(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-01
(45)【発行日】2022-08-09
(54)【発明の名称】フォルダブルバックプレートフィルムおよびフォルダブルバックプレートフィルムの製造方法
(51)【国際特許分類】
C09J 7/38 20180101AFI20220802BHJP
C09J 7/25 20180101ALI20220802BHJP
C09J 201/00 20060101ALI20220802BHJP
【FI】
C09J7/38
C09J7/25
C09J201/00
(21)【出願番号】P 2020548748
(86)(22)【出願日】2019-11-14
(86)【国際出願番号】 KR2019015514
(87)【国際公開番号】W WO2020105953
(87)【国際公開日】2020-05-28
【審査請求日】2020-09-15
(31)【優先権主張番号】10-2018-0145352
(32)【優先日】2018-11-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】500239823
【氏名又は名称】エルジー・ケム・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】龍華国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】ソン、ヒー
(72)【発明者】
【氏名】パク、ヒョン ギュ
(72)【発明者】
【氏名】キム、ヒュン チョル
【審査官】高崎 久子
(56)【参考文献】
【文献】特表2013-544931(JP,A)
【文献】特開2011-058007(JP,A)
【文献】特開2003-142176(JP,A)
【文献】国際公開第2008/053824(WO,A1)
【文献】“ポリイミドベルト&シートの金属微粒子分散化技術”,日本,グンゼ株式会社,2021年09月17日,<URL:https://www.gunze.co.jp/epd/wp-content/uploads/2015/01/Polyfile2008_11_Vol45-3.pdf>,2.フィラー分散技術による材料、
図1
【文献】“ポリイミドフィルムの固体動的粘弾性測定”,日本,株式会社UBE科学分析センター,2021年09月17日,<URL:https://www.ube-ind.co.jp/usal/documents/p321_141.htm>,図
【文献】市瀬英明 et al.,“ポリイミド樹脂の高機能化とフィルム基板への応用”,平成24年度長崎県工業技術センター研究報告No.42,日本,長崎県工業技術センター,2012年,No.42,p.38-p.40,<URL:https://www.pref.nagasaki.jp/shared/uploads/2013/09/1380499106.pdf>,特に、p.38 3.結果と考察、
図2
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C09J
B32B
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリイミド(PI、Polyimide)基材、前記ポリイミド基材の一面に備えられた第1粘着層、および前記ポリイミド基材の前記第1粘着層が接する面の反対面に備えられた第2粘着層を含むフォルダブルバックプレートと、
前記第1粘着層の前記ポリイミド基材と接する面の反対面に備えられた第1離型フィルムと、
前記第2粘着層の前記ポリイミド基材と接する面の反対面に備えられた第2離型フィルムと、
を含むフォルダブルバックプレートフィルムであって、
前記第1粘着層および前記第2粘着層の-30℃での貯蔵弾性率はG2であり、
前記第1粘着層および前記第2粘着層の60℃での貯蔵弾性率はG3であって、
前記G2およびG3が下記式2および式3を満たし、
前記フォルダブルバックプレートの少なくとも1つの幅が、前記第1離型フィルムおよび前記第2離型フィルムの幅より小さい、フォルダブルバックプレートフィルム。
[式2]
1x10
4Pa≦G2≦1x10
6Pa
[式3]
1x10
4Pa≦G3≦1x10
6Pa
【請求項2】
前記ポリイミド基材の20℃での貯蔵弾性率(G1)が下記式1を満たし、
前記第2離型フィルムの前記第2粘着層からの剥離力が、23℃で0.077N/cm以下であり、
前記第1離型フィルムの前記第1粘着層からの剥離力が、前記第2離型フィルムの前記第2粘着層からの剥離力より低い、請求項1に記載のフォルダブルバックプレートフィルム。
[式1]
1GPa≦G1≦5GPa
【請求項3】
前記第1粘着層および前記第2粘着層の前記ポリイミド基材と接するそれぞれの面の、23℃かつ湿度50%で2時間放置した後の初期粘着力(N/cm)はA1であり、60℃/湿度90%で20日間放置した後の後期粘着力(N/cm)はA2であって、
前記A1およびA2が下記式4を満たす、請求項1または2に記載のフォルダブルバックプレートフィルム。
[式4]
A1x0.8≦A2
【請求項4】
前記ポリイミド基材の20℃での破断伸び(elongation at break)が20%以上200%以下である、請求項1から3のいずれか一項に記載のフォルダブルバックプレートフィルム。
【請求項5】
前記ポリイミド基材の200℃での熱収縮率が0.1%以下である、請求項1から4のいずれか一項に記載のフォルダブルバックプレートフィルム。
【請求項6】
前記第1離型フィルムの前記第1粘着層からの剥離力が、23℃で0.046N/cm以下である、請求項1から5のいずれか一項に記載のフォルダブルバックプレートフィルム。
【請求項7】
前記ポリイミド基材の厚さが20μm以上120μm以下である、請求項1から6のいずれか一項に記載のフォルダブルバックプレートフィルム。
【請求項8】
前記第1粘着層および第2粘着層のそれぞれの厚さが10μm以上100μm以下である、請求項1から7のいずれか一項に記載のフォルダブルバックプレートフィルム。
【請求項9】
前記フォルダブルバックプレートの少なくとも1つの幅はR1であり、
前記第1離型フィルムおよび前記第2離型フィルムの幅はR2であって、
前記R1およびR2が下記式5を満たす、請求項1から8のいずれか一項に記載のフォルダブルバックプレートフィルム。
[式5]
1mm≦R2-R1≦20mm
【請求項10】
前記第1離型フィルムおよび第2離型フィルムがシリコン系である、請求項1から9のいずれか一項に記載のフォルダブルバックプレートフィルム。
【請求項11】
前記第1離型フィルムおよび前記第2離型フィルムの表面抵抗が、500V以下の条件で10
10Ω/sq以下である、請求項1から10のいずれか一項に記載のフォルダブルバックプレートフィルム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2018年11月22日付で韓国特許庁に提出された韓国特許出願第10‐2018‐0145352号の出願日の利益を主張し、その内容のすべては本明細書に組み込まれる。
【0002】
本出願は、フォルダブルバックプレートフィルムおよびフォルダブルバックプレートフィルムの製造方法に関する。
【背景技術】
【0003】
近年、ディスプレイに関する技術の発達に伴い、折ったり、ロール(Roll)状に巻いたり、ゴムひものように伸縮させたりするなど、使用段階で変形が可能なディスプレイ装置が研究および開発されている。これらのディスプレイは、様々な形態に変形可能であるため、使用段階でのディスプレイの大型化の要求と、携帯のためのディスプレイの小型化の要求を両方とも満たすことができる。
【0004】
変形可能なディスプレイ装置は、予め設定された形態に変形可能であるだけでなく、ユーザの要求に応じて、またはディスプレイ装置が用いられる状況の必要に応じて、様々な形態に変形可能である。したがって、ディスプレイの変形された形態を認識し、認識した形態に対応してディスプレイ装置を制御する必要がある。
【0005】
一方、変形可能なディスプレイ装置は、変形により、ディスプレイ装置の各構成が損傷され得るという問題があるため、かかるディスプレイ装置の各構成は、フォールディング(Folding)信頼性および安定性を満たすべきである。
【0006】
特に、最近は、ディスプレイの薄膜化のためにフレキシブル(Flexible)基板が主に用いられており、フレキシブル基板が用いられた表示パネルは薄すぎるため、表示パネルを支持できるバックプレートをフレキシブル基板の下部に付着して用いている。
【0007】
フォルダブルディスプレイは折って広げる動作が伴われるため、フォルダブルディスプレイの基板の下部に、動作のガイドラインになる支持体を付着する過程が必須である。従来のディスプレイ用バックプレートは、基材の断面に粘着剤がコーティングされているため、下部にガイドラインになる支持体を付着するためには、粘着剤または接着剤をさらに形成する過程が必要である。
【0008】
したがって、フォルダブルディスプレイに用いられるものであって、バックプレートに支持体を付着する工程が簡便で且つ安価なフォルダブルバックプレート、および裁断して保管する際に粘着剤の糊漏れなどの問題が発生しないフォルダブルバックプレートフィルムの研究が行われている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【文献】日本特許公開第2006-299283号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本出願は、フォルダブルバックプレートフィルムおよびフォルダブルバックプレートフィルムの製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本出願の一実施態様は、ポリイミド(PI、Polyimide)基材、前記ポリイミド基材の一面に備えられた第1粘着層、および前記ポリイミド基材の前記第1粘着層が接する面の反対面に備えられた第2粘着層を含むフォルダブルバックプレートと、前記第1粘着層の前記ポリイミド基材と接する面の反対面に備えられた第1離型フィルムと、前記第2粘着層の前記ポリイミド基材と接する面の反対面に備えられた第2離型フィルムと、を含むフォルダブルバックプレートフィルムであって、前記フォルダブルバックプレートの少なくとも1つの幅が、前記第1離型フィルムおよび前記第2離型フィルムの幅より小さい、フォルダブルバックプレートフィルムを提供する。
【0012】
他の実施態様において、ポリイミド(PI、Polyimide)基材を準備するステップと、前記ポリイミド基材の一面に第1粘着層をコーティングするステップと、前記第1粘着層の前記ポリイミド基材と接する面の反対面に第1離型フィルムをラミネーション(lamination)するステップと、第2離型フィルムを準備するステップと、前記第2離型フィルムの一面に第2粘着層をコーティングするステップと、前記第2粘着層の前記第2離型フィルムが接する面の反対面を、前記ポリイミド基材の前記第1粘着層が形成された面の反対面にラミネーション(lamination)するステップと、前記第1離型フィルムを前記第1粘着層から剥離するステップと、前記第1粘着層、ポリイミド基材、および第2粘着層を半抜きしこすり磨くステップと、前記第1離型フィルムを前記第1粘着層上に粘着するステップと、を含む、フォルダブルバックプレートフィルムの製造方法を提供する。
【発明の効果】
【0013】
本出願の一実施態様に係るフォルダブルバックプレートフィルムは、バックプレート基材の両面に第1粘着層および第2粘着層をともに有するため、バックプレートをフレキシブル基板の表示パネル上に接着させると同時に、追加の接着剤または粘着剤の形成工程なしに、反対面に支持体を付着することができる特徴を有する。
【0014】
また、本出願に係るフォルダブルバックプレートフィルムは、前記フォルダブルバックプレートの少なくとも1つの幅が、前記第1離型フィルムおよび前記第2離型フィルムの幅より小さく形成されるため、前記第1粘着層および第2粘着層を裁断して保管する際にも、断面の汚染を防止することができ、糊漏れの問題を防止することができる特徴を有する。
【0015】
さらに、本発明に係るフォルダブルバックプレートフィルムの製造方法は、バックプレート基材に第1粘着層をダイレクトコーティングした後、第1離型フィルムをラミネーションすることで、工程ステップを減少させることができ、フィルムの使用量を減少させることができるとともに、ダイレクトコーティング方式を用いることでバックプレート基材との密着性も増加させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本出願の一実施態様に係るフォルダブルバックプレートフィルムの積層構造を示した図である。
【
図2】本願の実施例1に係るフォルダブルバックプレートフィルムの光学顕微鏡(OM、Optical microscope)画像を示した図である。
【
図3】本願の比較例1に係るフォルダブルバックプレートフィルムの光学顕微鏡(OM、Optical microscope)画像を示した図である。
【
図4】本願の比較例1に係るフォルダブルバックプレートフィルムの光学顕微鏡(OM、Optical microscope)画像を示した図である。
【
図5】本願の比較例1に係るフォルダブルバックプレートフィルムの光学顕微鏡(OM、Optical microscope)画像を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本明細書についてより詳細に説明する。
本明細書において、ある部分がある構成要素を「含む」としたときに、これは、特に反対の記載がない限り、他の構成要素を除くのではなく、他の構成要素をさらに含み得ることを意味する。
【0018】
本発明が属する技術分野において通常の知識を有する者が容易に実施できるように、本発明の実施例について添付図面を参照して詳細に説明する。しかし、本発明は種々の異なる形態で実現可能であり、ここで説明する実施例に限定されない。
【0019】
本出願の一実施態様は、ポリイミド(PI、Polyimide)基材、前記ポリイミド基材の一面に備えられた第1粘着層、および前記ポリイミド基材の前記第1粘着層が接する面の反対面に備えられた第2粘着層を含むフォルダブルバックプレートと、前記第1粘着層の前記ポリイミド基材と接する面の反対面に備えられた第1離型フィルムと、前記第2粘着層の前記ポリイミド基材と接する面の反対面に備えられた第2離型フィルムと、を含むフォルダブルバックプレートフィルムであって、前記フォルダブルバックプレートの少なくとも1つの幅が、前記第1離型フィルムおよび前記第2離型フィルムの幅より小さい、フォルダブルバックプレートフィルムを提供する。
【0020】
本出願の一実施態様に係るフォルダブルバックプレートフィルムは、バックプレート基材の両面に第1粘着層および第2粘着層をともに有するため、バックプレートをフレキシブル基板の表示パネル上に接着させると同時に、追加の接着剤または粘着剤の形成工程なしに、反対面に支持体を付着することができる特徴を有する。
【0021】
また、本出願に係るフォルダブルバックプレートフィルムは、前記フォルダブルバックプレートの少なくとも1つの幅が、前記第1離型フィルムおよび前記第2離型フィルムの幅より小さく形成されるため、前記第1粘着層および第2粘着層を裁断して保管する際にも、断面の汚染を防止することができ、糊漏れの問題を防止することができる特徴を有する。
【0022】
図1は、本出願に係るフォルダブルバックプレートフィルムの積層構造を示した図であって、具体的に、ポリイミド(PI、Polyimide)基材103の両面に第1粘着層102および第2粘着層104がそれぞれ備えられており、第1粘着層の一面に第1離型フィルム101、および第2粘着層の一面に第2離型フィルム105が備えられることを確認することができ、フォルダブルバックプレート106の幅が、第1離型フィルムおよび第2離型フィルムの幅より小さいことを確認することができる。
【0023】
前記フォルダブルバックプレート、前記第1離型フィルム、および前記第2離型フィルムの幅は、前記フォルダブルバックプレートフィルムの積層方向に垂直な方向の長さを意味し、
図1でそれを確認することができる。具体的に、前記フォルダブルバックプレートの幅108および前記第1および第2離型フィルムの幅107を確認することができ、フォルダブルバックプレートフィルムの積層方向に垂直な方向であることを確認することができる。
【0024】
本出願に係るフォルダブルバックプレートフィルムは、前記フォルダブルバックプレートの少なくとも1つの幅が、前記第1離型フィルムおよび前記第2離型フィルムの幅より小さく形成されることで、第1および第2粘着層の切断面に埃などの異物が付着されることを防止することができるとともに、後での第1離型フィルムおよび第2離型フィルムの除去が容易であるため、前記第1粘着層および第2粘着層の損傷を防止することができる特徴も有することになる。
【0025】
本出願の一実施態様において、前記ポリイミド基材の20℃での貯蔵弾性率(G1)が下記式1を満たし、前記第2離型フィルムの前記第2粘着層からの剥離力が23℃で20gf/inch以下であり、前記第1離型フィルムの前記第1粘着層からの剥離力が、前記第2離型フィルムの前記第2粘着層からの剥離力より低い、フォルダブルバックプレートフィルムを提供する。
[式1]
1GPa≦G1≦5GPa
【0026】
本出願の一実施態様において、前記G1は1GPa≦G1≦5GPaであり、好ましくは1.5GPa≦G1≦4GPa、より好ましくは2GPa≦G1≦4GPaであってもよい。
【0027】
本出願に係るポリイミド基材が前記G1の範囲を満たすことで、後でフォルダブルディスプレイのバックプレートに適用された際に、フォールディング(folding)を数回繰り返しても信頼性が維持され、フォールディング時に発生するストレス(stress)値が最小化されるとともに、表示パネルを支持できる程度の硬度を満たすことができる特徴を有することになる。
【0028】
本出願の一実施態様において、前記ポリイミド基材の20℃での破断伸び(elongation at break)が20%以上200%以下である、フォルダブルバックプレートを提供する。
【0029】
他の実施態様において、前記ポリイミド基材の20℃での破断伸び(elongation at break)は20%以上200%以下、好ましくは40%以上180%以下、より好ましくは70%以上150%以下であってもよい。
【0030】
前記ポリイミド基材の破断伸びは、ポリイミド基材の初期の長さをL1、延伸により破断が発生する長さをL2としたときに、(L2-L1)/L1*100(%)を意味する。
【0031】
前記貯蔵弾性率および破断伸びの測定は、KS M ISO527の方法により測定するために、Zwick社のUTMを使用した。測定しようとするフィルムを横5mm、縦60mm以上に切断した後、グリップ間の間隔を40mmに設定し、20mm/minの速度でサンプルフィルムを引っ張りながら測定される値としてそれぞれ測定することができる。
【0032】
本出願の一実施態様において、前記ポリイミド基材の200℃での熱収縮率が0.1%以下である、フォルダブルバックプレートフィルムを提供する。
【0033】
他の実施態様において、前記ポリイミド基材の200℃での熱収縮率は0.1%以下、好ましくは0.09%以下、より好ましくは0.08%以下であってもよい。
【0034】
さらに他の実施態様において、前記ポリイミド基材の200℃での熱収縮率は0.03%以上であってもよい。
【0035】
前記熱収縮率は、前記ポリイミド基材に熱を加えた際に、最大収縮力を有する方向に収縮する程度を意味するものであって、ポリイミド基材の初期の長さをM1、200℃で2時間加熱した後の、収縮方向に収縮した長さをM2としたときに、(M1-M2)/M1*100の値を意味する。
【0036】
前記ポリイミド基材が上記範囲の熱収縮力を有することで、バックプレートコーティング工程で熱を加えても、収縮力が低いため変形が起こらない特徴を有することになる。
【0037】
本出願に係るフォルダブルバックプレートは、上記の条件を満たすポリイミド基材を用いることで、フォルダブルディスプレイを折って広げる動作が繰り返される場合にも、バックプレートに塑性変形(plastic deformation)が発生しないため耐久性に優れるとともに、フォールディング時に発生したstrainをデフォールディング(defolding)時に永久変形なしに復元することができる特徴を有することになる。
【0038】
本出願の一実施態様において、前記第1粘着層および前記第2粘着層の-30℃での貯蔵弾性率はG2であり、前記第1粘着層および前記第2粘着層の60℃での貯蔵弾性率はG3であって、前記G2およびG3が下記式2および式3を満たす、フォルダブルバックプレートフィルムを提供する。
[式2]
1x104Pa≦G2≦1x106Pa
[式3]
1x104Pa≦G3≦1x106Pa
【0039】
本出願の一実施態様において、前記G2は1x104Pa≦G2≦1x106Paであり、好ましくは1x105Pa≦G2≦1x106Paであってもよく、より好ましくは1x105Pa≦G2≦9x105Paであってもよい。
【0040】
本出願の一実施態様において、前記G3は1x104Pa≦G3≦1x106Paであり、好ましくは1x104Pa≦G3≦1x105Pa、より好ましくは1x104Pa≦G3≦8x104Paであってもよい。
【0041】
前記G2およびG3が前記範囲を満たすことで、フォールディング(folding)時に加えられるストレスを最小化することができるとともに、裁断工程や保管過程における異物やブリードアウト(bleed out)を防止することができる特徴を有することになる。
【0042】
本出願の一実施態様において、前記貯蔵弾性率は、前記粘着層を複数回重ねて厚さ1mmの試験片に裁断し、直径8mmのパラレルプレートフィクスチャ(parallel plate fixture)を用いて、Advanced Rheometric Expansion System G2(TA社)にて、1Hz、5%のstrain、10℃/minの条件で測定したものを意味する。
【0043】
本出願の一実施態様において、前記第1粘着層および前記第2粘着層の前記ポリイミド基材と接するそれぞれの面の、23℃かつ湿度50%で2時間放置した後の初期粘着力(gf/inch)はA1であり、60℃/湿度90%で20日間放置した後の後期粘着力(gf/inch)はA2であって、前記A1およびA2が下記式4を満たす、フォルダブルバックプレートフィルムを提供する。
[式4]
A1x0.8≦A2
【0044】
本出願の一実施態様において、前記A1は500gf/inch以上2000gf/inch以下、好ましくは600gf/inch以上1800gf/inch以下、より好ましくは800gf/inch以上1500gf/inch以下であってもよい。
【0045】
本出願の一実施態様において、前記A2は400gf/inch以上2500gf/inch以下、好ましくは500gf/inch以上2000gf/inch以下、より好ましくは650gf/inch以上1800gf/inch以下であってもよい。
【0046】
本出願に係る第1粘着層および第2粘着層は、A1およびA2が上記の範囲を有することで、高温および高湿条件でもバックプレート基材に対する粘着力が一定に維持され、浮き上がりおよび気泡が発生しない特徴を有することになる。
【0047】
本出願の一実施態様において、前記第1粘着層および第2粘着層としては、アクリル系粘着層、ゴム系粘着層、およびシリコン系粘着層からなる群から選択される1つ以上を用いてもよい。
他の実施態様において、前記第1粘着層および第2粘着層としては、アクリル系粘着層を用いてもよい。
【0048】
本出願の一実施態様において、前記第1離型フィルムの前記第1粘着層からの剥離力が、23℃で12gf/inch以下である、フォルダブルバックプレートフィルムを提供する。
【0049】
他の実施態様において、前記第1離型フィルムの前記第1粘着層からの剥離力は、23℃で12gf/inch以下、好ましくは11gf/inch以下、より好ましくは10gf/inch以下であってもよい。
【0050】
さらに他の実施態様において、前記第1離型フィルムの前記第1粘着層からの剥離力は、23℃で3gf/inch以上、好ましくは4gf/inch以上、より好ましくは5gf/inch以上であってもよい。
【0051】
本出願の一実施態様において、前記第2離型フィルムの前記第2粘着層からの剥離力が、23℃で20gf/inch以下である、フォルダブルバックプレートフィルムを提供する。
【0052】
他の実施態様において、前記第2離型フィルムの前記第1粘着層からの剥離力は、23℃で20gf/inch以下、好ましくは19gf/inch以下、より好ましくは18gf/inch以下であってもよい。
【0053】
さらに他の実施態様において、前記第2離型フィルムの前記第1粘着層からの剥離力は、23℃で10gf/inch以上、好ましくは11gf/inch以上、より好ましくは12gf/inch以上であってもよい。
【0054】
前記第1離型フィルムの前記第1粘着層からの剥離力および前記第2離型フィルムの前記第2粘着層からの剥離力は、180°の角度および2400mm/分の剥離速度で、テクスチャーアナライザー(Texture analyzer、Stable Micro Systems社)を用いて測定し、本発明により製造されたフォルダブルバックプレートフィルムを23℃でそれぞれ測定した値である。
【0055】
本出願に係るフォルダブルバックプレートフィルムは、第1粘着層および第2粘着層にそれぞれ第1離型フィルムおよび第2離型フィルムを備えており、前記第1離型フィルムの前記第1粘着層からの剥離力が、前記第2離型フィルムの前記第2粘着層からの剥離力より低く形成されることで、バックプレート基材をフレキシブル基板の表示パネルに接着させる時に、第1離型フィルムを除去しても第2離型フィルムの浮き上がり現像が発生せず、前記第2離型フィルムの前記第2粘着層からの剥離力が上記の範囲を有することで、バックプレート基材に支持体を付着するために第2離型フィルムを除去する時にも、表示パネルの損傷を防止することができる特徴を有することになる。
【0056】
すなわち、本出願に係るフォルダブルバックプレートフィルムは、バックプレート基材の両面に粘着剤層を有するため、表示パネルおよび支持体に接合時に追加工程が不要であり、それぞれの粘着剤層に対する離型フィルムの剥離力が重剥離および軽剥離の形態を有するため、バックプレートの接着時に表示パネルおよびバックプレート基材の損傷を防止することができる特徴を有することになる。
【0057】
本出願の一実施態様において、前記第1離型フィルムおよび前記第2離型フィルムの表面抵抗は、500V以下の条件で1010Ω/sq以下である、フォルダブルバックプレートフィルムを提供する。
【0058】
他の実施態様において、前記第1離型フィルムおよび前記第2離型フィルムの表面抵抗は、500V以下の条件で、1010Ω/sq以下、好ましくは3x109Ω/sq以下、より好ましくは1x109Ω/sq以下であってもよい。
【0059】
さらに他の実施態様において、前記第1離型フィルムおよび前記第2離型フィルムの表面抵抗は、500V以下の条件で、107Ω/sq以上であってもよい。
【0060】
前記第1離型フィルムおよび前記第2離型フィルムの表面抵抗は、試験片PETの背面上で同心円電極を用いて測定することができ、MCT-HT800(三菱社)の印加電圧500V、印加時間10秒間、25℃、55RH%で測定することができる。
【0061】
前記第1離型フィルムおよび前記第2離型フィルムは、帯電放置処理により、上記の範囲の表面抵抗値を有し、後で第1離型フィルムを剥離してから表示パネルの下部に付着する時に、静電気による表示パネルの損傷を防止することができる特徴を有することになる。
【0062】
前記第1および第2離型フィルムは、厚さが非常に薄い第1および第2粘着層を保護するための層であり、第1および第2粘着層の一面に付着する透明層のことであって、機械的強度、熱安定性、水分遮蔽性、等方性などに優れたフィルムが使用可能である。例えば、トリアセチルセルロース(TAC)のようなアセテート系、ポリエステル系、ポリエーテルスルホン系、ポリカーボネート系、ポリアミド系、ポリイミド系、ポリオレフィン系、シクロオレフィン系、ポリウレタン系、シリコン系、およびアクリル系樹脂フィルムなどが使用できるが、市販されているシリコン系離型フィルムであればこれらに限定されない。
【0063】
本出願の一実施態様において、前記第1離型フィルムおよび第2離型フィルムは、表示パネルの下部に付着時に、静電気による表示パネルの損傷を防止するために帯電放置処理をさらに含んでもよい。
【0064】
本出願の一実施態様において、前記ポリイミド基材の厚さが20μm以上120μm以下である、フォルダブルバックプレートフィルムを提供する。
【0065】
他の実施態様において、前記ポリイミド基材の厚さは20μm以上120μm以下、好ましくは30μm以上100μm以下、より好ましくは40μm以上80μm以下であってもよい。
【0066】
前記ポリイミド基材が上記の厚さ範囲を有することで、後でフォルダブルディスプレイのバックプレートとして用いられる際に、優れた支持体としての役割を果たすとともに、ロールコーティング時にハンドリングの問題が発生することがなく、曲率半径の偏差が適切であるため、フォールディング(folding)時におけるストレス(stress)値が最小化される特徴を有することになる。
【0067】
本出願の一実施態様において、前記第1粘着層および第2粘着層のそれぞれの厚さが10μm以上100μm以下である、フォルダブルバックプレートフィルムを提供する。
【0068】
他の実施態様において、前記第1粘着層および第2粘着層のそれぞれの厚さは10μm以上100μm以下、好ましくは15μm以上80μm以下、より好ましくは15μm以上50μm以下であってもよい。
【0069】
前記第1粘着層および第2粘着層が上記の厚さ範囲を満たす場合、フォールディング(folding)時におけるストレス(stress)が最小化され、厚さに対する変形を最小化することができ、上記の厚さ範囲を満たす場合、曲率半径の偏差が適切であるため、フォールディング(folding)時に最外側部のフィルムに加えられるストレス(stress)値が最小化される特徴を有することになる。
【0070】
本出願の一実施態様において、前記第1離型フィルムおよび第2離型フィルムのそれぞれの厚さが10μm以上150μm以下である、フォルダブルバックプレートフィルムを提供する。
【0071】
他の実施態様において、前記第1離型フィルムおよび第2離型フィルムのそれぞれの厚さは10μm以上150μm以下、好ましくは15μm以上125μm以下、より好ましくは25μm以上50μm以下であってもよい。
【0072】
前記第1離型フィルムおよび第2離型フィルムの厚さが上記範囲を有することで、ロールコーティング時にハンドリングに優れる利点を有することになる。
【0073】
本出願の一実施態様において、前記フォルダブルバックプレートの少なくとも1つの幅はR1であり、前記第1離型フィルムおよび前記第2離型フィルムの幅はR2であって、前記R1およびR2が下記式5を満たす、フォルダブルバックプレートフィルムを提供する。
[式5]
1mm≦R2-R1≦20mm
【0074】
本出願の一実施態様において、前記式5は、1mm≦R2-R1≦20mm、好ましくは2mm≦R2-R1≦15mm、より好ましくは3mm≦R2-R1≦10mmであってもよい。
【0075】
本出願に係るフォルダブルバックプレートフィルムが前記式5を満たすことで、第1および第2粘着層の切断面に埃などの異物が付着されることを防止することができ、後での第1離型フィルムおよび第2離型フィルムの除去が容易であるため、除去時における前記第1粘着層および第2粘着層の損傷を防止することができる特徴を有することになり、前記第1粘着層および第2粘着層を裁断して保管する際にも、断面の汚染を防止することができ、糊漏れの問題を防止することができる特徴を有することになる。
【0076】
本出願の一実施態様において、前記R1は、100mm≦R1≦500mm、好ましくは150mm≦R1≦450mm、より好ましくは200mm≦R1≦400mmの値を有してもよい。
【0077】
本出願の一実施態様において、前記R2は、120mm≦R2≦600mm、好ましくは250mm≦R2≦550mm、より好ましくは300mm≦R2≦500mmの値を有してもよい。
【0078】
本出願の一実施態様において、前記第1離型フィルムおよび前記第2離型フィルムの幅は同一であってもよい。
本出願の一実施態様において、前記第1離型フィルムおよび前記第2離型フィルムの幅は異なってもよい。
【0079】
本出願の一実施態様において、前記第1離型フィルムおよび前記第2離型フィルムの幅が異なる場合、前記R2は、前記第1離型フィルムおよび前記第2離型フィルムのうち、幅の値が小さいものの数値を意味する。
【0080】
本出願の一実施態様において、ポリイミド(PI、Polyimide)基材を準備するステップと、前記ポリイミド基材の一面に第1粘着層をコーティングするステップと、前記第1粘着層の前記ポリイミド基材と接する面の反対面に第1離型フィルムをラミネーション(lamination)するステップと、第2離型フィルムを準備するステップと、前記第2離型フィルムの一面に第2粘着層をコーティングするステップと、前記第2粘着層の前記第2離型フィルムが接する面の反対面を、前記ポリイミド基材の前記第1粘着層が形成された面の反対面にラミネーション(lamination)するステップと、前記第1離型フィルムを前記第1粘着層から剥離するステップと、前記第1粘着層、ポリイミド基材、および第2粘着層を半抜きしこすり磨くステップと、前記第1離型フィルムを前記第1粘着層上に粘着するステップと、を含む、フォルダブルバックプレートフィルムの製造方法を提供する。
前記フォルダブルバックプレートフィルムに含まれる各層についての説明は、上述のとおりである。
【0081】
本発明に係るフォルダブルバックプレートフィルムの製造方法は、バックプレート基材に第1粘着層をダイレクトコーティングした後、第1離型フィルムをラミネーションすることで、工程ステップを減少させることができ、フィルムの使用量を減少させることができるとともに、ダイレクトコーティング方式を用いることでバックプレート基材との密着性も増加させることができる特徴を有する。
【0082】
前記フォルダブルバックプレートフィルムの製造方法により製造する場合、本出願に係るフォルダブルバックプレートフィルムのように、前記フォルダブルバックプレートの少なくとも1つの幅が、前記第1離型フィルムおよび前記第2離型フィルムの幅より小さいフォルダブルバックプレートフィルムを製造することができる。
【0083】
本出願の一実施態様において、前記第1粘着層および前記第2粘着層をコーティングするステップにおけるコーティングがダイレクトコーティングである、フォルダブルバックプレートフィルムの製造方法を提供する。
【0084】
本発明に係るフォルダブルバックプレートフィルムの製造方法は、ダイレクトコーティング方式を利用することで、第1離型フィルムおよび第2離型フィルムの離型力を容易に変更することができ、これにより製造されたフォルダブルバックプレートフィルムは、前記第1離型フィルムの前記第1粘着層からの剥離力が、前記第2離型フィルムの前記第2粘着層からの剥離力より低いように形成することができる特徴を有することになる。
【0085】
本出願の一実施態様において、前記第1離型フィルムを前記第1粘着層から剥離するステップ、および前記第1粘着層、ポリイミド基材、および第2粘着層を半抜きしこすり磨くステップの場合、前記第1離型フィルムの前記第1粘着層からの剥離力が、前記第2離型フィルムの前記第2粘着層からの剥離力より低いため、製造工程におけるフォルダブルバックプレートフィルムの損傷を防止することができ、工程の容易性が増加する特徴を有することになる。
【0086】
本出願に係るフォルダブルバックプレートフィルムにおいて、前記第1離型フィルムおよび前記第2離型フィルムを除去した後、一面はフォルダブルディスプレイの表示パネルに付着し、他面はバックプレートの支持体に付着して用いることができる。
【0087】
前記支持体は、フォルダブルディスプレイのフォールディング(folding)のガイドになることができ、折ることが可能な支持体であれば制限されずに使用でき、プラスチック、金属、硬度の高いフィルムなど、必要に応じて市販の物質を制限なしに使用可能である。
【0088】
[実施例]
以下、本発明が属する技術分野において通常の知識を有する者が容易に実施できるように、本発明の実施例について詳細に説明する。しかし、本発明は様々な異なる形態で実現可能であり、ここで説明する実施例に限定されない。
【0089】
<製造例>
<フォルダブルバックプレートフィルムの製造>
1.第1共重合体の製造
窒素ガスが還流され、温度調節が容易であるように冷却装置を取り付けた1Lの反応器に、エチルヘキシルアクリレート(Ethylhexyl acrylate、EHA)およびアクリル酸(Acrylic acid、AA)から構成される単量体混合物を投入した後、溶媒としてエチルアセテート(Ethyl Acetate、EAc)を投入した。次いで、酸素を除去するために、窒素ガスを約1時間パージ(purging)した後、反応器の温度を62℃に維持した。混合物を均一にした後、反応開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)400ppm、および連鎖移動剤としてn-ドデシルメルカプタン(n-dodecylmercaptan、n-DDM)400ppmを投入し、混合物を反応させた。反応後にEAcを希釈し、重量平均分子量が200万の共重合体を製造した。
【0090】
2.粘着層-1の製造
上記のように製造した第1共重合体100gにエポキシ系架橋剤を添加し、エチルアセテート溶液に18重量%に希釈して投入した後、均一に混合した。前記組成を設計して重合された粘着剤組成物を、コーティングに適した粘度(500~1500cp)を有するように、固形分を調節するための溶剤で希釈した後、メカニカルスターラ(mechanical stirrir)を用いて15分以上混合(mixing)した。常温で放置し、混合中に発生した気泡を除去し、アプリケータ(applicater)を用いて塗膜を形成した後、マティスオーブン(mathis oven)にて140℃、3分乾燥することで、粘着層-1を製造した。
【0091】
3.フォルダブルバックプレートフィルムの製造
1)実施例1~実施例3
下記表1に記載の物性を有するバックプレート基材の一面に、上記で製造した粘着層-1をコーティングし、前記粘着層-1の前記バックプレート基材と接する面の反対面に、下記表1の軽剥離の離型フィルムをラミネーション(lamination)した。
【0092】
その後、下記表1に記載の重剥離の離型フィルムを準備した後、該重剥離の離型フィルム上に、上記で製造した粘着層-1をコーティングし、前記粘着層-1の前記重剥離の離型フィルムが接する面の反対面と、上記で製造したバックプレート基材の前記粘着層-1が形成された面の反対面をラミネーション(lamination)することで、3層(粘着層/バックプレート/粘着層)構造のフォルダブルバックプレートフィルムを製造した。
【0093】
その後、前記軽剥離の離型フィルムを前記粘着層-1から剥離し、前記粘着層-1、バックプレート、および粘着層-1を、下記表2の条件で半抜きしこすり磨きした。その後、前記軽剥離の離型フィルムを前記粘着層-1上に再粘着することで、サンドイッチ構造のフォルダブルバックプレートフィルムを製造した。
【0094】
2)比較例1
前記実施例1において、半抜きおよびこすり磨き工程を行っていないことを除き、前記実施例1の製造と同様に製造してフォルダブルバックプレートフィルムを製造した。
【0095】
【0096】
【0097】
前記表2において、バックプレート基材の1つの幅はR1、前記軽剥離の離型フィルムおよび重剥離の離型フィルムの幅はR2である。
【0098】
図2は、前記実施例1のフォルダブルバックプレートフィルムの光学顕微鏡(OM、Optical microscope)画像を示した図であり、
図3~
図5は、比較例1の光学顕微鏡(OM、Optical microscope)画像を示した図である。
【0099】
図2~
図5から確認されるように、本出願に係るフォルダブルバックプレートフィルムは、フォルダブルバックプレートの少なくとも1つの幅が、前記第1離型フィルムおよび前記第2離型フィルムの幅より小さい構造(サンドイッチ構造)を有することにより、第1および第2粘着層の切断面に埃などの異物が付着されることを防止することができ、後での第1離型フィルムおよび第2離型フィルムの除去が容易であるため、除去時における前記第1粘着層および第2粘着層の損傷を防止することができる特徴を有するとともに、前記第1粘着層および第2粘着層を裁断して保管する際にも、断面の汚染を防止することができ、糊漏れの問題を防止することができる特徴を有することを確認することができた。
【0100】
具体的に、
図3では、糊漏れが発生していることが確認され、
図4では、気泡が発生していることが確認され、
図5では、第1および第2離型フィルムの除去時に粘着剤層が取り外されることが確認された。
【符号の説明】
【0101】
101 第1離型フィルム
102 第1粘着層
103 ポリイミド基材
104 第2粘着層
105 第2離型フィルム
106 フォルダブルバックプレート