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特許7115511積層基板、電子デバイスの製造方法、および積層基板の製造方法
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  • 特許-積層基板、電子デバイスの製造方法、および積層基板の製造方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-01
(45)【発行日】2022-08-09
(54)【発明の名称】積層基板、電子デバイスの製造方法、および積層基板の製造方法
(51)【国際特許分類】
   B32B 17/10 20060101AFI20220802BHJP
   B32B 27/34 20060101ALI20220802BHJP
【FI】
B32B17/10
B32B27/34
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2020086860
(22)【出願日】2020-05-18
(65)【公開番号】P2020199767
(43)【公開日】2020-12-17
【審査請求日】2021-11-12
(31)【優先権主張番号】P 2019106248
(32)【優先日】2019-06-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000000044
【氏名又は名称】AGC株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100152984
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 秀明
(74)【代理人】
【識別番号】100168985
【弁理士】
【氏名又は名称】蜂谷 浩久
(72)【発明者】
【氏名】川崎 周馬
(72)【発明者】
【氏名】長尾 洋平
【審査官】南 宏樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-117615(JP,A)
【文献】特開2018-130837(JP,A)
【文献】特開2014-025059(JP,A)
【文献】特開2009-220386(JP,A)
【文献】国際公開第2017/099183(WO,A1)
【文献】国際公開第2018/012609(WO,A1)
【文献】特開2011-195937(JP,A)
【文献】特開2013-056977(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B32B 1/00-43/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガラス製の支持基材と、前記支持基材上に配置されるシリコーン樹脂層と、前記シリコーン樹脂層上に配置されるポリイミド樹脂層と、を備え、
前記シリコーン樹脂層の厚さは1μm超100μm以下であり、
前記ポリイミド樹脂層の前記支持基材とは反対側の表面上において、
長辺の長さが3μm以上50μm未満で、短辺の長さが50μm未満で、かつ、高さが5μm以下である凸部の数が0.60個/cm以下であり、
長辺の長さが3~1000μmで、短辺の長さが20μm以下で、かつ、深さが1μm以下である凹部の数が0.15個/cm以下である、積層基板。
【請求項2】
前記凸部のうち、長辺の長さが10μm以上50μm未満で、短辺の長さが50μm未満で、高さが1μm以下であり、NaおよびClの少なくとも1つの元素を含む第1凸部の数が、0.15個/cm以下である、請求項1に記載の積層基板。
【請求項3】
前記凸部のうち、長辺の長さが3μm以上20μm未満で、短辺の長さが20μm未満で、高さが5μm以下であり、SiおよびAlの少なくとも1つの元素を含む第2凸部の数が、0.25個/cm以下である、請求項1または2に記載の積層基板。
【請求項4】
前記凸部のうち、前記第1凸部および前記第2凸部以外の凸部であって、長辺の長さが3μm以上50μm未満で、短辺の長さが50μm未満で、高さが1μm以下である第3凸部の数が、0.30個/cm以下である、請求項3に記載の積層基板。
【請求項5】
前記凸部の数が、0.20個/cm以下である、請求項1~4のいずれか1項に記載の積層基板。
【請求項6】
前記凹部の数が、0.07個/cm以下である、請求項1~5のいずれか1項に記載の積層基板。
【請求項7】
請求項1~6のいずれか1項に記載の積層基板を用いて電子デバイスを製造する、電子デバイスの製造方法であって、
前記ポリイミド樹脂層上に前記シリコーン樹脂層をロール・ツー・ロール方式で形成して、シリコーン樹脂層付き基板を得る工程と、
前記シリコーン樹脂層付き基板のシリコーン樹脂層の表面に前記支持基材を積層して、前記積層基板を製造する工程と、
前記ポリイミド樹脂層の前記支持基材とは反対側の表面上に電子デバイス用部材を形成し、電子デバイス用部材付き積層基板を得る部材形成工程と、
前記電子デバイス用部材付き積層基板から、前記ポリイミド樹脂層および前記電子デバイス用部材を有する電子デバイスを得る分離工程と、を備える電子デバイスの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、積層基板、電子デバイスの製造方法および積層基板の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
太陽電池;液晶パネル(LCD);有機EL表示装置(OLED);電磁波、X線、紫外線、可視光線、赤外線等を感知する受信センサーパネル;等の電子デバイスを製造する際に、特許文献1に記載されるように、ポリイミド樹脂層を基板として用いる形態が開示されている。ポリイミド樹脂層は、ガラス基板上に設けられた積層基板の状態で用いられ、積層基板が電子デバイスの製造に提供されている。電子デバイスを形成した後、ポリイミド樹脂層とガラス基板とが分離される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】日本国特開2015-104843号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、有機エレクトロルミネッセンス(EL)表示装置に代表される電子デバイスの耐久性のより一層の向上が求められている。
本発明者らは、特許文献1に記載されるようなガラス製の支持基材とポリイミド樹脂層とを備えた積層基板を用いて、ポリイミド樹脂層上に電子デバイス用部材を形成して得られる電子デバイスの性能について検討したところ、耐久性に関してより一層の改善の余地があることを知見した。
本発明は、耐久性に優れる電子デバイス(例えば、有機EL表示装置)を製造可能な、ポリイミド樹脂層を備える積層基板を提供することを目的とする。
また、本発明は、電子デバイスの製造方法および積層基板の製造方法を提供することも目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者らは、鋭意検討した結果、以下の構成により上述の目的を達成できることを見出した。
【0006】
(1) ガラス製の支持基材と、支持基材上に配置されるポリイミド樹脂層と、を備え、 ポリイミド樹脂層の支持基材とは反対側の表面上において、
長辺の長さが3μm以上50μm未満で、短辺の長さが50μm未満で、かつ、高さが5μm以下である凸部の数が0.60個/cm以下であり、
長辺の長さが3~1000μmで、短辺の長さが20μm以下で、かつ、深さが1μm以下である凹部の数が0.15個/cm以下である、積層基板。
(2) 凸部のうち、長辺の長さが10μm以上50μm未満で、短辺の長さが50μm未満で、高さが1μm以下であり、NaおよびClの少なくとも1つの元素を含む第1凸部の数が、0.15個/cm以下である、(1)に記載の積層基板。
(3) 凸部のうち、長辺の長さが3μm以上20μm未満で、短辺の長さが20μm未満で、高さが5μm以下であり、SiおよびAlの少なくとも1つの元素を含む第2凸部の数が、0.25個/cm以下である、(1)または(2)に記載の積層基板。
(4) 凸部のうち、第1凸部および第2凸部以外の凸部であって、長辺の長さが3μm以上50μm未満で、短辺の長さが50μm未満で、高さが1μm以下である第3凸部の数が、0.30個/cm以下である、(3)に記載の積層基板。
(5) 凸部の数が、0.20個/cm以下である、(1)~(4)のいずれかに記載の積層基板。
(6) 凹部の数が、0.07個/cm以下である、(1)~(5)のいずれかに記載の積層基板。
(7) (1)~(6)のいずれかに記載の積層基板のポリイミド樹脂層の支持基材とは反対側の表面上に電子デバイス用部材を形成し、電子デバイス用部材付き積層基板を得る部材形成工程と、
電子デバイス用部材付き積層基板から、ポリイミド樹脂層および電子デバイス用部材を有する電子デバイスを得る分離工程と、を備える電子デバイスの製造方法。
(8) (1)~(6)のいずれかに記載の積層基板の製造方法であって、
フィルム状のポリイミド樹脂層と支持基材とを貼合して、積層基板を製造する、積層基板の製造方法。
(9) フィルム状のポリイミド樹脂層とポリイミド樹脂層の一方の表面上に配置された保護フィルムとを備える積層フィルムと支持基材とを貼合して、支持基材、ポリイミド樹脂層および保護フィルムがこの順に配置された積層体を得て、積層体から保護フィルムを剥離して、積層基板を製造する、(8)に記載の積層基板の製造方法。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、耐久性に優れる電子デバイス(例えば、有機EL表示装置)を製造可能な、ポリイミド樹脂層を備える積層基板を提供できる。
また、本発明によれば、電子デバイスの製造方法および積層基板の製造方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は本発明の実施形態の積層基板の第1の例を模式的に示す断面図である。
図2図2は本発明の実施形態の積層基板の第1の例中のポリイミド樹脂層の表面の拡大断面図である。
図3図3は凸部の長辺の長さおよび短辺の長さを説明するための図である。
図4図4は本発明の実施形態の積層基板の第2の例を模式的に示す断面図である。
図5図5は部材形成工程を模式的に示す断面図である。
図6図6は分離工程を模式的に示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。ただし、以下の実施形態は本発明を説明するための例示的なものであり、本発明は以下に示す実施形態に制限されることはない。なお、本発明の範囲を逸脱することなく、以下の実施形態に種々の変形および置換を加えることができる。
「~」を用いて表される数値範囲は、「~」の前後に記載される数値を下限値および上限値として含む範囲を意味する。
【0010】
本発明の積層基板の特徴点としては、ポリイミド樹脂層表面における所定の形状の凸部および凹部の数を調整している点が挙げられる。
本発明者らは、特許文献1に記載される従来の積層基板を用いて電子デバイスを製造した際に、得られる電子デバイスの耐久性が劣る原因として、ポリイミド樹脂層表面における所定の形状の凸部および凹部が関連していることを知見している。有機EL表示装置等の電子デバイスを製造する際には、スパッタリング等によって薄い層を形成するが、その際に、ポリイミド樹脂層上に所定の形状の凸部および凹部があると均一な層が形成できず、欠陥となりやすく、結果として得られる電子デバイスの性能が劣る。そこで、上記凸部および凹部の数を調整することにより、所望の効果が得られる。
【0011】
<積層基板>
[積層基板の第1の例]
図1は本発明の実施形態の積層基板の第1の例を模式的に示す断面図である。
第1の例の積層基板10は、ガラス製の支持基材12と、支持基材12上に配置されるポリイミド樹脂層14とを備える。
図1においては、ポリイミド樹脂層14は、支持基材12の表面12aよりも面積が小さく、支持基材12の表面12a全域に設けられていないが、この形態に制限されず、支持基材12の表面12a全域にポリイミド樹脂層14が配置されていてもよい。
【0012】
支持基材12は、ポリイミド樹脂層14を支持する部材であり、ポリイミド樹脂層14を補強する補強板として機能する。また、支持基材12は、積層基板10の搬送の際の搬送基板としても機能する。
積層基板10において、支持基材12とポリイミド樹脂層14とを引き剥がす方向に力を加えると、支持基材12とポリイミド樹脂層14とに分離される。
後段で詳述するが、ポリイミド樹脂層14は、電子デバイスの製造のために用いられる基板である。つまり、ポリイミド樹脂層14の表面14aに、電子デバイスを構成するトランジスタ、コイルおよび抵抗等の電子素子ならびに信号線等が形成される。
【0013】
図2は、本発明の実施形態の積層基板10中のポリイミド樹脂層14の表面14aの拡大断面図である。
ポリイミド樹脂層14の表面14aにおいては、図2に示す、長辺の長さが3μm以上50μm未満で、短辺の長さが50μm未満で、かつ、高さが5μm以下である凸部16の数が0.60個/cm以下である。なお、凸部16の短辺の長さおよび高さの下限としては、0μm超が挙げられる。また、後述する第1凸部~第3凸部の短辺の長さおよび高さの下限としても、0μm超が挙げられる。
なかでも、より耐久性に優れる電子デバイスが製造可能となる点(以下、単に「本発明の効果がより優れる点」ともいう。)から、凸部16の数は0.20個/cm以下が好ましい。下限としては、0.001個/cmが挙げられる。
なお、個/cmは、ポリイミド樹脂層14の表面14aの1cmあたりの凸部の数を表す。
上記凸部16の数の算出方法としては、まず、オルボテック社製オフライン欠陥検査システム(FPI-6000シリーズ(型番:FPI6090D))を用いて、ポリイミド樹脂層14の表面14a全域における全欠点の画像データおよび座標データを取得する。次に、取得したデータから、欠点の長辺の長さおよび短辺の長さを算出する。その後、全欠点に関して、オリンパス社製レーザー顕微鏡(OLE4100)で観察して、平坦部との差分から欠点の高さを算出する。その後、得られた各欠点の長辺の長さ、短辺の長さ、および、高さのデータから所定の範囲内である凸部の数を、算出する。
【0014】
なお、凸部16の長辺の長さおよび短辺の長さについて図3に基づいて説明する。
図3は、ポリイミド樹脂層14の表面14aの法線方向から凸部16を観察した図である。図3においては、凸部16は楕円形状である。
次に、図3に示すように、凸部16の外周に外接する平行な2本の接線のうち、接線間距離が最大となるように選ばれる平行な2本の接線の距離を長辺の長さLとし、長さLを与える平行な2本の接線に直交し、かつ、凸部16の外周に外接する平行な2本の接線のうち、接線間距離が最大となるように選ばれる平行な2本の接線の接線間距離を短辺の長さSとする。
なお、図3においては、ポリイミド樹脂層14の表面14aの法線方向から観察した際の凸部16の形状が楕円形状であるが、凸部16はこの形態に制限されず、真円状、多角形状、無定形状であってもよい。
【0015】
また、凸部16に含まれる元素に関して、SEM-EDX(走査型電子顕微鏡/エネルギー分散型X線分光法)を用いて測定できる。つまり、SEMでポリイミド樹脂層14の表面14aの所定の凸部16を観察して、EDXにてその凸部16に含まれる元素を特定できる。
凸部16に含まれる元素の具体例としては、C、O、Si、Al、Na、Cl、Fe、S、Mg、Ca、Fe、Ti、Zn、Cr、NiおよびCuが挙げられる。
なお、ポリイミド樹脂層14自体にもCおよびOの元素が含まれるが、凸部16にCおよびOの元素が含まれるか否かは、凸部16以外の位置におけるポリイミド樹脂層14のCおよびOの含有量との比較を行い、検出する。
【0016】
上記凸部のうち、長辺の長さが10μm以上50μm未満で、短辺の長さが50μm未満で、高さが1μm以下であり、NaおよびClの少なくとも1つの元素を含む第1凸部(以下、単に「第1凸部」ともいう。)の数は、本発明の効果がより優れる点から、0.15個/cm以下が好ましく、0.10個/cm以下がより好ましく、0.07個/cm以下がより好ましく、0.05個/cm以下がさらに好ましい。下限としては、0.001個/cmが挙げられる。
第1凸部が生じる理由の詳細は不明だが、含まれる元素の種類より、人体の汗に由来するものと推測される。
第1凸部には、NaおよびCl以外の元素が含まれていてもよく、例えば、CおよびOが挙げられる。
【0017】
上記凸部のうち、長辺の長さが3μm以上20μm未満で、短辺の長さが20μm未満で、高さが5μm以下であり、SiおよびAlの少なくとも1つの元素を含む第2凸部(以下、単に「第2凸部」ともいう。)の数は、本発明の効果がより優れる点から、0.25個/cm以下が好ましく、0.20個/cm以下がより好ましく、0.15個/cm以下がさらに好ましく、0.10個/cm以下が特に好ましく、0.07個/cm以下がより好ましい。下限としては、0.001個/cmが挙げられる。
第2凸部が生じる理由の詳細は不明だが、含まれる元素の種類より、ガラス製の支持基材に由来するものと推測される。
第2凸部には、SiおよびAl以外の元素が含まれていてもよく、例えば、CおよびOが挙げられる。
【0018】
上記凸部のうち、第1凸部および第2凸部以外の凸部であって、長辺の長さが3μm以上50μm未満で、短辺の長さが50μm未満で、高さが1μm以下である第3凸部(以下、単に「第3凸部」ともいう。)の数は、本発明の効果がより優れる点から、0.30個/cm以下が好ましく、0.25個/cm以下がより好ましく、0.20個/cm以下がさらに好ましく、0.15個/cm以下が特に好ましい。
上記のように、第3凸部は、第1凸部および第2凸部のいずれにも該当しない、所定の大きさの凸部である。
第3凸部の数の下限としては、0.001個/cmが挙げられる。
第3凸部に含まれる元素の種類の具体例としては、Ca、Fe、Ti、Ca、Cr、NiおよびCuが挙げられ、第3凸部は上記で列挙した元素のうち少なくとも1つを含むことが好ましい。
第3凸部が生じる理由の詳細は不明だが、環境中の上記で例示した元素を含むパーティクル、SUSなどの金属粉と推測される。
【0019】
ポリイミド樹脂層14の表面14aにおいては、図2に示す、長辺の長さが3~1000μmで、短辺の長さが20μm以下で、かつ、深さが1μm以下である凹部18の数が0.15個/cm以下である。なお、凹部18の短辺の長さおよび深さの下限としては、0μm超が挙げられる。
なかでも、本発明の効果がより優れる点から、凹部18の数は0.07個/cm以下が好ましい。下限としては、0.001個/cmが挙げられる。
上記凹部18の数の算出方法としては、オルボテック社製オフライン欠陥検査システム(FPI-6000シリーズ(型番:FPI6090D))を用いて、ポリイミド樹脂層14の表面14a全域における全欠点の画像データおよび座標データを取得する。次に、取得したデータから、欠点の長辺の長さおよび短辺の長さを算出する。その後、全欠点に関して、オリンパス社製レーザー顕微鏡(OLE4100)で観察して、平坦部との差分から欠点の深さを算出する。その後、得られた各欠点の長辺の長さ、短辺の長さ、および、深さのデータから所定の範囲内である凹部の数を、算出する。
【0020】
凹部18の長辺の長さおよび短辺の長さは、上述した凸部16の長辺の長さおよび短辺の長さと同様の手順によって、定義される。
具体的には、凹部18の外周に外接する平行な2本の接線のうち、接線間距離が最大となるように選ばれる平行な2本の接線の距離を長辺の長さLとし、長さLを与える平行な2本の接線に直交し、かつ、凹部18の外周に外接する平行な2本の接線のうち、接線間距離が最大となるように選ばれる平行な2本の接線の接線間距離を短辺の長さSとする。
なお、ポリイミド樹脂層14の表面14aの法線方向から観察した際の凹部18の形状は特に制限されず、真円状、楕円形状、多角形状、無定形状であってもよい。
【0021】
ポリイミド樹脂層14の表面14aにおいては、凸部16よりも大きい凸部は存在しないことが好ましい。凸部16よりも大きい凸部とは、長辺の長さが50μm以上であるか、短辺の長さが50μm以上であるか、または、高さが5μm超である、凸部を意味する。
また、ポリイミド樹脂層14の表面14aにおいては、凹部18よりも大きい凹部は存在しないことが好ましい。凹部18よりも大きい凹部とは、長辺の長さが1000μm超であるか、短辺の長さが20μm超であるか、または、深さが1μm超である、凹部を意味する。
【0022】
[積層基板の第1の例の製造方法]
第1の例である積層基板を製造する方法としては、上述した所定の凸部および凹部の数となるポリイミド樹脂層が形成されれば特に制限されないが、支持基材の表面上に、ポリイミド樹脂層を積層させる方法が好ましい。
なお、支持基材の表面上にポリイミド樹脂層を積層させる前に、支持基材の表面上に公知のシランカップリング剤を塗布し、その後、シランカップリング剤が塗布された支持基材の表面上にポリイミド樹脂層を積層することが好ましい。
【0023】
また、積層基板の製造方法としては、フィルム状のポリイミド樹脂層と支持基材とを貼合して、積層基板を製造する方法がより好ましく、フィルム状のポリイミド樹脂層とポリイミド樹脂層の一方の表面上に配置された保護フィルムとを備える積層フィルムと支持基材とを貼合して、支持基材、ポリイミド樹脂層および保護フィルムがこの順に配置された積層体を得て、積層体から保護フィルムを剥離して、積層基板を製造する方法(以下、「方法X」ともいう。)がさらに好ましい。
特に、保護フィルムを用いる方法において、ポリイミド樹脂層の支持基材とは反対側の表面が保護フィルムで保護されているため、積層基板を製造する際にポリイミド樹脂層の支持基材とは反対側の表面への異物の付着や、表面での傷の発生が抑制され、結果として、所望の積層基板が得られやすい。
フィルム状のポリイミド樹脂層と支持基材とを貼合する際には、生産性に優れる点から、ロール・ツー・ロール方式で実施することが好ましい。
【0024】
凸部および凹部の数を所定の範囲に調整する手段としては、ポリイミド樹脂層の形成条件を調整する方法や、後述する積層基板に対して洗浄処理を実施する方法が挙げられる。 なお、積層基板に対して、加熱処理を施して、その後、ポリイミド樹脂層の支持基材とは反対側の表面に洗浄処理を施すことが好ましい。なかでも、上記方法Xで積層基板を得た後、積層基板に対して、加熱処理を施して、その後、ポリイミド樹脂層の支持基材とは反対側の表面に洗浄処理を施すことが好ましい。
加熱処理を実施することにより、ポリイミド樹脂層中および表面上にある揮発成分を除去して、電子デバイスを製造する際の揮発成分の発生を抑制できる。特に、方法Xにおいてロール・ツー・ロール方式にて積層基板を製造した際には、貼合時に温度を高くすることができないため、揮発成分がポリイミド樹脂層中に残りやすく、上記加熱処理を実施することが好ましい。
また、ポリイミド樹脂層の支持基材とは反対側の表面を洗浄することにより、凸部となり得る異物や凹部の発生原因となる異物を除去できる。
【0025】
なお、方法Xにおいて用いられる保護フィルムとしては、剥離可能な樹脂フィルムが好ましい。
方法Xにおいて、保護フィルムが剥離される際には、静電気の発生を防止するために、イオナイザー等の静電気除去装置を用いて除電することが好ましい。静電気が発生すると、ポリイミド樹脂層上に異物が付着することがあり、静電気除去装置を用いることにより上記異物の付着を抑制できる。
なお、上記では静電気除去装置を用いる方法を述べたが、湿度を高く(湿度:70%以上)して、静電気の発生を抑制する方法を実施してもよい。
上記処理を実施することにより、特に、上述した第1凸部または第3凸部の数を低減できる。
【0026】
上記加熱処理を実施する際には、通常、加熱装置を用いる。加熱装置に積層基板を配置する際には、加熱装置内においてポリイミド樹脂層が下向きになるように積層基板を配置することが好ましい。ポリイミド樹脂層を下向きに配置することにより、加熱装置内から積層基板に向かって落ちてくる異物がポリイミド樹脂層上に付着することを抑制できる。 上記処理を実施することにより、特に、上述した第1凸部~第3凸部の数を低減できる。
【0027】
また、使用される加熱装置の具体例としては、熱風加熱装置および赤外線加熱装置が挙げられる。なかでも、熱風加熱装置を用いた場合、熱風によって異物がポリイミド樹脂層の支持基材とは反対側の表面で移動して凹部が発生することもあるため、凹部の数の低減の点から、赤外線加熱装置を用いることが好ましい。
【0028】
加熱処理の条件として、加熱温度は450~550℃が好ましく、加熱時間は5分間~1時間が好ましく、昇温レートは1~100℃/minが好ましい。
【0029】
また、ポリイミド樹脂層の支持基材とは反対側の表面を洗浄する際には、ブラシを用いて洗浄することが好ましい。上記処理を実施することにより、特に、上述した第2凸部および第3凸部の数を低減できる。
洗浄処理としては、ドライ洗浄およびウェット洗浄のいずれの洗浄でもよく、ウェット洗浄が好ましい。ウェット洗浄を実施する際の洗剤の具体例としては、アルカリ水溶液が挙げられる。
ウェット洗浄の際に、ブラシを用いることが好ましい。使用するブラシの具体例としては、ロールブラシおよびディスクブラシが挙げられる。なかでも、ロールブラシを用いた場合、ロールブラシの毛先の先端部がポリイミド樹脂層の支持基材とは反対側の表面に擦れて凹部が発生することもあるため、凹部の数の低減の点から、ディスクブラシを用いることが好ましい。
ブラシを用いた場合の回転数は特に制限されないが、ディスクブラシを用いた場合、300rpm程度が挙げられる。
【0030】
洗浄処理は、積層基板を搬送しながら実施してもよい。搬送速度としては、1~10m/minが挙げられる。
洗浄処理の際に、ピンチロール等の固定機構によって積層基板を固定してもよい。その際、凹部の数の低減の点から、固定機構がポリイミド樹脂層の支持基材とは反対側の表面と接触しないように、積層基板を固定することが好ましい。具体的には、支持基材のみに接触して積層基板を固定する固定機構を用いることが好ましい。
なお、上記洗浄処理を実施するために、ポリイミド樹脂層の支持基材とは反対側の表面に対して、コロナ処理等の親水化処理を施してもよい。親水化処理を施すことにより、洗浄効果が向上する。
【0031】
[積層基板の第2の例]
図4は本発明の実施形態の積層基板の第2の例を模式的に示す断面図である。なお、図4に示す第2の例の積層基板10において、図1に示す第1の例の積層基板10と同一構成物には同一符号を付して、その詳細な説明は省略する。
第2の例の積層基板10は、図1に示す積層基板10と比べて、支持基材12とポリイミド樹脂層14との間にシリコーン樹脂層13を有すること以外は、図1に示す積層基板10と同じである。
【0032】
第2の例の積層基板10では、支持基材12と、シリコーン樹脂層13と、ポリイミド樹脂層14とがこの順で積層されている。支持基材12の表面12aにシリコーン樹脂層13が設けられ、シリコーン樹脂層13の表面13aにポリイミド樹脂層14が設けられている。シリコーン樹脂層13とポリイミド樹脂層14とは同じ大きさであるが、支持基材12の表面12aと比べて小さい。
第2の例の積層基板10では、支持基材12およびシリコーン樹脂層13は、ポリイミド樹脂層14を補強する補強板として機能する。
【0033】
積層基板10に加熱処理が施された場合、シリコーン樹脂層13とポリイミド樹脂層14との間の密着力よりも、支持基材12とシリコーン樹脂層13との間の密着力の方が大きくなることが好ましい。これは、加熱処理によって、支持基材12のヒドロキシ基とシリコーン樹脂層13のヒドロキシ基とが結合すること等によって生じ得る。
その結果、支持基材12とポリイミド樹脂層14とを引き剥がす方向に力が加えられると、シリコーン樹脂層13とポリイミド樹脂層14との間で剥離する。これにより、ポリイミド樹脂層14を分離できる。
【0034】
[積層基板の第2の例の製造方法]
第2の例の積層基板を製造する方法は、ポリイミド樹脂層の裏面にシリコーン樹脂層を形成する方法が好ましい。具体的には、硬化性シリコーンを含む硬化性組成物をフィルム状のポリイミド樹脂層の裏面(表面14aと反対側の面)に塗布し、得られた塗膜に対して硬化処理を施してシリコーン樹脂層を得た後、シリコーン樹脂層の裏面(表面13aと反対側の面)に支持基材を積層して、積層基板を製造する方法が好ましい。
より詳細には、第2の例の積層基板を製造する方法は、硬化性シリコーンの層をポリイミド樹脂層の裏面(表面14aと反対側の面)に形成し、ポリイミド樹脂層の裏面にシリコーン樹脂層を形成する工程(樹脂層形成工程)と、シリコーン樹脂層の裏面(表面13aと反対側の面)に支持基材を積層する工程(積層工程)とを、少なくとも有する。以下、上述の各工程について詳述する。
【0035】
樹脂層形成工程は、硬化性シリコーンの層をポリイミド樹脂層の裏面に形成し、ポリイミド樹脂層の裏面にシリコーン樹脂層を形成する工程である。本工程によって、ポリイミド樹脂層とシリコーン樹脂層とをこの順で備えるシリコーン樹脂層付き基板が得られる。 シリコーン樹脂層付き基板は、ロール状に巻いたポリイミド樹脂層の裏面にシリコーン樹脂層を形成してから再びロール状に巻き取る、いわゆるロール・ツー・ロール方式での製造が可能であり、生産効率に優れる。
本工程において、ポリイミド樹脂層の裏面に硬化性シリコーンの層を形成するためには、上述した硬化性組成物を、ポリイミド樹脂層の裏面に塗布する。次いで、硬化性シリコーンの層に対して硬化処理を施すことにより硬化層を形成することが好ましい。
ポリイミド樹脂層の裏面に硬化性組成物を塗布する方法の具体例としては、スプレーコート法、ダイコート法、スピンコート法、ディップコート法、ロールコート法、バーコート法、スクリーン印刷法およびグラビアコート法が挙げられる。
次いで、ポリイミド樹脂層の裏面に塗布された硬化性シリコーンを硬化させて、シリコーン樹脂層を形成する。
【0036】
シリコーン樹脂層を形成するための硬化の方法は特に制限されず、使用される硬化性シリコーンの種類によって適宜最適な処理が実施される。例えば、縮合反応型シリコーンおよび付加反応型シリコーンを用いる場合は、硬化処理としては熱硬化処理が好ましい。
熱硬化処理の条件は、ポリイミド樹脂層の耐熱性の範囲内で実施され、例えば、熱硬化させる温度条件は、50~400℃が好ましく、100~300℃がより好ましい。加熱時間は、10~300分が好ましく、20~120分がより好ましい。
シリコーン樹脂層13については後に説明する。
【0037】
積層工程は、シリコーン樹脂層の表面に支持基材を積層する工程である。支持基材をシリコーン樹脂層の裏面上に積層する方法の具体例としては、常圧環境下でシリコーン樹脂層の裏面上に支持基材を重ねる方法が挙げられる。必要に応じて、シリコーン樹脂層の裏面上に支持基材を重ねた後、ロールやプレスを用いてシリコーン樹脂層に支持基材を圧着させてもよい。ロールまたはプレスによる圧着により、シリコーン樹脂層と支持基材との間に混入している気泡が比較的容易に除去されるので好ましい。
真空ラミネート法または真空プレス法により圧着すると、気泡の混入が抑制され、かつ、良好な密着が実現でき、好ましい。真空下で圧着することにより、微小な気泡が残存した場合でも、加熱処理により気泡が成長しにくいという利点もある。
支持基材を積層する際には、シリコーン樹脂層に接触する支持基材の表面を十分に洗浄し、クリーン度の高い環境で積層することが好ましい。
【0038】
なお、第2の例の積層基板を製造する方法としては、フィルム状のポリイミド樹脂層とポリイミド樹脂層の一方の表面上に配置された保護フィルムとを備える積層フィルムの保護フィルムとは反対側の表面に硬化性シリコーンを含む硬化性組成物を塗布し、得られた塗膜に対して硬化処理を施してシリコーン樹脂層を得た後、シリコーン樹脂層の裏面に支持基材を積層して、支持基材、シリコーン樹脂層、ポリイミド樹脂層および保護フィルムがこの順に配置された積層体を得て、積層体から保護フィルムを剥離して、積層基板を製造する方法が特に好ましい。上記のような保護フィルムを用いる方法において、ポリイミド樹脂層の支持基材とは反対側の表面が保護フィルムで保護されているため、積層基板を製造する際にポリイミド樹脂層の支持基材とは反対側の表面への異物の付着や、表面での傷の発生が抑制され、結果として、所望の積層基板が得られやすい。
シリコーン樹脂層の製造方法、および、シリコーン樹脂層の裏面に支持基材を積層する方法は、上述した通りである。
また、上記で使用される保護フィルムは、第1の例で説明した形態が挙げられ、第1の例で説明した通り、保護フィルムが剥離される際には、静電気の発生を防止するために、イオナイザー等の静電気除去装置を用いて除電することが好ましい。
さらに、第1の例と同様に、積層基板に対して、加熱処理を施して、その後、ポリイミド樹脂層の支持基材とは反対側の表面に洗浄処理を施すことが好ましい。
【0039】
以下、積層基板10を構成する支持基材12、ポリイミド樹脂層14およびシリコーン樹脂層13について詳述する。
【0040】
<支持基材>
ガラス製の支持基材12は、ポリイミド樹脂層14を支持して補強する部材であり、かつ搬送基板として機能する。支持基材12は、例えば、ガラス板で構成される。
ガラスの種類としては、無アルカリホウケイ酸ガラス、ホウケイ酸ガラス、ソーダライムガラス、高シリカガラス、その他の酸化ケイ素を主な成分とする酸化物系ガラスが好ましい。酸化物系ガラスとしては、酸化物換算による酸化ケイ素の含有量が40~90質量%のガラスが好ましい。
ガラス板として、より具体的には、無アルカリホウケイ酸ガラスからなるガラス板(AGC株式会社製商品名「AN100」)が挙げられる。
ガラス板の製造方法としては、通常、ガラス原料を溶融し、溶融ガラスを板状に成形する方法が挙げられる。このような成形方法は、一般的なものであってよく、例えば、フロート法、フュージョン法およびスロットダウンドロー法が挙げられる。
【0041】
支持基材12の厚さは、ポリイミド樹脂層14よりも厚くてもよいし、薄くてもよい。積層基板10の取り扱い性の点から、支持基材12の厚さはポリイミド樹脂層14よりも厚いことが好ましい。
支持基材12は、補強板および搬送基板としての機能が要求されるものであることから、フレキシブルではないことが好ましい。そのため、支持基材12の厚さは、0.3mm以上が好ましく、0.5mm以上がより好ましい。一方、支持基材12の厚さは1.0mm以下が好ましい。
【0042】
<ポリイミド樹脂層>
ポリイミド樹脂層14は、ポリイミド樹脂からなり、例えば、ポリイミドフィルムが用いられる。ポリイミドフィルムの市販品の具体例としては、東洋紡株式会社製の「ゼノマックス」、宇部興産株式会社製の「ユーピレックス 25S」が挙げられる。
電子デバイスを構成する高精細な配線等を形成するために、ポリイミド樹脂層14の表面14aは平滑であることが好ましい。具体的には、ポリイミド樹脂層14の表面14aの表面粗度Raは、50nm以下が好ましく、30nm以下がより好ましく、10nm以下がさらに好ましい。表面粗度Raの下限としては、0.01nm以上が挙げられる。
ポリイミド樹脂層14の厚さは、製造工程でのハンドリング性の点から、1μm以上が好ましく、5μm以上がより好ましく、10μm以上がさらに好ましい。柔軟性の点から、ポリイミド樹脂層14の厚さは1mm以下が好ましく、0.2mm以下がより好ましい。
ポリイミド樹脂層14の熱膨張係数と支持基材12の熱膨張係数との差は、小さい方が加熱後または冷却後の反りを抑制できるため好ましい。具体的には、ポリイミド樹脂層14と支持基材12との熱膨張係数の差は、0~90×10-6/℃が好ましく、0~30×10-6/℃がより好ましい。
【0043】
ポリイミド樹脂層14の面積(表面14aの面積)は、特に制限されないが、支持基材12の面積よりも小さいことが好ましい。一方、ポリイミド樹脂層14の面積は、電子デバイスの生産性の点から、300cm以上が好ましい。
ポリイミド樹脂層14の形状は、特に制限されず、矩形状であっても円形状であってもよい。ポリイミド樹脂層14には、オリエンテーションフラット(基板の外周に形成された平坦部分)、およびノッチ(基板の外周縁に形成された、少なくとも1つのV型の切欠き)が形成されていてもよい。
【0044】
<シリコーン樹脂層>
シリコーン樹脂層13は、主に、シリコーン樹脂からなるものである。シリコーン樹脂の構造は特に制限されない。シリコーン樹脂は、通常、硬化処理によってシリコーン樹脂となり得る硬化性シリコーンを硬化(架橋硬化)して得られる。
硬化性シリコーンの具体例としては、その硬化機構により、縮合反応型シリコーン、付加反応型シリコーン、紫外線硬化型シリコーンおよび電子線硬化型シリコーンが挙げられる。硬化性シリコーンの重量平均分子量は、5,000~60,000が好ましく、5,000~30,000がより好ましい。
【0045】
シリコーン樹脂層13の製造方法としては、上述したように、ポリイミド樹脂層14の裏面(表面14aと反対側の面)に上述のシリコーン樹脂となる硬化性シリコーンを含む硬化性組成物を塗布して、必要に応じて溶媒を除去して、塗膜を形成して、塗膜中の硬化性シリコーンを硬化させて、シリコーン樹脂層13とする方法が好ましい。
硬化性組成物は、硬化性シリコーンの他に、溶媒、白金触媒(硬化性シリコーンとして付加反応型シリコーンを用いる場合)、レベリング剤および金属化合物等を含んでいてもよい。金属化合物に含まれる金属元素の具体例としては、3d遷移金属、4d遷移金属、ランタノイド系金属、ビスマス、アルミニウムおよびスズが挙げられる。金属化合物の含有量は、適宜調整される。
【0046】
シリコーン樹脂層13の厚さは、100μm以下が好ましく、50μm以下がより好ましく、30μm以下がさらに好ましい。一方、シリコーン樹脂層13の厚さは、1μm超が好ましく、4μm以上がより好ましい。上述の厚さは、5点以上の任意の位置におけるシリコーン樹脂層13の厚さを接触式膜厚測定装置で測定し、それらを算術平均したものである。
【0047】
<積層基板の用途>
積層基板10の用途としては、後述の表示デバイス、受信センサーパネル、太陽電池、薄膜2次電池および集積回路等が挙げられる。積層基板10は大気雰囲気下にて、例えば、450℃以上の高温条件に、20分間以上曝される場合もある。
表示デバイスの具体例としては、LCD、OLED、電子ペーパー、プラズマディスプレイパネル、フィールドエミッションパネル、量子ドットLEDパネル、マイクロLEDディスプレイパネルおよびMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)シャッターパネルが挙げられる。
受信センサーパネルの具体例としては、電磁波受信センサーパネル、X線受光センサーパネル、紫外線受光センサーパネル、可視光線受光センサーパネルおよび赤外線受光センサーパネルが挙げられる。受信センサーパネルに用いる場合、樹脂等の補強シート等によってポリイミド樹脂層が補強されていてもよい。
【0048】
上述したように、本発明の積層基板を用いて、ポリイミド樹脂層と電子デバイス用部材とを含む電子デバイスが製造される。
電子デバイスの製造方法としては、例えば、積層基板中のポリイミド樹脂層上に電子デバイス用部材を形成して、得られた電子デバイス用部材付き積層基板から、支持基材を剥離して、ポリイミド樹脂層と電子デバイス用部材とを有する電子デバイスを得る方法が挙げられる。
なお、上記電子デバイス用部材は、電子デバイスの少なくとも一部を構成する部材である。
【0049】
以下では、第2の例の積層基板10を用いる場合を例に挙げて、本発明をより詳細に説明するが、第1の例の積層基板10を用いる場合も同様である。
【0050】
電子デバイスの製造方法は、積層基板10のポリイミド樹脂層14上に電子デバイス用部材20を形成して電子デバイス用部材付き積層基板22を得た後、得られた電子デバイス用部材付き積層基板22から、シリコーン樹脂層13とポリイミド樹脂層14との界面を剥離面として、電子デバイス(部材付き基板24)とシリコーン樹脂層付き支持基材26とに分離する方法が好ましい。
電子デバイス用部材20を形成する工程を「部材形成工程」、部材付き基板24とシリコーン樹脂層付き支持基材26とに分離する工程を「分離工程」という。
以下に、各工程で使用される材料および手順について詳述する。
【0051】
部材形成工程は、積層基板10のポリイミド樹脂層14上に電子デバイス用部材を形成する工程である。より具体的には、図5に示すように、ポリイミド樹脂層14の表面14a上に電子デバイス用部材20を形成し、電子デバイス用部材付き積層基板22を得る。 まず、本工程で使用される電子デバイス用部材20について詳述し、その後工程の手順について詳述する。
【0052】
電子デバイス用部材20は、積層基板10中のポリイミド樹脂層14上に形成され電子デバイスの少なくとも一部を構成する部材である。より具体的には、電子デバイス用部材20としては、表示デバイス、受信センサーパネル、太陽電池、薄膜2次電池および集積回路等に用いられる部材(例えば、LTPS等の表示デバイス用部材、受信センサーパネル用部材、太陽電池用部材、薄膜2次電池用部材および集積回路用回路)が挙げられ、例えば、米国特許出願公開第2018/0178492号明細書の段落[0192]に記載された太陽電池用部材、同段落[0193]に記載された薄膜2次電池用部材、同段落[0194]に記載された電子部品用回路が挙げられる。
【0053】
上述した電子デバイス用部材付き積層基板22の製造方法は特に制限されず、電子デバイス用部材の構成部材の種類に応じて従来公知の方法にて、積層基板10のポリイミド樹脂層14の表面14a上に、電子デバイス用部材20を形成する。
電子デバイス用部材20は、ポリイミド樹脂層14の表面14aに最終的に形成される部材の全部(以下、「全部材」という。)ではなく、全部材の一部(以下、「部分部材」という。)であってもよい。シリコーン樹脂層13から剥離された部分部材付き基板を、その後の工程で全部材付き基板(電子デバイスに相当)とすることもできる。
シリコーン樹脂層13から剥離された、全部材付き基板には、その剥離面に他の電子デバイス用部材が形成されてもよい。さらに、2枚の電子デバイス用部材付き積層基板の電子デバイス用部材同士を対向させて、両者を貼り合わせて全部材付き積層体を組み立て、その後、全部材付き積層体から2枚のシリコーン樹脂層付き支持基材を剥離して、電子デバイスを製造することもできる。
【0054】
例えば、OLEDを製造する場合を例にとると、積層基板10のポリイミド樹脂層14のシリコーン樹脂層13側とは反対側の表面(表面14a)上に有機EL構造体を形成するために、透明電極を形成する、さらに透明電極を形成した面上にホール注入層・ホール輸送層・発光層・電子輸送層等を蒸着する、裏面電極を形成する、封止板を用いて封止する、等の各種の層形成や処理が行われる。これらの層形成や処理の具体例としては、成膜処理、蒸着処理、封止板の接着処理等が挙げられる。
【0055】
分離工程は、図6に示すように、上記部材形成工程で得られた電子デバイス用部材付き積層基板22から、シリコーン樹脂層13とポリイミド樹脂層14との界面を剥離面として、電子デバイス用部材20が積層したポリイミド樹脂層14(部材付き基板24)と、シリコーン樹脂層付き支持基材26とに分離して、電子デバイス用部材20およびポリイミド樹脂層14を含む部材付き基板24(電子デバイス)を得る工程である。
【0056】
剥離されたポリイミド樹脂層14上の電子デバイス用部材20が必要な全構成部材の形成の一部である場合には、分離後、残りの構成部材をポリイミド樹脂層14上に形成することもできる。
【0057】
ポリイミド樹脂層14とシリコーン樹脂層13とを剥離する方法は、特に制限されない。例えば、ポリイミド樹脂層14とシリコーン樹脂層13との界面に鋭利な刃物状のものを差し込み、剥離のきっかけを与えた上で、水と圧縮空気との混合流体を吹き付けたりして剥離できる。
好ましくは、電子デバイス用部材付き積層基板22を、支持基材12が上側、電子デバイス用部材20側が下側となるように定盤上に配置し、電子デバイス用部材20側を定盤上に真空吸着し、この状態でまず刃物状のものをポリイミド樹脂層14とシリコーン樹脂層13との界面に侵入させる。その後、支持基材12側を複数の真空吸着パッドで吸着し、刃物状のものを差し込んだ箇所付近から順に真空吸着パッドを上昇させる。そうすると、シリコーン樹脂層付き支持基材26を容易に剥離できる。
【0058】
電子デバイス用部材付き積層基板22から部材付き基板24を分離する際においては、イオナイザーによる吹き付けや湿度を制御することにより、シリコーン樹脂層13の欠片が部材付き基板24に静電吸着することをより抑制できる。
上述した電子デバイス(部材付き基板24)の製造方法は、例えば、米国特許出願公開第2018/0178492号明細書の段落[0210]に記載された表示装置の製造に好適であり、部材付き基板24としては、例えば、同段落[0211]に記載されたものが挙げられる。
【実施例
【0059】
以下に、実施例等により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの例によって制限されるものではない。後述する例1~7、9~15は実施例であり、例8は比較例である。
【0060】
<デバイス耐久性評価>
各例の積層基板から得られた有機EL表示装置を60℃、90%RHの環境下に保管し、ダークスポットが発生する保管時間を比較した。500時間未満でダークスポットが拡大したものを×、500時間以上1000時間未満でダークスポットが拡大したものを○、1000時間以上でダークスポットが拡大したものを◎と評価した。
【0061】
<例1>
(硬化性シリコーンの調製)
1Lのフラスコに、トリエトキシメチルシラン(179g)、トルエン(300g)、酢酸(5g)を加えて、混合物を25℃で20分間撹拌後、さらに、60℃に加熱して12時間反応させた。得られた反応粗液を25℃に冷却後、水(300g)を用いて、反応粗液を3回洗浄した。洗浄された反応粗液にクロロトリメチルシラン(70g)を加えて、混合物を25℃で20分間撹拌後、さらに、50℃に加熱して12時間反応させた。得られた反応粗液を25℃に冷却後、水(300g)を用いて、反応粗液を3回洗浄した。洗浄された反応粗液からトルエンを減圧留去し、スラリー状態にした後、真空乾燥機で終夜乾燥することにより、白色のオルガノポリシロキサン化合物である硬化性シリコーン1を得た。硬化性シリコーン1は、T単位の個数:M単位の個数=87:13(モル比)であった。なお、M単位は、(R)3SiO1/2で表される1官能オルガノシロキシ単位を意味する。T単位は、RSiO3/2(Rは、水素原子または有機基を表す)で表される3官能オルガノシロキシ単位を意味する。
【0062】
(硬化性組成物の調製)
硬化性シリコーン1とヘキサンとを混合し、さらに有機ジルコニウム系化合物(オクチル酸ジルコニウム化合物)および有機ビスマス系化合物(2-エチルヘキサン酸ビスマス)を添加した。溶媒量は、固形分濃度が50質量%となるように調整した。また、金属化合物の添加量は、金属元素が樹脂100質量部に対して、0.01質量部となるように調整した。得られた混合液を、孔径0.45μmのフィルタを用いてろ過することにより、硬化性組成物を得た。
【0063】
(積層体の作製)
両面に保護フィルムが配置された、厚さ0.015mmのポリイミドフィルム(東洋紡株式会社製商品名「ゼノマックス」)の一方の保護フィルムを剥離して、保護フィルムが剥離された側のポリイミドフィルムの表面上に調製した硬化性組成物を塗布し、ホットプレートを用いて140℃で10分間加熱することにより、シリコーン樹脂層を形成した。シリコーン樹脂層の厚さは、10μmであった。
続いて、水系ガラス洗浄剤(株式会社パーカーコーポレーション製「PK―LCG213」)で洗浄後、純水で洗浄した200×200mm、厚さ0.5mmのガラス板「AN100」(支持基材)と、シリコーン樹脂層が形成されたポリイミドフィルムとを、ロール・ツー・ロール方式で貼合して、ガラス板、シリコーン樹脂層、ポリイミドフィルムおよび保護フィルムがこの順で配置された積層体を作製した。
【0064】
(加熱処理および洗浄処理)
上記積層体を加熱装置まで搬送し、加熱装置内に静置する前に保護フィルムを剥離して、加熱装置内に静置して450℃で0.5時間加熱した。加熱処理後、積層基板を加熱装置から取り出し、ポリイミド樹脂層表面に対してコロナ処理を施し、その後、ロールブラシを用いた洗浄処理を実施して、積層基板1を得た。洗浄処理の際には、洗浄機内において積層基板が動かないように、固定機構(ピンチロール)で積層基板を固定した。その際、固定機構はポリイミド樹脂層表面に触れていた。
なお、保護フィルムを剥離する際には、生じる静電気を防止するために、イオナイザーを用いてポリイミド樹脂層の表面の帯電を低減させた。以下、イオナイザーを用いる対策を、「対策A」という。
また、加熱処理の際、加熱装置内においてポリイミド樹脂層が下向きになるように積層基板を配置した。以下、ポリイミド樹脂層が下向きとなるように積層基板を配置する対策を、「対策B」という。
また、上記コロナ処理および洗浄処理を実施する対策を、「対策C」という。
加熱装置としては、赤外線加熱装置を用いた。以下、赤外線加熱装置を用いる対策を、「対策D」という。
【0065】
<例2~15>
表1および2に示すように、(加熱処理および洗浄処理)の際に対策A~Fのいずれを実施するかを変更した以外は、例1と同様の手順に従って、積層基板を得た。
なお、対策Eとは、洗浄機内に積層基板を固定する際に、ポリイミド樹脂層表面に触れない固定機構を使用した対策を意味する。
また、対策Fとは、洗浄処理の際に、ディスクブラシを用いた対策を意味する。
【0066】
表1および2において、各対策を実施した場合を「有」、実施していない場合を「無」とした。
例えば、対策Cが「無」である例2においては、加熱処理後において、コロナ処理および洗浄処理を実施していない。
また、対策Bが「無」である例3においては、加熱装置内において積層基板を配置する際に、ポリイミド樹脂層が上向きとなるように積層基板を配置した。
また、対策Aが「無」である例4においては、イオナイザーを用いずに、保護フィルムの剥離を行った。
また、対策Dが「無」である例10においては、加熱装置として熱風加熱装置を用いた。
また、対策Eが「無」である例11においては、ポリイミド樹脂層表面に触れる固定機構を用いた。
また、対策Fが「無」である例12においては、ロールブラシを用いた洗浄処理を実施した。
【0067】
表1および2中、「第1凸部の数」、「第2凸部の数」、「第3凸部の数」は、それぞれ、上述した、ポリイミド樹脂層表面における、第1凸部、第2凸部、および第3凸部の数(個/cm)を表す。
「凸部の数」は、ポリイミド樹脂層表面における、凸部の数(合計数)(個/cm)を表す。
「凹部の数」は、ポリイミド樹脂層表面における、凹部の数(合計数)(個/cm)を表す。
凸部および凹部の測定方法は、上述した通りである。
【0068】
<有機EL表示装置(電子デバイスに該当)の製造>
例1~15で得られた積層基板を用いて、以下の手順に従って、有機EL表示装置を製造した。
まず、積層基板のポリイミド樹脂層のガラス板側とは反対側の表面上に、プラズマCVD法により窒化シリコン、酸化シリコン、アモルファスシリコンの順に成膜した。次に、イオンドーピング装置により低濃度のホウ素をアモルファスシリコン層に注入し、加熱処理し脱水素処理を行った。次に、レーザアニール装置によりアモルファスシリコン層の結晶化処理を行った。次に、フォトリソグラフィ法を用いたエッチングおよびイオンドーピング装置より、低濃度のリンをアモルファスシリコン層に注入し、N型およびP型のTFTエリアを形成した。
次に、ポリイミド樹脂層のガラス板側とは反対側に、プラズマCVD法により酸化シリコン膜を成膜してゲート絶縁膜を形成した後に、スパッタリング法によりモリブデンを成膜し、フォトリソグラフィ法を用いたエッチングによりゲート電極を形成した。次に、フォトリソグラフィ法とイオンドーピング装置により、高濃度のホウ素とリンをN型、P型それぞれの所望のエリアに注入し、ソースエリアおよびドレインエリアを形成した。
次に、ポリイミド樹脂層のガラス板側とは反対側に、プラズマCVD法による酸化シリコンの成膜で層間絶縁膜を、スパッタリング法によりアルミニウムの成膜およびフォトリソグラフィ法を用いたエッチングによりTFT電極を形成した。次に、水素雰囲気下、加熱処理し水素化処理を行った後に、プラズマCVD法による窒素シリコンの成膜で、パッシベーション層を形成した。
次に、ポリイミド樹脂層のガラス板側とは反対側に、紫外線硬化性樹脂を塗布し、フォトリソグラフィ法により平坦化層およびコンタクトホールを形成した。次に、スパッタリング法により酸化インジウム錫を成膜し、フォトリソグラフィ法を用いたエッチングにより画素電極を形成した。続いて、蒸着法により、ポリイミド樹脂層のガラス板側とは反対側に、正孔注入層として4,4’,4”-トリス(3-メチルフェニルフェニルアミノ)トリフェニルアミン、正孔輸送層としてビス[(N-ナフチル)-N-フェニル]ベンジジン、発光層として8-キノリノールアルミニウム錯体(Alq3)に2,6-ビス[4-[N-(4-メトキシフェニル)-N-フェニル]アミノスチリル]ナフタレン-1,5-ジカルボニトリル(BSN-BCN)を40体積%混合したもの、電子輸送層としてAlq3をこの順に成膜した。次に、スパッタリング法によりアルミニウムを成膜し、フォトリソグラフィ法を用いたエッチングにより対向電極を形成した。
次に、ポリイミド樹脂層のガラス板側とは反対側に、紫外線硬化型の接着層を介してもう一枚のガラス板を貼り合わせて封止した。上記手順によって、ポリイミド樹脂層上に有機EL構造体を形成した。ポリイミド樹脂層上に有機EL構造体を有する構造物(以下、パネルAという。)が、本発明の電子デバイス用部材付き積層基板である。
続いて、パネルAの封止体側を定盤に真空吸着させたうえで、パネルAのコーナー部のポリイミド樹脂層とシリコーン樹脂層との界面に、厚さ0.1mmのステンレス製刃物を差し込み、ポリイミド樹脂層とシリコーン樹脂層との界面に剥離のきっかけを与えた。そして、パネルAの支持基材表面を真空吸着パッドで吸着した上で、吸着パッドを上昇させた。ここで刃物の差し込みは、イオナイザ(キーエンス社製)から除電性流体を当該界面に吹き付けながら行った。次に、形成した空隙へ向けてイオナイザーからは引き続き除電性流体を吹き付けながら、かつ、水を剥離前線に差しながら真空吸着パッドを引き上げた。その結果、定盤上に有機EL構造体が形成されたポリイミド樹脂層のみを残し、シリコーン樹脂層付き支持基材を剥離することができた。
続いて、分離されたポリイミド樹脂層をレーザーカッタまたはスクライブ-ブレイク法を用いて切断し、複数のセルに分断した後、有機EL構造体が形成されたポリイミド樹脂層と対向基板とを組み立てて、モジュール形成工程を実施して有機EL表示装置を作製した。
【0069】
【表1】
【0070】
【表2】
【0071】
表1および2に示すように、所定の積層基板を用いた場合、所望の効果が得られることが確認された。
【符号の説明】
【0072】
10 積層基板
12 支持基材
12a 表面
13 シリコーン樹脂層
13a 表面
14 ポリイミド樹脂層
14a 表面
16 凸部
18 凹部
20 電子デバイス用部材
22 電子デバイス用部材付き積層基板
24 部材付き基板
26 シリコーン樹脂層付き支持基材
図1
図2
図3
図4
図5
図6