(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-01
(45)【発行日】2022-08-09
(54)【発明の名称】香料としての1-[(4R)-4-メチルシクロヘキセン-1-イル]エタノンの使用
(51)【国際特許分類】
A61K 8/35 20060101AFI20220802BHJP
A61Q 13/00 20060101ALI20220802BHJP
C07C 49/21 20060101ALI20220802BHJP
【FI】
A61K8/35
A61Q13/00 101
C07C49/21
(21)【出願番号】P 2019522747
(86)(22)【出願日】2017-10-25
(86)【国際出願番号】 EP2017077305
(87)【国際公開番号】W WO2018077947
(87)【国際公開日】2018-05-03
【審査請求日】2020-10-23
(32)【優先日】2016-10-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】508020155
【氏名又は名称】ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア
【氏名又は名称原語表記】BASF SE
【住所又は居所原語表記】Carl-Bosch-Strasse 38, 67056 Ludwigshafen am Rhein, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】110002572
【氏名又は名称】特許業務法人平木国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ペルツァー,ラルフ
【審査官】小川 慶子
(56)【参考文献】
【文献】特表2005-520875(JP,A)
【文献】TABER et al.,J. Org. Chem.,1979年,Vol.44、No.3,p.450-452
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 8/00-8/99
A61Q 1/00-90/00
C07C 49/21
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
香料としての、1-[(4R)-4-メチルシクロヘキセン-1-イル]エタノンの使用。
【請求項2】
組成物にイランイランノートを付与するための、1-[(4R)-4-メチルシクロヘキセン-1-イル]エタノンの使用。
【請求項3】
p-メチルクレシルエーテルの代用品としての、1-[(4R)-4-メチルシクロヘキセン-1-イル]エタノンの使用。
【請求項4】
香水組成物、ボディケア用組成物、衛生用品、家庭用清浄用組成物、繊維用洗剤組成物、食品、栄養補助食品、医薬組成物及び作物保護用組成物から選択される組成物中の香料としての、1-[(4R)-4-メチルシクロヘキセン-1-イル]エタノンの使用。
【請求項5】
1-[(4R)-4-メチルシクロヘキセン-1-イル]エタノンが、1-[(4R)-4-メチルシクロヘキセン-1-イル]エタノン及び1-[(4S)-4-メチルシクロヘキセン-1-イル]エタノンを含む混合物であって、1-[(4R)-4-メチルシクロヘキセン-1-イル]エタノンの量が、1-[(4S)-4-メチルシクロヘキセン-1-イル]エタノンの量を超える混合物として用いられる、請求項1~4のいずれか一項に記載の使用。
【請求項6】
1-[(4R)-4-メチルシクロヘキセン-1-イル]エタノン及び1-[(4S)-4-メチルシクロヘキセン-1-イル]エタノンを含む混合物であって、1-[(4R)-4-メチルシクロヘキセン-1-イル]エタノンの量が、1-[(4S)-4-メチルシクロヘキセン-1-イル]エタノンの量を超える、混合物。
【請求項7】
1-[(4R)-4-メチルシクロヘキセン-1-イル]エタノン及び少なくとも1種のさらなる香料を含む、組成物。
【請求項8】
1-[(4R)-4-メチルシクロヘキセン-1-イル]エタノンと、界面活性剤、油成分及び溶媒からなる群から選択される少なくとも1種の化合物とを含む組成物であって、溶媒が、ジエチルエーテルではない、組成物。
【請求項9】
香水組成物、ボディケア用組成物、衛生用品、家庭用清浄用組成物、繊維用洗剤組成物、食品、栄養補助食品、医薬組成物及び作物保護用組成物から選択される、請求項
7又は
8に記載の組成物。
【請求項10】
1-[(4R)-4-メチルシクロヘキセン-1-イル]エタノンが、請求項
6に記載の混合物として含まれる、請求項
7から
9のいずれか一項に記載の組成物
。
【請求項11】
組成物の総重量に対して0.1~99.9重量%の1-[(4R)-4-メチルシクロヘキセン-1-イル]エタノンを含む、請求項
7から
10のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項12】
香水組成物、ボディケア用組成物、衛生用品、家庭用清浄用組成物、繊維用洗剤組成物、食品、栄養補助食品、医薬組成物又は作物保護用組成物を調製する方法であって、1-[(4R)-4-メチルシクロヘキセン-1-イル]エタノンを香水組成物、ボディケア用組成物、衛生用品、家庭用清浄用組成物、繊維用洗剤組成物、食品、栄養補助食品、医薬組成物又は作物保護用組成物に組み入れることを含む、方法。
【請求項13】
1-[(4R)-4-メチルシクロヘキセン-1-イル]
エタノンが、香水組成物、ボディケア用組成物、衛生用品、家庭用清浄用組成物、繊維用洗剤組成物、食品、栄養補助食品、医薬組成物又は作物保護用組成物にイランイランノートを付与する、請求項
12に記載の方法。
【請求項14】
1-[(4R)-4-メチルシクロヘキセン-1-イル]エタノンが、請求項
6に記載の混合物として含まれる、請求項
12又は
13に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特にイランイランノートを付与するための、香料としての、1-[(4R)-4-メチルシクロヘキセン-1-イル]エタノン又は1-[(4R)-4-メチルシクロヘキセン-1-イル]エタノンを含む混合物の使用に関する。本発明は、1-[(4R)-4-メチルシクロヘキセン-1-イル]エタノンを含む、組成物、好ましくは香水組成物、ボディケア用組成物、衛生用品、家庭用清浄用組成物、繊維用洗剤組成物、食品及び栄養補助食品にも関する。
【背景技術】
【0002】
香料、特にフレグランスは、特に化粧品並びに清浄用及び洗濯用組成物の分野において、強い関心が寄せられている。天然由来のフレグランスは、大抵の場合高価であり、利用できる量が制限されることが多く、環境条件の変動のため、含量、純度等も変化しやすい。したがって、これらの望ましくない要因を回避するために、例として、容易に入手できる天然物質、例えば、容易に入手できる天然由来のフレグランスを化学修飾して、より高価な天然フレグランスに似ている官能的特性を有するか、又は興味深い新規な官能的プロファイルを有する物質を生成することに、強い関心が寄せられている。このような「半合成」物質は、例として、香りのために、純粋に天然の物質の代用品として使用することができるが、代用品と天然物質とは、必ずしも、化学構造が類似していなければならないことはない。
【0003】
しかしながら、化学構造のわずかな変化でさえ、香り及び味等の感覚特性を大きく変化させる可能性があるため、特定の香り等の特定の感覚特性を有する物質の探求という目的は、極めて困難なものである。したがって、新たなフレグランス及び香味の探求は、所望の香り及び/又は味を有する物質が実際に見つかることになるかどうかが分かっていなければ、大抵の場合困難で労力のかかるものである。有利な感覚特性を有する新規な香料が、必要とされ続けている。
【0004】
イランイラン油には、フレグランス及び食品香味用に使用されてきた長い歴史がある。イランイラン油は、イランイランノキ、すなわち、カナンガ・オドラタ(Cananga odorata)の花の水蒸気蒸留によって得られる。イランイランノキから得た油は、香料製造業においては、オリエンタル調の香水(シャネル5番等)用に広範に使用されている。イランイラン油の主要な芳香成分は、ベンジルアセテート、リナロール、p-クレシルメチルエーテル及びメチルベンゾエートであり、イランイラン油の特徴的な香りを担っている。イランイラン油又はp-メチルクレシルエーテルは、特徴的な望ましいノート(いわゆる「イランイランノート」)を、例えば香水組成物、ボディケア用組成物、衛生用品、家庭用清浄用組成物、繊維用洗剤組成物、食品及び栄養補助食品等の数多くの組成物に付与するために使用されてきた。イランイラン油の天然供給源の入手に限界があるため、特に、p-メチルクレシルエーテルに対する毒物学的な懸念のため、組成物にイランイランノートを付与することができ、同時に、ヒトの皮膚と直接接触する組成物にも適している、香料が必要とされ続けている。
【0005】
Rupeら(Helevetica Chimica Acta、1931、14、701~708)は、702頁において、式IIIの1-[4-メチルシクロヘキセン-1-イル]エタノンを開示しているが、立体化学に関するいかなる情報もない。記載されている、式IIIの物質の合成方法によれば、化学的には強制的に、式IIIの物質はラセミ混合物でしかあり得ないことになっている。Rupeらは、704頁において、このラセミ混合物が「繊細で力強い、ローズ様の香り」の原因であるとしている。Rupeらは、1-[(4R)-4-メチルシクロヘキセン-1-イル]エタノンを使用して、組成物にイランイランノートを付与することができることについて、いかなる示唆又は情報も提供していない。
【0006】
Dolbyら(J. Org. Chem、29、2306、1964)は、2306頁~2307頁にまたがる欄において、酸触媒される(+)-シトロネラールのダイマー化中に形成されるダイマーのオゾン分解による、1-アセチル-4-メチルシクロヘキセンの調製について記載している。1-[(4R)-4-メチルシクロヘキセン-1-イル]エタノン自体は、Taberら(J. Org. Chem.、44、No 3、450-452、1979)450頁、式11において開示されている。いずれの参考文献も、本発明による1-[(4R)-4-メチルシクロヘキセン-1-イル]エタノンの使用を開示していない。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0007】
【文献】Rupe et al, Helevetica Chimica Acta、1931、14、701~708
【文献】Dolby et al, J. Org. Chem、29、2306、1964
【文献】Taber et al, J. Org. Chem.、44、No 3、450-452、1979
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
組成物にイランイランノートを付与するために使用することができる物質を提供することが、本発明の一目的だった。香料は、毒物学的な懸念を全く伴わないものにすべきである。組成物、香水組成物、ボディケア用組成物、衛生用品、家庭用清浄用組成物、繊維用洗剤組成物、食品、栄養補助食品、医薬組成物又は作物保護用組成物中で香料として使用することができる物質を提供することが、本発明のさらなる目的だった。特に、快い香りを有する、香りが豊富な物質が求められている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
驚くべきことに、1-[(4R)-4-メチルシクロヘキセン-1-イル]エタノンは快い官能的特性を提示し、有利なことに、フレグランス又は香味剤として使用することができることが見出された。驚くべきことに、1-[(4R)-4-メチルシクロヘキセン-1-イル]エタノンは、組成物にイランイランノートを付与するために適していることが見出された。
【0010】
本発明は、組成物にイランイランノートを付与するための、1-[(4R)-4-メチルシクロヘキセン-1-イル]エタノンの使用に関する。
【0011】
本発明はさらに、p-メチルクレシルエーテルの代用品としての、1-[(4R)-4-メチルシクロヘキセン-1-イル]エタノンの使用に関する。
【0012】
本発明はさらに、香水組成物、ボディケア用組成物、衛生用品、家庭用清浄用組成物、繊維用洗剤組成物、食品、栄養補助食品、医薬組成物及び作物保護用組成物から選択される組成物中の香料としての、1-[(4R)-4-メチルシクロヘキセン-1-イル]エタノンの使用に関する。
【0013】
本発明はさらに、1-[(4R)-4-メチルシクロヘキセン-1-イル]エタノン及び1-[(4S)-4-メチルシクロヘキセン-1-イル]エタノンを含む混合物であって、1-[(4R)-4-メチルシクロヘキセン-1-イル]エタノンの量が、1-[(4S)-4-メチルシクロヘキセン-1-イル]エタノンの量を超える、混合物に関する。
【0014】
本発明はさらに、1-[(4R)-4-メチルシクロヘキセン-1-イル]エタノン及び少なくとも1種のさらなる香料を含む、組成物に関する。
【0015】
本発明はさらに、1-[(4R)-4-メチルシクロヘキセン-1-イル]エタノンと界面活性剤、油成分及び溶媒からなる群から選択される少なくとも1種の化合物とを含む組成物に関する。
【0016】
本発明はさらに、香水組成物、ボディケア用組成物、衛生用品、家庭用清浄用組成物、繊維用洗剤組成物、食品、栄養補助食品、医薬組成物又は作物保護用組成物を調製する方法であって、1-[(4R)-4-メチルシクロヘキセン-1-イル]エタノンを、香水組成物、ボディケア用組成物、衛生用品、家庭用清浄用組成物、繊維用洗剤組成物、食品、栄養補助食品、医薬組成物又は作物保護用組成物に組み入れることを含む、方法に関する。
【0017】
1-[(4R)-4-メチルシクロヘキセン-1-イル]エタノン及び4R異性体を主に含有するその立体異性体の混合物は、次の利点を提示する。
- 1-[(4R)-4-メチルシクロヘキセン-1-イル]エタノン及び4R異性体を主に含有するその立体異性体の混合物は、有利な感覚特性、特に快い香りを有し、より具体的にはイランイランタイプの香りを有する。したがって、好都合なことに、1-[(4R)-4-メチルシクロヘキセン-1-イル]エタノン及び4R異性体を主に含有するその立体異性体の混合物は、香水組成物、ボディケア用組成物、衛生用品、家庭用清浄用組成物、繊維用洗剤組成物、食品、栄養補助食品、医薬組成物又は作物保護用組成物中の香料として、又は組成物にイランイランノートを付与するために使用することができる。
- 物理的特性を理由として、1-[(4R)-4-メチルシクロヘキセン-1-イル]エタノン及び4R異性体を主に含有するその立体異性体の混合物は、他のフレグランス及び特に香水等のフレグランス含有調製物に含まれる他の通常の成分に対する特に良好で事実上普遍的な溶媒特性を有する。
- 1-[(4R)-4-メチルシクロヘキセン-1-イル]エタノン及び4R異性体を主に含有するその立体異性体の混合物は、容易に得ることができる出発原料である材料L-イソプレゴール[=(1R,2S,5R)-2-イソプロペニル-5-メチルシクロヘキサノール]又はD/L-イソプレゴールの混合物[2-イソプロペニル-5-メチルシクロヘキサノール]の使用によって、製造することができる。
- 11-[(4R)-4-メチルシクロヘキセン-1-イル]エタノン及び4R異性体を主に含有するその立体異性体の混合物は、酸化生成物が一般に毒物学的な懸念を全く伴わないものである群に属するため、おそらくは低い毒性を有する。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の一実施形態は、組成物にイランイランノートを付与するための、1-[(4R)-4-メチルシクロヘキセン-1-イル]エタノンの使用に関する。本発明の一実施形態は、p-メチルクレシルエーテル(= 4-メトキシトルオール)の代用品としての、1-[(4R)-4-メチルシクロヘキセン-1-イル]エタノンの使用に関する。
【0019】
1-[(4R)-4-メチルシクロヘキセン-1-イル]エタノンは、次の式(I)
【0020】
【0021】
本発明のさらなる一実施形態は、1-[(4R)-4-メチルシクロヘキセン-1-イル]エタノン及び1-[(4S)-4-メチルシクロヘキセン-1-イル]エタノンを含む混合物であって、1-[(4R)-4-メチルシクロヘキセン-1-イル]エタノンの量が、1-[(4S)-4-メチルシクロヘキセン-1-イル]エタノンの量を超える、混合物に関する。
【0022】
本発明との関連における「4R-異性体」という用語は、物質1-[(4R)-4-メチルシクロヘキセン-1-イル]エタノンを表す。本発明との関連における「4S-異性体」という用語は、物質1-[(4S)-4-メチルシクロヘキセン-1-イル]エタノンを表す。
【0023】
より具体的には、上記混合物中において、4R-異性体は、4R-異性体及び4S-異性体の総重量に対して少なくとも55重量%の量、特に少なくとも65重量%の量で存在する。
【0024】
より具体的には、上記混合物中において、4R-異性体は、4R-異性体及び4S-異性体の総重量に対して少なくとも70重量%の量、特に少なくとも75重量%の量、より特定すると少なくとも80重量%の量で存在する。
【0025】
本発明の好ましい実施形態では、上記混合物中において、4R-異性体は、4R-異性体及び4S-異性体の総重量に対して少なくとも90重量%の量、特に少なくとも95重量%の量、より特定すると少なくとも97重量%の量、より特定すると少なくとも99重量%の量で存在する。
【0026】
感覚特性を理由として、有利なことに、1-[(4R)-4-メチルシクロヘキセン-1-イル]エタノンは、香水組成物、ボディケア用組成物、衛生用品、家庭用清浄用組成物、繊維用洗剤組成物、食品、栄養補助食品、医薬組成物又は作物保護用組成物から選択される組成物中で使用することができる。
【0027】
したがって、本発明のさらなる一実施形態は、香料としての、1-[(4R)-4-メチルシクロヘキセン-1-イル]エタノンの使用に関する。
【0028】
したがって、本発明のさらなる一実施形態は、香水組成物、ボディケア用組成物、衛生用品、家庭用清浄用組成物、繊維用洗剤組成物、食品、栄養補助食品、医薬組成物又は作物保護用組成物から選択される組成物中の香料としての、1-[(4R)-4-メチルシクロヘキセン-1-イル]エタノンの使用に関する。
【0029】
「香料」という用語は、感覚の印象を得るために使用される物質を表し、フレグランス及び/又は香味剤組成物中への当該物質の使用も包含する。主に香りの印象を誘起する組成物である、フレグランス組成物、主に味の印象を誘起する組成物である、香味剤組成物。
【0030】
物理的特性を理由として、1-[(4R)-4-メチルシクロヘキセン-1-イル]エタノン及び4R-異性体を主に含有する立体異性体の混合物は、他の香料に対する特に良好で事実上普遍的な溶媒特性を有する。
【0031】
したがって、本発明のさらなる一実施形態は、1-[(4R)-4-メチルシクロヘキセン-1-イル]エタノン及び少なくとも1種のさらなる香料を含む、組成物に関する。
【0032】
さらなる香料は例えば、
ゲラニルアセテート(3,7-ジメチル-2,6オクタジエン-1イルアセテート)、アルファ-ヘキシルシンナムアルデヒド、2-フェノキシエチルイソブチレート(Phenirat1)、ジヒドロミルセノール(2,6-ジメチル-7-オクテン-2-オール)、メチルジヒドロジャスモネート(好ましくは、シス型異性体の含量が60重量%超である)(Hedione9、Hedione HC9)、4,6,6,7,8,8-ヘキサメチル-1,3,4,6,7,8-ヘキサヒドロシクロペンタ[g]ベンゾピラン(Galaxolid3)、テトラヒドロリナロール(3,7-ジメチルオクタン-3-オール)、エチルリナロール、ベンジルサリチレート、2-メチル-3-(4-tert-ブチルフェニル)プロパナール(Lilial2)、シンナミルアルコール、4,7-メタノ-3a,4,5,6,7,7a-ヘキサヒドロ-5-インデニルアセテート及び/又は4,7-メタノ-3a,4,5,6,7,7a-ヘキサヒドロ-6-インデニルアセテート(Herbaflorat1)、シトロネロール、シトロネリルアセテート、テトラヒドロゲラニオール、バニリン、リナリルアセテート、スチロリルアセテート(1-フェニルエチルアセテート)、オクタヒドロ-2,3,8,8-テトラメチル-2-アセトナフトン及び/又は2-アセチル-1,2,3,4,6,7,8-オクタヒドロ-2,3,8,8-テトラメチルナフタレン(Iso E Super3)、ヘキシルサリチレート、4-tert-ブチルシクロヘキシルアセテート(Oryclone1)、2-tert-ブチルシクロヘキシルアセテート(Agrumex HC1)、アルファ-イオノン(4-(2,2,6-トリメチル-2-シクロヘキセン-1-イル)-3-ブテン-2-オン)、n-アルファ-メチルイオノン、アルファ-イソメチルイオノン、クマリン、テルピニルアセテート、2-フェニルエチルアルコール、4-(4-ヒドロキシ-4-メチルペンチル)-3-シクロヘキセンカルボキサルデヒド(Lyral3)、アルファ-アミルシンナムアルデヒド、エチレンブラシレート、(E)-及び/又は(Z)-3-メチルシクロペンタデカ-5-エノン(Muscenon9)、15-ペンタデカ-11-エノリド及び/又は15-ペンタデカ-12-エノリド(Globalide1)、15-シクロペンタデカノリド(Macrolide1)、1-(5,6,7,8-テトラヒドロ-3,5,5,6,8,8-ヘキサメチル-2-ナフタレニル)エタノン(Tonalid10)、2-イソブチル-4-メチルテトラヒドロ-2H-ピラン-4-オール(Florol9)、2-エチル-4-(2,2,3-トリメチル-3-シクロペンテン-1-イル)-2-ブテン-1-オール(Sandolen1)、cis-3-ヘキセニルアセテート、trans-3-ヘキセニルアセテート、trans-2/cis-6-ノナジエノール、2,4-ジメチル-3-シクロヘキセンカルボキサルデヒド(Vertocitral1)、2,4,4,7-テトラメチルオクタ-6-エン-3-オン(Claritone1)、2,6-ジメチル-5-ヘプテン-1-アール(Melonal2)、ボルネオール、3-(3-イソプロピルフェニル)ブタナール(Florhydral2)、2-メチル-3-(3,4-メチレンジオキシフェニル)プロパナール(Helional3)、3-(4-エチルフェニル)-2,2-ジメチルプロパナール(Florazon1)、7-メチル-2H-1,5-ベンゾジオキセピン-3(4H)-オン(Calone19515)、3,3,5-トリメチルシクロヘキシルアセテート(好ましくは、シス型異性体の含量が、70重量%以上である)並びに2,5,5-トリメチル-1,2,3,4,4a,5,6,7-オクタヒドロナフタレン-2-オール(Ambrinol S1)
からなる群から選択される1種の香料、好ましくは2種、3種、4種、5種、6種、7種又は8種以上の香料であってよい。したがって、本発明との関連において、上記香料(複数可)は、好ましくは、本発明による1-[(4R)-4-メチルシクロヘキセン-1-イル]エタノンと組合せされる。
【0033】
本発明のさらなる一実施形態は、1-[(4R)-4-メチルシクロヘキセン-1-イル]エタノン並びにメチルベンゾエート、ベンジルアセテート、ゲラニルアセテート、2-イソブチル-4-メチルテトラヒドロ-2H-ピラン-4-オール及びリナロールからなる群から選択される少なくとも1種のさらなる香料を含む、組成物に関する。
【0034】
本発明のさらなる一実施形態は、1-[(4R)-4-メチルシクロヘキセン-1-イル]エタノン及び2-イソブチル-4-メチルテトラヒドロ-2H-ピラン-4-オールを含む、組成物に関する。
【0035】
本発明のさらなる一実施形態は、1-[(4R)-4-メチルシクロヘキセン-1-イル]エタノン及びメチルベンゾエートを含む、組成物に関する。
【0036】
上記において商標が示されている場合、これらは、以下の供給元を指す。
1ドイツ、Symrise GmbHの商標、
2スイス、Givaudan AGの商標、
3アメリカ、International Flavors & Fragrances Inc.の商標、
5フランス、Danisco Seillans S.A.の商標、
9スイス、Firmenich S.A.の商標、
10オランダ、PFW Aroma Chemicals B.V.の商標。
【0037】
1-[(4R)-4-メチルシクロヘキセン-1-イル]エタノンと組み合わされ得て、例えば本発明による組成物を与えるさらなる香料は、例えば、自費出版されたS. Arctander、Perfume and Flavor Chemicals、第I巻及び第II巻、Montclair、N. J.、1969又はK. Bauer、D. Garbe及びH. Surburg、Common Fragrance and Flavor Materials、第4版、Wiley- VCH、Weinheim 2001において見出すことができる。具体的には、
天然原料から得た抽出物、例えば精油、凝固物、アブソリュート、樹脂、レジノイド、バルサム、チンキ、例えば
アンバーグリスチンキ、アミリス油、アンゼリカ種油、アンゼリカ根油、アニス油、吉草根油、メボウキ油、ウッドモスアブソリュート、ベイ油、ヨモギ油、ベンゾイン樹脂、ベルガモット油、蜜蝋アブソリュート、バーチタール油、ビターアーモンド油、セイバリー油、ブークリーフ油、カブリューバ油、カデ油、ショウブ油、ショウノウ油、カナンガ油、カルダモン油、カスカリラ油、カッシャ油、カッシャアブソリュート、カストリュームアブソリュート、シダーリーフ油、シダーウッド油、ゴジアオイ油、シトロネラ油、レモン油、コパイババルサム、コパイババルサム油、コリアンダー油、コスタスルート油、クミン油、シプレス油、ダバナ油、イノンドハーブ油、イノンド種子油、オードブルアブソリュート(Eau de brouts absolute)、オークモスアブソリュート、エレミ油、エストラゴン油、ユーカリプトスシトリオドラ油、ユーカリ油、ウイキョウ油、松葉油、ガルバナム油、ガルバナム樹脂、ゼラニウム油、グレープフルーツ油、グアヤックウッド油、ガージャンバルサム、ガージャンバルサム油、ムギワラギクアブソリュート、ムギワラギク油、ショウガ油、イリス根アブソリュート、イリス根油、ジャスミンアブソリュート、ショウブ油、ブルーカモミル油、ローマカモミール油、ニンジン種子油、カスカリラ油、松葉油、スペアミント油、キャラウェー油、ラブダナム油、ラブダナムアブソリュート、ラブダナム樹脂、ラバンジンアブソリュート、ラバンジン油、ラベンダーアブソリュート、ラベンダー油、レモングラス油、ロベージ油、蒸留ライム油、圧搾ライム油、リナロール油、リトセアキュベバ油、ベイリーフ油、メース油、マジョラム油、マンダリン油、マッソイバーク油、ミモザアブソリュート、ジャコウ種子油、ジャコウチンキ、サルビアセージ油、ナツメグ油、ミルラアブソリュート、ミルラ油、ミルテ油、丁子葉油、丁子花油、ネロリ油、乳香アブソリュート、乳香油、ビャクシコウ油、オレンジフラワーアブソリュート、オレンジ油、オリガナム油、パルマローザ油、パッチュリ油、エゴマ油、ペルーバルサム油、パセリ葉油、パセリ種子油、プチグレン油、スペアミント油、胡椒油、ピメント油、パイン油、ペニーローヤル油、ローズアブソリュート、ボアドローズ油、ローズ油、ローズマリー油、ダルマチアセージ油、スペインセージ油、白檀油、セロリ種子油、スパイクラベンダー油、日本アニス油、エゴ油、タゲテス油、モミ葉油、ティーツリー油、テレピン油、タイム油、トルーバルサム、トンカアブソリュート、チュベローズアブソリュート、バニラ抽出物、バイオレットリーフアブソリュート、バーベナ油、ベチバ油、ジュニパーベリー油、ワイン澱油、アブサン油、ウインーグリーン油、ヒソップ油、シベットアブソリュート、シナモンリーフ油、シナモンバーク油及びこれらの画分又はこれらから単離される成分、
炭化水素の群からの個別のフレグランス、例えば3-カレン、アルファ-ピネン、ベータ-ピネン、アルファ-テルピネン、ガンマ-テルピネン、p-シメン、ビサボレン、カンフェン、カリオフィレン、セドレン、ファルネセン、リモネン、ロンギフォレン、ミルセン、オシメン、バレンセン、(E,Z)-1,3,5-ウンデカトリエン、スチレン、ジフェニルメタン、
脂肪族アルコール、例えばヘキサノール、オクタノール、3-オクタノール、2,6-ジメチルヘプタノール、2-メチル-2-ヘプタノール、2-メチル-2-オクタノール、(E)-2-ヘキセノール、(E)-及び(Z)-3-ヘキセノール、1-オクテン-3-オール、3,4,5,6,6-ペンタメチル-3/4-ヘプテン-2-オールと3,5,6,6-テトラメチル-4-メチレンヘプタン-2-オールとの混合物、(E,Z)-2,6-ノナジエノール、3,7-ジメチル-7-メトキシオクタン-2-オール、9-デセノール、10-ウンデセノール、4-メチル-3-デセン-5-オール、
脂肪族アルデヒド及び脂肪族アルデヒドのアセタール、例えばヘキサナール、ヘプタナール、オクタナール、ノナナール、デカナール、ウンデカナール、ドデカナール、トリデカナール、2-メチルオクタナール、2-メチルノナナール、(E)-2-ヘキセナール、(Z)-4-ヘプテナール、2,6-ジメチル-5-ヘプテナール、10-ウンデセナール、(E)-4-デセナール、2-ドデセナール、2,6,10-トリメチル-9-ウンデセナール、2,6,10-トリメチル-5,9-ウンデカジエナール、ヘプタナールジエチルアセタール、1,1-ジメトキシ-2,2,5-トリメチル-4-ヘキセン、シトロネリルオキシアセトアルデヒド、(E/Z)-1-(1-メトキシプロポキシ)-ヘキサ-3-エン、脂肪族ケトン及び脂肪族ケトンのオキシム、例えば2-ヘプタノン、2-オクタノン、3-オクタノン、2-ノナノン、5-メチル-3-ヘプタノン、5-メチル-3-ヘプタノンオキシム、2,4,4,7-テトラメチル-6-オクテン-3-オン、6-メチル-5-ヘプテン-2-オン、
脂肪族硫黄含有化合物、例えば3-メチルチオヘキサノール、3-メチルチオヘキシルアセテート、3-メルカプトヘキサノール、3-メルカプトヘキシルアセテート、3-メルカプトヘキシルブチレート、3-アセチルチオヘキシルアセテート、1-メンテン-8-チオール、
脂肪族ニトリル、例えば2-ノネンニトリル、2-ウンデセンニトリル、2-トリデセンニトリル、3,12-トリデカジエンニトリル、3,7-ジメチル-2,6-オクタジエンニトリル、3,7-ジメチル-6-オクテンニトリル、
脂肪族カルボン酸のエステル、例えば(E)-及び(Z)-3-ヘキセニルホルメート、エチルアセトアセテート、イソアミルアセテート、ヘキシルアセテート、3,5,5-トリメチルヘキシルアセテート、3-メチル-2-ブテニルアセテート、(E)-2-ヘキセニルアセテート、(E)-及び(Z)-3-ヘキセニルアセテート、オクチルアセテート、3-オクチルアセテート、1-オクテン-3-イルアセテート、エチルブチレート、ブチルブチレート、イソアミルブチレート、ヘキシルブチレート、(E)-及び(Z)-3-ヘキセニルイソブチレート、ヘキシルクロトネート、エチルイソバレレート、エチル2-メチルペンタノエート、エチルヘキサノエート、アリルヘキサノエート、エチルヘプタノエート、アリルヘプタノエート、エチルオクタノエート、エチル(E,Z)-2,4-デカジエノエート、メチル2-オクチネート、メチル2-ノニネート、アリル2-イソアミルオキリアセテート、メチル-3,7-ジメチル-2,6-オクタジエノエート、4-メチル-2-ペンチルクロトネート、
非環式テルペンアルコール、例えばゲラニオール、ネロール、リナロール、ラバンジュロール、ネロリドール、ファルネソール、テトラヒドロリナロール、2,6-ジメチル-7-オクテン-2-オール、2,6-ジメチルオクタン-2-オール、2-メチル-6-メチレン-7-オクテン-2-オール、2,6-ジメチル-5,7-オクタジエン-2-オール、2,6-ジメチル-3,5-オクタジエン-2-オール、3,7-ジメチル-4,6-オクタジエン-3-オール、3,7-ジメチル-1,5,7-オクタトリエン-3-オール、2,6-ジメチル-2,5,7-オクタトリエン-1-オール、並びにこれらのホルメート、アセテート、プロピオネート、イソブチレート、ブチレート、イソバレレート、ペンタノエート、ヘキサノエート、クロトネート、チグリネート及び3-メチル-2-ブテノエート、
非環式テルペンアルデヒド及びケトン、例えばゲラニアール、ネラール、シトロネラール、7-ヒドロキシ-3,7-ジメチルオクタナール、7-メトキシ-3,7-ジメチルオクタナール、2,6,10-トリメチル-9-ウンデセナール、ゲラニルアセトン、並びにゲラニアール、ネラール、7-ヒドロキシ-3,7-ジメチルオクタナールのジメチル-及びジエチルアセタール、環状テルペンアルコール、例えばメントール、イソプレゴール、アルファ-テルピネオール、テルピン-4-オール、メンタン-8-オール、メンタン-1-オール、メンタン-7-オール、ボルネオール、イソボルネオール、リナロールオキシド、ノポール、セドロール、アンブリノール、ベチベロール、グアイオール(guajol)、並びにこれらのホルメート、アセテート、プロピオネート、イソブチレート、ブチレート、イソバレレート、ペンタノエート、ヘキサノエート、クロトネート、チグリネート及び3-メチル-2-ブテノエート、
環状テルペンアルデヒド及びケトン、例えばメントン、イソメントン、8-メルカプトメンタン-3-オン、カルボン、ショウノウ、フェンコン、アルファ-イオノン、ベータ-イオノン、アルファ-n-メチルイオノン、ベータ-n-メチルイオノン、アルファ-イソメチルイオノン、ベータ-イソメチルイオノン、アルファ-イロン、アルファ-ダマスコン、ベータ-ダマスコン、ベータ-ダマセノン、デルタ-ダマスコン、ガンマ-ダマスコン、1-(2,4,4-トリメチル-2-シクロヘキセン-1-イル)-2-ブテン-1-オン、1,3,4,6,7,8a-ヘキサヒドロ-1,1,5,5-テトラメチル-2H-2,4a-メタノナフタレン-8(5H)-オン、2-メチル-4-(2,6,6-トリメチル-1-シクロヘキセン-1-イル)-2-ブテナール、ノートカトン、ジヒドロノートカトン、4,6,8-メガスチグマトリエン-3-オン、アルファ-シネンサール、ベータ-シネンサール、アセチル化シダーウッド油(メチルセドリルケトン)、
環状アルコール、例えば4-tert-ブチルシクロヘキサノール、3,3,5-トリメチルシクロヘキサノール、3-イソカンフィルシクロヘキサノール、2,6,9-トリメチル-Z2,Z5,E9-シクロドデカトリエン-1-オール、2-イソブチル-4-メチルテトラヒドロ-2H-ピラン-4-オール、
脂環式アルコール、例えばアルファ-3,3-トリメチルシクロヘキシルメタノール、1-(4-イソプロピルシクロヘキシル)エタノール、2-メチル-4-(2,2,3-トリメチル-3-シクロペンタ-1-イル)ブタノール、2-メチル-4-(2,2,3-トリメチル-3-シクロペンタ-1-イル)-2-ブテン-1-オール、2-エチル-4-(2,2,3-トリメチル-3-シクロペンタ-1-イル)-2-ブテン-1-オール、3-メチル-5-(2,2,3-トリメチル-3-シクロペンタ-1-イル)ペンタン-2-オール、3-メチル-5-(2,2,3-トリメチル-3-シクロペンタ-1-イル)-4-ペンテン-2-オール、3,3-ジメチル-5-(2,2,3-トリメチル-3-シクロペンタ-1-イル)-4-ペンテン-2-オール、1-(2,2,6-トリメチルシクロヘキシル)ペンタン-3-オール、1-(2,2,6-トリメチルシクロヘキシル)ヘキサン-3-オール、
環状及び脂環式エーテル、例えばシネオール、セドリルメチルエーテル、シクロドデシルメチルエーテル、1,1-ジメトキシシクロドデカン、(エトキシメトキシ)シクロドデカン、アルファ-セドレンエポキシド、3a,6,6,9a-テトラメチルドデカヒドロナフト[2,1-b]フラン、3a-エチル-6,6,9a-トリメチルドデカヒドロナフト[2,1-b]フラン、1,5,9-トリメチル-13-オキサビシクロ-[10.1.0]トリデカ-4,8-ジエン、ローズオキシド、2-(2,4-ジメチル-3-シクロヘキセン-1-イル)-5-メチル-5-(1-メチルプロピル)-1,3-ジオキサン、
環状及び大環状ケトン、例えば4-tert-ブチルシクロヘキサノン、2,2,5-トリメチル-5-ペンチルシクロペンタノン、2-ヘプチルシクロペンタノン、2-ペンチルシクロペンタノン、2-ヒドロキシ-3-メチル-2-シクロペンテン-1-オン、3-メチル-cis-2-ペンテン-1-イル-2-シクロペンテン-1-オン、3-メチル-2-ペンチル-2-シクロペンテン-1-オン、3-メチル-4-シクロペンタデセノン、3-メチル-5-シクロペンタデセノン、3-メチルシクロペンタデカノン、4-(1-エトキシビニル)-3,3,5,5-テトラメチルシクロヘキサノン、4-tert-ペンチルシクロヘキサノン、5-シクロヘキサデセン-1-オン、6,7-ジヒドロ-1,1,2,3,3-ペンタメチル-4(5H)-インダノン、8-シクロヘキサデセン-1-オン、7-シクロヘキサデセン-1-オン、(7/8)-シクロヘキサデセン-1-オン、9-シクロヘプタデセン-1-オン、シクロペンタデカノン、シクロヘキサデカノン、
脂環式アルデヒド、例えば2,4-ジメチル-3-シクロヘキセンカルバルデヒド、2-メチル-4-(2,2,6-トリメチルシクロヘキセン-1-イル)-2-ブテナール、4-(4-ヒドロキシ-4-メチルペンチル)-3-シクロヘキセンカルバルデヒド、4-(4-メチル-3-ペンテン-1-イル)-3-シクロヘキセンカルバルデヒド、
脂環式ケトン、例えば1-(3,3-ジメチルシクロヘキシル)-4-ペンテン-1-オン、2,2-ジメチル-1-(2,4-ジメチル-3-シクロヘキセン-1-イル)-1-プロパノン、1-(5,5-ジメチル-1-シクロヘキセン-1-イル)-4-ペンテン-1-オン、2,3,8,8-テトラメチル-1,2,3,4,5,6,7,8-オクタヒドロ-2-ナフタレニルメチルケトン、メチル2,6,10-トリメチル-2,5,9-シクロドデカトリエニルケトン、tert-ブチル(2,4-ジメチル-3-シクロヘキセン-1-イル)ケトン、
環状アルコールのエステル、例えば2-tert-ブチルシクロヘキシルアセテート、4-tert-ブチルシクロヘキシルアセテート、2-tert-ペンチルシクロヘキシルアセテート、4-tert-ペンチルシクロヘキシルアセテート、3,3,5-トリメチルシクロヘキシルアセテート、デカヒドロ-2-ナフチルアセテート、2-シクロペンチルシクロペンチルクロトネート、3-ペンチルテトラヒドロ-2H-ピラン-4-イルアセテート、デカヒドロ-2,5,5,8a-テトラメチル-2-ナフチルアセテート、4,7-メタノ-3a,4,5,6,7,7a-ヘキサヒドロ-5又は6-インデニルアセテート、4,7-メタノ-3a,4,5,6,7,7a-ヘキサヒドロ-5又は6-インデニルプロピオネート、4,7-メタノ-3a,4,5,6,7,7a-ヘキサヒドロ-5又は6-インデニルイソブチレート、4,7-メタノオクタヒドロ-5又は6-インデニルアセテート、
脂環式アルコールのエステル、例えば1-シクロヘキシルエチルクロトネート、
脂環式カルボン酸のエステル、例えばアリル3-シクロヘキシルプロピオネート、アリルシクロヘキシルオキシアセテート、cis-及びtrans-メチルジヒドロジャスモネート、cis-及びtrans-メチルジャスモネート、メチル2-ヘキシル-3-オキソシクロペンタンカルボキシレート、エチル2-エチル-6,6-ジメチル-2-シクロヘキセンカルボキシレート、エチル2,3,6,6-テトラメチル-2-シクロヘキセンカルボキシレート、エチル2-メチル-1,3-ジオキソラン-2-アセテート、
芳香脂肪族アルコール、例えばベンジルアルコール、1-フェニルエチルアルコール、2-フェニルエチルアルコール、3-フェニルプロパノール、2-フェニルプロパノール、2-フェノキシエタノール、2,2-ジメチル-3-フェニルプロパノール、2,2-ジメチル-3-(3-メチルフェニル)プロパノール、1,1-ジメチル-2-フェニルエチルアルコール、1,1-ジメチル-3-フェニルプロパノール、1-エチル-1-メチル-3-フェニルプロパノール、2-メチル-5-フェニルペンタノール、3-メチル-5-フェニルペンタノール、3-フェニル-2-プロペン-1-オール、4-メトキシベンジルアルコール、1-(4-イソプロピルフェニル)エタノール、
芳香脂肪族アルコール及び脂肪族カルボン酸のエステル、例えばベンジルアセテート、ベンジルプロピオネート、ベンジルイソブチレート、ベンジルイソバレレート、2-フェニルエチルアセテート、2-フェニルエチルプロピオネート、2-フェニルエチルイソブチレート、2-フェニルエチルイソバレレート、1-フェニルエチルアセテート、アルファ-トリクロロメチルベンジルアセテート、アルファ,アルファ-ジメチルフェニルエチルアセテート、アルファ,アルファ-ジメチルフェニルエチルブチレート、シンナミルアセテート、2-フェノキシエチルイソブチレート、4-メトキシベンジルアセテート、
芳香脂肪族エーテル、例えば2-フェニルエチルメチルエーテル、2-フェニルエチルイソアミルエーテル、2-フェニルエチル1-エトキシエチルエーテル、フェニルアセトアルデヒドジメチルアセタール、フェニルアセトアルデヒドジエチルアセタール、ヒドロアトロパアルデヒドジメチルアセタール、フェニルアセトアルデヒドグリセロールアセタール、2,4,6-トリメチル-4-フェニル-1,3-ジオキサン、4,4a,5,9b-テトラヒドロインデノ[1,2-d]-m-ジオキシン、4,4a,5,9b-テトラヒドロ-2,4-ジメチルインデノ[1,2-d]-m-ジオキシン、
芳香族及び芳香脂肪族アルデヒド、例えばベンズアルデヒド、フェニルアセトアルデヒド、3-フェニルプロパナール、ヒドロアトロパアルデヒド、4-メチルベンズアルデヒド、4-メチルフェニルアセトアルデヒド、3-(4-エチルフェニル)-2,2-ジメチルプロパナール、2-メチル-3-(4-イソプロピルフェニル)プロパナール、2-メチル-3-(4-tert-ブチルフェニル)プロパナール、2-メチル-3-(4-イソブチルフェニル)プロパナール、3-(4-tert-ブチルフェニル)プロパナール、シンナムアルデヒド、アルファ-ブチルシンナムアルデヒド、アルファ-アミルシンナムアルデヒド、アルファ-ヘキシルシンナムアルデヒド、3-メチル-5-フェニルペンタナール、4-メトキシベンズアルデヒド、4-ヒドロキシ-3-メトキシベンズアルデヒド、4-ヒドロキシ-3-エトキシベンズアルデヒド、3,4-メチレンジオキシベンズアルデヒド、3,4-ジメトキシベンズアルデヒド、2-メチル-3-(4-メトキシフェニル)プロパナール、2-メチル-3-(4-メチレンジオキシフェニル)プロパナール、
芳香族及び芳香脂肪族ケトン、例えばアセトフェノン、4-メチルアセトフェノン、4-メトキシアセトフェノン、4-tert-ブチル-2,6-ジメチルアセトフェノン、4-フェニル-2-ブタノン、4-(4-ヒドロキシフェニル)-2-ブタノン、1-(2-ナフタレニル)エタノン、2-ベンゾフラニルエタノン、(3-メチル-2-ベンゾフラニル)エタノン、ベンゾフェノン、1,1,2,3,3,6-ヘキサメチル-5-インダニルメチルケトン、6-tert-ブチル-1,1-ジメチル-4-インダニルメチルケトン、1-[2,3-ジヒドロ-1,1,2,6-テトラメチル-3-(1-メチルエチル)-1H-5-インデニル]エタノン、5',6',7',8'-テトラヒドロ-3',5',5',6',8',8'-ヘキサメチル-2-アセトナフトン、
芳香族及び芳香脂肪族カルボン酸並びに芳香族及び芳香脂肪族カルボン酸のエステル、例えば安息香酸、フェニル酢酸、メチルベンゾエート、エチルベンゾエート、ヘキシルベンゾエート、ベンジルベンゾエート、メチルフェニルアセテート、エチルフェニルアセテート、ゲラニルフェニルアセテート、フェニルエチルフェニルアセテート、メチルシンナメート、エチルシンナメート、ベンジルシンナメート、フェニルエチルシンナメート、シンナミルシンナメート、アリルフェノキシアセテート、メチルサリチレート、イソアミルサリチレート、ヘキシルサリチレート、シクロヘキシルサリチレート、cis-3-ヘキセニルサリチレート、ベンジルサリチレート、フェニルエチルサリチレート、メチル2,4-ジヒドロキシ-3,6-ジメチルベンゾエート、エチル3-フェニルグリシデート、エチル3-メチル-3-フェニルグリシデート、
窒素含有芳香族化合物、例えば2,4,6-トリニトロ-1,3-ジメチル-5-tert-ブチルベンゼン、3,5-ジニトロ-2,6-ジメチル-4-tert-ブチルアセトフェノン、シンナモニトリル、3-メチル-5-フェニル-2-ペンテノニトリル、3-メチル-5-フェニルペンタノニトリル、メチルアントラニレート、メチル-N-メチルアントラニレート、メチルアントラニレートと7-ヒドロキシ-3,7-ジメチルオクタナール、2-メチル-3-(4-tert-ブチルフェニル)プロパナール又は2,4-ジメチル-3-シクロヘキセンカルバルデヒドとのシッフ塩基、6-イソプロピルキノリン、6-イソブチルキノリン、6-sec-ブチルキノリン、2-(3-フェニルプロピル)ピリジン、インドール、スカトール、2-メトキシ-3-イソプロピルピラジン、2-イソブチル-3-メトキシピラジン、
フェノール、フェニルエーテル及びフェニルエステル、例えばエストラゴール、アネトール、オイゲノール、オイゲニルメチルエーテル、イソオイゲノール、イソオイゲニルメチルエーテル、チモール、カルバクロール、ジフェニルエーテル、ベータ-ナフチルメチルエーテル、ベータ-ナフチルエチルエーテル、ベータ-ナフチルイソブチルエーテル、1,4-ジメトキシベンゼン、オイゲニルアセテート、2-メトキシ-4-メチルフェノール、2-エトキシ-5-(1-プロペニル)フェノール、p-クレシルフェニルアセテート、
複素環式化合物、例えば2,5-ジメチル-4-ヒドロキシ-2H-フラン-3-オン、2-エチル-4-ヒドロキシ-5-メチル-2H-フラン-3-オン、3-ヒドロキシ-2-メチル-4H-ピラン-4-オン、2-エチル-3-ヒドロキシ-4H-ピラン-4-オン、
ラクトン、例えば1,4-オクタノリド、3-メチル-1,4-オクタノリド、1,4-ノナノリド、1,4-デカノリド、8-デセン-1,4-オリド、1,4-ウンデカノリド、1,4-ドデカノリド、1,5-デカノリド、1,5-ドデカノリド、4-メチル-1,4-デカノリド、1,15-ペンタデカノリド、cis-及びtrans-11-ペンタデセン-1,15-オリド、cis-及びtrans-12-ペンタデセン-1,15-オリド、1,16-ヘキサデカノリド、9-ヘキサデセン-1,16-オリド、10-オキサ-1,16-ヘキサデカノリド、11-オキサ-1,16-ヘキサデカノリド、12-オキサ-1,16-ヘキサデカノリド、エチレン1,12-ドデカンジオエート、エチレン1,13-トリデカンジオエート、クマリン、2,3-ジヒドロクマリン、オクタヒドロクマリン
を挙げることができる。
【0038】
本発明のさらなる一実施形態は、1-[(4R)-4-メチルシクロヘキセン-1-イル]エタノンと、界面活性剤、エモリエント剤及び溶媒からなる群から選択される少なくとも1種の化合物とを含む組成物を対象とする。
【0039】
本発明のさらなる一実施形態は、1-[(4R)-4-メチルシクロヘキセン-1-イル]エタノンと、界面活性剤、エモリエント剤及び溶媒からなる群から選択される少なくとも1種の化合物とを含む組成物であって、溶媒が、ジエチルエーテルではない、組成物を対象とする。
【0040】
本発明の一実施形態は、1-[(4R)-4-メチルシクロヘキセン-1-イル]エタノン及び少なくとも1種の溶媒を含む、組成物を対象とする。
【0041】
本発明の一実施形態は、1-[(4R)-4-メチルシクロヘキセン-1-イル]エタノン及び少なくとも1種の溶媒を含む、組成物であって、溶媒が、ジエチルエーテルではない、組成物を対象とする。
【0042】
本発明の文脈において、「溶媒」は、当該溶媒自体が芳香を放つ特性を有することなく、本発明によって使用される1-[(4R)-4-メチルシクロヘキセン-1-イル]エタノンの希釈に役立つ。一部の溶媒は、定着特性も同時に有する。
【0043】
1種以上の溶媒は、本組成物に対して0.01~99重量%で本組成物中に存在し得る。本発明の好ましい実施形態において、本組成物は、本組成物に対して0.1~90重量%、好ましくは0.5~80重量%の溶媒(複数可)を含む。溶媒(複数可)の量は、本組成物に応じて選択することができる。本発明の一実施形態において、本組成物は、本組成物に対して0.05~10重量%、好ましくは0.1~5重量%、より好ましくは0.2~3重量%の溶媒(複数可)を含む。本発明の一実施形態において、本組成物は、本組成物に対して20~70重量%、好ましくは25~50重量%の溶媒(複数可)を含む。
【0044】
好ましい溶媒は、エタノール、ジプロピレングリコール(DPG)、プロピレングリコール、1,2-ブチレングリコール、グリセロール、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチルフタレート(DEP)、イソプロピルミリステート(IPM)、トリエチルシトレート(TEC)及びベンジルベンゾエート(BB)である。
【0045】
特に好ましい溶媒は、エタノール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチルシトレート、ベンジルベンゾエート及びイソプロピルミリステートからなる群から選択される。
【0046】
本発明の好ましい実施形態において、溶媒は、エタノール、イソプロパノール、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、グリセロール、プロピレングリコール、1,2-ブチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチルシトレート及びイソプロピルミリステートからなる群から選択される。
【0047】
さらなる態様によれば、1-[(4R)-4-メチルシクロヘキセン-1-イル]エタノンは、界面活性剤含有組成物中での使用に適している。これは、イランイランノートを有する香料が、特に例えば清浄剤(特に、食器洗い用組成物及び多目的清浄剤)等の界面活性剤含有組成物の香り付けのために求められることが多いためである。
【0048】
したがって、本発明の一実施形態は、1-[(4R)-4-メチルシクロヘキセン-1-イル]エタノン及び少なくとも1種の界面活性剤を含む、組成物を対象とする。
【0049】
本発明の一実施形態において、本発明による組成物は、少なくとも1種の界面活性剤を含有する。界面活性剤(複数可)は、アニオン性、非イオン性、カチオン性及び/又は両性若しくは双性界面活性剤から選択されてもよい。例えばシャワージェル、泡入浴剤(foam bath)、シャンプー等の界面活性剤含有組成物は、好ましくは、少なくとも1種のアニオン性界面活性剤を含有する。
【0050】
本発明による組成物は通常、界面活性剤(複数可)を全体として(in the aggregate)、本組成物の総重量に対して0~40重量%の量、好ましくは0~20重量%の量、より好ましくは0.1~15重量%の量、さらにより特定すると0.1~10重量%の量で含有する。非イオン性界面活性剤の典型例は、脂肪アルコールポリグリコールエーテル、アルキルフェノールポリグリコールエーテル、脂肪酸ポリグリコールエステル、脂肪酸アミドポリグリコールエーテル、脂肪アミンポリグリコールエーテル、アルコキシ化トリグリセリド、混合エーテル及び混合ホルマール、任意選択により部分的に酸化されたアルキル(アルケニル)オリゴグリコシド又はグルクロン酸誘導体、脂肪酸-N-アルキルグルカミド、タンパク質加水分解物(特に、コムギを主体とした植物性生成物)、ポリオール脂肪酸エステル、糖エステル、ソルビタンエステル、ポリソルベート並びにアミンオキシドである。非イオン性界面活性剤がポリグリコールエーテル鎖を含有する場合、非イオン性界面活性剤は、従来のホモログ分布を有してもよいが、好ましくは、範囲が狭いホモログ分布を有する。
【0051】
双性界面活性剤は、分子中に少なくとも1個の第四級アンモニウム基及び少なくとも1個の-COO(-)又は-SO3
(-)基を含有する、表面活性化合物である。特に適切な双性界面活性剤は、いわゆるベタイン、例えば、アルキル基又はアシル基中に8~18個の炭素原子を含有する、N-アルキル-N,N-ジメチルアンモニウムグリシネート、例えば、ココアルキルジメチルアンモニウムグリシネート、N-アシルアミノプロピル-N,N-ジメチルアンモニウムグリシネート、例えば、ココアシルアミノプロピルジメチルアンモニウムグリシネート及び2-アルキル-3-カルボキシメチル-3-ヒドロキシエチルイミダゾリン、並びにココアシルアミノエチルヒドロキシエチルカルボキシメチルグリシネートである。ココアミドプロピルベタインのCTFA名で知られた脂肪酸アミド誘導体が、特に好ましい。
【0052】
両性界面活性剤は、特に共界面活性剤としても適している。両性界面活性剤は、C8~C18アルキル又はアシル基の他にも、分子中に少なくとも1個の遊離アミノ基及び少なくとも1個の-COOH-基又は-SO3H-基を含有し、内塩を形成することができる、表面活性化合物である。適切な両性界面活性剤の例は、アルキル基中に約8~18個の炭素原子を含有する、N-アルキルグリシン、N-アルキルプロピオン酸、N-アルキルアミノ酪酸、N-アルキルイミノジプロピオン酸、N-ヒドロキシエチル-N-アルキルアミドプロピルグリシン、N-アルキルタウリン、N-アルキルサルコシン、2-アルキルアミノプロピオン酸及びアルキルアミノ酢酸である。特に好ましい両性界面活性剤は、N-ココアルキルアミノプロピオネート、ココアシルアミノエチルアミノプロピオネート及びアシルサルコシンである。
【0053】
アニオン性界面活性剤は、水溶性化作用のあるアニオン性基、例えばカルボキン酸基、硫酸基、スルホン酸基又はリン酸基及び親油性基を特徴とする。皮膚科学的に安全なアニオン性界面活性剤は、開業医には、関連する教本から多数知られており、市販されている。アニオン性界面活性剤は特に、アルカリ金属塩、アンモニウム塩又はアルカノールアンモニウム塩の形態のアルキルスルフェート、アルキルエーテルスルフェート、アルキルエーテルカルボキシレート、アシルイセチオネート、アシルサルコシネート、直鎖状C12~8アルキル基又はアシル基を含有するアシルタウリン、並びに、アルカリ金属塩又はアンモニウム塩の形態のスルホスクシネート及びアシルグルタメートである。
【0054】
特に適切なカチオン性界面活性剤は、第四級アンモニウム化合物、好ましくはアンモニウムのハロゲン化物、より特定すると塩化物及び臭化物、例えばアルキルトリメチルアンモニウムクロリド、ジアルキルジメチルアンモニウムクロリド及びトリアルキルメチルアンモニウムクロリド、例えば、セチルトリメチルアンモニウムクロリド、ステアリルトリメチルアンモニウムクロリド、ジステアリルジメチルアンモニウムクロリド、ラウリルジメチルアンモニウムクロリド、ラウリルジメチルベンジルアンモニウムクロリド及びトリセチルメチルアンモニウムクロリドである。さらに、容易に生分解され得る第四級エステル化合物、例えば、Stepantexeの名称で販売されているジアルキルアンモニウムメトスルフェート及びメチルヒドロキシアルキルジアルコイルオキシアルキル(dialkoyloxyalkyl)アンモニウムメトスルフェート並びに対応するDehyquart(登録商標)シリーズという製品が、カチオン性界面活性剤として使用されてもよい。「エステルクォート(esterquat)」は一般に、第四級化脂肪酸トリエタノールアミンエステル塩であると理解される。エステルクォートは、本組成物に格別の柔らかさを付与することができる。エステルクォートは、関連する有機化学的な方法によって調製された、公知の物質である。本発明による使用に適した他のカチオン性界面活性剤は、第四級化タンパク質加水分解物である。
【0055】
本発明の一実施形態は、1-[(4R)-4-メチルシクロヘキセン-1-イル]エタノン及び少なくとも1種の油成分を含む、組成物を対象とする。
【0056】
油成分は一般的に、本組成物に対して0.1~80重量%の総量、より特定すると0.5~70重量%の総量、好ましくは1~60重量%の総量、より特定すると1~50重量%の総量、より特定すると1~40重量%の総量、好ましくは5~25重量%の総量、より特定すると5~15重量%の総量で存在する。
【0057】
油成分は例えば、6~18個、好ましくは8~10個の炭素原子を含有する脂肪アルコールを主体としたゲルベアルコール並びに他のさらなるエステル、例えばミリスチルミリステート、ミリスチルパルミテート、ミリスチルステアレート、ミリスチルイソステアレート、ミリスチルオレエート、ミリスチルベヘネート、ミリスチルエルケート、セチルミリステート、セチルパルミテート、セチルステアレート、セチルイソステアレート、セチルオレエート、セチルベヘネート、セチルエルケート、ステアリルミリステート、ステアリルパルミテート、ステアリルステアレート、ステアリルイソステアレート、ステアリルオレエート、ステアリルベヘネート、ステアリルエルケート、イソステアリルミリステート、イソステアリルパルミテート、イソステアリルステアレート、イソステアリルイソステアレート、イソステアリルオレエート、イソステアリルベヘネート、イソステアリルオレエート、オレイルミリステート、オレイルパルミテート、オレイルステアレート、オレイルイソステアレート、オレイルオレエート、オレイルベヘネート、オレイルエルケート、ベヘニルミリステート、ベヘニルパルミテート、ベヘニルステアレート、ベヘニルイソステアレート、ベヘニルオレエート、ベヘニルベヘネート、ベヘニルエルケート、エルシルミリステート、エルシルパルミテート、エルシルステアレート、エルシルイソステアレート、エルシルオレエート、エルシルベヘネート及びエルシルエルケートから選択されてもよい。同様に適しているものは、C18~C38アルキルヒドロキシカルボン酸と直鎖状又は分岐状C6~C22脂肪アルコール、特により特定するとジオクチルマレートとのエステル、直鎖状及び/又は分岐状脂肪酸と多価アルコール(例えば、プロピレングリコール、ダイマージオール若しくはトリマートリオール)とのエステル、C6~C10脂肪酸を主体としたトリグリセリド、C6~C18脂肪酸を主体とした液体状モノ-、ジ-及びトリグリセリド混合物、C6~C22脂肪アルコール及び/又はゲルベアルコールと芳香族カルボン酸、より特定すると安息香酸とのエステル、ジカルボン酸と2~10個の炭素原子及び2~6個のヒドロキシル基を含有するポリオールとのエステル、植物油、分岐状第一級アルコール、置換シクロヘキサン、直鎖状及び分岐状C6_22脂肪アルコールカルボネート、例えばジカプリリルカルボネート(Cetiol@ CC)、6~18個、好ましくは8~10個の炭素原子を含有する脂肪アルコールを主体としたゲルベカルボネート、安息香酸と直鎖状及び/又は分岐状C6~C22アルコール(例えば、Finsolv(登録商標)TN)とのエステル、アルキル基1個当たり6~22個の炭素原子を含有する直鎖状又は分岐状の対称又は非対称ジアルキルエーテル、例えばジカプリリルエーテル(Cetiol(登録商標)OE)、エポキシ化脂肪酸エステルとポリオール及び炭化水素との開環生成物或いはこれらの混合物である。
【0058】
組成物
1-[(4R)-4-メチルシクロヘキセン-1-イル]エタノンは、多種多様な組成物中で使用することができる。嗅覚特性、物質特性(通常の溶媒への可溶度及びこのような組成物に属するさらなる通常の構成要素との適合性等)、並びに、1-[(4R)-4-メチルシクロヘキセン-1-イル]エタノンの毒物学的容認度は、記載してきた使用目的及び組成物に対する特段の適性を際立たせている。
【0059】
1-[(4R)-4-メチルシクロヘキセン-1-イル]エタノンを含む、又は、本発明によって1-[(4R)-4-メチルシクロヘキセン-1-イル]エタノンを使用することができる、組成物は、例えば香水組成物、ボディケア用組成物、衛生用品、家庭用清浄用組成物、繊維用洗剤組成物、食品、栄養補助食品、医薬組成物及び作物保護用組成物である。
【0060】
香水組成物は、ファインフレグランス、液体形態、ゲル状の形態又は固体キャリアに塗布された形態のエアフレッシュナー、エアロゾルスプレー、香り付き清浄剤及び油から選択することができる。
【0061】
ファインフレグランスの例は、香水抽出物、オードパルファン、オードトワレ、オーデコロン、オードソリッド及びエクストレパルファン(Extrait Parfum)である。
【0062】
ボディケア用組成物は、アフターシェーブ、プレシェーブ製品、スプラッシュコロン、固体石けん及び液体石けん、シャワージェル、シャンプー、ひげ剃り用石けん、シェービングフォーム、バスオイル、水中油型、油中水型及び水中油中水型の化粧品用エマルション、例えばスキンクリーム及びスキンローション、フェイスクリーム及びフェイスローション、日焼け止めクリーム及び日焼け止めローション、日焼けケア用クリーム及び日焼けケア用ローション、ハンドクリーム及びハンドローション、フットクリーム及びフットローション、脱毛クリーム及び脱毛ローション、アフターシェーブクリーム及びアフターシェーブローション、日焼けクリーム及び日焼けローション、ヘアケア製品、例えばヘアスプレー、ヘア用ジェル、整髪ローション、ヘアコンディショナー、ヘアシャンプー、パーマネント型及びセミパーマネント型の毛染め剤、ヘアシェイピング用組成物、例えばコールドウェーブ用薬剤(cold wave)及びヘアスムージング用組成物、ヘアトニック、ヘアクリーム及びヘアローション、消臭剤及び制汗剤、例えばわきの下用のスプレー剤、ロールオン、消臭スティック、消臭クリーム、装飾化粧品、例えばアイシャドウ、マニキュア液、メーキャップ、口紅、マスカラ、練り歯磨き、デンタルフロスから選択することができる。
【0063】
衛生用品は、キャンドル、ランプオイル、線香、殺虫剤、防虫剤、噴射剤、さび取り剤、香り付きふき取りシート(perfumed freshening wipe)、わきパッド、赤ちゃん用おむつ、生理用ナプキン、トイレットペーパー、化粧品ふき取りシート(cosmetic wipe)、ポケットティッシュ、食洗機脱臭剤から選択することができる。
【0064】
家庭用清浄用組成物、例えば固体表面のための清浄剤は、香り付きの酸性、アルカリ性及び中性清浄剤、例えば床用清浄剤、窓用清浄剤、食器洗い用洗剤、浴室用清浄剤及びサニタリー用清浄剤、スカーリングミルク(scouring milk)、固体型及び液体型トイレ用清浄剤、粉末型及び泡型カーペット用清浄剤、ワックス及び磨き剤、例えば家具用磨き剤、床用ワックス、靴クリーム、消毒剤、表面消毒剤及びサニタリー用清浄剤、ブレーキ用清浄剤、パイプ用清浄剤、水垢除去剤、グリル用及びオーブン用清浄剤、藻類除去剤及びコケ除去剤、カビ除去剤、ファサード清浄剤(facade cleaner)から選択することができる。
【0065】
繊維用洗剤組成物は、液体洗剤、粉末洗剤、洗濯用前処理剤、例えば漂白剤、漬け置き剤及び染み除去剤、繊維柔軟剤、洗濯用石けん、洗濯用錠剤から選択することができる。
【0066】
食品は、食べることができる生の、調理済みの若しくは加工済みの物質、氷、飲料、又は、人間の消費のために全体若しくは一部が使用される若しくは使用されることが意図された成分、或いは、チューインガム、グミ、ゼリー及び菓子類を意味する。
【0067】
栄養補助食品は、さらなる栄養価を飲食物に加えるように意図された食用成分を含有する、摂取が意図された製品である。食用成分は、次の物質、すなわち、ビタミン、ミネラル及びハーブ又は他の植物性薬品、アミノ酸、合計飲食物摂取量の増大によって飲食物を補助することを目的とした人々が使用するための飲食物用物質、濃縮物、代謝物質、構成要素又は抽出物のうちの1つ又は任意の組合せであってもよい。栄養補助食品は、錠剤、カプセル、軟質ゲル、ジェルキャップ、液体又は粉末等の数多くの形態で見出され得る。
【0068】
医薬組成物は、疾患の診断、治療、軽減、処置又は予防における使用のために意図された組成物、及び、人間又は他の動物の身体の構造又は何らかの機能に影響するように意図された(食品以外の)物品を含む。
【0069】
作物保護用組成物は、農業作物及び森林を損なう植物病害、雑草及び他の有害生物(脊椎動物と無脊椎動物との両方)の管理のために意図された、組成物を含む。
【0070】
本発明による組成物は、1種以上の物質、例えば、保存料、研磨剤、抗にきび剤、皮膚の老化を抑えるための作用物質、抗細菌剤、脂肪沈着防止剤、フケ防止剤、抗炎症剤、刺激予防剤、刺激緩和剤、抗菌剤、抗酸化剤、収れん剤、発汗抑制剤、消毒剤、静電気防止剤、結合剤、緩衝材、キャリア材料、キレート化剤、細胞刺激物質、清浄剤、手入れ用物質(care agent)、脱毛剤、表面活性物質、消臭剤、制汗剤、乳化剤、酵素、精油、繊維、フィルム形成剤、保留剤(fixative)、泡形成剤、泡安定剤、発泡を予防するための物質、発泡増進剤、殺菌剤、ゲル化剤、ゲル形成剤、ヘアケア剤、ヘアシェイピング剤、ヘアスムージング、水分付与剤、加湿物質、湿潤剤物質、漂白剤、補強剤、染み除去剤、蛍光像箔剤、含浸剤、汚れ忌避剤(soil repellent)、摩擦低減剤、滑沢剤、加湿クリーム、軟膏、乳白剤、可塑剤、被覆剤、磨き剤、光沢剤、ポリマー、粉末、タンパク質、加脂剤(refatting agent)、スクラブ剤、シリコーン、皮膚鎮静剤、皮膚洗浄剤、スキンケア剤、皮膚治癒剤、皮膚美白剤、皮膚保護剤、皮膚軟化剤、冷却剤、皮膚冷却剤、加温剤(warming agent)、皮膚加温剤、安定剤、紫外線吸収剤、紫外線フィルター、繊維柔軟剤、懸濁剤、日焼け剤、増粘剤、ビタミン、油、ワックス、脂肪、リン脂質、飽和脂肪酸、モノ不飽和又ポリ不飽和脂肪酸、α-ヒドロキシ酸、ポリヒドロキシ脂肪酸、液化剤、染料、着色防止剤(color-protection agent)、顔料、防食剤、ポリオール、界面活性剤、電解質、有機溶媒又はシリコーン誘導体をさらに含むことができる。
【0071】
本発明によって使用される1-[(4R)-4-メチルシクロヘキセン-1-イル]エタノン及び本発明による1-[(4R)-4-メチルシクロヘキセン-1-イル]エタノンを含む組成物は、マイクロカプセル封入された形態、噴霧乾燥形態、包接錯体の形態又は押出製品の形態であってもよい。より目標を絞った香気の放出に関する特性は、適切な材料を用いたいわゆる「コーティング」によって、さらに最適化することが可能であり、この目的ために、好ましくは、例えばポリビニルアルコール等のワックス状合成物質が使用される。
【0072】
マイクロカプセル封入は例えば、いわゆるコアセルベーション法によって、例えばポリウレタン状物質又は軟ゼラチンから製造されたカプセル材料を用いて実施することができる。噴霧乾燥された香油は例えば、1-[(4R)-4-メチルシクロヘキセン-1-イル]エタノンを含むエマルション又は分散物を噴霧乾燥させることによって製造することができ、使用され得るキャリア物質は、変性デンプン、タンパク質、デキストリン及び植物性ガムである。包接錯体は例えば、フレグランス組成物及びシクロデキストリン又は尿素誘導体の分散物を適切な溶媒、例えば水に導入することによって、調製することができる。押出製品は、1-[(4R)-4-メチルシクロヘキセン-1-イル]エタノンを、任意選択により適切な溶媒、例えばイソプロパノールに取り込ませた状態で、適切なワックス状物質と一緒にして溶融させ、押出した後に固化させることによって、製造することができる。
【0073】
本発明による組成物は、本組成物の総重量に対して0.05~99.9重量%、好ましくは0.1~90重量%、好ましくは0.5~80重量%の1-[(4R)-4-メチルシクロヘキセン-1-イル]エタノンを含むことができる。
【0074】
本発明の一実施形態において、本組成物は、本組成物の総重量に対して0.05~15重量%、好ましくは0.1~10重量%の1-[(4R)-4-メチルシクロヘキセン-1-イル]エタノンを含む。
【0075】
本発明の一実施形態において、本組成物は、本組成物の総重量に対して0.1~5重量%、好ましくは0.2~2重量%の1-[(4R)-4-メチルシクロヘキセン-1-イル]エタノンを含む。
【0076】
組成物を調製するための方法
本発明のさらなる一実施形態は、香水組成物、ボディケア用組成物、衛生用品、家庭用清浄用組成物、繊維用洗剤組成物、食品、栄養補助食品、医薬組成物又は作物保護用組成物を調製する方法であって、1-[(4R)-4-メチルシクロヘキセン-1-イル]エタノンを香水組成物、ボディケア用組成物、衛生用品、家庭用清浄用組成物、繊維用洗剤組成物、食品、栄養補助食品、医薬組成物又は作物保護用組成物に組み入れることを含む、方法を対象とする。
【0077】
本発明の一実施形態において、1-[(4R)-4-メチルシクロヘキセン-1-イル]は、上記組成物にイランイランノートを付与する。
【0078】
本発明の一実施形態において、1-[(4R)-4-メチルシクロヘキセン-1-イル]エタノンは、1-[(4R)-4-メチルシクロヘキセン-1-イル]エタノン及び1-[(4S)-4-メチルシクロヘキセン-1-イル]エタノンを含む混合物であって、1-[(4R)-4-メチルシクロヘキセン-1-イル]エタノンの量が、1-[(4S)-4-メチルシクロヘキセン-1-イル]エタノンの量を超える、混合物として含まれる。
【0079】
本発明は、1-[(4R)-4-メチルシクロヘキセン-1-イル]エタノンの使用又は1-[(4R)-4-メチルシクロヘキセン-1-イル]エタノンを含む組成物の使用であって、1-[(4R)-4-メチルシクロヘキセン-1-イル]エタノンが、1-[(4R)-4-メチルシクロヘキセン-1-イル]エタノンそのものとして使用される、又は1-[(4R)-4-メチルシクロヘキセン-1-イル]エタノン及び1-[(4S)-4-メチルシクロヘキセン-1-イル]エタノンを含む混合物として使用され、1-[(4R)-4-メチルシクロヘキセン-1-イル]エタノンの量が、1-[(4S)-4-メチルシクロヘキセン-1-イル]エタノンの量を超える、使用を包含する。
【0080】
1-[(4R)-4-メチルシクロヘキセン-1-イル]エタノンは、Taberら(J. Org. Chem.、44、No 3、450~452、1979) 450頁において記載されているように製造することができる。1-[(4R)-4-メチルシクロヘキセン-1-イル]エタノンは、まだ未公開のPCT出願PCT/US2016/051334において記載されているように、L-イソプレゴールのオゾン酸化によって製造することもできる。
【実施例】
【0081】
1-[(4R)-4-メチルシクロヘキセン-1-イル]エタノンを次のように調製した。
【0082】
[実施例1a]
化合物(III)からの化合物(VI)の合成
【0083】
【化2】
L-イソプレゴール(=化合物III)(150 g、0.97 mmol)をH
2O (300 mL)と合わせ、オーバーヘッド型攪拌器及びガスディフューザを装着したジャケット付きガラス反応器の中で混合物を10℃に冷却した。5時間の反応時間を通してO
3/O
2混合物をバブリングし、反応が15℃を超えないことを確実にした。出発原料が完全に消費されたら続いて、121 gのNaHSO
3を0℃で加え、室温に終夜温めた。次いで、MTBE(350 mL×2)によって水性相を抽出し、Na
2CO
3 (10%水溶液)によって洗浄し、次いで、Na
2SO
4によって乾燥し、ろ過し、濃縮した。
【0084】
上記の結果、91.3%の理論収率で138.7 gの白色の結晶性固体が生じたが、推定純度は97.9%だった。1H NMR (CDCl3, 500 MHz), δ 0.87 (d, J = 6.5Hz, 3H, -CH3), 0.86-0.96 (m, 2H, -CH2-), 1.16-1.25 (m, 1H, -CH2-), 1.37-1.44 (m, 1H, -CH3), 1.62-1.67 (m, 1H, -CH2-), 1.84-1.91 (m, 2H, -CH2-), 2.10 (s, 3H, -CH3), 2.22-2.27 (m, 1H, -CH-), 3.00 (s, broad, 1H, -OH), 3.71-3.76 (m, 1H, -CHO-).
【0085】
[実施例1b]
化合物(VI)からの化合物(I)の合成
【0086】
【化3】
230 g(1.47 mol)の化合物(VI)を500 mlのトルエンに溶解させ、4.6 gのAmberlyst(登録商標)15触媒を装入し、水の除去のためにディーンスターク装置を装着した丸底フラスコの中に入れた。混合物は、あらゆる水が形成しなくなったように見えるまで、すべての範囲及び部分範囲を含む80~140℃で加熱し、より好ましくは110~130℃で7時間加熱した。一部の実施形態において、脱水を実施し続けた。次いで、Amberlyst(登録商標)をろ別し、トルエンを除去した。次いで、単離された残留物を約1.0 mbar及び65~70℃(42~48℃のヘッド温度)で蒸留して、純度が97%超で173.2 gの所望の生成物である(R)-1-(4-メチルシクロヘキサ-1-エン-1-イル)エタノン(すなわち、化合物(I))を得た:
1H NMR (CDCl
3, 500 MHz), δ 0.97(d, J = 6.5Hz, 3H, - CH
3), 1.13-1.21(m, 1H, -CH
2-), 1.61-1.67 (m, 1H, -CH
2-), 1.80-1.88 (m, 1H, -CH
2-), 2.05-2.14 (m, 1H, -CH
2-), 2.27 (s, 3H, -CH
3), 2.30-2.45 (m, 2H, -CH
2-), 6.85 (m, 1H, -CH=C).
【0087】
嗅覚による判定:
実施例1において得られた1-[(4R)-4-メチルシクロヘキセン-1-イル]エタノンをトリエチルシトレートに溶かした1%重量溶液を調製し、4人の職業調香師のパネルが、新たに浸した吸取紙を使用して約20℃の室温で評価した。嗅覚によるノートは、1(非常に弱い)~6(強い)までで格付けされた。
【0088】
【0089】
[実施例2]
次の香水組成物を調製した。
【0090】
【0091】
商標又は慣用名は、括弧内に提示されている。
【0092】
配合物A(比較用組成物)においては、コロンスポーツ配合物(cologne Sport formulation)は、p-クレシルメチルエーテルの含量による、新鮮だが価値ある印象を特徴としている。
【0093】
配合物B(本発明による組成物)においては、p-クレシルメチルエーテルを1-[(4R)-4-メチルシクロヘキセン-1-イル]エタノンによって置きかえている。配合物Aと比較して芳香を放つ特質が維持されているだけでなく、アーモンド~ショウノウのノートもまた、より心地が良いものであるように思え、総合的に改善された香りに寄与している。
【0094】
配合物C(本発明による組成物)においては、1-[(4R)-4-メチルシクロヘキセン-1-イル]エタノンの量は、2-イソブチル-4-メチルテトラヒドロ-2H-ピラン-4-オールの量と一緒に増大させているが、この結果、価値あるラッパズイセン効果及びイランイラン効果の心地よい効果が生じた。
本発明の実施形態として例えば以下を挙げることができる。
[実施形態1]
香料としての、1-[(4R)-4-メチルシクロヘキセン-1-イル]エタノンの使用。
[実施形態2]
組成物にイランイランノートを付与するための、1-[(4R)-4-メチルシクロヘキセン-1-イル]エタノンの使用。
[実施形態3]
p-メチルクレシルエーテルの代用品としての、1-[(4R)-4-メチルシクロヘキセン-1-イル]エタノンの使用。
[実施形態4]
香水組成物、ボディケア用組成物、衛生用品、家庭用清浄用組成物、繊維用洗剤組成物、食品、栄養補助食品、医薬組成物及び作物保護用組成物から選択される組成物中の香料としての、1-[(4R)-4-メチルシクロヘキセン-1-イル]エタノンの使用。
[実施形態5]
1-[(4R)-4-メチルシクロヘキセン-1-イル]エタノン及び1-[(4S)-4-メチルシクロヘキセン-1-イル]エタノンを含む混合物であって、1-[(4R)-4-メチルシクロヘキセン-1-イル]エタノンの量が、1-[(4S)-4-メチルシクロヘキセン-1-イル]エタノンの量を超える、混合物。
[実施形態6]
1-[(4R)-4-メチルシクロヘキセン-1-イル]エタノン及び少なくとも1種のさらなる香料を含む、組成物。
[実施形態7]
1-[(4R)-4-メチルシクロヘキセン-1-イル]エタノンと、界面活性剤、油成分及び溶媒からなる群から選択される少なくとも1種の化合物とを含む組成物であって、溶媒が、ジエチルエーテルではない、組成物。
[実施形態8]
香水組成物、ボディケア用組成物、衛生用品、家庭用清浄用組成物、繊維用洗剤組成物、食品、栄養補助食品、医薬組成物及び作物保護用組成物から選択される、実施形態6又は7に記載の組成物。
[実施形態9]
1-[(4R)-4-メチルシクロヘキセン-1-イル]エタノンが、実施形態5に記載の混合物として含まれる、実施形態6から8のいずれかに記載の組成物又は実施形態1~4のいずれかに記載の使用。
[実施形態10]
組成物の総重量に対して0.1~99.9重量%の1-[(4R)-4-メチルシクロヘキセン-1-イル]エタノンを含む、実施形態6から9のいずれかに記載の組成物。
[実施形態11]
香水組成物、ボディケア用組成物、衛生用品、家庭用清浄用組成物、繊維用洗剤組成物、食品、栄養補助食品、医薬組成物又は作物保護用組成物を調製する方法であって、1-[(4R)-4-メチルシクロヘキセン-1-イル]エタノンを香水組成物、ボディケア用組成物、衛生用品、家庭用清浄用組成物、繊維用洗剤組成物、食品、栄養補助食品、医薬組成物又は作物保護用組成物に組み入れることを含む、方法。
[実施形態12]
1-[(4R)-4-メチルシクロヘキセン-1-イル]が、香水組成物、ボディケア用組成物、衛生用品、家庭用清浄用組成物、繊維用洗剤組成物、食品、栄養補助食品、医薬組成物又は作物保護用組成物にイランイランノートを付与する、実施形態11に記載の方法。
[実施形態13]
1-[(4R)-4-メチルシクロヘキセン-1-イル]エタノンが、実施形態5に記載の混合物として含まれる、実施形態11又は12に記載の方法。