(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-01
(45)【発行日】2022-08-09
(54)【発明の名称】画像形成装置、情報処理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
H04N 1/00 20060101AFI20220802BHJP
B41J 29/38 20060101ALI20220802BHJP
G06F 3/12 20060101ALI20220802BHJP
【FI】
H04N1/00 350
B41J29/38 202
H04N1/00 127B
G06F3/12 331
G06F3/12 305
G06F3/12 385
(21)【出願番号】P 2018225092
(22)【出願日】2018-11-30
【審査請求日】2021-08-26
(73)【特許権者】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】松井 知美
【審査官】橋爪 正樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-241050(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 1/00
B41J 29/38
G03G 21/00
G06F 3/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の記憶部と、
第2の記憶部を有する操作部と、
画像形成装置についての初期設定を受け付けて前記第1の記憶部に記憶させる第1設定部と、
前記操作部についての設定を受け付けて前記第2の記憶部に記憶させる第2設定部と、
前記第1設定部によって設定される第1設定値と、前記第2設定部によって設定される第2設定値とを統合した統合データを生成する統合部と、
前記統合データに基づく設定値を表示する表示部と
を備える
画像形成装置。
【請求項2】
前記第1設定値及び前記第2設定値のメニュー構成を解析する解析部と、
前記メニュー構成における前記第1設定値及び前記第2設定値を挿入する位置を決定する決定部と
を更に備える
請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記表示部は、
前記統合データに基づいて、ユーザごとに、前記第1設定値及び前記第2設定値のメニューを構成して表示する
請求項1又は2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記統合部は、
前記第1設定値及び前記第2設定値のうち、前記ユーザに与えられている権限に基づいて、対象とする設定値を抽出する
請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記画像形成装置には、周辺機器が接続でき、
前記統合部は、
接続されている前記周辺機器
の種類に基づいて、対象とする設定値を抽出する
請求項1乃至4のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記第1設定値は、ネットワークを介するブラウザを用いた操作で設定され、
前記第1設定部及び前記第2設定部による設定のうち、前記第2設定部による設定を優先する
請求項1乃至5のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記第2設定部による設定が行われている間は、設定値に対して排他ロックがされる
請求項6に記載の画像形成装置。
【請求項8】
第1の記憶部と、
第2の記憶部を有する操作部とを備える画像形成装置が行う情報処理方法であって、
画像形成装置が、前記画像形成装置についての初期設定を受け付けて前記第1の記憶部に記憶させる第1設定手順と、
画像形成装置が、前記操作部による設定を受け付けて前記第2の記憶部に記憶させる第2設定手順と、
画像形成装置が、前記第1設定手順によって設定される第1設定値と、前記第2設定手順によって設定される第2設定値とを統合した統合データを生成する統合手順と、
画像形成装置が、前記統合データに基づく設定値を表示する表示手順と
を含む
情報処理方法。
【請求項9】
請求項8に記載の情報処理方法をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【請求項10】
操作装置を有する画像形成装置であって、
前記画像形成装置についての初期設定を受け付けて第1の記憶部に記憶させる第1設定部と、
前記操作装置による設定を受け付けて前記操作装置が有する第2の記憶部に記憶させる第2設定部と、
前記第1設定部によって設定される第1設定値と、前記第2設定部によって設定される第2設定値とを統合した統合データを生成する統合部と、
前記統合データに基づく設定値を表示する表示部と
を備える
画像形成装置。
【請求項11】
第1の記憶部と、
第2の記憶部を有する操作装置とを有する画像形成装置が行う情報処理方法であって、
画像形成装置が、前記画像形成装置についての初期設定を受け付けて前記第1の記憶部に記憶させる第1設定手順と、
画像形成装置が、前記操作装置による設定を受け付けて前記第2の記憶部に記憶させる第2設定手順と、
画像形成装置が、前記第1設定手順によって設定される第1設定値と、前記第2設定手順によって設定される第2設定値とを統合した統合データを生成する統合手順と、
画像形成装置が、前記統合データに基づく設定値を表示する表示手順と
を含む
情報処理方法。
【請求項12】
請求項11に記載の情報処理方法をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置、情報処理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、操作画面を用いて、複合機等の画像形成装置を設定する方法が知られている。
【0003】
そして、複合機本体のシステム設定について、操作画面によって設定された設定値を複合機が有する記憶装置に記憶させる技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、本体部及び操作部が別の構成となる画像形成装置等であると、本体部側と、操作部側とに分かれて設定値がそれぞれ記憶される場合がある。具体的には、本体部側に、例えば、コピー、スキャン及びシステムにおける様々な初期設定等の設定値が記憶される。一方で、操作部における音量レベル、操作部におけるアプリケーションソフトウェアのインストール若しくはアンインストール等のような操作部ごとの固有の設定値、又は、操作部にインストールされたアプリケーションの設定値等は、操作部側に記憶される。このような場合では、管理者等は、それぞれの設定を別に行うことになる。
【0005】
本発明の一態様は、画像形成装置における本体部と、操作部との設定値をまとめることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一実施形態による、画像形成装置は、
第1の記憶部と、
第2の記憶部を有する操作部と、
画像形成装置についての初期設定を受け付けて前記第1の記憶部に記憶させる第1設定部と、
前記操作部についての設定を受け付けて前記第2の記憶部に記憶させる第2設定部と、
前記第1設定部によって設定される第1設定値と、前記第2設定部によって設定される第2設定値とを統合した統合データを生成する統合部と、
前記統合データに基づく設定値を表示する表示部と
を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明の実施形態によって、画像形成装置における本体部と、操作部との設定値をまとめることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】画像形成装置の全体構成例を示す概要図である。
【
図2】操作装置及び本体部のハードウェア構成例を示すブロック図である。
【
図4】操作装置及び本体部のソフトウェア構成例を示すブロック図である。
【
図5】画像形成装置によるシステム構成例を示すブロック図である。
【
図6】カテゴリの選択を行う操作画面の例を示す図である。
【
図7】詳細な設定を行う操作画面の例を示す図である。
【
図10】第3階層画面を生成するためのコード例を示す図である。
【
図11】第4階層画面を生成するためのコード例を示す図である。
【
図13】メニュー構成の問い合わせを行うソースコードの例である。
【
図14】問い合わせに対する返答を行うソースコードの例である。
【
図15】設定値を設定するための操作画面を生成及び表示する処理例を示すシーケンス図である。
【
図16】設定値の問い合わせを行うソースコードの例である。
【
図17】設定値の問い合わせに対する返答を行うソースコードの例である。
【
図19】設定値の更新及び表示する処理例を示すシーケンス図である。
【
図20】画像形成装置の機能構成例を示す機能ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、発明を実施するための最適な形態について、図面を参照して説明する。
【0010】
<画像形成装置例>
図1は、画像形成装置の全体構成例を示す概要図である。図示するように、画像形成装置100は、例えば、MFP(Multifunction Peripheral)等である。そのため、例えば、画像形成装置100は、コピー機能、スキャナ機能、ファクシミリ機能及びプリンタ機能等の画像処理機能を有する。なお、画像形成装置100は、他に機能(例えば、エラー表示機能等である。)を更に有してもよい。
【0011】
この例では、画像形成装置100は、操作装置110を有する構成である。一方で、画像形成装置100は、操作装置110以外の構成(以下「本体部120」という。)を有する構成である。
【0012】
操作装置110に対して、ユーザは、画像形成装置100に対する様々な操作を入力する。そして、画像形成装置100は、操作装置110及び本体部120により、操作に基づいた画像処理を実行する。
【0013】
<ハードウェア構成例>
図2は、操作装置及び本体部のハードウェア構成例を示すブロック図である。まず、操作装置110は、例えば、CPU(Central Processing Unit、以下「CPU211」という。)、ROM(Read-Only Memory、以下「ROM212」という。)、RAM(Random Access Memory、以下「RAM213」という。)、フラッシュメモリ214、操作パネル215、接続インタフェース(以下「接続I/F216」という。)、通信インタフェース(以下「通信I/F217」という。)を有するハードウェア構成の装置である。また、図示するように、これらのハードウェア資源は、バス218によって相互に接続される。
【0014】
CPU211は、演算装置及び制御装置の例である。そして、CPU211は、RAM213等の主記憶装置をワークエリアとして、ROM212又はフラッシュメモリ214等に記憶された各種プログラムを実行する。このような制御及び演算により、CPU211は、操作装置110等を制御し、かつ、各種機能を実現する。
【0015】
フラッシュメモリ214は、不揮発性の記憶媒体の例である。例えば、フラッシュメモリ214は、プログラム及びデータ等を記憶する。
【0016】
操作パネル215は、入力装置及び出力装置の例である。すなわち、操作パネル215は、操作画面及び処理結果等を表示する。一方で、操作パネル215は、ユーザによる操作を受け付ける。
【0017】
接続I/F216は、通信路230を介して本体部120と通信をするインタフェースである。例えば、接続I/F216は、コネクタ及びケーブル等である。具体的には、接続I/F216は、USB(Universal Serial Bus)等によって通信を行う。
【0018】
通信I/F217は、ネットワーク260を介して外部装置と通信をするインタフェースである。例えば、通信I/F217は、アンテナ等である。図示する例では、通信I/F217は、無線LAN(Local Area Network)AP(アクセスポイント)(以下「無線LANAP240」という。)に接続し、通信を行う。
【0019】
一方で、本体部120は、例えば、CPU221、ROM222、RAM223、HDD(Hard Disk Drive、以下「HDD224」という。)、エンジン部225、接続I/F226及び通信I/F227を有するハードウェア構成の装置である。また、図示するように、これらのハードウェア資源は、バス228によって相互に接続される。
【0020】
CPU221は、演算装置及び制御装置の例である。すなわち、図示するように、本体部120用となる演算装置及び制御装置は、操作装置110用のCPU211とは別であるハードウェア構成が望ましい。
【0021】
ROM222及びRAM223は、CPU221と同様に、本体部120用の記憶装置の例である。したがって、CPU221は、RAM223等の主記憶装置を利用して、ROM222及びHDD224等の補助記憶装置に記憶されるプログラム等に基づく処理を実行する。
【0022】
エンジン部225は、コピー機能、スキャナ機能、ファクシミリ機能及びプリンタ機能等の画像処理機能を実現するための処理装置等である。具体的には、エンジン部225は、例えば、処理IC(Integrated Circuit)等である。具体的には、エンジン部225は、原稿をスキャンして読み取るスキャナ、用紙等のシート材への印刷を行うプロッタ、ファクシミリ通信を行う通信部又はこれらの組み合わせを有する。なお、エンジン部225は、印刷済みのシート材を仕分ける装置、いわゆるフィニッシャ又は原稿を自動給送するADF(Auto Document Feeder)等を含んでもよい。
【0023】
接続I/F226は、通信路230を介して操作装置110と通信をするインタフェースである。例えば、接続I/F216は、コネクタ及びケーブル等である。具体的には、接続I/F226は、USB等によって通信を行う。
【0024】
通信I/F227は、ネットワーク260を介して外部装置と通信をするインタフェースである。例えば、通信I/F227は、ケーブル250等である。
【0025】
<操作装置の例>
図3は、操作装置の外観例を示す概要図である。例えば、操作装置110は、図示するような外観の装置である。具体的には、操作装置110は、例えば、操作パネル215等により、画像形成装置が提供する様々な機能の操作画面を表示する。この例では、操作画面は、「コピー」、「スキャナ」、「ファックス」及び「プリンタ」の機能に対する操作を受け付ける。また、図示する例は、いわゆるトップ画面であり、例えば、「コピー」のボタンが押されると、操作画面は、「コピー」の機能について詳細な設定を行う用の操作画面を表示する。
【0026】
また、操作画面においてボタンが押されると、次に遷移して表示される画面又は設定を行う設定値等は、メニュー構成等によって設定される。
【0027】
なお、操作装置110は、図示するような操作パネル215で実現されるに限られない。例えば、操作パネル215には、タッチパネル以外に、ハードキー等があってもよい。すなわち、操作画面を操作するのにインタフェースとなる構成は、図示する以外の構成でもよい。
【0028】
さらに、図示するように、操作画面は、ヘルプボタン300を有する。以下、ヘルプボタンが押されると、あらかじめ設定されるヘルプコンテンツが画面上に展開される例で説明する。このように、ヘルプボタン300を押す操作によって、ユーザは、いわゆるヘルプ及びマニュアル等を参照することができる。なお、ヘルプコンテンツの参照方法は、ヘルプボタン300を押す操作以外の方法でもよい。また、参照されるヘルプコンテンツを提供するファイルは、操作装置110又は本体部120がファイルを記憶してもよいし、オンラインでネットワークを介して参照されてもよい。
【0029】
<操作装置及び本体部のソフトウェア構成例>
図4は、操作装置及び本体部のソフトウェア構成例を示すブロック図である。図示する例は、操作装置110及び本体部120にインストールされるプログラムによって構成されるソフトウェアの階層構造を示す。
【0030】
まず、本体部120について説明する。この例では、本体部120には、補助記憶装置等に、例えば、アプリケーション層421、サービス層422及びOS層(Operating System層、以下「OS層423」という。)を構築するプログラムがインストールされる。
【0031】
アプリケーション層421に区別されるプログラムは、画像形成装置100が有するハードウェア資源を動作させて様々な機能を実現する。具体的には、アプリケーション層411に区別されるプログラムは、例えば、コピーアプリ、ファクシミリアプリ、スキャンアプリ及びプリンタアプリ等である。
【0032】
サービス層422に区分されるプログラムは、アプリケーション層421と、OS層423との間に介在するプログラムである。例えば、サービス層422に区分されるプログラムは、本体部120が有するハードウェア資源をアプリケーション層421のプログラムが利用したり、又は、本体部120が有するハードウェア資源の状態をアプリケーション層421に通知したりするインタフェース等を実現する。
【0033】
また、サービス層422に区分されるプログラムは、ハードウェア資源に対する動作要求を受け付けたり、又は、受け付けた動作要求の調停を行ったりする。ほかにも、サービス層422に区分されるプログラムは、ハードウェア資源において検知されたエラーをアプリケーション層421にエラー通知として送信する。なお、サービス層422が受け付ける動作要求には、例えば、スキャナによる読み取り、又は、プロッタによる印刷を行う等の動作要求が含まれる。
【0034】
なお、サービス層422に区分されるプログラムが実現させるインタフェースとしての役割は、操作装置110のアプリケーション層411に対しても同様である。すなわち、操作装置110のアプリケーション層411に区分されるプログラムは、サービス層422にアクセスして本体部120のハードウェア資源を動作させ、画像処理機能等を実現させることができる。
【0035】
OS層423に区分されるプログラムは、いわゆる基本ソフトウェアと呼ばれるプログラム等である。そして、OS層423に区分されるプログラムは、本体部120が有するハードウェア資源を制御する基本機能を提供する。まず、サービス層422に区分されるプログラムは、アプリケーション層421に区分されるプログラムが発するハードウェア資源に対する動作要求をOS層423が解釈可能なコマンドに変換してOS層423に渡す。そして、OS層423に区分されるプログラムが当該コマンドを実行することにより、ハードウェア資源に対する動作要求に基づいて、画像処理機能が実現される。また、OS層423に区分されるプログラムが実行されると、ハードウェア資源は、検知されたエラーを受信する。次に、ハードウェア資源は、受信したエラー通知をアプリケーション層421に対して送信するサービス層422に渡す。
【0036】
次に、操作装置110について説明する。この例では、操作装置110には、補助記憶装置等に、例えば、アプリケーション層411、サービス層412及びOS層413を構築するプログラムがインストールされる。
【0037】
ただし、アプリケーション層411に区分されるプログラムが実現する機能及びサービス層412が受け付け可能な動作要求の種類等は、本体部120とは異なる。具体的には、操作装置110において、アプリケーション層411に区分されるプログラムは、主に本体部120によって実現される画像処理機能に関する操作及び表示を行うためのユーザインタフェース機能を提供する。
【0038】
なお、この例では、操作装置110と、本体部120とで、それぞれのOSは、独立して動作する。また、操作装置110及び本体部120が相互に通信可能であれば、それぞれのOSは、同じ種類でなくともよい。例えば、操作装置110は、Android(登録商標)を用い、かつ、本体部120は、Linux(登録商標)を用いる構成等でもよい。
【0039】
このように、画像形成装置100では、例えば、操作装置110及び本体部120が異なるOSにより制御される。そのため、操作装置110及び本体部120の間における通信は、一装置内のプロセス間通信ではなく、異なる装置間の通信となる。例えば、通信は、操作装置110が受け付けたユーザによる操作を本体部120へ送信するコマンド通信、又は、本体部120が操作装置110へ表示画面の表示を指示するイベント通信(例えば、エラー通知又はエラー解除通知等である。)等である。
【0040】
<システム構成例>
図5は、画像形成装置によるシステム構成例を示すブロック図である。例えば、図示するように、画像形成装置100は、操作装置側に操作装置制御部501を有し、本体側に本体制御部502を有するシステム構成である。そして、本体制御部502には、外部装置からアクセスが可能である。図示する例では、PC(Personal Computer、以下「PC500」という。)が外部装置の例である。
【0041】
操作装置制御部501は、操作装置を制御する構成である。例えば、操作装置制御部501は、図示するように、クライアントアプリ503を有する構成である。さらに、操作装置には、インストールされたアプリケーションソフトウェアに応じたアプリケーション機能が搭載される。図示する例では、操作装置に、コピーアプリ506、ファクシミリアプリ507及びスキャンアプリ508等のアプリケーションがある例となる。なお、アプリケーションの構成は、インストールされるプログラムによって定まる。したがって、アプリケーションには、ヘルプサービス等があってもよい。
【0042】
クライアントアプリ503は、画像形成装置100に対する操作を受け付ける操作画面を表示するアプリケーションの例である。例えば、クライアントアプリ503は、図示するように、ブラウザ(browser、以下「ブラウザ504」という。)及び操作部データベース505を有する構成である。
【0043】
ブラウザ504は、例えば、操作画面等を表示する。なお、操作画面は、ブラウザ504以外のソフトウェアで表示されてもよい。したがって、ブラウザ504は、操作画面を表示できれば、操作装置にあらかじめインストールされるネイティブアプリケーション等のソフトウェアでもよい。
【0044】
操作部データベース505は、操作装置制御部501におけるアプリケーションの設定値を管理する構成の例である。したがって、この例では、操作部データベース505は、それぞれのアプリケーションが用いる設定値を一括して管理する。具体的には、操作部データベース505は、それぞれのアプリケーションと設定値を送受信する。また、操作部データベース505によって管理される項目は、インストールされるプログラムによって追加される場合がある。なお、操作部データベース505は、クライアントアプリ503が有さず、他のソフトウェア等が有する構成でもよい。
【0045】
コピーアプリ506は、画像形成装置100によってコピーを行うためのアプリケーションである。
【0046】
ファクシミリアプリ507は、画像形成装置100によってファクシミリ通信を行うためのアプリケーションである。
【0047】
スキャンアプリ508は、画像形成装置100によって用紙等に記載された画像をスキャンするためのアプリケーションである。
【0048】
そして、例えば、コピーアプリ506、ファクシミリアプリ507及びスキャンアプリ508等のアプリケーションでは、それぞれのアプリ内において、固有の設定値を管理する。なお、設定値を設定する手段等は、アプリケーションが有さなくともよい。
【0049】
本体制御部502は、画像形成装置100の本体部を制御する構成である。例えば、本体制御部502は、図示するように、ウェブサーバモジュール509を有する構成である。また、この例では、ウェブサーバモジュール509は、メニュー構成ファイル510及び本体部データベース511等を有する構成である。
【0050】
ウェブサーバモジュール509は、例えば、本体部側において、設定値を一括して管理する。また、図示するように、ウェブサーバモジュール509は、クライアントアプリ503等と通信を行う。そして、ウェブサーバモジュール509は、通信によって取得できるメニュー等をマージしてメニュー構成を生成する。この例では、メニュー構成を示すデータが、メニュー構成ファイル510となる。
【0051】
メニュー構成ファイル510は、画像形成装置100における設定値のメニュー構成を記憶するデータである。具体的には、メニュー構成ファイル510は、メニュー構成において、それぞれの設定値がどのカテゴリに位置するか、及び、メニュー構成におけるカテゴリがどのような階層構造であるか等を示す。なお、メニュー構成ファイル510の詳細は、後述する。
【0052】
本体部データベース511は、本体制御部502における設定値を管理する構成の例である。したがって、この例では、本体部データベース511は、それぞれのモジュールが用いる設定値を一括して管理する。具体的には、本体部データベース511は、それぞれのモジュールと設定値を送受信する。また、本体部データベース511によって管理される項目は、インストールされるプログラムによって追加される場合がある。なお、本体部データベース511は、ウェブサーバモジュール509が有さず、他のモジュール等が有する構成でもよい。
【0053】
さらに、本体部には、インストールされたソフトウェアに応じたモジュールが搭載される。図示する例では、本体部に、ネットワークモジュール512、スキャンモジュール513及び印刷モジュール514等のモジュールがある例となる。なお、モジュール構成は、インストールされるプログラム等によって定まる。なお、モジュールは、例えば、ファックス等でもよい。
【0054】
ネットワークモジュール512は、ネットワークを用いて通信を行う。
【0055】
スキャンモジュール513は、スキャナ等を用いて画像のスキャンを行う。
【0056】
印刷モジュール514は、印刷装置等を用いて用紙等に画像形成を行う。
【0057】
PC500は、情報処理装置である。そして、PC500は、図示するように、画像形成装置100と同じネットワークに接続する。また、この例では、PC500は、ブラウザを有する。そのため、ウェブサーバモジュール509がPC500からのアクセスを許可すると、PC500は、画像形成装置100の設定を遠隔で行うことができる。なお、PC500は、なくともよい。また、PC500は、情報処理装置であれば、他の種類であってもよい。
【0058】
<操作画面例>
上記のようなシステム構成によって、例えば、以下のような操作画面の表示及び画面の遷移が可能となる。
【0059】
図6は、カテゴリの選択を行う操作画面の例を示す図である。以下、操作装置、すなわち、クライアントアプリによって、図示するような第1画面600が表示される例で説明する。
【0060】
第1画面600は、カテゴリごとに設定を分けて表示する。図示する例では、第1画面600における「地紋、印字設定」、「データ管理」、「文書管理」、「セキュリティ」、「機能制限」、「認証・課金設定」及び「ユーザ認証管理」がカテゴリ名を示し、かつ、選択を行うボタンとなるGUI(Graphical User Interface)の例である。これらのGUIのうち、いずれかを押す操作を行うと、ユーザは、それぞれのカテゴリについて詳細な設定を行う、及び、詳細な設定の内容を確認することができる。
【0061】
以下、例えば、「ユーザ認証管理」のボタン601を押す操作を行う場合を例に説明する。このような操作を行うと、第1画面600は、例えば、以下のような画面に遷移する。
【0062】
図7は、詳細な設定を行う操作画面の例を示す図である。例えば、第1画面600においてボタン601が押されると、図示するような第2画面700が表示されるように操作画面が遷移する。
【0063】
第2画面700は、「ユーザ認証管理」において、設定値を確認及び設定するための操作画面である。具体的には、第2画面700において、図示するように、「スキャナ」等を選択したり、又は、プルダウンメニュー中から選択肢を選んだりすることで、ユーザは、設定値を設定できる。また、この例では、「OK」というボタンが押されると、設定値が確定し、設定値が更新される。
【0064】
以上のように、操作画面は、例えば、第1画面600から第2画面700に遷移する。このように、操作画面をどのように遷移されるか、すなわち、複数の操作画面の関係は、メニュー構成ファイル等で定まる。さらに、操作画面において、設定の対象となる設定値も、以下に説明する例では、メニュー構成ファイルで定まるとする。
【0065】
<メニュー構成及びメニュー構成ファイルの例>
図8は、メニュー構成例を示す図である。以下、図示するようなメニュー構成800を例に説明する。具体的には、この例では、「TOP」が、最も上位の階層となる、いわゆるツリー構造のメニュー構成である。したがって、メニュー構成800では、「TOP」となる操作画面において、「システム」、「ファックス」、「スキャナ」及び「プリンタ」等のメニューが選択できる。次に、例えば、「システム」となる操作画面では、「基本」、「ネットワーク」及び「管理者」等のメニューが選択できる。このように、上位の階層となる操作画面で遷移する先となる下位の階層が選択できる。そして、選択が行われると、操作画面は、下位の階層に遷移する。以下、「TOP」となる階層を「第1階層」という。そして、「TOP」の下にある層を「第2階層」という。同様にして、この例は、「第3階層」、「第4階層」及び「第5階層」が更にある階層構造とする。
【0066】
このように、メニュー構成ファイルは、メニュー構成800を定義するデータである。したがって、メニュー構成ファイルがあると、「TOP」から設定値を設定する操作画面等までが、どのような構造であるかが特定できる。
【0067】
例えば、図示するようなメニュー構成800では、以下のような遷移となる。
【0068】
図9は、操作画面の遷移例を示す図である。以下、メニュー構成800における「システム」を操作する上で表示される図示するような操作画面を例に説明する。
【0069】
この例では、まず、「TOP」から「システム」に切り替える操作がされると、
図9(A)に示す画面(以下「第2階層画面901」という。)が表示されるとする。図示するように、第2階層画面901は、メニュー構成ファイル等に基づいて、「基本」、「ネットワーク」及び「管理者」という3つのメニューをユーザに選択させる操作画面の例である。
【0070】
すなわち、第2階層画面901において、選択が行われると、操作画面は、
図9(A)のような表示から
図9(B)のような表示に遷移する。以下、第2階層画面901から、
図9(B)に示す画面(以下「第3階層画面902」という。)に操作画面が遷移する例で説明する。
【0071】
また、この例では、さらに、第3階層画面902において選択が行われると、
図9(B)のような表示から
図9(C)のような表示に遷移する。以下、第3階層画面902から、
図9(C)に示す画面(以下「第4階層画面903」という。)に操作画面が遷移する例で説明する。
【0072】
この例は、第2階層画面901及び第3階層画面902が階層を変更するための操作画面の例である。すなわち、この例では、第2階層画面901及び第3階層画面902は、いわゆるリンクとなる選択肢で構成される画面である。
【0073】
一方で、第4階層画面903は、「項目A」、「項目B」及び「項目C」についての設定値を設定する操作画面である。
【0074】
これらの操作画面は、例えば、以下のようなコードで定まる定義に基づいて生成される。
【0075】
図10は、第3階層画面を生成するためのコード例を示す図である。例えば、第3階層画面902は、図示するようなコードに基づいて生成される。
【0076】
図11は、第4階層画面を生成するためのコード例を示す図である。例えば、第4階層画面903は、図示するようなコードに基づいて生成される。
【0077】
具体的には、「id」は、各操作画面を識別する番号等である。すなわち、「id」が特定できると、コード等のデータにおいて、どの操作画面を指すかが特定できる。
【0078】
「title」は、カテゴリの名称を示すデータである。この例では、「title」と、メニュー構成800におけるブロックとが一致する。また、この例では、「title」に入力された文字が、操作画面において左上に表示される。
【0079】
「type」には、「category」又は「window」が設定される。「category」は、第2階層画面901及び第3階層画面902のような階層を変更させる用の操作画面であることを定義する。一方で、「window」は、第4階層画面903のような設定値を操作する用の操作画面であることを定義する。
【0080】
「children」は、下層となる操作画面を定義する。例えば、メニュー構成800では、第4階層の「設定画面」の下層となる第5階層には、「項目A」、「項目B」及び「項目C」の操作画面が定義されている。したがって、第4階層画面903には、「children」として、「項目A」、「項目B」及び「項目C」のそれぞれの「id」が定義される。このようにして、メニュー構成800のようなツリー構造が構成される。
【0081】
<設定値例>
例えば、第4階層画面903等のような設定画面によって、「項目A」、「項目B」及び「項目C」のような設定値が設定可能である。そして、設定値及び設定画面は、例えば、テーブル又はデータベース等の形式で記憶される。具体的には、メニュー構成800の例では、「項目A」についてテーブル(以下「第1テーブル801」という。)に記憶されるとする。同様に、メニュー構成800の例では、「項目B」についてテーブル(以下「第2テーブル802」という。)に記憶されるとする。
【0082】
具体的には、例えば、「項目B」は、第2テーブル802によって下記(表1)のように定義される。
【0083】
【表1】
上記(表1)において、「id」は、設定値に割り当てられる識別番号等である。
【0084】
「title」は、各設定値及び設定画面の名称である。
【0085】
「type」は、設定値を入力する形式の種類を示す。例えば、「type」には、「数値入力」、「択一選択」又は「文字入力」等が設定される。そして、「type」が「数値入力」と設定されると、設定値は、数値で設定される。また、「type」が「択一選択」と設定されると、設定値は、あらかじめ用意される選択肢から選ぶように設定される。さらに、「type」が「文字入力」と設定されると、設定値は、文字等で設定される。
【0086】
「min」は、最小値の設定である。したがって、「min」より小さい値が設定値に設定されると、エラー等となる。
【0087】
「max」は、最大値の設定である。したがって、「max」より大きい値が設定値に設定されると、エラー等となる。
【0088】
「step」は、ステップ数の設定である。
【0089】
「access roll」は、アクセス権限である。具体的には、「管理者」又は「ゲスト」等が設定される。例えば、「管理者」と設定されると、設定値は、管理者権限のあるユーザでないと設定できない等である。
【0090】
「value」は、設定値の取得先である。
【0091】
また、設定値には、「周辺機器」等があってもよい。この例では、「項目B」は、画像形成装置に、周辺機器として「フィニッシャ」が接続された場合に用いられる設定値であることを示す。このようにして、「周辺機器」は、設定値が関係する周辺機器の種類等を示す。このように設定値と周辺機器が対応付けされると、各設定値に対応する周辺機器の種類が特定できる。
【0092】
そして、上記(表1)のようなテーブルは、本体部と、操作装置とに別々に記憶される。
【0093】
例えば、以上のようなメニュー構成ファイル及びテーブル等があると、画像形成装置は、操作画面を表示することができる。
【0094】
<全体処理例>
図12は、全体処理例を示すシーケンス図である。以下、ユーザ1201が操作装置110で設定値を設定する場合を例に説明する。
【0095】
ステップS101では、操作装置110は、設定を起動させる。すなわち、ユーザ1201が操作装置110に対して設定を開始する操作を行うと、操作装置110は、操作画面を表示する等のために、以下のような処理を開始する。
【0096】
ステップS102では、ウェブサーバモジュール509は、メニュー構成ファイル等を取得する。
【0097】
ステップS103では、ウェブサーバモジュール509は、メニュー構成ファイル等を読み取る。
【0098】
したがって、ステップS102及びステップS103を行うと、ウェブサーバモジュール509は、例えば、メニュー構成800のようなツリー構造を把握できる。
【0099】
ステップS104では、ウェブサーバモジュール509は、ツリー構造においてユーザ1201に与えられている権限に基づいて、ツリーの一部を削除するのが望ましい。例えば、上記(表1)に示すように、設定値には、管理者の権限がないと設定できない設定値がある。そこで、ステップS104では、ウェブサーバモジュール509は、ユーザ1201に権限がない設定値を削除するようにする。具体的には、ユーザ1201が「ゲスト」権限である場合には、ウェブサーバモジュール509は、管理者権限のいる設定値をツリー構造等から削除する。なお、権限は、ログイン情報等から把握される。このようにすると、適した設定値が抽出される。そのため、以降の処理で扱う設定値等が少なくできるため、処理を高速化すること等ができる。
【0100】
なお、ステップS104では、ウェブサーバモジュール509は、接続される周辺機器に基づいて、ツリーの一部を削除してもよい。具体的には、上記(表1)に示すように、画像形成装置100は、画像形成装置100に周辺機器が接続されているか否か、及び、接続されている周辺機器の種類等に応じて扱う設定値が異なる場合がある。つまり、接続される周辺機器の種類等によって、設定値は、不要な種類もある。そこで、ステップS104では、ウェブサーバモジュール509は、接続される周辺機器の種類等を確認した上で、不要な設定値がある場合には、不要な設定値をツリー構造等から削除する。このようにすると、適した設定値が抽出される。そのため、以降の処理で扱う設定値等が少なくできるため、処理を高速化すること等ができる。
【0101】
なお、ウェブサーバモジュール509は、権限に基づいて、操作画面の表示において対象となる設定値を非表示にする等でもよい。
【0102】
ステップS105では、ウェブサーバモジュール509は、抽出された設定値に対する権限をチェックする。
【0103】
ステップS103乃至ステップS105を行うと、ウェブサーバモジュール509は、本体部に記憶される設定値を集めることができる。
【0104】
ステップS106では、ウェブサーバモジュール509は、操作部データベース505に問い合わせを行う。例えば、問い合わせは、以下のようなソースコード(なお、ソースコードは、JSON(JavaScript(登録商標) Object Notation)形式の例で説明する。ただし、ソースコードは、他の形式でもよい。)に基づいて行われる。
【0105】
図13は、メニュー構成の問い合わせを行うソースコードの例である。例えば、図示するようなソースコードを用いると、ウェブサーバモジュール509は、操作部データベース505等の操作装置に記憶されている設定値及び構成を取得できる。
【0106】
なお、問い合わせは、ユーザの権限を踏まえるのが望ましい。具体的には、図示する例のソースコードでは、ユーザ1201の権限を示すコード(以下「権限コード1301」という。)が含まれる。権限コード1301は、ユーザ1201に対して与えられている権限を示す例である。図示する例では、権限が与えられている場合には、「true」が入力される。一方で、権限が与えられていない場合には、「false」が入力される。このように、権限コード1301等によって、ユーザ1201に対して与えられている権限が示されると、操作部データベース505は、問い合わせに対して、ユーザ1201に対して与えられている権限で設定可能な設定値を抽出して返答できる。
【0107】
また、図示するソースコードには、メニュー構成を要求するコード(以下「メニュー構成要求コード1302」という。)が含まれる。例えば、メニュー構成要求コード1302には、言語を指定するコード(以下「言語コード1303」という。)等が含まれる。以下、図示するようなメニュー構成要求コード1302及び言語コード1303による問い合わせが行われる例で説明する。なお、問い合わせの形式は、図示するようなソースコードによる方法に限られない。
【0108】
ステップS107では、操作部データベース505は、問い合わせに応じてデータベースを読み込む。
【0109】
ステップS108では、操作部データベース505は、問い合わせに対して、設定値のうち、ユーザ1201に与えられている権限で設定可能な設定値を抽出し、チェックする。
【0110】
ステップS109では、操作部データベース505は、問い合わせに対して、設定値を返答する。例えば、以下のような返答が行われる。
【0111】
図14は、問い合わせに対する返答を行うソースコードの例である。具体的には、図示するソースコードにおいて、「nodes」の部分のコード(以下「返答コード1401」という。)がステップS106の問い合わせに対する返答となる。
【0112】
この例では、返答コード1401によって、操作装置についての設定値が返答される。また、返答コード1401は、例えば、図示するように、後段で行われる本体側の設定値との統合において、操作装置側の設定値を挿入する位置を示すのが望ましい。
【0113】
具体的には、図示する返答コード1401の例では、「id」等を用いるコード(以下「挿入用コード1402」という。)によって、設定値を挿入する位置が決定できる。挿入用コード1402は、挿入する設定値の上位となるノードを示す。したがって、挿入用コード1402があると、メニュー構成において、どの階層に設定値を挿入すればよいかが決定できる。なお、挿入する位置等は、例えば、操作装置においてテーブル等のデータで管理される。
【0114】
そして、挿入される設定値等は、図示する返答コード1401の例では、「children」等を用いるコード(以下「挿入内容コード1403」という。)によって、特定される。例えば、挿入内容コード1403に基づいて、挿入される設定値の「title」等が定まる。なお、「title」等は、「lang」で「ja」と設定されているので、日本語で操作画面等に表示されることになる。
【0115】
また、図示するソースコードでは、「item」は、本体側、すなわち、サーバモジュールで構成されるメニュー構成に存在する設定値のうち、表示が可能な設定値を示す。
【0116】
以上のように、ステップS106に対して、ステップS107乃至ステップS109のような処理が行われると、ウェブサーバモジュール509は、操作装置についての設定値を取得できる。
【0117】
ステップS110では、ウェブサーバモジュール509は、ステップS103乃至ステップS105等で取得される画像形成装置についての設定値と、ステップS106乃至ステップS109等で取得される操作装置についての設定値とを統合する。以下、統合の結果、画像形成装置及び操作装置のいずれの設定値を含むメニュー構成等を示すデータを「統合データ」という。したがって、統合データがあると、例えば、画像形成装置及び操作装置のいずれの設定値を踏まえてメニュー構成800を把握できる。
【0118】
ステップS111では、ウェブサーバモジュール509は、メニュー構成を操作装置に送る。
【0119】
ステップS112では、ブラウザ504は、メニュー構成を把握して、設定値を設定する等の操作画面を生成する。
【0120】
ステップS113では、ブラウザ504は、生成した操作画面をユーザ1201に表示する。
【0121】
例えば、設定値を設定するための操作画面は、以下のようにして生成及び表示される。
【0122】
<設定値を設定するための操作画面の表示例>
図15は、設定値を設定するための操作画面を生成及び表示する処理例を示すシーケンス図である。例えば、第3階層画面902において、「設定画面」を選択する操作が行われた場合を例に説明する。すなわち、図示する処理は、ユーザの指示に応じて(例えば、
図9(B)において、ユーザが「設定画面」の項目を選択する操作を行うことに応じる。)、設定画面が表示される処理である。
【0123】
ステップS201では、クライアントアプリ503は、「設定画面」を選択する操作を受け付ける。
【0124】
ステップS202では、クライアントアプリ503は、設定値について問い合わせを行う。具体的には、クライアントアプリ503は、メニュー構成ファイル等から、
図8に示すように、「設定画面」の下位層(この例では、第5階層を指す。)には、「項目A」、「項目B」及び「項目C」の設定値があるメニュー構成であることが分かる。さらに、メニュー構成ファイル等があると、「項目A」、「項目B」及び「項目C」を特定できる「id」等が分かる。そこで、クライアントアプリ503は、例えば、「項目A」の「id」、「項目B」の「id」及び「項目C」の「id」をウェブサーバモジュール509の問い合わせに用いる。このようにして、クライアントアプリ503は、ウェブサーバモジュール509から、「項目A」、「項目B」及び「項目C」のそれぞれの設定値をリクエストする。
【0125】
ステップS203では、ウェブサーバモジュール509は、問い合わせの対象となる設定値が本体部の設定値であるか、又は、対象となる設定値が操作装置の設定値であるかを判定する。
【0126】
この例では、「id」が分かると、ウェブサーバモジュール509は、対象とする設定値が本体部の設定値であるか、又は、対象となる設定値が操作装置の設定値であるかを判定できるとする。具体的には、「id」が以下のような構成及び設定であるとする。
【0127】
【表2】
問い合わせには、例えば、上記(表2)における「id」のようなデータが用いられる。この例では、「id」のデータ(16桁であるとする。)のうち、上位ビットの8桁と、下位ビットの8桁とに分けて、「id」は、管理されるとする。
【0128】
上記のとおり、上位ビットが「3」であれば、問い合わせの対象となる設定値は、本体部の設定値であると判定される。一方で、上位ビットが「11」であれば、問い合わせの対象となる設定値は、操作装置の設定値であると判定される。ほかにも、上位ビットが「1677787392」であれば、問い合わせの対象となる設定値は、サードベンダアプリの設定値であると判定される。そして、サードベンダアプリの設定値と判定されると、さらに、本体部の設定値であるか、又は、操作装置の設定値であるかが判定される。
【0129】
次に、下位ビットを用いると、ウェブサーバモジュール509等は、設定値を特定できるとする。すなわち、下位ビットの値は、設定値を識別できる番号である。
【0130】
続いて、問い合わせの対象となる設定値が本体部の設定値であると判定されると([対象となる設定値が本体部の場合])、ウェブサーバモジュール509は、ステップS204に進む。一方で、問い合わせの対象となる設定値が操作装置の設定値であると判定されると([対象となる設定値が操作装置の場合])、ウェブサーバモジュール509は、ステップS206に進む。
【0131】
ステップS204では、ウェブサーバモジュール509は、ネットワークモジュール512等のモジュールに設定値を問い合わせる。なお、問い合わせを行う先がネットワークモジュール512となるかは、設定値による。
【0132】
ステップS205では、ネットワークモジュール512等は、ウェブサーバモジュール509に設定値を返答する。
【0133】
ステップS204及びステップS205は、本体部の内部における通信となるため、いわゆるプロセス間の通信となる。このようにして、ウェブサーバモジュール509は、問い合わせの対象となっている設定値を各モジュールに問い合わせる。このようにすることで、ウェブサーバモジュール509は、設定されている最新の設定値を取得する。
【0134】
ステップS206では、ウェブサーバモジュール509は、操作部データベース505に設定値を問い合わせる。例えば、問い合わせは、以下のようなソースコードに基づいて行われる。
【0135】
図16は、設定値の問い合わせを行うソースコードの例である。例えば、図示するような「id」を指定するコード(以下「指定コード1601」という。)で問い合わせを行うと、「id」が「0000000300000065」となる設定値について問い合わせが行われる。なお、問い合わせは、図示するように、「lang」で「ja」とするように、言語を日本語でする等の設定が含まれてもよい。
【0136】
ステップS207では、操作部データベース505は、問い合わせに応じてデータベースを読み込む。
【0137】
ステップS208では、操作部データベース505は、問い合わせに対して、設定値を返答する。例えば、以下のような返答が行われる。
【0138】
図17は、設定値の問い合わせに対する返答を行うソースコードの例である。具体的には、図示するソースコードにおいて、「title」等の設定値を返答するコード(以下「設定値コード1701」という。)がステップS206の問い合わせに対する返答となる。
【0139】
具体的には、指定コード1601における「id」で指定された項目に対して、設定値コード1701は、アプリケーション又はモジュール等に設定されている最新の設定値を返す。
【0140】
ステップS209では、ウェブサーバモジュール509は、設定値等を通知する。すなわち、ウェブサーバモジュール509は、問い合わせにより、ステップS205又はステップS208等によって設定値を取得する。そして、ステップS209では、ウェブサーバモジュール509は、取得した設定値等をクライアントアプリ503に通知する。
【0141】
ステップS210では、クライアントアプリ503は、画面を描画する。
【0142】
ステップS211では、クライアントアプリ503は、描画した画面を表示する。
【0143】
例えば、操作画面等の画面は、以下のように描画及び表示される。
【0144】
図18は、画面描画処理の一例のイメージ図である。図示するイメージ図は、オブジェクトに基づき、設定画面1804を描画する処理の例を示す。
【0145】
まず、システムプログラム等は、画面テンプレート1803における「画面タイトル表示位置」に、設定構造1801において、「親」(上位階層)の「title」に設定される設定値「アプリケーションE設定」を描画する。また、システムプログラムは、設定構造1801の「子」となる階層の要素を順番に読み出す。次に、システムプログラムは、読み出した「子」の要素の設定種別に対応する描画テンプレート1802を画面テンプレートに対して描画する。
【0146】
例えば、システムプログラムは、まず、図示する例における「子」であるID「E001」の要素の設定種別に対応する設定種別「数値型」の描画テンプレートを読み出す。次に、システムプログラムは、画面テンプレート1803に描画、すなわち、設定画面1804の「リセットタイマー」設定項目を描画する。
【0147】
ID「E001」と同様に、システムプログラムは、図示する例における「子」であるID「E002」の要素の設定種別に対応する設定種別「択一選択型」の描画テンプレートを読み出す。次に、システムプログラムは、画面テンプレート1803に描画、すなわち、設定画面1804の「デフォルトカラーモード」設定項目を描画する。
【0148】
さらに、ID「E001」と同様に、システムプログラムは、図示する例における「子」であるID「E003」の要素の設定種別に対応する設定種別「択一選択型」の描画テンプレートを読み出す。次に、システムプログラムは、画面テンプレート1803に描画し、すなわち、設定画面1804の「アプリケーションE省エネ優先設定」設定項目を描画する。
【0149】
このような描画の結果、システムプログラムは、追加された「アプリケーションE」等の設定画面1804を生成し、画像形成装置が用いるブラウザ等に表示させることができる。
【0150】
以上のような処理を行うと、例えば、
図9(C)に示すような操作画面及び設定値を表示することができる。
【0151】
<設定値の更新処理例>
例えば、設定値を更新する場合には、以下のような処理が行われてもよい。
【0152】
図19は、設定値の更新及び表示する処理例を示すシーケンス図である。すなわち、図示する処理は、表示された設定画面において、ユーザが設定値を変更する(例えば、
図9(C)において、ユーザは、「項目A」、「項目B」又は「項目C」の設定値を設定(変更)して「OK」ボタンを押下する操作を行う。)の処理である。以下、
図15に示す処理をベースにする例で説明する。したがって、
図15に示す処理と同一の処理には、同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0153】
この例で示す処理は、ステップS301が加わる点が異なる。
【0154】
また、ステップS201では、ユーザ1201は、設定値を変更する操作を更に行う。
【0155】
ステップS202では、クライアントアプリ503は、確定した設定値の書き込みを要求する。
【0156】
ステップS204及びステップS206では、確定した設定値が、書き込みされる。
【0157】
ステップS205及びステップS208では、書き込みの結果が、通知される。
【0158】
ステップS209では、1つ上の階層の画面が、描画される。
【0159】
ステップS301では、操作部データベース505は、更新した設定値を通知する。
【0160】
<排他ロックについて>
画像形成装置は、操作装置による設定を優先させるのが望ましい。
【0161】
具体的には、画像形成装置は、ネットワークを介するブラウザを用いた操作で設定値が操作できるように許可してもよい。このようにすると、PC500等から、設定値は、設定が可能となる。したがって、このような設定の場合には、設定値は、操作装置等からも、PC500等からも設定が可能となる。
【0162】
このような場合には、画像形成装置は、操作装置による操作が優先されるように、排他ロック等を行うのが望ましい。具体的には、まず、操作装置による操作が開始されると、画像形成装置は、対象となる設定値又は画像形成装置の全体に対して排他ロックを行う。このように排他ロックが行われると、ロックされている間は、PC500等からの操作が排他される。したがって、操作装置による操作が、PC500等からの操作等より優先される。
【0163】
なお、PC500等からの操作等に対しても排他ロックが用いられてもよい。例えば、PC500等からの操作に基づいて、設定値の取得、設定及び更新等が行われる場合等に設定値等が排他ロックされてもよい。
【0164】
このように、操作装置による操作に基づく設定等を優先させると、操作装置を用いる設定、すなわち、画像形成装置の前等にいるユーザが行う操作による設定が優先されるようにできる。
【0165】
<機能構成例>
図20は、画像形成装置の機能構成例を示す機能ブロック図である。例えば、画像形成装置100は、第1設定部2001、第2設定部2002、統合部2003及び表示部2004等を備える機能構成である。また、画像形成装置100は、図示するように、解析部2005及び決定部2006等を更に備える機能構成であるのが望ましい。以下、図示する機能構成を例に説明する。
【0166】
第1設定部2001は、画像形成装置100についての初期設定を受け付ける第1設定手順を行う。例えば、第1設定部2001は、通信I/F227等によって実現される。以下、第1設定部2001によって受け付ける設定値を「第1設定値2007」という。
【0167】
第2設定部2002は、操作装置についての設定を受け付ける第2設定手順を行う。例えば、第2設定部2002は、操作パネル215等によって実現される。以下、第2設定部2002によって受け付ける設定値を「第2設定値2008」という。
【0168】
統合部2003は、第1設定値2007と、第2設定値2008とを統合した統合データ2009を生成する統合手順を行う。例えば、統合部2003は、CPU221等によって実現される。
【0169】
表示部2004は、統合データ2009に基づく設定値を表示する表示手順を行う。例えば、表示部2004は、操作パネル215等によって実現される。
【0170】
解析部2005は、第1設定値2007及び第2設定値2008のメニュー構成を解析する。例えば、解析部2005は、CPU221等によって実現される。
【0171】
決定部2006は、メニュー構成における第1設定値2007及び第2設定値2008を挿入する位置を決定する。例えば、決定部2006は、CPU221等によって実現される。
【0172】
第1の記憶部2010は、初期設定を記憶する。例えば、第1の記憶部2010は、本体部データベース511等によって実現される。
【0173】
第2の記憶部2011は、操作部又は操作装置が有する記憶部である。例えば、第2の記憶部2011は、操作部データベース505等によって実現される。
【0174】
以上のような構成であると、画像形成装置100は、初期設定等で設定される第1設定値2007と、操作装置110等で設定される第2設定値2008とをまとめて統合データ2009を生成することができる。
【0175】
本体部120からすると、第2設定値2008は、操作装置110側に設定されるため、本体部データベース511では、直接管理しない場合がある。そこで、操作装置110に対して、本体部は、第2設定値2008を問い合わせる。このように、問い合わせると、本体部は、第2設定値2008を把握でき、第1設定値2007と、第2設定値2008とをメニュー構成のように階層化してまとめて統合データ2009を生成できる。そのため、統合データ2009等により、第1設定値2007及び第2設定値2008を含めて、設定値が一括して管理できる。このような仕組みであると、管理者等の管理負担等が軽減できる。
【0176】
また、解析部2005等によって、メニュー構成が解析できるのが望ましい。すなわち、第1設定値2007と、第2設定値2008とを統合する上で、例えば、
図8のように、各設定値の階層及び関係する操作画面等が把握できるのが望ましい。具体的には、第1設定値2007をベースとすると、画像形成装置は、第1設定値2007のメニュー構成のいずれかの位置に第2設定値2008を挿入して統合する。そして、解析は、例えば、
図14のように問い合わせに対する返答等に基づいて行われる。このようにすると、第1設定値2007と、第2設定値2008とを統合しても、整合性のある統合データ2009を生成できる。
【0177】
画像形成装置100は、操作部を備える構成でもよい。すなわち、画像形成装置100は、操作装置110以外の入力装置及び出力装置等で実現される操作部を備える構成でもよい。そして、操作部による操作手順で、第2設定値2008が受け付けられてもよい。
【0178】
また、統合データ2009に基づく設定値は、ユーザごとに表示が異なるのが望ましい。ユーザによっては、与えられている権限又は設定等が異なる。したがって、ユーザごとに異なる統合データ2009が生成され、操作画面及び設定値等がユーザに合わせて表示されるのが望ましい。
【0179】
そして、設定値は、ユーザ(グループ等を含む。)に与えられている権限に基づいて抽出されるのが望ましい。ユーザは、権限が与えられている設定値しか設定できない場合が多い。そこで、設定値のうち、ユーザに与えられている権限で設定、変更又は閲覧等が可能である設定値が抽出されるのが望ましい。このようにして、権限のない設定値が省かれると、無駄な処理又は表示等を少なくできる。
【0180】
同様に、設定値は、周辺機器の有無等に基づいて抽出されるのが望ましい。周辺機器が接続されているか否かによって、設定値は、不要となる設定値もある。そこで、設定値のうち、周辺機器を運用する上で用いる設定値が抽出されるのが望ましい。なお、抽出には、周辺機器の種類まで考慮されるのがより望ましい。このようにして、周辺機器を使用するに関係ない設定値が省かれると、無駄な処理又は表示等を少なくできる。
【0181】
また、設定値に対する操作は、操作部又は操作装置による操作、すなわち、第2設定部による設定が排他ロック等で優先されるのが望ましい。操作装置等を用いる設定は、画像形成装置の近くまで近づいて操作される場合が多い。そのため、操作を行う者は、ネットワークを利用して不正に操作しようとする者である可能性が低い。又は、操作を行う者は、設定した設定値で直ぐに画像形成装置を使用しようとする者等である可能性が高い。そのため、ブラウザ等による操作より、操作装置等による操作を優先させると、ユーザの利便性を高くすることができる。
【0182】
<その他の実施形態>
なお、本発明に係る各処理の全部又は一部は、低水準言語又は高水準言語で記述され、コンピュータに情報処理方法を実行させるためのプログラムによって実現されてもよい。すなわち、プログラムは、情報処理装置又は複数の情報処理装置を含む情報処理システム等のコンピュータに各処理を実行させるためのコンピュータプログラムである。
【0183】
したがって、プログラムに基づいて情報処理方法が実行されると、コンピュータが有する演算装置及び制御装置は、各処理を実行するため、プログラムに基づいて演算及び制御を行う。また、コンピュータが有する記憶装置は、各処理を実行するため、プログラムに基づいて、処理に用いられるデータを記憶する。
【0184】
また、プログラムは、コンピュータが読み取り可能な記録媒体に記録されて頒布することができる。なお、記録媒体は、磁気テープ、フラッシュメモリ、光ディスク、光磁気ディスク又は磁気ディスク等のメディアである。さらに、プログラムは、電気通信回線を通じて頒布することができる。
【0185】
なお、本発明に係る実施形態は、画像形成システムによって実現されてもよい。また、画像形成システムは、各処理を冗長、分散、並列、仮想化又はこれらを組み合わせて実行してもよい。
【0186】
以上、実施形態における一例について説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されない。すなわち、本発明の範囲内で種々の変形及び改良が可能である。
【符号の説明】
【0187】
100 画像形成装置
110 操作装置
2001 第1設定部
2002 第2設定部
2003 統合部
2004 表示部
2005 解析部
2006 決定部
2007 第1設定値
2008 第2設定値
2009 統合データ
2010 第1の記憶部
2011 第2の記憶部
【先行技術文献】
【特許文献】
【0188】