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特許7116419粒子測定装置、較正方法、および測定装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-02
(45)【発行日】2022-08-10
(54)【発明の名称】粒子測定装置、較正方法、および測定装置
(51)【国際特許分類】
   G01N 15/02 20060101AFI20220803BHJP
   G01N 15/00 20060101ALI20220803BHJP
【FI】
G01N15/02 C
G01N15/00 C
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2018188919
(22)【出願日】2018-10-04
(65)【公開番号】P2020056743
(43)【公開日】2020-04-09
【審査請求日】2021-09-16
(73)【特許権者】
【識別番号】301021533
【氏名又は名称】国立研究開発法人産業技術総合研究所
(73)【特許権者】
【識別番号】000115636
【氏名又は名称】リオン株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】318010018
【氏名又は名称】キオクシア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100114971
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 修
(72)【発明者】
【氏名】加藤 晴久
(72)【発明者】
【氏名】松浦 有祐
(72)【発明者】
【氏名】中村 文子
(72)【発明者】
【氏名】近藤 郁
(72)【発明者】
【氏名】田渕 拓哉
(72)【発明者】
【氏名】冨田 ▲寛▼
(72)【発明者】
【氏名】林 秀和
【審査官】福田 裕司
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2016/159131(WO,A1)
【文献】特表2015-517677(JP,A)
【文献】国際公開第2018/105605(WO,A1)
【文献】特表2017-500549(JP,A)
【文献】DRAGOVIC, R.A. et al.,Sizing and phenotyping of cellular vesicles using Nanoparticle Tracking Analysis,Nanomedicine: Nanotechnology, Biology, and Medicine,2011年12月,Vol. 7, Issue 6,p. 780-788,http://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S1549963411001638
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 15/00 - 15/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
的粒子の粒子径を測定する粒子測定装置において、
a)較正モードにおいて、粘度が未知の分散媒内の較正用粒子について所定時間間隔で得られた複数の撮像画像を取得し、取得した前記複数の撮像画像における前記較正用粒子の輝点の画素単位の変位に基づいて前記較正用粒子の輝点の平均二乗変位を特定し、(b)測定モードにおいて、前記較正モードの前記分散媒と同じ温度の同じ物質の分散媒内の前記目的粒子について所定時間間隔で得られた複数の撮像画像を取得し、前記測定モードで取得した前記複数の撮像画像における前記目的粒子の輝点の画素単位の変位に基づいて前記目的粒子の輝点の平均二乗変位を特定する画像解析部と、
(c)解析モードにおいて、前記較正用粒子の輝点の平均二乗変位および前記較正用粒子の粒子径に基づいて、前記目的粒子の輝点の平均二乗変位から前記目的粒子の粒子径を導出する粒子径解析部と、
を備えることを特徴とする粒子測定装置。
【請求項2】
前記画像解析部は、(a)前記較正モードにおいて、前記分散媒の流速分布に基づいて前記較正用粒子の輝点の変位を補正して、前記較正用粒子の輝点の平均二乗変位を特定し、(b)前記測定モードにおいて、前記分散媒の流速分布に基づいて前記目的粒子の輝点の変位を補正して、前記目的粒子の輝点の平均二乗変位を特定することを特徴とする請求項1記載の粒子測定装置。
【請求項3】
前記粒子径解析部は、導出した前記粒子径を、所定の複数の粒子径範囲のいずれかに分類して、前記所定の複数の粒子径範囲のそれぞれについての粒子数を計数することを特徴とする請求項1または請求項2記載の粒子測定装置。
【請求項4】
分散媒内の目的粒子の粒子径を測定する粒子測定装置において、
所定時間間隔で得られた複数の撮像画像を取得し、(a)較正モードにおいて、前記複数の撮像画像における較正用粒子の輝点の画素単位の変位に基づいて前記較正用粒子の輝点の平均二乗変位を特定し、(b)測定モードにおいて、前記複数の撮像画像における前記目的粒子の輝点の画素単位の変位に基づいて前記目的粒子の輝点の平均二乗変位を特定する画像解析部と、
(c)解析モードにおいて、前記較正用粒子の輝点の平均二乗変位および前記較正用粒子の粒子径に基づいて、前記目的粒子の輝点の平均二乗変位から前記目的粒子の粒子径を導出する粒子径解析部と、
を備え、
前記画像解析部は、所定時間間隔で得られた複数の撮像画像を取得し、(a)較正モードにおいて、前記複数の撮像画像における較正用粒子の輝点の画素単位の変位に基づいて前記較正用粒子の輝点の平均二乗変位を特定し、前記較正用粒子の輝点の平均二乗変位と前記較正用粒子の粒子径との積を装置定数として計算し、(b)測定モードにおいて、前記複数の撮像画像における目的粒子の輝点の画素単位の変位に基づいて前記目的粒子の平均二乗変位を特定し、
前記粒子径解析部は、(c)解析モードにおいて、前記装置定数を前記目的粒子の輝点の平均二乗変位で除算して前記目的粒子の粒子径を導出すること、
を特徴とする粒子測定装置。
【請求項5】
前記画像解析部は、前記撮像画像内の複数の位置における前記較正用粒子の輝点の平均二乗変位をそれぞれ特定し、
前記粒子径解析部は、前記撮像画像内の複数の位置における前記装置定数の二次元分布に基づいて、前記撮像画像内の前記目的粒子の輝点の位置での粒子径を導出すること、
を特徴とする請求項4記載の粒子測定装置。
【請求項6】
撮像装置で分散媒内の目的粒子を撮像して前記目的粒子の粒子径を測定する粒子測定装置の較正方法において、
較正モードにおいて、粘度が未知の分散媒内の較正用粒子について所定時間間隔で得られた複数の撮像画像を取得し、前記粒子測定装置で、取得した前記複数の撮像画像における前記較正用粒子の輝点の画素単位の変位に基づいて前記較正用粒子の輝点の平均二乗変位を特定し、
測定モードにおいて、前記較正モードの前記分散媒と同じ温度の同じ物質の分散媒内の前記目的粒子について所定時間間隔で得られた複数の撮像画像を取得し、前記較正用粒子の輝点の平均二乗変位と前記較正用粒子の粒子径とに基づいて、前記粒子測定装置で、前記測定モードで取得した前記複数の撮像画像における前記目的粒子の輝点の画素単位の変位に基づいて特定される前記目的粒子の輝点の平均二乗変位から、前記目的粒子の粒子径を算出できるようにすること、
を特徴とする較正方法。
【請求項7】
前記分散媒の流速分布に基づいて前記較正用粒子の輝点の変位を補正して、前記較正用粒子の輝点の平均二乗変位を特定することを特徴とする請求項6記載の較正方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、粒子測定装置、較正方法、および測定装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
分散媒中の粒子の粒子径を計測する手法として、レーザ光を粒子に照射し光学系による粒子の散乱光の集光点(以下、輝点という。)を観察し、個々の粒子のブラウン運動からストークス・アインシュタインの式により粒子径を算出するPTA(Particle Tracking Analysis)法がある。
【0003】
PTA法では、ビデオカメラなどを用いて時間間隔Δtで撮像した一連の画像について輝点の重心を計算し、隣り合うフレームの輝点の対応付けを行うことにより粒子ブラウン運動の軌跡を取得し、その2次元の平均二乗変位ΔMSから、関係式(ΔMS=4DΔt)に従って粒子の自己拡散係数Dを得る。次に、得られた自己拡散係数Dからストークス・アインシュタインの式(D=(kB・T)/(3πηd);kB:ボルツマン定数,η:分散媒の粘度,π:円周率,T:絶対温度)に従って粒子径dを計算する。
【0004】
ある粒子径測定方法は、流動場内の粒子に関するPTA法において、流動場の流速成分を輝点の動きから減じることで、輝点の動きを補正して、流動場の影響を受けずに、粒子径を測定している(例えば特許文献1参照)。
【0005】
それに関連し、その補正に使用する流速成分を計測する手法が提案されており(例えば非特許文献1参照)、さらに、この流速計測法を使用した流れ中の粒子径計測の手法としてFPT(Flow Particle Tracking)法が提案されている(例えば非特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】国際公開第2016/159131号
【非特許文献】
【0007】
【文献】Y Matsuura, A Nakamura, H Kato; Sensors and Actuators B 256 1078-1085
【文献】Y Matsuura, A Nakamura, H Kato; Analytical Chemistry 90 4182-4187
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上述のように、PTA法などで粒子径を計測する場合、(a)物理単位での平均二乗変位ΔMSの長さ、並びに(b)ストークス・アインシュタインの式における粘度ηおよび温度Tが必要となる。つまり、撮像によって得られる撮像画像上での平均二乗変位ΔMSは、画素単位となっているため、物理単位での長さに変換する必要がある。ここで、「画素単位」とは、撮像素子の画素(あるいは撮像画像の画素)の大きさを単位とするものであり、「物理単位」とは、メートルなどの物理量の単位である。
【0009】
このようなスケール比率は予め実験などで測定可能であり、また分散媒の粘度ηおよび温度Tは測定可能であるものの、種々設備が必要になる。また、顕微鏡で観測している場所の温度計測することは困難である。
【0010】
本発明は、上記の問題に鑑みてなされたものであり、目的粒子などの対象物を撮像する測定装置の較正を、例えば標準粒子などの粒子径が既知である較正用の粒子(以下、較正用粒子という。)を使用して行う粒子測定装置、較正方法、および測定装置を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明に係る粒子測定装置は、(a)較正モードにおいて、粘度が未知の分散媒内の較正用粒子について所定時間間隔で得られた複数の撮像画像を取得し、取得した複数の撮像画像における較正用粒子の輝点の画素単位の変位に基づいて較正用粒子の輝点の平均二乗変位を特定し、(b)測定モードにおいて、較正モードの分散媒と同じ温度の同じ物質の分散媒内の目的粒子について所定時間間隔で得られた複数の撮像画像を取得し、測定モードで取得した複数の撮像画像における目的粒子の輝点の画素単位の変位に基づいて目的粒子の輝点の平均二乗変位を特定する画像解析部と、(c)解析モードにおいて、較正用粒子の輝点の平均二乗変位および較正用粒子の粒子径に基づいて、目的粒子の輝点の平均二乗変位から目的粒子の粒子径を導出する粒子径解析部とを備える。
【0012】
本発明に係る較正方法は、(a)較正モードにおいて、粘度が未知の分散媒内の較正用粒子について所定時間間隔で得られた複数の撮像画像を取得し、粒子測定装置で、取得した複数の撮像画像における較正用粒子の輝点の画素単位の変位に基づいて較正用粒子の輝点の平均二乗変位を特定し、(b)測定モードにおいて、較正モードの分散媒と同じ温度の同じ物質の分散媒内の目的粒子について所定時間間隔で得られた複数の撮像画像を取得し、粒子測定装置で、測定モードで取得した複数の撮像画像における目的粒子の輝点の画素単位の変位に基づいて特定し、(c)較正用粒子の輝点の平均二乗変位と較正用粒子の粒子径とに基づいて、目的粒子の輝点の平均二乗変位から、目的粒子の粒子径を算出できるようにする。
【0013】
本発明に係る粒子測定装置は、分散媒内の目的粒子の粒子径を測定する粒子測定装置であり、所定時間間隔で得られた複数の撮像画像を取得し、(a)較正モードにおいて、複数の撮像画像における較正用粒子の輝点の画素単位の変位に基づいて較正用粒子の輝点の平均二乗変位を特定し、(b)測定モードにおいて、複数の撮像画像における目的粒子の輝点の画素単位の変位に基づいて目的粒子の輝点の平均二乗変位を特定する画像解析部と、(c)解析モードにおいて、較正用粒子の輝点の平均二乗変位および較正用粒子の粒子径に基づいて、目的粒子の輝点の平均二乗変位から目的粒子の粒子径を導出する粒子径解析部とを備える。そして、画像解析部は、所定時間間隔で得られた複数の撮像画像を取得し、(a)較正モードにおいて、複数の撮像画像における較正用粒子の輝点の画素単位の変位に基づいて較正用粒子の輝点の平均二乗変位を特定し、較正用粒子の輝点の平均二乗変位と較正用粒子の粒子径との積を装置定数として計算し、(b)測定モードにおいて、複数の撮像画像における目的粒子の輝点の画素単位の変位に基づいて目的粒子の平均二乗変位を特定し、粒子径解析部は、(c)解析モードにおいて、装置定数を目的粒子の輝点の平均二乗変位で除算して目的粒子の粒子径を導出する。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、目的粒子などの対象物を撮像する測定装置の較正を、較正用粒子を使用して行う粒子測定装置、較正方法、および測定装置が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1図1は、本発明の実施の形態1に係る粒子測定装置の構成の一例を示す図である。
図2図2は、複数のフレームの撮像画像で得られる粒子の輝点の軌跡を説明する図である。
図3図3は、流速分布に基づく粒子の変位の補正について説明する図である。
図4図4は、実施の形態1に係る粒子測定装置の動作について説明するフローチャートである。
図5図5は、実施の形態2に係る較正方法で較正される測定装置の一例を示す図である。
図6図6は、実施の形態2に係る較正方法について説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図に基づいて本発明の実施の形態を説明する。
【0017】
実施の形態1.
【0018】
図1は、本発明の実施の形態1に係る粒子測定装置の構成を示す図である。実施の形態1に係る粒子測定装置は、分散媒内の目的粒子の粒子径を測定する。図1に示すように、実施の形態1に係る粒子測定装置は、測定系1および演算処理装置2を備える。測定系1は、光学セル11および撮像装置12を備える。光学セル11は、分散媒を滞留あるいは流通させる光学的に透明なセルである。光学セル11は、例えばフローセルである。撮像装置12は、レンズなどの光学系を介して撮像素子(CCD:Charge Coupled Device、CMOSイメージセンサなど)で光学的に撮像し、所定解像度で画素が2次元的に配列された撮像画像の画像データを出力する。撮像装置12は、シャッタースピード(露出時間)で各撮像画像の撮像を実行し、所定の時間間隔Δtで複数の撮像画像を連続的に生成する。なお、各撮像画像の露出時間は、時間間隔Δtより短い。例えば、フレームレートは30fpsの場合、時間間隔Δtは約33msであり、露出時間は30msとされる。
【0019】
演算処理装置2は、所定のプログラムを実行するコンピュータを内蔵し、プログラムに従って所定のデータ処理を実行する。演算処理装置2は、プログラムに従って実行することで、各種処理部として動作する。ここでは、演算処理装置2は、画像解析部21、粒子径解析部22、および制御部23として動作する。また、演算処理装置2は、不揮発性の記憶装置(フラッシュメモリ、ハードディスクドライブなど)を記憶部24として備える。
【0020】
画像解析部21は、撮像装置12を制御し、撮像装置12に、光学セル11の所定範囲の撮像を実行させ、その撮像で得られた撮像画像を取得する。具体的には、画像解析部21は、撮像装置12によって時間間隔Δtで得られた複数の撮像画像を取得する。
【0021】
さらに、画像解析部21は、(a)較正モードにおいては、粘度および温度が未知の分散媒内の較正用粒子について、取得した複数の撮像画像における粒子径dcalが既知である較正用粒子の輝点のフレーム間での画素単位の変位に基づいて較正用粒子の平均二乗変位ΔMS-calを特定し、(b)測定モードにおいては、較正モード時と同じ温度の同じ物質の分散媒内の粒子径dが未知である目的粒子について、取得した複数の撮像画像における目的粒子の輝点のフレーム間での画素単位の変位に基づいて目的粒子の平均二乗変位ΔMSを特定する。
【0022】
つまり、較正用粒子の輝点の平均二乗変位ΔMS-calと目的粒子の輝点の平均二乗変位ΔMSは、物理単位に変換する必要はない。
【0023】
図2は、複数のフレームの撮像画像で得られる粒子の輝点の軌跡を説明する図である。図2に示すように、時刻j,j+1,・・・,j+4,・・・,j+Nの撮像画像101から粒子Pi(較正用粒子または目的粒子)の輝点の各フレーム間の変位が得られる。具体的には、時刻jから時刻j+1までの粒子Piの輝点の変位s(i,j+1)が、時刻jの撮像画像101における粒子Piの輝点の位置から時刻j+1の撮像画像101における粒子Piの輝点の位置までの距離(画素単位)として得られ、同様に、粒子Piの輝点の変位s(i,j+2),・・・,s(i,j+N)が得られる。そして、このような変位の二乗平均が、平均二乗変位(ΔMS-calまたはΔMS)として求められる。なお、粒子の輝点が大きい場合には、粒子の位置は、輝点の重心として求められる。
【0024】
具体的には、画像解析部21は、各撮像画像における複数の粒子による輝点に対してナンバリングi(i=1,2,・・・,n)を行い、各粒子Pi,・・・,Pnについて、複数の撮像画像における位置(画素座標値)を各粒子Piに関連付けて記憶部24に記憶していき、所定数の撮像画像における各粒子Piの位置が得られると、各粒子Piの位置を記憶部24から読み出し、上述のようにして平均二乗変位(ΔMS-calまたはΔMS)を計算する。
【0025】
なお、較正用粒子の平均二乗変位ΔMS-calは、同一の較正用粒子群から複数の輝点観測により求められた平均二乗変位の代表値(平均値、あるいは中央値)が、その較正用粒子の平均二乗変位ΔMS-calとされる。また、この実施の形態では、上述の変位を表す長さの単位は、物理単位でなくてもよく、画素単位でよい。
【0026】
較正モードにおいては、レーザ光、白色光などが、光学セル11内の分散媒の所定領域(撮像装置12の画角内の領域。以下、撮像領域。)に照射され、画像解析部21は、分散媒における較正用粒子が撮像されている複数の撮像画像を取得する。測定モードにおいては、レーザ光、白色光などが、光学セル11内の分散媒の撮像領域に照射され、画像解析部21は、分散媒における目的粒子が撮像されている複数の撮像画像を取得する。レーザ光、白色光などの照射光は、較正モードと測定モードとで同じでなくても良い。
【0027】
例えば、光学セル11をフローセルとし、図1におけるy軸方向に分散媒を流通させ、x軸方向から分散媒に対してレーザ光を照射し、z軸方向から撮像装置12で粒子からの散乱光を受光することで粒子を撮像する。なお、その場合の分散媒の流速は、撮像領域のy軸方向の長さ、シャッタースピードなどに応じて設定される。
【0028】
なお、分散媒に流れ場がある場合(つまり、分散媒が流れている場合)、既知の方法(上述の特許文献の手法や流体シミュレーションなど)で、撮像装置12の画角に対応する光学セル11内の領域における分散媒の流速分布が予め特定され、画像解析部21は、(a)較正モードにおいては、分散媒の流速分布に基づいて較正用粒子の変位を補正して、補正後の変位に基づいて較正用粒子の平均二乗変位ΔMS-calを特定し、(b)測定モードにおいては、分散媒の流速分布に基づいて目的粒子の変位を補正して、補正後の変位に基づいて目的粒子の平均二乗変位ΔMSを特定する。なお、較正モードでの流速分布と測定モードでの流速分布とは同一でも異なっていてもよい。流れ場で較正することで、サンプル数が増えるので、精度が向上する。
【0029】
この流速分布は、撮像領域で一定(つまり、大きさおよび向きが一定)でもよいし、撮像領域で一定でなくてもよい。上述の流速分布が撮像領域で一定ではない場合、撮像画像の複数の位置のそれぞれにおける流速(大きさおよび向き)を予め特定しておく。
【0030】
図3は、流速分布に基づく粒子の変位の補正について説明する図である。図3に示すように、画像解析部21は、その流速分布に基づいて、粒子(較正用粒子または目的粒子)の位置での流速を特定し、その流速で上述の時間間隔Δtに移動する各方向の距離(x方向の距離およびy方向の距離)を特定し、特定した各方向の距離だけ、各方向の変位を減算することで、時間間隔Δtにおける粒子の変位を補正する。このように流速分布に基づく粒子の変位の補正を行うことで、分散媒の流れ場の影響を除外してブラウン運動による粒子の変位が得られる。
【0031】
粒子径解析部22は、(c)解析モードにおいて、較正用粒子の平均二乗変位ΔMS-calおよび既知である較正用粒子の粒子径dcal(物理単位の公称値または他の手段での測定値)に基づいて、目的粒子の平均二乗変位ΔMSから目的粒子の粒子径d(物理単位)を導出し、記憶部24に記憶する。なお、既知である較正用粒子の粒子径dcalが物理単位の長さとして示されることで、ここで導出される目的粒子の粒子径dは、同様にして、物理単位の長さとして示される。
【0032】
具体的には、上述の平均二乗変位ΔMSと自己拡散係数Dとの関係式およびストークス・アインシュタインの式から、平均二乗変位ΔMSと粒子径dとの積ΔMS×dは、(4・kB・Δt・T)/(3π・η)となり、温度Tおよび粘度ηが一定であれば、平均二乗変位ΔMSと粒子径dとの積ΔMS×dは一定となることから、目的粒子の粒子径dは、次式で導出される。ここでΔMS-calおよびdcalは、較正モードで既知となっており、測定モードでは、各目的粒子のΔMSが測定されることで、各目的粒子の粒子径dが得られる。
【0033】
d=ΔMS-cal×dcal/ΔMS
【0034】
較正モードにおいて、画像解析部21は、較正用粒子の平均二乗変位ΔMS-cal、または、その較正用粒子の平均二乗変位ΔMS-calに対応する値(後述の装置定数Kなど)を有する較正データを記憶部24に記憶し、測定モードにおいて、粒子径解析部22は、較正データを記憶部24に読み出し、その較正データに基づいて、目的粒子の平均二乗変位ΔMSから目的粒子の粒子径dを導出する。つまり、較正データは、目的粒子の測定前に予め当該粒子測定装置に設定されるものである。較正用の分散媒と測定用の分散媒が同一の物質であれば、温度を管理することで、較正モードを1回実行すれば、その後、較正モードをせずに測定モードを何度も実行できる。したがって、較正モード後、ただちに測定モードが行われてもよいし、ただちに測定モードが行われなくてもよい。
【0035】
このようにして、当該粒子測定装置の測定モードで目的粒子の平均二乗変位ΔMSを特定し、解析モードで較正用粒子の平均二乗変位ΔMS-calおよび較正用粒子の粒子径dcalに基づいて目的粒子の平均二乗変位ΔMSから目的粒子の粒子径dを導出できるように、較正用粒子の粒子径dcalと較正用粒子の平均二乗変位ΔMS-calまたは較正用粒子の平均二乗変位ΔMS-calに対応する値とを有する較正データを生成し当該粒子測定装置(記憶部24)にセットすることで当該粒子測定装置の較正が行われる。
【0036】
また、画像解析部21は、較正モードにおいて、上述の較正用粒子の平均二乗変位ΔMS-calと既知である較正用粒子の粒子径との積(ΔMS-cal×dcal)を装置定数Kとして計算し、粒子径解析部22は、解析モードにおいて、装置定数Kを、目的粒子の平均二乗変位ΔMSで除算して目的粒子の粒子径dを次式に従って導出するようにしてもよい。
【0037】
d=K/ΔMS
【0038】
その場合、較正モードにおいて、装置定数Kが較正データとして記憶部24に記憶されるようにし、解析モードにおいて、装置定数Kが記憶部24から読み出されて、装置定数Kを目的粒子の平均二乗変位ΔMSで除算して目的粒子の粒子径dを導出するようにしてもよい。
【0039】
なお、目的粒子の粒子径dが一定ではない場合、画像解析部21は、目的粒子ごとに平均二乗変位ΔMSを導出し、粒子径解析部22は、目的粒子ごとに粒子径dを導出し、導出した粒子径dを、所定の複数の粒子径範囲のいずれかに分類して、その所定の複数の粒子径範囲のそれぞれについての粒子数を計数するようにしてもよい。その場合、粒子径解析部22は、その計数結果(つまり、各粒子径範囲での粒子数)を記憶部24に記憶する。
【0040】
また、画像解析部21は、撮像画像内の複数の位置における装置定数Kの二次元分布を特定し、その装置定数Kの二次元分布に基づいて、撮像画像内の目的粒子の位置での粒子径dを導出するようにしてもよい。つまり、較正モードにおいて、複数の位置における装置定数Kの二次元分布が予め特定され、解析モードにおいて、その装置定数Kの二次元分布に基づき、撮像画像内の目的粒子の位置での装置定数Kを特定してもよい。また、画像解析部21は、撮像画像を複数領域に区分し、其々の領域区分における較正用粒子の平均二乗変位ΔMS-calをそれぞれ特定し、粒子径解析部22は、撮像画像内の目的粒子の位置を含む領域区分での較正用粒子の平均二乗変位ΔMS-calに基づいて目的粒子の粒子径dを導出するようにしてもよい。このようにすることで、撮像領域において、撮像装置12の光学的倍率が位置に応じて異なる場合でも、各位置における目的粒子の粒子径が正確に導出される。
【0041】
また、目的粒子の粒子径dを導出する際に、撮像画像内の目的粒子の位置に最も近い位置での較正用粒子の平均二乗変位ΔMS-calや装置定数Kを使用してもよいし、撮像画像内の目的粒子の位置から近い所定数(複数)の位置での較正用粒子の平均二乗変位ΔMS-calや装置定数Kから、撮像画像内の目的粒子の位置での平均二乗変位ΔMS-calや装置定数Kを位置の関数として使用するようにしてもよい。
【0042】
制御部23は、ユーザ操作などに従って、動作モードを較正モード、測定モードおよび解析モードのいずれかに設定し、各動作モードでの所定動作を各処理部(画像解析部21および粒子径解析部22)に実行させたり、また、粒子径解析部22により得られた粒子径や計数結果などを外部装置へ出力する。測定モードから解析モードへは自動的に切り替わっても良い。
【0043】
なお、この実施の形態では、較正モードおよび測定モードにおいて、分散媒の温度Tは所定値になるように既知の方法で制御されている。
【0044】
次に、実施の形態1に係る粒子測定装置の動作について説明する。図4は、実施の形態1に係る粒子測定装置の動作について説明するフローチャートである。
【0045】
まず、較正モードのために、較正用粒子を含む未知粘度ηの分散媒が光学セル11内に滞留または流通させられる。そして、較正モードがユーザ操作などで指定されると、制御部23は、画像解析部21に、以下の較正モードの動作を実行させる。
【0046】
分散媒において較正用粒子はブラウン運動している。画像解析部21は、その分散媒における較正用粒子の輝点を、撮像装置12に時間間隔Δtで所定回数撮像させ、撮像装置12からその回数分の撮像画像を取得する(ステップS1)。
【0047】
次に、画像解析部21は、各撮像画像における較正用粒子の輝点の位置を特定し、較正用粒子の輝点ごとに、連続する撮像画像における較正用粒子を関連付け、各較正用粒子の輝点の運動軌跡を特定する。分散媒に流れ場がある場合は、その影響を取り除く。なお、連続する撮像画像において、一方の撮像画像での位置と他方の撮像画像での位置との間の距離が最も短くなる輝点が、同一の粒子の輝点として特定される。そして、画像解析部21は、その運動軌跡に基づいて、時間間隔Δtでの平均二乗変位ΔMS-calを画素単位で計算し、その平均二乗変位ΔMS-calと粒子径dcalとの対や上述の装置定数Kを較正データとして記憶部24に記憶する(ステップS2)。
【0048】
このようにして、較正モードによって、分散媒やその温度Tといった測定条件を含めた状態での較正データが特定され、当該粒子測定装置の較正が行われる。流れ場の方が較正用粒子のサンプル数を多くすることができる。
【0049】
その後、測定モードのために、光学セル11内の分散媒が、目的粒子を含めたものに変更される。ここでは、分散媒の媒質自体は、較正モードで使用したものと同一のものが使用される。そして、所定温度Tに制御されながら、その分散媒および目的粒子が光学セル11内に滞留または流通させられ、測定モードがユーザ操作などで指定されると、制御部23は、画像解析部21および粒子径解析部22に、以下の測定モードの動作を実行させる。
【0050】
分散媒において目的粒子はブラウン運動している。画像解析部21は、その分散媒における目的粒子の輝点を、撮像装置12に時間間隔Δtで所定回数撮像させ、撮像装置12からその回数分の撮像画像を取得する(ステップS3)。
【0051】
次に、画像解析部21は、各撮像画像における目的粒子の輝点の位置を特定し、目的粒子の輝点ごとに、連続する撮像画像における目的粒子を関連付け、較正用粒子と同様にして、各目的粒子の輝点の運動軌跡を特定する。そして、画像解析部21は、その運動軌跡に基づいて、目的粒子ごとに時間間隔Δtでの平均二乗変位ΔMSを画素単位で計算する(ステップS4)。
【0052】
このように、各目的粒子の平均二乗変位ΔMSが特定されると、解析モードに切り替わり、粒子径解析部22は、記憶部24から上述の較正データを読み出し、その較正データに基づいて、上述のようにして、各目的粒子の平均二乗変位ΔMSから、各目的粒子の粒子径dを計算する(ステップS5)。
【0053】
このようにして、解析モードにおいて、較正データに基づいて、目的粒子の粒子径dが特定される。なお、測定モードの後、ユーザ操作などで解析モードを指定しても良い。
【0054】
以上のように、上記実施の形態1によれば、画像解析部21は、時間間隔Δtで得られた複数の撮像画像を取得し、(a)較正モードにおいて、その複数の撮像画像における較正用粒子の変位(画素単位)に基づいて較正用粒子の平均二乗変位ΔMS-calを特定し、(b)測定モードにおいて、その複数の撮像画像における各目的粒子の変位(画素単位)に基づいて各目的粒子の平均二乗変位ΔMSを特定する。そして、粒子径解析部22は、(c)解析モードにおいて、較正用粒子の平均二乗変位ΔMS-calおよび較正用粒子の粒子径dcalに基づいて、各目的粒子の平均二乗変位ΔMSから各目的粒子の粒子径dを導出する。
【0055】
これにより、粒子測定装置の較正を、較正用粒子を使用して簡単に行うことができる。つまり、較正モードと測定モードとで分散媒の粘度ηと温度Tが同一であれば、画素単位で得られた変位を物理単位に換算することなく、分散媒の粘度ηが既知でなくても正確に目的粒子の粒子径を測定できる。流れ場の場合、撮像領域を目的粒子が通過するので、順次新たな目的粒子の粒子径を測定でき、流量が既知であれば個数濃度を測定できる。
【0056】
実施の形態2.
【0057】
実施の形態1では、撮像画像内での画素単位の長さと物理単位(SI単位系におけるメートル単位など)の長さとの間のスケール較正が必須ではないが、同様の較正用粒子を使用して、スケール較正を行うことが可能である。実施の形態2では、粘度ηが既知である分散媒および粒子径dcalが既知である較正用粒子を使用して、撮像装置で対象物を撮像して測定する測定装置(光学顕微鏡など)のスケール較正が行われる。
【0058】
図5は、実施の形態2に係る較正方法で較正される測定装置の一例を示す図である。図5に示す測定装置は、測定系61および演算処理装置62を備える。測定系61は、撮像装置71を備える。撮像装置71は、上述の撮像装置12と同様の装置である。
【0059】
演算処理装置62は、演算処理装置2と同様の装置である。演算処理装置62は、画像解析部81、粒子径解析部82、および制御部83として動作する。また、演算処理装置62は、不揮発性の記憶装置(フラッシュメモリ、ハードディスクドライブなど)を記憶部84として備える。
【0060】
画像解析部81は、撮像装置12を制御し、撮像装置71に、所定範囲の撮像を実行させ、その撮像で得られた撮像画像を取得する。この実施の形態では、画像解析部81は、撮像装置71によって時間間隔Δtで得られた複数の撮像画像を取得する。制御部83は、ユーザ操作などに従って各処理部(画像解析部81)に対象物の測定などの処理を実行させる。
【0061】
なお、このように、実施の形態2に係る較正方法の対象となる測定装置は、撮像装置71を使用して対象物を観測する光学顕微鏡などでもよい。そのような光学顕微鏡でも撮像画像内での長さ(画素数)から物理単位での実寸への変換がスケール比率で行われる。
【0062】
図6は、実施の形態2に係る較正方法について説明するフローチャートである。
【0063】
較正の際には、まず、撮像装置71の撮像範囲内に光学セル72が配置され、較正用粒子を含んだ粘度が既知の分散媒が光学セル72内に滞留または流通させられる。流れ場の方が較正用粒子のサンプル数を多くすることができる。その状態で、画像解析部81は、実施の形態1と同様にして、撮像装置71で分散媒内の較正用粒子を時間間隔Δtで複数回撮像することで得られた複数の撮像画像を取得し(ステップS11)、実施の形態1と同様にして、取得した複数の撮像画像における較正用粒子の輝点の変位に基づいて、測定値である画素単位での較正用粒子の輝点の平均二乗変位ΔMS-cal1を特定する(ステップS12)。
【0064】
さらに、画像解析部81は、分散媒内の較正用粒子について、較正用粒子の既知の粒子径dcal(物理単位)、分散媒の粘度η、温度Tなどから、ストークス・アインシュタインの式および上述の平均二乗変位ΔMS-calと自己拡散係数Dとの関係式に従って理論値である物理単位での較正用粒子の輝点の平均二乗変位ΔMS-cal2を導出する(ステップS13)。
【0065】
次に、画像解析部81は、上述の物理単位での較正用粒子の平均二乗変位ΔMS-cal2と上述の画素単位での較正用粒子の平均二乗変位ΔMS-cal1との対応関係(ここでは、両者の比、つまりスケール比率)を較正データとして測定装置の記憶部84に記憶する(ステップS14)。
【0066】
その後、対象物の観測時には、その対応関係(スケール比率)を使用して、撮像画像内での画素単位での長さ(変位、粒子径など)が、物理単位での長さに変換される。
【0067】
以上のように、上記実施の形態2によれば、(a)撮像装置で分散媒内の較正用粒子を時間間隔Δtで複数回撮像することで得られた複数の撮像画像における較正用粒子の輝点の変位(画素単位)に基づいて、画素単位での較正用粒子の輝点の平均二乗変位ΔMS-cal1を特定し、(b)ストークス・アインシュタインの式に従って算出した物理単位での較正用粒子の平均二乗変位ΔMS-cal2と画素単位での較正用粒子の平均二乗変位ΔMS-cal1との対応関係に基づきスケール比率を設定する。したがって、当該測定装置は、物理単位での較正用粒子の平均二乗変位ΔMS-cal2と画素単位での較正用粒子の輝点の平均二乗変位ΔMS-cal1との対応関係によって較正されたスケールを備える。
【0068】
これにより、物理単位での較正用粒子の平均二乗変位ΔMS-cal2と画素単位での較正用粒子の輝点の平均二乗変位ΔMS-cal1とでスケールが特定されるため、対象物を撮像する測定装置のスケール較正を、較正用粒子を使用して簡単に行える。
【0069】
なお、上述の実施の形態に対する様々な変更および修正については、当業者には明らかである。そのような変更および修正は、その主題の趣旨および範囲から離れることなく、かつ、意図された利点を弱めることなく行われてもよい。つまり、そのような変更および修正が請求の範囲に含まれることを意図している。
【0070】
例えば、上記実施の形態1において、較正モードにおいて、平均二乗変位ΔMS-calまたは装置定数Kを撮像画像内の位置(つまりx,y座標値)の関数として求め、測定モードにおいて、その関数を使用して目的粒子の位置での平均二乗変位ΔMS-calまたは装置定数Kを求めるようにしてもよい。
【0071】
また、上記実施の形態2において、撮像装置12,71の、有限長である露出時間τを考慮して、自己拡散係数Dと平均二乗変位ΔMS-calとの関係式における時間間隔Δtを(Δt-τ/3)として、物理単位での較正用粒子の平均二乗変位ΔMS-cal2を導出するようにしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0072】
本発明は、例えば、粒子径の測定などを行う測定装置やその較正に適用可能である。
【符号の説明】
【0073】
12,71 撮像装置
21 画像解析部
22 粒子径解析部
図1
図2
図3
図4
図5
図6