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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-05
(45)【発行日】2022-08-16
(54)【発明の名称】コンベアシステム
(51)【国際特許分類】
   B65G 47/91 20060101AFI20220808BHJP
   B65G 47/14 20060101ALI20220808BHJP
【FI】
B65G47/91 B
B65G47/14 Y
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2018060510
(22)【出願日】2018-03-27
(65)【公開番号】P2019172401
(43)【公開日】2019-10-10
【審査請求日】2020-09-08
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000226976
【氏名又は名称】日清食品ホールディングス株式会社
(72)【発明者】
【氏名】安田 茂
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 克己
【審査官】板澤 敏明
(56)【参考文献】
【文献】特開平05-097109(JP,A)
【文献】特開2004-238182(JP,A)
【文献】実開平02-080628(JP,U)
【文献】特開2015-188527(JP,A)
【文献】実開昭57-096120(JP,U)
【文献】米国特許第05407315(US,A)
【文献】特開2016-175666(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 47/91
B65G 47/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定方向に複数列の容器を搬送する第一コンベア装置と、
当該第一コンベア装置の上方に配置され、第一コンベア装置の搬送方向と交差する方向に複数列の物品を搬送する第二コンベア装置と、
当該第二コンベア装置により搬送中の複数の物品を、物品同士の位置関係を変えずに同時にピックアップして、ピックアップ時の物品群のコンベア搬送方向を前記第一コンベア装置における容器の搬送方向に一致させるように旋回して第一コンベア装置に搬送されている複数の容器内に移載させる移載機構を、備えたコンベアシステムであって、
前記第一コンベア装置が一対の無端状のコンベアチェーンと当該一対のコンベアチェーン間に連続して装着された複数の容器収納枠体を備え、前記第二コンベア装置が一対の無端状のコンベアチェーンと当該コンベアチェーン間に連続して装着された複数の物品収納枠体を備えるものであって、
前記第二コンベア装置の物品収納枠体が搬送される物品を個別に収納するように複数のポケット部を有し、当該ポケット部が複数段の凹部を有するポケット部である、コンベアシステム。
【請求項2】
前記移載機構が、複数の屈曲又は回転可能な関節部を有するロボットアーム及び当該ロボットアームの先端部に設けられた複数の物品吸着部によるものである、請求項1に記載のコンベアシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数列の容器がコンベアラインにおいて搬送されており、当該容器に収納すべき物品が別のコンベアラインにおいて搬送されている状態において、複数の物品を前記容器に収納すべき物品を同時に複数を移載する機構を備えた物品の移載・搬送機能を備えたコンベアシステムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
乾燥食品の製造ラインにおいては、コンベア搬送される所定の容器内に種々の物品を次々に投入して、容器を包装し、当該乾燥食品を完成させる場合が多い。また、時間当たりに生産数量を多く確保するために、一列ではなく複数列のコンベア搬送とする場合が多い。
例えば、即席カップ麺の製造ラインのおいては、複数列の搬送されているカップ状容器の内部に麺塊を収納した後に、当該麺塊の上部に乾燥具材、粉末スープ又は袋詰めされたスープや乾燥具材等を投入した後、上部の密封を含む包装処理をすることによって当該即席カップ麺を完成させる(図12)。
【0003】
ここで、当該容器に投入する物品(乾燥具材や袋詰めされたスープ等)については、一列ごとのパーツフィーダーや自動投入機を通常利用する。
その一方、油揚げの乾燥食品等を投入する場合においては、当該乾燥食品の形状が個体ごとに微妙に変わるため、より確実にかつ高精度で当該容器に物品を投入する方法について検討する余地があった。このような容器に所定物品を投入する技術に関連して以下の先行技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2013-103779
【0005】
しかし、上記の先行技術は、平行に搬送されるそれぞれ1列の容器及び収納物品を搬送するコンベアラインを利用して一方のコンベアで搬送される物品群を、他方に搬送される容器内に移載するタイプのものである。この点、容器の搬送が複数列のタイプではない。さらに、このようなタイプとは異なる他の移載の方法も種々考えらえるところである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで、本発明者らは、複数列の容器がコンベアラインにおいて搬送されており、当該容器に収納すべき物品が別のコンベアラインにおいて複数列搬送されている状態において、複数の物品を前記容器に収納すべき物品を同時に複数を移載する新たな機構を開発することを課題とした。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者の鋭意研究の結果、複数の容器を搬送する第一コンベア装置と、当該第一コンベア装置の搬送方向と交差するように複数の物品を搬送する第二コンベア装置を設置し、当該交差部近傍において、当該第二コンベア装置により搬送中の複数の物品を同時にピックアップして第一コンベア装置に搬送されている複数の容器内に移載させる移載機構を備えることで、乾燥食品のような形状の違いを有する物品群であってもより確実にかつ高精度に前記容器内に所定物品を供給できることを見出した。
【0008】
すなわち、本願第一の発明は、
“1)所定方向に複数列の容器を搬送する第一コンベア装置と、
2)当該コンベア装置の上方に配置され、前記第一コンベア装置の搬送方向と交差する方向に複数列の物品を搬送する第二コンベア装置と、
3)当該第二コンベア装置により搬送中の複数の物品を同時にピックアップして第一コンベア装置に搬送されている複数の容器内に移載させる移載機構を、
、備えたコンベアシステム。“、である。
【0009】
次に、本願発明においては、物品搬送のための第二コンベア装置の物品間の距離と第一コンベア装置の容器間の距離とが異なる場合もあるため、前記移載時において、ピックアップ時の第二物品群のコンベア搬送方向を前記第一コンベアにおける容器の搬送方向に一致させるように旋回して移載する方法を採用するのが好適である。
すなわち、本願第二の発明は、
“前記移載機構が、ピックアップ時の第二物品群のコンベア搬送方向を前記第一コンベアにおける容器の搬送方向に一致させるように旋回して移載する移載機構である請求項1に記載のコンベアシステム。”である。
【0010】
次に、本発明は、コンベアチェーンを利用したチェーンコンベアのタイプのコンベア装置の場合に好適に利用することができる。
すなわち、本願第三の発明は、
“前記コンベア装置がコンベアチェーンを利用したコンベア装置である請求項1又は2に記載のコンベアシステム。”、である。
【0011】
次に、前記移載機構は、複数の屈曲又は回転可能な関節部を有するロボットアーム及び当該ロボットアームの先端部に設けられた複数の物品吸着部を有する移載機構を用いることが好ましい。
すなわち、本願第四の発明は、
“前記移載機構が、複数の屈曲又は回転可能な関節部を有するロボットアーム及び当該ロボットアームの先端部に設けられた複数の物品吸着部によるものである、請求項1~3のいずれかに記載のコンベアシステム。”、である。
【0012】
次に、本発明は、第一及び第二コンベア装置が一対の無端状のコンベアチェーンと当該コンベアチェーン間に装着された複数の容器又は物品収納枠体を利用するタイプであることが好ましい。
すなわち、本願第五の発明は、
“前記第一チェーンコンベア装置が一対の無端状のコンベアチェーンと当該一対のコンベアチェーン間に連続して装着された複数の容器収納枠体を備え、
前記第二チェーンコンベア装置が一対の無端状のコンベアチェーンと当該コンベアチェーン間に連続して装着された複数の物品収納枠体を備えた、請求項3又は4に記載のコンベアシステム。“、である。
【0013】
次に、前記第二コンベア装置の物品収納体は、搬送される物品を個別に収納するように複数のポケット部を有するタイプであることが好ましい。
すなわち、本願第六の発明は、
“前記第二コンベア装置の物品収納枠体が、搬送される物品を個別に収納するように複数のポケット部を有する請求項1~5のいずれかに記載のコンベアシステム。”、である。
【0014】
次に、前記物品収納枠体のポケット部が種々のサイズの物品を収納できるように複数段の凹部を有するポケット部であることが好ましい。
すなわち、本願第七の発明は、
“前記第二コンベア装置の物品収納枠体のポケット部が複数段の凹部を有するポケット部である請求項1~6のいずれかに記載のコンベアシステム。”、である。
【発明の効果】
【0015】
本発明のコンベアシステムを利用することで複数列の容器がコンベアラインにおいて搬送されており、当該容器に収納すべき物品が別のコンベアラインにおいて複数列搬送されている状態において、前記容器に収納すべき物品を同時に複数をスムースに移載することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の第一実施態様のコンベアシステムを、即席カップ麺の製造ラインについて利用した場合の斜視模式図である。
図2】本発明の第一実施態様のコンベアシステムにおける第一コンベアで搬送される容器の形状の例である。
図3】本発明の第一実施態様のコンベアシステムにおける第二コンベアの物品収納枠体をコンベアチェーンに連結した場合の模式斜視図である。
図4】本発明の第一実施態様のコンベアシステムにおける第二コンベアの物品収納枠体についての斜視図である。
図5】本発明の第一実施態様の第二コンベアの物品収納枠体に種々の物品を収納した場合の断面模式図及び当該物品の例示写真である。
図6】本発明の第一実施態様におけるロボットアームの物品吸着部によって物品収納枠体に収納された物品群をピックアップをした斜視模式図である。
図7】ロボットアームの先端部の物品吸着部によって物品群をピックアップをした後に旋回する状態を示した模式図である。
図8】コンベアチェーンのピッチ(インチ単位)を示した正面図である。
図9】本発明の第一実施態様における第一コンベア及び第二コンベアの位置関係及び寸法設定の単位(インチ又はmm)を示した斜視図である。
図10】3基のロボットアームによって物品群をピックアップする際のパターン例を示した模式図である。
図11】第二コンベアライン上の物品収納枠体からロボットアームによって物品をピックアップする際の平面図である。
図12】即席カップ麺の製造ラインでのカップ状容器への物品収納を示した斜視模式図である。
【符号の説明】
【0017】
1 第一コンベア装置
3 容器
5 コンベアチェーン
7 容器収納枠体
9 容器のフランジ部
11 第二コンベア装置
13 物品収納枠体
15 ポケット部
17 物品
19 移載機構
21 ロボットアーム
23 物品吸着部
25 支持台
27 麺塊
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下に、本発明の第一の実施態様について図面を参照しつつ説明する。但し、本発明はこれらの実施態様に限定されるものではない。図1は本発明の第一の実施態様のコンベア搬送システム全体の斜視図を示したものである。
【0019】
・全体構成
本発明の第一の実施態様のコンベアシステムは、所定方向に複数列の容器3を搬送する第一コンベア装置1と、当該第一コンベア装置1の上方に配置され、前記第一コンベア装置1の搬送方向と交差する方向に複数列の物品を搬送する第二コンベア装置11と、当該第二コンベア装置11により搬送中の複数の物品17を同時にピックアップして第一コンベア装置に搬送されている複数の容器内に移載させる移載機構19を、備えている。
【0020】
・第一コンベア装置
本発明の第一の実施態様の第一コンベア装置1は、幅9列で図1及び図12に示すように複数の容器3を所定方向に搬送する。当該第一コンベア1は、無端状のコンベアチェーン5と当該一対のコンベアチェーン間に連続して装着された複数の容器収納枠体7を備えており、当該容器収納枠体7に各容器を幅9列となるように所定間隔をおいて収納部が設けられている。
【0021】
使用できる容器3は種々の形状が可能であり、例えば、図2示すように円形形状(a)(c)、角型形状(b)のいずれも可能である。また当該容器はフランジ部9を有することが好ましい。当該フランジ部において容器収納枠体7に収納された場合に当該容器を支持することができる。
【0022】
尚、前記第一コンベア装置1及び第二コンベア装置11はチェーンコンベア5を利用している。ベルトコンベアに比べてあらゆる形状の搬送物を運ぶことが可能である。コンベヤ長も長く設定でき、幅広く対応が可能である。また、丈夫であり耐久力が大きく、高効率を維持し、滑りがなく精度が高いという利点を有する。本発明のような生産ラインにおける容器の搬送にはチェーンコンベアを利用することが好ましい。
【0023】
・第二コンベア装置
本発明の第一の実施態様の第二コンベア装置11は、幅6列で複数の物品17(容器に収納する予定の物品)を搬送する。また、当該第二コンベア装置11は、無端状のコンベアチェーン5と当該一対のコンベアチェーン間に連続して装着された複数の物品収納枠体13を備えており、当該物品収納枠体13に各物品を収納するように構成されている。
【0024】
尚、コンベアはチェーンコンベア5を利用している。第一コンベア装置1と同様に丈夫であり耐久力が大きく、高効率を維持し、滑りがなく精度が高いという利点を有する。本発明のような生産ラインにおける容器の搬送にはチェーンコンベアを利用することが好ましい。
【0025】
また、図1に示すように、第二コンベア11はゴンドラ状に構成されており、上方及び下方を循環してコンベアが搬送するように構成されている。尚、第二コンベア装置11は、前記第一コンベア装置1の上方に配置されている
第二コンベア装置11の搬送方向は、前記第一コンベアの搬送方向と交差するように設定されている。交差の角度は特に限定されないが、図1では直交(90°)する態様を示している。
このように交差することで、交差部分の付近において第一コンベア装置1と第二コンベア装置11が近接するために第二コンベア11から第一コンベア1への物品17の移載をスムースに実施することができる。
【0026】
・物品の収納枠体
本発明の第一の実施態様においては、前記第二コンベア装置11の物品収納枠体13が、複数のポケット部(凹部)15を有するようになっており、搬送する物品17を所定位置に保持するようにされている。また、当該物品収納体13は、図4に示すように二段の凹部を有している。
【0027】
搬送される物品17が大きい場合には大きい方の大凹部、小さい場合には小凹部にそれぞれ収納できるように構成しており、種々の形状を有する物品17に柔軟に対応することができるように構成されている。また、物品17は種々の形状が可能であり、例えば、即席めんの生産ラインであると、図5に示すように油揚げや成形具材、包装された天ぷら、具材パック等を収納可能である。
尚、物品収納枠体13を水平状態に維持するために、当該枠体の下部中央より垂下するように装着された錘を備えることが好ましい。このように構成しておくことで、コンベアラインが傾いたり上下方向に搬送する場合でも物品収納枠体13を水平に維持することができる。
【0028】
・移載機構
本発明においては、上述の第一コンベア装置1において搬送する複数の容器3に対して、第二コンベア装置11で搬送する複数の物品17を同時にピックアップして第一コンベア装置1に搬送されている複数の容器内に移載させる移載機構19を備えている。
当該移載機構19は種々の形態が考えられるが、本発明の第一の実施態様においては、前記移載機構19が、複数の屈曲又は回転可能な関節部を有するロボットアーム21及び当該ロボットアーム21の先端部に設けられた複数の物品吸着部23によって実現されている。
【0029】
具体的には、本発明の第一実施態様においては、当該移載機構19は第一コンベア1と第二コンベア11の交差する領域の近傍に設置される。本発明の第一の実施態様においては、第二コンベア11と第一コンベア1の交差点において、第二コンベア11の後方側(第一コンベアの搬送方向に向かって後方側)に第二コンベア11のコンベア進行方向に沿うとともに第一コンベア1の幅方向に渡ってロボットアーム21を載置することによって設けられている。
【0030】
すなわち、本発明の図1図6に示すように当該移載機構は、3基のロボットアーム21が、第一コンベア1の上方でかつその幅方向であって、かつ、第二コンベア11のコンベア進行方向に沿って配置された支持台25の上部に連続して配置されている。尚、ロボットアーム21が把持した物品群17を第一コンベア装置1に迅速に移載できるように第二コンベア11と前記支持台25の間には所定の間隔が設けられている。
また、ロボットアーム21は6軸タイプであって、当該先端部は前後・左右・上下斜め等の所定の範囲内を移動できるようになっている。このように配置することでロボットアーム21の先端部にてピックアップした物品17を第一コンベア装置1で搬送中の容器3に容易に移載することができる。
【0031】
・物品吸着部
本発明のロボットアーム21の先端部分には、物品吸着のための物品吸着部23を有している。当該吸着部23は吸引パットによっても可能であるし、又は例えば、ベルヌーイ効果を利用した負圧によって物品17を把持する装置であってもよい。また、これらに限定されず物品17を吸着可能又は把持可能な構成であればいかなる装置でも可能である。
本物品吸着部23によって第二コンベア装置11において搬送されている物品群を当該搬送されている配列状態のまま複数物品17をピックアップすることができる。
【0032】
・第二コンベアからのピックアップ後の物品群の旋回移載
本発明の第一の実施態様においては、前記ロボットアーム21によって第二コンベア11で搬送中の物品17を同時に複数ピックアップし、当該ピックアップした状態の向きを回転することによって第一コンベア1の搬送方向に一致させる。
尚、本発明にいう搬送方向の一致とは、例えば、本発明の実施態様にように第一コンベア1と第二コンベア11が垂直で交差している場合においては、第二コンベア11でピックアップした物品群を、当該第二コンベア11の方向を右に90°回転する場合でも、左に90°回転させる場合のいずれも含むものとする。
【0033】
・コンベアピッチとの関係
本発明において、ピックアップ時の物品群に対して、第二コンベア装置11におけるコンベア搬送方向から前記第一コンベア装置1における容器の搬送方向に一致させるように旋回して移載する点については、特に第一コンベア1及び第二コンベア11がチェーンを使用するチェーンコンベアである場合において、設定上(設計上)の仕様の問題点を解決することができるという利点を有する。
すなわち、チェーンコンベア5は以下の図8に示すように、リンクが連なった構造を有しており、当該コンベアの長さはピッチで規定され、4/8インチ, 5/8インチ, 6/8インチ等のインチで規定されている。
【0034】
第一コンベア1における容器収納枠体7は、コンベアの長さごとに装着されているため、コンベア前後の間隔、すなわち、第一コンベア1における同一列における前後の間隔は図9に示すようにインチ単位で規定される。また、第二コンベア11における同一列における前後の間隔も同様にインチ単位で規定される。
【0035】
一方、第一コンベア装置1及び第二コンベア11ともに列同士の間隔は、第一コンベア1が容器収納枠体7、第二コンベア11が物品収納枠体13のそれぞれの収納位置の間隔となる。ここで、当該間隔はともに設計上mm単位で規定されることが多い、このため、第二コンベア装置11でピックアップした複数の物品群を、そのまま方向を変えずに第一コンベア装置1に移載して、第一コンベア1上の各容器3に収納させようとすると、インチとmmの単位の違いからズレが生じて完全に位置を一致させることが設計上において煩雑となる場合が多い。
このため、第二コンベア装置11でピックアップした物品群の方向を第一コンベア1の搬送方向に合せるように旋回することで両者の単位を一致させることができ、正確にその位置を調整することが容易に可能となる。
【0036】
・ピックアップのパターン
本発明における第二コンベア装置11からの物品群のピックアップのパターンは種々のパターンが考えらえる。例えば、以下の図10は移載装置によって、第二コンベア11の物品17を第一コンベア装置1の容器3に移載して収納する場合の一つのパターンである。
【0037】
図10の1、2、3は、図1で示される3基のロボットアーム21を第二コンベア11の進行方向上流から順番に付けた場合に、当該各番号のロボットアーム21によって同時にピックアップされる12つの物品群の番号を付したものの一部である。尚、これらのピックアップは順次繰り返し実施される。
【0038】
それぞれの12つの同じ番号の物品群は、その後、図7に示すようにロボットアーム21の先端部が90°回転することによって、第一コンベア1の搬送方向に一致させるように旋回し、そのまま、各ロボットアーム21の手前下の容器搬送装置において搬送されている容器3(3列分)に物品群が供給される(3列×4=12カップ)。これによって第一コンベア1の12個の容器3すべてに収納すべき物品群が供給される。図11は当該供給の際の第二コンベア11とロボットアーム21を示した正面模式図である。
【0039】
・具体的な動作の説明
以下に本発明のコンベアシステムを用いた場合の即席麺の生産ラインにおける物品17として具材(油揚げ)を第一コンベア1において搬送されている麺塊入りの容器3に供給する場合を説明する。
図1及び図12に示すように、本発明の第一実施態様のコンベアシステムにおいては、チェーンコンベアである第一コンベア1において、容器3が収納され順次手前方向に搬送されている。尚、容器内にはすでに麺塊27が収納されており、当該麺塊27の上の油揚げ(物品)を載置することを予定している。
【0040】
次に、第二コンベア装置11は第一コンベア1と垂直に交差しており、当該第二コンベア11には前記容器3に収納すべき油揚げ(物品)が物品収納枠体13のポケット部15に収納されており、紙面左方向に向かって搬送されている。
ロボットアーム21は3基配置されており、その先端部に12つの物品吸着部23を有しており、第二コンベア11から物品17を物品同士の位置関係を変えずに、同時に12個づつピックアップする。その後、当該ロボットアーム21の先端部が90°回転して保持された物品の列を90°回転させる。すなわち、第二コンベア11の搬送方向から第一コンベア1における容器3の搬送方向に一致させるように旋回する。
【0041】
当該旋回後において、第一コンベア1の搬送方向にロボットアーム21が当該ロボットアーム21手前の下に位置する第一コンベア1において搬送されている容器12つ(3列分×4)に油揚げを供給する。
このような第二コンベア11からの物品17のピックアップ→第一コンベア1の容器3への物品7(油揚げ)の供給が順次実施され、第一コンベア1の容器中に物品(油揚げ)が収納された状態となる。第一コンベア1での搬送は継続し、順次、他の物品17の供給等の工程や包装工程に移行し、即席カップ麺が生産される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12