(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-01
(45)【発行日】2022-08-09
(54)【発明の名称】評価装置、調査システム、評価方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G01B 11/30 20060101AFI20220802BHJP
G01B 11/00 20060101ALI20220802BHJP
G01C 7/04 20060101ALI20220802BHJP
G01C 15/00 20060101ALI20220802BHJP
E01C 23/07 20060101ALI20220802BHJP
E01C 23/00 20060101ALI20220802BHJP
G08G 1/00 20060101ALI20220802BHJP
【FI】
G01B11/30 W
G01B11/00 H
G01C7/04
G01C15/00 102C
E01C23/07
E01C23/00 A
G08G1/00 J
(21)【出願番号】P 2018225544
(22)【出願日】2018-11-30
【審査請求日】2021-08-26
(73)【特許権者】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 泉
【審査官】仲野 一秀
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-154979(JP,A)
【文献】特開2015-176540(JP,A)
【文献】特開2006-112127(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01B 11/00-11/30
G01C 1/00-1/14
5/00-15/14
E01C 21/00-23/24
G08G 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
構造物の評価区間毎に当該構造物の損傷の度合いを評価する評価装置であって、
前記構造物上を走行した車両の測位手段から取得された複数の測定位置データで示される測定位置群のうち、前記構造物の損傷の評価を開始する実際の位置を示す評価開始の実際位置に最も近い測定位置を評価開始の測定位置として特定する測定位置特定手段と、
前記測定位置特定手段によって特定された前記評価開始の測定位置から前記構造物上の所定の道のりを評価区間として、前記構造物を表わす映像のフレームデータから構造物性状を計測する性状計測手段と、
前記性状計測手段によって計測された構造物性状に基づき、前記構造物の損傷の度合いを評価する損傷評価手段と、
を有することを特徴とする評価装置。
【請求項2】
前記測定位置特定手段は、前記測定位置群のうち、前記構造物の損傷の評価を終了する実際の位置を示す評価終了の実際位置に最も近い測定位置を評価終了の測定位置として特定し、
前記性状計測手段は、前記測定位置特定手段によって特定された前記評価開始の測定位置から前記評価終了の測定位置までを前記評価区間として、前記構造物性状を計測すること
を特徴とする請求項1に記載の評価装置。
【請求項3】
前記性状計測手段は、前記測定位置特定手段によって特定された前記評価開始の測定位置から前記車両の所定の走行距離を前記評価区間として、前記構造物性状を計測することを特徴とする請求項1に記載の評価装置。
【請求項4】
前記測定位置特定手段は、前記評価終了の測定位置までを前記評価区間として、前記構造物性状を計測することを特徴とする請求項1に記載の評価装置。
【請求項5】
前記構造物は、測定位置群のうち、前記測位手段による測位の誤差範囲内で、評価開始の実際位置に最も近い測定位置を評価開始の測定位置として特定することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の評価装置。
【請求項6】
前記構造物は、道路であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の評価装置。
【請求項7】
請求項1乃至6のいずれか一項に記載の評価装置と、
前記測位手段及び前記構造物の性状を計測する計測手段によって構築された調査機器システムと、
を有することを特徴とする調査システム。
【請求項8】
請求項3に記載の評価装置と、
前記測位手段、前記構造物の性状を計測する計測手段、及び前記車両の走行距離を計測する距離計測手段によって構築された調査機器システムと、
を有することを特徴とする調査システム。
【請求項9】
構造物の評価区間毎に当該構造物の損傷の度合いを評価する評価方法であって、
コンピュータが、
前記構造物上を走行した車両の測位手段から取得された複数の測定位置データで示される測定位置群のうち、前記構造物の損傷の評価を開始する実際の位置を示す評価開始の実際位置に最も近い測定位置を評価開始の測定位置として特定する測定位置特定ステップと、
前記測定位置特定ステップによって特定された前記評価開始の測定位置から前記構造物上の所定の道のりを評価区間として、前記構造物を表わす映像のフレームデータから構造物性状を計測する性状計測ステップと、
前記性状計測ステップによって計測された構造物性状に基づき、前記構造物の損傷の度合いを評価する損傷評価ステップと、
を実行することを特徴とする評価方法。
【請求項10】
コンピュータに、請求項9に記載の方法を実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示内容は、路面等の構造物の損傷の度合いを評価する発明に関する。
【背景技術】
【0002】
道路、線路、トンネル等は、車両の通行、気候、外部からの圧力等によって損傷し、その損傷が拡大すると、重大な事故等の発生に繋がる。そのため、損傷状態の評価を行うために定期的な点検が必要とされている。道路の路面については、代表的な損傷点検項目として、ひび割れ、わだち掘れ(道路の幅方向の凹凸)、平坦性(車両進行方向の凹凸)がある。
【0003】
図13は、ひび割れを示した概念図である。
図13では、上空から車両10及びひび割れ101a,101bが表されている。ひび割れ101a,101bは、例えば、冬の凍結による路面隆起及び春の融解による路面低下により生じる亀甲状のひび割れ等である。
【0004】
図14は、わだち掘れを示した概念図である。
図14では、車両10の背面及びわだち掘れ102が表されている。わだち掘れ102は、例えば、チェーン走行により路面が損傷することにより生じる。
【0005】
図15は、平坦性を示した概念図である。
図15では、車両10の側面及び路面の平坦性が表されている。平坦性は、舗装した道路がどれくらい平らに仕上げられているかを意味する。特に、高速道路の平坦性は、高くなければならない。
図15では、路面に凹部分103があり、凹凸(うねり又は段差)により平坦性が悪い状態が表されている。
【0006】
これらの損傷点検項目を点検する際、ひび割れについては路面の撮影画像の取得が必要とされ、わだち掘れ及び平坦性については三次元形状計測データの取得が必要とされている。そのため、一般的には、専用の調査機器システムが利用されている。この調査機器システムは、ひび割れ撮影用のカメラ機材と、対象をレーザ照射してカメラ撮影することで三次元形状計測を行う光切断計測機材と、車両の前後2箇所以上に設置した路面高さセンサとを備えている。
【0007】
また、道路の点検は年に一度、特定の路面(路線)を対象に行われる。そして、各年に撮影された同じ場所の画像を比較することで、経時的変化の調査に役立たせることができる。従来は、各年の同じ路線の同じ場所を特定するには、主に各年の画像が利用されていた(特許文献1参照)。例えば、測定対象の路線は複数の測定区間毎に始点及び終点が決められており、始点と終点を特定するために、人手によりスプレー等で白線等の路面指標を描画していた。その後に、車両に搭載されたカメラ等で路面指標を撮影することで、昨年と同じ場所の画像を特定し易くして、同じ場所の経時的変化を評価していた。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、測定対象の路面は長距離であるため、人手により白線等の路面指標を描画すると、路面性状調査の事前作業は、かなりの工数負担が掛かってしまうという問題が生じていた。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述した課題を解決するために、請求項1に係る発明は、構造物の評価区間毎に当該構造物の損傷の度合いを評価する評価装置であって、前記構造物上を走行した車両の測位手段から取得された複数の測定位置データで示される測定位置群のうち、前記構造物の損傷の評価を開始する実際の位置を示す評価開始の実際位置に最も近い測定位置を評価開始の測定位置として特定する測定位置特定手段と、前記測定位置特定手段によって特定された前記評価開始の測定位置から前記構造物上の所定の道のりを評価区間として、前記構造物を表わす映像のフレームデータから構造物性状を計測する性状計測手段と、前記性状計測手段によって計測された構造物性状に基づき、前記構造物の損傷の度合いを評価する損傷評価手段と、を有することを特徴とする評価装置である。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、路面性状調査の事前作業の工数負担を軽減させることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図3】ステレオカメラのハードウェア構成図である。
【
図4】撮像装置から物体までの距離を導き出す原理の説明図である。
【
図5】データ管理装置、及び評価装置のハードウェア構成図である。
【
図7】調書データを作成する処理を示したフローチャートである。
【
図8】所定の評価区間における評価開始及び評価終了の実際位置、並びに調書センサで測定された評価開始及び評価終了の測定位置を示した概念図である。
【
図9】
図8における評価開始の実際位置の周辺を示した拡大図である。
【
図10】国等の道路管理者が求める様式Aの調書を示した図である。
【
図11】国等の道路管理者が求める様式Bの調書を示した図である。
【
図12】国等の道路管理者が求める評価図を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
<システムの概略>
まずは、
図1及び
図2を用いて、構造部性状調査システムの概略について説明する。
図1は、路面性状調査システムの全体構成図である。構造部性状調査システム(以下、「調査システム」と示す)は、路面rs1等の構造物のひび割れ等の性状を調査する調査機器システムを搭載した車両1、及び調査機器システムで取得された各種データを解析する評価装置8によって構成されている。構造物は、歩道面、車が走行する車道面(路面)、電車が走行する線路、法面、又はトンネルの内面、道路上の構造物等である。なお、道路上の構造物は、例えば、路端部上に設置される標識や電柱等である。
【0013】
以降は、車が走行する路面の性状を調査する場合について説明する。この調査システムは、例えば、一方に長く延びる構造物を一定の区間に区切ってその表面性状を調査する場合に利用される。
【0014】
図1に示されているように、車両1には、調査機器システムが搭載されている。調査機器システムは、路面カメラ2、周辺カメラ3、データ管理装置4、GNSS(Global Navigation Satellite System:全球測位衛星システム)センサ5、及び距離計測装置6を有している。なお、「路面カメラ2」は、複数の路面カメラの総称である。GNSSは、GPS(Global Positioning System)や準天頂衛星(QZSS)等の衛星測位システムの総称である。
【0015】
路面カメラ2は、車両1のルーフ後部に、進行方向とは反対の方向に向けて設けられ、車両1の後方の路面rs1を撮像するステレオカメラである。なお、路面カメラ2は、車両1のルーフの前部に進行方向と同じ方向に向けて設けてもよく、車両1のルーフの側部に進行方向と直角(又は略直角)方向に向けて設けてもよい。
【0016】
図2は、車両の背面図である。
図2に示されているように、車両1のルーフ後部には、2つの路面カメラ2a,2bが設けられている。また、各路面カメラ2a,2bは、斜め下方の路面rs1に向くように一列に並べて配置されており、それぞれ路面rs1の所定範囲を撮影範囲pr1a,pr1bとして撮像する。ステレオカメラは、例えば左右に並べた2つのカメラの視差情報を利用し、評価対象の路面rs1に形成された凹凸等の奥行き情報を得るためのカメラである。ステレオカメラについては、
図3及び
図4を用いて後述する。路面カメラ2は、車両1の進行方向に対して画像の一部が重なり合うタイミングで撮像を繰り返し行う。路面カメラ2は、路面rs1の幅方向全体を撮像可能なように複数台設置されるため、幅方向に対しても画像の一部が重なり合うように複数台が同時に撮像を行う。なお、路面カメラ2は、車両1の前方のナンバープレート周辺に設置されてもよい。また、路面カメラ2は、車両1に3つ以上設置されてもよい。道路幅が狭い場合には、車両1に路面カメラを1つだけ設置されるようにしてもよい。
【0017】
車両1は、路面rs1上を走行しながら、路面カメラ2で路面rs1の所定範囲を、進行方向にその一部が重なるように撮像していく。
【0018】
図1に戻り、周辺カメラ3は、車両1のルーフ前部に設けられ、車両1の前方の周辺(例えば、前方の路面rs1、標識、風景等)を撮像する撮像装置である。周辺カメラ3は、路面カメラ2を構成する左右2つのカメラ20、21のうちの1つのカメラと同様の構成を採用することができる。なお、周辺カメラ3は、路面カメラ2と同様に、ステレオカメラにしてもよい。また、周辺カメラ3は、車内1のフロントガラス付近に取り付けられてもよい。
【0019】
データ管理装置4は、路面カメラ2、周辺カメラ3、GNSSセンサ5、及び距離計測装置6から取得した各種データを管理するPC(Personal Computer)である。各調査データは、評価装置8に受け渡され、評価装置8でのデータ解析に用いられる。なお、データ管理装置4から評価装置8への調査データの受け渡し方法は、Wi-Fi等を使った無線通信、USBケーブル等を使った有線通信、USBメモリ等を使った人的な移動が挙げられる。
【0020】
GNSSセンサ5は、複数のGNSS衛星が発信した各時間の信号を受信し、各信号を受信した時刻との差で衛星までの距離を算出することで、地球上の位置を計測する測位手段の一例である。測位手段は、測位専用の装置であってもよく、PCやスマートフォン等にインストールされた測位専用のアプリケーションであってもよい。
【0021】
距離計測装置6は、例えば、車両1の車輪の円周の長さの情報を保持し、回転数を計測することで、走行距離を算出する。走行距離は、車輪の円周の長さと計測した回転数との積により算出することができる。これは一例であるため、その他の方法により距離を計測してもよい。なお、距離計測装置は、距離計測手段の一例である。
【0022】
また、上記各計測データには、各路面映像データ、測定位置データ、周辺画像データ、及び走行距離データが含まれている。これらのうち、各路面映像データは、各路面カメラ2a,2bによって得られた映像(動画)のデータである。この各路面映像データでは、映像のフレームデータ毎に、メタデータとして撮影された時刻を示す撮影時刻情報が付加されている。なお、各路面カメラ2a,2bによって、映像(動画)の路面映像データだけでなく、静止画又は静止画の集合によるデータを得るようにしてもよい。
【0023】
測定位置データは、GNSSセンサ5によって得られたデータである。この測定位置データには、メタデータとして測位された時刻を示す測位時刻情報が付加されている。周辺画像データは、周辺カメラ3によって得られた静止画のデータである。走行距離データは、距離計測装置6によって得られた走行距離を示すデータである。
【0024】
評価装置8は、データ管理装置4から受け渡された各調査データに基づいて、構造物の性状を解析するPC又はスマートフォン等である。評価装置8は、各路面映像データから路面rs1の凹凸等の表面性状を計測し、計測結果に基づいて、路面rs1の損傷の有無、損傷の度合いを評価する。また、評価装置8は、構造物性状の評価結果、測定位置データ、周辺画像データ、走行距離データ、及び自治体又は国(以下、「道路管理者」と記す)から取得した道路台帳等のデータを利用して、道路管理者が定めるフォーマットに従った提出書類のデータを作成する。道路台帳には、実際の正確な道路の位置を示す実際位置データが含まれている。なお、道路台帳には、道路地図が掲載されているが、正確な道路位置情報(測位情報:緯度、経度値)が含まれていない場合がある。この場合、正確な道路測位情報を得るためには、道路地図と、測位地図情報(国土地理院等が保有している、緯度、経度値情報)を照合する必要がある。そして、評価装置8によって作成された提出書類のデータは、道路管理者に、電子データ又は書類に印刷した状態で提出される。
【0025】
<ハードウェア構成>
(ステレオカメラのハードウェア構成)
次に、
図3を用いて、ステレオカメラのハードウェア構成を説明する。
図3は、ステレオカメラのハードウェア構成図である。
【0026】
図3に示されているように、路面カメラ2は、ステレオカメラの構成を取っており、視差導出装置20、及び物体認識装置50によって構成されている。更に、視差導出装置20は、撮像装置10a、撮像装置10b、信号変換装置20a、信号変換装置20b、及び画像処理装置30を備えている。
【0027】
撮像装置10aは、前方の光景を撮像して画像を表すアナログ信号を生成するものであり、撮像レンズ11a、絞り12a、画像センサ13aを備えている。撮像レンズ11aは、撮像レンズ11aを通過する光を屈折させて物体の像を結像させるための光学素子である。絞り12aは、撮像レンズ11aを通過した光の一部を遮ることによって、後述する画像センサ13aに入力される光の量を調整する。画像センサ13aは、撮像レンズ11a及び絞り12aから入力された光を電気的なアナログの画像信号に変換する半導体の素子であり、CCD(Charge Coupled Devices)やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)等によって実現される。なお、撮像装置10bは撮像装置10aと同じ構成を備えているため、撮像装置10bについての説明は省略する。また、撮像レンズ11aと撮像レンズ11bは、それぞれのレンズ面が互いに同一平面内になるように設置されている。
【0028】
また、信号変換装置20aは、撮像された画像を表すアナログ信号をデジタル形式の画像データに変換するものであり、CDS(Correlated Double Sampling)21a、AGC(Auto Gain Control)22a、ADC(Analog Digital Converter)23a、及びフレームメモリ24aを備えている。CDS21aは、画像センサ13aによって変換されたアナログの画像信号から相関二重サンプリングによってノイズを除去する。AGC22aは、CDS21aによってノイズが除去されたアナログの画像信号の強度を制御する利得制御を行う。ADC23aは、AGC22aによって利得制御されたアナログの画像信号をデジタル形式の画像データに変換する。フレームメモリ24aは、ADC23aによって変換された画像データを記憶する。
【0029】
同様に、信号変換装置20bは、撮像装置10bによって変換されたアナログの画像信号から画像データを取得するものであり、CDS21b、AGC22b、ADC23b、及びフレームメモリ24bを有している。なお、CDS21b、AGC22b、ADC23b、及びフレームメモリ24bはそれぞれCDS21a、AGC22a、ADC23a、及びフレームメモリ24aと同じ構成であるため、それらについての説明は省略する。
【0030】
更に、画像処理装置30は、信号変換装置20a及び信号変換装置20bによって変換された画像データを処理するための装置である。この画像処理装置30は、FPGA(Field Programmable Gate Array)31、CPU(Central Processing Unit)32、ROM(Read Only Memory)33、RAM(Random Access Memory)34、I/F(Interface)35及び上記各構成要素31~35を
図3に示されているように電気的に接続するためのアドレスバスやデータバス等のバスライン39を備えている。
【0031】
このうち、FPGA31は、集積回路であり、ここでは、CPU32の命令に従って、画像データが表す画像における視差値Δを算出する処理を行う。CPU32は、視差値導出装置3の各機能を制御する。ROM33は、CPU32が視差値導出装置3の各機能を制御するために実行される画像処理用プログラムを記憶している。RAM34はCPU32のワークエリアとして使用される。
【0032】
I/F35は、物体認識装置50における後述I/F55とアドレスバスやデータバス等のバスライン4を介して通信するためのインターフェイスである。
【0033】
続いて、物体認識装置50のハードウェア構成について説明する。
図3に示されているように、物体認識装置50は、FPGA51、CPU52、ROM53、RAM54、I/F55、CAD I/F58及び上記各構成要素51~55,58を
図3に示されているように電気的に接続するためのアドレスバスやデータバス等のバスライン59を備えている。
【0034】
このうち、FPGA51、CPU52、ROM53、RAM54、I/F55、及びバスライン59は、それぞれ画像処理装置30におけるFPGA31、CPU32、ROM33、RAM34、I/F35、及びバスライン39と同様の構成であるため、説明を省略する。なお、I/F55は、画像処理装置30におけるI/F35とバスライン4を介して通信するためのインターフェイスである。また、ROM53は、CPU52が物体認識装置50の各機能を制御するために実行される物体認識用プログラムを記憶している。
【0035】
CAN I/F58は、外部コントローラ等と通信するためのインターフェイスであり、例えば、車両のCAN(Controller Area Network)等に接続されることができる。
【0036】
このような構成により、画像処理装置30のI/F35からバスライン4を介して物体認識装置50に高密度視差画像が送信されると、物体認識装置50におけるCPU52の命令によって、FPGA51が、撮像装置10a,10bと物体Eとの間の距離Zを算出する。なお、物体認識装置50におけるCPU52の命令によってFPGA51が距離Zを算出せずに、画像処理装置30のCPU32の命令によってFPGA31が距離Zを算出してもよい。
【0037】
また、上記各プログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルで、コンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して流通させてもよい。この記録媒体は、CD-ROM(Compact Disc Read Only Memory)やSDメモリカード(Secure Digital memory card)等である。
【0038】
(測距の原理)
図4を用いて、ステレオ画像法により、ステレオカメラから物体に対する視差を導き出し、この視差を示す視差値によって、ステレオカメラから物体までの距離を測定する原理について説明する。なお、
図4は、撮像装置から物体までの距離を導き出す原理の説明図である。また、以下では、説明を簡略化するため、複数の画素からなる所定領域ではなく、一画素単位で説明する。
【0039】
なお、一画素単位ではなく、複数の画素からなる所定領域単位で処理される場合、基準画素を含む所定領域は基準領域として示され、対応画素を含む所定領域は対応領域として示される。また、この基準領域には基準画素のみの場合も含まれ、対応領域には対応画素のみの場合も含まれる。
【0040】
((視差値算出))
まず、
図4で示される撮像装置10aおよび撮像装置10bによって撮像された各画像を、それぞれ基準画像Iaおよび比較画像Ibとする。なお、
図4では、撮像装置10aおよび撮像装置10bが平行等位に設置されているものとする。
図4において、3次元空間内の物体E上のS点は、撮像装置10aおよび撮像装置10bの同一水平線上の位置に写像される。すなわち、各画像中のS点は、基準画像Ia中の点Sa(x,y)および比較画像Ib中の点Sb(X,y)において撮像される。このとき、視差値Δは、撮像装置10a上の座標におけるSa(x,y)と撮像装置10b上の座標におけるSb(X,y)とを用いて、(式1)のように表される。
【0041】
Δ=X-x (式1)
ここで、
図4のような場合には、基準画像Ia中の点Sa(x,y)と撮像レンズ11aから撮像面上におろした垂線の交点との距離をΔaにし、比較画像Ib中の点Sb(X,y)と撮像レンズ11bから撮像面上におろした垂線の交点との距離をΔbにすると、視差値Δ=Δa+Δbとなる。
【0042】
((距離算出))
また、視差値Δを用いることで、撮像装置10a,10bと物体Eとの間の距離Zを導き出すことができる。具体的には、距離Zは、撮像レンズ11aの焦点位置と撮像レンズ11bの焦点位置とを含む面から物体E上の特定点Sまでの距離である。
図4に示されるように、撮像レンズ11a及び撮像レンズ11bの焦点距離f、撮像レンズ11aと撮像レンズ11bとの間の長さである基線長B、及び視差値Δを用いて、(式2)により、距離Zを算出することができる。
【0043】
Z=(B×f)/Δ (式2)
この(式2)により、視差値Δが大きいほど距離Zは小さく、視差値Δが小さいほど距離Zは大きくなる。
【0044】
この距離Zがどの対象点でも一定であれば、路面rs1に凹凸がなく、一定でない場合、凹凸が存在することを検知することができる。また、その距離Zに応じて、どの程度の高さの山や深さの溝が存在するかを検出することができる。
【0045】
(データ管理装置、評価装置のハードウェア構成)
次に、
図5を用いて、データ管理装置、及び評価装置のハードウェア構成について説明する。
図5は、データ管理装置、及び評価装置のハードウェア構成図である。
【0046】
図5に示されているように、データ管理装置4は、CPU(Central Processing Unit)401、ROM(Read Only Memory)402、RAM(Random Access Memory)403、HD(Hard Disk)404、HDD(Hard Disk Drive)コントローラ405、メディアI/F407、ディスプレイ408、ネットワークI/F409、キーボード411、マウス412、DVD-RW(Digital Versatile Disc-ReWritable)ドライブ214、及び、バスライン410を備えている。
【0047】
これらのうち、CPU401は、データ管理装置4全体の動作を制御する。ROM402は、CPU401の駆動に用いられるプログラムを記憶する。RAM403は、CPU401のワークエリアとして使用される。HD404は、プログラム等の各種データを記憶する。HDDコントローラ405は、CPU401の制御にしたがってHD404に対する各種データの読み出し又は書き込みを制御する。メディアI/F407は、フラッシュメモリ等の記録メディア406に対するデータの読み出し又は書き込み(記憶)を制御する。ディスプレイ408は、カーソル、メニュー、ウィンドウ、文字、又は画像などの各種情報を表示する。タッチパネル409は、利用者がディスプレイ408を押下することで、データ管理装置4を操作する入力手段の一種である。ネットワークI/F409は、インターネット等の通信ネットワークを利用してデータ通信をするためのインターフェースである。キーボード411は、文字、数値、各種指示などの入力のための複数のキーを備えた入力手段の一種である。マウス412は、各種指示の選択や実行、処理対象の選択、カーソルの移動などを行う入力手段の一種である。DVD-RWドライブ414は、着脱可能な記録媒体の一例としてのDVD-RW413に対する各種データの読み出し又は書き込みを制御する。
【0048】
また、評価装置8は、CPU801、ROM802、RAM803、HD804、HDDコントローラ805、メディアI/F807、ディスプレイ808、ネットワークI/F809、キーボード811、マウス812、DVD-RWドライブ814、及び、バスライン810を備えている。これらは、それぞれ上述の構成(CPU401、ROM402、RAM403、HD404、HDDコントローラ405、メディアI/F407、ディスプレイ408、ネットワークI/F409、キーボード411、マウス412、CD-RWドライブ414、及び、バスライン420)と同様の構成であるため、これらの説明を省略する。
【0049】
なお、DVD-RWドライブではなく、DVD-Rドライブ等であってもよい。また、データ管理装置4、及び評価装置8は、それぞれ単一のコンピュータによって構築されてもよいし、各部(機能、手段、又は記憶部)を分割して任意に割り当てられた複数のコンピュータによって構築されていてもよい。
【0050】
<機能構成>
続いて、
図6を用いて、評価装置の機能構成について説明する。
図6は、評価装置の機能ブロック図である。
図6に示されているように、評価装置は、記憶処理部82、映像位置関連付部83、測定位置特定部84、路面性状計測部85、損傷評価部86、調書作成部87、及び読出処理部89を有している。これら各部は、
図5に示されている各構成要素のいずれかが、HD804からRAM803上に展開されたプログラムに従ったCPU801からの命令によって動作することで実現される機能、又は機能する手段である。また、評価装置8は、
図5に示されているRAM803及びHD804によって構築される記憶部800を有している。
【0051】
記憶部800には、各路面映像データ、測定位置データ、周辺画像データ、走行距離データ、及び実際位置データが記憶されている。これらのうち、各路面映像データ、測定位置データ、周辺画像データ、及び走行距離データは、データ管理装置4から受け渡されたデータである。各路面映像データには、上述の撮影時刻情報が含まれている。測定位置データには、上述の測位時刻情報が含まれている。
【0052】
記憶処理部82は、記憶部800に対して各種データを記憶する処理を行う。
【0053】
映像位置関連付部83は、撮影時刻情報で示される時刻と測定時刻情報で示される時刻が同じ場合の各フレームデータ及び測定位置データを関連付ける。即ち、映像位置関連付部83は、撮影時刻情報で示された特定の時刻T1に路面カメラ2aから得られた対の(2つの)フレームデータ、及び同じく時刻T1に路面カメラ2bで得られた対の(2つの)フレームデータの合計である4つのフレームデータ、並びに、測定時刻情報で示された同じ特定の時刻T1にGNSSセンサ5から得られた測定位置データを関連付ける。なお、路面カメラ2はステレオカメラであるため、路面カメラ2a,2bで撮影されることによって得られたフレームデータは4つとなる。
【0054】
測定位置特定部84は、
図8に示されているように、映像位置関連付部83で時系列に関連付けられた各測定位置データで示される測定位置群Pmgと、実際位置データで示される評価開始の実際位置Pfsとを比較し、測定位置群Pmgの中から評価開始の実際位置Pfsに最も近い測定位置を評価開始の測定位置Pmsとして特定する。また同様に、測定位置特定部84は、映像位置関連付部83で時系列に関連付けられた各測定位置データで示される測定位置群Pmgと、実際位置データで示される評価終了の実際位置Pfeとを比較し、測定位置群Pmgの中から評価終了の実際位置Pfeに最も近い測定位置を評価終了の測定位置Pmeとして特定する。
【0055】
構造部性状計測部85は、各路面映像の対のフレームデータを用いて、
図4に示されているように、路面カメラ2から路面rs1の各位置までの距離を計算して表面性状を計測し、そのデータを路面性状計測データとして出力する。
【0056】
損傷評価部86は、構造部性状計測部85によって計測された表面性状、すなわち構造部性状計測部85が出力した路面性状計測データに基づき、路面rs1の損傷の有無を検出し、損傷がある場合には損傷の度合いを評価した評価結果データを出力する。
【0057】
調書作成部87は、損傷評価部86によって出力された評価結果データ、及び記憶部800に記憶されているデータ(道路台帳データ、周辺画像データ、及び走行距離データ)に基づいて、調書データを作成する。
【0058】
読出処理部89は、記憶部800から各種データ(情報)を読み出す処理を行う。
【0059】
<処理又は動作>
続いて、
図7乃至
図12を用いて、本実施形態の処理又は動作について説明する。
図7は、調書データを作成する処理を示したフローチャートである。
【0060】
図7に示されているように、評価装置8の読出処理部89は、記憶部800から、各路面映像データ及び各測定位置データを読み出す(S11)。この各路面映像データは、ステレオカメラとしての路面カメラ2から得られた対のフレームデータが、路面カメラ2の数に応じて構成されている。ここでは、ステレオカメラとしての路面カメラ2a,2bによって、各路面映像データは、合計4つのフレームデータによって構成されている。対のフレームデータには、単一の撮影時刻情報が付加されている。また、各測定位置データには測位時刻情報が付加されている。
【0061】
次に、映像位置関連付部83は、撮影時刻情報で示された特定の時刻T1に各路面カメラ2a,2bで撮影されることによって得られた4つのフレームデータ群、及び測定時刻情報で示された同じ特定の時刻T1にGNSSセンサ5で受信することによって得られた測定位置データを関連付ける(S12)。
【0062】
次に、読出処理部89は、記憶部800から、実際位置データを読み出す(S13)。そして、測定位置特定部84は、映像位置関連付部83で時系列に関連付けられた各測定位置データで示される測定位置群Pmgと、実際位置データで示される評価開始の実際位置Pfsとを比較し、測定位置群Pmgの中から評価開始の実際位置Pfsに最も近い測定位置を評価開始の測定位置Pmsとして特定する(S14)。ここで、
図8及び
図9を用いて、評価開始の測定位置Pmsの特定方法について説明する。
図8は、所定の評価区間における評価開始及び評価終了の実際位置、並びにGNSSセンサで測定された評価開始及び評価終了の測定位置を示した概念図である。
図9は、
図8における評価開始の実際位置の周辺を示した拡大図である。
【0063】
図8に示されているように、所定の評価区間は、道路R1上の評価開始の測定位置Pmsから評価終了の測定位置Pmeまでの区間である。
【0064】
評価開始の実際位置Pfs及び評価終了の実際位置Pfeは、道路管理者から取得された道路台帳に示された正確な位置であるため、本来であれば、評価区間は、評価開始の実際位置Pfsから評価終了の実際位置Pfeまでの道路R1に沿った区間にすべきである。しかし、GNSSセンサ5による測位の誤差があるため、測定位置群Pmgで示される軌跡で測位される。
【0065】
そこで、本実施形態では、
図9に示されているように、測定位置特定部84が、実際位置Pfsに最も近い測定位置が評価開始の位置として特定する。ここでは、測定位置pm3が、評価開始の測定位置Pmsとして特定される。なお、
図9には、参考までに、評価開始の実際位置Pfsを中心とした円であるGNSSセンサ5による測位の誤差範囲em1も示されている。
【0066】
また同様に、測定位置特定部84は、映像位置関連付部83で時系列に関連付けられた各測定位置データで示される測定位置群Pmgと、実際位置データで示される評価終了の実際位置Pfeとを比較し、測定位置群Pmgの中から評価終了の実際位置Pfeに最も近い測定位置を評価終了の測定位置Pmeとして特定する(S15)。
【0067】
読出処理部89は、記憶部800から、測定位置群Pmgのうち、評価開始の測定位置Pmsから評価終了の測定位置Pmeまでの各測定位置に関連付けられた各対の路面映像の4つのフレームデータを読み出す(S16)。
【0068】
次に、路面性状計測部85は、各対の路面映像の4つのフレームデータに基づいて、路面性状を計測する(S17)。そして、損傷評価部86は、測定位置特定部84で特定された評価開始の測定位置Pms及び評価終了の測定位置Pmeで定められ評価範囲の区画毎に、
路面の損傷の評価を行う(S18)。この場合、道路の任意の評価区間における評価終了の測定位置と、連続して隣り合う次の評価区間における評価開始の測定位置は同じであるため、路面性状計測部85は、いずれか一方の測定位置を利用しなくてもよい。
【0069】
次に、読出処理部89は、記憶部800から、周辺画像データ及び走行距離データを読み出す(S19)。そして、調書作成部87は、損傷評価部86による評価結果、並びに、道路台帳データ、周辺画像データ及び走行距離データに基づいて、調書データを作成する(S20)。この調書データは、
図10乃至
図12に示されている。
【0070】
図10は、道路管理者が求める様式Aの調書を示した図である。
図11は、道路管理者が求める様式Bの調書を示した図である。
図12は、道路管理者が求める評価図を示した図である。
【0071】
図10に示されている様式Aの調書には、上部に路線名等の書誌的事項、下部に区画毎に、位置情報や、路面性状調査及び測定値等の評価結果が示されている。評価結果には、MCI(Maintenance Control Index:舗装の維持管理指数)が含まれている。このMCIは、舗装の供用性を「ひび割れ率」、「わだち掘れ量」及び「平たん性(σ)」という路面性状値によって定量的に評価した結果を示す情報である。MCIの数値が低いほど、舗装の劣化が大きい。そして、様式Aの調書は、損傷評価部86による評価結果及び実際位置データ等に基づいて作成される。なお、区間長(ここでは、100m)は、道路管理者によって定められる
図11に示されている様式Bの調書には、最上部に書誌的事項、その下に区間毎に評価結果及び区画の開始位置の周辺画像が示されている。この場合の評価結果にも、MCIが含まれている。そして、様式Bの調書は、損傷評価部86による評価結果及び周辺画像データ並びに実際位置データ等に基づいて作成される。
【0072】
図12に示されている評価図には、MCIが地図上で視覚的に表されている。MCIの数値が高いほど、
最上部に書誌的事項、その下に区間毎に評価結果及び区画の開始位置の周辺画像が示されている。そして、様式Bの調書は、損傷評価部86による評価結果及び周辺画像データ並びに実際位置データ等の道路台帳データに基づいて作成される。
【0073】
<実施形態の効果>
以上説明したように本実施形態によれば、評価装置8は、同じ時刻T1に取得された各路面映像の対のフレームデータと測定位置データを関連付けて、実際位置データに最も近い測定位置データに関連付けられている対のフレームデータを特定する。評価装置8は、この特定した対のフレームデータを利用して、道路等の構造物の各評価区間を定めることができる。そのため、従来のように、路面性状調査の事前作業において、人手により白線等の路面指標を描画する等の工数負担を軽減させることができるという効果を奏する。
【0074】
また、評価開始の測定位置と評価終了の測定位置がより正確に特定できるため、過去の同じ測定区間(評価区間)に対して路面の損傷評価を行うことができる。これにより、同じ測定区間における経時的変化を評価することができるという効果を奏する。
【0075】
<補足>
上記実施形態では、路面rs1の表面性状を計測するための情報を取得するために、計測手段の一例として路面カメラ2を用いているが、これに限られるものではない。計測手段の他の例として、レーザ照射装置とカメラから構成される光切断計測機材や、距離認識が可能な単眼カメラ等が挙げられる。
【0076】
また、測定位置特定部84は、
図9において、最初に誤差範囲em1内の測定位置(ここでは、測定位置Pm2,Pm3,Pm4)に絞り込んだ後に、評価開始の実際位置Pfsから最も近い測定位置(ここでは、測定位置Pm3)を特定してもよい。この絞り込みの処理は、評価終了の測定位置を特定する場合についても同様に行ってもよい。
【符号の説明】
【0077】
1 車両
2 路面カメラ(計測手段の一例)
2a 路面カメラ(計測手段の一例)
2b 路面カメラ(計測手段の一例)
3 周辺カメラ
4 データ管理装置
5 GNSSセンサ(測位手段の一例)
6 距離計測装置(距離計測手段の一例)
8 評価装置
82 記憶処理部
83 映像位置関連付部
84 測定位置特定部(測定位置特定手段の一例)
85 性状計測部(性状計測手段の一例)
86 損傷評価部(損傷評価手段の一例)
87 調書作成部
89 読出処理部
800 記憶部
【先行技術文献】
【特許文献】
【0078】