(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-16
(45)【発行日】2022-08-24
(54)【発明の名称】情報処理装置、プログラム及び情報処理システム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/10 20120101AFI20220817BHJP
A61B 5/01 20060101ALI20220817BHJP
【FI】
G06Q50/10
A61B5/01 100
(21)【出願番号】P 2020146433
(22)【出願日】2020-08-31
【審査請求日】2021-02-09
(73)【特許権者】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】小林 ゆ紀
【審査官】速水 雄太
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-067371(JP,A)
【文献】特開2011-085004(JP,A)
【文献】特開2011-204057(JP,A)
【文献】特開2010-128976(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2011-0044665(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
A61B 5/01
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
入館者の入館情報を管理する情報処理装置であって、
前記入館者が操作する第1の端末装置から取得した前記入館者の体温データが所定体温以上でなければ前記入館者の入館を許可する旨の画面を前記入館者が操作する第1の端末装置に表示させ、前記体温データが所定体温以上であれば前記入館者の入館前にチェックが必要である旨の画面を、前記入館者が操作する第1の端末装置及び管理者が操作する第2の端末装置に表示させるように制御を行う画面制御手段と、
前記入館者により前記第1の端末装置で入力された入館の用件および前記入館者の体温データを前記入館者の入館情報に登録する登録手段と、
を有する情報処理装置。
【請求項2】
前記入館者が操作する第1の端末装置から前記入館者の体温データを取得できたか否かを判定する取得判定手段、を更に有し、
前記画面制御手段は、前記入館者の体温データを取得できなかった場合に、前記管理者が操作する前記第2の端末装置にアラートを表示させるように制御を行うこと
を特徴とする請求項1記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記画面制御手段は、無人受付モードが選択されている場合、前記入館者の体温データが所定体温以上でなければ、前記入館者の入館を許可する旨の画面を前記入館者が操作する第1の端末装置に表示させ、有人受付モードが選択されている場合、前記入館者の体温データが所定体温以上でなければ、前記入館者の入館の許可を前記管理者から受け付ける画面を前記管理者が操作する前記第2の端末装置に表示させ、前記入館者の入館の許可を前記管理者から受け付けた後で、前記入館者の入館を許可する旨の画面を前記入館者が操作する第1の端末装置に表示させること
を特徴とする請求項1又は2記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記登録手段は、前記入館者に対する前記管理者の対応内容の前記入館者の入館情報への登録を、前記管理者が操作する前記第2の端末装置から受け付けること
を特徴とする請求項1乃至3の何れか一項記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記入館者の移動を検知し、前記入館者が移動を許可されている空間への移動であればアラートを発報しないように制御を行い、前記入館者が移動を許可されていない空間への移動であればアラートを発報するように制御を行うセキュリティ手段、を更に有すること
を特徴とする請求項1乃至4の何れか一項記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記入館の要件は、面会、業者、ボランティア、見学、及び調査の少なくとも1つを含むことを特徴とする請求項1乃至5の何れか一項記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記登録手段は、前記入館者により前記第1の端末装置で入力された入館者の症状を前記入館者の入館情報に登録することを特徴とする請求項1乃至6の何れか一項記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記画面制御手段は、前記入館者により前記第1の端末装置で既存登録者である入力を受け付けた場合、電話番号またはQRコード(登録商標)と対応付けられた入館者の情報を表示し、前記入館者により前記第1の端末装置で既存登録者でない入力を受け付けた場合、未入力の入館者の情報を表示することを特徴とする請求項1乃至7の何れか一項記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記登録手段は、入館者の情報を前記入館者の入館情報に登録することを特徴とする請求項1乃至8の何れか一項記載の情報処理装置。
【請求項10】
入館者の入館情報を管理する情報処理装置を、
前記入館者が操作する第1の端末装置から取得した前記入館者の体温データが所定体温以上でなければ前記入館者の入館を許可する旨の画面を前記入館者が操作する第1の端末装置に表示させ、前記体温データが所定体温以上であれば前記入館者の入館前にチェックが必要である旨の画面を、前記入館者が操作する第1の端末装置及び管理者が操作する第2の端末装置に表示させるように制御を行う画面制御手段、
前記入館者により前記第1の端末装置で入力された入館の用件および前記入館者の体温データを前記入館者の入館情報に登録する登録手段、
として機能させるためのプログラム。
【請求項11】
入館者が操作する第1の端末装置と、管理者が操作する第2の端末装置と、前記入館者の入館情報を管理する情報処理装置と、がデータ通信可能に接続された情報処理システムであって、
前記第1の端末装置は、
体温計から前記入館者の体温データを受信する受信手段と、
前記入館者の体温データを前記情報処理装置に送信する送信手段と、
を有し、
前記情報処理装置は、
前記第1の端末装置から取得した前記入館者の体温データが所定体温以上でなければ前記入館者の入館を許可する旨の画面を前記第1の端末装置に表示させ、前記体温データが所定体温以上であれば前記入館者の入館前にチェックが必要である旨の画面を、前記第1の端末装置及び前記第2の端末装置に表示させるように制御を行う画面制御手段と、
前記入館者により前記第1の端末装置で入力された入館の用件および前記入館者の体温データを前記入館者の入館情報に登録する登録手段と、
を有する情報処理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、プログラム及び情報処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、介護施設などの施設では、例えば感染症対策や不審者対策として入館受付を行うようになっている。入館受付は、例えば紙の入館票などへの記入を入館者に求めることで行われていた。
【0003】
例えばデータセンタへの入館受付に伴うコストを低減することが可能な入館管理システムは従来から知られている(例えば特許文献1参照)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
例えば感染症対策として入館受付を行う場合は、体温データの記入を入館者に求めることが一般的である。しかしながら、感染症対策として入館受付を行う場合は、入館者により記入された体温データを施設の職員などの管理者が相対で確認し、入館者による入館の可否を判断しなければならないという問題があった。なお、特許文献1は、このような問題を解決するものではない。
【0005】
本発明の一実施形態は、入館者の体温データを含む入館情報の登録の手間を軽減できる情報処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記した課題を達成するため、本発明の一実施形態は、入館者の入館情報を管理する情報処理装置であって、前記入館者が操作する第1の端末装置から取得した前記入館者の体温データが所定体温以上でなければ前記入館者の入館を許可する旨の画面を前記入館者が操作する第1の端末装置に表示させ、前記体温データが所定体温以上であれば前記入館者の入館前にチェックが必要である旨の画面を、前記入館者が操作する第1の端末装置及び管理者が操作する第2の端末装置に表示させるように制御を行う画面制御手段と、前記入館者により前記第1の端末装置で入力された入館の用件および前記入館者の体温データを前記入館者の入館情報に登録する登録手段と、を有する。
【発明の効果】
【0007】
本発明の一実施形態によれば、入館者の体温データを含む入館情報の登録の手間を軽減できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本実施形態に係る情報処理システムの一例の構成図である。
【
図2】本実施形態に係るコンピュータの一例のハードウェア構成図である。
【
図3】本実施形態に係る入館情報管理装置の一例の機能ブロック図である。
【
図4】本実施形態に係る情報処理システムを利用した入館管理の一例のフローチャートである。
【
図5】入館者用端末に表示される画面の一例の遷移図である。
【
図6】入館者用端末に表示される画面の一例の遷移図である。
【
図7】管理者用端末に表示される画面の一例の遷移図である。
【
図8】体温データに応じた画面制御の一例のフローチャートである。
【
図10】本実施形態に係る情報処理システムの一例の構成図である。
【
図11】本実施形態に係る入館情報管理装置の一例の機能ブロック図である。
【
図12】本実施形態に係る情報処理システムを利用した入館及びセキュリティ管理の一例のフローチャートである。
【
図13】本実施形態に係る情報処理システムを利用した入館及びセキュリティ管理の一例の説明図である。
【
図14】本実施形態に係る情報処理システムを利用したアラートの発報処理の一例のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の各実施形態について、添付の図面を参照しながら説明する。なお、本実施形態において「入館」とは、侵入が制限されている施設などの空間(場所)に入ることであり、施設に入ることに限定されない。
【0010】
[第1の実施形態]
<システム構成>
図1は、本実施形態に係る情報処理システムの一例の構成図である。
図1に示す情報処理システム1は、入館情報管理装置10、電子体温計12、入館者用端末14、及び管理者用端末16を有する。入館情報管理装置10、入館者用端末14、及び管理者用端末16は、ネットワーク18を介してデータ通信可能に接続されている。ネットワーク18は電話網、インターネット、LAN(Local Area Network)等である。また、電子体温計12及び入館者用端末14は、Bluetooth(登録商標)などの近距離無線通信によりデータ通信可能に接続されている。なお、電子体温計12は入館者用端末14とデータ通信可能に接続されていればよく、近距離無線通信に限定されない。
【0011】
電子体温計12は入館者の検温を行う電子機器であって、検温した入館者の体温データを入館者用端末14に提供する。電子体温計12は例えば非接触体温計を利用する。入館者用端末14は入館者が操作する端末装置である。入館者用端末14は、PC(Personal Computer)、スマートフォン、タブレット端末、ゲーム機等である。
【0012】
入館者用端末14は、入館者による入館情報の入力を受け付けると共に、入館者から受け付けた入館情報の登録を入館情報管理装置10に要求する。入館者用端末14は電子体温計12から受信部が受信した入館者の体温データを、送信部が入館情報管理装置10に送信する。入館者用端末14は入館者に対する画面の表示を、入館情報管理装置10の制御に従って行う。
【0013】
管理者用端末16は、施設の職員などの管理者が操作する端末装置である。管理者用端末16はPC、スマートフォン、タブレット端末、ゲーム機等である。管理者用端末16は管理者による操作(入館者に対する対応内容の入力や入館者に対する入館の許可の入力など)を受け付け、管理者から受け付けた操作を入館情報管理装置10に通知する。管理者用端末16は管理者に対する画面の表示を、入館情報管理装置10からの制御に従って行う。
【0014】
入館情報管理装置10は入館者の入館情報を管理する情報処理装置の一例である。入館情報管理装置10は、入館者用端末14から取得した入館者の体温データを含む入館情報を登録する。入館情報管理装置10は入館者の体温データに基づき、後述のように入館者用端末14及び管理者用端末16に表示させる画面の制御を行う。入館情報管理装置10は入館者の体温データを取得できなかった場合、後述のように管理者用端末16に表示させる画面の制御を行う。
【0015】
なお、
図1に示す情報処理システム1の構成は一例である。例えば入館情報管理装置10の機能の少なくとも一部は、入館者用端末14又は管理者用端末16で実現する構成でもよい。入館情報管理装置10の機能の少なくとも一部は、入館情報管理装置10、入館者用端末14、及び管理者用端末16以外の情報処理装置で実現する構成でもよい。入館情報管理装置10は複数台の情報処理装置で実現する構成であってもよい。入館情報管理装置10はクラウドコンピューティングを利用して実現するようにしてもよい。
【0016】
<ハードウェア構成>
《コンピュータ》
図1に示した入館情報管理装置10は、例えば
図2に示すようなハードウェア構成のコンピュータ500により実現される。また、入館者用端末14及び管理者用端末16がPCである場合も、例えば
図2に示すようなハードウェア構成のコンピュータ500により実現される。
図2は本実施形態に係るコンピュータの一例のハードウェア構成図である。
【0017】
コンピュータ500は、CPU(Central Processing Unit)501、ROM(Read Only Memory)502、RAM(Random Access Memory)503、HD504、HDD(Hard Disk Drive)コントローラ505、ディスプレイ506、外部機器接続I/F(Interface)508、ネットワークI/F509、データバス510、キーボード511、ポインティングデバイス512、DVD-RW(Digital Versatile Disk Rewritable)ドライブ514、メディアI/F516を備えている。
【0018】
CPU501はプログラムに従ってコンピュータ500全体の動作を制御する。ROM502はIPL等のCPU501の駆動に用いられるプログラムを記憶する。RAM503はCPU501のワークエリアとして使用される。HD504は、プログラム等の各種データを記憶する。HDDコントローラ505は、CPU501の制御にしたがってHD504に対する各種データの読み出し又は書き込みを制御する。
【0019】
ディスプレイ506は、カーソル、メニュー、ウインドウ、文字、又は画像などの各種情報を表示する。外部機器接続I/F508は、各種の外部機器を接続するためのインタフェースである。この場合の外部機器は、例えば、USB(Universal Serial Bus)メモリ等である。ネットワークI/F509はネットワーク18を利用してデータ通信をするためのインタフェースである。データバス510は、CPU501等の各構成要素を電気的に接続するためのアドレスバスやデータバス等である。
【0020】
キーボード511は、文字、数値、各種指示などの入力のための複数のキーを備えた入力手段の一種である。ポインティングデバイス512は、各種指示の選択や実行、処理対象の選択、カーソルの移動などを行う入力手段の一種である。DVD-RWドライブ514は、着脱可能な記録媒体の一例としてのDVD-RW513に対する各種データの読み出し又は書き込みを制御する。なお、DVD-RWに限らず、DVD-R等であってもよい。メディアI/F516は、フラッシュメモリ等の記録メディア515に対するデータの読み出し又は書き込み(記憶)を制御する。
【0021】
<機能構成>
本実施形態に係る情報処理システム1の入館情報管理装置10は例えば
図3に示す機能構成により実現される。
図3は本実施形態に係る入館情報管理装置の一例の機能ブロック図である。なお、
図3の機能構成は、本実施形態の説明に不要な構成について適宜省略している。
【0022】
図3の入館情報管理装置10は、通信制御部30、登録部32、画面制御部34、取得判定部36、入館者情報記憶部38、及び入館情報記憶部40を有する。画面制御部34は、体温データ判断部42、表示画面選択部44、及び表示画面制御部46を有する。
【0023】
通信制御部30は、入館者用端末14及び管理者用端末16との通信を制御する。登録部32は、通信制御部30が入館者用端末14から取得した入館者情報を入館者情報記憶部38に登録する。登録部32は、通信制御部30が入館者用端末14から取得した入館者の体温データを含む入館情報を入館情報記憶部40に登録する。
【0024】
取得判定部36は入館情報記憶部40に登録された入館情報を監視する。入館情報の詳細は後述する。取得判定部36は体温データ以外の入館情報が登録されたあと、5分間などの所定時間が経過する前に入館者の体温データを取得できたか否かの判定を行う。取得判定部36は、所定時間が経過する前に入館者の体温データを取得できたか否かの判定結果を画面制御部34に通知する。
【0025】
画面制御部34は、入館者用端末14及び管理者用端末16に表示させる画面の制御を行う。画面制御部34は、取得判定部36から通知された所定時間が経過する前に入館者の体温データを取得できたか否かの判定結果と、入館者の体温データと、に基づき、入館者用端末14及び管理者用端末16に表示させる画面の制御を行う。
【0026】
画面制御部34の体温データ判断部42は、取得判定部36が取得できたと判定した入館者の体温データを判断する。例えば体温データ判断部42は、入館者の体温データが所定体温(例えば37度)以上であるか否かを判断する。表示画面選択部44は体温データ判断部42が判断した入館者の体温データに応じて、入館者用端末14及び管理者用端末16に表示させる画面を選択する。
【0027】
例えば表示画面選択部44は入館者の体温データが所定体温以上でなければ、入館者の入館を許可する旨が記載されている画面を、入館者用端末14及び管理者用端末16に表示させる画面として選択する。表示画面選択部44は入館者の体温データが所定体温以上であれば、入館前にチェックが必要である旨が記載されている画面を、入館者用端末14及び管理者用端末16に表示させる画面として選択する。
【0028】
表示画面制御部46は、表示画面選択部44が選択した画面を入館者用端末14及び管理者用端末16に表示させるように、通信制御部30を介して制御を行う。例えば表示画面制御部46は、表示画面選択部44が入館者の入館を許可する旨が記載されている画面を選択すれば、入館者の入館を許可する旨が記載されている画面を表示させるように、入館者用端末14及び管理者用端末16の制御を行う。表示画面制御部46は、表示画面選択部44が入館前にチェックが必要である旨が記載されている画面を選択すれば、入館前にチェックが必要である旨が記載されている画面を表示させるように、入館者用端末14及び管理者用端末16の制御を行う。
【0029】
図3の入館情報管理装置10は、プログラムを実行することにより、
図3のような機能構成を実現している。
【0030】
<処理>
以下では、本実施形態に係る情報処理システム1を、面会が可能な介護施設などの施設に導入した例を説明する。
図4は本実施形態に係る情報処理システムを利用した入館管理の一例のフローチャートである。
【0031】
施設への入館を希望する入館者は、施設のエントランスなどに設置された入館者用端末14を操作して、入館情報の入力を行う。ステップS10において、入館情報管理装置10は
図5に示すような画面を入館者用端末14が表示するように制御する。
図5は入館者用端末に表示される画面の一例の遷移図である。
【0032】
画面1000は入館者が施設への入館の用件を選択する画面例である。入館者は画面1000から入館の用件として、面会、業者、ボランティア、見学、又は調査を選択することができる。画面1020は入館者が既存登録者か否かを選択する画面例である。入館者は画面1020から既存登録者か否かを選択できる。既存登録者の場合、入館者は「電話番号で受付の方」又は「QRで受付の方」の何れかを選択することで、電話番号の入力又はQRコード(登録商標)の読み取りにより、電話番号又はQRコードと対応付けられた入館者の情報(登録内容)を画面1040に表示できる。電話番号又はQRコードと対応付けられた入館者の情報は、前回の入館受付の際に登録した登録内容又はスマートフォンなどの入館者の情報処理端末から事前登録した登録内容を利用できる。
【0033】
QRコードは前回の入館受付の際に入館者用端末14に表示されたQRコードを印刷したものや、撮影したものを利用できる。また、QRコードはスマートフォンなどの入館者の情報処理端末から事前登録した際に表示されたQRコードを印刷したものや、撮影したものを利用できるようにしてもよい。
【0034】
既存登録者でない場合、入館者は「初めてご利用の方」を選択することで、入館者の情報(登録内容)が未入力の画面1040を表示できる。既存登録者でない入館者は入館者用端末14に表示された画面1040から入館者の情報(登録内容)を入力できる。
【0035】
画面1060は入館者が感染症チェックを行う画面例である。入館者は画面1060で感染症チェックを行うことができる。画面1080は入館者が本人確認のための写真撮影を行う画面例である。入館者は画面1080で本人確認のための写真撮影を行うことができる。
【0036】
ステップS10における入館情報の入力が終わると、入館情報管理装置10は入館者に体温測定を依頼する例えば
図6の画面1100を、入館者用端末14が表示するように制御する。
図6は入館者用端末に表示される画面の一例の遷移図である。
【0037】
入館者は入館者用端末14に表示された画面1100を参照し、入館者用端末14とペアリング済みの電子体温計12で体温を測定する。電子体温計12は測定した入館者の体温データをBluetooth(登録商標)などの近距離無線通信により送信する。入館者用端末14は入館者の体温データを受信する。入館者用端末14は入館者の体温データを入館情報管理装置10に送信する。
【0038】
入館情報管理装置10の取得判定部36はステップS14において所定時間が経過する前に入館者の体温データを取得できたか否かを判定する。所定時間が経過する前に入館者の体温データを取得できた場合、画面制御部34はステップS16において入館者の体温データに応じた
図6の画面1120又は1140を入館者用端末14に表示させる画面制御を行う。例えば画面1120は入館者の体温データが所定体温以上でなく、入館者の入館を許可する旨が記載されている画面例である。画面1140は、体温データが所定体温以上でなく、入館者の入館を許可する旨とは異なる、入館者の体温データが所定体温以上であり、入館前にチェックが必要である旨が記載されている画面例である。
【0039】
また、入館者の体温データが所定体温以上であった場合、画面制御部34は所定時間が経過する前に入館者の体温データを取得できたかどうかに応じて管理者用端末16に画面を表示させる画面制御を行う。
図7は管理者用端末に表示される画面の一例の遷移図である。例えば
図7(A)の画面1200は入館者の体温データが所定体温以上であり、入館前にチェックが必要である旨が記載されている画面例である。
【0040】
また、ステップS14において、Bluetooth(登録商標)などの近距離無線通信の異常により入館者用端末14が体温データを受信できなかった場合も含め、所定時間が経過する前に入館者の体温データを取得できなかった場合、画面制御部34は、入館者の体温データが所定体温以上であり、入館前にチェックが必要である旨の
図7(A)とは異なる、
図7(B)のアラート表示の画面1220を管理者用端末16に表示させる画面制御を行う。例えば画面1220は入館者が入館手続きを開始したものの、体温データを取得できなかった旨が記載されている画面例である。
【0041】
図4のステップS16の処理は例えば
図8のフローチャートの手順で行われる。
図8は体温データに応じた画面制御の一例のフローチャートである。ステップS30において画面制御部34は入館者の体温データが所定体温以上か否かを判断する。
【0042】
入館者の体温データが所定体温以上でなければ、画面制御部34はステップS32において
図6の画面1120を入館者用端末14に表示させる画面制御を行う。なお、画面制御部34は入館者の入館を許可する旨が記載されている画面を管理者用端末16に表示させる画面制御を行うようにしてもよい。
【0043】
入館者の体温データが所定体温以上であれば、画面制御部34はステップS34において
図6の画面1140を入館者用端末14に表示させる画面制御を行う。また、画面制御部34はステップS34において
図7(A)の画面1200を管理者用端末16に表示させる画面制御を行う。
【0044】
上記した情報処理システム1の処理により、入館情報記憶部40には、例えば
図9に示すような入館情報が登録される。
図9は入館情報の一例の構成図である。
図9の入館情報はデータ項目として用件、来訪日時、退室日時、団体名、来訪者名、入居者名、続柄、職員名、体温、検温アラート対応、症状、問診対応、人数、入室、及び受付モードを有するレコード例である。
【0045】
データ項目「用件」は、入館者が画面1000から選択した用件を表している。データ項目「来訪日時」及び「退室日時」は入館者が施設へ来訪した日時及び施設から退室した日時を表している。データ項目「団体名」は、入館者が所属する団体などの名称を表している。データ項目「来訪者名」は入館者の名前を表している。データ項目「入居者名」は入館者の面会相手となる入居者の名前を表している。データ項目「続柄」は入館者と面会相手との続柄を表している。データ項目「職員名」は、用件が「業者」などの場合に対応した職員の名前を表している。
【0046】
データ項目「体温」は、入館者が電子体温計12で検温した入館者の体温データを表している。データ項目「検温アラート対応」は、例えば入館前に入館者のチェックが必要である旨が記載されている画面1200に従い、職員が行った対応(検温アラート対応)を表している。データ項目「症状」は、入館者が症状として画面1060から選択した感染症チェックの結果を表している。例えば
図9の例では入館者が肯定の回答をした質問の内容が記載されている。したがって、
図9の例では、3番目及び13番目のレコードの入館者が「一か月以内に海外渡航がありましたか?」という質問に対して肯定の回答をしたことを表している。データ項目「問診対応」は、職員が行った対応(検温アラート対応)を表している。データ項目「人数」は、該当する入館情報で施設に入館する入館者の人数を表しており、共連れを含んだ入館者の人数を表している。
【0047】
データ項目「入室」は、該当する入館情報により入館者の施設への入室(入館)が許可されたのか、拒否されたのか、入館受付が未完了なのか、入館受付が無かったのか、を表している。データ項目「受付モード」は、有人受付モード及び無人受付モードの何れが選択されているかを表している。
【0048】
なお、有人受付モードは施設への入館に職員による入館の許可の入力が必要なモードである。有人受付モードの場合、本実施形態に係る情報処理システム1では、入館者が入館者用端末14に対して入館受付完了の操作を行うと待機状態となり、職員が管理者用端末16から入館を許可する操作を行うことで施設への入館が許可される。無人受付モードは施設への入館に職員による入館の許可の入力が不要なモードである。本実施形態に係る情報処理システム1では、無人受付モードの場合、入館者が入館者用端末14に対して入館受付完了の操作を行うと待機状態とならずに入館受付完了となる。
【0049】
図9の入館情報の3番目のレコードは、問診に異常が見られたが、職員が確認の上で入館を許可した例である。4番目のレコードは、問診に異常が見られ、職員が確認の上で入館を断った例である。7番目のレコードは、発熱により、入館を断った例である。8番目のレコードは、発熱があったが、再検温の上、職員が問題なしと判断して入館を許可した例である。
【0050】
9番目のレコードは、受付未完了のまま入館していたため、再度、入館者に受付処理をしてもらい入館を許可した例である。10番目のレコードは、受付未完了のまま入館しなかった例である。11番目のレコードは、受付未完了のまま入館していたため、職員が入館を拒否した例である。12番目のレコードは、受付未完了のまま入館し、発熱もあったため、職員が入館を拒否した例である。13番目のレコードは、発熱により入館を断った例である。14番目のレコードは、発熱があったが、再検温の上、職員が問題なしと判断して入館を許可した例である。なお、
図9の入館情報の1~12番目のレコードは有人受付モードが選択されている。13及び14番目のレコードは無人受付モードが選択されている。
【0051】
第1の実施形態では、施設のエントランスなどに設置した入館者用端末14において入館者が入館受付を行うことで、入館者の体温データを含む入館情報を入館情報管理装置10に登録する。したがって、第1の実施形態によれば、感染症対策等として入館受付を行う施設において、職員などの管理者が行っていた入館者の体温データを含む入館情報の登録の手間を軽減できる。
【0052】
また、第1の実施形態では、入館者の体温データが所定体温以上である場合に、入館者の体温データが所定体温以上であり、入館前にチェックが必要である旨が記載されている画面1200を管理者用端末16に表示する。したがって、第1の実施形態によれば、感染症対策等として入館受付を行う施設において、職員などの管理者の負担を減らしつつ、入館者の体温データを含む入館情報の登録を実現できる。
【0053】
[第2の実施形態]
第2の実施形態は、第1の実施形態の情報処理システム1に、入館を許可されていない入館者による施設への入館を検知する機能を追加した例である。なお、第2の実施形態は一部を除いて第1の実施形態と同様であるため、適宜説明を省略する。
【0054】
図10は本実施形態に係る情報処理システムの一例の構成図である。
図10に示す情報処理システム1aは、
図1の情報処理システム1に3D画像センサ20が追加された構成である。3D画像センサ20はネットワーク18を介して入館情報管理装置10とデータ通信可能に接続されている。3D画像センサ20は施設のエントランスなど、入館者用端末14が設置された空間(以下、受付空間と呼ぶ)を少なくとも撮影できるように設置される。3D画像センサ20は撮影した受付空間の3D画像データを入館情報管理装置10に送信する。
【0055】
入館情報管理装置10は3D画像センサ20から送信された受付空間の3D画像データを利用して、受付空間に存在する入館者の移動を検知する。入館情報管理装置10は受付空間から、入館者による侵入が制限されている施設内の空間(以下、プライベート空間と呼ぶ)への移動を後述のように検知する。入館情報管理装置10は入館が許可されていない入館者による受付空間からプライベート空間への移動を検知すると、後述のアラートを発報する。
【0056】
図10の情報処理システム1aの入館情報管理装置10は例えば
図11に示す機能構成により実現される。
図11は、本実施形態に係る入館情報管理装置の一例の機能ブロック図である。なお、
図11の機能構成は、本実施形態の説明に不要な構成について適宜省略している。
【0057】
図11の入館情報管理装置10は、
図3の入館情報管理装置10に入館許可情報通知部48、3D画像データ受付部50、及びセキュリティ部52が追加されている。セキュリティ部52は、移動検知部60、タグ付加部62、及びアラート発報制御部64を有する構成である。
【0058】
入館許可情報通知部48は、入館者用端末14を操作する入館者の入館が許可された場合に、その旨をセキュリティ部52に通知する。3D画像データ受付部50は3D画像センサ20から送信された受付空間の3D画像データを受け付け、セキュリティ部52に提供する。
【0059】
セキュリティ部52の移動検知部60は3D画像センサ20から送信された受付空間の3D画像データを画像解析し、受付空間における入館者の存在を検知する。移動検知部60は存在を検知した入館者が受付空間にいる間、入館者の移動を検知し続ける。タグ付加部62は移動検知部60が検知した入館者に識別のためのタグを付加する。受付空間にいる入館者に付加されるタグには、その入館者が施設内のプライベート空間への入館を許可されているか否かの情報が含まれる。
【0060】
また、移動検知部60は3D画像センサ20によって撮影される受付空間に仮想のライン(バーチャルライン)を複数本、設定し、それぞれのバーチャルライン上に入館者が存在するか否かを判断できる。入館者用端末14を操作する入館者の立ち位置にバーチャルラインを設置することで、移動検知部60は入館者用端末14で入館受付を完了した入館者の移動を検知できる。また、受付空間からプライベート空間への移動に通過する位置にバーチャルライン(以下、セキュリティフェンスと呼ぶ)を設置することで、移動検知部60は入館者の受付空間からプライベート空間への移動を検知できる。
【0061】
アラート発報制御部64は、受付空間からプライベート空間への入館者の移動を検知すると、プライベート空間へ移動した入館者が施設内のプライベート空間への入館を許可されているか否かを確認する。プライベート空間へ移動した入館者が施設内のプライベート空間への入館を許可されていれば、アラート発報制御部64はアラートを発報しないように制御を行う。プライベート空間へ移動した入館者が施設内のプライベート空間への入館を許可されていなければ、アラート発報制御部64は管理者用端末16へのアラートを発報するように制御を行う。なお、入館者が所持しているスマートフォンなどの情報処理端末のメールアドレスが登録されている場合、アラート発報制御部64はメールで入館者にアラートを発報するように制御してもよい。
【0062】
図12は本実施形態に係る情報処理システムを利用した入館及びセキュリティ管理の一例のフローチャートである。ステップS50~S56の処理は
図4のステップS10~S16の処理と同様である。また、ステップS60の処理は
図4のステップS18の処理と同様である。
【0063】
ステップS56で入館者の入館が許可された場合、ステップS58において、タグ付加部62は入館者用端末14を操作する入館者に付加したタグに、施設内のプライベート空間への入館を許可する情報を対応付ける。施設内のプライベート空間への入館を許可する情報をタグに対応付けられた入館者は、セキュリティフェンスが解除され、プライベート空間への移動の制限が解除される。
【0064】
なお、ステップS56で入館者の入館が許可されなかった場合、ステップS58において、タグ付加部62は入館者用端末14を操作する入館者に付加したタグに、施設内のプライベート空間への入館を許可する情報を対応付けない。施設内のプライベート空間への入館を許可する情報をタグに対応付けられなかった入館者は、セキュリティフェンスが解除されず、プライベート空間への移動の制限が解除されない。
【0065】
図13は本実施形態に係る情報処理システムを利用した入館及びセキュリティ管理の一例の説明図である。
図13では受付空間の一例である施設のエントランスを撮影できる位置に3D画像センサ20が設置されている。施設のエントランスには電子体温計12及び入館者用端末14が設置されている。職員などの管理者が待機している事務所には管理者用端末16が設置されている。施設のエントランスからプライベート空間への移動に通過する位置にはセキュリティフェンス100が設置されている。
【0066】
例えば入館者用端末14から入館受付を完了させ、入館が許可された入館者102はセキュリティフェンス100が解除されるため、セキュリティフェンス100上を通過してプライベート空間に移動してもアラートが発報されない。一方、入館者用端末14から入館受付を行わず、入館が許可されていない入館者104は、セキュリティフェンス100が解除されていないため、セキュリティフェンス100上を通過するとアラートが発報される。入館者用端末14から行った入館受付が未完了の入館者もセキュリティフェンス100が解除されていないため、セキュリティフェンス100上を通過するとアラートが発報される。したがって、事務所に待機している職員などの管理者は、入館を許可されていない入館者のプライベート空間への侵入を知ることができる。
【0067】
図14は、本実施形態に係る情報処理システムを利用したアラートの発報処理の一例のフローチャートである。ステップS70において入館情報管理装置10のセキュリティ部52は3D画像センサ20から送信された受付空間の3D画像データを利用して、受付空間に存在する入館者の移動を検知する。セキュリティ部52はセキュリティフェンス上に入館者が存在するか否かを判断することで、セキュリティフェンスに触れた入館者がいるか判定する。
【0068】
セキュリティフェンスに触れた入館者がいれば、セキュリティ部52はステップS72に進み、セキュリティフェンスに触れた入館者のタグに施設内のプライベート空間への入館を許可する情報が対応付けられているか否かを判定する。セキュリティフェンスに触れた入館者のタグに施設内のプライベート空間への入館を許可する情報が対応付けられていなければ、セキュリティ部52はステップS74に進み、アラートの発報を行うように制御する。セキュリティフェンスに触れた入館者のタグに施設内のプライベート空間への入館を許可する情報が対応付けられていれば、セキュリティ部52はステップS74の処理をスキップし、アラートの発報を行わないように制御する。
【0069】
第2の実施形態では、施設のエントランスなどに受付空間に設置した入館者用端末14から入館受付を行っていない又は入館受付を完了させていない入館者によるプライベート空間への侵入があった場合、迅速にアラートを発報できる。また、第2の実施形態では入館受付を行っていない又は入館受付を完了させていない入館者によるプライベート空間への侵入があった場合、管理者用端末16にアラートを表示する。したがって、第2の実施形態によれば、感染症対策及び不審者対策等として入館受付を行う施設において、職員などの管理者の負担を減らしつつ、セキュリティの向上、及び入館者の体温データを含む入館情報の登録を実現できる。
【0070】
上記で説明した実施形態の各機能は、一又は複数の処理回路によって実現することが可能である。ここで、本明細書における「処理回路」とは、電子回路により実装されるプロセッサのようにソフトウェアによって各機能を実行するようプログラミングされたプロセッサや、上記で説明した各機能を実行するよう設計されたASIC(Application Specific Integrated Circuit)、DSP(digital signal processor)、FPGA(field programmable gate array)や従来の回路モジュール等のデバイスを含むものとする。
【0071】
実施例に記載された装置群は、本明細書に開示された実施形態を実施するための複数のコンピューティング環境のうちの1つを示すものにすぎない。なお、入館者用端末14は特許請求の範囲に記載した第1の端末装置の一例である。管理者用端末16は第2の端末装置の一例である。
【符号の説明】
【0072】
1、1a 情報処理システム
10 入館情報管理装置
12 電子体温計
14 入館者用端末
16 管理者用端末
18 ネットワーク
20 3D画像センサ
30 通信制御部
32 登録部
34 画面制御部
36 取得判定部
38 入館者情報記憶部
40 入館情報記憶部
42 体温データ判断部
44 表示画面選択部
46 表示画面制御部
48 入館許可情報通知部
50 3D画像データ受付部
52 セキュリティ部
60 移動検知部
62 タグ付加部
64 アラート発報制御部
1120、1140、1200、1220 画面
【先行技術文献】
【特許文献】
【0073】