(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-08
(45)【発行日】2022-08-17
(54)【発明の名称】レンズ鏡筒および撮像装置
(51)【国際特許分類】
G02B 7/08 20210101AFI20220809BHJP
G03B 13/34 20210101ALI20220809BHJP
G02B 7/28 20210101ALI20220809BHJP
H04N 5/232 20060101ALI20220809BHJP
G03B 17/14 20210101ALN20220809BHJP
【FI】
G02B7/08 C
G03B13/34
G02B7/28 N
H04N5/232 120
G03B17/14
(21)【出願番号】P 2020504074
(86)(22)【出願日】2019-03-08
(86)【国際出願番号】 JP2019009542
(87)【国際公開番号】W WO2019172453
(87)【国際公開日】2019-09-12
【審査請求日】2020-09-03
(31)【優先権主張番号】P 2018041446
(32)【優先日】2018-03-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000004112
【氏名又は名称】株式会社ニコン
(74)【代理人】
【識別番号】110001678
【氏名又は名称】特許業務法人藤央特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 良浩
【審査官】登丸 久寿
(56)【参考文献】
【文献】特開平05-066342(JP,A)
【文献】特開2011-193185(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 7/08
G02B 7/04
G03B 13/34
G02B 7/28
H04N 5/232
G03B 17/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光学系の焦点位置を調節するフォーカスレンズと、
前記フォーカスレンズを光軸方向に移動するように駆動する駆動部と、
前記駆動部により前記フォーカスレンズを移動させる目標位置に基づ
いて、前記フォーカスレンズの移動を停止するか否かを判定する判定閾値を算出する算出部と、
前記算出部によって算出された前記判定閾値と、前記フォーカスレンズの現在位置と、に基づいて、
前記フォーカスレンズを移動または停止するように、前記駆動部を制御する駆動制御部と、
を有するレンズ鏡筒。
【請求項2】
請求項1に記載のレンズ鏡筒において、
前記算出部は、前記判定閾値を繰り返し算出し、
前記駆動制御部は、前記判定閾値が算出されると、算出された前記判定閾値と前記フォーカスレンズの現在位置と、に基づいて、前記フォーカスレンズを移動または停止するように、前記駆動部を制御する、レンズ鏡筒。
【請求項3】
請求項1または2に記載のレンズ鏡筒において、
前記算出部は、前記目標位置と、被写体の像面速度と、所定時間と、に基づいて、前記判定閾値を算出する、レンズ鏡筒。
【請求項4】
請求項3に記載のレンズ鏡筒であって、
前記所定時間は、前記駆動部に駆動開始指示を与えてからの時間間隔となる遅延時間である、レンズ鏡筒。
【請求項5】
請求項
4に記載のレンズ鏡筒であって、
前記遅延時間は、前記フォーカスレンズの特性に基づいて決定された時間である、レンズ鏡筒。
【請求項6】
請求項
3から5のいずれか一項に記載のレンズ鏡筒であって、
前記算出部は、
前記レンズ鏡筒と通信可能に接続されるカメラボディから前記目標位置と前記像面速度とを受信した場合に、前記判定閾値を算出する、レンズ鏡筒。
【請求項7】
請求項
3から5のいずれか一項に記載のレンズ鏡筒であって、
前記算出部は、前記レンズ鏡筒と通信可能に接続されるカメラボディから、撮像素子の位置と被写体の像面の位置との差分であるオフセット量と、前記像面速度と、を受信した場合に、前記オフセット量と前記現在位置とを用いて前記目標位置を算出して、前記判定閾値を算出する、レンズ鏡筒。
【請求項8】
請求項1
から7のいずれか一項に記載のレンズ鏡筒であって、
前記駆動制御部は、
被写体が至近側から無限側に移動している場合、前記判定閾値が前記現在位置よりも無限遠側の位置であると、前記フォーカスレンズの移動を継続するように前記駆動部を制御する、レンズ鏡筒。
【請求項9】
請求項1
から7のいずれか一項に記載のレンズ鏡筒であって、
前記駆動制御部は、
被写体が至近側から無限側に移動している場合、前記判定閾値が前記現在位置よりも無限遠側に位置しないと、前記フォーカスレンズの移動を停止するように前記駆動部を制御する、レンズ鏡筒。
【請求項10】
請求項
9に記載のレンズ鏡筒であって、
前記駆動制御部は、
前記駆動部の駆動停止中において、前記判定閾値が前記現在位置よりも無限遠側に位置する場合、前記フォーカスレンズの移動を開始するように前記駆動部を制御する、レンズ鏡筒。
【請求項11】
請求項1
から10のいずれか一項に記載のレンズ鏡筒であって、
前記算出部は、
被写体の動画を撮影する動画撮影モードが設定されると重みを用いて前記判定閾値を算出し、被写体が至近側から無限側に移動している場合、前記動画撮影モードで算出される判定閾値は、静止画撮影モードで算出される判定閾値よりも無限遠側に位置する、レンズ鏡筒。
【請求項12】
請求項1
から10のいずれか一項に記載のレンズ鏡筒であって、
前記算出部は、被写体の動画を撮影する動画撮影モードが設定されると、マイクから入力される音声の音量に基づいて前記判定閾値を算出し、
被写体が至近側から無限側に移動している場合、第1音量が検出された場合の判定閾値は、前記第1音量よりも小さい第2音量が検出された場合の判定閾値よりも至近側に位置する、レンズ鏡筒。
【請求項13】
請求項
1から12のいずれか一項に記載のレンズ鏡筒であって、
特定の事象を検出する検出部を有し、
前記算出部は、前記目標位置と、被写体の像面速度と、所定時間と、前記特定の事象に関する係数と、に基づいて、前記判定閾値を算出する、レンズ鏡筒。
【請求項14】
光学系の焦点位置を調節するフォーカスレンズと、
前記フォーカスレンズを光軸方向に移動するように駆動する駆動部と、
前記駆動部により前記フォーカスレンズを移動させる目標位置に基づく特定位置と、前記フォーカスレンズの現在位置と、に基づいて、前記駆動部を駆動制御する駆動制御部と、を有し、
前記駆動制御部は、被写体の動画を撮影する動画撮影モードが設定されると前記特定位置をより無限遠側に離れた位置に設定する、レンズ鏡筒。
【請求項15】
光学系の焦点位置を調節するフォーカスレンズと、
前記フォーカスレンズを光軸方向に移動するように駆動する駆動部と、
前記駆動部により前記フォーカスレンズを移動させる目標位置に基づく特定位置と、前記フォーカスレンズの現在位置と、に基づいて、前記駆動部を駆動制御する駆動制御部と、を有し、
前記駆動制御部は、第1音量が検出された場合の第1特定位置を、前記第1音量よりも小さい第2音量が検出された場合の第2特定位置よりも至近側の位置に設定する、レンズ鏡筒。
【請求項16】
光学系の焦点位置を調節するフォーカスレンズと、
前記フォーカスレンズを光軸方向に移動するように駆動する駆動部と、
特定の事象を検出する検出部と、
前記駆動部により前記フォーカスレンズを移動させる目標位置と、被写体の像面速度と、所定時間と、前記検出部によって検出された特定の事象に関する係数と、に基づいて、前記目標位置に基づく特定位置を算出する算出部と、
前記算出部によって算出された特定位置と、前記フォーカスレンズの現在位置と、に基づいて、前記駆動部を駆動制御する駆動制御部と、
を有する、レンズ鏡筒。
【請求項17】
請求項16に記載のレンズ鏡筒であって、
前記算出部は、外部からの音量に基づいて、前記特定位置を算出する、レンズ鏡筒。
【請求項18】
請求項1から12のいずれか一項に記載のレンズ鏡筒と、
前記レンズ鏡筒と通信可能に接続するカメラボディと、を有し、
前記カメラボディは、前記現在位置に基づいて、前記目標位置と、被写体の像面速度と、を算出して、前記レンズ鏡筒に送信する、撮像装置。
【請求項19】
請求項1から12のいずれか一項に記載のレンズ鏡筒と、
前記レンズ鏡筒と通信可能に接続するカメラボディと、を有し、
前記カメラボディは、前記現在位置に基づいて、撮像素子の位置と被写体の像面の位置との差分であるオフセット量と、被写体の像面速度と、を算出して、前記レンズ鏡筒に送信する、撮像装置。
【請求項20】
光学系の焦点位置を調節するフォーカスレンズと、
前記フォーカスレンズを光軸方向に移動するように駆動する駆動部と、
前記駆動部により前記フォーカスレンズを移動させる目標位置に基づいて、前記フォーカスレンズの移動を停止するか否かを判定する判定閾値を算出する算出部と、
前記算出部によって算出された前記判定閾値と、前記フォーカスレンズの現在位置と、に基づいて、前記フォーカスレンズを移動または停止するように、前記駆動部を制御する駆動制御部と、
を有する撮像装置。
【発明の詳細な説明】
【参照による取り込み】
【0001】
本出願は、平成30年(2018年)3月8日に出願された日本出願である特願2018-041446の優先権を主張し、その内容を参照することにより、本出願に取り込む。
【技術分野】
【0002】
本発明は、レンズ鏡筒および撮像装置に関する。
【背景技術】
【0003】
デフォーカス量を用いて自動的に焦点を調節する自動焦点調節装置がある(たとえば、下記特許文献1を参照)。しかしながら、デフォーカス量と被写体の像面位置とにより目標位置を設定する場合、フォーカスレンズを駆動するモータが停止してしまう頻度が高くなり、フォーカスレンズの移動が間欠的になりがちである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【0005】
本願において開示される発明の一側面となるレンズ鏡筒は、光学系の焦点位置を調節するフォーカスレンズと、前記フォーカスレンズを光軸方向に移動するように駆動する駆動部と、前記駆動部により前記フォーカスレンズを移動させる目標位置に基づいて、前記フォーカスレンズの移動を停止するか否かを判定する判定閾値を算出する算出部と、前記算出部によって算出された前記判定閾値と、前記フォーカスレンズの現在位置と、に基づいて、前記フォーカスレンズを移動または停止するように、前記駆動部を制御する駆動制御部と、を有する。
【0006】
本願において開示される発明の他の側面となるレンズ鏡筒は、光学系の焦点位置を調節するフォーカスレンズと、前記フォーカスレンズを光軸方向に移動させる駆動部と、前記駆動部により前記フォーカスレンズを移動させる第1位置に基づく第2位置と、前記フォーカスレンズの位置と、に基づいて、前記駆動部を駆動制御する駆動制御部と、を有する。
【0007】
本願において開示される発明の別の側面となるレンズ鏡筒は、光学系の焦点位置を調節するフォーカスレンズと、前記フォーカスレンズを光軸方向に移動させる駆動部と、前記フォーカスレンズを第1位置から移動させる第2位置であって、時間によって異なる位置となる前記第2位置に基づく第3位置と、前記フォーカスレンズを移動しているときの前記フォーカスレンズの位置に基づいて、前記駆動部を駆動制御する駆動制御部と、を有する。
【0008】
本願において開示される発明の一側面となる撮像装置は、光学系の焦点位置を調節するフォーカスレンズと、前記フォーカスレンズを光軸方向に移動するように駆動する駆動部と、前記駆動部により前記フォーカスレンズを移動させる目標位置に基づいて、前記フォーカスレンズの移動を停止するか否かを判定する判定閾値を算出する算出部と、前記算出部によって算出された前記判定閾値と、前記フォーカスレンズの現在位置と、に基づいて、前記フォーカスレンズを移動または停止するように、前記駆動部を制御する駆動制御部と、を有する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、被写体の撮像例を示す説明図である。
【
図2】
図2は、撮像装置のハードウェア構成例を示す説明図である。
【
図3】
図3は、モータの駆動制御例を示すグラフである。
【
図4】
図4は、撮像装置の機能的構成例を示すブロック図である。
【
図5】
図5は、カメラ側プロセッサの処理手順例を示すフローチャートである。
【
図6】
図6は、レンズ側プロセッサの応答処理手順例を示すフローチャートである。
【
図7】
図7は、レンズ側プロセッサの合焦処理手順例1を示すフローチャートである。
【
図8】
図8は、選択撮影モードに応じた撮像装置の処理手順例を示すフローチャートである。
【
図9】
図9は、レンズ側プロセッサの合焦処理手順例2を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
<被写体撮像例>
図1は、被写体の撮像例を示す説明図である。本実施例は、撮像装置100に接近してくる被写体110を追尾しながら撮像する例である。
図1では、被写体110の一例である自動車が被写体距離Rの地点から撮像装置100に向かって速度Vで接近する。なお、
図1では、被写体110が撮像装置100に接近する例であるが、被写体110が撮像装置100から離間する場合でもよい。撮像装置100は、たとえば、カメラボディ101とレンズ鏡筒102とが通信可能に接続されたレンズ交換式のデジタルカメラである。
【0011】
本実施例では、レンズ交換式のデジタルカメラを例に挙げて説明するが、撮像装置100は、カメラボディ101とレンズ鏡筒102とが一体型のデジタルカメラでもよい。また、撮像装置100は、静止画撮影のみならず動画撮影も可能である。撮像装置100は、デジタルカメラのほか、デジタルビデオカメラ、スマートフォン、タブレット、ゲーム機、監視カメラでもよい。また、撮像装置100は、自動車や自転車、ドローンなどの移動体に搭載可能であってもよい。
【0012】
<撮像装置100のハードウェア構成例>
図2は、撮像装置100のハードウェア構成例を示す説明図である。カメラボディ101は、入力デバイス210と、ミラー部211と、ペンタプリズム212と、接眼部213と、撮像素子214と、アナログフロントエンド回路(AFE)215と、LSI(Large Scale Integration)216と、AF(Auto Focus)センサ217と、ボディ側プロセッサ218と、ボディ側記憶デバイス219と、を有する。
【0013】
入力デバイス210は、たとえば、レリーズボタン210aやダイヤル210b、マイク210c(他のボタンやタッチパネルでもよい)などからの入力を受け付けるデバイスである。レリーズボタン210aが半押しされると、ボディ側プロセッサ218はオートフォーカスを開始し、レリーズボタン210aが全押しされると、ボディ側プロセッサ218は、シャッターを切って被写体110を撮像する。
【0014】
ダイヤル210bは、たとえば、静止画撮影モードと動画撮影モードに切り替え可能である。ボディ側プロセッサ218は、ダイヤル210bで切り替えられたモードにより被写体110を撮像する。マイク210cは、たとえば、動作撮影において外部からの音声の入力を受け付ける。
【0015】
ミラー部211は、クイックリターンミラー211aと、サブミラー211bと、を有する。クイックリターンミラー211aは、レンズ鏡筒102からの被写体光をペンタプリズム212に導く。クイックリターンミラー211aは、レリーズボタン210aが全押しされると、ボディ側プロセッサ218からの指示により跳ね上がり、これにより、撮像素子214が被写体光を受光可能となる。
【0016】
サブミラー211bは、レンズ鏡筒102からの被写体光をAFセンサ217に導く。ペンタプリズム212は、クイックリターンミラー211aで反射された被写体光を接眼部213に導く。接眼部213は、操作者の眼が接する部材であり、ペンタプリズム212からの被写体光により被写体110を観察可能にする。
【0017】
撮像素子214は、クイックリターンミラー211aが跳ね上がっている状態で被写体光を受光してアナログの電気信号に変換する。撮像素子214は、光学系220からの被写体光を受光して電気信号に変換する。撮像素子214は、たとえば、XYアドレス方式の固体撮像素子(たとえば、CMOS(Complementary Metal‐Oxide Semiconductor))であってもよく、順次走査方式の固体撮像素子(たとえば、CCD(Charge Coupled Device))であってもよい。
【0018】
アナログフロントエンド回路215は、撮像素子214からのアナログの電気信号に対して信号処理を施す。アナログフロントエンド回路215は、電気信号のゲイン調整、アナログ信号処理(相関二重サンプリング、黒レベル補正など)、A/D変換処理、デジタル信号処理(欠陥画素補正など)を順次実行してRAW画像データを生成し、LSI216に出力する。
【0019】
LSI216は、アナログフロントエンド回路215からのRAW画像データについて、色補間、ホワイトバランス調整、輪郭強調、ガンマ補正、階調変換などの画像処理や符号化処理、復号処理、圧縮伸張処理など、特定の処理を実行する集積回路である。LSI216は、具体的には、たとえば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field-Programmable Gate Array)などのPLD(Programmable Logic Device)によって実現してもよい。
【0020】
AFセンサ217は、サブミラー211bで反射された被写体光を受光して、被写体110の合焦位置からのズレ量を検出する。このズレ量は、撮像素子214と、撮像素子214から光軸OAの方向に離れた被写体像の像面ISとの間隔であるデフォーカス量Dに対応する。AFセンサ217は、本例では、位相差検出AFセンサであるが、被写体像のコントラスト差により合焦位置とそのズレ量を検出するコントラストAFセンサでもよく、また、サブミラー211bで反射された被写体光を受光する受光素子を撮像素子214に埋め込んだ像面位相差AFセンサでもよい。
【0021】
ボディ側プロセッサ218は、カメラボディ101を制御する。具体的には、たとえば、ボディ側プロセッサ218は、LSI216からの画像データをボディ側記憶デバイス219に格納する。また、ボディ側プロセッサ218は、ダイヤル210bで選択されたモードに従って、静止画撮影または動画撮影を実行する。また、ボディ側プロセッサ218は、レリーズボタン210aの半押しを検知してAFセンサ217によるオートフォーカス動作を指示し、AFセンサ217から合焦位置とのズレ量を取得する。
【0022】
また、ボディ側プロセッサ218は、被写体像の像面速度を算出する。具体的には、たとえば、ボディ側プロセッサ218は、AFセンサ217からのズレ量の単位時間あたりの時間変化を像面速度として算出する。また、被写体110が結像する位置(たとえば、像面ISの位置)と撮像素子214の位置との差分であるデフォーカス量Dがオフセット量である。
【0023】
ボディ側プロセッサ218は、算出した像面速度およびオフセット量をレンズ側プロセッサ221に送信する。なお、ボディ側プロセッサ218は、オフセット量の代わりに、フォーカスレンズ220aの実測位置にオフセット量を加算することにより目標位置を算出して、レンズ側プロセッサに送信してもよい。
【0024】
ボディ側プロセッサ218は、たとえば、単位時間ごとにオフセット量を算出し、オフセット量が所定の追尾誤差範囲内であるか否かを判断する。追尾誤差範囲内であれば、ボディ側プロセッサ218は、被写体110を追尾している状態であることを示し、追尾誤差範囲外であれば、被写体110の追尾が外れたことを示す。
【0025】
被写体110の追尾が外れる場合とは、たとえば、被写体110の移動速度Vが急激に変化した場合や、他の被写体110に合焦した場合がある。ボディ側プロセッサ218は、オフセット量が追尾誤差範囲外になった場合に、追尾誤差範囲外になった時点における像面速度およびオフセット量(または目標位置)を、レンズ側プロセッサ221に送信する。
【0026】
ボディ側記憶デバイス219は、ボディ側プロセッサ218の作業エリアとなる。また、ボディ側記憶デバイス219は、各種プログラムやデータ(たとえば、LSI216からの画像データ)を記憶する非一時的なまたは一時的な記録媒体である。ボディ側記憶デバイス219としては、たとえば、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、HDD(Hard Disk Drive)、フラッシュメモリがある。ボディ側記憶デバイス219は、カメラボディ101に複数実装されてもよく、そのうちの少なくとも1つは、カメラボディ101に対し着脱自在でもよい。
【0027】
レンズ鏡筒102は、フォーカスレンズ220aを含む光学系220と、レンズ側プロセッサ221と、レンズ側記憶デバイス222と、駆動回路223と、モータ224と、エンコーダ225と、を有する。光学系220は、光軸OAの方向に配列されたm群n枚(ただし、m、nは1以上の整数)のレンズ群であり、フォーカスレンズ220aはその中のレンズである。なお、光軸OAの方向のうち至近側から無限遠側への方向を光軸+OA方向とし、無限遠側から至近側への方向を光軸-OA方向とする。
【0028】
フォーカスレンズ220aは、光軸OAの方向に移動可能であり、光学系220の焦点位置を調節するレンズである。フォーカスレンズ220aの現在位置は、たとえば、基準位置POを基準とした場合の主点Hの位置となる。
【0029】
レンズ側プロセッサ221は、レンズ鏡筒102を制御する。具体的には、たとえば、レンズ側プロセッサ221は、ボディ側プロセッサ218から各種データを受信して、駆動回路223を制御する。レンズ側記憶デバイス222は、レンズ側プロセッサ221の作業エリアとなる。
【0030】
また、レンズ側記憶デバイス222は、各種プログラムやデータ(たとえば、ボディ側プロセッサ218からのデータ)を記憶する非一時的なまたは一時的な記録媒体である。レンズ側記憶デバイス222としては、たとえば、ROM、RAM、HDD、フラッシュメモリがある。レンズ側記憶デバイス222は、カメラボディ101に複数実装されてもよく、そのうちの少なくとも1つは、カメラボディ101に対し着脱自在でもよい。
【0031】
駆動回路223は、レンズ側プロセッサ221からの制御により、フォーカスレンズ220aの移動量および移動方向に対応する駆動信号を生成し、モータ224に出力する。モータ224は、駆動回路223からの駆動信号により駆動して、フォーカスレンズ220aを光軸OAの方向に移動させる。モータ224としては、たとえば、超音波モータやステッピングモータが用いられる。
【0032】
エンコーダ225は、たとえば、光学式エンコーダや磁気エンコ-ダにより構成され、フォーカスレンズ220aの移動により検出される移動量や移動方向を示す電気信号をレンズ側プロセッサ221に送信する。たとえば、モータ224が超音波モータである場合、エンコーダ225は、円環状のロータの回転によって駆動されたカム環の位置や速度を検出して、電気信号としてレンズ側プロセッサ221に伝達する。なお、カム環が回転駆動することにより、フォーカスレンズ220aを保持するAF環(不図示)が光軸OAの方向に移動する。
【0033】
<モータ224の駆動制御例>
図3は、モータ224の駆動制御例を示すグラフである。(A)は、フォーカスレンズ220aの目標位置および現在位置の時間的変化を示すグラフである。横軸が時間で縦軸がフォーカスレンズ220aの位置を示す。実線がフォーカスレンズ220aの目標位置の時間的変化を示し、一点鎖線がフォーカスレンズ220aの実測位置の時間的変化を示す。
【0034】
「初回駆動指示コマンド受信時」とは、オフセット量(または目標位置)および像面速度を含む駆動指示コマンドをモータ224の駆動停止中に受信したときである。「オーバラップ受信時」とは、駆動指示コマンドをモータ224の駆動中に受信したときである。
【0035】
(B)は、モータ224の駆動速度の時間的変化を示すグラフである。横軸が時間で縦軸がモータ224の駆動速度を示す。(C)は、モータ224の電源のON/OFF状態の時間的変化を示すグラフである。横軸が時間で縦軸がモータ224の電源のON/OFF状態を示す。
【0036】
(0)初回駆動指示コマンド受信時
ボディ側プロセッサ218が、たとえば、レリーズボタン210aの半押しにより被写体追尾を開始すると、そのときのフォーカスレンズ220aの実測位置をレンズ側プロセッサ221から取得し、像面速度v0およびオフセット量OF0(または目標位置)を算出する。
【0037】
そして、ボディ側プロセッサ218は、算出した情報を含む駆動指示コマンドをレンズ側プロセッサ221に送信する。レンズ側プロセッサ221は、時刻t0において当該駆動指示コマンドを受信すると、モータ224の電源をONにする指示を駆動回路223に出力する。
【0038】
駆動回路223は、当該指示によりモータ224の電源をONにする。モータ224は、電源ON後、所定時間dt経過後に駆動を開始する。この所定時間dtが起動遅れを示す遅延時間である。遅延時間dtは、たとえば、モータ224が超音波モータである場合、モータ224が回転しない周波数から掃引してモータ224が回転を始める周波数に到達するまでの時間である。
【0039】
遅延時間dtは、フォーカスレンズ220aの特性(たとえば、重さや光軸OAの方向の移動による慣性)に基づいて、フォーカスレンズ220aの種類により決定された時間でもよい。これにより、フォーカスレンズ220aの特徴により遅延時間dtが設定され、フォーカスレンズ220aごとに駆動継続の判定をおこなうことができる。
【0040】
駆動回路223は、遅延時間dt経過後にモータ224の駆動速度を加速させ、レンズ側プロセッサ221からの指示によりフォーカスレンズ220aの実測位置が目標位置となるようにモータ224を駆動する。モータ224の駆動開始によりフォーカスレンズ220aが光軸OA+方向に移動して目標位置に接近する。
【0041】
(1)オーバラップ受信1
時刻t1で、レンズ側プロセッサ221は、ボディ側プロセッサ218からの駆動指示コマンド(像面速度v1、オフセット量OF1)をオーバラップ受信する。レンズ側プロセッサ221は、時刻t1のフォーカスレンズ220aの実測位置と当該オフセット量OF1を加算することにより時刻t1での目標位置を算出する。ボディ側プロセッサ218からの駆動指示コマンドに目標位置が含まれている場合は、目標位置を算出しなくてもよい。
【0042】
レンズ側プロセッサ221は、時刻t1でモータ224の駆動の継続または停止を判定する。この場合、レンズ側プロセッサ221は、判定閾値を算出する。判定閾値とは、目標位置に補正量を加算した値である。補正量とは、像面速度と遅延時間とを乗算した距離である。したがって、判定閾値が示す位置(以下、特定位置)は、目標位置よりも無限遠側の位置となる。
【0043】
この場合の補正量は、時刻t1での像面速度v1と遅延時間dtとを乗算した距離である。この距離は、仮にフォーカスレンズ220aが目標位置を追い越していた場合にモータ224の駆動を停止し再起動したときに目標位置が停止中のフォーカスレンズ220aの位置に追いつく距離である。したがって、当該距離を目標位置にあらかじめ加算して判定閾値とすることにより、モータ224の無駄な停止を抑制することができる。
【0044】
オーバラップ受信1では、時刻t1において、判定閾値は、フォーカスレンズ220aの位置の値よりも大きい、すなわち、判定閾値が示す特定位置はフォーカスレンズ220aの位置よりも無限遠側に位置するため、レンズ側プロセッサ221は、モータ224の駆動を継続すべきと判定し、モータ224を駆動制御して、フォーカスレンズ220aをピントが合うように移動させる。
【0045】
(2)オーバラップ受信2
時刻t2で、レンズ側プロセッサ221は、ボディ側プロセッサ218からの駆動指示コマンド(像面速度v2、オフセット量OF2)をオーバラップ受信する。レンズ側プロセッサ221は、時刻t2のフォーカスレンズ220aの実測位置と当該オフセット量OF2を加算することにより時刻t2での目標位置を算出する。ボディ側プロセッサ218からの駆動指示コマンドに目標位置が含まれている場合は、目標位置を算出しなくてもよい。
【0046】
レンズ側プロセッサ221は、時刻t2でモータ224の駆動の継続または停止を判定する。この場合、レンズ側プロセッサ221は、時刻t2での目標位置に補正量を加算した判定閾値を算出する。この場合の補正量は、時刻t2での像面速度v2と遅延時間dtとを乗算した距離である。
【0047】
オーバラップ受信2では、時刻t2において、判定閾値は、フォーカスレンズ220aの位置の値以下であるため、すなわち、判定閾値が示す特定位置はフォーカスレンズ220aの位置よりも至近側に位置するため、レンズ側プロセッサ221は、モータ224の駆動を停止すべきと判定し、モータ224の電源をOFFにし、フォーカスレンズ220aの移動を停止する。この停止制御により、モータ224は減速し、減速時間dct経過後に駆動速度が0となる。
【0048】
(2a)自律判定
モータ224の停止中、レンズ側プロセッサ221は自律判定を試行する。自律判定とは、モータ224の再起動のタイミングを検出するための判定処理である。具体的には、たとえば、レンズ側プロセッサ221は、モータ224停止中の期間において、単位時間ごとに、判定閾値がフォーカスレンズ220aの実測位置よりも大きいか否かを判定する。モータ224が停止しているため、モータ224の停止期間中のフォーカスレンズ220aの実測位置は一定である。
【0049】
レンズ側プロセッサ221は、単位時間ごとにオフセット量を算出して目標位置を特定し、像面速度v2に遅延時間dtを乗じた補正量を算出し、目標位置に加算して判定閾値を算出する。なお、モータ224の停止中において、ボディ側プロセッサ218が、単位時間ごとにオフセット量をレンズ側プロセッサ221に送信してもよく、レンズ側プロセッサ221が単位時間ごとに像面速度v2を用いて目標位置を更新して、更新した目標位置と停止中のフォーカスレンズ220aの実測位置との差分からオフセット量を算出してもよい。
【0050】
レンズ側プロセッサ221は、判定閾値が示す特定位置が、フォーカスレンズ220aの実測位置を超えるまで自律判定を試行する。時刻t2aで判定閾値が示す特定位置が、フォーカスレンズ220aの実測位置を超えた場合、駆動回路223にモータ224の再起動を指示する。
【0051】
駆動回路223は、当該指示により時刻t2aでモータ224の電源をONにする。モータ224は、時刻t2aで電源ON後、遅延時間dt経過後に駆動を開始する。モータ224の駆動開始によりフォーカスレンズ220aを光軸OA+方向に移動して目標位置に再接近する。
【0052】
判定閾値を用いてモータ224の再起動を指示することにより、補正量を加算しない目標位置とフォーカスレンズ220aの実測位置とを比較する場合に比べて、モータ224の駆動開始を早く指示することができる。したがって、被写体110の追尾を開始するまでの時間を短縮することができ、被写体追尾性能の向上を図ることができる。
【0053】
なお、遅延時間dtは、あらかじめレンズ側記憶デバイス222に格納され、補正量の算出時に、レンズ側プロセッサ221がレンズ側記憶デバイス222から読み出す。また、レンズ側プロセッサ221は、直前の遅延時間dtを計測してレンズ側記憶デバイス222に格納し、補正量の算出時に、直前の遅延時間dtをレンズ側記憶デバイス222から読み出して、補正量の算出に用いてもよい。
【0054】
実際の遅延時間dtを用いることで、モータ224の再起動のタイミング、すなわち、被写体110の追尾を開始するまでの時間をより正確に見積もることができ、被写体追尾性能の向上を図ることができる。また、モータ224駆動停止中の自律判定においては、直前のモータ224停止時の減速時間dctを考慮してもよい。
【0055】
遅延時間に減速時間を加算してから像面速度を乗算して補正量を算出することにより、減速時間が長いほど判定閾値が大きくなる。したがって、フォーカスレンズ220aの停止位置まで目標位置をより早く到達することができる。またモータ224の停止および開始に伴う音の発生回数が少なくなり静かに駆動することができる。
【0056】
(3)オーバラップ受信3
時刻t3で、レンズ側プロセッサ221は、ボディ側プロセッサ218からの駆動指示コマンド(像面速度v3、オフセット量OF3)をオーバラップ受信する。レンズ側プロセッサ221は、時刻t3のフォーカスレンズ220aの実測位置と当該オフセット量OF3を加算することで時刻t3での目標位置を算出する。なお、ボディ側プロセッサ218からの駆動指示コマンドに目標位置が含まれている場合は、目標位置を算出しなくてもよい。
【0057】
レンズ側プロセッサ221は、時刻t3でモータ224の駆動の継続または停止を判定する。この場合、レンズ側プロセッサ221は、時刻t3での目標位置に補正量を加算した判定閾値を算出する。この場合の補正量は、時刻t3での像面速度v3と遅延時間dtとを乗算した距離である。
【0058】
オーバラップ受信3では、時刻t3において、判定閾値は、フォーカスレンズ220aの位置の値よりも大きい、すなわち、判定閾値が示す特定位置はフォーカスレンズ220aの位置よりも無限遠側に位置するため、レンズ側プロセッサ221は、モータ224の駆動を継続すべきと判定し、モータ224を駆動制御して、フォーカスレンズ220aをピントが合うように移動させる。この例では、フォーカスレンズ220aの位置は、目標域よりも無限遠側にあるため、モータ224を駆動制御して、フォーカスレンズ220aの移動速度を減速させるとよい。
【0059】
<撮像装置100の機能的構成例>
図4は、撮像装置100の機能的構成例を示すブロック図である。カメラボディ101は、カメラ制御部410を有する。カメラ制御部410は、具体的には、たとえば、
図2に示したボディ側記憶デバイス219に記憶されたプログラムをボディ側プロセッサ218に実行させることにより実現される。
【0060】
カメラ制御部410は、
図2で説明したように、アナログフロントエンド回路215からのRAW画像データを画像処理する。また、カメラ制御部410は、AFセンサ217からのズレ量、すなわち、デフォーカス量Dと、駆動制御部421からのフォーカスレンズ220aの実測位置と、単位時間と、を用いて、像面速度を算出する。カメラ制御部410は、デフォーカス量Dをオフセット量とし、オフセット量と像面速度とを含む駆動指示コマンドを算出部420に送信する。
【0061】
また、カメラ制御部410は、ダイヤル210bにより動画撮影モードが選択されると、マイク210cから音声の入力を受け付ける。カメラ制御部410は、現在の選択モード(動画撮影モード)および入力音声の音量に関する情報(音量がしきい値以下であることを示す)を含む調整コマンドを検出部423に送信する。
【0062】
レンズ鏡筒102は、算出部420と、駆動制御部421と、駆動部422と、検出部423と、を有する。算出部420、駆動制御部421、駆動部422、および検出部423は、フォーカスレンズ220aを駆動する駆動装置として構成される。
【0063】
算出部420は、カメラ制御部410からの駆動指示コマンド(像面速度、オフセット量)を受信して、補正量を算出する。算出部420は、フォーカスレンズ220aの現在の実測位置とオフセット量とを加算して目標位置を算出する。算出部420は、目標位置と補正量とを加算することにより、判定閾値を算出する。算出部420は、具体的には、たとえば、
図2に示したレンズ側記憶デバイス222に記憶されたプログラムをレンズ側プロセッサ221に実行させることにより実現される。
【0064】
駆動制御部421は、判定閾値とフォーカスレンズ220aの現在の実測位置とに基づいて、モータ224の駆動を制御する。判定閾値がフォーカスレンズ220aの現在の実測位置の値よりも大きい場合、駆動制御部421は、モータ224の駆動を継続するように制御する。判定閾値がフォーカスレンズ220aの現在の実測位置の値以下である場合、駆動制御部421は、モータ224の駆動を停止するように制御する。
【0065】
駆動制御部421は、駆動部422からのモータ224の回転数および回転速度により、フォーカスレンズ220aの位置が追尾誤差範囲内となるように駆動部422に出力する駆動制御信号を決定する。駆動制御部421は、具体的には、たとえば、
図2に示したレンズ側記憶デバイス222に記憶されたプログラムをレンズ側プロセッサ221に実行させることにより実現される。
【0066】
駆動部422は、駆動制御部421からの駆動制御信号により、フォーカスレンズ220aを光軸OAの方向に移動させる。また、駆動部422は、モータ224の回転数および回転方向を検出し、駆動制御部421に戻す。駆動部422は、具体的には、たとえば、
図2に示した駆動回路223、モータ224、およびエンコーダ225により実現される。
【0067】
検出部423は、カメラ制御部410からの調整コマンドに基づいて、駆動制御部421に駆動継続を優先するよう指示する。具体的には、たとえば、調整コマンドが検出された場合、検出部423は、算出部420および駆動制御部421に対し、強制的に駆動継続するよう指示する。この場合、算出部420は、判定閾値を算出せず、駆動制御部421は、判定閾値とフォーカスレンズ220aの実測位置との比較を試行せず、オーバラップ受信のタイミングで駆動継続と判定し、駆動部422を駆動制御する。
【0068】
モータ224の停止時や起動時には、モータ224から突発的に音が発生するため、静かなシーンを動画撮影している場合に、そのような音がマイク210cに拾われる可能性がある。したがって、強制的に駆動継続とすることにより、モータ224の停止時や起動時のモータ224音の発生を抑制し、良質な動画を撮影することができる。
【0069】
また、強制的に駆動継続するのではなく、判定閾値がより大きな値となるようにしてもよい。たとえば、調整コマンドが検出された場合、検出部423は、算出部420に対し、駆動継続を優先するよう指示する。算出部420は、補正量(=像面速度×遅延時間)に1.0よりも大きい重み(たとえば、1.5)を乗算して、判定閾値に重みを乗算しない場合よりも大きくする。これにより、駆動制御部421が、駆動部422の駆動継続を決定する確率が高くなり、駆動継続を優先することができる。
【0070】
なお、検出部423は、重みを補正量に乗算したが、目標位置や判定閾値に重みを乗算してもよい。検出部423は、具体的には、たとえば、
図2に示したレンズ側記憶デバイス222に記憶されたプログラムをレンズ側プロセッサ221に実行させることにより実現される。
【0071】
<ボディ側プロセッサ218の処理手順例>
図5は、ボディ側プロセッサ218の処理手順例を示すフローチャートである。このフローチャートは、たとえば、レリーズボタン210aの半押しによるAFの開始をトリガとする。ボディ側プロセッサ218は、レンズ側プロセッサ221にフォーカスレンズ220aの現在位置の取得要求を送信し、レンズ側プロセッサ221からフォーカスレンズ220aの現在位置を取得する(ステップS501)。
【0072】
ボディ側プロセッサ218は、AFセンサ217からのデフォーカス量Dをオフセット量として取得し(ステップS502)、像面速度を算出する(ステップS503)。そして、ボディ側プロセッサ218は、像面速度およびオフセット量を含む駆動指示コマンドをレンズ側プロセッサ221に送信する(ステップS504)。
【0073】
そして、ボディ側プロセッサ218は、単位時間経過を待ち受け(ステップS505:No)、単位時間が経過した場合(ステップS505:Yes)、ボディ側プロセッサ218は、AFセンサ217から最新のデフォーカス量Dをオフセット量として取得し(ステップS506)、フォーカスレンズ220aが目標位置に追従しているか否かを判断する(ステップS507)。具体的には、たとえば、ボディ側プロセッサ218は、ステップS506で取得したオフセット量が追尾誤差範囲内であるか否かを判断する。
【0074】
オフセット量が追尾誤差範囲内である場合、すなわち、追従している場合(ステップS507:Yes)、ステップS505に戻り、ボディ側プロセッサ218は、次の単位時間経過を待ち受ける(ステップS505:No)。オフセット量が追尾誤差範囲外である場合、すなわち、追従していない場合(ステップS507:No)、ボディ側プロセッサ218は、ステップS503に戻り、ボディ側プロセッサ218は、あらたに像面速度を算出することになる。
【0075】
ステップS505において、単位時間が経過していない場合(ステップS505:No)、ボディ側プロセッサ218は、AF(Autofocus)が終了したか否かを判断する(ステップS508)。具体的には、たとえば、ボディ側プロセッサ218は、レリーズボタン210aが全押しされたか否かを判断する。
【0076】
AFが終了していない場合(ステップS508:No)、ステップS505に戻り、ボディ側プロセッサ218は、単位時間の経過を待ち受ける(ステップS505:No)。AFが終了した場合(ステップS508:Yes)、ボディ側プロセッサ218は、一連の処理を終了する。
【0077】
<レンズ側プロセッサ221の応答処理手順例>
図6は、レンズ側プロセッサ221の応答処理手順例を示すフローチャートである。レンズ側プロセッサ221は、ボディ側プロセッサ218からレンズ位置取得要求を待ち受け(ステップS601:No)、レンズ位置取得要求を受信した場合(ステップS601:Yes)、エンコーダ225からの検出信号によりフォーカスレンズ220aの現在の実測位置を取得してボディ側プロセッサ218に送信する(ステップS602)。
【0078】
これにより、ボディ側プロセッサ218は、フォーカスレンズ220aの現在の実測位置を取得することができ(ステップS501)、レンズ側プロセッサ221は、モータ224を駆動制御して、モータ224の駆動を開始する。したがって、モータ224が回転駆動して、フォーカスレンズ220aが経時的に目標位置に接近するように光軸OA+方向に移動する。
【0079】
<レンズ側プロセッサ221の合焦処理手順例>
図7は、レンズ側プロセッサ221の合焦処理手順例1を示すフローチャートである。レンズ側プロセッサ221は、モータ224駆動中に駆動指示コマンドの受信(オーバラップ受信)を待ち受ける(ステップS701:No)。
【0080】
駆動指示コマンドが受信された場合(ステップS701:Yes)、レンズ側プロセッサ221は、モータ224が駆動停止中であるか否かを判断する(ステップS702)。モータ224は、たとえば、後述のステップS705の駆動停止制御の開始により停止する場合と、被写体110が静止したことでボディ側プロセッサ218から駆動停止コマンド(たとえば、オフセット量0の駆動指示コマンド)を受信した場合に、駆動を停止する。
【0081】
駆動停止中でない場合(ステップS702:No)、レンズ側プロセッサ221は、判定閾値を算出し(ステップS703)、判定閾値がレンズ位置(フォーカスレンズ220aの現在の実測位置)の値よりも大きいか否か、すなわち、判定閾値が示す特定位置が、レンズ位置よりも無限遠側に位置するか否かを判断する(ステップS704)。
【0082】
判定閾値がレンズ位置の値よりも大きい場合(ステップS704:Yes)、判定閾値が示す特定位置がレンズ位置よりも無限遠側に位置するため、フォーカスレンズ220aが、判定閾値が示す特定位置に追いついていない。したがって、モータ224の駆動継続となり、ステップS701に戻る。
【0083】
判定閾値がレンズ位置の値以下である場合(ステップS704:No)、判定閾値が示す特定位置がレンズ位置と同位置またはレンズ位置よりも至近側に位置するため、フォーカスレンズ220aが、判定閾値が示す特定位置と同位置または特定位置を追い越していることになる。したがって、レンズ側プロセッサ221は、モータ224を駆動制御して、モータ224の駆動停止を開始させる(ステップS705)。これにより、モータ224が停止する。そして、ステップS701に戻る。
【0084】
ステップS702において、モータ224が駆動停止中である場合(ステップS702:Yes)、レンズ側プロセッサ221は、単位時間の経過を待ち受ける(ステップS706:No)。単位時間が経過した場合(ステップS706:Yes)、レンズ側プロセッサ221は、判定閾値を算出し(ステップS707)、判定閾値がレンズ位置の値よりも大きいか否か、すなわち、判定閾値が示す特定位置が、レンズ位置よりも無限遠側に位置するか否かを判断する(ステップS708)。
【0085】
判定閾値がレンズ位置の値以下である場合(ステップS708:No)、ステップS706に戻る。すなわち、レンズ側プロセッサ221は、モータ224を駆動せず、フォーカスレンズ220aは停止した状態を維持して、単位時間の経過を待ち受ける(ステップS706:No)。
【0086】
一方、判定閾値がレンズ位置の値よりも大きい場合(ステップS708:Yes)、すなわち、判定閾値が示す特定位置がレンズ位置よりも無限遠側に位置する場合、レンズ側プロセッサ221は、モータ224の駆動制御を開始させ(ステップS709)、ステップS701に戻る(
図3の(2a)自律判定)。そして、レンズ側プロセッサ221は、駆動指示コマンドを待ち受ける(ステップS701)。このようにして、レンズ側プロセッサ221は、フォーカスレンズ220aを光軸OAの方向に移動させるモータ224を駆動制御することができる。
【0087】
<選択撮影モードに応じた処理手順例>
図8は、選択撮影モードに応じた撮像装置100の処理手順例を示すフローチャートである。ボディ側プロセッサ218は、ダイヤル210bで選択された撮影モードが静止画撮影モードであるか動画撮影モードであるかを判断する(ステップS801)。静止画撮影モードである場合(ステップS801:静止画)、ステップS806に移行する。
【0088】
動画撮影モードである場合(ステップS801:動画)、ボディ側プロセッサ218は、マイク210cからの入力音声の音量がしきい値以下であるか否かを判断する(ステップS802)。しきい値以下でない場合(ステップS802:No)、ステップS806に移行する。
【0089】
一方、しきい値以下である場合(ステップS802:Yes)、ボディ側プロセッサ218は、調整コマンドをレンズ側プロセッサ221に送信して(ステップS803)、ステップS806に移行する。調整コマンドは、たとえば、レンズ側プロセッサ221が、動画撮影モードにおいて、判定閾値を算出せずに強制的にモータ224を駆動継続する指示、または、重みを用いて判定閾値を大きくする指示のいずれかである。いずれの指示にするかは、ユーザ操作で設定可能である。
【0090】
レンズ側プロセッサ221は、ボディ側プロセッサ218から調整コマンドを受信したか否かを判断する(ステップS804)。調整コマンドを受信した場合(ステップS804:Yes)、レンズ側プロセッサ221は、調整コマンドを検出部423に出力して(ステップS805)、ステップS806に移行する。一方、調整コマンドを受信しなかった場合(ステップS804:Yes)、ステップS806に移行する。
【0091】
合焦処理(ステップS806)では、ボディ側プロセッサ218は、
図5に示した処理手順を実行する。レンズ側プロセッサ221は、調整コマンドを受信した場合には、
図7に示した合焦処理手順1を実行する。一方、動画撮影モードにおいて、判定閾値を算出せずに強制的にモータ224を駆動継続する指示を含む調整コマンドを受信した場合には、レンズ側プロセッサ221は、
図7のような合焦処理を実行せずに、モータ224の駆動を継続することになる。
【0092】
この場合の調整コマンドは、動画撮影モードにおいて、判定閾値を算出せずに強制的にモータ224を駆動継続する指示であり、
図7に示した合焦処理手順1が実行されない。これにより、モータ224の駆動が停止することがないため、モータ224の停止または再起動の際の音を発生させないようにすることができる。
【0093】
このように、動画撮影モードにおいて入力音声の音量が低い場合、モータ224の停止や再起動の回数を抑制することができ、撮影された動画にモータ224の停止時や再起動時の突発的な音の録音を抑制する。したがって、撮像装置100は、良質な動画を撮影することができる。
【0094】
なお、
図8では、動画撮影モードにおいて入力音声の音量がしきい値以下である場合に、モータ224の駆動継続をするようにしたが、入力音声の音量にかかわらず、動画撮影モードが選択された場合に、モータ224の駆動継続をするようにしてもよい。また、動画撮影モードにおいて、重みを用いて判定閾値を大きくする指示を含む調整コマンドを受信した場合には、後述の
図9の処理手順を実行する。
【0095】
図9は、レンズ側プロセッサ221の合焦処理手順例2を示すフローチャートである。
図9の場合、ステップS703、S707に替えて、レンズ側プロセッサ221は、上述したように、算出部420により、1.0以上の重みを用いて判定閾値を算出する(ステップS903、S907)。
【0096】
これにより、駆動制御部421が、駆動部422の駆動継続を決定する確率が高くなり、駆動継続を優先することができる。駆動継続を優先することにより、強制的に駆動継続する場合と同様、動画撮影モードにおいて入力音声の音量が低い場合、モータ224の停止や再起動の回数を抑制することができ、撮影された動画にモータ224の停止時や再起動時の突発的な音の録音を抑制する。
【0097】
したがって、良質な動画を撮影することができる。また、駆動停止を強制しないことで、判定閾値がレンズ位置の値以下であれば、モータ224の駆動を停止して、フォーカスレンズ220aの行き過ぎを抑制して、被写体110に合焦しやすいようにすることができる。
【0098】
なお、上述の
図3等の説明では、被写体100が至近側から無限遠側に移動する例について説明したが、被写体100が無限遠側から至近側に動く場合でもよい。この時の動作を説明する。なお、上述した説明と同様の箇所については詳細な説明は省略する。
【0099】
ボディ側プロセッサ218が、たとえば、レリーズボタン210aの半押しにより被写体100の追尾を開始すると、モータ224が駆動を開始し、フォーカスレンズ220aが光軸OA-方向(無限遠側から至近側)に移動して目標位置に接近する。下記の例では、「目標位置を追い越す」とは、たとえば、フォーカスレンズ220aが、光軸OA-方向への移動により、目標位置よりも至近側に位置することをいう。
【0100】
レンズ側プロセッサ221は、ボディ側プロセッサ218からの駆動指示コマンド(像面速度v1、オフセット量OF1)をオーバラップ受信すると、レンズ側プロセッサ221は、モータ224の駆動の継続または停止を判定する。この場合、レンズ側プロセッサ221は、判定閾値を算出する。この例では判定閾値が示す位置(特定位置)は、目標位置よりも至近側の位置となる。
【0101】
オーバラップ受信した時刻において、判定閾値が、フォーカスレンズ220aの位置の値よりも小さい、すなわち、特定位置がフォーカスレンズ220aの位置よりも至近側の位置であれば、レンズ側プロセッサ221は、モータ224の駆動を継続すべきと判定し、モータ224を駆動制御して、フォーカスレンズ220aをピントが合うように移動させる。このとき、フォーカスレンズ220aの位置が目標位置よりも至近側に位置する場合には、モータ224を駆動制御して、フォーカスレンズ220aの移動速度を減速させるとよい。
【0102】
また、オーバラップ受信した時刻において、判定閾値が、フォーカスレンズ220aの位置の値よりも大きい、すなわち、特定位置がフォーカスレンズ220aの位置よりも無限遠側の位置であれば、レンズ側プロセッサ221は、モータ224の駆動を停止すべきと判定し、モータ224の電源をOFFにし、フォーカスレンズ220aの移動を停止する。この停止制御により、モータ224は減速し、減速時間dct経過後に駆動速度が0となる。
【0103】
モータ224の停止中に、特定位置が、フォーカスレンズ220aの実測位置を超えた場合、レンズ側プロセッサ221は、駆動回路223にモータ224の再起動を指示することになる。このように、被写体100が無限遠側から至近側に動く場合でも、駆動部422の駆動継続を、駆動停止よりも優先することができる。
【0104】
(1)このように上述したレンズ鏡筒102は、光学系220の焦点位置を調節するフォーカスレンズ220aと、フォーカスレンズ220aを光軸OAの方向に移動するように駆動する駆動部422と、駆動部422によりフォーカスレンズ220aを移動させる目標位置に基づく特定位置(判定閾値)と、フォーカスレンズ220aの現在位置(レンズ位置)と、に基づいて、駆動部422を駆動制御する駆動制御部421と、を有する。これにより、駆動部422の駆動継続を、駆動停止よりも優先することができる。
【0105】
より具体的には、フォーカスレンズ220aの現在位置が目標位置を行き過ぎていた場合に、必ずしも駆動部422を駆動停止することはなく、駆動継続する場合がある。したがって、駆動部422の駆動停止回数を抑制することができ、円滑な被写体追尾を行うことができる。
【0106】
(2)また、上記(1)において、レンズ鏡筒102は、目標位置と、被写体110の像面速度と、所定時間と、に基づいて、特定位置を算出する算出部420を有し、駆動制御部421は、前記算出部420によって算出された特定位置と、フォーカスレンズ220aの現在位置と、に基づいて、駆動部422を駆動制御する。
【0107】
これにより、レンズ位置が目標位置に対して行き過ぎていた場合を想定して、目標位置に補正量を上乗せして特定位置とする。したがって、駆動を停止した場合にレンズ位置が目標位置に追いつく期間も被写体追尾を行うことができ、フォーカスレンズ220aの追従性能の向上を図ることができる。
【0108】
(3)また、上記(2)において、所定時間は、駆動部422に駆動開始指示を与えてからの時間間隔、たとえば、駆動が開始するまでの遅延時間dtとする。これにより、駆動部422の駆動を停止してから再起動するまでの間の時間を容易に見積もることができ、駆動を停止した場合にレンズ位置が目標位置に追いつく期間も予測して被写体追尾を行うことができる。したがって、フォーカスレンズ220aの追従性能の向上を図ることができる。
【0109】
(4)また、上記(3)において、遅延時間dtは、フォーカスレンズ220aの特性に基づいて決定された時間としてもよい。これにより、フォーカスレンズ220aの種類に応じて特定位置を算出することができ、フォーカスレンズ220aの追従性能の向上を図ることができる。
【0110】
(5)また、上記(2)において、算出部420は、レンズ鏡筒102と通信可能に接続されるカメラボディ101から目標位置と像面速度とを受信した場合に、特定位置を算出してもよい。これにより、レンズ鏡筒102で目標位置を算出する必要がなくなり、レンズ鏡筒102での計算処理負荷の低減を図ることができる。
【0111】
(6)また、上記(2)において、算出部420は、レンズ鏡筒102と通信可能に接続されるカメラボディ101から、撮像素子214の位置と被写体110の像面ISの位置との差分であるオフセット量(デフォーカス量D)と、像面速度と、を受信した場合に、オフセット量と現在位置とを用いて目標位置を算出して、特定位置を算出してもよい。これにより、カメラボディ101で目標位置を算出する必要がなくなり、カメラボディ101での計算処理負荷の低減を図ることができる。
【0112】
(7)また、上記(1)において、駆動制御部421は、特定位置がフォーカスレンズ220aの現在位置よりも無限遠側に位置する場合、駆動部422の駆動を継続するように制御してもよい。これにより、目標位置とレンズ位置との比較に比べて、駆動部422の駆動を継続する確率が上がり、駆動停止回数を抑制することができる。したがって、円滑な被写体追尾を行うことができる。
【0113】
(8)また、上記(1)において、駆動制御部421は、特定位置がフォーカスレンズ220aの現在位置よりも無限遠側に位置しない場合、駆動部422の駆動を停止するように制御してもよい。これにより、フォーカスレンズ220aの移動が停止され、目標位置を超えた行き過ぎを抑制することができる。
【0114】
(9)また、上記(8)において、駆動制御部421は、駆動部422の駆動停止中において、特定位置がフォーカスレンズ220aの現在位置よりも無限遠側に位置する場合、駆動部422の駆動を開始するように制御してもよい。これにより、駆動部422の駆動再開をより早めに設定することができ、フォーカスレンズ220aの追従性能の向上を図ることができる。
【0115】
(10)また、上記(1)において、駆動制御部421は、被写体110の動画を撮影する動画撮影モードが設定されると特定位置をより無限遠側に離れた位置に設定してもよい。これにより、駆動継続よりも動画撮影に基づく駆動制御を強制的に選択することができる。
【0116】
(11)また、上記(1)において、駆動制御部421は、第1の音量が検出された場合の第1特定位置を、第1音量よりも小さい第2音量が検出された場合の第2特定位置よりも至近側の位置に設定してもよい。これにより、第1音量(たとえば、所定のしきい値音量)よりも音量が小さくなった場合に、駆動継続よりも動画撮影に基づく駆動制御を選択することができる。
【0117】
(12)また、上記(1)において、レンズ鏡筒102は、特定の事象を検出する検出部423を有し、駆動制御部421は、検出部423によって検出された特定の事象に基づいて、駆動部422を駆動制御してもよい。これにより、駆動継続よりも特定の事象に基づく駆動制御を強制的に選択することができる。
【0118】
(13)また、上記(11)において、レンズ鏡筒102は、目標位置と、被写体110の像面速度と、所定時間と、特定の事象に関する係数(重み)と、に基づいて、特定位置を算出する算出部420を有し、駆動制御部421は、算出部420によって算出された特定位置と、フォーカスレンズ220aの現在位置と、に基づいて、駆動部422を駆動制御してもよい。これにより、駆動継続よりも特定の事象に基づく駆動制御を優先することができる。
【0119】
(14)また、上記(13)において、算出部420は、外部からの音量に基づいて、特定位置を算出してもよい。これにより、駆動継続よりも特定の事象での外部音量に基づく駆動制御を優先することができる。
【0120】
以上説明したように、本実施例によれば、円滑な被写体追尾を行うことができる。
【符号の説明】
【0121】
100 撮像装置、101 カメラボディ、102 レンズ鏡筒、110 被写体、218 ボディ側プロセッサ、220 フォーカスレンズ、221 レンズ側プロセッサ、223 駆動回路、224 モータ、225 エンコーダ、410 カメラ制御部、420 算出部、421 駆動制御部、422 駆動部、423 検出部