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特許7120992調整可能なシャワーヘッド及び調整可能なライナを有する処理チャンバ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-08
(45)【発行日】2022-08-17
(54)【発明の名称】調整可能なシャワーヘッド及び調整可能なライナを有する処理チャンバ
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/3065 20060101AFI20220809BHJP
   H01L 21/205 20060101ALI20220809BHJP
   H05H 1/46 20060101ALI20220809BHJP
   C23C 16/455 20060101ALI20220809BHJP
   C23C 16/505 20060101ALI20220809BHJP
【FI】
H01L21/302 101B
H01L21/205
H05H1/46 R
C23C16/455
C23C16/505
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2019507855
(86)(22)【出願日】2017-08-10
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2019-09-19
(86)【国際出願番号】 US2017046268
(87)【国際公開番号】W WO2018034934
(87)【国際公開日】2018-02-22
【審査請求日】2020-07-29
(31)【優先権主張番号】62/374,837
(32)【優先日】2016-08-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】15/673,403
(32)【優先日】2017-08-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】390040660
【氏名又は名称】アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
(74)【代理人】
【識別番号】100101502
【弁理士】
【氏名又は名称】安齋 嘉章
(72)【発明者】
【氏名】グエン アンドリュー
(72)【発明者】
【氏名】チャン スー ヤン
(72)【発明者】
【氏名】ワン ハイタオ
(72)【発明者】
【氏名】コー ケイ ユー
(72)【発明者】
【氏名】サドジャディ レザ
【審査官】鈴木 智之
(56)【参考文献】
【文献】特表2005-500684(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2010/0012029(US,A1)
【文献】特表平10-508985(JP,A)
【文献】特表2003-505855(JP,A)
【文献】韓国公開特許第2013-0058802(KR,A)
【文献】特開2007-242474(JP,A)
【文献】韓国公開特許第2003-0030100(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/3065
H01L 21/205
H05H 1/46
C23C 16/455
C23C 16/505
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
処理チャンバであって、
シャワーヘッドと、
処理チャンバに取り外し可能に結合されたチャンバライナであって、管状の本体と、処理チャンバの壁上にチャンバライナを支持する下面を有する半径方向外側に延出する上部フランジを有するチャンバライナと、
前記シャワーヘッドのインピーダンスを調整するために前記シャワーヘッドに結合される第1のインピーダンス回路と、
前記チャンバライナのインピーダンスを調整するために前記チャンバライナに結合される第2のインピーダンス回路と、
前記シャワーヘッドと前記チャンバライナの相対インピーダンスを制御するために、互いに結合された前記第1及び第2のインピーダンス回路に結合されるコントローラとを備える処理チャンバ。
【請求項2】
前記シャワーヘッドと前記処理チャンバの壁との間に配置され、前記シャワーヘッドを前記処理チャンバから電気的に絶縁するための第1の絶縁リングを更に備える、請求項1記載の処理チャンバ。
【請求項3】
前記チャンバライナと前記処理チャンバの壁との間に配置され、前記チャンバライナを前記処理チャンバから電気的に絶縁する第2の絶縁リングを更に備える、請求項1記載の処理チャンバ。
【請求項4】
前記第1及び第2のインピーダンス回路の各々は、
第1の調節可能なコンデンサと、
第2の調節可能なコンデンサと、
インダクタ-抵抗(LR)直列回路とを備える、請求項1~3のいずれか1項記載の処理チャンバ。
【請求項5】
前記LR直列回路は前記第1の調節可能なコンデンサと直列に配置される、請求項4記載の処理チャンバ。
【請求項6】
第2の処理チャンバであって、
第2のシャワーヘッドと、
第2のチャンバライナと、
前記第2のシャワーヘッドのインピーダンスを調整するために第2のシャワーヘッドに結合される第3のインピーダンス回路と、
前記第2のチャンバライナのインピーダンスを調整するために前記第2のチャンバライナに結合される第4のインピーダンス回路と、
前記第2のシャワーヘッドと前記第2のチャンバライナとの相対インピーダンスを制御するために前記第及び第のインピーダンス回路に結合される第2のコントローラを備える第2の処理チャンバを更に備える、請求項1~3のいずれか1項記載の処理チャンバ。
【請求項7】
前記第2の処理チャンバを除く前記処理チャンバの残りの部分と前記第2の処理チャンバは、共用内壁によって分離されたタンデム処理チャンバの一部であり、前記第2の処理チャンバを除く前記処理チャンバの残りの部分及び前記第2の処理チャンバは共に中央ポンピングプレナムを介して共用ポンプに流体的に連結される、請求項6記載の処理チャンバ。
【請求項8】
前記処理チャンバ及び前記第2の処理チャンバは共にエッチングチャンバである、請求項6記載の処理チャンバ。
【請求項9】
前記処理チャンバ及び前記第2の処理チャンバは共に堆積チャンバである、請求項6記載の処理チャンバ。
【請求項10】
前記第2のシャワーヘッドと前記第2の処理チャンバの壁との間に配置され、前記第2のシャワーヘッドを前記第2の処理チャンバから電気的に絶縁する第3の絶縁リングを更に含む、請求項6記載の処理チャンバ。
【請求項11】
前記第2のチャンバライナと前記第2の処理チャンバの壁との間に配置され、前記第2のチャンバライナを前記第2の処理チャンバから電気的に絶縁する第4の絶縁リングを更に備える、請求項6記載の処理チャンバ。
【請求項12】
タンデム処理チャンバであって、
第1の処理チャンバであって、
第1のシャワーヘッドと、
前記第1の処理チャンバに取り外し可能に結合された第1のチャンバライナであって、管状の本体と、第1の処理チャンバの壁上に第1のチャンバライナを支持する下面を有する半径方向外側に延出する上部フランジを有する第1のチャンバライナと、
前記第1のシャワーヘッドのインピーダンスを調整するために前記第1のシャワーヘッドに結合される第1のインピーダンス回路と、
前記第1のチャンバライナのインピーダンスを調整するために前記第1のチャンバライナに結合される第2のインピーダンス回路と、
前記第1のシャワーヘッドと前記第1のチャンバライナの相対インピーダンスを制御するために、互いに結合された前記第1及び第2のインピーダンス回路に結合される第1のコントローラとを備える第1の処理チャンバと、
第2の処理チャンバであって、
第2のシャワーヘッドと、
前記第2の処理チャンバに取り外し可能に結合された第2のチャンバライナであって、管状の本体と、第2の処理チャンバの壁上に第2のチャンバライナを支持する下面を有する半径方向外側に延出する上部フランジを有する第2のチャンバライナと、
前記第2のシャワーヘッドのインピーダンスを調整するために前記第2のシャワーヘッドに結合される第3のインピーダンス回路と、
前記第2のチャンバライナのインピーダンスを調整するために前記第2のチャンバライナに結合される第4のインピーダンス回路と、
前記第2のシャワーヘッドと前記第2のチャンバライナの相対インピーダンスを制御するために、互いに結合された前記第1及び第2のインピーダンス回路に結合される第2のコントローラとを備える第2の処理チャンバとを含むタンデム処理チャンバ。
【請求項13】
前記第1のシャワーヘッドと前記第1の処理チャンバの壁との間に配置され、前記第1のシャワーヘッドを前記第1の処理チャンバから電気的に絶縁する第1の絶縁リングと、
前記第2のシャワーヘッドと前記第2の処理チャンバの壁との間に配置され、前記第2のシャワーヘッドを前記第2の処理チャンバから電気的に絶縁する第3の絶縁リングとを更に備える、請求項12記載のタンデム処理チャンバ。
【請求項14】
前記第1のチャンバライナと前記第1の処理チャンバの壁との間に配置され、前記第1のチャンバライナを前記第1の処理チャンバから電気的に絶縁する第2の絶縁リングと、
前記第2のチャンバライナと前記第2の処理チャンバの壁との間に配置され、前記第2のチャンバライナを前記第2の処理チャンバから電気的に絶縁する第4の絶縁リングとを更に備える、請求項12又は13記載のタンデム処理チャンバ。
【発明の詳細な説明】
【分野】
【0001】
本開示の実施形態は、概して、基板を処理するための方法及び装置に関する。
【背景】
【0002】
基板のエッチング又はプラズマアシスト化学気相堆積(PCVD)の間、処理チャンバの非対称性及びプラズマの非線形性(即ち、スキュー)は、基板上でのエッチング速度又は堆積の均一性に悪影響を及ぼす。
【0003】
従って、本発明者らは改良された処理チャンバを提供した。
【概要】
【0004】
調整可能なコンポーネントを有する処理チャンバが本明細書に開示されている。いくつかの実施形態では、処理チャンバはシャワーヘッド、チャンバライナ、シャワーヘッドのインピーダンスを調整するためにシャワーヘッドに結合される第1のインピーダンス回路、チャンバライナのインピーダンスを調整するためにチャンバライナに結合される第2のインピーダンス回路、シャワーヘッドとチャンバライナの相対インピーダンスを制御するために第1及び第2のインピーダンス回路に結合されるコントローラを含む。
【0005】
いくつかの実施形態では、タンデム処理チャンバは第1の処理チャンバと第2の処理チャンバとを含む。第1の処理チャンバは、第1のシャワーヘッド、第1のチャンバライナ、第1のシャワーヘッドのインピーダンスを調整するために第1のシャワーヘッドに結合される第1のインピーダンス回路、第1のチャンバライナのインピーダンスを調整するために第1のチャンバライナに結合される第2のインピーダンス回路、第1のシャワーヘッド及び第1のチャンバライナの相対インピーダンスを制御するために第1及び第2のインピーダンス回路に結合される第1のコントローラを含む。第2の処理チャンバは、第2のシャワーヘッド、第2のチャンバライナ、第2のシャワーヘッドのインピーダンスを調整するために第2のシャワーヘッドに結合される第3のインピーダンス回路、第2のチャンバライナのインピーダンスを調整するために第2のチャンバライナに結合される第4のインピーダンス回路、第2のシャワーヘッド及び第2のチャンバライナの相対インピーダンスを制御するために第及び第のインピーダンス回路に結合される第2のコントローラを含む。
【0006】
いくつかの実施形態では、タンデム処理チャンバは第1の処理チャンバと第2の処理チャンバを含む。第1の処理チャンバは、第1のシャワーヘッド、第1のシャワーヘッドを第1の処理チャンバから電気的に絶縁するために第1のシャワーヘッド、第1の処理チャンバの壁との間に配置される第1の絶縁リング、第1のチャンバライナ、第1のチャンバライナを第1の処理チャンバから電気的に絶縁するために第1のチャンバライナと第1の処理チャンバの壁との間に配置される第2の絶縁リング、第1のシャワーヘッドのインピーダンスを調整するために第1のシャワーヘッドに結合される第1のインピーダンス回路、第1のチャンバライナのインピーダンスを調整するために第1のチャンバライナに結合される第2のインピーダンス回路、第1のシャワーヘッドと第1のチャンバライナの相対インピーダンスを制御するために第1及び第2のインピーダンス回路に結合される第1のコントローラを含む。第2の処理チャンバは、第2のシャワーヘッド、第2のシャワーヘッドを第2の処理チャンバから電気的に絶縁するために第2のシャワーヘッドと第2の処理チャンバの壁との間に配置される第3の絶縁リング、第2のチャンバライナ、第2のチャンバライナを第2の処理チャンバから電気的に絶縁するために、第2のチャンバライナと第2の処理チャンバの壁との間に配置される第4の絶縁リング、第2のシャワーヘッドのインピーダンスを調整するために第2のシャワーヘッドに結合される第3のインピーダンス回路、第2のチャンバライナのインピーダンスを調整するために第2のチャンバライナに結合される第4のインピーダンス回路、第2のシャワーヘッドと第2のチャンバライナとの相対インピーダンスを制御するために第1及び第2のインピーダンス回路に結合される第2のコントローラを含む。第1、第2、第3、及び第4のインピーダンス回路の各々は、第1の調整可能なコンデンサ、第2の調整可能なコンデンサ、及び第1の調整可能なコンデンサと直列に配置されたインダクタ-抵抗(LR)直列回路を含む。
【0007】
本開示の他の及び更なる実施形態を以下で説明する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
上記で簡潔に要約し、以下でより詳細に説明する本開示の実施形態は、添付図面に示された本開示の例示的実施形態を参照して理解することができる。しかしながら、添付図面は本開示の典型的な実施形態を示しているに過ぎず、したがって、範囲を制限していると解釈すべきではなく、本開示は他の等しく有効な実施形態を含むことができる。
図1】本開示のいくつかの実施形態による処理チャンバの概略図を示す。
図2】本開示のいくつかの実施形態による処理チャンバに結合される回路の概略図を示す。
図3A】~
図3C図2の処理チャンバ内のプラズマ挙動の様々なシナリオを示す。
【0009】
理解を促進するために、図面に共通の同一の要素を示す際には、可能な限り同一の参照番号を使用している。図面は一定の縮尺では描かれておらず、明確化のために簡略化される場合もある。一実施形態の要素及びフィーチャは、更に記載することなく他の実施形態に有益に組み込むことができる。
【詳細な説明】
【0010】
本開示の実施形態は、概して、調整可能なコンポーネントを有する処理チャンバに関する。本発明の処理チャンバの実施形態はシャワーヘッドとライナを含み、両者は独立して調整可能である。本発明のチャンバにより、処理チャンバ内のプラズマ分布のより広範な制御が効果的に可能になるので、被処理基板上での不均一なエッチング又は堆積が軽減される。
【0011】
図1は、本開示のいくつかの実施形態により、本発明の第1及び第2のシャワーヘッド102A、102B並びに第1及び第2のチャンバライナ104A、104Bを使用することができる例示的処理チャンバ(例えば、第1及び第2のタンデム処理チャンバ100、101)の概略図を示す。いくつかの実施形態では、第1及び第2のタンデム処理チャンバ100、101はエッチングチャンバであってもよい。いくつかの実施形態では、第1及び第2のタンデム処理チャンバ100、101は、代替的に、堆積チャンバであってもよい。それぞれの第1及び第2のタンデム処理チャンバ100、101の各々は、側壁105A、105B、共用内壁103、及び底部113を有するチャンバ本体を含む。第1のタンデム処理チャンバ100の側壁105A、共用内壁103、及びシャワーヘッド102Aにより、第1の基板支持体112Aが配置される第1の処理領域106が画定される。第2のタンデム処理チャンバ101の側壁105B、共用内壁103、及びシャワーヘッド102Bにより、第2の基板支持体112Bが配置される第2の処理領域108が画定される。共用内壁103はそれぞれの第1及び第2のタンデム処理チャンバ100、101との間で共有され、当該内壁103により処理領域106、108の処理環境が互いに隔離される。したがって、共用内壁103の下部により、それぞれの第1及び第2のタンデム処理チャンバ100、101が互いに連通することが可能になるので、処理は隔離されているが、それぞれのタンデム処理チャンバ100、101内に画定された処理領域106、108は共通の圧力を共有することができる。共用内壁103の下部は、共用ポンプ119と流体的に結合された中央ポンピングプレナム117によって画定される。第1及び第2のタンデム処理チャンバ100、101の各々は、それぞれのチャンバの上に配置されたシャワーヘッドアセンブリを収容するためのアダプタ109A、109Bを更に含む。
【0012】
各シャワーヘッド102A、102Bは、ガス源(図示せず)からのガスをそれぞれの処理領域106、108内に分配するように構成される。シャワーヘッド102A、102Bは、それぞれのRF整合ネットワーク122A、122Bを介してそれぞれのRF電源120A、120Bに結合されて、それぞれの処理領域106、108内にプラズマを形成する。各シャワーヘッド102A、102Bをチャンバの残りの部分から確実に電気的に絶縁した状態とするために、第1及び第3の絶縁リング110A、110Bがそれぞれ第1及び第2のシャワーヘッド102A、102Bの下に配置される。更に、シャワーヘッド102A、102Bはそれぞれ第1及び第3のインピーダンス回路114A、114Bに結合されて、対応するシャワーヘッドのインピーダンスを調整することが可能になり、したがってプラズマのより広範な制御が可能になる。
【0013】
チャンバの整備(即ち、洗浄)時間の短縮に役立つために、チャンバライナ104A、104Bは取り外し可能であってもよい。更に、本発明のチャンバライナ104A、104Bは、第2及び第4のインピーダンス回路116A、116Bにそれぞれ結合されて、対応するチャンバライナのインピーダンスを調整することが可能になり、したがってプラズマの更に広範な制御が可能になる。第1及び第2のチャンバライナ104A、104Bは、それぞれ第2及び第4の絶縁リング118A、118Bの上に配置され、ライナはチャンバから電気的に絶縁される。
【0014】
基板支持体112A、112Bが処理位置にあるとき、それぞれの第1及び第2のタンデム処理チャンバ100、101及び基板支持体112A、112Bの上部は、一般的に、それぞれの絶縁された処理領域106、108を画定し、それぞれのタンデム処理チャンバ100、101の各々の間で処理の隔離を行う。したがって、側壁105A、105B、共用内壁103、基板支持体112A、112B、及び蓋は、相まって、処理領域106、108の間で処処理の隔離を行う。
【0015】
処理領域106、108内のプラズマの形状を制御するために、第1及び第2のインピーダンス回路及び第3及び第4のインピーダンス回路を使用して、シャワーヘッド102A、102B及びチャンバライナ104A、104Bのインピーダンスを独立して調整することができる。第1及び第2のインピーダンス回路及び第3及び第4のインピーダンス回路をシャワーヘッド及び対応するライナの相対インピーダンスを制御するコントローラ125A、125Bに結合し、所望のプラズマ形状を得ることができる。即ち、シャワーヘッド及びライナのインピーダンスを独立して制御し、シャワーヘッドとライナとの間のプラズマ電流の分担を決定する。したがって、第1及び第2のインピーダンス回路を、マスターとスレーブの関係で構成することができる。
【0016】
図2は、第1のタンデム処理チャンバ100の例示的な電気回路と、対応する第1及び第2のインピーダンス回路114A、116Aを示す。第3及び第4のインピーダンス回路114B、116Bは、第1及び第2のインピーダンス回路114A、116Aと実質的に同様である。図2に示すように、各インピーダンス回路は、第1の調整可能なコンデンサC1と第2の調整可能なコンデンサC2とを含む。各インピーダンス回路は、第1の調整可能なコンデンサC1と直列にLR直列回路202(即ち、インダクタ-抵抗直列回路)を任意に含むことができる。しかしながら、コンデンサ、抵抗、又は導体のバリエーションを利用し、シャワーヘッド及びライナの所望の相対インピーダンスを得ることができる。
【0017】
図3Aから3Cは、3つのシナリオにおいてチャンバ内に形成されるプラズマの形状の概略図を示す。第1のシナリオ(図3A)では、シャワーヘッドのインピーダンスはライナのインピーダンスよりも大きい。結果として、プラズマ電流は基板支持体からライナへ延びる。第1のシナリオにおけるプラズマの形状は、被処理基板の端部における不均一性に対処する際に効果的であり得る。第2のシナリオ(図3B)では、シャワーヘッドのインピーダンスはライナのインピーダンスに等しい。結果として、プラズマは処理領域内に均一に分布する。第3のシナリオ(図3C)では、シャワーヘッドのインピーダンスはライナのインピーダンスよりも小さい。結果として、プラズマ電流は基板支持体からシャワーヘッドへ延びる。第3のシナリオにおけるプラズマの形状は、被処理基板の中心における不均一性に対処する際に効果的であり得る。
【0018】
前記の説明はタンデム処理チャンバに関して行われたが、調整可能シャワーヘッド及び調整可能ライナを、プラズマの操作が望ましい任意の処理チャンバにおいて利用することができる。
【0019】
上記は本開示のいくつかの実施形態を対象としているが、他の及び更なる実施形態も本開示の基本的な範囲から逸脱することなく創作することができる。
図1
図2
図3A
図3B
図3C