(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-08
(45)【発行日】2022-08-17
(54)【発明の名称】オフセット三次元構造を有するマルチチップパッケージ
(51)【国際特許分類】
H01L 25/065 20060101AFI20220809BHJP
H01L 25/07 20060101ALI20220809BHJP
H01L 25/18 20060101ALI20220809BHJP
H01L 25/04 20140101ALI20220809BHJP
【FI】
H01L25/08 H
H01L25/04 Z
(21)【出願番号】P 2020554505
(86)(22)【出願日】2019-03-29
(86)【国際出願番号】 US2019024826
(87)【国際公開番号】W WO2019209460
(87)【国際公開日】2019-10-31
【審査請求日】2020-12-14
(32)【優先日】2018-04-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】591016172
【氏名又は名称】アドバンスト・マイクロ・ディバイシズ・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】ADVANCED MICRO DEVICES INCORPORATED
(74)【代理人】
【識別番号】100108833
【氏名又は名称】早川 裕司
(74)【代理人】
【識別番号】100111615
【氏名又は名称】佐野 良太
(74)【代理人】
【識別番号】100162156
【氏名又は名称】村雨 圭介
(72)【発明者】
【氏名】ミリンド エス. バガヴァット
(72)【発明者】
【氏名】ラフール アガルワル
(72)【発明者】
【氏名】ガブリエル エイチ. ロー
【審査官】正山 旭
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2016/0204093(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0125376(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0301650(US,A1)
【文献】特表2017-504223(JP,A)
【文献】特表2013-501356(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0203457(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第106558574(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 25/065
H01L 25/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の面と、前記第1の面と反対側の第2の面と、前記第1の面上のメタライゼーションスタックであって、複数の誘電体層
に導体トレース及び導電ビアの1つ以上の層を
挿入したメタライゼーションスタックと、を有するインターポーザと、前記メタライゼーションスタック上の第1の半導体チップであって、前記メタライゼーションスタック上の無機誘電層によって少なくとも部分的に覆われた第1の半導体チップと、前記第1の半導体チップと前記メタライゼーションスタックとの間に配置された複数の相互接続部であって、前記第1の半導体チップと前記メタライゼーションスタックとに電気的に接続する複数の相互接続部と、前記第1の半導体チップ上に配置された複数の半導体チップであって、前記第1の半導体チップと少なくとも部分的に重なる複数の半導体チップと、を含
み、前記無機誘電層が前記第1の半導体チップと前記複数の半導体チップとの間に配置されている、再構成された半導体チップパッケージを備える、
半導体チップデバイス。
【請求項2】
回路基板を備え、前記再構成された半導体チップパッケージが前記回路基板上に取り付けられている、
請求項1の半導体チップデバイス。
【請求項3】
前記回路基板は、半導体チップパッケージ基板を備える、
請求項2の半導体チップデバイス。
【請求項4】
前記無機誘電層に配置された少なくとも1つのダミー部品を備える、
請求項1の半導体チップデバイス。
【請求項5】
前記複数の半導体チップを少なくとも部分的に覆う成形層を備える、
請求項1の半導体チップデバイス。
【請求項6】
前記複数の相互接続部の各々は、前記第1の半導体チップのボンドパッドと、前記第1の半導体チップのボンドパッドに接合され、前記第1の半導体チップのボンドパッドに直接接触する前記メタライゼーションスタックのボンドパッドと、を含むバンプレス相互接続部を備え、前記半導体チップデバイスは、前記第1の半導体チップを前記メタライゼーションスタックに物理的に接続する絶縁結合層をさらに備える、
請求項1の半導体チップデバイス。
【請求項7】
前記インターポーザは、複数の基板貫通ビアを備え、前記無機誘電層は、複数の誘電体貫通ビアを備える、
請求項1の半導体チップデバイス。
【請求項8】
回路基板ソケットに取り付けるように構成された半導体チップパッケージ基板と、
前記半導体チップパッケージ基板上に取り付けられた、再構成された半導体チップパッケージと、を備え、
前記再構成された半導体チップパッケージは、
第1の面と、前記第1の面と反対側の第2の面と、前記第1の面上のメタライゼーションスタックであって、複数の誘電体層
に導体トレース及び導電ビアの1つ以上の層を
挿入したメタライゼーションスタックと、を有するインターポーザと、前記メタライゼーションスタック上の第1の半導体チップであって、前記メタライゼーションスタック上の無機誘電層によって少なくとも部分的に覆われた第1の半導体チップと、前記第1の半導体チップと前記メタライゼーションスタックとの間に配置された複数の相互接続部であって、前記第1の半導体チップと前記メタライゼーションスタックとに電気的に接続する複数の相互接続部と、前記第1の半導体チップ上に配置された複数の半導体チップであって、前記第1の半導体チップと少なくとも部分的に重なる複数の半導体チップと、を含
み、前記無機誘電層が前記第1の半導体チップと前記複数の半導体チップとの間に配置されている、
半導体チップパッケージ。
【請求項9】
前記回路基板ソケットは、ボールグリッドアレイ(BGA)ソケットであり、前記半導体チップパッケージは、BGAを含む、
請求項8の半導体チップパッケージ。
【請求項10】
前記無機誘電層に配置された少なくとも1つのダミー部品を備える、
請求項8の半導体チップパッケージ。
【請求項11】
前記複数の半導体チップを少なくとも部分的に覆う成形層を備える、
請求項8の半導体チップパッケージ。
【請求項12】
前記複数の相互接続部の各々は、前記第1の半導体チップのボンドパッドと、前記第1の半導体チップのボンドパッドに接合され、前記第1の半導体チップのボンドパッドに直接接触する前記メタライゼーションスタックのボンドパッドと、を含むバンプレス相互接続部を備え、前記半導体チップパッケージは、前記第1の半導体チップを前記メタライゼーションスタックに物理的に接続する絶縁結合層をさらに備える、
請求項8の半導体チップパッケージ。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
従来型のマルチチップモジュールは、プロセッサチップと、インターポーザ上に並んで取り付けられた4つのメモリチップと、を含み(いわゆる「2.5D」)、このインターポーザは、ボールグリッドアレイ(BGA)パッケージ基板上に取り付けられている。メモリチップは、プロセッサチップの周辺に配置されている。プロセッサチップ及びメモリチップは、インターポーザ上に取り付けられており、それぞれ複数のはんだ接合によって相互接続されている。インターポーザ及びパッケージ基板は、複数の電気経路を備えており、チップ間電力、接地、信号伝達と、インターポーザ自体からの入出力と、の両方のための入出力経路を半導体チップに提供する。半導体チップは、それぞれのアンダーフィル材料層を含み、チップ、インターポーザ及びはんだ接合の熱膨張係数の差による熱膨脹差の影響を低減する。インターポーザは、多数のシリコン貫通ビア(TSV)を用いて製造されており、取り付けられたチップと、インターポーザが取り付けられたパッケージ基板との間の経路を提供する。TSV及びトレースは、多数の処理ステップを用いて製造される。
【0002】
従来のBGAソケットには、多くの形状及びサイズがあるが、通常、様々な業界標準のサイズ及びピンアウト(pin outs)がある。一旦定められると、これらの標準サイズは、時には、コンピュータ、携帯用デバイス及び他の電子デバイス等の多数の異なるデバイスにおいて、長い期間に亘って使用される。従来のBGAソケットの1つの例は、Nvidia SMX2である。
【0003】
別の従来のマルチチップモジュール技術は、2Dウェハレベルファンアウト(又は、2D WLFO)である。従来の2D WLFO技術は、成形されたウェハにダイを埋め込むことに基づいており、「ウェハ再構成」とも呼ばれている。成形されたウェハは、標準ウェハレベル処理フローを介して処理され、最終的な集積回路アセンブリ構造を形成する。ダイのアクティブ面(active surface)は、モールド化合物と同一平面上にあり、従来のリディストリビューション層(RDL)処理を使用して、導電性銅トレース及びはんだボールパッドを成形領域内に「ファンアウト(fan-out)」することができる。従来の3D WLFOは、2D技術を、第2のパッケージ基板が2D WLFO上に取り付けられるマルチチップスタッキングに拡張する。
【0004】
本発明の上記及び他の利点は、以下の詳細な説明を読み、図面を参照することによって明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0005】
【
図1】回路基板上の従来のソケットに取り付けられた例示的な従来の半導体チップパッケージの平面図である。
【
図3】ソケットに取り付けられた半導体チップパッケージの例示的な新規な構成の平面図である。
【
図7】インターポーザ及びその上のメタライゼーションスタックの製造のいくつかの処理を示す断面図である。
【
図8】
図7と同様であるが、メタライゼーションスタックへの半導体チップの例示的な取り付けを示す断面図である。
【
図9】
図8と同様であるが、半導体チップを少なくとも部分的に収容する例示的な誘電体層の製造を示す断面図である。
【
図10】誘電体貫通ビアの製造を示す
図9と同様の断面図である。
【
図11】
図10と同様であるが、例示的な半導体チップ及び誘電層上に取り付けられたダミー部品を示す断面図である。
【
図12】
図11と同様であるが、例示的な成形層の製造を示す断面図である。
【
図13】
図12と同様であるが、例示的な一時的なキャリヤウェハの取り付け及びTSV露出を示す断面図である。
【
図14】
図13と同様であるが、インターポーザ上の例示的なUBM及び相互接続の製造を示す断面図である。
【
図15】別の例示的な半導体チップパッケージの平面図である。
【
図16】断面16-16で得られる
図15の断面図であり、チップパッケージから分解されたヒートスプレッダを含む断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0006】
1つの従来のマルチチップモジュールの変形は、シリコンインターポーザ上に2.5D構成で並ぶプロセッサ及びメモリチップを含み、シリコンインターポーザが、パッケージ基板上に取り付けられている。従来のパッケージ基板は、特定のタイプのBGAソケットに合わせて調整されたフットプリント及びピンアウトで製造される。言い換えれば、パッケージ基板のサイズ及び形状は、大部分が、ソケットの機械的特性、サイズ等によって決められている。所定のマルチチップモジュールの性能は、多くの場合、追加のメモリチップを、プロセッサ(複数可)又はシステムオンチップのチップと協働するモジュールに組み込むことによって向上させることができる。しかしながら、追加のメモリチップを、標準ソケット及び付随するパッケージ基板のために設計されたマルチチップモジュールに実装することは、技術的課題である。従来の解決策の1つは、インターポーザ及びパッケージの両方のサイズを単に大きくすることである。勿論、この技術は、ソケットの再設計を含むことが殆どであり、本来採用されている標準ソケットを使用する異なるタイプの回路基板の多数の再設計及び構成を必要とする。
【0007】
開示された実施形態は、追加のチップをマルチチップモジュールに組み込むという問題を、いくらか小型のチップを大きいプロセッサ又は他のタイプの集積回路上に積み重ねて、下にあるインターポーザ及びパッケージ基板の物理フットプリントを実質的に変更することなく、上側のチップを下側のチップに少なくとも部分的に横方向に重ねることによって解決する。このようにして、既存のソケットサイズ及びデザインを使用する能力を維持しながら、追加のメモリデバイス又は他のタイプの集積回路をマルチチップモジュールに組み込むことができる。
【0008】
本発明の一態様によれば、第1の側部と第2の反対側の側部と第1の側部上のメタライゼーションスタックとを有するインターポーザと、メタライゼーションスタック上の第1の半導体チップであって、メタライゼーションスタック上の誘電層によって少なくとも部分的に覆われた第1の半導体チップと、第1の半導体チップ上に配置され、第1の半導体チップと少なくとも部分的に横方向に重なる複数の半導体チップと、を含む、再構成された半導体チップパッケージを有する半導体チップデバイスが提供される。
【0009】
本発明の別の態様によれば、回路基板ソケットに取り付けられるように構成された半導体チップパッケージ基板と、半導体チップパッケージ基板に取り付けられた再構成された半導体チップパッケージと、を含む、半導体チップパッケージが提供される。再構成された半導体チップパッケージは、第1の側部と第2の反対側の側部と第1の側部上のメタライゼーションスタックとを有するインターポーザと、メタライゼーションスタック上の第1の半導体チップであって、メタライゼーションスタック上の誘電層によって少なくとも部分的に覆われた第1の半導体チップと、第1の半導体チップ上に配置され、第1の半導体チップと少なくとも部分的に横方向に重なる複数の半導体チップと、を含む。
【0010】
本発明の別の態様によれば、半導体チップデバイスを製造する方法が提供される。方法は、第1の側部と第2の反対側の側部と第1の側部上のメタライゼーションスタックとを含むインターポーザと、メタライゼーションスタック上の第1の半導体チップであって、メタライゼーションスタック上の誘電層によって少なくとも部分的に覆われた第1の半導体チップと、第1の半導体チップ上に配置され、第1の半導体チップと少なくとも部分的に横方向に重なる複数の半導体チップと、を有する、再構成された半導体チップパッケージを製造することを含む。
【0011】
以下に説明する図面において、同じ要素が2つ以上の図に示されている場合には、符号が通常繰り返される。図面、特に
図1を参照すると、システムボード20のソケット15に取り付けられた例示的な従来の半導体チップパッケージ10の平面図が示されている。システムボード20の一部のみが示されていることに留意されたい。従来のパッケージは、プロセッサチップ25と、4つのメモリチップ30,35,40,45と、を含み、これら全ては、下にあるインターポーザ50に取り付けられており、次に、パッケージ基板55上に取り付けられている。従来の半導体チップパッケージ10及びソケット15のさらなる詳細は、断面2-2で得られる
図1の断面図である
図2も参照することによって理解することができる。断面2-2の位置のために、半導体チップ25及び半導体チップ35,45は、下にあるインターポーザ50、パッケージ基板55、ソケット15及びシステムボード20に加えて断面に示されている点に留意されたい。この例示的な従来の構成では、ソケット15は、特定のフットプリント又は領域を有するBGAソケットとすることができ、パッケージ基板55は、ソケット15のフットプリント内に適合するようなサイズに設定されている。従来のパッケージ10は、4つのメモリチップ30,35,40,45を2.5D構成で使用し、インターポーザ50を用いて、チップ30,35,40,45とチップ25との間に電気経路を提供するだけである。インターポーザ50は、シリコン基板で構成されており、複数の相互接続部60が設けられている。複数の相互接続部60は、典型的には、バンプ60からチップ35,40の各々のはんだバンプ70及び半導体チップ25の追加のはんだバンプ75まで接続するように設計された、はんだボール又はバンプ及び複数の基板貫通導体又はビア65である。チップ25及びチップ30,35,40,45は、かなりの労力及び費用を要するが、経時的に変化可能な特定のサイズ及びフットプリントを有する。パッケージ基板55は、例示的な従来の構成におけるはんだボールである、複数の相互接続部80をさらに含む。
【0012】
半導体チップデバイス90の新規の構成例は、
図3及び
図4を参照することによって理解することができる。
図3は、
図1と同様の平面図であるが、上述したシステムボード20のソケット15に配置された例示的な新規の半導体チップデバイス90を示しており、
図4は、断面4-4で得られる
図3の断面図である。断面4-4の位置のために、チップ40,45、ダミー部品110及び再構成されたパッケージ115のチップ25が断面に示されている点に留意されたい。ここで、チップデバイス90は、半導体チップ25(後述する理由のために破線で示されている)と、半導体チップ30,35,40,45と、2つ以上の追加チップ95,100と、再構成されたパッケージ115内で結合されたオプションのダミー部品105,110と、を含む。再構成されたパッケージ115は、次に、下側の回路基板120に取り付けられ、回路基板120は、パッケージ基板120又は他のものであってもよい。回路基板120は、好ましくは、ソケット15のフットプリントに対応するフットプリントを有するように構成されている。しかしながら、再構成されたパッケージ115を用いることによって、4つのメモリチップ30,35,40,45のみよりも多く(すなわち、チップ30,35,40,45に加えてチップ95,100)、チップ25と共にグループ化することができるが、
図1及び
図2に示す従来のパッケージ10と同じパッケージフットプリントとすることができる。上述したように、チップ25は、点線で示されているが、その理由は、チップ25が、再構成されたパッケージ115においてチップ30,35,40,45,95,100の下側に配置されており、したがって、
図3では厳密には見えないが、
図4の断面では見えるからである。チップ25をチップ30,35,40,45,95,100の下側に配置し、チップ30,35,40,45,95,100をチップ25と横方向に少なくとも部分的に重ねることによって、追加メモリチップ95,100を、パッケージの同じ全体的なフットプリントでチップ25とグループ化することができることに留意されたい。ここで、チップ30,35,40,45,95,100は、6つであり、チップ25の周辺に対称に配置されている。しかしながら、他の数や、対称又は非対称の配置も可能である。
【0013】
図4に示すように、再構成されたパッケージ115は、シリコン、ゲルマニウム、シリコンオンインシュレータ又は他のインターポーザ材料から構成されたインターポーザ125を含む。インターポーザ125は、複数のI/O130を介して回路基板120と電気的に接続され、複数のI/O130は、はんだバンプ、ボール又は他のタイプの相互接続構造であってもよい。応力緩和を提供するために、インターポーザ125の下面は、ポリベンゾオキサゾールから構成されたポリマー層135を含むことができるが、他のポリマー材料(例えば、ベンゾシクロブテン、高温若しくは低温域ポリイミド、又は、他のポリマー等)を用いることもできる。複数の基板貫通ビア(TSV)140は、インターポーザ125内に形成されており、I/O130に電気的に接続されている。アンダーバンプメタライゼーション(UBM)142は、好ましくは、TSV140の下端に形成されている。UBM142は、はんだ接着性、バリア性及び誘電接着性を提供する様々な金属で構成することができる。1つの構成は、Ti-Wと銅とのバリア/接着層を含み、それに銅層、ニッケル層及び別の銅層が続き、はんだとインタフェースする。メタライゼーションスタック145は、インターポーザ125上に形成されており、導体トレース150及び導電ビア155の1つ以上の層から構成されている。様々なトレース150及びビア15
5は、プラズマ強化の有無に関わらずCVDによって堆積された酸化シリコン又は他のタイプの誘電材料から構成された複数の誘電層157
に挿入されている。半導体チップ25は、メタライゼーションスタック145上に取り付けられ、その相互接続部分160は、メタライゼーションスタック145の誘電体の一部だけでなく、後述する酸化物ハイブリッド結合プロセスによって導体トレース150の一部にも結合される。
【0014】
半導体チップ25,30,35,40,45,95,100は、様々な集積回路のうち何れのものであってもよい。例示的な非網羅的なリストには、マイクロプロセッサ、グラフィックス処理ユニット、両方の態様を組み合わせたアプリケーション処理ユニット、メモリデバイス、アプリケーション統合特定回路(application integrated specific circuit)等が含まれる。一構成では、半導体チップ25は、プロセッサとすることができ、半導体チップ30,35,40,45,95,100は、DRAM、SRAM又は他のメモリチップとすることができる。回路基板120は、有機体又はセラミックであってもよく、単一又はより一般的には多層であってもよい。バリエーションとしては、パッケージ基板、システムボード、ドーターボード、回路カード等が含まれる。
【0015】
半導体チップ25は、好ましくは低温PECVD又は他の適切なプロセスによって堆積された酸化シリコンから構成された誘電層165に収容されている。誘電体貫通ビア(TDV)170は、誘電体膜165内に形成されており、メタライゼーションスタック145のトレース150のいくつか、及び、チップ40,45の各々のI/O175,180に電気的に接続されている。I/O175,180と誘電貫通ビア170との間の冶金学的接続のさらなる詳細は、以降の図を参照して説明する。半導体チップ40,45と誘電体膜165との間のギャップは、周知のポリマーアンダーフィル材料とすることができるアンダーフィル185で充填することができる。ダミー部品110は、シリコン、ゲルマニウム若しくは他のタイプの半導体又は誘電材料の基板であってもよく、再構成されたパッケージ115のチップ25及び他の部品から熱を伝導するための熱伝導経路として機能する。ダミー部品110は、接着剤、酸化物-酸化物結合又は他のタイプの接合技術によって誘電体膜165に固着することができる。最終的に、チップ40,45及びダミー部品110は、チップ40,45及びダミー部品110の上面とほぼ垂直方向に隣接する成形層188に少なくとも部分的に覆われている。例示的な構成では、成形層188の材料(複数可)は、約165℃の成形温度を有することができる。2つの市販のバリエーションとしては、住友EME-G750及びG760がある。
【0016】
回路基板120は、図示したはんだボール190を介してソケット15と電気的にインタフェースすることができ、オプションで、ピングリッドアレイ若しくはランドグリッドアレイ、又は、他のタイプのボードからソケットへの接続を使用することができる。実際、他の構成では、ソケットレス接続を用いることができる。はんだボール190、I/O130及びI/O175,180は、はんだ構造、導電性ピラー、又は、2つの組み合せとすることができる。スズ-銀、スズ-銀-銅等の周知のはんだ組成物を使用することができる。TSV140、トレース150、ビア155、TDV170(及び、ピラーやパッド等の関連する開示された導体)は、様々な導体材料(例えば、銅、アルミニウム、銀、金、プラチナ、パラジウム等)で構成することができる。
【0017】
図4の破線の長方形195の位置に留意されたい。破線の長方形195の部分は、
図5においてより大きい倍率で示されている。
図4の破線の長方形200の位置にも留意されたい。破線の長方形200によって囲まれた
図4の一部は、
図6においてより大きい倍率で示されている。
【0018】
ここで
図5に着目すると、述べたように、破線の長方形195によって囲まれた
図4の一部である。上記のように、半導体チップ25の相互接続部分160は、バンプレス酸化物ハイブリッド結合技術によって、メタライゼーションスタック145に接合されている。これに関して、半導体チップ25とメタライゼーションスタック145との間の相互接続部202は、メタライゼーションスタック145の結合パッド205とチップ25の結合パッド210との間の冶金学的結合から構成されている。相互接続部202はバンプレスであり、多くのうちの1つである。結合パッド150は、トレース150に接続されているか、トレース150の一部である。また、絶縁結合層215は、チップ25をメタライゼーションスタック145に結合し、半導体チップ45のガラス層217(例えば、SiOx)及びメタライゼーションスタック145の別のガラス層219(例えば、酸窒化シリコン)から構成されている。結合パッド205は、ガラス層219に配置されており、結合パッド210は、ガラス層217に配置されている。結合パッド205及び結合パッド210は、アニール処理によって冶金学的に結合される。これに関して、半導体チップ25は、ガラス層217がガラス酸窒化シリコン層219上又は非常に近接し、結合パッド210が結合パッド205上又は非常に近接するように、メタライゼーションスタック145に降ろされるか配置される。その後、アニール処理が実行され、結合パッド210,205の一時的な熱膨張が生じ、これらの構造を物理的に接触させ、チップ25及びメタライゼーションスタック145が冷却され、結合パッド210,205が熱的に収縮した後でさえも持続する冶金学的結合を形成させる。銅は、この金属結合プロセスにおいて良好に機能するが、他の導体を用いることができる。また、ガラス層217とガラス層219との間には、酸化物/酸窒化物結合が形成される。
【0019】
TDV170とチップ40,45との間の電気的接続のさらなる詳細は、
図6を参照することによって理解することができ、
図6は、上述したように、破線の長方形200によって囲まれた
図4の一部である。1つのTDV170の部分及び誘電層165が示されていることに留意されたい。導電性ピラー225は、1つのTDV170上に形成されてオーミック接触し、酸化シリコン又は他の材料から構成された誘電体膜230を越えて垂直上方に突出している。誘電体膜230は、導電性ピラー225を収容するためにその内部に形成された適切な開口235を含む。導電性ピラー225は、適切なマスク(図示省略)を介して開口235内に材料をめっきすることによって、又は、必要に応じて、材料堆積及びリソグラフィパターニングによって、有利に形成される。チップ45のI/O175は、好ましくは、はんだバンプ又はマイクロバンプであり、接点及びはんだリフローによって導電性ピラー225に冶金学的に接続される。オプションで、I/O175は、必要に応じて、熱結合又ははんだキャップによって導電性ピラー225に接合される別の導電性ピラーとすることができる。上述したように、アンダーフィル185は、毛細管技術を用いてチップ45と誘電層165との間に堆積され、CTE不整合の問題を軽減する。オプションで、成形されたアンダーフィルを用いることができる。
【0020】
再構成されたパッケージ115を製造するための例示的なプロセスフローは、
図7、
図8、
図9、
図10、
図11、
図12、
図13及び
図14を参照することによって理解することができ、
図7は、上部にメタライゼーションスタック145を製造した後のインターポーザ125を示す断面図である。これは、必ずしも必要ではないが、再構成されたパッケージ115が、最終的に単一化される再構成されたウェハ(図示省略)の一部である、ウェハレベルプロセスであることが好ましい。TSV140は、製造されているが、インターポーザ125は、裏側240でTSV140を露出するための薄化プロセスを受けていないことに留意されたい。メタライゼーションスタック145は、周知の材料堆積及びパターニングプロセスを用いて構成され、導電トレース150、ビア155及び1つ以上の層間誘電体膜157を設置することができる。TSV140は、適切なマスキング及びエッチングによって、インターポーザ125内に形成された対応する開口245内に形成することができる。TSV140は、周知のめっき若しくはスパッタリング又は他の材料堆積プロセスによって形成することができ、本明細書の他の箇所で開示された導体材料で構成することができる。必要に応じて、1つ以上のバリア膜を、バルク導体材料の堆積又は配置の前に開口245内に堆積することができる。窒化チタン等のバリアを使用することができる。
【0021】
次に、
図8に示すように、半導体チップ25を、チップ25の相互接続部分160を含むハイブリッド酸化物結合プロセスと、
図5を参照して説明したプロセスとによって、メタライゼーションスタック145上に取り付ける。インターポーザ125は、この時点では、薄化されていない。次に、
図9に示すように、誘電層165を、メタライゼーションスタック145上に形成し、この時点で半導体チップ25を覆う。複数の開口250が、TDV170の次の製造に備えて、誘電体膜165に形成される。
図10に示すように、TDV170は、適切なマスキング及び方向性ドライエッチングを用いて誘電体膜165の開口250に形成される。TDV170の形成は、上述したTSV140の形成と非常に類似したものとすることができる。この点に関して、開口250の製造後に、1つ以上のバリア層(例えば窒化チタン、Ti-W等)に続いて、最初に銅シード層、次に銅のバルク層の塗布を含む2ステップのめっきプロセスを行うことができる。勿論、他の導体材料が用いられる場合には、これらの材料に適切な対応するプロセスが用いられるべきである。上述したように、TDV170は、メタライゼーションスタック145のトレース150のいくつかとのオーミック接触で形成されている。この時点で、インターポーザ125は、TSV140を露出するための薄化プロセスを未だ受けていない。
【0022】
次に、
図11に示すように、ダミー部品110及び半導体チップ40,45を、誘電層165上に取り付ける。上述したように、ダミー部品110は、接着剤、酸化物結合又は他のタイプの接合技術によって取り付けることができる。チップ40,45の誘電体膜165への接続は、上述し、
図6を参照して説明したように、チップ40,45のI/O175,180が各々のTDV170に冶金学的に接続するように、上述した冶金学的結合を形成することを伴う。チップ40,45(及び、
図3に示すチップ30,35,95,100)は、下側のチップ25と所望の横方向の重なりを有するように配置される。アンダーフィル185は、毛細管作用によって分配されてもよいし、その後に堆積される成形材料層によって設けられてもよい。次に、
図12に示すように、成形層188を誘電体膜165上に成形し、チップ40,45及びダミー部品110を少なくとも部分的に覆う。勿論、成形材料188は、
図12に示すチップ40,45及びダミー部品110を部分的に覆うだけではなく、
図3に示す他のチップ30,35,95,100及び他のダミー部品105も覆うことを理解されたい。その後、成形層188に研削プロセスを実行して、チップ40,45及びダミー部品110の上面を露出させ、ヒートスプレッダ(図示省略)を、
図3に示すチップ40,45、ダミー部品110及びダミー部品105上に熱接触して取り付けることを可能にする。なお、この段階では、インターポーザ125は、未だ薄化プロセスを受けていない。
【0023】
次に、
図13に示すように、一時的なキャリヤウェハ255を成形層188に取り付けて、インターポーザ125のTSV140を露出するのに必要なインターポーザ125の薄型化のための構造的支持体を提供する。キャリヤウェハ255は、シリコン、他の半導体、種々のガラスから構成することができ、熱又は光で活性化された接着剤によって、又は、後で外すことができる両面テープによってでも、成形層188に接続することができる。インターポーザ125の薄型化及びTSV140の露出後に、ポリマー層135を、周知のスピン堆積及びベーキング技術を用いて塗布することができる。ポリマー層135は、感光性材料を用いて構成することができ、その結果、次のUBM142の製造及びこれに対するI/O130の接続を容易にするために、適切な開口をリソグラフィによってパターン化することができる。この時点で、再構成されたパッケージ115は、回路基板120上の配置及びI/O130の冶金学的リフローによって、回路基板120に取り付けられる。
【0024】
前述の例示的な構成において、ダミー部品105,110は、下側の半導体チップ25から任意のヒートスプレッダ(図示省略)への熱経路を提供する。しかしながら、ダミー部品105,110を除去することができ、熱経路を他の構造で提供することができる。これに関して、
図15は、
図3と同様の平面図を示し、
図16は、別の例示的な半導体チップ装置90’の、上述した
図4に示す断面4-4と実質的に同じ断面位置である断面16-16で得られる、
図15の断面図を示している。半導体チップ装置90’は、上述した半導体チップ25とチップ30,35,40,45,95,100とを全て再構成されたパッケージ115上に取り付け、次に、いくつかの顕著な例外を除いて、上記で概して説明したように、回路基板120上に取り付けられる。ウィンドウ260は、再構成されたパッケージ115の最上部に形成され、半導体チップ25の一部を露出させる。半導体チップ25の輪郭は未だ隠されており、したがって、破線で示されていることに留意されたい。ダミー部品110,115は、上述した成形層188と同様に除去される。半導体チップ25との熱経路を設置するために、蓋又はヒートスプレッダ265を回路基板120に取り付けることができ、半導体チップ40,45の間に、再構成されたパッケージ115の誘電体膜165に形成されたウィンドウ260を介して下方に突出して半導体チップ25の裏側と熱接触する伝熱面270を設けることができる。蓋265は、様々な周知のヒートスプレッダ材料(例えば、ニッケルジャケット付き銅、銅、アルミニウム又は他の材料)で構成することができる。蓋265は、必要に応じて適切な接着剤によって又ははんだによって、周辺リップ275においてパッケージ基板20に固着することができる。
【0025】
本発明は、様々な修正及び代替形態を受け入れることができるが、特定の実施形態が図面において例として示されおり、本明細書において詳細に説明されている。しかしながら、本発明は、開示された特定の形態に限定されることを意図していないことを理解されたい。むしろ、本発明は、添付の特許請求の範囲によって定義される本発明の趣旨及び範囲内にある全ての修正、均等物及び代替物を包含するものである。