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特許7124364動作評価支援システム、動画評価支援装置、動作評価支援方法及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-16
(45)【発行日】2022-08-24
(54)【発明の名称】動作評価支援システム、動画評価支援装置、動作評価支援方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/22 20180101AFI20220817BHJP
   A61B 5/11 20060101ALI20220817BHJP
【FI】
G06Q50/22
A61B5/11 120
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2018049999
(22)【出願日】2018-03-16
(65)【公開番号】P2019160228
(43)【公開日】2019-09-19
【審査請求日】2021-01-18
(73)【特許権者】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】鴻上 和彦
【審査官】山崎 誠也
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-094029(JP,A)
【文献】特開2008-134792(JP,A)
【文献】特開2007-004405(JP,A)
【文献】特開2014-138661(JP,A)
【文献】杉原 太郎,見守りカメラシステム導入に伴う介護行動の変容ーグループホームにおけるケーススタディー,ヒューマンインタフェースシンポジウム2008 論文集 Jump!新たなる飛躍を目指して [DVD-ROM] ヒューマンインタフェースシンポジウム2008 論文集,2008年09月01日,pp.975-981
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
A61B 5/11
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象者が行った所定の動作に対する評価を支援する動作評価支援システムであって、
複数の対象者の中から一の対象者を選択するための第1の選択欄と、複数の評価項目の中から一の評価項目を選択するための第2の選択欄と、動作の撮影を開始するための第1の表示部品と、前記撮影された動画を表示するための第2の表示部品とが含まれる画面を表示する第1の表示手段と、
前記画面に含まれる前記第1の選択欄における対象者の選択と、前記第2の選択欄における評価項目の選択と、前記第1の表示部品の選択とに応じて、選択された対象者が行う動作を撮影して、該撮影の開始から終了までの動画データを作成する動画作成手段と、
作成された動画データと、前記第1の選択欄で選択された対象者を識別する対象者識別情報と、前記第2の選択欄で選択された評価項目を識別する評価項目識別情報とを対応付けて記憶する記憶手段と、
前記画面に含まれる前記第1の選択欄における対象者の選択と、前記第2の選択欄における評価項目の選択と、前記第2の表示部品の選択とに応じて、選択された対象者を識別する対象者識別情報と、選択された評価項目を識別する評価項目識別情報とに対応付けて前記記憶手段に記憶されている動画データを表示する第2の表示手段と、
を有 し、
前記第2の表示手段は、
前記第1の選択欄における対象者の選択と、前記第2の選択欄における評価項目の選択と、前記第2の表示部品の選択とに応じて、選択された対象者を識別する対象者識別情報と、選択された評価項目を識別する評価項目識別情報とに対応付けて前記記憶手段に記憶されている複数の動画データを選択するための第3の選択欄を表示し、前記第3の選択欄から表示された1以上の動画データを表示する、 ことを特徴とする動作評価支援システム。
【請求項2】
表示された動画データに基づく動画における対象者の動作に対する評価が入力された場合、前記記憶手段に記憶されている前記動画データに対して、入力された前記評価を示す情報を対応付けて記憶させる保存手段、を有することを特徴とする請求項1に記載の動作評価支援システム。
【請求項3】
前記保存手段は、
更に、表示された動画データに基づく動画における対象者の動作に対するコメントが入力された場合、前記記憶手段に記憶されている前記動画データに対して、入力された前記コメントを示す情報を対応付けて記憶させる、ことを特徴とする請求項2に記載の動作評価支援システム。
【請求項4】
前記保存手段は、
更に、表示された動画データに基づく動画における対象者の動作に対するタグが入力又は選択された場合、前記記憶手段に記憶されている前記動画データに対して、入力又は選択された前記タグを示す情報を対応付けて記憶させる、ことを特徴とする請求項2又は3に記載の動作評価支援システム。
【請求項5】
前記第2の表示手段は、
前記第3の選択欄として、前記複数の動画データをそれぞれ示す情報と、該動画データに対応付けて前記記憶手段に記憶されているタグとのリストを表示する、ことを特徴とする請求項1乃至4の何れか一項に記載の動作評価支援システム。
【請求項6】
対象者が行った所定の動作に対する評価を支援する動作評価支援システムであって、
複数の対象者の中から一の対象者を選択するための第1の選択欄と、複数の評価項目の中から一の評価項目を選択するための第2の選択欄と、動作の撮影を開始するための第1の表示部品と、前記撮影された動画を表示するための第2の表示部品とが含まれる画面を表示する第1の表示手段と、
前記画面に含まれる前記第1の選択欄における対象者の選択と、前記第2の選択欄における評価項目の選択と、前記第1の表示部品の選択とに応じて、選択された対象者が行う動作を撮影して、該撮影の開始から終了までの動画データを作成する動画作成手段と、
作成された動画データと、前記第1の選択欄で選択された対象者を識別する対象者識別情報と、前記第2の選択欄で選択された評価項目を識別する評価項目識別情報とを対応付けて記憶する記憶手段と、
前記画面に含まれる前記第1の選択欄における対象者の選択と、前記第2の選択欄における評価項目の選択と、前記第2の表示部品の選択とに応じて、選択された対象者を識別する対象者識別情報と、選択された評価項目を識別する評価項目識別情報とに対応付けて前記記憶手段に記憶されている動画データを表示する第2の表示手段と、
を有し、
前記第1の表示手段は、
前記第1の選択欄で選択された対象者について、前記第2の選択欄に含まれる複数の評価項目のうち、所定の評価項目を強調した表示態様で表示する、ことを特徴とする動作評価支援システム。
【請求項7】
対象者が行った所定の動作に対する評価を支援する動作評価支援システムであって、
複数の対象者の中から一の対象者を選択するための第1の選択欄と、複数の評価項目の中から一の評価項目を選択するための第2の選択欄と、動作の撮影を開始するための第1の表示部品と、前記撮影された動画を表示するための第2の表示部品とが含まれる画面を表示する第1の表示手段と、
前記画面に含まれる前記第1の選択欄における対象者の選択と、前記第2の選択欄における評価項目の選択と、前記第1の表示部品の選択とに応じて、選択された対象者が行う動作を撮影して、該撮影の開始から終了までの動画データを作成する動画作成手段と、
作成された動画データと、前記第1の選択欄で選択された対象者を識別する対象者識別情報と、前記第2の選択欄で選択された評価項目を識別する評価項目識別情報とを対応付けて記憶する記憶手段と、
前記画面に含まれる前記第1の選択欄における対象者の選択と、前記第2の選択欄における評価項目の選択と、前記第2の表示部品の選択とに応じて、選択された対象者を識別する対象者識別情報と、選択された評価項目を識別する評価項目識別情報とに対応付けて前記記憶手段に記憶されている動画データを表示する第2の表示手段と、
を有し、
前記第1の表示手段は、
前記第1の選択欄で選択された対象者について、前記第2の選択欄に含まれる複数の評価項目それぞれの評価項目の評価回数を表示する、ことを特徴とする動作評価支援システム。
【請求項8】
対象者が行った所定の動作に対する評価を支援する動作評価支援装置であって、
複数の対象者の中から一の対象者を選択するための第1の選択欄と、複数の評価項目の中から一の評価項目を選択するための第2の選択欄と、動作の撮影を開始するための第1の表示部品と、前記撮影された動画を表示するための第2の表示部品とが含まれる画面を表示する第1の表示手段と、
前記画面に含まれる前記第1の選択欄における対象者の選択と、前記第2の選択欄における評価項目の選択と、前記第1の表示部品の選択とに応じて、選択された対象者が行う動作を撮影して、該撮影の開始から終了までの動画データを作成する動画作成手段と、
作成された動画データと、前記第1の選択欄で選択された対象者を識別する対象者識別情報と、前記第2の選択欄で選択された評価項目を識別する評価項目識別情報とを対応付けて記憶する記憶手段と、
前記画面に含まれる前記第1の選択欄における対象者の選択と、前記第2の選択欄における評価項目の選択と、前記第2の表示部品の選択とに応じて、選択された対象者を識別する対象者識別情報と、選択された評価項目を識別する評価項目識別情報とに対応付けて前記記憶手段に記憶されている動画データを表示する第2の表示手段と、
を有 し、
前記第2の表示手段は、
前記第1の選択欄における対象者の選択と、前記第2の選択欄における評価項目の選択と、前記第2の表示部品の選択とに応じて、選択された対象者を識別する対象者識別情報と、選択された評価項目を識別する評価項目識別情報とに対応付けて前記記憶手段に記憶されている複数の動画データを選択するための第3の選択欄を表示し、前記第3の選択欄から表示された1以上の動画データを表示する、 ことを特徴とする動作評価支援装置。
【請求項9】
対象者が行った所定の動作に対する評価を支援する動作評価支援システムに用いられる動作評価支援方法であって、
複数の対象者の中から一の対象者を選択するための第1の選択欄と、複数の評価項目の中から一の評価項目を選択するための第2の選択欄と、動作の撮影を開始するための第1の表示部品と、前記撮影された動画を表示するための第2の表示部品とが含まれる画面を表示する第1の表示手順と、
前記画面に含まれる前記第1の選択欄における対象者の選択と、前記第2の選択欄における評価項目の選択と、前記第1の表示部品の選択とに応じて、選択された対象者が行う動作を撮影して、該撮影の開始から終了までの動画データを作成する動画作成手順と、
作成された動画データと、前記第1の選択欄で選択された対象者を識別する対象者識別情報と、前記第2の選択欄で選択された評価項目を識別する評価項目識別情報とを対応付けて記憶手段に記憶させる保存手順と、
前記画面に含まれる前記第1の選択欄における対象者の選択と、前記第2の選択欄における評価項目の選択と、前記第2の表示部品の選択とに応じて、選択された対象者を識別する対象者識別情報と、選択された評価項目を識別する評価項目識別情報とに対応付けて前記記憶手段に記憶されている動画データを表示する第2の表示手順と、
を有 し、
前記第2の表示手順は、
前記第1の選択欄における対象者の選択と、前記第2の選択欄における評価項目の選択と、前記第2の表示部品の選択とに応じて、選択された対象者を識別する対象者識別情報と、選択された評価項目を識別する評価項目識別情報とに対応付けて前記記憶手段に記憶されている複数の動画データを選択するための第3の選択欄を表示し、前記第3の選択欄から表示された1以上の動画データを表示する、 ことを特徴とする動作評価支援方法。
【請求項10】
対象者が行った所定の動作に対する評価を支援する動作評価支援装置を、
複数の対象者の中から一の対象者を選択するための第1の選択欄と、複数の評価項目の中から一の評価項目を選択するための第2の選択欄と、動作の撮影を開始するための第1の表示部品と、前記撮影された動画を表示するための第2の表示部品とが含まれる画面を表示する第1の表示手段、
前記画面に含まれる前記第1の選択欄における対象者の選択と、前記第2の選択欄における評価項目の選択と、前記第1の表示部品の選択とに応じて、選択された対象者が行う動作を撮影して、該撮影の開始から終了までの動画データを作成する動画作成手段、
作成された動画データと、前記第1の選択欄で選択された対象者を識別する対象者識別情報と、前記第2の選択欄で選択された評価項目を識別する評価項目識別情報とを対応付けて記憶手段に記憶させる保存手段、
前記画面に含まれる前記第1の選択欄における対象者の選択と、前記第2の選択欄における評価項目の選択と、前記第2の表示部品の選択とに応じて、選択された対象者を識別する対象者識別情報と、選択された評価項目を識別する評価項目識別情報とに対応付けて前記記憶手段に記憶されている動画データを表示する第2の表示手段、
として機能させ
前記第2の表示手段は、
前記第1の選択欄における対象者の選択と、前記第2の選択欄における評価項目の選択と、前記第2の表示部品の選択とに応じて、選択された対象者を識別する対象者識別情報と、選択された評価項目を識別する評価項目識別情報とに対応付けて前記記憶手段に記憶されている複数の動画データを選択するための第3の選択欄を表示し、前記第3の選択欄から表示された1以上の動画データを表示する、 プログラム。
【請求項11】
対象者が行った所定の動作に対する評価を支援する動作評価支援装置を、
複数の対象者の中から一の対象者を選択するための第1の選択欄と、複数の評価項目の中から一の評価項目を選択するための第2の選択欄と、動作の撮影を開始するための第1の表示部品と、前記撮影された動画を表示するための第2の表示部品とが含まれる画面を表示する第1の表示手段、
前記画面に含まれる前記第1の選択欄における対象者の選択と、前記第2の選択欄における評価項目の選択と、前記第1の表示部品の選択とに応じて、選択された対象者が行う動作を撮影して、該撮影の開始から終了までの動画データを作成する動画作成手段、
作成された動画データと、前記第1の選択欄で選択された対象者を識別する対象者識別情報と、前記第2の選択欄で選択された評価項目を識別する評価項目識別情報とを対応付けて記憶手段に記憶させる保存手段、
前記画面に含まれる前記第1の選択欄における対象者の選択と、前記第2の選択欄における評価項目の選択と、前記第2の表示部品の選択とに応じて、選択された対象者を識別する対象者識別情報と、選択された評価項目を識別する評価項目識別情報とに対応付けて前記記憶手段に記憶されている動画データを表示する第2の表示手段、
として機能させ、
前記第1の表示手段は、
前記第1の選択欄で選択された対象者について、前記第2の選択欄に含まれる複数の評価項目のうち、所定の評価項目を強調した表示態様で表示する、プログラム。
【請求項12】
対象者が行った所定の動作に対する評価を支援する動作評価支援装置を、
複数の対象者の中から一の対象者を選択するための第1の選択欄と、複数の評価項目の中から一の評価項目を選択するための第2の選択欄と、動作の撮影を開始するための第1の表示部品と、前記撮影された動画を表示するための第2の表示部品とが含まれる画面を表示する第1の表示手段、
前記画面に含まれる前記第1の選択欄における対象者の選択と、前記第2の選択欄における評価項目の選択と、前記第1の表示部品の選択とに応じて、選択された対象者が行う動作を撮影して、該撮影の開始から終了までの動画データを作成する動画作成手段、
作成された動画データと、前記第1の選択欄で選択された対象者を識別する対象者識別情報と、前記第2の選択欄で選択された評価項目を識別する評価項目識別情報とを対応付けて記憶手段に記憶させる保存手段、
前記画面に含まれる前記第1の選択欄における対象者の選択と、前記第2の選択欄における評価項目の選択と、前記第2の表示部品の選択とに応じて、選択された対象者を識別する対象者識別情報と、選択された評価項目を識別する評価項目識別情報とに対応付けて前記記憶手段に記憶されている動画データを表示する第2の表示手段、
として機能させ、
前記第1の表示手段は、
前記第1の選択欄で選択された対象者について、前記第2の選択欄に含まれる複数の評価項目それぞれの評価項目の評価回数を表示する、プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、動作評価支援システム、動画評価支援装置、動作評価支援方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
リハビリテーションや高齢者介護等の現場では、リハビリテーション対象者や高齢者等の日常生活動作(ADL:Activities of Daily Living)を評価することが行われている。このような評価は、例えば、評価対象者の日常生活動作を直接目視により確認したり、録画された日常生活動作を確認したりすることで行われることが多い。
【0003】
また、例えば高齢者等の被観察体に機具を装着することなく、当該被観察体の日常的な動作を測定する技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、例えばデイサービス(通所介護)等の事業所では、日常生活動作を評価可能な知見を持ったスタッフ(例えば理学療法士等)が常駐していない場合があり、評価対象者の日常生活動作を目視確認によって評価することが困難なことがある。
【0005】
これに対して、評価対象者の日常生活動作を録画した上で、録画によって作成された動画データを理学療法士等に提供し、日常生活動作の評価を受けることもできる。しかしながら、この場合、例えば、動画データと共に、どのような種類の動作を、いつ、誰が行ったものなのか等の情報を簡単に提供できる仕組みがあることが好ましい。
【0006】
本発明の一実施形態は、上記の点に鑑みてなされたもので、評価対象者に対する動作評価を支援することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明の一実施形態は、対象者が行った所定の動作に対する評価を支援する動作評価支援システムであって、複数の対象者の中から一の対象者を選択するための第1の選択欄と、複数の評価項目の中から一の評価項目を選択するための第2の選択欄と、動作の撮影を開始するための第1の表示部品と、前記撮影された動画を表示するための第2の表示部品とが含まれる画面を表示する第1の表示手段と、前記画面に含まれる前記第1の選択欄における対象者の選択と、前記第2の選択欄における評価項目の選択と、前記第1の表示部品の選択とに応じて、選択された対象者が行う動作を撮影して、該撮影の開始から終了までの動画データを作成する動画作成手段と、作成された動画データと、前記第1の選択欄で選択された対象者を識別する対象者識別情報と、前記第2の選択欄で選択された評価項目を識別する評価項目識別情報とを対応付けて記憶する記憶手段と、前記画面に含まれる前記第1の選択欄における対象者の選択と、前記第2の選択欄における評価項目の選択と、前記第2の表示部品の選択とに応じて、選択された対象者を識別する対象者識別情報と、選択された評価項目を識別する評価項目識別情報とに対応付けて前記記憶手段に記憶されている動画データを表示する第2の表示手段と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明の一実施形態によれば、評価対象者に対する動作評価を支援することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】第一の実施形態に係る動作評価支援システムのシステム構成の一例を示す図である。
図2】第一の実施形態に係るユーザ端末のハードウェア構成の一例を示す図である。
図3】第一の実施形態に係る管理サーバのハードウェア構成の一例を示す図である。
図4】第一の実施形態に係る動作評価支援システムの機能構成の一例を示す図である。
図5】評価項目情報の一例を示す図である。
図6】対象者情報の一例を示す図である。
図7】撮影情報の一例を示す図である。
図8】第一の実施形態に係る撮影処理の流れの一例を説明するための図である。
図9】利用開始画面の一例を説明するための図である。
図10】保存確認画面の一例を説明するための図である。
図11】第一の実施形態に係る動画閲覧及び評価処理の流れの一例を説明するための図である。
図12】動画閲覧及び評価画面の一例を説明するための図(その1)である。
図13】動画閲覧及び評価画面の一例を説明するための図(その2)である。
図14】第二の実施形態に係る動作評価支援システムの機能構成の一例を示す図である。
図15】対象者管理情報の一例を示す図である。
図16】第二の実施形態に係る撮影処理の流れの一例を説明するための図である。
図17】利用開始画面の他の例を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態(本実施形態)について、図面を参照しながら詳細に説明する。以降では、リハビリテーション対象者や高齢者等(以降、「評価対象者」又は単に「対象者」と表す。)が行った動作を撮影することで、この動作の評価を支援する動作評価支援システム1について説明する。ここで、動作とは、第三者による評価の対象となる動作のことであり、例えば、日常生活動作(ADL)等が挙げられる。
【0011】
以降の各実施形態では、一例として、第三者による評価の対象となる動作は日常生活動作(ADL)であるものとして説明する。また、日常生活動作(ADL)の評価項目としては、一般に「セルフケア」、「排泄管理」、「移乗」、「コミュニケーション」に分類される15項目を用いるものとする。
【0012】
ただし、第三者による評価の対象となる動作は、日常生活動作(ADL)に限られず、リハビリテーション分野や介護分野等において、第三者による評価の対象となる種々の動作(例えば、手段的日常生活動作(IADL:Instrumental Activities of Daily Living)等)であっても良い。
【0013】
[第一の実施形態]
<システム構成>
まず、本実施形態に係る動作評価支援システム1のシステム構成について、図1を参照しながら説明する。図1は、第一の実施形態に係る動作評価支援システム1のシステム構成の一例を示す図である。
【0014】
図1に示すように、本実施形態に係る動作評価支援システム1には、1以上のユーザ端末10と、管理サーバ20とが含まれる。ユーザ端末10と管理サーバ20とは、例えばインターネット等のネットワークNを介して通信可能に接続されている。
【0015】
ユーザ端末10は、評価対象者の動作を撮影するユーザ(例えば、デイサービスの事業所におけるスタッフ等の撮影者)や評価対象者の動作を撮影した動画を閲覧して当該動作を評価するユーザ(例えば、理学療法士等の評価者)が利用する端末装置である。なお、評価対象者を撮影するユーザと、評価対象者の動作を撮影した動画を閲覧して当該動作を評価するユーザとは、異なる人物であっても良いし、同一の人物であっても良い。
【0016】
ユーザ端末10としては、例えば、スマートフォン、タブレット端末、PC(パーソナルコンピュータ)等を用いることができる。ただし、ユーザ端末10は、これらに限られず、少なくとも評価対象者を撮影可能な装置であれば良く、例えば、デジタルカメラやウェアラブルデバイス、ゲーム機器等であっても良い。
【0017】
管理サーバ20は、ユーザ端末10が評価対象者を撮影することによって作成した動画データ等を管理するサーバ装置である。管理サーバ20は、1台のコンピュータで実現されていても良いし、複数台のコンピュータで実現されていても良い。
【0018】
なお、図1に示す動作評価支援システム1の構成は一例であって、他の構成であっても良い。例えば、ユーザ端末10と管理サーバ20とが1台で構成されていても良い(特に、例えば、本実施形態に係る管理サーバ20が有する各種機能をユーザ端末10が有していても良い。)。
【0019】
<ハードウェア構成>
次に、本実施形態に係る動作評価支援システム1に含まれるユーザ端末10及び管理サーバ20のハードウェア構成について説明する。
【0020】
≪ユーザ端末10≫
まず、本実施形態に係るユーザ端末10のハードウェア構成について、図2を参照しながら説明する。図2は、第一の実施形態に係るユーザ端末10のハードウェア構成の一例を示す図である。
【0021】
図2に示すように、本実施形態に係るユーザ端末10は、タッチパネル11と、外部I/F12と、通信I/F13と、ROM(Read Only Memory)14とを有する。また、本実施形態に係るユーザ端末10は、RAM(Random Access Memory)15と、CPU(Central Processing Unit)16と、記憶装置17と、撮影装置18とを有する。これら各ハードウェアは、それぞれがバス19で通信可能に接続されている。
【0022】
タッチパネル11は、ユーザによる各種操作の入力を受け付ける入力装置と、ユーザに対して各種画面等を表示する表示装置とが含まれる入出力装置である。
【0023】
外部I/F12は、外部装置とのインタフェースである。外部装置には、記録媒体12a等がある。ユーザ端末10は、外部I/F12を介して、記録媒体12a等の読み取りや書き込みを行うことができる。記録媒体12aには、例えば、SDメモリカードやUSBメモリ等がある。
【0024】
通信I/F13は、ユーザ端末10をネットワークNに接続するためのインタフェースである。ユーザ端末10は、通信I/F13を介して、他の装置(管理サーバ20等)と通信を行うことができる。
【0025】
ROM14は、電源を切ってもプログラムやデータを保持することができる不揮発性の半導体メモリである。ROM14には、ユーザ端末10のOS(Operating System)設定やネットワーク設定等が格納されている。RAM15は、プログラムやデータを一時保持する揮発性の半導体メモリである。
【0026】
CPU16は、ROM14や記憶装置17等からプログラムやデータをRAM15上に読み出し、処理を実行することで、ユーザ端末10全体の制御や機能を実現する演算装置である。
【0027】
記憶装置17は、例えば、不揮発性の半導体メモリ等であり、プログラムやデータを格納している。記憶装置17に格納されるプログラムやデータには、ユーザ端末10全体を制御する基本ソフトウェアであるOS、OS上において各種機能を提供するアプリケーションプログラム、本実施形態に係るユーザ端末10が有する各種機能を実現する1以上のプログラム等がある。撮影装置18は、動画を撮影可能なカメラ装置である。
【0028】
本実施形態に係るユーザ端末10は、図2に示すハードウェア構成を有することにより、後述するような各種処理を実現できる。
【0029】
≪管理サーバ20≫
次に、本実施形態に係る管理サーバ20のハードウェア構成について、図3を参照しながら説明する。図3は、第一の実施形態に係る管理サーバ20のハードウェア構成の一例を示す図である。
【0030】
図3に示すように、本実施形態に係る管理サーバ20は、入力装置21と、表示装置22と、外部I/F23と、通信I/F24と、ROM25と、RAM26と、CPU27と、記憶装置28とを有する。これら各ハードウェアは、それぞれがバス29で通信可能に接続されている。
【0031】
入力装置21は、キーボードやマウス等であり、ユーザが各種操作を入力するのに用いられる。表示装置22は、ディスプレイ等であり、管理サーバ20による処理結果を表示する。なお、管理サーバ20は、入力装置21及び表示装置22のうちの少なくとも一方を有していなくても良い。
【0032】
外部I/F23は、外部装置とのインタフェースである。外部装置には、記録媒体23a等がある。管理サーバ20は、外部I/F23を介して、記録媒体23a等の読み取りや書き込み等を行うことができる。記録媒体23aには、例えば、フレキシブルディスク、CD、DVD、SDメモリカード、USBメモリ等がある。
【0033】
通信I/F24は、管理サーバ20をネットワークNに接続するためのインタフェースである。管理サーバ20は、通信I/F24を介して、他の装置(ユーザ端末10等)と通信を行うことができる。
【0034】
ROM25は、電源を切ってもプログラムやデータを保持することができる不揮発性の半導体メモリである。ROM25には、管理サーバ20のOS設定やネットワーク設定等が格納されている。RAM26は、プログラムやデータを一時保持する揮発性の半導体メモリである。
【0035】
CPU27は、ROM25や記憶装置28等からプログラムやデータをRAM26上に読み出し、処理を実行することで、管理サーバ20全体の制御や機能を実現する演算装置である。
【0036】
記憶装置28は、例えばHDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)等の不揮発性のメモリであり、プログラムやデータを格納している。記憶装置28に格納されるプログラムやデータには、管理サーバ20全体を制御する基本ソフトウェアであるOS、OS上において各種機能を提供するアプリケーションプログラム、本実施形態に係る管理サーバ20が有する各種機能を実現する1以上のプログラム等がある。なお、記憶装置28は、格納しているプログラムやデータを所定のファイルシステムやDB(デーベース)により管理している。
【0037】
本実施形態に係る管理サーバ20は、図3に示すハードウェア構成を有することにより、後述するような各種処理を実現できる。
【0038】
<機能構成>
次に、本実施形態に係る動作評価支援システム1の機能構成について、図4を参照しながら説明する。図4は、第一の実施形態に係る動作評価支援システム1の機能構成の一例を示す図である。
【0039】
≪ユーザ端末10≫
図4に示すように、本実施形態に係るユーザ端末10は、操作受付部101と、表示制御部102と、通信部103と、撮影制御部104とを有する。これら各機能部は、ユーザ端末10にインストールされた1以上のプログラムがCPU16に実行させる処理により実現される。
【0040】
操作受付部101は、ユーザによる各種操作を受け付ける。各種操作としては、例えば、評価対象者が行う動作の撮影を開始するための撮影開始操作、この動作の撮影を終了するための撮影終了操作等がある。また、これら以外にも、例えば、自身が閲覧する動画を選択するための選択操作、閲覧した動画中の動作を評価するための評価操作等がある。
【0041】
表示制御部102は、ユーザに対して各種画面を表示する。各種画面としては、例えば、撮影開始操作を行うための利用開始画面、動画の閲覧やこの動画中の動作を評価するための動画閲覧及び評価画面等がある。
【0042】
通信部103は、管理サーバ20との間で各種情報を送受信する。各種情報としては、例えば、評価対象者が行った動作を撮影することで作成した動画データ、この評価対象者を識別する情報(後述する対象者ID)、この評価対象者が行った動作に対する評価項目を識別する情報(後述する評価項目ID)等がある。
【0043】
撮影制御部104は、撮影装置18を制御して、撮影開始操作が行われた後、撮影終了操作が行われるまでの間の動画データを作成する。
【0044】
≪管理サーバ20≫
図4に示すように、本実施形態に係る管理サーバ20は、通信部201と、情報管理部202とを有する。これら各機能部は、管理サーバ20にインストールされた1以上のプログラムがCPU27に実行させる処理により実現される。また、本実施形態に係る管理サーバ20は、評価項目情報記憶部210と、対象者情報記憶部220と、撮影情報記憶部230と、動画データ記憶部240とを有する。これら各記憶部は、例えば記憶装置28等を用いて実現可能である。なお、これら各記憶部のうちの少なくとも1つの記憶部が、管理サーバ20とネットワークNを介して接続される記憶装置等を用いて実現されていても良い。
【0045】
通信部201は、ユーザ端末10との間で各種情報を送受信する。各種情報としては、上述したように、動画データや対象者ID、評価項目ID等がある。
【0046】
情報管理部202は、評価項目情報記憶部210、対象者情報記憶部220、撮影情報記憶部230、及び動画データ記憶部240に記憶されている情報を管理する。すなわち、情報管理部202は、これらの各記憶部からの情報の読み出しやこれらの各記憶部への情報の書き込み等を行う。
【0047】
評価項目情報記憶部210は、日常生活動作(ADL)の評価項目に関する情報を示す評価項目情報が記憶されている。対象者情報記憶部220は、日常生活動作(ADL)の評価の対象である評価対象者に関する情報が記憶されている。撮影情報記憶部230は、ユーザ端末10によって撮影された評価対象者の動作に関する情報を示す撮影情報が記憶される。動画データ記憶部240は、撮影情報に対応する動画データが記憶される。
【0048】
ここで、評価項目情報記憶部210に記憶されている評価項目情報について、図5を参照しながら説明する。図5は、評価項目情報の一例を示す図である。
【0049】
図5に示すように、評価項目情報記憶部210には、1以上の評価項目情報(具体的には、日常生活動作(ADL)として規定されている15件の評価項目を示す評価項目情報)が記憶されている。各評価項目情報には、「評価項目ID」、「評価項目名」、「説明」及び「カテゴリ」等が含まれる。
【0050】
「評価項目ID」は、評価項目を識別する情報である。「評価項目名」は、評価項目の名称である。評価項目名としては、例えば、「食事」、「整容」、「入浴」、「更衣-上半身」、「更衣-下半身」、「トイレ動作」、「排尿」、「排便」、「ベッド、椅子、車椅子」、「トイレ」、「浴室、シャワー」、「歩行、車椅子」、「階段昇降」、「理解」、「表出」がある。
【0051】
「説明」は、評価項目の説明である。「カテゴリ」は、評価項目が分類されるカテゴリである。評価項目が分類されるカテゴリとしては、「セルフケア」、「排泄管理」、「移乗」、「移動」、「コミュニケーション」がある。
【0052】
なお、カテゴリ「セルフケア」には、例えば、評価項目名がそれぞれ「食事」、「整容」、「入浴」、「更衣-上半身」、「更衣-下半身」、「トイレ動作」、「排尿」、「排便」である評価項目が分類される。また、カテゴリ「排泄管理」には、例えば、評価項目名がそれぞれ「排尿」、「排便」である評価項目が分類される。カテゴリ「移乗」には、例えば、評価項目名がそれぞれ「ベッド、椅子、車椅子」、「トイレ」、「浴室、シャワー」である評価項目が分類される。カテゴリ「移動」には、例えば、評価項目名がそれぞれ「歩行、車椅子」、「階段昇降」である評価項目が分類される。カテゴリ「コミュニケーション」には、例えば、評価項目名がそれぞれ「理解」、「表出」である評価項目が分類される。
【0053】
また、これらの評価項目は、それぞれが評価対象となる日常生活動作(ADL)の動作種別を表している。例えば、評価項目名「食事」の評価対象は、「食事」動作である。他の評価項目についても同様である。
【0054】
このように、評価項目情報記憶部210には、日常生活動作(ADL)における15の評価項目をそれぞれ示す評価項目情報が記憶されている。なお、評価項目情報記憶部210には、第三者による評価の対象となる動作の評価項目を示す情報が記憶される。例えば、第三者による評価の対象となる動作が手段的日常生活動作(IADL)である場合、評価項目情報記憶部210には、手段的日常生活動作(IADL)の評価項目を示す評価項目情報が記憶される。
【0055】
次に、対象者情報記憶部220に記憶されている対象者情報について、図6を参照しながら説明する。図6は、対象者情報の一例を示す図である。
【0056】
図6に示すように、対象者情報記憶部220には、1以上の対象者情報が記憶されている。各対象者情報には、「対象者ID」、「名前」、「性別」及び「生年月日」等が含まれる。
【0057】
「対象者ID」は、評価対象者を識別する情報である。「名前」は、評価対象者の氏である。なお、「名前」は、評価対象者の氏及び名であっても良い。「性別」は、評価対象者の性別である。「生年月日」は、評価対象者の生年月日である。
【0058】
このように、対象者情報記憶部220には、評価対象者毎に、この評価対象者の名前等の情報が記憶されている。なお、各対象者情報には、上記以外にも、例えば、評価対象者の氏名のかな表記を示す「かな」等が含まれていても良い。
【0059】
次に、撮影情報記憶部230に記憶されている撮影情報について、図7を参照しながら説明する。図7は、撮影情報の一例を示す図である。
【0060】
図7に示すように、撮影情報記憶部230には、1以上の撮影情報が記憶される。各撮影情報には、「撮影ID」、「対象者ID」、「評価項目ID」、「動画データ保存先パス」、「撮影日時」、「再生時間」、「コメント」、「評価結果」及び「タグ」等が含まれる。
【0061】
「撮影ID」は、撮影情報を識別する情報である。「対象者ID」は、撮影対象となった評価対象者の対象者IDである。「評価項目ID」は、当該評価対象者の動作に対する評価項目の評価項目IDである。「動画データ保存先パス」は、撮影された動画が保存されているパス(動画データ記憶部240におけるパス)である。「撮影日時」は、当該動画が撮影された日時(又は日付)である。
【0062】
「再生時間」は、撮影された動画の再生時間である。「コメント」は、例えば理学療法士等の第三者(評価者)によって当該動画中の動作が評価された際等に任意に記入されたコメントである。「評価結果」は、当該第三者によって当該動画中の動作が評価された評価結果(例えば、FIM(Functional Independence Measure)による評価結果やバーサルインデックスによる評価結果等)である。
【0063】
「タグ」は、例えば、動画の撮影者又は当該動画中の動作の評価者等により付与されるタグである。撮影情報に対してタグが付与されることで、例えば、この撮影情報に対応する動画を再生する際に、この動画の検索等が容易となる。
【0064】
このように、撮影情報記憶部230には、撮影者によって撮影された動画データの保存先パス、撮影された評価対象者の対象者ID,この評価対象者の動作に対する評価項目の評価項目ID、撮影日時等が対応付けられた撮影情報が記憶されている。このため、本実施形態に係る動作評価支援システム1では、どのような種類の動作を、いつ、誰が行った動画であるのかを管理することができる。
【0065】
また、撮影情報記憶部230に記憶されている撮影情報には、評価者により記入されるコメントや評価者による評価結果等が含まれる。このため、本実施形態に係る動作評価支援システム1では、上記の動画に対するコメントや評価結果等も管理することができる。なお、評価者によりコメントが記入される前や評価が行われる前の撮影情報には、コメントや評価結果は含まれない(又は、コメントや評価結果としてブランクが設定されているか若しくは空値(NULL)が設定されている。)。
【0066】
<処理の詳細>
次に、本実施形態に係る動作評価支援システム1の処理の詳細について説明する。
【0067】
≪撮影処理≫
以降では、撮影者が評価対象者の動作(日常生活動作(ADL))を撮影する場合の処理について、図8を参照しながら説明する。図8は、第一の実施形態に係る撮影処理の流れの一例を説明するための図である。なお、図8では、ユーザ端末10のユーザとは撮影者のことである。
【0068】
まず、ユーザ端末10の操作受付部101は、ユーザによる利用開始操作を受け付ける(ステップS101)。利用開始操作とは、利用開始画面を表示させるための操作であり、例えば、本実施形態に係るユーザ端末10が有する各種機能を実現するプログラム(アプリケーションプログラム)の起動操作が挙げられる。利用開始画面とは、動画の撮影や動画の閲覧及び評価の開始するための画面である。
【0069】
次に、ユーザ端末10の通信部103は、表示情報の取得要求を管理サーバ20に送信する(ステップS102)。表示情報とは、利用開始画面に含まれる選択欄等を表示するための情報である。本実施形態では、表示情報は、評価項目情報及び対象者情報であるものとする。
【0070】
管理サーバ20の通信部201は、表示情報の取得要求を受信する(ステップS103)。
【0071】
次に、管理サーバ20の情報管理部202は、評価項目情報記憶部210に記憶されている評価項目情報と、対象者情報記憶部220に記憶されている対象者情報とを取得する(ステップS104)。なお、情報管理部202は、対象者情報記憶部220に記憶されている全ての対象者情報を取得する場合に限られず、一部の対象者情報のみを取得しても良い。例えば、男性の評価対象者を示す対象者情報のみ取得したり、女性の評価対象者を示す対象者情報のみを取得したりしても良い。又は、例えば、或る年齢以上の評価対象者を示す対象者情報のみを取得しても良い。更に、例えば、利用しているデイサービスの事業所を示す情報が対象者情報に含まれる場合、或る事業所を利用している評価対象者を示す対象者情報のみを取得しても良い。
【0072】
次に、管理サーバ20の通信部201は、表示情報の取得応答をユーザ端末10に送信する(ステップS105)。表示情報の取得応答には、上記のステップS104で取得された表示情報(すなわち、評価項目情報及び対象者情報)が含まれる。
【0073】
ユーザ端末10の通信部103は、表示情報の取得応答を受信する(ステップS106)。
【0074】
次に、ユーザ端末10の表示制御部102は、表示情報(評価項目情報及び対象者情報)に基づいて、例えば図9に示す利用開始画面G100を表示する(ステップS107)。
【0075】
ここで、図9に示す利用開始画面G100は、動画の撮影や動画の閲覧及び評価の開始するための画面である。図9に示す利用開始画面G100には、対象者選択欄G110と、評価項目選択欄G120と、撮影開始ボタンG130と、動画閲覧開始ボタンG140とが含まれる。
【0076】
対象者選択欄G110は、動画の撮影対象の評価対象者又は動画の閲覧対象の評価対象者を選択するための選択欄である。対象者選択欄G110には、表示情報として取得された対象者情報により示される評価対象者が選択可能に表示される。
【0077】
評価項目選択欄G120は、動画の撮影対象となる動作の評価項目又は閲覧及び評価したい動作の評価項目を選択するための選択欄である。評価項目選択欄G120には、表示情報として取得された評価項目情報により示される評価項目が選択可能に表示される。
【0078】
撮影開始ボタンG130は、対象者選択欄G110で選択された評価対象者を撮影対象として、評価項目選択欄G120で選択された評価項目により評価される動作の撮影を開始するためのボタンである。
【0079】
動画閲覧開始ボタンG140は、対象者選択欄G110で選択された評価対象者が撮影された動画のうち、評価項目選択欄G120で選択された評価項目により評価される動作が撮影された動画の閲覧を開始するためのボタンである。なお、当該動作の評価は、動画の閲覧と共に又は当該動画の閲覧後に行われるため、動画閲覧開始ボタンG140は、動画の閲覧及び評価を開始するためのボタンと言うこともできる。
【0080】
ユーザは、評価対象者を対象者選択欄G110から選択すると共に、評価項目を評価項目選択欄G120から選択した上で、撮影開始ボタンG130を押下することで、撮影開始操作を行うことができる。他方で、ユーザは、評価対象者を対象者選択欄G110から選択すると共に、評価項目を評価項目選択欄G120から選択した上で、動画閲覧開始ボタンG140を押下することで、閲覧開始操作を行うことができる。
【0081】
以降では、ユーザが撮影開始操作を行ったものとして説明を続ける。より具体的には、例えば、或る評価対象者について、日常生活動作(ADL)のうちの「階段昇降」動作を撮影したい場合、ユーザは、対象者選択欄G110から当該評価対象者を選択すると共に、評価項目選択欄G120から「階段昇降」を選択して、撮影開始操作を行う。同様に、例えば、或る評価対象者について、日常生活動作(ADL)のうちの「食事」動作を撮影したい場合、ユーザは、対象者選択欄G110から当該評価対象者を選択すると共に、評価項目選択欄G120から「食事」を選択して、撮影開始操作を行う。このように、ユーザは、撮影対象の評価対象者と、この評価対象者がこれから行う動作に対応する評価項目とを選択した撮影開始操作を行う。
【0082】
ユーザ端末10の操作受付部101は、ユーザによる撮影開始操作を受け付ける(ステップS108)。
【0083】
次に、ユーザ端末10の撮影制御部104は、撮影装置18を制御して、当該撮影装置18の撮影範囲内を撮影する(ステップS109)。すなわち、ユーザは、ユーザ端末10を用いて、評価対象者の動作(すなわち、評価項目選択欄G120で選択された評価項目により評価される動作)を撮影する。なお、ユーザ端末10は、例えば、棚等の上に置いたり、三脚等を用いたりして、評価対象者の動作が撮影範囲となる位置に固定されていても良い。
【0084】
ここで、例えば、評価対象者の動作が終了したこと等により、ユーザが撮影終了操作を行ったものとする。なお、撮影終了操作は、例えば、上記のステップS109の撮影中であることを示す画面において、所定のボタン(撮影終了ボタン)等を押下することで行うことができる。
【0085】
ユーザ端末10の操作受付部101は、ユーザによる撮影終了操作を受け付ける(ステップS110)。
【0086】
次に、ユーザ端末10の撮影制御部104は、動画の撮影を終了した上で、上記のステップS109で撮影を開始してから終了するまでの動画データを作成する(ステップS111)。
【0087】
次に、ユーザ端末10の表示制御部102は、例えば図10に示す保存確認画面を表示する(ステップS112)。
【0088】
ここで、図10に示す保存確認画面G200は、上記のステップS111で作成された動画データを管理サーバ20に保存するか否かをユーザに選択させたり、当該動画データにタグを付与したりするための画面である。図10に示す保存確認画面G200には、撮影日時や撮影対象者の情報、動画の再生時間やファイルサイズ等が表示される表示欄G201が含まれる。また、図10に示す保存確認画面G200には、動画データに付与するタグをユーザが入力するための入力欄G202と、動画データを管理サーバ20に保存するための保存ボタンG204とが含まれる。
【0089】
なお、図10に示す保存確認画面G200には、予め決められたタグ(又は何等かの動画データに既に付与されているタグ)の一覧を表示させるための選択ボタンG203が含まれていても良い。これにより、ユーザは、動画データに付与するタグを、タグの一覧の中から選択することができる。
【0090】
ここで、タグとは、動画データに対して付与される任意の文字や記号のことであり、当該動画データの検索や説明、分類等のために用いられる。例えば、或る評価対象者が介護施設に入所した日に実施される撮影で作成された動画データに対して、例えばデイサービス等に入所した日を示す「入所日」等のタグを付与することが考えられる。これにより、この評価対象者を入所日に撮影した動画データを容易に特定することができるようになる。
【0091】
また、例えば、或る介助者A(例えば、理学療法士等である介助者A)が評価対象者を介助しながら撮影することで作成された動画データに「A」等のタグを付与することが考えられる。これにより、この介助者Aが介助しながら撮影した動画データを容易に特定することができるようになる。特に、例えば、介助能力に長けている介助者の動画データに対してこのようなタグを付与することで、他の介助者が、介助のマニュアル的にこの動画データを見ることができるようになる。
【0092】
ユーザは、保存ボタンG204を押下することで、動画保存操作を行うことができる。なお、ユーザは、キャンセルボタンを押下することで、動画データの保存を中止することができる。以降では、ユーザが動画保存操作を行ったものとして説明を続ける。
【0093】
ユーザ端末10の操作受付部101は、ユーザによる動画保存操作を受け付ける(ステップS113)。
【0094】
ユーザ端末10の通信部103は、動画データの保存要求を管理サーバ20に送信する(ステップS114)。動画データの保存要求には、上記のステップS111で作成された動画データに加えて、撮影開始操作の際にユーザにより選択された評価対象者を示す対象者IDと、当該ユーザにより選択された評価項目を示す評価項目IDとが含まれる。また、当該保存要求には、撮影日時と、再生時間とが含まれる。更に、図10に示す保存確認画面G200でタグが付与された場合には、当該保存要求には、タグも含まれる。
【0095】
管理サーバ20の通信部201は、動画データの保存要求を受信する(ステップS115)。
【0096】
次に、管理サーバ20の情報管理部202は、動画データの保存要求に含まれる動画データを動画データ記憶部240に保存する(ステップS116)。
【0097】
次に、管理サーバ20の情報管理部202は、撮影情報を作成した上で、作成した撮影情報を撮影情報記憶部230に保存する(ステップS117)。ここで、情報管理部202は、撮影IDを生成した上で、この撮影IDと、上記のステップS116で保存された動画データの保存先パス(動画データ保存先パス)と、動画データの保存要求に含まれる各種情報(対象者ID、評価項目ID、撮影日時、再生時間、タグ等)とを対応付けることで撮影情報を作成する。なお、このとき、情報管理部202は、当該撮影情報のコメントや評価結果にはブランクや空値(NULL)等を設定すれば良い。
【0098】
次に、管理サーバ20の通信部201は、動画データの保存応答をユーザ端末10に送信する(ステップS118)。
【0099】
ユーザ端末10の通信部103は、動画データの保存応答を受信する(ステップS119)。
【0100】
以上のように、本実施形態に係る動作評価支援システム1では、ユーザ端末10のユーザ(撮影者)は、評価対象者と評価項目とを選択した上で、この評価対象者の動作を撮影することができる。そして、本実施形態に係る管理サーバ20では、撮影された動画データが、評価対象者を示す対象者IDと、評価項目を示す評価項目IDとに対応付けて管理される。また、このとき、ユーザ端末10のユーザによって当該動画データに対するタグも付与することができる。これにより、本実施形態に係る動作評価支援システム1では、後述するように、評価者は、該当の評価対象者の該当の動作が撮影された動画データを容易に閲覧することができるようになる。
【0101】
≪動画閲覧及び評価処理≫
以降では、評価者が動画を閲覧することで、この動画中の動作(日常生活動作(ADL))を評価する場合の処理について、図11を参照しながら説明する。図11は、第一の実施形態に係る動画閲覧及び評価処理の流れの一例を説明するための図である。なお、図11では、ユーザ端末10のユーザとは評価者のことである。上述したように、撮影者と評価者とは異なる人物であっても良いし、同一人物であっても良い。また、撮影者が撮影に利用したユーザ端末10と、評価者が閲覧及び評価に利用するユーザ端末10とは、異なるユーザ端末10であっても良いし、同一のユーザ端末10であっても良い。
【0102】
まず、ユーザ端末の表示制御部102は、例えば図9に示す利用開始画面G100を表示する(ステップS201)。これは、図8のステップS107と同様に、図8のステップS101~ステップS106が実行されることで表示される。以降では、図9に示す利用開始画面G100において、ユーザは、評価対象者を対象者選択欄G110から選択すると共に、評価項目を評価項目選択欄G120から選択した上で、動画閲覧開始ボタンG140を押下して、閲覧開始操作を行ったものとする。
【0103】
ユーザ端末10の操作受付部101は、ユーザによる閲覧開始操作を受け付ける(ステップS202)。
【0104】
次に、ユーザ端末10の通信部103は、閲覧可能リストの取得要求を管理サーバ20に送信する(ステップS203)。閲覧可能リストの取得要求には、閲覧開始操作の際にユーザにより選択された評価対象者を示す対象者IDと、当該ユーザにより選択された評価項目を示す評価項目IDとが含まれる。ここで、閲覧可能リストとは、閲覧可能な動画のリストであり、当該対象者IDと当該評価項目IDとが含まれる撮影情報を特定可能なリスト又は当該撮影情報に対応する動画データを特定可能なリストのことである。
【0105】
管理サーバ20の通信部201は、閲覧可能リストの取得要求を受信する(ステップS204)。
【0106】
次に、管理サーバ20の情報管理部202は、閲覧可能リストを作成する(ステップS205)。ここで、情報管理部202は、例えば、撮影情報記憶部230に記憶されている撮影情報うち、閲覧可能リストの取得要求に含まれる対象者ID及び評価項目IDが含まれる撮影情報を特定した上で、これら特定した撮影情報から動画データ保存先パスと撮影日時とタグとを取得する。そして、情報管理部202は、これらの動画データ保存先パスと撮影日時とタグとを対応付けたリストを、閲覧可能リストとして作成する。なお、情報管理部202は、更に、上記の特定した撮影情報から再生時間も取得して、動画データ保存先パスと撮影日時と再生時間とタグとを対応付けたリストを、閲覧可能リストとして作成しても良い。
【0107】
ここで、上述したように、閲覧可能リストは、該当の対象者IDと該当の評価項目IDとが含まれる撮影情報を特定可能なリスト又は当該撮影情報に対応する動画データを特定可能なリストであれば良い。したがって、閲覧可能リストとしては、例えば、当該対象者IDと当該評価項目IDとが含まれる撮影情報の撮影IDのリストであっても良いし、これらの撮影情報の動画データ保存先パスのリストであっても良い。
【0108】
次に、管理サーバ20の通信部103は、閲覧可能リストの取得応答をユーザ端末10に送信する(ステップS206)。ここで、閲覧可能リストの取得応答には、上記のステップS205で作成された閲覧可能リストが含まれる。
【0109】
ユーザ端末10の通信部103は、閲覧可能リストの取得応答を受信する(ステップS207)。
【0110】
次に、ユーザ端末10の表示制御部102は、当該取得応答に含まれる閲覧可能リストに基づいて、例えば図12に示す動画閲覧及び評価画面G300を表示する(ステップS208)。
【0111】
ここで、図12に示す動画閲覧及び評価画面G300は、動画の閲覧と、当該動画中の動作の評価とを行うための画面である。図12に示す動画閲覧及び評価画面G300には、動画選択ボタンG301と、動画選択ボタンG302とが含まれる。
【0112】
動画選択ボタンG301及び動画選択ボタンG302は、閲覧する動画を選択するためボタンである。例えば、動画選択ボタンG301がユーザにより押下されると、表示制御部102により、動画一覧G303が表示される。動画一覧G303には、閲覧可能リストに含まれる情報(例えば、タグや撮影日時等)が表示される。同様に、例えば、動画選択ボタンG302がユーザにより押下された場合も同様に、閲覧可能リストに含まれる情報が動画一覧G304として表示される。
【0113】
ユーザは、動画選択ボタンG301の押下によって表示される動画一覧G303と、動画選択ボタンG302の押下によって表示される動画一覧との少なくとも一方から所望の動画を選択することで、動画の選択操作を行うことができる。このように、ユーザは、複数の動画(図12に示す例では2つの動画)を選択することができる。
【0114】
ここで、例えば、動画一覧G303からは評価対象の動作が撮影された動画を選択し、動画一覧G304からは当該動画と比較する動画を選択する。これにより、例えば、前回撮影した動画と、今回撮影した動画とを比較しながら評価を行うことができるようになる。
【0115】
なお、ユーザは、必ずしも複数の動画を選択する必要はなく、1つの動画のみを選択しても良い。また、図12に示す例では、同一の評価対象者の同一の評価項目について、2つの動画を選択可能としたが、これに限られず、例えば、同一の評価項目について、或る評価対象者を撮影した動画と、別の評価対象者を撮影した動画とを選択することができても良い。
【0116】
これにより、或る評価対象者の動作と、別の或る評価対象者の動作とを比較しながら評価を行ったりすることができるようになる。特に、或る評価対象者を撮影した動画と、手本となる動作を行っている撮影対象者を撮影した動画とを選択することで、この評価対象者の動作と、手本となる動作とを比較しながら評価を行うことができるようになる。
【0117】
以降では、ユーザは、2つの動画を選択して、動画の選択操作を行ったものとして説明を続ける。
【0118】
ユーザ端末10の操作受付部101は、ユーザによる動画の選択操作を受け付ける(ステップS209)。
【0119】
次に、ユーザ端末10の通信部103は、動画データの取得要求を管理サーバ20に送信する(ステップS210)。動画データの取得要求には、動画一覧G303及び動画一覧G304からそれぞれ選択された動画の動画データを特定する情報(又は、この動画データに対応する撮影情報を特定する情報)が含まれる。このような情報としては、例えば、動画データ保存先パスや撮影ID等が挙げられる。
【0120】
管理サーバ20の通信部201は、動画データの取得要求を受信する(ステップS211)。
【0121】
次に、管理サーバ20の情報管理部202は、当該取得要求に含まれる情報に基づいて、動画データ記憶部240から動画データを取得する(ステップS212)。例えば、当該取得要求に動画データ保存先パスが含まれる場合、情報管理部202は、この動画データ保存先パスに保存されている動画データを取得する。また、例えば、当該取得要求に撮影IDが含まれる場合、この撮影IDに対応する撮影情報に含まれる動画データ保存先パスに保存されている動画データを取得する。
【0122】
次に、管理サーバ20の通信部201は、動画データの取得応答をユーザ端末10に送信する(ステップS213)。動画データの取得応答には、上記のステップS212で取得された動画データが含まれる。また、動画データの取得応答には、この動画データに対応する撮影情報に含まれる各種情報(例えば、撮影日時や再生時間、コメント、評価結果、タグ等)が含まれていても良い。特に、当該動画データに基づく動画中の動作が既に評価済みで、コメント及び評価結果が存在する場合は、動画データの取得応答には、これらのコメント及び評価結果も含めることが好ましい。
【0123】
ユーザ端末10の通信部103は、動画データの取得応答を受信する(ステップS214)。
【0124】
次に、ユーザ端末10の表示制御部102は、当該取得応答に含まれる動画データを表示する(ステップS215)。すなわち、表示制御部102は、例えば図13に示す動画閲覧及び評価画面G300を表示する。
【0125】
図13に示す動画閲覧及び評価画面G300には、動画データの取得応答に含まれる2つの動画データに基づく動画が、動画表示欄G305及び動画表示欄G306にそれぞれ表示されている。また、動画表示欄G305及び動画表示欄G306にそれぞれ表示される動画は、再生制御ボタンG307により再生制御等を行うことができる、再生制御には、例えば、再生、停止、次フレーム、前フレーム、巻き戻し等がある。また、所望のフレームに対してマーク(目印)を付与することもできる。
【0126】
ユーザは、再生制御ボタンG307を用いて、動画表示欄G305及び動画表示欄G306にそれぞれ表示された動画を再生等して、これらの動画を比較しながら評価を行うことができるようになる。
【0127】
また、このとき、ユーザは、評価欄G308により、動画表示欄G305に表示されている動画中の動作を評価することができる。図13に示す例では、FIM評価として、7段階で評価可能な評価欄G308を示している。同様に、ユーザは、評価欄G309により、動画表示欄G306に表示されている動画中の動作を評価することができる。なお、動画表示欄G305や動画表示欄G306に表示されている動画中の動作が既に評価済であった場合、評価欄G308や評価欄G309により再評価することができても良い。
【0128】
また、このとき、ユーザは、動画表示欄G305に表示されている動画又は動作に対するコメントをコメント欄G310に記載することができる。同様に、ユーザは、動画表示欄G306に表示されている動画中の動作に対するコメントをコメント欄G311に記載することができる。なお、動画表示欄G305や動画表示欄G306に表示されている動画中の動作に対するコメントがコメント欄G310やコメント欄G311に既に記載済であった場合、このコメントを編集することができても良い。
【0129】
また、このとき、ユーザは、タグ付与ボタンG312を押下することで、動画表示欄G305に表示されている動画の動画データに対してタグを付与することができる。同様に、ユーザは、タグ付与ボタンG313を押下することで、動画表示欄G306に表示されている動画の動画データに対してタグを付与することができる。タグ付与の方法は、図10と同様に、ユーザにより任意の文字や記号が入力されても良いし、予め決められたタグ(又は何等かの動画データに既に付与されているタグ)の一覧からユーザが選択されても良い。
【0130】
ユーザは、上述した評価やコメントの記載、タグの付与等を行った上で、保存ボタンG314を押下することで、評価操作を行うことができる。以降では、ユーザが評価操作を行ったものとして説明を続ける。なお、評価操作を行うためには、評価と、コメントの記載と、タグの付与との全てを行う必要はない。評価操作としては、評価欄G308又は評価欄G309による評価(又は再評価)を少なくとも行った上で、保存ボタンG314が押下されれば良い。ただし、例えば、評価欄G308や評価欄G309による評価(又は再評価)を行わずに、コメントのみを記載(又は編集)したり、タグのみを付与(又は削除)したりした上で、保存ボタンG314が押下された場合も評価操作としても良い。すなわち、評価操作は、評価(再評価も含む)、コメントの記載(コメントの編集も含む)及びタグの付与(タグの削除も含む)のうち、少なくとも1つ行われた上で、保存ボタンG314を押下する操作としても良い。したがって、以降では、これらの評価(再評価も含む)、コメントの記載(コメントの編集も含む)、タグの付与(タグの削除も含む)をまとめて評価内容と表す。
【0131】
ユーザ端末10の操作受付部101は、ユーザによる評価操作を受け付ける(ステップS216)。
【0132】
次に、ユーザ端末10の通信部103は、評価内容の保存要求を管理サーバ20に送信する(ステップS217)。評価内容の保存要求には、評価内容と、この評価内容に対応する動画データを特定する情報(又は、この動画データに対応する撮影情報を特定する情報)とが含まれる。
【0133】
管理サーバ20の通信部201は、評価内容の保存要求を受信する(ステップS218)。
【0134】
次に、管理サーバ20の情報管理部202は、撮影情報記憶部230に記憶されている撮影情報のうち、該当の撮影情報を、当該保存要求に含まれる評価内容により更新する(ステップS219)。すなわち、情報管理部202は、評価内容に含まれる評価やコメント、タグ等の情報により、該当の撮影情報の評価結果やコメント、タグ等をそれぞれ更新する。なお、該当の撮影情報とは、当該保存要求に含まれる情報(例えば、動画データ保存先パスや撮影ID等)により特定される撮影情報のことである。
【0135】
これにより、評価者による評価結果や評価者が入力等したコメント、タグ等が、該当の撮影情報で管理される。
【0136】
次に、管理サーバ20の通信部201は、評価内容の保存応答をユーザ端末10に送信する(ステップS220)。
【0137】
ユーザ端末10の通信部103は、評価内容の保存応答を受信する(ステップS221)。
【0138】
以上のように、本実施形態に係る動作評価支援システム1では、ユーザ端末10のユーザ(評価者)は、評価対象者と評価項目とを選択した上で、この評価対象者の動作が撮影された動画を閲覧することができる。そして、ユーザ端末10の評価者は、この動画中の動作を評価したり、この動画や動作に対するコメントを記載したりする等を行うことができる。
【0139】
また、本実施形態に係る動作評価支援システム1では、評価者が動画を閲覧する際に、複数の動画を同時に閲覧することができる。これにより、評価者は、例えば、前回撮影した動画と、今回撮影した動画とを比較しながら評価を行うことができるようになる。また、これ以外にも、評価者は、例えば、或る評価対象者の動画と、他の評価対象者の動画とを同時に閲覧することで、或る評価対象者の動作と、他の評価対象者の動作とを比較しながら評価を行うことができるようになる。
【0140】
このように、本実施形態に係る動作評価支援システム1によれば、評価者は、ユーザ端末10により動画を閲覧することで、評価対象者が行った動作の評価を容易に行うことができるようになる。特に、例えば、本実施形態に係る動作評価支援システム1によれば、撮影者と評価者とが異なる場合であっても、評価者は、評価対象者と評価項目とを選択するだけで、当該評価対象者についての、当該評価項目の動作を容易に評価することができるようになる。
【0141】
[第二の実施形態]
次に、第二の実施形態について説明する。上述したように、第一の実施形態では、撮影者が評価対象者と評価項目とを選択した上で撮影を行う。しかしながら、例えば、デイサービスの事業所等において、撮影者が経験の少ない従業員である場合等には、どの評価項目を選択したら良いか(又は選択すべきであるか)等がわからないことが有り得る。
【0142】
また、評価者にとっても、或る評価対象者について、どの評価項目を優先的に評価すべきなのか等について判断に迷うことが有り得る。
【0143】
そこで、第二の実施形態では、或る評価対象者の動作を撮影する場合に、選択すべき評価項目を強調して利用開始画面上に表示させると共に、或る評価対象者の動作を評価する場合に、選択すべき評価項目を判断するための指標を利用開始画面上に表示する。
【0144】
なお、第二の実施形態は、主に、第一の実施形態との相違点について説明し、第一の実施形態と同様の構成要素については、その説明を省略するものとする。
【0145】
<機能構成>
まず、本実施形態に係る動作評価支援システム1の機能構成について、図14を参照しながら説明する。図14は、第二の実施形態に係る動作評価支援システム1の機能構成の一例を示す図である。
【0146】
図14に示すように、本実施形態に係る管理サーバ20は、対象者管理情報記憶部250を有する。当該記憶部は、例えば記憶装置28等を用いて実現可能である。なお、当該記憶部は、管理サーバ20とネットワークNを介して接続される記憶装置等を用いて実現されていても良い。
【0147】
対象者管理情報記憶部250は、対象者の属性や評価に関する情報等を管理する対象者管理情報を記憶する。
【0148】
ここで、対象者管理情報記憶部250に記憶されている対象者管理情報について、図15を参照しながら説明する。図15は、対象者管理情報の一例を示す図である。
【0149】
図15に示すように、対象者管理情報記憶部250には、1以上の対象者管理情報が記憶されている。各対象者管理情報には、「対象者ID」、「介護度」、「入所日」、「予定期間」、「撮影間隔」及び「評価情報」等が含まれる。
【0150】
「対象者ID」は、評価対象者を識別する情報である。「介護度」は、評価対象者の介護度である。「入所日」は、例えばデイサービス等に入所した日である。「予定期間」は、例えば、日常生活動作(ADL)の評価を行う予定の期間である。「撮影間隔」は、予定期間の間、評価対象者の動作を撮影する間隔である。「評価情報」は、評価項目毎に、この評価項目の動作が評価された回数(評価回数)と、この評価項目の動作が前回撮影された日付とである。例えば、評価情報「評価項目ID「E001」=2、前回撮影日=2017/12/3」は、評価項目ID「E001」の評価項目について、2回評価されたこと、及び前回の撮影日が2017年12月3であることを示している。
【0151】
なお、評価情報に含まれる評価項目IDは介護度に応じて決定される。例えば、介護度が高い場合は負荷の大きい動作を行うことができないため、このような負荷の大きい動作が必要な評価項目の評価項目IDは、評価情報に含まれない。一方で、例えば、介護度が低い場合は或る程度負荷の大きい動作を行うことができるため、このような或る程度負荷の大きい動作が必要な評価項目の評価項目IDも評価情報に含まれる。
【0152】
また、撮影間隔も介護度に応じて決定されても良い。例えば、介護度が高い場合には撮影期間を長くする一方で、介護度が低い場合には撮影期間を短くする等である。
【0153】
このように、対象者管理情報記憶部250には、評価対象者毎に、介護度や入所日、予定期間、評価情報等が含まれる対象者管理情報が記憶されている。後述するように、本実施形態では、対象者管理情報に基づいて、利用開始画面上に表示される評価項目の表示態様等を異ならせる。これにより、撮影者や評価者等が、どの評価項目を選択すべきかを容易に知ることができるようになる。
【0154】
<処理の詳細>
次に、本実施形態に係る動作評価支援システム1の処理の詳細について説明する。以降では、撮影処理において、本実施形態に係る利用開始画面を表示する場合について説明する。なお、利用開始画面を表示するまでの処理は、動画閲覧及び評価処理でも同様であるため、以降の図16で説明するステップS301~ステップS306の処理は、動画閲覧及び評価処理で利用開始画面を表示する場合にも同様に実行される。
【0155】
≪撮影処理≫
本実施形態に係る撮影処理について、図16を参照しながら説明する。図16は、第二の実施形態に係る撮影処理の流れの一例を説明するための図である。なお、図16のステップS101、ステップS108~ステップS119の処理は、第一の実施形態と同様であるため、その説明を省略する。
【0156】
ステップS101に続いて、ユーザ端末10の通信部103は、表示情報の取得要求を管理サーバ20に送信する(ステップS301)。本実施形態では、表示情報は、評価項目情報、対象者情報及び対象者管理情報であるものとする。
【0157】
管理サーバ20の通信部201は、表示情報の取得要求を受信する(ステップS302)。
【0158】
次に、管理サーバ20の情報管理部202は、評価項目情報記憶部210に記憶されている評価項目情報と、対象者情報記憶部220に記憶されている対象者情報と、対象者管理情報記憶部250に記憶されている対象者管理情報とを取得する(ステップS303)。なお、対象者情報記憶部220に記憶されている対象者情報のうちの一部の対象者情報を取得した場合には、情報管理部202は、取得した対象者情報と対応する対象者管理情報を対象者管理情報記憶部250から取得すれば良い。なお、対象者情報と対応する対象者管理情報とは、対象者情報と対象者IDが同一の対象者管理情報のことである。
【0159】
次に、管理サーバ20の通信部201は、表示情報の取得応答をユーザ端末10に送信する(ステップS304)。表示情報の取得応答には、上記のステップS303で取得された表示情報(すなわち、評価項目情報、対象者情報及び対象者管理情報)が含まれる。
【0160】
ユーザ端末10の通信部103は、表示情報の取得応答を受信する(ステップS305)。
【0161】
次に、ユーザ端末10の表示制御部102は、表示情報(評価項目情報、対象者情報及び対象者管理情報)に基づいて、例えば図17に示す利用開始画面G400を表示する(ステップS306)。
【0162】
ここで、図17に示す利用開始画面G400は、図9に示す利用開始画面G100とは、評価項目選択欄G410とが異なる。
【0163】
このとき、評価項目選択欄G410では、対象者選択欄G110で選択されている評価対象者(図17に示す例では、名前「田中」である評価対象者)について、複数の評価項目のうち、撮影すべき動作の評価項目が強調表示される。図17に示す例では、評価項目名「入浴」が枠G421で強調表示されていると共に、評価項目名「トイレ」が枠G422で強調表示されている。なお、強調表示の表示態様は、枠で囲む場合に限られず、種々の表示態様が用いられても良い。強調表示の表示態様としては、例えば、点滅させたり、色を変えたり、所定のアイコン等を付与したり等が挙げられる。
【0164】
複数の評価項目のうち、どの評価項目が強調表示されるかは、対象者管理情報に含まれる撮影間隔や評価情報等により決定される。このような決定方法としては、例えば、以下の(1)~(3)が挙げられる。
【0165】
(1)他の評価項目と比べて評価回数が少ない評価項目を強調表示する。これは、評価情報に含まれる各評価項目の評価回数を参照し、例えば、評価回数が少ない順に上位N件(Nは予め決めた整数)の評価項目を強調表示させれば良い。
【0166】
(2)同一カテゴリ内で、他の評価項目と比べて評価回数が最も少ない評価項目を強調表示する。例えば、カテゴリ「セルフケア」には、評価項目として、「食事」、「整容」、「入浴」、「更衣-上半身」、「更衣-下半身」、「トイレ動作」が含まれる。これらの評価項目のうち、例えば、評価回数が最も少ない評価項目が「入浴」である場合、この評価項目「入浴」を強調表示させれば良い。
【0167】
(3)撮影間隔が経過した評価項目を強調表示する。これは、撮影間隔と評価情報とを参照して、評価情報に含まれる前回撮影日からの経過日数が撮影間隔を超過している評価項目を強調表示させれば良い。より具体的には、例えば、撮影間隔が「3週間」、評価情報が「評価項目ID「E001」=2、前回撮影日=2017/12/3」であり、かつ、現在の日付が2017年12月27日である場合、表示制御部102は、評価項目IDが「E001」である評価項目(評価項目名「食事」)を強調表示させる。
【0168】
このように、本実施形態では、複数の評価項目のうち、撮影すべき動作の評価項目が強調表示される。これにより、例えば、デイサービスの事業所等において、撮影者が経験の少ない従業員である場合等であっても、どの評価項目を選択したら良いか(又は選択すべきであるのか)等が容易にわかるようになる。
【0169】
また、評価項目選択欄G410では、対象者選択欄G110で選択されている評価対象者(図17に示す例では、名前「田中」である評価対象者)について、複数の評価項目のうち、評価回数が1以上の評価項目に対して評価回数が表示されている。図17に示す例では、評価項目名「食事」に対して評価回数「2」を示す表示部品G431が表示されている。同様に、評価項目名「整容」に対して評価回数「1」を示す表示部品G432、評価項目名「ベッド、椅子、車椅子」に対して評価回数「1」を示す表示部品G433が表示されている。
【0170】
このように、本実施形態では、複数の評価項目のうち、既に評価が行われた評価項目に対して評価回数が表示される。これにより、例えば、評価者は、評価回数が少ない評価項目を優先的に評価する等の判断を行うことができるようになる。
【0171】
以上のように、本実施形態に係る動作評価支援システム1では、例えば図17に示す利用開始画面G400がユーザ端末10上に表示される。そして、この利用開始画面G400では、各評価対象者について、撮影すべき動作の評価項目が強調表示されると共に、評価すべき評価項目を判断するための指標(例えば、評価回数等)が表示される。これにより、撮影者は、撮影すべき動作の評価項目としてどの評価項目を選択すれば良いかを容易に判断することができるようになる。また、評価者は、評価すべき動作の評価項目として、どの評価項目を選択すれば良いかを容易に判断することができるようになる。
【0172】
上記で説明した各実施形態の各機能は、一又は複数の処理回路によって実現することが可能である。ここで、本明細書における「処理回路」とは、電子回路により実装されるプロセッサのようにソフトウェアによって各機能を実行するようプログラミングされたプロセッサや、上記で説明した各機能を実行するよう設計されたASIC(Application Specific Integrated Circuit)、DSP(Digital Signal Processor)、FPGA(Field Programmable Gate Array)や従来の回路モジュール等のデバイスを含むものとする。
【0173】
本発明は、具体的に開示された上記の各実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲から逸脱することなく、種々の変形や変更が可能である。
【符号の説明】
【0174】
1 動作評価支援システム
10 ユーザ端末
20 管理サーバ
101 操作受付部
102 表示制御部
103 通信部
104 撮影制御部
201 通信部
202 情報管理部
210 評価項目情報記憶部
220 対象者情報記憶部
230 撮影情報記憶部
240 動画データ記憶部
【先行技術文献】
【特許文献】
【0175】
【文献】特開2009-285077号公報
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17