチルフェニル、2-n-プロピルフェニル、2,4-ジ-n-プロピルフェニル、2,6-ジ-(n-プロピル)フェニル、2-イソプロピルフェニル、2,4-ジイソプロピルフェニルおよび2,6-ジイソプロピルフェニルから選択される。
【0121】
特により好ましい実施形態において、R1およびR2は、同じ意味を有し、1、2または3個のC1~C6-アルキル置換基、特にC1~C6-アルキル置換基を有するフェニルである。フェニルが2または3個のC1~C6-アルキル置換基を有する場合、アルキル置換基は、好ましくは同じ意味を有する。R1およびR2が同じ意味を有し、2個のC1~C6-アルキル置換基を有するフェニルである式(I)の化合物が特に好ましい。特に、R1およびR2は、同じ意味を有し、オルト,オルト’位に2個のC1~C6-アルキル置換基を有するフェニルである。
【0122】
好ましくは、基R3、R10、R11およびR18は、フェニル、または1、2、3、4もしくは5個の同一もしくは異なる置換基Lを有するフェニルである。好ましい置換基Lは、C1~C6-アルキル、C1~C6-アルコキシ-C1~C6-アルキルおよびC1~C6-アルコキシである。好ましくは、R3、R10、R11およびR18は、互いに独立して、フェニル、または1もしくは2個のC1~C6-アルキルで置換されているフェニルである。R3、R10、R11およびR18がそれぞれフェニルである式(I)の化合物が最も好ましい。
【0123】
R4、R5、R6、R7、R8、R9、R12、R13、R14、R15、R16およびR17は、互いに独立して、好ましくは水素、ハロゲン、C1~C18-アルキル、C6~C10-アリール、C6~C10-アリール-C1~C10-アルキレン、C6~C10-アリールオキシおよびC6~C10-アリールチオから選択され、ここで、C6~C10-アリール、C6~C10-アリール-C1~C10-アルキレン、C6~C10-アリールオキシおよびC6~C10-アリールチオのアリール部分は、置換されていないかもしくは1個以上、例えば1、2、3または4個のC1~C10-アルキルで置換されている。典型的には、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R12、R13、R14、R15、R16およびR17は、互いに独立して、水素、フッ素、塩素、臭素、メチル、エチル、プロピル、1-メチルエチル、ブチル、1-メチルプロピル、2-メチルプロピル、1,1-ジメチルエチル、ペンチル、1-メチルブチル、2-メチルブチル、3-メチルブチル、2,2-ジメチルプロピル、1-エチルプロピル、ヘキシル、1,1-ジメチルプロピル、1,2-ジメチルプロピル、1-メチルペンチル、2-メチルペンチル、3-メチルペンチル、4-メチルペンチル、1,1-ジメチルブチル、1,2-ジメチルブチル、1,3-ジメチルブチル、2,2-ジメチルブチル、2,3-ジメチルブチル、3,3-ジメチルブチル、1-エチルブチル、2-エチルブチル、1,1,2-トリメチルプロピル、1,2,2-トリメチルプロピル、1-エチル-1-メチルプロピル、1-エチル-2-メチルプロピル、ヘプチル、オクチル、2-エチルヘキシル、ノニル、デシル、フェニル、ナフチル、ベンジル、1-フェネチル、2-フェネチル、1-ナフチルメチル、2-ナフチルメチル、フェニルオキシ、ナフチルオキシ、フェニルチオ、ナフチルチオから選択され、ここで、最後に挙げた11個の基の芳香族部分は、置換されていないかもしくは1個以上のC1~C10-アルキルで置換されている。より好ましくは、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R12、R13、R14、R15、R16およびR17は、互いに独立して、水素、C1~C6-アルキルおよびフェニルから選択される。特に、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R12、R13、R14、R15、R16およびR17は、同じ意味を有し、それぞれ水素である。同様に特に、基R4、R5、R6のうちの2つは水素であり、基R4、R5、R6のうちの1つはフェニルであり;基R7、R8、R9のうちの2つは水素であり、基R7、R8、R9のうちの1つはフェニルであり;基R12、R13、R14のうちの2つは水素であり、基R12、R13、R14のうちの1つはフェニルであり;基R15、R16、R17のうちの2つは水素であり、基R15、R16、R17のうちの1つはフェニルである。同様に特に、基R4、R5、R6のうちの2つは水素であり、基R4、R5、R6のうちの1つはC1~C6-アルキルであり;基R7、R8、R9のうちの2つは水素であり、基R7、R8、R9のうちの1つはC1~C6-アルキルであり;基R12、R13、R14のうちの2つは水素であり;基R12、R13、R14のうちの1つはC1~C6-アルキルであり;基R15、R16、R17のうちの2つは水素であり;基R15、R16、R17のうちの1つはC1~C6-アルキルである。
【0124】
別の実施形態において、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R12、R13、R14、R15、R16およびR17は、互いに独立して、水素、ハロゲン、C1~C18-アルキル、C6~C10-アリール、C6~C10-アリール-C1~C10-アルキレン、C6~C10-アリールオキシおよびC6~C10-アリールチオから選択され、ここで、C6~C10-アリール、C6~C10-アリール-C1~C10-アルキレン、C6~C10-アリールオキシおよびC6~C10-アリールチオのアリール部分は、置換されていないかもしくは1個以上のC1~C10-アルキルで置換されており、またはR5とR6、R7とR8、R13とR14および/またはR15とR16は、それらが結合している炭素原子と一緒になって縮合ベンゼン環を形成し、ここで、縮合ベンゼン環は置換されていないかもしくは置換されている。R5とR6、R7とR8、R13とR14および/またはR15とR16が、それらが結合している炭素原子と一緒になって縮合ベンゼン環を形成する場合、ベンゼン環は、好ましくは置換されていない。
【0125】
特に好ましいのは、R1およびR2が同じ意味を有し、1、2または3個のC1~C6-アルキル置換基を有するフェニルである式(I)の化合物であり;R3、R10、R11、およびR18は、同じ意味を有し、置換されていないフェニル、または1もしくは2個のC1~C4-アルキルで置換されているフェニルであり;R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10、R11、R12、R13、R14、R15、R16、R17およびR18は、それぞれ水素である。特に、R3、R10、R11およびR18は、それぞれフェニルである。
【0126】
式(I)の化合物は、式(1)
【化12】
[式中、
Halは、各場合において臭素または各場合において塩素であり、
R
1およびR
2は、上記で定義した通りである]の適切な塩素化または臭素化ペリレンビスイミドを、式(2)の2-フェニルフェノール化合物および適切な場合には式(3)、(4)および/または(5)
【化13】
[式中、
mは、0、1、2、3、4または5であり、
Lは、上記で定義した通りであり、
R
4、R
5、R
6、R
7、R
8、R
9、R
12、R
13、R
14、R
15、R
16およびR
17は、上記で定義した通りである]のフェニルフェノール化合物と反応させることによって調製することができる。
【0127】
式(3)、(4)および/または(5)の2-フェニルビフェノールは、式(2)の2-フェニルフェノールについて定義した通りであってもよい(式(2)の1、2、3または4個の2-フェニルフェノールのみがハロゲン置換反応に使用される場合)。
【0128】
反応は、塩基の存在下で通常行われる。適切な塩基は、特に無機アルカリ金属またはアルカリ土類金属の塩基であり、アルカリ金属塩基が特に適している。無機塩基の例は、アルカリ金属およびアルカリ土類金属の炭酸塩および炭酸水素塩、水酸化物、水素化物およびアミドである。好ましい塩基は炭酸塩および炭酸水素塩であり、炭酸塩が特に好ましい。好ましいアルカリ金属は、リチウム、ナトリウム、カリウムおよびセシウムである。特に適切なアルカリ土類金属は、マグネシウムおよびカルシウムである。塩基混合物を使用することも可能であることが理解されよう。特に非常に好ましい塩基は、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムおよび炭酸セシウムである。
【0129】
反応は、極性の非プロトン性溶剤の存在下で通常行われる。適切な溶剤は、特に脂肪族カルボキサミド、好ましくはN,N-ジ-C1~C4-アルキル-C1~C4-カルボキサミド、ラクタム、例えばジメチルホルムアミド、ジエチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルブチルアミドおよびN-メチル-2-ピロリドン(NMP)、ニトリル、例えばアセトニトリルである。極性の非プロトン性溶剤の混合物を使用することも可能である。特に好ましいのはNMPである。
【0130】
反応温度は、通常、室温~溶剤の沸点の範囲内であり、好ましくは室温~160℃である。
【0131】
式(1)の化合物は、文献の方法に従って、例えば、式(6)
【化14】
[式中、
Halは、各場合において臭素または各場合において塩素である]の1,6,7,12-テトラクロロペリレンテトラカルボン酸二無水物または1,6,7,12-テトラブロモペリレンテトラカルボン酸二無水物から、式R
1-NH
2の第一級アミンおよび適切な場合には式R
2-NH
2の第一級アミン[式中、R
1およびR
2は、上記で定義した通りであり、R
2はR
1について定義した通りであってもよい(式R
1-NH
2の1個のアミンのみがイミド化に使用される場合)]との縮合によって調製することができる。イミド化反応は、例えばSupplementary Material (ESI) for Chemical CommunicationsをはじめとするBartholomew et al.著,Chem. Commun.,2008,6594-6596に記載されている通り、標準的な方法に従って行われる。1,6,7,12-テトラクロロペリレンテトラカルボン酸二無水物は市販されている。1,6,7,12-テトラブロモペリレンテトラカルボン酸二無水物は、Supplementary Material (ESI)をはじめとするBartholomew et al.著,Chem. Commun.,2008,6594-6596に記載されている通りに調製することができる。
【0132】
式(2)、(3)、(4)および(5)の化合物は市販されているかまたは文献の方法に従って製造することができる。
【0133】
上記で定義される式(I)の化合物またはそれらの混合物は、例えば色変換体における蛍光色素/着色剤として一連の最終用途に使用することができる。このように、6,000K~20,000KのCCTを有する白色LEDによって生成された光を、式(I)の化合物を含む色変換体に前記白色LEDによって生成された光を通すことによってより低いCCTを有する光(すなわちより温かい白色)に変換することが可能である。したがって、6,000K~20,000KのCCTを有する白色LEDによって生成された光を、6,000K未満、例えば2,000K~5,000Kまたは2,500K~4,000Kの範囲のCCTを有する光に変換することが可能である。同様に、420nm~480nmの発光の中心波長を有する青色LEDによって生成された光を、式(I)の化合物を含む色変換体に前記LEDによって生成された光を通すことによって、第二のより長い波長の光に変換することが可能である。
【0134】
したがって、第二の態様において、本発明は、上記で定義される蛍光色素/着色剤として式(I)の少なくとも1種の化合物またはそれらの混合物と、マトリックスとして少なくとも1種のポリマーとを含む色変換体を提供し、ここで、ポリマーは、ポリスチレン(PS)、ポリカーボネート(PC)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリビニルピロリドン、ポリメタクリレート、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニル、ポリブテン、シリコーン、ポリアクリレート、エポキシ樹脂、ポリビニルアルコール、ポリ(エチレンビニルアルコール)-コポリマー(EVA、EVOH)、ポリアクリロニトリル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ(スチレン)アクリロニトリル(SAN)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリビニルブチレート(PVB)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリアミド(PA)、ポリオキシメチレン、ポリイミド、ポリエーテルイミドおよびそれらの混合物から選択される。
【0135】
以下のポリマーが好ましい:ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、ポリビニルピロリドン、ポリメタクリレート、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニル、ポリブテン、シリコーン、ポリアクリレート、エポキシ樹脂、ポリビニルアルコール、ポリ(エチレンビニルアルコール)-コポリマー、ポリアクリロニトリル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ(スチレンアクリロニトリル)、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリビニルブチレート、ポリ塩化ビニル、ポリアミド、ポリオキシメチレン、ポリイミド、ポリエーテルイミドおよびそれらの混合物。
【0136】
特に、少なくとも1種のポリマーは、本質的にポリスチレン、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレートまたはそれらの混合物からなる。
【0137】
ポリスチレンは、本明細書において、とりわけ、スチレンおよび/またはスチレンの誘導体の重合から生じる全てのホモポリマーまたはコポリマーを意味すると理解される。スチレンの誘導体は、例えば、アルファ-メチルスチレン、オルト-、メタ-、パラ-メチルスチレン、パラ-ブチルスチレン、特にパラ-tert-ブチルスチレンなどのアルキルスチレン、パラ-メトキシスチレン、パラ-ブトキシスチレン、パラ-tert-ブトキシスチレンなどのアルコキシスチレンである。適切なポリスチレンは、一般的に10,000~1,000,000g/mol(GPCにより決定される)、好ましくは20,000~750,000g/mol、より好ましくは30,000~500,000g/molの平均モル重量Mnを有する。
【0138】
好ましい態様において、色変換体のマトリックスは、本質的にまたは完全にスチレンのホモポリマーまたはスチレン誘導体からなる。より具体的には、ポリマーはポリスチレンからなる。
【0139】
本発明の更なる好ましい実施形態において、マトリックスは、本質的にまたは完全にスチレンコポリマーからなり、それは本出願の文脈においてポリスチレンと見なされる。スチレンコポリマーは、更なる成分として、例えば、ブタジエン、アクリロニトリル、無水マレイン酸、ビニルカルバゾール、またはアクリル酸、メタクリル酸もしくはイタコン酸のエステルをモノマーとして含み得る。適切なスチレンコポリマーは、一般的に少なくとも20重量%のスチレン、好ましくは少なくとも40重量%、より好ましくは少なくとも60重量%のスチレンを含む。別の実施形態において、それらは少なくとも90重量%のスチレンを含む。
【0140】
好ましいスチレンコポリマーは、スチレン-アクリロニトリルコポリマー(SAN)およびアクリロニトリル-ブタジエン-スチレンコポリマー(ABS)、スチレン-1,1’-ジフェニルエテンコポリマー、アクリル酸エステル-スチレン-アクリロニトリルコポリマー(ASA)、メチルメタクリレート-アクリロニトリル-ブタジエン-スチレンコポリマー(MABS)である。更なる好ましいポリマーは、アルファ-メチルスチレン-アクリロニトリルコポリマー(AMSAN)である。スチレンホモポリマーまたはコポリマーは、例えば、フリーラジカル重合、カチオン重合、アニオン重合によって、または有機金属触媒(例えばチーグラー・ナッタ触媒)の影響下で調製することができる。これは、アイソタクチック、シンジオタクチックもしくはアタクチックなポリスチレンまたはコポリマーをもたらし得る。それらは、好ましくはフリーラジカル重合によって調製される。重合は、懸濁重合、乳化重合、溶液重合または塊状重合として行うことができる。適切なポリスチレンの調製は、例えば、Oscar Nuyken,Polystyrenes and Other Aromatic Polyvinyl Compounds,in Kricheldorf,Nuyken,Swift,New York 2005,p.73-150およびそこに引用されている参考文献;ならびにElias,Macromolecules,Weinheim 2007,p.269-275に記載されている。
【0141】
別の好ましい実施形態において、ポリマーはポリエチレンテレフタレートからなる。ポリエチレンテレフタレートは、エチレングリコールとテレフタル酸との縮合によって得られる。
【0142】
同様により具体的には、ポリマーは、ポリカーボネートからなる。ポリカーボネートは、炭酸と芳香族または脂肪族ジヒドロキシル化合物とのポリエステルである。好ましいジヒドロキシル化合物は、例えば、メチレンジフェニレンジヒドロキシル化合物、例えばビスフェノールAである。ポリカーボネートを調製する1つの手段は、界面重合における適切なジヒドロキシル化合物とホスゲンとの反応である。別の手段は、縮合重合におけるジフェニルカーボネートなどの炭酸のジエステルとの反応である。適切なポリカーボネートの調製は、例えばElias,Macromolecules,Weinheim 2007,p.343-347に記載されている。
【0143】
好ましい実施形態において、酸素を排除して重合したポリマーが使用される。好ましくは、重合中のモノマーは、合計で1000ppm以下、より好ましくは100ppm以下、特に好ましくは10ppm以下の酸素を含んでいた。
【0144】
適切なポリマーは、更なる構成成分として、難燃剤、酸化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、フリーラジカル捕捉剤、帯電防止剤などの添加剤を含んでいてもよい。この種類の安定剤は当業者に知られている。
【0145】
適切な酸化防止剤またはフリーラジカル捕捉剤は、例えばフェノール、特にブチルヒドロキシアニソール(BHA)またはブチルヒドロキシトルエン(BHT)などの立体障害フェノール、または立体障害アミン(HALS)である。この種類の安定剤は、例えばBASFからIrganox(登録商標)の商品名で販売されている。場合によっては、酸化防止剤およびフリーラジカル捕捉剤は、例えばBASFからIrgafos(登録商標)の商品名で販売されているホスファイトまたはホスホナイトなどの二次安定剤によって補足することができる。
【0146】
適切な紫外線吸収剤は、例えば、2-(2-ヒドロキシフェニル)-2H-ベンゾトリアゾール(BTZ)などのベンゾトリアゾール、(2-ヒドロキシフェニル)-s-トリアジン(HPT)などのトリアジン、ヒドロキシベンゾフェノン(BP)またはオキサラニリドである。この種類の紫外線吸収剤は、例えばBASFからUvinul(登録商標)の商品名で販売されている。
【0147】
本発明の好ましい実施形態において、適切なポリマーは、酸化防止剤またはフリーラジカル捕捉剤を含まない。
【0148】
本発明の一実施形態において、適切なポリマーは透明なポリマーである。
【0149】
別の実施形態において、適切なポリマーは不透明なポリマーである。
【0150】
上述のポリマーは、式(I)の化合物またはそれらの混合物のためのマトリックス材料として役立つ。本発明の蛍光色素、すなわち式(I)の化合物またはそれらの混合物、すなわち式(I)の少なくとも2種の異なる化合物を含む混合物は、ポリマーに溶解されていてもよいか、または均一に分布した混合物の形態をとっていてもよい。好ましい実施形態において、式(I)の蛍光色素またはそれらの混合物はポリマーに溶解されている。式(I)の化合物は赤色蛍光色素である。
【0151】
効果的な波長変換に必要な式(I)の本発明の化合物の具体的な濃度は、光を生成するために選択されたLEDの種類に依存することを当業者は容易に理解するであろう。同じ色温度の白色光を達成するために、青色LEDによって生成された光を変換するには白色LEDと比較してより高い濃度の色素が通常必要とされる。
【0152】
第一の実施態様によれば、色変換体は、式(I)の化合物とは異なる有機蛍光色素を含まない。この場合、式(I)の赤色有機蛍光色素および適切な場合にはそれらの混合物の濃度は、使用されるポリマーの量に対して、典型的には0.0001~0.5重量%、例えば0.001~0.1重量%、または0.002~0.1重量%である。
【0153】
更なる実施形態において、必須成分として式(I)の化合物または式(I)の少なくとも2種の異なる化合物と、上記で記載される色変換体において使用することができる少なくとも1種の更なる有機蛍光色素とを含む蛍光色素ブレンドが提供される。
【0154】
適切な更なる有機蛍光色素は、400~500nmの波長範囲の光を吸収し、吸収された光の波長よりも長い波長を有する光、特に450nmを超える波長範囲の光、例えば450~600nmまたは450~650nmの波長範囲の光を放出する任意の有機蛍光色素であり得る。
【0155】
第二の実施形態によれば、色変換体は、式(I)の少なくとも1種の有機赤色蛍光色素またはそれらの混合物に加えて、1種の更なる有機蛍光色素または前記更なる蛍光色素の混合物を含む。
【0156】
第三の実施形態によれば、色変換体は、式(I)の少なくとも1種の有機赤色蛍光色素またはそれらの混合物に加えて、2種以上の更なる有機蛍光色素を含む。
【0157】
適切な更なる有機蛍光色素は、緑色蛍光色素、黄緑色蛍光色素、黄色蛍光色素、橙色蛍光色素および赤色蛍光色素である。好ましくは、低いCCT(<6000K)および高い演色性(例えば90以上)を有する白色光源を作り出す使用のために色変換体が提供されるように、蛍光色素が互いに組み合わされる。
【0158】
特に、少なくとも1種の更なる有機蛍光色素は、
(i)式(II)
【化15】
[式中、
R
21、R
22、R
23、R
24、R
25、R
26、R
27、R
28、R
29およびR
210は、それぞれ独立して、水素、シアノ、または置換されていないかもしくは1個以上の同一もしくは異なる置換基R
2Arを有するアリールであり、
ここで、
各R
2Arは、独立して、シアノ、ヒドロキシル、メルカプト、ハロゲン、C
1~C
20-アルコキシ、C
1~C
20-アルキルチオ、ニトロ、-NR
2Ar2R
2Ar3、-NR
2Ar2COR
2Ar3、-CONR
2Ar2R
2Ar3、-SO
2NR
2Ar2R
2Ar3、-COOR
2Ar2、-SO
3R
2Ar2、
C
1~C
30-アルキル、C
2~C
30-アルケニル、C
2~C
30-アルキニル(ここで、後者の3個の基は、置換されていないかもしくは1個以上のR
2a基を有する)、
C
3~C
8-シクロアルキル、3~8員のヘテロシクリル(ここで、後者の2個の基は、置換されていないかもしくは1個以上のR
2b基を有する)、
アリール、U-アリール、ヘテロアリールおよびU-ヘテロアリール(ここで、後者の4個の基は、置換されていないかもしくは1個以上のR
2b基を有する)から選択され、
ここで、
各R
2aは、独立して、シアノ、ヒドロキシル、オキソ、メルカプト、ハロゲン、C
1~C
20-アルコキシ、C
1~C
20-アルキルチオ、ニトロ、-NR
2Ar2R
2Ar3、-NR
2Ar2COR
2Ar3、-CONR
2Ar2R
2Ar3、-SO
2NR
2Ar2R
2Ar3、-COOR
2Ar2、-SO
3R
2Ar2、C
3~C
8-シクロアルキル、3~8員のヘテロシクリル、アリールおよびヘテロアリールから選択され、ここで、シクロアルキル、ヘテロシクリル、アリールおよびヘテロアリール基は、置換されていないかもしくは1個以上のR
2b基を有し;
各R
2bは、独立して、シアノ、ヒドロキシル、オキソ、メルカプト、ハロゲン、C
1~C
20-アルコキシ、C
1~C
20-アルキルチオ、ニトロ、-NR
2Ar2R
2Ar3、-NR
2Ar2COR
2Ar3、-CONR
2Ar2R
2Ar3、-SO
2NR
2Ar2R
2Ar3、-COOR
2Ar2、-SO
3R
2Ar2、C
1~C
18-アルキル、C
2~C
18-アルケニル、C
2~C
18-アルキニル、C
3~C
8-シクロアルキル、3~8員のヘテロシクリル、アリールおよびヘテロアリールから選択され、ここで、後者の4つの基は、置換されていないかもしくは1個以上のR
2b1基を有し;
各R
2b1は、独立して、シアノ、ヒドロキシル、メルカプト、オキソ、ニトロ、ハロゲン、-NR
2Ar2R
2Ar3、-NR
2Ar2COR
2Ar3、-CONR
2Ar2R
2Ar3、-SO
2NR
2Ar2R
2Ar3、-COOR
2Ar2、-SO
3R
2Ar2、-SO
3R
2Ar2、C
1~C
18-アルキル、C
2~C
18-アルケニル、C
2~C
18-アルキニル、C
1~C
12-アルコキシ、およびC
1~C
12-アルキルチオから選択され;
Uは、-O-、-S-、-NR
2Ar1-、-CO-、-SO-または-SO
2-部分であり;
R
2Ar1、R
2Ar2、R
2Ar3は、それぞれ独立して、水素、C
1~C
18-アルキル、3~8員のシクロアルキル、3~8員のヘテロシクリル、アリールまたはヘテロアリールであり、ここで、アルキルは、置換されていないかもしくは1個以上のR
2a基を有し、ここで、3~8員のシクロアルキル、3~8員のヘテロシクリル、アリールおよびヘテロアリールは、置換されていないかもしくは1個以上のR
2b基を有する]のシアノ化ナフトイルベンズイミダゾール化合物およびそれらの混合物、ただし、式(II)の化合物は、少なくとも1個のシアノ基を含む;
(ii)式(III)
【化16】
[式中、
Z
3置換基のうちの一方はシアノであり、他方のZ
3置換基は、CO
2R
39、CONR
310R
311、C
1~C
18-アルキル、C
2~C
18-アルケニル、C
2~C
18-アルキニル、C
3~C
12-シクロアルキルまたはC
6~C
14-アリールであり、ここで、
C
1~C
18-アルキル、C
2~C
18-アルケニル、C
2~C
18-アルキニルは、置換されていないかもしくは1個以上の同一もしくは異なるZ
3a置換基を有し、
C
3~C
12-シクロアルキルは、置換されていないかもしくは1個以上の同一もしくは異なるZ
3b置換基を有し、
C
6~C
14-アリールは、置換されていないかもしくは1個以上の同一もしくは異なるZ
3Ar置換基を有し;
Z
3*置換基のうちの一方はシアノであり、他方のZ
3*置換基は、CO
2R
39、CONR
310R
311、C
1~C
18-アルキル、C
2~C
18-アルケニル、C
2~C
18-アルキニル、C
3~C
12-シクロアルキルまたはC
6~C
14-アリールであり、ここで、
C
1~C
18-アルキル、C
2~C
18-アルケニル、C
2~C
18-アルキニルは、置換されていないかもしくは1個以上の同一もしくは異なるZ
3a置換基を有し、
C
3~C
12-シクロアルキルは、置換されていないかもしくは1個以上の同一もしくは異なるZ
3b置換基を有し、
C
6~C
14-アリールは、置換されていないかもしくは1個以上の同一もしくは異なるZ
3Ar置換基を有し;
R
31、R
32、R
33、R
34、R
35、R
36、R
37およびR
38は、それぞれ独立して、水素、シアノ、臭素および塩素から選択され、
ただし、R
31、R
32、R
33、R
34、R
35、R
36、R
37またはR
38置換基の1、2、3、4、5、6、7または8個はシアノであり;
ここで
R
39は、水素、C
1~C
10-アルキル、C
2~C
10-アルケニル、C
2~C
10-アルキニル、C
3~C
12-シクロアルキルまたはC
6~C
14-アリールであり、ここで、
C
1~C
10-アルキル、C
2~C
10-アルケニル、C
2~C
10-アルキニルは、置換されていないかもしくは1個以上の同一もしくは異なるR
3a置換基を有し、
C
3~C
12-シクロアルキルは、置換されていないかもしくは1個以上の同一もしくは異なるR
3b置換基を有し、
C
6~C
14-アリールは、置換されていないかもしくは1個以上の同一もしくは異なるR
3Ar置換基を有し;
R
310およびR
311は、それぞれ独立して、水素、C
1~C
10-アルキル、C
2~C
10-アルケニル、C
2~C
10-アルキニル、C
3~C
12-シクロアルキルまたはC
6~C
14-アリールであり、ここで、
C
1~C
10-アルキル、C
2~C
10-アルケニル、C
2~C
10-アルキニルは、置換されていないかもしくは1個以上の同一もしくは異なるR
3a置換基を有し、
C
3~C
12-シクロアルキルは、置換されていないかもしくは1個以上の同一もしくは異なるR
3b置換基を有し、
C
6~C
14-アリールは、置換されていないかもしくは1個以上の同一もしくは異なるR
3Ar置換基を有し;
各Z
3aは、独立して、ハロゲン、ヒドロキシル、NR
310aR
311a、C
1~C
10-アルコキシ、C
1~C
10-ハロアルコキシ、C
1~C
10-アルキルチオ、C
3~C
12-シクロアルキル、C
6~C
14-アリール、C(=O)R
39a;C(=O)OR
39aまたはC(O)NR
310aR
311aであり、ここで、
C
3~C
12-アルキルは、置換されていないかもしくは1個以上の同一もしくは異なるR
3b置換基であり、
C
6~C
14-アリールは、置換されていないかもしくは1個以上の同一もしくは異なるR
3Ar置換基であり;
各Z
3bおよび各Z
3Arは、独立して、ハロゲン、ヒドロキシル、NR
310aR
311a、C
1~C
10-アルキル、C
1~C
10-アルコキシ、C
1~C
10-ハロアルコキシ、C
1~C
10-アルキルチオ、C(=O)R
39a;C(=O)OR
39aまたはC(O)NR
310aR
311aであり;
各R
3aは、独立して、ハロゲン、ヒドロキシル、C
1~C
10-アルコキシ、C
3~C
12-シクロアルキルまたはC
6~C
14-アリールであり;
各R
3bは、独立して、ハロゲン、ヒドロキシル、C
1~C
10-アルキル、C
1~C
10-アルコキシ、C
1~C
10-ハロアルコキシ、C
1~C
10-アルキルチオ、C
2~C
10-アルケニル、C
2~C
10-アルキニル、C
3~C
12-シクロアルキルまたはC
6~C
14-アリールであり;
各R
3Arは、独立して、ハロゲン、ヒドロキシル、C
1~C
10-アルキル、C
1~C
10-アルコキシ、C
1~C
10-ハロアルコキシ、C
1~C
10-アルキルチオ、C
2~C
10-アルケニル、C
2~C
10-アルキニル、C
3~C
12-シクロアルキルまたはC
6~C
14-アリールであり;
R
39aは、水素、C
1~C
10-アルキル、C
2~C
10-アルケニル、C
2~C
10-アルキニル、C
3~C
12-シクロアルキルまたはC
6~C
14-アリールであり;
R
310a、R
311aは、それぞれ独立して、水素、C
1~C
10-アルキル、C
2~C
10-アルケニル、C
2~C
10-アルキニル、C
3~C
12-シクロアルキルまたはC
6~C
14-アリールである]のシアノ化ペリレン化合物およびそれらの混合物;
(iii)式(IV)
【化17】
[式中、
m4は、0、1、2、3または4であり;
各R
41は、互いに独立して、臭素、塩素、シアノ、-NR
4aR
4b、C
1~C
24-アルキル、C
1~C
24-ハロアルキル、C
1~C
24-アルコキシ、C
1~C
24-ハロアルコキシ、C
3~C
24-シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロアリール、C
6~C
24-アリール、C
6~C
24-アリールオキシ、C
6~C
24-アリール-C
1~C
10-アルキレンから選択され、ここで、最後に挙げた6個の基におけるシクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロアリール、アリール、アリールオキシの環は、置換されていないかもしくは1、2、3、4または5個の同一もしくは異なる基R
41aで置換されており、C
1~C
24-アルキル、C
1~C
24-ハロアルキル、C
1~C
24-アルコキシ、およびC
6~C
24-アリール-C
1~C
10-アルキレンのアルキレン部分は、O、SおよびNR
4cから選択される1個以上の基によって中断されていてもよく;
基R
42、R
43、R
44およびR
45のうちの少なくとも1つはCNであり、残りの基は、互いに独立して、水素、塩素および臭素から選択され、
X
40は、O、S、SOまたはSO
2であり、
Aは、一般式(A.1)、(A.2)、(A.3)、および(A.4)
【化18】
[式中、
*は、各場合において、分子の残りの部分への結合点を表し、
n4は、0、1、2、3または4であり;
o4は、0、1、2または3であり;
p4は、0、1、2または3であり;
R
46は、水素、C
1~C
24-アルキル、C
1~C
24-ハロアルキル、C
3~C
24-シクロアルキル、C
6~C
24-アリールまたはC
6~C
24-アリール-C
1~C
10-アルキレンであり、ここで、最後に挙げた3個の基におけるシクロアルキル、アリール、およびアリール-アルキレンの環は、置換されていないかもしくは1、2、3、4または5個の同一もしくは異なる基R
46aで置換されており、C
1~C
24-アルキル、C
1~C
24-ハロアルキル、およびC
6~C
24-アリール-C
1~C
10-アルキレンのアルキレン部分は、O、SおよびNR
4cから選択される1個以上のヘテロ原子またはヘテロ芳香族基によって中断されていてもよく;
各R
47は、互いに独立して、臭素、塩素、シアノ、-NR
4aR
4b、C
1~C
24-アルキル、C
1~C
24-ハロアルキル、C
1~C
24-アルコキシ、C
1~C
24-ハロアルコキシ、C
3~C
24-シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロアリール、C
6~C
24-アリール、C
6~C
24-アリールオキシ、C
6~C
24-アリール-C
1~C
10-アルキレンから選択され、ここで、最後に挙げた6個の基におけるシクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロアリール、アリールおよびアリール-アルキレンの環は、置換されていないかもしくは1、2、3、4または5個の同一もしくは異なる基R
47aで置換されており、C
1~C
24-アルキル、C
1~C
24-ハロアルキル、C
1~C
24-アルコキシ、C
1~C
24-ハロアルコキシ、およびC
6~C
24-アリール-C
1~C
10-アルキレンのアルキレン部分は、O、SおよびNR
4cから選択される1個以上の基によって中断されていてもよく;
各R
48は、互いに独立して、臭素、塩素、シアノ、NR
4aR
4b、C
1~C
24-アルキル、C
1~C
24-ハロアルキル、C
1~C
24-ハロアルコキシ、C
1~C
24-アルコキシ、C
1~C
24-ハロアルコキシ、C
3~C
24-シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロアリール、C
6~C
24-アリール、C
6~C
24-アリールオキシ、C
6~C
24-アリール-C
1~C
10-アルキレンから選択され、ここで、最後に挙げた6個の基におけるシクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロアリール、アリールおよびアリール-アルキレンの環は、置換されていないかもしくは1、2、3、4または5個の同一もしくは異なる基R
48aで置換されており、C
1~C
24-アルキル、C
1~C
24-ハロアルキル、C
1~C
24-アルコキシ、C
1~C
24-ハロアルコキシ、およびC
6~C
24-アリール-C
1~C
10-アルキレンのアルキレン部分は、O、SおよびNR
4cから選択される1個以上の基によって中断されていてもよく;
各R
49は、互いに独立して、臭素、塩素、シアノ、NR
4aR
4b、C
1~C
24-アルキル、C
1~C
24-ハロアルキル、C
1~C
24-ハロアルコキシ、C
1~C
24-アルコキシ、C
1~C
24-ハロアルコキシ、C
3~C
24-シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロアリール、C
6~C
24-アリール、C
6~C
24-アリールオキシ、C
6~C
24-アリール-C
1~C
10-アルキレンから選択され、ここで、最後に挙げた6個の基におけるシクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロアリール、アリールおよびアリール-アルキレンの環は、置換されていないかもしくは1、2、3、4または5個の同一もしくは異なる基R
49aで置換されており、C
1~C
24-アルキル、C
1~C
24-ハロアルキル、C
1~C
24-アルコキシ、C
1~C
24-ハロアルコキシ、およびC
6~C
24-アリール-C
1~C
10-アルキレンのアルキレン部分は、O、SおよびNR
4cから選択される1個以上の基によって中断されていてもよく;
R
41a、R
46a、R
47a、R
48a、R
49aは、互いに独立して、C
1~C
24-アルキル、C
1~C
24-フルオロアルキル、C
1~C
24-アルコキシ、フッ素、塩素および臭素から選択され;
R
4a、R
4b、R
4cは、互いに独立して、水素、C
1~C
20-アルキル、C
3~C
24-シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロアリールおよびC
6~C
24-アリールから選択される]のジラジカルから選択されるジラジカルである]のシアノ化化合物およびそれらの混合物;
(iv)式(V)
【化19】
[式中、
R
51は、置換されていないかもしくはハロゲン、R
511、OR
552、NHR
552およびNR
552R
557から選択される1、2、3、4または5個の置換基を有するフェニルであり;
R
52、R
53、R
54、R
55、R
56、R
57、R
58およびR
59は、互いに独立して、水素、ハロゲン、R
553、OR
553、NHR
553およびNR
553R
554から選択され、ここで、
R
511は、C
2~C
18-アルキル、C
6~C
24-アリールおよびヘテロアリールから選択され;
R
552およびR
557は、互いに独立して、C
1~C
18-アルキル、C
6~C
24-アリールおよびヘテロアリールから選択され;
R
553およびR
554は、互いに独立して、C
1~C
18-アルキル、C
6~C
24-アリールおよびヘテロアリールから選択される]ベンゾキサンテン化合物およびそれらの混合物;
(v)式(VI)
【化20】
[式中、上掲のベンズイミダゾール構造の六員環の1個以上のCH基は、窒素で置き換えられていてもよく、記号は、それぞれ以下の通り定義される;
n6は、式(VI)の各構造単位についての0~(10-p6)の数であり、ここで、p6は、上掲のベンズイミダゾール構造の六員環において窒素で置き換えられているCH単位の数であり、
X6は、化学結合、O、S、SO、SO
2、NR
61であり;
Rは、それぞれ置換基を有していてもよい脂肪族基、脂環式基、アリール、ヘテロアリール、それぞれ式(VI)の構造単位の他の芳香族環に縮合している芳香族もしくはヘテロ芳香族の環または環系であり、X6が化学結合ではない場合、F、Cl、Br、CN、Hであり;
ここで、2個のR基は一緒になって1個の環式基を形成してもよく、
ここで、X6およびRは、n6>1の場合、同一もしくは異なっていてもよく;
R
61は、それぞれ独立して、水素、C
1~C
18-アルキルまたはシクロアルキルであって、その炭素鎖は1個以上の-O-、-S-、-CO-、-SO-および/または-SO
2-部分を含んでいてもよく、一置換もしくは多置換されていてもよいC
1~C
18-アルキルまたはシクロアルキル;
一置換もしくは多置換されていてもよいアリールまたはヘテロアリールである]の少なくとも1つの構造単位を含む蛍光化合物およびそれらの混合物;
(vi)式(VII)、(VIII)、(IX)または(X)
【化21】
[式中、
p7は2であり、
R
71、R
72は、それぞれ独立して、C
1~C
30-アルキル、C
3~C
8-シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アリール-C
1~C
10-アルキレンであり、ここで、後者の3個の基における芳香族環は、置換されていないかもしくはC
1~C
10-アルキルで一置換もしくは多置換されており;
R
73は、置換されていないかもしくはC
1~C
10-アルキルもしくはC
6~C
10-アリールで一置換もしくは多置換されているアリールオキシであり、ここで、R
73基は、
*で示される位置にあり;
p8は2であり;
R
81、R
82は、それぞれ独立して、C
1~C
30-アルキル、C
3~C
8-シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アリール-C
1~C
10-アルキレンであり、ここで後者の3個の基における芳香族環は、置換されていないかもしくはC
1~C
10-アルキルで一置換もしくは多置換されており;
R
83は、置換されていないかもしくはC
1~C
10-アルキルもしくはC
6~C
10-アリールで一置換もしくは多置換されているアリールオキシであり、ここでR
83基は、
*で示される位置にあり;
R
92は、C
1~C
30-アルキル、C
3~C
8-シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アリール-C
1~C
10-アルキレンであり、ここで、後者の3個の基における芳香族環は、置換されていないかもしくはC
1~C
10-アルキルで一置換もしくは多置換されており;
R
101、R
102は、それぞれ独立して、C
1~C
30-アルキル、C
3~C
8-シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アリール-C
1~C
10-アルキレンであり、ここで、後者の3個の基における芳香族環は、置換されていないかもしくはC
1~C
10-アルキルで一置換もしくは多置換されている]のペリレン化合物およびそれらの混合物;
(vii)式(XI)
【化22】
[式中、
R
111およびR
112は、互いに独立して、水素、各場合において置換されていないかもしくは置換されたC
1~C
30-アルキル、ポリアルキレンオキシ、C
1~C
30-アルコキシ、C
1~C
30-アルキルチオ、C
3~C
20-シクロアルキル、C
3~C
20-シクロアルキルオキシ、C
6~C
24-アリールおよびC
6~C
24-アリールオキシから選択され;
R
113、R
114、R
115、R
116、R
117、R
118、R
119、R
1110、R
1111、R
1112、R
1113、R
1114、R
1115、R
1116、R
1117およびR
1118は、互いに独立して、水素、ハロゲン、シアノ、ヒドロキシル、メルカプト、ニトロ、-NE
111E
112、-NR
Ar111COR
Ar112、-CONR
Ar111R
Ar112、-SO
2NR
Ar111R
Ar112、-COOR
Ar111、-SO
3R
Ar112、各場合において置換されていないかもしくは置換されたC
1~C
30-アルキル、ポリアルキレンオキシ、C
1~C
30-アルコキシ、C
1~C
30-アルキルチオ、C
3~C
20-シクロアルキル、C
3~C
20-シクロアルコキシ、C
6~C
24-アリール、C
6~C
24-アリールオキシおよびC
6~C
24-アリールチオから選択され;
ここで、R
113とR
114、R
114とR
115、R
115とR
116、R
116とR
117、R
117とR
118、R
118とR
119、R
119とR
1110、R
1111とR
1112、R
1112とR
1113、R
1113とR
1114、R
1114とR
1115、R
1115とR
1116、R
1116とR
1117および/またはR
1117とR
1118は、それらが結合しているビフェニリル部分の炭素原子と一緒になって更なる縮合された芳香族または非芳香族の環系を形成してもよく、ここで、縮合環系は置換されていないかもしくは置換されており;
ここで、
E
111およびE
112は、互いに独立して、水素、置換されていないかもしくは置換されたC
1~C
18-アルキル、置換されていないかもしくは置換されたC
2~C
18-アルケニル、置換されていないかもしくは置換されたC
2~C
18-アルキニル、置換されていないかもしくは置換されたC
3~C
20-シクロアルキルまたは置換されていないかもしくは置換されたC
6~C
10-アリールであり;
R
Ar111およびR
Ar112は、互いに独立して、水素、置換されていないかもしくは置換されたC
1~C
18-アルキル、置換されていないかもしくは置換されたC
3~C
20-シクロアルキル、置換されていないかもしくは置換されたヘテロシクリル、置換されていないかもしくは置換されたC
6~C
20-アリールまたは置換されていないかもしくは置換されたヘテロアリールである]のペリレンビスイミド化合物およびそれらの混合物から選択される。
【0159】
式(II)の蛍光色素は、国際公開第2015/019270号(WO2015/019270)から知られている。本発明の色変換体における使用に関して、化合物(II)は、好ましくは式(II-A)
【化23】
[式中、
R
23およびR
24は、それぞれ独立して、シアノ、フェニル、4-シアノフェニル、またはC
1~C
10-アルキルから選択される1、2または3個の置換基を有するフェニル、特にシアノ、フェニルまたは4-シアノフェニルであり、
R
27、R
28、R
29およびR
210は、それぞれ独立して、水素、シアノ、フェニル、4-シアノフェニル、またはC
1~C
10-アルキルから選択される1、2または3個の置換基を有するフェニル、特に水素、シアノ、フェニルまたは4-シアノフェニルである]の化合物および式(II-A)の少なくとも2種の異なる化合物を含む混合物から選択される。
【0160】
より好ましいのは、国際公開第2015/019270号(WO2015/019270)の第16頁、第2段落~第20頁、第3段落に特定される化合物である。
【0161】
本発明の色変換体における使用に関して、特に好ましいのは、式(II-1)、(II-2)、(II-3)、(II-4)、(II-5)、(II-6)、(II-7)、(II-8)、(II-9)、(II-10)、(II-11)、(II-12)、(II-13)、(II-14)、(II-15)、(II-16)、(II-17)、(II-18)、(II-19)、(II-20)、(II-21)、(II-22)、(II-23)、(II-24)、(II-25)、(II-26)、(II-27)、(II-28)、(II-29)、(II-30)、(II-31)、(II-32)、(II-33)、(II-34)、(II-35)、(II-36)、(II-37)、(II-38)、(II-39)、(II-40)、(II-41)、(II-42)、(II-43)、(II-44)、(II-45)、(II-46)、(II-47)、(II-48)、(II-49)および(II-50)の化合物ならびにそれらの混合物から選択される式(II)の化合物である:
【化24-1】
【化24-2】
【化24-3】
【化24-4】
【0162】
式(II)の化合物は、通常、緑色、黄緑色または黄色の蛍光色素である。
【0163】
式(III)の化合物は、国際公開第2015/169935号(WO2015/169935)から知られている。本発明の色変換体における使用に関して、式(III)の化合物は、式(III-a)および(III-b)の以下の化合物ならびに式(III-c)および(IIII-d)の化合物:
【化25】
[式中、R
31、R
32、R
33、R
34、R
35、R
36、R
37、R
38、Z
3およびZ
3*は、それぞれ上記で定義した通りである]を個々におよびそれらの混合物を包含する。
【0164】
特に、国際公開第2015/169935号(WO2015/169935)の第12頁、第9行目~第13頁、第31行目に特定される化合物が好ましい。本発明の色変換体における使用に関して、式(III-1)、(III-2)、(III-3)、(III-4)、(III-5)、(III-6)、(III-7)、(III-8)、(III-9)、(III-10)、(III-11)、(III-12)、(III-13)、(III-14)、(III-15)、(III-16)、(III-17)、(III-18)、(III-19)、(III-20)
【化26-1】
【化26-2】
[式中、
Z
3は、C
1~C
6-アルキル、C
1~C
6-アルコキシカルボニル、フェニル、および1、2または3個のC
1~C
4-アルキル基を有するフェニルから選択され、
Z
3*は、C
1~C
6-アルキル、C
1~C
6-アルコキシカルボニル、フェニル、および1、2または3個のC
1~C
4-アルキル基を有するフェニルから選択される]
から選択される式(III)の化合物およびそれらの混合物を包含する。
【0165】
これらの中で、特に好ましいのは、式(III-1)、(III-2)、(III-3)、(III-4)、(III-5)、(III-6)、(III-7)、(III-8)、(III-9)、(III-10)、(III-11)、(III-12)、(III-13)、(III-14)、(III-15)、(III-16)、(III-17)、(III-18)、(III-19)、(III-20)[式中、ZおよびZ*は同じ定義を有する]のペリレン化合物である。
【0166】
式(III)の化合物は、通常、黄色または黄緑色の蛍光色素である。
【0167】
式(IV)のシアノ化化合物は、国際公開第2016/151068号(WO2016/151068)の主題である。本発明の色変換体における使用に関して、式(IV)の化合物は、好ましくは、X40がOである化合物である。X40がSである式(IV)の化合物も好ましい。好ましいのは、国際公開第2016/151068号(WO2016/151068)の第24頁、第10行目~第34頁、第4行目に特定される化合物である。
【0168】
これらの中で、Aが式(A.2)の基である式(IV)の化合物が特に好ましい。Aが式(A.2)の基である式(IV)の化合物は、式(IV-A.2)
【化27】
[式中、
m4、X
40、R
41、R
42、R
43、R
44、R
45およびR
46は、上記で定義した通りである]の化合物とも呼ばれる。特に、m4、X
40、R
41、R
42、R
43、R
44およびR
45は、上述の好ましい意味のうちの1つを有する。
【0169】
式(I-A.2)の化合物において、R
46は、好ましくは、水素、直鎖状C
1~C
24-アルキル、分岐状C
3~C
24-アルキル、C
6~C
10-アリールおよびC
6~C
10-アリール-C
1~C
10-アルキレンから選択され、ここで、最後に挙げた2つの部分におけるアリール環は、置換されていないかもしくは1、2、3、4もしくは5個の同一もしくは異なる基R
46aで置換されている。特に、R
46は、直鎖状C
1~C
24-アルキル、式(B.1)の基および式(B.2)の基
【化28】
[式中、
#は、窒素原子への結合部位であり、
式(B.1)におけるR
dおよびR
eは、互いに独立して、C
1~C
23-アルキルから選択され、ここで、R
dおよびR
e基の炭素原子の合計は2~23の整数であり、
式(B.2)におけるR
f、R
gおよびR
hは、独立して、C
1~C
20-アルキルから選択され、ここで、R
f、R
gおよびR
h基の炭素原子の合計は3~23の整数である]から選択される。
【0170】
式(B.1)の好ましい基は、1-メチルエチル、1-メチルプロピル、1-メチルブチル、1-メチルペンチル、1-メチルヘキシル、1-メチルヘプチル、1-メチルオクチル、1-エチルプロピル、1-エチルブチル、1-エチルペンチル、1-エチルヘキシル、1-エチルヘプチル、1-エチルオクチル、1-プロピルブチル、1-プロピルペンチル、1-プロピルヘキシル、1-プロピルヘプチル、1-プロピルオクチル、1-ブチルペンチル、1-ブチルヘキシル、1-ブチルヘプチル、1-ブチルオクチル、1-ペンチルヘキシル、1-ペンチルヘプチル、1-ペンチルオクチル、1-ヘキシルヘプチル、1-ヘキシルオクチル、1-ヘプチルオクチルである。
【0171】
式(B.2)の特に好ましい基はtert-ブチルである。
【0172】
同様に特に、R
46は、式(C.1)の基、式(C.2)の基または式(C.3)の基
【化29】
[式中、
#は、窒素原子への結合部位を表し、
Bは、存在する場合、-O-および-S-から選択される1個以上の隣接していない基によって中断されていてもよいC
1~C
10-アルキレン基であり、
yは0または1であり、
R
iは、独立して、C
1~C
24-アルキル、C
1~C
24-フルオロアルキル、フッ素、塩素または臭素から選択され、
R
kは、互いに独立して、C
1~C
24-アルキルから選択され、
式C.2およびC.3におけるxは、1、2、3、4または5である]である。
【0173】
好ましくは、yは0であり、すなわち可変数Bは存在しない。
【0174】
その存在とは無関係に、R1は、好ましくは、C1~C24-アルキル、より好ましくは直鎖状C1~C10-アルキルまたは分岐状C3~C10-アルキル、特にイソプロピルから選択される。その存在とは無関係に、Rkは、好ましくは、C1~C30-アルキル、より好ましくは直鎖状C1~C10-アルキルまたは分岐状C3~C10-アルキルから選択される。式C.2およびC.3における可変数xは、好ましくは1、2または3である。
【0175】
実施形態の特別な群は、式(IV-A.2)の化合物に関し、ここで、可変数m4、X40、R41、R42、R43、R44およびR45は、互いに独立してまたは特に組み合わせて、以下の意味を有する:
X40は、OまたはSであり、
R42およびR44は、それぞれシアノであり、
R43およびR45は、それぞれ水素であるか、またはR43およびR45のうちの一方は臭素であり、R43およびR45のうちの他方は水素であり、
R41は、シアノ、臭素、および置換されていないかもしくはC1~C4-アルキルから選択される1または2個の基を有するフェニルから選択され、
R46は、水素、C1~C24-直鎖状アルキル、分岐状C3~C24-アルキル、式(C.1)の基、式(C.2)の基および式(C.3)の基から選択され、
m4は、0または1である。
【0176】
さらにより好ましくは、
X40は、OまたはSであり、
R42およびR44は、それぞれシアノであり、
R43およびR45は、それぞれ水素であり、
R41は、シアノ、臭素、および置換されていないかもしくはC1~C4-アルキルから選択される1または2個の基を有するフェニルから選択され、特にシアノであり、
R46は、直鎖状C1~C24-アルキル、分岐状C3~C24-アルキル、式(C.1)の基、式(C.2)の基および式(C.3)の基から選択され、特に直鎖状C1~C24-アルキル、分岐状C3~C24-アルキル、または2,6-ジイソプロピルフェニルなどのC1~C4-アルキルから選択される1もしくは2個の基を有するフェニルであり、
m4は、0または1である。
【0177】
式(IV-A.2)の好ましい化合物の例を以下に示す:
【化30-1】
【化30-2】
【0178】
式(V)のベンゾキサンテン化合物は、国際公開第2014/131628号(WO2014/131628)から知られている。通常、それらは黄色または黄緑色の蛍光色素である。
【0179】
式(VI)の構造単位を有する化合物は、国際公開第2012/168395号(WO2012/168395)から知られている。本発明の色変換体における使用に関して、式(VI)の構造単位を有する化合物は、好ましくは、国際公開第2012/168395号(WO2012/168395)の第28頁、第14行目~第32頁、第5行目に特定される化合物である。
【0180】
本発明の色変換体における使用に関して、式(VI)の構造単位を有する化合物は、より好ましくは式(VI-1)、(VI-2)、(VI-3)、(VI-4)、(VI-5)、(VI-6)、(VI-7)、(VI-8)、(VI-9)、(VI-10)、(VI-11)、(VI-12)、(VI-13)、(VI-14)、(VI-15)、(VI-16)、(VI-17)、(VI-18)、(VI-19)、(VI-20)、(VI-21)、(VI-22)、(VI-23)、(VI-24)、(VI-25)、(VI-26)、(VI-27)、(VI-28)、(VI-29)、(VI-30)、(VI-31)、(VI-32)、(VI-33)、(VI-34)、(VI-35)、(VI-36)、(VI-37)、(VI-38)、(VI-39)、(VI-40)、(VI-41)、(VI-42)、(VI-43)、(VI-44)、(VI-45)、(VI-46)、(VI-47)、(VI-48)、(VI-49)、(VI-50)、(VI-51)、(VI-52)、(VI-53)、(VI-54)、(VI-55)の化合物
【化31-1】
【化31-2】
【化31-3】
【化31-4】
【化31-5】
[式中、n6は、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9または10の数であり、
R
61は、独立して、水素、C
1~C
18-アルキルまたはシクロアルキルであって、その炭素鎖は1個以上の-O-、-S-、-CO-、-SO-および/または-SO
2-部分を含んでいてもよく、一置換もしくは多置換されていてもよいC
1~C
18-アルキルまたはシクロアルキル;
一置換もしくは多置換されていてもよいアリールまたはヘテロアリールである]およびそれらの混合物から選択される。
【0181】
式(I)の本発明の赤色蛍光色素を式(VI)の少なくとも1つの構造単位を有する化合物と組み合わせて使用することは、色変換体に特によく適している。特に好ましいのは、式(VI-5)、(VI-6)、(VI-7)および(VI-8)の化合物ならびにそれらの混合物である。
【0182】
式(VI)の少なくとも1つの構造単位を有する化合物は、通常、黄色または黄緑色の蛍光色素である。
【0183】
本発明の色変換体における使用に関して、好ましいのは、R71およびR72がそれぞれ独立してC1~C10-アルキル、2,6-ジ(C1~C10-アルキル)アリールおよび2,4-ジ(C1~C10-アルキル)アリールから選択される式(VII)の化合物である。より好ましくは、R71およびR72は同一である。特に非常に好ましくは、R71およびR72は、それぞれ2,6-ジイソプロピルフェニルまたは2,4-ジ-tert-ブチルフェニルである。
【0184】
R73は、好ましくはフェノキシ、または(C1~C10-アルキル)フェノキシ、より好ましくは2,6-(ジアルキル)フェノキシまたは2,4-(ジアルキル)フェノキシである。特に好ましくは、R73は、フェノキシ、2,6-ジイソプロピルフェノキシ、2,4-ジ-tert-ブチルフェノキシまたは4-tert-オクチルフェノキシである。式(VII)の好ましい化合物は、N,N’-ビス(2,6-ジイソプロピルフェニル)-1,7-ジ(2,6-ジイソプロピルフェノキシ)ペリレン-3,4;9,10-テトラカルボキシイミド、N,N’-ビス(2,6-ジイソプロピルフェニル)-1,7-ジ(p-tert-オクチルフェノキシ)ペリレン-3,4;9,10-テトラカルボキシイミドおよびN,N’-ビス(2,6-ジイソプロピルフェニル)-1,7-ジフェノキシペリレン-3,4;9,10-テトラカルボキシイミドである。
【0185】
本発明の色変換体における使用に関して、好ましいのは、R81およびR82がそれぞれ独立してC1~C10-アルキル、2,6-ジ(C1~C10-アルキル)アリールおよび2,4-ジ(C1~C10-アルキル)アリールから選択される式(VIII)の化合物である。より好ましくは、R81およびR82は同一である。特に非常に好ましくは、R81およびR82は、それぞれ2,6-ジイソプロピルフェニルまたは2,4-ジ-tert-ブチルフェニルである。
【0186】
R83は、好ましくはフェノキシ、または(C1~C10-アルキル)フェノキシ、より好ましくは2,6-(ジアルキル)フェノキシまたは2,4-(ジアルキル)フェノキシである。特に好ましくは、R83は、フェノキシ、2,6-ジイソプロピルフェノキシ、2,4-ジ-tert-ブチルフェノキシまたは4-tert-オクチルフェノキシである。式(VIII)の化合物の好ましい実施形態は、N,N’-ビス(2,6-ジイソプロピルフェニル)-1,6-ジ(2,6-ジイソプロピルフェノキシ)ペリレン-3,4;9,10-テトラカルボキシイミド、N,N’-ビス(2,6-ジイソプロピルフェニル)-1,6-ジ(p-tert-オクチルフェノキシ)ペリレン-3,4;9,10-テトラカルボキシイミドおよびN,N’-ビス(2,6-ジイソプロピルフェニル)-1,6-ジフェノキシペリレン-3,4;9,10-テトラカルボキシイミドである。
【0187】
本発明の色変換体における使用に関して、式(VII)および(VIII)の化合物の更なる適切な例は、国際公開第2007/006717号(WO2007/006717)の第1頁、第5行目~第22頁、第6行目に特定されるペリレン誘導体である。式(VII)および(VIII)の蛍光色素は、通常、赤色蛍光色素である。
【0188】
本発明の色変換体における使用に関して、好ましいのは、R91およびR92がそれぞれ独立してC1~C10-アルキル、2,6-ジ(C1~C10-アルキル)アリールおよび2,4-ジ(C1~C10-アルキル)アリールから選択される式(IX)の化合物である。より好ましくは、R91およびR92は同じ意味である。特に非常に好ましくは、R91およびR92は、それぞれ2,6-ジイソプロピルフェニルまたは2,4-ジ-tert-ブチルフェニルである。
【0189】
本発明の色変換体における使用に関して、好ましいのは、R102がC1~C10-アルキル、2,6-ジ(C1~C10-アルキル)アリールまたは2,4-ジ(C1~C10-アルキル)アリールであり、特にR102が2,6-ジイソプロピルフェニルまたは2,4-ジ-tert-ブチルフェニルである式(X)の化合物である。
【0190】
式(X)の化合物は、通常、黄橙色の蛍光色素である。
【0191】
式(XI)の化合物は、未公開の欧州特許第16151228.0号明細書(EP16151228.0)(公開後の国際公開第2017/121833号(WO2017/121833))の主題である。本発明の色変換体における使用に関して、好ましいのは、R
111およびR
112が、それぞれ独立して、置換されていないかもしくは1、2また3個のC
1~C
6-アルキルによって置換されているフェニルから選択され、R
113、R
114、R
115、R
116、R
117、R
118、R
119、R
1110、R
1111、R
1112、R
1113、R
1114、R
1115、R
1116、R
1117およびR
1118がそれぞれ水素である式(XI)の化合物である。上記で定義される式(XI)の化合物は、好ましくは
【化32】
である。
【0192】
式(XI)の化合物は、式(XII)
【化33】
[式中、
Halは、各場合において臭素または各場合において塩素であり、
R
111およびR
112は、上記で定義した通りである]の適切な塩素化または臭素化ペリレンビスイミドを、式(XIII)の2,2’-ビフェノール化合物および適切な場合には式(XIV)
【化34】
[式中、
R
113、R
114、R
115、R
116、R
117、R
118、R
119、R
1110、R
1111、R
1112、R
1113、R
1114、R
1115、R
1116、R
1117およびR
1118は、上記で定義した通りである]の2,2’-ビフェノール化合物と反応させることによって調製することができる。
【0193】
式(XIV)の2,2’-ビフェノールは、式(XIII)の2,2’-ビフェノールについて定義した通りであってもよい(式(XIII)の1個の2,2’-ビフェノールのみがハロゲン置換反応に使用される場合)。
【0194】
反応は、塩基の存在下で通常行われる。適切な塩基は、特に無機アルカリ金属またはアルカリ土類金属の塩基であり、アルカリ金属塩基が特に適している。無機塩基の例は、アルカリ金属およびアルカリ土類金属の炭酸塩および炭酸水素塩、水酸化物、水素化物およびアミドである。好ましい塩基は炭酸塩および炭酸水素塩であり、炭酸塩が特に好ましい。好ましいアルカリ金属は、リチウム、ナトリウム、カリウムおよびセシウムである。特に適切なアルカリ土類金属は、マグネシウムおよびカルシウムである。塩基混合物を使用することも可能であることが理解されよう。特に非常に好ましい塩基は、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムおよび炭酸セシウムである。
【0195】
反応は、極性の非プロトン性溶剤の存在下で通常行われる。適切な溶剤は、特に脂肪族カルボキサミド、好ましくはN,N-ジ-C1~C4-アルキル-C1~C4-カルボキサミド、ラクタム、例えばジメチルホルムアミド、ジエチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルブチルアミドおよびN-メチル-2-ピロリドン(NMP)、ニトリル、例えばアセトニトリルである。極性の非プロトン性溶剤の混合物を使用することも可能である。特に好ましいのはNMPである。
【0196】
反応温度は、通常、室温~溶剤の沸点の範囲内であり、好ましくは40~160℃である。
【0197】
式(XII)の化合物は、式(1)の化合物について上記で記載した方法と同じように調製することができる。
【0198】
式(XIII)および(XIV)の化合物は、市販されているかまたは文献の方法に従って調製することができる。
【0199】
好ましい実施形態によれば、色変換体は、式(I)の赤色蛍光色素または式(I)の少なくとも2種の異なる化合物を含む混合物に加えて、上記で定義される更なる蛍光色素(i)~(vii)の個々の群からの1種の更なる有機蛍光色素または少なくとも2種の異なる蛍光色素を含む混合物を含む。
【0200】
更なる好ましい実施形態によれば、色変換体は、式(I)の少なくとも1種の赤色蛍光色素または式(I)の少なくとも2種の異なる化合物を含む混合物に加えて、上記で定義される更なる蛍光色素(i)~(vii)の個々の群からの2種以上の更なる有機蛍光色素を含む。
【0201】
好ましくは、色変換体は、式(II)、(III)、(IV)、(V)、(VII)、(VIII)、(IX)、(X)、(XI)の化合物から選択される少なくとも1種の化合物、式(VI)の少なくとも1つの構造単位を含む化合物およびそれらの混合物を含むことで、プランク曲線に接近した色度座標を有し、所望のCCTおよび高い平均演色特性を有する白色光を生成する。好ましくは、色変換体は、式(II)、(III)、(IV)、(V)、(VII)、(VIII)、(IX)、(X)、(XI)の化合物から選択される1または2種の化合物、式(VI)の少なくとも1つの構造単位を含む化合物およびそれらの混合物を含む。
【0202】
好ましい実施形態において、本発明による色変換体は、
- 式(II)の化合物およびそれらの混合物、
- 式(IV)の化合物およびそれらの混合物、
- 式(VI)の少なくとも1つの構造単位を含む化合物およびそれらの混合物、
- 式(VII)の化合物、
- 式(VIII)の化合物、
- 式(XI)の化合物およびそれらの混合物、
ならびにそれらの混合物
から選択される少なくとも1種の更なる有機蛍光色素を含む。
【0203】
これらの中で、特に好ましいのは、式(VI)の少なくとも1つの構造単位を含む化合物として式(VI-1)、(VI-2)、(VI-3)、(VI-4)、(VI-5)、(VI-6)、(VI-7)、(VI-8)、(VI-9)、(VI-10)、(VI-11)、(VI-12)、(VI-13)、(VI-14)、(VI-15)、(VI-16)、(VI-17)、(VI-18)、(VI-19)、(VI-20)、(VI-21)、(VI-22)、(VI-23)、(VI-24)、(VI-25)、(VI-26)、(VI-27)、(VI-28)、(VI-29)、(VI-30)、(VI-31)、(VI-32)、(VI-33)、(VI-34)、(VI-35)、(VI-36)、(VI-37)、(VI-38)、(VI-39)、(VI-40)、(VI-41)、(VI-42)、(VI-43)、(VI-44)、(VI-45)、(VI-46)、(VI-47)、(VI-48)、(VI-49)、(VI-50)、(VI-51)、(VI-52)、(VI-53)、(VI-54)、(VI-55)の化合物およびそれらの混合物を含む色変換体である。特により好ましいのは、式(VI)の少なくとも1つの構造単位を含む化合物として式(VI-5)、(VI-6)、(VI-7)、(VI-8)の化合物およびそれらの混合物を含む色変換体である。
【0204】
特別な実施形態によれば、色変換体は、
- 式(I)[式中、R1およびR2は、同じ意味を有し、1、2または3個のC1~C6-アルキル置換基を有するフェニルであり;R3、R10、R11およびR18は、同じ意味を有し、置換されていないかもしくは1または2個のC1~C4-アルキルで置換されているフェニルであり;R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10、R11、R12、R13、R14、R15、R16、R17およびR18は、それぞれ水素であり、基R4、R5、R6のうちの2つは水素であり、基R4、R5、R6のうちの1つはフェニルであり;基R7、R8、R9のうちの2つは水素であり、基R7、R8、R9のうちの1つはフェニルであり;基R12、R13、R14のうちの2つは水素であり、基R12、R13、R14のうちの1つはフェニルであり;基R15、R16、R17のうちの2つは水素であり;基R15、R16、R17のうちの1つはフェニルである]の少なくとも1種の化合物と、
- 式(VI)の少なくとも1つの構造単位を含む化合物として式(VI-5)、(VI-6)、(VI-7)もしくは(VI-8)の化合物またはそれらの混合物と
を含む。
【0205】
この特定の実施形態において、ポリマーマトリックスはポリカーボネートからなる。更なる特定の実施形態において、ポリマーマトリックスはポリスチレンからなる。更なる特定の実施形態において、ポリマーマトリックスはポリエチレンテレフタレートからなる。
【0206】
ポリマーマトリックス中の有機蛍光色素の濃度は、色変換体の厚さおよびポリマーの種類の関数として設定される。薄いポリマー層が使用される場合、有機蛍光色素の濃度は、一般的に厚いポリマー層の場合よりも高い。
【0207】
典型的には、ポリマー中の有機蛍光色素の量は、達成されるべき相関色温度CCTにも依存する。当業者は、黄色蛍光色素および赤色蛍光色素の濃度を増加させることによって、LEDから放出された光がより長い波長に調整されて必要なCCTを有する白色光を得ることを理解するであろう。
【0208】
典型的には、本発明による式(I)の赤色有機蛍光色素の濃度は、使用されるポリマーの量に対して、通常0.0001~0.5重量%、好ましくは0.001~0.1重量%の範囲にある。更なる黄色または黄緑色の有機蛍光色素の濃度は、使用されるポリマーの量に対して、典型的には0.002~0.5重量%、好ましくは0.003~0.4重量%である。
【0209】
式(I)の少なくとも1種の赤色有機蛍光色素に対する更なる黄色または黄緑色の発光有機蛍光色素の比率は、典型的には1:1~25:1、好ましくは2:1~20:1、より好ましくは2:1~15:1、例えば10:1または3:1または4:1の範囲にある。当業者は、選択された光源に色素の比率が依存することを容易に理解するであろう。所望のCCTのために、420nm~480nmの発光の中心波長を有する青色LEDによって光が生成される場合の黄色色素/赤色色素の比率は、6,000~20,000KのCCTを有する白色LEDによって光が生成される場合の黄色色素/赤色色素の比率と比較してはるかに大きい。
【0210】
特定の実施形態によれば、本発明による式(I)の赤色蛍光色素は、上記で定義される1種の更なる有機蛍光色素、特に黄色蛍光色素と組み合わせて使用される。更なる特定の実施形態によれば、本発明による式(I)の赤色蛍光色素は、2つの更なる有機蛍光色素、特に黄色または黄緑色の蛍光色素および本発明による式(I)の色素とは異なる更なる赤色蛍光色素または橙色有機蛍光色素と組み合わせて使用される。
【0211】
色変換体は、少なくとも1種の無機蛍光体材料をさらに含み得る。無機蛍光体材料は、好ましくは、ガーネット、ケイ酸塩、硫化物、窒化物および酸窒化物から選択される。これらの中で特に好ましいのは、ガーネット、ケイ酸塩、硫化物、窒化物および酸窒化物から選択されるものである。ガーネット、ケイ酸塩、硫化物、窒化物および酸窒化物の適切な例を以下の表1にまとめている:
【表1】
US5,998925(米国特許第5,998925号明細書)、US6,669,866(米国特許第6,669,866号明細書)、US6,812,500(米国特許第6,812,500号明細書)、US6,576,930(米国特許第6,576,930号明細書)、US6,0060,861(米国特許第6,0060,861号明細書)、US6,245,259(米国特許第6,245,259号明細書)、US6,765,237(米国特許第6,765,237号明細書)、US7,311,858(米国特許第7,311,858号明細書)、US7,267,787(米国特許第7,267,787号明細書)、US6,809,347(米国特許第6,809,347号明細書)、US6,943,380(米国特許第6,943,380号明細書)、US6,429,583(米国特許第6,429,583号明細書)、WO02/11214(国際公開第02/11214号)、WO2005052087(国際公開第2005052087号)
【0212】
本発明の色変換体は、少なくとも1つの量子ドットをさらに含み得る。量子ドットは、約20nm以下の直径を有する半導体材料のナノ結晶である。量子ドットは、Si系ナノ結晶、II-VI族化合物半導体ナノ結晶、III-V族化合物半導体ナノ結晶、IV-VI族化合物ナノ結晶およびそれらの混合物のうちの1つを含んでいてもよい。II-VI族化合物半導体ナノ結晶は、CdS、CdSe、CdTe、ZnS、ZnSe、ZnTe、HgS、HgSe、HgTe、CdSeS、CdSeTe、CdSTe、ZnSeS、ZnSeTe、ZnSTe、HgSeS、HgSeTe、HgSTe、CdZnS、CdZnSe、CdZnTe、CdHgS、CdHgSe、CdHgTe、HgZnS、HgZnSe、HggZnTe、CdZnSeS、CdZnSeTe、CdZnSTe、CdHgSeS、CdHgSeTe、CdHgSTe、HgZnSeS、HgZnSeTeおよびHgZnSTeからなる群から選択されるものを含んでいてもよい。III-V族化合物半導体ナノ結晶は、GaN、GaP、GaAs、AlN、AlP、AlAs、InN、InP、InAs、GaNP、GaNAs、GaPAs、AlNP、AlNAs、AlPAs、InNP、InNAs、InPAs、GaAlNP、GaAlNAs、GaAlPAs、GaInNP、GaInNAs、GaInPAs、InAlNP、InAlNAsおよびInAlPAsからなる群から選択されるものを含んでいてもよい。IV-VI族化合物半導体ナノ結晶はSnTeであってもよい。
【0213】
量子ドットの形態のナノ結晶を合成するために、量子ドットは、有機金属化学気相成長法もしくは分子線エピタキシーなどの気相成長法によって、または1種以上の前駆体を有機溶剤に添加することによって結晶を成長させる湿式化学プロセスによって調製することができる。
【0214】
本発明の一実施形態によれば、本発明の色変換体は積層構造を有する。それらは単層構造または多層構造のいずれかを有していてよく、一般的に1種以上の蛍光色素および/または散乱体を含む複数のポリマー層から構成される。色変換体が多層構造を有する場合、一方の層は本発明による赤色蛍光色素を含み、別の層は上記で定義される少なくとも1種の蛍光色素を含む。
【0215】
一実施形態において、本発明による少なくとも1種の赤色有機蛍光色素は、LEDに面する色変換体の層に存在する。別の実施形態において、少なくとも1種の更なる有機蛍光色素は、LEDに面する色変換体の層に存在する。
【0216】
上記の実施形態のいずれかによれば、色変換体は、散乱体として少なくとも1種の無機白色顔料をさらに含む。
【0217】
好ましい実施形態において、有機蛍光色素を含む層またはマトリックスの少なくとも1つが光の散乱体を含む。
【0218】
適切な散乱体は、DIN13320に従って0.01~10μm、好ましくは0.1~1μm、より好ましくは0.15~0.4μmの平均粒径を有する無機白色顔料、例えば二酸化チタン、硫酸バリウム、リトポン、酸化亜鉛、硫化亜鉛、炭酸カルシウム、特にTiO2に基づく散乱体である。
【0219】
散乱体は、各場合において散乱体を含む層のポリマーに対して、典型的には0.01~2.0重量%、好ましくは0.05~1重量%、より好ましくは0.1~0.5重量%の量で含まれる。
【0220】
好ましい実施形態において、色変換体は、赤色蛍光層と、本発明に従って存在する少なくとも1種の蛍光色素を含む緑黄色蛍光層とを有する二層構造を有し、ここで、赤色層は青色光源に面している。この実施形態において、両方の層が散乱体としてTiO2を含む。
【0221】
一実施形態において、色変換体は、一緒に積層されて複合体を形成した複数のポリマー層からなり、様々な蛍光色素/着色剤および/または散乱体は、異なるポリマー層に存在していてよい。
【0222】
本発明の色変換体が2種以上の有機蛍光色素/着色剤を含む場合、本発明の一実施形態において、複数の蛍光色素/着色剤が1つの層に互いに並存していることが可能である。
【0223】
別の実施形態において、様々な蛍光色素/着色剤が様々な層に存在する。
【0224】
好ましい実施形態において、本発明の色変換体は、本発明に従って存在する式(I)の少なくとも1種の有機蛍光色素またはそれらの混合物;式(II)の化合物から選択される少なくとも1種の更なる有機蛍光色素およびそれらの混合物、式(IV)の化合物およびそれらの混合物、式(VI)の構造単位を有する混合物およびそれらの混合物、式(VII)の化合物、式(VIII)の化合物、式(IX)の化合物、式(X)の化合物および式(XI)の化合物およびそれらの混合物、ならびにそれらの混合物;TiO2に基づく散乱体;ならびに本質的にポリスチレン、ポリエチレンテレフタレートまたはポリカーボネートからなる少なくとも1種のポリマーを含む。
【0225】
より好ましくは、本発明の色変換体は、
- 式(I)[式中、R1およびR2は、同じ意味を有し、1、2または3個のC1~C6-アルキル置換基を有するフェニルであり;R3、R10、R11およびR18は、同じ意味を有し、置換されていないかもしくは1または2個のC1~C4-アルキルで置換されているフェニルであり;R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10、R11、R12、R13、R14、R15、R16、R17およびR18は、それぞれ水素であり;特に、R3、R10、R11およびR18は、それぞれフェニルである]の少なくとも1種の有機蛍光色素またはそれらの混合物と、
- 式(VI)の少なくとも1つの構造単位を含む化合物として式(VI-5)、(VI-6)、(VI-7)もしくは(VI-8)の化合物またはそれらの混合物と、
- TiO2に基づく散乱体と、
- 本質的にポリエチレンテレフタレートからなる少なくとも1種のポリマーと
を含む。
【0226】
同様により好ましくは、本発明の色変換体は、
- 式(I)[式中、R1およびR2は、同じ意味を有し、1、2または3個のC1~C6-アルキル置換基を有するフェニルであり;R3、R10、R11およびR18は、同じ意味を有し、置換されていないかもしくは1または2個のC1~C4-アルキルで置換されているフェニルであり;R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10、R11、R12、R13、R14、R15、R16、R17およびR18は、それぞれ水素であり;特に、R3、R10、R11およびR18は、それぞれフェニルである]の少なくとも1種の有機蛍光色素またはそれらの混合物と、
- 式(VI)の少なくとも1つの構造単位を含む化合物として式(VI-5)、(VI-6)、(VI-7)もしくは(VI-8)の化合物またはそれらの混合物と、
- TiO2に基づく散乱体と、
- 本質的にポリスチレンからなる少なくとも1種のポリマーと
を含む。
【0227】
同様により好ましくは、本発明の色変換体は、
- 式(I)[式中、R1およびR2は、同じ意味を有し、1、2または3個のC1~C6-アルキル置換基を有するフェニルであり;R3、R10、R11およびR18は、同じ意味を有し、置換されていないかもしくは1または2個のC1~C4-アルキルで置換されているフェニルであり;R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10、R11、R12、R13、R14、R15、R16、R17およびR18は、それぞれ水素であり;特に、R3、R10、R11およびR18は、それぞれフェニルである]の少なくとも1種の有機蛍光色素またはそれらの混合物と、
- 式(VI)の少なくとも1つの構造単位を含む化合物として式(VI-5)、(VI-6)、(VI-7)もしくは(VI-8)の化合物またはそれらの混合物と、
- TiO2に基づく散乱体と、
- 本質的にポリカーボネートからなる少なくとも1種のポリマーと
を含む。
【0228】
更なる実施形態において、色変換体の少なくとも1種のポリマー層は、ガラス繊維で機械的に強化されている。
【0229】
本発明の色変換体は、任意の所望の形状配置であり得る。色変換体は、例えば、フィルム、シートまたはプラークの形態をとっていてもよい。同様に、有機蛍光色素を含有するマトリックスは、液滴形態もしくは半球形態または凸面および/もしくは凹面、平面または球状面を有するレンズの形態をとっていてもよい。
【0230】
「キャスティング」は、LEDまたはLEDを含む構成要素が有機蛍光色素を含むポリマーで完全に注型または包埋されている実施形態を指す。
【0231】
本発明の一実施形態において、有機蛍光色素を含むポリマー層(マトリックス)は、25~400マイクロメートル(μm)の厚さ、好ましくは35~300μm、特に50~200μmの厚さである。
【0232】
別の実施形態において、有機蛍光色素を含むポリマー層は、0.2~5mmの厚さ、好ましくは0.3~3mmの厚さ、より好ましくは0.4~1mmの厚さである。
【0233】
色変換体が1つの層からなるか、またはそれらが積層構造を有する場合、好ましい実施形態において、個々の層は連続的であり、空孔または遮断を全く有しない。
【0234】
本発明の色変換体は、任意にバッキング層などの更なる構成成分を含んでいてもよい。
【0235】
バッキング層は、色変換体に機械的安定性を付与するのに役立つ。バッキング層のための材料の種類は、それが透明であり所望の機械的強度を有する限り、重要ではない。バッキング層に適した材料は、例えば、ガラス、またはポリカーボネート、ポリスチレンもしくはポリメタクリレートもしくはポリメチルメタクリレートなどの透明な剛性有機ポリマーである。
【0236】
バッキング層は、一般的に0.1mm~10mm、好ましくは0.2mm~5mm、より好ましくは0.3mm~2mmの厚さを有する。
【0237】
本発明の一実施形態において、本発明の色変換体は、国際公開第2012/152812号(WO2012/152812)に開示されているように、酸素および/または水に対する少なくとも1つのバリア層を有する。バリア層に適したバリア材料の例は、例えば、ガラス、石英、金属酸化物、SiO2、Al2O3層とSiO2層との交互層からなる多層系、窒化チタン、SiO2/金属酸化物多層材料、ポリビニルアルコール、ポリアクリロニトリル、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)、液晶ポリマー(LCP)、ポリスチレン-アクリロニトリル(SAN)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリブチレンナフタレート(PBN)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリビニルブチレート(PBT)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリアミド、ポリオキシメチレン、ポリイミド、ポリエーテルイミド、エポキシ樹脂、エチレン-酢酸ビニル(EVA)から誘導されるポリマー、およびエチレン-ビニルアルコール(EVOH)から誘導されるポリマーである。
【0238】
バリア層のための好ましい材料は、ガラスまたはAl2O3とSiO2層との交互層からなる多層系である。
【0239】
好ましくは、適切なバリア層は、酸素に対する透過性が低い。
【0240】
より好ましくは、適切なバリア層は、酸素および水に対する透過性が低い。
【0241】
本発明の更なる態様は、LEDによって生成された光を変換するための上記で定義される色変換体の使用に関する。本発明は特に、420nm~480nmの発光の中心波長を有する青色LEDによって発生された光を変換して白色光を提供するための上記で定義される色変換体の使用に関する。
【0242】
同様に、本発明は、6,000K~20,000Kの相関色温度を有する冷白色LEDによって生成された光を変換してより低い相関色温度を有する白色光を提供するための上記で定義される色変換体の使用に関する。より具体的には、それらは20,000K~6,000K、例えば20,000K~8,000K、15,000K~8,100Kまたは12,000K~8,200KのCCTを有する白色LEDによって生成された光を変換して、例えば2000K~5000Kの範囲のより低いCCTを有する光を生成するのに適している。言い換えれば、本発明の色変換体は、白色光源の波長をより長い波長方向にシフト(すなわち赤色シフト)させて、温色系の光の色調を有する白色光を生成することができる。
【0243】
6,000K~20,000KのCCTを有する冷白色LEDは市販されている。420nm~480nmの発光の中心波長を有する青色LEDも市販されている。
【0244】
それらは光電装置および蛍光変換太陽電池における集光システム(蛍光集光体)としての用途にさらに適している。
【0245】
式(I)の本発明の蛍光色素は、420nm~480nmの発光の中心波長を有する青色LEDによって生成された光の照射時に高い光安定性を有する。式(I)の本発明の蛍光色素はまた、20,000K~6,000KのCCTを有する白色LEDによって生成された光の照射時に高い光安定性を有する。さらに、式(I)の本発明の蛍光色素は、酸素および水に対して安定である。
【0246】
本発明の色変換体は、異なる方法で調製することができる。
【0247】
一実施形態において、本発明の色変換体を製造する方法は、少なくとも1種のポリマーおよび少なくとも1種の有機蛍光色素および存在する場合には更なる有機蛍光色素を溶剤に溶解し、続いて溶剤を除去することを含む。
【0248】
別の実施形態において、本発明の色変換体を製造する方法は、少なくとも1種の有機蛍光色素および存在する場合には更なる有機蛍光色素を少なくとも1種のポリマーと共に押し出すことを含む。
【0249】
本発明の更なる態様は、6,000K~20,000KのCCTを有する少なくとも1つの白色LEDと、上記で定義される少なくとも1つの色変換体とを含み、ここで、色変換体とLEDとがリモートホスファー配置にある、照明装置に関する。本発明のなお更なる態様は、420nm~480nmの発光の中心波長を有する少なくとも1つの青色LEDと、上記で定義される少なくとも1つの色変換体とを含み、ここで、色変換体とLEDとがリモートホスファー配置にある、照明装置に関する。
【0250】
一実施形態において、本発明の照明装置は、420nm~480nmの発光の中心波長を有する青色LEDおよび6,000K~20,000KのCCTを有する白色LEDから選択される複数のLEDを含む。本発明の色変換体は、420nm~480nmの発光の中心波長を有する青色LEDおよび6,000K~20,000KのCCTを有する白色LEDから選択されるLEDと実際には任意の形状で照明装置の構造とは無関係に組み合わせて使用することができる。
【0251】
本発明の色変換体は、リモートホスファー構成において使用される。この場合、色変換体は、LEDから空間的に分離されている。LEDと色変換体との間の距離は、一般的に0.1cm~50cm、好ましくは0.2~10cm、最も好ましくは0.5~3cmである。色変換体とLEDとの間には、空気、希ガス、窒素もしくは他のガスまたはそれらの混合物などの異なる媒体があってもよい。
【0252】
色変換体は、例えば、LEDの周りに同心円状に配置されてもよいか、または平型形状を有していてもよい。それは、例えば、プラーク、シートもしくはフィルムの形態、液滴形態、またはキャスティングの形態をとっていてもよい。
【0253】
本発明の照明装置は、屋内、屋外、オフィス、乗り物、トーチ、ゲーム機、街灯、交通標識の照明に適している。
【0254】
本発明の照明装置は、高い平均演色評価数を有する暖色系-白色光を呈する。さらに、それらは長い寿命、特に青色光の照射時に高い光安定性を有する。
【0255】
本発明の更なる態様は、特にLEDおよびOLEDから選択される光源から放出された光を変換して第二のより長い波長の光にするための、コーティング、印刷インキおよびプラスチックを着色するための、電磁放射を吸収および/または放出する水性ポリマー分散液を製造するための、データ保存用、光学ラベル用、文書における偽造防止ラベル用の、ならびに商標保護用または生体分子用の蛍光標識としての、色変換体における式(I)のペリレンビスイミド化合物またはそれらの混合物の使用に関する。式(I)の化合物は高度に蛍光性であり、それらを偽造防止インキのために有用にする。更なる態様は、それらの顕著な光学的特性により、偽造防止印刷用の偽造防止インキにおける上記で定義される式(I)のペリレンビスイミド化合物またはそれらの混合物の使用に関する。放出された光の波長は500~約750nmであり得る。
【0256】
したがって、本発明の更なる態様は、上記で定義される式(I)の少なくとも1種の化合物またはそれらの混合物を含む、偽造防止印刷用の印刷インキ配合物である。
【0257】
偽造防止印刷は、通貨、パスポート、改ざん防止ラベル、株券、税印、郵便切手、身分証明書などの品目の印刷を扱う分野である。偽造防止印刷の主な目的は、贋造、改ざん、または偽造を防止することである。
【0258】
自動紙幣処理の分野では、UV吸収が重要な役割を果たす。実際に流通している通貨の大部分は、目に見える色の印刷物だけでなく、UV光にさらされたときにのみ検出可能な特定の機能も有している。一般的に、これらの機能は、決定された紙幣を認識し、その真正性を検証するために、特にカラーコピー機で作り出された複製物から識別するために、銀行および販売機用途(現金自動預払機、自動販売機など)において自動通貨処理装置によって使用するために実装されている。
【0259】
全ての偽造防止文書には、良好な安定性および耐久性が要求される。紙幣の場合、これらの要件は極端なものであり、それというのも紙幣は、一般の人々による非常に過酷な使用にさらされたり-それらは折り畳まれたり、しわくちゃにされたりすることなどによる材料負荷にさらされる-摩耗にさらされたり、風化にさらされたり、体液、例えば汗にさらされたり、洗濯、ドライクリーニング、アイロン掛けされたりなどして、これにさらされた後も、使い始めたときと同じ程度に判読可能なことが期待されるからである。さらに、前述の条件を被るにもかかわらず、文書は合理的な寿命、理想的には数年の寿命を有することが不可欠である。この間ずっと、文書ひいてはその上にあるインキ(目には見えない偽造防止マーキングを含む)は、退色または変色に対する耐性があるべきである。したがって、偽造防止印刷プロセスで使用されるインキはどれも硬化時に堅牢で耐水性があり、様々な化学薬品に耐性があり、柔軟性があるべきである。さらに、紙幣の基材としての紙の使用から特定の状態が脱却するにつれて、用いられる印刷インキ配合物は、紙だけでなくプラスチックにも使用することができるべきである。特有の適用特性のために、一般式(I)の化合物が、偽造防止印刷、特に紙幣用に用いられる印刷インキ配合物に特に適していることが今や見出された。
【0260】
偽造防止印刷では、蛍光色素が印刷インキ配合物に加えられる。適切な印刷インキは、インキジェット印刷、フレキソ印刷、グラビア印刷、スクリーン印刷、凹版印刷、オフセット印刷、レーザー印刷または凸版印刷のためや、電子写真に使用するための顔料または色素に基づく水性、油性または溶剤性の印刷インキである。これらの印刷プロセスの印刷インキは、通常、溶剤、バインダー、および様々な添加剤、例えば可塑剤、帯電防止剤またはワックスを含む。オフセット印刷、凸版印刷および凹版印刷のための印刷インキは、通常、高粘度ペースト印刷インキとして配合されるのに対して、フレキソ印刷およびインキジェット印刷のための印刷インキは、通常、比較的低粘度の液体印刷インキとして配合される。
【0261】
本発明の文脈において、「印刷インキ」という表現には、一般式(I)の少なくとも1種の蛍光色素に加えて着色剤を含む配合物も包含される。「印刷インキ」という表現には、着色剤を一切含まない印刷ラッカーも包含される。
【0262】
本発明による偽造防止印刷用の印刷インキ配合物は、好ましくは、
a)上記で定義される式(I)の少なくとも1種の化合物またはそれらの混合物と、
b)ポリマーバインダーと、
c)任意に有機溶剤と、
d)任意に少なくとも1種の着色剤と、
e)任意に少なくとも1種の更なる添加剤と
を含む。
【0263】
印刷インキの適切な成分は従来のものであり、当業者に周知である。そのような成分の例は、「Printing Ink Manual」,fourth edition,Leach R.H.et al.(eds.),Van Nostrand Reinhold,Wokingham,(1988)に記載されている。印刷インキおよびそれらの配合の詳細は、「Printing Inks」-Ullmann’s Encyclopedia of Industrial Chemistry,Sixth Edition,1999 Electronic Releaseにも開示されている。
【0264】
本発明による印刷インキ配合物は、印刷インキ配合物の総重量に対して、一般的に0.0001~25重量%、好ましくは0.001~15重量%、特に0.01~5重量%の成分a)を含有する。
【0265】
一般式(I)の化合物は、溶解形態または固体形態(微細に分割された状態)で印刷インキ配合物中に存在する。
【0266】
本発明による印刷インキ配合物は、一般に、印刷インキ配合物の総重量に対して、5~75重量%、好ましくは10~60重量%、より好ましくは15~40重量%の成分b)を含有する。
【0267】
本発明による印刷インキ配合物のための適したポリマーバインダーb)は、例えば、天然樹脂、フェノール樹脂、フェノール変性樹脂、アルキド樹脂、ポリスチレンホモポリマーおよびコポリマー、テルペン樹脂、シリコーン樹脂、ポリウレタン樹脂、尿素-ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、塩化ゴム、ビニルエステル樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ニトロセルロース、炭化水素樹脂、酢酸セルロース、およびその混合物から選択される。
【0268】
本発明による印刷インキ配合物は、硬化プロセスによってポリマーバインダーを形成する成分を含んでいてもよい。したがって、本発明による印刷インキ配合物は、エネルギー硬化性であるように配合することもでき、例えば、UV光またはEB(電子ビーム)放射によって硬化することができる。この実施形態では、バインダーは、1種以上の硬化性モノマーおよび/またはオリゴマーを含む。対応する配合物は当該技術分野において公知であり、SITA Technology Limitedと共同でJohn Wiley & Sonsにより1997年~1998年に7巻で出版された連続出版物「Chemistry & Technology of UV & EB Formulation for Coatings,Inks & Paints」などの標準的な教科書に見出すことができる。
【0269】
適切なモノマーおよびオリゴマー(プレポリマーとも呼ばれる)には、エポキシアクリレート、アクリル化油、ウレタンアクリレート、ポリエステルアクリレート、シリコーンアクリレート、アクリル化アミンおよびアクリル飽和樹脂が含まれる。更なる詳細および例は、G Webster編「Chemistry & Technology of UV & EB Formulation for Coatings,Inks & Paints」,Volume II: Prepolymers & Reactive Diluentsに記載されている。
【0270】
硬化性ポリマーバインダーが用いられる場合、それは、反応性希釈剤、すなわち、溶剤として作用し、硬化時にポリマーバインダー中に組み込まれるモノマーを含有していてもよい。反応性モノマーは、典型的にはアクリレートまたはメタクリレートから選択され、単官能性または多官能性であってよい。多官能性モノマーの例には、ポリエステルアクリレートまたはメタクリレート、ポリオールアクリレートまたはメタクリレート、およびポリエーテルアクリレートまたはメタクリレートが含まれる。
【0271】
UV照射により硬化される印刷インキ配合物の場合、通常、UV照射にかけられたときにモノマーの硬化反応を開始させるための少なくとも1種の光開始剤を含む必要がある。有用な光開始剤の例は、J.V.Crivello & K.Dietliker著、G.Bradley編の、SITA Technology Limitedと共同でJohn Wiley & Sonsにより1998年に出版された「Chemistry & Technology of UV & EB Formulation for Coatings,Inks & Paints」,Volume III,「Photoinitiators for Free Radical Cationic and Anionic Polymerisation」,2nd editionなどの標準的な教科書に見出すことができる。効率的な硬化を達成するために、光開始剤と共に増感剤を含むことも有利であり得る。
【0272】
本発明による印刷インキ配合物は、一般に、印刷インキ配合物の総重量に対して、0~94.9999重量%、好ましくは5~90重量%、特に10~85重量%の溶剤c)を含有する。
【0273】
適切な溶剤は、水、有機溶剤およびその混合物から選択される。本発明の目的のために、溶剤としても作用する反応性モノマーは、上述のバインダー成分b)の一部と見なされる。
【0274】
溶剤の例には、水;アルコール類、例えばエタノール、1-プロパノール、2-プロパノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコールおよびエトキシプロパノール;エステル類、例えば酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸n-プロピル、酢酸n-ブチル;炭化水素、例えばトルエン、キシレン、鉱油および植物油、ならびにそれらの混合物が含まれる。
【0275】
本発明による印刷インキ配合物は、追加の着色剤d)を含有していてもよい。好ましくは、印刷インキ配合物は、印刷インキ配合物の総重量に対して、0~25重量%、より好ましくは0.1~20重量%、特に1~15重量%の着色剤d)を含有する。
【0276】
適切な着色剤d)は、選択された慣用の色素、特に従来の顔料である。「顔料」という用語は、本発明の文脈において、全ての顔料および充填剤、例として着色顔料、白色顔料および無機充填剤を包括的に関連付けるために使用される。これらには、無機白色顔料、例えば二酸化チタンであって、好ましくはルチル型のもの、硫酸バリウム、酸化亜鉛、硫化亜鉛、塩基性炭酸鉛、三酸化アンチモン、リトポン(硫化亜鉛+硫酸バリウム)、または有色顔料、例として酸化鉄、カーボンブラック、グラファイト、亜鉛イエロー、亜鉛グリーン、ウルトラマリン、マンガンブラック、アンチモンブラック、マンガンバイオレット、パリブルーまたはシュバインフルトグリーンが含まれる。無機顔料の他に、本発明の印刷インキ配合物はまた、有機着色顔料、例としてセピア、ガンボギー、カッセルブラウン、トルイジンレッド、パラレッド、ハンザイエロー、インジゴ、アゾ色素、アントラキノノイドおよびインジゴイド色素、ならびにジオキサジン、キナクリドン、フタロシアニン、イソインドリノン、イソインドリン、ペリレンおよび金属錯体顔料を含んでいてもよい。光散乱を増加させるために空気介在物を有する合成白色顔料、例えばRhopaque(登録商標)分散液も適している。適切な充填剤は、例えば、アルミノケイ酸塩、例えば長石、ケイ酸塩、例えばカオリン、タルク、マイカ、マグネサイト、アルカリ土類金属炭酸塩、例えば炭酸カルシウムであって、例えばカルサイトまたはチョークの形態のもの、炭酸マグネシウム、ドロマイト、アルカリ土類金属硫酸塩、例えば硫酸カルシウム、二酸化ケイ素などである。
【0277】
本発明による印刷インキ配合物は、少なくとも1種の添加剤e)を含有していてもよい。好ましくは、印刷インキ配合物は、印刷インキ配合物の総重量に対して、0~25重量%、より好ましくは0.1~20重量%、特に1~15重量%の少なくとも1種の成分e)を含有する。
【0278】
適切な添加剤(成分e))は、可塑剤、ワックス、乾燥剤、帯電防止剤、キレート化剤、酸化防止剤、安定剤、接着促進剤、界面活性剤、流動制御剤、消泡剤、殺生物剤、増粘剤など、およびそれらの組合せから選択される。これらの添加剤は、特に、印刷インキの塗布関連特性、例として接着性、耐摩耗性、乾燥速度またはスリップ性を微調整する働きをする。
【0279】
特に、本発明による偽造防止印刷用の印刷インキ配合物は、好ましくは、
a)上記で定義される式(I)の少なくとも1種の化合物またはその混合物0.0001~25重量%と、
b)少なくとも1種のポリマーバインダー5~75重量%と、
c)少なくとも1種の溶剤0~94.9999重量%と、
d)少なくとも1種の着色剤0~25重量%と、
e)少なくとも1種の更なる添加剤0~25重量%と
を含有し、成分a)~e)の合計は100%になる。
【0280】
本発明による印刷インキ配合物は、従来の方法で、例えば個々の成分を混合することによって有利には調製される。先に述べた通り、式(I)の蛍光色素は、溶解または微細に分割された固体形態で印刷インキ配合物中に存在する。追加の着色剤を、本発明の印刷インキ配合物中に、または別個のインキ配合物中に用いてもよい。追加の着色剤が別個の配合物中で用いられる場合、本発明による印刷インキ配合物の塗布時間は通常は重要ではない。本発明による印刷インキ配合物は、例えば、最初に塗布した後、従来の印刷インキで重ね印刷することができる。しかし、この順序を逆にすることもできるし、あるいは従来の印刷インキと混合して本発明による印刷インキ配合物を塗布することも可能である。どのような場合でも、印刷物は適切な光源で読み取ることができる。
【0281】
プライマーは、本発明による印刷インキ配合物の前に塗布することができる。一例として、プライマーは、基材への接着を改善するために塗布される。追加の印刷ラッカーを、例えば、印刷された画像を保護するためのカバーの形態で塗布することも可能である。審美的目的をかなえるために、または塗布関連特性を制御するために、追加の印刷ラッカーを塗布することもできる。一例として、適切に配合された追加の印刷ラッカーを使用して、基材の表面の粗さ、電気特性、または水蒸気凝縮特性に影響を与えることができる。印刷ラッカーは、通常、本発明による印刷インキ配合物を印刷するために用いられる印刷機上のラッカー吹付システムによってインラインで塗布される。
【0282】
本発明による印刷インキ配合物は、多層材料における使用にも適している。多層材料は、例えば、2つ以上のプラスチックフィルム、例えばポリオレフィンフィルム、金属フィルム、または金属化プラスチックフィルムから構成され、それらは、一例として、貼り合わせにより、または貼合せ用接着剤の助けを借りて互いに結合される。これらの複合体は、光学的可変層、臭気バリア層または水蒸気バリアなどの他の機能層を含んでいてもよい。
【0283】
本発明による印刷インキ配合物は、オフセット印刷、凸版印刷、グラビア印刷および凹版印刷に特に適している。
【0284】
透明な基材が使用される場合、式(I)の蛍光色素を励起するためのランプのタイプは、一般的に重要ではなく、すなわち、式(I)の蛍光色素の吸収プロファイル内の波長で光を放出する全ての光源である。例えば、高圧または中圧水銀ランプで十分である。任意の紫外光源を、高圧もしくは低圧水銀灯、黒色光、紫外LED、または紫外線レーザーなどの放射線源として用いることができる。
【0285】
本発明の更なる態様は、上記で定義される印刷インキ配合物を基材上に印刷するステップを含む偽造防止文書の製造方法である。
【0286】
更なる態様は、基材と、硬化インキであって、上記で定義される式(I)の少なくとも1種の化合物またはそれらの混合物を含むインキとを含む偽造防止文書である。
【0287】
更なる態様は、上記で定義される印刷インキ配合物を用いる印刷プロセスによって得ることができる、上記で定義される偽造防止文書である。偽造防止文書は、好ましくは、紙幣、パスポート、小切手、バウチャー、IDカードまたは取引カード、切手およびタックスラベルから選択される。偽造防止文書は、剛性もしくは柔軟性の包装、カートンボードまたは商標もしくは製品ラベルの一部であってもよい。
【0288】
本発明を以下の実施例によってさらに詳細に説明するが、それらに限定するものではない。
【0289】
実施例
分光計測
蛍光スペクトルおよび蛍光量子収率は、浜松製の絶対量子収率測定装置(C9920-02)を用い、必要に応じて液体サンプル用キュベットを装着して記録した。スペクトルは450nmおよび510nmの励起波長で記録した。
【0290】
I.式(I)の化合物の調製
実施例1:式(I)[式中、R
1=R
2=2,6-ジイソプロピルフェニル;R
3=R
10=R
11=R
18=フェニル;R
4=R
5=R
6=R
7=R
8=R
9=R
12=R
13=R
14=R
15=R
16=水素]の化合物
【化35】
【0291】
5g(5.9mmol)のN,N’-(2,6-ジイソプロピルフェニル)-1,6,7,12-テトラクロロペリレンテトラカルボン酸ジイミド、4.23g(24.9mmol)のビフェニル-2-オール、138.21g(16.9mmol)の炭酸カリウムおよび30mLのN-メチル-2-ピロリドン(NMP)の混合物を室温で24時間、次いで115℃で48時間撹拌した。80℃に冷却した後、反応混合物を15分以内に酢酸10mLと水20mLとの混合物に滴加し、2時間かけて室温に冷却し、次いで濾過した。残渣をエタノール/水(1:1)の混合物300mLで洗浄し、次いでエタノール/水/NMP(4:4:1)の混合物600mLで洗浄した。残渣を35mLのエタノールと5mLのNMPとの混合物に還流下で溶解し、次いで室温に冷却し、分離して5.6g(62%)の赤色色素を得て、これをシクロヘキサン/酢酸エチルを用いたクロマトグラフィーにより精製した。収量は2.06g(23%)であった。Rf(シクロヘキサン/酢酸エチル10:1)=0.29。
【0292】
実施例2:式(I)[式中、R
1=R
2=2,6-ジイソプロピルフェニル;R
3=R
10=R
11=R
18=フェニル;R
4=R
6=R
7=R
9=R
12=R
14=R
15=水素;R
5=R
8=R
13=R
16=フェニル]の化合物
【化36】
【0293】
4.24g(5mmol)のN,N’-(2,6-ジイソプロピルフェニル)-1,6,7,12-テトラクロロペリレンテトラカルボン酸ジイミド、25mLのNMP、6.16g(25mmol)の2,4-ジフェニルフェノールおよび3.46g(25mmol)のK2CO3の混合物を120℃で16時間加熱した。反応混合物を60℃に冷却し、75mLのメタノールを添加した。形成された懸濁液を濾過し、フリット上で撹拌しながらメタノールで4回洗浄した。残渣を温水で数回洗浄し、70℃で真空乾燥させた。5.87g(70%)の標記生成物が得られた。HPLCによると、純度は96.4%である。
Rf(石油エーテル:tert-ブチルメチルエーテル=10:2)=0.43
λ最大発光:629nm(ポリカーボネート中)。
PC中でのFQY92%。
【0294】
II.色変換体の調製
使用した材料:
LED 1:9109KのCCTを有する冷白色LED
LED 2:8595KのCCTを有する冷白色LED
ポリマー1:ビスフェノールAとホスゲンとの重縮合物に基づく透明ポリカーボネート(Bayer MaterialScience AG製のMakrolon(登録商標)2805)
色素1:黄色蛍光色素
国際公開第2012/168395号(WO2012/168395)の実施例10に記載されるようにして得られ、続いてクロマトグラフィーで精製した式(VI-5)
【化37】
の化合物。化合物VI-5を含む混合物を更なるカラムクロマトグラフィーにかけて純粋な化合物VI-5を得る。
色素2:本発明の赤色蛍光色素
実施例1からの化合物
【化38】
色素3:赤色蛍光色素(本発明によらない)
BASF SEから入手可能なN,N’-ビス(2,6-ジイソプロピルフェニル)-1,6,7,12-テトラフェノキシペリレン-3,4;9,10-テトラカルボン酸ジイミド
【化39】
二酸化チタン:TiO
2ルチル顔料:Kronos(登録商標)2233-Kronos Titan製
【0295】
色変換体の製造
変換体材料を製造するために、言い換えれば、ポリカーボネート、所望の濃度(表Iを参照)に従った色素およびTiO
2(Kronos 2233)をジクロロメタンと混合した。得られた溶液/分散液をアプリケーターフレーム(Ericsenからの湿潤フィルム厚さ800μm)を用いてガラス表面上にコーティングした。溶剤が乾燥した後、フィルムをガラスから剥がして乾燥させた。円形のポリマープレートが得られた。
【表2】
【0296】
黄色蛍光色素1、赤色蛍光色素2、赤色蛍光色素3およびTiO2の量は、それぞれ使用されるポリマーポリカーボネートの量に基づく。
【0297】
本発明の色素2のスペクトルは比較色素3のスペクトルと比較して赤色にシフトしているので、本発明の例A1、A2およびA3は、比較例C1およびC2よりも多量の赤色蛍光色素を含む。これは赤色系の色相よりも黄緑色系の色相に対して敏感である人間の目の色知覚を考慮に入れている。
【0298】
照明装置の特性決定:
LED1およびLED2のそれぞれを励起光源として使用した。変換体プレートの表面から照射された光を光度測定にかけ、ここで、装置から照射された全光を積分球、ISP500-100、およびCAS140CT-156CCD検出器(Instrument Systems製、ミュンヘン在)を用いた積分測定によって測定した。この測定された放射輝度スペクトルを使用して、全ての測光データ、例えばケルビン[K]単位のCCT(=相関色温度)、平均演色評価数CRIおよび基準色No.9(R9)の演色評価数を導き出した。結果を表IIおよび表IIIに示す。
【表3】
【表4】
【0299】
表IIおよび表IIIは、本発明の色変換体(例A1、A2、A3)ならびに本発明によらない色変換体(例C1およびC2)がほぼ同様のCIE色座標を有する温白色光を生成することを示す。本発明の実施例は、平均CRIの増加およびR9の有意な増加を示す。黄色色素1は、比較例において本発明の例と同じであるので、平均CRIおよびR9の改善は、本発明の赤色色素に起因し得る。