IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 富士フイルム株式会社の特許一覧

特許7122262内視鏡、内視鏡システム、内視鏡の気密漏れ判定方法、及び内視鏡の気密漏れ判定プログラム
<>
  • 特許-内視鏡、内視鏡システム、内視鏡の気密漏れ判定方法、及び内視鏡の気密漏れ判定プログラム 図1
  • 特許-内視鏡、内視鏡システム、内視鏡の気密漏れ判定方法、及び内視鏡の気密漏れ判定プログラム 図2
  • 特許-内視鏡、内視鏡システム、内視鏡の気密漏れ判定方法、及び内視鏡の気密漏れ判定プログラム 図3
  • 特許-内視鏡、内視鏡システム、内視鏡の気密漏れ判定方法、及び内視鏡の気密漏れ判定プログラム 図4
  • 特許-内視鏡、内視鏡システム、内視鏡の気密漏れ判定方法、及び内視鏡の気密漏れ判定プログラム 図5
  • 特許-内視鏡、内視鏡システム、内視鏡の気密漏れ判定方法、及び内視鏡の気密漏れ判定プログラム 図6
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-10
(45)【発行日】2022-08-19
(54)【発明の名称】内視鏡、内視鏡システム、内視鏡の気密漏れ判定方法、及び内視鏡の気密漏れ判定プログラム
(51)【国際特許分類】
   A61B 1/00 20060101AFI20220812BHJP
   G02B 23/24 20060101ALI20220812BHJP
【FI】
A61B1/00 550
G02B23/24 A
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2019006994
(22)【出願日】2019-01-18
(65)【公開番号】P2020115932
(43)【公開日】2020-08-06
【審査請求日】2021-02-04
(73)【特許権者】
【識別番号】306037311
【氏名又は名称】富士フイルム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002505
【氏名又は名称】特許業務法人航栄特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】飯倉 崇元
【審査官】牧尾 尚能
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2015/136767(WO,A1)
【文献】国際公開第2018/207517(WO,A1)
【文献】特開平10-286223(JP,A)
【文献】特開2016-030174(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2001/0032494(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 1/00- 1/32
G02B 23/24-23/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部に密閉空間を有する内視鏡であって、
前記密閉空間内部の圧力を検出する圧力センサと、
前記密閉空間が大気圧に対し加圧又は減圧された状態の第一のタイミングにおいて前記圧力センサにより検出された第一の圧力値を、前記第一の圧力値の第一の検出時間情報と対応させて記憶する記憶部と、を備え、
前記第一のタイミングよりも後の、前記内視鏡に通電可能な装置が接続されたタイミングを第二のタイミングとして、前記第二のタイミングにて前記圧力センサによって検出された第二の圧力値及び前記第二の圧力値の第二の検出時間情報と、前記第一の圧力値及び前記第一の検出時間情報とに基づいて、前記密閉空間の気密漏れが判定される内視鏡。
【請求項2】
請求項記載の内視鏡であって、
前記通電可能な装置は、前記内視鏡と接続される内視鏡装置の本体部である内視鏡。
【請求項3】
請求項1または2記載の内視鏡であって、
前記密閉空間の温度を検出する温度センサを備え、
前記記憶部は、前記温度センサにより検出された前記第一のタイミングにおける前記密閉空間の第一の温度を前記第一の圧力値と対応させて記憶する内視鏡。
【請求項4】
請求項記載の内視鏡であって、
前記第二の圧力値は、前記温度センサにより検出された前記第二のタイミングにおける前記密閉空間の第二の温度と前記第一の温度に基づいて補正される内視鏡。
【請求項5】
請求項1からのいずれか1項記載の内視鏡と、
前記記憶部に記憶された前記第一の圧力値及び前記第一の検出時間情報と、前記第二の圧力値及び前記第二の検出時間情報とに基づいて、前記密閉空間の気密漏れを判定する気密漏れ判定部と、を備える内視鏡システム。
【請求項6】
請求項記載の内視鏡システムであって、
前記気密漏れ判定部は、前記第一の圧力値と前記第二の圧力値との差分が閾値以上となる場合に、前記密閉空間の気密漏れが発生していると判定し、前記第一の検出時間情報及び前記第二の検出時間情報に基づく前記第一のタイミングから前記第二のタイミングまでの経過時間に基づいて前記閾値を制御する内視鏡システム。
【請求項7】
請求項記載の内視鏡システムであって、
前記気密漏れ判定部は、前記経過時間が第一の値である場合には、前記経過時間が前記第一の値よりも短い第二の値である場合よりも、前記閾値を大きくする内視鏡システム。
【請求項8】
請求項からのいずれか1項記載の内視鏡システムであって、
前記気密漏れ判定部は、前記内視鏡に設けられる内視鏡システム。
【請求項9】
請求項からのいずれか1項記載の内視鏡システムであって、
前記気密漏れ判定部は、前記内視鏡と接続される内視鏡装置の本体部に設けられる内視鏡システム。
【請求項10】
密閉空間内部の圧力を検出する圧力センサと、前記密閉空間が大気圧に対し加圧又は減圧された状態の第一のタイミングにおいて前記圧力センサにより検出された第一の圧力値を、前記第一の圧力値の第一の検出時間情報と対応させて記憶する記憶部と、を有する内視鏡の気密漏れ判定方法であって、
前記第一のタイミングよりも後の、前記内視鏡に通電可能な装置が接続されたタイミングを第二のタイミングとして、前記第二のタイミングにて前記圧力センサによって検出された第二の圧力値及び前記第二の圧力値の第二の検出時間情報と、前記第一の圧力値及び前記第一の検出時間情報とに基づいて、前記密閉空間の気密漏れを判定する内視鏡の気密漏れ判定方法。
【請求項11】
密閉空間内部の圧力を検出する圧力センサと、前記密閉空間が大気圧に対し加圧又は減圧された状態の第一のタイミングにおいて前記圧力センサにより検出された第一の圧力値を、前記第一の圧力値の第一の検出時間情報と対応させて記憶する記憶部と、を有する内視鏡の気密漏れ判定プログラムであって、
前記第一のタイミングよりも後の、前記内視鏡に通電可能な装置が接続されたタイミングを第二のタイミングとして、前記第二のタイミングにて前記圧力センサによって検出された第二の圧力値及び前記第二の圧力値の第二の検出時間情報と、前記第一の圧力値及び前記第一の検出時間情報とに基づいて、前記密閉空間の気密漏れを判定するステップをコンピュータに実行させるための内視鏡の気密漏れ判定プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内視鏡、内視鏡システム、内視鏡の気密漏れ判定方法、及び内視鏡の気密漏れ判定プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に内視鏡では、撮像素子及び信号ケーブル等の内蔵物を水分から保護するために、気密構造が採用されている。内視鏡内の密閉空間が外部と連通する状態(気密漏れの状態ともいう)になると、密閉空間内部に水分が侵入し、内蔵物に影響を与える可能性がある。そこで、内視鏡に気密漏れが生じているか否かを判定する方法が提案されている。
【0003】
特許文献1には、内視鏡と接続される光源装置又は画像処理装置の内部に、内視鏡の内部を加圧するポンプと、内視鏡の内部の圧力の変動に基づいて内視鏡の気密漏れを検出する制御部と、を備える内視鏡装置が記載されている。
【0004】
特許文献2には、内視鏡と接続される気密チェックユニットが記載されている。この気密チェックユニットは、内視鏡の内部を加圧するポンプと、内視鏡の内部の圧力を検出する圧力センサと、を有し、内視鏡の内部の圧力の変動に基づいて内視鏡の気密漏れを検出している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開平10-286223号公報
【文献】特開平9-285442号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
内視鏡に気密漏れが発生していても、密閉空間を外部と連通させている穴が非常に小さい場合には、内視鏡の密閉空間を加圧した状態における密閉空間の内圧と、その状態から僅かな時間が経過した後の密閉空間の内圧とには大きな差が生じにくい。つまり、この穴が小さい場合には、内視鏡の密閉空間の内圧は、例えば数十時間、数日等の長い期間をかけて徐々に低下していくことになる。
【0007】
特許文献1、2に記載された方法は、内視鏡の使用時等に、内視鏡の内部を加圧し、その内部の内圧変動によって気密漏れを検出するものである。したがって、上述したような長期間に渡る内視鏡の内部の内圧変動をモニタすることはできず、極僅かな気密漏れが発生している場合には、これを検出することができない。
【0008】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、気密漏れが生じていることを高精度に検出することのできる内視鏡、内視鏡システム、内視鏡の気密漏れ判定方法、及び内視鏡の気密漏れ判定プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の内視鏡は、内部に密閉空間を有する内視鏡であって、上記密閉空間内部の圧力を検出する圧力センサと、上記密閉空間が大気圧に対し加圧又は減圧された状態の第一のタイミングにおいて上記圧力センサにより検出された第一の圧力値を、上記第一の圧力値の第一の検出時間情報と対応させて記憶する記憶部と、を備え、上記第一のタイミングよりも後の、上記内視鏡に通電可能な装置が接続されたタイミングを第二のタイミングとして、上記第二のタイミングにて上記圧力センサによって検出された第二の圧力値及び上記第二の圧力値の第二の検出時間情報と、上記第一の圧力値及び上記第一の検出時間情報とに基づいて、上記密閉空間の気密漏れが判定されるものである。
【0010】
本発明の内視鏡システムは、上記内視鏡と、上記記憶部に記憶された上記第一の圧力値及び上記第一の検出時間情報と、上記第二の圧力値及び上記第二の検出時間情報とに基づいて、上記密閉空間の気密漏れを判定する気密漏れ判定部と、を備えるものである。
【0011】
本発明の内視鏡の気密漏れ判定方法は、密閉空間内部の圧力を検出する圧力センサと、上記密閉空間が大気圧に対し加圧又は減圧された状態の第一のタイミングにおいて上記圧力センサにより検出された第一の圧力値を、上記第一の圧力値の第一の検出時間情報と対応させて記憶する記憶部と、を有する内視鏡の気密漏れ判定方法であって、上記第一のタイミングよりも後の、上記内視鏡に通電可能な装置が接続されたタイミングを第二のタイミングとして、上記第二のタイミングにて上記圧力センサによって検出された第二の圧力値及び上記第二の圧力値の第二の検出時間情報と、上記第一の圧力値及び上記第一の検出時間情報とに基づいて、上記密閉空間の気密漏れを判定するものである。
【0012】
本発明の内視鏡の気密漏れ判定プログラムは、密閉空間内部の圧力を検出する圧力センサと、上記密閉空間が大気圧に対し加圧又は減圧された状態の第一のタイミングにおいて上記圧力センサにより検出された第一の圧力値を、上記第一の圧力値の第一の検出時間情報と対応させて記憶する記憶部と、を有する内視鏡の気密漏れ判定プログラムであって、上記第一のタイミングよりも後の、上記内視鏡に通電可能な装置が接続されたタイミングを第二のタイミングとして、上記第二のタイミングにて上記圧力センサによって検出された第二の圧力値及び上記第二の圧力値の第二の検出時間情報と、上記第一の圧力値及び上記第一の検出時間情報とに基づいて、上記密閉空間の気密漏れを判定するステップをコンピュータに実行させるためのものである。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、気密漏れが生じていることを高精度に検出することのできる内視鏡、内視鏡システム、内視鏡の気密漏れ判定方法、及び内視鏡の気密漏れ判定プログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の内視鏡システムの一実施形態である内視鏡システム200の概略構成を示す図である。
図2図1に示す内視鏡システム200における内視鏡装置100の内部構成を示す模式図である。
図3図1に示す内視鏡システム200における加圧装置8と内視鏡1の内部構成を示す模式図である。
図4図1に示す内視鏡システム200における内視鏡1の気密漏れ判定動作を説明するためのフローチャートである。
図5図3に示す内視鏡1の変形例を示す模式図である。
図6図5に示す内視鏡1を有する内視鏡システム200における内視鏡1の気密漏れ判定動作を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
【0016】
図1は、本発明の内視鏡システムの一実施形態である内視鏡システム200の概略構成を示す図である。図1に示すように、内視鏡システム200は、内視鏡装置100と、加圧装置8と、を備える。
【0017】
内視鏡装置100は、内視鏡1と、この内視鏡1が接続されるプロセッサ装置4及び光源装置5からなる本体部2と、を備える。本体部2は、内視鏡1に通電可能な装置を構成する。
【0018】
プロセッサ装置4には、撮像画像等を表示する表示部7と、プロセッサ装置4に対して各種情報を入力するためのインタフェースである入力部6と、が接続されている。プロセッサ装置4は、内視鏡1、光源装置5、及び表示部7を制御する。
【0019】
内視鏡1は、一方向に延びる管状部材であって観察対象物としての体腔内に挿入される挿入部10と、挿入部10の基端部に連設された観察モード切替操作、撮影記録操作、鉗子操作、送気送水操作、吸引操作、及び電気メス操作等を行うための操作部材が設けられた操作部11と、操作部11に隣接して設けられたアングルノブ12と、内視鏡1を光源装置5とプロセッサ装置4にそれぞれ着脱自在に接続するコネクタ部13A,13Bを含むユニバーサルコード13と、を備える。
【0020】
なお、図1では省略されているが、操作部11及び挿入部10の内部には、細胞又はポリープ等の生体組織を採取するための採取器具である生検鉗子又は電気メス等の処置具を挿通するための処置具挿通路が設けられる。
【0021】
挿入部10は、可撓性を有する軟性部10Aと、軟性部10Aの先端に設けられた湾曲部10Bと、湾曲部10Bの先端に設けられた硬質の先端部10Cとから構成される。先端部10Cは、軟性部10A及び湾曲部10Bよりも硬い部分である。
【0022】
湾曲部10Bは、アングルノブ12の回動操作により湾曲自在に構成されている。この湾曲部10Bは、内視鏡1が使用される被検体の部位等に応じて、任意の方向及び任意の角度に湾曲でき、先端部10Cを所望の方向に向けることができる。
【0023】
図2は、図1に示す内視鏡システム200における内視鏡装置100の内部構成を示す模式図である。図2に示すように、光源装置5は、光源制御部51と、光源部52と、を備える。
【0024】
光源部52は、観察部位を照明するための照明光を発生させるものである。光源部52から射出された照明光は、ユニバーサルコード13に内蔵されたライトガイド20に入射し、挿入部10の先端部10Cに設けられた照明用レンズ20aを通って観察部位に照射される。
【0025】
光源部52としては、白色光を出射する白色光源、又は、白色光源とその他の色の光を出射する光源(例えば青色光を出射する青色光源)を含む複数の光源等が用いられる。本願明細書における光源に用いられる発光素子は、例えば、LD(Laser Diode)又はLED(Light Emitting Diode)等である。
【0026】
光源制御部51は、プログラムを実行して処理を行う各種のプロセッサにより構成されており、プロセッサ装置4のシステム制御部44と接続されている。光源制御部51は、システム制御部44からの指令に基づいて光源部52を制御する。
【0027】
内視鏡1の先端部10Cには、対物レンズ21及びレンズ群22を含む撮像光学系と、この撮像光学系を通して被写体を撮像する撮像素子26と、光源部52から射出された照明光を照明用レンズ20aに導くためのライトガイド20と、が設けられている。
【0028】
ライトガイド20は、先端部10Cからユニバーサルコード13のコネクタ部13Aまで延びている。ユニバーサルコード13のコネクタ部13Aが光源装置5に接続された状態で、光源装置5の光源部52から射出される照明光がライトガイド20に供給可能な状態となる。ライトガイド20は、具体的には、複数本の可撓性を持つ光ファイバ(例えばプラスチック製の光ファイバ)が束ねられた状態で被覆部材によって被覆された光ファイババンドルであり、光源部52から射出される照明光を、先端部10Cまで伝送する。
【0029】
撮像素子26は、CCD(Charge Coupled Device)イメージセンサ又はCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサ等が用いられる。
【0030】
撮像素子26は、複数の画素が二次元状に配置された受光面を有し、上記の撮像光学系によってこの受光面に結像された光学像を各画素において電気信号(撮像信号)に変換して出力する。撮像素子26は、例えば原色又は補色等のカラーフィルタを搭載するものが用いられる。撮像素子26は、内視鏡1内部を先端部10Cからコネクタ部13Bまで延びる図示省略の信号ケーブルを介して、プロセッサ装置4と電気的に接続されている。
【0031】
なお、光源部52として、白色光源から射出される白色光を複数色のカラーフィルタによって時分割で分光して照明光を生成するものを用いる場合には、撮像素子26はカラーフィルタを搭載していないものを用いてもよい。
【0032】
内視鏡1の内部は、上述した処置具挿通路を除いては密閉空間10S(図3参照)となっており、この密閉空間10S内に、上記の撮像光学系、撮像素子26、上記の信号ケーブル等の内臓物が収容されて、この内蔵物が水分等から保護される。
【0033】
加圧装置8は、内視鏡1の密閉空間10Sが外部と連通する気密漏れの状態となっているか否かを判定するために用いられる装置である。
【0034】
プロセッサ装置4は、信号処理部42と、表示制御部43と、システム制御部44と、を備える。
【0035】
信号処理部42は、撮像素子26から伝送されてきたデジタル画素信号を受信して処理することで、撮像画像データを生成する。信号処理部42によって生成された撮像画像データは、図示省略のハードディスク又はフラッシュメモリ等の記録媒体に記録される。
【0036】
表示制御部43は、信号処理部42によって生成された撮像画像データに基づく撮像画像を表示部7に表示させる。
【0037】
システム制御部44は、プロセッサ装置4の各部を制御すると共に、内視鏡1と光源制御部51とに指令を送り、内視鏡装置100の全体を統括制御する。システム制御部44は、撮像素子26の制御、光源制御部51を介した光源部52の制御等を行う。
【0038】
システム制御部44は、プログラムを実行して処理を行う各種のプロセッサと、RAM(Ramdom Access Memory)と、ROM(Read Only Memory)を含む。
【0039】
本明細書における各種のプロセッサとしては、プログラムを実行して各種処理を行う汎用的なプロセッサであるCPU(Central Prosessing Unit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)等の製造後に回路構成を変更可能なプロセッサであるプログラマブルロジックデバイス(Programmable Logic Device:PLD)、又はASIC(Application Specific Integrated Circuit)等の特定の処理を実行させるために専用に設計された回路構成を有するプロセッサである専用電気回路等が含まれる。これら各種のプロセッサの構造は、より具体的には、半導体素子等の回路素子を組み合わせた電気回路である。
【0040】
システム制御部44は、各種のプロセッサのうちの1つで構成されてもよいし、同種又は異種の2つ以上のプロセッサの組み合わせ(例えば、複数のFPGAの組み合わせ又はCPUとFPGAの組み合わせ)で構成されてもよい。
【0041】
図3は、図1に示す内視鏡システム200における加圧装置8と内視鏡1の内部構成を示す模式図である。内視鏡1の密閉空間10Sには、例えば先端部10C、操作部11、コネクタ部13A、又はコネクタ部13B等の任意の部分に、スコープ制御部28と、圧力センサ23と、記憶部24と、が設けられている。
【0042】
スコープ制御部28は、内視鏡1がプロセッサ装置4と接続された状態において、プロセッサ装置4のシステム制御部44の指令に基づいて、内視鏡1の制御を行う。スコープ制御部28は、上述した各種のプロセッサによって構成される。
【0043】
圧力センサ23は、内視鏡1内部の密閉空間10S内の圧力を検出するものであり、静電容量式のセンサ又は歪ゲージ式のセンサ等が用いられる。圧力センサ23により検出された圧力の情報はスコープ制御部28に伝達される。
【0044】
記憶部24は、後述する第一のタイミングにおいて圧力センサ23により検出された密閉空間10S内の圧力(以下、基準圧力P1という)を、その基準圧力P1の検出時間情報t1と対応させて記憶する。記憶部24は、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)、フラッシュメモリ等の記憶媒体により構成される。基準圧力P1と検出時間情報t1は、スコープ制御部28の制御によって記憶部24に記憶される。基準圧力P1は第一の圧力値を構成する。検出時間情報t1は第一の検出時間情報を構成する。
【0045】
加圧装置8は、制御部81と、ポンプ82と、送気管83と、コネクタ84と、を備え、図示省略の電源によって動作する。
【0046】
コネクタ84は、内視鏡1のユニバーサルコード13と接続するためのものである。コネクタ84とユニバーサルコード13とが接続された状態では、内視鏡1の密閉空間10Sに送気管83が挿入された状態となり、更に、内視鏡1の信号ケーブル27と制御部81とが電気的に接続された状態となる。
【0047】
ポンプ82は、送気管83に空気を送出して、コネクタ84に接続された内視鏡1内部の密閉空間10Sを加圧する。ポンプ82は制御部81によって制御される。なお、内視鏡1において送気管83が挿入される部分は逆止弁構造となっており、送気管83が取り外された状態では、この部分から内部の空気が漏れださないよう構成されている。
【0048】
制御部81は、信号ケーブル27を介して、内視鏡1内部のスコープ制御部28と電気的に接続される。
【0049】
内視鏡システム200においては、洗浄後の内視鏡1を保管するタイミング等にて、加圧装置8を用いて内視鏡1の密閉空間10S内を大気圧に対して加圧し、この加圧した状態にて得られた上記の基準圧力P1及び検出時間情報t1を記憶部24に記憶させる。このようにして基準圧力P1及び検出時間情報t1が記憶部24に記憶された状態にて、内視鏡1が次回使用時まで保管される。
【0050】
より具体的には、内視鏡1の管理者は、まず、内視鏡1のユニバーサルコード13を加圧装置8のコネクタ84に接続し、加圧装置8を起動する。次に、内視鏡1の管理者は、加圧装置8に設けられる図示省略の操作部を操作して、内視鏡1の密閉空間10Sを加圧する指示を行う。この指示を受けた加圧装置8の制御部81は、ポンプ82を作動させると共に、スコープ制御部28に対し、基準圧力P1と検出時間情報t1の記憶を指示する。
【0051】
この指示を受けたスコープ制御部28は、ポンプ82による密閉空間10Sの加圧中において圧力センサ23により検出される圧力値をモニタし、この圧力値がピークとなった時点で、そのピークの圧力値を基準圧力P1として記憶部24に記憶し、更に、この時点の日時を検出時間情報t1として、基準圧力P1に対応付けて記憶部24に記憶する。この圧力値がピークとなった時点が上述した第一のタイミングとなる。このようにして内視鏡1の記憶部24には、密閉空間10Sが大気圧に対して加圧された状態における密閉空間10S内の圧力と、密閉空間10Sの内圧がその圧力となった時点の日時の情報とが対応付けて記憶される。
【0052】
内視鏡システム200では、内視鏡1のスコープ制御部28が、気密漏れ判定プログラムを含むプログラムを実行することにより、記憶部24に記憶されている情報と、圧力センサ23により検出される密閉空間10Sの圧力の情報とに基づいて、内視鏡1の密閉空間10Sの気密漏れの有無を判定する処理を行う。スコープ制御部28は気密漏れ判定部を構成する。以下、この処理の詳細について説明する。
【0053】
図4は、図1に示す内視鏡システム200における内視鏡1の気密漏れ判定動作を説明するためのフローチャートである。内視鏡1の記憶部24には、上述した作業によって基準圧力P1と検出時間情報t1が既に記憶されているものとして説明する。
【0054】
内視鏡1のコネクタ部13A,13Bが本体部2に接続され、本体部2から内視鏡1に通電がなされると、スコープ制御部28は、圧力センサ23によって検出された密閉空間10Sの圧力P2を取得し、この圧力P2を、この圧力P2の検出日時を示す検出時間情報t2と対応付けて内蔵メモリに一時記憶する(ステップS1)。圧力P2は第二の圧力値を構成する。検出時間情報t2は第二の検出時間情報を構成する。検出時間情報t2にて示される日時は第二のタイミングを構成する。
【0055】
次に、スコープ制御部28は、記憶部24から基準圧力P1と検出時間情報t1を取得して内蔵メモリに一時記憶する(ステップS2)。
【0056】
次に、スコープ制御部28は、基準圧力P1と圧力P2との差分ΔPを算出する(ステップS3)。内視鏡1の密閉空間10Sに気密漏れが生じていない場合には、この差分ΔPは小さくなる。一方、内視鏡1の密閉空間10Sに気密漏れが生じている場合には、この差分ΔPは大きくなる。したがって、この差分ΔPの大きさを後述の閾値THと比較することで、気密漏れの判定が可能である。
【0057】
更に、スコープ制御部28は、検出時間情報t1と検出時間情報t2とに基づいて、内視鏡1の密閉空間10S内の圧力が基準圧力P1となった時点(第一のタイミング)から、密閉空間10Sの圧力P2が検出された時点(第二のタイミング)までの経過時間Δtを算出する(ステップS4)。
【0058】
次に、スコープ制御部28は、気密漏れ判定のために差分ΔPと比較する閾値THを、経過時間Δtに応じて設定する(ステップS5)。
【0059】
内視鏡1の密閉空間10Sに気密漏れが生じていない場合であっても、内視鏡1の外装を構成する部材の素材等によって、密閉空間10S内の空気は僅かではあるが外部に徐々に漏れだす。この空気の漏れ出し量は、基準圧力P1が検出されたタイミングから、圧力P2が検出されたタイミングまでの時間(上記の経過時間Δt)が長いほど多くなる。
【0060】
本実施形態では、気密漏れの判定精度を向上させるために、閾値THとして、経過時間Δtの大きさに応じた複数の値が予め決められている。例えば、閾値THには、経過時間Δtが所定値を超える第一の値となる場合に対応する値TH1と、経過時間Δtがこの所定値以下の第二の値となる場合に対応する値TH2とが決められており、値TH1は値TH2よりも大きくなっている。
【0061】
値TH1は、気密漏れが発生していない場合において、経過時間Δtが第一の値となる場合に生じると想定される差分ΔPの大きさの上限値よりも大きな値が設定される。値TH2は、気密漏れが発生していない場合において、経過時間Δtが第二の値となる場合に生じると想定される差分ΔPの大きさの上限値よりも大きな値が設定される。スコープ制御部28は、ステップS5において、経過時間Δtが第一の値であれば閾値THとして値TH1を設定し、経過時間Δtが第二の値であれば閾値THとして値TH2を設定する。
【0062】
ステップS5の後、スコープ制御部28は、ステップS3にて算出した差分ΔPが、設定した閾値TH以上となるか否かを判定する(ステップS6)。スコープ制御部28は、差分ΔPが閾値TH以上であった場合(ステップS6:YES)には、内視鏡1の密閉空間10Sに気密漏れが発生していると判定し(ステップS7)、報知処理を行う(ステップS8)。
【0063】
スコープ制御部28は、例えば、システム制御部44を介して、予め決められたメッセージ(気密漏れが生じていることを示す警告メッセージ等)を表示部7に表示させる報知処理を行う。スコープ制御部28は、表示部7にメッセージを表示させる代わりに、内視鏡装置100に設けられる図示しないスピーカから上記メッセージを出力させてもよい。或いは、スコープ制御部28は、プロセッサ装置4と接続された外部の電子機器に上記メッセージを送信させることで、修理の必要性を内視鏡1の管理者に報知させてもよい。
【0064】
スコープ制御部28は、差分ΔPが閾値TH未満であった場合(ステップS6:NO)には、内視鏡1の密閉空間10Sに気密漏れが発生していないと判定して、気密漏れ判定動作を終了する。
【0065】
以上のように、内視鏡システム200では、気密漏れの判定を行うタイミング(上記の例では内視鏡1がプロセッサ装置4に接続されて通電されたタイミング)における密閉空間10Sの圧力P2と、記憶部24に事前に記憶された基準圧力P1との差分ΔPの大きさによって、気密漏れの有無が判定される。このため、基準圧力P1が検出されたタイミングと、気密漏れの判定を行うタイミング(圧力P2の検出タイミング)との間を、内視鏡1の保管期間に応じた長い時間とすることができる。この結果、内視鏡1に微小な気密漏れがあった場合でも、この長い時間において差分ΔPが大きくなるため、この気密漏れを検出することができ、気密漏れの判定を高精度に行うことができる。
【0066】
また、内視鏡システム200によれば、経過時間Δtに応じて閾値THを制御するため、気密漏れ以外の要因にて生じる密閉空間10Sの内圧変動を考慮した判定が可能となり、気密漏れの判定を高精度に行うことができる。
【0067】
また、内視鏡システム200によれば、内視鏡1のスコープ制御部28が気密漏れを判定する。このため、内視鏡装置100の本体部2の大幅な改修が不要となり、システムの構築コストを下げることができる。また、既存の内視鏡装置100に対しても内視鏡1を交換するのみで機能の追加が可能となり、汎用性を高めることができる。
【0068】
図5は、図3に示す内視鏡1の変形例を示す模式図である。図5に示す変形例の内視鏡1は、密閉空間10Sの温度を検出する温度センサ25が追加された点を除いては、図3に示す内視鏡1と同じ構成である。温度センサ25は、検出した密閉空間10Sの温度の情報をスコープ制御部28に伝達する。
【0069】
図5に示す内視鏡1のスコープ制御部28は、基準圧力P1と検出時間情報t1を記憶部24に記憶する際に、この基準圧力P1が検出された時点において温度センサ25により検出された密閉空間10Sの温度T1を、この基準圧力P1に対応付けて記憶部24に記憶する点が、図3に示す内視鏡1とは異なっている。温度T1は、第一の温度を構成する。
【0070】
図6は、図5に示す内視鏡1を有する内視鏡システム200における内視鏡1の気密漏れ判定動作を説明するためのフローチャートである。図6に示すフローチャートは、ステップS2がステップS20とステップS21に置換された点を除いては、図4に示すフローチャートと同じである。図6において図4と同様の処理については同一符号を付して説明を省略する。
【0071】
スコープ制御部28は、ステップS1の後、記憶部24から、基準圧力P1と検出時間情報t1と温度T1を取得して内蔵メモリに一時記憶する(ステップS20)。
【0072】
次に、スコープ制御部28は、圧力P2の検出時において温度センサ25によって検出された密閉空間10Sの温度T2を取得し、温度T2と温度T1とに基づいて、ステップS1にて取得した圧力P2を補正する(ステップS21)。温度T2は、第二の温度を構成する。
【0073】
ステップS21の後のステップS3以降の処理では、圧力P2として、ステップS21にて補正後の値が用いられる。
【0074】
密閉空間10Sの内圧は、密閉空間10Sの温度によって変化し得る。例えば、密閉空間10Sの内圧が一定であっても、密閉空間10Sの温度が高いと、密閉空間10S内の空気の熱膨張によって内圧が高くなり、密閉空間10Sの温度が低い場合には、逆に内圧が低くなる。
【0075】
そこで、スコープ制御部28は、ステップS21において、ステップS1にて取得した圧力P2の値を、密閉空間10Sの温度が温度T1であるときの値に換算する補正を行うことで、差分ΔPの算出精度を高めている。具体的には、スコープ制御部28は、ステップS1にて取得した圧力P2に(T1/T2)を乗じた値を、補正後の圧力P2として算出する。
【0076】
このように、差分ΔPが同一の温度下における圧力変動量として算出されることで、気密漏れの判定をより高い精度にて行うことができる。
【0077】
なお、図4又は図6に示した気密漏れの判定処理は、内視鏡1と接続されたプロセッサ装置4のシステム制御部44のプロセッサが気密漏れ判定プログラムを実行することにより行ってもよい。この場合には、システム制御部44のプロセッサが気密漏れ判定部として機能する。この構成によれば、内視鏡1の製造コストを下げることができる。
【0078】
或いは、図4又は図6に示した気密漏れの判定処理は、加圧装置8の制御部81が気密漏れ判定プログラムを実行することにより行ってもよい。この場合には、内視鏡1を使用する直前等において、使用者が加圧装置8に内視鏡1を接続し、操作部を操作して制御部81に気密漏れ判定処理の実行を開始させる流れとなる。この構成においては、加圧装置8の制御部81が気密漏れ判定部を構成し、加圧装置8が内視鏡1に通電可能な装置を構成する。この構成によれば、内視鏡1の製造コストを下げることができる。
【0079】
また、上記の説明では、内視鏡1のスコープ制御部28が、基準圧力P1と検出時間情報t1を記憶部24に記憶する制御を行うものとしたが、これに限らない。例えば、加圧装置8の制御部81が、信号ケーブル27を介して圧力センサ23及び記憶部24に直接アクセス可能な構成とする。そして、制御部81が圧力センサ23によって検出された圧力の情報を取得し、基準圧力P1と検出時間情報t1を記憶部24に記憶するようにしてもよい。この構成によれば、内視鏡1の製造コストを下げることができる。
【0080】
図5に示す内視鏡1においても同様に、加圧装置8の制御部81が基準圧力P1と検出時間情報t1と温度T1を記憶部24に記憶するようにしてもよい。
【0081】
図3及び図5の例では、密閉空間10Sがユニバーサルコード13内まで存在するものとしているが、これに限らない。内視鏡1の密閉空間10Sは、ユニバーサルコード13よりも先端部10C側の部分にのみ存在する場合もある。この場合には、内視鏡1の例えば操作部11の近傍に、ポンプ82を挿入する部分を設けておくことで、密閉空間10Sの加圧が可能である。
【0082】
以上の説明では、基準圧力P1として、ポンプ82によって密閉空間10Sを大気圧に対し加圧した状態にて検出された圧力を採用している。しかし、基準圧力P1は、ポンプ82によって密閉空間10Sを大気圧に対して減圧した状態にて検出された圧力を採用してもよい。この場合でも、気密漏れが生じている場合には、密閉空間10Sの内圧が大気圧に近づくことで差分ΔPが大きくなる。そのため、差分ΔPの大きさによって気密漏れの判定が可能である。
【0083】
また、以上の説明では、検出時間情報t1と検出時間情報t2をそれぞれ日時の情報としたが、これに限らない。検出時間情報t1と検出時間情報t2は、それぞれ、基準圧力P1が検出された時点からの経過時間の情報とされてもよい。
【0084】
以上説明してきたように、本明細書には以下の事項が開示されている。
【0085】
(1)
内部に密閉空間を有する内視鏡であって、
上記密閉空間内部の圧力を検出する圧力センサと、
上記密閉空間が大気圧に対し加圧又は減圧された状態の第一のタイミングにおいて上記圧力センサにより検出された第一の圧力値を、上記第一の圧力値の第一の検出時間情報と対応させて記憶する記憶部と、を備え、
上記第一のタイミングよりも後の第二のタイミングにて上記圧力センサによって検出された第二の圧力値及び上記第二の圧力値の第二の検出時間情報と、上記第一の圧力値及び上記第一の検出時間情報とに基づいて、上記密閉空間の気密漏れが判定される内視鏡。
【0086】
(2)
(1)記載の内視鏡であって、
上記第二のタイミングは、上記内視鏡に通電可能な装置に接続されたタイミングである内視鏡。
【0087】
(3)
(2)記載の内視鏡であって、
上記装置は、上記内視鏡と接続される内視鏡装置の本体部である内視鏡。
【0088】
(4)
(1)から(3)のいずれか1つに記載の内視鏡であって、
上記密閉空間の温度を検出する温度センサを備え、
上記記憶部は、上記温度センサにより検出された上記第一のタイミングにおける上記密閉空間の第一の温度を上記第一の圧力値と対応させて記憶する内視鏡。
【0089】
(5)
(4)記載の内視鏡であって、
上記第二の圧力値は、上記温度センサにより検出された上記第二のタイミングにおける上記密閉空間の第二の温度と上記第一の温度に基づいて補正される内視鏡。
【0090】
(6)
(1)から(5)のいずれか1つに記載の内視鏡と、
上記記憶部に記憶された上記第一の圧力値及び上記第一の検出時間情報と、上記第二の圧力値及び上記第二の検出時間情報とに基づいて、上記密閉空間の気密漏れを判定する気密漏れ判定部と、を備える内視鏡システム。
【0091】
(7)
(6)記載の内視鏡システムであって、
上記気密漏れ判定部は、上記第一の圧力値と上記第二の圧力値との差分が閾値以上となる場合に、上記密閉空間の気密漏れが発生していると判定し、上記第一の検出時間情報及び上記第二の検出時間情報に基づく上記第一のタイミングから上記第二のタイミングまでの経過時間に基づいて上記閾値を制御する内視鏡システム。
【0092】
(8)
(7)記載の内視鏡システムであって、
上記気密漏れ判定部は、上記経過時間が第一の値である場合には、上記経過時間が上記第一の値よりも短い第二の値である場合よりも、上記閾値を大きくする内視鏡システム。
【0093】
(9)
(6)から(8)のいずれか1つに記載の内視鏡システムであって、
上記気密漏れ判定部は、上記内視鏡に設けられる内視鏡システム。
【0094】
(10)
(6)から(8)のいずれか1つに記載の内視鏡システムであって、
上記気密漏れ判定部は、上記内視鏡と接続される内視鏡装置の本体部に設けられる内視鏡システム。
【0095】
(11)
密閉空間内部の圧力を検出する圧力センサと、上記密閉空間が大気圧に対し加圧又は減圧された状態の第一のタイミングにおいて上記圧力センサにより検出された第一の圧力値を、上記第一の圧力値の第一の検出時間情報と対応させて記憶する記憶部と、を有する内視鏡の気密漏れ判定方法であって、
上記第一のタイミングよりも後の第二のタイミングにて上記圧力センサによって検出された第二の圧力値及び上記第二の圧力値の第二の検出時間情報と、上記第一の圧力値及び上記第一の検出時間情報とに基づいて、上記密閉空間の気密漏れを判定する内視鏡の気密漏れ判定方法。
【0096】
(12)
密閉空間内部の圧力を検出する圧力センサと、上記密閉空間が大気圧に対し加圧又は減圧された状態の第一のタイミングにおいて上記圧力センサにより検出された第一の圧力値を、上記第一の圧力値の第一の検出時間情報と対応させて記憶する記憶部と、を有する内視鏡の気密漏れ判定プログラムであって、
上記第一のタイミングよりも後の第二のタイミングにて上記圧力センサによって検出された第二の圧力値及び上記第二の圧力値の第二の検出時間情報と、上記第一の圧力値及び上記第一の検出時間情報とに基づいて、上記密閉空間の気密漏れを判定するステップをコンピュータに実行させるための内視鏡の気密漏れ判定プログラム。
【符号の説明】
【0097】
100 内視鏡装置
200 内視鏡システム
1 内視鏡
2 本体部
20 ライトガイド
20a 照明用レンズ
21 対物レンズ
22 レンズ群
23 圧力センサ
24 記憶部
25 温度センサ
26 撮像素子
27 信号ケーブル
28 スコープ制御部
4 プロセッサ装置
42 信号処理部
43 表示制御部
44 システム制御部
5 光源装置
51 光源制御部
52 光源部
6 入力部
7 表示部
8 加圧装置
81 制御部
82 ポンプ
83 送気管
84 コネクタ
10 挿入部
10A 軟性部
10B 湾曲部
10C 先端部
10S 密閉空間
11 操作部
12 アングルノブ
13 ユニバーサルコード
13A,13B コネクタ部
図1
図2
図3
図4
図5
図6