(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-01
(45)【発行日】2022-08-09
(54)【発明の名称】液体を吐出する装置
(51)【国際特許分類】
B41J 2/01 20060101AFI20220802BHJP
【FI】
B41J2/01 301
B41J2/01 305
(21)【出願番号】P 2018207390
(22)【出願日】2018-11-02
【審査請求日】2021-08-06
(31)【優先権主張番号】P 2018020783
(32)【優先日】2018-02-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】230100631
【氏名又は名称】稲元 富保
(72)【発明者】
【氏名】立花 英嗣
(72)【発明者】
【氏名】榎本 忠保
【審査官】大浜 登世子
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-036955(JP,A)
【文献】特開2006-088468(JP,A)
【文献】特開2010-167599(JP,A)
【文献】特開2009-292129(JP,A)
【文献】特開2016-083880(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41J 2/01 - 2/215
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被塗布部材を保持した保持部材を保持して往復移動するステージと、
気流を発生させる排気ファンと、
前記保持部材の側部に配置された前記排気ファンによる気流の吸入口と、
装置本体内を、前記吸入口を含む空間と前記吸入口を含まない空間とに仕切る仕切り部材と、を備え、
前記仕切り部材と前記保持部材との間で前記吸入口に向かう気流経路が形成される
ことを特徴とする液体を吐出する装置。
【請求項2】
被
塗布部材を保持した保持部材を保持して往復移動するステージと、
気流を発生させる排気ファンと、
前記保持部材の側部に配置された前記排気ファンによる気流の吸入口と、
前記被
塗布部材に液体を吐出する液体吐出ヘッドと、
該液体吐出ヘッドを保持するキャリッジと、
前記保持部材と空間的なギャップを形成するギャップ形成部材と、を備え、
前記ギャップ形成部材の下面は、前記液体吐出ヘッドのノズル面よりも上方に配置されている
ことを特徴とする液体を吐出する装置。
【請求項3】
前記ギャップ形成部材の下面は、前記キャリッジの上面よりも下方に配置されている
ことを特徴とする請求項2に記載の液体を吐出する装置。
【請求項4】
前記ギャップ形成部材の下面は、前記液体吐出ヘッドの上面よりも下方に配置されている
ことを特徴とする請求項2に記載の液体を吐出する装置。
【請求項5】
前記排気ファンは、前記吸入口よりも高い位置に配置されている
ことを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の液体を吐出する装置。
【請求項6】
前記排気ファンの上流側に、ミストを捕集するフィルタが配置されている
ことを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の液体を吐出する装置。
【請求項7】
前記排気ファンは、上流側に向かって斜め下方を向く姿勢で配置されている
ことを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載の液体を吐出する装置。
【請求項8】
前記被塗布部材が布地である
ことを特徴とする請求項1ないし7のいずれかに記載の液体を吐出する装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は液体を吐出する装置に関する。
【背景技術】
【0002】
液体を吐出する液体吐出ヘッドを備える印刷装置などの液体を吐出する装置にあっては、液体の吐出に伴って発生するミストをフィルタなどで回収することが行われている。
【0003】
従来、例えば、画像形成装置本体に接続されて記録媒体の記録面を反転させる反転搬送装置の内外を連通する通気口と、画像形成装置本体と反転搬送装置との間を連通する連通口と、通気口と連通口との間に形成され空気が流通する空気流路と、空気流を形成する空気流形成手段とを備えたものが知られている(特許文献1)。
(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、ファンを用いて気流を発生させてミストをフィルタで捕集する場合、ミスト発生部位から確実にファンに向かう気流を発生させて効率的にミストを回収しなければならないという課題がある。
【0006】
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、効率的にミストを回収できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するため、本発明の請求項1に係る液体を吐出する装置は、
被塗布部材を保持した保持部材を保持して往復移動するステージと、
気流を発生させる排気ファンと、
前記保持部材の側部に配置された前記排気ファンによる気流の吸入口と、
装置本体内を、前記吸入口を含む空間と前記吸入口を含まない空間とに仕切る仕切り部材と、を備え、
前記仕切り部材と前記保持部材との間で前記吸入口に向かう気流経路を形成している
構成とした。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、効率的にミストを回収できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の第1実施形態に係る液体を吐出する装置としての印刷装置の正面説明図である。
【
図4】同印刷装置で使用するカセットの一例の外観斜視図である。
【
図5】同カセットの外周カバー部材を開いた状態の斜視説明図である。
【
図6】同カセットの短手方向に沿う概略断面説明図である。
【
図7】同印刷装置におけるミスト回収に係る部分の説明に供する正面説明図である。
【
図8】ミスト回収機構部によるミストの回収の説明に供する側面説明図である。
【
図10】ギャップ形成部材である仕切り部材の配置位置の説明に供するキャリッジ部分の側面説明図である。
【
図12】仕切り部材がない状態でのミスト溜りの発生の説明に供する側面説明図である。
【
図13】排気ファン及びフィルタを吸入口よりも上方に配置している構成の作用説明に供する正面説明図である。
【
図14】本発明の第2実施形態の説明に供する側面説明図である。
【
図15】同じく同実施形態の作用効果の説明に供する側面説明図である。
【
図16】本発明の第3実施形態の説明に供する正面説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態について添付図面を参照して説明する。本発明の第1実施形態に係る液体を吐出する装置としての印刷装置について
図1ないし
図3を参照して説明する。
図1は同印刷装置の正面説明図、
図2は同じく側面説明図、
図3は同じく平面説明図である。
【0011】
印刷装置1は、装置本体100内に、カセット200を着脱自在に保持して進退移動するステージ111と、ステージ111で保持されたカセット200に保持されている被印刷部材に印刷する印刷手段112とを備えている。カセット200は、被塗布部材としての被印刷部材である布地400(
図6参照)などを保持するプラテン部材300を有する保持部材である。
【0012】
ステージ111はスライダ部材113に取付けられ、スライダ部材113はガイド部材114、114に矢印Y方向(送り方向)に往復移動可能に保持されている。スライダ部材113が送り方向に往復移動されることでステージ111が往復移動する。
【0013】
これにより、ステージ111に着脱可能に装着された保持部材であるカセット200及びカセット200のプラテン部材300に保持されている布地400もY方向に往復移動する。
【0014】
印刷手段112は、ステージ111に対して矢印X方向(主走査方向)に移動するキャリッジ121を有し、キャリッジ121には液体を吐出する液体吐出手段である液体吐出ヘッド122を備えている。
【0015】
また、矢印X方向の一端部側には、キャリッジ121の下方に、液体吐出ヘッド122のメンテナンスを行うメンテナンスユニット130を配置している。メンテナンスユニット130は、液体吐出ヘッド122のノズル面をキャッピングするキャップ131などを備えている。
【0016】
この印刷装置1においては、カセット200のプラテン部材300に被印刷部材をセットした状態で、装置本体100内のステージ111にカセット200を装着して保持する。そして、ステージ111の矢印Y方向への移動と印刷手段112(キャリッジ121)の矢印X方向への往復移動を繰り返すことで、被印刷部材である布地400に所要の画像を印刷する。
【0017】
次に、この印刷装置で使用するカセットの一例について
図4ないし
図6を参照して説明する。
図4は同カセットの外観斜視図、
図5は同カセットの外周カバー部材を開いた状態の斜視説明図、
図6は同カセットの短手方向に沿う概略断面説明図である。
【0018】
カセット200は、ベース部材201と、布地400の印刷が施される部分を平坦な状態で保持するプラテン部材300と、プラテン部材300との間で布地400を挟む外周カバー部材202とを備えている。
【0019】
プラテン部材300は、布地400を平坦な状態で保持する保持面を構成する断熱部材からなるプラテン本体301と、プラテン構造体302とで構成されている。プラテン本体301は加熱に対して耐熱性を有する。プラテン構造体302は、プラテン本体301と一体になるとともに、プラテン本体301の外周側から張り出して、プラテン部材300の周縁部となるフランジ部300bを形成している。
【0020】
外周カバー部材202は、プラテン部材300が露出する開口部202aを形成している枠部202bを有している。この外周カバー部材202は、ヒンジ203などでベース部材201に対して開閉可能に設けられている。外周カバー部材202は、プラテン部材300の周縁部分のフランジ部300bとの間で布地400を挟んで押さえる。
【0021】
プラテン部材300はベース部材201に対して支持部311で支持して、プラテン部材300とベース部材201との間には布地400の余剰部分400aを収容できる収容空間312を形成している。余剰部分400aは、例えばTシャツの前面に印刷を行う場合においては、両袖や襟口、すそ等が該当する。
【0022】
このカセット200に布地400を保持して印刷するときには、まず、外周カバー部材202を開いて、プラテン部材300上に布地400の印刷する部分を載せ置く。その後、布地400の余分な部分(余剰部分)400aを収容空間312内に押し込み、余剰部分400aを収容空間312内に収容する。そして、外周カバー部材202を閉じる。
【0023】
これにより、プラテン部材300によって布地400の印刷する部分が平坦な状態で保持され、外部に余剰部分400aがはみ出すことなく、カセット200内に収容される。
【0024】
そして、布地400をセットしたカセット200を印刷装置1の装置本体100のステージ111上に装着する(セットする)。
【0025】
次に、この印刷装置1におけるミスト回収に係る部分の構成について
図7も参照して説明する。
図7は同説明に供する正面説明図である。
【0026】
ここでは、装置本体100に対するカセット200の着脱側を装置本体100の前側とし、矢印Y方向において、前側の反対側を装置本体100の後側とする。
【0027】
そして、装置本体100の両側部であって、装置本体100の後側に、ミスト回収機構部500、500を配置している。
【0028】
ミスト回収機構部500は、排気ダクト501と、ミストを捕集するフィルタ502と、フィルタ502の下流側に配置されて、気流を発生させる排気ファン503とを備えている。
【0029】
排気ダクト501は、吸入口511を有して、吸入口511から吸入される空気を上方に案内する吸入ダクト部501aと、吸入ダクト部501aからフィルタ502を介して空気を吸引する排気ファン503が配置され、排気ファン503から送り出される空気を後方の排気口515に向けて案内する排出ダクト部501cとを含む。
【0030】
この場合、フィルタ502及び排気ファン503は、吸入口511よりも上方に配置される。
【0031】
排気ダクト501の吸入口511は、X方向の両側部であって、カセット200とほぼ同じ高さに配置している。これにより、カセット200の移動を妨げることなく、カセット200の両側からミストを吸引することができる。
【0032】
そして、装置本体100内部の空間を、排気ダクト501の吸入口511を含む第1空間Aと、排気ダクト501の吸入口511を含まない第2空間Bとに仕切る仕切り部材(仕切り板)550を配置している。
【0033】
仕切り部材550は、往復移動するカセット200とは干渉しない高さに配置されている。
【0034】
この仕切り部材550は、往復移動する保持部材であるカセット200と空間的なギャップ551(
図7参照)を形成するギャップ形成部材である。
【0035】
次に、ミスト回収機構部500によるミストの回収について
図8及び
図9も参照して説明する。
図8は同説明に供する側面説明図、
図9は同じく正面説明図である。
【0036】
ミスト回収機構部500の排気ファン503を駆動することによって吸入口511から空気が吸い込まれて排気口515から排出されることで、気流600が発生する。この気流600により、布地400への印刷時に液体吐出ヘッド122からの液体吐出に伴って生じるミスト、メンテナンスユニット130による液体吐出ヘッド122のメンテナンスで生じるミストは、気流600に乗って排気ダクト501の吸入口511から吸い込まれる。
【0037】
吸い込まれたミストは、排気ファン503の上流側でフィルタ502によって捕集されて回収される。なお、排気ファン503へのミストの付着を問わないのであれば、フィルタ502はなくてもよく、あるいは、排気ファン503の下流側に配置してもよい。
【0038】
ここで、吸入口511はカセット200の側部側に配置されており、吸入口511を含む空間Aと吸入口511を含まない空間Bを仕切るように配置された仕切り部材550が設けられている。
【0039】
これにより、仕切り部材550とカセット200の上面の間からカセット200の側面を通り、吸入口511に向かう気流600の気流経路が形成される。このとき、仕切り部材550によって、ミストの発生部位となる印刷手段112から吸入口511に向かう気流600を効率的に誘導することができ、効率的なミストの回収を行うことができる。
【0040】
また、カセット200の移動範囲の側部側に吸入口511を配置することで、気流の停滞が発生しやすい吸入口511付近の汚れを被印刷部材から離すことができる。
【0041】
また、仕切り部材550は吸入口511の上部に合わせた位置に配置されていることで、カセット200の動作によって気流600が乱れても、吸入口511に気流600を誘導しやすくなる。このとき、常に、気流600の流れがあるため、仕切り部材550自体にはミストが付着しにくくなる。
【0042】
これにより、キャリッジ121、ステージ111、カセット200の往復移動によって装置本体100内部の気流600が乱された場合にも、布地400の真上に位置する仕切り部材550にはミストが付着しにくくなり、長期間使っていても、ミストによる汚れが被印刷部材に垂れ落ちて付着することを防止できる。
【0043】
次に、ギャップ形成部材である仕切り部材の配置位置について
図10及び
図11も参照して説明する。
図10はキャリッジ部分の側面説明図、
図11は吐出ユニットの説明図である。
【0044】
本実施形態では、キャリッジ121に、液体吐出ヘッド122と、液体吐出ヘッド122に供給する液体を一時的に貯留するサブタンク123とを一体化した吐出ユニット120を搭載している。
【0045】
サブタンク123は、液体10を収容する収容部を構成するタンク本体123a、タンク本体123a内に液体を供給する供給口部123b、タンク本体123a内を大気開放する大気開放機構123c、タンク本体123a内の液面を検知する電極ピン対123dなどを備えている。
【0046】
ここで、
図10に示すように、液体吐出ヘッド122のノズル面122aの高さをh1、液体吐出ヘッド122の上面122bの高さをh2、キャリッジ121の上面121aの高さをh3とする(h1<h2<h3)。
【0047】
前述した
図8も参照して、仕切り部材550は、仕切り部材550の下面(保持部材であるカセット200と対向する面)550aがヘッド122のノズル面122aの高さh1よりも上方になる位置に配置されている。
【0048】
一方、仕切り部材550は、仕切り部材550の下面550aがキャリッジ121の上面121aの高さh3よりも下方になる位置に配置することが好ましい。より好ましくは、仕切り部材550の下面550aがヘッド122の上面122bの高さh2よりも下方になる位置に配置する。
【0049】
次に、仕切り部材の作用について
図12も参照して説明する。
図12は同説明に供する仕切り部材がない状態でのミスト溜りの発生の説明に供する側面説明図である。
【0050】
前述したように、被印刷部材への印刷時に液体吐出ヘッド122からの液体吐出に伴って、あるいは、メンテナンスユニット130による液体吐出ヘッド122のメンテナンスに伴ってミストが生じる。
【0051】
そのため、ミスト回収機構部500を構成する場合、メンテナンスユニット130やキャリッジ121の近傍に吸入口511を配置する必要があるが、キャリッジ121、ステージ111、カセット200の移動領域を避ける必要がある。
【0052】
また、キャリッジ121、ステージ111、カセット200が移動するため、装置本体100内の気流はかき乱され、装置本体100内部の様々な部位にミストが付着することになる。特に、長期間使用していると、装置本体100の内部にミストが付着していき、上面についたミストはツララのようなミスト溜りの状態になって、下方に落下することがある。
【0053】
例えば、
図12に示すように、排気ダクト501及びファン503を配置したとしても、カセット200が後側に移動することで、カセット200後方の空気が押し出されて、天面側に向かう気流が生じる。天面側に向かう気流は装置本体100の天面側では停滞し、結果として、ミスト溜り603が生じて成長する。
【0054】
このミスト溜り603からミストの集合物である液状体が落下すると、下方で移動するカセット200に保持される布地400などの被印刷部材に付着して、被印刷部材を汚してしまう場合がある。
【0055】
そこで、本実施形態のように、吸入口511をカセット200の側部側に配置して、仕切り部材550で吸入口511を含む空間Aと含まない空間Bに仕切ることで、仕切り部材550のカセット200側の面は常に気流600が流れることになる。
【0056】
これにより、仕切り部材550にはミスト溜りが生じにくくなり、したがって、ミストが集合した液状体がカセット200に垂れ落ちることを防止できる。
【0057】
次に、排気ファン503及びフィルタ502を吸入口511よりも上方に配置している構成の作用について
図13も参照して説明する。
図13は同説明に供する正面説明図である。
【0058】
被印刷部材が布地400であるような場合、繊維の破片など不要な繊維片が付着している場合がある。このような繊維片がミスト回収機構部500に吸い込まれると、繊維片にミストが吸着することで固化し、排気ファン503の動作不良やフィルタ502の目詰まりの原因となる。
【0059】
そこで、吸入口511よりも排気ファン503及びフィルタ502を上方に配置することで、
図13に示すように、軽いミスト605は排気ファン503によって上方に吸い込まれるが、重い繊維片606は吸入口511に吸い込まれたとしても下に落ちて、排気ファン503やフィルタ502までは届かない。
【0060】
これにより、排気ファン503の動作不良やフィルタ502の目詰まりを防止することができる。
【0061】
次に、本発明の第2実施形態について
図14及び
図15を参照して説明する。
図14は同実施形態の説明に供する側面説明図、
図15は同じく同実施形態の作用効果の説明に供する側面説明図である。
【0062】
本実施形態では、排気ファン503は上流側に向かって斜め下方を向くように傾斜させた姿勢で配置している。
【0063】
つまり、ミストは印刷時やメンテナンス時に発生するため、液体吐出ヘッド122の付近(キャリッジ121付近)に吸入口511を配置する方が、ミスト回収効率が高くなる。しかしながら、
図15に示すように、液体吐出ヘッド122がホーム位置(X方向で右側とする)に移動したとき、真下にはメンテナンスユニット130が配置されているため、カセット200の側面側に吸入口511を配置するこができない。
【0064】
そのため、メンテナンスユニット130を避けた位置に吸入口511を配置する必要があり、本実施形態では、吸入口511を装置本体100の後側に配置している。
【0065】
そこで、排気ファン503は上流側に向かって斜め下方を向けて、液体吐出ヘッド122側に傾けて配置している。これにより、排気ファン503によって下方から空気を吸い込み易くなり、ミストをより吸引することができる。また、排気ファン503を吸入口511より上方に配置した場合でも、十分な気流を発生させることができる。
【0066】
次に、本発明の第3実施形態について
図16及び
図17を参照して説明する。
図16は同実施形態の説明に供する正面説明図、
図17は同じく側面説明図である。
【0067】
本実施形態では、ミスト回収機構部500の筐体560の一部の下がり天井部561がギャップ形成部材を兼ねている。下がり天井部561は、前記実施形態の仕切り部材550の下面550aの位置まで下がっており、カセット200との間に空間的なギャップ551を形成する。
【0068】
この場合、下がり天井部561の下面561aはヘッド122のノズル面122aよりも上方に配置されている。一方、下がり天井部561の下面561aはキャリッジ121の上面121aよりも下方に配置することが好ましく、より好ましくは、下がり天井部561の下面561aはヘッド122の上面122bよりも下方に配置する。
【0069】
このように構成しても、前記実施形態と同様な作用効果を得ることができる。
【符号の説明】
【0070】
1 印刷装置
111 ステージ
112 印刷手段
200 カセット
300 プラテン部材
400 布地(被塗布部材)
500 ミスト回収機構部
501 排気ダクト
502 フィルタ
503 排気ファン
511 吸入口
515 排気口
550 仕切り部材
551 ギャップ
560 筐体
561 下がり天井部