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特許7119508液体吐出装置、制御方法及び制御プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-08
(45)【発行日】2022-08-17
(54)【発明の名称】液体吐出装置、制御方法及び制御プログラム
(51)【国際特許分類】
   B41J 2/205 20060101AFI20220809BHJP
   B41J 2/01 20060101ALI20220809BHJP
【FI】
B41J2/205
B41J2/01 303
B41J2/01 401
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2018069592
(22)【出願日】2018-03-30
(65)【公開番号】P2019177657
(43)【公開日】2019-10-17
【審査請求日】2021-01-18
(73)【特許権者】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100089118
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 宏明
(72)【発明者】
【氏名】丸茂 大樹
(72)【発明者】
【氏名】田代 亮
【審査官】中村 博之
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-331649(JP,A)
【文献】特開平06-031921(JP,A)
【文献】特開2002-036514(JP,A)
【文献】特開平02-171248(JP,A)
【文献】特開平03-045349(JP,A)
【文献】特開2005-246641(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41J 2/01-2/215
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体を吐出する液体吐出ヘッドと、
前記液体吐出ヘッドを搭載したキャリッジと、
前記液体の吐出量が変化する周波数領域の範囲で、前記液体吐出ヘッドを駆動する駆動周波数を、前記キャリッジの主走査方向における往復走査のうち一方の走査第1値に制御し、前記往復走査のうち他方の走査で前記第1値より小さい第2値に制御する駆動周波数制御部と、
前記往復走査のうち前記駆動周波数が小さい方の走査における前記キャリッジの移動速度を、前記往復走査のうち前記駆動周波数が大きい方の走査における前記キャリッジの移動速度より遅くする移動制御部と
を有することを特徴とする液体吐出装置。
【請求項2】
前記駆動周波数制御部は、所定数のラインごとに、前記往復走査で前記駆動周波数を異なる値に制御する
ことを特徴とする請求項1に記載の液体吐出装置。
【請求項3】
液体吐出装置において実行される制御方法であって、
体の吐出量が変化する周波数領域の範囲で、液体を吐出する液体吐出ヘッドを駆動する駆動周波数を、前記液体吐出ヘッドを搭載したキャリッジの主走査方向における往復走査のうち一方の走査第1値に制御し、前記往復走査のうち他方の走査で前記第1値より小さい第2値に制御するステップと、
前記往復走査のうち前記駆動周波数が小さい方の走査における前記キャリッジの移動速度を、前記往復走査のうち前記駆動周波数が大きい方の走査における前記キャリッジの移動速度より遅くするステップと
を含むことを特徴とする制御方法。
【請求項4】
コンピュータに、
液体の吐出量が変化する周波数領域の範囲で、液体を吐出する液体吐出ヘッドを駆動する駆動周波数を、前記液体吐出ヘッドを搭載したキャリッジの主走査方向における往復走査のうち一方の走査第1値に制御し、前記往復走査のうち他方の走査で前記第1値より小さい第2値に制御するステップと、
前記往復走査のうち前記駆動周波数が小さい方の走査における前記キャリッジの移動速度を、前記往復走査のうち前記駆動周波数が大きい方の走査における前記キャリッジの移動速度より遅くするステップと
を実行させるための制御プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体吐出装置、制御方法及び制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、インクジェットヘッドからインクを吐出させて、双方向印刷を行なうインクジェット記録装置が知られている。例えば、特許文献1(特開2000-296648号公報)では、双方向印刷を行なう際に、往路と復路とで駆動信号の周波数を変化させることでインク吐出のタイミングをずらし、記録位置のずれを調整する技術が開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、従来技術は、インクの吐出量が変化する周波数領域で駆動周波数を変化させていないため、インク滴のサイズを小さくすることができず、画質を向上させることは困難である。また、画質を向上させるために、双方向印刷において低速でキャリッジを動作させることが考えられるが、生産性が低下してしまう。
【0004】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、生産性を確保しつつ画質を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述した課題を解決し、目的を達成するため、本発明に係る液体吐出装置は、液体を吐出する液体吐出ヘッドと、前記液体吐出ヘッドを搭載したキャリッジと、前記液体の吐出量が変化する周波数領域の範囲で、前記液体吐出ヘッドを駆動する駆動周波数を、前記キャリッジの主走査方向における往復走査のうち一方の走査第1値に制御し、前記往復走査のうち他方の走査で前記第1値より小さい第2値に制御する駆動周波数制御部と、前記往復走査のうち前記駆動周波数が小さい方の走査における前記キャリッジの移動速度を、前記往復走査のうち前記駆動周波数が大きい方の走査における前記キャリッジの移動速度より遅くする移動制御部とを有する。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、生産性を確保しつつ画質を向上させることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は、実施の形態1に係る液体吐出装置の機構部の例を示す平面図である。
図2図2は、実施の形態1に係る液体吐出装置の要部側面の例を示す図である。
図3図3は、実施の形態1に係る液体吐出装置の装置構成例を示すブロック図である。
図4図4は、実施の形態1に係る液体吐出装置の機能構成例を示すブロック図である。
図5図5は、実施の形態1に係るインク滴量と駆動周波数との関係の例を示す図である。
図6図6は、実施の形態1に係る液体吐出ヘッドによって吐出されるインク滴のドットの大きさの例を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下に添付図面を参照して、本発明に係る液体吐出装置、制御方法及び制御プログラムの実施の形態を説明する。以下の実施の形態により本発明が限定されるものではない。
【0009】
(実施の形態1)
図1は、実施の形態1に係る液体吐出装置100の機構部の例を示す平面図である。図2は、実施の形態1に係る液体吐出装置100の要部側面の例を示す図である。
【0010】
図1に示すように、液体吐出装置100は、ガイド部材11と、駆動プーリ12と、従動プーリ13と、タイミングベルト14と、側板15Aと、側板15Bと、背板15Cと、キャリッジ160と、液体吐出ヘッド165と、主走査モータ140とを有する。
【0011】
ガイド部材11は、液体吐出装置100本体の左右の側板(側板15A及び側板15B)に架け渡され、キャリッジ160を主走査方向に移動可能に保持している。タイミングベルト14は、駆動プーリ12と従動プーリ13との間に架け渡されており、一部がキャリッジ160に固定又は接触している。そして、背板15C側に搭載された主走査モータ140が駆動することで、キャリッジ160が主走査方向(すなわち、キャリッジ移動方向)に往復移動する。
【0012】
キャリッジ160は、液体吐出ヘッド165を備える。例えば、液体吐出ヘッド165は、圧電素子等の圧電アクチュエータ、発熱抵抗体等の電気熱変換素子を用いて液体の膜沸騰に相変化を利用するサーマルアクチュエータを用いることができる。
【0013】
図2に示すように、液体吐出ヘッド165の下部は、キャリッジ160から露出して、搬送ベルト170に対向するように配置される。また、液体吐出ヘッド165は、記録素子(ノズル)を複数配列したノズル列を備える。
【0014】
図2に示すように、液体吐出装置100は、搬送ベルト170と、搬送ローラ21と、テンションローラ22とを備える。搬送ベルト170は、シート材等の被吐出物を吸着して液体吐出ヘッド165に対向する位置で搬送する搬送手段である。搬送ベルト170は、無端状ベルトであり、搬送ローラ21とテンションローラ22との間に架け渡されている。後述する副走査モータ150が搬送ローラ21を回転駆動させることにより、搬送ベルト170が副走査方向に周回移動し、搬送ベルト170上のシート材等が副走査方向に搬送される。
【0015】
以上で説明した液体の吐出方法と、キャリッジ160の主走査方向への移動と、シート材等の副走査方向への移動とを組み合わせることで、シート材等に画像形成(液体塗布面を形成)することができる。より具体的には、キャリッジ160を主走査方向に移動させながら、液体吐出ヘッド165を駆動することにより、停止しているシート材等に液体を吐出して1行分の画像を記録する。ここで、マルチパスによる画像形成の場合は、少なくとも、往路と復路とで1行分の画像が記録される。次に、シート材等を副走査方向に所定量移動させた後、次の行の記録を行なう。これらを繰り返すことにより、シート材全体に画像形成することができる。
【0016】
図3は、実施の形態1に係る液体吐出装置100の装置構成例を示すブロック図である。
【0017】
図3に示すように、制御部120は、CPU(Central Processing Unit)121と、ROM(Read Only Memory)122と、RAM(Random Access Memory)123とを有する。CPU121は、液体吐出装置100全体の制御を行なう。ROM122は、CPU121が実行するプログラム等の固定データを記憶する。RAM123は、画像データ等を一時的に記憶する。
【0018】
制御部120は、NVRAM(Non‐Volatile RAM)124と、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)125とを有する。NVRAM124は、液体吐出装置100の電源が遮断されている間もデータを保持する不揮発性メモリである。ASIC125は、画像データに対する各種信号処理、並び替え等を行なう画像処理や、その他、液体吐出装置100全体を制御するための入出力信号を処理する。
【0019】
制御部120は、印刷制御部127を有する。キャリッジ160は、液体吐出ヘッド165を備える。印刷制御部127は、液体吐出ヘッド165を駆動するためのデータをヘッドドライバ130へ転送する。ヘッドドライバ130は、キャリッジ160に設けられた液体吐出ヘッド165を駆動し、液体吐出ヘッド165から液体を吐出させる。
【0020】
制御部120は、モータ駆動部128を有する。モータ駆動部128は、主走査モータ140や副走査モータ150を駆動させる。主走査モータ140は、駆動により、キャリッジ160を移動走査させる。副走査モータ150は、駆動により、搬送ベルト170を周回移動させる。
【0021】
制御部120は、I/O129を有する。I/O129は、センサ190からの情報を取得し、液体吐出装置100本体の各部の制御に利用される情報を抽出する。例えば、センサ190は、フォトセンサや温度センサ、エンコーダセンサ等のセンサ群に対応する。操作パネル180は、各種情報の入力や出力を行なう。
【0022】
制御部120は、ホストI/F126を有する。ホストI/F126は、ホスト側との間でデータや信号の送受信を行なう。具体的には、クライアントPC等の情報処理装置、画像読取装置、撮像装置等のホストのプリンタドライバ110側から、ケーブル又はネットワークを介してデータや信号の送受信を行なう。CPU121は、ホストI/F126に含まれる受信バッファ内の印刷データを読み出して解析する。そして、ASIC125にて画像処理やデータの並び替え処理等が行なわれ、画像データが印刷制御部127からヘッドドライバ130に転送される。
【0023】
印刷制御部127は、画像データをシリアルデータで転送するとともに、画像データの転送に要する転送クロックやラッチ信号、制御信号等をヘッドドライバ130に出力する。ヘッドドライバ130は、シリアルに入力される液体吐出ヘッド165の1行分に相当する画像データに基づいて、印刷制御部127から与えられる駆動波形を構成する駆動パルスを、液体吐出ヘッド165の圧力発生手段に対して選択的に与える。これにより、液体吐出ヘッド165が駆動され、液体が吐出される。なお、駆動波形を構成するパルスの一部又は全部、パルスを形成する波形用要素の一部又は全部を選択することによって、例えば、大滴、中滴、小滴等の大きさの異なるドットを打ち分けることができる。
【0024】
図4は、実施の形態1に係る液体吐出装置100の機能構成例を示すブロック図である。
【0025】
図4に示すように、液体吐出装置100は、駆動周波数制御部101と、移動制御部102とを有する。
【0026】
駆動周波数制御部101は、液体の吐出量が変化する周波数領域の範囲で、液体吐出ヘッド165を駆動する駆動周波数を、キャリッジ160の主走査方向における往復走査で異なる値に制御する。上述したように、液体吐出ヘッド165は、大滴、中滴、小滴等の大きさの異なるドットを打ち分けることができる。駆動周波数制御部101は、このようなドットの打ち分けに加え、液体の吐出量が変化する周波数領域の範囲で、キャリッジ160の主走査方向の往路と復路とで、液体吐出ヘッド165を駆動する駆動周波数を異なる値に制御する。
【0027】
図5は、実施の形態1に係るインク滴量と駆動周波数との関係の例を示す図である。なお、図5に示すインク滴量は、上述した大滴、中滴、小滴等の大きさの異なるドットの打ち分けとは異なるものである。例えば、大滴を吐出する場合であっても、駆動周波数を変化させることで、大滴よりも小さいドット(但し、中滴よりも大きいドット)を吐出できることを意味する。
【0028】
図5に示すように、液体吐出ヘッド165から吐出されるインク滴量は、液体吐出ヘッド165の駆動周波数に応じて変化する。例えば、図5では、10kHz~20kHz付近の駆動周波数が、インク滴量(液体の吐出量)が変化する周波数領域の範囲となる。詳細には、駆動周波数が15kHzのときのインク滴量は、駆動周波数が20kHzのときのインク滴量よりも少なくなる。これらから、例えば大滴を吐出する場合は、駆動周波数を20kHzに制御すると、そのままの大きさの大滴を吐出することになるが、駆動周波数を15kHzに制御すると、大滴よりも小さい滴を吐出することができる。
【0029】
このような関係から、駆動周波数制御部101は、例えばキャリッジ160の主走査方向における往路で駆動周波数を20kHzに制御し、復路で駆動周波数を15kHzに制御する。かかる場合は、往路よりも復路のインク滴量が少なくなり、より小さいドットの滴を吐出することができる。より小さいドットの滴を吐出できれば、粒状性を向上させることができ、画質の向上につながる。なお、より小さいドットの滴を吐出するのは、往路及び復路の何れであっても良い。すなわち、駆動周波数制御部101は、キャリッジ160の主走査方向における往路で駆動周波数を15kHzに制御し、復路で駆動周波数を20kHzに制御しても良い。
【0030】
移動制御部102は、駆動周波数に基づいて、キャリッジ160の往復走査での移動速度を制御する。より具体的には、移動制御部102は、駆動周波数制御部101によって制御される駆動周波数に基づいて、キャリッジ160の往路と復路との移動速度を制御する。駆動周波数制御部101によって液体吐出ヘッド165の駆動周波数が制御された場合は、液体吐出ヘッド165から吐出されるインク滴量が変化するとともに、インクを吐出する時間幅も変化する。例えば、駆動周波数を小さくするほど、インクを吐出する時間幅が長くなる。
【0031】
従って、移動制御部102は、例えば駆動周波数制御部101によってキャリッジ160の主走査方向における往路で駆動周波数を20kHzに制御され、復路で駆動周波数を15kHzに制御された場合、往路よりも復路におけるキャリッジ160の移動速度を遅くするように制御する。つまり、移動制御部102は、駆動周波数制御部101による駆動周波数の制御に合わせて、キャリッジ160の移動速度を制御する。なお、駆動周波数を往路と復路とで異なる値に制御することに応じて、キャリッジ160の移動速度を遅くするようにする経路が発生するものの、往路と復路との全ての経路でキャリッジ160の移動速度を遅くしているわけではないため、ある程度の生産性は確保できる。
【0032】
この点、生産性を向上させるために、上述した処理を所定数のラインごとに実施するようにしても良い。具体的には、駆動周波数制御部101は、所定数のラインごとに、キャリッジ160の往復走査で駆動周波数を異なる値に制御しても良い。例えば、駆動周波数制御部101は、3ラインごとに、キャリッジ160の往復走査で駆動周波数を異なる値に制御する。つまり、所定数のラインごとに、より小さいドットの滴を吐出することができるため、全体として画質を向上させることができる。
【0033】
図6は、実施の形態1に係る液体吐出ヘッド165によって吐出されるインク滴のドットの大きさの例を説明する図である。なお、図6では、往路よりも復路における駆動周波数が小さい場合を例に挙げる。
【0034】
例えば、図6に示すように、往路よりも復路における駆動周波数が小さい場合は、キャリッジ160の主走査方向における往路と復路とで、大滴、中滴及び小滴の何れかの滴サイズで吐出しても、往路よりも復路の方が小さい滴サイズのドットが吐出されることになる。
【0035】
上述したように、液体吐出装置100は、キャリッジ160の主走査方向の往復走査で、液体吐出ヘッド165の駆動周波数を異なる値に制御し、駆動周波数に応じてキャリッジ160の移動速度を制御する。この結果、液体吐出装置100は、生産性を確保しつつ画質を向上させることができる。
【0036】
また、液体吐出装置100は、所定数のラインごとに、キャリッジ160の往復走査で駆動周波数を異なる値に制御するので、生産性をより向上させつつ、一定の画質を確保することができる。
【0037】
上記文書中や図面中等で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各種のデータやパラメータ等を含む情報は、特記する場合を除いて任意に変更することができる。また、図示した装置の各構成要素は、機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、装置の分散又は統合の具体的形態は、図示のものに限られず、その全部又は一部を各種の負担や使用状況等に応じて、任意の単位で機能的又は物理的に、分散又は統合することができる。
【0038】
また、液体吐出装置100で実行される制御プログラムは、一つの様態として、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD-ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD-R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録されて提供される。また、液体吐出装置100で実行される制御プログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成しても良い。また、液体吐出装置100で実行される制御プログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供又は配布するように構成しても良い。また、液体吐出装置100で実行される制御プログラムを、ROM等に予め組み込んで提供するように構成しても良い。
【0039】
液体吐出装置100で実行される制御プログラムは、上述した各部(駆動周波数制御部101、移動制御部102)を含むモジュール構成となっており、実際のハードウェアとしてはCPU(プロセッサ)が記憶媒体から制御プログラムを読み出して実行することにより、上記各部が主記憶装置上にロードされ、駆動周波数制御部101、移動制御部102が主記憶装置上に生成されるようになっている。
【0040】
また、上記実施の形態で説明した液体吐出装置100は、液体吐出ヘッド又は液体吐出ユニットを備え、液体吐出ヘッドを駆動させて、液体を吐出させる装置である。液体を吐出する装置には、液体が付着可能なものに対して液体を吐出することが可能な装置だけではなく、液体を気中や液中に向けて吐出する装置も含まれる。
【0041】
このような液体吐出装置100は、液体が付着可能なものの給送、搬送、排紙にかかわる手段、その他、前処理装置、後処理装置等も含むことができる。
【0042】
例えば、液体吐出装置100として、インクを吐出させて用紙に画像を形成する装置である画像形成装置、立体造形物(三次元造形物)を造形するために、紛体を層状に形成した紛体層に造形液を吐出させる立体造形装置(三次元造形装置)がある。
【0043】
また、液体吐出装置100は、吐出された液体によって文字、図形等の有意な画像が可視化されるものに限定されるものではない。例えば、それ自体意味を持たないパターン等を形成するもの、三次元像を造形するものも含まれる。
【0044】
上記の「液体が付着可能なもの」とは、液体が少なくとも一時的に付着可能なものであって、付着して固着するもの、付着して浸透するもの等を意味する。具体例としては、用紙、記録紙、記録用紙、フィルム、布等の被記録媒体、電子基板、圧電素子等の電子部品、紛体層(粉末層)、臓器モデル、検査用セル等の媒体であり、特に限定しない限り、液体が付着する全てのものが含まれる。
【0045】
上記の「液体が付着可能なもの」の材質は、紙、糸、繊維、布帛、皮革、金属、プラスチック、ガラス、木材、セラミックス等、液体が一時的にでも付着可能であれば良い。
【0046】
また、「液体」は、ヘッドから吐出可能な粘度や表面張力を有するものであれば良く、特に限定されないが、常温、常圧下において、又は加熱、冷却により粘度が30mPa・s以下となるものであることが好ましい。より具体的には、水や有機溶媒等の溶媒、染料や顔料等の着色剤、重合性化合物、樹脂、界面活性剤等の機能性付与材料、DNA、アミノ酸やたんぱく質、カルシウム等の生体適合材料、天然色素等の可食材料、等を含む溶液、懸濁液、エマルジョン等であり、これらは例えば、インクジェット用インク、表面処理液、電子素子や発光素子の構成要素や電子回路レジストパターンの形成用液、3次元造形用材料液等の用途で用いることができる。
【0047】
また、液体吐出装置100は、液体吐出ヘッドと液体が付着可能なものとが相対的に移動する装置があるが、これに限定するものではない。具体例としては、液体吐出ヘッドを移動させるシリアル型装置、液体吐出ヘッドを移動させないライン型装置等が含まれる。
【0048】
また、液体吐出装置100としては他にも、用紙の表面を改質する等の目的で用紙の表面に処理液を塗布するために処理液を用紙に吐出する処理液塗布装置、原材料を溶液中に分散した組成液を、ノズルを介して噴射させて原材料の微粒子を造粒する噴射造粒装置等がある。
【符号の説明】
【0049】
100 液体吐出装置
101 駆動周波数制御部
102 移動制御部
160 キャリッジ
165 液体吐出ヘッド
【先行技術文献】
【特許文献】
【0050】
【文献】特開2000-296648号公報
図1
図2
図3
図4
図5
図6