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特許7119590印刷方法、印刷装置、収容容器セット、及び印刷物
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-08
(45)【発行日】2022-08-17
(54)【発明の名称】印刷方法、印刷装置、収容容器セット、及び印刷物
(51)【国際特許分類】
   B41M 5/00 20060101AFI20220809BHJP
   B41J 2/01 20060101ALI20220809BHJP
   C09D 11/30 20140101ALI20220809BHJP
   C09D 11/54 20140101ALI20220809BHJP
【FI】
B41M5/00 132
B41J2/01 123
B41J2/01 501
B41M5/00 100
B41M5/00 112
B41M5/00 120
C09D11/30
C09D11/54
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2018104734
(22)【出願日】2018-05-31
(65)【公開番号】P2019209500
(43)【公開日】2019-12-12
【審査請求日】2021-02-08
(73)【特許権者】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(72)【発明者】
【氏名】小谷野 正行
(72)【発明者】
【氏名】廣川 悠哉
(72)【発明者】
【氏名】藤田 卓也
【審査官】高橋 純平
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-016556(JP,A)
【文献】特開2010-194998(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0364548(US,A1)
【文献】特開2018-012319(JP,A)
【文献】特開2008-230161(JP,A)
【文献】特開2000-127607(JP,A)
【文献】特開2015-232141(JP,A)
【文献】韓国登録特許第10-0661564(KR,B1)
【文献】特開2018-12319(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41M 5/00- 5/52
B41J 2/01
B41J 2/165-2/215
C09D 11/00-13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
非吸収性記録媒体に対し、水不溶性可塑剤を含有する前処理液を付与する前処理液付与工程と、
付与された前記前処理液により形成された液層である前処理層に対し、色材と水を含有する色材インクを付与する色材インク付与工程と、を含み、
前記水不溶性可塑剤は、フタル酸ジイソノニル、またはアジピン酸ジ-2-エチルヘキシルを含む印刷方法。
【請求項2】
前記前処理液付与工程は、前記前処理液をインクジェットヘッドから吐出させる工程である請求項1に記載の印刷方法。
【請求項3】
非吸収性記録媒体に対し、水を含有し、色材を含有しない透明インクを付与する透明インク付与工程を含み、
前記透明インクを付与することにより形成される透明画像領域は、前記色材インクを付与することにより形成される色材画像領域に隣接する請求項1又は2に記載の印刷方法。
【請求項4】
前記色材インク付与工程は、前記色材インクをインクジェットヘッドから吐出させる工程である請求項1乃至3のいずれか一項に記載の印刷方法。
【請求項5】
前記非吸収性記録媒体の前記前処理液を付与される領域は、ポリ塩化ビニルを含む請求項1乃至4のいずれか一項に記載の印刷方法。
【請求項6】
前記色材インクは、ポリウレタン系樹脂粒子を含有し、
前記ポリウレタン系樹脂粒子の含有量は、前記色材インクに対して1.0質量%以上15.0質量%以下である請求項1乃至5のいずれか一項に記載の印刷方法。
【請求項7】
前記前処理液は、水を実質的に含まない請求項1乃至6のいずれか一項に記載の印刷方法。
【請求項8】
水不溶性可塑剤を含有する前処理液と、
色材と水を含有する色材インクと、
非吸収性記録媒体に対し、前記前処理液を付与する前処理液付与手段と、
付与された前記前処理液により形成された液層である前処理層に対し、前記色材インクを付与する色材インク付与手段と、を含み、
前記水不溶性可塑剤は、フタル酸ジイソノニル、またはアジピン酸ジ-2-エチルヘキシルを含む印刷装置。
【請求項9】
非吸収性記録媒体に対して付与され、水不溶性可塑剤を含有する前処理液を有する前処理液収容容器と、
付与された前記前処理液により形成された液層である前処理層に対して付与され、色材と水を含有する色材インクを有する色材インク収容容器と、し、
前記水不溶性可塑剤は、フタル酸ジイソノニル、またはアジピン酸ジ-2-エチルヘキシルを有する収容容器セット。
【請求項10】
非吸収性記録媒体と、前記非吸収性記録媒体上に形成され水不溶性可塑剤を含有する水不溶性可塑剤含有層と、前記水不溶性可塑剤含有層上に形成され色材を含有する色材含有層と、を有し、
前記水不溶性可塑剤は、フタル酸ジイソノニル、またはアジピン酸ジ-2-エチルヘキシルを有し、
前記色材含有層の表面における20度光沢度が30以上である印刷物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷方法、印刷装置、収容容器セット、及び印刷物に関する。
【背景技術】
【0002】
産業用途の印刷では、フィルムなどの非吸収性基材に対し、水性インクをインクジェット記録方式で吐出して画像を形成する方法が知られている。
【0003】
特許文献1には、プラスチック等の材料よりなる支持体上に色材受容層を有するインクジェット記録用シートを、酸性溶液で浸漬・乾燥後、インク滴を記録信号に応じて吐出させ、記録用シート上に画像を記録するインクジェット記録方法が開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、プラスチック等の非吸収性記録媒体に対して色材と水を含有する色材インクを付与して印刷を行う場合、非吸収性記録媒体に付与された色材インク中の水などの溶媒を蒸発させるために、加熱乾燥を行う工程が行われる。このとき、加熱乾燥に伴って非吸収性記録媒体上のドットが凹凸を生じ、このドットにより形成される画像の光沢度が低下する課題がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に係る発明は、非吸収性記録媒体に対し、水不溶性可塑剤を含有する前処理液を付与する前処理液付与工程と、付与された前記前処理液により形成された液層である前処理層に対し、色材と水を含有する色材インクを付与する色材インク付与工程と、を含み、前記水不溶性可塑剤は、フタル酸ジイソノニル、またはアジピン酸ジ-2-エチルヘキシルを含む印刷方法である。
【発明の効果】
【0006】
本発明の印刷方法は、画像の光沢度の低下を抑制する優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は、本発明の印刷装置の一例を示す側面説明図である。
図2図2は、本発明の印刷装置の一例を示す要部平面説明図である。
図3図3は、本発明の印刷装置の一例を示す平面説明図である。
図4図4は、本発明の印刷装置の一例を示す側面説明図である。
図5図5は、本発明の印刷装置の一例を示す要部平面説明図である。
図6図6は、本発明の印刷装置の一例を示す平面説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の実施形態について説明する。
【0009】
[印刷方法]
本実施形態の印刷方法は、前処理液付与工程、及び色材インク付与工程を含む。また、必要に応じて、透明インク付与工程、及び加熱工程などの他の工程を含むことが好ましい。
【0010】
<<前処理液付与工程>>
前処理液付与工程は、色材インク付与工程の前において、非吸収性記録媒体に対し、水不溶性可塑剤を含有する前処理液を付与する工程である。非吸収性記録媒体に付与された前処理液は前処理層を形成する。前処理液付与工程後に、液層である前処理層上に付与される色材インクは、前処理層と相溶しにくいため、前処理層上を濡れ広がり、均一で平滑なドット(色材インク層)を形成する。これにより、非吸収性記録媒体上の色材インクにより形成されるドットが加熱乾燥に伴って凹凸を生じることが抑制され、このドットにより形成される画像の光沢度の低下が抑制される。
【0011】
また、前処理液付与工程は、非吸収性記録媒体の記録面全体に前処理液を付与する工程、及び非吸収性記録媒体の色材インクを付与する領域などに選択的に前処理液を付与する工程など、いずれの工程であってもよいが、選択的に前処理液を付与する工程であることが好ましい。この工程であることにより、前処理液の使用量を少なくすることができ、前処理液及び色材インクの加熱乾燥に要するエネルギー量を減らすことができ、簡易な加熱工程により前処理液及び色材インクを乾燥させることができる。記録面全体に前処理液を付与する場合、ローラ塗布方式で前処理液を付与することが好ましい。選択的に前処理液を付与する場合、インクジェット方式で前処理液を付与することが好ましい。インクジェット方式で前処理液を付与することで、前処理液を付与した後に付与される色材インクが付与される場所に対して正確に前処理液を付与することができる。また、インクジェット方式で前処理液を付与することで、前処理液が必要な部分のみに対して付与することができる。これにより、前処理液の使用量を低減した印刷方法を提供することができる。また、インクジェット方式による前処理液の付与方法を用いることで、ローラ塗布方式に比べて、均一な前処理層を形成することができるため、画像の光沢度の低下をより抑制することができる。
【0012】
<非吸収性記録媒体>
非吸収性記録媒体とは、水透過性、吸収性が低い表面を有する記録媒体であり、内部に多数の空洞があっても外部に開口していない材質も含まれ、より定量的には、ブリストー(Bristow)法において接触開始から30msec1/2までの水吸収量が10mL/m以下である記録媒体をいう。非吸収性記録媒体の形状としては、例えば、フィルム状、シート状、ボード状などであることが好ましいが、これらに限定されない。
非吸収性記録媒体を構成する材料としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリ塩化ビニル、ポリウレタン、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリプロピレンなどから選ばれる材料、これら材料を複数種類組み合わせた材料等が挙げられる。これらの中でも、前処理液を付与される領域にポリ塩化ビニルを含む非吸収性記録媒体が好ましく、非吸収性記録媒体の印刷可能な領域、又は非吸収性記録媒体全体がポリ塩化ビニルを含むことがより好ましい。
また、非吸収性記録媒体は可塑剤を含むことが好ましく、非吸収性記録媒体を構成する材料がポリ塩化ビニルである場合に可塑剤を含むことがより好ましい。
【0013】
<前処理液>
前処理液は、水不溶性可塑剤を含む。また、例えば、前処理液の濃度や粘度を調整することを目的として、有機溶剤、オイル類、樹脂、安定化剤、及び界面活性剤等のその他添加剤などを含んでいてもよい。
また、前処理液は、水を実質的に含まないことが好ましい。「水を実質的に含まない」とは、前処理液中における水の含有量が1.0質量%以下であることであり、0.5質量%以下であることが好ましく、0.1質量%以下であることがより好ましく、含有しないことが更に好ましい。前処理液が水を実質的に含まないことで、前処理層上に水を含む色材インクが付与されたときに、前処理層に色材インクが混ざって浸透することが抑制される。これにより、色材インクが前処理層上を濡れ広がり、均一で平滑なドット(色材インク層)を形成し、画像の光沢度の低下がより抑制される。
【0014】
(水不溶性可塑剤)
水不溶性可塑剤は、非吸収性記録媒体を構成する熱可塑性樹脂等に付与されることで、非吸収性記録媒体の柔軟性や耐候性などを改良する添加剤である。また、本実施形態において、「水不溶性」とは、25℃の水に対する溶解度が0.01mg/L未満の可塑剤のことを示す。本実施形態では、水不溶性可塑剤を前処理液に含有させて非吸収性記録媒体に付与し、液層である前処理層上に色材インクを付与する。これにより、水不溶性可塑剤を塗布して乾燥させた非吸収性記録媒体を事前に用意して色材インクを付与する場合に比べて、画像の光沢度の低下を抑制することができる効果を得られる。
【0015】
水不溶性可塑剤としては、例えば、アジピン酸ジ-2-エチルヘキシル(DOA)、アジピン酸ジイソノニル(DINA)等のアジピン酸エステル類、フタル酸ジ-2-エチルヘキシル(DOP)、フタル酸ジイソノニル(DINP)等のフタル酸エステル類、フマル酸ジ-2-エチルヘキシル(DOF)等のフマル酸エステル類、トリメリット酸トリ-2-エチルヘキシル(TOTM)等のトリメリット酸エステル類などが挙げられ、これらの中でも、アジピン酸ジ-2-エチルヘキシル(DOA)、フタル酸ジイソノニル(DINP)が好ましい。なお、これらの水不溶性可塑剤を含む前処理液を、可塑剤を含む非吸収性記録媒体に付与する場合、前処理液と非吸収性記録媒体との相性がよくなり、均一な前処理層を設けることができるため好ましい。これにより、画像の光沢度の低下をより抑制することができる。また、非吸収性記録媒体がポリ塩化ビニルであって可塑剤を含む場合、より相性が良くなるため好ましい。
【0016】
また、水不溶性可塑剤の含有量は、前処理液に対して20質量%以上100質量%以下であることが好ましく、50質量%以上100質量%以下であることがより好ましく、60質量%以上100質量%以下であることが更に好ましく、70質量%以上100質量%以下であることが特に好ましい。水不溶性可塑剤の含有量が20質量%以上100質量%以下であることにより、非吸収性記録媒体上の色材インクにより形成されるドットが加熱乾燥に伴って凹凸を生じることが抑制され、このドットにより形成される画像の光沢度の低下が抑制される。
【0017】
(有機溶剤)
有機溶剤としては、例えば、2-メチル-1-プロバノール、1,5-ペンタンジオール、2-エチルヘキサノール等の炭素数が4以上である一価または二価のアルコール類、n-オクタン酸エチル、ラウリン酸エチル等の炭素数8以上の高級脂肪酸エステル類などが挙げられる。
【0018】
(オイル類)
オイル類としては、例えば、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイルなどが挙げられる。前処理液をインクジェット方式で吐出させる場合は、25℃における粘度が50mPa・s以下であるシリコーンオイルを用いることが好ましい。
【0019】
(樹脂)
前処理液中に含有する樹脂の種類としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、スチレン系樹脂、ブタジエン系樹脂、スチレン-ブタジエン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、アクリルスチレン系樹脂、アクリルシリコーン系樹脂などが挙げられる。
また、これらの樹脂からなる樹脂粒子を用いても良い。樹脂粒子としては、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。また、これらは、1種を単独で用いても、2種類以上の樹脂粒子を組み合わせて用いてもよい。
【0020】
(安定化剤)
安定化剤は、高温下において、ポリ塩化ビニル等の非吸収性記録媒体の分解を抑制する目的、二重結合による色相変化を抑制する目的で添加される。安定化剤としては、特に限定されないが、例えば、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛などが挙げられる。安定化剤の含有量としては、水不溶性可塑剤の含有量に対し0.05質量%以上2.00質量%以下であることが好ましい。
【0021】
(添加剤)
前処理液には、必要に応じて、界面活性剤、消泡剤、防腐防黴剤、防錆剤、pH調整剤等を加えても良い。
【0022】
<<色材インク付与工程>>
色材インク付与工程は、前処理液付与工程の後において、付与された前処理液により形成された液相である前処理層に対し、色材と水を含有する色材インクを付与する工程である。色材インクを非吸収性記録媒体に対して直接付与するのではなく、非吸収性記録媒体上に形成された前処理層に対して付与することで、非吸収性記録媒体上の色材インクにより形成されるドットが加熱乾燥に伴って凹凸を生じることが抑制され、このドットにより形成される画像の光沢度の低下が抑制される。
【0023】
また、色材インク付与工程は、均一な液相の状態である前処理層に付与されるのが好ましいため、前処理液付与工程後に間隔を空けずに実行されることが好ましい。具体的には、前処理液付与工程が実行されてから60秒以内に色材インク付与工程が実行されることが好ましい。前処理層が均一な液層の状態である間に色材インク付与工程を実行することで、均一で平滑なドット(色材インク層)を形成することができ、画像の光沢度の低下がより抑制される。
【0024】
また、本実施形態では、液層の状態である前処理層に対して色材インクが付与されることが好ましいため、非接触で色材インクを付与できるインクジェット方式で色材インクを付与することが好ましい。
【0025】
<色材インク>
色材インクは、色材、及び水を含む。また、必要に応じて、有機溶剤、顔料、樹脂粒子、及び界面活性剤等のその他添加剤などを含んでいてもよい。
【0026】
(有機溶剤)
本実施形態に使用する有機溶剤としては特に制限されず、水溶性有機溶剤を用いることができる。例えば、多価アルコール類、多価アルコールアルキルエーテル類や多価アルコールアリールエーテル類などのエーテル類、含窒素複素環化合物、アミド類、アミン類、含硫黄化合物類が挙げられる。
多価アルコール類の具体例としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、1,2-ブタンジオール、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、2,3-ブタンジオール、3-メチル-1,3-ブタンジオール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,2-ペンタンジオール、1,3-ペンタンジオール、1,4-ペンタンジオール、2,4-ペンタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,2-ヘキサンジオール、1,6-ヘキサンジオール、1,3-ヘキサンジオール、2,5-ヘキサンジオール、1,5-ヘキサンジオール、グリセリン、1,2,6-ヘキサントリオール、2-エチル-1,3-ヘキサンジオール、エチル-1,2,4-ブタントリオール、1,2,3-ブタントリオール、2,2,4-トリメチル-1,3-ペンタンジオール、ペトリオール等が挙げられる。
多価アルコールアルキルエーテル類としては、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等が挙げられる。
多価アルコールアリールエーテル類としては、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテル等が挙げられる。
含窒素複素環化合物としては、2-ピロリドン、N-メチル-2-ピロリドン、N-ヒドロキシエチル-2-ピロリドン、1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノン、ε-カプロラクタム、γ-ブチロラクトン等が挙げられる。
アミド類としては、ホルムアミド、N-メチルホルムアミド、N,N-ジメチルホルムアミド、3-メトキシ-N,N-ジメチルプロピオンアミド、3-ブトキシ-N,N-ジメチルプロピオンアミド等が挙げられる。
アミン類としては、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエチルアミン等が挙げられる。
含硫黄化合物類としては、ジメチルスルホキシド、スルホラン、チオジエタノール等が挙げられる。
その他の有機溶剤としては、プロピレンカーボネート、炭酸エチレン等が挙げられる。
湿潤剤として機能するだけでなく、良好な乾燥性を得られることから、沸点が250℃以下の有機溶剤を用いることが好ましい。
【0027】
有機溶剤として、炭素数8以上のポリオール化合物、及びグリコールエーテル化合物も好適に使用される。炭素数8以上のポリオール化合物の具体例としては、2-エチル-1,3-ヘキサンジオール、2,2,4-トリメチル-1,3-ペンタンジオールなどが挙げられる。
グリコールエーテル化合物の具体例としては、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等の多価アルコールアルキルエーテル類;エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテル等の多価アルコールアリールエーテル類などが挙げられる。
【0028】
有機溶剤の色材インク中における含有量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、色材インクの乾燥性及び吐出信頼性の点から、10質量%以上60質量%以下が好ましく、20質量%以上60質量%以下がより好ましい。
【0029】
(水)
色材インクは水を含む水系インクであることが好ましい。色材インクにおける水の含有量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、色材インクの乾燥性及び吐出信頼性の点から、10質量%以上90質量%以下が好ましく、20質量%以上60質量%以下がより好ましい。
【0030】
(色材)
色材としては特に限定されず、顔料、染料を使用可能である。
顔料としては、無機顔料又は有機顔料を使用することができる。これらは、1種単独で用いても良く、2種以上を併用しても良い。また、顔料として、混晶を使用しても良い。
顔料としては、例えば、ブラック顔料、イエロー顔料、マゼンダ顔料、シアン顔料、白色顔料、緑色顔料、橙色顔料、金色や銀色などの光沢色顔料やメタリック顔料などを用いることができる。
無機顔料として、酸化チタン、酸化鉄、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム、バリウムイエロー、カドミウムレッド、クロムイエローに加え、コンタクト法、ファーネス法、サーマル法などの公知の方法によって製造されたカーボンブラックを使用することができる。
また、有機顔料としては、アゾ顔料、多環式顔料(例えば、フタロシアニン顔料、ペリレン顔料、ペリノン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサジン顔料、インジゴ顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、キノフタロン顔料など)、染料キレート(例えば、塩基性染料型キレート、酸性染料型キレートなど)、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、アニリンブラックなどを使用できる。これらの顔料のうち、溶媒と親和性の良いものが好ましく用いられる。その他、樹脂中空粒子、無機中空粒子の使用も可能である。
顔料の具体例として、黒色用としては、ファーネスブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラック等のカーボンブラック(C.I.ピグメントブラック7)類、または銅、鉄(C.I.ピグメントブラック11)、酸化チタン等の金属類、アニリンブラック(C.I.ピグメントブラック1)等の有機顔料があげられる。
さらに、カラー用としては、C.I.ピグメントイエロー1、3、12、13、14、17、24、34、35、37、42(黄色酸化鉄)、53、55、74、81、83、95、97、98、100、101、104、108、109、110、117、120、138、150、153、155、180、185、213、C.I.ピグメントオレンジ5、13、16、17、36、43、51、C.I.ピグメントレッド1、2、3、5、17、22、23、31、38、48:2、48:2(パーマネントレッド2B(Ca))、48:3、48:4、49:1、52:2、53:1、57:1(ブリリアントカーミン6B)、60:1、63:1、63:2、64:1、81、83、88、101(べんがら)、104、105、106、108(カドミウムレッド)、112、114、122(キナクリドンマゼンタ)、123、146、149、166、168、170、172、177、178、179、184、185、190、193、202、207、208、209、213、219、224、254、264、C.I.ピグメントバイオレット1(ローダミンレーキ)、3、5:1、16、19、23、38、C.I.ピグメントブルー1、2、15(フタロシアニンブルー)、15:1、15:2、15:3、15:4(フタロシアニンブルー)、16、17:1、56、60、63、C.I.ピグメントグリーン1、4、7、8、10、17、18、36、等がある。
染料としては、特に限定されることなく、酸性染料、直接染料、反応性染料、及び塩基性染料が使用可能であり、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
染料として、例えば、C.I.アシッドイエロー17,23,42,44,79,142、C.I.アシッドレッド52,80,82,249,254,289、C.I.アシッドブルー9,45,249、C.I.アシッドブラック1,2,24,94、C.I.フードブラック1,2、C.I.ダイレクトイエロー1,12,24,33,50,55,58,86,132,142,144,173、C.I.ダイレクトレッド1,4,9,80,81,225,227、C.I.ダイレクトブルー1,2,15,71,86,87,98,165,199,202、C.I.ダイレクドブラック19,38,51,71,154,168,171,195、C.I.リアクティブレッド14,32,55,79,249、C.I.リアクティブブラック3,4,35が挙げられる。
【0031】
色材インク中の色材の含有量は、画像濃度の向上、良好な定着性や吐出安定性の点から、0.1質量%以上15質量%以下が好ましく、より好ましくは1質量%以上10質量%以下である。
【0032】
顔料を分散して色材インクを得る方法としては、顔料に親水性官能基を導入して自己分散性顔料とする方法、顔料の表面を樹脂で被覆して分散させる方法、分散剤を用いて分散させる方法、などが挙げられる。
顔料に親水性官能基を導入して自己分散性顔料とする方法としては、例えば、顔料(例えばカーボン)にスルホン基やカルボキシル基等の官能基を付加することで、水中に分散可能とする方法が挙げられる。
顔料の表面を樹脂で被覆して分散させる方法としては、顔料をマイクロカプセルに包含させ、水中に分散可能とする方法が挙げられる。これは、樹脂被覆顔料と言い換えることができる。この場合、色材インクに配合される顔料はすべて樹脂に被覆されている必要はなく、本実施形態の効果が損なわれない範囲において、被覆されない顔料や、部分的に被覆された顔料が色材インク中に分散していてもよい。
分散剤を用いて分散させる方法としては、界面活性剤に代表される、公知の低分子型の分散剤、高分子型の分散剤を用いて分散する方法が挙げられる。
分散剤としては、顔料に応じて例えば、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤、ノニオン界面活性剤等を使用することが可能である。
分散剤として、竹本油脂社製RT-100(ノニオン系界面活性剤)や、ナフタレンスルホン酸Naホルマリン縮合物も、分散剤として好適に使用できる。
分散剤は1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
【0033】
(顔料分散体)
顔料に、水や有機溶剤などの材料を混合して色材インクを得ることが可能である。また、顔料と、その他水や分散剤などを混合して顔料分散体としたものに、水や有機溶剤などの材料を混合して色材インクを製造することも可能である。
顔料分散体は、水、顔料、顔料分散剤、必要に応じてその他の成分を混合、分散し、粒径を調整して得られる。分散は分散機を用いると良い。
顔料分散体における顔料の粒径については特に制限はないが、顔料の分散安定性が良好となり、吐出安定性、画像濃度などの画像品質も高くなる点から、最大個数換算で最大頻度が20nm以上500nm以下が好ましく、20nm以上150nm以下がより好ましい。顔料の粒径は、粒度分析装置(ナノトラック Wave-UT151、マイクロトラック・ベル株式会社製)を用いて測定することができる。
顔料分散体における顔料の含有量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、良好な吐出安定性が得られ、また、画像濃度を高める点から、0.1質量%以上50質量%以下が好ましく、0.1質量%以上30質量%以下がより好ましい。
顔料分散体に対し、必要に応じて、フィルター、遠心分離装置などで粗大粒子をろ過し、脱気することが好ましい。
【0034】
(樹脂)
色材インク中に含有する樹脂の種類としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、スチレン系樹脂、ブタジエン系樹脂、スチレン-ブタジエン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、アクリルスチレン系樹脂、アクリルシリコーン系樹脂などが挙げられる。
これらの樹脂からなる樹脂粒子を用いても良い。樹脂粒子を、水を分散媒として分散した樹脂エマルションの状態で、色材や有機溶剤などの材料と混合して色材インクを得ることが可能である。樹脂粒子としては、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。また、これらは、1種を単独で用いても、2種類以上の樹脂粒子を組み合わせて用いてもよい。本実施形態においては、これらの中でも、ポリウレタン系樹脂粒子を用いることが好ましい。
【0035】
樹脂粒子の体積平均粒径としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、良好な定着性、高い画像硬度を得る点から、10nm以上1,000nm以下が好ましく、10nm以上200nm以下がより好ましく、10nm以上100nm以下が特に好ましい。
体積平均粒径は、例えば、粒度分析装置(ナノトラック Wave-UT151、マイクロトラック・ベル株式会社製)を用いて測定することができる。
【0036】
樹脂の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、定着性、色材インクの保存安定性の点から、色材インク全量に対して、1質量%以上30質量%以下が好ましく、5質量%以上20質量%以下がより好ましい。樹脂としてポリウレタン系樹脂粒子を用いる場合は、色材インク全量に対して、1.0質量%以上15.0質量%以下含まれることが好ましい。この範囲内であることにより、色材インクを付与して乾燥させることにより形成される色材画像の非吸収性記録媒体に対する定着性が向上する。
【0037】
色材インク中の固形分の粒径については、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。吐出安定性、画像濃度などの画像品質を高くする点から、色材インク中の固形分の粒径の最大頻度が最大個数換算で20nm以上1000nm以下が好ましく、20nm以上150nm以下がより好ましい。固形分は樹脂粒子や顔料の粒子等が含まれる。粒径は、粒度分析装置(ナノトラック Wave-UT151、マイクロトラック・ベル株式会社製)を用いて測定することができる。
【0038】
(添加剤)
色材インクには、必要に応じて、界面活性剤、消泡剤、防腐防黴剤、防錆剤、pH調整剤等を加えても良い。
【0039】
<<透明インク付与工程>>
透明インク付与工程は、非吸収性記録媒体に対し、水を含有するが色材を含有しない透明インクを付与する工程である。なお、透明インクを「非吸収性記録媒体に対し」付与する場合には、例えば、透明インクを非吸収性記録媒体に対して直接付与する場合、透明インクを非吸収性記録媒体上の前処理層に対して付与する場合などが含まれる。また、透明インク付与工程を実行するタイミングは特に限定されないが、色材インク付与工程と同時または色材インク付与工程後であることが好ましく、同時であることがより好ましい。なお、透明インク付与工程を色材インク付与工程と同時に実行する場合とは、例えば、透明インク付与と色材インク付与を交互に行う場合などが含まれる。
【0040】
また、透明インクを付与することにより形成される透明画像領域は、色材インクを付与することにより形成される色材画像領域に隣接することが好ましい。前処理層上に付与された色材インクは、前処理液層と混ざりにくいため、付与された色材インク量に応じて、ドット同士が接触するまで前処理層上に濡れ広がりやすい。そのため、色材画像領域の境界部を形成する色材インクの濡れ広がりを透明インクにより抑制することにより、境界部におけるにじみを抑制する。
【0041】
<透明インク>
透明インクは、水を含み、色材を含まない。また、必要に応じて、有機溶剤、顔料、樹脂粒子、及び界面活性剤等のその他添加剤などを含んでいてもよい。透明インクに使用することができる各種成分は、色材インクに用いられる各種成分と同様であるため、その説明を省略する。また、透明インクの粘度、表面張力等の物性は色材インクの物性と同程度であることが好ましい。
【0042】
<<加熱工程>>
加熱工程は、前処理液付与工程後であって色材インク付与工程前、色材インク付与工程時、及び色材インク付与工程後から選ばれる少なくとも1つ以上のタイミングにおいて、非吸収性記録媒体に対して付与された前処理液、色材インク、透明インク、又は非吸収性記録媒体を加熱する工程である。また、加熱工程は、前処理液付与工程後であって色材インク付与工程前、色材インク付与工程時、及び色材インク付与工程後の全てのタイミングにおいて実行されることが好ましい。なお、加熱工程は、非吸収性記録媒体に対して付与された前処理液、色材インク、又は透明インクを加熱することで乾燥させる工程であることが好ましいが、加熱工程のタイミングによってはこれらを完全に乾燥させる工程ではなく、非吸収性記録媒体自体の加熱(プレヒート)を目的とした加熱工程であってもよい。例えば、前処理液付与工程後であって色材インク付与工程前に実行される加熱工程は、非吸収性記録媒体に対して付与された前処理液を完全に乾燥させず、非吸収性記録媒体自体の加熱を目的とした工程である。これにより、液層である前処理層上に付与される色材インクは、前処理層上を濡れ広がり、均一で平滑なドット(色材インク層)を形成することができ、画像の光沢度の低下が抑制される。
【0043】
また、加熱工程としては、例えば、非吸収性記録媒体に向けて温風を吹き付ける工程、非吸収性記録媒体の前処理液および色材インクが付与されていない面から加熱ローラ又はフラットヒータ等で加熱する工程などが挙げられる。
【0044】
[収容容器セット]
本実施形態の収容容器セットは、上記前処理液を収容する前処理液収容容器と、上記色材インクを収容する色材インク収容容器と、を有するセットである。収容容器セットに含まれる前処理液収容容器および色材インク収容容器は、1種単独でも複数種類であってもよい。また、収容容器セットは、必要に応じて、上記透明インクを収容する透明インク収容容器などを含むセットであってもよい。
前処理液収容容器および色材インク収容容器は、目的に応じて、形状、構造、大きさ、材質等を適宜選択することができ、例えば、アルミニウムラミネートフィルム、樹脂フィルム等で形成された収容部を有するもの、大容量のタンクなどが好適である。
【0045】
[印刷装置]
印刷装置は、前処理液付与手段、及び色材インク付与手段を含む。また、必要に応じて、透明インク付与手段、加熱手段などの他の手段を含むことが好ましい。
【0046】
<<印刷装置の第一の実施形態>>
図1乃至3を用いて、第一の実施形態に係る印刷装置を説明する。図1は印刷装置の側面説明図、図2は印刷装置の要部平面説明図、図3はヘッドの平面説明図である。
【0047】
この印刷装置は、シリアル型インクジェット記録装置であり、被印刷材としての印刷媒体(以下、「媒体」という。)2に印刷する印刷部(画像形成部)101、媒体2を搬送する搬送部102、媒体2を収容するロール収納部103、媒体2を巻き取るロール巻き取り部104などを備えている。
【0048】
この装置では、非吸収性記録媒体の一例である媒体2をロール状に巻き回したロール体1を使用する。ロール体1はロール収納部103に収納され、搬送ローラ対31でロール体1から媒体2を引きだして送り出す。
【0049】
前処理液付与手段の一例、色材インク付与手段の一例、及び透明インク付与手段の一例を兼ねる印刷部101は、図2に示すように、液体吐出手段として、液体を吐出する複数のノズル列を有する液体吐出ヘッド(以下、「ヘッド」ということもある。)11をキャリッジ12に搭載している。キャリッジ12は、主走査方向(図1では紙面垂直方向)に往復移動可能にガイド部材13に保持されている。
【0050】
ここで、図3に示すように、ヘッド11は、液体を吐出する複数(m個)のノズルn1~nmを配列した複数のノズル列Na~Neを有し、ノズル配列方向を媒体搬送方向(副走査方向)にしてキャリッジ12に搭載されている。
【0051】
ヘッド11のノズル列Na~Ncは、例えば、ブラック(K)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)及びシアン(C)などの色材インクの吐出に使用する色材インクノズル列を含む。ヘッド11のノズル列Ndは、例えば、透明インクの吐出に使用する透明インクノズル列を含む。ヘッド11のノズル列Neは、例えば、前処理液の吐出に使用する前処理液ノズル列を含む。なお、この例では1つのヘッドが5つのノズル列Na~Neを有しているが、複数のヘッドで複数のノズル列を有する構成とすることもできる。
【0052】
搬送部102は、印刷部101の媒体搬送方向(矢印A方向:副走査方向)上流側に、搬送手段である搬送ローラ21及び対向ローラ22が配置され、媒体2を挟んで搬送する。また、印刷部101に対向して媒体2を案内するプラテン部材25が配置されている。
【0053】
ロール巻取り部104は、媒体2を巻き取る巻取りロール41を備えている。
【0054】
そして、媒体2の搬送方向に沿って加熱手段の一例であるプリヒータ51、プリントヒータ52、ポストヒータ53をそれぞれ配置している。
【0055】
プリヒータ51は、印刷部101による印刷領域の手前で媒体2を加熱するヒータである。プリントヒータ52は、印刷部101による印刷領域で媒体2を加熱するヒータである。ポストヒータ53は、印刷部101による印刷がされた後の媒体2を加熱するヒータである。プリヒータ51とプリントヒータ52、ポストヒータ53には、セラミックやニクロム線を用いた電熱ヒータ等を使用できる。
【0056】
また、ポストヒータ53の下流側に、媒体2に温風を吹き付ける温風ファン54が設けられている。温風ファン54により、印刷面の液体に直接温風を当てることによって雰囲気の湿度を下げて完全に乾燥させる。
【0057】
これらのヒータ51~53及び温風ファン54が搭載されていることで、塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレート(PET)、アクリルなどの液体がしみ込まない非浸透の媒体にも印刷が可能である。
【0058】
<<印刷装置の第二の実施形態>>
図4乃至6を用いて、第二の実施形態に係る印刷装置を説明する。図4は印刷装置の側面説明図、図5は印刷装置の要部平面説明図、図6はヘッドの平面説明図である。
【0059】
この印刷装置は、シリアル型インクジェット記録装置であり、被印刷材としての媒体2に印刷する印刷部(画像形成部)1101、媒体2を搬送する搬送部102、媒体2を収容するロール収納部103、媒体2を巻き取るロール巻き取り部104、前処理液を媒体2に付与する前処理液塗布部80などを備えている。これら構成のうち、第一の実施形態に係る印刷装置と共通する構成については、その説明を省略する。
【0060】
この装置では、前処理液付与手段の一例である前処理液塗布部80を有し、ローラ塗布機構を採用している。前処理液は、前処理液収容タンク81に収容され、汲み上げローラ83でローラ表面に汲み上げられ、膜圧制御ローラ82に転写される。続いて、塗布ローラ84に転写された前処理液は、塗布用カウンターローラ85との間に通す媒体2に転写され、塗布される。
【0061】
色材インク付与手段の一例、及び透明インク付与手段の一例を兼ねる印刷部1101は、図5に示すように、液体吐出手段として、液体を吐出する複数のノズル列を有する液体吐出ヘッド(以下、「ヘッド」ということもある。)111をキャリッジ112に搭載している。キャリッジ112は、主走査方向(図4では紙面垂直方向)に往復移動可能にガイド部材113に保持されている。
【0062】
ここで、図6に示すように、ヘッド111は、液体を吐出する複数(m個)のノズルr1~rmを配列した複数のノズル列Ra~Reを有し、ノズル配列方向を媒体搬送方向(副走査方向)にしてキャリッジ112に搭載されている。
【0063】
ヘッド111のノズル列Na~Ndは、例えば、ブラック(K)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)及びシアン(C)などの色材インクの吐出に使用する色材インクノズル列を含む。ヘッド11のノズル列Neは、例えば、透明インクの吐出に使用する透明インクノズル列を含む。なお、この例では1つのヘッドが5つのノズル列Na~Neを有しているが、複数のヘッドで複数のノズル列を有する構成とすることもできる。
【0064】
[印刷物]
本実施形態の印刷物は、非吸収性記録媒体と、非吸収性記録媒体上に形成され水不溶性可塑剤を含有する水不溶性可塑剤含有層と、水不溶性可塑剤含有層上に形成され色材を含有する色材含有層と、を有する。印刷物は、上記の前処理液付与工程、及び上記の色材インク付与工程を経た後の非吸収性記録媒体が乾燥されて形成される。上記の前処理液付与工程、及び上記の色材インク付与工程を経て形成されることで、画像の光沢度の低下が抑制された印刷物を得ることができる。具体的には、色材含有層の表面における20度光沢度が30以上である印刷物であり、40以上である印刷物であることが好ましい。また、色材含有層は、上記色材インク付与工程を含む印刷方法により形成されるが、色材インクの付与条件は、色材インク1滴当たりの吐出量が22plであり、解像度が600×600dpiであり、非吸収性記録媒体上の未乾燥状態の色材インクの量が12.0g/mであることが好ましい。
【実施例
【0065】
以下、本発明の実施例を説明するが、本発明はこれら実施例に何ら限定されるものではない。
【0066】
<前処理液の調整>
(前処理液1の調整)
以下の各材料を混合攪拌した後、0.2μmポリプロピレンフィルターにて濾過することにより前処理液1を得た。
・フタル酸ジイソノニル(DINP) 99.7質量%
・ステアリン酸カルシウム 0.2質量%
・ステアリン酸亜鉛 0.1質量%
【0067】
(前処理液2の調整)
前処理液1の調整において使用した各材料の組み合わせ及び添加量を、下記表1に示す組み合わせ及び添加量に変更し、前処理液2を作製した。なお、表1における各数字の単位は「質量%」である。
【0068】
【表1】
【0069】
なお、上記表1において、材料の商品名、及び製造会社名については下記の通りである。
・メチルフェニルシリコーンオイル(商品名:KF-56A、信越シリコーン社製)
【0070】
<マゼンタ顔料分散液の調整>
以下の処方混合物をプレミックスした後、ディスクタイプのビーズミル(シンマルエンタープライゼス社KDL型、メディア:直径0.3mmジルコニアボール使用)で7時間循環分散してマゼンタ顔料分散液を得た。
・ピグメントレッド122(商品名:トナーマゼンタEO02、クラリアントジャパン株式会社製) 15.0質量%
・アニオン性界面活性剤(パイオニンA-51-B、竹本油脂株式会社製) 2.0質量%
・イオン交換水 83.0質量%
【0071】
<色材インクの調整>
以下の各材料を混合攪拌した後、0.2μmポリプロピレンフィルターにて濾過することにより色材インク(マゼンタインク)を得た。また、色材インクの調整において使用した各材料の組み合わせ及び添加量を、下記表2においても示す。なお、表2における各数字の単位は「質量%」である。
・マゼンタ顔料分散液 20.0質量%
・ポリウレタン樹脂粒子(商品名:スーパーフレックス150、第一工業製薬社製) 8.0質量%
・1,2-プロパンジオール 10.0質量%
・3-メトキシ-N,N-ジメチルプロピオンアミド 10.0質量%
・3-メトキシ-3-メチルブタノール 4.0質量%
・2-エチル-1,3-ヘキサンジオール 3.0質量%
・界面活性剤(商品名:SAG002、日信化学工業社製) 3.0質量%
・防腐坊カビ剤(商品名:プロキセルLV) 0.05質量%
・防錆剤(商品名:BT-120、城北化学工業社製) 0.05質量%
・消泡剤(商品名:AD01、日信化学工業社製) 0.1質量%
・高純水 41.8質量%
【0072】
<透明インクの調整>
以下の各材料を混合攪拌した後、0.2μmポリプロピレンフィルターにて濾過することにより透明インクを得た。また、透明インクの調整において使用した各材料の組み合わせ及び添加量を、下記表2においても示す。なお、表2における各数字の単位は「質量%」である。
・ポリウレタン樹脂粒子(商品名:スーパーフレックス150、第一工業製薬社製) 12.0質量%
・1,2-プロパンジオール 20.0質量%
・3-メトキシ-N,N-ジメチルプロピオンアミド 10.0質量%
・3-メトキシ-3-メチルブタノール 7.0質量%
・2-エチル-1,3-ヘキサンジオール 6.0質量%
・界面活性剤(商品名:SAG002、日信化学工業社製) 3.0質量%
・防腐坊カビ剤(商品名:プロキセルLV) 0.05質量%
・防錆剤(商品名:BT-120、城北化学工業社製) 0.05質量%
・消泡剤(商品名:AD01、日信化学工業社製) 0.1質量%
・高純水 41.8質量%
【0073】
【表2】
【0074】
(実施例1)
得られた前処理液1を前処理液収容容器に充填し、色材インクを色材インク収容容器に充填し、前処理液収容容器と色材インク収容容器のセットである収容容器セットを作成した。次に、前処理液収容容器と色材インク収容容器を図4に示すインクジェットプリンタに搭載した。そして、ポリエチレンテレフタレートフィルム(E-5100、東洋紡株式会社製、以下、「PETフィルム」とも称することがある)に対し、次の前処理液付与工程、色材インク付与工程、及び加熱工程を経て、50mm四方のベタ画像とフォントサイズが8ptの文字画像を得た。
【0075】
-前処理液付与工程-
図4に示す通り、フィルムの印刷面の全面に対し、前処理液をローラ塗工により付与した。前処理液のフィルムに対する付与量は、フィルム上の未乾燥状態の前処理液の量が1.0g/mとなるように調整した。
【0076】
-色材インク付与工程-
図4に示す通り、フィルムの前処理液が付与された面に対し、色材インクをインクジェット方式により付与した。色材インク付与手段は、色材インク1滴当たりの吐出量が22pl、解像度が600×600dpiとなるように調整した。また、色材インクのフィルムに対する付与量は、フィルム上の未乾燥状態の色材インクの量が12.0g/mとなるように調整した。また、双方向印字、2パス、1/4インターレースで印刷した。
【0077】
-加熱工程-
図4に示すプリヒーター、及びプリントヒーターを60℃に設定した。また、ポストヒーター、及び温風ファンを70℃に設定した。
また、色材インク付与工程のときにおけるフィルム上の前処理層は、目視で観察して均一な液層の状態であった。
【0078】
(実施例2)
得られた前処理液2を前処理液収容容器に充填し、色材インクを色材インク収容容器に充填し、前処理液収容容器と色材インク収容容器のセットである収容容器セットを作成した。次に、前処理液収容容器と色材インク収容容器を図1に示すインクジェットプリンタにそれぞれ充填した。そして、ポリ塩化ビニルフィルム(裏面に粘着剤あり、GIY-11Z5、リンテック社製、以下、「PVCフィルム」とも称することがある)に対し、次の前処理液付与工程、色材インク付与工程、及び加熱工程を経て、50mm四方のベタ画像とフォントサイズが8ptの文字画像を得た。
【0079】
-前処理液付与工程-
図1に示す通り、フィルムの色材インクが付与される領域に対し、前処理液をインクジェット方式により付与した。前処理液付与手段は、前処理液1滴当たりの吐出量が15pl、解像度が150×150dpiとなるように調整した。また、前処理液のフィルムに対する付与量は、フィルム上の未乾燥状態の前処理液の量が0.5g/mとなるように調整した。
【0080】
-色材インク付与工程-
図1に示す通り、フィルムの前処理液が付与された面に対し、色材インクをインクジェット方式により付与した。色材インク付与手段は、色材インク1滴当たりの吐出量が22pl、解像度が600×600dpiとなるように調整した。また、色材インクのフィルムに対する付与量は、フィルム上の未乾燥状態の色材インクの量が12.0g/mとなるように調整した。また、双方向印字、2パス、1/4インターレースで印刷した。
【0081】
-加熱工程-
図1に示すプリヒーター、及びプリントヒーターを60℃に設定した。また、ポストヒーター、及び温風ファンを70℃に設定した。
また、色材インク付与工程のときにおけるフィルム上の前処理層は、目視で観察して均一な液層の状態であった。
【0082】
(実施例3)
得られた前処理液1を前処理液収容容器に充填し、色材インクを色材インク収容容器に充填し、透明インクを透明インク収容容器に充填し、前処理液収容容器と色材インク収容容器と透明インク収容容器のセットである収容容器セットを作成した。次に、前処理液収容容器と色材インク収容容器と透明インク収容容器を図4に示すインクジェットプリンタにそれぞれ充填した。そして、PVCフィルムに対し、実施例1と同様の前処理液付与工程、色材インク付与工程、及び加熱工程と、次の透明インク付与工程と、を経て、50mm四方のベタ画像とフォントサイズが8ptの文字画像を得た。
【0083】
-透明インク付与工程-
図4に示す通り、フィルムの前処理液が付与された面に対し、透明インクを付与することにより形成される透明画像領域が、色材インクを付与することにより形成される色材画像領域に隣接するように、透明インクをインクジェット方式により付与した。透明インク付与手段は、透明インク1滴当たりの吐出量が22pl、解像度が600×600dpiとなるように調整した。また、透明インクのフィルムに対する付与量は、フィルム上の未乾燥状態の透明インクの量が12.0g/mとなるように調整した。また、双方向印字、2パス、1/4インターレースで印刷した。
【0084】
(実施例4)
得られた前処理液2を前処理液収容容器に充填し、色材インクを色材インク収容容器に充填し、透明インクを透明インク収容容器に充填し、前処理液収容容器と色材インク収容容器と透明インク収容容器のセットである収容容器セットを作成した。次に、前処理液収容容器と色材インク収容容器と透明インク収容容器を図1に示すインクジェットプリンタにそれぞれ充填した。そして、PVCフィルムに対し、実施例2と同様の前処理液付与工程、色材インク付与工程、及び加熱工程と、次の透明インク付与工程と、を経て、50mm四方のベタ画像とフォントサイズが8ptの文字画像を得た。
【0085】
-透明インク付与工程-
図1に示す通り、フィルムの前処理液が付与された面に対し、透明インクを付与することにより形成される透明画像領域が、色材インクを付与することにより形成される色材画像領域に隣接するように、透明インクをインクジェット方式により付与した。透明インク付与手段は、透明インク1滴当たりの吐出量が22pl、解像度が600×600dpiとなるように調整した。また、透明インクのフィルムに対する付与量は、フィルム上の未乾燥状態の透明インクの量が12.0g/mとなるように調整した。また、双方向印字、2パス、1/4インターレースで印刷した。
【0086】
(比較例1)
得られた色材インクを充填した色材インク収容容器を図4に示すインクジェットプリンタに搭載した。そして、PETフィルムに対し、次の色材インク付与工程、及び加熱工程を経て、50mm四方のベタ画像とフォントサイズが8ptの文字画像を得た。なお、前処理液付与手段が動作しないようにすることにより、前処理液付与工程は行わなかった。
【0087】
-色材インク付与工程-
図4に示す通り、フィルムに対し、色材インクをインクジェット方式により付与した。色材インク付与手段は、色材インク1滴当たりの吐出量が22pl、解像度が600×600dpiとなるように調整した。また、色材インクのフィルムに対する付与量は、フィルム上の未乾燥状態の色材インクの量が12.0g/mとなるように調整した。また、双方向印字、2パス、1/4インターレースで印刷した。
【0088】
-加熱工程-
図4に示すプリヒーター、及びプリントヒーターを60℃に設定した。また、ポストヒーター、及び温風ファンを70℃に設定した。
【0089】
(比較例2)
得られた色材インクを充填した色材インク収容容器と透明インクを充填した透明インク収容容器を図4に示すインクジェットプリンタに搭載した。そして、PVCフィルムに対し、比較例1と同様の色材インク付与工程、及び加熱工程と、次の透明インク付与工程と、を経て、50mm四方のベタ画像とフォントサイズが8ptの文字画像を得た。なお、前処理液付与手段が動作しないようにすることにより、前処理液付与工程は行わなかった。
【0090】
-透明インク付与工程-
図4に示す通り、フィルムに対し、透明インクを付与することにより形成される透明画像領域が、色材インクを付与することにより形成される色材画像領域に隣接するように、透明インクをインクジェット方式により付与した。透明インク付与手段は、透明インク1滴当たりの吐出量が22pl、解像度が600×600dpiとなるように調整した。また、透明インクのフィルムに対する付与量は、フィルム上の未乾燥状態の透明インクの量が12.0g/mとなるように調整した。また、双方向印字、2パス、1/4インターレースで印刷した。
【0091】
次に、各実施例、及び各比較例により得られた印刷物を用いて、下記に示す方法、評価基準に従い、ベタ画像の画像光沢性、及び文字画像のシャープ性を評価した。評価結果を表3に示した。
【0092】
[画像光沢性]
得られた印刷物を24時間放置した後、ベタ画像部の20度光沢度を光沢度計(BYK Gardener社製、マイクロトリグロス)を用いて測定した。評価がB以上である場合を実用可能であると判断した。
-評価基準-
A:20°光沢度が40以上
B:20°光沢度が30以上40未満
C:20°光沢度が30未満
【0093】
[シャープ性]
得られた印刷物を24時間放置した後、文字画像部のシャープ性(鮮明性)を下記評価基準に従って目視で評価した。評価がB以上である場合を実用上好ましいと判断した。
-評価基準-
A:鮮明な文字である
B:鮮明性がやや劣るが、文字を読むことはできる
C:文字が潰れていて読むことが困難である
【0094】
【表3】
【0095】
実施例1は、水不溶性可塑剤を含む前処理液を付与することで形成した液層の前処理層に対して色材インクを付与することにより、高温乾燥を行った場合であっても、均一で平滑なドットを形成することができ、それにより画像光沢度が高い画像を得られる。また、画像品質を低下させずに高温乾燥を行うことができるので、高温乾燥により短時間で印刷物を得ることができ、生産性の高い印刷方法を提供することができる。
実施例2は、前処理液をインクジェット方式により吐出することで、前処理液が必要な部分のみに対して付与できる。これにより、前処理液の使用量を低減した印刷方法を提供することができる。
実施例3は、色材インクを付与することにより形成される色材画像領域と隣接する位置に、透明インクを付与することにより形成される透明画像領域を形成する。これにより、滲みの発生が抑制されて、鮮明性の高い印刷方法を提供することができる。
実施例4は、実施例2と同様に、前処理液をインクジェット方式により吐出することで、前処理液が必要な部分のみに対して付与できる。これにより、前処理液の使用量を低減した印刷方法を提供することができる。また、実施例3と同様に、色材インクを付与することにより形成される色材画像領域と隣接する位置に、透明インクを付与することにより形成される透明画像領域を形成する。これにより、滲みの発生が抑制されて、鮮明性の高い印刷方法を提供することができる。
【符号の説明】
【0096】
1 ロール体
2 印刷媒体(媒体)
11 液体吐出ヘッド(ヘッド)
12 キャリッジ
13 ガイド部材
21 搬送ローラ
22 対向ローラ
25 プラテン部材
31 搬送ローラ対
41 巻取りロール
51 プリヒータ
52 プリントヒータ
53 ポストヒータ
54 温風ファン
80 前処理液塗布部
81 前処理液収容タンク
82 膜圧制御ローラ
83 汲み上げローラ
84 塗布ローラ
85 塗布用カウンターローラ
101 印刷部(画像形成部)
102 搬送部
103 ロール収納部
104 ロール巻き取り部
111 液体吐出ヘッド(ヘッド)
112 キャリッジ
113 ガイド部材
1101 印刷部(画像形成部)
n1~nm ノズル
r1~rm ノズル
A 副走査方向
Na~Ne ノズル列
Ra~Re ノズル列
【先行技術文献】
【特許文献】
【0097】
【文献】特開2004-25723号公報
図1
図2
図3
図4
図5
図6