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特許7115403ウェーハの回転検出方法及びウェーハの回転検出システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-01
(45)【発行日】2022-08-09
(54)【発明の名称】ウェーハの回転検出方法及びウェーハの回転検出システム
(51)【国際特許分類】
   G01D 5/347 20060101AFI20220802BHJP
   G01D 5/245 20060101ALI20220802BHJP
   H01L 21/68 20060101ALI20220802BHJP
   H01L 21/304 20060101ALI20220802BHJP
【FI】
G01D5/347 110A
G01D5/245 110J
H01L21/68 M
H01L21/304 648G
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2019075856
(22)【出願日】2019-04-11
(65)【公開番号】P2020173193
(43)【公開日】2020-10-22
【審査請求日】2021-04-12
(73)【特許権者】
【識別番号】302006854
【氏名又は名称】株式会社SUMCO
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100165696
【弁理士】
【氏名又は名称】川原 敬祐
(74)【代理人】
【識別番号】100164448
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 雄輔
(72)【発明者】
【氏名】神野 清治
(72)【発明者】
【氏名】浅井 大作
【審査官】吉田 久
(56)【参考文献】
【文献】特開平10-289889(JP,A)
【文献】特開2009-8566(JP,A)
【文献】特開2012-79909(JP,A)
【文献】特開2016-152382(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01D 5/26-5/38
G01D 5/12-5/252
H01L 21/68、21/304
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウェーハを回転させる駆動ローラにより前記ウェーハを回転させながら、前記ウェーハを洗浄する、ウェーハ洗浄工程において、
検出部により、前記ウェーハの回転に追従して回転するスレーブローラの回転状態を検出して、前記ウェーハの回転を検出し、
前記スレーブローラに、前記スレーブローラの回転にさらに追従して回転するサブローラが連結され、
前記サブローラの周上のいずれかの位置に、切り欠き部が設けられ、
照射されたレーザが前記サブローラの前記切り欠き部を所定の周期で通過するか否かに基づいて、前記ウェーハの回転を検出し、
前記サブローラの前記切り欠き部の最大径は、前記ウェーハのノッチ部の深さより大きいことを特徴とする、ウェーハの回転検出方法。
【請求項2】
ウェーハを回転させる駆動ローラにより前記ウェーハを回転させながら、前記ウェーハを洗浄する、ウェーハ洗浄工程において、
検出部により、前記ウェーハの回転に追従して回転するスレーブローラの回転状態を検出して、前記ウェーハの回転を検出し、
前記スレーブローラの周上のいずれかの位置に、切り欠き部が設けられ、
照射されたレーザが前記スレーブローラの前記切り欠き部を所定の周期で通過するか否かに基づいて、前記ウェーハの回転を検出し、
前記スレーブローラの前記切り欠き部の最大径は、前記ウェーハのノッチ部の深さより大きいことを特徴とする、ウェーハの回転検出方法。
【請求項3】
前記検出部は、透過型レーザセンサである、請求項1又は2に記載のウェーハの回転検出方法。
【請求項4】
ウェーハを回転させる駆動ローラと、
前記ウェーハの回転に追従して回転するスレーブローラと、
前記スレーブローラの回転を検出する、検出部と、を備え、
前記検出部は、前記スレーブローラの回転を検出して、前記ウェーハの回転を検出し、
前記スレーブローラに、前記スレーブローラの回転にさらに追従して回転するサブローラが連結され、
前記サブローラの周上のいずれかの位置に、切り欠き部が設けられ、
前記検出部は、照射されたレーザが前記サブローラの前記切り欠き部を所定の周期で通過するか否かに基づいて、前記ウェーハの回転を検出し、
前記サブローラの前記切り欠き部の最大径は、前記ウェーハのノッチ部の深さより大きいことを特徴とする、ウェーハの回転検出システム。
【請求項5】
ウェーハを回転させる駆動ローラと、
前記ウェーハの回転に追従して回転するスレーブローラと、
前記スレーブローラの回転を検出する、検出部と、を備え、
前記検出部は、前記スレーブローラの回転を検出して、前記ウェーハの回転を検出し、
前記スレーブローラの周上のいずれかの位置に、切り欠き部が設けられ、
前記検出部は、照射されたレーザが前記スレーブローラの前記切り欠き部を所定の周期で通過するか否かに基づいて、前記ウェーハの回転を検出し、
前記スレーブローラの前記切り欠き部の最大径は、前記ウェーハのノッチ部の深さより大きいことを特徴とする、ウェーハの回転検出システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ウェーハの回転検出方法及びウェーハの回転検出システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、ウェーハの製造においては、ウェーハの清浄度を高めるための洗浄工程が行われている(例えば、特許文献1)。洗浄工程においては、ウェーハを横置きまたは縦置きにするなどしてウェーハの表裏端面に目掛けてノズル等を設置しウェーハを回転させながらノズル等を介し洗浄液等を供給して、ウェーハ表裏端面の異物等を除去している。
【0003】
しかしながら、洗浄工程において、何らかの原因でウェーハの回転が停止してしまうと、ウェーハの表裏面や端面に汚れが残留してしまい、発塵源が形成されるおそれがある。このため、洗浄工程においては、ウェーハの回転を監視することが望まれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2013-243219号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
これに対し、ウェーハにレーザを照射し、レーザセンサを用いて、ウェーハが回転している場合にレーザが周期的にノッチ部を通過するのを検知することで、ウェーハの回転を監視することも考えられる。
しかしながら、洗浄工程においては、洗浄液等の飛沫が常に生じていること等に起因して、ウェーハの回転状態に対して誤検出が生じるおそれがある。
【0006】
そこで、本発明は、簡易な手法で、洗浄工程において、ウェーハの回転を正確に検出することができる、ウェーハの回転検出方法及びウェーハの回転検出システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の要旨構成は、以下の通りである。
(1)本発明のウェーハの回転検出方法は、
ウェーハを回転させる駆動ローラにより前記ウェーハを回転させながら、前記ウェーハを洗浄する、ウェーハ洗浄工程において、
検出部により、前記ウェーハの回転に追従して回転するスレーブローラの回転状態を検出して、前記ウェーハの回転を検出することを特徴とする。
【0008】
(2)本発明のウェーハの回転検出方法では、
前記スレーブローラに、前記スレーブローラの回転にさらに追従して回転するサブローラが連結され、
前記サブローラの周上のいずれかの位置に、切り欠き部が設けられ、
照射されたレーザが前記サブローラの前記切り欠き部を所定の周期で通過するか否かに基づいて、前記ウェーハの回転を検出することが好ましい。
【0009】
(3)上記(2)において、前記サブローラの前記切り欠き部の最大径は、前記ウェーハのノッチ部の深さより大きいことが好ましい。
ここで、「サブローラの切り欠き部の最大径」とは、平面視において、切り欠き部により区画されるサブローラのエッジ部、及び、切り欠き部が形成されていないと仮定した場合にサブローラの外縁となる仮想線(実際のサブローラの外縁を除く)からなる閉じた線内の2点間の距離のうち最大となる場合の該2点間の距離をいうものとする。
また、「ノッチ部の深さ」とは、ウェーハの平面視において、ノッチ部により区画されるウェーハのエッジ部から、ノッチ部が形成されていないと仮定した場合にウェーハの外縁となる仮想線(実際のウェーハの外縁を除く)までの距離を、ウェーハの径方向に計測した際に最大となる場合の該距離をいうものとする。
【0010】
(4)本発明のウェーハの回転検出方法では、
前記スレーブローラの周上のいずれかの位置に、切り欠き部が設けられ、
照射されたレーザが前記スレーブローラの前記切り欠き部を所定の周期で通過するか否かに基づいて、前記ウェーハの回転を検出することが好ましい。
【0011】
(5)上記(4)において、前記スレーブローラの前記切り欠き部の最大径は、前記ウェーハのノッチ部の深さより大きいことが好ましい。
ここで、「スレーブローラの切り欠き部の最大径」とは、平面視において、切り欠き部により区画されるスレーブローラのエッジ部、及び、切り欠き部が形成されていないと仮定した場合にスレーブローラの外縁となる仮想線(実際のスレーブローラの外縁を除く)からなる閉じた線内の2点間の距離のうち最大となる場合の該2点間の距離をいうものとする。
【0012】
(6)上記(2)~(5)のいずれかにおいて、前記検出部は、透過型レーザセンサであることが好ましい。
【0013】
(7)本発明のウェーハの回転検出方法では、
前記スレーブローラに、前記スレーブローラの回転にさらに追従して回転するサブローラが連結され、前記サブローラは、前記サブローラの回転状態の情報をエンコードするエンコーダを備え、
前記エンコーダによりエンコードされた前記サブローラの回転状態の情報に基づいて、前記ウェーハの回転を検出することが好ましい。
【0014】
(8)上記(7)において、前記検出部は、前記エンコーダによりエンコードされた前記サブローラの回転状態の情報を受信する受信部と、
前記受信部により受信した前記情報をデコードするデコーダと、を備えることが好ましい。
【0015】
(9)本発明のウェーハの回転検出方法では、
前記スレーブローラは、前記スレーブローラの回転状態の情報をエンコードするエンコーダを備え、
前記エンコーダによりエンコードされた前記スレーブローラの回転状態の情報に基づいて、前記ウェーハの回転を検出することが好ましい。
【0016】
(10)上記(9)において、
前記検出部は、前記エンコーダによりエンコードされた前記スレーブローラの回転状態の情報を受信する受信部と、
前記受信部により受信した前記情報をデコードするデコーダと、を備えることが好ましい。
【0017】
(11)本発明のウェーハの回転検出方法では、
前記スレーブローラに、前記スレーブローラの回転にさらに追従して回転するサブローラが連結され、前記サブローラの周上のいずれかの位置に、光を反射する反射部を設け、
前記サブローラの反射部により反射された光を所定の周期で受光するか否かに基づいて、前記ウェーハの回転を検出することが好ましい。
【0018】
(12)本発明のウェーハの回転検出方法では、
前記スレーブローラの周上のいずれかの位置に、光を反射する反射部を設け、
前記スレーブローラの反射部により反射された光を所定の周期で受光するか否かに基づいて、前記ウェーハの回転を検出することが好ましい。
【0019】
(13)上記(11)又は(12)において、前記検出部は、前記反射部に向けて照射されて、前記反射部により反射された光を検出することが好ましい。
【0020】
(14)本発明のウェーハの回転検出システムは、
ウェーハを回転させる駆動ローラと、
前記ウェーハの回転に追従して回転するスレーブローラと、
前記スレーブローラの回転を検出する、検出部と、を備え、
前記検出部は、前記スレーブローラの回転を検出して、前記ウェーハの回転を検出することを特徴とする。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、簡易な手法で、洗浄工程において、ウェーハの回転を正確に検出することができる、ウェーハの回転検出方法及びウェーハの回転検出システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本発明の第1の実施形態にかかるウェーハの回転検出システムの概要図である。
図2】本発明の第1の実施形態にかかるウェーハの回転検出システムに用いられる、スレーブローラ、サブローラ、透過型レーザ照射装置、及び検出部を示す、概略図である。
図3】切り欠きの寸法について説明するための図である。
図4】本発明の第2の実施形態にかかるウェーハの回転検出システムの概要図である。
図5】本発明の第2の実施形態にかかるウェーハの回転検出システムに用いられる、スレーブローラ、サブローラ、エンコーダ、及び検出部を示す、概略図である。
図6】本発明の第3の実施形態にかかるウェーハの回転検出システムの概要図である。
図7】本発明の第3の実施形態にかかるウェーハの回転検出システムに用いられる、スレーブローラ、サブローラ、光照射装置、反射部、及び検出部を示す、概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に例示説明する。
【0024】
(第1の実施形態)
<ウェーハの回転検出システム(第1の実施形態)>
図1は、本発明の第1の実施形態にかかるウェーハの回転検出システムの概要図である。
図1に示すように、このウェーハの回転検出システム100は、駆動ローラ1と、スレーブローラ2、3、4と、サブローラ2a、3a、4aと、抑えローラ5と、透過型レーザ照射装置6、7、8と、検出部9、10、11と、支持台12と、を備えている。
【0025】
駆動ローラ1は、ウェーハWを回転させるローラである。図1に示す例では、駆動ローラ1は、1つ設けられている。駆動ローラ1は、図示しないモータ等により回転するように構成され、この駆動モータ1が回転する力により、ウェーハWも回転するように構成される。なお、駆動ローラ1は、モータを備えているため、ウェーハWに位置ずれ等が生じた場合には、ウェーハWの回転が停止している場合でも、駆動ローラ1はモータにより回転する。
図示例では、駆動ローラ1は、ウェーハWを保持する保持台12により区画される凹部の角部に設けられているが、この場合に限定されず、様々な配置とすることができる。また、駆動ローラ1の個数も1つに限定されず、複数個とすることもできる。
【0026】
スレーブローラ2、3、4は、ウェーハWの回転に追従して回転するように構成されている。スレーブローラ2、3、4は、この例ではモータ等を有さず、ウェーハWと接していることにより、ウェーハWが回転するとスレーブローラ2、3、4も回転し、また、ウェーハWの回転が停止するとスレーブローラ2、3、4の回転も停止するように構成されている。
図示例では、3つのスレーブローラ2、3、4は、ウェーハWの図示下方向(重力の力の方向)に1箇所と、両側方に1箇所ずつ配置されているが、スレーブローラは1つ以上備えていれば良く、また、様々な配置とすることができる。
【0027】
サブローラ2a、3a、4aは、スレーブローラ2、3、4のそれぞれに連結され、それぞれスレーブローラ2、3、4の回転にさらに追従して回転する。サブローラ2a、3a、4aは、この例ではモータ等を有さず、それぞれ、スレーブローラ2、3、4が回転するとサブローラ2a、3a、4aも回転し、また、スレーブローラ2、3、4の回転が停止するとサブローラ2a、3a、4aの回転も停止するように構成されている。
従って、ウェーハW、各スレーブローラ2、3、4、及び各サブローラ2a、3a、4aの回転は、同期する(ウェーハWが回転していると、各スレーブローラ2、3、4、及び各サブローラ2a、3a、4aも回転し、かつ、ウェーハWが回転を停止すると、各スレーブローラ2、3、4、及び各サブローラ2a、3a、4aの回転も停止する)。
図示例では、3つのスレーブローラ2、3、4のそれぞれに、サブローラ2a、3a、4aを設けているが、第1の実施形態において、サブローラは、1つ以上設ければ良い。
図示例では、サブローラ2a、3a、4aは、それぞれ、スレーブローラ2、3、4に、同軸上に設けられている。また、図示例では、サブローラ2a、3a、4aの径は、それぞれが連結されているスレーブローラ2、3、4の径より大きい。なお、サブローラ2a、3a、4aの径及びスレーブローラ2、3、4の径は、ウェーハWの径より小さく、ウェーハWの径の0.05~0.2倍程度である。
【0028】
抑えローラ5は、ウェーハWの回転を安定させるものである。図示例では、ウェーハWの図示上方に1個設けられているが、抑えローラ5の個数は限定されず、配置も様々なものとすることができる。
【0029】
透過型レーザ照射装置6、7、8は、レーザ光を拡大して照射することができる装置であり、任意の既知の装置を用いることができる。
本例では、3つ全てのサブローラ2a、3a、4aの回転(従って、3つ全てのスレーブローラ2、3、4の回転)を検出するために、3つの透過型レーザ照射装置6、7、8を設けているが、第1の実施形態では、透過型レーザ照射装置の個数は1個以上とすることができる。
【0030】
検出部9、10、11は、スレーブローラ2、3、4の回転を検出するように構成されている。本例では、検出部7は、透過型レーザセンサである。検出部7は、後述するように、サブローラ2a、3a、4aの回転を検出して、スレーブローラ2、3、4の回転を検出することができる。
本例では、3つ全てのサブローラ2a、3a、4aの回転(従って、3つ全てのスレーブローラ2、3、4の回転)を検出するために、3つの検出部9、10、11を設けているが、検出部は1個以上設けていれば良く、該検出部により、1個以上のサブローラの回転(従って、スレーブローラの回転)を検出すれば良い。
【0031】
支持台12は、ウェーハWを回転可能に固定支持するものである。本例では、図示しない固定手段等をさらに備え、該固定手段により、ウェーハWが位置ずれしないように固定している。
【0032】
図2は、本発明の第1の実施形態にかかるウェーハの回転検出システムに用いられる、スレーブローラ、サブローラ、透過型レーザ照射装置、及び検出部を示す、概略図である。図2においては、スレーブローラ2、サブローラ2a、透過型レーザ照射装置6、及び検出部9を代表して示している。
図2に示すように、本例では、サブローラ2aは、スレーブローラ2に同軸上に連結され、そして、サブローラ2aは、スレーブローラ2が回転すると回転し、また、スレーブローラ2の回転が停止するとサブローラ2a、3a、4aの回転も停止するように構成されている。
【0033】
図2に示すように、本例では、サブローラ2aは、該サブローラ2aの周上の1箇所に、平面視で略半円状の、サブローラ2aの軸方向に貫通する切り欠き部2bを有している。
そして、本例では、透過型レーザ照射装置6は、サブローラ2aの軸方向に、サブローラ2aの外周領域の周上の所定の箇所に、レーザを照射することができるように配置されている。
本例では、検出部9は、透過型レーザ照射装置6により照射されるレーザの経路上に位置する。これにより、サブローラ2aの軸回りの回転時に、サブローラ2aの外周領域の周上の所定の箇所に上記の切り欠き部2bが位置した際(図示の状態)には、検出部9(透過型レーザセンサ)は、照射されたレーザを検出し、サブローラ2aの外周領域の周上の所定の箇所に、上記の切り欠き部2b以外の部分が位置した際には、検出部9(透過型レーザセンサ)は、照射されたレーザを検出しないこととなる。
従って、ウェーハWが回転している場合には、スレーブローラ2及びサブローラ2aも回転するため、検出部9は、照射されたレーザを所定の周期で検出することになり、一方で、ウェーハWの回転が停止している場合には、スレーブローラ2及びサブローラ2aの回転も停止するため、検出部9は、レーザを(上記所定の周期超の期間にわたって)検出しないこととなる(なお、偶々、切り欠き部2bの位置が周上のレーザの通過位置で停止した場合には、検出部9は、レーザを連続的に検出することになる)。
このようにして、検出部9により、照射されたレーザを所定の周期で検出している場合には、ウェーハWが回転しているものとし、一方で、検出部9により照射されたレーザを一定以上の期間検出しない場合(あるいは連続的に検出する場合)に、ウェーハWの回転が停止しているものとすることにより、ウェーハWの回転を検出することができる。
この場合、上記の一定以上の期間は、様々に設定することができ、例えば、ウェーハWの回転の停止を早期に検出した場合には、上記所定の周期の1周期分以上、あるいは、2~5周期分以上を一定以上の期間として設定することができる。あるいは、ウェーハWが回転しているにも関わらず、ウェーハWの回転が停止しているとの誤検出を抑制するためには、例えば20周期分以上の期間を一定以上の期間として設定することもできる。
このようにして、検出部9、10、11は、照射されたレーザを所定の周期で検出するか否かに基づいて、サブローラ2a、3a、4aの回転を検出する(従って、スレーブローラ2、3、4の回転を検出する)ことができる。よって、検出部9、10、11は、ウェーハWの回転に追従して回転するスレーブローラ2、3、4の回転状態を検出して、ウェーハWの回転を検出することができる。
【0034】
第1の実施形態において、上記の切り欠き部2bの形状は、様々なものとすることができ、上記のような平面視で、略半円状とすることもできるし、他にも例えば、平面視で、三角形状、四角形状、他の多角形状、円形状、楕円形状等とすることもできる。
また、上記の切り欠き部2bの最大径は、(ウェーハWがノッチ部を有する場合)ウェーハWのノッチ部の深さより大きいことが好ましい。切り欠き部2bには、洗浄工程における洗浄液等の飛沫が付着し、表面張力により膜を形成して、レーザの検出精度を低下される場合があることが判明した。そこで、切り欠き部2bの最大径をウェーハWのノッチ部の深さより大きくすることにより、膜が形成されにくくなって、検出部9、10、11によるレーザの検出精度を高めることができるからである。同様の理由により、切り欠き部2bの最大径を、透過型レーザのレーザ光径の1.5~2.5倍とすることが好ましい。
図3は、切り欠き2bの寸法について説明するための図である。上記の切り欠き部2bの大きさは、特には限定されないが、例えば、図示のように、幅w(平面視で、深さに直交する方向の最大長さ)を3.5~6mm、深さh(ウェーハWの径方向の最大長さ)を3.5~6mmとすることができる。
このような寸法とすることによっても、切り欠き部2bに膜が形成されにくくなり、検出部9、10、11によるレーザの検出精度を高めることができる。
【0035】
本例では、3つのスレーブローラ2、3、4の全てに、切り欠き部2b、3b、4bを有するサブローラ2a、3a、4aを設け、検出部9、10、11により、サブローラ2a、3a、4aの回転(従って、スレーブローラ2、3、4の回転)を検出して、ウェーハWの回転を検出している。
このような場合には、いずれか1つにおいて、ウェーハWの回転が停止したものと検出された場合に、ウェーハWの回転が停止したものと判断することができる。一方で、ウェーハWが回転しているにも関わらず、ウェーハWの回転が停止しているとの誤検出を抑制するためには、いずれか複数において、ウェーハWの回転が停止したものと検出された場合に、ウェーハWの回転が停止したものと判断することもできる。
【0036】
なお、切り欠き部が各サブローラに設けられている場合において、各切り欠き部の形状や大きさは、同一とすることもできるが、互いに異ならせることもできる。
【0037】
以上のように、第1の実施形態においては、ウェーハの回転検出システム100は、ウェーハWを回転させる駆動ローラ1と、ウェーハWの回転に追従して回転するスレーブローラ2、3、4と、スレーブローラ2、3、4の回転を検出する、検出部9、10、11と、を備え、検出部9、10、11は、スレーブローラ2、3、4の回転を検出して(照射されたレーザが所定の周期で通過するか否かに基づいて、サブローラ2a、3a、4aの回転を検出することによる)、ウェーハWの回転を検出する。
【0038】
<ウェーハの回転検出方法(第1の実施形態)>
第1の実施形態においては、ウェーハの回転検出方法は、ウェーハWを回転させる駆動ローラ1により、ウェーハWを回転させながらウェーハWを洗浄する、ウェーハ洗浄工程において、検出部9、10、11により、ウェーハWの回転に追従して回転するスレーブローラ2、3、4の回転を検出して(照射されたレーザが所定の周期で通過するか否かに基づいて、サブローラ2a、3a、4aの回転を検出することによる)、ウェーハWの回転を検出する。
以下、第1の実施形態の作用効果について説明する。
【0039】
第1の実施形態にかかるウェーハの回転検出システムによれば、検出部9、10、11は、スレーブローラ2、3、4の回転を検出して(照射されたレーザが所定の周期で通過するか否かに基づいて、サブローラ2a、3a、4aの回転を検出することによる)に基づいて、ウェーハWの回転を検出することができる。
照射されたレーザがウェーハWのノッチ部を所定の周期で通過するか否かによりウェーハWの回転を検出する場合には、ウェーハWの径が大きいため単位時間当たりの回転数が少なく、また、ノッチ部のサイズが規格等によって定められており通常小さいことから、ノッチ部に液膜が形成されやすく、照射されたレーザがノッチ部を通過するタイミングであっても、検出部がレーザを検出することができない場合があり、ウェーハWの回転が停止したものと誤検出する場合があった。
これに対し、第1の実施形態にかかるウェーハの回転検出システムでは、照射されたレーザが、サブローラ2a、3a、4aに設けた切り欠き部2b、3b、4bを所定の周期で通過するか否かにより、サブローラ2a、3a、4aの回転を検出している。サブローラ2a、3a、4aの径はウェーハWの径より小さく、単位時間の回転数が多いため、切り欠き部2b、3b、4bに液膜が形成されにくく、上記のような誤検出を抑制して、ウェーハWの回転を正確に検出することができる。
さらに、第1の実施形態では、(スレーブローラ2、3、4ではなく)サブローラ2a、3a、4aに、切り欠き部2b、3b、4bを設けているため、切り欠き部2b、3b、4bと、レーザの発光位置(本例では透過型レーザ照射装置6の位置)やレーザの受光位置(本例では検出部9、10、11の位置)との距離を容易に調整することができ、これによりセンシング距離を近づける(10cm以下とすることが好ましく、8cm以下とすることがより好ましく、6cm以下とすることがさらに好ましい)等して、検出部9、10、11によるレーザの検出精度を高めることができる。
また、本例では、サブローラ2a、3a、4aの切り欠き部2b、3b、4bの最大径は、ウェーハWのノッチ部の深さより大きいため、より一層、膜が形成されにくくなっている。
さらに、ウェーハWのノッチ部の場合と異なり、サブローラ2a、3a、4aに設ける切り欠き部2b、3b、4bは形状や寸法を調整することも容易であり、例えば上記のように、幅wを3.5~6mm、深さhを3.5~6mmとし、及び/又は、平面視半円状の形状とすることにより、さらに膜が形成されにくくなっている。
以上のように、第1の実施形態のウェーハの回転検出システムによれば、(大掛かりな装置等を必要とせず)簡易な手法で、洗浄工程において、ウェーハの回転を正確に検出することができる。
【0040】
第1の実施形態にかかるウェーハの回転検出方法によれば、検出部9、10、11により、ウェーハWの回転に追従して回転するスレーブローラ2、3、4の回転を検出する(照射されたレーザが所定の周期で通過するか否かに基づいて、サブローラ2a、3a、4aの回転を検出することによる)に基づいて、ウェーハWの回転を検出している。
よって同様に、第1の実施形態のウェーハの回転検出方法によれば、簡易な手法で、洗浄工程において、ウェーハの回転を正確に検出することができる。
【0041】
<第1の実施形態の変形例>
上記第1の実施形態は、種々の変形が可能である。一例としては、サブローラ2a、3a、4aを設けることなく、スレーブローラ2、3、4の周上のいずれかの位置に、切り欠き部2b、3b、4bが設けられ、照射されたレーザがスレーブローラ2、3、4の切り欠き部2b、3b、4bを所定の周期で通過するか否かに基づいて(スレーブローラ2、3、4の回転を検出することにより)、ウェーハWの回転を検出することもできる。
この場合でも、簡易な手法で、洗浄工程において、ウェーハの回転を正確に検出することができる。
この場合も、スレーブローラ2、3、4の切り欠き部2b、3b、4bの最大径は、ウェーハWのノッチ部の深さより大きいことが好ましい。同様の理由により、切り欠き部2bの最大径を、透過型レーザのレーザ光径の1.5~2.5倍とすることが好ましい。
また、この場合も、切り欠き部2bの形状は、様々なものとすることができ、上記のように、平面視で略半円状にすることもでき、他にも例えば、平面視で、三角形状、四角形状、他の多角形状、円形状、楕円形状等とすることもできる。
また、一例としては、切り欠き部2b、3b、4bの寸法は、幅wを3.5~6mm、深さhを3.5~6mmとすることができる。
また、この場合も、検出部9、10、11は、透過型レーザセンサとすることが好ましい。
【0042】
(第2の実施形態)
<ウェーハの回転検出システム(第2の実施形態)>
図4は、本発明の第2の実施形態にかかるウェーハの回転検出システムの概要図である。図5は、本発明の第2の実施形態にかかるウェーハの回転検出システムに用いられる、スレーブローラ、サブローラ、エンコーダ、及び検出部を示す、概略図である。図5においては、スレーブローラ2、サブローラ2a、エンコーダ13、及び検出部16を代表して示している。
図4、5に示すように、このウェーハの回転検出システム200は、駆動ローラ1と、スレーブローラ2、3、4と、サブローラ2a、3a、4aと、抑えローラ5と、エンコーダ13、14、15と、検出部16、17、18と、を備えている。
【0043】
駆動ローラ1、スレーブローラ2、3、4、サブローラ2a、3a、4b、抑えローラ5の構成については(第2の実施形態では、サブローラ2a、3a、4aに切り欠き部2b、3b、4bが設けられていないことを除いて)、図1に示した第1の実施形態と同様であるため、説明を省略する。
【0044】
エンコーダ13、14、15は、サブローラ2a、3a、4aの回転状態の情報をエンコードするものであり、各サブローラ2a、3a、4aに設けられている。このエンコーダは、例えば、回転の機械的変位量を電気信号に変換する、ロータリーエンコーダとすることができる。
【0045】
本例では、検出部16、17、18は、エンコーダ13、14、15によりエンコードされたサブローラ2a、3a、4aの回転状態の情報を受信する受信部(不図示)と、受信部により受信した情報をデコードするデコーダ(不図示)と、を備える。
【0046】
以上のように、第2の実施形態においては、ウェーハの回転検出システム200は、ウェーハWを回転させる駆動ローラ1と、ウェーハWの回転に追従して回転するスレーブローラ2、3、4と、スレーブローラ2、3、4の回転を検出する、検出部9、10、11と、を備え、検出部16、17、18は、スレーブローラ2、3、4の回転を検出して(エンコーダ13、14、15によりエンコードされた、サブローラ2a、3a、4aの回転状態の情報を受信部により受信し、デコーダによりデコードして、サブローラ2a、3a、4aの回転を検出することによる)、ウェーハWの回転を検出する。
【0047】
<ウェーハの回転検出方法(第2の実施形態)>
第2の実施形態においては、ウェーハの回転検出方法は、ウェーハWを回転させる駆動ローラ1により、ウェーハWを回転させながらウェーハWを洗浄する、ウェーハ洗浄工程において、検出部16、17、18により、ウェーハWの回転に追従して回転するスレーブローラ2、3、4の回転を検出して(エンコーダ13、14、15によりエンコードされた、サブローラ2a、3a、4aの回転状態の情報を受信部により受信し、デコーダによりデコードして、サブローラ2a、3a、4aの回転を検出することによる)、ウェーハWの回転を検出する。
以下、第2の実施形態の作用効果について説明する。
【0048】
第2の実施形態にかかるウェーハの回転検出システムによれば、検出部16、17、18は、スレーブローラ2、3、4の回転を検出して(エンコーダ13、14、15によりエンコードされた、サブローラ2a、3a、4aの回転状態の情報を受信部により受信し、デコーダによりデコードして、サブローラ2a、3a、4aの回転を検出することによる)、ウェーハWの回転を検出することができる。
照射されたレーザがウェーハWのノッチ部を所定の周期で通過するか否かによりウェーハWの回転を検出する場合には、上述した原因により、ウェーハWの回転が停止したものと誤検出する場合があった。
これに対し、第2の実施形態にかかるウェーハの回転検出システムでは、ノッチ部や切り欠き部ではなく、エンコーダ13、14、15によりエンコードされた、サブローラ2a、3a、4aの回転状態の情報に基づいて、サブローラ2a、3a、4aの回転(従って、スレーブローラ2、3、4の回転)を検出しているため、上記のような原因による誤検出を生じさせることなく、ウェーハWの回転を正確に検出することができる。
以上のように、第2の実施形態のウェーハの回転検出システムによっても、(大掛かりな装置等を用いることなく)簡易な手法で、洗浄工程において、ウェーハの回転を正確に検出することができる。
【0049】
第2の実施形態にかかるウェーハの回転検出方法によれば、検出部16、17、18により、ウェーハWの回転に追従して回転するスレーブローラ2、3、4の回転を検出して(エンコーダ13、14、15によりエンコードされた、サブローラ2a、3a、4aの回転状態の情報を受信部により受信し、デコーダによりデコードして、サブローラ2a、3a、4aの回転を検出することによる)、ウェーハWの回転を検出している。
よって同様に、第2の実施形態のウェーハの回転検出方法によれば、簡易な手法で、洗浄工程において、ウェーハの回転を正確に検出することができる。
【0050】
<第2の実施形態の変形例>
上記第2の実施形態は、種々の変形が可能である。一例としては、サブローラ2a、3a、4aを設けることなく、スレーブローラ2、3、4が、スレーブローラ2、3、4の回転状態の情報をエンコードするエンコーダを備え、エンコーダによりエンコードされたスレーブローラ2、3、4の回転を検出して、ウェーハWの回転を検出するように構成することもできる。
この場合、検出部は、エンコーダによりエンコードされたスレーブローラ2、3、4の回転状態の情報を受信する受信部と、受信部により受信した情報をデコードするデコーダと、を備えることが好ましい。
この場合でも、簡易な手法で、洗浄工程において、ウェーハの回転を正確に検出することができる。
【0051】
(第3の実施形態)
<ウェーハの回転検出システム(第3の実施形態)>
図6は、本発明の第3の実施形態にかかるウェーハの回転検出システムの概要図である。図7は、本発明の第3の実施形態にかかるウェーハの回転検出システムに用いられる、スレーブローラ、サブローラ、光照射装置、反射部、及び検出部を示す、概略図である。図7においては、スレーブローラ2、サブローラ2a、光照射装置19、反射部22、及び検出部27を代表して示している。
図6、7に示すように、このウェーハの回転検出システム300は、駆動ローラ1と、スレーブローラ2、3、4と、サブローラ2a、3a、4aと、抑えローラ5と、光照射装置19、20、21と、反射部22、23、24と、検出部25、26、27と、を備えている。
【0052】
駆動ローラ1、スレーブローラ2、3、4、サブローラ2a、3a、4b、抑えローラ5の構成については(第3の実施形態においては、サブローラ2a、3a、4aに切り欠き部2b、3b、4bが設けられていないことを除いて)、図1に示した第1の実施形態と同様であるため、説明を省略する。
【0053】
光照射装置19、20、21は、サブローラ2a、3a、4aの周上の所定の位置に光を照射するものであり、光を照射する任意の既知の装置とすることができる。
【0054】
反射部22、23、24は、それぞれ、サブローラ2a、3a、4aの周上のいずれかの位置に設けられ、光照射装置19、20、21から照射された光を反射することができるものである。反射部22、23、24は、任意の既知のミラーとすることができる。
【0055】
検出部25、26、27は、反射部22、23、24により反射された光を検出するものである。検出部25、26、27は、光を検出することのできる任意の既知のユニットとすることができる。
光照射装置19、20、21、反射部22、23、24、及び検出部25、26、27は、反射部22、23、24に照射された光が、検出部25、26、27により受光することができるような位置関係とすれば良く、様々な配置とすることができる。
【0056】
光照射装置19、20、21から照射された光は、反射部22、23、24がサブローラ2a、3a、4aの回転によって周上の所定の箇所に位置した際(図7の状態)に、反射部22、23、24により反射される。従って、ウェーハWが回転している場合(スレーブローラ2、3,4及びサブローラ2a、3a、4aも回転している)には、検出部25、26、27は、サブローラ2a、3a、4aの回転による所定の周期で、(光照射装置19、20、21から照射され)反射部22、23、24により反射された光を受光することになる。一方で、ウェーハWの回転が停止した場合(スレーブローラ2、3,4及びサブローラ2a、3a、4aの回転も停止している)には、検出部9は、光を(上記所定の周期超の期間にわたって)受光しないこととなる(なお、偶々、反射部22、23、24が、光照射装置19、20、21が照射する光の通過位置で停止した場合には、検出部9は、光を連続的に受光することになる)。
【0057】
以上のように、第3の実施形態においては、ウェーハの回転検出システム300は、ウェーハWを回転させる駆動ローラ1と、ウェーハWの回転に追従して回転するスレーブローラ2、3、4と、スレーブローラ2、3、4の回転を検出する、検出部25、26、27と、を備え、検出部25、26、27は、スレーブローラ2、3、4の回転を検出して(反射部22、23、24により反射された光を所定の周期で受光するか否かに基づいて、サブローラ2a、3a、4aの回転を検出することによる)、ウェーハWの回転を検出する。
【0058】
<ウェーハの回転検出方法(第3の実施形態)>
第3の実施形態においては、ウェーハの回転検出方法は、ウェーハWを回転させる駆動ローラ1により、ウェーハWを回転させながらウェーハWを洗浄する、ウェーハ洗浄工程において、検出部25、26、27により、ウェーハWの回転に追従して回転するスレーブローラ2、3、4の回転を検出して(反射部22、23、24により反射された光を所定の周期で受光するか否かに基づいて、サブローラ2a、3a、4aの回転を検出することによる)、ウェーハWの回転を検出する。
以下、第3実施形態の作用効果について説明する。
【0059】
第3の実施形態にかかるウェーハの回転検出システムによれば、検出部25、26、27は、スレーブローラ2、3、4の回転を検出して(反射部22、23、24により反射された光を受光するか否かに基づいて、サブローラ2a、3a、4aの回転を検出することによる)に基づいて、ウェーハWの回転を検出することができる。
照射されたレーザがウェーハWのノッチ部を所定の周期で通過するか否かによりウェーハWの回転を検出する場合には、上述した原因により、ウェーハWの回転が停止したものと誤検出する場合があった。
これに対し、第3の実施形態にかかるウェーハの回転検出システムでは、ノッチ部や切り欠き部ではなく、反射部22、23、24により反射された光を所定の周期で受光するか否かに基づいて、サブローラ2a、3a、4aの回転を検出している(従ってスレーブローラ2、3、4の回転を検出している)ため、上記のような膜が形成されることによる誤検出を生じさせることなく、ウェーハWの回転を正確に検出することができる。
以上のように、第3の実施形態のウェーハの回転検出システムによれば、(大掛かりな装置等を用いることなく)簡易な手法で、洗浄工程において、ウェーハの回転を正確に検出することができる。
【0060】
第3の実施形態にかかるウェーハの回転検出方法によれば、検出部25、26、27により、ウェーハWの回転に追従して回転するスレーブローラ2、3、4の回転を検出して(反射部22、23、24により反射された光を受光するか否かに基づいて、サブローラ2a、3a、4aの回転を検出することによる)、ウェーハWの回転を検出している。
よって同様に、第3の実施形態のウェーハの回転検出方法によれば、簡易な手法で、洗浄工程において、ウェーハの回転を正確に検出することができる。
【0061】
<第3の実施形態の変形例>
上記第3の実施形態は、種々の変形が可能である。一例としては、サブローラ2a、3a、4aを設けることなく、スレーブローラ2、3、4の周上のいずれかの位置に、反射部22、23、24を設け、スレーブローラ2、3、4の反射部22、23、24により反射された光を所定の周期で受光するか否かに基づいて、ウェーハWの回転を検出するように構成することもできる。
この場合も、光照射装置19、20、21、反射部22、23、24、及び検出部25、26、27は、反射部22、23、24に照射された光が、検出部25、26、27により受光することができるような位置関係とすれば良く、様々な配置とすることができる。
この場合でも、簡易な手法で、洗浄工程において、ウェーハの回転を正確に検出することができる。
【0062】
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明は、以下の実施例には何ら限定されるものではない。
【実施例
【0063】
本発明の効果を確かめるため、ウェーハの洗浄工程において、ウェーハの回転を発明例及び比較例にかかる手法で検出し、ウェーハが回転していないものと検出されてアラームが発報された際に、ウェーハの実際の回転を目視確認した。アラームが発報された際に、ウェーハが回転していた場合に誤検出とした。35000枚のウェーハに対して、上記の試験を行った。
【0064】
<発明例>
径300mmのウェーハを35000枚用意した。
図1に示したように、3つのスレーブローラのそれぞれにサブローラを設けた。そして、1つのサブローラに、幅4mm、深さ4mmの切り欠き部を設け、1つの透過型レーザ照射装置(キーエンス社製LV-S72)により照射されたレーザが、透過型レーザセンサにより所定の期間検出されない場合にアラームを発報するように設定した。センシング距離を7cmとした。
【0065】
<比較例>
径300mmのウェーハを35000枚用意した。
幅3mm、深さ1mmのノッチ部に対し、1つの透過型レーザ照射装置(キーエンス社製LV-NH110)により照射されたレーザが、透過型レーザセンサにより所定の期間検出されない場合にアラームを発報するように設定した。センシング距離を15cmとした。
以下の表1に評価結果を示している。
【0066】
【表1】
【0067】
表1に示すように、比較例では0.01%の誤検出率であったのに対し、発明例では、誤検出は発生しなかった。このことから、発明例によれば、簡易な手法で、洗浄工程において、ウェーハの回転を正確に検出することができたことがわかる。
【符号の説明】
【0068】
100:ウェーハの回転検出システム、
1:駆動ローラ、
2、3、4:スレーブローラ、
2a、3a、4a:サブローラ、
2b、3b、4b:切り欠き部、
5:抑えローラ、
6、7、8:透過型レーザ照射装置、
9、10、11:検出部、
12:保持台、
200:ウェーハの回転検出システム、
13、14、15:エンコーダ、
16、17、18:検出部、
300:ウェーハの回転検出システム、
19、20、21:光照射装置、
22、23、24:反射部、
25、26、27:検出部、
W:ウェーハ、
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7