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特許7119503光成端箱及び光配線接続状態管理システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-08
(45)【発行日】2022-08-17
(54)【発明の名称】光成端箱及び光配線接続状態管理システム
(51)【国際特許分類】
   G02B 6/46 20060101AFI20220809BHJP
   G02B 6/36 20060101ALI20220809BHJP
【FI】
G02B6/46
G02B6/36
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2018068056
(22)【出願日】2018-03-30
(65)【公開番号】P2019179134
(43)【公開日】2019-10-17
【審査請求日】2020-12-04
(73)【特許権者】
【識別番号】000005083
【氏名又は名称】日立金属株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002066
【氏名又は名称】弁理士法人筒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 香菜子
(72)【発明者】
【氏名】大越 幹夫
(72)【発明者】
【氏名】中谷 佳広
(72)【発明者】
【氏名】大貫 渉
【審査官】井部 紗代子
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2015/0060539(US,A1)
【文献】特開2004-165089(JP,A)
【文献】特許第6298547(JP,B1)
【文献】米国特許出願公開第2008/0152290(US,A1)
【文献】特開2013-007934(JP,A)
【文献】特開2013-070464(JP,A)
【文献】特開2016-161755(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 6/00
G02B 6/02
G02B 6/24 - 6/255
G02B 6/36 - 6/40
G02B 6/46 - 6/54
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の光ケーブルと第2の光ケーブルとを中継する第1の光アダプタが複数設けられた第1の光ケーブル接続パネルと、
前記第1の光アダプタから抜去され使われなくなった前記第2の光ケーブルを接続する第2の光アダプタが複数設けられた第2の光ケーブル接続パネルと、
前記第2の光アダプタごとに設けられ、対応する前記第2の光アダプタにおける前記第2の光ケーブルの接続状態を光ケーブル接続情報として検出する接続状態検出センサと、
を備え、
記第2の光ケーブルが前記第1の光アダプタから抜去されて前記第2の光アダプタに接続されると、当該抜去された前記第1の光アダプタが非接続状態であるとみなせるように、前記第2の光アダプタは、それぞれの前記第1の光アダプタに対応して設けられ、
前記接続状態検出センサは、それぞれの前記第2の光アダプタ付近に配置されている、
光成端箱(ただし、第2の光アダプタが第2の光ケーブルと他の光ケーブルとを中継する光成端箱は除く。)
【請求項2】
第1の光ケーブルと第2の光ケーブルとを中継する第1の光アダプタが複数設けられた第1の光ケーブル接続パネルと、
前記第1の光アダプタから抜去され使われなくなった前記第2の光ケーブルを接続する第2の光アダプタが複数設けられた第2の光ケーブル接続パネルと、
前記第2の光アダプタごとに設けられ、対応する前記第2の光アダプタにおける前記第2の光ケーブルの接続状態を光ケーブル接続情報として検出する接続状態検出センサと、
を備え、
記第2の光ケーブルが前記第1の光アダプタから抜去されて前記第2の光アダプタに接続されると、当該抜去された前記第1の光アダプタが非接続状態であるとみなせるように、前記第2の光アダプタは、それぞれの前記第1の光アダプタに対応して設けられ、
前記第2の光アダプタの配列は、前記第1の光アダプタの配列と対応している、
光成端箱(ただし、第2の光アダプタが第2の光ケーブルと他の光ケーブルとを中継する光成端箱は除く。)
【請求項3】
請求項1または2に記載の光成端箱において、
マスターユニットを備え、
前記マスターユニットは、前記接続状態検出センサが検出した前記光ケーブル接続情報を取得する、
光成端箱。
【請求項4】
請求項1乃至のいずれか1項に記載の光成端箱において、
前記第2の光ケーブル接続パネルは、少なくとも前記第1の光ケーブル接続パネルに設けられる前記第1の光アダプタと同数の前記第2の光アダプタが設けられる、
光成端箱。
【請求項5】
請求項3に記載の光成端箱と、
それぞれの前記第1の光アダプタにおける前記第2の光ケーブルの接続状態を監視する接続状態管理装置と、
を備え、
前記接続状態管理装置は、表示部を有し、前記光成端箱から送信される前記光ケーブル接続情報に基づいて、それぞれの前記第1の光アダプタにおける前記第2の光ケーブルの接続状態を前記表示部に表示する、
光配線接続状態管理システム。
【請求項6】
請求項に記載の光配線接続状態管理システムにおいて、
前記光成端箱は、前記マスターユニットと接続されるPoE(Power over Ethernet)ハブを備え、前記PoEハブを介して、前記接続状態管理装置と接続されている、
光配線接続状態管理システム。
【請求項7】
請求項に記載の光配線接続状態管理システムにおいて、
前記接続状態管理装置は、複数の前記光成端箱と接続されている、
光配線接続状態管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光成端箱及び光配線接続状態管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
データセンター等の建物間及び建物内には、数多くの光ケーブルが敷設されている。これらの光ケーブルを整理するため、建物内等の主要箇所には、光ケーブルの中継を行う光成端箱が設けられている。大規模な施設では、同一箇所に数個から数十個単位の光成端箱が設置される場合もある。このような光成端箱を介して、建物間やフロア間等における光配線が実現される。このような光成端箱として、例えば、以下の特許文献1が開示されている。
【0003】
特許文献1の光キャビネット(光成端箱)によれば、内部に配線される光ファイバの高密度化や、全体サイズの小型化等を実現することができる。具体的には、特許文献1の光キャビネットは、キャビネット本体に配線される光ファイバの余長を収納する余長収納具を備えている。この余長収納具には、マンドレル部とマンドレル部の周囲に1以上の開口部を確保しつつガイド壁との間に光ファイバ収納部が設けられている。光ファイバの余長は、光ファイバ収納部に巻くようにして収納される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2001-264549号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
光成端箱には、使わなくなった使用済みの光ケーブル(光コードとも言う)も収容されている。使用済みの光ケーブルはコネクタから取り外されるが、該当の光ケーブルがコネクタから取り外されたことを確認するため、作業者は現場まで出向き、該当の光ケーブルの接続状態を直接確認している。
【0006】
その際、光ケーブルの配線管理が十分でないと、使用済みの光ケーブルが抜去されずに取り付けられていたり、使用中のはずの光ケーブルが誤って抜去されていることがあった。
【0007】
また、光成端箱には、他の使用済みの光ケーブルも多数収容されており、これらの光ケーブルが妨げとなり、接続状態の確認作業に支障を来すこともある。
【0008】
そこで、本発明は、使用済みの光ケーブルの接続状態の確認作業及び光ケーブルの配線管理を容易に行うことが可能な光成端箱を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本願において開示される発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、以下のとおりである。
【0010】
本発明の代表的な実施の形態による光成端箱は、第1の光ケーブルと第2の光ケーブルとを中継する第1の光アダプタが複数設けられた第1の光ケーブル接続パネルと、第1の光アダプタごとに設けられ、対応する第1の光アダプタにおける第2の光ケーブルの接続状態を検出する接続状態検出センサと、第1の光アダプタから抜去された第2の光ケーブルを収容する第2の光アダプタが複数設けられた第2の光ケーブル接続パネルと、を備えている。
【発明の効果】
【0011】
本願において開示される発明のうち、代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば以下のとおりである。本発明の代表的な実施の形態によれば、使用済みの光ケーブルの接続状態の確認作業及び光ケーブルの配線管理を容易に行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の実施の形態1に係る光成端箱の構成の一例を示す斜視図である。
図2】本発明の実施の形態1に係る光ケーブル接続パネルの構成の一例を示す図である。
図3】本発明の実施の形態1に係る光アダプタブロックの構成の一例を示す図である。
図4】本発明の実施の形態1に係る光アダプタブロックの他の構成の例を示す図である。
図5】本発明の実施の形態1に係る光アダプタブロックの他の構成の例を示す図である。
図6】スイッチを有する光アダプタの構成の例を示す図である。
図7図6の光アダプタに光ケーブルが接続された状態を示す図である。
図8】本発明の実施の形態2に係る光成端箱の構成の一例を示す斜視図である。
図9】本発明の実施の形態2に係る使用済みの第2の光ケーブルの接続方法の例を示す図である。
図10】本発明の実施の形態3に係る光配線接続状態管理システムの構成の一例を示す図である。
図11】本発明の実施の形態3に係る光配線接続状態管理システムの構成の他の例を示す図である。
図12】接続状態管理装置に表示される表示画像の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の各実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。なお、開示はあくまでも一例にすぎず、当業者において、発明の主旨を保っての適宜変更について容易に想到し得るものについては、当然に本発明の範囲に含有されるものである。また、図面は説明をより明確にするため、実際の態様に比べ、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。
【0014】
また、本明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には、同一の符号を付して、詳細な説明を適宜省略することがある。
【0015】
(実施の形態1)
<光成端箱の構成>
図1は、本発明の実施の形態1に係る光成端箱の構成の一例を示す斜視図である。図2は、本発明の実施の形態1に係る光ケーブル接続パネルの構成の一例を示す図である。図3は、本発明の実施の形態1に係る光アダプタブロックの構成の一例を示す図である。
【0016】
図1に示すように、光成端箱100は、光ケーブル接続パネル(第1の光ケーブル接続パネル)10、光ケーブル接続パネル(第2の光ケーブル接続パネル)20、マスターユニット30、筐体80等を備えている。
【0017】
筐体80は、例えば直方体状に構成され、支持部90に載置されている。筐体80には、図示で手前側に開閉扉80aが設けられている。筐体80の内部には、光ケーブル接続パネル10,20、マスターユニット30等が収容されている。
【0018】
光ケーブル接続パネル10は、例えば、筐体80の左側面80b側に配置されている。具体的には、光ケーブル接続パネル10は、後述する光アダプタ保持基板11の主面が左側面80b又は右側面80cと対向するように配置されている。
【0019】
筐体80の天板80eの左側面80b側には、開口部85が形成されている。第1の光ケーブルは、開口部85を介して、光ケーブル接続パネル10と左側面80bとの間の空間に導入される。一方、筐体80の底板は開口されており、第2の光ケーブルは、支持部90及び底板の開口を介して、光ケーブル接続パネル10と光ケーブル接続パネル20との間の空間に導入される。
【0020】
<<光ケーブル接続パネル10>>
光ケーブル接続パネル10は、第1の光ケーブルと第2の光ケーブルとを中継するパネルである。光ケーブル接続パネル10は、図2に示すように、光アダプタ保持基板11と、複数の光アダプタブロック(第1の光アダプタブロック)15とを有する。光アダプタブロック15は、光アダプタ保持基板11に多段に配置されている。光ケーブル接続パネル10は、光アダプタ17が高密度に設けられる。例えば、光ケーブル接続パネル10には、約400芯に対応可能な個数の光アダプタ17が設けられる。
【0021】
光アダプタ保持基板11は、図1に示すように、筐体80の下部から上部に渡って延在している。光アダプタブロック15は、横一列に配列された一部の光アダプタ(第1の光アダプタ)17を一体で保持する部材である。図2~3で示される例では、光アダプタブロック15には、12個の光アダプタ17が設けられている。光アダプタブロック15は、固定部材15bにより、光アダプタ保持基板11に固定されている。図3に示すように、光アダプタブロック15は、支持部材15a、固定部材15b、及び一部の光アダプタ17からなる。
【0022】
図3に示す光アダプタ17は、第1の光ケーブル及び第2の光ケーブルの端末に取り付けられている光コネクタが共にLCコネクタの場合であって、LC/LCアダプタの例が示されている。図4図5は、本発明の実施の形態1に係る光アダプタブロックの他の構成の例を示す図である。図4では、第1の光ケーブル及び第2の光ケーブルの端末に取り付けられている光コネクタが共にUTP-JJコネクタの場合であって、UTP-JJアダプタの例が示されている。また、図5には、MPO/LCアダプタの例が示されている。これは、第2の光ケーブルの端末に取り付けられている光コネクタがLCコネクタであり、第1の光ケーブルの端末に取り付けられている光コネクタがMPOコネクタ(多芯光コネクタ)の場合である。LCアダプタとMPOアダプタとはMPO/LCアダプタの筐体内で光配線(図示しない)により接続されている。光ケーブル接続パネル10では、複数種類のアダプタが任意に組合わされてもよい。
【0023】
<<<接続状態検出センサ13a>>>
それぞれの光アダプタブロック15付近には、センサブロック(第1のセンサブロック)13が配置されている。センサブロック13は、対応するそれぞれの光アダプタブロック15付近に配置されている。センサブロック13は、例えば、固定部材15bにより、対応する光アダプタブロック15とともに、光アダプタ保持基板11に固定される。すなわち、センサブロック13は、対応する光アダプタブロック15に対し、着脱自在である。センサブロック13も、光アダプタブロック15とともに、多段に配置される。
【0024】
図2に示すように、センサブロック13には、第2の光ケーブルの接続状態を検出する一部の接続状態検出センサ13aが横一列に配列されている。このように、接続状態検出センサ13aは、光アダプタ17ごとに設けられ、対応する光アダプタ17における第2の光ケーブルの接続状態を検出する。
【0025】
接続状態検出センサ13aは、例えば、マスターユニット30から供給される電力により駆動する光センサである。光センサは、光アダプタ17側へ接続状態検出光を出射し、出射してから反射光の到達時間までの時間を測定する。そして、到達時間が所定の閾値時間以下であれば、光センサは、対応する光アダプタ17に光ケーブルが接続されていることを検出する。そして、マスターユニット30は、この接続状態であることを示す光ケーブル接続情報を取得する。一方、到達時間が所定の閾値時間を超えている場合、あるいは反射光が検出されない場合、光センサは、対応する光アダプタ17に光ケーブルが接続されていないことを検出する。そして、マスターユニット30は、この非接続状態であることを示す光ケーブル接続情報を取得する。
【0026】
図6は、スイッチを有する光アダプタの構成の例を示す図である。図7は、図6の光アダプタに光ケーブルが接続された状態を示す図である。また、接続状態検出センサ13aは、図6,7に示すように、スイッチ13bを備えてもよい。対応する光アダプタ17に光ケーブルが接続されると、スイッチ13bが図示で下方に押し込まれ、スイッチ13bがオンされる。そうすると、図示しない配線同士がスイッチ13bを介して導通状態となり、接続状態検出センサ13aは、光ケーブルが接続されていることを検出する。そして、マスターユニット30は、この接続状態であることを示す光ケーブル接続情報を取得する。一方、光ケーブルが接続されていないと、スイッチ13bは、下方に押し込まれないので、スイッチ13bはオフである。この場合、接続状態検出センサ13aは、光ケーブルが接続されていないことを検出する。そして、マスターユニット30は、この非接続状態であることを示す光ケーブル接続情報を取得する。
【0027】
図2に示すように、隣り合うセンサブロック13は、例えばフラットケーブル等の配線14により互いに接続されている。また、例えば、いずれかのセンサブロック13(例えば最下段のセンサブロック13)は、マスターユニット30と接続されている。したがって、それぞれの接続状態検出センサ13aが検出した光ケーブル接続情報は、最下段のセンサブロック13を介してマスターユニット30で取得される。
【0028】
<<光ケーブル接続パネル20>>
光ケーブル接続パネル20は、使用済みの第2の光ケーブルを収容するパネルである。光ケーブル接続パネル20は、光ケーブル接続パネル10の構成と類似している。光ケーブル接続パネル20は、図1に示すように、光アダプタ保持基板21と、複数の光アダプタブロック25とを有する。光アダプタブロック25は、光アダプタ保持基板21に多段に配置されている。
【0029】
光アダプタ保持基板21は、図1に示すように、筐体80の下部から上部に渡って延在している。例えば、光アダプタ保持基板21は、光アダプタ保持基板11と、互いの主面同士が対向するように設置される。
【0030】
光アダプタブロック25は、横一列に配列された一部の光アダプタ(第2の光アダプタ)を一体で保持する部材である。光アダプタブロック25は、固定部材により、光アダプタ保持基板21に固定されている。光アダプタブロック25に含まれる光アダプタは、図3~5に示す光アダプタと同様である。なお、光ケーブル接続パネル20の光アダプタは、光ケーブル接続パネル10のそれぞれの光アダプタ17に対応して設けられてもよい。
【0031】
作業者は、使用済みとなった第2の光ケーブルを、対応する光アダプタ17から引き抜く。そして、作業者は、引き抜いた第2の光ケーブルを、光ケーブル接続パネル20の光アダプタに接続する。
【0032】
<<マスターユニット30>>
光成端箱100は、後述するPoEハブを備えている。マスターユニット30は、UTP(Unshielded Twist Pair)ケーブルを介してPoEと接続される。また、PoEハブは、外部装置と接続される。
【0033】
マスターユニット30は、光成端箱100における各種制御を行う回路ブロックである。例えば、マスターユニット30は、PoEハブを介して外部装置から給電される。マスターユニット30は、それぞれの接続状態検出センサ13aに接続されている。マスターユニット30は、それぞれの接続状態検出センサ13aが検出した信号(光ケーブル接続情報)を取得し、取得した光ケーブル接続情報を、図示しない記憶装置に格納してもよいし、バッファリングしてもよい。また、マスターユニット30は、取得した光ケーブル接続情報に基づいて、接続されていない光アダプタ17を検出してもよい。また、マスターユニット30は、PoEハブを介して外部装置との間で各種情報の送受信を行う。
【0034】
また、マスターユニット30は、図示しない外部装置と接続されると、受信したそれぞれの光ケーブル接続情報を外部装置に送信してもよい。外部装置では、受信した光ケーブル接続情報に基づいて、接続されていない光アダプタ17を検出することが可能である。
【0035】
<<その他の構成>>
筐体80の背面80dには、複数の光ケーブル支持部87が設けられている。光ケーブル支持部87は、筐体80の背面80dから開閉扉に向かって延在している。複数の光ケーブル支持部87は、図1に示すように、鉛直方向に2列で配置されている。
【0036】
このうち、光ケーブル接続パネル10側に配置された光ケーブル支持部87は、主に、使用中の第2の光ケーブルが載置される。一方、光ケーブル接続パネル20側に配置された光ケーブル支持部87は、主に、使用済みの第2の光ケーブルが載置される。ただし、このような切り分けは便宜的なものであって、これに限定されるものではない。
【0037】
光ケーブル支持部87の上面は、曲面状になっており、光ケーブル支持部87に載置された光ケーブルに与えるダメージが軽減されている。
【0038】
筐体80の背面80dには、複数の光ケーブル結束部89が設けられている。光ケーブル結束部89は、筐体80内の複数の第2の光ケーブルをまとめて結束する。これにより、筐体80内の配線が整理され、接続状態の確認作業が効率的に行われる。
【0039】
<本実施の形態による主な効果>
本実施の形態によれば、使用済みの第2の光ケーブルは、対応する光アダプタ17から引き抜かれ、光ケーブル接続パネル20の光アダプタに接続される。この構成によれば、使用済みの光ケーブルが放置されないので、筐体80内の配線が整理され、使用済みとなった光ケーブルの接続状態の確認作業を容易に行うことが可能となる。
【0040】
また、本実施の形態によれば、光アダプタ17ごとに、第2の光ケーブルの接続状態を検出する接続状態検出センサ13aが設けられている。この構成によれば、それぞれの接続状態検出センサ13aが検出した光ケーブル接続情報に基づいて、光ケーブルが接続されていない光アダプタ17を検出することができる。これにより、光成端箱100から離れた場所にいても、各光アダプタ17の接続状態を認識することが可能となり、光ケーブルの配線管理が容易となる。
【0041】
また、本実施の形態によれば、光ケーブル接続パネル10において、光アダプタブロック15及びセンサブロック13が多段に設けられている。この構成によれば、多数の光アダプタの接続状態をセンシングすることが可能となり、接続状態の確認作業が効率化される。
【0042】
また、本実施の形態によれば、隣り合うセンサブロック13は、配線14により互いに接続されている。この構成によれば、マスターユニット30との接続が簡略化され、接続状態の確認作業が効率化される。
【0043】
また、本実施の形態によれば、接続状態検出センサ13aは光センサである。この構成によれば、光アダプタ17における接続状態を、光ケーブルと非接触で検出することが可能となる。
【0044】
また、本実施の形態によれば、マスターユニット30は、PoEハブを介して給電される。この構成によれば、光センサ等、多くの電力を必要とする装置を駆動させることが可能となる。また、接続状態検出センサ13aを設けるにあたり、新たな電気工事が不要である。
【0045】
(実施の形態2)
次に、実施の形態2について説明する。実施の形態では、光ケーブル接続パネル20側に接続状態検出センサが設けられる場合について説明する。なお、本実施の形態における光成端箱の構成は、実施の形態1における光成端箱100と類似しているので、以下では、主にこれと相違する箇所を説明する。
【0046】
図8は、本発明の実施の形態2に係る光成端箱の構成の一例を示す斜視図である。光ケーブル接続パネル10には、センサブロック13は設けられていない。したがって、本実施の形態の光ケーブル接続パネル10には、光アダプタ17がより高密度に設けられる。例えば、光ケーブル接続パネル10には、約800芯にも対応可能な個数の光アダプタ17が設けられる。
【0047】
なお、光ケーブル接続パネル20に設けられる光アダプタブロックは、図3に示す光アダプタブロック15と類似しているので、本図を援用しながら説明する。光ケーブル接続パネル20は、少なくとも光ケーブル接続パネル10に設けられる光アダプタ17と同数の光アダプタ(第2の光アダプタ)117が設けられる。光アダプタ117は、それぞれの光アダプタ17に対応して設けられる。光アダプタ117の配列は、対応する光アダプタ17の配列と同様である。
【0048】
作業者は、使用済みとなった第2の光ケーブルを、対応する光アダプタ17から取り外す。そして、作業者は、取り外した第2の光ケーブルを、光ケーブル接続パネル20の対応する光アダプタ117に接続する。
【0049】
図9は、本発明の実施の形態2に係る使用済みの第2の光ケーブルの接続方法の例を示す図である。図9には、光ケーブル接続パネル10,20の一部が示されている。作業者は、使用済みとなった手前側の第2の光ケーブルを光ケーブル接続パネル10側から抜去し、抜去した第2の光ケーブルを、同じ高さにある光ケーブル接続パネル20の手前側の光アダプタ117に接続する。
【0050】
接続状態検出センサは、それぞれの光アダプタ117に設置されている。接続状態検出センサとして、例えば、機械式スイッチあるいは光センサスイッチがあり、光アダプタ117の反対側(光ケーブル接続パネル20の背面側)に設けられる。また、すでに述べた図6図7のようなスイッチ構成も適用可能である。使用済みの第2の光ケーブルが、対応する光アダプタ117に接続されると、接続状態検出センサは、使用済みの第2の光ケーブルが接続されたことを検出する。すなわち、使用済みの第2の光ケーブルが抜去され、対応する光アダプタ17が非接続状態であることを示す光ケーブル接続情報を検出することができる。
【0051】
本実施の形態によれば、前述の実施の形態による効果に加え、以下の効果が得られる。本実施の形態によれば、光ケーブル接続パネル20の背面側に接続状態検出センサが設けられるので、光ケーブル接続パネル10において、光アダプタ17を高密度に設けることが可能となる。
【0052】
なお、本実施の形態では、光ケーブル接続パネル10に、センサブロック13が設けられていない例について説明したが、実施の形態1と同様に、光ケーブル接続パネル10に、センサブロック13を設けた構成としても良い。
【0053】
(実施の形態3)
次に、実施の形態3について説明する。実施の形態3では、光配線の接続状態を遠隔で管理するシステムについて説明する。
【0054】
図10は、本発明の実施の形態3に係る光配線接続状態管理システムの構成の一例を示す図である。図10に示すように、光配線接続状態管理システム500は、光成端箱100及び接続状態管理装置300を備えている。光配線接続状態管理システム500には、実施の形態1,2のいずれの光成端箱が用いられてもよい。
【0055】
図10には、光成端箱100における、センサブロック13及びマスターユニット30の詳細な構成が示されている。それぞれのセンサブロック13は、パラレル-シリアル変換回路13cを備えている。パラレル-シリアル変換回路13cは、接続状態検出センサ13aで検出されたパラレルデータの光ケーブル接続情報をシリアルデータに変換し、シリアルデータの光ケーブル接続情報をマスターユニット30へ出力する。
【0056】
マスターユニット30は、LANポート31、PoE電源部32、マイコン33、シリアルインタフェース34を備えている。LANポート31には、例えばUTPケーブルが接続される。LANポート31は、UTPケーブルを介してPoEハブ38と接続される。PoE電源部32は、PoEハブ38を介して供給される電力をマイコン33や、接続状態検出センサ13aへ供給する。
【0057】
マイコン33は、マスターユニット30内の各部の制御を行う。また、マイコン33は、シリアルインタフェース34を介して、それぞれの接続状態検出センサ13aで検出したシリアルデータの光ケーブル接続情報を取得する。そして、マイコン33は、取得した光ケーブル接続情報を、PoEハブ38を介して接続状態管理装置300へ送信する。
【0058】
接続状態管理装置300は、例えば、パソコン等の情報処理端末である。図10に示すように、接続状態管理装置300は、表示部310を有している。接続状態管理装置300は、光成端箱100から送信される光ケーブル接続情報に基づいて、それぞれの光アダプタ17における第2の光ケーブルの接続状態を表示部310に表示する。接続状態管理装置300は、例えば、接続状態管理ソフトウェアを起動し、第2の光ケーブルの接続状態を表示部310に表示する。
【0059】
図11は、本発明の実施の形態3に係る光配線接続状態管理システムの構成の他の例を示す図である。図11では、接続状態管理装置300が、複数の光成端箱100と接続された例が示されている。図11で示される光配線接続状態管理システム500では、実施の形態1,2の両方の光成端箱100が含まれてもよい。
【0060】
図12は、接続状態管理装置に表示される表示画像の一例を示す図である。図12に示すように、表示画像310aの左側は、キャビネット(光成端箱)の名称を表示する名称表示領域である。一方、表示画像310aの中央から右側は、名称表示領域において選択されたキャビネットにおける接続状態が表示される接続状態表示領域である。
【0061】
図12において、光コネクタ有と表示された箇所は、対応する光アダプタ17に光ケーブルが接続された状態であることが示されている。一方、光コネクタ無と表示された箇所は、対応する光アダプタ17に光ケーブルが接続されていない状態であることが示されている。
【0062】
また、この状態で、別のキャビネットが選択されると、接続状態表示領域には、新たに選択されたキャビネットにおける接続状態が表示される。
【0063】
本実施の形態によれば、それぞれの光アダプタ17における接続状態が、接続状態管理装置300に表示される。この構成によれば、遠隔地からでもそれぞれの光アダプタ17における接続状態を検出することが可能となり、接続状態の確認作業が効率的に行われる。
【0064】
また、本実施の形態によれば、接続状態管理装置300は、複数の光成端箱100と接続されている。この構成によれば、接続状態管理装置300は、複数の光成端箱100に対して、光ケーブルの接続状態を集中管理することが可能となる。これにより、接続状態の確認作業がより効率的に行われる。
【0065】
なお、本実施の形態において、各光アダプタ17、117の近傍にLED等の表示手段を設けておき、光ケーブルを抜去すべき光アダプタ17及び当該抜去した光ケーブルを接続すべき光アダプタ117に対応する位置の表示手段を点滅させることにより、作業者が各光アダプタ17からの抜去作業及び光アダプタへの接続作業を確実に行うことができる。
【0066】
以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
【符号の説明】
【0067】
10,20…光ケーブル接続パネル、13…センサブロック、13a…接続状態検出センサ、13b…スイッチ、15…光アダプタブロック、17,117…光アダプタ、30…マスターユニット、100…光成端箱、300…接続状態管理装置、500…光配線接続状態管理システム
図1
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図12