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特許7119952画像形成装置、情報処理方法及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-08
(45)【発行日】2022-08-17
(54)【発明の名称】画像形成装置、情報処理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/04842 20220101AFI20220809BHJP
   B41J 29/38 20060101ALI20220809BHJP
   B41J 29/42 20060101ALI20220809BHJP
   H04N 1/00 20060101ALI20220809BHJP
【FI】
G06F3/04842
B41J29/38
B41J29/42 F
H04N1/00 C
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2018222502
(22)【出願日】2018-11-28
(65)【公開番号】P2020087116
(43)【公開日】2020-06-04
【審査請求日】2021-08-19
(73)【特許権者】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 信
【審査官】木内 康裕
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-297430(JP,A)
【文献】特開2007-060404(JP,A)
【文献】特開2017-011540(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/01
G06F 3/048 - 3/04895
B41J 29/38
B41J 29/42
H04N 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヘルプ又はマニュアルの内容を示すコンテンツを出力させる操作を受け付ける操作装置を有し、情報処理装置が接続される画像形成装置であって、
記録媒体に対して画像形成を行う画像形成部と、
前記コンテンツがキーワード検索条件を満たすかを検索する検索部と、
前記検索部による検索結果に基づいて、前記コンテンツの出力先を前記情報処理装置にするか、又は、前記画像形成部にするかを決定する決定部と、
前記決定部による決定で定まる出力先に前記コンテンツを出力する出力部と
を備える
画像形成装置。
【請求項2】
前記キーワード検索条件に対して優先度が設定され、
前記決定部は、
前記コンテンツが複数のキーワード検索条件を満たす場合には、前記複数のキーワード検索条件のうち、前記優先度が最も高いキーワード検索条件に対応付けされた出力先に決定する
請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
ヘルプ又はマニュアルの内容を示すコンテンツを出力させる操作を受け付ける操作装置と、
記録媒体に対して画像形成を行う画像形成部と
を有し、情報処理装置が接続される画像形成装置が行う情報処理方法であって、
画像形成装置が、前記コンテンツがキーワード検索条件を満たすかを検索する検索手順と、
画像形成装置が、前記検索手順による検索結果に基づいて、前記コンテンツの出力先を前記情報処理装置にするか、又は、前記画像形成部にするかを決定する決定手順と、
画像形成装置が、前記決定手順による決定で定まる出力先に前記コンテンツを出力する出力手順と
を含む
情報処理方法。
【請求項4】
請求項3に記載の情報処理方法をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【請求項5】
情報処理装置が接続される画像形成装置であって、
ヘルプ又はマニュアルの内容を示すコンテンツを出力させる操作を受け付ける操作部と、
記録媒体に対して画像形成を行う画像形成部と、
前記コンテンツがキーワード検索条件を満たすかを検索する検索部と、
前記検索部による検索結果に基づいて、前記コンテンツの出力先を前記情報処理装置にするか、又は、前記画像形成部にするかを決定する決定部と、
前記決定部による決定で定まる出力先に前記コンテンツを出力する出力部と
を備える
画像形成装置。
【請求項6】
ヘルプ又はマニュアルの内容を示すコンテンツを出力させる操作を受け付ける操作部と、
記録媒体に対して画像形成を行う画像形成部と
を有し、情報処理装置が接続される画像形成装置が行う情報処理方法であって、
画像形成装置が、前記コンテンツがキーワード検索条件を満たすかを検索する検索手順と、
画像形成装置が、前記検索手順による検索結果に基づいて、前記コンテンツの出力先を前記情報処理装置にするか、又は、前記画像形成部にするかを決定する決定手順と、
画像形成装置が、前記決定手順による決定で定まる出力先に前記コンテンツを出力する出力手順と
を含む
情報処理方法。
【請求項7】
請求項6に記載の情報処理方法をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置、情報処理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、画像形成装置の設定等において、いわゆるヘルプを表示する方法が知られている。
【0003】
また、設定等において、エラーコードが発生する場合がある。このような場合において、ユーザの指示に基づいて、エラーコードに対応するヘルプ又はマニュアル等を印刷する技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、紙等の記録媒体に、ヘルプ又はマニュアル等の内容が印刷されると、内容によっては、大量の記録媒体が印刷される場合がある。又は、内容によっては、ヘルプ等が示すURL(Uniform Resource Locator)のサイトにアクセスする作業等が発生する場合がある。このように、ヘルプ等の内容を示すコンテンツが記録媒体に常に画像形成されると、不便な場合が多い。
【0005】
本発明の一態様は、利便性を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一実施形態による、ヘルプ又はマニュアルの内容を示すコンテンツを出力させる操作を受け付ける操作装置を有し、情報処理装置が接続される画像形成装置は、
記録媒体に対して画像形成を行う画像形成部と、
前記コンテンツがキーワード検索条件を満たすかを検索する検索部と、
前記検索部による検索結果に基づいて、前記コンテンツの出力先を前記情報処理装置にするか、又は、前記画像形成部にするかを決定する決定部と、
前記決定部による決定で定まる出力先に前記コンテンツを出力する出力部と
を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明の実施形態によって、利便性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】画像形成装置の全体構成例を示す概要図である。
図2】操作装置及び本体部のハードウェア構成例を示すブロック図である。
図3】操作装置の外観例を示す概要図である。
図4】操作装置及び本体部のソフトウェア構成例を示すブロック図である。
図5】システム構成例を示すシステム図である。
図6】全体処理例を示すシーケンス図である。
図7】決定処理例を示すフローチャートである。
図8】変形例の決定処理例を示すフローチャートである。
図9】機能構成例を示す機能ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、発明を実施するための最適な形態について、図面を参照して説明する。
【0010】
<第1実施形態>
<画像形成装置例>
図1は、画像形成装置の全体構成例を示す概要図である。図示するように、画像形成装置100は、例えば、MFP(Multifunction Peripheral)等である。そのため、例えば、画像形成装置100は、コピー機能、スキャナ機能、ファクシミリ機能及びプリンタ機能等の画像処理機能を有する。なお、画像形成装置100は、他に機能(例えば、エラー表示機能等である。)を更に有してもよい。
【0011】
この例では、画像形成装置100は、操作装置110を有する構成である。一方で、画像形成装置100は、操作装置110以外の構成(以下「本体部120」という。)を有する構成である。
【0012】
操作装置110に対して、ユーザは、画像形成装置100に対する様々な操作を入力する。そして、画像形成装置100は、操作装置110及び本体部120により、操作に基づいた画像処理を実行する。
【0013】
<ハードウェア構成例>
図2は、操作装置及び本体部のハードウェア構成例を示すブロック図である。まず、操作装置110は、例えば、CPU(Central Processing Unit、以下「CPU211」という。)、ROM(Read-Only Memory、以下「ROM212」という。)、RAM(Random Access Memory、以下「RAM213」という。)、フラッシュメモリ214、操作パネル215、接続インタフェース(以下「接続I/F216」という。)、通信インタフェース(以下「通信I/F217」という。)を有するハードウェア構成の装置である。また、図示するように、これらのハードウェア資源は、バス218によって相互に接続される。
【0014】
CPU211は、演算装置及び制御装置の例である。そして、CPU211は、RAM213等の主記憶装置をワークエリアとして、ROM212又はフラッシュメモリ214等に記憶された各種プログラムを実行する。このような制御及び演算により、CPU211は、操作装置110等を制御し、かつ、各種機能を実現する。
【0015】
フラッシュメモリ214は、不揮発性の記憶媒体の例である。例えば、フラッシュメモリ214は、プログラム及びデータ等を記憶する。
【0016】
操作パネル215は、入力装置及び出力装置の例である。すなわち、操作パネル215は、操作画面及び処理結果等を表示する。一方で、操作パネル215は、ユーザによる操作を受け付ける。
【0017】
接続I/F216は、通信路230を介して本体部120と通信をするインタフェースである。例えば、接続I/F216は、コネクタ及びケーブル等である。具体的には、接続I/F216は、USB(Universal Serial Bus)等によって通信を行う。
【0018】
通信I/F217は、ネットワーク260を介して外部装置と通信をするインタフェースである。例えば、通信I/F217は、アンテナ等である。図示する例では、通信I/F217は、無線LAN(Local Area Network)AP(アクセスポイント)(以下「無線LANAP240」という。)に接続し、通信を行う。
【0019】
一方で、本体部120は、例えば、CPU221、ROM222、RAM223、HDD(Hard Disk Drive、以下「HDD224」という。)、エンジン部225、接続I/F226及び通信I/F227を有するハードウェア構成の装置である。また、図示するように、これらのハードウェア資源は、バス228によって相互に接続される。
【0020】
CPU221は、演算装置及び制御装置の例である。すなわち、図示するように、本体部120用となる演算装置及び制御装置は、操作装置110用のCPU211とは別であるハードウェア構成が望ましい。
【0021】
ROM222及びRAM223は、CPU221と同様に、本体部120用の記憶装置の例である。したがって、CPU221は、RAM223等の主記憶装置を利用して、ROM222及びHDD224等の補助記憶装置に記憶されるプログラム等に基づく処理を実行する。
【0022】
エンジン部225は、コピー機能、スキャナ機能、ファクシミリ機能及びプリンタ機能等の画像処理機能を実現するための処理装置等である。具体的には、エンジン部225は、例えば、処理IC(Integrated Circuit)等である。具体的には、エンジン部225は、原稿をスキャンして読み取るスキャナ、用紙等のシート材への印刷を行うプロッタ、ファクシミリ通信を行う通信部又はこれらの組み合わせを有する。なお、エンジン部225は、印刷済みのシート材を仕分ける装置、いわゆるフィニッシャ又は原稿を自動給送するADF(Auto Document Feeder)等を含んでもよい。
【0023】
接続I/F226は、通信路230を介して操作装置110と通信をするインタフェースである。例えば、接続I/F216は、コネクタ及びケーブル等である。具体的には、接続I/F226は、USB等によって通信を行う。
【0024】
通信I/F227は、ネットワーク260を介して外部装置と通信をするインタフェースである。例えば、通信I/F227は、ケーブル250等である。
【0025】
<操作装置の例>
図3は、操作装置の外観例を示す概要図である。例えば、操作装置110は、図示するような外観の装置である。具体的には、操作装置110は、例えば、操作パネル215等により、画像形成装置が提供する様々な機能の操作画面を表示する。この例では、操作画面は、「コピー」、「スキャナ」、「ファックス」及び「プリンタ」の機能に対する操作を受け付ける。また、図示する例は、いわゆるトップ画面であり、例えば、「コピー」のボタンが押されると、操作画面は、「コピー」の機能について詳細な設定を行う用の操作画面を表示する。
【0026】
また、操作画面においてボタンが押されると、次に遷移して表示される画面又は設定を行う設定値等は、メニュー構成等によって設定される。
【0027】
なお、操作装置110は、図示するような操作パネル215で実現されるに限られない。例えば、操作パネル215には、タッチパネル以外に、ハードキー等があってもよい。すなわち、操作画面を操作するのにインタフェースとなる構成は、図示する以外の構成でもよい。
【0028】
さらに、図示するように、操作画面は、ヘルプボタン300を有する。以下、ヘルプボタンが押されると、あらかじめ設定されるヘルプコンテンツが画面上に展開される例で説明する。このように、ヘルプボタン300を押す操作によって、ユーザは、いわゆるヘルプ及びマニュアル等を参照することができる。なお、ヘルプコンテンツの参照方法は、ヘルプボタン300を押す操作以外の方法でもよい。また、参照されるヘルプコンテンツを提供するファイルは、操作装置110又は本体部120がファイルを記憶してもよいし、オンラインでネットワークを介して参照されてもよい。
【0029】
<操作装置及び本体部のソフトウェア構成例>
図4は、操作装置及び本体部のソフトウェア構成例を示すブロック図である。図示する例は、操作装置110及び本体部120にインストールされるプログラムによって構成されるソフトウェアの階層構造を示す。
【0030】
まず、本体部120について説明する。この例では、本体部120には、補助記憶装置等に、例えば、アプリケーション層421、サービス層422及びOS層(Operating System層、以下「OS層423」という。)を構築するプログラムがインストールされる。
【0031】
アプリケーション層421に区別されるプログラムは、画像形成装置100が有するハードウェア資源を動作させて様々な機能を実現する。具体的には、アプリケーション層411に区別されるプログラムは、例えば、コピーアプリ、ファクシミリアプリ、スキャンアプリ及びプリンタアプリ等である。
【0032】
サービス層422に区分されるプログラムは、アプリケーション層421と、OS層423との間に介在するプログラムである。例えば、サービス層422に区分されるプログラムは、本体部120が有するハードウェア資源をアプリケーション層421のプログラムが利用したり、又は、本体部120が有するハードウェア資源の状態をアプリケーション層421に通知したりするインタフェース等を実現する。
【0033】
また、サービス層422に区分されるプログラムは、ハードウェア資源に対する動作要求を受け付けたり、又は、受け付けた動作要求の調停を行ったりする。ほかにも、サービス層422に区分されるプログラムは、ハードウェア資源において検知されたエラーをアプリケーション層421にエラー通知として送信する。なお、サービス層422が受け付ける動作要求には、例えば、スキャナによる読み取り、又は、プロッタによる印刷を行う等の動作要求が含まれる。
【0034】
なお、サービス層422に区分されるプログラムが実現させるインタフェースとしての役割は、操作装置110のアプリケーション層411に対しても同様である。すなわち、操作装置110のアプリケーション層411に区分されるプログラムは、サービス層422にアクセスして本体部120のハードウェア資源を動作させ、画像処理機能等を実現させることができる。
【0035】
OS層423に区分されるプログラムは、いわゆる基本ソフトウェアと呼ばれるプログラム等である。そして、OS層423に区分されるプログラムは、本体部120が有するハードウェア資源を制御する基本機能を提供する。まず、サービス層422に区分されるプログラムは、アプリケーション層421に区分されるプログラムが発するハードウェア資源に対する動作要求をOS層423が解釈可能なコマンドに変換してOS層423に渡す。そして、OS層423に区分されるプログラムが当該コマンドを実行することにより、ハードウェア資源に対する動作要求に基づいて、画像処理機能が実現される。また、OS層423に区分されるプログラムが実行されると、ハードウェア資源は、検知されたエラーを受信する。次に、ハードウェア資源は、受信したエラー通知をアプリケーション層421に対して送信するサービス層422に渡す。
【0036】
次に、操作装置110について説明する。この例では、操作装置110には、補助記憶装置等に、例えば、アプリケーション層411、サービス層412及びOS層413を構築するプログラムがインストールされる。
【0037】
ただし、アプリケーション層411に区分されるプログラムが実現する機能及びサービス層412が受け付け可能な動作要求の種類等は、本体部120とは異なる。具体的には、操作装置110において、アプリケーション層411に区分されるプログラムは、主に本体部120によって実現される画像処理機能に関する操作及び表示を行うためのユーザインタフェース機能を提供する。
【0038】
なお、この例では、操作装置110と、本体部120とで、それぞれのOSは、独立して動作する。また、操作装置110及び本体部120が相互に通信可能であれば、それぞれのOSは、同じ種類でなくともよい。例えば、操作装置110は、Android(登録商標)を用い、かつ、本体部120は、Linux(登録商標)を用いる構成等でもよい。
【0039】
このように、画像形成装置100では、例えば、操作装置110及び本体部120が異なるOSにより制御される。そのため、操作装置110及び本体部120の間における通信は、一装置内のプロセス間通信ではなく、異なる装置間の通信となる。例えば、通信は、操作装置110が受け付けたユーザによる操作を本体部120へ送信するコマンド通信、又は、本体部120が操作装置110へ表示画面の表示を指示するイベント通信(例えば、エラー通知又はエラー解除通知等である。)等である。
【0040】
<システム構成例>
例えば、画像形成装置100は、以下のような画像形成システム500を構成する。
【0041】
図5は、システム構成例を示すシステム図である。例えば、画像形成システム500は、ネットワークで接続されるPC(Personal Computer、以下「PC501」という。)及び画像形成装置100等を有するシステムである。
【0042】
PC501は、画像形成装置100が接続する情報処理装置の例である。そして、ユーザ505は、画像形成装置100からの遠隔操作等でPC501を操作できてもよい。
【0043】
また、システム構成は、図示する以外の構成でもよい。例えば、情報処理装置は、複数の情報処理装置であってもよい。なお、画像形成システム500は、更に情報処理装置を有してもよい。
【0044】
<全体処理例>
図6は、全体処理例を示すシーケンス図である。
【0045】
ステップS01では、表示手段601は、操作画面を表示する。例えば、操作画面には、ヘルプ又はマニュアル等のコンテンツが表示される。
【0046】
ステップS02では、操作受付手段602は、コンテンツを出力させる操作を受け付ける。例えば、操作画面における出力ボタン等のGUI(Graphical User Interface)等で操作が行われる。
【0047】
ステップS03では、操作受付手段602は、コンテンツを出力させる操作を受け付けたことを通知する。
【0048】
ステップS04では、コンテンツ表示制御手段604は、出力先を問い合わせる。
【0049】
ステップS05では、出力先決定手段605は、対象となるコンテンツのID(Identification)等を特定する。
【0050】
ステップS06では、出力先決定手段605は、出力先を決定する。例えば、出力先の決定は、以下のような処理によって行われる。
【0051】
図7は、決定処理例を示すフローチャートである。例えば、ステップS06は、以下のような処理を行う。
【0052】
ステップS701では、出力先決定手段605は、コンテンツテーブルを読み込む。例えば、コンテンツテーブルは、キーワードと、出力先とを対応付けしたデータである。具体的には、コンテンツテーブルは、下記(表1)のようなデータである。
【0053】
【表1】
上記(表1)において、「キーワード検索条件」は、あらかじめ設定されるキーワードとなる言葉及び検索条件を示す。なお、上記(表1)に示すように、キーワードを検索する条件は、「OR」、「AND」又はこれらの両方を用いて複数のキーワードで設定されてもよい。
【0054】
また、「出力先」は、対応付けされたキーワードに該当するコンテンツを印刷する出力がよいか、又は、PC等の情報処理装置で表示する出力がよいかの設定である。
【0055】
さらに、「優先度」は、キーワード検索条件に対してあらかじめ設定される値である。そして、優先度は、数値が高いほど優先度が高いとする。
【0056】
したがって、上記(表1)に示すようなデータがあると、画像形成装置は、コンテンツ内を検索するキーワードが定まる。
【0057】
ステップS702では、出力先決定手段605は、「n=0」とする。「n」は、変数である。そして、以下の例では、「n」は、「0」を初期値として、キーワード検索条件の数までカウントされる値である。すなわち、図示する判定処理の例では、まず、あらかじめ複数のキーワード検索条件等がコンテンツテーブルに設定される。そして、このようなコンテンツテーブルを画像形成装置が読み込むと、それぞれのキーワード検索条件ごとに、画像形成装置は、コンテンツがキーワード検索条件を満たすか否かを後段のステップS703乃至ステップS708等によって判断できる。
【0058】
ステップS703では、出力先決定手段605は、コンテンツがコンテンツテーブルで定まるキーワード検索条件を満たすかコンテンツ内の言葉を検索する。すなわち、出力先決定手段605は、コンテンツテーブルに設定される複数のキーワード検索条件のうち、「n」番目のキーワード検索条件を満たす言葉がコンテンツ内にあるかを検索する。
【0059】
ステップS704では、出力先決定手段605は、コンテンツがキーワード検索条件を満たすか否かを判断する。具体的には、ステップS703によってコンテンツ内が検索され、コンテンツ内に1つでもキーワード検索条件を満たす言葉があると、出力先決定手段605は、コンテンツがキーワード検索条件を満たす判断する。
【0060】
次に、キーワード検索条件を満たすと判断すると(ステップS704でYES)、出力先決定手段605は、ステップS705に進む。一方で、キーワード検索条件を満たさないと判断すると(ステップS704でNO)、出力先決定手段605は、ステップS707に進む。
【0061】
ステップS705では、出力先決定手段605は、優先度が高いか否かを判断するのが望ましい。
【0062】
ステップS703乃至ステップS708は、複数のキーワード検索条件が設定される場合には、「n」をカウンタ値として、繰り返し行われる。そして、処理が繰り返される中で、後段のステップS706により、以前までに検索されたキーワード検索条件のうち、最も優先度が高いキーワード検索条件及び優先度が保持される。
【0063】
そして、ステップS705では、あらかじめ保持されたキーワード検索条件の優先度と、今回検索されたキーワード検索条件の優先度とを比較する。そして、今回の優先度の方が高い優先度である場合には、出力先決定手段605は、優先度が高い(ステップS705でYES)と判断する。なお、初回、すなわち、「n=0」の場合には、以前までに判断されたキーワード検索条件がないため、出力先決定手段605は、優先度が高いと判断する。
【0064】
次に、優先度が高いと判断すると(ステップS705でYES)、出力先決定手段605は、ステップS706に進む。一方で、優先度が高くないと判断すると(ステップS705でNO)、出力先決定手段605は、ステップS707に進む。
【0065】
ステップS706では、出力先決定手段605は、キーワード検索条件及び優先度を保持する。このようにキーワード検索条件及び優先度を保持すると、以降の繰り返しにおいて、ステップS705で優先度の比較が可能となり、コンテンツに該当する複数のキーワード検索条件のうち、最も優先度が高いキーワード検索条件が抽出できる。
【0066】
ステップS707では、出力先決定手段605は、すべてのキーワード検索条件について完了したか否かを判断する。具体的には、「10」個のキーワード検索条件がコンテンツテーブルに設定される場合には、出力先決定手段605は、「10」個のキーワード検索条件がすべて判断の対象となってステップS703乃至ステップS708が行われたか否かを判断する。このようにして、ステップS703乃至ステップS708の繰り返しを行うか否かの判断は、「n」の値から判断できる。
【0067】
ステップS708では、出力先決定手段605は、「n」を「n=n+1」とする。すなわち、出力先決定手段605は、「n」をカウントアップさせる。そのため、次のステップS703以降の処理では、次のキーワード検索条件が対象となる。
【0068】
以上のように処理が行われると、複数のキーワード検索条件のうち、最も優先度が高いキーワード検索条件が抽出される。
【0069】
ステップS709では、出力先決定手段605は、出力先を決定する。例えば、コンテンツ内を検索した結果、上記(表1)に示す「キーワード検索条件」を満たす言葉がコンテンツ内で検索された場合には、出力先決定手段605は、上記(表1)に基づいて、検索された「キーワード検索条件」に対応付けされた「出力先」に、コンテンツを出力するように決定する。
【0070】
なお、あらかじめ設定される検索条件のいずれも満たさないと判断される場合には、出力先決定手段605は、例えば、出力先をユーザに選択させる。具体的には、画像形成装置は、「印刷する」、「PCへ送信する」及び「キャンセル」の3つの選択が可能なダイアログ等を表示する。そして、画像形成装置は、ユーザにボタン等のGUIで選択の操作を行わせる。このようにして、出力先をユーザの選択に従って決定してもよい。
【0071】
ステップS07では、出力先決定手段605は、出力先を通知する。なお、出力先をダイアログ等で表示して、ユーザ505に出力先を示してもよい。
【0072】
次に、出力先が印刷の場合([印刷の場合])には、画像形成装置は、ステップS08に進む。一方で、出力先が情報処理装置の場合([情報処理装置の場合])には、画像形成装置は、ステップS09に進む。
【0073】
ステップS08では、印刷手段603は、紙等の記録媒体に画像形成を行う。
【0074】
ステップS09では、コンテンツ表示制御手段604は、ユーザ管理手段606等から情報処理装置についての情報を取得する。例えば、ユーザ管理手段606には、あらかじめ下記(表2)のようなデータが登録される。
【0075】
【表2】
上記(表2)における「ユーザID」は、ユーザを識別するデータである。したがって、画像形成装置等にユーザがログインすると、それぞれのユーザのユーザIDが特定される。「メールアドレス」は、情報処理装置にデータを出力する方法の例である。つまり、この例では、コンテンツは、PDF(Portable Document Format)ファイル形式等でメールに添付されて出力される。なお、出力の方式は、メールに限られない。例えば、「メールアドレス」以外に、パス等が入力されてもよい。すなわち、いわゆる共有フォルダ等を示すパスが入力され、パスが示すデータ置き場にファイルが出力されてもよい。また、ファイル形式は、例えば、HTML(Hyper Text Markup Language)形式等でもよい。以下、メールで出力する場合を例に説明する。
【0076】
ステップS10では、コンテンツ表示制御手段604は、送信手段607に情報処理装置に出力するように指示を出す。
【0077】
以上のような処理を行うと、コンテンツの内容に基づいて出力先が定まり、ユーザは、適した環境でコンテンツを参照することができる。
【0078】
なお、画像形成装置等は、図示するような構成でなくともよい。例えば、ユーザ管理手段606は、外部装置等が有してもよい。
【0079】
<決定処理の変形例>
図8は、変形例の決定処理例を示すフローチャートである。決定処理は、例えば、図示するような処理でもよい。
【0080】
具体的には、図7に示す処理と比較すると、図示する処理では、ステップS703乃至ステップS706がステップS801及びステップS802となる点が異なる。以下、図7の処理と同一の処理は、同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0081】
なお、図示する処理では、上記(表1)とコンテンツテーブルが異なってもよい。すなわち、図示する処理では、「優先度」の項目がないコンテンツテーブルが用いられてもよい。そして、キーワード検索条件は、コンテンツテーブルにおいて優先度が高い順に並べられるとする。具体的には、「n=0」のキーワード検索条件に、設定されるキーワード検索条件のうち、最も優先度が高いキーワード検索条件が入力される。このようにして設定されるキーワード検索条件に対して、「n=0」、すなわち、「ID」が「0」の「キーワード検索条件」から順に各キーワード検索条件が、ステップS801及びステップS802の処理対象となる。
【0082】
ステップS801では、出力先決定手段605は、優先度が「n」番目のキーワード検索条件をコンテンツが満たすかコンテンツ内の言葉を検索する。
【0083】
ステップS802では、出力先決定手段605は、キーワード検索条件を満たすか否かを判断する。すなわち、ステップS801の検索結果に基づいて、キーワード検索条件を満たす言葉がコンテンツ内にあるか否かを判断する。
【0084】
次に、キーワード検索条件を満たすと判断すると(ステップS802でYES)、出力先決定手段605は、ステップS709に進む。一方で、キーワード検索条件を満たさないと判断すると(ステップS802でNO)、出力先決定手段605は、ステップS707に進む。
【0085】
このようにして、出力先決定手段605は、優先度の高いキーワード検索条件から順に判断し、キーワード検索条件を満たす場合には、出力先の決定を行うようにしてもよい。
【0086】
<機能構成例>
図9は、機能構成例を示す機能ブロック図である。例えば、画像形成装置100は、検索部902、決定部903、出力部904及び画像形成部905を備える。
【0087】
ユーザ505が出力ボタンを押す等の操作を行うと、検索部902は、コンテンツ901に含まれるキーワードを検索する検索手順を行う。例えば、検索部902は、CPU221等によって実現される。
【0088】
決定部903は、検索部902による検索結果に基づいて、コンテンツ901の出力先をPC501にするか、又は、画像形成部905にするかを決定する決定手順を行う。例えば、決定部903は、CPU221等によって実現される。
【0089】
出力部904は、決定部903による決定で定まる出力先にコンテンツ901を出力する出力手順を行う。例えば、出力部904は、バス228又は通信I/F227等によって実現される。
【0090】
画像形成部905は、記録媒体に対して画像形成を行う。例えば、画像形成部905は、エンジン部225等よって実現される。
【0091】
画像形成装置100は、操作部を備える構成でもよい。すなわち、画像形成装置100は、操作装置110以外の入力装置及び出力装置等で実現される操作部を備える構成でもよい。そして、操作部による操作手順で、操作が受け付けられてもよい。
【0092】
以上のような構成であると、出力ボタン等により、コンテンツを出力するように操作された場合に、コンテンツ内にあるキーワードに基づいて、出力先が決定される。例えば、URLのようにリンクがある場合には、コンテンツは、情報処理装置で開かれるのが望ましい。つまり、リンクがある場合には、URLが示す先のサイトにアクセスして、別のページを参照する想定のコンテンツである場合が多い。このような場合には、コンテンツが紙等に印刷されるより、情報処理装置において、コンテンツをブラウザで開いてURLをクリックできる構成の方がユーザは便利である。一方で、紙等に印刷されてしまうと、ユーザには、印刷されたURLを情報処理装置に入力する手間が発生する。
【0093】
同様に、コンテンツが証明書の場合には、画像形成装置にインストールする証明書の作成手順等を示す場合が多い。このような場合も、コンテンツが紙等に印刷されるより、情報処理装置で操作できる構成の方がユーザは便利である。ほかにも、ドライバのインストール等も同様である。
【0094】
このように、まず、「証明書」又は「http://」のようなキーワードがコンテンツに含まれる場合には、ヘルプ又はマニュアルの内容が情報処理装置で操作が必要な場合と判断できるように画像形成装置に設定する。そして、ユーザがコンテンツを出力するように操作した場合には、操作が便利な環境でコンテンツが開けるような出力先にコンテンツを出力する。このようにすると、ユーザは、印刷されたURLを情報処理装置のブラウザに入力する操作等を少なくして利便性を向上させることができる。
【0095】
<その他の実施形態>
なお、本発明に係る各処理の全部又は一部は、低水準言語又は高水準言語で記述され、コンピュータに情報処理方法を実行させるためのプログラムによって実現されてもよい。すなわち、プログラムは、画像形成装置又は画像形成システム等のコンピュータに各処理を実行させるためのコンピュータプログラムである。
【0096】
したがって、プログラムに基づいて情報処理方法が実行されると、コンピュータが有する演算装置及び制御装置は、各処理を実行するため、プログラムに基づいて演算及び制御を行う。また、コンピュータが有する記憶装置は、各処理を実行するため、プログラムに基づいて、処理に用いられるデータを記憶する。
【0097】
また、プログラムは、コンピュータが読み取り可能な記録媒体に記録されて頒布することができる。なお、記録媒体は、磁気テープ、フラッシュメモリ、光ディスク、光磁気ディスク又は磁気ディスク等のメディアである。さらに、プログラムは、電気通信回線を通じて頒布することができる。
【0098】
なお、本発明に係る実施形態は、画像形成システムによって実現されてもよい。また、画像形成システムは、各処理を冗長、分散、並列、仮想化又はこれらを組み合わせて実行してもよい。
【0099】
以上、実施形態における一例について説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されない。すなわち、本発明の範囲内で種々の変形及び改良が可能である。
【符号の説明】
【0100】
100 画像形成装置
110 操作装置
500 画像形成システム
501 PC
901 コンテンツ
902 検索部
903 決定部
904 出力部
905 画像形成部
【先行技術文献】
【特許文献】
【0101】
【文献】特開2008-145948号公報
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9