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特許7120560診断支援システム、診断支援方法及び診断支援プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-08
(45)【発行日】2022-08-17
(54)【発明の名称】診断支援システム、診断支援方法及び診断支援プログラム
(51)【国際特許分類】
   A61B 5/248 20210101AFI20220809BHJP
   A61B 6/00 20060101ALI20220809BHJP
   A61B 5/055 20060101ALI20220809BHJP
【FI】
A61B5/248
A61B6/00 360B
A61B5/055 390
A61B5/055 380
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2017230719
(22)【出願日】2017-11-30
(65)【公開番号】P2019013724
(43)【公開日】2019-01-31
【審査請求日】2020-09-25
(31)【優先権主張番号】P 2017130706
(32)【優先日】2017-07-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(73)【特許権者】
【識別番号】504179255
【氏名又は名称】国立大学法人 東京医科歯科大学
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】木下 彰
(72)【発明者】
【氏名】川端 茂徳
(72)【発明者】
【氏名】高田 真弘
(72)【発明者】
【氏名】二矢川 和也
【審査官】藤原 伸二
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2009/0018431(US,A1)
【文献】国際公開第2016/175020(WO,A1)
【文献】特開平10-323335(JP,A)
【文献】特開2017-063936(JP,A)
【文献】特開2016-059732(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 5/242-5/248
A61B 5/05-5/0522
A61B 5/055
A61B 6/00-6/14
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
脊髄・脊髄神経誘発磁界のデータを取得する脊髄・脊髄神経誘発磁界データ取得手段と、
前記脊髄・脊髄神経誘発磁界のデータを再構成して可視化した電流データ画像の各画素が、第1の医用画像情報であるX線画像上での座標に対応付けられた該第1の医用画像情報を取得する医用画像情報取得手段と、を有し、
前記第1の医用画像情報と、第2の医用画像情報であるMRI画像で、特定の器官の位置が対応するように、前記第1及び第2の医用画像情報の位置関係を算出して変換データを作成し、該変換データを用いて、前記第2の医用画像情報に脊髄・脊髄神経誘発磁界データの前記電流データ画像を重ね合わせることを特徴とする診断支援システム。
【請求項2】
前記変換データに基づいて前記電流データ画像が重ね合わされた前記第2の医用画像情報を表示する表示手段を有することを特徴とする請求項1に記載の診断支援システム。
【請求項3】
前記変換データに基づいて、前記電流データ画像を前記第2の医用画像情報に重ね合わせる制御手段を更に有することを特徴とする請求項1に記載の診断支援システム。
【請求項4】
前記第1の医用画像情報から抽出した複数の器官の位置に基づいて算出した前記特定の器官の位置を、前記第2の医用画像情報から抽出した複数の器官の位置に基づいて算出した前記特定の器官の位置に重ね合わせる前記変換データを作成することを特徴とする請求項1に記載の診断支援システム。
【請求項5】
コンピュータが、
脊髄・脊髄神経誘発磁界のデータを取得する脊髄・脊髄神経誘発磁界データ取得工程と、
前記脊髄・脊髄神経誘発磁界のデータを再構成して可視化した電流データ画像の各画素が、第1の医用画像情報であるX線画像上での座標に対応付けられた該第1の医用画像情報を取得する医用画像情報取得工程と、を実行し、
前記第1の医用画像情報と、第2の医用画像情報であるMRI画像で、特定の器官の位置が対応するように、前記第1及び第2の医用画像情報の位置関係を算出して変換データを作成し、該変換データを用いて、前記第2の医用画像情報に脊髄・脊髄神経誘発磁界データの前記電流データ画像を重ね合わせることを特徴とする診断支援方法。
【請求項6】
コンピュータに、
脊髄・脊髄神経誘発磁界のデータを取得する脊髄・脊髄神経誘発磁界データ取得工程と、
前記脊髄・脊髄神経誘発磁界のデータを再構成して可視化した電流データ画像の各画素が、第1の医用画像情報であるX線画像上での座標に対応付けられた該第1の医用画像情報を取得する医用画像情報取得工程と、を実行させるための診断支援プログラムであって、
前記第1の医用画像情報と、第2の医用画像情報であるMRI画像で、特定の器官の位置が対応するように、前記第1及び第2の医用画像情報の位置関係を算出して変換データを作成し、該変換データを用いて、前記第2の医用画像情報に脊髄・脊髄神経誘発磁界データの前記電流データ画像を重ね合わせることを特徴とする診断支援プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、診断支援システム、診断支援方法及び診断支援プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、医療現場においては、被検者に対して同一部位の撮像又は測定を行い、撮像結果又は測定結果を画像化して得た複数の医用画像を用いて、当該部位の診断や治療計画の設計等を行っている。このように複数の医用画像を用いる場合、特定の器官・部位(例えば、診断対象となる器官・部位)を重ね合わせて表示することで、診断の正確性が向上し、治療計画の設計容易化等が実現できる。
【0003】
このようなことから、例えば、下記特許文献1では、複数の医用画像それぞれから、特徴量の組み合わせである特徴量セットを抽出し、抽出した特徴のセットを用いて位置合わせを行う画像処理技術が提案されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、医用画像の場合、診断対象となる器官・部位を常に画像化できるとは限られず、撮像方式や測定方式によっては、診断対象となる器官・部位の位置を把握することが困難なケースもある。このようなケースにおいては、上記画像処理技術を適用しても、複数の医用画像を適切に重ね合わせて表示することは難しい。
【0005】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、複数の医用画像において特定の器官・部位を重ね合わせて表示できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の各実施形態に係る診断支援システムは、以下のような構成を有する。すなわち、
脊髄・脊髄神経誘発磁界のデータを取得する脊髄・脊髄神経誘発磁界データ取得手段と、
前記脊髄・脊髄神経誘発磁界のデータを再構成して可視化した電流データ画像の各画素が、第1の医用画像情報であるX線画像上での座標に対応付けられた該第1の医用画像情報を取得する医用画像情報取得手段と、を有し、
前記第1の医用画像情報と、第2の医用画像情報であるMRI画像で、特定の器官の位置が対応するように、前記第1及び第2の医用画像情報の位置関係を算出して変換データを作成し、該変換データを用いて、前記第2の医用画像情報に脊髄・脊髄神経誘発磁界データの前記電流データ画像を重ね合わせることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明の各実施形態によれば、複数の医用画像において特定の器官・部位を重ね合わせて表示できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】診断支援システムの全体構成の一例を示す図である。
図2】診断支援システムを用いた医療業務の流れを示す図である。
図3】X線画像データの撮像方法及び座標付きX線画像データの生成方法を示す図である。
図4】磁場データの測定方法及び再構成データの生成方法を示す図である。
図5】MRI画像データの撮像方法を示す図である。
図6】測定データ格納部に格納された測定データテーブルの一例を示す図である。
図7】診断支援装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
図8】位置合わせデータ生成部の機能構成の一例を示す第1の図である。
図9】位置合わせデータ一覧の一例を示す図である。
図10】特定処理の流れを示すフローチャートである。
図11】座標付きX線画像データに対する特定処理の具体例を示す第1の図である。
図12】MRI画像データに対する特定処理の具体例を示す第1の図である。
図13】第1の変換部の詳細な機能構成の一例を示す図である。
図14】第2の変換部の詳細な機能構成の一例を示す図である。
図15】第3の変換部の詳細な機能構成の一例を示す図である。
図16】第4の変換部の詳細な機能構成の一例を示す図である。
図17】表示制御部の機能構成の一例を示す図である。
図18】位置合わせデータ生成部の機能構成の一例を示す第2の図である。
図19】座標付きX線画像データに対する特定処理の具体例を示す第2の図である。
図20】MRI画像データに対する特定処理の具体例を示す第2の図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
はじめに、各実施形態における診断支援システムの概要について説明する。以下の各実施形態における診断支援システムは、複数の医用画像において、特定の器官・部位(例えば、診断対象となる器官・部位。以下の各実施形態では"脊髄")を重ね合わせる位置合わせデータを生成する。具体的には、複数の医用画像として、
・磁気アレイセンサにより測定された磁場データを再構成(磁場データから体内の電流源を推定し(計算し直し)、可視化)することで得られる再構成データと、
・MRI撮像部により撮像されるMRI画像データと、
を重ね合わせる位置合わせデータを生成する。
【0010】
ここで、再構成データの場合、被検者の器官・部位を画像化することができず、再構成データから診断対象となる器官・部位の位置を直接把握することはできない。そこで、以下の各実施形態における診断支援システムでは、まず、磁気アレイセンサにより磁場データを測定する際に、X線撮像部によりX線画像データを撮像し、X線画像データの各画素と再構成データの各画素とを対応付ける。そして、X線画像データとMRI画像データとを重ね合わせる位置合わせデータを生成し、生成した位置合わせデータを、再構成データとMRI画像データとを重ね合わせる際に用いる。つまり、以下の各実施形態における診断支援システムでは、複数の医用画像として、
・X線画像データと、
・MRI画像データと、
を重ね合わせる位置合わせデータを生成する。
【0011】
なお、X線画像データと、MRI画像データとでは、撮像方式が異なっており、X線画像データ及びMRI画像データにおいて、対応する全ての器官・部位が画像化できるとは限らない。このため、以下の各実施形態における診断支援システムでは、画像化できた器官・部位から、画像化できなかった器官・部位の位置を推定することで、X線画像データとMRI画像データとの間において、診断対象となる器官・部位の重ね合わせを実現している。
【0012】
なお、以下の各実施形態では、主に、X線画像データとMRI画像データとを重ね合わせる位置合わせデータを生成する場合について説明するが、複数の医用画像は、X線画像データとMRI画像データの組み合わせに限定されるものではない。X線画像データとMRI画像データの組み合わせ以外の他の医用画像の組み合わせであってもよい。また、重ね合わせて表示する医用画像の数は、3つ以上であってもよい。更には、位置合わせデータを生成するための複数の医用画像は、撮像方式あるいは測定方式が異なる医用画像に限定されず、撮像方式あるいは測定方式が同じ医用画像であってもよい。
【0013】
以下、各実施形態の詳細について添付の図面を参照しながら説明する。なお、各実施形態に係る明細書及び図面の記載に際して、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複した説明を省く。
【0014】
[第1の実施形態]
<1.診断支援システムの全体構成>
はじめに、診断支援システムの全体構成について説明する。図1は、診断支援システムの全体構成の一例を示す図である。
【0015】
図1に示すように、診断支援システム100は、X線撮像部110と、X線画像データ処理装置111と、磁気センサアレイ120と、磁場データ処理装置121と、MRI撮像部130とを有する。更に、診断支援システム100は、サーバ装置140と、診断支援装置150とを有する。
【0016】
X線撮像部110は、被検者にX線を照射し、被検者を透過したX線を検出することで、被検者を撮像し、X線画像データを生成する。X線撮像部110は、生成したX線画像データを、X線画像データ処理装置111に送信する。
【0017】
X線画像データ処理装置111は、X線撮像部110より受信したX線画像データに基づいて、磁気センサアレイ120の所定の位置を基準とした座標軸を生成し、座標付きX線画像データ(詳細は後述)を生成する。更に、X線画像データ処理装置111は、生成した座標付きX線画像データを、サーバ装置140に送信する。
【0018】
磁気センサアレイ120は、複数の磁気センサがアレイ状に配置された生体センサである。磁気センサアレイ120は、被検者に所定の電気刺激を与えることで被検者の脊椎内の神経を流れる電流を磁場データとして測定する。磁気センサアレイ120に含まれる複数の磁気センサそれぞれにおいて測定された磁場データは、磁場データ処理装置121に入力される。
【0019】
磁場データ処理装置121は、磁気センサアレイ120より受信した磁場データを処理することで、被検者の脊椎内の各点を流れる電流を示す再構成データ(脊髄・脊髄神経誘発磁界のデータから体内の電流源を推定し、可視化したデータ)を算出する。磁場データ処理装置121は、算出した再構成データをサーバ装置140に送信する。
【0020】
MRI撮像部130は、電波を用いて被検者の体内にある水分を作用させることで、被検者の断層を撮像し、MRI画像データを生成する。MRI撮像部130は、生成したMRI画像データをサーバ装置140に送信する。
【0021】
サーバ装置140は、各種データを管理する情報処理装置である。サーバ装置140には、管理プログラムがインストールされており、当該管理プログラムが実行されることで、サーバ装置140は、管理部141として機能する。
【0022】
管理部141は、X線画像データ処理装置111から送信された座標付きX線画像データと、磁場データ処理装置121から送信された再構成データと、MRI撮像部130から送信されたMRI画像データとを受信する。また、管理部141は、受信したこれらのデータを、測定データとして、測定データ格納部142に格納する。
【0023】
また、管理部141は、診断支援装置150からの要求に応じて、測定データ格納部142に格納された測定データを読み出し、診断支援装置150に送信する。
【0024】
診断支援装置150は、医師等が被検者の神経活動について診断を行う際に、医師等を支援する情報処理装置である。診断支援装置150には、診断支援プログラムがインストールされており、当該診断支援プログラムが実行されることで、診断支援装置150は、診断支援部151として機能する。
【0025】
診断支援部151は、更に、生成手段の一例である位置合わせデータ生成部152と制御手段の一例である表示制御部153とを有する。
【0026】
位置合わせデータ生成部152は、サーバ装置140から、被検者の測定データとして、座標付きX線画像データとMRI画像データとを読み出す。また、診断支援部151は、読み出した座標付きX線画像データをMRI画像データに重ね合わせる位置合わせデータを生成し、位置合わせデータ格納部154に格納する。
【0027】
表示制御部153は、サーバ装置140から、被検者の測定データとして、MRI画像データと再構成データとを読み出す。また、表示制御部153は、位置合わせデータ格納部154を参照し、対応する位置合わせデータを用いて再構成データを座標変換し、変換後の再構成データを、MRI画像データに重ね合わせて表示する。
【0028】
なお、図1のシステム構成の説明では、診断支援システム100に、X線撮像部110、磁気センサアレイ120、MRI撮像部130が含まれるものとしたが、これらの測定装置は診断支援システムに含まれていなくてもよい。例えば、X線画像データ処理装置111に予め格納されたX線画像データを用いて座標付きX線画像データを生成するように構成してもよい。あるいは、磁場データ処理装置121に予め格納された磁場データを用いて再構成データを生成するように構成してもよい。この場合、点線160に含まれる範囲が診断支援システムの範囲となる。
【0029】
更には、X線画像データ処理装置111、磁場データ処理装置121は、診断支援システムに含まれていなくてもよい。例えば、サーバ装置140に既に格納されている測定データを用いて、診断支援部151を機能させるように構成してもよい。この場合、点線170に含まれる範囲が診断支援システムの範囲となる。
【0030】
<2.医療業務の流れ>
次に、診断支援システム100を用いた医療業務全体の流れについて説明する。図2は、診断支援システムを用いた医療業務の流れを示す図である。
【0031】
ステップS201において、医師等は、診断支援システム100を用いて、X線画像データを撮像し、座標付きX線画像データを生成する。これにより、座標付きX線画像データ上において、磁気センサアレイ120の所定の位置を基準とした座標軸に基づき、被検者の各器官・部位の位置を算出することができる。
【0032】
ステップS202において、医師等は、診断支援システム100を用いて、被検者300の神経活動を診断するためのデータを測定する。具体的には、医師等は被検者に電気刺激を与え、被検者の脊椎内の神経を流れる電流を、磁気センサアレイ120を用いて磁場データとして測定する。これにより、再構成データが生成される。
【0033】
ステップS203において、医師等は、診断支援システム100を用いて、MRI画像データを撮像する。
【0034】
ステップS204において、医師等は、診断支援システム100を用いて、測定データ(座標付きX線画像データ、再構成データ、MRI画像データ)を測定データ格納部142に格納する。
【0035】
ステップS205において、医師等は、診断支援システム100を用いて、格納したX線画像データとMRI画像データとを読み出し、位置合わせデータを生成する。
【0036】
ステップS206において、医師等は、診断支援システム100を用いて、再構成データとMRI画像データと読み出し、生成した位置合わせデータを用いて再構成データを座標変換し、MRI画像データに重ね合わせて表示する。
【0037】
ステップS207において、医師等は、重ね合わせて表示された再構成データとMRI画像データとに基づいて、被検者の神経活動の診断を行う。
【0038】
以下、図2に示した各工程(ステップS201~207)のうち、ステップS201~S206に関わる診断支援システム100の機能、動作等について詳細を説明する。
【0039】
<3.ステップS201(X線画像データの撮像、座標付きX線画像データの生成)に関わる診断支援システムの機能、動作等>
はじめに、ステップS201(X線画像データの撮像、座標付きX線画像データの生成)に関わる診断支援システム100の機能、動作等について説明する。
【0040】
<3.1 X線画像データの撮像方法>
図3は、X線画像データの撮像方法及び座標付きX線画像データの生成方法を示す図である。なお、図3に示すように、本実施形態において、xyz座標は以下のように定義する。
・測定対象である被検者300の右腕から左腕に向かう軸をx軸とする。
・測定対象である被検者300の胸部から頭部方向に向かう軸をy軸とする。
・測定対象である被検者300の背中から胸部に向かう軸をz軸とする。
【0041】
X線画像データの撮像は、磁気センサアレイ120による測定と同じ姿勢で行われる。図3(a)に示すように、磁気センサアレイ120は、デュワー310内に配されており、磁気センサアレイ120による測定の際、被検者300は、脊椎付近にデュワー310の上面が当接するように仰向けに横たわる。X線画像データの撮像は、被検者300が当該姿勢になった状態で行われる。
【0042】
図3(b)は、X線撮像部110を用いて被検者300を側面から撮像する様子を示している。図3(b)に示すように、X線撮像部110は、X線源110_1とX線検出器110_2とを有し、被検者300の側面からX線を照射することで被検者300を撮像し、X線画像データ320を出力する。
【0043】
このように、X線撮像部110による撮像を、磁気センサアレイ120による測定と同じ姿勢で行うことで、X線画像データ320には、磁気センサアレイ120の画像要素321が含まれることになる。
【0044】
<3.2 座標付きX線画像データの生成方法>
次に、座標付きX線画像データの生成方法について説明する。X線画像データ処理装置111は、X線撮像部110よりX線画像データ320を受信すると、X線画像データ320に含まれる磁気センサアレイ120の画像要素321を検出する。また、X線画像データ処理装置111は、X線画像データ320より検出した磁気センサアレイ120の画像要素321上の所定の位置を原点として、X線画像データ320内の各画素のyz座標を算出する。これにより、X線画像データ処理装置111は、座標付きX線画像データ330を生成する(図3(c)参照)。つまり、X線画像データ処理装置111により生成される座標付きX線画像データ330とは、X線画像データ320の各画素に、磁気センサアレイ120の所定の位置を原点とするyz座標が付されたデータに他ならない。
【0045】
なお、図3(c)において、座標付きX線画像データ330上のyz座標を示す格子線は、説明のために便宜的に示したものにすぎず、医師等に座標付きX線画像データ330を表示する際に、当該格子線は表示されない。
【0046】
<4.ステップS202(神経活動測定、再構成データの生成)に関わる診断支援システムの機能、動作等>
次に、ステップS202(神経活動測定、再構成データの生成)に関わる診断支援システム100の機能、動作等について説明する。
【0047】
<4.1 磁場データの測定方法>
図4は、磁場データの測定方法及び再構成データの生成方法を示す図である。図4(a)に示すように、デュワー310の上面は、仰向けに横たわる被検者300の脊椎付近に下側から当接する。この状態で、被検者300の所定の腕部(例えば、左腕部)に電極を取り付け、被検者300に電気刺激を与えることで、磁気センサアレイ120では、被検者300の脊椎内の神経を流れる電流を磁場として測定することができる。
【0048】
磁気センサアレイ120を構成する各磁気センサでは、x軸、y軸、z軸の各方向の磁場を所定時間測定する。本実施形態では、各磁気センサで所定時間測定することで得られた各方向の電圧信号を、磁場データ401と称す。
【0049】
<4.2 再構成データの生成方法>
図4(a)に示したように、各磁気センサからは、3つの電圧信号が出力される。更に、磁気センサアレイ120全体では、磁場データ401として、磁気センサの数×3個分の電圧信号が出力される。
【0050】
例えば、磁気センサの数が35個(縦5×横7)であったとすると、磁気センサアレイ120からは、少なくとも105個分の電圧信号が磁場データ401として出力されることになる。なお、それぞれの電圧信号には、被検者300に電気刺激が与えられてから(例えば、時刻0から)、時刻tまでの間に測定された電圧信号が含まれる。
【0051】
図4(b)は、磁場データ処理装置121が、磁気センサアレイ120より出力された磁場データ401を用いて、再構成(電流源を推定し、可視化)した様子を示している。図4(b)の再構成データの各フレーム411~413は、それぞれ、所定のxy平面(z=z)における時刻t、t、tにおけるそれぞれの電流源を推定し、可視化したものである。
【0052】
再構成データの各フレーム411~413において、白色の部分は、電流値の絶対値が大きいことを示しており、黒色の部分は、電流値の絶対値が小さいことを示している。また、再構成データの各フレーム411~413において、×印421は細胞内電流のピーク値の位置を示しており、×印422は体積電流のピーク値の位置を示している。時刻が進むにつれて、×印421、422の位置は、y軸方向に移動することになる。
【0053】
なお、時刻tにおける再構成データのフレーム411は、時刻tにおける磁場データ401(各磁気センサから出力されたx軸、y軸、z軸の電圧信号)に基づいて算出される。図4(b)では、そのうち、z=zのxy平面におけるフレームを例示しているが、磁場データ処理装置121では、z方向に異なるそれぞれのxy平面でのフレームを算出することができる。
【0054】
同様に、時刻tにおける再構成データのフレーム412は、時刻tにおける磁場データ401(各磁気センサから出力されたx軸、y軸、z軸の電圧信号)に基づいて算出される。図4(b)では、そのうち、z=zのxy平面におけるフレームを例示しているが、磁場データ処理装置121では、z方向に異なるそれぞれのxy平面でのフレームを算出することができる。
【0055】
同様に、時刻tにおける再構成データのフレーム413は、時刻tにおける磁場データ401(各磁気センサから出力されたx軸、y軸、z軸の電圧信号)に基づいて算出される。図4(b)では、そのうち、z=zのxy平面におけるフレームを例示しているが、磁場データ処理装置121では、z方向に異なるそれぞれのxy平面でのフレームを算出することができる。
【0056】
ここで、再構成データの各フレーム411~413において磁気センサアレイ120の所定の位置(座標付きX線画像データ330に付された座標の原点に相当する位置)は既知である。また、再構成データの各フレーム411~413内の各位置の座標は、磁気センサアレイ120の所定の位置を原点としている。
【0057】
つまり、座標付きX線画像データ330に付された座標及び再構成データの各フレーム411~413に付された座標は、いずれも、磁気センサアレイ120の所定の位置を原点としている。したがって、座標付きX線画像データ330の座標と再構成データの各フレーム411~413の座標とが同じであった場合、当該座標は、被検者300の同じ位置を指していることになる。
【0058】
このように、座標付きX線画像データ330と再構成データの各フレーム411~413とで各画素を対応付けることで、各フレーム411~413内の各位置が、被検者300のいずれの位置に対応するのかを、座標付きX線画像データ330に基づき把握できる。例えば、座標付きX線画像データ330に含まれる被検者300の各器官・部位の座標を、再構成データの各フレーム411~413に当てはめることで、各フレーム411~413内の各位置が被検者300のいずれの器官・部位に対応しているのかを把握できる。
【0059】
<5.ステップS203(MRI画像データの撮像)に関わる診断支援システムの機能、動作等>
次に、ステップS203(MRI画像データの撮像)に関わる診断支援システム100の機能、動作等について説明する。図5は、MRI画像データの撮像方法を示す図である。図5に示すように、MRI画像データの撮像は、MRI撮像部130を用いて行われる。MRI画像データの撮像も、被検者300を仰向けにして行われるが、X線撮像部110及び磁気センサアレイ120とは装置が異なるため、X線画像データの撮像及び磁場データの測定とは異なるタイミングで行われる。MRI撮像部130は被検者300を撮像することで、MRI画像データ510を出力する。
【0060】
<6.ステップS204(測定データの格納)に関わる診断支援システムの機能、動作等>
次に、ステップS204(測定データの格納)に関わる診断支援システムの機能、動作等について説明する。図6は、測定データ格納部に格納された測定データテーブルの一例を示す図である。このうち、図6(a)は、座標付きX線画像データを格納する測定データテーブル(座標付きX線画像データ)610の一例を示す図である。図6(a)に示すように、測定データテーブル(座標付きX線画像データ)610は、情報の項目として、"被検者ID"、"撮像日時"、"被検者属性情報"、"撮像部位"、"データID"を含む。
【0061】
"被検者ID"には、被検者300を識別するための識別子が格納される。"撮像日時"には、X線画像データを撮像した日時が格納される。"被検者属性情報"には、被検者の氏名、年齢、性別、身長、体重等が格納される。なお、"被検者属性情報"に格納されるこれらの情報は、X線画像データを撮像する際に医師等によって入力される。
【0062】
"撮像部位"には、X線撮像部110により撮像された被検者300の部位が格納される。"データID"には、座標付きX線画像データを識別するための識別子が格納される。
【0063】
図6(b)は、再構成データを格納する測定データテーブル(再構成データ)620の一例を示す図である。図6(b)に示すように、測定データテーブル(再構成データ)620も、測定データテーブル(座標付きX線画像データ)610と同様の情報の項目を含む。ただし、測定データテーブル(再構成データ)620の場合、情報の項目として、"対応する座標付きX線画像データのデータID"が含まれる。"対応する座標付きX線画像データのデータID"には、再構成データの生成に用いられた磁場データを測定する際に撮像され、生成された座標付きX線画像データのデータIDが格納される。
【0064】
図6(c)は、MRI画像データを格納する測定データテーブル(MRI画像データ)630の一例を示す図である。図6(c)に示すように、測定データテーブル(MRI画像データ)630も、測定データテーブル(座標付きX線画像データ)610と同様の情報の項目を含む。
【0065】
<7.ステップS205(位置合わせ)及びステップS206(重ね合わせ表示)に関わる診断支援システムの機能、動作等>
次に、ステップS205(位置合わせ)及びステップS206(重ね合わせ表示)に関わる診断支援システム100の機能、動作等について説明する。
【0066】
<7.1 診断支援装置のハードウェア構成>
はじめに、ステップS205(位置合わせ)及びステップS206(重ね合わせ表示)に関わる診断支援装置150のハードウェア構成について説明する。図7は、診断支援装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
【0067】
図7に示すように、診断支援装置150は、CPU(Central Processing Unit)701、ROM(Read Only Memory)702、RAM(Random Access Memory)703を備える。CPU701、ROM702、RAM703は、いわゆるコンピュータを形成する。更に、診断支援装置150は、補助記憶部704、表示部705、操作部706、接続部707を備える。なお、診断支援装置150の各部は、バス708を介して相互に接続されている。
【0068】
CPU701は、補助記憶部704に格納された各種プログラム(例えば、診断支援プログラム)を実行するデバイスである。
【0069】
ROM702は不揮発性の主記憶デバイスである。ROM702は、補助記憶部704に格納された各種プログラムを、CPU701が実行するために必要な各種プログラム、データ等を格納する。具体的には、ROM702は、BIOS(Basic Input/Output System)やEFI(Extensible Firmware Interface)等のブートプログラムなどを格納する。
【0070】
RAM703は、DRAM(Dynamic Random Access Memory)やSRAM(Static Random Access Memory)等の揮発性の主記憶デバイスである。RAM703は、補助記憶部704に格納された各種プログラムがCPU701によって実行される際に展開される、作業領域として機能する。
【0071】
補助記憶部704は、CPU701により実行される各種プログラム及び各種プログラムがCPU701によって実行されることで生成される各種データを格納する補助記憶デバイスである。上述の位置合わせデータ格納部154は、補助記憶部704において実現される。
【0072】
表示部705は、MRI画像データに再構成データを重ね合わせて表示する表示手段の一例である。操作部706は、医師等が診断支援装置150に各種指示(データの選択指示、重ね合わせ表示指示等)を入力するための入力デバイスである。接続部707は、サーバ装置140と通信を行うための通信デバイスである。
【0073】
以上が診断支援装置150のハードウェア構成である。なお、ステップS201~S204の説明においては特に言及しなかったが、X線画像データ処理装置111、磁場データ処理装置121、サーバ装置140についても、診断支援装置150と同様のハードウェアを有しているものとする。
【0074】
<7.2 診断支援装置の機能(位置合わせデータ生成部)の説明>
(1)位置合わせデータ生成部の機能構成
次に、診断支援装置150の機能構成について説明する。上述したとおり、診断支援装置150は、診断支援部151として機能し、診断支援部151は、位置合わせデータ生成部152と表示制御部153とを有する。ここでは、診断支援部151が有する機能のうち、まず、位置合わせデータ生成部152の機能について説明する。
【0075】
図8は、位置合わせデータ生成部の機能構成の一例を示す図である。図8に示すように、位置合わせデータ生成部152は、第1の医用画像データ取得部801、椎骨検出部802、特定椎骨検出部803、椎骨部位特定部804を有する。また、位置合わせデータ生成部152は、第2の医用画像データ取得部811、椎骨検出部812、特定椎骨検出部813、椎骨部位特定部814を有する。更に、位置合わせデータ生成部152は、変換部820、位置合わせデータ格納制御部821を有する。
【0076】
第1の医用画像データ取得部801は、サーバ装置140の測定データ格納部142より、第1の医用画像データ(第1の医用画像情報ともいう)として、座標付きX線画像データを読み出す。第1の医用画像データ取得部801が読み出す座標付きX線画像データは、医師等によって選択される。第1の医用画像データ取得部801は、読み出した座標付きX線画像データを、椎骨検出部802及び特定椎骨検出部803に通知する。
【0077】
椎骨検出部802は、第1の医用画像データ取得部801より通知された座標付きX線画像データに対して画像処理を行い、被検者300の椎骨もしくは椎骨の一部を抽出する。具体的には、椎骨検出部802は、座標付きX線画像データ内の対象領域より小領域を抽出し、抽出した小領域が椎骨もしくは椎骨の一部であるか否かの判定を行う。
【0078】
椎骨検出部802は、例えば、スライディングウィンドウを用いて小領域の抽出を行う。あるいは、椎骨検出部802は、エッジ抽出処理やASM(Active Shape Model)を用いて小領域の抽出を行ってもよい。あるいは、椎骨検出部802は、オブジェクト検出処理により、小領域の抽出を行ってもよい。
【0079】
また、椎骨検出部802は、抽出した小領域が椎骨もしくは椎骨の一部であるか否かの判定を、例えば、CNNやSVM等の画像処理技術を用いて行う。なお、CNNは、Convolutional Neural Networkの略称であり、SVMは、Support Vector Machineの略称である。
【0080】
椎骨検出部802は、椎骨もしくは椎骨の一部であると判定した小領域の中心座標を椎骨もしくは椎骨の一部の位置情報として椎骨部位特定部804に通知する。ここでは、6つの小領域が椎骨もしくは椎骨の一部であると判定され、それぞれの中心座標(z12,y12)、・・・、(z17,y17)が、椎骨もしくは椎骨の一部の位置情報として椎骨部位特定部804に通知されるものとする。
【0081】
特定椎骨検出部803は、第1の医用画像データ取得部801より通知された座標付きX線画像データに対して画像処理を行い、被検者300の基準となる椎骨もしくは椎骨の一部を抽出する。基準となる椎骨もしくは椎骨の一部とは、他の椎骨とは異なる形態情報を有する椎骨もしくは椎骨の一部であり、例えば、第2頸椎の椎体部等が含まれる。
【0082】
具体的には、特定椎骨検出部803は、座標付きX線画像データ内の対象領域より小領域を抽出し、抽出した小領域が基準となる椎骨もしくは椎骨の一部であるか否かの判定を行う。なお、小領域の抽出方法及び基準となる椎骨もしくは椎骨の一部であるか否かの判定方法は、椎骨検出部802により実行される小領域の抽出方法及び判定方法と同様である。
【0083】
特定椎骨検出部803は、基準となる椎骨もしくは椎骨の一部であると判定した小領域の中心座標(特定中心座標)を、基準となる椎骨もしくは椎骨の一部の位置情報として、椎骨部位特定部804に通知する。ここでは、第2頸椎(C)の椎体部が基準となる椎骨の一部として抽出され、特定中心座標(z12,y12)が、基準となる椎骨もしくは椎骨の一部の位置情報として椎骨部位特定部804に通知されるものとする。
【0084】
椎骨部位特定部804は第1の判定手段の一例であり、椎骨検出部802より通知された中心座標が、いずれの椎骨もしくは椎骨の一部の中心座標であるかを、特定椎骨検出部803より通知された特定中心座標に基づいて特定する。
【0085】
具体的には、椎骨部位特定部804は、6つの中心座標と、1つの特定中心座標とを比較し、6つの中心座標のうち、特定中心座標に最も近い1つの中心座標を判定する。また、椎骨部位特定部804は、判定した1つの中心座標を、第2頸椎(C)椎体部の中心座標であると判定する。
【0086】
また、椎骨部位特定部804は、6つの中心座標のうち、第2頚椎(C)椎体部の中心座標の下側に位置する中心座標を、第2頚椎(C)椎体部の中心座標から近い順に、第3頚椎(C)椎体部、・・・、第7頚椎(C)椎体部の中心座標と判定する。
【0087】
椎骨部位特定部804は、判定した第2頚椎(C)椎体部~第7頚椎(C)椎体部の中心座標(z12,y12)、・・・、(z17,y17)を、判定結果(C~C)と対応付けて変換部820に通知する。
【0088】
第2の医用画像データ取得部811は、サーバ装置140の測定データ格納部142より、第2の医用画像データ(第2の医用画像情報ともいう)として、MRI画像データを読み出す。第2の医用画像データ取得部811が読み出すMRI画像データは、医師等によって選択される。第2の医用画像データ取得部811は、読み出したMRI画像データを、椎骨検出部812及び特定椎骨検出部813に通知する。
【0089】
椎骨検出部812は、第2の医用画像データ取得部811より通知されたMRI画像データに対して画像処理を行い、被検者300の椎骨もしくは椎骨の一部を抽出する。具体的には、椎骨検出部812は、MRI画像データ内の対象領域より小領域を抽出し、抽出した小領域が椎骨もしくは椎骨の一部であるか否かの判定を行う。
【0090】
椎骨検出部812は、例えば、スライディングウィンドウを用いて小領域の抽出を行う。あるいは、椎骨検出部812は、エッジ抽出処理やASM(Active Shape Model)を用いて小領域の抽出を行ってもよい。あるいは、椎骨検出部812は、オブジェクト検出処理により、小領域の抽出を行ってもよい。
【0091】
また、椎骨検出部812は、抽出した小領域が椎骨もしくは椎骨の一部であるか否かの判定を、例えば、CNNやSVM等の画像処理技術を用いて行う。
【0092】
椎骨検出部812は、椎骨もしくは椎骨の一部であると判定した小領域の中心座標を椎骨もしくは椎骨の一部の位置情報として、椎骨部位特定部814に通知する。ここでは、6つの小領域が椎骨もしくは椎骨の一部であると判定され、それぞれの中心座標(z22,y22)、・・・、(z27,y27)が、椎骨もしくは椎骨の一部の位置情報として椎骨部位特定部814に通知されるものとする。
【0093】
特定椎骨検出部813は、第2の医用画像データ取得部811より通知されたMRI画像データに対して画像処理を行い、被検者300の基準となる椎骨もしくは椎骨の一部を抽出する。基準となる椎骨もしくは椎骨の一部とは、他の椎骨もしくは椎骨の一部とは異なる形態情報を有する椎骨であり、例えば、第2頸椎の椎体部等が含まれる。
【0094】
具体的には、特定椎骨検出部813は、MRI画像データ内の対象領域より小領域を抽出し、抽出した小領域が基準となる椎骨もしくは椎骨の一部であるか否かの判定を行う。なお、小領域の抽出方法及び基準となる椎骨もしくは椎骨の一部であるか否かの判定方法は、椎骨検出部812により実行される小領域の抽出方法及び判定方法と同様である。
【0095】
特定椎骨検出部813は、基準となる椎骨もしくは椎骨の一部であると判定した小領域の中心座標(特定中心座標)を、基準となる椎骨もしくは椎骨の一部の位置情報として、椎骨部位特定部814に通知する。ここでは、第2頸椎(C)の椎体部が基準となる椎骨の一部として抽出され、特定中心座標(z22,y22)が、基準となる椎骨もしくは椎骨の一部の位置情報として椎骨部位特定部814に通知されるものとする。
【0096】
椎骨部位特定部814は第2の判定手段の一例であり、椎骨検出部812より通知された中心座標が、いずれの椎骨もしくは椎骨の一部の中心座標であるかを、特定椎骨検出部803より通知された特定中心座標に基づいて特定する。
【0097】
具体的には、椎骨部位特定部814は、6つの中心座標と、1つの特定中心座標とを比較し、6つの中心座標のうち、特定中心座標に最も近い1つの中心座標を判定する。また、椎骨部位特定部814は、判定した1つの中心座標を、第2頸椎(C)椎体部の中心座標であると判定する。
【0098】
また、椎骨部位特定部814は、6つの中心座標のうち、第2頚椎(C)椎体部の中心座標の下側に位置する中心座標を、第2頚椎(C)椎体部の中心座標から近い順に、第3頚椎(C)椎体部、・・・、第7頚椎(C)椎体部の中心座標と判定する。
【0099】
椎骨部位特定部814は、判定した第2頚椎(C)椎体部~第7頚椎(C)椎体部の中心座標(z22,y22)、・・・、(z27,y27)を、判定結果(C~C)と対応付けて変換部820に通知する。
【0100】
変換部820は、椎骨部位特定部804から通知された中心座標と、椎骨部位特定部814から通知された中心座標とを用いて、座標付きX線画像データをMRI画像データに重ね合わせる位置合わせデータ(変換データ)を算出する。変換部820は、位置合わせデータ(変換データ)として、座標付きX線画像データを画像変形し、MRI画像データに重ね合わせるための変換関数を算出する。あるいは、変換部820は、位置合わせデータとして、MRI画像データに重ね合わせるための対応点情報(座標付きX線画像データの各座標(z,y)と、対応するMRI画像データの各座標(z,y)とが対応付けられた座標データ)を算出してもよい。
【0101】
具体的には、変換部820は、椎骨部位特定部804から通知された中心座標に基づいて、座標付きX線画像データにおける被検者300の脊髄の位置を推定する。また、変換部820は、椎骨部位特定部814から通知された中心座標に基づいて、MRI画像データにおける被検者300の脊髄の位置を推定または抽出する。更に、変換部820は、推定した(または抽出した)脊髄の位置を重ね合わせるために、座標付きX線画像データの各画素を座標変換する。変換部820は、各画素の座標変換に用いた変換データを、位置合わせデータとして、位置合わせデータ格納制御部821に通知する。
【0102】
位置合わせデータ格納制御部821は、変換部820より通知された位置合わせデータを、座標付きX線画像データを特定するデータID及びMRI画像データを特定するデータIDと対応付けて、位置合わせデータ格納部154に格納する。
【0103】
(2)位置合わせデータ生成部により生成される位置合わせデータ一覧の具体例
次に、位置合わせデータ生成部152により生成され、位置合わせデータ格納部154に格納される位置合わせデータ一覧の具体例について説明する。図9は、位置合わせデータ一覧の一例を示す図である。
【0104】
図9に示すように、位置合わせデータ一覧900は、情報の項目として、"第1のデータID"、"第2のデータID"、"変換データ"が含まれる。
【0105】
"第1のデータID"には、第1の医用画像データ取得部801によって読み出された座標付きX線画像データのデータIDが格納される。"第2のデータID"には、第2の医用画像データ取得部811によって読み出されたMRI画像データのデータIDが格納される。"変換データ"には、変換部820より位置合わせデータとして通知された変換データが格納される。
【0106】
(3)位置合わせデータ生成部による特定処理の流れ
次に、位置合わせデータ生成部152により実行される特定処理(医用画像を読み出してから椎骨もしくは椎骨の一部を特定するまでの処理)の詳細について説明する。
【0107】
i)特定処理のフローチャート
はじめに、位置合わせデータ生成部152により実行される特定処理の流れについて説明する。図10は、特定処理の流れを示すフローチャートである。第1の医用画像データ取得部801により座標付きX線画像データが読み出され、第2の医用画像データ取得部811によりMRI画像データが読み出されることで、図10に示す特定処理が開始される。
【0108】
ステップS1001において、椎骨検出部802は、座標付きX線画像データより、小領域を抽出し、抽出した小領域が椎骨もしくは椎骨の一部であるか否かを判定することで、座標付きX線画像データより椎骨もしくは椎骨の一部を抽出する。同様に、椎骨検出部812は、MRI画像データより、小領域を抽出し、抽出した小領域が椎骨もしくは椎骨の一部であるか否かを判定することで、MRI画像データより椎骨もしくは椎骨の一部を抽出する。
【0109】
ステップS1002において、椎骨検出部802は、座標付きX線画像データより抽出した椎骨もしくは椎骨の一部の中心座標を算出する。同様に、椎骨検出部812は、MRI画像データより抽出した椎骨もしくは椎骨の一部の中心座標を算出する。
【0110】
ステップS1003において、特定椎骨検出部803は、座標付きX線画像データより、小領域を抽出し、抽出した小領域が第2頚椎(C)椎体部であるか否かを判定することで、第2頚椎(C)椎体部を抽出する。同様に、特定椎骨検出部813は、MRI画像データより、小領域を抽出し、抽出した小領域が第2頚椎(C)椎体部であるか否かを判定することで、第2頚椎(C)椎体部を抽出する。
【0111】
ステップS1004において、特定椎骨検出部803は、座標付きX線画像データより抽出した第2頚椎(C)椎体部の特定中心座標を算出する。同様に、特定椎骨検出部813は、MRI画像データより抽出した第2頚椎(C)椎体部の特定中心座標を算出する。
【0112】
ステップS1005において、椎骨部位特定部804は、特定椎骨検出部803により抽出された第2頚椎(C)椎体部の特定中心座標に基づいて、椎骨検出部802により抽出された中心座標が、いずれの椎骨もしくは椎骨の一部の中心座標であるかを判定する。同様に、椎骨部位特定部814は、特定椎骨検出部813により抽出された第2頚椎(C)椎体部の特定中心座標に基づいて、椎骨検出部812により抽出された中心座標が、いずれの椎骨もしくは椎骨の一部の中心座標であるかを判定する。
【0113】
ステップS1006において、椎骨部位特定部804は、判定した椎骨のうち、隣接する椎骨間もしくは椎骨の一部間の距離を算出する。同様に、椎骨部位特定部814は、判定した椎骨のうち、隣接する椎骨間もしくは椎骨の一部間の距離を算出する。
【0114】
ステップS1007において、椎骨部位特定部804は、いずれかの椎骨間もしくは椎骨の一部間の距離が、所定の条件を満たすか否かを判定し、所定の条件を満たすと判定した場合には、ステップS1008に進む。具体的には、椎骨部位特定部804は、以下の場合に所定の条件を満たすと判定し、ステップS1008に進む。
・いずれかの椎骨間もしくは椎骨の一部間の距離が、椎骨間もしくは椎骨の一部間の距離の平均値と大きく異なり、かつ、
・当該椎骨間もしくは椎骨の一部間の距離が、他の椎骨間もしくは椎骨の一部間距離の約2倍の距離である。
【0115】
同様に、椎骨部位特定部814は、いずれかの椎骨間もしくは椎骨の一部間の距離が、所定の条件を満たすか否かを判定し、所定の条件を満たすと判定した場合には、ステップS1008に進む。具体的には、椎骨部位特定部814は、以下の場合に所定の条件を満たすと判定し、ステップS1008に進む。
・いずれかの椎骨間もしくは椎骨の一部間の距離が、椎骨間もしくは椎骨の一部間の距離の平均値と大きく異なり、かつ、
・当該椎骨間もしくは椎骨の一部間の距離が、他の椎骨間もしくは椎骨の一部間距離の約2倍の距離である。
【0116】
ステップS1008において、椎骨部位特定部804は、判定結果を修正してステップS1006に戻る。これにより、座標付きX線画像データにおいて、椎骨もしくは椎骨の一部が抽出できなかった場合でも、椎骨部位特定部804は、抽出した椎骨もしくは椎骨の一部について、正しく判定することができる。
【0117】
同様に、椎骨部位特定部814は、判定結果を修正してステップS1006に戻る。これにより、MRI画像データにおいて、椎骨もしくは椎骨の一部が抽出できなかった場合でも、椎骨部位特定部814は、抽出した椎骨もしくは椎骨の一部について、正しく判定することができる。
【0118】
一方、ステップS1007において、椎骨部位特定部804及び椎骨部位特定部814が、いずれの椎骨間もしくは椎骨の一部間の距離も所定の条件を満たさないと判定した場合には、特定処理を終了する。
【0119】
ii)座標付きX線画像データに対する特定処理の具体例
次に、座標付きX線画像データに対する特定処理の具体例について説明する。図11は、座標付きX線画像データに対する特定処理の具体例を示す第1の図である。このうち、図11(a)は、第1の医用画像データ取得部801によって読み出された座標付きX線画像データ1110の一例を示している。
【0120】
図11(b)は、座標付きX線画像データ1121の一例を示している。座標付きX線画像データ1121は、椎骨検出部802が、座標付きX線画像データ1110に対して画像処理を行い、被検者300の椎骨もしくは椎骨の一部を抽出するとともに、抽出した椎骨もしくは椎骨の一部の中心座標を算出することで得られる。
【0121】
図11(c)は、座標付きX線画像データ1122の一例を示している。座標付きX線画像データ1122は、特定椎骨検出部803が、座標付きX線画像データ1110に対して画像処理を行い、被検者300の第2頚椎(C)椎体部を抽出し、抽出した第2頚椎椎体部の特定中心座標を算出することで得られる。
【0122】
図11(d)は、座標付きX線画像データ1130の一例を示している。座標付きX線画像データ1130は、算出された中心座標が、いずれの頚椎椎体部の中心座標であるかを、椎骨部位特定部804が判定することで得られる。
【0123】
このように、座標付きX線画像データ1110に対して特定処理が実行されることで、第2頚椎(C)椎体部~第7頚椎(C)椎体部までのそれぞれの頚椎椎体部の中心座標が算出された座標付きX線画像データ1130を得ることができる。
【0124】
iii)MRI画像データに対する特定処理の具体例
次に、MRI画像データに対する特定処理の具体例について説明する。図12は、MRI画像データに対する特定処理の具体例を示す第1の図である。このうち、図12(a)は、第2の医用画像データ取得部811によって読み出されたMRI画像データ1210の一例を示している。
【0125】
図12(b)は、MRI画像データ1221の一例を示している。MRI画像データ1221は、椎骨検出部812が、MRI画像データ1210に対して画像処理を行い、被検者300の椎骨もしくは椎骨の一部を抽出するとともに、抽出した椎骨もしくは椎骨の一部の中心座標を算出することで得られる。
【0126】
図12(c)は、MRI画像データ1222の一例を示している。MRI画像データ1222は、特定椎骨検出部813が、MRI画像データ1210に対して画像処理を行い、被検者300の第2頚椎(C)椎体部を抽出するとともに、抽出した第2頚椎椎体部の特定中心座標を算出することで得られる。
【0127】
図12(d)は、MRI画像データ1230の一例を示している。MRI画像データ1230は、算出された中心座標が、いずれの頚椎椎体部の中心座標であるかを、椎骨部位特定部814が判定することで得られる。
【0128】
このように、MRI画像データ1210に対して特定処理が実行されることで、第2頚椎(C)椎体部~第7頚椎(C)椎体部までのそれぞれの頚椎椎体部の中心座標が算出されたMRI画像データ1230を得ることができる。
【0129】
(4)位置合わせデータ生成部に含まれる変換部の詳細な機能構成
次に、位置合わせデータ生成部152に含まれる変換部820の詳細な機能構成について説明する。本実施形態において、位置合わせデータ生成部152に含まれる変換部820には、機能構成の異なる4種類の変換部(ここでは、第1の変換部~第4の変換部と称す)が含まれているものとする。以下では、第1~第4の変換部それぞれの機能構成について説明する。
【0130】
i)第1の変換部の詳細な機能構成
図13は、第1の変換部の詳細な機能構成の一例を示す図である。図13(a)に示すように、第1の変換部1300は、椎骨中心座標取得部1301、近似処理部1302、法線ベクトル算出部1303、脊髄対応点算出部1304を有する。また、第1の変換部1300は、椎骨中心座標取得部1311、近似処理部1312、法線ベクトル算出部1313、脊髄対応点算出部1314を有する。更に、第1の変換部1300は、算出部1320を有する。
【0131】
以下、第1の変換部1300が有する各部の機能を、図13(b)を参照しながら説明する。なお、図13(b)に示す座標付きX線画像データ1330は、第2頚椎(C)椎体部~第7頚椎(C)椎体部までのそれぞれの頚椎椎体部の中心座標が算出された座標付きX線画像データ1130の一部を拡大して示した図である。同様に、図13(b)に示すMRI画像データ1350は、第2頚椎(C)椎体部~第7頚椎(C)椎体部までのそれぞれの頚椎椎体部の中心座標が算出されたMRI画像データ1230の一部を拡大して示した図である。
【0132】
椎骨中心座標取得部1301は、椎骨部位特定部804より、第2頚椎(C)椎体部~第7頚椎(C)椎体部の中心座標を取得し、近似処理部1302に通知する。
【0133】
近似処理部1302は、座標付きX線画像データ1330に含まれる各中心座標を結ぶ近似曲線を算出する。図13(b)において、座標付きX線画像データ1330の曲線1331は、近似処理部1302により算出された近似曲線を示している。
【0134】
法線ベクトル算出部1303は、曲線1331に対する法線であって、各中心座標から棘突起方向(座標付きX線画像データ1330において右方向)に延びる所定長さの法線を算出する。図13(b)において、座標付きX線画像データ1340の各矢印は、法線ベクトル算出部1303により算出された法線を示している。
【0135】
脊髄対応点算出部1304は第1の算出手段の一例である。脊髄対応点算出部1304は、法線ベクトル算出部1303により算出された法線の先端位置の座標を、脊髄領域に含まれる点(脊髄対応点)の座標として算出する。図13(b)において、座標付きX線画像データ1340の点1342~1347は、脊髄対応点算出部1304により算出された脊髄対応点の位置を示している。
【0136】
このように、第1の変換部1300では、脊髄が画像化されていない座標付きX線画像データ1330において、頚椎椎体部の中心座標に基づいて、脊髄対応点の座標を推定する。
【0137】
同様に、椎骨中心座標取得部1311は、椎骨部位特定部814より、第2頚椎(C)椎体部~第7頚椎(C)椎体部の中心座標を取得し、近似処理部1312に通知する。
【0138】
近似処理部1312は、MRI画像データ1350に含まれる各中心座標を結ぶ近似曲線を算出する。図13(b)において、MRI画像データ1350の曲線1351は、近似処理部1312により算出された近似曲線を示している。
【0139】
法線ベクトル算出部1313は、曲線1351に対する法線であって、各中心座標から棘突起方向(MRI画像データ1350において右方向)に延びる所定長さの法線を算出する。図13(b)において、MRI画像データ1360の各矢印は、法線ベクトル算出部1313により算出された法線を示している。
【0140】
脊髄対応点算出部1314は第2の算出手段の一例である。脊髄対応点算出部1314は、法線ベクトル算出部1313により算出された法線の先端位置の座標を、脊髄領域に含まれる点(脊髄対応点)の座標として算出する。図13(b)において、MRI画像データ1360の点1362~1367は、脊髄対応点算出部1314により算出された脊髄対応点の位置を示している。
【0141】
このように、第1の変換部1300によれば、MRI画像データ1350において、頚椎椎体部の中心座標に基づいて、脊髄対応点の座標を推定することができる。
【0142】
算出部1320は生成手段の一例である。算出部1320は、脊髄対応点算出部1304において算出された脊髄対応点(点1342~1347)を、脊髄対応点算出部1314において算出された脊髄対応点(点1362~1367)に重ね合わせる位置合わせデータを生成する。
【0143】
具体的には、算出部1320は、点1342~1347を、点1362~1367に重ね合わせるために、座標付きX線画像データ1340の各画素を座標変換し、その時の変換データを、位置合わせデータとして、位置合わせデータ格納制御部821に通知する。
【0144】
ii)第2の変換部の詳細な機能構成
図14は、第2の変換部の詳細な機能構成の一例を示す図である。図14(a)に示すように、第2の変換部1400は、椎骨中心座標取得部1301、近似処理部1302、法線ベクトル算出部1403、脊髄対応点算出部1404を有する。また、第2の変換部1400は、椎骨中心座標取得部1311、近似処理部1312、法線ベクトル算出部1313、MRI画像データ取得部1411、脊髄領域抽出部1412、脊髄対応点算出部1420、算出部1320を有する。
【0145】
以下、第2の変換部1400が有する各部の機能を、図14(b)を参照しながら説明する。なお、上記第1の変換部1300と同様の機能については同じ符号を付すことで説明を省略し、ここでは第1の変換部1300との相違点を中心に説明する。
【0146】
MRI画像データ取得部1411は、第2の医用画像データ取得部811が読み出したMRI画像データを取得する。図14(b)のMRI画像データ1440は、MRI画像データ取得部1411により取得されたMRI画像データを示している。なお、図14(b)のMRI画像データ1440では、説明を分かり易くするために、中心座標及び近似曲線も合わせて示している。
【0147】
脊髄領域抽出部1412は、MRI画像データ取得部1411により取得されたMRI画像データ1440より、脊髄領域を抽出する。図14(b)のMRI画像データ1440において、曲線1441は脊髄領域のエッジ部を示している。
【0148】
脊髄対応点算出部1420は、法線ベクトル算出部1313により算出された各法線の長さを、各法線の先端位置が、曲線1441により囲まれる脊髄領域に含まれるように調整する。図14(b)のMRI画像データ1450は、法線ベクトル算出部1313により算出された各法線の長さを、各法線の先端位置が、曲線1441により囲まれる脊髄領域に含まれるように調整した後のMRI画像データを示している。
【0149】
図14(b)のMRI画像データ1450に示すように、各法線の長さを調整することで、各法線の先端位置を示す点1452~1457は、いずれも、脊髄領域内に含まれることになる。脊髄対応点算出部1420は、点1452~1457の座標を、脊髄対応点の座標として算出する。
【0150】
このように、第2の変換部1400によれば、MRI画像データ1440の中心座標に基づいて、脊髄領域に含まれる脊髄対応点の座標を算出することができる。
【0151】
また、脊髄対応点算出部1420は、点1452~1457の座標を算出する際に調整した各法線の長さを法線ベクトル算出部1403に通知する。
【0152】
法線ベクトル算出部1403は、曲線1331に対する法線であって、各中心座標から棘突起方向(座標付きX線画像データ1330において右方向)に延びる法線を算出する。このとき、法線ベクトル算出部1403は、脊髄対応点算出部1420から通知された各法線の長さを用いて、各法線を算出する。図14(b)において、座標付きX線画像データ1430の各矢印は、法線ベクトル算出部1403により算出された法線を示している。
【0153】
脊髄対応点算出部1404は、法線ベクトル算出部1403により算出された法線の先端位置の座標を、脊髄領域に含まれる点(脊髄対応点)の座標として算出する。図14(b)において、座標付きX線画像データ1430の点1432~1437は、脊髄対応点算出部1404により算出された脊髄対応点の位置を示している。
【0154】
このように、第2の変換部1400では、脊髄が画像化されていない座標付きX線画像データ1330の中心座標に基づいて、脊髄対応点の座標を推定する。なお、第2の変換部1400では、MRI画像データ1450を用いて算出した脊髄領域までの距離を用いて脊髄対応点の座標を推定している。このため、第1の変換部1300において推定した脊髄対応点の座標よりも、高い精度で、脊髄対応点の座標を算出することができる。
【0155】
iii)第3の変換部の詳細な機能構成
図15は、第3の変換部の詳細な機能構成の一例を示す図である。図15(a)に示すように、第3の変換部1500は、椎骨中心座標取得部1301、X線画像データ取得部1501、棘突起検出部1502、脊髄対応点算出部1503を有する。また、第3の変換部1500は、椎骨中心座標取得部1311、近似処理部1312、法線ベクトル算出部1313、脊髄対応点算出部1314、算出部1320を有する。
【0156】
以下、第3の変換部1500が有する各部の機能を、図15(b)を参照しながら説明する。なお、上記第1の変換部1300と同様の機能については同じ符号を付すことで説明を省略し、ここでは第1の変換部1300との相違点を中心に説明する。
【0157】
X線画像データ取得部1501は、第1の医用画像データ取得部801が読み出した座標付きX線画像データを取得する。図15(b)の座標付きX線画像データ1510は、X線画像データ取得部1501により取得された座標付きX線画像データを示している。なお、図15(b)の座標付きX線画像データ1510では、説明を分かり易くするために、中心座標も合わせて示している。
【0158】
棘突起検出部1502は、X線画像データ取得部1501により取得された座標付きX線画像データ1510より、棘突起を抽出する。図15(b)の座標付きX線画像データ1510において、太線領域1512~1517は棘突起を示している。
【0159】
また、棘突起検出部1502は、抽出した棘突起の中心点1522~1527の座標を算出し、脊髄対応点算出部1503に通知する。
【0160】
脊髄対応点算出部1503は、椎骨中心座標取得部1301から通知された第2頚椎(C)椎体部~第7頚椎(C)椎体部の中心座標と、対応する棘突起の中心点1522~1527の座標とに基づいて、脊髄対応点の座標を算出する。
【0161】
具体的には、脊髄対応点算出部1503は、第2頚椎(C)椎体部の中心座標と、対応する棘突起(太線領域1512)の中心点1522の座標との中点の座標を、脊髄対応点の座標として推定する。図15(b)において、座標付きX線画像データ1530の点1532は、脊髄対応点算出部1503により推定された脊髄対応点の位置を示している。
【0162】
同様に、脊髄対応点算出部1503は、第2頚椎(C)椎体部の中心座標と、対応する棘突起(太線領域1512)の中心点1522の座標との中点の座標を、脊髄対応点の座標として推定する。図15(b)において、座標付きX線画像データ1530の点1532は、脊髄対応点算出部1503により推定された脊髄対応点の位置を示している。
【0163】
以下、同様に、脊髄対応点算出部1503は、点1533~1537の座標を、脊髄対応点の座標として推定する。
【0164】
iv)第4の変換部の詳細な機能構成
図16は、第4の変換部の詳細な機能構成の一例を示す図である。図16(a)に示すように、第4の変換部1600は、椎骨領域取得部1601、椎体後壁位置算出部1602、X線画像データ取得部1501、棘突起検出部1502、棘突起-椎弓境界位置算出部1603、脊髄対応点算出部1604を有する。また、第4の変換部1600は、椎骨中心座標取得部1311、近似処理部1312、法線ベクトル算出部1313、脊髄対応点算出部1314、算出部1320を有する。
【0165】
以下、第4の変換部1600が有する各部の機能を、図16(b)を参照しながら説明する。なお、第3の変換部1500と同様の機能については同じ符号を付すこととで説明を省略し、ここでは第3の変換部1500との相違点を中心に説明する。
【0166】
椎骨領域取得部1601は、椎骨検出部802において椎骨として抽出された第2頚椎(C)椎体部~第7頚椎(C)椎体部の小領域を取得する。
【0167】
椎体後壁位置算出部1602は、椎骨領域取得部1601により取得された第2頚椎(C)椎体部~第7頚椎(C)椎体部の小領域に基づいて、椎体後壁の位置を算出する。図16(b)の座標付きX線画像データ1610において、線分1612~1617は、それぞれ、第2頚椎(C)~第7頚椎(C)の椎体後壁の位置を示している。
【0168】
棘突起-椎弓境界位置算出部1603は、棘突起検出部1502により検出された棘突起に基づいて、棘突起と椎弓との境界位置を算出する。図16(b)の座標付きX線画像データ1610において、太線領域1512~1517は棘突起を示しており、線分1622~1627は、棘突起と椎弓との境界位置を示している。
【0169】
脊髄対応点算出部1604は、椎体後壁位置算出部1602から通知された第2頚椎(C)~第7頚椎(C)の椎体後壁と、棘突起-椎弓境界位置算出部1603から通知された境界位置とに基づいて、脊髄対応点の座標を算出する。
【0170】
具体的には、脊髄対応点算出部1604は、第2頚椎(C)の椎体後壁を示す線分1612と、対応する棘突起(太線領域1512)と椎弓との境界位置を示す線分1622との中点の座標を、脊髄対応点の座標として推定する。図16(b)において、座標付きX線画像データ1630の点1632は、線分1612と線分1622とに基づいて、脊髄対応点算出部1604により推定された脊髄対応点の位置を示している。
【0171】
同様に、脊髄対応点算出部1604は、第3頚椎(C)の椎体後壁を示す線分1613と、対応する棘突起(太線領域1513)と椎弓との境界位置を示す線分1623との中点の座標を、脊髄対応点の座標として推定する。図16(b)において、座標付きX線画像データ1630の点1633は、線分1613と線分1623とに基づいて、脊髄対応点算出部1604により推定された脊髄対応点の位置を示している。
【0172】
以下、同様に、脊髄対応点算出部1604は、点1634~1637の座標を、脊髄対応点の座標として推定する。
【0173】
<7.3 診断支援装置の機能(表示制御部)の説明>
次に、診断支援装置150の診断支援部151が有する機能のうち、表示制御部153の詳細な機能構成について説明する。図17は、表示制御部の機能構成の一例を示す図である。
【0174】
図17に示すように、表示制御部153は、第1の医用画像データ指定部1701、画素位置変換部1702、第2の医用画像データ指定部1711、重ね合わせ部1720を有する。
【0175】
第1の医用画像データ指定部1701は、医師等が再構成データを指定した場合に、これを受け付ける。また、第1の医用画像データ指定部1701は、指定された再構成データを、測定データ格納部142から読み出し、画素位置変換部1702に通知する。
【0176】
ここで、上記図4(b)を用いて説明したとおり、例えば、時刻tにおける再構成データには、z方向に異なるそれぞれのxy平面でのフレームが含まれる。そこで、第1の医用画像データ指定部1701は、座標付きX線画像データの各画素の座標(z,y)に対応する座標の画素を各フレームから抽出し、抽出した画素の電流値を特定する。これにより、第1の医用画像データ指定部1701は、座標付きX線画像データの各画素の座標に対応する座標の画素の電流値からなる再構成データのフレームを、画素位置変換部1702に通知することができる。なお、再構成データの各フレームから画素を抽出する際、x座標は所定の値に固定するものとする。
【0177】
第1の医用画像データ指定部1701は、時刻t、時刻t・・・における再構成データに対しても同様の処理を行う。これにより、第1の医用画像データ指定部1701では、座標付きX線画像データの各画素の電流値からなる複数のフレームを含む再構成データを、画素位置変換部1702に通知することができる。
【0178】
第2の医用画像データ指定部1711は、医師等がMRI画像データを指定した場合に、これを受け付ける。また、第2の医用画像データ指定部1711は、指定されたMRI画像データを、測定データ格納部142から読み出し、画素位置変換部1702と重ね合わせ部1720に通知する。
【0179】
画素位置変換部1702は、第1の医用画像データ指定部1701より複数のフレームを含む再構成データが通知されると、位置合わせデータ格納部154を参照する。そして、画素位置変換部1702は、座標付きX線画像データと、第2の医用画像データ指定部1711より通知されたMRI画像データとの組み合わせに対応する変換データを読み出す。
【0180】
更に、画素位置変換部1702は、読み出した変換データを用いて、第1の医用画像データ指定部1701より通知された再構成データに含まれる複数のフレームについて、各画素の座標を変換し、変換後再構成データを生成する。画素位置変換部1702は、変換後再構成データを重ね合わせ部1720に通知する。
【0181】
なお、画素位置変換部1702が、読み出した変換データを用いて再構成データに含まれる各フレーム内の各画素の座標を変換できるのは、再構成データに含まれる各フレーム内の各画素の座標が、座標付きX線画像データの各画素の座標に対応しているためである。つまり、座標付きX線画像データに含まれる診断対象となる器官(脊髄)の座標に対応する、再構成データの各フレーム内の位置は、当該診断対象となる器官(脊髄)の位置に相当するからである。
【0182】
この結果、読み出した変換データを用いて再構成データに含まれる各フレーム内の各画素の座標を変換することで、診断対象となる器官(脊髄)における電流値を、MRI画像データの診断対象となる器官(脊髄)に重ね合わせることができる。
【0183】
重ね合わせ部1720は、第2の医用画像データ指定部1711より通知されたMRI画像データに、画素位置変換部1702より通知された変換後再構成データを重ね合わせる。これにより、重ね合わせ部1720は、MRI画像データの脊髄の位置に、変換後再構成データの対応する電流値(に相当する濃淡画像)が重ね合わされた重ね合わせ画像データを表示することができる。
【0184】
<8.まとめ>
以上の説明から明らかなように、本実施形態における診断支援システムでは、
・X線画像データと再構成データとの間で各画素を対応付ける。
・X線画像データ及びMRI画像データそれぞれから、脊髄の位置を推定または抽出し、推定または抽出した脊髄の位置を重ね合わせる変換データを算出する。
・算出した変換データを用いて再構成データを変換し、変換後の再構成データを、MRI画像データに重ね合わせて表示する。
【0185】
これにより、本実施形態によれば、複数の医用画像(再構成データとMRI画像データ)において、診断対象となる器官(脊髄)を重ね合わせて表示できるようになる。
【0186】
[第2の実施形態]
上記第1の実施形態では、変換部806の具体例として、第1の変換部1300~第4の変換部1600を挙げ、診断支援装置150を、いずれか1の変換部として機能させるものとして説明した。しかしながら、診断支援装置150に、第1の変換部1300~第4の変換部1600を搭載し、診断支援装置150が、いずれかの変換部を自動で選択するか、医師等の指示に基づいて選択するように構成としてもよい。以下、第2の実施形態について、上記第1の実施形態との相違点を中心に説明する。
【0187】
図18は、診断支援装置の診断支援部に含まれる位置合わせデータ生成部の機能構成の一例を示す第2の図である。図8との相違点は、位置合わせデータ生成部152が、選択部1800を有する点、及び、変換部806の中に、第1の変換部1300~第4の変換部1600が含まれている点である。
【0188】
選択部1800は、変換部806に含まれる第1の変換部1300~第4の変換部1600のいずれかを選択する。第1の変換部1300~第4の変換部1600は、それぞれ以下のような特性を有している。
・第1の変換部1300:椎骨もしくは椎骨の一部の中心座標から脊髄の位置を推定するため、脊髄を直接抽出する必要はなく、第1の医用画像データ及び第2の医用画像データそれぞれから椎骨もしくは椎骨の一部が抽出できればよい。
・第2の変換部1400:脊髄の位置を直接抽出するため、第1の医用画像データまたは第2の医用画像データのいずれか一方が、少なくともMRI撮像部130により撮像された医用画像データであることが必要となる。
・第3の変換部1500:椎骨の中心座標と棘突起の中心座標とに基づいて脊髄の位置を推定するため、脊髄を直接抽出する必要はないが、椎骨と棘突起とが抽出できていることが必要となる。
・第4の変換部1600:椎体後壁と、棘突起と椎弓との境界位置とに基づいて脊髄の位置を推定するため、脊髄を直接抽出する必要はないが、椎骨と棘突起と椎弓とが抽出できていることが必要となる。
【0189】
選択部1800は、上記特性を踏まえ、第1の医用画像データ取得部801で取得される第1の医用画像データと、第2の医用画像データ取得部811で取得される第2の医用画像データにおける各器官・部位の抽出状況に応じて、いずれかの変換部を選択する。
【0190】
このように、本実施形態における診断支援システムによれば、最適な変換部を選択することができるため、医用画像データの位置合わせ精度を向上させることができる。
【0191】
[第3の実施形態]
上記第1及び第2の実施形態では、所定の器官として、第2頚椎(C)から第7頚椎(C)までを含む部位についての医用画像データに対して、特定処理を実行することを前提として説明した。このため、特定椎骨検出部803、813では、基準となる器官(椎骨)として、第2頚椎の椎体部を抽出するものとした。しかしながら、医用画像データに含まれる部位は、これに限定されない。例えば、所定の器官として、腰椎を含む部位についての医用画像データに対して、特定処理を実行する場合にあっては、例えば、特定椎骨検出部803、813は、基準となる器官(椎骨)として、仙骨を抽出するように構成してもよい。
【0192】
i)座標付きX線画像データに対する特定処理の具体例
図19は、座標付きX線画像データに対する特定処理の具体例を示す第2の図である。このうち、図19(a)は、第1の医用画像データ取得部801によって読み出された、腰椎を含む部位についての座標付きX線画像データ1910の一例を示している。
【0193】
図19(b)は、椎骨検出部802が、座標付きX線画像データ1910に対して画像処理を行い、被検者300の腰椎の椎体部を抽出するとともに、抽出した腰椎の椎体部の中心座標を算出した後の座標付きX線画像データ1921の一例を示している。
【0194】
図19(c)は、特定椎骨検出部803が、座標付きX線画像データ1910に対して画像処理を行い、被検者300の仙骨を抽出するとともに、抽出した仙骨の特定中心座標を算出した後の座標付きX線画像データ1922の一例を示している。
【0195】
図19(d)は、算出された中心座標が、いずれの腰椎の椎体部の中心座標であるかを、椎骨部位特定部804が判定した後の座標付きX線画像データ1930の一例を示している。
【0196】
このように、座標付きX線画像データ1910に対して特定処理が実行されることで、腰椎の椎体部L~Lまでのそれぞれの中心座標が算出された座標付きX線画像データ1930を得ることができる。
【0197】
ii)MRI画像データに対する特定処理の具体例
図20は、MRI画像データに対する特定処理の具体例を示す第2の図である。このうち、図20(a)は、第2の医用画像データ取得部811によって読み出された、腰椎を含む部位についてのMRI画像データ2010の一例を示している。
【0198】
図20(b)は、椎骨検出部812が、MRI画像データ2010に対して画像処理を行い、被検者300の腰椎の椎体部を抽出するとともに、抽出した腰椎の椎体部の中心座標を算出した後のMRI画像データ2021の一例を示している。
【0199】
図20(c)は、特定椎骨検出部813が、MRI画像データ2010に対して画像処理を行い、被検者300の仙骨を抽出するとともに、抽出した仙骨の特定中心座標を算出した後のMRI画像データ2022の一例を示している。
【0200】
図20(d)は、算出された中心座標が、いずれの腰椎の椎体部の中心座標であるかを、椎骨部位特定部814が、判定した後のMRI画像データ2030の一例を示している。
【0201】
このように、MRI画像データ2010に対して特定処理が実行されることで、腰椎の椎体部L~Lまでのそれぞれの中心座標が算出されたMRI画像データ2030を得ることができる。
【0202】
[その他の実施形態]
上記各実施形態では、特定椎骨検出部803、813が抽出する基準となる椎骨として、第2頚椎の椎骨及び仙骨を例示したが、特定椎骨検出部803、813が抽出する基準となる椎骨はこれに限定されない。例えば、第1頚椎や、仙椎もしくは尾椎であってもよい。また、検出対象は椎骨に限定されず、例えば、肋骨等であってもよい。
【0203】
また、上記各実施形態では、変換部820が脊髄対応点を推定するにあたり、椎骨、棘突起、椎弓等を利用する場合について説明したが、椎骨、棘突起、椎弓以外の器官(例えば、椎間関節等)を利用してもよい。
【0204】
また、上記各実施形態では、第2の変換部1400に、MRI画像データ取得部1411、脊髄領域抽出部1412を付加し、脊髄の領域を抽出したうえで脊髄対応点を算出する構成とした。しかしながら、第2の変換部1400以外の変換部にも、MRI画像データ取得部1411、脊髄領域抽出部1412を付加し、脊髄の領域を抽出したうえで脊髄対応点を算出するように構成してもよい。
【0205】
また、上記各実施形態では、被検者300の側面からX線画像データを撮像し、yz座標が付された座標付きX線画像データを生成する場合について説明した。しかしながら、X線画像データの撮像方向はこれに限定されず、被検者300の正面からX線画像データを撮像し、xy座標が付された座標付きX線画像データを生成してもよい。これにより、xy平面のMRI画像データに、再構成データを重ね合わせて表示することができる。
【0206】
なお、上記実施形態に挙げた構成等に、その他の要素との組み合わせなど、ここで示した構成に本発明が限定されるものではない。これらの点に関しては、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で変更することが可能であり、その応用形態に応じて適切に定めることができる。
【符号の説明】
【0207】
100 :診断支援システム
110 :X線撮像部
111 :X線画像データ処理装置
120 :磁気センサアレイ
121 :磁場データ処理装置
130 :MRI撮像部
140 :サーバ装置
150 :診断支援装置
151 :診断支援部
152 :位置合わせデータ生成部
153 :表示制御部
801 :第1の医用画像データ取得部
802 :椎骨検出部
803 :特定椎骨検出部
804 :椎骨部位特定部
811 :第2の医用画像データ取得部
812 :椎骨検出部
813 :特定椎骨検出部
814 :椎骨部位特定部
820 :変換部
821 :位置合わせデータ格納制御部
1300 :第1の変換部
1400 :第2の変換部
1500 :第3の変換部
1600 :第4の変換部
【先行技術文献】
【特許文献】
【0208】
【文献】国際公開第2009/081297号
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