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特許7114908情報処理システム、情報処理装置、情報処理方法、および情報処理プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-01
(45)【発行日】2022-08-09
(54)【発明の名称】情報処理システム、情報処理装置、情報処理方法、および情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
   G11B 27/02 20060101AFI20220802BHJP
   G10L 19/00 20130101ALI20220802BHJP
   G11B 20/10 20060101ALI20220802BHJP
   G11B 27/00 20060101ALI20220802BHJP
   G10L 15/10 20060101ALI20220802BHJP
   G10L 15/04 20130101ALI20220802BHJP
   H04N 5/92 20060101ALI20220802BHJP
【FI】
G11B27/02 A
G10L19/00 312E
G11B20/10 301Z
G11B27/02 H
G11B27/00 D
G10L15/10 200W
G10L15/04 300A
H04N5/92 010
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2018007643
(22)【出願日】2018-01-19
(65)【公開番号】P2019128967
(43)【公開日】2019-08-01
【審査請求日】2020-09-16
(73)【特許権者】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100089118
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 宏明
(72)【発明者】
【氏名】佃 友介
(72)【発明者】
【氏名】安中 英邦
【審査官】川中 龍太
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-148328(JP,A)
【文献】特開2007-066018(JP,A)
【文献】特開平08-111850(JP,A)
【文献】特開2009-117989(JP,A)
【文献】国際公開第2007/039994(WO,A1)
【文献】特開2015-109612(JP,A)
【文献】特開2008-054150(JP,A)
【文献】特開2007-282268(JP,A)
【文献】特開2001-283569(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G11B 27/00 - 27/02
G11B 20/10 - 20/16
H04N 5/91 - 5/98
G10L 15/04
G10L 15/10
G10L 19/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
予め設定された認識する対象である要素を含む要素区間に前記要素が時系列に沿って変化する第1の記録データを取得する取得部と、
前記第1の記録データの種類に応じた前記要素の活性量の閾値に基づいて、前記第1の記録データの前記要素区間における、再生対象の活性区間を特定する特定部と、
前記第1の記録データの前記活性区間の活性区間データに応じて、前記第1の記録データを再生制御する再生制御部と、
を備え、
前記取得部は、
少なくとも一部が重複する期間に記録された複数の第1の記録データを取得し、
前記特定部は、
複数の前記第1の記録データの各々の種類に応じた前記活性量の前記閾値に基づいて、複数の前記第1の記録データの各々の前記要素区間における前記活性区間を特定し、
前記再生制御部は、
前記第1の記録データに含まれる前記活性区間の活性区間データを、記録時の速度より速い再生速度で再生制御
複数の前記第1の記録データの各々の前記活性区間データに応じて、複数の前記第1の記録データを再生制御し、
複数の前記第1の記録データの前記活性区間に、記録タイミングが互いに重複する重複区間が存在する場合、記録タイミングが重複する前記活性区間の数に応じて、記録タイミングごとに再生速度を調整する、
情報処理システム。
【請求項2】
前記活性量は、前記要素が継続して含まれる継続時間および前記要素の変化量を示し、
前記特定部は、
前記要素区間における、前記継続時間および前記変化量の少なくとも一方が各々に対応する前記閾値以上の区間を、前記活性区間として特定する、
請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項3】
前記特定部は、
前記要素区間における、前記継続時間および前記変化量の少なくとも一方が各々に対応する前記閾値未満の区間を、再生対象外の非活性区間として特定する、
請求項2に記載の情報処理システム。
【請求項4】
前記第1の記録データの種類が音声データである場合、前記変化量は前記要素を示す音量であり、
前記第1の記録データの種類が動画像データである場合、前記変化量はフレーム間の画面変化量である、
請求項2または請求項3に記載の情報処理システム。
【請求項5】
前記再生制御部は、
記録タイミングが互いに重複する前記活性区間の数が少ないほど、より速い再生速度で、重複する複数の前記活性区間データを再生制御する、
請求項に記載の情報処理システム。
【請求項6】
前記取得部は、
前記要素区間内に、前記要素が静止した静止区間を含む1または複数の第2の記録データを取得し、
前記特定部は、
前記第2の記録データにおける前記要素区間を、前記活性区間として特定し、
前記再生制御部は、
1または複数の前記第1の記録データの各々の前記活性区間データおよび1または複数の前記第2の記録データの前記活性区間の前記活性区間データに応じて、1または複数の前記第1の記録データおよび1または複数前記第2の記録データを再生制御する、
請求項1~請求項の何れか1項に記載の情報処理システム。
【請求項7】
前記再生制御部は、
前記第2の記録データに含まれる前記活性区間について、含まれる前記静止区間の特定の記録タイミングに記録された前記要素を、該静止区間に応じた再生期間、再生制御する、
請求項に記載の情報処理システム。
【請求項8】
前記再生制御部は、
前記第2の記録データに含まれる前記活性区間が、前記静止区間と、記録時の時系列に沿って順番に再生されなければ情報として理解されない性質の区間である変化区間と、の双方を含む場合、前記静止区間を再生制御し、前記変化区間を再生制御の対象外とする、
請求項に記載の情報処理システム。
【請求項9】
前記再生制御部は、
前記第2の記録データに含まれる前記活性区間が、前記静止区間と、記録時の時系列に沿って順番に再生されなければ情報として理解されない性質の区間である変化区間と、の双方を含む場合、前記変化区間を記録時の速度より速い再生速度で再生制御する、
請求項に記載の情報処理システム。
【請求項10】
前記再生制御部は、
前記第1の記録データの前記活性区間と、前記第2の記録データの前記活性区間と、の間に、記録タイミングが互いに重複する重複区間が存在する場合、
該重複区間における、前記第1の記録データの前記活性区間と、前記第2の記録データの前記活性区間における前記変化区間と、の第1重複区間については、前記第1の記録データの前記活性区間データと前記第2の記録データの前記変化区間の変化区間データとが、同じ記録タイミングごとに同じ再生タイミングで、記録時の速度より速い再生速度で再生されるように再生制御し、
該重複区間における、前記第1の記録データの前記活性区間と、前記第2の記録データの前記活性区間における前記静止区間との第2重複区間については、前記第1の記録データにおける前記活性区間の前記活性区間データを、該活性区間データの記録時の速度より速い再生速度で再生制御すると共に、前記第2の記録データにおける前記静止区間の特定の記録タイミングに記録された前記要素を再生制御する、
請求項に記載の情報処理システム。
【請求項11】
前記要素は、言語を示す音、文字、記号、画像、の少なくとも1つである、請求項1~請求項1の何れか1項に記載の情報処理システム。
【請求項12】
予め設定された認識する対象である要素を含む要素区間に前記要素が時系列に沿って変化する第1の記録データを取得する取得部と、
前記第1の記録データの種類に応じた前記要素の活性量の閾値に基づいて、前記第1の記録データの前記要素区間における、再生対象の活性区間を特定する特定部と、
前記第1の記録データの前記活性区間の活性区間データに応じて、前記第1の記録データを再生制御する再生制御部と、
を備え、
前記取得部は、
少なくとも一部が重複する期間に記録された複数の第1の記録データを取得し、
前記特定部は、
複数の前記第1の記録データの各々の種類に応じた前記活性量の前記閾値に基づいて、複数の前記第1の記録データの各々の前記要素区間における前記活性区間を特定し、
前記再生制御部は、
前記第1の記録データに含まれる前記活性区間の活性区間データを、記録時の速度より速い再生速度で再生制御
複数の前記第1の記録データの各々の前記活性区間データに応じて、複数の前記第1の記録データを再生制御し、
複数の前記第1の記録データの前記活性区間に、記録タイミングが互いに重複する重複区間が存在する場合、記録タイミングが重複する前記活性区間の数に応じて、記録タイミングごとに再生速度を調整する、
情報処理装置。
【請求項13】
予め設定された認識する対象である要素を含む要素区間に前記要素が時系列に沿って変化する第1の記録データを取得する取得ステップと、
前記第1の記録データの種類に応じた前記要素の活性量の閾値に基づいて、前記第1の記録データの前記要素区間における、再生対象の活性区間を特定する特定ステップと、
前記第1の記録データの前記活性区間の活性区間データに応じて、前記第1の記録データを再生制御する再生制御ステップと、
を含み、
前記取得ステップは、
少なくとも一部が重複する期間に記録された複数の第1の記録データを取得し、
前記特定ステップは、
複数の前記第1の記録データの各々の種類に応じた前記活性量の前記閾値に基づいて、複数の前記第1の記録データの各々の前記要素区間における前記活性区間を特定し、
前記再生制御ステップは、
前記第1の記録データに含まれる前記活性区間の活性区間データを、記録時の速度より速い再生速度で再生制御
複数の前記第1の記録データの各々の前記活性区間データに応じて、複数の前記第1の記録データを再生制御し、
複数の前記第1の記録データの前記活性区間に、記録タイミングが互いに重複する重複区間が存在する場合、記録タイミングが重複する前記活性区間の数に応じて、記録タイミングごとに再生速度を調整する、
情報処理方法。
【請求項14】
予め設定された認識する対象である要素を含む要素区間に前記要素が時系列に沿って変化する第1の記録データを取得する取得ステップと、
前記第1の記録データの種類に応じた前記要素の活性量の閾値に基づいて、前記第1の記録データの前記要素区間における、再生対象の活性区間を特定する特定ステップと、
前記第1の記録データの前記活性区間の活性区間データに応じて、前記第1の記録データを再生制御する再生制御ステップと、
をコンピュータに実行させるための情報処理プログラムであって、
前記取得ステップは、
少なくとも一部が重複する期間に記録された複数の第1の記録データを取得し、
前記特定ステップは、
複数の前記第1の記録データの各々の種類に応じた前記活性量の前記閾値に基づいて、複数の前記第1の記録データの各々の前記要素区間における前記活性区間を特定し、
前記再生制御ステップは、
前記第1の記録データに含まれる前記活性区間の活性区間データを、記録時の速度より速い再生速度で再生制御
複数の前記第1の記録データの各々の前記活性区間データに応じて、複数の前記第1の記録データを再生制御し、
複数の前記第1の記録データの前記活性区間に、記録タイミングが互いに重複する重複区間が存在する場合、記録タイミングが重複する前記活性区間の数に応じて、記録タイミングごとに再生速度を調整する、
情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理システム、情報処理装置、情報処理方法、および情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
所定期間中に記録された、板書の板書データ、発話された音声の音声データ、表示された表示画面、などの記録データを記録し、後から再生するシステムが知られている。
【0003】
例えば、特許文献1には、記録したホワイトボードの板書の再生を、会議や授業の映像と同期再生させる方法が開示されている。具体的には、特許文献1には、ある描画操作を記録し始めてから一定時間以内に描画操作が終わらない場合には、決められた時間後に操作終了時の状態にすることで、記録した内容を効率的に振り返る方法が開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来では、再生対象のデータに音声や映像が含まれる場合、効率的な再生を行うことは困難であった。すなわち、従来のように、板書データにあわせて他の記録データの再生を調整する方法を用いると、意味の通じなくなる段階で音声や映像が区切られて省略再生される場合があり、効率的な再生を行う事は出来なかった。すなわち、従来では、記録データを効率的に再生することは困難であった。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、記録データを効率的に再生することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決するために、情報処理システムは、予め設定された認識する対象である要素を含む要素区間に前記要素が時系列に沿って変化する第1の記録データを取得する取得部と、前記第1の記録データの種類に応じた前記要素の活性量の閾値に基づいて、前記第1の記録データの前記要素区間における、再生対象の活性区間を特定する特定部と、前記第1の記録データの前記活性区間の活性区間データに応じて、前記第1の記録データを再生制御する再生制御部と、を備える。前記取得部は、少なくとも一部が重複する期間に記録された複数の第1の記録データを取得し、前記特定部は、複数の前記第1の記録データの各々の種類に応じた前記活性量の前記閾値に基づいて、複数の前記第1の記録データの各々の前記要素区間における前記活性区間を特定する。前記再生制御部は、前記第1の記録データに含まれる前記活性区間の活性区間データを、記録時の速度より速い再生速度で再生制御し、複数の前記第1の記録データの各々の前記活性区間データに応じて、複数の前記第1の記録データを再生制御し、複数の前記第1の記録データの前記活性区間に、記録タイミングが互いに重複する重複区間が存在する場合、記録タイミングが重複する前記活性区間の数に応じて、記録タイミングごとに再生速度を調整する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、記録データを効率的に再生することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、本実施の形態の情報処理システムの構成の一例を示す模式図である。
図2図2は、情報処理装置のハードウェア構成の一例を示す模式図である。
図3図3は、情報処理装置の機能的構成例を示すブロック図である。
図4図4は、記録データ管理DBのデータ構成の一例を示す模式図である。
図5図5は、記録データのデータ構成の一例を示す模式図である。
図6図6は、第1の記録データおよび第2の記録データのデータ構成の一例を示す模式図である。
図7図7は、第1の記録データにおける活性区間の特定の一例の説明図である。
図8図8は、記録データにおける活性区間および非活性区間の一例の説明図である。
図9図9は、再生制御部による再生制御の一例を示す説明図である。
図10図10は、再生部に表示される表示画像の一例を示す模式図である。
図11図11は、本実施の形態の制御部で実行する情報処理の手順の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付図面を参照しながら、本実施の形態の情報処理システム、情報処理装置、情報処理方法、および情報処理プログラムの実施の形態を詳細に説明する。なお、本明細書において、同じ構成および機能を示す部分には、同じ符号を付与し、詳細な説明を省略する場合がある。
【0010】
本実施の形態の情報処理システム、情報処理装置、情報処理方法、および情報処理プログラムの適用対象は、限定されない。例えば、本実施の形態の情報処理システム、および情報処理プログラムは、教育システム、会議システム、などに適用される。
【0011】
図1は、本実施の形態の情報処理システム1000の構成の一例を示す模式図である。
【0012】
本実施の形態の情報処理システム1000は、情報処理装置10と、記録装置18と、を備える。
【0013】
情報処理装置10と記録装置18とは、ネットワーク20を介して通信可能に接続されている。なお、本実施の形態では、情報処理システム1000は、複数の記録装置18を含む場合を説明する。情報処理装置10、および複数の記録装置18の少なくとも1つは、無線または有線によりに接続されている。無線により接続する場合、例えば、3G(3rd Generation)、4G(4th Generation)、LTE(Long Term Evolution)、無線LAN(Local Area Network)、Bluetooth(登録商標)などを用いればよい。
【0014】
記録装置18は、記録データを記録する。記録データは、記録装置18で記録されたデータである。記録とは、録音、録画、記憶、などを示す。記録データは、例えば、板書データ、動画像データ、静止画像データ、および音声データなどである。板書データは、電子黒板における板書領域の描画内容を、記録タイミング毎に規定したデータである。
【0015】
記録装置18は、記録データを記録する装置であればよい。本実施の形態では、一例として、記録装置18が、投影装置12、電子黒板14、マイク16の各々である場合を説明する。
【0016】
投影装置12は、画像を投影する装置である。投影装置12は、例えば、プロジェクタである。本実施の形態では、投影装置12は、ある期間、継続して投影された投影画像を時系列に沿って順次記録し、投影画像の動画像データを記録する。すなわち、投影装置12は、記録タイミングごとに、投影された投影画像を規定した、動画像データを得る。そして、投影装置12は、動画像データを、記録データとして情報処理装置10へ送信する。
【0017】
電子黒板14は、所定の板書領域に記入された記入軌跡を、時系列にそって順次記録し、板書画像の板書データを記録する。板書画像は、板書領域上の記入内容を示す画像である。すなわち、電子黒板14は、記録タイミングごとに記入内容を規定した、板書データを得る。そして、電子黒板14は、板書データを、記録データとして情報処理装置10へ送信する。
【0018】
マイク16は、集音可能な範囲の音を、時系列に沿って順次記録し、音声データを記録する。すなわち、マイク16は、記録タイミングごとの音を規定した、音声データを得る。そして、マイク16は、音声データを、記録データとして情報処理装置10へ送信する。
【0019】
なお、図1には、投影装置12、電子黒板14、およびマイク16の各々を1つ示した。しかし、情報処理システム1000は、投影装置12、電子黒板14、およびマイク16の少なくとも1種を、2つ以上含む構成であってもよい。また、1つの記録装置18が、投影装置12の投影機能、電子黒板14の機能、およびマイク16の録音機能の少なくとも2つ以上を備えた構成であってもよい。
【0020】
また、投影装置12、電子黒板14、およびマイク16の少なくとも1つの機能を搭載した端末装置を、記録装置18として用いてもよい。
【0021】
情報処理装置10は、複数の記録データの再生制御を行う(詳細後述)。情報処理装置10は、例えば、パーソナルコンピュータなどで実現する。再生とは、画像などの表示、および、音の出力、の少なくとも一方を示す。
【0022】
次に、情報処理装置10の、ハードウェア構成の一例を説明する。図2は、情報処理装置10のハードウェア構成の一例を示す模式図である。
【0023】
情報処理装置10および記録装置18の各々は、CPU(Central Processing Unit)25と、ROM(Read Only Memory)26と、RAM(Random Access Memory)27と、HDD(Hard Disk Drive)28と、通信I/F(インターフェース)24と、外部I/F23と、操作パネル29と、を備え、バス21を介して相互に接続されている。
【0024】
CPU25は、情報処理装置10および記録装置18の動作を統括的に制御する。CPU25は、RAM27をワークエリアとし、ROM26またはHDD28などに格納されたプログラムを実行することで、情報処理装置10全体の動作を制御し、後述する各種機能部を実現する。
【0025】
HDD28は、プログラムやデータなどを格納する。操作パネル29は、ユーザの操作に応じた各種の操作入力を受付けるとともに、各種の情報や各種の画像を表示する。
【0026】
本実施の形態では、操作パネル29は、各種操作指示を受付ける受付機能を実現する操作受付部29Aと、各種情報の表示を行う表示機能を実現する表示部29Bと、の双方を一体的に備えたタッチパネルである場合を説明する。しかし、操作パネル29の構成は、このような構成に限定されない。例えば、操作パネル29は、操作受付部29Aと、表示部29Bと、を別体として構成してもよい。
【0027】
通信I/F24は、ネットワーク20を介して他の装置や機器と通信するためのインターフェースである。外部I/F23は、スピーカ23Aや、記録媒体などの外部メモリなどと通信するためのインターフェースである。スピーカ23Aは、音を出力する出力機能を実現する。
【0028】
次に、本実施の形態の情報処理装置10の機能について、詳細に説明する。
【0029】
図3は、情報処理装置10の機能的構成例を示すブロック図である。
【0030】
情報処理装置10は、制御部30と、通信部32と、記憶部34と、再生部36と、操作部38と、を備える。通信部32、記憶部34、再生部36、および操作部38と、制御部30と、は、データや信号を授受可能に接続されている。
【0031】
通信部32は、記録装置18と通信する。
【0032】
情報処理装置10の通信部32は、受信機能と送信機能とを有する。通信部32の受信機能は、記録装置18から、各種のデータや信号を受信する機能である。通信部32の送信機能は、記録装置18へ、各種のデータや信号を送信する機能である。
【0033】
記憶部34は、各種データを記憶する。記憶部34は、例えば、HDD28(図2参照)によって実現する。本実施の形態では、記憶部34は、記録データ管理DB34Aを記憶する。
【0034】
記録データ管理DB34Aは、記録データ40を管理するためのデータベースである。なお、記録データ管理DB34Aのデータ形式は、データベースに限定されない。記録データ管理DB34Aのデータ形式は、例えば、テーブルであってもよい。
【0035】
図4は、記録データ管理DB34Aのデータ構成の一例を示す模式図である。記録データ管理DB34Aは、装置IDと、記録データ40と、記録開始タイミングと、記録期間と、を対応付けたものである。
【0036】
装置IDは、記録装置18の各々を識別するための識別情報である。なお、記録データ管理DB34Aは、装置IDを含まない構成であってもよい。
【0037】
記録データ40は、記録装置18の各々で記録された記録データである。記録データ40は、上述したように、板書データ、動画像データ、静止画像データ、および音声データなどである。
【0038】
図4には、記録データ40の一例として、音声データA、音声データB、板書データA、静止画像データBを示した。しかし、記録データ管理DB34Aに登録される記録データ40は、これらに限定されない。
【0039】
また、記録データ40のデータ形式は限定されない。例えば、記録データ40は、JPG、JPEG、GIF、PNG、BMP、PDF、MP3、WAV、などの何れのデータ形式であってもよい。
【0040】
記録データ管理DB34Aにおける記録開始タイミングは、対応する記録データ40の記録が開始されたタイミングを示す。
【0041】
なお、本実施の形態では、記録データ40の記録されたタイミングを、記録タイミングと称して説明する。すなわち、記録開始タイミングは、記録データ40の記録タイミングの内、記録の開始された記録タイミングを示す。また、本実施の形態では、記録データ40の記録が終了したタイミングを、記録終了タイミングと称して説明する。
【0042】
記録タイミングは、例えば、年,月,日,時,分,秒(yyyymmdd/hhmmss)で表される。なお、記録タイミングは、各記録データ40の記録されたタイミングを示すものであればよく、ある基準時間からの経過時間などで表してもよい。
【0043】
記録データ管理DB34Aにおける記録期間は、対応する記録データ40のデータ長を時間で表したものである。
【0044】
記録データ管理DB34Aは、記録装置18から記録データ40を受信するごとに、制御部30によって更新される。すなわち、情報処理装置10の制御部30は、記録装置18から新たな記録データ40を受信すると、記録データ管理DB34Aに順次登録する。
【0045】
図3に戻り説明を続ける。再生部36は、記録データ40を再生する。再生部36による再生は、制御部30によって制御される。再生制御については後述する。
【0046】
再生部36は、表示部36Aと、音声出力部36Bと、を備える。表示部36Aは、各種画像を表示する。表示部36Aは、例えば、ディスプレイである。表示部36Aは、例えば、表示部29B(図2参照)によって実現する。音声出力部36Bは、音を出力する。音声出力部36Bは、例えば、スピーカである。音声出力部36Bは、例えば、スピーカ23A(図2参照)によって実現する。
【0047】
操作部38は、ユーザによる操作指示を受付ける。操作部38は、例えば、キーボード、マウス、などである。操作部38は、操作受付部29Aによって実現する(図2参照)。
【0048】
次に、情報処理装置10の制御部30について説明する。制御部30は、情報処理装置10を制御する。制御部30は、CPU25、ROM26、およびRAM27(図2参照)などによって実現する。なお、制御部30は、回路などによって実現してもよい。
【0049】
制御部30は、通信制御部30Aと、記憶制御部30Bと、取得部30Cと、特定部30Dと、再生制御部30Eと、受付部30Fと、を有する。通信制御部30A、記憶制御部30B、取得部30C、特定部30D、再生制御部30E、および受付部30Fの一部または全ては、例えば、CPU25などのプロセッサ回路にプログラムを実行させること、すなわち、ソフトウェアにより実現してもよいし、IC(Integrated Circuit)などの専用の処理回路を用いてハードウェアにより実現してもよいし、ソフトウェアおよびハードウェアを併用して実現してもよい。処理回路は、物理的に1つであってもよいし、複数であってもよい。
【0050】
通信制御部30Aは、通信部32による記録装置18との通信を制御する。本実施の形態では、通信制御部30Aは、通信部32を介して記録装置18から、記録データ40を受信する。
【0051】
記憶制御部30Bは、記憶部34への記憶を制御する。本実施の形態では、記憶制御部30Bは、通信制御部30Aが通信部32を介して記録装置18から記録データ40を受信するごとに、受信した記録データ40を、装置ID、記録開始タイミング、および記録期間に対応づけて記録データ管理DB34Aへ登録する。
【0052】
なお、装置ID、記録データ40の記録開始タイミング、および記録期間は、該記録データ40の送信元の記録装置18から記録データ40と共に受信すればよい。
【0053】
取得部30Cは、記録データ40を取得する。本実施の形態では、少なくとも一部が重複する期間に記録された、複数の記録データ40を取得する。記録データ40は、第1の記録データ42と、第2の記録データ44と、に分類される(詳細後述)。
【0054】
本実施の形態では、取得部30Cは、1または複数の第1の記録データ42を少なくとも取得する。なお、取得部30Cは、1または複数の第1の記録データ42と、1または複数の第2の記録データ44と、を取得してもよい。
【0055】
本実施の形態では、取得部30Cは、1または複数の第1の記録データ42と、1または複数の第2の記録データ44と、を複数の記録データ40として取得する場合を、一例として説明する。なお、第1の記録データ42および第2の記録データ44を総称して説明する場合には、単に、記録データ40と称して説明する。
【0056】
本実施の形態では、取得部30Cは、該重複する期間として、再生対象の再生対象期間を用いる。そして、取得部30Cは、再生対象の再生対象期間に記録された、複数の記録データ40を記録データ管理DB34Aから読取ることによって、複数の記録データ40を取得する。
【0057】
再生対象期間は、予め設定すればよい。また、取得部30Cは、操作部38から、再生対象期間を取得し、該再生対象期間を含む期間に記録された複数の記録データ40を、記憶部34から読取ってもよい。
【0058】
この場合、例えば、ユーザは、操作部38を操作することで、再生対象の再生対象期間を入力する。受付部30Fは、操作部38による操作指示信号を受付ける。受付部30Fは、操作部38から、再生対象期間を受付けると、取得部30Cへ出力する。取得部30Cは、受付部30Fを介して操作部38から受付けた再生対象期間を含む期間に記録された、複数の記録データ40を、記憶部34から取得する。
【0059】
なお、取得部30Cは、通信制御部30Aおよび通信部32を介して、記録装置18から直接記録データ40を取得してもよい。この場合、取得部30Cは、再生対象期間を含む期間に記録された記録データ40の取得要求信号を、通信制御部30Aおよび通信部32を介して、記録装置18へ送信すればよい。記録装置18は、取得要求信号に含まれる再生対象期間を含む期間に記録された記録データ40を保持している場合、該記録データ40を、情報処理装置10へ送信すればよい。これによって、取得部30Cは、再生対象期間を含む期間に記録された、複数の記録データ40を、記録装置18から直接取得してもよい。
【0060】
特定部30Dは、取得部30Cで取得した複数の記録データ40の各々について、要素区間Eを特定し、要素区間Eにおける少なくとも一部の区間を、活性区間として特定する。
【0061】
図5を用いて説明する。図5は、記録データ40のデータ構成の一例を示す模式図である。
【0062】
要素区間Eとは、記録データ40における、意味を成す要素72を含む区間である。言い換えると、要素区間Eとは、記録データ40の全体の記録期間における、要素72を含む期間である。
【0063】
要素72とは、情報伝達において意味を成すものである。要素72は、具体的には、意味を成すものとして認識されうる、言語を示す音、文字、記号、画像、などである。意味を成す情報として認識されうる画像には、例えば、グラフ、表、物体の画像、などがある。物体の画像は、例えば、人、車、資料、などを示す画像である。
【0064】
まず、特定部30Dは、取得部30Cで取得した複数の記録データ40の各々を解析し、複数の記録データ40の各々について、要素72が含まれる要素区間Eを解析する。これによって、特定部30Dは、要素区間Eを特定する。
【0065】
例えば、記録データ40における、ある区間に、単語の組合せによって形成される意味を成す言葉の音声が含まれていたと仮定する。この場合、特定部30Dは、該音声の含まれる区間を、要素区間Eとして特定する。
【0066】
また、例えば、記録データ40におけるある区間に、意味を成す文字を示す要素72が含まれていたと仮定する。この場合、特定部30Dは、該文字の含まれる区間を、要素区間Eとして特定する。また、例えば、記録データ40が板書データである場合、該記録データ40が、文字の描かれていないホワイトボードに、順次、文字が描かれていったことを示す記録データ40であったと仮定する。この場合、特定部30Dは、記録データ40における、描かれていく文字を含む区間を、要素区間Eとして特定する。
【0067】
なお、特定部30Dは、要素72として認識する対象を、予め設定すればよい。例えば、特定部30Dは、要素72として認識する対象として、文字、言語、を予め設定すればよい。要素72として認識する対象は、操作部38によるユーザの操作指示などによって、適宜、変更可能としてもよい。
【0068】
また、記録データ40を解析することで、要素72を特定する方法には、公知の画像処理方法や音声データ解析方法を用いればよい。
【0069】
このようにして、特定部30Dは、記録データ40における、要素区間Eを特定する。特定部30Dによって、例えば、音声で説明中の区間と、黙っている間の区間を分けることができる。
【0070】
ここで、記録データ40における要素区間Eは、上述したように、要素72を含む区間である。この要素72は、要素区間Eにおいて時系列に沿って変化する場合と、変化せずに固定である場合と、がある。すなわち、要素区間Eにおいて、時系列に沿って、要素72が増加、減少、位置変動、形状変化、などの変化を示す場合と、要素区間Eの間、要素72が同じ形態(形、位置、などが同じ形態)で継続して存在する場合と、がある。
【0071】
本実施の形態では、要素区間Eにおける、要素72が時系列に沿って継続して変化する区間を、変化区間と称して説明する。変化区間は、言い換えると、音声や動画など、記録時の時系列に沿って順番に再生されなければ、情報として理解されない性質の区間である。
【0072】
また、本実施の形態では、要素区間Eにおける、要素72が静止した区間を、静止区間と称して説明する。静止区間は、言い換えると、静止画や板書のように、1つの記録タイミングのみを再生した場合であっても、該区間の情報が理解される性質の区間である。
【0073】
ここで、上述したように、記録データ40は、第1の記録データ42と第2の記録データ44に分類される。
【0074】
第1の記録データ42は、意味を成す要素72を含む要素区間Eに、要素72が時系列に沿って変化する記録データ40である。詳細には、第1の記録データ42は、要素区間Eが、変化区間のみから構成され、要素区間Eに静止区間が含まれない、記録データ40である。
【0075】
第2の記録データ44は、要素区間E内に静止区間を含む、記録データ40である。
【0076】
図6は、第1の記録データ42および第2の記録データ44のデータ構成の一例を示す模式図である。
【0077】
図6(A)は、第1の記録データ42のデータ構成の一例を示す模式図である。第1の記録データ42に含まれる要素区間Eは、変化区間EAである。第1の記録データ42は、例えば、音声データ、動画像データ、である。
【0078】
図6(B)および図6(C)は、第2の記録データ44のデータ構成の一例を示す模式図である。第2の記録データ44に含まれる要素区間Eは、静止区間EBを含む。本実施の形態では、第2の記録データ44を、第2の記録データ44Aと第2の記録データ44Bとに分類して説明する。
【0079】
図6(B)に示すように、第2の記録データ44Aの要素区間Eは、変化区間EAと静止区間EBとから構成される。なお、第2の記録データ44Aの要素区間Eは、変化区間EAと静止区間EBとから構成されていればよく、1つの要素区間Eに含まれる変化区間EAおよび静止区間EBの数、および、1つの要素区間Eにおける変化区間EAと静止区間EBとの位置関係は、限定されない。
【0080】
例えば、第2の記録データ44Aの要素区間Eは、変化区間EAより後の記録タイミングに静止区間EBの配置された構成であってもよい。また、例えば、第2の記録データ44Aの要素区間Eは、変化区間EA、静止区間EB、および変化区間EA、をこの順に時系列に配置した構成であってもよい。また、第2の記録データ44Aの要素区間Eは、静止区間EBおよび変化区間EAを、この順に時系列に配置した構成であってもよい。第2の記録データ44Aは、例えば、板書データ、動画像データ、である。
【0081】
図6(C)に示すように、第2の記録データ44Bの要素区間Eは、静止区間EBである。また、第2の記録データ44Bは、例えば、静止画像データである。
【0082】
特定部30Dは、記録データ40の要素区間Eにおける、活性区間を特定する。
【0083】
活性区間とは、記録データ40における、再生対象の区間を示す。言い換えると、活性区間は、記録データ40における、意味を成す要素72を含む要素区間Eにおける、再生対象の区間を示す。
【0084】
すなわち、特定部30Dは、記録データ40における、要素区間Eの少なくとも一部の区間を、再生対象の活性区間として特定する。
【0085】
本実施の形態では、特定部30Dは、第1の記録データ42と第2の記録データ44で、異なる手法を用いて、活性区間を特定する。
【0086】
まず、第1の記録データ42における活性区間の特定方法を説明する。
【0087】
特定部30Dは、第1の記録データ42の種類に応じた要素72の活性量の閾値に基づいて、第1の記録データ42の要素区間Eにおける活性区間Pを特定する。
【0088】
第1の記録データ42の種類は、例えば、音声データ、動画像データ、である。なお、第1の記録データ42は、上述したように、要素区間Eが変化区間EAである記録データ40であればよく、第1の記録データ42の種類は、これらに限定されない。本実施の形態では、一例として、第1の記録データ42の種類は、音声データ、動画像データ、である場合を説明する。
【0089】
活性量は、要素72が継続して含まれる継続時間および要素72の変化量を示す。継続時間は、要素72が継続して含まれる時間を示す。
【0090】
変化量は、要素72が変化する量を示す。具体的には、第1の記録データ42の種類が音声データである場合、変化量は、要素72を示す音量である。この場合、変化量は、例えば、下記式(1)で表される。
【0091】
変化量=時間tの音量-0 ・・・式(1)
【0092】
なお、音量は、音の大きさを示す物理量で表されればよく、音量の単位は、Pa(音圧)、dB(音の強さレベル)、phon(音の大きさレベル)、sone(音の大きさ)の何れであってもよい。
【0093】
また、第1の記録データ42の種類が動画像データである場合、変化量は、フレーム間の画面変化量である。画面変化量は、例えば、含まれる要素72の少なくとも一部に変化の発生し始めた時間(変化開始時間と称する)に撮影されたフレームを基準フレームとし、該基準フレームと、変化開始時間より後の記録タイミングに撮影されたフレームと、の差分を示す。第1の記録データ42の種類が動画像データである場合、変化量は、下記式(2)で表される。
【0094】
変化量=変化開始時のフレームと時間tのフレームとの間で差分を示すピクセル数/1フレームのピクセル数 ・・・式(2)
【0095】
特定部30Dは、第1の記録データ42の種類ごとに、継続時間および変化量の各々の閾値を予め定める。
【0096】
例えば、第1の記録データ42の種類が音声データである場合、継続時間の閾値は、例えば、500msである。500msは、「あ」や「え」などの間投詞よりも長い継続時間の一例である。
【0097】
また、第1の記録データ42の種類が音声データである場合、変化量の閾値は、例えば、60dbである。60dbは、普通の会話の音の大きさの一例である。
【0098】
また、例えば、第1の記録データ42の種類が動画像データである場合、継続時間の閾値は、例えば、66msである。60msは、一般的な動画像のフレームレート30fpsにおいて、2フレーム以上の数、含まれる要素72が変化したときの継続時間を示す。2フレーム以上のフレームにおいて含まれる要素72が継続して変化すると、ユーザによって要素72の変化が認識可能となる。
【0099】
また、第2の記録データ44の種類が動画像データである場合、変化量の閾値は、例えば、0.03である。0.03は、マウスのポインタの変化などを省いた、画面変化の閾値の一例である。
【0100】
なお、第1の記録データ42の種類ごとの上記閾値は、予め定めればよいが、ユーザによる操作部38の操作指示などによって、適宜変更可能としてもよい。
【0101】
特定部30Dは、第1の記録データ42に含まれる要素区間Eにおける、継続時間および変化量の少なくとも一方が、各々に対応する閾値以上の区間を、活性区間として特定する。
【0102】
本実施の形態では、特定部30Dは、第1の記録データ42に含まれる要素区間Eにおける、継続時間および変化量の双方が、各々に対応する閾値以上の区間を、再生対象の活性区間として特定する場合を説明する。なお、特定部30Dは、第1の記録データ42に含まれる要素区間Eにおける、継続時間または変化量が、各々に対応する閾値以上の区間を、活性区間として特定してもよい。
【0103】
図7は、第1の記録データ42における活性区間Pの特定の一例の説明図である。
【0104】
例えば、第1の記録データ42の種類が動画像データであり、継続時間の閾値がS1、変化量の閾値がS2、であったと仮定する。また、第1の記録データ42には、要素区間E~要素区間Eの3つの要素区間Eが含まれていたと仮定する。
【0105】
図7に示す例では、第1の記録データ42に含まれる要素区間E(要素区間E~要素区間E)の内、要素区間Eは、変化量が閾値S2以上であるが継続時間は閾値S1未満である。要素区間Eは、第1の記録データ42が音声データである場合、例えば、物体の落下音や、ペンのノック音、「あ」「え」等の短い発話、などの要素72を含む区間である。また、第1の記録データ42が動画像データである場合、要素区間Eは、例えば、一瞬だけフレームが真っ黒になった区間などである。
【0106】
要素区間Eは、変化量が閾値S2以上であり、継続時間も閾値S1以上である。要素区間Eは、例えば、記録した内容を効率的に振り返ることが要求される区間である。
【0107】
要素区間Eは、変化量が閾値S2未満であり、継続時間は閾値S1以上である。要素区間Eは、第1の記録データ42が音声データである場合、例えば、ユーザの独り言や、物体をたたく音、等の要素72を含む区間である。また、要素区間Eは、第1の記録データ42が動画像データである場合、例えば、画面上を移動するポインタなどの要素72を含む区間である。
【0108】
図7に示す第1の記録データ42の場合、特定部30Dは、第1の記録データ42に含まれる要素区間E(要素区間E~要素区間E)の内、要素区間Eを、活性区間Pとして特定する。
【0109】
そして、特定部30Dは、要素区間Eにおける、継続時間および変化量の少なくとも一方が各々に対応する閾値S(S1、S2)未満の区間を、再生対象外の非活性区間Qとして特定する。図7に示す例の場合、特定部30Dは、要素区間E(要素区間E~要素区間E)の内、要素区間Eおよび要素区間Eを、非活性区間Qとして特定する。
【0110】
一方、第2の記録データ44については、特定部30Dは、第2の記録データ44における要素区間Eを、活性区間Pとして特定する。
【0111】
図8は、記録データ40における、活性区間Pおよび非活性区間Qの一例の説明図である。
【0112】
図8(A)は、第1の記録データ42における活性区間Pと非活性区間Qの一例の説明図である。上記処理によって、特定部30Dは、第1の記録データ42における、変化区間EAである要素区間Eの内、要素72の活性量が上記閾値以上の区間を、活性区間Pとして特定する。また、特定部30Dは、第1の記録データ42における、要素区間E以外の区間Q1と、要素区間Eにおける活性区間P以外の区間Q2と、を非活性区間Qとして特定する。
【0113】
図8(B)は、第2の記録データ44Aにおける、活性区間Pと非活性区間Qの一例の説明図である。上記処理によって、特定部30Dは、第2の記録データ44Aにおける、変化区間EAと静止区間EBを含む要素区間Eの全区間を、活性区間Pとして特定する。そして、特定部30Dは、第2の記録データ44Aにおける、要素区間E以外の区間Qを、非活性区間Qとして特定する。
【0114】
図8(C)は、第2の記録データ44Bにおける、活性区間Pと非活性区間Qの一例の説明図である。上記処理によって、特定部30Dは、第2の記録データ44Bにおける、静止区間EBからなる要素区間Eの全区間を、活性区間Pとして特定する。そして、特定部30Dは、第2の記録データ44Bにおける、要素区間E以外の区間Qを、非活性区間Qとして特定する。
【0115】
以下では、記録データ40における、活性区間Pのデータを、活性区間データ80と称して説明する。すなわち、活性区間データ80は、記録データ40における、特定部30Dによって特定された、一部の区間のデータである。
【0116】
図3に戻り、説明を続ける。次に、再生制御部30Eについて説明する。
【0117】
再生制御部30Eは、取得部30Cで取得した、複数の記録データ40の各々の活性区間Pの活性区間データ80に応じて、複数の記録データ40を再生制御する。
【0118】
取得部30Cが、記録データ40として複数の第1の記録データ42を取得した場合、再生制御部30Eは、複数の第1の記録データ42の各々の活性区間Pの活性区間データ80に応じて、複数の第1の記録データ42を再生制御する。また、取得部30Cが、記録データ40として、第1の記録データ42と第2の記録データ44の双方を取得した場合、再生制御部30Eは、複数の第1の記録データ42の各々の活性区間データ80、および、第2の記録データ44の活性区間Pの活性区間データ80に応じて、複数の第1の記録データ42および第2の記録データ44を再生制御する。
【0119】
本実施の形態では、再生制御部30Eは、記録データ40の各々について、特定部30Dによって特定された活性区間データ80を再生し、非活性区間Qについては再生対象外とする。
【0120】
このため、取得部30Cで取得した複数の記録データ40が、板書データ、議論の音声や表示された資料を撮影した動画像データ、音声データ、などの複数種類の記録データ40である場合であっても、意味不明の箇所で省略再生されることが抑制され、意味を成す区間が効率的に再生される。
【0121】
また、本実施の形態では、特定部30Dが、第1の記録データ42については、第1の記録データ42の種類に応じた要素72の活性量の閾値に基づいて、第1の記録データ42に含まれる要素区間Eにおける、再生対象の活性区間Pを特定する。
【0122】
このため、本実施の形態の情報処理装置10では、含まれる要素区間Eが、要素72が時系列に沿って継続して変化する変化区間EAである第1の記録データ42について、要素区間Eに含まれる、効率的な再生を阻害する区間を再生対象外とする。
【0123】
効率的な再生を阻害する区間とは、第1の記録データ42が音声データである場合には「あ」や「え」などのようなほぼ意味を持たない短い発話、ユーザの独り言、物体をたたく音などである。また、効率的な再生を阻害する区間とは、第1の記録データ42が動画像データである場合には、一瞬だけフレームが真っ黒になった区間や、画面上を移動するポインタを含む区間など、目視では確認し難い画面変化を示す区間である。
【0124】
よって、本実施の形態の情報処理装置10では、効率的な再生に適した区間を、再生対象の活性区間Pとすることができる。
【0125】
次に、再生制御部30Eによる記録データ40の再生制御について、詳細に説明する。本実施の形態では、再生制御部30Eは、記録データ40を再生するように再生装置を制御する。具体的には、再生制御部30Eは、記録データ40に含まれる活性区間データ80を再生するように、再生装置を制御する(詳細後述)。
【0126】
記録データ40を再生する再生装置には、情報処理装置10に搭載された再生部36や、情報処理装置10の外部に設置された再生装置22を用いればよい。
【0127】
再生装置22は、音や画像を再生する装置である。再生装置22は、表示部22Aと、音声出力部22Bと、通信部22Cと、を備える。表示部22Aは、各種画像を表示する。表示部22Aは、例えば、ディスプレイである。音声出力部22Bは、音を出力する。音声出力部22Bは、例えば、スピーカである。通信部22Cは、情報処理装置10と通信する。
【0128】
情報処理装置10と再生装置22とは、データや信号を授受可能に、ケーブルを介して直接接続されている。なお、情報処理装置10と再生装置22とは、ネットワーク20を介して通信可能に接続されていてもよい。そして、通信部32を、記録装置18や再生装置22と通信する構成とすればよい。
【0129】
なお、本実施の形態では、再生制御部30Eは、再生部36を再生制御する形態を一例として説明する。
【0130】
また、本実施の形態では、再生制御部30Eは、ストリーミング再生するように、再生部36を制御する場合を一例として説明する。
【0131】
すなわち、本実施の形態では、再生制御部30Eは、取得部30Cで取得した複数の記録データ40について、記録タイミングに沿って順に、活性区間Pの活性区間データ80を読取りながら、読取った活性区間データ80を再生するように、再生部36を再生制御する場合を一例として説明する。
【0132】
再生制御部30Eは、取得部30Cで取得した、複数の記録データ40の各々の活性区間データ80が、記録タイミングに応じた再生タイミングで再生されるように再生制御する。すなわち、再生制御部30Eは、記録タイミングに沿って、複数の記録データ40を解析し、何れか1つの記録データ40の活性区間Pの現れた記録タイミングの各々を、再生対象とし、再生制御を行う。
【0133】
具体的には、再生制御部30Eは、取得部30Cで取得した、複数の記録データ40の各々の活性区間データ80が、同じ記録タイミングごとに、該記録タイミングに応じた同じ再生タイミングで再生されるように、再生制御する。
【0134】
すなわち、取得部30Cで取得した再生対象期間における、単独の記録データ40の活性区間Pのみが出現する区間(非重複区間)については、該記録データ40の活性区間Pの活性区間データ80のみが、記録タイミングに応じた再生タイミングで再生制御される。
【0135】
一方、取得部30Cで取得した再生対象期間において、複数の記録データ40の活性区間Pが重複する区間(重複区間)については、重複する複数の活性区間Pの活性区間データ80が、記録タイミングごとに同じ再生タイミングで再生制御される。
【0136】
図3に戻り説明を続ける。再生制御部30Eは、第1の記録データ42に含まれる活性区間Pの活性区間データ80については、該活性区間Pの記録時の速度より速い再生速度で再生するように、再生制御する。
【0137】
このため、例えば、第1の記録データ42に含まれる活性区間Pの活性区間データ80が、何等かの音声を示す音声データである場合、再生制御部30Eは、該活性区間Pの音声データを、記録時の速度より速い再生速度で再生制御する。また、第1の記録データ42に含まれる活性区間Pの活性区間データ80が、動画像データである場合、再生制御部30Eは、該活性区間Pの動画像データを、記録時の速度より速い再生速度で再生制御する。
【0138】
上述したように、第1の記録データ42における活性区間Pでは、要素72が時系列に沿って継続して変化する。また、変化区間EAは、記録時の時系列に沿って順番に再生されなければ、情報として理解されない性質の区間である。このため、変化区間EAについては、記録された記録タイミングの時系列順に再生されれば、記録時の再生速度より速い再生速度で再生しても、意味が通じる状態で再生の成される可能性が高い。
【0139】
このため、再生制御部30Eが、第1の記録データ42に含まれる活性区間P(変化区間EA)の活性区間データ80については、該活性区間Pの記録時の速度より速い再生速度で再生するように、再生制御する。これによって、再生制御部30Eは、複数の記録データ40を効率的に再生することができる。また、再生時間の短縮を図ることもできる。
【0140】
なお、再生制御部30Eは、第1の記録データ42に含まれる活性区間Pの活性区間データ80については、記録時の速度より速い再生速度で再生すればよく、その再生速度は限定されない。例えば、再生制御部30Eは、該記録時の速度より速い再生速度で、且つ、該活性区間Pに含まれる要素72が人によって認識可能な程度の再生速度で、再生制御すればよい。再生速度は、予め設定してもよいし、ユーザによる操作部38の操作指示によって変更可能としてもよい。
【0141】
また、再生制御部30Eは、複数の第1の記録データ42の活性区間Pに、記録タイミングが互いに重複する重複区間が存在する場合、記録タイミングが重複する活性区間Pの数に応じて、記録タイミングごとに再生速度を調整してもよい。例えば、再生制御部30Eは、重複する活性区間Pの数が少ないほど、より速い再生速度で、重複する複数の活性区間データ80を再生制御する。
【0142】
一方、再生制御部30Eは、第2の記録データ44に含まれる活性区間Pについては、含まれる静止区間EBの特定の記録タイミングに記録された要素72を、該静止区間EBに応じた再生期間、再生制御する。
【0143】
特定の記録タイミングは、例えば、静止区間EBにおける最初の記録タイミングを示す。なお、特定の記録タイミングは、静止区間EBにおける1つの記録タイミングであればよく、最初の記録タイミングに限定されない。但し、再生制御のしやすさの観点から、静止区間EBにおける最初の記録タイミングを、特定の記録タイミングとして用いることが好ましい。
【0144】
このため、第2の記録データ44が静止画像データである場合、活性区間P(静止区間EB)における最初の記録タイミングに対応するフレームに含まれる要素72が、該活性区間Pに応じた再生期間、継続して表示される。このため、第2の記録データ44における活性区間Pを構成する、複数の記録タイミングの各々に対応するフレームの内、1つのフレームに含まれる要素72のみを用いて再生制御が行われることとなる。
【0145】
上述したように、静止区間EBは、要素72が所定時間以上停止する区間である。このため、該区間における1つの記録タイミングにおいて記録された要素72を再生すれば、該静止区間EBに記録された全内容の意味が把握可能である可能性が高い。このため、再生制御部30Eが、第2の記録データ44に含まれる活性区間P(静止区間EB)については、含まれる静止区間EBの特定の記録タイミングに記録された要素72を、該静止区間EBに応じた再生期間、再生制御することによって、活性区間Pの種類に応じて、複数の記録データ40を更に効率的に再生することができる。
【0146】
なお、第2の記録データ44に含まれる活性区間Pが、静止区間EBと変化区間EAの双方を含む場合(図8(C)の第2の記録データ44B参照)、再生制御部30Eは、静止区間EBのみを上記と同様にして再生制御し、変化区間EAについては再生制御の対象外としてもよい。
【0147】
これによって、再生制御部30Eは、例えば、単独で板書などが記載されている途中の変化区間EAを再生対象外とし、記載の終わった状態の板書を示す静止区間EBを再生対象とすることができる。また、これにより、再生時間の短縮を図ることができる。
【0148】
また、再生制御部30Eは、第2の記録データ44に含まれる活性区間Pが、静止区間EBと変化区間EAの双方を含む場合(図8(B)の第2の記録データ44A参照)、変化区間EAについては記録時の速度より速い再生速度で再生制御してもよい。そして、再生制御部30Eは、活性区間Pにおける静止区間EBについては、上記と同様に、特定の記録タイミングに記録された要素72を該静止区間EBに応じた再生期間、再生制御してもよい。
【0149】
また、第1の記録データ42の活性区間Pと、第2の記録データ44の活性区間Pと、の間に、記録タイミングが互いに重複する重複区間が存在する場合がある。この場合、再生制御部30Eは、以下の再生制御を行うことが好ましい。
【0150】
具体的には、再生制御部30Eは、該重複区間における、第1の記録データ42の活性区間Pと、第2の記録データ44の活性区間Pにおける変化区間EAと、の第1重複区間については、第1の記録データ42の活性区間データ80と第2の記録データ44の変化区間EAの変化区間データとが、同じ記録タイミングごとに同じ再生タイミングで、記録時の速度より速い再生速度で再生されるように再生制御する。
【0151】
そして、再生制御部30Eは、該重複区間における、第1の記録データ42の活性区間Pと、第2の記録データ44の活性区間Pにおける静止区間EBとの第2重複区間については、第1の記録データ42における活性区間Pの活性区間データ80を、該活性区間データ80の記録時の速度より速い再生速度で再生制御すると共に、第2の記録データ44における静止区間EBの特定の記録タイミングに記録された要素72を再生制御する。
【0152】
再生制御部30Eによる再生制御について、説明図を用いて具体的に説明する。
【0153】
図9は、再生制御部30Eによる再生制御の一例を示す、説明図である。
【0154】
例えば、ある会議において、複数の音声データ(第1の記録データ42A、第1の記録データ42B)と、板書データ(第2の記録データ44A)と、静止画像データ(第2の記録データ44B)と、が記録されたと仮定する。そして、これらの記録データ40について、再生制御する場合を説明する。なお、図9中、矢印Tは、記録タイミングの時間の流れを示す。
【0155】
第1の記録データ42Aは、記録タイミングt1~t3の活性区間Pと、記録タイミングt15~t16の活性区間Pと、を含む。記録タイミングt1~t3の活性区間Pには、要素72として、要素72a1である音声「問題です」と、要素72a2である音声「始めます」と、が時系列にそって異なる記録タイミングで記録されている。記録タイミングt15~t16の活性区間Pには、要素72として、要素72a3である音声「終了します」が記録されている。
【0156】
第1の記録データ42Bは、記録タイミングt2~t4、t6~t7、t9~t10、t12~t13、の各々の活性区間Pを含む。第1の記録データ42Bの複数の活性区間Pには、それぞれ、要素72b1である音声「メモして下さい」および要素72b2である音声「始め」、要素72b3である音声「ここは注意して」、要素72b4である音声「いいですよ」、要素72b5である音声「分かりましたか」、が記録されていたと仮定する。
【0157】
第2の記録データ44Aは、記録タイミングt6~t11の活性区間Pを含む。第2の記録データ44Aの活性区間Pは、記録タイミングt6~t8の変化区間EAと、記録タイミングt8~t11の静止区間EBと、から構成されている。
【0158】
また、第2の記録データ44Aにおける、記録タイミングt6~t8の変化区間EAは、変化区間データ81から構成されている。変化区間データ81は、文字としての要素72(要素72c1である文字「D_」、要素72c2である文字「1」、要素72c3である文字「CCA」)が順次追加記載されていく状態を示す、複数のフレーム81C1~81Cnからなる。第2の記録データ44Aにおける、記録タイミングt8~t11の静止区間EBは、複数のフレーム81Dからなる活性区間データ80から構成されている。これらの複数のフレーム81Dの各々は、同じ要素72(要素72c1である文字「D_」、要素72c2である文字「1」、要素72c3である文字「CCA」)を含む、同じフレームである。
【0159】
第2の記録データ44Bは、記録タイミングt5~t14の活性区間Pを含む。第2の記録データ44Bの活性区間Pは、静止区間EBである。第2の記録データ44Bにおける、記録タイミングt5~t14の静止区間EBは、同じ要素72(要素72d1である文字「A+B」)を含む、複数の同じフレームから構成されている。
【0160】
これらの複数の記録データ40(第1の記録データ42A、第1の記録データ42B、第2の記録データ44A、第2の記録データ44B)について、再生制御部30Eは、以下の再生制御を行う。
【0161】
なお、図9の再生内容90の欄には、対応する記録タイミングに応じて再生された、再生内容を示した。なお、図9中、矢印Sは、再生タイミングの時間の流れを示す。
【0162】
なお、記録タイミングのスケールおよびタイミングと、再生タイミングのスケールおよびタイミングと、は完全に一致していなくてもよい。すなわち、記録タイミングに応じたい再生タイミングとは、対応するタイミングであればよく、同一の時刻に限定されない。また、複数の記録タイミングによって示される区間の時間的な長さと、対応する複数の再生タイミングによって示される区間の時間的な長さと、は、同じであってもよいし、異なっていてもよい。
【0163】
再生制御部30Eの再生制御について、具体的に説明する。
【0164】
再生制御部30Eは、これらの複数の記録データ40について、記録タイミングの時間の流れ(矢印T方向参照)の上流側から下流側に向かって、順に、未再生の活性区間Pを特定する。このとき、再生制御部30Eは、未再生で且つ最も記録タイミングの早い活性区間Pを、順次特定する。
【0165】
図9に示す場合、再生制御部30Eは、まず、未再生の活性区間Pの内、最も記録タイミングの早い、第1の記録データ42Aにおける記録タイミングt1~t3の活性区間Pを特定する。そして、再生制御部30Eは、該活性区間Pに含まれる、要素72a1である音声「問題です」と、要素72a2である音声「始めます」と、をこれらの要素72の各々の記録タイミングに応じた再生タイミングS1~S2、再生タイミングS2~S3の各々で、記録時の速度より速い再生速度で再生するように、再生部36を制御する。
【0166】
なお、記録タイミングt1~t3の活性区間Pの内、記録タイミングt1~t2の区間Taは、他の記録データ40における活性区間Pと非重複な非重複区間である。
【0167】
このため、この区間Taに応じた再生タイミング(再生タイミングS1~S2の区間)においては、再生制御部30Eは、第1の記録データ42Aにおけるこの区間Taに含まれる要素72a1である音声「問題です」を、単独で、対応する再生タイミングS1~S2に、記録時の速度より速い再生速度で再生するように、再生部36を制御する。
【0168】
また、記録タイミングt2~t3の区間Tbは、第1の記録データ42Aにおける活性区間Pと第1の記録データ42Bにおける活性区間Pとが重複する重複区間である。
【0169】
このため、この区間Tbに応じた再生タイミング(再生タイミングS2~S3の区間)においては、再生制御部30Eは、第1の記録データ42Aにおける区間Tbに含まれる要素72a2である音声「始めます」と、第1の記録データ42Bにおける区間Tbに含まれる要素72b1である音声「メモして下さい」と、の双方を、記録時の速度より速い再生速度で再生するように、再生部36を制御する。
【0170】
一方、第1の記録データ42Bにおける、記録タイミングt3~t4の区間Tcは、他の記録データ40における活性区間Pと非重複な非重複区間である。
【0171】
このため、この区間Tcに応じた再生タイミング(再生タイミングS2~S4の区間)においては、再生制御部30Eは、第1の記録データ42Bにおける区間Tcに含まれる要素72b2である音声「始め」を、単独で、対応する再生タイミングS2~S4に、記録時の速度より速い再生速度で再生するように、再生部36を制御する。
【0172】
なお、区間Ta、区間Tb、および区間Tcにおいては、第2の記録データ44には活性区間Pが含まれないため、区間Ta、区間Tb、区間Tcに応じた再生タイミングにおいては、再生部36の表示部36Aに表示される表示画像70Aには、何れの第2の記録データ44の要素72も含まれない。
【0173】
次に、記録タイミングt4~t5の区間Tdについて説明する。この区間Tdには、何れの記録データ40にも活性区間Pが含まれないため、再生制御部30Eは再生制御を行わない。
【0174】
次に、再生制御部30Eは、未再生で且つ最も記録タイミングの早い活性区間Pとして、第2の記録データ44Bの記録タイミングt5を記録開始タイミングとする、活性区間Pを特定する。図9に示す例では、第2の記録データ44Bにおける該活性区間Pは、記録タイミングt5~t14の区間である。
【0175】
ここで、第2の記録データ44Bの活性区間Pは、静止区間EBである。すなわち、第2の記録データ44Bの活性区間Pは、同じ要素72(要素72d1である文字「A+B」)が継続して含まれる区間である。
【0176】
このため、再生制御部30Eは、記録タイミングt5~t14に応じた再生タイミング(再生タイミングS5~S14の区間)においては、第2の記録データ44Bにおける、該静止区間EBの特定の記録タイミングに記録された要素72(ここでは、要素72d1である文字「A+B」)を、継続して再生するように、再生部36を制御する。
【0177】
すなわち、再生部36は、記録タイミングt5~t14に応じた再生タイミング(再生タイミングS5~S14の区間)においては、第2の記録データ44Bにおける複数フレームの全てを用いるのではなく、ある記録タイミングに対応する1つのフレームのみを、継続して再生する。具体的には、再生部36には、第2の記録データ44Bにおける、1つの該フレームに含まれる要素72d1である文字「A+B」が、表示画像70として表示される。
【0178】
ここで、第2の記録データ44Bの記録タイミングt5~t14の活性区間Pには、他の記録データ40の活性区間Pと重複する重複区間が含まれる。すなわち、複数の記録データ40の各々の活性区間Pは、他の記録データ40の少なくとも1つの活性区間Pと重複する重複期間を含む場合がある。そこで、再生制御部30Eは、以下の制御を行う。ここでは、複数の記録データ40の各々における活性区間Pの記録開始タイミングと記録終了タイミングの各々を区切りとした区間(区間Te~区間To)ごとの、再生制御を順に説明する。
【0179】
まず、記録タイミングt5~t6の区間Teについて説明する。第2の記録データ44Bにおける区間Teでは、第2の記録データ44Bの静止区間EBは、他の記録データ40における活性区間Pと非重複である。このため、再生制御部30Eは、この区間Teついては、第2の記録データ44Bの要素72d1である文字「A+B」のみを再生するように、再生部36を制御する。このため、この区間Teに応じた再生タイミングにおいては、再生部36には、第2の記録データ44Bにおける、1つの該フレームに含まれる要素72d1である文字「A+B」が、表示画像70Bとして表示される。
【0180】
次に、記録タイミングt6~t7の区間Tfについて説明する。この区間Tfは、第2の記録データ44Bの静止区間EBと、第1の記録データ42Bの活性区間Pと、第2の記録データ44Aの変化区間EAと、が重複した重複区間である。
【0181】
このため、再生制御部30Eは、該区間Tfにおいては、第1の記録データ42Bにおける該区間Tfに含まれる要素72b3である音声「ここは注意して」を、記録時の速度より早い再生速度で再生するように再生制御する。また、再生制御部30Eは、第2の記録データ44Aにおける該区間Tfに含まれる要素72および第2の記録データ44Bにおける該区間Tfに含まれる要素72の双方を含む表示画像70Cを、表示するように再生部36を制御する。
【0182】
このため、区間Tfに応じた再生タイミング(再生タイミングS6~S7の区間)においては、再生部36には、第1の記録データ42Bにおける区間Tfに含まれる要素72b3である音声「ここは注意して」が、記録時の速度より速い再生速度で再生される。また、該区間Tfに応じた再生タイミング(再生タイミングS6~S7)においては、再生部36の表示部36Aには、第2の記録データ44Bにおける静止区間EBにおける最初の記録タイミングt5に記録された要素72d1である文字「A+B」が継続して表示されると共に、第2の記録データ44における変化区間EAに含まれる要素72(要素72c1~72c3)が、記録タイミングに応じて、記録時の速度より速い再生速度で変化しながら表示される。
【0183】
このため、例えば、板書に追記されながら形成されていく文字が、記録時の速度より速い再生速度で再生部36に再生されると共に、静止画像に含まれる文字は、変化しないまま再生部36に再生される。また、同時期に記録された音声や動画については、記録時の速度より速い再生速度で再生されることとなる。
【0184】
次に、記録タイミングt7~t8の区間Tgについて説明する。区間Tgでは、第2の記録データ44Bの静止区間EBと、第2の記録データ44Aの変化区間EAと、が重複し、第1の記録データ42の活性区間Pについては非重複な区間である。
【0185】
このため、再生制御部30Eは、該区間Tgにおいては、第1の記録データ42における要素72を再生しない以外は、区間Tfと同様の再生制御を継続する。
【0186】
次に、記録タイミングt8~t9の区間Thについて説明する。区間Thでは、第2の記録データ44Bの静止区間EBと、第2の記録データ44Aの静止区間EBと、が重複する。
【0187】
このため、この場合、再生制御部30Eは、記録タイミングt8~t9の区間Thに応じた再生タイミング(再生タイミングS8~S9の区間)においては、第2の記録データ44Aおよび第2の記録データ44Bの各々における、静止区間EBの最初の記録タイミングに記録された要素72を再生するように、再生部36を制御する。
【0188】
このため、再生部36は、該区間Thに応じた再生タイミング(再生タイミングS8~S9)については、要素72d1である文字「A+B」、要素72c1である文字「D_」、要素72c2である文字「1」、および要素72c3である文字「CCA」を含む表示画像70Dを、継続して表示する。例えば、板書に対する追記が終了した状態の板書を示す画像が、再生部36の表示部36Aに表示される。
【0189】
次に、記録タイミングt9~t10の区間Tiについて説明する。区間Tiでは、第2の記録データ44Bの静止区間EBと、第2の記録データ44Aの静止区間EBと、第1の記録データ42Bの活性区間Pと、が重複する。
【0190】
この場合、再生制御部30Eは、第2の記録データ44Aおよび第2の記録データ44Bについては、区間Thと同様の再生制御を行う。そして、再生制御部30Eは、第1の記録データ42Bにおける区間Tiの変化区間EAについては、変化区間EAに含まれる要素72である要素72b4である音声「いいですよ」を、該要素72の記録タイミングt9に応じた再生タイミングに、記録速度より速い再生速度で、再生制御する。
【0191】
このため、再生部36は、該区間Tiに応じた再生タイミング(再生タイミングS9~S10)については、要素72d1である文字「A+B」、要素72c1である文字「D_」、要素72c2である文字「1」、および要素72c3である文字「CCA」を含む表示画像70Dを、継続して表示すると共に、要素72b4である音声「いいですよ」を記録時より速い再生速度で再生する。
【0192】
次に、記録タイミングt10~t11の区間Tjについて説明する。区間Tjでは、第2の記録データ44Aの静止区間EBと、第2の記録データ44Bの静止区間EBと、が重複する。このため、再生制御部30Eは、区間Tjに応じた再生タイミング(再生タイミングS10~S11の区間)においては、第2の記録データ44Aおよび第2の記録データ44Bの各々における、各静止区間EBの最初の記録タイミングに記録された要素72を再生するように、再生部36を制御する。
【0193】
このため、再生部36は、該区間Tjに応じた再生タイミング(再生タイミングS10~S11)については、要素72d1である文字「A+B」、要素72c1である文字「D_」、要素72c2である文字「1」、および要素72c3である文字「CCA」を含む表示画像70Dを、継続して表示する。このため、区間Thと同様に、この区間Tjには、例えば、板書に対する追記が終了した状態の板書を示す画像が、再生部36の表示部36Aに表示される。
【0194】
次に、記録タイミングt11~t12の区間Tkについて説明する。区間Tkについては、第2の記録データ44Bの静止区間EBは、他の記録データ40における活性区間Pと非重複である。このため、この区間Tkに応じた再生タイミングS11~S12の区間は、要素72d1である文字「A+B」のみが、再生部36に再生される。すなわち、再生部36には、文字「A+B」のみを含む表示画像70Eが表示される。
【0195】
すなわち、区間Tkに応じた再生タイミングにおいては、前段の区間Tjで表示されていた、第2の記録データ44Aの要素72である、文字「D_」、文字「1」、および文字「CCA」が削除され、区間Teに記録された文字である文字「A+B」のみが、再生部36の表示部36Aに表示される。
【0196】
次に、記録タイミングt11~t12の区間Tkについて説明する。この区間Tkは、何れの記録データ40の活性区間Pも含まれない。このため、再生制御部30Eは、この区間Tkについては、再生対象外とする。
【0197】
次に、記録タイミングt12~t13の区間Tlについて説明する。区間Tlでは、第1の記録データ42Bの活性区間Pと、第2の記録データ44Bの静止区間EBと、が重複する。
【0198】
このため、再生制御部30Eは、区間Tlに応じた再生タイミング(再生タイミングS12~S13の区間)においては、第1の記録データ42Bにおける該区間Tlの要素72b5である音声「分かりましたか」を、記録時より速い再生速度で再生する。また、再生制御部30Eは、該区間Tlに応じた再生タイミング(再生タイミングS12~S13の区間)においては、第2の記録データ44Bにおける、該静止区間EBの最初の記録タイミングに記録された要素72d1である文字「A+B」を再生するように、再生部36を制御する。
【0199】
このため、区間Tlに応じた再生タイミングにおいては、該区間Tlに記録された文字である文字「A+B」を含む表示画像70Eが、再生部36の表示部36Aに表示され、且つ、音声「分かりましたか」が記録時より速い再生速度で再生制御される。
【0200】
次に、記録タイミングt13~t14の区間Tmについて説明する。区間Tmでは、第2の記録データ44Bの静止区間EBは、他の記録データ40における活性区間Pと非重複である。このため、この区間Tmに応じた再生タイミングS13~S14の区間は、要素72d1である文字「A+B」のみが、再生部36に再生される。すなわち、再生部36には、文字「A+B」のみを含む表示画像70Eが表示される。
【0201】
次に、記録タイミングt14~t15の区間Tnについて説明する。区間Tnについては、何れの記録データ40についても、活性区間Pではない。このため、区間Tnに応じた再生タイミングS14~S15には、何の要素72も再生されない。
【0202】
次に、記録タイミングt15~t16の区間Toについて説明する。区間Toでは、第1の記録データ42Aの活性区間Pのみが、活性区間Pである。このため、この区間Toに応じた再生タイミング(再生タイミングS15~S16の区間)においては、再生制御部30Eは、第1の記録データ42Aにおけるこの区間Toに含まれる要素72a3である音声「終了します」を、単独で、対応する再生タイミングS15~S16に、記録時の速度より速い再生速度で再生するように、再生部36を制御する。
【0203】
このように、本実施の形態では、再生制御部30Eは、複数の記録データ40の各々の活性区間Pの活性区間データ80が、記録タイミングに応じた再生タイミングで再生されるように再生制御する。このため、複数の記録データ40の各々の活性区間Pが重複する重複区間については、複数の記録データ40の各々の活性区間Pに含まれる複数の要素72が、記録タイミングに応じて同時に再生されることとなる。
【0204】
また、活性区間Pの種類(変化区間EAであるか静止区間EBであるか)に応じて、再生速度や、再生内容が調整される。
【0205】
なお、図9には、再生制御部30Eは、取得部30Cで取得した複数の記録データ40について、記録タイミングの時間の流れ(矢印T)に沿って、活性区間Pの活性区間データ80を順に読取りながら、記録データ40の各々の活性区間データ80を再生するように、再生部36を再生制御した。
【0206】
しかし、再生制御部30Eは、受付部30Fから再生指示信号を受付けるごとに、未再生の活性区間Pを時系列に沿って順次特定し、特定した活性区間Pの記録タイミングごとに、複数の記録データ40の各々の活性区間Pの活性区間データ80が再生されるように、再生制御してもよい。
【0207】
この場合、ユーザは、操作部38を操作することで、再生指示を入力する。すると、受付部30Fは、操作部38から再生指示を示す再生指示信号を受付ける。再生制御部30Eは、受付部30Fから再生指示信号を受付けるごとに、上記再生制御を行えばよい。
【0208】
具体的には、再生制御部30Eは、図9に示す複数の記録データ40の各々に含まれる活性区間Pの先頭の記録タイミングを順に特定し、上記と同様の再生制御を行う。すなわち、この場合、再生制御部30Eは、再生指示信号を受付けるごとに、複数の記録データ40の各々に含まれる活性区間Pの先頭の記録タイミングから、次の他の活性区間Pの先頭の記録タイミングまでを1つの制御単位として、順次再生制御を行うこととなる。
【0209】
なお、図9には、複数の第2の記録データ44の各々の活性区間Pに含まれる要素72を、同じ表示画像70に合成して表示する形態を示した。しかし、再生制御部30Eは、記録データ40ごとに、異なる表示領域に要素72が表示されるように、再生制御してもよい。
【0210】
図10は、再生部36に表示される表示画像76の一例を示す模式図である。例えば、表示画像76は、表示領域76Aと、表示領域76Bと、表示領域76Cと、を含む。表示領域76A、表示領域76B、および、表示領域76Cは、互いに異なる記録データ40の要素72を表示するための表示領域である。
【0211】
例えば、再生対象の記録データ40として3つの記録データ40を取得した場合、1つの記録データ40に含まれる活性区間Pの動画像が表示領域76Aに表示される。また、他の1つの記録データ40に含まれる活性区間Pの要素72d1としての文字「A+B」が表示領域76Bに表示される。また、他の1つの記録データ40に含まれる活性区間Pの要素72c1~72c3の各々としての文字「D_」、「1」、「CCA」が、表示領域76Cに表示される。
【0212】
このように、再生制御部30Eは、記録データ40ごとに、異なる表示領域に要素72が表示されるように、再生部36を再生制御してもよい。
【0213】
次に、制御部30で実行する情報処理の手順の一例を説明する。
【0214】
図11は、本実施の形態の制御部30で実行する、情報処理の手順の一例を示す、フローチャートである。
【0215】
まず、取得部30Cが、再生対象期間を含む期間に記録された、複数の記録データ40を取得する(ステップS100)。次に、特定部30Dが、ステップS100で取得した複数の記録データ40の各々について、含まれる要素区間Eを特定する(ステップS102)。
【0216】
次に、特定部30Dが、ステップS100で取得した記録データ40を、第1の記録データ42と第2の記録データ44に分類する(ステップS104)。
【0217】
次に、特定部30Dは、ステップ104で分類した第1の記録データ42および第2の記録データ44の各々について、要素区間Eにおける活性区間Pを特定する(ステップS106)。
【0218】
次に、受付部30Fが、再生指示信号を受付けるまで否定判断を繰返す(ステップS108:No)。受付部30Fが、再生指示信号を受付けたと判断すると(ステップS108:Yes)、ステップS110へ進む。ステップS110では、記録タイミングの時系列に沿って、未再生の活性区間Pを1つ特定する(ステップS110)。そして、再生制御部30Eは、ステップS110で特定した、記録データ40における活性区間Pの活性区間データ80を、再生制御する(ステップS112)。このとき、上述したように、該記録データ40の活性区間Pに重複する、他の記録データ40の活性区間Pが存在する場合がある。この場合、再生制御部30Eは、上述したように、特定した活性区間Pの記録タイミングごとに、複数の記録データ40の各々の活性区間Pの活性区間データ80が再生されるように、再生制御する。
【0219】
次に、再生制御部30Eは、処理を終了するか否かを判断する(ステップS114)。例えば、再生制御部30Eは、受付部30Fを介して操作部38から、処理終了を示す終了信号を受付けたか否かを判別することで、ステップS114の判断を行う。
【0220】
ステップS114で否定判断すると(ステップS114:No)、上記ステップS108へ戻る。一方、ステップS114で肯定判断すると(ステップS114:Yes)、本ルーチンを終了する。
【0221】
以上説明したように、本実施の形態の情報処理システム1000および情報処理装置10は、取得部30Cと、特定部30Dと、再生制御部30Eと、を備える。取得部30Cは、意味を成す要素72を含む要素区間Eに要素72が時系列に沿って変化する第1の記録データ42を取得する。特定部30Dは、第1の記録データ42の種類に応じた要素72の活性量の閾値に基づいて、第1の記録データ42の要素区間Eにおける、再生対象の活性区間Pを特定する。再生制御部30Eは、第1の記録データ42の活性区間Pの活性区間データ80に応じて、第1の記録データ42を再生制御する。
【0222】
このように、本実施の形態では、情報処理システム1000および情報処理装置10は、第1の記録データ42における要素72を含む要素区間Eの内、第1の記録データ42の種類に応じた要素72の活性量の閾値に基づいて、第1の記録データ42の要素区間Eにおける、再生対象の活性区間Pを特定する。
【0223】
このため、本実施の形態の情報処理装置10は、第1の記録データ42における要素72を含む要素区間Eの全区間ではなく、要素区間Eに含まれる効率的な再生を阻害する区間以外の区間を、再生対象の活性区間Pとして特定することができる。
【0224】
従って、本実施の形態の情報処理装置10は、記録データ40(第1の記録データ42)を効率的に再生することができる。
【0225】
特に本実施の形態の情報処理装置10は、アクティブラーニングの振り返りの際に効果的である。詳細には、学習者が能動的に学習に取り組むように行われた授業(アクティブラーニング)を振り返る際に、学習者自身が授業の体験を追従するように振り返るためには、授業のタイムラインに沿って授業の記録を振り返ると良い。しかし、授業の記録を全て再生することは、時間がかかる。一方で、アクティブラーニングでは、学習者自身が発表や課題を提起するなど能動的に学習に取り組むため、授業のプログラム(発言者や発表内容等)が画一的でなく、事前に省略すべきところを特定することは難しい。そこで、本実施の形態の情報処理装置10を用いて記録された記録データを効率的に再生することで、授業を振り返ることが容易となる。
【0226】
また、活性量は、要素72が継続して含まれる継続時間および要素72の変化量を示す。特定部30Dは、要素区間Eにおける、継続時間および変化量の少なくとも一方が各々に対応する閾値以上の区間を、活性区間Pとして特定する。
【0227】
特定部30Dは、要素区間Eにおける、継続時間および変化量の少なくとも一方が各々に対応する閾値未満の区間を、再生対象外の非活性区間Qとして特定する。
【0228】
また、取得部30Cは、少なくとも一部が重複する期間に記録された複数の第1の記録データ42を取得する。特定部30Dは、複数の第1の記録データ42の各々の種類に応じた活性量の閾値に基づいて、複数の第1の記録データ42の各々の要素区間Eにおける活性区間Pを特定する。再生制御部30Eは、複数の第1の記録データ42の各々の活性区間データ80に応じて、複数の第1の記録データ42を再生制御する。
【0229】
第1の記録データ42における活性区間Pは、意味を成す要素72を含む要素区間Eの少なくとも一部の区間である。このため、取得部30Cで取得した複数の第1の記録データ42が、議論の音声や表示された資料を撮影した動画像データ、音声データ、などの複数種類の記録データ40である場合も、意味不明の箇所で省略再生されることが抑制される。
【0230】
取得部30Cは、要素区間E内に、要素72が静止した静止区間EBを含む1または複数の第2の記録データ44を取得する。特定部30Dは、第2の記録データ44における要素区間Eを、活性区間Pとして特定する。再生制御部30Eは、1または複数の第1の記録データ42の各々の活性区間Pの活性区間データ80および1または複数の第2の記録データ44の活性区間Pの活性区間データ80に応じて、1または複数の第1の記録データ42および1または複数の第2の記録データ44を再生制御する。
【0231】
また、第1の記録データ42の種類が音声データである場合、変化量は要素72を示す音量である。第1の記録データ42の種類が動画像データである場合、変化量はフレーム間の画面変化量である。
【0232】
要素72は、言語を示す音、文字、記号、画像、の少なくとも1つである。
【0233】
本実施の形態の情報処理方法は、意味を成す要素72を含む要素区間Eに要素72が時系列に沿って変化する第1の記録データ42を取得するステップと、第1の記録データ42の種類に応じた要素72の活性量の閾値に基づいて、第1の記録データ42の要素区間Eにおける、再生対象の活性区間Pを特定するステップと、第1の記録データ42の活性区間Pの活性区間データ80に応じて、第1の記録データ42を再生制御するステップと、を含む。
【0234】
また、本実施の形態の情報処理プログラムは、意味を成す要素72を含む要素区間Eに要素72が時系列に沿って変化する第1の記録データ42を取得するステップと、第1の記録データ42の種類に応じた要素72の活性量の閾値に基づいて、第1の記録データ42の要素区間Eにおける、再生対象の活性区間Pを特定するステップと、第1の記録データ42の活性区間Pの活性区間データ80に応じて、第1の記録データ42を再生制御するステップと、をコンピュータに実行させるための情報処理プログラムである。
【0235】
また、再生制御部30Eは、複数の記録データ40の各々の活性区間データ80が、記録タイミングに応じた再生タイミングで再生されるように再生制御する。
【0236】
また、再生制御部30Eは、複数の記録データ40の各々の活性区間データ80が、同じ記録タイミングごとに同じ再生タイミングで再生されるように再生制御する。
【0237】
また、再生制御部30Eは、複数の記録データ40の内、第1の記録データ42について、第1の記録データ42に含まれる活性区間Pの活性区間データ80を、該活性区間データ80の記録時の速度より速い再生速度で再生制御する。
【0238】
第1の記録データ42における活性区間Pでは、要素72が時系列に沿って継続して変化するため、記録時の再生速度より速い再生速度で再生しても、意味が通じる状態で再生の成される可能性が高い。本実施の形態の情報処理装置10は、活性区間Pの種類(変化区間EA、静止区間EB)に応じて、上記処理を行うことで、複数の記録データ40を更に効率的に再生することができる。また、再生時間の短縮を図ることもできる。
【0239】
また、再生制御部30Eは、複数の記録データ40の内、第2の記録データ44について、第2の記録データ44に含まれる活性区間Pの各々について、含まれる静止区間EBの特定の記録タイミングに記録された要素72を、該静止区間EBに応じた再生期間、再生制御する。
【0240】
第2の記録データ44における活性区間Pに含まれる静止区間EBは、要素72が静止する区間であることから、該区間における1つの記録タイミングにおいて記録された要素72を再生すれば、該静止区間EBで記録された全内容の意味が把握可能である可能性が高い。このため、本実施の形態の情報処理装置10は、上記処理を行うことで、活性区間Pの種類に応じて、複数の記録データ40を更に効率的に再生することができる。
【0241】
また、例えば、第2の記録データ44は、1または時系列に連続する複数の静止画像から構成される。
【0242】
再生制御部30Eは、第1の記録データ42の活性区間Pと、第2の記録データ44の活性区間Pと、の間に、記録タイミングが互いに重複する重複区間が存在する場合、重複区間における、第1の記録データ42の活性区間Pと第2の記録データ44の活性区間Pにおける静止区間EB以外の変化区間EAとの第1重複区間については、第1の記録データ42の活性区間データ80と第2の記録データ44の変化区間EAの変化区間データとが、同じ記録タイミングごとに同じ再生タイミングで、記録時の速度より速い再生速度で再生されるように再生制御する。
【0243】
そして、再生制御部30Eは、該重複区間における、第1の記録データ42の活性区間Pと第2の記録データ44の活性区間Pにおける静止区間EBとの第2重複区間については、第1の記録データ42における活性区間Pの活性区間データ80を、記録時の速度より速い再生速度で再生制御すると共に、第2の記録データ44における静止区間EBの特定の記録タイミングに記録された要素72を再生制御する。
【0244】
また、受付部30Fは、再生指示信号を受付ける。再生制御部30Eは、再生指示信号を受付ける毎に、複数の記録データ40に含まれる未再生の活性区間Pを順に特定し、特定した活性区間Pの記録タイミングごとに、複数の記録データの各々の活性区間の活性区間データ80が再生されるように再生制御する。
【0245】
このため、本実施の形態の情報処理装置10は、記録データ40の特性や重複区間の組合せを考慮した、効率的な再生制御を行うことができる。
【0246】
なお、本実施の形態では、再生制御部30Eは、ストリーミング再生するように、再生部36を制御する場合を一例として説明した。
【0247】
しかし、再生部36は、制御部30から再生データをダウンロードし、再生してもよい。この場合、再生制御部30Eは、複数の記録データ40の各々の活性区間データ80を上述した方法と同じ方法で再生させるための、再生データを作成し、該再生データを再生部36へ送信する。そして、再生部36は、制御部30からダウンロードした再生データを、再生すればよい。
【0248】
なお、上述した実施の形態における、情報処理装置10で実行する上記処理を実行するためのプログラムは、インストール可能な形式または実行可能な形式のファイルでCD-ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD-R、DVD(Digital Versatile Disk)、USB(Universal Serial Bus)メモリ等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成してもよいし、インターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成してもよい。また、各種プログラムを、ROM等に予め組み込んで提供するように構成してもよい。
【0249】
また、上述した実施の形態における、情報処理装置10の各々で実行されるプログラムは、上記各機能部を含むモジュール構成となっており、実際のハードウェアとしては、例えば、CPU25(プロセッサ回路)がROM26またはHDD28からプログラムを読み出して実行することにより、上述した各機能部がRAM27(主記憶)上にロードされ、上述した各機能部がRAM27(主記憶)上に生成されるようになっている。なお、情報処理装置10は、上述した各機能部の一部または全部を、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field-Programmable Gate Array)などの専用のハードウェアを用いて実現することも可能である。
【0250】
なお、上記には、実施の形態を説明したが、上記実施の形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。上記新規な実施の形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。上記実施の形態および変形例は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0251】
10 情報処理装置
30C 取得部
30D 特定部
30E 再生制御部
30F 受付部
36 再生部
1000 情報処理システム
【先行技術文献】
【特許文献】
【0252】
【文献】特開2007-066315号公報
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