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特許7120518フォルダブルディスプレイ用保護フィルムおよびこれを含むフォルダブルディスプレイ装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-08
(45)【発行日】2022-08-17
(54)【発明の名称】フォルダブルディスプレイ用保護フィルムおよびこれを含むフォルダブルディスプレイ装置
(51)【国際特許分類】
   B32B 7/12 20060101AFI20220809BHJP
   B32B 7/022 20190101ALI20220809BHJP
   B32B 7/023 20190101ALI20220809BHJP
   B32B 27/00 20060101ALI20220809BHJP
   C09J 7/38 20180101ALI20220809BHJP
   C09J 201/00 20060101ALI20220809BHJP
   G09F 9/00 20060101ALI20220809BHJP
   H01L 27/32 20060101ALI20220809BHJP
   H05B 33/02 20060101ALI20220809BHJP
   H01L 51/50 20060101ALI20220809BHJP
【FI】
B32B7/12
B32B7/022
B32B7/023
B32B27/00 D
C09J7/38
C09J201/00
G09F9/00 302
G09F9/00 313
G09F9/00 350Z
H01L27/32
H05B33/02
H05B33/14 A
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2021504772
(86)(22)【出願日】2019-10-08
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-11-25
(86)【国際出願番号】 KR2019013194
(87)【国際公開番号】W WO2020076053
(87)【国際公開日】2020-04-16
【審査請求日】2021-02-03
(31)【優先権主張番号】10-2018-0120972
(32)【優先日】2018-10-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】500239823
【氏名又は名称】エルジー・ケム・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ユー、ハン ソル
(72)【発明者】
【氏名】キム、ヒュン チョル
(72)【発明者】
【氏名】パク、ヒョン ギュ
(72)【発明者】
【氏名】ソン、ヒー
【審査官】河内 浩志
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2017/014287(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B32B 1/00- 43/00
C09J 1/00- 5/10
7/00- 7/50
9/00-201/10
G09F 9/00
H01L27/32
H05B33/00- 33/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
粘着剤層と、
前記粘着剤層の一面に備えられた保護基材と、
前記保護基材の前記粘着剤層と接する面の反対面に備えられた第1ハードコート層と
前記粘着剤層と前記保護基材との間に第2ハードコート層と
を含むフォルダブルディスプレイ用保護フィルムであって、
前記保護基材の厚さは、10μm以上150μm以下であり、
前記第1ハードコート層の厚さは、1μm以上10μm以下であり、
前記第2ハードコート層の厚さは、1μm以上10μm以下であり、
前記粘着剤層の前記保護基材と接する面の反対面をPI基材に対して接合後、23℃、50RH%で測定した粘着力は、10gf/inch以上であるフォルダブルディスプレイ用保護フィルム。
【請求項2】
前記粘着剤層の厚さは、5μm以上50μm以下である、請求項1に記載のフォルダブルディスプレイ用保護フィルム。
【請求項3】
前記保護基材は、TPU、GLASS、PET(polyethylene terephthalate)、ポリエステル(polyester)、PC(Polycarbonate)、PI(polyimide)、PEN(polyethylene naphthalate)、PEEK(polyether ether ketone)、PAR(polyarylate)、PCO(polycyclicolefin)、ポリノルボルネン(polynorbornene)、PES(polyethersulphone)、およびCOP(cycloolefin polymer)からなる群より選択されるものである、請求項1または2に記載のフォルダブルディスプレイ用保護フィルム。
【請求項4】
前記粘着剤層は、アクリル系粘着剤、シリコーン系粘着剤、ウレタン系粘着剤、およびゴム系粘着剤からなる群より選択される1以上の粘着剤を含むものである、請求項1から3のいずれか一項に記載のフォルダブルディスプレイ用保護フィルム。
【請求項5】
前記粘着剤層は、架橋性化合物、分散剤、シランカップリング剤、光硬化剤、熱硬化剤、金属塩、および粘着付与剤からなる群より選択された1つ以上を追加的に含むものである、請求項1からのいずれか一項に記載のフォルダブルディスプレイ用保護フィルム。
【請求項6】
前記粘着剤層の前記保護基材と接する面の反対面;または前記第1ハードコート層の前記保護基材と接する面の反対面に離型フィルムをさらに含むものである、請求項1からのいずれか一項に記載のフォルダブルディスプレイ用保護フィルム。
【請求項7】
フォルダブルディスプレイと、
前記フォルダブルディスプレイの一面に備えられた、請求項1~請求項のいずれか1項に記載のフォルダブルディスプレイ用保護フィルムと
を含むフォルダブルディスプレイ装置であって、
前記フォルダブルディスプレイ用保護フィルムの前記粘着剤層と前記フォルダブルディスプレイの一面とが接するフォルダブルディスプレイ装置。
【請求項8】
前記フォルダブルディスプレイは、フレキシブル基材と、
有機発光層と、
偏光板と、
カバーウィンドウとが順次に積層された構造であって、
前記カバーウィンドウの前記偏光板と接する面の反対面に、前記フォルダブルディスプレイ用保護フィルムの前記粘着剤層が備えられる、請求項に記載のフォルダブルディスプレイ装置。
【請求項9】
前記フレキシブル基材は、TPU、GLASS、PET(polyethylene terephthalate)、ポリエステル(polyester)、PC(Polycarbonate)、PI(polyimide)、PEN(polyethylene naphthalate)、PEEK(polyether ether ketone)、PAR(polyarylate)、PCO(polycyclicolefin)、ポリノルボルネン(polynorbornene)、PES(polyethersulphone)、およびCOP(cycloolefin polymer)からなる群より選択されるものである、請求項に記載のフォルダブルディスプレイ装置。
【請求項10】
前記フォルダブルディスプレイの前記粘着剤層が接する面の反対面は、折り畳み部を有する第1領域と、非折り畳み部を有する第2領域とで備えられ、
前記第1領域は、前記フォルダブルディスプレイの長手方向に配置されるものである、請求項からのいずれか一項に記載のフォルダブルディスプレイ装置。
【請求項11】
前記フォルダブルディスプレイが前記第1領域を基準として折り畳まれる場合、前記第2領域の周縁は、互いに当接するものである、請求項1に記載のフォルダブルディスプレイ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2018年10月11日付で韓国特許庁に提出された韓国特許出願第10-2018-0120972号の出願日の利益を主張し、その内容のすべては本明細書に組み込まれる。
【0002】
本出願は、フォルダブルディスプレイ用保護フィルムおよびこれを含むフォルダブルディスプレイ装置に関する。
【背景技術】
【0003】
最近、移動通信端末(wireless terminal)、PDA(Personal Digital Assistant)、PMP(Portable Multimedia Player)、電子手帳などのような携帯端末は、携帯性のためにサイズ小型化の傾向にある。
【0004】
しかし、使用者は携帯端末の画面を通して文字情報、動画、ゲームなどのような各種コンテンツから情報提供を受けることを希望するため、ディスプレイ画面のサイズについては大型化またはワイド(Wide)化を求めている。しかし、携帯端末の小型化はディスプレイ画面のサイズ縮小をもたらすことから、2つのニーズをすべて満たすには限界がある。
【0005】
従来のディスプレイ装置は壊れないディスプレイ(unbreakable display)を用いていたが、前記のような限界を克服するために、曲面ディスプレイ(Curved display)、曲げられるディスプレイ(bended display)、折り畳みディスプレイ(foldable display)、および巻き取り式ディスプレイ(rollable display)などが開発されてきている。
【0006】
今のところ、商用化ステップは曲げられるディスプレイ(bended display)形態のモバイル分野程度であり、フォルダブルディスプレイ(foldable display)を活用したモバイル分野が本格的に登場することが予想される。また、pOLEDを活用した電装分野の開発速度も目覚ましい。
【0007】
既存のタブレットPC、スマートフォンの使用に際して、使用者は製品のディスプレイのスクラッチを防止するために保護基材はディスプレイの最外角層および/または製品の裏面に付着して使用しており、既存のタブレットPC、スマートフォンは平面のディスプレイに、保護基材は一般的に、PET保護フィルム、強化ガラス、ウレタンフィルムなどが適用されている。
【0008】
しかし、PET保護フィルムまたは強化ガラス保護フィルムをフォルダブルディスプレイ(foldable display)に適用する場合、折り畳み面自体に折れ跡が発生したり、数回折ったり広げたりを繰り返すことにより、折り畳み面における保護フィルムの浮き上がり現象が発生する問題点があった。
【0009】
したがって、フォルダブルディスプレイの保護基材として用いられ、数回折ったり広げたりを繰り返しても、ディスプレイの表面から浮き上がり現象が発生しない保護基材およびこれをフォルダブルディスプレイに付着させる粘着剤の開発が必要である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【文献】特開2006-299283号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本出願は、フォルダブルディスプレイ用保護フィルムおよびこれを含むフォルダブルディスプレイ装置を提供しようとする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本出願の一実施態様は、粘着剤層と、前記粘着剤層の一面に備えられた保護基材と、前記保護基材の前記粘着剤層と接する面の反対面に備えられた第1ハードコート層とを含むフォルダブルディスプレイ用保護フィルムであって、前記保護基材の厚さは、10μm以上150μm以下であり、前記粘着剤層の前記保護基材と接する面の反対面をPI基材に対して接合後、23℃、50RH%で測定した粘着力は、10gf/inch以上であるフォルダブルディスプレイ用保護フィルムを提供する。
【0013】
他の実施態様は、フォルダブルディスプレイと、前記フォルダブルディスプレイの一面に備えられた、本出願の一実施態様に係るフォルダブルディスプレイ用保護フィルムとを含むフォルダブルディスプレイ装置であって、前記フォルダブルディスプレイ用保護フィルムの前記粘着剤層と前記フォルダブルディスプレイの一面とが接するフォルダブルディスプレイ装置を提供しようとする。
【発明の効果】
【0014】
本出願の一実施態様に係るフォルダブルディスプレイ用保護フィルムの場合、粘着剤層とPI基材との粘着力を特定範囲の条件に維持して、フォルダブルディスプレイ装置を数回折ったり広げたりを繰り返しても、保護基材と後のフォルダブルディスプレイのカバーウィンドウとの浮き上がり現象が発生しない特徴を有する。
【0015】
また、本出願の一実施態様に係るフォルダブルディスプレイ用保護フィルムの場合、保護基材の厚さを特定範囲の条件に維持して、フォルダブルディスプレイ装置の外部衝撃からスクラッチを効率的に防止できると同時に、保護基材の耐久性が特に優れた特徴を有する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本出願の一実施態様に係るフォルダブルディスプレイ用保護フィルムの積層構造を示す図である。
図2】本出願の一実施態様に係るフォルダブルディスプレイ用保護フィルムの積層構造を示す図である。
図3】本出願の一実施態様に係るフォルダブルディスプレイ用装置の積層構造を示す図である。
図4】本出願の一実施態様に係るフォルダブルディスプレイ用装置に含まれるフォルダブルディスプレイの一面を示す図である。
図5】本出願の一実施態様に係るフォルダブルディスプレイ装置を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本明細書についてより詳しく説明する。
【0018】
本明細書において、ある部分がある構成要素を「含む」とする時、これは、特に反対の記載がない限り、他の構成要素を除くのではなく、他の構成要素をさらに含み得ることを意味する。
【0019】
本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者が容易に実施できるように、本発明の実施例について添付した図面を参照して詳しく説明する。しかし、本発明は種々の異なる形態で実現可能であり、ここで説明する実施例に限定されない。
【0020】
本出願の一実施態様は、粘着剤層と、前記粘着剤層の一面に備えられた保護基材と、前記保護基材の前記粘着剤層と接する面の反対面に備えられた第1ハードコート層とを含むフォルダブルディスプレイ用保護フィルムであって、前記保護基材の厚さは、10μm以上150μm以下であり、前記粘着剤層の前記保護基材と接する面の反対面をPI基材に対して接合後、23℃、50RH%で測定した粘着力は、10gf/inch以上であるフォルダブルディスプレイ用保護フィルムを提供する。
【0021】
本出願に係るフォルダブルディスプレイ用保護フィルムの場合、粘着剤層とPI基材との粘着力を前記範囲の条件に維持して、フォルダブルディスプレイ装置を数回折ったり広げたりを繰り返しても、保護基材と後のフォルダブルディスプレイのカバーウィンドウとの浮き上がり現象が発生しない特徴を有し、また、前記保護基材の厚さを特定範囲の条件に維持して、フォルダブルディスプレイ装置の外部衝撃からスクラッチを効率的に防止できると同時に、保護基材の耐久性が特に優れた特徴を有する。
【0022】
本出願に係るフォルダブルディスプレイ用保護フィルムの場合、一般のハードタイプのディスプレイ用保護フィルムとは異なり、上記の構造/厚さ/粘着力範囲を満たすもので、後に前記フォルダブルディスプレイ用保護フィルムをフォルダブルディスプレイに使用する場合、曲率が4R(保護フィルム間の間隔が8mm)となるように、外面が保護基材になるように折り畳んでから、1日間放置後に再び広げた時にも、前記粘着剤層と前記保護基材との粘着力が10gf/inch以上を満たして、保護基材との脱離が発生しないことを特徴とする。
【0023】
図1は、本出願の一実施態様に係るフォルダブルディスプレイ用保護フィルムの積層構造を示す図で、具体的には、粘着剤層2、保護基材4、および第1ハードコート層5が順に積層された構造を有することを確認することができる。
【0024】
本出願の一実施態様において、前記粘着剤層の前記保護基材と接する面の反対面をPI基材に対して接合後、23℃、50RH%で測定した粘着力は、10gf/inch以上であるフォルダブルディスプレイ用保護フィルムを提供する。
【0025】
前記粘着力は、180゜の角度および300mm/分の剥離速度でテクスチャーアナライザー(Texture analyzer(Stable Micro Systems社)を用いて測定し、本発明の粘着剤層にPI基材を2kgのゴムローラで1回往復して前記粘着剤層に付着させた後、23℃、50RH%下、180゜の角度および300mm/分の剥離速度で剥離して測定した値である。
【0026】
他の実施態様において、前記粘着剤層の前記保護基材と接する面の反対面をPI基材に対して接合後、23℃、50RH%で測定した粘着力は、10gf/inch以上、好ましくは15gf/inch以上、さらに好ましくは25gf/inch以上であってもよい。
【0027】
さらに他の実施態様において、前記粘着剤層の前記保護基材と接する面の反対面をPI基材に対して接合後、23℃、50RH%で測定した粘着力は、500gf/inch以下、好ましくは400gf/inch以下、さらに好ましくは300gf/inch以下であってもよい。
【0028】
本出願に係るフォルダブルディスプレイ用保護フィルムの場合、前記粘着剤層の前記保護基材と接する面の反対面をPI基材に対して接合後、粘着力を前記範囲の条件に維持して、フォルダブルディスプレイ装置を数回折ったり広げたりを繰り返しても、保護基材との粘着力を維持可能で浮き上がり現象が発生せず、前記範囲を有することにより、フォルダブルディスプレイ装置の折り畳みおよび展開動作において制限されない特徴を有する。
【0029】
すなわち、前記粘着剤層の前記保護基材と接する面の反対面をPI基材に対して接合後、粘着力が前記範囲を超える場合、接着力が強すぎて粘着剤が後にフォルダブルディスプレイのカバーウィンドウに転写されて汚染が発生することがあり、前記範囲未満の場合、フォルダブルディスプレイをフォールディングする時、保護基材との粘着力を維持できず浮き上がり現象が発生する。
【0030】
前記粘着力は、前記粘着剤層の厚さおよび粘着剤層の組成を調節して設計することができ、前記粘着剤層に含まれる粘着付与剤(tackifier)の含有量、硬化剤の含有量範囲を調節して前記範囲の粘着力を満たすことができる。具体的には、粘着剤層の凝集力、PI基材との表面特性、濡れ性などを考慮しなければならず、一般的に、粘着力は厚さが増加するにつれ、粘着付与剤(tackifier)の増加とともに上昇する傾向を有する。このような要素を考慮してPIとの粘着力を前記範囲に満たすことができる。
【0031】
本出願の一実施態様において、前記保護基材の厚さは、10μm以上150μm以下であってもよい。
【0032】
他の実施態様において、前記保護基材の厚さは、10μm以上150μm以下、好ましくは20μm以上140μm以下、さらに好ましくは25μm以上130μm以下であってもよい。
【0033】
前記保護基材の厚さが前記範囲を満たすことにより、フォルダブルディスプレイ装置の折り畳みおよび展開動作において制限されない特徴を有し、外部スクラッチからフォルダブルディスプレイのカバーウィンドウを保護することができ、また、数回折ったり広げたりを繰り返しても、保護基材が浮き上がることなく、耐久性に優れたフォルダブルディスプレイ用保護フィルムを提供できる特徴を有する。
【0034】
本出願の一実施態様において、前記粘着剤層の厚さは、5μm以上50μm以下であるフォルダブルディスプレイ用保護フィルムを提供する。
【0035】
他の実施態様において、前記粘着剤層の厚さは、5μm以上50μm以下、好ましくは10μm以上40μm以下、さらに好ましくは15μm以上30μm以下であってもよい。
【0036】
前記粘着剤層の厚さを前記範囲に調節して、前記粘着剤層の粘着力を本出願に係る範囲に調節できる特徴を有する。
【0037】
本出願の一実施態様において、前記粘着剤層と前記保護基材との間に第2ハードコート層をさらに含むフォルダブルディスプレイ用保護フィルムを提供する。
【0038】
図2は、本出願の一実施態様に係るフォルダブルディスプレイ用保護フィルムの積層構造を示す図で、具体的には、粘着剤層2、第2ハードコート層3、保護基材4、および第1ハードコート層5が順に積層された構造を有することを確認することができる。
【0039】
本出願の一実施態様において、前記第1ハードコート層および前記第2ハードコート層の厚さは、それぞれ1μm以上10μm以下であるフォルダブルディスプレイ用保護フィルムを提供する。
【0040】
本出願の一実施態様において、前記第1ハードコート層の厚さは、1μm以上10μm以下であるフォルダブルディスプレイ用保護フィルムを提供する。
【0041】
本出願の一実施態様において、前記第2ハードコート層の厚さは、1μm以上10μm以下であるフォルダブルディスプレイ用保護フィルムを提供する。
【0042】
他の実施態様において、前記第1ハードコート層および前記第2ハードコート層の厚さは、それぞれ1μm以上10μm以下、好ましくは2μm以上8μm以下、さらに好ましくは3μm以上6μm以下であってもよい。
【0043】
前記第1ハードコート層および第2ハードコート層が前記範囲を有することにより、保護基材と第1および第2ハードコート層の異なる物性によるカール(curl)の発生を最小化でき、保護基材の耐スクラッチ性および硬度を確保できる特徴を有する。
【0044】
本出願の一実施態様において、前記保護基材は、TPU、GLASS、PET(polyethylene terephthalate)、ポリエステル(polyester)、PC(Polycarbonate)、PI(polyimide)、PEN(polyethylene naphthalate)、PEEK(polyether ether ketone)、PAR(polyarylate)、PCO(polycyclicolefin)、ポリノルボルネン(polynorbornene)、PES(polyethersulphone)、およびCOP(cycloolefin polymer)からなる群より選択されるフォルダブルディスプレイ用保護フィルムを提供する。
【0045】
本出願に係る前記保護基材は、粘着剤層の一面に付着し、前記保護基材は、具体的には、PETフィルム、TPUフィルム、またはGLASSが使用できる。
【0046】
本出願の一実施態様において、前記粘着剤層は、アクリル系粘着剤、シリコーン系粘着剤、ウレタン系粘着剤、およびゴム系粘着剤からなる群より選択される1以上の粘着剤を含むフォルダブルディスプレイ用保護フィルムを提供する。
【0047】
本出願の一実施態様において、前記粘着剤層は、シリコーン系粘着剤を含むことができる。
【0048】
本出願の一実施態様において、前記粘着剤層は、(メタ)アクリレート系樹脂;およびポリシロキサンからなる群より選択される1以上を含む重合体を含むことができる。
【0049】
前記重合体は、2種以上の異なる単位体を重合することにより得られるものを重合体といい、重合体は、2種以上の単位体が不規則または規則的に配列していてよい。
【0050】
前記重合体は、単量体が規則なしに互いに混合された形態を有するランダム重合体(Random polymer)、一定区間ごとに整列されたブロックが繰り返されるブロック共重合体(Block polymer)、または単量体が交互に繰り返されて重合される形態を有する交互共重合体(Alternating polymer)があってもよいし、本出願の一実施態様に係るアクリレート系樹脂;およびポリシロキサンからなる群より選択される1以上を含む重合体は、ランダム重合体、ブロック重合体、または交互重合体であってもよい。
【0051】
本出願の一実施態様において、前記アクリレート系樹脂は、重量平均分子量が10万g/mol~500万g/molである(メタ)アクリレート系樹脂を含むことができる。
【0052】
前記重量平均分子量とは、分子量が均一でなく、ある高分子物質の分子量ベースで使用される平均分子量の1つで、分子量分布がある高分子化合物の成分分子種の分子量を重量分率で平均して得られる値である。
【0053】
前記重量平均分子量は、Gel Permeation Chromatography(GPC)分析により測定される。
【0054】
本明細書において、(メタ)アクリレートは、アクリレートおよびメタクリレートをすべて含む意味である。前記(メタ)アクリレート系樹脂は、例えば、(メタ)アクリル酸エステル系単量体および架橋性官能基含有単量体の共重合体であってもよい。
【0055】
前記(メタ)アクリル酸エステル系単量体は特に限定しないが、例えば、アルキル(メタ)アクリレートが挙げられ、より具体的には、炭素数1~12のアルキル基を有する単量体として、ペンチル(メタ)アクリレート、n-ブチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、メチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、n-オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、およびデシル(メタ)アクリレートのうちの1種または2種以上を含むことができる。
【0056】
前記架橋性官能基含有単量体は特に限定しないが、例えば、ヒドロキシ基含有単量体、カルボキシル基含有単量体、および窒素含有単量体のうちの1種または2種以上を含むことができる。
【0057】
前記ヒドロキシル基含有化合物の例としては、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、6-ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート、8-ヒドロキシオクチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシエチレングリコール(メタ)アクリレート、または2-ヒドロキシプロピレングリコール(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
【0058】
前記カルボキシル基含有化合物の例としては、(メタ)アクリル酸、2-(メタ)アクリロイルオキシ酢酸、3-(メタ)アクリロイルオキシプロピル酸、4-(メタ)アクリロイルオキシ酪酸、アクリル酸二重体、イタコン酸、マレイン酸、またはマレイン酸無水物などが挙げられる。
【0059】
前記窒素含有単量体の例としては、(メタ)アクリロニトリル、N-ビニルピロリドン、またはN-ビニルカプロラクタムなどが挙げられる。
【0060】
前記(メタ)アクリレート系樹脂にはさらに、相溶性などのその他の機能性向上の観点から、酢酸ビニル、スチレン、およびアクリロニトリルのうちの少なくとも1つが追加的に共重合されてもよい。
【0061】
本出願の一実施態様において、前記アクリレート系樹脂は、アルキル(メタ)アクリレート、ヒドロキシアルキルアクリレート、および窒素含有単量体からなる群より選択されてもよい。
【0062】
前記アルキルアクリレートおよびアルキルメタクリレートには、炭素数1~12のアルキル基を有する単量体として、ペンチル(メタ)アクリレート、n-ブチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、メチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、n-オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、およびデシル(メタ)アクリレートのうちの1種または2種以上を含むことができる。
【0063】
前記ヒドロキシアルキルアクリレートとしては、2-ヒドロキシエチルアクリレート、2-ヒドロキシプロピルアクリレート、4-ヒドロキシブチルアクリレート、6-ヒドロキシヘキシルアクリレート、8-ヒドロキシオクチルアクリレート、2-ヒドロキシエチレングリコールアクリレート、または2-ヒドロキシプロピレングリコールアクリレートなどが挙げられる。
【0064】
前記窒素含有単量体としては、VP(N-vinyl pyrrolidone、N-ビニルピロリドン)が挙げられる。
【0065】
本出願の一実施態様において、前記ポリシロキサンは、シロキサン結合(-Si-O結合)の連鎖を有するもので、ポリオルガノシロキサンを含むことができる。
【0066】
本出願の一実施態様において、前記ポリシロキサンは、ポリジメチルシロキサン(PDMS、Polydimethyl siloxane)であってもよい。
【0067】
本出願の一実施態様において、前記粘着剤層は、架橋性化合物、分散剤、シランカップリング剤、光硬化剤、熱硬化剤、金属塩、および粘着付与剤からなる群より選択された1つ以上を追加的に含むフォルダブルディスプレイ用保護フィルムを提供する。
【0068】
本明細書の一実施態様によれば、前記架橋性化合物は、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、エチレン基の数が2~14のポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、2-トリスアクリロイルオキシメチルエチルフタル酸、プロピレン基の数が2~14のプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレートの酸性変形物とジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートとの混合物(商品名で日本の東亜合成社のTO-2348、TO-2349)などの多価アルコールをα,β-不飽和カルボン酸でエステル化して得られる化合物;トリメチロールプロパントリグリシジルエーテルアクリル酸付加物、ビスフェノールAジグリシジルエーテルアクリル酸付加物などのグリシジル基を含有する化合物に(メタ)アクリル酸を付加して得られる化合物;β-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートのフタル酸ジエステル、β-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートのトルエンジイソシアネート付加物などの水酸基またはエチレン性不飽和結合を有する化合物と多価カルボン酸とのエステル化合物、またはポリイソシアネートとの付加物;メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリル酸アルキルエステル;および9,9'-ビス[4-(2-アクリロイルオキシエトキシ)フェニル]フルオレンからなる群より選択される1種以上を含むことができ、これらのみに限定されず、当技術分野で知られている一般的なものを使用することができる。
【0069】
本明細書の一実施態様によれば、前記光硬化剤は、トリアジン系化合物、ビイミダゾール化合物、アセトフェノン系化合物、O-アシルオキシム系化合物、チオキサントン系化合物、ホスフィンオキシド系化合物、クマリン系化合物、およびベンゾフェノン系化合物からなる群より選択される1または2以上の置換基で置換されたものであってもよい。
【0070】
具体的には、本明細書の一実施態様によれば、前記光硬化剤は、2,4-トリクロロメチル-(4'-メトキシフェニル)-6-トリアジン、2,4-トリクロロメチル-(4'-メトキシスチリル)-6-トリアジン、2,4-トリクロロメチル-(フィプロニル)-6-トリアジン、2,4-トリクロロメチル-(3',4'-ジメトキシフェニル)-6-トリアジン、3-{4-[2,4-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン-6-イル]フェニルチオ}プロパン酸、2,4-トリクロロメチル-(4'-エチルビフェニル)-6-トリアジン、または2,4-トリクロロメチル-(4'-メチルビフェニル)-6-トリアジンなどのトリアジン系化合物;2,2'-ビス(2-クロロフェニル)-4,4',5,5'-テトラフェニルビイミダゾールまたは2,2'-ビス(2,3-ジクロロフェニル)-4,4',5,5'-テトラフェニルビイミダゾールなどのビイミダゾール系化合物;2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニルプロパン-1-オン、1-(4-イソプロピルフェニル)-2-ヒドロキシ-2-メチルプロパン-1-オン、4-(2-ヒドロキシエトキシ)-フェニル(2-ヒドロキシ)プロピルケトン、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2,2-ジメトキシ-2-フェニルアセトフェノン、2-メチル-(4-メチルチオフェニル)-2-モルホリノ-1-プロパン-1-オン(Irgacure-907)、または2-ベンジル-2-ジメチルアミノ-1-(4-モルホリノフェニル)-ブタン-1-オン(Irgacure-369)などのアセトフェノン系化合物;Ciba Geigy社のIrgacure OXE01、Irgacure OXE02のようなO-アシルオキシム系化合物;4,4'-ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノンまたは4,4'-ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノンなどのベンゾフェノン系化合物;2,4-ジエチルチオキサントン、2-クロロチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、またはジイソプロピルチオキサントンなどのチオキサントン系化合物;2,4,6-トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、ビス(2,6-ジメトキシベンゾイル)-2,4,4-トリメチルペンチルホスフィンオキシド、またはビス(2,6-ジクロロベンゾイル)プロピルホスフィンオキシドなどのホスフィンオキシド系化合物;3,3'-カルボニルビニル-7-(ジエチルアミノ)クマリン、3-(2-ベンゾチアゾリル)-7-(ジエチルアミノ)クマリン、3-ベンゾイル-7-(ジエチルアミノ)クマリン、3-ベンゾイル-7-メトキシ-クマリン、または10,10'-カルボニルビス[1,1,7,7-テトラメチル-2,3,6,7-テトラヒドロ-1H,5H,11H-Cl]-ベンゾピラノ[6,7,8-ij]-キノリジン-11-オンなどのクマリン系化合物などを単独使用するか2つ以上を混合して使用することができるが、これに限定されない。
【0071】
また、前記熱硬化剤は、当業界で知られたものを用いることができる。
【0072】
本出願の一実施態様によれば、前記金属塩は、Li含有無機塩であってもよいし、前記Li含有無機塩は、LiTFSI(Bis(trifluoromethane)sulfonimide lithium salt)であってもよい。
【0073】
本出願の一実施態様において、前記粘着剤層の前記保護基材と接する面の反対面;または前記第1ハードコート層の前記保護基材と接する面の反対面に離型フィルムをさらに含むフォルダブルディスプレイ用保護フィルムを提供する。
【0074】
本出願の一実施態様において、前記粘着剤層の前記保護基材と接する面の反対面;および前記第1ハードコート層の前記保護基材と接する面の反対面に離型フィルムをさらに含むフォルダブルディスプレイ用保護フィルムを提供する。
【0075】
前記離型フィルムは、厚さが非常に薄い粘着剤層を保護するための層であって、粘着剤層の一面に付着する透明層をいうものであり、機械的強度、熱安定性、水分遮蔽性、等方性などに優れたフィルムを使用することができる。例えば、トリアセチルセルロース(TAC)のようなアセテート系、ポリエステル系、ポリエーテルスルホン系、ポリカーボネート系、ポリアミド系、ポリイミド系、ポリオレフィン系、シクロオレフィン系、ポリウレタン系、およびアクリル系樹脂フィルムなどを使用することができるが、市販のフッ素処理離型フィルム、シリコーン処理離型フィルムであれば、これに限定されない。
【0076】
前記離型フィルムは、後にフォルダブルディスプレイ装置に前記フォルダブルディスプレイ用保護フィルムが接着される場合に除去可能である。
【0077】
本出願の一実施態様は、フォルダブルディスプレイと、前記フォルダブルディスプレイの一面に備えられた、本出願の一実施態様に係るフォルダブルディスプレイ用保護フィルムとを含むフォルダブルディスプレイ装置であって、前記フォルダブルディスプレイ用保護フィルムの前記粘着剤層と前記フォルダブルディスプレイの一面とが接するフォルダブルディスプレイ装置を提供しようとする。
【0078】
図3は、本出願の一実施態様に係るフォルダブルディスプレイ装置の積層構造を示す図である。具体的には、フォルダブルディスプレイ1、粘着剤層2、第2ハードコート層3、保護基材4、および第1ハードコート層5が順に積層された構造を有し、前記フォルダブルディスプレイの一面と、前記フォルダブルディスプレイ用保護フィルムの前記粘着剤層とが接することを確認することができる。
【0079】
図3にて、第2ハードコート層3は省略可能である。
【0080】
本出願の一実施態様において、前記フォルダブルディスプレイは、フレキシブル基材と、有機発光層と、偏光板と、カバーウィンドウとが順次に積層された構造であって、前記カバーウィンドウの前記偏光板と接する面の反対面に、前記フォルダブルディスプレイ用保護フィルムの前記粘着剤層が備えられるフォルダブルディスプレイ装置を提供する。
【0081】
本出願に係るフォルダブルディスプレイ用保護フィルムの場合、フォルダブルディスプレイの前記カバーウィンドウのスクラッチおよび保護のためのもので、前記カバーウィンドウの一面に粘着剤層を介して前記保護基材が付着できる。
【0082】
すなわち、本出願の一実施態様に係るフォルダブルディスプレイ用保護フィルムは、フォルダブルディスプレイ装置のカバーウィンドウを保護するための用途に使用可能である。
【0083】
本出願の一実施態様において、前記フレキシブル基材は、TPU、GLASS、PET(polyethylene terephthalate)、ポリエステル(polyester)、PC(Polycarbonate)、PI(polyimide)、PEN(polyethylene naphthalate)、PEEK(polyether ether ketone)、PAR(polyarylate)、PCO(polycyclicolefin)、ポリノルボルネン(polynorbornene)、PES(polyethersulphone)、およびCOP(cycloolefin polymer)からなる群より選択されるフォルダブルディスプレイ装置を提供する。
【0084】
他の実施態様において、前記フレキシブル基材は、PI(polyimide)であってもよい。
【0085】
前記PI(Polyimide)は、透明PI(Polyimide)であってもよい。
【0086】
本出願の一実施態様において、前記フォルダブルディスプレイの前記粘着剤層が接する面の反対面は、折り畳み部を有する第1領域と、非折り畳み部を有する第2領域とで備えられ、前記第1領域は、前記フォルダブルディスプレイの長手方向に配置されるフォルダブルディスプレイ装置を提供する。
【0087】
前記長手方向は、フォルダブルディスプレイ装置の構成層の積層厚さ方向に対して垂直なすべての方向を意味し、具体的には、前記フォルダブルディスプレイ装置の前記フォルダブルディスプレイの一面に含まれる方向を意味する。
【0088】
図4は、本出願の一実施態様に係るフォルダブルディスプレイ装置に含まれるフォルダブルディスプレイの一面を示す図であり、具体的には、図4から確認できるように、折り畳み部を有する第1領域10は、前記フォルダブルディスプレイの一面の長手方向に配置され、非折り畳み部を有する第2領域11が配置されていることを確認することができる。
【0089】
本出願に係るフォルダブルディスプレイの場合、フォルダブルディスプレイの一面が折り畳み部を有する第1領域を基準として、非折り畳み部を有する第2領域が分けられている。
【0090】
すなわち、図4から確認できるように、フォルダブルディスプレイの一面が折り畳み部を有する第1領域10が配置され、第1領域を基準として、非折り畳み部を有する第2領域11が第1領域の両側に配置される。
【0091】
本出願の一実施態様において、前記フォルダブルディスプレイが前記第1領域を基準として折り畳まれる場合、前記第2領域の周縁は、互いに当接するフォルダブルディスプレイ装置を提供する。
【0092】
前記第2領域の周縁が互いに当接するというのは、周縁部が互いに接すること、または周縁部が互いに接していなくても近接して位置することをすべて含むことができる。すなわち、フォルダブルディスプレイにおいて、フォールディング(Folding)時、前記第2領域の周縁部が接するか、または接していなくても近接して位置することをすべて含むことができる。
【0093】
本出願に係るフォルダブルディスプレイにおいて、前記第1領域を基準として折り畳まれる場合、前記第2領域の周縁は、互いに当接する構造からなることを意味し、具体的には、前記フォルダブルディスプレイが折り畳まれる場合、折り畳まれる内側面はフォルダブルディスプレイのフレキシブル基材が配置され、外側面はカバーウィンドウを含む本願に係るフォルダブルディスプレイ用保護フィルムが配置される。
【0094】
図5は、本出願の一実施態様に係るフォルダブルディスプレイ装置を示す図であり、具体的には、本出願に係るフォルダブルディスプレイが折り畳まれる場合の図を示すもので、フォルダブルディスプレイ装置が折り畳み部に沿って折り畳まれる場合、本出願に係るフォルダブルディスプレイ用保護フィルム6が外側に配置されることを確認することができる。
【0095】
本出願の一実施態様に係るフォルダブルディスプレイ用保護フィルムの場合、前記保護基材の厚さは、10μm以上150μm以下であり、前記粘着剤層の前記保護基材と接する面の反対面とPI基材との粘着力は、23℃、50RH%で10gf/inch以上であって、特に、前記フォルダブルディスプレイが前記第1領域を基準として折り畳まれる時、前記第2領域の周縁は、互いに当接する場合に使用可能である。
【実施例
【0096】
以下、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者が容易に実施できるように、本発明の実施例について詳しく説明する。しかし、本発明は種々の異なる形態で実現可能であり、ここで説明する実施例に限定されない。
【0097】
<製造例>
【0098】
<実施例1>
信越社の粘着剤KR3700に、触媒のCAT-PL-50TをKR3700対比0.5部(part)混合した後、トルエン(toluene)で希釈して固形分25%を作った。そして、信越社の粘着剤KR3704に、触媒のCAT-PL-50TをKR3700対比0.5部(part)混合した後、トルエン(toluene)で希釈して固形分25%を作った。以後、KR3700とKR3704との混合比が20:80となるように撹拌して、最終厚さ25μmとなるようにフッ素離型フィルム上にコーティングした。そして、粘着剤層の上部もフッ素離型フィルムでラミネートした。
【0099】
この後、保護基材として、下記表1に記載の保護基材の一面にコロナ処理をした後、コロナ処理面に前記粘着剤層のフッ素離型フィルム1枚を除去してラミネートした。
【0100】
【表1】
【0101】
前記比較例1の粘着剤としてDOW CORNING社の粘着剤7651に、硬化剤のSyl-Off7028 1pt、触媒としてSyl-Off4000を0.5pt添加し、固形分含有量が20%となるように撹拌して、最終厚さ3μmとなるように保護基材38μmのPET上にコーティングした。
【0102】
前記比較例2の粘着剤としてKR3700とKR3704との混合比が10:90となるように撹拌して、最終厚さ25μmとなるようにフッ素離型フィルム上にコーティングしたことを除き、前記実施例1と同様に製造した。
【0103】
前記実施例2の粘着剤としてKR3700とKR3704との混合比が60:40となるように撹拌して、最終厚さ25μmとなるようにフッ素離型フィルム上にコーティングしたことを除き、前記実施例1と同様に製造した。
【0104】
前記比較例11の粘着剤としてDOW CORNING社の粘着剤7651に、硬化剤のSyl-Off7028 1pt、触媒としてSyl-Off4000を0.5pt添加し、固形分含有量が20%となるように撹拌して、最終厚さ25μmとなるように保護基材38μmのPET上にコーティングした。
【0105】
現在発売されたフォルダブルディスプレイが存在しないので仮想のフォルダブルディスプレイのcover window(PI基材)を選定し、これにフォルダブルディスプレイ用保護フィルムを付着させて、保護基材としての好適な厚さと粘着剤としての好適な粘着力を確認した。
【0106】
4Rフォールディング評価:保護基材とラミネートされた粘着剤の1枚のフッ素離型フィルムを除去し、仮想のcover windowであるPI基材(SKC KOLON PI社のGF200 50μm)とラミネートした。以後、曲率が4R(保護フィルム間の間隔が8mm)となるように、外面が保護基材になるように折り畳んでから、1日間放置後に再び広げて外観を確認した。
【0107】
フォールディング評価:PI基材と粘着剤層との密着性、保護基材の外観の変化がない場合「保持」、保護基材が折り畳まれ塑性変形が発生して元の状態に回復しない場合「保護基材損傷」、粘着剤層とPI基材との間に浮き上がり現象が発生して内部に気泡またはtunnelなどが発生した場合「保護基材脱離」と区分した。
【0108】
前記表1から分かるように、表1の実施例1~9は、本出願の一実施態様に係るフォルダブルディスプレイ用保護フィルムであって、粘着剤層とPI基材との粘着力を特定範囲の条件に維持し、保護基材の厚さも特定範囲の条件に維持して、フォルダブルディスプレイ装置を数回折り畳みおよび展開を繰り返しても、粘着剤層で接着された保護基材とフォルダブルディスプレイのカバーウィンドウとの浮き上がり現象が発生しないことを確認することができた。
【0109】
また、本出願の一実施態様に係るフォルダブルディスプレイ用保護フィルムの場合、保護基材の厚さを特定範囲の条件に維持して、フォルダブルディスプレイ装置の外部衝撃からスクラッチを効率的に防止できると同時に、保護基材の耐久性が特に優れた特徴を有する。
【0110】
前記比較例1~11の場合、フォルダブルディスプレイ用保護フィルムとして、粘着剤層とPI基材との粘着力の範囲を満たしていなかったり、保護フィルムの厚さ範囲を満たしていない場合、フォールディング評価の結果、保護基材が損傷したり脱離することを確認することができた。さらに、前記比較例1の場合、粘着剤層の厚さが3μmになる場合で、この場合も同じく十分な粘着力が発現せず、保護基材が脱離する現象が発生することを確認することができた。
【符号の説明】
【0111】
1:フォルダブルディスプレイ
2:粘着剤層
3:第2ハードコート層
4:保護基材
5:第1ハードコート層
6:フォルダブルディスプレイ用保護フィルム
10:第1領域
11:第2領域
図1
図2
図3
図4
図5