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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-05
(45)【発行日】2022-08-16
(54)【発明の名称】ウォーターサーバー
(51)【国際特許分類】
   B67D 1/07 20060101AFI20220808BHJP
   C02F 1/00 20060101ALI20220808BHJP
   C02F 1/32 20060101ALI20220808BHJP
   B01D 53/26 20060101ALI20220808BHJP
   E03B 3/28 20060101ALI20220808BHJP
【FI】
B67D1/07
C02F1/00 B
C02F1/32
B01D53/26 100
B01D53/26 200
E03B3/28
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2018160696
(22)【出願日】2018-08-29
(65)【公開番号】P2020033054
(43)【公開日】2020-03-05
【審査請求日】2021-06-04
(73)【特許権者】
【識別番号】509079776
【氏名又は名称】有限会社共栄コントロールズ
(73)【特許権者】
【識別番号】312010559
【氏名又は名称】株式会社f-プランニング
(73)【特許権者】
【識別番号】504145308
【氏名又は名称】国立大学法人 琉球大学
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】特許業務法人HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】木之下 幸一郎
(72)【発明者】
【氏名】米倉 勲
(72)【発明者】
【氏名】坂東 喜哉
(72)【発明者】
【氏名】小城 宣啓
(72)【発明者】
【氏名】小西 淳
(72)【発明者】
【氏名】澤 誠一
(72)【発明者】
【氏名】福本 晃造
(72)【発明者】
【氏名】中川 鉄水
(72)【発明者】
【氏名】泉水 仁
(72)【発明者】
【氏名】吉本 隆光
(72)【発明者】
【氏名】浅田 ▲祥▼司
(72)【発明者】
【氏名】落合 康孝
【審査官】所村 陽一
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2016/0244951(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B67D 1/07
C02F 1/00
C02F 1/32
B01D 53/26
E03B 3/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
取り込んだ空気を除湿する除湿器と、
前記除湿器にて結露した結露水を浄化する浄水器と、
浄化された浄水を吐出する吐出部と、
浄水の吐出を制御する吐出制御部と、を備え、
前記浄水器は、前記結露水を貯水する第1の貯水タンクと、前記結露水の不純物を除去するフィルタと、前記吐出部に連結した第2の貯水タンクと、前記第1の貯水タンクから前記フィルタへ間欠的に給水するポンプと、を備え、
前記ポンプは、前記第1の貯水タンク内の結露水が所定量以下に減少した場合に、自動的に前記フィルタへの給水を停止するように制御されている、ウォーターサーバー。
【請求項2】
前記除湿器は、空気取り入れ口から流入した空気を除湿する熱交換器と、
前記熱交換器における前記空気と接する部分に塗布された光触媒材料と、
光触媒材料に紫外線を照射する第1のUV照射部と、を備えた、請求項1に記載のウォーターサーバー。
【請求項3】
前記第2の貯水タンクと前記吐出部との間をつなぐ流水経路と、
前記吐出部または前記流水経路を通過する浄水に対して紫外線を照射する第2のUV照射部と、を備えた、請求項1または2に記載のウォーターサーバー。
【請求項4】
前記第2のUV照射部は、前記吐出部または前記流水経路の周囲を取り囲むように配置されたUV-LEDである、請求項3に記載のウォーターサーバー。
【請求項5】
前記吐出部は、前記UV-LEDからの熱を放出する放熱構造を有する、請求項4に記載のウォーターサーバー。
【請求項6】
前記放熱構造は、前記流水経路の周囲に放射状に広がる放熱フィンを有する、請求項5に記載のウォーターサーバー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はウォーターサーバーに関する。
【背景技術】
【0002】
従来のウォーターサーバーは、例えば水道水や予め所定の品質に浄化された浄水を供給源としている。しかし、このような従来のウォーターサーバーでは、水道水の品質を十分に確保できないような地域や水の浄化処理が困難な地域に設置することが困難であるという問題がある。そこで、空気中に含まれる水蒸気を利用して飲料水を生成する装置が提案されている。
【0003】
例えば、特許文献1には、空気中の水分を凝縮させて得られる結露水を原水として、活性水素を溶存させた水素水を生成する水素水製造装置が開示されている。特許文献1に開示された水素水製造装置では、結露水に対して水素発生反応を生じさせることによって、活性水素が溶存した水素水を生成する水素水化処理装置と、水素水を濾過するフィルタと、フィルタにより不純物が除去された水素水を飲料水として供給する飲料水サーバと、を備えている。結露水は、水素水化処理装置の反応容器に貯水されている。
【0004】
また、特許文献2には、除湿機の結露水を飲料水として利用する創水装置が開示されている。そして、結露水を貯留する貯留部に光触媒が塗布されることが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2013-94757号公報
【文献】特開2012-12805号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述の特許文献1に開示された装置では、反応容器内に貯水された結露水が枯渇すると、結露水を濾過するフィルタの性能が低下するという問題がある。
【0007】
周囲の湿度環境に応じて結露水の生成量が変化する。例えば、低湿度環境では、結露水の生成量が低くなる。それゆえ、特許文献1に記載の装置を低湿度環境下で使用した場合、反応容器内に貯水された結露水が枯渇するおそれがある。また、特許文献1に記載の装置を高湿度環境下で使用した場合であっても、飲料水サーバへ供給する水素水の量が極めて大きいとき、反応容器内に貯水された結露水が枯渇するおそれがある。
【0008】
すなわち、水道水や浄水を原水として飲料水サーバに常時供給可能な従来のウォーターサーバーと異なり、特許文献1に記載の装置では、周囲の湿度環境および飲料水の必要供給量等によっては、反応容器に貯水された結露水が枯渇するおそれがある。
【0009】
なお、特許文献1に記載の装置では、反応容器内の貯水量が所定のレベルに達すると、結露水の供給が停止されるので、反応容器は、水素水化反応のために常に結露水で満たされた状態である。それゆえ、特許文献1に記載の装置では、反応容器内の結露水が枯渇することが想定されていない。
【0010】
本発明の一態様は、結露水の貯水量が枯渇した場合であっても結露水を濾過するフィルタの性能低下を抑えることができるウォーターサーバーを実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係るウォーターサーバーは、取り込んだ空気を除湿する除湿器と、前記除湿器にて結露した結露水を浄化する浄水器と、浄化された浄水を吐出する吐出部と、浄水の吐出を制御する吐出制御部と、を備え、前記浄水器は、前記結露水を貯水する第1の貯水タンクと、前記結露水の不純物を除去するフィルタと、前記吐出部に連結した第2の貯水タンクと、前記第1の貯水タンクから前記フィルタへ間欠的に給水するポンプと、を備え、前記ポンプは、前記第1の貯水タンク内の結露水が所定量以下に減少した場合に、自動的に前記フィルタへの給水を停止するように制御されている構成である。
【発明の効果】
【0012】
本発明の一態様によれば、結露水の貯水量が枯渇した場合であっても結露水を濾過するフィルタの性能低下を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の実施形態に係るウォーターサーバーの概略構成を説明するための模式図である。
図2】(a)および(b)は、本発明の実施形態に係るウォーターサーバーの概略構成を説明するための斜視図である。
図3】UV-LEDからの熱を放熱する放熱構造の構成を示し、(a)は斜視図であり、(b)は、吐出側から見た下面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の一実施形態について、詳細に説明する。図1は、本実施形態に係るウォーターサーバー1の概略構成を説明するための模式図である。図2の(a)および(b)は、本実施形態に係るウォーターサーバー1の概略構成を説明するための斜視図である。
【0015】
本実施形態に係るウォーターサーバー1は、空気を外部から取り込み、空気中の水分を結露させ、結露した水を浄化する構成である。それゆえ、ウォーターサーバー1は、特に、高温多湿地域での使用が効果的である。
【0016】
図1並びに図2の(a)および(b)に示されるように、ウォーターサーバー1は、空気清浄フィルタ11および12と、取り込んだ空気を除湿する除湿器2と、除湿器2にて結露した結露水を浄化する浄水器3と、浄化された浄水を吐出する吐出部4と、浄水の吐出を制御する吐出制御部81と、を備えている。ウォーターサーバー1では、除湿器2、浄水器3、吐出部4、及び吐出制御部81は、同一筐体によって一体化されている。
【0017】
空気清浄フィルタ11は、ウォーターサーバー1における空気取り込み口(不図示)に設けられており、空気清浄フィルタ12は、排気口(不図示)に設けられている。空気清浄フィルタ11および12は、空気が通過することにより、空気中に含まれるゴミや塵が除去される構成であればよい。空気清浄フィルタ11および12として、例えば、HEPAフィルタ、ULPAフィルタ、活性炭フィルタ等が挙げられる。また、空気清浄フィルタ11および12として、上記で例示したフィルタを組み合わせた構成も使用できる。
【0018】
また、ウォーターサーバー1には、図示しない送風機が設けられている。送風機が駆動することにより、外部の空気がウォーターサーバー1内部に取り込まれる。送風機は、空気を移送可能なものであれば、従来公知の構成を採用することができる。送風機としては、例えばファンを用いることができる。
【0019】
除湿器2は、空気取り入れ口に配された空気清浄フィルタ11を通過した空気を除湿する機能を有する。この除湿により、除湿器2内に、空気中の水分が結露する。除湿器2は、従来公知の除湿方式を採用することができる。除湿器2に採用される除湿方式としては、例えば、ゼオライトによる吸着方式、冷媒を用いた空気冷却方式、または、コンプレッサーによる空気圧縮方式等が挙げられる。図2の(a)および(b)に示された除湿器2は、コンプレッサーによる空気圧縮方式を採用した除湿器であり、コンプレッサー21と、熱交換器22と、を備えている。熱交換器22は、放熱器22aと、吸熱器22bと、を備えている。コンプレッサー21、および放熱器22a、および吸熱器22bは、配管により接続されている。除湿器2では、コンプレッサー21、放熱器22a、および吸熱器22bの間で、冷媒が循環するようになっている。
【0020】
コンプレッサー21は、冷媒を圧縮するものである。除湿器2では、コンプレッサー21により圧縮された冷媒は、放熱器22a、吸熱器22bの順に循環する。ここで、除湿器2内を循環する上記冷媒は、高圧をかけて圧縮されると高温を発し液体に変化する。この液化した冷媒が常圧で気体に戻るとき、周囲から熱を奪う(いわゆる潜熱)。コンプレッサー式の除湿器2は、この潜熱を利用したものである。より具体的には、コンプレッサー21により圧縮された冷媒は、液体の状態で放熱器22aを通過する。このため、放熱器22aは、圧縮された冷媒により高温になり、通過する空気に対して放熱する。
【0021】
そして、放熱器22aを通過した冷媒は、常圧化された状態で吸熱器22bを通過する。このとき、冷媒は、気体となり、通過する空気に対し吸熱する。これにより、吸熱器22bが冷却される。そして、吸熱器22bを通過した冷媒は、再びコンプレッサー21に流入する。
【0022】
ウォーターサーバー1に取り込まれた空気は、冷却された吸熱器22bに接触すると水蒸気が結露し、水分が除去される。これにより、除湿が行われる。
【0023】
浄水器3は、除湿器2にて結露した結露水を浄化する機能を有し、プレタンク31(第1の貯水タンク)と、浄水フィルタ32と、飲料水タンク33(第2の貯水タンク)と、ポンプ34と、を備えている。プレタンク31は、除湿器2にて結露した結露水を貯水するタンクである。また、浄水フィルタ32は、結露水の不純物を除去するフィルタである。飲料水タンク33は、吐出部4に連結されており、浄化された飲料水を貯水するタンクである。ポンプ34は、プレタンク31から浄水フィルタ32へ間欠的に給水するように構成されている。
【0024】
ウォーターサーバー1では、プレタンク31、浄水フィルタ32、飲料水タンク33、およびポンプ34は、配管により接続されている。そして、プレタンク31と飲料水タンク33との間に、飲料水タンク33およびポンプ34が配置されている。また、ポンプ34は、プレタンク31と浄水フィルタ32との間に配されている。
【0025】
図2の(a)および(b)に示されるように、プレタンク31は、吸熱器22bの真下に配置されている。これにより、吸熱器22bにて結露された結露水は、自然落下して、プレタンク31内に貯められる。ウォーターサーバー1では、ポンプ34の駆動により、プレタンク31に貯められた結露水は、浄水フィルタ32を通過することにより浄水化され、飲料水となる。そして、浄水フィルタ32を通過した飲料水は、飲料水タンク33にて貯水される。ここで、ウォーターサーバー1は、ポンプ34の駆動により、プレタンク31から、プレタンク31よりも上側に配置された飲料水タンク33へ給水する構成になっている。このような構成により、吐出部4を、プレタンク31よりも上側に配された飲料水タンク33に連結することができる。その結果、吐出部4より吐出される飲料水を受けるカップを設置する空間を十分確保することができる。すなわち、ポンプ34によりプレタンク31から飲料水タンク33へ水を汲み上げて吐出部4にて水を吐出するポット式の構成を実現できる。
【0026】
ウォーターサーバー1では、プレタンク31に水位計82が設けられており、プレタンク31内の貯水量を検出するように構成されている。また、ウォーターサーバー1は、ポンプ34の駆動を制御するポンプ制御部83を備えている。ポンプ制御部83は、プレタンク31内の結露水を間欠的に浄水フィルタ32へ供給するように、ポンプ34を制御する。
【0027】
ここで、ポンプ34の駆動により、プレタンク31から浄水フィルタ32へ、所定量の結露水が供給される。プレタンク31内の結露水が枯渇すると、浄水フィルタ32へ所定量以下の結露水が供給される。この結果、浄水フィルタ32に気泡等が混入し、浄水フィルタ32の性能が低下するおそれがある。それゆえ、プレタンク31内の結露水を、浄水フィルタ32へ供給する所定量を超える水量に維持することが重要である。
【0028】
そこで、本実施形態に係るウォーターサーバー1では、ポンプ34は、プレタンク31内の結露水が所定量以下に減少した場合に、自動的に浄水フィルタ32への給水を停止するように制御されている。ポンプ制御部83は、プレタンク31内の水位計82にて検出された結露水の水量が所定量よりも大きい場合、ポンプ34を駆動し、浄水フィルタ32へ結露水を供給する。一方、水位計82にて検出される結露水の水量が所定量以下に減少した場合、ポンプ制御部83は、ポンプ34の駆動を停止し、浄水フィルタ32への結露水の供給を停止する。また、ポンプ制御部83は、ポンプ34の駆動を停止した後、水位計82にて検出される結露水の水量が所定量を超える量に回復したとき、ポンプ34の駆動を再開する。
【0029】
このようにポンプ34の駆動が制御されることにより、浄水フィルタ32への結露水の供給量が所定量以下となることを回避することができる。その結果、浄水フィルタ32への気泡の混入が低減し、浄水フィルタ32の性能低下を抑えることができる。なお、ポンプ34の駆動または停止の基準となる、プレタンク31内の結露水の所定量は、少なくともポンプ34による水の供給量であればよく、ポンプ34の性能に依存する。
【0030】
また、ウォーターサーバー1では、飲料水タンク33に、水位計84が設けられており、飲料水タンク33内の貯水量を検出するように構成されている。飲料水タンク33内の飲料水の量を一定に保つため、ポンプ制御部83は、水位計84にて検出される飲料水の水量が所定量以下になったとき、ポンプ34を駆動し、浄水フィルタ32へ結露水を供給する。また、水位計84にて検出される飲料水の水量が所定量を超えたとき、ポンプ制御部83は、ポンプ34の駆動を停止する。
【0031】
ここで、熱交換器22における吸熱器22bは、空気中の水蒸気が結露するので、有機物が付着する、あるいはバクテリアやウィルス等の雑菌が繁殖しやすい部分である。それゆえ、除湿器2にて結露した結露水には、有機物、または、雑菌といった異物が含まれることがある。このような結露水は、浄水フィルタ32により精製されても不純物が含まれるおそれがある。特に低湿度環境下では、有機炭素量(TOC)が増加する傾向にある。また、浄水フィルタ32の性能が低下するおそれもある。このため、浄水フィルタ32の性能を維持するとともに安全な飲料水を製造するためには、吸熱器22bから有機物を除去する、あるいは、雑菌を除菌する必要がある。
【0032】
そこで、ウォーターサーバー1は、光触媒材料7と、光触媒材料7に紫外線を照射するUV照射部62(第1のUV照射部)と、を備えている。光触媒材料7は、熱交換器22における空気と接する部分に塗布されており、より具体的には、図2に示されるように、吸熱器22bに塗布されている。
【0033】
UV照射部62が光触媒材料7に紫外線を照射することにより、光触媒材料7は触媒活性を示す。光触媒材料7の触媒活性により、吸熱器22bに付着した有機物や雑菌が分解される。それゆえ、ウォーターサーバー1の構成によれば、吸熱器22bから有機物を除去する、あるいは、雑菌を除菌することが可能となる。また、UV照射部62は、吸熱器22bに紫外線を照射する。それゆえ、光触媒材料7の光触媒活性と別の作用により、吸熱器22bに付着した雑菌を除菌することができる。
【0034】
光触媒材料7は、紫外線照射により光触媒活性を示す従来公知の材料を使用することができる。光触媒材料7としては、例えば、酸化チタン(TiO)、酸化タングステン(WO)を用いることができる。また、光触媒材料7の塗布量は、吸熱器22bの寸法や光触媒材料7の光触媒活性等に応じて適宜設定可能である。また、UV照射部62の配置は、光触媒材料7に対して紫外線を照射可能な位置であればよく、ウォーターサーバー1内部の各種部材の配置に応じて適宜設定可能である。なお、本実施形態に係るウォーターサーバー1は、少なくとも光触媒材料7が塗布された熱交換器22およびUV照射部62を備えた構成であってもよい。
【0035】
また、飲料水タンク33内には飲料水が長期間貯水され、雑菌が繁殖するおそれがある。また、浄水フィルタ32の性能の低下により、飲料水タンク33内の飲料水に雑菌が含まれるおそれがある。そこで、ウォーターサーバー1では、飲料水タンク33内の飲料水に雑菌が繁殖しないように貯水するため、UV照射ランプ63が飲料水タンク33に装着されている。
【0036】
また、ウォーターサーバー1では、飲料水タンク33と吐出部4との間をつなぐ流水経路51および吐出ポンプ52が設けられている。吐出ポンプ52の駆動により、飲料水タンク33内の飲料水は、流水経路51を通過して、吐出部4から吐出することになる。吐出制御部81は、吐出ポンプ52の駆動を制御することにより、飲料水の吐出を制御する。吐出制御部81は、ユーザが操作する操作部(吐出ボタン等)を有している。そして、ユーザの操作に応じた吐出制御を行うように構成されている。例えば、吐出制御部81は、ユーザによる操作部の操作(吐出ボタンの押しこみ等)に応答して、吐出ポンプ52を駆動するようになっている。
【0037】
例えば、長期間、飲料水の吐出が行われていない場合、飲料水タンク33内の飲料水に雑菌が繁殖するおそれがある。さらには、流水経路51の側壁や吐出部4内部に雑菌が付着するおそれがある。
【0038】
そこで、図1に示されるように、ウォーターサーバー1は、吐出部4または流水経路51を通過する浄水(飲料水)に対して紫外線を照射するUV照射部61(第2のUV照射部)を備えている。これにより、吐出部4から吐出される飲料水を除菌することができる。
【0039】
また、UV照射部61は、UVを照射できる従来公知の光源であれば特に限定されないが、好ましくは、LED光源、すなわち、UV-LEDである。図3は、UV照射部61がUV-LEDである場合、吐出部4は、UV-LEDからの熱を放出する放熱構造41を有する。図3は、放熱構造41の構成を示し、図3の(a)は斜視図であり、図3の(b)は、吐出側から見た下面図である。
【0040】
図3の(b)に示されるように、紫外線を照射するLEDであるUV-LED61aは、吐出部4または流水経路51の周囲を取り囲むように配置されている。また、流水経路51は、紫外線を透過可能な材料によって構成されている。これにより、吐出部4または流水経路51を通過する浄水の除菌効率が向上する。
【0041】
放熱構造41は、UV-LED61aからの熱を伝導可能な材料で構成されており、基体部41aと、基体部41aから延びる複数の放熱フィン41bと、を有する。基体部41aは、流水経路51の周囲を取り囲む筒状に構成されている。基体部41aを構成する筒の内壁部分に、UV-LED61aが流水経路51を取り囲むように載置されている。また、複数の放熱フィン41bは、基体部41aの周囲に設けられている。複数の放熱フィン41bは、その先端がUV-LED61aから遠ざかるように、放射状に延びて形成されている。このようにウォーターサーバー1では、放熱構造41は、流水経路51の周囲に放射状に広がる放熱フィン41bを有するので、UV-LED61aからの熱を効率的に外部へ放出することができる。なお、本実施形態に係るウォーターサーバー1は、少なくともUV照射部61を備えた構成であってもよい。
【0042】
なお、図1図3には示されていないが、本実施形態に係るウォーターサーバー1は、浄水器3によって浄水化された浄水を加熱及び/又は冷却する加熱/冷却器を備えていてもよい。このような構成により、多岐の温度で飲料水を提供することが可能になる。
【0043】
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【0044】
〔まとめ〕
以上のように、本発明の態様1に係るウォーターサーバーは、取り込んだ空気を除湿する除湿器と、前記除湿器にて結露した結露水を浄化する浄水器と、浄化された浄水を吐出する吐出部と、浄水の吐出を制御する吐出制御部と、を備え、前記浄水器は、前記結露水を貯水する第1の貯水タンクと、前記結露水の不純物を除去するフィルタと、前記吐出部に連結した第2の貯水タンクと、前記第1の貯水タンクから前記フィルタへ間欠的に給水するポンプと、を備え、前記ポンプは、前記第1の貯水タンク内の結露水が所定量以下に減少した場合に、自動的に前記フィルタへの給水を停止するように制御されている構成である。
【0045】
上記の構成によれば、前記ポンプは、前記第1の貯水タンク内の結露水が所定量以下に減少した場合に、自動的に前記フィルタへの給水を停止するように制御されているので、前記フィルタへの結露水の供給量が所定量以下となることを回避することができる。その結果、上記の構成によれば、前記フィルタへの気泡の混入が低減し、フィルタの性能低下を抑えることができる。
【0046】
本発明の態様2に係るウォーターサーバーは、前記態様1において、前記除湿器は、空気取り入れ口から流入した空気を除湿する熱交換器と、前記熱交換器における前記空気と接する部分に塗布された光触媒材料と、光触媒材料に紫外線を照射する第1のUV照射部と、を備えた構成である。
【0047】
上記の構成によれば、水蒸気の結露部分である前記熱交換器から有機物を除去する、あるいは、雑菌を除菌することが可能となる。このため、前記フィルタの性能を維持するとともに安全な飲料水を製造することができる。
【0048】
本発明の態様3に係るウォーターサーバーは、前記態様1または2において、前記第2の貯水タンクと前記吐出部との間をつなぐ流水経路と、前記吐出部又は前記流水経路を通過する浄水に対して紫外線を照射する第2のUV照射部と、を備えた構成である。
【0049】
上記の構成によれば、前記吐出部から吐出される飲料水を確実に除菌することができる。
【0050】
本発明の態様4に係るウォーターサーバーは、前記態様3において、前記第2のUV照射部は、前記吐出部または前記流水経路の周囲を取り囲むように配置されたUV-LEDである構成である。
【0051】
本発明の態様5に係るウォーターサーバーは、前記態様4において、前記吐出部は、前記UV-LEDからの熱を放出する放熱構造を有する構成である。
【0052】
本発明の態様6に係るウォーターサーバーは、前記態様5において、前記放熱構造は、前記流水経路の周囲に放射状に広がる放熱フィンを有する構成である。
【0053】
上記の構成によれば、前記UV-LEDからの熱を効率的に外部へ放熱することができる。
【符号の説明】
【0054】
1 ウォーターサーバー
2 除湿器
3 浄水器
4 吐出部
7 光触媒材料
22 熱交換器
31 プレタンク(第1の貯水タンク)
32 浄水フィルタ
33 飲料水タンク(第2の貯水タンク)
34 ポンプ
41 放熱構造
41a 基体部
41b 放熱フィン
51 流水経路
61 UV照射部(第2のUV照射部)
62 UV照射部(第1のUV照射部)
61a UV-LED
81 吐出制御部
83 ポンプ制御部
図1
図2
図3