(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-15
(45)【発行日】2022-08-23
(54)【発明の名称】マークの位置を測定するための装置及び方法
(51)【国際特許分類】
G03F 9/00 20060101AFI20220816BHJP
G01B 11/00 20060101ALI20220816BHJP
【FI】
G03F9/00 H
G01B11/00 G
(21)【出願番号】P 2021513433
(86)(22)【出願日】2019-09-05
(86)【国際出願番号】 EP2019073658
(87)【国際公開番号】W WO2020064290
(87)【国際公開日】2020-04-02
【審査請求日】2021-04-19
(32)【優先日】2018-09-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】504151804
【氏名又は名称】エーエスエムエル ネザーランズ ビー.ブイ.
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】グーアデン,セバスティアヌス,アドリアヌス
【審査官】植木 隆和
(56)【参考文献】
【文献】特開平08-288197(JP,A)
【文献】特開平05-166695(JP,A)
【文献】特開2012-060119(JP,A)
【文献】特表2015-525883(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/027
G03F 7/20
G03F 9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板上の
複数のマークの位置を測定するための装置であって、
前記基板のスキャン中に複数の照明スポットが連続的に前記マークに入射するように、少なくとも1つの放射ビームを調節して、直列に空間的に分布された前記複数の照明スポットを形成するように構成された照明システムと、
前記マークにより前記基板から回折された放射であって、前記マークによる前記複数の照明スポットの回折により生成される回折された放射を投影するように構成された投影システムと、を備え、
前記投影システムが、前記回折された放射を変調し、前記変調した放射を、前記複数の照明スポットのそれぞれに対応する信号であって、前記マークの位置を決定するために結合される信号を生成するように構成された検出システムに投影するようにさらに構成され
、
前記照明システムが、前記複数の照明スポットの1つが前記マークに入射するときに、前記複数の照明スポットの別の1つが、別のマークの位置を決定するように前記別のマークに入射するように構成される、装置。
【請求項2】
基板上のマークの位置を測定するための装置であって、
前記基板のスキャン中に複数の照明スポットが連続的に前記マークに入射するように、少なくとも1つの放射ビームを調節して、直列に空間的に分布された前記複数の照明スポットを形成するように構成された照明システムと、
前記マークにより前記基板から回折された放射であって、前記マークによる前記複数の照明スポットの回折により生成される回折された放射を投影するように構成された投影システムと、を備え、
前記投影システムが、前記回折された放射を変調し、前記変調した放射を、前記複数の照明スポットのそれぞれに対応する信号であって、前記マークの位置を決定するために結合される信号を生成するように構成された検出システムに投影するようにさらに構成され、
前記投影システムが、前記複数の照明スポットのそれぞれからの前記回折された放射が前記検出システムの1つの検出器に入射するように移動されるように構成された可動ミラーを備える
、装置。
【請求項3】
前記照明システムが、前記基板上の隣接する照明スポットの間に隙間が存在するように、前記複数の照明スポットを誘導するように構成される、請求項1
又は2の装置。
【請求項4】
前記照明システムが、前記基板上の隣接する照明スポットの間に隙間が存在しないように、前記複数の照明スポットを誘導するように構成される、請求項1
又は2の装置。
【請求項5】
前記照明システムが、前記複数の照明スポットの1つだけが前記マークに同時に入射するように構成される、請求項1から
4の何れか一項の装置。
【請求項6】
前記照明システムが、複数の放射ビームが調節されて、それぞれが前記複数の照明スポットの少なくとも1つを形成するように構成される、請求項1から
5の何れか一項の装置。
【請求項7】
前記照明システムが、照明サブシステムを備え、
各照明サブシステムが、複数の放射源の個別の1つからの少なくとも1つの放射ビームを調節して、前記複数の照明スポットの少なくとも1つを形成するように構成される、請求項1から
6の何れか一項の装置。
【請求項8】
前記検出システムが、前記複数の照明スポットのそれぞれに対応する前記マークの暫定位置を決定し、前記暫定位置を組み合わせて前記マークの位置を生成する信号を生成するように構成される、請求項1から
7の何れか一項の装置。
【請求項9】
前記検出システムが、前記マークの位置を生成するのに使用される結合信号に結合される信号を生成するように構成される、請求項1から
7の何れか一項の装置。
【請求項10】
基板上のマークの位置を測定するための測定システムであって、
基板上のマークの位置を測定するための装置であって、前記基板のスキャン中に複数の照明スポットが連続的に前記マークに入射するように、少なくとも1つの放射ビームを調節して、直列に空間的に分布された前記複数の照明スポットを形成するように構成された照明システムと、前記マークにより前記基板から回折された放射であって、前記マークによる前記複数の照明スポットの回折により生成される回折された放射を投影するように構成された投影システムと、を備え、前記投影システムが、前記回折された放射を変調し、前記変調した放射を、前記複数の照明スポットのそれぞれに対応する信号であって、前記マークの位置を決定するために結合される信号を生成するように構成された検出システムに投影するようにさらに構成される、装置と、
追加の装置と、
を備え、
前記追加の装置が、
前記基板のスキャン中に複数の追加の照明スポットが連続的に追加のマークに入射するように、少なくとも1つの追加の放射ビームを調節して、直列に空間的に分布された前記複数の追加の照明スポットを形成するように構成された追加の照明システムと、
前記追加のマークにより前記基板から回折された放射であって、前記追加のマークによる前記複数の追加の照明スポットの回折により生成される回折された放射を投影するように構成された追加の投影システムと、を備え、
前記追加の投影システムが、前記回折された放射を変調し、前記変調した放射を、前記複数の追加の照明スポットのそれぞれに対応する信号であって、前記装置による前記マークの位置の測定と並行して、前記追加のマークの位置を決定するために結合される信号を生成するように構成された追加の検出システムに投影するように構成される、測定システム。
【請求項11】
請求項1から
9の何れか一項の装置及び/又は請求項
10の測定システムを備えた、メトロロジ装置。
【請求項12】
パターニングデバイスからのパターンを基板に投影するように構成されたリソグラフィ装置であって、
請求項1から
9の何れか一項の装置及び/又は請求項
10の測定システムを備えた、リソグラフィ装置。
【請求項13】
基板上の
複数のマークの位置を測定する方法であって、
少なくとも1つの放射ビームを調節して、直列に空間的に分布された複数の照明スポットを形成するように構成された照明システムと、前記マークから回折された放射を投影及び変調するように構成された投影システムと、を備えた測定光学システムを提供することと、
前記複数の照明スポットが前記マークに連続的に入射するように、前記基板をスキャンすることと、
前記マークにより回折される前記複数の照明スポットから回折放射を生成することと、
前記変調された放射を、前記複数の照明スポットのそれぞれに対応する信号であって、前記マークの位置を決定するために結合される信号を生成するように構成された検出システムに投影することと、
前記複数の照明スポットの1つが前記マークに入射するときに、前記複数の照明スポットの別の1つが、別のマークの位置を決定するように前記別のマークに入射するように、前記照明システムを構成することと、
を含む、方法。
【請求項14】
基板上のマークの位置を測定する方法であって、
少なくとも1つの放射ビームを調節して、直列に空間的に分布された複数の照明スポットを形成するように構成された照明システムと、前記マークから回折された放射を投影及び変調するように構成された投影システムと、を備えた測定光学システムを提供することと、
前記複数の照明スポットが前記マークに連続的に入射するように、前記基板をスキャンすることと、
前記マークにより回折される前記複数の照明スポットから回折放射を生成することと、
前記変調された放射を、前記複数の照明スポットのそれぞれに対応する信号であって、前記マークの位置を決定するために結合される信号を生成するように構成された検出システムに投影することと、
前記複数の照明スポットのそれぞれからの前記回折放射が前記検出システムの1つの検出器に入射するように、前記投影システムの可動ミラーを移動させることと、
を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
[0001] この出願は、2018年9月27日に出願された欧州出願18197076.5の優先権を主張し、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
[0002] 本発明は、マークの位置を測定するための装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0003】
[0003] リソグラフィ装置は、基板に所望のパターンを適用するように構築された機械である。リソグラフィ装置は、例えば集積回路(IC)の製造において使用可能である。リソグラフィ装置は、例えばパターニングデバイス(例えばマスク)のパターン(「設計レイアウト」又は「設計」と称されることも多い)を、基板(例えばウェーハ)上に提供された放射感応性材料(レジスト)層に投影し得る。
【0004】
[0004] 半導体製造プロセスが進み続けるにつれ、回路素子の寸法は継続的に縮小されてきたが、その一方で、デバイス毎のトランジスタなどの機能素子の量は、「ムーアの法則」と通称される傾向に従って、数十年にわたり着実に増加している。ムーアの法則に対応するために、半導体産業はますます小さなフィーチャを作り出すことを可能にする技術を追求している。基板上にパターンを投影するために、リソグラフィ装置は電磁放射を用い得る。この放射の波長が、基板上にパターン形成されるフィーチャの最小サイズを決定する。現在使用されている典型的な波長は、365nm(i線)、248nm、193nm及び13.5nmである。例えば193nmの波長を有する放射線を使用するリソグラフィ装置よりも小さなフィーチャを基板上に形成するためには、4nm~20nmの範囲内、例えば6.7nm又は13.5nmの波長を有する極端紫外線(EUV)放射を使用するリソグラフィ装置が用いられ得る。
【0005】
[0005] 複合デバイスの製造において、典型的には多くのリソグラフィパターニングステップが実行され、それによって基板上の連続層内に機能フィーチャが形成される。したがって、リソグラフィ装置の性能の重大な側面は、前の層内に(同じ装置又は異なるリソグラフィ装置によって)定められたフィーチャに関して、付与されたパターンを正しくかつ正確に配置する能力である。このために、基板には1つ以上のマークのセットが設けられる。各マークは、後で位置センサ、典型的には光位置センサを使用してその位置を測定できる構造である。位置センサは「アライメントセンサ」と呼ばれることがあり、マークは「アライメントマーク」と呼ばれることがある。
【0006】
[0006] リソグラフィ装置は、基板上に設けられたアライメントマークの位置を正確に測定できる1つ以上の(例えば複数の)アライメントセンサを含むことがある。1つ以上の(例えば複数の)アライメントセンサは、別個の測定もしくはアライメントシステム、又は別個のメトロロジツールの一部であることがある。アライメント(又は位置)センサは、回折や干渉といった光学現象を用いて、基板上に形成されたアライメントマークから位置情報を取得することがある。現在のリソグラフィ装置で使用されているアライメントセンサの一例は、US6961116号に記載されているような自己参照干渉計に基づいている。位置センサの様々な強化及び改良は、例えばUS2015261097A1号に開示されているように発展してきている。これらの刊行物の全ての内容は参照によって本明細書に組み込まれる。
【0007】
[0007] マーク、すなわちアライメントマークは、基板上に設けられた層の上もしくは内に形成された、又は基板に(直接)形成された一連のバーを含むことがある。バーは、周知の空間的周期(ピッチ)を有する回折格子と見なすことができるように、一定の間隔で配置され、格子線の役割を果たすことがある。これらの格子線の配向に応じて、X軸に沿った位置、又は(X軸に対してほぼ垂直に配向される)Y軸に沿った位置の測定を可能にするようにマークを設計することがある。X軸及びY軸の両方に対して+45度及び/又は-45度に配列されたバーを含むマークは、参照により組み込まれるUS2009/195768A号に記載されているような技法を用いて、X及びYを組み合わせた測定を可能にする。
【0008】
[0008] アライメントセンサは、各マークを放射スポットで光学的にスキャンして、正弦波のような周期的に変動する信号を取得する。この信号の位相を解析して、アライメントセンサに対するマークの位置、したがって基板の位置を決定する。アライメントセンサは、リソグラフィ装置の基準フレームに対して固定されている。いわゆる粗マーク及び微細マークを設け、異なる(粗及び微細)マーク寸法に関連付けることで、アライメントセンサは、周期信号の異なるサイクルを区別し、また、1サイクル内の正確な位置(位相)を識別することができる。この目的のために、異なるピッチのマークを使用することもある。
【0009】
[0009] また、マークの位置を測定することで、例えばウェーハグリッドの形態で、マークが設けられている基板の変形に関する情報が提供されることもある。基板の変形は、例えば、基板を基板テーブルに静電クランプすること及び/又は基板を放射に露光する際に基板が加熱されることによって生じることがある。
【0010】
[00010] 従来技術と関係する1つ以上の問題を克服又は緩和する、アライメントマークの位置を測定するための装置及び方法を提供することが望ましい。
【発明の概要】
【0011】
[00011] 本発明のある態様によれば、基板上のマークの位置を測定するための装置であって、基板のスキャン中に複数の照明スポットが連続的にマークに入射するように、少なくとも1つの放射ビームを調節して、直列に空間的に分布された複数の照明スポットを形成するように構成された照明システムと、マークにより基板から回折された放射であって、マークによる複数の照明スポットの回折により生成される回折された放射を投影するように構成された投影システムと、を備え、投影システムが、回折された放射を変調し、変調した放射を、複数の照明スポットのそれぞれに対応する信号であって、マークの位置を決定するために結合される信号を生成するように構成された検出システムに投影するようにさらに構成される装置が提供される。
【0012】
[00012] これは、高速アライメントを良好な再現性で達成できるという利点を有する。機械動特性(例えば振動)が平均化されることがあり、これにより機械動特性の再現性の影響が軽減される。さらに、良好な再現性が得られるように十分な光子を測定することができる。
【0013】
[00013] 照明システムは、基板上の隣接する照明スポットの間に隙間が存在するように、複数の照明スポットを誘導するように構成されることがある。
【0014】
[00014] 照明システムは、基板上の隣接する照明スポットの間に隙間が存在しないように、複数の照明スポットを誘導するように構成されることがある。
【0015】
[00015] 照明システムは、複数の照明スポットの1つだけがマークに同時に入射するように構成されることがある。
【0016】
[00016] 照明システム及び投影システムは、少なくとも1つの共通の光学コンポーネントを有することがある。
【0017】
[00017] 装置は、複数のマークの位置を測定するためのものであることがあり、照明システムは、複数の照明スポットの1つがマークに入射するときに、複数の照明スポットの別の1つが、別のマークの位置を決定するように別のマークに入射するように構成されることがある。
【0018】
[00018] 投影システムは、複数の照明スポットのそれぞれからの回折された放射が検出システムの1つの検出器に入射するように移動されるように構成される可動ミラーを備えることがある。
【0019】
[00019] 照明システムは、複数の放射ビームが調節されて、それぞれが複数の照明スポットの少なくとも1つを形成するように構成されることがある。
【0020】
[00020] 照明システムは、照明サブシステムを備えることがあり、各照明サブシステムは、複数の放射源の個別の1つからの少なくとも1つの放射ビームを調節して、複数の照明スポットの少なくとも1つを形成するように構成されることがある。
【0021】
[00021] 検出システムは、複数の照明スポットのそれぞれに対応するマークの暫定位置を決定し、暫定位置を組み合わせてマークの位置を生成する信号を生成するように構成されることがある。
【0022】
[00022] 検出システムは、マークの位置を生成するのに使用される結合信号に結合される信号を生成するように構成されることがある。
【0023】
[00023] 本発明のある態様によれば、基板上のマークの位置を測定するための測定システムであって、上記の装置と、追加の装置とを備え、追加の装置が、基板のスキャン中に複数の追加の照明スポットが連続的に追加のマークに入射するように、少なくとも1つの追加の放射ビームを調節して、直列に空間的に分布された複数の追加の照明スポットを形成するように構成された追加の照明システムと、追加のマークにより基板から回折された放射であって、追加のマークによる複数の追加の照明スポットの回折により生成される回折された放射を投影するように構成された追加の投影システムと、を備え、追加の投影システムが、回折された放射を変調し、変調した放射を、複数の追加の照明スポットのそれぞれに対応する信号であって、装置によるマークの位置の測定と並行して、追加のマークの位置を決定するために結合される信号を生成するように構成された追加の検出システムに投影するように構成される測定システムが提供される。
【0024】
[00024] 本発明のある態様によれば、上記の装置及び/又は上記の測定システムを備えたメトロロジ装置が提供される。
【0025】
[00025] 本発明のある態様によれば、パターニングデバイスからのパターンを基板に投影するように構成されたリソグラフィ装置であって、上記の装置及び/又は上記の測定システムを備えたリソグラフィ装置が提供される。
【0026】
[00026] 本発明のある態様によれば、基板上のマークの位置を測定するための装置であって、基板のスキャン中に照明バンドがマークに入射するように、少なくとも1つの放射ビームを調節して、照明バンドを形成するように構成された照明システムと、マークにより基板から回折された放射であって、マークによる照明バンドの回折により生成される回折された放射を投影するように構成された投影システムと、を備え、投影システムが、回折された放射を変調し、変調した放射を、マークの位置を決定するための照明バンドに対応する信号を生成するように構成された検出システムに投影するようにさらに構成される、装置が提供される。
【0027】
[00027] 本発明のある態様によれば、基板上のマークの位置を測定する方法であって、少なくとも1つの放射ビームを調節して、直列に空間的に分布された複数の照明スポットを形成するように構成された照明システムと、マークから回折された放射を投影及び変調するように構成された投影システムとを備えた測定光学システムを提供することと、複数の照明スポットがマークに連続的に入射するように、基板をスキャンすることと、マークにより回折される複数の照明スポットから回折放射を生成することと、変調された放射を、複数の照明スポットのそれぞれに対応する信号であって、マークの位置を決定するために結合される信号を生成するように構成された検出システムに投影することと、を含む方法が提供される。
【0028】
[00028] 方法は、基板を装置に対して一定の速度でスキャンすることをさらに含むことがある。
【図面の簡単な説明】
【0029】
[00029] 本発明の実施形態を、添付の概略図を参照して、単なる例示として以下に説明する。
【0030】
【
図1】本発明の実施形態に係るリソグラフィ装置の図式的概観を示す。
【
図2】既知のアライメントセンサASの概略的ブロック図を示す。
【
図3】本発明の実施形態に係るアライメントセンサの概略図を示す。
【
図4】本発明の実施形態に係るミクロ回折ベースオーバーレイ(μDBO)マークの概略図を示す。
【
図5】本発明の実施形態に係る基板及びアライメントセンサにより生成された一連の照明スポットの概略図を示す。
【
図6】本発明の実施形態に係るアライメントセンサの概略図を示す。
【
図7】本発明の実施形態に係るアライメントセンサの概略図を示す。
【
図8】本発明の実施形態に係るアライメントセンサの概略図を示す。
【
図9】本発明の実施形態に係るアライメントセンサにおける瞳面の概略図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0031】
本文献では、「放射」及び「ビーム」という用語は、特に明記しない限り、紫外線(例えば、波長が365nm、248nm、193nm、157nm又は126nmの波長)及びEUV(極端紫外線放射、例えば、約5~100nmの範囲の波長を有する)を含む、すべてのタイプの電磁放射を包含するために使用される。
【0032】
[00030] 「レチクル」、「マスク」、又は「パターニングデバイス」という用語は、本文で用いる場合、基板のターゲット部分に生成されるパターンに対応して、入来する放射ビームにパターン付き断面を与えるため使用できる汎用パターニングデバイスを指すものとして広義に解釈され得る。また、この文脈において「ライトバルブ」という用語も使用できる。古典的なマスク(透過型又は反射型マスク、バイナリマスク、位相シフトマスク、ハイブリッドマスク等)以外に、他のそのようなパターニングデバイスの例は、プログラマブルミラーアレイ及びプログラマブルLCDアレイを含む。
【0033】
[00031]
図1は、リソグラフィ装置LAを概略的に示す。リソグラフィ装置LAは、放射ビームB(例えばUV放射、DUV放射、又はEUV放射)を調節するように構成された照明システム(イルミネータとも呼ばれる)ILと、パターニングデバイス(例えばマスク)MAを支持するように構築され、特定のパラメータに従ってパターニングデバイスMAを正確に位置決めするように構成された第1のポジショナPMに連結されたマスクサポート(例えばマスクテーブル)MTと、基板(例えばレジストコートウェーハ)Wを保持するように構成され、特定のパラメータに従って基板サポートを正確に位置決めするように構築された第2のポジショナPWに連結された基板サポート(例えばウェーハテーブル)WTと、パターニングデバイスMAによって放射ビームBに付与されたパターンを基板Wのターゲット部分C(例えば、1つ以上のダイを含む)上に投影するように構成された投影システム(例えば、屈折投影レンズシステム)PSと、を含む。
【0034】
[00032] 動作中、照明システムILは、例えばビームデリバリシステムBDを介して放射源SOから放射ビームを受ける。照明システムILは、放射を誘導し、整形し、及び/又は制御するための、屈折型、反射型、磁気型、電磁型、静電型、及び/又はその他のタイプの光学コンポーネント、又はそれらの任意の組み合わせなどの様々なタイプの光学コンポーネントを含むことができる。イルミネータILを使用して放射ビームBを調節し、パターニングデバイスMAの平面において、その断面にわたって所望の空間及び角度強度分布が得られるようにしてもよい。
【0035】
[00033] 本明細書で用いられる「投影システム」PSという用語は、使用する露光放射、及び/又は液浸液の使用や真空の使用のような他のファクタに合わせて適宜、屈折光学システム、反射光学システム、反射屈折光学システム、アナモルフィック光学システム、磁気光学システム、電磁気光学システム、及び/又は静電気光学システム、又はそれらの任意の組み合わせを含む様々なタイプの投影システムを包含するものとして広義に解釈するべきである。本明細書で「投影レンズ」という用語が使用される場合、これはさらに一般的な「投影システム」PSという用語と同義と見なすことができる。
【0036】
[00034] リソグラフィ装置LAは、投影システムPSと基板Wとの間の空間を充填するように、基板の少なくとも一部を例えば水のような比較的高い屈折率を有する液体で覆うことができるタイプでもよい。これは液浸リソグラフィとも呼ばれる。液浸技法に関するさらなる情報は、参照により本願に含まれるUS6952253号に与えられている。
【0037】
[00035] リソグラフィ装置LAは、2つ以上の基板サポートWTを有するタイプである場合もある(「デュアルステージ」という名前も付いている)。このような「マルチステージ」機械においては、基板サポートWTを並行して使用するか、及び/又は、一方の基板サポートWT上の基板Wにパターンを露光するためこの基板を用いている間に、他方の基板サポートWT上に配置された基板Wに対して基板Wの以降の露光の準備ステップを実行することができる。
【0038】
[00036] 基板サポートWTに加えて、リソグラフィ装置LAは測定ステージを含むことができる。測定ステージは、センサ及び/又は洗浄デバイスを保持するように配置されている。センサは、投影システムPSの特性又は放射ビームBの特性を測定するよう配置できる。測定ステージは複数のセンサを保持することができる。洗浄デバイスは、例えば投影システムPSの一部又は液浸液を提供するシステムの一部のような、リソグラフィ装置の一部を洗浄するよう配置できる。基板サポートWTが投影システムPSから離れている場合、測定ステージは投影システムPSの下方で移動することができる。
【0039】
[00037] 動作中、放射ビームBは、マスクサポートMT上に保持されている、例えばマスクのようなパターニングデバイスMAに入射し、パターニングデバイスMA上に存在するパターン(設計レイアウト)によってパターンが付与される。マスクMAを横断した放射ビームBは投影システムPSを通過し、投影システムPSはビームを基板Wのターゲット部分Cに集束させる。第2のポジショナPW及び位置測定システムIFを用いて、例えば、放射ビームBの経路内の集束し位置合わせした位置に様々なターゲット部分Cを位置決めするように、基板サポートWTを正確に移動させることができる。同様に、第1のポジショナPMと、場合によっては別の位置センサ(
図1には明示的に図示されていない)を用いて、放射ビームBの経路に対してパターニングデバイスMAを正確に位置決めすることができる。パターニングデバイスMA及び基板Wは、マスクアライメントマークM1、M2及び基板アライメントマークP1、P2を用いて位置合わせすることができる。図示されている基板アライメントマークP1、P2は専用のターゲット部分を占有するが、それらをターゲット部分間の空間に位置付けることも可能である。基板アライメントマークP1、P2は、これらがターゲット部分C間に位置付けられている場合、スクライブラインアライメントマークとして知られている。
【0040】
[00038] 本発明を明確化するために、デカルト座標系が用いられる。デカルト座標系は3つの軸、すなわちx軸、y軸及びz軸を有する。3つの軸の各々は他の2つの軸に直交する。x軸を中心とする回転はRx回転と称される。y軸を中心とする回転はRy回転と称される。z軸を中心とする回転はRz回転と称される。x軸及びy軸は水平面を定義し、その一方でz軸は垂直方向にある。デカルト座標系は本発明を限定するものではなく、明確化のためにのみ用いられる。本発明を明確化するためには、代わりに、円筒座標系のような別の座標系が用いられてもよい。デカルト座標系の配向は、例えばz軸が水平面に沿った成分を有するなど、異なっていてもよい。
【0041】
[00039]
図2は、例えば、参照により組み込まれるUS6961116号に記載されているような既知のアライメントセンサASのある実施形態の概略的ブロック図である。放射源RSOは、1つ以上の波長の放射ビームRBを提供し、この放射ビームRBは、誘導光学系によって、基板W上に位置するマークAMのようなマーク上へ照明スポットSPとして誘導される。この例では、誘導光学系はスポットミラーSM及び対物レンズOLを備える。マークAMを照明する照明スポットSPは、マーク自体の幅よりも直径がわずかに小さいことがある。
【0042】
[00040] マークAMにより回折された放射は、(この例では対物レンズOLを介して)情報保持ビームIBにコリメートされる。「回折される」という用語は、マークからの(反射と呼ばれることがある)ゼロ次回折を含むことが意図される。例えば上述のUS6961116号に開示されているタイプの自己参照干渉計SRIは、ビームIBをそれ自体と干渉させ、その後ビームは光検出器PDによって受光される。放射源RSOによって2つ以上の波長が生成される場合は、追加の光学系(図示せず)を含ませて別個のビームを提供することがある。光検出器は単一の要素であるか、又は所望の場合は多くの画素を含むことがある。光検出器はセンサアレイを含むことがある。
【0043】
[00041] この例においてスポットミラーSMを含む誘導光学系は、情報保持ビームIBがマークAMからの高次回折放射だけを含むように、マークから反射したゼロ次放射を遮断する働きをすることもある(これは測定に必須ではないが、信号対雑音比を向上させる)。
【0044】
[00042] 強度信号SIが処理ユニットPUに供給される。ブロックSRIにおける光学処理とユニットPUにおける計算処理の組み合わせによって、基準フレームに対する基板上のX及びY位置の値が出力される。
【0045】
[00043] 図示されているタイプの単一測定は、マークの1つのピッチに対応する一定の範囲内のマークの位置を固定するだけである。これと関連付けてより粗い測定技法を用いて、このマーク位置を含む正弦波の周期を識別する。マークが作製されている材料やマークがその上及び/又は下に設けられる材料とは無関係に、精度の向上及び/又はマークのロバストな検出のため、様々な波長で粗いレベル及び/又は微細なレベルで同一のプロセスを繰り返すことがある。波長は、同時に処理されるように光学的に多重化及び逆多重化されることがある、及び/又は時分割もしくは周波数分割によって多重化されることがある。
【0046】
[00044] この例では、アライメントセンサ及びスポットSPは固定状態のままであり、移動するのは基板Wである。したがって、アライメントセンサは、基準フレームに堅固かつ高精度に搭載されながら、効果的に基板Wの移動方向と反対の方向にマークAMをスキャンすることができる。この移動において基板Wは、基板サポートに搭載されることによって、また、基板位置決めシステムが基板サポートの移動を制御することによって制御される。基板サポート位置センサ(例えば干渉計)が、基板サポート(図示せず)の位置を測定する。ある実施形態では、基板サポート上に1つ以上の(アライメント)マークが設けられる。基板サポート上に設けられたマークの位置を測定することで、位置センサにより決定される基板サポートの位置を(例えばアライメントシステムが接続されるフレームに対して)較正することができる。基板上に設けられたアライメントマークの位置を測定することで、基板サポートに対する基板の位置を決定することができる。
【0047】
[00045]
図3は、基板W上のアライメントマークの位置を測定するための装置10のある実施形態の概略図である。アライメントセンサと呼ばれることがある装置10は、ある実施形態では、
図2に示した既知のアライメントシステムASと、やがて明らかになる若干の差異を有して類似していることがある。他の実施形態では、本発明のアライメントセンサは、アライメントマークの像を解析してウェーハアライメントパラメータを決定する、若干の差異を有するイメージベースセンサと類似している。
【0048】
[00046] アライメントマークは周期的格子であることがある。一部の実施形態では、アライメントマークは、基板のオーバーレイを測定するためのものであることがある。マークは、
図4に示すようなμDBO(ミクロ回折ベースオーバーレイ)マーク12であることがある。μDBOマーク12の合計サイズは、例えば16×16μmであることがある。結果として、個々の格子パッチ12a~dは、例えば8×8μmとなる。μDBOマーク12の典型的なピッチは500~1000nmとなる。他の実施形態では、マークは、例えば、典型的にはオーバーレイマークより大きく、オーバーレイマークより大きいピッチを有する従来のマークなどのアライメントマークであることがある。例えば、従来のマークの典型的なサイズは40×80μmであり、典型的なピッチは1.6~3.2μmであることがある。マークの一部は、x又はy位置の一方を測定するための垂直又は水平格子線を有することがあり、その他のマークは、x及びy位置の両方を測定するための斜めの格子線を有することがある。他の実施形態では、マークの位置の測定に使用できる限り、異なるタイプのマークが使用され得ることが理解されるであろう。残りの説明では、μDBOマークが使用されることになるが、説明される実施形態ではいずれのタイプのマークも使用され得ることが理解されるであろう。
【0049】
[00047] もう一度
図3を参照すると、装置10は測定装置である。装置10は、メトロロジ装置であるか、又はメトロロジ装置の一部を構成することがある。基板Wの特性、具体的には、異なる基板Wの特性がどのように変化するか、又は同じ基板Wの異なる層と関連する特性が層によってどのように変化するかを決定するのにメトロロジ装置が使用される。装置10は、例えば、リソグラフィ装置LAに組み込まれることがあるか、又はスタンドアロンデバイスであることがある。装置は、リソグラフィ装置LA内の他の場所に位置し得ること、及び/又は異なる基板上に位置する異なるアライメントマークを測定するために使用され得ることが理解されるであろう。
【0050】
[00048] 放射源(図示せず)からの複数の放射ビーム14がアライメントセンサ10を通過して基板W上のアライメントマークを照明する。一部の実施形態では、放射源はアライメントセンサ10の一部であることがあり、他の実施形態では、放射源は別個のコンポーネントであることがある。放射源は、スーパーコンティニウム源などの広帯域放射源であることがあり、追加の光学系が1つ以上の波長範囲又は波長の適切な選択を行うことがある。代替的に、それぞれが異なる波長範囲(又は部分的に重複する波長範囲)の放射を放出する複数の放射源が提供されて、1つ以上の波長範囲又は波長の選択が行われる。
【0051】
[00049] アライメントセンサ10は、放射ビーム14を基板W上のアライメントマーク上へ誘導するように構成された照明システム16を備える。照明システム16は、放射ビーム14が通過する1D単一モードファイバ(SMF)アレイ18を備える。放射は、単一モードファイバを通して放射源から光モジュールへ伝送される。(温度が上昇したり、振動したりすることがある)放射源及び/又は検出器は、(干渉計的に安定した)光モジュール及び基板から離れた(例えば数メートル離れた)ところに置かれることがある。この実施形態では、1つの空間モードファイバにより最適に伝送される空間的にコヒーレントな放射が用いられるとき、単一モードファイバが使用される。しかしながら、他の実施形態では、マルチモードファイバを使用し得る空間的にインコヒーレントなアライメントセンサが使用されることがある。一部の実施形態では、放射はファイバを通して伝送され得ないことが理解されるであろう。
【0052】
[00050] 照明システム16は、放射ビーム14のそれぞれを2つの大角度の軸外照明ビーム14a、14bに分割するのに使用される照明参照(位相)格子20を含む。照明ビーム14a、14bは、照明参照格子20の1次及び-1次に対応する(0次は完全な位相格子の場合にはないか、又は瞳絞りで除去されることがある)。
【0053】
[00051] 他の実施形態では、参照格子の使用を必要としないことがある。例えば、他の実施形態では、参照格子がないことがあり、基板上の(少なくとも1次元の)照明スポットサイズは、ほぼ格子ピッチ又は格子ピッチの半分に減少されることがある。このとき、
図3の実施形態と全く同様に、周期的な強度信号が(例えば)フォトダイオード上で検出されることになる。この信号はまた、後述されるのと同じように、アライメント位置を決定するのに使用することができる。この代替的な実施形態に関する問題は、より小さいスポットが基板上に必要とされるため、基板に損傷を与えることなく用いることができる光子の数が減ることである。光子が少ないということは、信号対雑音比(SNR)が低い、すなわち(再現性)性能が低いことを意味する。別の例として、基板上の各照明スポットは、例えば上記のような、独自の(小型の)アライメントセンサを有することがあるため、参照格子を必要としない。このことは、各照明スポットが独自のレンズを有する
図6についてより簡単に描かれることがある。参照格子が必要とされないことがある追加の例は、各照明スポットが、CCDセンサやCMOSセンサといったイメージセンサがアライメントマークの1つ以上の像を検出するために設けられる、独自の小型のイメージベースセンサを有し得ることであることがある。これらの小型のアライメントセンサは、集積光センサであることがある。US9716193B2号には、集積光センサの一例が記載されている。「Electro-optics handbook」Ronald W. Waynant, editor, Marwood N. Ediger, editor.-2nd ed.(ISBN 0-07-068716-1(hc), McGraw-Hill)には、光集積回路(OIC)が、レーザダイオード光源、スイッチ/モジュレータなどの機能部品、相互接続導波路、及びフォトダイオード検出器の全てを単一の基板上に統合することによって機能を実行するように設計された薄膜型光回路であることが説明されている。この文献の段落26.3.1には、格子をレンズとして使用することが説明されている。光をウェーハへ誘導し、再びセンサ上に戻すために格子を使用することができる。段落26.4.4には、波長(非)乗算器を用いて平行な多色光を得る方法が説明されている。この技術は全て、小さい集積光センサを作成するのに用いることができ、集積光センサの多くは、多くのアライメントマークを平行に測定できるようにアライメントセンサのアレイを作成するために平行に置くことができる。
【0054】
[00052] この実施形態では、照明ビーム14a、14bは次に、照明システム16の平凸レンズ22によって広FOV(視野)対物レンズ24に集束され、対物レンズ24はさらに照明ビーム14a、14bを基板Wに集束させる。対物レンズ24は、同じ放射ビーム14から生じる対応する照明ビーム14a、14bを基板W上の照明スポット26に集束させる。このようにして、放射ビーム14のそれぞれを照明システム16により調節することによって、5つの照明スポット26を基板W上に形成する。SMFアレイ18の個々の単一モードファイバごとに1つの放射の照明スポット26が存在する。他の実施形態では、異なるタイプのレンズが使用され得ること、例えば平凸レンズは異なるレンズであり得ることが理解されるであろう。
【0055】
[00053] 放射ビーム14のそれぞれが他の放射ビーム14に対して空間的に分布されると、照明スポット26も空間的に分布される。この実施形態では、照明システム16は、放射ビーム14を調節して、直列に空間的に分布された5つの照明スポット26を基板W上に形成するように構成される。他の実施形態では、異なる数の照明スポットが形成されることがある。これはほんの一例であり、複数の照明スポットが形成され得るいくつかの手法があることが理解されるであろう。例えば、照明システムは、異なる数又はタイプの光学コンポーネントから構成されることがある。
【0056】
[00054] この実施形態では、照明システム16は、隣接する照明スポット26の間に隙間/間隔が存在するように複数の照明スポット26を誘導する。例えば、基板W上の隣接する照明スポット間の間隔は、例えば50μmであることがある。照明スポット間の間隔は同じであるか、又は異なることがある。
【0057】
[00055] 他の実施形態では、基板W上の照明スポット26の間に隙間が存在しないこともある。つまり、この場合には、照明スポット26は、基板W上に途切れなく帯状又は線状に続く照明(すなわち一方向に伸びる長いスポット)を形成すると見なされることがある。一部の実施形態では、照明スポットは他の照明スポットとある程度重なっていることがある。他の実施形態では、基板上の複数の照明スポットの間の一部の照明スポットは、隣接する照明スポットとの間に隙間を有することがあり、他の照明スポットは、隣の照明スポットとの間に隙間を有しないことがある。
【0058】
[00056] この「長いスポット」はまた、例えば単一の照明ファイバ及び円柱レンズにより生成された単一の照明スポットから生成され得ることが理解されるであろう。円柱レンズは、放射を点/スポットではなく、帯又は線に集束させることがある。換言すれば、照明の「長いスポット」は、照明バンド又は照明ラインと見なされることがある。つまり、照明バンドは、直交方向よりも一方向に長い距離だけ延在することがある。したがって、長い方の距離がスキャン方向であると仮定すると、照明バンドは、同じスキャン速度で照明スポットよりも長い時間マークに入射することになる。さらに、照明バンドを形成する放射は、照明スポットが基板Wへの損傷を回避できるよりも大きい強度であることがある。これは、照明バンド放射が照明スポットよりも空間的に広がることになるためである。つまり、1つの照明スポットを用いるよりも1つの照明バンドを用いることで、より多くの光子がマークに入射することがある。したがって、照明バンドは、少なくともある程度は、後に説明されるように、複数の照明スポットと同じか又は同様の利益をもたらすことがある。
【0059】
[00057]
図5は、基板Wに入射する前の照明スポット26の概略図を示している。基板Wは、それぞれが1つ以上のマークを含み得る複数のフィールド28を有する。これらのマークは、μDBOマーク12であるか、又は他のタイプのアライメントマークであることがある。
【0060】
[00058]
図5から、照明スポット26は異なるサイズ及び形状を有し、隣接する照明スポット26の間に異なるサイズの間隔を有し得ることが分かる。
【0061】
[00059] 基板Wはスキャンされる、すなわちアライメントセンサ10に対して移動され、放射は基板Wに入射し、基板Wを横切って移動する。矢印は、基板Wに対する照明スポット26の移動方向を示す。直列に空間的に分布される複数の照明スポット26は、基板Wがスキャンされるとき連続的に基板Wに入射する。
【0062】
[00060] 基板は、フィールドの別の(隣の)列のスキャンが反対方向に行われる、ジグザグ(往復)の動きでスキャンされることがある。基板は、格子状に、例えば左右及び上下にスキャンされることがある。アライメントセンサの照明スポットは、十字型に、例えば横並びだけでなく縦並びにも分布されることがある。基板は、μDBOマークの1回のスキャンからx及びy情報を取得するために、対角線上にスキャンされることがある。各アライメントセンサが1列の照明スポットを含む並列センサを使用することができる。これにより、基板の1回の線形スキャン動作で基板全体の測定が可能になる。
【0063】
[00061] したがって、直列に分布する照明スポット26は、基板Wを横切る放射の経路にある、基板W上のμDBOマーク12に連続的に入射する。つまり、照明スポット26のそれぞれは、基板Wがスキャンされるとき、μDBOマーク12に次々に当たることになる。基板Wを横断するときに、放射の経路に2つ以上のμDBOマーク12がある場合にも、各μDBOマーク12は照明スポット26のそれぞれによって次々に照明されることになる。一部の実施形態では、照明システム16は、照明スポット26がマークに同時に1つしか入射しないように構成されることがある。つまり、照明スポットのサイズは、典型的にはマークのサイズほどであり、隣接する照明スポット26間の隙間は、μDBOマーク12のサイズ(例えば幅)以上である。他の実施形態では、照明スポット26の2つ以上がμDBOマーク12に同時に入射することがある。
【0064】
[00062] 照明スポット26はμDBOマーク12から回折され、そして回折された放射が検出されてμDBOマーク12の位置が決定される。回折された放射の投影及び検出は、任意の適切な方法で実行されることがあり、一部の実施形態は
図7~9との関連で説明される。
図3との関連で、アライメントセンサ10の照明システム16だけが具体的に説明されてきたが、他の実施形態では、アライメントセンサ10は、マークを照明し、マークの位置を測定する機能を実行するのに必要な、投影システム、検出システム、放射源及びその他の光学コンポーネントの1つ以上を含み得ることが理解されるであろう。ある実施形態では、検出システムは投影システムに等しい、すなわちターゲットにより回折される放射ビームは参照格子上で干渉する。そして、単一モードファイバ(この場合には共用照明及び検出ファイバ)に再結合された強度は、マークをスキャンしながら周期的に振動し、アライメント位置の決定を可能にする。
【0065】
[00063] 照明スポット26のサイズは、位置が測定されている特定のマークによって変化することがある。上述のように、μDBOマーク12の個々の格子パッチは8×8μmのサイズを有することがある。例えば、スポットサイズ(径)は、μDBOマーク12について6μmであることがある。しかしながら、スポットサイズはこのサイズと異なることがある。典型的には、周囲の構造に鈍感となるようにマークをわずかに充填不足にすることが有益であることがある。四角いマークの場合、周囲の構造に衝突することなくマークをスキャンする余地があるように、スポットをマークよりも少し小さくすることが有益であることもある。典型的なアライメントマークは、40×80μmのサイズを有することがある。典型的なアライメントマークの場合、スポットサイズは40μmであることがある。使用される照明スポット26の数はまた、使用されているマークによって変化することがある。例えば、スポットの数は、μDBOマーク12について40個であることがある。典型的なアライメントマークの場合、スポットの数は10個であることがある。一般に、小さいマークで大きいマークと同じアライメント性能を達成するにはより多くの照明スポットが必要になることがある。他の実施形態では、照明スポットのサイズ及び数が異なり得ることが理解されるであろう。
【0066】
[00064] スキャン速度は1m/sであることがある。スキャン速度は、基板W全体にわたってほぼ一定であることがある。つまり、速度は、照明スポット26がμDBOマーク12上にあるときに減速されないことがある。したがって、アライメントセンサ10による基板Wのスキャンは、照明スポットがマークに入射するときにスキャンを減速させる必要がある他のシステムと比べて、高速なスキャンと見なされることがある。他のシステムでは、スキャン速度は、十分に良好な再現性(すなわち、同じマークの位置を異なる時間に測定する際の差異)を得るために、減速されることがある。同じマークの位置が何回も測定される場合に、「再現性」は、位置分布の標準偏差の3倍と定められる。再現性は、一定値、例えば0.1nmや1nm未満である場合、「良好」と見なされることがある。
【0067】
[00065] 他の実施形態では、スキャン速度は、基板全体にわたって一定でないことがあり、減速又は加速されることがあることが理解されるであろう。しかしながら、一般に、アライメントセンサ10を使用する場合の全体的なスキャン速度は、十分に良好な再現性をもたらしつつも他のシステムよりも速くなる。
【0068】
[00066] 一部の実施形態では、μDBOマーク12の比較的小さいサイズに起因して、μDBOマーク12のいくつかが基板W上の各フィールド28の内側に配置されることがある。例えば、5個、7個、又は9個のμDBOマーク12を(リソグラフィ装置LAの露光スリット下方のエリアにわたって分布する)列に配置することができる。例えば、基板W上に互いに隣り合う10個のフィールド28があり、各フィールドが互いに隣り合う7個のμDBOマーク12を含む場合は、70個のμDBOマーク12を基板W上の1回の通過(1m/sの速度で、例えば300ミリ秒かかる)で測定することができる。
【0069】
[00067] 1m/sのスキャン速度、及びμDBOマーク12について6μmのスポットサイズのアライメントセンサ10を使用して、スキャン長が3μmであることがある。したがって、照明スポット26が各μDBOマーク12に入射する持続時間は3μsである。より具体的には、これは照明スポット26が(ほぼ)完全にμDBOマーク12上にある合計時間である。これは、スポットの大部分が周囲の構造に衝突する測定の一部を用いることが望まれていないと仮定している。ただし、これは厳しい要件でないこともある。スキャン長は、(その同じ照明スポットを用いて)測定しながら基板W上を移動した距離である。スキャン速度が1m/sで、スポットサイズが40μmの典型的なアライメントマークの場合、スキャン長は40μmであることがある。したがって、照明スポット26が典型的な80μmの各アライメントマークに(完全に)入射している持続時間は40μmである。これは、スポットが例えばマーク上の半分にすぎない場合の信号を使用することが望まれていないと仮定している。
【0070】
[00068] μDBOマーク12を連続的に照明するように直列の照明スポット26を有することの利点は、マークスキャンの合計時間枠、すなわち最初の照明スポット26がμDBOマーク12に衝突するときの開始から最後の照明スポット26がμDBOマーク12から離れるときの終了までが、典型的には、例えば1スポットで1m/sのスキャンの時間枠よりもはるかに長いことである。したがって、機械動特性の再現性の影響を軽減する機械動特性が平均化される。機械動特性は、マークが短時間しか測定されない場合に平均化し得ない機械の振動やサーボエラーなどであることがある。したがって、他のシステムでは、良好な再現性を得るためにマーク上のスキャン速度を低下させる必要があり、アライメントの全体時間が増加することになる。
【0071】
[00069] μDBOマーク12を連続的に照明するように直列の照明スポット26を有することの別の利点は、μDBOマーク12に入射し、μDBOマーク12から回折される光子の総数が、例えば1スポットが同じスキャン速度でマークに入射するのと比べて増加することである。したがって、良好な再現性が得られるように十分な光子を測定することができる。他のシステムでは、マークが非常に短時間で測定される場合、(光子ショット雑音制限検出の場合でも)良好な再現性を得るには光子が十分でない。したがって、このことが、他のシステムにおいて、良好な再現性を得るためにマークのスキャン速度を遅くする必要があり、アライメントの全体時間が増加することになる別の理由である。
【0072】
[00070] 他の照明スポットと直列でない単一照明スポットのみを有する他のシステムでは、スキャン速度はアライメントマーク間で1m/sであることがある。アライメントマークのスキャン速度は、十分に良好な再現性を得るために、例えば11mm/sであることがある。マークのスキャン速度が上昇した場合、回折される光が少なくなり、信号対雑音比が悪くなる。さらに、例えば1msより短い周期(すなわち、11mm/sのスキャン速度での典型的なスキャン時間)で発生していた振動は平均することがあるが、それよりも長い時間スケールを有する周期を有する振動は平均しないことがあり、その結果、マークの位置の測定精度に悪影響を及ぼす可能性がある。一例として、例えばスキャン速度が通常の11mm/sではなく1m/sであるため、スポットがたった10μs間しか照明されない場合は、例えば10μs~1msの時間スケールにわたって振動が発生するため、アライメントエラーが発生することがある。
【0073】
[00071] アライメントセンサ10は、次々にμDBOマーク12を照明する、直列の複数の照明スポット26(例えば10~100個のスポット)を使用する。アライメントセンサ10を使用することで、例えば10μs~1msの時間スケールを有する振動の平均が可能になることがある。これは、μDBOマーク12が全ての照明スポット26により照明される合計時間が、μsではなくmsのオーダーであるためである。
【0074】
[00072] 使用される照明スポット26の数が多くなり、照明スポット26の間隔がより密になればなるほど(すなわち、隣接するスポット間の隙間が小さくなるほど)よい。ただし、照明スポット26を連続した列とすること(すなわち、隣接するスポット間の隙間をなくすること)は、照明スポット26の間に少し間隔を設けることよりも技術的に達成が困難であることがある。
【0075】
[00073] 第1の重要な側面は、最初の照明スポット26がμDBOマーク12を測定してから最後の照明スポット26がμDBOマーク12を測定するまでの時間である。これは合計測定時間と呼ばれることがある。合計測定時間は、長い時間スケールでの振動を平均できるように長くなければならない。
【0076】
[00074] 第2の重要な側面は、最初の照明スポット26と最後の照明スポット26との間に十分な数の照明スポット26があるべきことである。これは、この時間スケールの範囲に振動を抑えるためである。これを説明する例は以下の通りである。間に大きい間隔を有する小さい照明スポット26が2つしかないと仮定する。この場合、間隔に正確に一致する時間スケール(周波数)の振動が平均することはない。なぜなら、この周波数の振動は、例えば、2つの照明スポットがマークを測定する際の正のアライメントエラー及び中間の負のエラー(このケースでは、測定スポットがないため測定されない)を生じさせることがあるためである。中間の照明スポットは、この種の高次周波数を抑制することになる。最初と最後の照明スポット26の中間の照明スポットが多ければ多いほど、この高次周波数がより上手く抑制されることになる。
【0077】
[00075]
図6は、アライメントセンサ30である測定装置の別の実施形態を示している。アライメントセンサ30は、後述されるいくつかの異なる光学コンポーネントを有する以外は、
図3に示したアライメントセンサ10と類似している。
【0078】
[00076] アライメントセンサ30は、照明システム36を使用して5つの放射ビーム34を調節する。照明システム36は、放射ビーム34を基板W上のμDBOマーク12(又は他のアライメントマーク)上へ誘導するように構成される。照明システム36は、放射ビーム34が通過される1D単一モードファイバ(SMF)アレイ38を備える。
【0079】
[00077] 照明システム36は、放射ビーム34のそれぞれを2つの大角度の軸外照明ビーム34a、34bに分割するのに使用される照明参照(位相)格子40を含む。この実施形態では、全ての照明スポット46のための1つの(大きい)格子がある。他の実施形態では、対応する単一モードファイバのそれぞれのための個別の格子があることがある。
【0080】
[00078] 照明ビーム34a、34bは、照明ビーム34a、34bを基板Wに集束させるマイクロレンズアレイ42に入射する。マイクロレンズアレイ42のマイクロレンズ44は、同じ放射ビーム14から生じる対応する照明ビーム34a、34bを基板W上の照明スポット46に集束させる。このようにして、放射ビーム34のそれぞれを照明システム36により調節することによって、5つの照明スポット46を基板W上に直列に形成する。SMFアレイ38の個々の単一モードファイバごとに1つの放射の照明スポット46がある。
【0081】
[00079] アライメントセンサ30により形成される照明スポット46は、
図3のアライメントセンサ10により形成される照明スポット26と類似しており、これ以上詳説しない。つまり、アライメントセンサ30の照明システム36は、基板Wのスキャン中に照明スポット46が1つ以上のμDBOマーク12に連続的に入射するように、放射ビーム34を調節して、直列に空間的に分布された5つの照明スポット46を形成する。アライメントセンサ30は、アライメントセンサ10と同じか又は類似の利点を提供する。
【0082】
[00080] 一部の実施形態では、複数の放射源が使用され得ることが理解されるであろう。例えば、1つの放射源と、基板上の1つの照明スポットにつき1つの検出器。他の実施形態では、ウェーハ上の全てのスポットに対処するのに、1つの光源及び1つの検出器だけが必要となる。このような実施形態の一例が
図7に示されている。
【0083】
[00081]
図7は、アライメントセンサ50である測定装置の別の実施形態を示している。アライメントセンサ50は、後述されるいくつかの異なる光学コンポーネントを有する以外は、
図3に示したアライメントセンサ10と類似している。アライメントセンサ10のコンポーネントがアライメントセンサ50で使用され得ることが理解されるであろう。一部の実施形態では、アライメントセンサ50がアライメントセンサ10を含み、又はアライメントセンサ10がアライメントセンサ50の一部を構成すると見なされることがある。
【0084】
[00082] アライメントセンサ50は、照明システム56を使用して入力放射ビーム54を調節する。入力放射ビーム54は、放射源58によって生成される。この実施形態では、放射源58はアライメントセンサ50の一部を構成するが、他の実施形態では、放射源58は別個のコンポーネントであることがある。
【0085】
[00083] 入力放射ビーム54は、入力放射ビーム54を回転可能(より一般的には可動)ミラー62上に誘導するビームスプリッタ60を通過する。この実施形態では、マークの上に、(例えば、単一モードファイバ(SMF)アレイの1つのファイバに対応する)照明スポットが1つだけある。ミラー62(又は他のスイッチング素子)を使用して、その度に、そのときにマークの上にある単一モードファイバのみに対処する。つまり、使用の際、入力放射ビーム54が一度に1つのファイバのみを通過しているようにミラー62を回転させる。SMFアレイを通過するこれらの放射ビームは、ここでは放射ビーム64と呼ばれる。放射ビーム64は、
図3の放射ビーム14に類似している。暗いラインが、アライメントセンサ50を通って放射源58から基板W上のμDBOマーク12に進み、戻って検出される1つの放射ビーム64の経路を示す。
【0086】
[00084] 放射ビーム64は、各放射ビーム64が単一モードファイバ(SMF)アレイ68の対応する個々の単一モードファイバに投影されるように、照明システム56の第1の平凸レンズ66によって集束される。SMFアレイ68から出射した後、放射ビーム64は第2の平凸レンズ70によって集束され、次いで第3の平凸レンズ72によってもう一度コリメートされて参照格子74に入射する。例えばファイバコリメータを備えた代替的な構成も使用できることが理解されるであろう。
【0087】
[00085] 参照格子74は、後で説明されるように照明及び検出両用の参照位相格子である。照明参照格子74は、照明放射ビーム64のそれぞれを、
図3について説明したのと同じように、2つの照明ビーム64a、64bに分割するのに使用される。参照格子74はμDBOマーク12に整合する。この実施形態では、参照格子74は1つの(大きい)格子であるが、他の実施形態では、複数の個別の格子が使用されることがある(例えば、各放射ビーム64に1つずつ)。
【0088】
[00086] 次に照明ビーム64、64bは、照明システム56の第4の平凸レンズ76によって広FOV(視野)対物レンズ78に集束され、対物レンズ78はさらに照明ビーム64a、64bを基板Wに集束させる。対物レンズ78は、同じ放射ビーム64から生じる対応する照明ビーム64a、64bを基板W上の照明スポット80に集束させる。このようにして、入力放射ビーム54(及び放射ビーム64のそれぞれ)を照明システム56により調節することによって、5つの照明スポット80を基板W上に形成する。SMFアレイ68の個々の単一モードファイバごとに1つの放射の照明スポット80がある。
【0089】
[00087] アライメントセンサ30により形成される照明スポット80は、
図3のアライメントセンサ10により形成される照明スポット26と類似しているため、これ以上詳説しない。つまり、アライメントセンサ50の照明システム56は、基板Wのスキャン中に照明スポット80が1つ以上のμDBOマーク12に連続的に入射するように、放射ビーム64を調節して、直列に空間的に分布された5つの照明スポット80を形成する。アライメントセンサ50は、アライメントセンサ10と同じか又は類似の利点を提供する。
【0090】
[00088] 照明スポット80がμDBOマーク12に入射すると、放射はμDBOマーク12から回折される。アライメントセンサ50は、μDBOマーク12から回折された放射を投影するように構成された投影システム82を含む。回折された放射は、μDBOマーク12の像と見なされることがある。
【0091】
[00089] この実施形態では、投影システム82のコンポーネントは、回折された放射が反対方向に進む以外は、照明システム56のコンポーネントと同じである。1つの放射ビーム64の経路を示す暗いラインから、回折ビームが同じ経路をたどって放射源の方に戻ることが分かる。これを可能にするために、参照格子74のピッチは、典型的にはターゲット格子(すなわちμDBOマーク12)のピッチと整合される。参照格子74のピッチは、平凸レンズ76及び対物レンズ78の倍率を考慮に入れない場合、例えばターゲット格子(μDBOマーク12)のピッチの2倍であることがある。しかしながら、回折ビームがビームスプリッタ60に到達すると、ビームスプリッタ60を通過して検出システム84に入射する。アライメントセンサ50は、ホモダイン干渉増幅を用いる、すなわち明視野である。つまり、収集された0次、-1次及び+1次は、全て考慮されて、例えば検出参照格子74上、又は単一モードファイバ内で干渉することができる。基板Wをスキャンしている間、放射ビームは強め合う干渉と弱め合う干渉とを繰り返し、その結果、検出システム84に振動アライメント信号をもたらすことになる。他の実施形態では、投影システム82は、照明システム56とは異なるコンポーネントを有することがあるか、又は1つ以上のコンポーネントを共有するだけであることがある。
【0092】
[00090] 参照格子74は、検出システム84がμDBOマーク12の位置を決定するための信号を生成するように、回折された放射を変調する。より一般的には、投影システム82は、回折された放射を変調し、変調した放射を検出システム84に投影するように構成される。変調された回折放射は、μDBOマーク12の変調像と見なされることがある。検出システム84は、複数の照明スポット80のそれぞれに対応する信号であって、結合されてμDBOマーク12の位置を決定する信号を生成するように構成される。他の実施形態では、投影システム82のコンポーネントは、必要な機能を提供する限り異なることがある。例えば、変調は、例えば自己参照干渉計であり得る光学ブロックによって実行されることがある。
【0093】
[00091] 検出システム84はセンサと呼ばれることがある。センサは強度センサであることがある。この実施形態では、検出システム84はフォトダイオードセンサであるが、他の実施形態では、検出システム84は、CCDセンサやCMOSセンサといった異なるタイプのセンサであり得ることが理解されるであろう。
【0094】
[00092] 前述のように、照明ビーム64a、64bは、μDBOマーク12から回折されて、μDBOマーク12の像が生成される。基板Wのスキャン中、照明スポット80は、検出システム84から見たときに、μDBOマーク12の変調像の周期的強度変化をもたらすμDBOマーク12の上を移動する。この実施形態では、変調像は、単一モードファイバ(SMF)に起因して検出システム84に到達することができない。これは、(変動)強度だけがSMFを透過することができ、空間的情報は透過することができないためである。これを見る1つの方法は、μDBOマーク12の像が検出参照格子74の上部に形成されることである。基板Wをスキャンしている間、μDBOマーク12の像は検出参照格子74の上を移動することになる。結果として、SMFに結合され、これを透過する強度は、μDBOマーク12をスキャンしている間変動する。アライメントセンサ50についてのμDBOマーク12のスキャンは、(μDBOマーク12の像の変調後の)ゼロから最大強度までの周期的強度変化をもたらす。このプロセスは、
図2を参照して以上でより詳細に説明されている。このことは、2つ以上のμDBOマーク12について起こり得ることが理解されるであろう。
【0095】
[00093] 1つのμDBOマーク12の変調像から検出システム84上に周期的電気信号が生成される。変調像電気信号の大きさは、μDBOマーク12のスキャン中に最大値から最小値に変化する。複数のμDBOマーク12のそれぞれについて個別の類似する周期的電気信号があることになる。例えば、信号は、アライメントマークの像に対して単一次数(例えば1次又は3次など)を用いる場合に正弦波であることがある。他の実施形態では、電気信号の形状は、(アライメントマークのスキャンを通じて最大値から最小値に変化する一方)異なることがある。他の実施形態では、瞳全体が使用されることがあるため、信号形状は三角形であることがある。
【0096】
[00094] (強度信号である)信号は処理ユニット(図示せず)に供給される。処理ユニットは信号を演算処理し、μDBOマーク12の位置を出力する。処理ユニットは、基準フレームに対する基板W上のX位置及びY位置の値を出力することがある。μDBOマーク12の位置は、基板Wに関連して与えられることがある。
【0097】
[00095] μDBOマーク12の位置が決定される(すなわち、アライメントセンサ50によって測定される)と、μDBOマーク12の位置合わせされた位置は、例えばオーバーレイを測定するのに使用されることがあり、他の実施形態では、アライメントマークの測定の位置合わせされた位置は、基板W上のパターン(層)を互いに対して位置決めするのに使用されることがある。処理ユニットは、μDBOマーク12を位置合わせするのに使用されることがある。基板W上のパターンを位置合わせするために、2つ以上のアライメントマークが必要とされる。
【0098】
[00096] ミラー62は、μDBOマーク12からの照明ビーム80からの回折により生成された回折放射ビームのそれぞれが検出システム84に入射し得るようにスキャン(回転)されることがある。ミラー62は、μDBOマーク12が現在その下に位置しているファイバ(SMF)に照明放射を透過させる。全ての検出された放射は同じファイバからのものである(なぜなら基板W上の同じ位置からのものであるため)ため、ミラー62の角度は、収集された放射を検出システム84に送るようにすでに正しく設定されている。これは、複数の検出器の使用を必要とすることが回避され得ることを意味する。ただし、一部の実施形態では、複数の検出器が使用され得ることが理解されるであろう。例えば、形成される照明スポット80のそれぞれに個別の検出器があることがある。つまり、放射ビーム64のそれぞれに個別の検出器。
【0099】
[00097] 一部の実施形態では、可動ミラー62は必要とされない、すなわち、固定ミラーに置き換えられる。このことは、可動光学コンポーネントの除去が機械振動を減らし、コンポーネントの故障のリスクを低下させるために有利である。SMFアレイの全てのファイバを照明すること、及び全てのファイバからの放射を1つの検出システムに統合することが可能である。測定対象のマーク以外の構造に衝突する照明スポットからの信号が存在する可能性があるという問題が生じることがある。この場合、マークから生じた信号と、マークではない、すなわち他の全てから生じた信号とを分離する何らかの機構を備えることが望まれる。検出器が1つしか存在しない場合には、「望まれない」スポット/ファイバからの放射は、例えばスキャンミラーを使用したり、各ファイバに個別の(例えば電気光学又は音響光学)シャッタを使用したりして遮断する必要があることがある。代替的に、照明にのみシャッタやスイッチを使用することができる(なぜなら、ファイバ/スポットが照明されないときには、そのファイバから放射は検出され得ないためである)。
【0100】
[00098] 基板Wがスキャンされると、照明スポット80は、各照明スポット80のための信号が検出システム84上に生成されるように、μDBOマーク12上を連続的に移動する。
【0101】
[00099] 一実施形態では、検出システム84は、μDBOマーク12の暫定位置が各照明スポット80について決定される信号を生成するように構成される。次に、各照明スポット80について決定されたμDBOマーク12の暫定位置を、(例えば処理ユニットにおいて)組み合わせてμDBOマーク12の位置が生成される。
【0102】
[000100] つまり、照明スポット80の1つ(第1の照明スポット80)からμDBOマーク12から回折された放射に基づいて、検出システム84から第1の信号が生成される。この信号は、第1の照明スポット80についてのμDBOマーク12の第1の暫定位置を決定するのに使用される。基板Wのスキャンが続けられ、そして次の照明スポット80(第1の照明スポット80に隣接する第2の照明スポット80)がμDBOマーク12に入射する。そして、第2の照明スポット80からμDBOマーク12から回折された放射に基づいて、検出システム84から第2の信号が生成される。この第2の信号は、第2の照明スポット80についてのμDBOマーク12の第2の暫定位置を決定するのに使用される。これは5つの照明スポット80のそれぞれについて続けられる。
【0103】
[000101] 次に、μDBOマーク12の5つの暫定位置のそれぞれが組み合わせられてμDBOマーク12の位置が生成される。これは位置の単純平均であるか、又はより高度な計算によることがある。信号は処理又はフィルタリングされることがある。このようにして、マークの位置は、機械動特性に起因するいかなる位置のずれも平均することができ、また、十分な光子が十分な再現性のレベルを達成する結果に寄与している。
【0104】
[000102] 他の実施形態では、検出システム84は、μDBOマーク12の位置を生成するのに使用される結合信号に結合される信号を生成するように構成されることがある。つまり、検出システム84は、基板Wがスキャンされるとき全ての照明スポット80についての信号を生成する。これらの信号は、すべて1つの結合信号に結合される。そして、この結合信号は、μDBOマーク12の位置を生成するのに(例えば処理ユニットによって)使用される。換言すれば、正弦波信号は、「縫い合わせ」られて長い正弦波信号を生成することがあり、その長い正弦波信号は、良好な再現性でμDBOマーク12の位置を生成するために処理又はフィルタリングされることがある。
【0105】
[000103]
図8は、アライメントセンサ90である測定装置の別の実施形態を示している。アライメントセンサ90は、ホモダイン干渉増幅ではなく外部参照を含む干渉増幅を用いる以外は、
図7に示したアライメントセンサ50と類似している。つまり、アライメントセンサ90は暗視野である。アライメントセンサ90の光学コンポーネントの多くは、アライメントセンサ50の光学コンポーネントと同じであり、これらについては同じ参照番号が用いられ、これ以上説明されない。
図8では、放射ビーム64の1つだけと照明スポット80の1つだけが標示されているが、
図7のように複数の放射ビーム64及び複数の照明スポット80があることが理解されるであろう。
【0106】
[000104] アライメントセンサ90により形成される照明スポット80は、
図3のアライメントセンサ10により形成される照明スポット26と類似しており、これ以上詳説しない。つまり、アライメントセンサ50の照明システム56は、基板Wのスキャン中に照明スポット80が1つ以上のμDBOマーク12に連続的に入射するように、放射ビーム64を調節して、直列に空間的に分布された5つの照明スポット80を形成する。アライメントセンサ90は、アライメントセンサ10と同じか又は類似の利点を提供する。
【0107】
[000105] 照明システム92は、
図7の照明システム56と類似しているが、回折放射を投影システム96へ誘導するのに使用される投影ビームスプリッタ94を備える。したがって、回折放射は、照明システム92を構成する同じ光学コンポーネントを通って戻ることはない。さらに、照明システム92の参照格子98は、後に説明されるように照明参照位相格子にすぎない。照明参照格子98は、照明放射ビーム64のそれぞれを、
図7で説明したのと同じように、2つの照明ビーム64a、64bに分割するのに使用される。照明参照格子98はμDBOマーク12に整合する。
【0108】
[000106] 投影システム96は、
図7の投影システム82と類似しているため、その光学コンポーネントについては詳説しない。回折放射ビームを、投影ビームスプリッタ94を通過させ、次いで、第1の投影平凸レンズ102、検出参照格子104、第2の投影平凸レンズ106、第3の投影平凸レンズ108、単一モードファイバアレイ110の単一モードファイバ、可動投影ミラー112、及び第2の投影ビームスプリッタ114を通過させた後、検出システム116に入射する。
【0109】
[000107] ビームスプリッタ60は、放射源58からの放射ビーム54を、参照ビーム118と、(複数の放射ビーム54に分割される)照明システム92の残りの部分を通過する放射ビームとに分割する。参照ビーム118は、3つの固定ミラー120a~cによって反射されて第2の投影ビームスプリッタ114に入射する。第2の投影ビームスプリッタ114では、参照ビームは、投影システム96を通過した、照明スポット80からの変調回折ビームと結合される。そして、結合された放射ビームは、μDBOマーク12の位置を決定するのに使用され得る信号を生成する検出システム116に入射する。
【0110】
[000108]
図9を参照して暗視野の実施形態をさらに説明する。基板W上の個々の照明スポットが、単一モードファイバ(SMF)アレイ68の個々の単一モードファイバ(SMF)に対応する。瞳面122のSMFのモードプロファイルは、
図9の最も左の円である。(第1の矢印124で示された)照明参照(位相)格子98を使用して、照明を照明参照格子98の1次及び-1次に対応する(0次は、完全な位相格子の場合にはないか、又は瞳絞りによって除去される)、2つの(大角度、軸外)照明ビーム64a、64bに分割する。照明瞳126は、これらの2つの照明ビーム64a、64bを示している。
【0111】
[000109] アライメント格子(照明参照格子98)との(第2の矢印128で示された)相互作用の後に、照明ビームの0次反射は、-1次及び+1次回折次数とともに捕捉される。例えば照明参照格子98の22.5度の角度により、-1次及び1次回折次数は、検出瞳130において0次から分離される。任意選択的に、これらの次数を除去するために瞳絞りを使用することができる(ただし必須ではない)。
【0112】
[000110] (例えば-22.5度の角度の)検出参照格子104は、-1次及び1次回折次数を互いにマッピングし、瞳の中心で互いに干渉させる。検出参照位相格子104との相互作用は矢印132で示されている。これらの干渉次数は、検出ファイバによって捕捉され、最適なコントラストを有する(振動)アライメント信号をもたらす。0次は検出ファイバによって捕捉されない(ゆえに「暗視野」と呼ばれる)。検出ファイバ134における検出瞳は
図9の最も右の円である。検出単一モードファイバにより捕捉されたモードプロファイル136も示されている。
【0113】
[000111] 回折ビームが検出システム116に入射すると、μDBOマーク12の位置を決定するために、
図7に関連して以上で説明したのと同様に使用され得る信号が生成される。
【0114】
[000112] アライメントセンサ、又はアライメントセンサの光学コンポーネントのいくつかの実施形態を説明してきたが、例えば、一連の照明スポットを生成する、及び/又はアライメントマークの位置を決定する方法が、様々な光学装置を使用した様々な形で実行され得ることが理解されるであろう。一連のスポット/センサを使用して高速でスキャンする方法は、(例えば、明視野の実施形態と類似しているが、基板W上により小さいスポットを有し、センサ内に格子を有しない)、一連の非常に小さいアライメントセンサや基板W上の単なる一連の1ミクロン以下のスポットなどの、多くの他のセンサ実施形態でも機能することになる。
【0115】
[000113] 以上の説明は、1つのμDBOマーク12の位置を決定することに焦点を合わせてきたが、複数のμDBOマーク12の位置が上記の方法を用いて決定され得ることが理解されるであろう。
【0116】
[000114] 一部の実施形態では、装置(アライメントセンサ)は、複数のアライメントマークの位置を測定するのに適していることがある。照明システムは、複数の照明スポットの1つがマークに入射するときに、複数の照明スポットの別の1つが、別のマークの位置も決定され得るように別のマークに入射するように構成されることがある。したがって、この場合、アライメントマークの平行アライメントが実行されることがある。一部の実施形態では、マーク及び別のマークは、スキャン方向(y方向)の同じ経路にあるが、スキャン方向(y方向)の異なる平行経路にあり得ることが理解されるであろう。
【0117】
[000115] 平行アライメントが、マーク及び追加のマーク上の並列な複数のアライメントセンサによっても実行され得ることが理解されるであろう。一部の実施形態では、マーク及び追加のマークは、スキャン方向(y方向)の異なる平行経路にあることがあるが、他の実施形態では、スキャン方向(y方向)の同じ経路にあることがある。
【0118】
[000116] 一例として、上記1つの実施形態で説明された装置(アライメントセンサ)は、上記の1つ以上のマークの位置を決定するように構成されることがある。1つ以上の追加のマークの位置を決定するように構成される追加の装置(追加のアライメントセンサ)があることもある。追加のアライメントセンサは、アライメントセンサとほぼ同じであるか又は類似していることがある。一般に、アライメントセンサ及び追加のアライメントセンサは、全体で基板上のマークの位置を測定するための測定システムと見なされることがある。
【0119】
[000117] 追加のアライメントセンサ(追加の装置)は、基板のスキャン中に複数の追加の照明スポットが追加のマークに連続的に入射するように、少なくとも1つの追加の放射ビームを調節して、直列に空間的に分布された複数の追加の照明スポットを形成するように構成された追加の照明システムを備えることがある。追加のアライメントセンサは、追加のマークにより基板から回折された放射であって、追加のマークによる複数の追加の照明スポットの回折によって生成された回折された放射を投影するように構成された追加の投影システムを含むことがある。追加の投影システムは、回折放射を変調し、変調した放射を、複数の追加の照明スポットのそれぞれに対応する信号を生成するように構成された追加の検出システムに投影するように構成されることがある。信号は、アライメントセンサ(装置)によるマークの位置の測定と並行して、追加のマークの位置を決定するために結合されることがある。
【0120】
[000118] 実施形態は装置を単一のアライメントセンサとして説明してきたが、他の実施形態では、各照明スポットが個別のアライメントセンサによって形成されることがある。さらに、複数のアライメントセンサは、結合されて、1つ以上のマークに連続的に入射する全照明スポットを形成する1つ以上の照明スポットを形成することがある。
【0121】
[000119] 照明システムは、照明サブシステムを備えることがある。照明サブシステムのそれぞれは、複数の放射源の個別の1つからの少なくとも1つの放射ビームを調節して、複数の照明スポットの少なくとも1つを形成するように構成されることがある。つまり、放射ビームが、放射源によって生成されることがあり、照明サブシステムによって調節されて照明スポットが形成されることがある。別の放射ビームが、別の放射源によって生成されることがあり、別の照明サブシステムによって調節されて、隣接する照明スポットが形成されることがある。
【0122】
[000120] 本文ではICの製造におけるリソグラフィ装置の使用に特に言及しているが、本明細書で説明するリソグラフィ装置には他の用途もあることを理解されたい。考えられる他の用途は、集積光学システム、磁気ドメインメモリ用のガイダンス及び検出パターン、フラットパネルディスプレイ、液晶ディスプレイ(LCD)、薄膜磁気ヘッドなどの製造である。
【0123】
[000121] 本明細書ではリソグラフィ装置に関連して本発明の実施形態について具体的な言及がなされているが、本発明の実施形態は他の装置に使用することもできる。本発明の実施形態は、マスク検査装置、メトロロジ装置、又はウェーハ(あるいはその他の基板)もしくはマスク(あるいはその他のパターニングデバイス)などのオブジェクトを測定又は処理する任意の装置の一部を形成してよい。
【0124】
[000122] 以上では光学リソグラフィと関連して本発明の実施形態の使用に特に言及しているが、本発明は、例えばインプリントリソグラフィなど、その他の適用例において使用されてもよく、文脈が許す限り、光学リソグラフィに限定されないことが理解されるであろう。
【0125】
[000123] 文脈上許される場合、本発明の実施形態は、ハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア、又はそれらの任意の組み合わせにおいて実装することができる。本発明の実施形態は、1つ以上のプロセッサにより読み取られて実行され得る、機械可読媒体に記憶された命令として実装することも可能である。機械可読媒体は、機械(例えばコンピューティングデバイス)により読み取り可能な形態で情報を記憶又は伝送するための任意の機構を含むことができる。例えば機械可読媒体は、読み取り専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、磁気記憶媒体、光記憶媒体、フラッシュメモリデバイス、電気、光、音響又は他の形態の伝搬信号(例えば搬送波、赤外信号、デジタル信号など)、及び他のものを含むことができる。さらに、ファームウェア、ソフトウェア、ルーチン、命令は、特定のアクションを実行するものとして本明細書で説明されることがある。しかしながら、そのような説明は単に便宜上のものであり、そのようなアクションは実際には、ファームウェア、ソフトウェア、ルーチン、命令などを実行するコンピューティングデバイス、プロセッサ、コントローラ、又は他のデバイスから生じ、実行する際、アクチュエータ又は他のデバイスが物質世界と相互作用し得ることを理解すべきである。
【0126】
[000124] 以上、本発明の特定の実施形態を説明したが、説明とは異なる方法でも本発明を実践できることは理解されよう。上記の説明は例示的であり、限定的ではない。それ故、下記に示す特許請求の範囲から逸脱することなく、記載されたような本発明を変更できることが当業者には明白である。