(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-04
(45)【発行日】2022-08-15
(54)【発明の名称】III族窒化物基板およびIII族窒化物結晶の製造方法
(51)【国際特許分類】
C30B 29/38 20060101AFI20220805BHJP
C30B 25/20 20060101ALI20220805BHJP
【FI】
C30B29/38
C30B25/20
(21)【出願番号】P 2018131691
(22)【出願日】2018-07-11
【審査請求日】2021-04-27
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成29年度、環境省、平成29年度未来のあるべき社会・ライフスタイルを創造する技術イノベーション事業(高品質GaN基板を用いた超高効率GaNパワー・光デバイスの技術開発とその実証)委託業務、産業技術力強化法第17条の適用を受ける特許出願
(73)【特許権者】
【識別番号】504176911
【氏名又は名称】国立大学法人大阪大学
(73)【特許権者】
【識別番号】000005821
【氏名又は名称】パナソニックホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106518
【氏名又は名称】松谷 道子
(74)【代理人】
【識別番号】100132241
【氏名又は名称】岡部 博史
(74)【代理人】
【識別番号】100113170
【氏名又は名称】稲葉 和久
(72)【発明者】
【氏名】森 勇介
(72)【発明者】
【氏名】吉村 政志
(72)【発明者】
【氏名】今西 正幸
(72)【発明者】
【氏名】北本 啓
(72)【発明者】
【氏名】滝野 淳一
(72)【発明者】
【氏名】隅 智亮
(72)【発明者】
【氏名】岡山 芳央
【審査官】篠原 法子
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-207618(JP,A)
【文献】特開2015-098413(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0183776(US,A1)
【文献】特開2003-069156(JP,A)
【文献】特許第4562000(JP,B2)
【文献】特開2016-094309(JP,A)
【文献】特開2018-058718(JP,A)
【文献】特開2012-017502(JP,A)
【文献】特開平10-202045(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C30B 1/00 -35/00
C23C 16/00 -16/56
H01L 21/205
H01L 21/31
H01L 21/365
H01L 21/469
H01L 21/86
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面と、裏面と、前記表面と前記裏面との間の内層と、を有するIII族窒化物の基材部を有し、
前記基材部の前記表面の炭素濃度が前記内層の炭素濃度よりも高
く、
前記基材部の前記表面の炭素濃度は、5×10
19
[atoms/cm
3
]以上であり、
前記基材部の前記表面の酸素濃度は、1×10
20
[atoms/cm
3
]以上である、
III族窒化物基板。
【請求項2】
前記基材部の表面は、その上にIII族窒化物結晶を成長させるための面である、請求項1に記載のIII族窒化物基板。
【請求項3】
前記基材部の前記表面の酸素濃度が前記内層の酸素濃度よりも低い、請求項1又は2に記載のIII族窒化物基板。
【請求項4】
前記基材部の前記表面は、+c面であり、前記基材部の前記裏面は、-c面である、請求項2に記載のIII族窒化物基板。
【請求項5】
前記基材部の表面の炭素濃度は、1.5×10
20~5×10
20[atoms/cm
3]の範囲内であり、
前記基材部の表面の酸素濃度は、1×10
20~1×10
21[atoms/cm
3]の範囲内である、請求項
1に記載のIII族窒化物基板。
【請求項6】
前記基材部
全体の酸素濃度は、1×10
20~1×10
21[atoms/cm
3]の範囲内であり、
前記基材部
全体の炭素濃度は、1×10
17~5×10
20[atoms/cm
3]の範囲内である、請求項1~
5のいずれか一項に記載のIII族窒化物基板。
【請求項7】
前記基材部中の炭素濃度は、前記表面から前記裏面への厚み方向に沿って徐々に変化する、請求項1~
6のいずれか一項に記載のIII族窒化物基板。
【請求項8】
前記基材部中の酸素濃度は、前記表面から前記裏面への厚み方向に沿って徐々に変化する、請求項1~
7のいずれか一項に記載のIII族窒化物基板。
【請求項9】
III族元素の酸化物と還元性ガスとを反応させ、又は前記III族元素の金属と酸化性ガスとを反応させて、III族元素酸化物ガスを生成する工程と、
前記III族元素酸化物ガスを育成チャンバ内に供給する工程と、
CH
4ガス、C
2H
6ガス、C
3H
8ガス、C
4H
10ガス、C
2H
4ガス、C
3H
6ガス、C
4H
8ガス、C
2H
2ガス、C
3H
4ガスのうちの少なくとも1つの炭素元素含有ガスを前記育成チャンバ内に供給する工程と、
窒素元素含有ガスを前記育成チャンバ内に供給する工程と、
前記炭素元素含有ガスの雰囲気下で前記III族元素酸化物ガスと前記窒素含有ガスとを反応させて、III族窒化物結晶を生成する工程と、
を含み、
前記III族窒化物結晶の成長初期から成長中期にかけて、前記III族元素酸化物ガスを成長後期に比べて高濃度に生成させ、前記育成チャンバに高濃度に供給する共に、前記炭素元素含有ガスを前記育成チャンバに
低濃度に供給し、
前記III族窒化物結晶の成長後期には、前記III族元素酸化物ガスを前記成長初期から成長中期と比べて低濃度に生成させ、前記育成チャンバに低濃度に供給すると共に、前記炭素元素含有ガスを前記育成チャンバに
高濃度に供給する、
III族窒化物結晶の製造方法。
【請求項10】
前記炭素元素含有ガスと、前記育成チャンバ内に存在して前記III族元素酸化物ガス以外の酸素を含む物質とを反応させて、酸化物ガスを生成する工程と、
前記酸化物ガスを前記育成チャンバ外に排出する工程と、
をさらに含む、請求項
9に記載のIII族窒化物結晶の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、III族窒化物基板及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
GaN等のIII族窒化物結晶は、高出力LED(発光ダイオード)・LD(レーザーダイオード)といった次世代光デバイスや、EV(電気自動車)やPHV(プラグインハイブリッド自動車)等に搭載される高出力パワートランジスタ等の次世代電子デバイスへの応用が期待されている。
【0003】
III族窒化物結晶を用いた光・電子デバイスの性能を向上させるためには、母材である基板をGaN等の高品質III族窒化物単結晶基板で構成することが望まれる。基板を更に高品質化するために、Hydride Vapor Phase Epitaxy(HVPE)法やNaフラックス法、アモノサーマル法、等が研究開発されている。また、III族酸化物を原料とするOxide Vapor Phase Epitaxy(OVPE)法が考案されている(例えば、特許文献1参照。)。このOVPE法における反応系は以下に示す通りである。液体Gaを加熱し、この状態で、反応性ガスであるH2Oガスを導入する。導入されたH2Oガスは、Gaと反応してGa2Oガスを生成する(下記式(I))。そして、NH3ガスを導入し、生成されたGa2Oガスと反応させて、種基板上に、GaN結晶を生成する(下記式(II))。
2Ga+H2O→Ga2O+H2 (I)
Ga2O+2NH3→2GaN+H2O+2H2 (II)
【0004】
各種デバイスの中でも、縦型パワーデバイスの性能向上には、母材であるIII族窒化物基板を低抵抗化させることが望まれている。低抵抗化させる手段としてIII族窒化物結晶中への酸素ドーピングが考案されている(例えば、特許文献2参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】国際公開WO第2015/053341A1号
【文献】特許第4562000号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、現状の基板製造方法では、低抵抗化させる際にドナーとして酸素やシリコンといった不純物を混入させるが、単に不純物を混入させるだけではIII族窒化物結晶の格子定数が変化してしまい、後工程であるMetal OrGanic Chemical Vapor Deposition(MOCVD)法等によるデバイス層形成時に、転位欠陥の増殖やクラックがデバイス層で発生する問題があった。
【0007】
そこで、本発明は、低抵抗かつ格子定数が制御されたIII族窒化物基板の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本開示に係るIII族窒化物基板は、表面と、裏面と、前記表面と前記裏面との間の内層と、を有するIII族窒化物の基材部を有し、前記基材部の前記表面の炭素濃度が内層の炭素濃度よりも高い。
【0009】
また、本開示に係るIII族窒化物結晶の製造方法は、III族元素の酸化物と還元性ガスとを反応させ、又は前記III族元素の金属と酸化性ガスとを反応させて、III族元素酸化物ガスを生成する工程と、
前記III族元素酸化物ガスを育成チャンバ内に供給する工程と、
CH4ガス、C2H6ガス、C3H8ガス、C4H10ガス、C2H4ガス、C3H6ガス、C4H8ガス、C2H2ガス、C3H4ガスのうちの少なくとも1つの炭素元素含有ガスを前記育成チャンバ内に供給する工程と、
窒素元素含有ガスを前記育成チャンバ内に供給する工程と、
前記炭素元素含有ガスの雰囲気下で前記III族元素酸化物ガスと前記窒素含有ガスとを反応させて、III族窒化物結晶を生成する工程と、
を含み、
前記III族窒化物結晶の成長初期から成長中期にかけて、前記III族元素酸化物ガスを成長後期に比べて高濃度に生成させ、前記育成チャンバに高濃度に供給する共に、前記炭素元素含有ガスを前記育成チャンバに高濃度に供給し、
前記III族窒化物結晶の成長後期には、前記III族元素酸化物ガスを前記成長初期から成長中期と比べて低濃度に生成させ、前記育成チャンバに低濃度に供給すると共に、前記炭素元素含有ガスを前記育成チャンバに低濃度に供給する。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係るIII族窒化物基板及びその製造方法によって、III族窒化物基板の低抵抗化および格子定数制御の両立が可能となり、後工程であるデバイス層形成時に、転位欠陥の増殖やクラックの発生を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】実施の形態1に係るIII族窒化物基板の一例の概略断面図である。
【
図2】実施の形態1に係るIII族窒化物結晶製造方法のフローチャートを示す図である。
【
図3】実施の形態1に係るIII族窒化物結晶製造装置の概略断面図である。
【
図4】実施の形態1に係るIII族窒化物結晶の一例の概略断面図である。
【
図5】III族窒化物基板の酸素濃度と抵抗率を表すグラフである。
【
図6】III族窒化物基板の炭素濃度とa軸格子定数を表すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
第1の態様に係るIII族窒化物基板は、表面と、裏面と、前記表面と前記裏面との間の内層と、を有するIII族窒化物の基材部を有し、
前記基材部の前記表面の炭素濃度が前記内層の炭素濃度よりも高い。
【0013】
第2の態様に係るIII族窒化物基板は、上記第1の態様において、前記基材部の表面は、その上にIII族窒化物結晶を成長させるための面であってもよい。
【0014】
第3の態様に係るIII族窒化物基板は、上記第1又は第2の態様において、前記基材部の前記表面の酸素濃度が前記内層の酸素濃度よりも低くてもよい。
【0015】
第4の態様に係るIII族窒化物基板は、上記第2の態様において、前記基材部の前記表面は、+c面であり、前記基材部の前記裏面は、-c面であってもよい。
【0016】
第5の態様に係るIII族窒化物基板は、上記第1から第4のいずれかの態様において、前記基材部の表面の炭素濃度は、5×1019[atoms/cm3]以上であり、
前記基材部の表面の酸素濃度は、1×1020[atoms/cm3]以上であってもよい。
【0017】
第6の態様に係るIII族窒化物基板は、上記第5の態様において、前記基材部の表面の炭素濃度は、1.5×1020~5×1020[atoms/cm3]の範囲内であり、
前記基材部の表面の酸素濃度は、1×1020~1×1021[atoms/cm3]の範囲内であってもよい。
【0018】
第7の態様に係るIII族窒化物基板は、上記第1から第6のいずれかの態様において、前記基材部の酸素濃度は、1×1020~1×1021[atoms/cm3]の範囲内であり、
前記基材部の炭素濃度は、1×1017~5×1020[atoms/cm3]の範囲内であってもよい。
【0019】
第8の態様に係るIII族窒化物基板は、上記第1から第7のいずれかの態様において、前記基材部中の炭素濃度は、前記表面から前記裏面への厚み方向に沿って徐々に変化してもよい。
【0020】
第9の態様に係るIII族窒化物基板は、上記第1から第8のいずれかの態様において、前記基材部中の酸素濃度は、前記表面から前記裏面への厚み方向に沿って徐々に変化してもよい。
【0021】
第10の態様に係るIII族窒化物結晶の製造方法は、III族元素の酸化物と還元性ガスとを反応させ、又は前記III族元素の金属と酸化性ガスとを反応させて、III族元素酸化物ガスを生成する工程と、
前記III族元素酸化物ガスを育成チャンバ内に供給する工程と、
CH4ガス、C2H6ガス、C3H8ガス、C4H10ガス、C2H4ガス、C3H6ガス、C4H8ガス、C2H2ガス、C3H4ガスのうちの少なくとも1つの炭素元素含有ガスを前記育成チャンバ内に供給する工程と、
窒素元素含有ガスを前記育成チャンバ内に供給する工程と、
前記炭素元素含有ガスの雰囲気下で前記III族元素酸化物ガスと前記窒素含有ガスとを反応させて、III族窒化物結晶を生成する工程と、
を含み、
前記III族窒化物結晶の成長初期から成長中期にかけて、前記III族元素酸化物ガスを成長後期に比べて高濃度に生成させ、前記育成チャンバに高濃度に供給する共に、前記炭素元素含有ガスを前記育成チャンバに高濃度に供給し、
前記III族窒化物結晶の成長後期には、前記III族元素酸化物ガスを前記成長初期から成長中期と比べて低濃度に生成させ、前記育成チャンバに低濃度に供給すると共に、前記炭素元素含有ガスを前記育成チャンバに低濃度に供給する。
【0022】
第11の態様に係るIII族窒化物結晶の製造方法は、上記第10の態様において、前記炭素元素含有ガスと、前記育成チャンバ内に存在して前記III族元素酸化物ガス以外の酸素を含む物質とを反応させて、酸化物ガスを生成する工程と、
前記酸化物ガスを前記育成チャンバ外に排出する工程と、
をさらに含んでもよい。
【0023】
以下、実施の形態に係るIII族窒化物基板及びその製造方法について、添付図面を参照しながら説明する。なお、図面において実質的に同一の部材については同一の符号を付している。
【0024】
(実施の形態1)
<表面炭素濃度および酸素濃度を特定したIII族窒化物基板の概要>
図1は、実施の形態1に係るIII族窒化物基板の一例の概略断面図である。このIII族窒化物基板について、
図1の概略断面図を参照して説明する。
図1に示すように、III族窒化物基板10は、表面2と裏面3とを有するIII族窒化物からなる基材部1を有しており、当該表面2の炭素濃度が基材部1の内層と比較して高濃度に制御されていることを特徴とする。
このように、表面2の炭素濃度を制御することで、低抵抗かつ格子定数制御が可能となり、表面2側に形成されるデバイス層との格子不整合を小さくすることができる。表面の炭素濃度を高濃度にすることによって、表面2上に形成するデバイス層との格子不整合を防ぎ、かつIII族窒化物基板10の抵抗をより小さくすることができる。一方、内層で炭素濃度を低くする理由は、炭素がアクセプタとして作用し結晶の導電率の低下を引き起こすことを抑制させるためである。
【0025】
また、基材部1の表面2から裏面3にかけて、一般的な製法であるHVPE法により作製されたIII族窒化物結晶(酸素濃度1017atoms/cm3以下)と比較して、高濃度に酸素を混入させてもよい。(ただし当該表面2と基材部1の内層を比較した場合では、上述のように濃度差をつける。)
これによって、III族窒化物基板10全体の抵抗を極めて小さくすることができる。さらに、本実施形態に係るIII族窒化物基板10の基材部1は、表面2を+c面(例えば、基材部1がGaNの場合、表面2はGa極性面)、裏面3を-c面(例えば、基材部1がGaNの場合、裏面3はN極性面)としてもよい。表面2を+c面とすることにより、表面2上に、より高品質なIII族窒化物結晶を成長させることができる。
【0026】
<表面炭素濃度および酸素濃度を特定したIII族窒化物結晶の製造方法の概要>
本実施の形態1に係るIII族窒化物基板の製造方法の概要を
図2のフローチャートを参照して説明する。
本実施の形態1に係るIII族窒化物結晶の製造方法は、反応性ガス生成工程、反応性ガス供給工程、III族元素金属供給工程、III族元素酸化物ガス生成工程、III族元素酸化物ガス供給工程、窒素元素含有ガス供給工程、炭素元素含有ガス供給工程、III族窒化物結晶生成工程を有する。さらに、残留ガス排出工程を有してもよい。
【0027】
III族元素酸化物ガス生成工程では、出発III族元素源であるIII族元素金属と反応性ガス供給工程により供給された反応性ガスを反応させ、III族元素酸化物ガスを生成する。生成したIII族元素酸化物ガスは、育成チャンバ内に供給される(III族元素酸化物ガス供給工程)。これによって、結晶中への酸素混入を高濃度に制御できる。濃度制御の詳細は後述する。
【0028】
更に、反応性ガスの供給が不安定である場合、反応性ガス生成工程を実施してもよい(例えば、H2ガスとO2ガスとの反応から発生させるH2Oガス)。当該生成工程では、出発III族元素源であるIII族元素の液体金属と反応させる反応性ガスを生成する。
更に、生産性を向上させるために、III族元素金属供給工程を実施してもよい。当該供給工程では、原料チャンバ内に設置されたIII族元素金属を保持する原料容器内に追加のIII族元素金属を所望の量だけ適宜供給する。
【0029】
窒素元素含有ガス供給工程では、窒素元素含有ガスを育成チャンバへ供給する。
【0030】
III族窒化物結晶生成工程では、III族元素酸化物ガス供給工程で育成チャンバ内へ供給されたIII族元素酸化物ガスと、窒素元素含有ガス供給工程で育成チャンバ内へ供給された窒素元素含有ガスを反応させ、III族窒化物結晶を製造する。
【0031】
炭素元素含有ガス供給工程では、炭素元素含有ガスを育成チャンバへ供給する。これによって、結晶中への炭素混入を高濃度に制御できる。濃度制御の詳細は後述する。また、炭素元素含有ガスの供給による別の効果は、育成チャンバ内に供給されるIII族元素酸化物ガス以外の酸化物と炭素元素含有ガスを反応させIII族窒化物結晶中へのIII族元素酸化物ガス以外の酸化物による結晶中への酸素の混入を抑制する。これにより、多結晶化等の異常成長を抑制した高品質な結晶成長が可能となる。
【0032】
残留ガス排出工程では、III族窒化物結晶の生成に寄与しない未反応のガスをチャンバ外に排出する。
【0033】
<表面炭素濃および酸素濃度を特定したIII族窒化物結晶の製造方法の詳細>
本実施の形態1に係るIII族窒化物結晶の製造方法の詳細を
図3の装置断面概略図を参照して説明する。
ここでは、出発III族元素源105に液体Gaを用いた場合の説明を行う。
【0034】
III族元素酸化物ガス生成工程では、まず反応性ガス供給管103より反応性ガスを供給する。供給された反応性ガスは、出発III族元素源105であるGaと反応し、III族酸化物ガスであるGa2Oガスを生成する。生成されたGa2Oガスは、III族酸化物ガス排出口107を経由し、原料反応室101から原料チャンバ100に排出される。排出されたGa2Oガスは、第一搬送ガス供給口102から原料チャンバへと供給される第一搬送ガスと混合され、III族酸化物ガスおよび搬送ガス排出口108へと供給される。
ここで、第1ヒータ106の温度を、Ga2Oガスの沸点の観点から800℃以上とし、第2ヒータ115よりも低温とすべく1800℃未満とする。
【0035】
出発Ga源は、原料容器104内に載置されている。原料容器104は、反応性ガスと出発Ga源の接触面積を大きくできる形状であることが好ましい。
なお、III族酸化物ガスを生成する方法には、大別して、出発Ga源105を酸化する方法と、出発Ga源105を還元する方法とがある。
【0036】
例えば、酸化する方法においては、出発Ga源105に非酸化物(例えば液体Ga)、反応性ガスとしては酸化性ガス(例えばH2Oガス、O2ガス、COガス、CO2ガス)を用いる。尚、出発Ga源105が液体Gaの場合のみ、反応性ガスとして還元性ガスであるH2ガスを使用してもよい。また、出発Ga源106の他に、In源、Al源を出発III族元素として採用できる。一方、還元する方法においては、出発Ga源105に酸化物(例えばGa2O3)、反応性ガスとして還元性ガス(例えばH2ガス、COガス、CO2ガス、CH4ガス、C2H6ガス、H2Sガス、SO2ガス)を用いる。
ここで第一搬送ガスとしては、不活性ガス、またはH2ガスを用いることができる。
【0037】
III族元素酸化物ガス供給工程では、III族元素酸化物ガス生成工程で生成されたGa2Oガスを、III族酸化物ガスおよび搬送ガス排出口108、接続管109、III族酸化物ガスおよび搬送ガス供給口118を経由し育成チャンバ111へと供給する。原料チャンバ100と育成チャンバ111とを接続する接続管109の温度が、原料チャンバ100の温度より低下すると、III族酸化物ガスを生成する反応の逆反応が生じ、出発Ga源105が接続管109内で析出する。したがって、接続管109は、第3ヒータ110によって、原料チャンバ100の温度より低下しないよう第1ヒータ106より高温に加熱する。また、本工程で結晶中への酸素元素の混入を制御することができる。具体的には、裏面側、又は、内層側で酸素濃度を大きく、表面側で酸素濃度を小さくする場合は、成長初期から成長中期の内層を形成する際のIII族元素酸化物ガスの育成チャンバ111への供給量を増加させる。一方、成長後期に表面側を形成する際はIII族元素酸化物ガスの育成チャンバ111への供給量を低下させる。更に、裏面側から表面側へと酸素濃度を徐々に変化させる場合は、III族元素酸化物ガスの育成チャンバ111への供給量を結晶内で格子不整合が生じないように変化させる。III族酸化物ガスの具体的な制御方法は、III族酸化物ガス生成工程に供給される反応性ガス供給工程の反応性ガス供給量をマスフローコントローラーで制御することによって行う。
【0038】
窒素元素含有ガス供給工程では、窒素元素含有ガスを窒素元素含有ガス供給口112から育成チャンバ111に供給する。
【0039】
窒素元素含有ガスとしては、NH3ガス、NOガス、NO2ガス、N2H2ガス、N2H4ガス、HCNガス等を使用できる。
【0040】
炭素元素含有ガス供給工程では、炭素元素含有ガス供給口113から炭素元素含有ガスを育成チャンバ111へと供給する。炭素元素含有ガスを供給することで、結晶中への炭素元素の混入を制御することができる。具体的には、裏面側、又は、内層側で炭素元素濃度を小さく、表面側で炭素元素濃度を大きくする場合は、成長初期から成長中期の内層を形成する際の炭素元素含有ガスの育成チャンバ111への供給量を低下させる。一方、成長後期に、表面側を形成する際は炭素元素含有ガスの育成チャンバ111への供給量を増加させる。更に、裏面側から表面側へと炭素元素濃度を徐々に変化させる場合は、炭素元素含有ガスの育成チャンバ111への供給量を結晶内で格子不整合が生じないように変化させる。また、
図4のように、厚さ方向で炭素元素濃度に濃淡を付与する場合は、炭素元素含有ガスの育成チャンバ111への供給量をスライス後の基板表面と裏面に位置する領域で格子不整合が生じないように変化させる。
【0041】
炭素元素含有ガスとしては、Ga源以外の酸化物ガスとの反応性の観点から、CH4ガス、C2H6ガス、C3H8ガス、C4H10ガス、C2H4ガス、C3H6ガス、C4H8ガス、C2H2ガス、C3H4ガス等を使用できる。炭素元素含有ガスの供給濃度は、結晶中への炭素濃度制御を考慮し育成チャンバ111中への流入量を0.01atm%以上かつ30atm%以下の範囲で供給する。
【0042】
III族窒化物結晶生成工程では、各供給工程を経て、育成チャンバ内へと供給された原料ガスを合成し、III族窒化物結晶の製造を行う。
【0043】
育成チャンバ111は、第2ヒータ115により、III族酸化物ガスと窒素元素含有ガスが反応する温度まで高温化する。この際、育成チャンバ111の温度は、III族酸化物ガスを生成する反応の逆反応が生じないようにするため、原料チャンバ100の温度より低下しないよう加熱する。また、III族窒化物結晶を成長する際に不純物(シリコン、塩素、水素、ナトリウム、マグネシウム、アルミニウム、チタン、クロム、鉄、ニッケル、モリブデン、タンタル、等)を低減させ、かつIII族窒化物結晶の分解を抑制する必要がある。加えて、原料チャンバ100で生成されたGa2Oガス、及び第1搬送ガスによる育成チャンバ111の温度変動を抑制する理由から第2ヒータ115と第3ヒータ110の温度は同じとする。ゆえに、第2ヒータ115の温度は、1000℃以上かつ1800℃以下とする。
【0044】
III族元素酸化物ガス供給工程を経て、育成チャンバ111へと供給されたIII族酸化物ガスと、窒素元素含有ガス供給工程を経て、育成チャンバ111へと供給される窒素元素含有ガスとを種基板116より上流で混合することによって、種基板116上でIII族窒化物結晶の成長を行うことができる。
【0045】
この際、窒素元素含有ガスが育成チャンバ111からの熱で分解することを抑制するために、窒素元素含有ガス供給口112、及び育成チャンバ111の外壁を断熱材で被覆することが好ましい。
【0046】
また、育成チャンバ111の炉壁や基板サセプタ117上へのIII族窒化物結晶の寄生成長が問題として挙げられる。そこで、第2搬送ガス供給口114より育成チャンバ111へと供給された搬送ガスにより、III族酸化物ガス、及び窒素元素含有ガスの濃度を制御することにより、育成チャンバ111の炉壁や基板サセプタ117へのIII族窒化物結晶の寄生成長を抑制することができる。
【0047】
また、種基板116としては、例として、窒化ガリウム、ガリウム砒素、シリコン、サファイア、炭化珪素、酸化亜鉛、酸化ガリウム、ScAlMgO4を用いることができる。
【0048】
第二搬送ガスとしては、不活性ガス、またはH2ガスを用いることができる。
【0049】
III族窒化物結晶の生成は、一度の結晶育成から多数枚のIII族窒化物基板を切り出すことが好ましい。したがって、
図4に示すように、高濃度炭素層21を繰り返し含んだIII族窒化物インゴット20を作製し、その後高濃度炭素層21の領域でスライスし、多数枚のIII族窒化物基板22を切り出すことが好ましい。インゴットを作製せずに、一度の成長で一枚の基板を作製してもよい。
【0050】
上記のように、
図4の高濃度炭素層21を繰り返し含んだIII族窒化物インゴット20は、例えば、低濃度の炭素元素含有ガスの供給と、高濃度の炭素元素含有ガスの供給と、を含む炭素元素含有ガスの供給サイクルを繰り返すことによって、作成できる。
【0051】
未反応のIII族酸化物ガス、窒素元素含有ガス、炭素元素含有ガス、および搬送ガスは排気口119から排出される。この場合、炭素元素含有ガスと、育成チャンバ内に存在してIII族元素酸化物ガス以外の酸素を含む物質とを反応させて、酸化物ガスを生成してもよい。さらに、酸化物ガスを前記育成チャンバ外に排出してもよい。
【0052】
(実施例1)
図3に示す成長炉を用いてIII族窒化物結晶の成長を行った。ここでは、III族窒化物結晶としてGaNを成長させた。出発Ga源として、Ga
2O
3粉末を用い、Ga
2O
3を反応性ガスであるH
2ガスと反応させ、Ga
2OガスをGa源ガスとして用いた。N源としては、NH
3ガスを用いた。また、キャリアガスとしてH
2ガスおよびN
2ガスを用いた。炭素元素含有ガスとしてCH
4ガスを用いた。主な結晶成長条件は以下である。尚、ここでの各ガスの分圧は、チャンバ内に供給する際の各ガスの分圧である。また、成長はすべて大気圧雰囲気で実施した。
【0053】
[基材部の成長条件]
成長温度:1200℃、原料温度:1100℃、NH3分圧:0.04気圧、H2分圧:0.89気圧、CH4分圧:0.01気圧
[基材部表面の成長条件]
成長温度:1200℃、原料温度:1100℃、NH3分圧:0.04気圧、H2分圧:0.84気圧、CH4分圧:0.07気圧
【0054】
基材部の成長条件から基材部表面の成長条件の変化は、格子不整合度が0.01%以下となる範囲で徐々に変化させた。結晶中に混入する炭素濃度の変化はCH4分圧の制御により行い、酸素濃度の変化はIII族酸化物ガス生成に寄与する反応性ガスであるH2ガスの分圧で制御を行った。
各々の成長条件により成長した結晶の各種特性を以下に示す。基材部の厚みは400μm、基材部表面の厚みは40μmの成長結晶で各々評価を行った。評価としては、電気的特性をホール効果測定により評価し、格子定数はX線回折(XRD)測定により見積もった。さらに各々の炭素濃度、酸素濃度を二次イオン質量分析(SIMS)を行い定量化した。また参考として、デバイス層形成に用いられるMOCVD法で作製したGaN結晶の格子定数を併記する。
【0055】
<基材部の評価結果>
導電率:1.2×103Ω-1・cm-1、a軸格子定数:3.1887Å(31.887nm)、c軸格子定数:5.1863Å、炭素濃度:2×1017cm-3、酸素濃度:5×1020cm-3
【0056】
<基材部表面の評価結果>
導電率:2.1×102Ω-1・cm-1、a軸格子定数:3.1871Å、c軸格子定数:5.1846Å、炭素濃度:5×1020cm-3、酸素濃度:3×1020cm-3
【0057】
<MOCVD法により成長したGaN結晶の格子定数評価結果>
a軸格子定数:3.1874Å、c軸格子定数:5.1844Å
【0058】
(比較例1)
前記CH4ガスの供給を無くし、それ以外は実施例1の基材部と同様の条件で結晶成長を行った。
【0059】
<比較例の評価結果>
導電率:1.3×103Ω-1・cm-1、a軸格子定数:3.1889Å、c軸格子定数:5.1848Å、炭素濃度:7×1015cm-3、酸素濃度:5×1020cm-3
なお、比較例では、基材部裏面及び内層と、基材部表面での成長条件を変化させていないことから、導電率、格子定数、不純物濃度は、基材部と基材部表面で同等の値になる。
【0060】
以上の結果より、CH4ガスを用いて成長させた基材部表面の格子定数は、デバイス層として使用されるMOCVD法により成長させた結晶の格子定数との格子不整合度がa軸で0.009%、c軸で0.004%であった。一方、CH4を用いずに成長させた比較例の結晶の格子定数は、MOCVD法により成長させたGaN結晶の格子定数との格子不整合度はa軸で0.047%、c軸で0.008%であった。一般的にデバイス層に転位欠陥やクラックを生じさせないためには、格子不整合度を0.01%以下にする必要があり、CH4添加による効果は十分なものであると結論づけることができる。さらに酸素濃度に関しては、結晶性を確保する観点からは、1×1021cm-3以下とすることが好ましい。一方、導電率を向上させる観点からは、酸素濃度は、1×1020cm-3以上とすることが好ましい。
【0061】
<結晶中炭素濃度とa軸格子定数の関係>
図6に結晶中の炭素濃度とa軸格子定数との関係を表す一例の実験結果のグラフを示す。本実験は、以下の代表的な成長条件で実施した。尚、本実験で成長した結晶の酸素濃度は、1×10
20cm
-3~5×10
20cm
-3と高濃度な結晶を評価した。
【0062】
成長温度:1200℃、原料温度:1100℃、NH3分圧:0.04atm、H2分圧:0.8~0.9atm、CH4分圧:0.01~0.06atm
本検証範囲で最も炭素濃度が低い結晶(炭素濃度:5×1019cm-3)では、a軸格子定数が3.1889Åであり、酸素濃度は1×1020cm-3であった、炭素濃度が1×1020cm-3の結晶では、a軸格子定数が3.1884Åであり、酸素濃度は2×1020cm-3であった、炭素濃度が5×1020cm-3の結晶では、a軸格子定数が3.18871Åであり、酸素濃度は5×1020cm-3であった。一般的に酸素元素のみを高濃度に混入させていくと、結晶中の格子定数は拡大することが知られている。一方で、本検証では炭素濃度をそれと同時に増加させているため、格子定数は低減する傾向となっている。なお、本検証では、酸素元素と炭素元素では、炭素元素の方が、酸素元素と比較して格子定数への感度が高いことが示唆されたが、本内容は更なる検証の余地があると考えられる。
【0063】
本結果から、MOCVD法やHVPE法等の異なる手法で作製されるデバイス層や種基板(MOCVD法やHVPE法で作製された一般的なGaN結晶のa軸格子定数は、3.187~3.188Å)との格子整合を考えた場合、基材部表面の炭素濃度は、1.5×1020atoms/cm3以上5×1020atoms/cm3以下であることが好ましい。一方、基材部内層側の炭素濃度は、異常成長を抑制し、多結晶化を発生させない理由から1×1017atoms/cm3以上が好ましく、また、成長過程で発生するピットを抑制すること、および導電率の低下を抑制する理由から5×1020atoms/cm3以下が望ましい。さらに、基材部表面と基材部内層側の酸素濃度は、導電率向上の理由から、1×1020atoms/cm3以上であることが好ましく、結晶性を確保する理由から、1×1021atoms/cm3以下が好ましい。更に、基材部表面上に形成するデバイス層との格子整合を考えた場合、基材部表面の酸素濃度は、基材部内層と比較して低いことが好ましい。一般的に酸素元素のみを高濃度に混入させていくと、結晶中の格子定数は拡大することが知られている。
【0064】
<結晶中酸素濃度と導電率の関係>
図5に結晶中の酸素濃度と導電率の関係を表す一例の実験結果のグラフを示す。基材部表面部の酸素濃度は、導電率向上の観点から、1×10
20atoms/cm
3以上であることが好ましい。また、同様に導電率向上の観点から、基材部の酸素濃度も1×10
20atoms/cm
3以上であることが好ましい。酸素濃度を1×10
20atoms/cm
3以上とすることで一般的な市販GaN基板(酸素濃度1×10
17atoms・cm
-3以下)と比較して1/10以下の抵抗率を実現することが可能となる。一方で、結晶性確保の観点では、酸素濃度は1×10
21atoms/cm
3以下とすることが好ましく、さらに、酸素濃度に関する表層と内層の濃淡は、混入させる炭素元素量により異なるが、表面の格子定数を制御するために、基材部内層と比較して、表層で酸素濃度を低くすることが好ましい。
【0065】
更に、基材部から基材表面にかけての炭素濃度変化による格子定数の調整は、基材部内層から基材部表面にかけての転位欠陥の増殖およびクラックの発生を抑制させる観点から、CH4ガスの流量は膜厚に対して徐々に高濃度に変化させることが望ましい。なお、「徐々に変化」とは、基材部内層から基材部表面にかけての格子定数差を低減させる観点から、膜厚1~10μmの範囲で変化させるのが好ましい。さらに、10~50μmの範囲で変化させることがより好ましく、50~100μmの範囲で変化させることが更には好ましい。
【0066】
なお、炭素濃度及び酸素濃度の単位として、[atoms/cm3」の他に、atomsを省略して単に[cm-3]としている場合があるがいずれも同じ意味である。
【0067】
なお、本開示においては、前述した様々な実施の形態及び/又は実施例のうちの任意の実施の形態及び/又は実施例を適宜組み合わせることを含むものであり、それぞれの実施の形態及び/又は実施例が有する効果を奏することができる。
【産業上の利用可能性】
【0068】
以上のように、本発明に係るIII族窒化物基板及びIII族窒化物結晶の製造方法によれば、III族窒化物基板の低抵抗化および格子定数制御の両立が可能となる。そこで、転位欠陥の増殖やクラックの発生を抑制したデバイス層形成に有用である。
【符号の説明】
【0069】
1 基材部
2 表面
3 裏面
10 III族窒化物基板
20 III族窒化物インゴット
21 高濃度炭素含有層
22 多数枚のIII族窒化物基板
100 原料チャンバ
101 原料反応室
102 第1搬送ガス供給口
103 反応性ガス供給管
104 原料容器
105 出発III族元素源
106 第1ヒータ
107 III族酸化物ガス排出口
108 III族酸化物ガス及び搬送ガス排出口
109 接続管
110 第3ヒータ
111 育成チャンバ
112 窒素元素含有ガス供給口
113 炭素元素含有ガス供給口
114 第2搬送ガス供給口
115 第2ヒータ
116 種基板
117 基板サセプタ
118 III族酸化物ガス及び搬送ガス供給口
119 排気口
120 III族元素金属供給管
121 III族元素金属充填タンク