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特許7114807画像処理装置、画像処理方法、および画像処理プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-07-29
(45)【発行日】2022-08-08
(54)【発明の名称】画像処理装置、画像処理方法、および画像処理プログラム
(51)【国際特許分類】
   H04N 5/765 20060101AFI20220801BHJP
   H04N 5/92 20060101ALI20220801BHJP
   H04N 5/232 20060101ALI20220801BHJP
   G06T 1/00 20060101ALI20220801BHJP
【FI】
H04N5/765
H04N5/92 010
H04N5/232 300
H04N5/232 290
H04N5/232 930
G06T1/00 510
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2021522914
(86)(22)【出願日】2020-05-29
(86)【国際出願番号】 JP2020021429
(87)【国際公開番号】W WO2020241855
(87)【国際公開日】2020-12-03
【審査請求日】2021-10-29
(31)【優先権主張番号】P 2019103132
(32)【優先日】2019-05-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】306037311
【氏名又は名称】富士フイルム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】特許業務法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】寺田 昌弘
(72)【発明者】
【氏名】若林 覚
(72)【発明者】
【氏名】斎藤 太郎
(72)【発明者】
【氏名】水澤 哲也
【審査官】鈴木 順三
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-127819(JP,A)
【文献】特開2006-311108(JP,A)
【文献】特開2006-121326(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 5/76 - 5/956
H04N 5/222 - 5/257
G06T 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つのプロセッサを備え、
前記プロセッサは、
画像データが示す画像内の一部の領域である参照領域を設定し、
設定された前記参照領域の前記画像内の位置および前記参照領域の画像処理パラメータを含む参照領域に関する情報と、前記画像データとを関連付けて保存し、
前記画像内の任意の領域を表示領域として設定する、ユーザによる入力を受信し、
前記参照領域と前記表示領域とが一致しない場合に、前記参照領域の画像処理パラメータに基づいて前記表示領域の画像処理パラメータを生成し、生成した前記表示領域の画像処理パラメータに基づいて、前記表示領域に対して画像処理を行った処理済みの画像を出力する
画像処理装置。
【請求項2】
前記プロセッサは、前記参照領域に関する情報として、前記参照領域が複数ある場合に、複数の前記参照領域の前記画像処理パラメータのうちのどの画像処理パラメータを優先するかを示す参照領域の優先度を設定可能であり、
前記プロセッサは、前記参照領域の優先度と、前記参照領域の画像処理パラメータとに基づいて、前記表示領域の画像処理パラメータを生成する
請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記プロセッサは、前記参照領域と前記表示領域との距離と、前記参照領域の画像処理パラメータとに基づいて、前記表示領域の画像処理パラメータを生成する
請求項1または2に記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記プロセッサは、前記参照領域の面積と、前記参照領域の画像処理パラメータとに基づいて、前記表示領域の画像処理パラメータを生成する
請求項1から3のいずれか1項に記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記画像データは、RAW画像データであり、
前記プロセッサが行う画像処理は、前記RAW画像データに対する現像処理を含む
請求項1から4のいずれか1項に記載の画像処理装置。
【請求項6】
画像データが示す画像内の一部の領域である参照領域を設定する参照領域設定ステップと、
設定された前記参照領域の前記画像内の位置および前記参照領域の画像処理パラメータを含む参照領域に関する情報と、前記画像データとを関連付けて保存する保存ステップと、
前記画像内の任意の領域を表示領域として設定する、ユーザによる入力を受信する、表示領域設定ステップと、
前記参照領域と前記表示領域とが一致しない場合に、前記参照領域の画像処理パラメータに基づいて前記表示領域の画像処理パラメータを生成し、生成した前記表示領域の画像処理パラメータに基づいて、前記表示領域に対して画像処理を行った処理済みの画像を出力する画像出力ステップと
を備える画像処理方法。
【請求項7】
画像データが示す画像内の一部の領域である参照領域を設定する参照領域設定ステップと、
設定された前記参照領域の前記画像内の位置および前記参照領域の画像処理パラメータを含む参照領域に関する情報と、前記画像データとを関連付けて保存する保存ステップと、
前記画像内の任意の領域を表示領域として設定する、ユーザによる入力を受信する、表示領域設定ステップと、
前記参照領域と前記表示領域とが一致しない場合に、前記参照領域の画像処理パラメータに基づいて前記表示領域の画像処理パラメータを生成し、生成した前記表示領域の画像処理パラメータに基づいて、前記表示領域に対して画像処理を行った処理済みの画像を出力する画像出力ステップと
をコンピュータに実行させる画像処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、画像処理装置、画像処理方法、および画像処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
RAW画像データが示す画像内の一部の領域のみについて、現像処理を行って表示することが可能な画像処理装置が提案されている(特開2004-40559号公報および特開2013-127819号公報参照)。
【発明の概要】
【0003】
本開示は、画像データが示す画像内の一部の領域に対して画像処理を行う場合に、良好な画像処理を施すことが可能な画像処理装置、画像処理方法、および画像処理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本開示の一態様に係る画像処理装置は、少なくとも1つのプロセッサを備え、プロセッサは、画像データが示す画像内の一部の領域である参照領域を設定し、設定された参照領域の画像内の位置および参照領域の画像処理パラメータを含む参照領域に関する情報と、画像データとを関連付けて保存し、画像内の任意の領域を表示領域として設定し、参照領域と表示領域とが異なる場合に、参照領域の画像処理パラメータに基づいて表示領域の画像処理パラメータを生成し、生成した表示領域の画像処理パラメータに基づいて、表示領域に対して画像処理を行った処理済みの画像を出力する。
【0005】
上記態様の画像処理装置においては、プロセッサは、参照領域に関する情報として、参照領域が複数ある場合に、複数の参照領域の画像処理パラメータのうちのどの画像処理パラメータを優先するかを示す参照領域の優先度を設定可能であり、プロセッサは、参照領域の優先度と、参照領域の画像処理パラメータとに基づいて、表示領域の画像処理パラメータを生成してもよい。
【0006】
また、上記態様の画像処理装置においては、プロセッサは、参照領域と表示領域との距離と、参照領域の画像処理パラメータとに基づいて、表示領域の画像処理パラメータを生成してもよい。
【0007】
また、上記態様の画像処理装置においては、プロセッサは、参照領域の面積と、参照領域の画像処理パラメータとに基づいて、表示領域の画像処理パラメータを生成してもよい。
【0008】
また、上記態様の画像処理装置においては、画像データは、RAW画像データであり、プロセッサが行う画像処理は、RAW画像データに対する現像処理を含んでもよい。
【0009】
本開示の一態様に係る画像処理方法は、画像データが示す画像内の一部の領域である参照領域を設定する参照領域設定ステップと、設定された参照領域の画像内の位置および参照領域の画像処理パラメータを含む参照領域に関する情報と、画像データとを関連付けて保存する保存ステップと、画像内の任意の領域を表示領域として設定する表示領域設定ステップと、参照領域と表示領域とが異なる場合に、参照領域の画像処理パラメータに基づいて表示領域の画像処理パラメータを生成し、生成した表示領域の画像処理パラメータに基づいて、表示領域に対して画像処理を行った処理済みの画像を出力する画像出力ステップとを備える。
【0010】
本開示の一態様に係る画像処理プログラムは、画像データが示す画像内の一部の領域である参照領域を設定する参照領域設定ステップと、設定された参照領域の画像内の位置および参照領域の画像処理パラメータを含む参照領域に関する情報と、画像データとを関連付けて保存する保存ステップと、画像内の任意の領域を表示領域として設定する表示領域設定ステップと、参照領域と表示領域とが異なる場合に、参照領域の画像処理パラメータに基づいて表示領域の画像処理パラメータを生成し、生成した表示領域の画像処理パラメータに基づいて、表示領域に対して画像処理を行った処理済みの画像を出力する画像出力ステップとをコンピュータに実行させる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】第1の実施の形態による画像処理装置を適用した画像表示システムの概略構成図
図2】上記画像表示システムにおける画像の表示例を示す図
図3図2に示す画像の構成を示す図
図4図2に示す画像の構成を示す図
図5図2に示す画像の一部を拡大した状態を示す図
図6図2に示す画像の一部を拡大した状態を示す図
図7図2に示す画像の一部を拡大した状態を示す図
図8】画像処理装置のハードウェア構成を示すブロック図
図9】画像処理装置の機能構成の例を示すブロック図
図10】端末のハードウェア構成を示すブロック図
図11】画像中の参照領域と表示領域との関係を示す図
図12】RAW画像データ毎に設定される現像パラメータ等のデータテーブルの一例を示す図
図13】画像表示システムにおける画像表示時の処理の流れを説明するフローチャート
図14】画像処理装置における現像パラメータ取得時の処理の流れを説明するフローチャート
図15】画像処理装置における現像パラメータ取得時の処理の流れを説明するフローチャート
図16】表示領域の形態毎の現像パラメータ算出方法を示す表
図17】第2の実施の形態による画像表示システムにおける表示領域の形態毎の現像パラメータ算出方法を示す表
図18】画像処理装置における現像パラメータ取得時の処理の流れを説明するフローチャート
図19】画像処理装置における現像パラメータ取得時の処理の流れを説明するフローチャート
図20】画像中の参照領域と表示領域との関係を示す図
【発明を実施するための形態】
【0012】
[第1の実施の形態]
以下、図面を参照して本開示の実施の形態について説明する。図1は本開示の第1の実施の形態による画像処理装置を適用した画像表示システムの概略構成図である。図1に示す画像表示システム1は、クラウド上で管理されたRAW画像データ(画像データの一例である)に対して、ネットワークを介して接続された端末から現像処理が依頼可能なシステムである。
【0013】
図2は、画像表示システムにおける画像の表示例を示す図である。図2に示す画像は、川越しに対岸の街を写した風景画像であり、川にはヨットが浮かんでおり、対岸の街には複数のビル群がある。図2に示す画像を、風景全体を写した全体画像G0と呼ぶ。全体画像G0は、後述する通り、画像データの一例であるRAW画像データに基づいて現像されることにより生成された画像である。図3,4は、図2に示す全体画像G0の構成を示す図である。図5~7は、図2に示す全体画像G0の一部を拡大した拡大画像G1A、G2A、およびG3Aを示す図である。
【0014】
図1に示すように、画像表示システム1は、画像処理装置10と、画像処理装置10と通信可能な複数の端末20とを含む。画像処理装置10と端末20とは、インターネット等のネットワークを介して接続されており、端末20から見ると画像処理装置10は雲の上に存在するようにも見える。そのため、ネットワークを介して接続される画像処理装置10はクラウドと呼ばれる。本明細書では、以下において、画像処理装置10をクラウドと呼ぶ場合がある。
【0015】
画像処理装置10は、端末20からの指示に基づいてRAW画像データの現像を行い、現像後の画像データを端末20に送信する。より詳細には、画像処理装置10は、端末20から現像対象のRAW画像データの指定を受けると、図2に示すように、指定されたRAW画像データの全体画像G0を生成し、端末20において表示させる。
【0016】
画像処理装置10で扱うRAW画像データの解像度としては、例えば8K(例えば、7680×4320)解像度、またはそれ以上の解像度等、非常に高解像度のRAW画像データを扱うことができる。このような高解像度のRAW画像データとしては、図3に示すように、1つの高解像度のカメラにより撮影されたRAW画像データでもよいし、図4に示すように、図3に示すカメラよりも解像度が低い複数のカメラにより撮影された画像データを1つに結合したRAW画像データでもよい。
【0017】
画像処理装置10は、端末20から全体画像G0中の一部の領域のみを拡大表示する指示を受けると、指定された領域のみについて、全体画像G0を拡大することができる。例えば、端末20において、全体画像G0の中から、ビル群を含む表示領域G1が指定された場合、図5に示すように、画像処理装置10は、ビル群を含む表示領域G1のみについて、全体画像G0のRAW画像データに基づいて現像を行って拡大画像G1Aを生成する。そして、画像処理装置10は、拡大画像G1Aを端末20に送信する。端末20は、受信した拡大画像G1Aを表示する。
【0018】
また、端末20において、全体画像G0の中から、ヨットを含む表示領域G2が指定された場合、図6に示すように、画像処理装置10は、ヨットを含む表示領域G2のみについて、全体画像G0のRAW画像データに基づいて現像を行って拡大画像G2Aを生成する。そして、画像処理装置10は、拡大画像G2Aを端末20に送信する。端末20は、受信した拡大画像G2Aを表示する。
【0019】
また、端末20において、全体画像G0の中から、太陽を含む表示領域G3が指定された場合、図7に示すように、画像処理装置10は、太陽を含む表示領域G3のみについて、全体画像G0のRAW画像データに基づいて現像を行って拡大画像G3Aを生成する。そして、画像処理装置10は、拡大画像G3Aを端末20に送信する。端末20は、受信した拡大画像G3Aを表示する。
【0020】
画像処理装置10は、全体画像G0および表示領域G1~G3を生成するときの現像パラメータ(画像処理パラメータの一例である)について、個別に異なる現像パラメータを用いて現像を行うことができる。
【0021】
例えば、図2に示すように、全体画像G0では、全体の雰囲気を重視して暗めのトーンで現像を行っている。また、図5~7に示すように、表示領域G1~G3では、各領域の被写体のディティールが分かり易いように、全体画像G0よりも明るめのトーンで現像を行っている。
【0022】
図8は、画像処理装置のハードウェア構成を示すブロック図である。図8に示すように、画像処理装置10は、CPU(Central Processing Unit:プロセッサ)11、ROM(Read Only Memory)12、RAM(Random Access Memory)13、ストレージ14、および通信インタフェース15を有する。各構成は、バス16を介して相互に通信可能に接続されている。画像処理装置10は、いわゆるサーバを構成する。
【0023】
CPU11は、中央演算処理ユニットであり、各種プログラムを実行したり、各部を制御したりする。すなわち、CPU11は、ROM12またはストレージ14からプログラムを読み出し、RAM13を作業領域としてプログラムを実行する。CPU11は、ROM12またはストレージ14に記録されているプログラムにしたがって、上記各構成の制御および各種の演算処理を行う。本実施形態では、ROM12またはストレージ14には、画像処理プログラムが格納されている。
【0024】
ROM12は、各種プログラムおよび各種データを格納する。RAM13は、作業領域として一時的にプログラムまたはデータを記憶する。ストレージ14は、HDD(Hard Disk Drive)またはSSD(Solid State Drive)により構成され、オペレーティングシステムを含む各種プログラム、およびRAW画像データを含む各種データを格納する。
【0025】
通信インタフェース15は、画像処理装置10が端末20および他の機器と通信するためのインタフェースであり、たとえば、イーサネット(登録商標)、FDDI(Fiber Distributed Data Interface)、Wi-Fi(登録商標)等の規格が用いられる。
【0026】
上記の画像処理プログラムを実行する際に、画像処理装置10は、上記のハードウェア資源を用いて、各種の機能を実現する。画像処理装置10が実現する機能構成について説明する。
【0027】
図9は、画像処理装置の機能構成の例を示すブロック図である。図9に示すように、画像処理装置10は、機能構成として、参照領域設定部101、保存部102、表示領域設定部103、および画像出力部104を有する。各機能構成は、CPU11がROM12またはストレージ14に記憶された画像処理プログラムを読み出し、実行することにより実現される。
【0028】
参照領域設定部101は、RAW画像データが示す画像内の一部の領域である参照領域を設定する。
【0029】
保存部102は、設定された参照領域の画像内の位置および参照領域の画像処理パラメータを含む参照領域に関する情報と、画像データとを関連付けて保存する。
【0030】
表示領域設定部103は、画像内の任意の領域を表示領域として設定する。
【0031】
画像出力部104は、参照領域と表示領域とが異なる場合に、参照領域の画像処理パラメータに基づいて表示領域の画像処理パラメータを生成し、生成した表示領域の画像処理パラメータに基づいて、表示領域に対して現像処理を行った処理済みの画像を出力する。
【0032】
図10は、端末のハードウェア構成を示すブロック図である。図10に示すように、端末20は、CPU21、ROM22、RAM23、ストレージ24、モニタ25、ユーザインタフェース26、および通信インタフェース27を有する。各構成は、バス28を介して相互に通信可能に接続されている。
【0033】
CPU21は、中央演算処理ユニットであり、各種プログラムを実行したり、各部を制御したりする。すなわち、CPU21は、ROM22またはストレージ24からプログラムを読み出し、RAM23を作業領域としてプログラムを実行する。CPU21は、ROM22またはストレージ24に記録されているプログラムにしたがって、上記各構成の制御および各種の演算処理を行う。
【0034】
ROM22は、各種プログラムおよび各種データを格納する。RAM23は、作業領域として一時的にプログラムまたはデータを記憶する。ストレージ24は、HDD(Hard Disk Drive)またはSSD(Solid State Drive)により構成され、オペレーティングシステムを含む各種プログラム、および各種データを格納する。各種プログラムには、後述する画像表示アプリケーションが含まれる。
【0035】
モニタ25は、液晶ディスプレイまたは有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイ等の表示デバイスが用いられる。
【0036】
ユーザインタフェース26は、編集者または閲覧者等のユーザが端末20を使用する際のインタフェースである。ユーザインタフェース26は、例えば、ユーザによるタッチ操作を可能とするタッチパネルを備えたディスプレイ、キーボード、およびマウス等の少なくとも一つを含む。
【0037】
通信インタフェース27は、端末20が画像処理装置10および他の機器と通信するためのインタフェースであり、たとえば、イーサネット(登録商標)、FDDI、Wi-Fi(登録商標)等の規格が用いられる。
【0038】
[処理の流れ]
次に、本実施の形態において行われる処理について説明する。図11は、画像中の参照領域と表示領域との関係を示す図である。
【0039】
画像処理装置10においては、画像表示に先だって、RAW画像データ毎に現像の際に必要な現像パラメータが設定される。具体的には、図11に示すように、RAW画像データが示す画像の全体領域R0について、現像パラメータが編集者により設定される。また、RAW画像データが示す画像内の一部の領域である参照領域R1~R5について、各参照領域の座標、サイズ、優先度、および現像パラメータが編集者により設定される。これらの設定は、端末20を介して編集者により行われる。
【0040】
なお、高解像度のRAW画像データの全領域を細分化し、細分化した全ての領域について個別に現像パラメータを設定することは、手間が非常にかかるため現実的ではない。そのため、一般的に、現像パラメータを設定する参照領域は、RAW画像データ毎に、全体領域R0の中で閲覧者が関心を持ちそうな被写体周辺の領域について、数カ所程度設定する。
【0041】
図12は、RAW画像データ毎に設定される現像パラメータ等のデータテーブルの一例を示す図である。なお、図12のデータテーブルは、図11に示す画像と参照領域の数、座標、および面積等は対応しておらず、あくまでもデータテーブルの内容の一例を示したものである。
【0042】
図12に示すように、データテーブルは、全体領域0および複数の参照領域1、2、3・・・について、開始点座標、領域サイズ、優先度、全体領域に対する面積率、および現像パラメータに関する情報を含む。現像パラメータは、明るさ、色濃度、色温度、フィルムモード(図12中におけるF-mode)、シャープネス、およびノイズ等のパラメータを含む。
【0043】
上記のようなデータテーブルの作成は、端末20を介して一人の編集者によって行われてもよいし、複数の端末20を介して複数の編集者によって行われてもよい。
【0044】
画像処理装置10においては、RAW画像データとデータテーブルとが関連付けられてストレージ14に保存される。
【0045】
次に、画像表示時の処理について説明する。図13は、画像表示システムにおける画像表示時の処理の流れを説明するフローチャートである。
【0046】
編集者によって上記のようにデータテーブルが作成された後は、編集者であっても、編集者以外のユーザであっても、RAW画像データ対して現像パラメータを設定することなく、表示領域を指定するだけで画像表示を行うことができる。以下、画像表示時のユーザを総称して閲覧者と記載する。
【0047】
図13に示すように、端末20において起動された画像表示アプリケーションを介して、画像の閲覧者が表示するRAW画像データおよび指定されたRAW画像データにおける表示領域を入力すると、CPU21はRAW画像データの特定情報および表示領域情報を含む画像表示要求を画像処理装置10に送信する(ステップST1)。なお、表示領域の入力については、ユーザインタフェース26を介して、RAW画像データが示す画像内の任意の矩形領域を表示領域として設定することができる。
【0048】
画像処理装置10において端末20からRAW画像データの特定情報および表示領域情報を含む画像表示要求を取得した場合(ステップSS1)、CPU11は、ストレージ14からRAW画像データを取得する(ステップSS2)。次に、CPU11は、RAW画像データを現像するための現像パラメータを取得する(ステップSS3)。
【0049】
ここで、現像パラメータの取得について詳細に説明する。図14および図15は、画像処理装置における現像パラメータ取得時の処理の流れを説明するフローチャートである。図16は、表示領域の形態毎の現像パラメータ算出方法を示す表である。
【0050】
図14に示すように、CPU11は、端末20において指定された表示領域と一致する参照領域があるか判定を行う(ステップSS11)。ステップSS11において、表示領域と一致する参照領域があると判定された場合(判定結果Yes)、CPU11は、ストレージ14に保存されているデータテーブルを参照し、表示領域と一致する参照領域の現像パラメータを、表示領域の現像パラメータとして取得する(ステップSS12)。そして、図13のフローチャートのステップSS4に進む。
【0051】
また、ステップSS11において、表示領域と一致する参照領域がないと判定された場合(判定結果No)、CPU11は、ストレージ14に保存されているデータテーブルを参照し、参照領域の現像パラメータに基づいて表示領域の現像パラメータを生成する(ステップSS13)。
【0052】
ここで、ステップSS13における処理について詳細に説明する。図15に示すように、CPU11は、端末20において指定された表示領域を完全に含む参照領域があるか判定を行う(ステップSS21)。ステップSS21において、表示領域を完全に含む参照領域があると判定された場合(判定結果Yes)、CPU11は、さらに、表示領域を完全に含む参照領域が複数あるか判定を行う(ステップSS22)。なお、図11では、表示領域S1、S2が、ステップSS21におけるYes判定に該当する。
【0053】
ステップSS22において、表示領域を完全に含む参照領域が複数あると判定された場合(判定結果Yes)、CPU11は、表示領域を多重内包領域として、現像パラメータを算出する(ステップSS23)。多重内包領域の表示領域は、図11では、表示領域S1が該当する。多重内包領域の表示領域についての現像パラメータの算出方法については、図16に示すように、CPU11は、ストレージ14に保存されているデータテーブルを参照し、表示領域を完全に含む参照領域の中で、最も優先度の高い参照領域の現像パラメータを、表示領域の現像パラメータとして取得する。そして、図13のフローチャートのステップSS4に進む。
【0054】
ステップSS22において、表示領域を完全に含む参照領域が複数ない(すなわち、1つしかない)と判定された場合(判定結果No)、CPU11は、表示領域を単一内包領域として、現像パラメータを算出する(ステップSS24)。単一内包領域の表示領域は、図11では、表示領域S2が該当する。単一内包領域の表示領域についての現像パラメータの算出方法については、図16に示すように、CPU11は、ストレージ14に保存されているデータテーブルを参照し、表示領域を完全に含む参照領域の現像パラメータを、表示領域の現像パラメータとして取得する。そして、図13のフローチャートのステップSS4に進む。
【0055】
ステップSS21において、表示領域を完全に含む参照領域がないと判定された場合(判定結果No)、CPU11は、さらに、表示領域と重なる参照領域があるか判定を行う(ステップSS25)。なお、図11では、表示領域S3、S4、S5、S6が、ステップSS21におけるNo判定に該当する。
【0056】
ステップSS25において、表示領域と重なる参照領域があると判定された場合(判定結果Yes)、CPU11は、表示領域を部分共有領域として、現像パラメータを算出する(ステップSS26)。部分共有領域の表示領域は、図11では、表示領域S3、S4、S5が該当する。部分共有領域の表示領域についての現像パラメータの算出方法については、図16に示すように、CPU11は、ストレージ14に保存されているデータテーブルを参照し、重なりを持つ参照領域の中で、最も優先度の高い参照領域の現像パラメータを、表示領域の現像パラメータとして取得する。そして、図13のフローチャートのステップSS4に進む。
【0057】
ステップSS25において、表示領域と重なる参照領域がないと判定された場合(判定結果No)、CPU11は、表示領域を孤立領域として、現像パラメータを算出する(ステップSS27)。孤立領域の表示領域は、図11では、表示領域S6が該当する。孤立領域の表示領域についての現像パラメータの算出方法については、図16に示すように、CPU11は、ストレージ14に保存されているデータテーブルを参照し、全体領域の現像パラメータを、表示領域の現像パラメータとして取得する。そして、図13のフローチャートのステップSS4に進む。
【0058】
図13のフローチャートに戻り、CPU11は、取得した現像パラメータに基づいて、表示領域の現像処理を行う(ステップSS4)。CPU11は、現像処理の結果得られた画像データを端末20に送信する(ステップSS5)。
【0059】
端末20において、CPU21は、画像処理装置10から画像データを取得し(ステップST2)、取得した画像データをモニタ25に表示して(ステップST3)、処理を終了する。
【0060】
[作用効果]
従来の特許文献1および2の画像処理装置においては、RAW画像データが示す画像内の一部の領域を表示する場合、現像パラメータが設定されていない表示領域については現像処理を行うことができなかった。そのため、現像パラメータが設定されていない表示領域を拡大表示したい場合等は、全体画像から表示領域を切り抜いて拡大表示する必要があるため、画質の低下を招いていた。
【0061】
これに対して、本実施の形態の画像処理装置10は、画像表示に先だって、RAW画像データ(画像データの一例である)が示す画像内の一部の領域である参照領域を設定し、参照領域の画像内の位置および参照領域の現像パラメータ(画像処理パラメータの一例である)を含む参照領域に関する情報を、RAW画像データと関連付けて保存する。そして、端末20において指定された表示領域と参照領域が異なる場合に、参照領域の現像パラメータに基づいて表示領域の現像パラメータを生成し、生成した表示領域の現像パラメータに基づいて、表示領域に対して画像処理を行った画像を出力している。
【0062】
これにより、参照領域と一致しない表示領域についても、RAW画像データから直接現像を行うことができるため、表示領域に合わせた良好な現像処理を施すことが可能となる。
【0063】
また、参照領域が複数ある場合に、参照領域の優先度を設定し、参照領域の優先度と、参照領域の画像処理パラメータとに基づいて、表示領域の画像処理パラメータを生成している。これにより、参照領域と一致しない表示領域について、編集者の意図を反映させた現像処理を行うことができる。
【0064】
[第2の実施の形態]
次に、本開示の第2の実施の形態について説明する。本実施の形態の画像表示システムにおいては、表示領域の形態毎の現像パラメータ算出方法のみが第1の実施の形態と異なり、それ以外の部分については共通であるため、第1の実施の形態と重複する内容についての説明は省略する。図17は、表示領域の形態毎の現像パラメータ算出方法を示す表である。
【0065】
図15のフローチャートのステップSS22において、表示領域を完全に含む参照領域が複数あると判定された場合(判定結果Yes)、CPU11は、表示領域を多重内包領域として、現像パラメータを算出する(ステップSS23)。多重内包領域の表示領域についての現像パラメータの算出方法については、図17に示すように、CPU11は、ストレージ14に保存されているデータテーブルを参照し、表示領域を完全に含む参照領域の中で、最も面積の小さい参照領域の現像パラメータを、表示領域の現像パラメータとして取得する。そして、図13のフローチャートのステップSS4に進む。
【0066】
図15のフローチャートのステップSS22において、表示領域を完全に含む参照領域が複数ない(すなわち、1つしかない)と判定された場合(判定結果No)、CPU11は、表示領域を単一内包領域として、現像パラメータを算出する(ステップSS24)。単一内包領域の表示領域についての現像パラメータの算出方法については、図17に示すように、CPU11は、ストレージ14に保存されているデータテーブルを参照し、表示領域を完全に含む参照領域の現像パラメータを、表示領域の現像パラメータとして取得する。そして、図13のフローチャートのステップSS4に進む。
【0067】
図15のフローチャートのステップSS25において、表示領域と重なる参照領域があると判定された場合(判定結果Yes)、CPU11は、表示領域を部分共有領域として、現像パラメータを算出する(ステップSS26)。部分共有領域の表示領域についての現像パラメータの算出方法については、図17に示すように、参照領域の面積を考慮した算出方法により、現像パラメータの算出を行う。
【0068】
ここで、参照領域の面積を考慮した算出方法について詳細に説明する。図18は、参照領域の面積を考慮した算出方法を説明するフローチャートである。
【0069】
図18に示すように、CPU11は、端末20において指定された表示領域と重なる参照領域が複数あるか判定を行う(ステップSS31)。ステップSS31において、表示領域と重なる参照領域が複数あると判定された場合(判定結果Yes)、CPU11は、参照領域Aのサイズ=面積最大の参照領域の値、参照領域Aの調整値=面積最大の参照領域の値、参照領域Bのサイズ=2番目の面積の参照領域の値、参照領域Bの調整値=2番目の面積の参照領域の値、デフォルト現像パラメータ=参照領域Aの現像パラメータとする設定を行う(ステップSS32)。
【0070】
ステップSS31において、表示領域と重なる参照領域が複数ないと判定された場合(判定結果No)、CPU11は、参照領域Aのサイズ=面積最大の参照領域の値、参照領域Aの調整値=面積最大の参照領域の値、参照領域Bのサイズ=表示領域の値、参照領域Bの調整値=全体領域の値、デフォルト現像パラメータ=参照領域Aの現像パラメータとする設定を行う(ステップSS33)。
【0071】
ステップSS32またはステップSS33の後、CPU11は、参照領域A,Bがもつ調整値のうち、明るさ、色濃度、および色温度について、参照領域A,Bの面積比×表示領域と参照領域A,Bの重なり部分の面積比で加重平均した値を算出する(ステップSS34)。
【0072】
具体的には、下記式により算出される。
P=Pa・{A・/(A+B)}・{a/(a+b)}
+Pb・{B・/(A+B)}・{b/(a+b)}
ここで、
P:加重平均値
Pa,Pb:参照領域A,Bの現像パラメータ
A,B:参照領域A,Bの面積
a,b:表示領域と参照領域A,Bの重なり部分の面積
【0073】
次に、CPU11は、デフォルト現像パラメータについて、明るさ、色濃度、および色温度を算出値に変更する(ステップSS35)。そして、図13のフローチャートのステップSS4に進む。
【0074】
図15のフローチャートのステップSS25において、表示領域と重なる参照領域がないと判定された場合(判定結果No)、CPU11は、表示領域を孤立領域として、現像パラメータを算出する(ステップSS27)。孤立領域の表示領域についての現像パラメータの算出方法については、図17に示すように、参照領域と表示領域との距離を考慮した算出方法により、現像パラメータの算出を行う。
【0075】
ここで、参照領域と表示領域との距離を考慮した算出方法について詳細に説明する。図19は、参照領域の面積を考慮した算出方法を説明するフローチャートである。また、図20は、画像中の参照領域と表示領域との関係を示す図である。
【0076】
図19に示すように、CPU11は、端末20において指定された表示領域からの距離が基準値D以内の参照領域があるか判定を行う(ステップSS41)。ここでの判定は、図20の表示領域S13に示すように、表示領域の4つの頂点の各々から、距離が基準値D以内の領域に参照領域があるか判定を行う。ステップSS41において、表示領域からの距離が基準値D以内の参照領域があると判定された場合(判定結果Yes)、CPU11は、端末20において指定された表示領域からの距離が基準値D以内の参照領域が複数あるか判定を行う(ステップSS42)。
【0077】
ステップSS42において、表示領域からの距離が基準値D以内の参照領域が複数あると判定された場合(判定結果Yes)、CPU11は、参照領域Aの位置とサイズ=最も近い参照領域の値、参照領域Aの調整値=最も近い参照領域の値、参照領域Bの位置とサイズ=2番目に近い参照領域の値、参照領域Bの調整値=2番目に近い参照領域の値、デフォルト現像パラメータ=参照領域Aの現像パラメータとする設定を行う(ステップSS43)。この態様は、図20では、表示領域S12が該当する。
【0078】
次に、CPU11は、参照領域A,Bがもつ調整値のうち、明るさ、色濃度、および色温度について、表示領域から参照領域A,Bまでの距離の逆数で加重平均した値を算出する(ステップSS44)。
【0079】
具体的には、下記式により算出される。
P=Pa・{Da・/(Da+Db)}+Pb・{Db・/(Da+Db)}
ここで、
P:加重平均値
Pa,Pb:参照領域A,Bの現像パラメータ
Da,Db:表示領域と参照領域A,Bまでの距離
【0080】
次に、CPU11は、デフォルト現像パラメータについて、明るさ、色濃度、および色温度を算出値に変更する(ステップSS45)。そして、図13のフローチャートのステップSS4に進む。
【0081】
ステップSS42において、表示領域からの距離が基準値D以内の参照領域が複数ないと判定された場合(判定結果No)、CPU11は、参照領域Aの位置とサイズ=最も近い参照領域の値、参照領域Aの調整値=最も近い参照領域の値、参照領域Bの位置とサイズ=表示領域の値、参照領域Bの調整値=全体領域の値、デフォルト現像パラメータ=参照領域Aの現像パラメータとする設定を行う(ステップSS46)。この態様は、図20では、表示領域S11が該当する。
【0082】
次に、CPU11は、参照領域A,Bがもつ調整値のうち、明るさ、色濃度、および色温度について、基準値Dに対する表示領域から参照領域Aまでの距離の比率で加重平均した値を算出する(ステップSS47)。
【0083】
具体的には、下記式により算出される。
P=Pa・(D-d)/D+Pb・d/D
ここで、
P:加重平均値
Pa,Pb:参照領域A,Bの現像パラメータ
D:基準値
d:参照領域A,B間の距離
【0084】
次に、CPU11は、デフォルト現像パラメータについて、明るさ、色濃度、および色温度を算出値に変更する(ステップSS45)。そして、図13のフローチャートのステップSS4に進む。
【0085】
ステップSS41において、表示領域からの距離が基準値D以内の参照領域がないと判定された場合(判定結果No)、CPU11は、ストレージ14に保存されているデータテーブルを参照し、全体領域の現像パラメータを、表示領域の現像パラメータとして取得する(ステップSS48)。この態様は、図20では、表示領域S13が該当する。そして、図13のフローチャートのステップSS4に進む。
【0086】
[作用効果]
本実施の形態においても、上記第1の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0087】
また、部分共有領域の表示領域について、参照領域の面積を考慮した算出方法により、現像パラメータの算出を行っているため、編集者の意図をより反映させた現像処理を行うことができる。
【0088】
また、孤立領域の表示領域について、参照領域と表示領域との距離を考慮した算出方法により、現像パラメータの算出を行っているため、編集者の意図をより反映させた現像処理を行うことができる。
【0089】
[変形例]
以上、本開示をその好適な実施の形態に基づいて説明したが、本開示を適用可能な実施の形態は、上述の実施の形態に限定されものではない。
【0090】
例えば、本開示の画像処理装置で扱う画像データは、RAW画像データに限らず、例えば高解像度のレンダリング画像データ等、どのような画像データとしてもよい。また、画像処理についても、現像処理に限らず、どのような画像処理としてもよい。
【0091】
画像データの保存先については、画像処理装置内のストレージに保存する態様に限らず、画像処理装置とは別体の画像サーバに保存する態様としてもよい。
【0092】
また、上記各実施形態でCPU11、21がソフトウェア(プログラムの一例である)を読み込んで実行した処理を、CPU以外の各種のプロセッサが実行してもよい。この場合のプロセッサとしては、FPGA(Field-Programmable Gate Array)等の製造後に回路構成を変更可能なPLD(Programmable Logic Device)、及びASIC(Application Specific Integrated Circuit)等の特定の処理を実行させるために専用に設計された回路構成を有するプロセッサである専用電気回路等が例示される。また、各処理を、これらの各種のプロセッサのうちの1つで実行してもよいし、同種又は異種の2つ以上のプロセッサの組み合わせ(例えば、複数のFPGA、及びCPUとFPGAとの組み合わせ等)で実行してもよい。また、これらの各種のプロセッサのハードウェア的な構造は、より具体的には、半導体素子等の回路素子を組み合わせた電気回路である。
【0093】
また、上記各実施形態では、画像表示プログラムがROM12またはストレージ14に予め記憶(例えば、インストール)されている態様を説明したが、これに限定されない。プログラムは、CD-ROM(Compact Disk Read Only Memory)、DVD-ROM(Digital Versatile Disk Read Only Memory)、およびUSB(Universal Serial Bus)メモリ等の記録媒体に記録された形態で提供されてもよい。また、プログラムは、ネットワークを介して外部装置からダウンロードされる形態としてもよい。
【0094】
上記以外にも、本開示の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能なのは勿論である。また、本開示の技術は、プログラムに加えて、プログラムを非一時的に記憶する記憶媒体にもおよぶ。
【0095】
本明細書に記載された全ての文献、特許出願、及び技術規格は、個々の文献、特許出願、及び技術規格が参照により取り込まれることが具体的かつ個々に記された場合と同程度に、本明細書中に参照により取り込まれる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20