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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-15
(45)【発行日】2022-08-23
(54)【発明の名称】不飽和アルコールを調製する方法
(51)【国際特許分類】
   C07C 29/38 20060101AFI20220816BHJP
   C07C 33/025 20060101ALI20220816BHJP
   B01J 29/70 20060101ALI20220816BHJP
   B01J 29/89 20060101ALI20220816BHJP
   C07B 61/00 20060101ALN20220816BHJP
【FI】
C07C29/38
C07C33/025
B01J29/70 Z
B01J29/89 Z
C07B61/00 300
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2019546333
(86)(22)【出願日】2018-02-27
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-03-26
(86)【国際出願番号】 EP2018054799
(87)【国際公開番号】W WO2018158244
(87)【国際公開日】2018-09-07
【審査請求日】2021-02-24
(31)【優先権主張番号】17158348.7
(32)【優先日】2017-02-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】508020155
【氏名又は名称】ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア
【氏名又は名称原語表記】BASF SE
【住所又は居所原語表記】Carl-Bosch-Strasse 38, 67056 Ludwigshafen am Rhein, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】110002572
【氏名又は名称】特許業務法人平木国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】パルヴレスク,アンドレイ-ニコラエ
(72)【発明者】
【氏名】ブル ロイク,ミリアム
(72)【発明者】
【氏名】ヴェルナー,アルベルト
(72)【発明者】
【氏名】ブルンナー,ベルンハルト
(72)【発明者】
【氏名】ジーゲル,ヴォルフガング
(72)【発明者】
【氏名】マウラー,シュテファン
(72)【発明者】
【氏名】ミューラー,ウルリヒ
(72)【発明者】
【氏名】レイコウスキ,ミヒャエル,ルートヴィヒ
【審査官】神谷 昌克
(56)【参考文献】
【文献】特開昭55-113732(JP,A)
【文献】Chemical Communications,2001年,No.11,pp.992-993,DOI 10.1039/b101843o
【文献】ARKIVOC,2007年,No.8,pp.40-48,DOI 10.3998/ark.5550190.0008.805
【文献】Journal of Industrial and Engineering Chemistry,2014年,Vol.20, No.6,pp.4146-4151,DOI 10.1016/j.jiec.2014.01.013
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07C
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(II)の化合物
【化1】
を調製する方法であって、
(i)ホルムアルデヒド及び式(I)の化合物
【化2】
を含む混合物を用意するステップ、
(ii)(i)において用意した混合物を、ゼオライト材料を含む縮合触媒と接触させて、式(II)の化合物を含む混合物(ii)を取得するステップを含み、
ここで、R1、R2及びR3は、H、置換されていてもよいC1~C10アルキル、置換されていてもよいC2~C10アルケニル、及び6から12個までの炭素原子を有する置換されていてもよいアリールからなる群から互いに独立して選択され、
(ii)におけるゼオライト材料の骨格構造が、Si、O、任意選択でAl、及びSi以外の四価元素Yを含み、前記Si以外の四価元素Yは、Sn、Ti、Zr及びGeのうちの1つ以上であり、(ii)におけるゼオライト材料の骨格構造において、モル比Al:Siが、0:1から0.001:1までの範囲内であり、
(ii)におけるゼオライト材料の骨格構造が、骨格型BEA、MFI、MWW、又はそれらの混合構造を有する、方法。
【請求項2】
Yが、Sn及びZrのうちの1つ以上である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
(ii)におけるゼオライト材料の骨格構造が、Yを、ゼオライト材料の総重量に対して、1から20重量%までの範囲内の量で含む、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
(ii)におけるゼオライト材料の骨格構造が、任意選択で含まれるAl以外の三価元素Xを含まない、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
(ii)におけるゼオライト材料の骨格構造の、少なくとも99重量%が、Si、Y、O及びHからなる、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
ゼオライト材料が、Snを、ゼオライト材料の総重量に対して、2から20重量%の範囲内の量で含む、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
(i)におけるホルムアルデヒドが、ホルムアルデヒド水溶液、トリオキサン及びパラホルムアルデヒドのうちの1つ以上である、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
(i)において用意した混合物において、式(I)の化合物の、CH2Oとして算出されるホルムアルデヒドに対するモル比が、1:1から12:1までの範囲内である、請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
(i)において用意した混合物が、溶媒をさらに含む、請求項1から8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
(ii)における接触させるステップが、60から150℃までの範囲内の混合物の温度で達成される、請求項1から9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
(ii)における接触させるステップが、液相で行われる、請求項1から10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
R1及びR2が、それぞれHであり、R3が、C1~C10アルキルである、請求項1から11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
ホルムアルデヒドと請求項1から12のいずれか一項に定義の式(I)の化合物との間の縮合反応のための触媒的に活性な材料としての、請求項1から12のいずれか一項に定義のゼオライト材料の使用であって、前記縮合反応の生成物が式(II)の化合物
【化3】
(式中、R1、R2及びR3は、請求項1又は12のいずれか一項に従って定義される通りである)
である、ゼオライト材料の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、式(II)の化合物、
【0002】
【化1】
好ましくは3-メチル-3-ブテン-1-オール(イソプレノール)を調製する方法であって、式(I)の化合物、
【0003】
【化2】
好ましくは2-メチルプロペン(イソブテン)を、ホルムアルデヒドと、アルミニウムフリーゼオライト材料及びSiに加えてSi以外の四価元素Yを含む縮合触媒を用いて接触させることによる、方法に関する。
【背景技術】
【0004】
イソプレノールは、3,7-ジメチル-2,6-オクタジエナール(シトラール)及び/又は3,7-ジメチル-2,6-オクタジエナールのE異性体(ゲラニアール)及び/又は3,7-ジメチル-2,6-オクタジエナールのZ異性体(ネラール)を調製するための、重要なモノマー性出発材料である。シトラール、ゲラニアール及びネラールは、香料化合物として一般的に使用される。
【0005】
非特許文献1は、イソプレノールを調製するためのホルムアルデヒド水溶液及びイソブテンのPrins反応において使用される、骨格構造型MCMを有するゼオライトを開示している。この反応において使用されるイソブテンのホルムアルデヒドに対するモル比は、21:1の極めて高い比率である。
【0006】
さらに、Prins反応を介するイソブテンからイソブテノールへの転化は、通常、高い圧力及び高い温度を必要とする。方法は、緩やかな条件下、高い転化率及び選択率で行われる場合にのみ、経済的に魅力的となる。
【0007】
非特許文献2は、MB-AC(3-メチルブタ-3-エン-1-オール)及びMBOH(3-メチルブタ-3-エン-1-オール)を生成するための、パラホルムアルデヒド、イソブテン及び酢酸の縮合エステル化のためのスズを組み込んだMCM-48触媒を開示している。
【0008】
非特許文献3は、ベンジルカルボニル(benzylic carbonyl)化合物の形成につながるホモベンジルアルコール(homobenzylic alcohol)の酸化中におけるPCC媒介性炭素-炭素結合開裂反応を開示している。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0009】
【文献】Komatsuら(Porous Material in Environmentally Friendly Processes、第125巻、1999)、507~514ページ
【文献】Zhaoyangら、Journal of Industrial and Engineering Chemistry、第20巻、2014、4146~4151ページ
【文献】Fernandesら、Tetrahedron Letters、第44巻、2003、1275~1278ページ
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
緩やかな条件中、より低い過剰の試薬を用いて行われ、さらに、高い選択率で高い転化率の所望生成物につながる、ホルムアルデヒド及びアルケン、例えば、イソブテンから出発して不飽和アルコールを調製するための、改善された触媒プロセスを開発することが、依然として必要である。したがって、本発明が対処する問題の1つは、ホルムアルデヒド及びアルケンから出発して、式(II)の化合物、例えば、イソプレノールを調製するための、改善された触媒プロセスを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
驚くべきことに、そのような改善された方法は、触媒的に活性な成分として特定のゼオライト材料を含む縮合を使用することによって提供され得ることが分かった。より詳細には、改善された方法は、収率、選択率及び転化率のパラメーターのうちの少なくとも1つ、特にすべての観点から、有利であることが分かった。本発明の方法は、さらに有利なことに、イソブテンのホルムアルデヒドに対する低いモル比を使用することを可能にする。さらに、本発明に記載の反応は、温度及び圧力の緩やかな条件で行うことができる。さらに、本発明の方法は、アルデヒド源として、パラホルムアルデヒド又は他のホルムアルデヒド源とは対照的に、工業規模の方法に対するはるかに高い妥当性を有する、ホルムアルデヒド水溶液を使用して行うことができることが分かった。
【0012】
したがって、本発明は、式(II)の化合物
【0013】
【化3】
を調製する方法であって、
(i)ホルムアルデヒド及び式(I)の化合物
【0014】
【化4】
を含む混合物を用意するステップ、
(ii)(i)において用意した混合物を、ゼオライト材料を含む縮合触媒と接触させて、式(II)の化合物を含む混合物(ii)を取得するステップを含み、
ここで、R1、R2及びR3は、H、場合により置換されているC1~C10アルキル、場合により置換されているC2~C10アルケニル、及び場合により置換されている、6から12個までの炭素原子を有するアリールからなる群から互いに独立して選択され、
(ii)におけるゼオライト材料の骨格構造が、Si、O、場合によりAl、並びにSn、Ti及びZrのうちの1つ以上である四価元素Yを含み、(ii)におけるゼオライト材料の骨格構造において、元素アルミニウム及びケイ素として算出されるモル比Al:Siが、0:1から0.001:1までの範囲内である、方法に関する。
【発明を実施するための形態】
【0015】
用語「C1~C10アルキル」は、本発明の文脈で使用される場合、その炭素原子鎖中に、1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10個の炭素原子を有する直鎖状又は分枝鎖状及び場合により好適に置換されているアルキル残基を指し、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、n-ペンチル、2-ペンチル、2-メチルブチル、3-メチルブチル、1,2-ジメチルプロピル、1,1-ジメチルプロピル、2,2-ジメチルプロピル、1-エチルプロピル、n-ヘキシル、2-ヘキシル、2-メチルペンチル、3-メチル-ペンチル、4-メチルペンチル、1,2-ジメチルブチル、1,3-ジメチルブチル、2,3-ジメチルブチル、1,1-ジメチルブチル、2,2-ジメチルブチル、3,3-ジメチルブチル、1,1,2-トリメチルプロピル、1,2,2-トリメチルプロピル、1-エチルブチル、2-エチルブチル、1-エチル-2-メチルプロピル、n-ヘプチル及びn-オクチルを含むがこれらに限定されない。
【0016】
用語「C2~C10アルケニル」は、本発明の文脈で使用される場合、その炭素原子鎖中に、2、3、4、5、6、7、8、9又は10個の炭素原子を有する直鎖状又は分枝鎖状及び場合により好適に置換されているアルケニル残基を指し、エテニル、2-プロペニル、2-ブテニル、3-ブテニル、2-ペンテニル及びその鎖異性体、2-ヘキセニル並びに2,4-ペンタジエニルを含むがこれらに限定されない。
【0017】
用語「6から12個までの炭素原子を有するアリール」は、本発明の文脈で使用される場合、フェニル、ナフチル、インダニル又は1,2,3,4-テトラヒドロナフチルを含むがこれらに限定されないことが理解される。
【0018】
用語「場合により置換されている」は、本発明の文脈で使用される場合、本発明の方法に記載の式(II)の化合物の形成を防止しない、式(I)の化合物に含まれる当業者に想定可能な任意の好適な置換基を含むがこれらに限定されないと理解されるべきである。好適な置換基は、例えば、F、Cl、I、Br、C1~C10アルキル、C2~C10アルケニル、及び6から12個までの炭素原子を有するアリールである。
【0019】
好ましくは、R1及びR2は、それぞれHであり、R3は、C1~C10アルキルである。より好ましくは、R1及びR2は、それぞれHであり、R3は、CH3である。したがって、式(I)及び(II)の化合物は、好ましくは、式(I')及び(II')の化合物:
【0020】
【化5】
である。
【0021】
したがって、本発明は、好ましくは、式(II')の化合物
【0022】
【化6】
を調製する方法であって、
(i)ホルムアルデヒド及び式(I')の化合物
【0023】
【化7】
を含む混合物を用意するステップ、
(ii)(i)において用意した混合物を、ゼオライト材料を含む縮合触媒と接触させて、式(II')の化合物を含む混合物を取得するステップを含み、
ここで、(ii)におけるゼオライト材料の骨格構造が、Si、O、場合によりAl、並びにSn、Ti及びZrのうちの1つ以上である四価元素Yを含み、(ii)におけるゼオライト材料の骨格構造において、元素アルミニウム及びケイ素として算出されるモル比Al:Siが、0:1から0.001:1までの範囲内である、方法に関する。
【0024】
用語「縮合」は、本発明の文脈で使用される場合、不飽和アルコール、本発明の場合は式(II)の化合物が、ホルムアルデヒドの式(I)のアルケンへの添加によって形成される、オレフィン-アルデヒド縮合反応として理解されるべきである。好ましい縮合反応は、Prins縮合反応、不飽和アルコールをもたらすアルデヒドのアルケンとの触媒された縮合反応である。
【0025】
好ましくは、本発明に記載の方法の少なくともステップ(ii)は、連続モードで行われる。ステップ(i)が連続モードで行われ、ステップ(ii)が連続モードで行われる場合、ステップ(i)及び(ii)を含む方法は、連続法である。ステップ(i)がバッチモードで行われ、ステップ(ii)が連続モードで行われる場合、ステップ(i)及び(ii)を含む方法は、半連続法である。
【0026】
本発明に記載の方法のステップ(i)において、ホルムアルデヒド及び式(I)の化合物を含む混合物が用意される。
【0027】
好ましくは、ホルムアルデヒドは、ホルムアルデヒド水溶液、トリオキサン及びパラホルムアルデヒドのうちの1つ以上として用意される。トリオキサンは、ホルムアルデヒドの三量体化によって形成されるアセタールの群のヘテロ環式化合物である。パラホルムアルデヒドは、典型的には8から100までの重合度を有する、ホルムアルデヒドの短鎖ポリマーである。より好ましくは、ホルムアルデヒドは、ホルムアルデヒド水溶液として用意される。より好ましくは、ホルムアルデヒド水溶液は、CH2Oとして算出されるホルムアルデヒドを、ホルムアルデヒド水溶液の総重量に対して、30から80重量%(weight-%)までの範囲内、より好ましくは45から75重量%までの範囲内、より好ましくは60から70重量%までの範囲内の量で含む。
【0028】
式(I)の化合物、例えば、イソブテンは、一般に、市販されている。
【0029】
(i)の混合物は、原理上、式(II)の化合物を取得するために好適な、式(I)の化合物の、CH2Oとして算出されるホルムアルデヒドに対する任意のモル比を有し得る。好ましくは、(i)において用意した混合物における、式(I)の化合物の、CH2Oとして算出されるホルムアルデヒドに対するモル比は、1:1から12:1までの範囲内、好ましくは5:1から11.5:1までの範囲内、より好ましくは9:1から10:1までの範囲内である。より好ましくは、(i)において用意した混合物における、式(I)の化合物とCH2Oとして算出されるホルムアルデヒドとのモル比は、1:1から9:1までの範囲内、より好ましくは1:1から7:1までの範囲内、より好ましくは1:1から6:1までの範囲内、より好ましくは1.5:1から5.1:1までの範囲内、より好ましくは1.7:1から5:1までの範囲内、より好ましくは2:1から5:1までの範囲内、より好ましくは2.5:1から5:1までの範囲内である。
【0030】
(i)において用意し(ii)において縮合触媒と接触させた混合物は、酢酸を、0から500重量ppmまでの範囲内、好ましくは0から250重量ppmまでの範囲内、より好ましくは0から100重量ppmまでの範囲内の量で含有することが好ましい。より好ましくは、(i)において用意し(ii)において縮合触媒と接触させた混合物は、酢酸を含まない。
【0031】
したがって、本発明は、好ましくは、式(II')の化合物
【0032】
【化8】
を調製する方法であって、
(i)ホルムアルデヒド水溶液及び式(I')の化合物
【0033】
【化9】
(ここで、式(I)の化合物の、CH2Oとして算出されるホルムアルデヒドに対するモル比が、1:1から12:1までの範囲内である)を含む混合物を用意するステップ、
(ii)(i)において用意した混合物を、ゼオライト材料を含む縮合触媒と接触させて、式(II')の化合物を含む混合物を取得するステップを含み、
ここで、(ii)におけるゼオライト材料の骨格構造が、Si、O、場合によりAl、並びにSn、Ti及びZrのうちの1つ以上である四価元素Yを含み、(ii)におけるゼオライト材料の骨格構造において、元素アルミニウム及びケイ素として算出されるモル比Al:Siが、0:1から0.001:1までの範囲内である、方法に関する。
【0034】
原理上、(i)の混合物は、本発明に記載の方法に好適な任意の温度で用意され得る。したがって、(i)において用意した混合物は、例えば、室温に相当する温度で用意され得、又はそうでなければ、ゼオライト材料を含む縮合触媒と接触して式(II)の化合物を含む混合物を取得する前に、加熱され得る。(i)の混合物の個々の成分又はすべての成分が、本発明に記載の方法に不必要に高い温度を別様に有するであろう場合、(i)の混合物は、本発明に記載の方法に好適な温度に冷却されることが、同様に想定可能である。好ましくは、(i)において用意した混合物は、(ii)に記載のゼオライト材料を含む縮合触媒と接触する前に、50から150℃までの範囲内の温度にされる。より好ましくは、(i)において用意した混合物は、(ii)に記載のゼオライト材料を含む縮合触媒と接触する前に、80から120℃までの範囲内、より好ましくは95から110℃までの範囲内の温度にされる。
【0035】
式(I)の化合物及びホルムアルデヒドに加えて、(i)において用意した混合物は、さらなる成分を含むことができる。例えば、(i)において用意した混合物は、1つ以上の溶媒を含み得る。当業者に公知であるすべての好適な溶媒を使用することが可能である。好ましくは、溶媒は、3-メチル-2-ブテン-1-オール(プレノール)、エチルヘキサノール、メタノール、アセトニトリル、酢酸エチル、tert-ブタノール、水及びアセトンのうちの1つ以上である。より好ましくは、溶媒は、水、tert-ブタノール及び酢酸エチルのうちの1つ以上である。より好ましくは、溶媒は、tert-ブタノール、又はtert-ブタノールと水との混合物である。
【0036】
したがって、本発明は、好ましくは、式(II)の化合物
【0037】
【化10】
を調製する方法であって、
(i)ホルムアルデヒド水溶液、溶媒及び式(I)の化合物
【0038】
【化11】
(ここで、式(I)の化合物の、CH2Oとして算出されるホルムアルデヒドに対するモル比が、1:1から12:1までの範囲内であり、溶媒が、3-メチル-2-ブテン-1-オール(プレノール)、エチルヘキサノール、メタノール、アセトニトリル、酢酸エチル、tert-ブタノール、水及びアセトンのうちの1つ以上である、より好ましくは、溶媒が、水、tert-ブタノール及び酢酸エチルのうちの1つ以上である、好ましくは、溶媒が、tert-ブタノール、又はtert-ブタノールと水との混合物である)
を含む混合物を用意するステップ、
(ii)(i)において用意した混合物を、ゼオライト材料を含む縮合触媒と接触させて、式(II)の化合物を含む混合物を取得するステップを含み、
ここで、(ii)におけるゼオライト材料の骨格構造が、Si、O、場合によりAl、並びにSn、Ti及びZrのうちの1つ以上である四価元素Yを含み、(ii)におけるゼオライト材料の骨格構造において、元素アルミニウム及びケイ素として算出されるモル比Al:Siが、0:1から0.001:1までの範囲内である、方法に関する。
【0039】
したがって、本発明は、好ましくは、式(II')の化合物
【0040】
【化12】
を調製する方法であって、
(i)ホルムアルデヒド水溶液、溶媒及び式(I')の化合物
【0041】
【化13】
(ここで、式(I')の化合物の、CH2Oとして算出されるホルムアルデヒドに対するモル比が、1:1から12:1までの範囲内であり、溶媒が、tert-ブタノール、又はtert-ブタノールと水との混合物である)
を含む混合物を用意するステップ、
(ii)(i)において用意した混合物を、ゼオライト材料を含む縮合触媒と接触させて、式(II')の化合物を含む混合物を取得するステップを含み、
ここで、(ii)におけるゼオライト材料の骨格構造が、Si、O、場合によりAl、並びにSn、Ti及びZrのうちの1つ以上である四価元素Yを含み、(ii)におけるゼオライト材料の骨格構造において、元素アルミニウム及びケイ素として算出されるモル比Al:Siが、0:1から0.001:1までの範囲内である、方法に関する。
【0042】
溶媒は、例えば、新鮮な溶媒として方法に供給され得る。1つ以上の再利用ステップを活用して、方法内で溶媒を再利用することが同様に可能である。溶媒の一部を新鮮な溶媒として方法に供給すること、及び1つ以上の再利用ステップを活用して、方法内で溶媒のさらなる部分を再利用することが同様に可能である。
【0043】
好ましくは、CH2Oとして算出される(i)において用意した混合物におけるホルムアルデヒドの、溶媒に対する量は、1から50重量%までの範囲内、より好ましくは1から20重量%までの範囲内である。
【0044】
好ましくは、(i)において用意した混合物は、液体混合物として用意される。
【0045】
(ii)に記載のゼオライト材料の骨格構造は、Si、O及びHを含む。加えて、(ii)に記載のゼオライト材料の骨格構造は、元素Al及びSiとして算出されるモルAl:Si比を、0:1から0.001:1までの範囲内で有する。好ましくは、(ii)におけるゼオライト材料の骨格構造は、モルAl:Si比を、0:1から0.0001:1までの範囲内、より好ましくは0:1から0.00001:1までの範囲内、より好ましくは0:1から0.000001:1までの範囲内で有する。好ましくは、(ii)におけるゼオライト材料の骨格構造は、アルミニウムを含まない。用語「アルミニウムを含まない」は、本発明のこの文脈で使用される場合、アルミニウムが、ゼオライト材料中に、たとえあるとしても、微量、すなわち不可避の不純物の形態で、存在することを意味する。
【0046】
(ii)に記載のゼオライト材料の骨格構造は、Si、O、H及び場合によりAlに加えて、Sn、Ti及びZrのうちの1つ以上である四価元素Yを含む。(ii)に記載のゼオライト材料の骨格構造の少なくとも99重量%、より好ましくは少なくとも99.5重量%、より好ましくは少なくとも99.9重量%は、Si、Y、O及びHからなることが好ましい。例えば、(ii)に記載のゼオライト材料の骨格構造の少なくとも99.95重量%又は少なくとも99.99重量%は、Si、Y、O及びHからなる。
【0047】
好ましくは、(ii)に記載のゼオライト材料の骨格構造における四価元素Yの量は、ゼオライト材料の総重量に対して、0,5から20重量%までの範囲内、より好ましくは1から18重量%までの範囲内、より好ましくは1,5から17重量%までの範囲内、より好ましくは4から16重量%までの範囲内である。
【0048】
骨格構造は、Bである三価元素Xを含まない、より好ましくはB、In、Ga及びFeのうちの1つ以上である三価元素Xを含まない、より好ましくは場合により含まれるAl以外の三価元素Xを含まないことがさらに好ましい。本発明の文脈において、用語「場合により含まれるAl以外の元素Xなし」は、三価元素Xの量が、0から1重量%までの範囲内、好ましくは0から0.1重量%までの範囲内、より好ましくは0から0.01重量%までの範囲内であるというように理解されるべきである。用語「元素Xなし」は、本発明のこの文脈で使用される場合、元素Xが、ゼオライト材料中に、たとえあるとしても、微量、すなわち不可避の形態で、存在することを意味する。
【0049】
ゼオライト材料は、本出願の文脈において、角が連結している四面体から形成された三次元骨格構造を有する、自然発生の又は合成的に生成された微孔性結晶材料である。好ましくは、(ii)に記載のゼオライト材料は、ブレンステッド及び/又はルイス酸点を含む酸点を有する。したがって、(ii)に記載のゼオライト材料は、好ましくは、1つの脱離最大を、本明細書の参考例1.4において記述されている通りのNH3(NH3-TPD)による昇温脱離によって取得されるその脱離スペクトルで有する。好ましくは、(ii)に記載のゼオライト材料は、NH3による昇温脱離において、0から250℃までの温度範囲内の脱離最大を有する。本発明のゼオライト材料は、より好ましくは、NH3による昇温脱離において、250℃を上回るアンモニア脱離を有さない。いかなる理論にも縛られることなく、0から250℃までの範囲内の温度内で脱離最大を呈するゼオライト材料を含む触媒を使用することにより、反応の選択率が改善されることが分かっている。
【0050】
したがって、本発明は、式(II)の化合物
【0051】
【化14】
を調製する方法であって、
(i)ホルムアルデヒド及び式(I)の化合物
【0052】
【化15】
を含む混合物を用意するステップ、
(ii)(i)において用意した混合物を、ゼオライト材料を含む縮合触媒と接触させて、式(II)の化合物を含む混合物(ii)を取得するステップを含み、
ここで、R1、R2及びR3は、H、場合により置換されているC1~C10アルキル、場合により置換されているC2~C10アルケニル、及び6から12個までの炭素原子を有する場合により置換されているアリールからなる群から互いに独立して選択され、
(ii)におけるゼオライト材料の骨格構造が、Si、O、場合によりAl、並びにSn、Ti及びZrのうちの1つ以上である四価元素Yを含み、(ii)におけるゼオライト材料の骨格構造において、元素アルミニウム及びケイ素として算出されるモル比Al:Siが、0:1から0.001:1までの範囲内であり、(ii)に記載のゼオライト材料が、参考例1.4に従って測定される通り、NH3による昇温脱離において0から250℃までの温度範囲内の脱離最大を有する、方法に関する。好ましくは、式(II)の化合物は式(II')の化合物であり、式(I)の化合物は式(I')の化合物である、方法に関する。
【0053】
好ましくは、(ii)に記載のゼオライト材料は、10員環細孔、又は12員環細孔、又は10員環細孔及び12員環細孔を含み、好ましくはそれらからなる。好ましくは、(ii)に記載のゼオライト材料の骨格構造は、骨格型BEA、MFI、MWW、MEL、MEL/MFI、GME、MOR、MTT、MTW、FER若しくはCON又はそれらの混合構造、或いはこれらの構造の混合物を含み、好ましくは有する。より好ましくは、(ii)に記載のゼオライト材料の骨格構造は、骨格型BEA若しくはMFI若しくはMWW又はそれらの混合構造、或いはこれらの構造の混合物を含み、好ましくは有する。より好ましくは、(ii)に記載のゼオライト材料の骨格構造は、骨格型BEAを含み、好ましくは有する。
【0054】
したがって、本発明は、好ましくは、式(II')の化合物
【0055】
【化16】
を調製する方法であって、
(i)ホルムアルデヒド水溶液、溶媒及び式(I')の化合物
【0056】
【化17】
(ここで、式(I)の化合物の、CH2Oとして算出されるホルムアルデヒドに対するモル比が、1:1から12:1までの範囲内であり、溶媒が、tert-ブタノール、又はtert-ブタノールと水との混合物である)を含む混合物を用意するステップ、
(ii)(i)において用意した混合物を、ゼオライト材料を含む縮合触媒と接触させて、式(II')の化合物を含む混合物を取得するステップを含み、
ここで、(ii)におけるゼオライト材料の骨格構造が、Si、O、場合によりAl、並びにSn、Ti及びZrのうちの1つ以上である四価元素Yを含み、(ii)におけるゼオライト材料の骨格構造において、元素アルミニウム及びケイ素として算出されるモル比Al:Siが、0:1から0.001:1までの範囲内であり、(ii)におけるゼオライト材料が、BEA、MFI及びMWWのうちの1つ以上である骨格型を有する、方法に関する。
【0057】
本発明の好ましい実施形態によれば、(ii)に記載のゼオライト材料は、骨格型BEAを含み、好ましくは有する。好ましくは、Yは、Snを含み、より好ましくはSnである。
【0058】
したがって、本発明は、好ましくは、式(II')の化合物
【0059】
【化18】
を調製する方法であって、
(i)ホルムアルデヒド水溶液、溶媒及び式(I')の化合物
【0060】
【化19】
(ここで、式(I)の化合物の、CH2Oとして算出されるホルムアルデヒドに対するモル比が、1:1から12:1までの範囲内であり、溶媒が、tert-ブタノール、又はtert-ブタノールと水との混合物である)を含む混合物を用意するステップ、
(ii)(i)において用意した混合物を、骨格型BEAを有するゼオライト材料を含む縮合触媒と接触させて、式(II')の化合物を含む混合物を取得するステップを含み、
ここで、(ii)におけるゼオライト材料の骨格構造が、Si、O、場合によりAl、及びSnである四価元素Yを含み、(ii)におけるゼオライト材料の骨格構造において、元素アルミニウム及びケイ素として算出されるモル比Al:Siが、0:1から0.001:1までの範囲内である、方法に関する。
【0061】
骨格型BEAのゼオライト材料は、好ましくはY、より好ましくはSnを、ゼオライト材料の総重量に対して、1から20重量%までの範囲内、より好ましくは2から18重量%までの範囲内、より好ましくは3から17重量%までの範囲内、より好ましくは4から16重量%までの範囲内、より好ましくは10から14重量%までの範囲内の量で含む。好ましくは、骨格型BEAの骨格構造は、Snは別として、いかなるさらなる四価元素Yも含まない。骨格型BEAを有しSnを含む好ましいゼオライト材料は、国際公開第2015/067654号において開示されている。これらの材料は、好ましくは、骨格型BEAを有するホウ素含有ゼオライト材料の脱ホウ素化、続いて、スズを脱ホウ素化材料に導入すること及び酸処理によって調製され、ここで、酸処理は、最大で5のpHを有する水溶液を用いて行われる。
【0062】
故に、Snを含む骨格型BEAを有するゼオライト材料は、
(1)Si及びO及びYを含むBEA骨格構造を有するゼオライト材料を用意するステップであって、Yが、四価元素Snであり、前記BEA骨格構造が、空の四面体骨格部位を有する、ステップ、
(2)スズイオン源を固体形態で用意するステップ、
(3)(1)において用意したゼオライト材料を(2)において用意したスズイオン源と固体イオン交換条件下で接触させることによって、(1)において用意したゼオライト材料にスズを組み込んで、BEA骨格構造を有するスズ含有ゼオライト材料を取得するステップ、
(4)(3)から取得されたゼオライト材料を熱処理に供するステップ、
(5)(4)から取得された熱処理したゼオライト材料を、最大で5のpHを有する水溶液で処理するステップを含む、方法によって調製され得る。
【0063】
(1)のゼオライト材料は、例えば、BEA骨格を有する脱ホウ素化ゼオライト材料であってもよい。骨格型BEAを有する脱ホウ素化ゼオライト材料の調製は、国際公開第2015/067654号の参考例5及び6において開示されている。BEA骨格を有するスズ含有ゼオライト材料の調製は、例えば、国際公開第2015/067654号の比較例1から4において開示されており、BEA骨格を有するスズ含有ゼオライト材料の酸処理は、国際公開第2015/067654号の実施例1から4において開示されている。
【0064】
それ故、本発明によれば、好ましいゼオライト材料は、骨格型BEA構造型を有し、Snである四価元素Yを含み、Bをさらに含み、モル比B:Siが、好ましくは0.0018:1から0.006:1までの範囲内であり、好ましくはゼオライト材料の骨格構造の少なくとも99重量%が、Si、B、Sn、O及びHからなり、ゼオライト材料が、本明細書の参考例1.3において記述される通りに決定され、好ましくは最大で12重量%、より好ましくは最大で10重量%の水分吸着を有し、このゼオライト材料が、好ましくは、本明細書の参考例1.2において記述される通りに決定される、(21.5±0.2)°、(22.6±0.2)°、(25.5±0.2)°、(26.6±0.2)°、(28.8±0.2)°、(29.7±0.2)°、(32.2±0.2)°、(34.0±0.2)°、(37.9±0.2)°の2シータ値においてピークを呈するXRDスペクトルを有する。
【0065】
本発明のさらに好ましい実施形態によれば、(ii)に記載のゼオライト材料は、骨格型MFIを含み、好ましくは有する。好ましくは、ゼオライト材料は、Zrであるか又はYがSn及びTiであるかのどちらかであるYを含み、したがって、(ii)に記載のゼオライト材料は、骨格型MFIを含み、好ましくは有し、より好ましくはZr-MFI及びSn-Ti-MFIのうちの1つ以上である。好ましくは、骨格型MFIの骨格構造は、Zr又はSn及びTiの両方は別として、いかなるさらなる四価元素Yも含まない。
【0066】
したがって、本発明は、好ましくは、式(II')の化合物
【0067】
【化20】
を調製する方法であって、
(i)ホルムアルデヒド水溶液、溶媒及び式(I')の化合物
【0068】
【化21】
(ここで、式(I)の化合物の、CH2Oとして算出されるホルムアルデヒドに対するモル比が、1:1から12:1までの範囲内であり、溶媒が、tert-ブタノール、又はtert-ブタノールと水との混合物である)を含む混合物を用意するステップ、
(ii)(i)において用意した混合物を、骨格型MFIを有するゼオライト材料を含む縮合触媒と接触させて、式(II')の化合物を含む混合物を取得するステップを含み、
ここで、(ii)におけるゼオライト材料の骨格構造が、Si、O、場合によりAl、並びにZrであるか又はYがSn及びTiである四価元素Yを含み、(ii)におけるゼオライト材料の骨格構造において、元素アルミニウム及びケイ素として算出されるモル比Al:Siが、0:1から0.001:1までの範囲内である、方法に関する。
【0069】
本発明のさらに好ましい実施形態によれば、(ii)に記載のゼオライト材料は、骨格型MWWを含み、好ましくは有する。好ましくは、ゼオライト材料は、Sn及びTiのうちの1つであるYを含み、したがって、(ii)に記載のゼオライト材料は、骨格型MWWを含み、好ましくは有し、より好ましくはSn-MWW及びTi-MWWのうちの1つ以上である。好ましくは、骨格型MWWの骨格構造は、Sn又はTiは別として、いかなるさらなる四価元素Yも含まない。
【0070】
したがって、本発明は、好ましくは、式(II')の化合物
【0071】
【化22】
を調製する方法であって、
(i)ホルムアルデヒド水溶液、溶媒及び式(I')の化合物
【0072】
【化23】
(ここで、式(I)の化合物の、CH2Oとして算出されるホルムアルデヒドに対するモル比が、1:1から12:1までの範囲内であり、溶媒が、tert-ブタノール、又はtert-ブタノールと水との混合物である)を含む混合物を用意するステップ、
(ii)(i)において用意した混合物を、骨格型MWWを有するゼオライト材料を含む縮合触媒と接触させて、式(II')の化合物を含む混合物を取得するステップを含み、
ここで、(ii)におけるゼオライト材料の骨格構造が、Si、O、場合によりAl、及びSn又はTiである四価元素Yを含み、(ii)におけるゼオライト材料の骨格構造において、元素アルミニウム及びケイ素として算出されるモル比Al:Siが、0:1から0.001:1までの範囲内である、方法に関する。
【0073】
一般に、(ii)に記載のゼオライト材料は、1つ以上の余分な骨格元素Z、例えば、Ti、Zr、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Mn、Fe、Co、Ni、Zn、Ga、Ge、In、Sn、Pb、P、N、S、Li、Na、K、Rb、Cs、Be、Mg、Ca、Sr、Caを含み得ることが想定可能であり得る。(ii)に記載の所与のゼオライト材料が、余分な骨格元素を含む場合、この元素は、骨格を構成する元素のうちの1つ、より好ましくは1つ以上のTi、Sn及びZrであることが好ましい。
【0074】
追加で、(ii)に記載の縮合触媒は、ゼオライト材料に加えてバインダー材料をさらに含むことが可能である。可能なバインダー材料は、当業者に公知であり、本明細書でバインダー材料として使用することができ、たとえあるとしても、わずかな程度のみ又は触媒の希釈をもたらす程度までのみ、触媒に影響する、すべての材料を含む。
【0075】
好ましくは、バインダー材料は、グラファイト、シリカ、チタニア、ジルコニア、それらの1つ又は2つの混合物、並びにSi、Ti及びZrのうちの2つ以上の混合酸化物のうちの1つ以上であり、バインダー材料は、好ましくは、グラファイト、シリカ、チタニア及びジルコニアのうちの1つ以上であり、より好ましくは、バインダー材料は、ジルコニア又はシリカである。(ii)におけるゼオライト材料とバインダー材料との重量比は、原理上、いかなる制限も受けない。概して、(ii)におけるゼオライト材料とバインダー材料との重量比は、15:1から3:1までの範囲内、好ましくは9:1から4:1までの範囲内であり得る。
【0076】
(ii)に記載の縮合触媒は、(ii)におけるゼオライト材料及びバインダー材料に加えて、好適なさらなる成分も含み得る。好ましくは、(ii)に記載の縮合触媒の、少なくとも50重量%、より好ましくは少なくとも75重量%、より好ましくは少なくとも90重量%、より好ましくは少なくとも95重量%、より好ましくは少なくとも97重量%、より好ましくは少なくとも98重量%、より好ましくは少なくとも99重量%、例えば、少なくとも99.5重量%又は少なくとも99.9重量%は、ゼオライト材料及び場合によりバインダーからなる。
【0077】
(ii)における縮合触媒は、成形した触媒であってもよい。(ii)における縮合触媒は、本発明に記載の方法の性能に好適な任意の形態であってもよい。その結果、(ii)における縮合触媒は、粉末形態、噴霧粉末の形態、又は噴霧顆粒の形態であってもよい。同様に、縮合触媒は、成形体の形態であってもよい。縮合触媒が成形体の形態である場合、好ましくは、長方形、三角形、六角形、正方形、楕円形若しくは円形断面に成形される、及び/又は星、平板、球若しくは中空円筒の形態である。
【0078】
(ii)によれば、(i)に記載の混合物を、ゼオライト材料を含む縮合触媒と接触させて、式(II)の化合物を含む混合物を取得する。(ii)から取得された混合物は、完全に気体形態で、完全に液体形態で、又は少なくとも1つの成分が気体形態であり、少なくとも1つの成分が液体形態である形態で、存在してもよい。好ましくは、ステップ(ii)における(i)の混合物は、完全に液体形態で取得される。
【0079】
好ましくは、(ii)における接触させるステップは、60から150℃までの範囲内、より好ましくは70から115℃までの範囲内、より好ましくは75から105℃までの範囲内の混合物の温度で達成される。この温度は、(ii)における反応に使用されるそれぞれの反応器内の液相の最高温度として理解されるべきである。好ましくは、(ii)における接触させるステップは、0.01から40バール(絶対)までの範囲内、さらに好ましくは0.01から25バール(絶対)までの範囲内、さらに好ましくは0.05から20バール(絶対)までの範囲内の混合物の絶対圧力で達成される。より好ましくは、(ii)における接触させるステップは、75から105℃までの範囲内の温度及び0.05から20バール(絶対)の圧力で達成される。
【0080】
本発明に記載の方法の(ii)における接触させるステップに関して、空間速度(単位時間当たりの重量空間速度、WHSV)は、好ましくは、転化率、選択率、収率、反応器形状、反応器寸法及び方法体制の有利なバランスが取得されるように選択される。本発明の文脈において、単位時間当たりの重量空間速度は、(i)において用意した混合物に含まれる、CH2Oとして算出される質量流量ホルムアルデヒド(単位kg/時)を、(i)において用意した混合物が(ii)で接触している縮合触媒に含まれるゼオライト材料の質量(単位kg)で割ったものを意味すると理解される。したがって、空間速度は、単位(1/時間)を有する。好ましくは、本方法における空間速度(単位時間当たりの重量空間速度、WHSV)は、0.1から1.0h-1まで、より好ましくは0.15から0.6h-1までの範囲内である。
【0081】
したがって、本発明は、好ましくは、式(II')の化合物
【0082】
【化24】
を調製する方法であって、
(i)ホルムアルデヒド水溶液、溶媒及び式(I')の化合物
【0083】
【化25】
(ここで、式(I)の化合物の、CH2Oとして算出されるホルムアルデヒドに対するモル比が、1:1から12:1までの範囲内であり、溶媒が、tert-ブタノール、又はtert-ブタノールと水との混合物である)
を含む混合物を用意するステップ、
(ii)(i)において用意した混合物を、ゼオライト材料を含む縮合触媒と、75から105℃までの範囲内の温度及び0.05から20バール(絶対)の圧力で接触させて、式(II')の化合物を含む混合物を取得するステップを含み、
ここで、(ii)におけるゼオライト材料の骨格構造が、Si、O、場合によりAl、並びにSn、Ti及びZrのうちの1つ以上である四価元素Yを含み、(ii)におけるゼオライト材料の骨格構造において、元素アルミニウム及びケイ素として算出されるモル比Al:Siが、0:1から0.001:1までの範囲内である、方法に関する。
【0084】
したがって、本発明は、より好ましくは、式(II')の化合物
【0085】
【化26】
を調製する方法であって、
(i)ホルムアルデヒド水溶液、溶媒及び式(I')の化合物
【0086】
【化27】
(ここで、式(I)の化合物の、CH2Oとして算出されるホルムアルデヒドに対するモル比が、1:1から12:1までの範囲内であり、溶媒が、tert-ブタノール、又はtert-ブタノールと水との混合物である)を含む混合物を用意するステップ、
(ii)(i)において用意した混合物を、ゼオライト材料を含む縮合触媒と、75から105℃までの範囲内の温度及び0.05から20バール(絶対)の圧力で接触させて、式(II')の化合物を含む混合物を取得するステップを含み、
ここで、(ii)におけるゼオライト材料の骨格構造が、Si、O、場合によりAl、並びにSn、Ti及びZrのうちの1つ以上である四価元素Yを含み、(ii)におけるゼオライト材料の骨格構造において、元素アルミニウム及びケイ素として算出されるモル比Al:Siが、0:1から0.001:1までの範囲内であり、
(ii)におけるゼオライト材料が、BEA、MFI及びMWWのうちの1つ以上である骨格型を有する、方法に関する。
【0087】
より好ましくは、本発明は、より好ましくは、式(II')の化合物
【0088】
【化28】
を調製する方法であって、
(i)ホルムアルデヒド水溶液、溶媒及び式(I')の化合物
【0089】
【化29】
(ここで、式(I)の化合物の、CH2Oとして算出されるホルムアルデヒドに対するモル比が、1:1から12:1までの範囲内であり、溶媒が、tert-ブタノール、又はtert-ブタノールと水との混合物である)を含む混合物を用意するステップ、
(ii)(i)において用意した混合物を、骨格型BEAを有するゼオライト材料を含む縮合触媒と、75から105℃までの範囲内の温度及び0.05から20バール(絶対)の圧力で接触させて、式(II')の化合物を含む混合物を取得するステップを含み、
ここで、(ii)におけるゼオライト材料の骨格構造が、Si、O、場合によりAl、及びSnである四価元素Yを含み、(ii)におけるゼオライト材料の骨格構造において、元素アルミニウム及びケイ素として算出されるモル比Al:Siが、0:1から0.001:1までの範囲内である、方法に関する。
【0090】
本発明の方法において、選択率は高いことが分かっている。(ii)に記載の接触させるステップの選択率S30は、少なくとも35%、好ましくは少なくとも40%、より好ましくは少なくとも50%、より好ましくは少なくとも60%、より好ましくは少なくとも70%であることが分かっており、ここで、選択率S30は、30時間の(ii)における接触時間後に測定される選択率として定義され、選択率は、(i)において用意し(ii)に記載の縮合触媒と接触させた混合物に含まれるホルムアルデヒドのモル量に対する、(ii)で取得された混合物に含まれる式(II)の化合物のモル量として定義される。
【0091】
(ii)に記載の接触させるステップの選択率S50は、少なくとも35%、好ましくは少なくとも40%、より好ましくは少なくとも50%、より好ましくは少なくとも60%、より好ましくは少なくとも70%であることがさらに分かっている。選択率S50は、50時間の(ii)における接触時間後に測定される選択率として定義され、選択率は、(i)において用意し(ii)に記載の縮合触媒と接触させた混合物に含まれるホルムアルデヒドのモル量に対する、(ii)で取得された混合物に含まれる式(II)の化合物のモル量として定義される。
【0092】
(ii)に記載の接触させるステップの選択率S100は、少なくとも35%、好ましくは少なくとも40%、より好ましくは少なくとも50%、より好ましくは少なくとも60%、より好ましくは少なくとも70%であることがさらに分かっている。選択率S100は、100時間の(ii)における接触時間後に測定される選択率として定義され、選択率は、(i)において用意し(ii)に記載の縮合触媒と接触させた混合物に含まれるホルムアルデヒドのモル量に対する、(ii)で取得された混合物に含まれる式(II)の化合物のモル量として定義される。
【0093】
有利なことに、本発明の方法は、ホルムアルデヒドの高い転化率で行われる。ホルムアルデヒドの転化率C30は、少なくとも80%、好ましくは少なくとも90%であることが分かっている。転化率C30は、30時間後の(ii)における接触時間でのホルムアルデヒドの転化率として定義される。ホルムアルデヒドの転化率C50は、少なくとも80%、好ましくは少なくとも90%であり、ここで、転化率C50は、50時間後の(ii)における接触時間での転化率として定義される。ホルムアルデヒドの転化率C100は、少なくとも80%、好ましくは少なくとも90%であり、ここで、転化率C100は、100時間後の(ii)における接触時間でのホルムアルデヒドの転化率として定義される。
【0094】
本発明に記載の方法は、ステップ(i)及び(ii)に加えて、1つ以上のさらなるステップを含んでもよい。例えば、本発明に記載の方法は、(ii)において使用した縮合触媒の再生をさらに含む。この文脈において、触媒を、室温と比べて上昇した温度で、好適なガス雰囲気中、好適な期間にわたって再生することは、想定可能であり得る。さらに、本発明に記載の方法は、(ii)から取得された混合物中に転化されていない形態で存在し得る式(I)の化合物の再利用を追加で含む。
【0095】
本発明は、式(II)の化合物
【0096】
【化30】
(式中、R1、R2及びR3は、上記で定義されている通りである)
を含む混合物であって、上述した通りの方法によって取得可能な又は取得される混合物をさらに目的としている。
【0097】
本発明は、縮合反応のための触媒的に活性な材料として、好ましくはアルデヒド/アルケン縮合反応のための触媒的に活性な材料として、好ましくはPrins縮合反応における触媒的に活性な材料としての、上記で定義されている通りのゼオライト材料の使用であって、前記縮合反応の生成物が好ましくは式(II)の化合物
【0098】
【化31】
(式中、R1、R2及びR3は、上記で定義されている通りである)
である、ゼオライト材料の使用をさらに目的としている。
【0099】
本発明は、モノマー性、オリゴマー性又はポリマー性化合物を調製するための出発材料としての、好ましくはモノマー性、オリゴマー性又はポリマー性化合物を調製するための出発材料としての、好ましくは香料、好ましくは3,7-ジメチル-2,6-オクタジエナール(シトラール)、2-イソブチル-4-ヒドロキシ-4-メチルテトラヒドロプロパン(ピラノール)のうちの1つ以上を調製するための出発材料としての、又は水硬性バインダーのための流動化剤として好適なコポリマーの成分としてイソプレノールポリエーテル誘導体を調製するための出発材料としての、上述した通りの(ii)から取得された混合物に含まれる式(II)の化合物の式(II)の化合物
【0100】
【化32】
(式中、R1、R2及びR3は、上記で定義されている通りである)の、使用をさらに目的としている。好ましくは、式(II)の化合物は、3,7-ジメチル-2,6-オクタジエナールのE異性体(ゲラニアール)若しくは3,7-ジメチル-2,6-オクタジエナールのZ異性体(ネラール)又は前記E異性体及び前記Z異性体の混合物、好ましくはそれらのラセミ混合物(シトラール)を調製するための出発材料として使用され、それらの1つ以上は、好ましくは、香料化合物として使用される。例えば、シトラールは、テルペン系香料、例えばシトロネロール、ゲラニオール又はL-メントールを調製するための出発材料としてさらに使用され得る。またさらに、シトラールは、ビタミンA又はビタミンEの合成におけるビルディングブロックとして使用され得る。ピラノールを調製するための出発材料としての使用に関しては、例えば、米国特許出願公開第2012059177号明細書、国際公開第2011/154330号及び国際公開第2011/147919号におけるそれぞれの開示を参照する。イソプレノールポリエーテル誘導体を調製するための出発材料としての使用に関しては、例えば、米国特許出願公開第2011054083号明細書におけるそれぞれの開示を参照し、ここで、そのようなコポリマー及びそれらの調製が記述されており、前記コポリマーは、5~55mol%の前記イソプレノールポリエーテル誘導体構造単位アルファ、2~90mol%のアクリル酸誘導体構造単位ベータ及び2~90mol%のヒドロキシアルキルアクリレート構造単位ガンマを含む。具体的には、前記イソプレノールポリエーテル誘導体構造単位アルファは、式-(CH2-C(CH3)((C2H4-O-(A-O)a-H))-(ここで、Aは、米国特許出願公開第2011054083号明細書において定義されている通りである)によって表される。
【0101】
本発明を、示されている通りの従属関係及び後方参照から生じる実施形態及び実施形態の組合せの下記のセットによってさらに例証する。特に、実施形態の範囲が言及されている各事例において、例えば、「実施形態1から4のいずれか1つの方法」のような用語の文脈において、この範囲内のすべての実施形態は、当業者に明示的に開示されることになっている、すなわち、この用語の言い回しは、当業者には、「実施形態1、2、3及び4のいずれか1つの方法」と同義であるとして理解されることに留意されたい。
【0102】
1.式(II)の化合物
【0103】
【化33】
を調製する方法であって、
(i)ホルムアルデヒド及び式(I)の化合物
【0104】
【化34】
を含む混合物を用意するステップ、
(ii)(i)において用意した混合物を、ゼオライト材料を含む縮合触媒と接触させて、式(II)の化合物を含む混合物(ii)を取得するステップを含み、
ここで、R1、R2及びR3は、H、場合により置換されているC1~C10アルキル、場合により置換されているC2~C10アルケニル、及び6から12個までの炭素原子を有する場合により置換されているアリールからなる群から互いに独立して選択される、並びに
(ii)におけるゼオライト材料の骨格構造が、Si、O、場合によりAl、及びSi以外の四価元素Yを含み、Si以外の四価元素Yは、好ましくは、Sn、Ti、Zr及びGeのうちの1つ以上、より好ましくは、Sn、Ti及びZrのうちの1つ以上であり、(ii)におけるゼオライト材料の骨格構造において、モルAl:Si比が、0:1から0.001:1までの範囲内である、方法。
【0105】
2.Yが、Snである、実施形態1の方法。
【0106】
3.Yが、Zrである、又は、Yが、Sn及びTiである、又は、Yが、Sn及びTi及びZrである、実施形態1に記載の方法。
【0107】
4.本明細書の参考例1.4において記述されている通りのNH3-TPD法における、NH3による昇温脱離において呈される(ii)に記載のゼオライト材料のNH3脱離最大が、0から250℃までの温度範囲内であり、NH3による前記昇温脱離において、(ii)に記載のゼオライト材料が、好ましくは、250℃を上回る温度でNH3脱離を呈さない、実施形態1から3のいずれかに記載の方法。
【0108】
5.(ii)におけるゼオライト材料の骨格構造において、元素アルミニウム及びケイ素として算出されるモルAl:Si比が、0:1から0.0001:1までの範囲内、好ましくは0:1から0.00001:1までの範囲内である、実施形態1から4のいずれか1つに記載の方法。
【0109】
6.(ii)におけるゼオライト材料の骨格構造の少なくとも99重量%が、Si、Y、O及びHからなる、実施形態1から5のいずれか1つに記載の方法。
【0110】
7.(ii)におけるゼオライト材料の骨格構造が、Yを、ゼオライト材料の総重量に対して、1から20重量%まで、好ましくは2から18重量%までの範囲内、より好ましくは3から17重量%までの範囲内、より好ましくは4から16重量%までの範囲内の量で含む、実施形態1から6のいずれか1つに記載の方法。
【0111】
8.(ii)におけるゼオライト材料の骨格構造が、場合により含まれるAl以外の三価元素Xをさらに含まない、実施形態1から7のいずれか1つに記載の方法。
【0112】
9.(ii)におけるゼオライト材料が、10員環細孔、又は12員環細孔、又は10員環細孔及び12員環細孔を含み、好ましくはそれらからなる、実施形態1から8のいずれか1つに記載の方法。
【0113】
10.(ii)におけるゼオライト材料の骨格構造が、骨格型BEA、MFI、MWW、MEL、MEL/MFI、GME、MOR、MTT、MTW、FER又はCON、好ましくはBEA、MFI、MWW又はそれらの混合構造を有する、実施形態1から9のいずれか1つに記載の方法。
【0114】
11.(ii)におけるゼオライト材料の骨格構造が、骨格型BEAを有する、実施形態1から10のいずれか1つに記載の方法。
【0115】
12.ゼオライト骨格構造に含まれる四価元素Yが、Sn及びZrのうちの1つ以上であり、好ましくはSnである、実施形態11に記載の方法。
【0116】
13.ゼオライト材料が、Snを、ゼオライト材料の総重量に対して、2から20重量%までの範囲内、好ましくは5から18重量%までの範囲内、より好ましくは8から16重量%までの範囲内、より好ましくは10から14重量%までの範囲内の量で含む、実施形態12に記載の方法。
【0117】
14.ゼオライト骨格が、Bを含み、元素ホウ素及びケイ素として算出されるモルB:Si比が、最大で0.04:1、好ましくは最大で0.02:1、より好ましくは0.0010:1から0.02:1までの範囲内、より好ましくは0.0018:1から0.006:1までの範囲内である、実施形態11から13のいずれか1つに記載の方法。
【0118】
15.ゼオライト材料が、本明細書の参考例1.3において記述されている通りに決定される、最大で12重量%、好ましくは最大で10重量%の水分吸着を有する、実施形態11から14のいずれか1つに記載の方法。
【0119】
16.ゼオライト材料が、本明細書の参考例1.2において記述される通りに決定される、(21.5±0.2)°、(22.6±0.2)°、(25.5±0.2)°、(26.6±0.2)°、(28.8±0.2)°、(29.7±0.2)°、(32.2±0.2)°、(34.0±0.2)°、(37.9±0.201)°の2シータ値においてピークを呈するXRDスペクトルを有する、実施形態11から15のいずれか1つに記載の方法。
【0120】
17.(ii)におけるゼオライト材料の骨格構造が、骨格型MFIを有する、実施形態1から10のいずれか1つに記載の方法。
【0121】
18.Yが、Zrである、又は、Yが、Sn及びTiである、又は、Yが、Sn及びTi及びZrである、実施形態17に記載の方法。
【0122】
19.(ii)におけるゼオライト材料の骨格構造が、骨格型MWWを有する、実施形態1から10のいずれか1つに記載の方法。
【0123】
20.Yが、Sn又はTiである、実施形態19に記載の方法。
【0124】
21.(ii)における縮合触媒が、成形体の形態である、実施形態1から20のいずれか1つに記載の方法。
【0125】
22.成形体が、長方形、三角形、六角形、正方形、楕円形若しくは円形断面を有する、及び/又は星、平板、球若しくは中空円筒の形態である、実施形態21に記載の方法。
【0126】
23.(ii)における縮合触媒が、ゼオライト材料に加えてバインダー材料を含む、実施形態1から22のいずれか1つに記載の方法。
【0127】
24.バインダー材料が、グラファイト、シリカ、チタニア、ジルコニア、並びにSi、Ti及びZrのうちの2つ以上の混合酸化物のうちの1つ以上であり、バインダー材料が、好ましくは、グラファイト、シリカ、チタニア及びジルコニアのうちの1つ以上であり、より好ましくは、バインダー材料が、ジルコニア又はシリカである、実施形態23に記載の方法。
【0128】
25.縮合触媒において、ゼオライト材料のバインダー材料に対する重量比が、15:1から3:1までの範囲内、好ましくは9:1から4:1までの範囲内である、実施形態23又は24に記載の方法。
【0129】
26.(ii)における縮合触媒が、ゼオライト材料を、縮合触媒の総重量に対して、少なくとも90重量%の、好ましくは少なくとも95重量%の、より好ましくは少なくとも99重量%の、より好ましくは少なくとも99.5重量%の、より好ましくは少なくとも99.9重量%の量で含む、実施形態1から22のいずれか1つに記載の方法。
【0130】
27.(i)におけるホルムアルデヒドが、ホルムアルデヒド水溶液、トリオキサン及びパラホルムアルデヒドのうちの1つ以上であり、好ましくはホルムアルデヒド水溶液である、実施形態1から26のいずれか1つに記載の方法。
【0131】
28.ホルムアルデヒド水溶液が、CH2Oとして算出されるホルムアルデヒドを、ホルムアルデヒド水溶液の総重量に対して、30から80重量%までの範囲内、又は45から75重量%までの範囲内、又は60から70重量%までの範囲内の量で含む、実施形態27に記載の方法。
【0132】
29.(i)において用意した混合物において、式(I)の化合物の、CH2Oとして算出されるホルムアルデヒドに対するモル比が、1:1から12:1までの範囲内、好ましくは5:1から11.5:1までの範囲内、より好ましくは9:1から10:1までの範囲内である、実施形態1から28のいずれか1つに記載の方法。
【0133】
30.(i)において用意した混合物を、(ii)に記載の縮合触媒と接触させるステップが、バッチモードで、又は半連続モードで、又は連続モードで、好ましくは連続モードで行われる、実施形態1から29のいずれか1つに記載の方法。
【0134】
31.(i)において用意した混合物を、(ii)に記載の縮合触媒と、液相で接触させる、実施形態1から30のいずれか1つに記載の方法。
【0135】
32.(i)において用意した混合物が、液体形態で用意されている、実施形態1から31のいずれか1つに記載の方法。
【0136】
33.(ii)の前に、(i)において用意した混合物を、50から150℃までの範囲内、好ましくは80から120℃までの範囲内、より好ましくは95から110℃までの範囲内の温度にする、実施形態32に記載の方法。
【0137】
34.(ii)における接触させるステップが、60から150℃までの範囲内、好ましくは70から115℃までの範囲内、より好ましくは75から105℃までの範囲内の、縮合触媒と接触させた混合物の温度で行われる、実施形態32又は33に記載の方法。
【0138】
35.(ii)における接触させるステップが、0.01から40バール(絶対)までの範囲内、好ましくは0.01から25バール(絶対)までの範囲内、より好ましくは0.05から20バール(絶対)までの範囲内の、縮合触媒と接触させた混合物の圧力で行われる、実施形態32から34のいずれか1つに記載の方法。
【0139】
36.(ii)における接触させるステップが、0.1から1.0h-1までの範囲内、好ましくは0.15から0.6h-1までの範囲内の単位時間当たりの重量空間速度で行われ、単位時間当たりの重量空間速度が、(i)において用意した混合物に含まれるCH2Oとして算出されるホルムアルデヒドの質量流量(単位kg/時)を、(i)において用意した混合物が(ii)で接触している縮合触媒に含まれるゼオライト材料の質量(単位kg)で割ったものとして定義される、実施形態1から35のいずれか1つに記載の方法。
【0140】
37.(i)において用意した混合物が、溶媒をさらに含み、溶媒が、好ましくは、3-メチル-2-ブテン-1-オール(プレノール)、エチルヘキサノール、メタノール、アセトニトリル、酢酸エチル、tert-ブタノール、水及びアセトンのうちの1つ以上、より好ましくは、水、tert-ブタノール及び酢酸エチルのうちの1つ以上であり、より好ましくは、溶媒が、tert-ブタノール、又はtert-ブタノールと水との混合物である、実施形態1から36のいずれか1つに記載の方法。
【0141】
38.(ii)で取得された混合物から式(II)の化合物を分離するステップをさらに含む、実施形態1から37のいずれか1つに記載の方法。
【0142】
39.(ii)で取得された混合物が、式(I)の化合物をさらに含み、式(I)の化合物を、再利用するステップ、好ましくは実施形態1から38のいずれか1つに記載の方法に再利用するステップをさらに含む、実施形態1から38のいずれか1つに記載の方法。
【0143】
40.(ii)に記載の縮合触媒を再生するステップをさらに含む、実施形態1から39のいずれか1つに記載の方法。
【0144】
41.R1及びR2が、それぞれHであり、R3が、C1~C10アルキルである、実施形態1から40のいずれか1つに記載の方法。
【0145】
42.R1及びR2が、それぞれHであり、R3が、CH3である、実施形態1から41のいずれか1つに記載の方法。
【0146】
43.(ii)に記載の接触させるステップの選択率S30が、少なくとも35%、好ましくは少なくとも40%、より好ましくは少なくとも50%、より好ましくは少なくとも60%、より好ましくは少なくとも70%であり、ここで、選択率S30は、30時間の(ii)における接触時間後に測定される選択率として定義され、選択率は、(i)において用意し(ii)に記載の縮合触媒と接触させた混合物に含まれるホルムアルデヒドのモル量に対する、(ii)で取得された混合物に含まれる式(II)の化合物のモル量として定義される、実施形態1から42のいずれか1つに記載の方法。
【0147】
44.(ii)に記載の接触させるステップの選択率S50が、少なくとも35%、好ましくは少なくとも40%、より好ましくは少なくとも50%、より好ましくは少なくとも60%、より好ましくは少なくとも70%であり、ここで、選択率S50は、50時間の(ii)における接触時間後に測定される選択率として定義され、選択率は、(i)において用意し(ii)に記載の縮合触媒と接触させた混合物に含まれるホルムアルデヒドのモル量に対する、(ii)で取得された混合物に含まれる式(II)の化合物のモル量として定義される、実施形態1から43のいずれか1つに記載の方法。
【0148】
45.(ii)に記載の接触させるステップの選択率S100が、少なくとも35%、好ましくは少なくとも40%、より好ましくは少なくとも50%、より好ましくは少なくとも60%、より好ましくは少なくとも70%であり、ここで、選択率S100は、100時間の(ii)における接触時間後に測定される選択率として定義され、選択率は、(i)において用意し(ii)に記載の縮合触媒と接触させた混合物に含まれるホルムアルデヒドのモル量に対する、(ii)で取得された混合物に含まれる式(II)の化合物のモル量として定義される、実施形態1から44のいずれか1つに記載の方法。
【0149】
46.ホルムアルデヒドの転化率C30が、少なくとも80%、好ましくは少なくとも90%であり、ここで、転化率C30は、30時間の(ii)における接触時間での転化率として定義される、実施形態1から45のいずれか1つに記載の方法。
【0150】
47.ホルムアルデヒドの転化率C50が、少なくとも80%、好ましくは少なくとも90%であり、ここで、転化率C50は、50時間の(ii)における接触時間での転化率として定義される、実施形態1から46のいずれか1つに記載の方法。
【0151】
48.ホルムアルデヒドの転化率C100が、少なくとも80%、好ましくは少なくとも90%であり、ここで、転化率C100は、100時間の(ii)における接触時間での転化率として定義される、実施形態1から47のいずれか1つに記載の方法。
【0152】
49.
(i)ホルムアルデヒド及び2-メチルプロペンを含む混合物を用意するステップ、
(ii)(i)において用意した混合物を、ゼオライト材料を含む縮合触媒と接触させて、3-メチル-3-ブテン-1-オールを含む混合物(ii)を取得するステップを含み、
ここで、(ii)におけるゼオライト材料の骨格構造の少なくとも99重量%、好ましくは少なくとも99.9重量%、より好ましくは少なくとも99.99重量%が、Si、Si以外の四価元素Y、O及びHからなり、Si以外の四価元素Yは、好ましくはSn、Ti、Zr及びGeのうちの1つ以上、より好ましくはSn、Ti、Zrのうちの1つ以上である、3-メチル-3-ブテン-1-オールを調製する方法、好ましくは実施形態1から48のいずれか1つに記載の方法。
【0153】
50.Yが、Snである、実施形態49に記載の方法。
【0154】
51.(ii)におけるゼオライト材料の骨格構造が、骨格型BEAを有する、実施形態49又は50に記載の方法。
【0155】
52.(i)におけるホルムアルデヒドが、ホルムアルデヒド水溶液であり、ホルムアルデヒド水溶液が、CH2Oとして算出されるホルムアルデヒドを、ホルムアルデヒド水溶液の総重量に対して、30から80重量%までの範囲内、又は45から75重量%までの範囲内、又は60から70重量%までの範囲内の量で含む、実施形態49から51のいずれか1つに記載の方法。
【0156】
53.(i)において用意した混合物を、(ii)に記載の縮合触媒と接触させるステップが、連続モードで行われる、実施形態49から52のいずれか1つに記載の方法。
【0157】
54.(i)において用意した混合物が、液体形態で用意されている、実施形態49から53のいずれか1つに記載の方法。
【0158】
55.(ii)で取得された混合物から、3-メチル-3-ブテン-1-オールを分離するステップをさらに含む、実施形態49から54のいずれか1つに記載の方法。
【0159】
56.(ii)で取得された混合物が、2-メチルプロペンをさらに含み、2-メチルプロペンを再利用するステップ、好ましくは2-メチルプロペンを実施形態49から55のいずれか1つに記載の方法に再利用するステップをさらに含む、実施形態49から55のいずれか1つに記載の方法。
【0160】
57.(ii)に記載の縮合触媒を再生するステップをさらに含む、実施形態49から56のいずれか1つに記載の方法。
【0161】
58.実施形態1から57のいずれか1つに記載の、好ましくは実施形態49から57のいずれか1つに記載の方法によって取得可能な又は取得される、式(II)の化合物
【0162】
【化35】
を含む混合物。
【0163】
59.縮合反応のための触媒的に活性な材料として、好ましくはアルデヒド/アルケン縮合反応のための触媒的に活性な材料として、好ましくはPrins縮合反応における触媒的に活性な材料としての、実施形態1から20のいずれか1つに従って定義される通りのゼオライト材料の使用であって、前記縮合反応の生成物が、好ましくは実施形態1、41又は42のいずれか1つに従って定義される通りの式(II)の化合物
【0164】
【化36】
、より好ましくは3-メチル-3-ブテン-1-オールである、ゼオライト材料の使用。
【0165】
60.モノマー性、オリゴマー性又はポリマー性化合物を調製するための出発材料としての、好ましくは香料、好ましくは3,7-ジメチル-2,6-オクタジエナール(シトラール)、2-イソブチル-4-ヒドロキシ-4-メチルテトラヒドロプロパン(ピラノール)のうちの1つ以上を調製するための出発材料としての、又は水硬性バインダーのための流動化剤として好適なコポリマーの成分としてイソプレノールポリエーテル誘導体を調製するための出発材料としての、実施形態1から58のいずれか1つで定義される通りの(ii)で取得された混合物に含まれる、実施形態1、41又は42のいずれか1つで定義されている通りの式(II)の化合物
【0166】
【化37】
、好ましくは3-メチル-3-ブテン-1-オールの使用。
【0167】
61.3,7-ジメチル-2,6-オクタジエナールのE異性体(ゲラニアール)若しくは3,7-ジメチル-2,6-オクタジエナールのZ異性体(ネラール)又は前記E異性体及び前記Z異性体の混合物、好ましくはそれらのラセミ混合物(シトラール)を調製するための使用であって、それらの1つ以上は、好ましくは、香料化合物として使用される、実施形態60に記載の使用。
【0168】
62.(i)において用意し(ii)において縮合触媒と接触させた混合物が、酢酸を、0から500重量ppmまでの範囲内、好ましくは0から250重量ppmまでの範囲内、より好ましくは0から100重量ppmまでの範囲内の量で含有し、より好ましくは、(i)において用意し(ii)において縮合触媒と接触させた混合物が、酢酸を含まない、実施形態1から57のいずれか1つに記載の方法。
【0169】
本発明を、下記の参考例、実施例及び比較例によってさらに例証する。
【実施例
【0170】
参考例1: 分析方法
参考例1.1: (ii)で取得された混合物:式(II)の化合物及びホルムアルデヒドの分析
式(II)の生成物を、重量%較正されたガスクロマトグラフィーによって定量化した:
GCシステム:Agilent 5890シリーズII、
GCカラム: DB-WAX(30m(長さ)、0.32mm(内径)、0.25マイクロメートル(フィルム))、
温度プログラム:7分間にわたって35℃、6K/分で35℃から230℃。
(ii)で取得された混合物中の未反応の遊離ホルムアルデヒドを、ホルムアルデヒドのアセチルアセトン及びNH4 +との下記の反応に従い、測光的に定量化した。
CH2O+2C5H8O2+NH4 +→3,5-ジアセチル-1,4-ジヒドロルチジン+3H2O。
【0171】
次いで取得された3,5-ジアセチル-1,4-ジヒドロルチジンの濃度は、ホルムアルデヒドの濃度と同等であり、412nmの波長で測定された。
【0172】
参考例1.2: 参考例2.1のゼオライト材料の結晶度の決定
参考例2.1のゼオライト材料の結晶度を、EVA法を使用するXRD分析によって、Bruker AXS GmbH、KarlsruheのUser Manual DIFFRAC.EVA、第3版、105ページにおいて記述されている通りに決定した。
【0173】
それぞれのデータは、可変スリット(V20)、0.02°2シータのステップサイズ及び2.4秒/ステップの走査速度を使用し、2°から50°2シータまでのSol-X検出器を使用する標準的なBruker D8アドバンス回折計シリーズIIで収集した。デフォルトパラメーターは、バックグラウンド/アモルファス含有量を推定するために使用した(曲率=1、閾値=1)。
【0174】
参考例1.3: ゼオライト材料の水分吸着の決定
水分吸着/脱離等温線は、TA Instruments製のVTI SA機器で、ステップ等温線プログラムに準拠して実施した。実験は、機器の内部の微量天秤パン上に置かれた試料材料に対して実施される実行又は一連の実行からなるものであった。測定を開始する前に、試料を100℃に加熱し(5℃/分の加熱傾斜)、それを窒素流下で6時間にわたって保持することにより、試料の残留水分を除去した。乾燥プログラム後、セル内の温度を25℃に減少させ、測定の間、等温に保った。微量天秤を較正し、乾燥試料の重量を均衡させた(最大質量偏差0.01重量%)。試料による水取り込みを、乾燥試料のものを上回る重量の増大として測定した。最初に、試料が曝露された相対湿度(RH)(セルの内部の雰囲気中の水の重量%として表現される)を増大させ、試料による水取り込みを平衡時に測定することにより、吸着曲線を測定した。RHを10重量%のステップで5%から85%まで増大させ、各ステップにおいて、システムがRHを制御し、試料を85重量%から5重量%まで10%のステップで曝露させた後、平衡状態に到達するまで、試料重量をモニターし、試料の重量における変化(水取り込み)をモニターし、記録した。
【0175】
参考例1.4: アンモニアの昇温脱離(NH3-TPD)
アンモニアの昇温脱離(NH3-TPD)は、熱伝導率検出器を有する自動化学吸着分析ユニット(MicromeriticsオートケムII 2920)で行った。脱離種の連続分析は、オンライン質量分析計(Pfeiffer Vacuum製のオムニスターQMG200)を使用して遂行した。試料(0.1g)を石英管に導入し、後述するプログラムを使用して分析した。石英管中の試料の真上にあるNi/Cr/Ni熱電対を活用して、温度を測定した。分析には、純度5.0のHeを使用した。いかなる測定の前にも、較正のために空試料を分析した。
1.調製:記録の開始;1秒当たり1回の測定。25℃及び30cm3/分のHe流速(室温(約25℃)及び1気圧)で10分間にわたって待機し、20K/分の加熱速度で最大600℃まで加熱し、10分間にわたって保持する。He流(30cm3/分)下、20K/分(炉傾斜温度)の冷却速度で100℃まで冷却し、He流(30cm3/分)下、3K/分(試料傾斜温度)の冷却速度で100℃まで冷却する。
2.NH3による飽和:記録の開始;1秒当たり1回の測定。ガス流を、100℃のHe中10%NH3(75cm3/分、100℃及び1気圧)の混合物に変更し、30分間にわたって保持する。
3.過剰の除去:記録の開始;1秒当たり1回の測定。ガス流を、100℃の75cm3/分(100℃及び1気圧)のHe流に変更し、60分間にわたって保持する。
4.NH3-TPD:記録の開始;1秒当たり1回の測定。He流(流速:30cm3/分)下、10K/分の加熱速度で600℃まで加熱し、30分間にわたって保持する。
5.測定の終了。
【0176】
脱離アンモニアは、熱伝導率検出器からのシグナルが脱離アンモニアによって引き起こされたことを実証する、オンライン質量分析計を活用して測定した。これは、アンモニアの脱離をモニターするために、アンモニアからのm/z=16シグナルを利用することを伴った。吸着されたアンモニアの量(mmol/試料のg)は、Micromeriticsソフトウェアを活用して、水平ベースラインを持つTPDシグナルを積分して確定した。
【0177】
参考例2: ゼオライト材料の調製
2.1骨格型BEAを有しSnを含むゼオライト材料(Sn-BEA)の調製
【0178】
a)Sn-BEA-ゼオライトの調製
使用した材料:
50g 脱ホウ素化BEA-ゼオライト、噴霧乾燥(国際公開第2014/060259号の実施例1(ii)に従って調製した)
14.2g Aldrich製のSn(OAc)2(酢酸スズ(II))
【0179】
50gの脱ホウ素化BEAゼオライト及び14.2gのSn(OAc)2を実験室用ミキサー内で合わせ、15分間にわたって細砕した。次いで、取得された混合物を、マッフル炉内で、温度を2K/分の速度で500℃に3時間にわたって上昇させることにより、焼成した。55.5gのa)のゼオライトを取得した。
【0180】
b)酸処理
使用した材料:
55g a)に記載のSn-BEAゼオライト
1650g HNO330%水溶液
【0181】
761.5gの65%HNO3の溶液を、888.5gの脱イオン水を投入した2Lの撹拌容器に添加した。連続撹拌下、55gのa)に記載のゼオライトを、混合物に添加した。取得された懸濁液を100℃に加熱し、20時間にわたって還流させた。次いで、懸濁液を冷却し、濾過し、蒸留水で中性pH(<100マイクロジーメンス)になるまで洗浄した。次いで、濾過されたゼオライトを、マッフル炉内で、温度を3K/分の速度で120℃に10時間にわたって上昇させ、続いて、温度を2K/分の速度で550℃に10時間にわたって上昇させることにより、焼成した。52.8gのb)のゼオライトを取得した。
【0182】
c)成形物の調製
使用した材料:
60g b)のSn-BEAゼオライト
17.37g Aldrich製のZrOH(OAc)3(約10%ZrO2)
3g Walocel(登録商標)Wolf Walsrode AG PUFAS Werk KG
53mL DI水
【0183】
60gのb)のSn-BEAゼオライト、17.37gのZrOH(OAc)3及び3gのWalocel(登録商標)を合わせ、混練機内で混合した。次いで、53mLの脱イオン水を混合物に添加し、これを合わさるまで混練した。総混練時間は30分であった。次いで、取得されたゼオライトを、マッフル炉内で、温度を3K/分の速度で120℃に6時間にわたって上昇させ、続いて、温度を2K/分の速度で550℃に空気下で5時間にわたって上昇させることにより、焼成した。440g/Lのかさ密度を持つ52.8gの成形物を取得した。
【0184】
2.2骨格型MFIを有しZrを含むゼオライト材料(Zr-MFI)の調製
a)ゼオライトの調製
使用した材料:
568.75g オルトケイ酸テトラエチル(TEOS)
30.87g Zr(IV)プロポキシド(1-プロパノール中70%溶液)
500g 水酸化テトラプロピルアンモニウム(TPAOH)
500g DI水
【0185】
30.87gのZr(IV)プロポキシドを、568.75gのTEOSを投入した容器に、30分間かけて滴下添加した。500gのTPAOH及び500gの蒸留水を混合物に添加し、次いでこれを、さらに1時間にわたって撹拌した。407gの発生したアルコールを、95℃で混合物から留去した。次いで、得られた混合物を室温に冷却した。次いで、ゾルを407gのDI水で希釈した。次いで、得られた混合物を175℃で48時間にわたって結晶化した。ゾルを蒸留水で1:1に希釈し、5%HNO3溶液でpH7.5に調整した。固体を遠心分離した。得られたゼオライトを110℃で24時間にわたって乾燥させ、続いて、温度を2K/分の速度で500℃に5時間にわたって上昇させることにより、焼成した。128gのa)のZr-MFIゼオライトを取得した。
【0186】
b)成形物の調製
使用した材料:
50g Zr-MFI:a)に記載のゼオライト
22.06g 15%SiO2ゼオライト(Ludox AS-40)
2.5g Walocel(登録商標)Wolf Walsrode AG PUFAS Werk KG
50mL DI水
【0187】
50gのa)に記載のZr-MFI、22.06gの15%SiO2のゼオライト及び2.5gのWalocel(登録商標)を合わせ、混練機内で10分間にわたって混合した。次いで、50mlの蒸留水を混合物に添加し、これを合わさるまで混練した。総混練時間は30分であった。次いで、取得されたゼオライトを、マッフル炉内で、温度を3K/分の速度で120℃に7時間にわたって上昇させ、続いて、温度を2K/分の速度で500℃に2時間にわたって上昇させることにより、焼成した。320g/Lのかさ密度を持つ40.3gの成形物を取得した。
【0188】
c)水処理
使用した材料:
30g b)に記載の成形物
600mL DI水
【0189】
成形物をDI水に懸濁し、145℃で8時間にわたって加熱した。懸濁液を濾過した。次いで、ゼオライトを120℃で12時間にわたって乾燥させ、温度を2K/分の速度で450℃に2時間にわたって上昇させることにより、焼成した。300g/Lのかさ密度を持つ39.3gの成形物を取得した。
【0190】
2.3骨格型MFIを有しSn及びTiを含むゼオライト材料(Sn-TiMFI)の調製
a)ゼオライトの調製
使用した材料:
575.5g オルトケイ酸テトラエチル(TEOS)
1.6g スズ(IV)イソプロポキシド
12.0g チタン酸テトラエチル(TETi)
505.9g 水酸化テトラプロピルアンモニウム(TPAOH)
505.9g DI水
【0191】
575.5gの(TEOS)及び1.6gのスズ(IV)イソプロポキシドを、容器内で10分間にわたって一緒に撹拌した。連続撹拌下、12.0gのTETiを滴下添加し、次いで、混合物をもう20分間にわたって撹拌した。505.9gのTPAOH及び505.9gのDI水を混合物に添加し、次いでこれを、さらに1時間にわたって撹拌した。369gの発生したアルコールを、95℃で混合物から留去した。次いで、得られた混合物を室温に冷却した。次いで、ゾルを369gの精製水で希釈した。次いで、得られた混合物を175℃で48時間にわたって結晶化した。ゾルをDI水で1:1に希釈し、10%HNO3溶液でpH7.5に調整した。固体を濾別し、得られたゼオライトを110℃で24時間にわたって乾燥させ、続いて、温度を2K/分の速度で550℃に5時間にわたって上昇させることにより、焼成した。168.4gのa)のゼオライトを取得した。
【0192】
b)成形物の調製
使用した材料:
60g a)に記載のSn-Ti-MFI
16.67g (10%SiO2ゼオライト)Ludox(登録商標)AS-40
3g Walocel(登録商標)(Wolf Walsrode AG PUFAS Werk KG)
40mL DI水
【0193】
60gのa)に記載のゼオライトSn-Ti-MFI、16.67gのLudox(登録商標)及び3gのWalocel(登録商標)を合わせ、混練機内で10分間にわたって混合した。次いで、40mLの精製水を混合物に添加し、これを合わさるまで混練した。総混練時間は30分であった。次いで、取得された成形物を、マッフル炉内で、温度を3K/分の速度で120℃に7時間にわたって上昇させ、続いて、温度を2K/分の速度で500℃に2時間にわたって上昇させることにより、焼成した。525g/Lのかさ密度を持つ47.2gの成形物を取得した。
【0194】
2.4骨格型MWWを有しGaを含むゼオライト材料(Ga-MWW)の調製
a)ゼオライトの調製
使用した材料:
40g 国際公開第2014/060261号の実施例1に従って調製したMWWゼオライト
2g Ga(OMe)3
【0195】
実験室用ミキサーを、N2で30分間にわたってパージすることにより、反応のために用意した。N2雰囲気下、40gのゼオライト及び2gのGa(OMe)3を、用意された実験室用ミキサー内で合わせ、中速(速度4)で5分間にわたって粉砕した。取得された混合物を120℃で乾燥させ、次いで、マッフル炉内で、温度を2K/分の速度で500℃に5時間にわたって上昇させることにより、焼成した。39.4gのa)のゼオライトを取得した。
【0196】
b)成形物の調製
使用した材料:
30g a)に記載のGa-MWWゼオライト
18.75g (20%SiO2ゼオライト)Ludox(登録商標)AS-40
1.5g Walocel(登録商標)(Wolf Walsrode AG PUFAS Werk KG)
65mL DI水
【0197】
30gのa)に記載のGa-MWWゼオライト、18.75gの20%SiO2ゼオライト及び1.5gのWalocel(登録商標)を合わせ、混練機内で10分間にわたって混合した。次いで、65mlのDI水を混合物に添加し、これを合わさるまで混練した。総混練時間は60分であった。次いで、取得されたゼオライトを、マッフル炉内で、温度を3K/分の速度で120℃に7時間にわたって上昇させ、続いて、温度を2K/分の速度で500℃に2時間にわたって上昇させることにより、焼成した。250g/Lのかさ密度を持つ25.3gの成形物を取得した。
【0198】
c)水処理
使用した材料:
20g b)に記載のGa-MWWゼオライト
400mL DI水
【0199】
成形物をDI水に懸濁し、145℃で8時間にわたって加熱した。懸濁液を濾過した。次いで、ゼオライトを120℃で12時間にわたって乾燥させ、温度を2K/分の速度で450℃に2時間にわたって上昇させることにより、焼成した。240g/Lのかさ密度を持つ20gの成形物を取得した。
【0200】
2.5骨格型MFIを有しGaを含むゼオライト材料(Ga-MFI)の調製
a)ゼオライトの調製
使用した材料:
272g オルトケイ酸テトラエチル(TEOS)
溶液1:
8.4g 水酸化ナトリウムペレット
272g DI水
106.1g 40%水酸化テトラプロピルアンモニウム
溶液2:
6.7g Ga(NO3)3×H2O
68g DI水
【0201】
100mLの滴下漏斗に溶液1を投入し、500mLの滴下漏斗に溶液2を投入した。溶液1及び溶液2を、272gのTEOSを投入した容器に同時に滴下添加した。10分後、2つの相が観察された。20分後、溶液2の添加が27℃で終了し、その3分後、溶液1の添加が28℃で終了した。次いで、得られた混合物を2時間にわたって撹拌した。さらに5分後、ゲルが形成された。混合物の温度は35分で40℃に上昇し、次いで、冷却した。オートクレーブにゲルを投入し、180℃で72時間にわたって加熱した。得られた固体をブラックバンドフィルターで濾過し、DI水で洗浄した。固体を室温で終夜乾燥させた。次いで、得られたゼオライトを、温度を2K/分の速度で540℃に上昇させ、空気下550℃で10時間維持することにより、焼成した。70gのa)のゼオライトを取得した。
【0202】
b)イオン交換
使用した材料:
585g DI水
65g 99%硝酸アンモニウム(NH4NO3)
65g a)に記載のGa-MFI
【0203】
585gのDI水及び65gの99%硝酸アンモニウム(NH4NO3)を合わせて、10%溶液を形成した。連続撹拌下、65gのa)に記載のGa-MFIゼオライトを混合物に添加した。取得された混合物を80℃に加熱し、2時間にわたって撹拌した。次いで、懸濁液を冷却し、撹拌を停止した。沈降後、上清溶液を除去した。新鮮な硝酸アンモニウム溶液(10%)を残りの固体に添加し、手順を繰り返した。次いで、懸濁液を濾別し、DI水で洗浄した。濾過したゼオライトを120℃で4時間にわたって乾燥させ、次いで、500℃で5時間にわたって焼成した。使用した温度プログラムは、120℃に60分、120℃で240分、500℃に190分、500℃で300分であった。空気を媒体として使用した。イオン交換をもう一度繰り返した。ゼオライトを120℃で4時間にわたって乾燥させ、次いで、500℃で5時間にわたって焼成した。使用した温度プログラムは、120℃に60分、120℃で240分、500℃に190分、500℃で300分であった。空気を媒体として使用した。61gのb)のゼオライトを取得した。
【0204】
c)成形物の調製
使用した材料:
40g b)に記載のGa-MFIゼオライト
17.65g (15%SiO2ゼオライト)Ludox(登録商標)AS-40
2g Walocel(登録商標)(Wolf Walsrode AG PUFAS Werk KG)
29mL DI水
【0205】
40gのb)に記載のGa-MFI、17.65gの(15%SiO2ゼオライト)及び2gのWalocel(登録商標)を合わせ、混練機内で10分間にわたって混合した。次いで、29mlのDI水を混合物に添加し、これを合わさるまで混練した。総混練時間は30分であった。次いで、取得されたゼオライトを、マッフル炉内で、温度を3K/分の速度で120℃に7時間にわたって上昇させ、続いて、温度を2K/分の速度で500℃に2時間にわたって上昇させることにより、焼成した。410g/Lのかさ密度を持つ34.2gの成形物を取得した。
【0206】
d)水処理
使用した材料:
30g c)に記載の成形物
600mL DI水
【0207】
成形物をDI水に懸濁し、145℃で8時間にわたって加熱した。懸濁液を濾過した。次いで、ゼオライトを120℃で12時間にわたって乾燥させ、温度を2K/分の速度で450℃に2時間にわたって上昇させることにより、焼成した。410g/Lのかさ密度を持つ30.8gの成形物を取得した。
【0208】
2.6骨格型MFI/MELを有しFeを含むゼオライト材料(Fe-MFI/MEL)の調製
a)ゼオライトの調製
273kgのケイ酸ナトリウムを容器内に用意した。100rpm(毎分回転数)で撹拌しながら、252.8kgのヘキサメチレンジアミン溶液(56.6重量%)を添加し、反応器温度を50℃に上昇させた。得られた溶液に、425kgの脱イオン水、20.64kgの硫酸(96重量%)及び31.1kgのFe2(SO4)3×H2Oを含有する溶液を添加した。得られた混合物を162rpmで17時間にわたって撹拌した。最後に取得された混合物を、自生圧力下、撹拌しながら(30rpm)、4時間以内に160℃に加熱した。160℃の温度を94時間にわたって本質的に一定に保ち、この94時間の間、混合物を18rpmで撹拌した。その後、混合物を2時間以内に40℃の温度に冷却した。冷却後、吸引フィルターを使用する濾過によってゼオライト材料を分離した。濾過ケーキを、脱イオン水で、洗浄水が300マイクロジーメンス/cm未満の伝導率を有するまで洗浄した。上述した分離によって取得された濾過ケーキを、静的オーブン(static oven)内、120℃で10時間にわたって乾燥させた。次いで、乾燥した材料を、静電オーブン内、500℃で5時間にわたって焼成に供した。
【0209】
b)成形物の調製
使用した材料:
60g a)に記載のゼオライト
26.47g (15%SiO2ゼオライト)Ludox(登録商標)AS-40
3g Walocel(登録商標)Wolf Walsrode AG PUFAS Werk KG
77mL DI水
【0210】
60gのa)に記載のゼオライト、26.47gの15%SiO2ゼオライト及び3gのWalocel(登録商標)を合わせ、混練機内で10分間にわたって混合した。次いで、77mLのDI水を混合物に添加し、これを合わさるまで混練した。総混練時間は30分であった。次いで、取得されたゼオライトを、マッフル炉内で、温度を3K/分の速度で120℃に7時間にわたって上昇させ、続いて、温度を2K/分の速度で500℃に2時間にわたって上昇させることにより、焼成した。320g/Lのかさ密度を持つ54gの成形物を取得した。
【0211】
c)水処理
使用した材料:
30g b)に記載の成形物
600mL DI水
【0212】
b)の成形物をDI水に懸濁し、145℃で8時間にわたって加熱した。懸濁液を濾過した。次いで、ゼオライトを120℃で12時間にわたって乾燥させ、温度を2K/分の速度で450℃に2時間にわたって上昇させることにより、焼成した。330g/Lのかさ密度を持つ33.4gの成形物を取得した。
【0213】
2.7骨格型MFIを有するゼオライト材料ZSM-5の調製
市販のZSM-5触媒を、成形後に水処理して、機械的強度を付与した。この材料のNH3-TPD分析は、250℃を上回るNH3脱離に関係するブレンステッド酸度を示した。この触媒を用いて行われた3-メチル-3-ブテン-1-オール調製のための反応は、完全に非選択的であることが分かった。選択率は、この文脈において、縮合触媒と接触させたホルムアルデヒドのモル量に対する3-メチル-3-ブテン-1-オールのモル量として定義される。
【0214】
[実施例]: 3-メチル-3-ブテン-1-オールの調製
E1. 参考例2.1に記載のゼオライト材料Sn-BEAを触媒的に活性な材料として使用する
55gのホルムアルデヒド(FA)の水溶液(49重量%)を、445gのtert-ブタノールに溶解した。ホルムアルデヒド溶液(5.39重量%)を取得した。この溶液を、等温管型反応器に32g/時(0.05mol FA/時)で投薬した。イソブテンフラスコをヘリウムで加圧し(ガスを液化するため)、反応器に31.3g/時(0.55mol/時)で送入した。2つの流れは、20バールに加圧され、100℃に調節(temper)された後、反応器に入った。管型反応器は、110cmの長さを有し、10.85gの参考例2.1に記載のSn-BEA触媒を含有していた。反応器は、100℃及び20バールの定圧で動作した。滞留時間は約15.67分であった。反応を48時間にわたって実行し、4つの試料をこの時間の間に分析した。反応後、ホルムアルデヒド転化率に基づく3-メチル-3-ブテン-1-オールの収率を、参考例1.1に従って重量較正されたガスクロマトグラフィーで算出した。未反応のホルムアルデヒドを、参考例1.1に従って測光的に定量化した。取得された収率(Y)、選択率(S)及び転化率(C)を、以下の表1に示す。
【0215】
【表1】
【0216】
E2. 参考例2.2に記載のゼオライト材料Zr-MFIを触媒的に活性な材料として使用する
実施例E1のプロトコールを、Zr-MFIゼオライトを触媒として使用して、繰り返した。管型反応器に、10.08gのZr-MFIゼオライトを充填した。滞留時間は、15.5分であった。反応を100時間にわたって実行し、9つの試料をこの時間の間に分析した。反応後、ホルムアルデヒド転化率に基づく3-メチル-3-ブテン-1-オールの収率を、参考例1.1に従って重量較正されたガスクロマトグラフィーで算出した。未反応のホルムアルデヒドを、参考例1.1に従って測光的に定量化した。取得された収率(Y)、選択率(S)及び転化率(C)を、以下の表2に示す。
【0217】
【表2】
【0218】
E3. 参考例2.3に記載のゼオライト材料SnTi-MFIを触媒的に活性な材料として使用する
実施例E1のプロトコルを、Sn-Ti-MFIゼオライトを触媒として使用して、繰り返した。管型反応器に、10.15gのSn-Ti-MFIゼオライトを充填した。滞留時間は、155分であった。反応を100時間にわたって実行し、9つの試料をこの時間の間に分析した。反応後、ホルムアルデヒド転化率に基づく3-メチル-3-ブテン-1-オールの収率を、参考例1.1に従って重量較正されたガスクロマトグラフィーで算出した。未反応のホルムアルデヒドを、参考例1.1に従って測光的に定量化した。取得された収率(Y)、選択率(S)及び転化率(C)を、以下の表3に示す。
【0219】
【表3】
【0220】
比較例
3-メチル-3-ブテン-1-オールの調製
CE1. 参考例2.4に記載のゼオライト材料Ga-MWWを触媒的に活性な材料として使用する
実施例E1のプロトコルを、Ga-MWWゼオライトを触媒として使用して、繰り返した。管型反応器に、10.10gのGa-MWWゼオライトを充填した。滞留時間は、15.5分であった。反応を28時間にわたって実行し、3つの試料をこの時間の間に分析した。反応後、ホルムアルデヒド転化率に基づく3-メチル-3-ブテン-1-オールの収率を、参考例1.1に従って重量較正されたガスクロマトグラフィーで算出した。未反応のホルムアルデヒドを、参考例1.1に従って測光的に定量化した。取得された収率(Y)、選択率(S)及び転化率(C)を、以下の表4に示す。
【0221】
【表4】
【0222】
CE2. 参考例2.5に記載のゼオライト材料Ga-MFIを触媒的に活性な材料として使用する
実施例E1のプロトコルを、Ga-MFIゼオライトを触媒として使用して、繰り返した。管型反応器に、10.20gのGa-MFIゼオライトを充填した。滞留時間は、15.5分であった。反応を39時間にわたって実行し、5つの試料をこの時間の間に分析した。反応後、ホルムアルデヒド転化率に基づく3-メチル-3-ブテン-1-オールの収率を、参考例1.1に従って重量較正されたガスクロマトグラフィーで算出した。未反応のホルムアルデヒドを、参考例1.1に従って測光的に定量化した。取得された収率(Y)、選択率(S)及び転化率(C)を、以下の表5において報告する。
【0223】
【表5】
【0224】
CE3. 参考例2.6に記載のゼオライト材料Fe-MFI/MELを触媒的に活性な材料として使用する
実施例E1のプロトコルを、FeMFI/MELゼオライトを触媒として使用して、繰り返した。このとき、管型反応器に、10.10gのFe MFI/MELゼオライトを充填した。滞留時間は、15.7分であった。反応を30時間にわたって実行し、3つの試料をこの時間の間に分析した。反応後、ホルムアルデヒド転化率に基づく3-メチル-3-ブテン-1-オールの収率を、参考例1.1に従って重量較正されたガスクロマトグラフィーで算出した。未反応のホルムアルデヒドを、参考例1.1に従って測光的に定量化した。取得された収率(Y)、選択率(S)及び転化率(C)を、以下の表6において報告する。
【0225】
【表6】
【0226】
結果
上記の結果から理解できるように、本発明の実施例E1からE3のゼオライト材料は、100℃の温度で、比較例CE1からCE3のゼオライト材料すべてと比較して、より高い収率を示す。加えて、本発明の実施例E1からE3のゼオライト材料は、100℃の温度で、比較例CE1からCE3のゼオライト材料と比較して、より高い選択率を呈する。
【0227】
引用文献
- 国際公開第2015/067654号
- 国際公開第2014/060261号
- 国際公開第2014/060259号
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