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特許7115576情報処理システム、情報処理方法およびプログラム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-01
(45)【発行日】2022-08-09
(54)【発明の名称】情報処理システム、情報処理方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   H04N 5/232 20060101AFI20220802BHJP
   G06T 1/00 20060101ALI20220802BHJP
【FI】
H04N5/232 300
H04N5/232 030
G06T1/00 200A
【請求項の数】 20
(21)【出願番号】P 2021030483
(22)【出願日】2021-02-26
(62)【分割の表示】P 2017134596の分割
【原出願日】2017-07-10
(65)【公開番号】P2021093757
(43)【公開日】2021-06-17
【審査請求日】2021-03-01
(31)【優先権主張番号】P 2016202041
(32)【優先日】2016-10-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100110607
【弁理士】
【氏名又は名称】間山 進也
(72)【発明者】
【氏名】稲本 浩久
(72)【発明者】
【氏名】福岡 佑介
(72)【発明者】
【氏名】中谷 任良
(72)【発明者】
【氏名】久志本 圭
(72)【発明者】
【氏名】野村 拓司
【審査官】▲徳▼田 賢二
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-110459(JP,A)
【文献】特開2009-193407(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 5/232
G06T 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
不動産物件における間取り情報を取得する情報取得手段と、
撮像装置が撮像した画像を受信する受信手段と、
前記画像を管理装置へ送信する送信手段と、
を有し、
前記間取り情報に基づいて撮像すべき部屋を通知し、該通知により撮像装置が撮像した画像を前記受信手段により受信し、
前記受信手段により受信した画像に不動産物件の識別情報を付与して、前記送信手段により前記管理装置へ送信する、情報処理装置。
【請求項2】
前記管理装置が管理している前記識別情報が付与された画像について、前記識別情報に対応する不動産物件における間取り図と関連付けする、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記間取り情報に基づいて撮像順序を通知する、請求項1または2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記情報取得手段は、間取り情報をユーザの入力により取得する、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記情報取得手段は、間取り情報を情報提供システムから取得する、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記識別情報は、ユーザに入力された情報である、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記識別情報は、情報提供システムから取得した情報である、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項8】
撮像装置は、全天球を撮影する撮像装置である、請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項9】
コンピュータが、
不動産物件における間取り情報を取得するステップと、
前記間取り情報に基づいて撮像すべき部屋を通知するステップと、
前記通知により撮像装置が撮像した画像を受信するステップと、
前記受信するステップで受信した画像に不動産物件の識別情報を付与して、管理装置へ送信するステップと
を実行する、方法。
【請求項10】
コンピュータが、前記管理装置が管理している前記識別情報が付与された画像について、前記識別情報に対応する不動産物件における間取り図と関連付けするステップをさらに実行する、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
コンピュータが、前記間取り情報に基づいて撮像順序を通知するステップをさらに実行する、請求項9または10に記載の方法。
【請求項12】
前記間取り情報を取得するステップでは、間取り情報をユーザの入力により取得する、請求項9から請求項11のいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
前記間取り情報を取得するステップでは、間取り情報を情報提供システムから取得する、請求項9から請求項11のいずれか1項に記載の方法。
【請求項14】
前記識別情報は、ユーザに入力された情報である、請求項9から請求項13のいずれか1項に記載の方法。
【請求項15】
コンピュータを、
不動産物件における間取り情報を取得する情報取得手段、
撮像装置が撮像した画像を受信する受信手段、および
前記画像を管理装置へ送信する送信手段、
として機能させるためのプログラムであって、前記コンピュータを、
前記間取り情報に基づいて撮像すべき部屋を通知し、該通知により撮像装置が撮像した画像を前記受信手段により受信し、前記受信手段により受信した画像に不動産物件の識別情報を付与して、前記送信手段により前記管理装置へ送信する
ように構成する、プログラム。
【請求項16】
前記コンピュータを、さらに、前記管理装置が管理している前記識別情報が付与された画像について、前記識別情報に対応する不動産物件における間取り図と関連付けするように構成する、請求項15に記載のプログラム。
【請求項17】
コンピュータを、さらに、前記間取り情報に基づいて撮像順序を通知するよう構成する、請求項15または16に記載のプログラム。
【請求項18】
前記情報取得手段は、間取り情報をユーザの入力により取得する、請求項15から請求項17のいずれか1項に記載のプログラム。
【請求項19】
前記情報取得手段は、間取り情報を情報提供システムから取得する、請求項15から請求項17のいずれか1項に記載のプログラム。
【請求項20】
前記識別情報は、ユーザに入力された情報である、請求項15から請求項19のいずれか1項に記載のプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像を処理する情報処理システム、情報処理方法および情報処理をコンピュータに実行させるためのプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
1以上の撮像対象を含む環境として、1以上の区画された部屋を有する不動産物件や、1以上の作業過程を有する工事等の作業環境等がある。この不動産物件を紹介する上で、各部屋の画像があると、どのような物件であるかを理解してもらいやすい。また、各作業過程における画像を保存しておくことで、作業員が作業状況を後で確認することができる。
【0003】
このことに鑑み、撮影計画に従って作業過程ごとに作業場面の撮影を行う作業状況管理システムが提案されている(例えば、特許文献1参照)。このシステムでは、工程情報に基づいて生成されたシーン識別情報をPCからデジタルカメラに送り、デジタルカメラで撮影された撮影画像にシーン識別情報を付加してPCに送り、PCがシーン識別情報付き撮影画像を撮影計画の分類体系に合わせて分類管理している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記の技術では、シーン識別情報を工程情報に基づいて生成する必要があるため、画像を投稿するための処理が煩雑になるという問題があった。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、画像の投稿を簡易な処理で実現することができる情報処理システム、情報処理方法およびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決するために、発明の一実施形態では、画像を処理する情報処理システムであって、1以上の撮像対象を識別するための識別情報を取得する取得手段と、所定の撮像順序に従って撮像された1以上の撮像対象の画像と識別情報とを関連付けて管理装置へ送信する送信手段とを含む、情報処理システムを提供する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、画像の投稿を簡易な処理で実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】情報処理システムの構成例を示した図。
図2】情報処理システムが備える情報処理装置のハードウェア構成を例示した図。
図3】撮像装置としての全天球カメラの断面図。
図4】全天球カメラのハードウェア構成を例示した図。
図5】管理装置のハードウェア構成を例示した図。
図6】情報処理装置の機能構成を例示した図。
図7】撮像装置および管理装置の機能構成を例示した図。
図8】管理装置において表示されるユーザ識別情報を作成するための画面を例示した図。
図9】ログイン画面を例示した図。
図10】情報処理装置により実行される全体の処理の流れを示したフローチャート。
図11】物件IDを取得する第1の方法を説明する図。
図12】物件IDを取得する第2の方法を説明する図。
図13】物件IDを取得する第3の方法を説明する図。
図14】画像を取得する処理の流れを示したフローチャート。
図15】画像を取得する処理において情報処理装置に表示される画面を例示した図。
図16】既に画像が登録されている場合に表示される画面を例示した図。
図17】プレビュー画像を例示した図。
図18】画像の確認画面を例示した図。
図19】撮像条件の変更を伴う画像を取得する処理の流れを示したフローチャート。
図20】撮像条件を変更する方法について説明する図。
図21】エリア変更を伴う画像を取得する処理の流れを示したフローチャート。
図22】アップロードが成功した場合に表示される画面を例示した図。
図23】通信端末に表示される1つの画面を例示した図。
図24】登録済みの画像の編集方法について説明する図。
図25】通信端末に表示される別の画面を例示した図。
図26】情報処理システムにおいて実行する処理のシーケンス図。
図27】管理者がリストを編集する画面を例示した図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図1は、情報処理システムの構成例を示した図である。情報処理システムは、利用者(ユーザ)が利用する情報処理装置10を含む。情報処理システムは、情報処理装置10のみを含むものであってもよい。また、情報処理システムは、情報処理装置10と、撮像装置11と、管理装置12と、情報提供システム13とを含む構成であってもよい。なお、情報処理システムは、情報処理装置10と、撮像装置11、管理装置12、情報提供システム13のいずれか1つ、またはいずれか2つとを含む構成であってもよい。
【0010】
情報処理装置10と通信端末14は、PC、タブレット端末、スマートフォン、PDA(Personal Digital Assistant)等である。また、情報処理装置10と通信端末14は、通信機能、情報の入力や出力、表示する機能を備える機器である。撮像装置11は、撮像対象を撮像する装置である。管理装置12は、撮像された画像を記憶および管理する装置である。情報提供システム13は、情報を提供するサーバ等である。
【0011】
ネットワーク15は、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)、インターネット等で各種装置を接続する。ネットワーク15は、有線ネットワークであってもよいし、Wi-Fi等の無線ネットワークであってもよい。また、ネットワーク15は、1つのネットワークに限られるものではなく、ルータやプロキシサーバ等の中継装置により接続された2以上のネットワークから構成されていてもよい。なお、ネットワーク15には、各種装置や情報処理システム以外の他の機器が接続されていてもよい。
【0012】
情報処理システムは、1以上の撮像対象を含む環境としての不動産物件の情報を提供するシステムや、工事等の作業工程を管理するシステム等として利用することができる。以下、情報処理システムを、不動産物件の情報を提供するシステムとして説明する。
【0013】
不動産物件は、新築、中古、及び賃貸の一戸建て、マンション、アパート等の集合住宅、店舗、事務所、倉庫、工場、オフィスビル、商業施設、駐車場等が一例として挙げられる。ここでは、不動産物件を、マンション等の1以上の撮像対象としての部屋を有する物件とする。
【0014】
情報提供システム13は、不動産会社が管理する物件の情報を提供するために、複数の物件の情報を記憶および管理する。物件の情報は、販売価格、賃料、地価等を含む値段、住所、建物の構造、専有面積、階数、設備、駐車場の有無等の情報であり、間取り図や外観写真等を含むものである。
【0015】
例えば、ユーザとして借り手が、不動産物件として賃貸のマンションを借りようとして検索する場合を説明する。借り手は、通信端末14を操作することによって不動産物件を検索するために必要な情報を入力する。そして、通信端末14は、ネットワーク15を介して情報提供システム13にアクセスすることによって、情報が送信される。情報提供システム13は、通信端末14から送信された情報に基づき、情報提供システム13で管理する複数の物件の情報を検索する。そして、借り手が希望する物件の情報が、ネットワーク15を介して通信端末14に送信される。通信端末14は、物件の情報を受信し、画面に表示させる。
【0016】
借り手は、通信端末14の画面に表示された物件の情報を見て、自分が希望する物件かどうかを判断する。希望する物件でない場合、借り手は、入力した情報を変更し、情報提供システム13に対して再度検索を実行させ、通信端末14に、別の物件の情報を表示させる。このようにして、借り手は、自分が希望する物件を探すことができる。
【0017】
借り手が表示された情報を見ることで、実際に物件のある現地へ出向かなくても、各部屋の画像によって、どのような物件であるかを詳細に知ることができる。したがって、物件の情報には、その物件の部屋の画像が含まれることが望ましい。
【0018】
これを実現するために、不動産会社の担当者が、撮像装置11を所持して目的の物件まで出向いて、各部屋を撮像する。そして、担当者が情報提供システム13に撮像した画像を投稿することによって、物件の情報として、撮像した画像が追加される。
【0019】
しかしながら、情報提供システム13に画像を投稿する場合、物件毎に間取りが異なることので、担当者の手間がかかることになる。例えば、物件毎に撮像する画像の数も異なるので、物件と撮像した画像との対応付けに手間がかかる。また、居間や寝室等の各部屋の情報と撮像した画像との対応付けにも手間がかかる。
【0020】
さらに、画像は、文字や図形に比較し、データサイズが大きい。したがって、各物件につき1以上の部屋の画像を投稿していくと、情報提供システム13が備える記憶装置の記憶領域が不足し、投稿できなくなってしまう。このため、新たな記憶装置を追加するか、大容量の記憶装置に取り替えるかしなければならない。しかしながら、いずれの場合も、システムの再構築が必要となる。
【0021】
このことに鑑み、情報処理システムでは、情報処理装置10を利用して画像の投稿を簡易な処理で実現する。また、情報提供システム13とは別個に管理装置12を設け、撮像した画像は、管理装置12に記憶および管理させるようにすることで、情報提供システム13の再構築を不要にする。
【0022】
具体的には、ユーザとして担当者は、情報処理装置10を利用し、ネットワーク15を介して情報提供システム13にアクセスする。そして、情報処理装置10は、情報提供システム13が管理する物件を識別するために、1以上の撮像対象を識別するための識別情報としての物件IDを取得する。物件IDは、各物件に対して割り当てられる物件管理番号等である。
【0023】
担当者は、情報処理装置10に対して取得した物件IDを入力し、1以上の撮像対象が位置する情報を示す位置情報として、その物件の間取りの情報も入力する。間取りの情報は、2DK、2LDK、3DK、3LDKといった部屋の数や種類を表す情報である。ちなみに、3LDKの数字の3は、寝室として利用可能な居室の数を表し、Lは居間、Dは食堂、Kは台所を表す。
【0024】
情報処理装置10は、入力された間取りの情報によって部屋を特定し、特定した部屋を撮像する順序を、予め設定された順位情報に基づき決定する。順位情報は、一般の人が最初に見たい部屋のアンケートからランキング付けしたものを採用することができる。ただし、これは一例であるので、その他の方法により得られた情報であってもよい。
【0025】
情報処理装置10は、撮像順序を画面に表示させることによって、担当者に対し、撮像すべき部屋を知らせる。そして、情報処理装置10は、部屋内において撮像装置11を設置する位置を画面に表示させる。担当者は、画面に表示された部屋に移動し、表示された位置に撮像装置11を設置する。さらに、担当者は、情報処理装置10に撮像を要求し、情報処理装置10が撮像装置11に対して撮像を指示する。
【0026】
情報処理装置10は、撮像装置11から撮像した画像を画像データとして受信し、一時的に保持する。各機器間を送受信されるものは、画像データであるが、以下、単に画像として説明する。
【0027】
情報処理装置10は、間取りの情報に対応する全ての部屋毎に、撮像装置11から撮像した画像を受信する。その後、情報処理装置10は、画像に対して物件IDを関連付け、管理装置12に送信することにより画像を投稿する。例えば、物件IDをフォルダ名としたフォルダを生成し、そのフォルダに画像を撮像した順に格納し、フォルダ毎送信することができる。これにより、管理装置12は、そのフォルダをそのまま保存および管理することができる。
【0028】
情報提供システム13は、借り手から物件の情報の提供を要求された場合、借り手が所持する通信端末14の情報を、通信端末14から取得する。そして、情報提供システム13は、要求された物件の物件IDと、通信端末14の情報とを管理装置12に送信する。情報提供システム13は、通信端末14に対し、物件IDに対応する物件の情報を提供し、管理装置12は、通信端末14に対し、物件IDが関連付けられた複数の画像を送信する。
【0029】
通信端末14は、情報提供システム13から提供された物件の情報を受信し、画面に表示する。また、通信端末14は、予め設定された画面の位置に、管理装置12から受信した複数の画像を表示する。複数の画像は、例えば、撮像順序が最初の画像を所定の大きさの画像とし、全ての画像を縮小したもの(サムネイル画像)をその最初の画像の一部に重ね合わせて表示させることができる。これにより、借り手は、最初の画像を参照し、他の部屋の様子を確認するため、他の部屋のサムネイル画像を選択し、所定の大きさに拡大して表示させることができる。借り手は、表示された部屋の詳細な情報として、例えば壁の色、窓の大きさや位置、電灯の種類、コンセントの位置等の情報を得ることができる。
【0030】
情報処理装置10、管理装置12、情報提供システム13は、ネットワーク15により接続され、ネットワーク15を介して通信することができる。撮像装置11も、ネットワーク15に接続され、ネットワーク15を介して情報処理装置10と通信してもよいが、図1に示すでは、無線接続により、情報処理装置10と直接通信している。
【0031】
情報処理装置10は、担当者が所持や移動可能で、撮像装置11、管理装置12、情報提供システム13と通信を行い、担当者からの情報の受け付け、撮像された画像を表示できる機能を有するものであれば、いかなる装置でもよい。
【0032】
撮像装置11としては、デジタルカメラ、カメラ付きノートPC、カメラ付きタブレット端末、カメラ付きスマートフォン、全天球カメラ等を用いることができる。なお、全天球カメラは、一度で、カメラを中心とした360°の全方位を撮像することができるカメラである。通常のカメラで各部屋を隅から隅まで撮像しようとすると、カメラの角度を変えて撮像しなければならず、画像の数も多くなるため、管理が大変である。しかしながら、全天球カメラは、各部屋につき1回の撮像で済み、画像も1つで済むため、撮像装置11は全天球カメラが望ましい。
【0033】
管理装置12は、情報提供システム13で管理する全物件の全部屋の画像を記憶することができるだけの充分な記憶容量を有する記憶装置を含む。
【0034】
図2を参照して、情報処理システムが備える情報処理装置10のハードウェア構成について説明する。情報処理装置10は、ハードウェアとして、CPU(Central Processing Unit)20、ROM(Read Only Memory)21、RAM(Random Access Memory)22、フラッシュメモリ23、接続I/F24、操作パネル25、カメラ26、通信I/F27を含んで構成される。CPU20、ROM21、RAM22、フラッシュメモリ23、接続I/F24、通信I/F27は、バス28に接続され、バス28を介して互いに情報等のやりとりを行う。
【0035】
CPU20は、演算手段であり、情報処理装置10全体を制御する。ROM21は、読み出し専用の不揮発性の記憶媒体で、情報処理装置10を起動させるためのブートプログラムやファームウェア等を記憶する。RAM22は、情報の高速な読み書きが可能な揮発性の記憶媒体で、CPU20が情報を処理する際の作業領域として用いられる。フラッシュメモリ23は、情報の読み書きが可能な不揮発性の記憶媒体で、OS(Operating System)、各種のアプリケーションや処理を実行するためのプログラム等を記憶する。ここでは、不揮発性の記憶媒体としてフラッシュメモリ23を採用しているが、これに限られるものではなく、HDD(Hard Disk Drive)を採用してもよい。
【0036】
接続I/F24は、バス28に操作パネル25およびカメラ26を接続し、操作パネル25からの情報の入力、操作パネル25への情報の表示、カメラ26からの画像の入力を制御する。操作パネル25は、タッチパネルを有し、情報の入力を受け付け、情報を表示する。ここでは、操作パネル25を採用しているが、これに限られるものではなく、入力装置と表示装置とを備え、入出力I/Fによりバス28に接続された構成であってもよい。カメラ26は、撮像装置11と同様、固体撮像素子を有し、受光した光を電気信号に変換し、画像データとして出力する。
【0037】
通信I/F27は、有線または無線により、ネットワーク15を介して撮像装置11、管理装置12、情報提供システム13に接続し、それら装置やシステムとの間の通信を制御する。ここでは、ネットワーク15を介して通信するものとして説明するが、これに限られるものではなく、直接通信を行ってもよい。無線により通信を行う場合、IEEE802.11規格で定義されるWi-Fi等を使用して通信を行うことができる。
【0038】
情報処理装置10は、その他のハードウェアを備えていてもよく、例えばSDカードやUSB(Universal Serial Bus)メモリ等の外部記憶媒体を装着するSDカードスロットやUSBコネクタ等の外部記憶I/Fを備えることができる。また、情報処理装置10は、カメラ等の撮像装置、マイク等の音声入力装置、スピーカ等の音声出力装置、GPS(Global Positioning System)、各種のセンサ等を備えることができる。
【0039】
図3および図4を参照して、情報処理システムが備える撮像装置11のハードウェア構成について説明する。撮像装置11は、デジタルカメラ等であってもよいが、ここでは、全天球カメラとして説明する。図3は、全天球カメラの断面図で、主要なハードウェア構成を示し、図4は、詳細なハードウェア構成を示す。
【0040】
図3を参照すると、撮像装置11は、主要なハードウェアとして、撮像体30と、撮像体30およびコントローラやバッテリ等の部品を保持する筐体31と、筐体31に設けられたシャッターボタン32とを備える。撮像体30は、2つの結像光学系33A、33Bと、CCD(Charge Coupled Device)センサやCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)センサ等の2つの固体撮像素子34A、34Bとを含む。2つの結像光学系33A、33Bの各々は、例えば6群7枚の魚眼レンズとして構成され、魚眼レンズは、180°より大きい画角を有する。ここで、固体撮像素子と結像光学系とを1つずつ組み合わせて構成されるものを撮像光学系という。
【0041】
2つの結像光学系33A、33Bは、レンズ、プリズム、フィルタ、開口絞り等の光学素子を有し、2つの固体撮像素子34A、34Bに対して位置関係が定められる。位置決めは、2つの結像光学系33A、33Bの光学素子の光軸が、対応する2つの固体撮像素子34A、34Bの受光領域の中心部に直交して位置するように、かつ、受光領域が、対応する魚眼レンズの結像面となるように行われる。2つの固体撮像素子34A、34Bの各々は、受光領域が面積エリアを成す二次元の固体撮像素子であり、組み合わせられる2つの結像光学系33A、33Bにより集光された光を画像信号に変換する。
【0042】
2つの結像光学系33A、33Bは、同一仕様のもので、それぞれの光軸が合致するように、互いに逆向きに組み合わせられる。2つの固体撮像素子34A、34Bにより変換された2つの画像信号は、コントローラ上の画像処理手段に出力される。画像処理手段は、2つの画像信号における2つの部分画像をつなぎ合わせ、立体角4πステラジアンの画像(全天球画像)を生成する。ここでは、全方位を撮像した画像である全天球画像が生成されるものとしているが、水平方向に360°撮像した画像であるパノラマ画像であってもよい。
【0043】
撮像装置11は、魚眼レンズが180°より大きい画角を有するため、各結像光学系は重複部分を有する。そこで、全天球画像を生成する際、2つの画像信号の重複部分は、同一像を表す基準データとして画像つなぎ合わせの参考とされる。なお、全天球画像の生成は、撮像装置11で行っても良いし、情報処理装置10で行っても良い。例えば、撮像装置11の画像処理手段による処理は全てを撮像装置11で行っても良いし、撮像装置11の画像処理手段による全てまたは一部の処理を情報処理装置10で行わせるように、画像信号等を転送してもよい。
【0044】
全天球画像は、例えば撮像装置11に設けられる画面や撮像装置11に接続される情報処理装置10の画面等に表示したり、印刷装置に出力して印刷出力したり、SDカード等の外部記憶媒体等にデータとして格納したりできる。
【0045】
図4を参照すると、撮像装置11は、詳細にはプロセッサ40と、鏡胴ユニット41と、プロセッサ40に接続される種々のコンポーネントとを含む。鏡胴ユニット41は、2つの結像光学系33A、33Bと、2つの固体撮像素子34A、34Bとを含む。2つの固体撮像素子34A、34Bは、プロセッサ40からの制御指令により制御される。
【0046】
種々のコンポーネントには、データを一時的に保存するSDRAM42、43、メモリカードを装着するためのメモリカードスロット44、フラッシュROM45、USBコネクタ46、電源スイッチ47が含まれる。また、種々のコンポーネントには、音声出力装置としてのスピーカ48、音声入力装置としてのマイク49、無線通信でネットワーク15に接続するために使用される無線NIC(Network Interface Card)50、LCD(Liquid Crystal Display)モニタ51、3軸加速度センサ52等が含まれる。これらは一例であるので、その他のコンポーネントが含まれていてもよい。
【0047】
プロセッサ40は、ISP(Image Signal Processor)60A、60B、DMAC(Direct Memory Access Controller)61、アービタ(ARBMEMC)62、MEMC(Memory Controller)63、歪曲補正・画像合成ブロック64を含む。ISP60A、60Bは、固体撮像素子34A、34Bの信号処理を経て入力された画像に対し、ホワイトバランス設定やガンマ設定を行う。DMAC61は、CPUを介さずにデータをISP60A、60Bや歪曲補正・画像合成ブロック64からARBMEMC62へ、また、ARBMEMC62から歪曲補正・画像合成ブロック64へ直接転送する。ARBMEMC62は、SDRAM42等のメモリへのアクセスを調停する。MEMC63は、そのメモリアクセスを制御する。
【0048】
歪曲補正・画像合成ブロック64は、2つの撮像光学系から得られた2つの撮像画像に対し、3軸加速度センサ52からの情報を利用し、歪曲補正を行うとともに、天地補正を行い、画像合成する。SDRAM42は、ISP60A、60Bや歪曲補正・画像合成ブロック64が処理を行う際、データを一時的に保存するために使用される。
【0049】
プロセッサ40は、さらに、DMAC65、画像処理ブロック66、CPU67、画像データ転送部68、SDRAMC(SDRAM Controller)69、メモリカード制御ブロック70、USBブロック71、ペリフェラルブロック72を含む。また、プロセッサ40は、音声ユニット73、シリアルブロック74、LCDドライバ75、ブリッジ76を含む。DMAC65は、CPU67を介さずにデータをARBMEMC62から画像処理ブロック66へ直接転送する。
【0050】
画像処理ブロック66は、リサイズブロック77、JPEG(Joint Photographic Experts Group)ブロック78、H.264ブロック79等を用いて、画像に対して各種の画像処理を実行する。リサイズブロック77は、画像のサイズを補間処理により拡大または縮小する。JPEGブロック78は、JPEG圧縮および伸張を行う。H.264ブロック79は、H.264等の動画圧縮および伸張を行う。CPU67は、撮像装置11の各部の動作を制御する。
【0051】
画像データ転送部68は、画像処理ブロック66で処理された画像を転送する。SDRAMC69は、プロセッサ40に接続されるSDRAM43を制御し、画像データ転送部68から転送された画像をSDRAM43へ送る。SDRAM43は、プロセッサ40内で各種の処理を施す際、データを一時的に保存するために使用される。
【0052】
メモリカード制御ブロック70は、メモリカードスロット44に装着されたメモリカードおよびフラッシュROM45に対する読み書きを制御する。USBブロック71は、USBコネクタ46を介して接続されるPC等の外部機器とのUSB通信を制御する。ペリフェラルブロック72は、電源スイッチ47が接続される。音声ユニット73は、スピーカ48とマイク49とに接続され、音声の入出力を制御する。シリアルブロック74は、PC等の外部機器とのシリアル通信を制御し、無線NIC50が接続される。LCDドライバ75は、LCDモニタ51を駆動するドライブ回路で、LCDモニタ51に各種の状態を表示するための信号に変換する。
【0053】
フラッシュROM45には、CPU67が解読可能なコードで記述された制御プログラムや各種のパラメータが格納される。ユーザが電源スイッチ47を操作し、電源を投入(ON)すると、フラッシュROM45に格納された制御プログラムがメインメモリにロードされる。CPU67は、メインメモリにロードされた制御プログラムを実行し、撮像装置11の各部の動作を制御し、制御に必要なデータをSDRAM43と、ローカルSRAMとに一時的に保存する。
【0054】
次に、図5を参照して、管理装置12のハードウェア構成について説明する。なお、情報提供システム13を構成する情報提供サーバのハードウェア構成は、管理装置12と同様であるため、情報提供システム13については説明を省略する。管理装置12は、ハードウェアとして、CPU80、ROM81、RAM82、HDD(Hard Disk Drive)83、通信I/F84を含む。CPU80、ROM81、RAM82、HDD83、通信I/F84は、バス85に接続され、バス85を介して互いに情報等のやりとりを行う。
【0055】
CPU80は、演算手段であり、管理装置12全体を制御する。ROM81は、読み出し専用の不揮発性の記憶媒体で、管理装置12を起動させるためのブートプログラムやファームウェア等を記憶する。RAM82は、情報の高速な読み書きが可能な揮発性の記憶媒体で、CPU80が情報を処理する際の作業領域として用いられる。HDD83は、情報の読み書きが可能な不揮発性の記憶媒体で、OS、各種のプログラム等を記憶する。ここでは、不揮発性の記憶媒体としてHDD83を採用しているが、これに限られるものではなく、SSD(Solid State Drive)等を採用してもよい。
【0056】
通信I/F84は、有線または無線により、ネットワーク15を介して情報処理装置10、撮像装置11、情報提供システム13に接続し、それら装置やシステムとの間の通信を制御する。ここでは、ネットワーク15を介して通信するものとして説明するが、これに限られるものではなく、直接通信を行ってもよい。無線により通信を行う場合、IEEE802.11規格で定義されるWi-Fi等を使用して通信を行うことができる。
【0057】
管理装置12も、その他のハードウェアを備えていてもよく、例えばSDカードやUSB(Universal Serial Bus)メモリ等の外部記憶媒体を装着するSDカードスロットやUSBコネクタ等の外部記憶I/Fを備えることができる。また、管理装置12は、マイク等の音声入力装置、スピーカ等の音声出力装置、GPS(Global Positioning System)等を備えることができる。
【0058】
図6を参照して、情報処理装置10の機能構成について説明する。情報処理装置10は、CPU20がフラッシュメモリ23に記憶されたプログラムをRAM22に読み出し実行することで下記の機能部が生成されることから、下記の機能部を備えているということができる。ここでは、各機能部がプログラムの実行により生成されるものとして説明するが、複数の機能部の一部または全部がプログラムといったソフトウェアではなく、専用の回路等のハードウェアで実現されていてもよい。
【0059】
情報処理装置10は、機能部として、取得部90、制御部91、受信部92、送信部93、表示部94、入力受付部95、記憶部96を備える。取得部90は、例えば担当者が入力した入力情報から、1以上の撮像対象である部屋を含む物件を識別する物件IDと、間取りの情報とを取得する。取得部90は、情報処理装置10が情報提供システム13と通信することにより、情報提供システム13から物件IDを取得することができる。また、取得部90は、担当者が印刷した印刷物を、該情報処理装置10が備える撮像装置により撮像して読み取り、読み取った印刷物に含まれる情報の中から物件IDを取得することもできる。または、担当者が情報処理装置10とは異なる端末の画面上に表示された情報を読み取ることで、物件IDを取得することもできる。さらに、取得部90は、担当者が情報処理装置10の操作パネル25に対して入力した物件IDを取得することもできる。
【0060】
制御部91は、取得部90により取得された間取りの情報によって特定される部屋の撮像順序を、予め設定された撮像対象の順位情報に基づき決定する。順位情報は、部屋の情報と順位とが関連付けられており、例えば、1位「居間(Living)」、2位「食堂(Dining Room)」、3位「寝室1(Bed Room 1)」、4位「寝室2(Bed Room 2)」、5位「寝室3(Bed Room 3)」、6位「寝室4(Bed Room 4)」、7位「台所(Kitchen)」、8位「浴室(Bath Room)」、9位「玄関(Entrance)」等とされる。記憶部96は、撮影対象の順位情報を記憶する。例えば、間取りの情報が3LDKの場合、寝室が3つしかないため、1位から5位までは予め設定された通りの撮像順序となり、6位「寝室4(Bed Room 4)」を飛ばして、7~9位などが続いた撮像順序を決定する。そして、制御部91は、制御部91で決定した撮像順序を表示するように表示部94に対して指示する。表示部94は、その指示を受けて、撮像順序を表示する。
【0061】
担当者は、表示部94に表示された撮像順序を見て、最初の撮像であれば、最初の順序の部屋へ、2番目の撮像であれば、2番目の順序の部屋へ移動する。
【0062】
入力受付部95は、担当者からの撮像装置11の設置位置の情報の取得要求を受け付け、制御部91が、撮像装置11の設置位置の情報の表示を表示部94に対して指示する。表示部94は、制御部91からの指示を受け、「リビングの中心に設置して撮影してください」等の設置位置の情報を表示する。
【0063】
担当者は、表示された設置位置の情報に従って撮像装置11を設置した後、情報処理装置10の操作パネル25に表示された撮像ボタンをタッチする等して押下し、撮像を要求する。入力受付部95は、その要求を受け付け、制御部91は、撮像装置11に対して撮像を指示する。入力受付部95は、担当者から明るさ等の撮像条件の変更を受け付けることもできる。制御部91は、入力受付部95がその変更を受け付けた場合、その撮像条件の変更を指示する。
【0064】
なお、担当者は、情報処理装置10から撮像装置11に撮像の要求等を遠隔的に指示してもよいし、撮像装置11に備えられているシャッターボタン32等を直接押下してもよい。
【0065】
受信部92は、撮像装置11から撮像した画像を受信する。記憶部96は、受信部92により受信された画像を一時的に保存する。表示部94は、受信部92により受信された画像を、管理装置12に送信して登録する前のプレビュー画像として表示する。担当者は、プレビュー画像を見て、管理装置12へ送信する画像としてよいか、撮り直すかを判断し、入力受付部95は、判断した結果を入力として受け付ける。
【0066】
制御部91は、入力受付部95が受け付けた結果に応じて、撮像装置11に対して再度の撮像を指示する。また、制御部91は、全ての撮像が終了したことを受けて、送信部93に対して管理装置12への撮像された画像の送信を指示する。送信部93は、画像の送信の指示を受けた場合、取得部90により取得された物件IDを、撮像された画像に関連付け、それらの画像を管理装置12へ送信する。
【0067】
図7を参照して、撮像装置11および管理装置12の機能構成について説明する。撮像装置11および管理装置12も、情報処理装置10と同様、CPUがフラッシュROMやHDDに記憶されたプログラムを読み出し実行することで下記の機能部が生成されることから、下記の機能部を備えているということができる。ここでは、各機能部がプログラムの実行により生成されるものとして説明するが、複数の機能部の一部または全部がプログラムといったソフトウェアではなく、専用の回路等のハードウェアで実現されていてもよい。
【0068】
撮像装置11は、図7(a)に示すように機能部として、受信部100、制御部101、撮像部102、画像処理部103、送信部104を含む。受信部100は、情報処理装置10から撮像指示を受信する。受信部100は、撮像指示のほか、撮像条件の変更の指示も受信する。制御部101は、撮像指示を受けて、撮像部102に対して撮像を指示する。また、制御部101は、撮像条件の変更を受けて、撮像部102に設定されている明るさの設定値(EV値)等を変更する。EV値は、露出の明るさを示す数値である。
【0069】
撮像部102は、制御部101からの指示を受けて、設定された設定値に従って撮像対象である部屋を撮像し、2つの撮像画像を出力する。制御部101は、画像処理部103に対して指示し、出力された2つの撮像画像に対して画像処理を実施させる。画像処理部103は、撮像部102から出力された2つの撮像画像を受け取り、2つの撮像画像をつなぎ合わせ、全天球画像を生成し、全天球画像データとして出力する。撮像装置11から情報処理装置10へ送信されるものは、全天球画像データであるが、これも、単に全天球画像として説明する。
【0070】
制御部101は、出力された全天球画像を、情報処理装置10に対して送信するように送信部104に対して指示する。送信部104は、制御部101からの指示を受けて、全天球画像を情報処理装置10へ送信する。
【0071】
管理装置12は、図7(b)に示すように、受信部110、制御部111、記憶部112、送信部113を含む。受信部110は、情報処理装置10から物件IDが関連付けられた画像を受信する。また、受信部110は、情報提供システム13から、画像の送信要求と、物件IDおよび通信端末14の情報とを受信する。
【0072】
制御部111は、受信部110により受信された画像を、記憶部112に記憶し、画像に関連付けられた物件IDにより管理する。また、制御部111は、受信部110により受信された送信要求を受けて、物件IDに基づき、記憶部112に記憶された複数の画像の中から該当する画像を検索する。そして、制御部111は、検索した画像を、情報提供システム13に対して物件IDに対応する物件の情報を要求した通信端末14に送信するように指示する。
【0073】
送信部113は、制御部111からの指示を受けて、受信部110により受信された通信端末14の情報に基づき、制御部111が検索した画像を、通信端末14へ送信する。
【0074】
通信端末14は、情報提供システム13から要求した物件の情報とともに、管理装置12から受信した画像を表示する。借り手は、物件の情報を参照して、賃料、管理費、間取り、住所、設備等の情報を確認できるだけでなく、画像を参照して、実際の壁の色、ドア、窓、コンセントの位置等を確認することができる。
【0075】
情報処理システムを安全に利用するために、システムの管理者は、担当者に対し、ユーザ識別情報としてのユーザID、パスワードを発行する。担当者は、発行されたユーザIDおよびパスワードを入力し、ユーザ認証が成功した場合に、システムを利用することができる。
【0076】
図8は、管理装置12において表示されるユーザ識別情報を作成するための画面を例示した図である。管理者は、管理権限のあるPCから管理装置12にログインした後、ユーザ名の欄120に、ユーザIDを構成する数字や英数文字等を入力し、パスワードの欄121に、パスワードを構成する数字や英数文字等を入力する。画面には、自動生成ボタン122を有し、自動生成ボタン122を押下することで、ユーザIDおよびパスワードを生成し、登録する。
【0077】
また、初めに管理者が自動生成ボタン122を押下することによって、管理装置12が自動割り振りで数字や英数文字等を割り当て、ユーザIDとパスワードを発行し、登録してもよい。さらに、担当者が情報処理装置10から管理装置12にアクセスすることによって、ユーザIDとパスワードの発行要求を管理装置12に送信してもよい。
【0078】
画面は、ユーザ名やパスワードを入力する欄のみを有していてもよいが、画像の「参照」、「編集」、「削除」といった操作に対する権限の欄123を設けることができる。「参照」の権限が「あり」に設定されていれば、担当者は、自身が所有する情報処理装置10に、管理装置12から既に登録されている画像を取得し、表示させることができる。
【0079】
権限が「あり」は、担当者が担当する物件の画像に対してのみ権限が「あり」、全ての画像に対して権限が「あり」の2つのいずれかを設定できるようになっていてもよい。権限に関する情報は、管理装置12が備える記憶部112に記憶および管理することができる。
【0080】
管理者は、画面で作成したユーザ識別情報を、該当する担当者に対して通知する。ユーザ識別情報の通知は、口頭で通知してもよいし、紙に印刷して配布することもできるし、ネットワーク15を介して電子メール等で通知することもできる。ユーザ識別情報は、機密情報であるため、ネットワーク15を介して電子メール等で通知する場合、暗号化する等して送信することができる。暗号化の方式は、いかなる暗号化方式を採用してもよく、その際に使用する暗号化アルゴリズムも、いかなる暗号化アルゴリズムでも使用することができる。
【0081】
次に、担当者がユーザ識別情報を用いて管理装置12へログインする方法について説明する。図9は、ログイン画面を例示した図である。
【0082】
担当者は、ユーザ識別情報を、自身が使用する情報処理装置10に、予め入力し、登録する。この登録により、担当者は、ログイン画面において、ログインボタン124を押下するのみで、ログインする度にユーザ識別情報を入力することなく、ログインすることができる。なお、このログインは、撮像装置11で撮像した画像を管理装置12に登録する処理を行うためのものである。
【0083】
次に、ログイン後の情報処理装置10により実行される処理の概要を、図10を参照して説明する。担当者がログインボタン124を押下し、ログインが成功したことを受けて、ステップ1000から処理を開始する。ステップ1005では、情報処理装置10は、情報提供システム13にアクセスし、目的の物件が検索される。そして、情報処理装置10は、情報提供システム13からその物件の物件IDを取得する。ここで、情報処理装置10は、物件IDを取得したところで、管理装置12に対し、同一の物件IDの画像が既に登録され、撮影済みであるか否かを問い合わせてもよい。さらに、物件IDの取得と同時に、情報処理装置10は、物件の間取りの情報を取得してもよい。なお、間取りの情報は、担当者が入力してもよいし、予めいくつかの間取りの情報を用意しておき、担当者がその中から該当する間取りの情報を選択してもよい。
【0084】
ステップ1010では、情報処理装置10が撮像装置11で撮像する部屋の撮像順序を決定し、その撮像順序を表示する。担当者は、撮像順序に従って撮像を行うため、撮像順序により指示された部屋へ移動し、撮像装置11を設置する。情報処理装置10と撮像装置11とは通信が確立しており、担当者は、情報処理装置10に対して撮像を要求し、情報処理装置10が撮像装置11に対して撮像を指示することにより撮像が行われる。なお、担当者は直接、撮像装置11に備えられているシャッターボタン32等を押下してもよい。
【0085】
ステップ1015では、情報処理装置10が撮像装置11から撮像した画像を取得する。ステップ1020では、ステップ1005で情報処理装置10が取得した物件IDを、ステップ1015で情報処理装置10が取得した画像に関連付け、管理装置12に送信する。そして、ステップ1025で処理を終了する。
【0086】
図11図13を参照して、図10のステップ1005等の物件IDを取得する3つの方法について説明する。図11を参照して、物件IDを取得する第1の方法を説明する。第1の方法は、情報提供システム13が保有する物件の情報を紙や端末に出力し、出力された物件の情報の中から目的の物件の情報を情報処理装置10で読み取り、読み取った情報の中から物件IDを取得するという方法である。
【0087】
図11(a)は、出力された物件の情報を例示した図で、図11(b)は、情報処理装置10で目的の物件の情報を示すコードを読み取る方法について説明する図である。図11(a)を参照すると、物件の情報は、物件名、住所、物件ID、間取りの情報である間取りタイプ、少なくとも物件IDと間取りタイプとを含むバーコードとを含む。さらに、情報処理装置10の撮像部として機能するカメラ26で、目的の物件のバーコードを撮像し、取得部90において撮像したバーコードの画像からパターンを解析することで、物件IDと間取りタイプを抽出することができる。そして、情報処理装置10は、図11(b)に示す物件IDと間取りタイプとを、画面上に表示する。なお、情報処理装置10は、バーコードの解析を行うために、別途解析部を設けてもよい。また、物件の情報を示すコードは、バーコードに限定するものではなく、例えばQRコード(登録商標)などのような二次元コードから物件の情報を読み取ってもよい。
【0088】
バーコードには、物件IDや間取りタイプのほか、住所情報を含んでいてもよい。住所情報を含むことで、その物件が、目的の物件かどうかを確認することができる。なお、住所情報に代えて、その住所情報を緯度経度に変換した情報を含んでいてもよい。緯度経度に変換することで、住所情報に比較して情報量を少なくすることができる。
【0089】
情報処理装置10の画面上の撮像ボタン125を押下し、カメラ26を起動し、バーコードを撮像することにより、バーコードに含まれる情報を読み取ることができる。
【0090】
情報処理装置10として利用することができるスマートフォンは、GPS機能を有していてもよい。この場合、GPS機能により計測された緯度経度の情報と、バーコードから取得した緯度経度の情報とが一致するかどうかにより、目的の物件かどうかを確認することができる。なお、緯度経度の情報が完全に一致することは稀であることから、誤差範囲を設け、誤差範囲内であれば、一致すると判断し、目的の物件であると確認することができる。
【0091】
誤差範囲外である場合、警告(アラート)を出すことができる。アラートは、情報処理装置10の画面に警告表示として出すこともできるし、警告音として出すこともできる。誤差範囲外である場合、入力ミスであることが多いため、アラートを出すことで、入力ミスを防ぐことができる。
【0092】
情報処理装置10は、物件IDを取得したところで、管理装置12に対し、同一の物件IDの画像が既に登録され、撮影済みであるかどうかを問い合わせる。情報処理装置10は、管理装置12から撮影済みとの回答を得た場合、「撮影済みの物件IDです」等のアラートを出す。管理装置12からの回答は、撮影済みか否かの回答のみであってもよいが、撮影日として何年何月何日に撮影済みという情報を含んでいてもよい。これにより、情報処理装置10は、アラートとして「○年○月○日に撮影済みの物件IDです」と表示することができる。
【0093】
また、情報処理装置10は、管理装置12からの撮影日を含む回答を得た場合、その撮影日から予め設定された所定の期間が経過しているかどうかを判断してもよい。所定の期間が経過している場合、アラートは出さないようにすることもできる。これにより、アラートの設定を解除する手間を削減することができる。所定の期間が経過していない場合、撮像対象が変化している蓋然性が低いことから、画像を再度撮影する手間を削減できる。
【0094】
第2の方法は、情報提供システム13へアクセスし、情報提供システム13が保有する物件の中から目的の物件を検索し、検索した物件の情報を取得する方法である。情報処理装置10において、図12(a)に示す情報提供システム13が提供するページへアクセスするためのアイコン126を指等で1回軽くタッチ(タップ)する。次に、図12(b)に示す物件を検索する画面が表示される。担当者は、住所や物件名等に基づき、目的の物件を検索する。図12(b)では、検索方法として、「沿線から探す」、「エリアから探す」の2つの方法が表示されている。
【0095】
目的の物件が検索されると、図12(c)に示す、その物件のパノラマ撮影を実施するための画面を開くことができる。この画面には、物件IDと、パノラマ撮影ボタン127とが表示される。担当者は、パノラマ撮影ボタン127を押下すると、物件ID等を取得し、目的の物件の撮像を指示し、撮像した画像を投稿する処理を実行するためのプログラムを起動する。
【0096】
プログラムを起動すると、図12(d)に示す物件IDと間取りタイプを選択する画面が表示される。物件IDは、図12(b)に示す画面で検索され、図12(c)に示す画面で取得されている。したがって、図12(d)に示す画面では、取得された物件IDが自動的に入力される。担当者は、目的の物件の間取りタイプを、予め設定された複数の間取りタイプの中から選択する。間取りタイプは、プルダウンメニュー128の例えば「1K」等をタップすることで選択することができる。
【0097】
第2の方法でも、第1の方法と同様にして、情報処理装置10は、物件IDを取得したところで、管理装置12に対し、同一の物件IDの画像が撮像済みか否かを問い合わせる。
【0098】
第3の方法は、担当者が物件IDを入力し、間取りタイプを選択する方法である。担当者は、情報処理装置10の画面に表示されるキーボード等を使用し、図13に示す物件IDの欄129を入力する。間取りタイプは、第2の方法と同様にして、プルダウンメニュー128の所望のタイプをタップして選択することができる。
【0099】
第3の方法でも、第1の方法や第2の方法と同様にして、情報処理装置10は、物件IDを取得したところで、管理装置12に対し、同一の物件IDの画像が撮像済みか否かを問い合わせる。
【0100】
図14を参照して、画像を取得する処理について詳細に説明する。ステップ1400から処理を開始する。ステップ1405で、担当者が物件IDを取得する。物件IDは、図11~13に示す方法で取得することができる。また、担当者は、物件の間取りタイプを選択し、情報処理装置10が間取りタイプの選択を受け付ける。ステップ1410では、間取りタイプから部屋を特定し、間取りを取得したか否かを判定し、処理を分岐する。間取りを取得した場合には、ステップ1415に進み、撮像候補を表示し、撮像順序を決定する。間取りを取得していない場合には、ステップ1420に進み、撮像候補となる場所を入力する処理を行う。なお、撮像候補を入力する処理についての詳細は、後述する。
【0101】
ここで、撮影順序について図15を用いて説明する。まず、ステップ1415において、図15(a)で撮像順序を情報処理装置10の画面上に表示する。図15(a)では、撮影順序として部屋の情報である「Living」、「Dining Room」、「Bed Room 1」、「Bed Room 2」、「Kitchen」、「Bath Room」、「Entrance」の順に並べられ、「Living」から順に撮像するように指示している。
【0102】
図15(a)では、まだ撮像されていないため、何もないことを表す画像を、「Living」等の部屋を表す文字列の左横に表示している。撮像済みの場合は、撮像した画像のサムネイルが表示される。部屋を表す文字列の右横には、撮像を要求するための撮るボタン130と、撮像した後に確認するために表示させるための見るボタン131とが設けられている。また、撮像した画像を投稿するための投稿ボタン132、キャンセルボタン133、撮像した画像などの情報を情報処理装置10に保存するための保存ボタン134も設けられている。
【0103】
担当者は、一番上の「Living」から順に部屋を撮像する。担当者は、撮像しようとする部屋へ撮像装置11を持って移動する。
【0104】
図14に戻って、ステップ1425では、情報処理装置10の画面に撮像装置11の設置位置を表示する。情報処理装置10は、撮るボタン130の押下を受けて、図15(b)に示すように、撮影順序に従った各部屋における撮像装置11の設置位置を表示する。そして、担当者は、設置位置に撮像装置11を設置する。撮像装置11は、例えば支持脚上に設置することができる。なお、ステップ1425の撮像装置11の設置位置の表示は、省略してもよい。ステップ1425を省略する場合には、撮像する部屋において、担当者が撮像に適すると判断した位置に撮像装置11を設置する。
【0105】
担当者は、撮像装置11の設置が完了した旨の応答を情報処理装置10に通知する。例えば、情報処理装置10は、担当者に設置が完了したかを問い合わせる画面を表示し、担当者は、設置が完了した旨を応答する。そして、ステップ1430に進む。ステップ1430では、担当者が撮像装置11を用いて画像を撮像する。例えば、図15(c)に示すような画面を表示させ、情報処理装置10を介して、撮像装置11に撮影を指示する。担当者は、情報処理装置10と撮像装置11とが未接続である場合は接続し、撮像ボタン135を押下して撮像を指示する。
【0106】
撮像装置11として全天球カメラを使用する場合、全方位が撮像されて担当者が全天球画像に写り込むのを防ぐために、担当者は全天球カメラが見えない撮像対象の部屋の外へ移動する等して、撮像を指示することができる。また、部屋ごとに撮像装置11の種類を使い分けることができる。例えば、リビングやキッチン等のように空間全体を把握したい場合には、全天球カメラを使用して、空間全体を撮像する。玄関や廊下等のように、空間全体ではなく、一面でもよい場合には、情報処理装置10のカメラ26や、一般的なデジタルカメラで撮像してもよい。
【0107】
担当者が撮るボタン130を押下したが、撮像済みで、管理装置12に既に登録されている場合、図16に示すような「既に写真が登録されています」というアラートを表示させることができる。担当者は、そのアラートを見て、撮像するかどうかを判断することができる。
【0108】
図14に戻って、ステップ1435では、情報処理装置10は、撮像装置11から画像を取得する。例えば、情報処理装置10は、画像を受信し、図17に示すような撮像した画像を確認するためのプレビュー画面を表示する。担当者は、プレビュー画面を見て、表示された画像が管理装置12に送信する画像でよいか否かを判断する。なお、撮像された画像に、人や撮像装置11の一部等が含まれている場合、人等を自動で検出し、アラートを出すことができる。担当者は、次の処理に進むため、共有ボタン136を押下する。
【0109】
情報処理装置10は、共有ボタン136の押下を受けて、図18に示す画面を表示させる。画面には、撮像された画像を破棄して再撮影するボタン137と、次画面に進むボタン138とが表示される。担当者は、いずれかのボタンを選択し、押下することができる。破棄して再撮像するボタン137は、撮像された画像を破棄し、再度同じ部屋の画像を撮像するためのボタンである。次の画面に進むボタン138は、次の部屋の画像を撮像するためのボタンである。入力受付部95は、いずれかのボタンが押下され、選択されたことを入力として受け付け、制御部91が、画像を破棄し、または表示部94に対して次の画面を表示させるように指示する。
【0110】
ステップ1440では、情報処理装置10は、担当者から再度の撮像の要求を受け付けたかを判断する。受け付けた場合は、ステップ1430へ戻り、撮像装置11に対して再度の撮像を指示する。例えば、担当者が管理装置12へ送信するにはふさわしくない画像であると判断した場合に、再度撮像する。そこで、再び図15(c)に示す画面を表示させる。受け付けていない場合、ステップ1445へ進む。例えば、担当者が管理装置12へ送信してもよい画像であると判断した場合に、次の撮影順序に示される部屋の撮像に進む。そして、次の撮像順序に示される他の部屋における撮像装置11の設置位置の情報の取得要求を受け付けたかを判断する。受け付けた場合、ステップ1425へ戻る。そして、ステップ1425からステップ1440の処理を繰り返す。
【0111】
受け付けていない場合、ステップ1450へ進む。例えば、撮像順序に示される部屋の撮像が全て終了した場合や、撮像順序に示される一部の撮像が終了し、一旦管理装置12に送信したいと担当者が判断した場合などがある。そして、ステップ1450では、ステップ1405で取得した物件IDを、画像に関連付け、管理装置12に送信する。ステップ1455で処理を終了する。
【0112】
担当者は、全ての画像を撮像し、撮像が完了したところで、図15(a)に示す投稿ボタン132を押下する。情報処理装置10は、投稿ボタン132の押下を受けて、撮像された全ての画像を物件IDと関連付け、管理装置12へ送信する。管理装置12への送信による画像の投稿は、撮像した全ての画像を順に表示させ、全てを確認した後に実施することもできる。このとき、担当者は、画像の並びの順序がこれでよいか、不要な画像があるか等を確認することができる。
【0113】
ここで、ステップ1420の撮像候補となる場所を入力する処理について説明する。ステップ1420は、間取りに関する情報を取得していない場合に実行する処理であって、図15(d)に示す画面を表示し、担当者の操作によって撮像候補を入力する。図15(d)には、図15(a)の表示に代わって、撮像場所入力欄151と、入力欄追加ボタン152が表示されている。撮像場所入力欄151には、担当者が任意の撮像場所を入力することができる。また、担当者は、入力欄追加ボタン152をタップすることで、撮像場所入力欄151を追加して表示でき、これによって、複数の撮像場所を設定することができる。図15(d)では、担当者は、予め全ての撮像候補を入力したうえで、各撮像場所で撮像を行っても良いし、撮像候補の入力と、撮像とを繰り返して行ってもよい。これによって、担当者の判断による撮像順序のカスタマイズを、容易に行うことができる。
【0114】
また、本実施形態では、図15(e)に示すような表示をしたうえで、担当者の操作によって、撮像場所を追加してもよい。例えば、不動産物件を探す場合には、借り手が注目する部屋は共通していることが多いため、撮像対象とする部屋が予測しやすい。したがって、図15(e)のように、「Living」、「Dining Room」など、撮像する蓋然性の高いと予測される場所を撮像候補として予め表示し、さらに担当者が、その他の部屋を撮像場所として追加してもよい。これによって、担当者が、撮像場所を入力する手間を軽減することができる。
【0115】
なお、図15(a)に示す表示に、入力欄追加ボタン152を設けてもよい。これによって、担当者は、間取りによって予め設定された撮像場所以外の撮像場所(例えば、不動産物件であれば、共用部分など)を追加することができる。したがって、担当者は、撮像場所や、撮像順序をカスタマイズして設定することができる。
【0116】
各部屋は、1枚ずつ撮像するように撮像順序が指示されるが、複数枚撮像したい場合、撮像順序に部屋を追加することができる。また、撮像装置11は、撮像する際にシャッターを切るが、撮像装置11は、撮像する画像を連続して、または一定時間間隔で情報処理装置10へ送信することができる。このため、情報処理装置10は、画像を連続して、または一定時間間隔で表示し、担当者は、撮像位置を確認しながら最適な位置に設置し直し、撮像を指示することができる。
【0117】
画像を取得する際、撮像条件を変更することができる。撮像条件としては、例えば画像の明るさ(明度)、色相、彩度等を挙げることができる。ここでは、画像の明るさを変更(調整)するものとして説明する。画像の明るさは、露出の明るさを示す値(EV値)を変更することにより調整することができる。EV値は、レンズの絞り(F値)と固体撮像素子を露光する時間(シャッター速度)により決まる値である。
【0118】
この撮像条件の変更を伴う画像を取得する処理を、図19を参照して説明する。ステップ1900~ステップ1935は、図14に示したステップ1400~ステップ1435の処理と同様である。ステップ1940では、担当者が、情報処理装置10によってEV値を変更し、表示している画像の明るさを変更する。ステップ1945以降は、図14に示したステップ1440以降の処理と同様である。EV値の受け付けは、入力受付部95が受け付けることができ、EV値の変更は、制御部91が撮像装置11に対して指示することにより実現することができる。
【0119】
担当者は、プレビュー画面で撮像した画像を確認し、プレビュー画面で撮像条件を変更して、画像の明るさ等を調整することができる。また、撮像を指示する前に、予め画像の明るさなどを調整してもよい。
【0120】
図20を参照して、プレビュー画面で撮像条件を変更する方法について説明する。図20(a)は、撮像した画像のプレビュー画面を例示した図である。プレビュー画面には、EV値を調整するためのスライドバー139が設けられており、スライドバー139の、向かって左端が最も小さい値(最も暗い)を示し、右端が最も大きい値(最も明るい)を示す。
【0121】
担当者は、スライドバー139を左端または右端に向けて移動させることにより、EV値を変更することができる。図20(b)、(c)は、図20(a)に示すスライドバー139の位置から右端に向けて移動させ、EV値を大きくしたときの画像を表示した画面である。図20(a)から図20(c)に向けてEV値が大きくなっているので、画像が明るくなっているのが分かる。
【0122】
撮像装置11として全天球カメラを用いる場合、全天球画像は、180°より大きい画角を有する2つの魚眼レンズを使用して撮像し、得られた2つの撮像画像をつなぎ合わせて生成される。プレビュー画面では、この全天球画像のうちの1つの撮像画像の一部のエリアしか表示されない。
【0123】
ここで、借り手の通信端末14で物件の情報と部屋の画像を表示する際、最初に表示される初期画像は、プレビュー画面に表示した一部のエリアの画像となる。担当者は、借り手に対して物件を借りてもらう際、その物件を少しでも良く見せたいと考える。そこで、担当者が借り手に表示される初期画像としてふさわしいエリアに変更し、管理装置12に登録することができる。
【0124】
このエリア変更を伴う画像を取得する処理を、図21を参照して説明する。ステップ2100~ステップ2135は、図14に示したステップ1400~ステップ1435、図19に示したステップ1900~ステップ1935の処理と同様である。ステップ2140では、担当者が、情報処理装置10でプレビュー画面に表示するエリアを変更する。ステップ2145以降は、図14に示したステップ1440以降、図19に示したステップ1945以降の処理と同様である。制御部91は、送信部93に対して、管理装置12に変更された画像を送信して更新するように指示することができる。これにより、初期画像を担当者によって変更された画像として表示させることができる。
【0125】
エリアは、担当者が、情報処理装置10の画面を指で画面に接触させたままで、左右あるいは上下に移動させる(スワイプまたはフリックする)ことで変更できる。ちなみに、エリアは、担当者が、その画面を、2つの指を画面に接触させたままで近づけたり、遠ざけたり(ピンチイン、ピンチアウト)することで縮小したり拡大したりできる。
【0126】
図10,14,19,21に示す情報処理装置10の処理が終了すると、管理装置12は、物件IDが関連付けられた画像を受信する。そして、管理装置12は、記憶部112に画像を記憶させ、画像の登録が完了すると、情報処理装置10に対して登録完了通知を送信する。情報処理装置10は、登録完了通知を受けて、図22に示す「アップロード成功」というメッセージを表示させることができる。また、情報処理装置10は、登録完了した内容としてアップロード内容を担当者に確認させるため、「ブラウザで確認する」か否かを問い合わせるメッセージも表示させることができる。
【0127】
担当者は、このメッセージを受けて、「はい」または「いいえ」を選択することができ、「はい」を選択することで、アップロード内容を表示させることができる。
【0128】
画像の表示方法として、例えば、図23に示すように撮像順序が最初の部屋の初期画像140を所定のサイズで表示する。そして、初期画像140の上に各部屋のサムネイル画像141を並べて表示することもできる。また、初期画像140上には、Click to Playボタン142を設け、全方位の画像を一定時間かけてエリアを変えながら表示させることができる。
【0129】
また、画像には、画像を説明する文章(キャプション)を付与することができる。キャプションは、部屋の情報として例えば「Living」や「Bed Room 1」等である。キャプションは、情報処理装置10が撮像装置11から撮像した画像を受信し、一時的に保存する際、付与することができる。部屋の情報は、撮像順序に含まれている。したがって、情報処理装置10は、撮像する部屋の撮るボタン124が押下されたときに、撮るボタン124に対応する部屋の情報を取得しておき、撮像した画像を受信した際に、部屋の情報をキャプションとして付加することもできる。
【0130】
ここで、担当者は、管理者から「編集」の権限が付与されている場合、管理装置12に画像を登録した後、その画像を編集することができる。このため、担当者は、画像と間取り図とを関連付けることにより、撮像位置や初期画像がどの方向に向けて撮像した画像かが簡単に分かるように編集することができる。さらに、借り手も物件の状態を把握しやすくなる。図24,25で、担当者が行う画像の編集について説明する。
【0131】
まず、担当者は、図24(a)に示すような検索画面に、編集する対象の物件IDを入力する。これによって、管理装置12では、物件IDが関連付けられた画像が検索される。次に、図24(b)に示す編集画面が表示される。検索された画像は、インポートボタン143を押下することで、サムネイル画像141として順に表示させることができる。もちろん、自動で検索された画像がサムネイル画像141として表示されてもよい。図24(b)では、サムネイル画像141を表示させたところを示している。
【0132】
担当者は、ドラッグアンドドロップもしくはインポートボタン144を押下して、間取り図を選択する。そして、編集画面の点線で示す枠内に間取り図が表示される。担当者は、リンクボタン145を使用し、間取り図に、サムネイル画像141として表示されている画像を関連付けることができる。例えば、間取り図のうち「Living」の領域に、サムネイル画像141のうち「Living」に対応する画像を選択して、関連付ける。このような編集は、入力受付部95が、物件IDが関連付けられた画像に対する編集の内容を受け付け、制御部91が、送信部93に対して、画像を取得するように指示する。また、制御部91が、編集後の画像を管理装置12に送信して更新するように指示することで実現することができる。
【0133】
編集された画像を、図25に示す。図25では、間取り図146と、間取り図146で示す撮像位置で撮像した画像147とを重ね合わせて表示している。間取り図146には、複数の撮像位置148が示され、現在表示している画像147の撮像位置が他の撮像位置とは区別して示されている。また、間取り図146には、現在表示している画像147の、撮像位置148に対する方向や範囲も略扇形状で示されている。
【0134】
画像147には、近隣する撮像位置148の方向を表し、その撮像位置148で撮像された画像を表示させるための記号149、全天球画像の上下、左右のエリアを表示させ、エリアを拡大および縮小させるためのボタン150が示されている。
【0135】
間取り図146、記号149、各種のボタン150を備えることにより、借り手は、自分が実際にその場にいて、各部屋を移動しながら見ているような感覚を味わうことができる。
【0136】
ところで、本実施形態では、システムの管理者によって、撮像順序のリストを登録することができる。例えば、不動産の場合には、間取りタイプと、構成される各部屋とを対応付けることで、撮像順序を管理しやすくできる。すなわち、図11(b)、図12(d)、図13などに示す画面において担当者が間取りを選択すると、図15(a)に示すような選択した間取りに対応した撮像場所のリストが表示できる。ここで、リストに基づいて、画像を撮像し登録する処理について説明する。図26は、情報処理システムにおいて実行する処理のシーケンス図である。
【0137】
管理者は、管理者PC16を使用して管理装置12にアクセスし、担当者の登録やリストの編集などを行う。また、担当者は、情報処理装置10を使用して管理装置12にアクセスしてリストを取得し、当該リストに基づいて撮像した画像のアップロードを行う。以下に、各処理の詳細について説明する。
【0138】
まず、ステップ2600で、管理権限を有する管理者PC16は、管理装置12にログインする。次に、管理者PC16は、ステップ2605で、画像の撮像やアップロードなどの作業を行う担当者のユーザ識別情報を、管理装置12の記憶部112に登録する。管理装置12は、ステップ2610で、記憶部112に登録された担当者のIDとパスワードを発行する。なお、IDとパスワードの発行は、図8にて説明した方法などを用いてもよい。
【0139】
管理者は、ステップ2615で、各担当者に対し、発行されたIDとパスワードを通知する。なお、IDとパスワードの通知は、担当者に対して直接口頭で通知してもよいし、紙に印刷して配布することもできるし、ネットワーク15を介して電子メール等で各担当者が所有する情報処理装置10に通知することもできる。
【0140】
その後、管理者PC16は、ステップ2620で、リストの登録や編集を行う。図27は、管理者がリストを編集する画面を例示した図である。管理者PC16は、管理装置12にログイン後、メニューから「リストの編集」などの項目を選択することで、図27に示すリスト編集画面に遷移する。リスト編集画面は、間取りタイプ設定ペインと、撮像順序設定ペインとが含まれて構成される。また、各ペインには、順序変更ボタン153、削除ボタン154、項目名入力欄155、項目追加ボタン156が含まれる。
【0141】
間取りタイプ設定ペインでは、項目名入力欄155aに間取りタイプを入力し、追加ボタン156aを押下することで、間取りタイプの項目を追加できる。また、上矢印や下矢印の順序変更ボタン153aによって、選択した間取りタイプの表示順序を変更できる。選択された間取りタイプの項目は、色の濃い表示で以て表され、選択中に削除ボタン154aを押下することで、選択された項目を削除できる。
【0142】
また、撮像順序設定ペインでは、間取りタイプ設定ペインで選択した間取りの項目に対応する撮像場所と、撮像順序を設定する。間取りタイプ設定ペインで選択した項目が変更されると、撮像順序設定ペインの表示が切り替わる。撮像順序設定ペインでは、項目名入力欄155bに撮像場所を入力し、追加ボタン156bを押下することで、撮像場所を追加できる。また、上矢印や下矢印の順序変更ボタン153bによって、撮像順序を変更できる。選択された撮像場所の項目は、色の濃い表示で以て表され、選択中に削除ボタン154bを押下することで、選択された項目を削除できる。
【0143】
説明を図26に戻す。ステップ2620で、管理者PC16が作成したリストは、管理装置12の記憶部112に保持される。なお、リストの登録などは、ステップ2605の担当者の登録の前に行ってもよい。
【0144】
次に、ステップ2625では、情報処理装置10は、通知されたIDとパスワードを使用して、管理装置12にログインする。ログインは、一例として、図9に示した画面によって行う。管理装置12は、ログインを受け付けると、制御部111が記憶部112に登録されている担当者の情報と照会し、ログインを行った担当者が登録されていればログインを許可する。
【0145】
管理装置12は、担当者のログインを受けて、ステップ2630で、記憶部112に登録されたリストを情報処理装置10に通知する。情報処理装置10は、管理装置12から通知されたリストを、取得部90によって取得する。
【0146】
ステップ2635で、担当者は、リストに表示された撮像順序に基づいて、各撮像場所を撮像する。なお、ステップ2635では、情報処理装置10は、撮像装置11や一般的なデジタルカメラなどを使用して撮像した画像を受信部92が撮像した画像を受信しても良いし、情報処理装置10のカメラ26を用いて撮像してもよい。
【0147】
その後、情報処理装置10は、ステップ2640で、撮像した画像を管理装置12にアップロードする。ステップ2640では、情報処理装置10の送信部93が、撮像された画像と物件IDとを関連付けた上で送信する。なお、ステップ2635,2640の処理は、図14などにおけるステップ1430~1450の処理に対応する。
【0148】
管理装置12の受信部110は、ステップ2640でアップロードされた画像を受信し、ステップ2645で、制御部111がアップロードされた画像をリストの撮像場所に対応付けて登録し、記憶部112に記憶する。
【0149】
上述したようにリストを編集することで、用途に応じたリストにカスタマイズできることから、担当者が撮像する際の手間を軽減できる。また、各担当者が同じリストを使用することで、表記の統一が図れる。例えば、「Living」、「LIVING」、「リビング」などのような表記揺れをなくすことができ、担当者や借り手の利便性が向上できる。
【0150】
以上のことから、情報処理システム、情報処理装置10、それらが実行する情報処理方法およびその処理をコンピュータに実行させるためのプログラムを提供することで、画像の投稿を簡易な処理で実現することができる。また、既に画像が撮像済みで、登録されている物件IDを入力した場合、アラートを出すことができるので、誤った画像の登録を防止することができる。以前の登録から所定の期間が経過している物件に対しては、アラートを出さないように制御するため、アラートを確認し、解除する等の手間を削減することができる。
【0151】
これまで本発明を、情報処理装置、情報処理システム、認証方法およびプログラムとして上述した実施の形態をもって説明してきたが、本発明は上述した実施の形態に限定されるものではない。本発明は、他の実施の形態、追加、変更、削除など、当業者が想到することができる範囲内で変更することができ、いずれの態様においても本発明の作用・効果を奏する限り、本発明の範囲に含まれるものである。
【0152】
したがって、プログラムは、インストール可能な形式または実行可能な形式のファイルでフロッピー(登録商標)ディスク、CD(Compact Disk)、CD-R(Compact Disk Read Only Memory)、DVD(Digital Versatile Disk)、SDメモリカード(SD Memory Card)、USBメモリ(Universal Serial Bus Memory)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成することができる。また、上記のプログラムは、インターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成されていてもよい。さらに、上記のプログラムを他の各種ソフトウェアとともにROM等に予め組み込んで提供するように構成してもよい。
【0153】
上記の実施形態では、上記の各機能部は、CPUがHDD等に記憶されたプログラムを読み出して実行することにより、各機能部を実現するプログラムがRAM上にロードされ、上記の各機能部が生成されている。しかしながら、これに限られるものではなく、例えば各機能部のうちの少なくとも一部が専用のハードウェア回路(例えば半導体集積回路)で実現されていてもよい。
【符号の説明】
【0154】
10…情報処理装置、11…撮像装置、12…管理装置、13…情報提供システム、14…通信端末、15…ネットワーク、16…管理者PC、20…CPU、21…ROM、22…RAM、23…フラッシュメモリ、24…接続I/F、25…操作パネル、26…カメラ、27…通信I/F、28…バス、30…撮像体、31…筐体、32…シャッターボタン、33A、33B…結像光学系、34A、34B…固体撮像素子、40…プロセッサ、41…鏡胴ユニット、42、43…SDRAM、44…メモリカードスロット、45…フラッシュROM、46…USBコネクタ、47…電源スイッチ、48…スピーカ、49…マイク、50…無線NIC、51…LCDモニタ、52…3軸加速度センサ、60A、60B…ISP、61…DMAC、62…アービタ、63…MEMC、64…歪曲補正・画像合成ブロック、65…DMAC、66…画像処理ブロック、67…CPU、68…画像データ転送部、69…SDRAMC、70…メモリカード制御ブロック、71…USBブロック、72…ペリフェラルブロック、73…音声ユニット、74…シリアルブロック、75…LCDドライバ、76…ブリッジ、77…リサイズブロック、78…JPEGブロック、79…H.264ブロック、80…CPU、81…ROM、82…RAM、83…HDD、84…通信I/F、85…バス、90…取得部、91…制御部、92…受信部、93…送信部、94…表示部、95…入力受付部、96…記憶部、100…受信部、101…制御部、102…撮像部、103…画像処理部、104…送信部、110…受信部、111…制御部、112…記憶部、113…送信部、120、121…欄、122…自動生成ボタン、123…欄、124…ログインボタン、125…撮像ボタン、126…アイコン、127…パノラマ撮影ボタン、128…プルダウンメニュー、129…欄、130…撮るボタン、131…見るボタン、132…投稿ボタン、133…キャンセルボタン、134…保存ボタン、135…撮像ボタン、136…共有ボタン、137…再撮影するボタン、138…次画面に進むボタン、139…スライドバー、140…初期画像、141…サムネイル画像、142…Click to Playボタン、143、144…インポートボタン、145…リンクボタン、146…間取り図、147…画像、148…撮像位置、149…記号、150…ボタン、151…撮像場所入力欄、152…入力欄追加ボタン、153…順序変更ボタン、154…削除ボタン、155…項目名入力欄、156…項目追加ボタン
【先行技術文献】
【特許文献】
【0155】
【文献】特開2015-35178号公報
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