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特許7125044電池装置、故障監視システム、及び電池の電圧出力方法
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  • 特許-電池装置、故障監視システム、及び電池の電圧出力方法 図1
  • 特許-電池装置、故障監視システム、及び電池の電圧出力方法 図2
  • 特許-電池装置、故障監視システム、及び電池の電圧出力方法 図3
  • 特許-電池装置、故障監視システム、及び電池の電圧出力方法 図4
  • 特許-電池装置、故障監視システム、及び電池の電圧出力方法 図5
  • 特許-電池装置、故障監視システム、及び電池の電圧出力方法 図6
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-16
(45)【発行日】2022-08-24
(54)【発明の名称】電池装置、故障監視システム、及び電池の電圧出力方法
(51)【国際特許分類】
   G01R 31/396 20190101AFI20220817BHJP
   H01M 10/42 20060101ALI20220817BHJP
   H01M 10/48 20060101ALI20220817BHJP
   H02J 7/02 20160101ALI20220817BHJP
   H02J 7/00 20060101ALI20220817BHJP
   H02J 7/10 20060101ALI20220817BHJP
【FI】
G01R31/396
H01M10/42 P
H01M10/48 P
H02J7/02 H
H02J7/00 Y
H02J7/10 B
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2018067841
(22)【出願日】2018-03-30
(65)【公開番号】P2019178934
(43)【公開日】2019-10-17
【審査請求日】2021-03-02
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成29年度、防衛装備庁、「安全保障技術研究推進制度」にかかわる業務委託研究、産業技術力強化法第19条の適用を受ける特許出願
(73)【特許権者】
【識別番号】000125370
【氏名又は名称】学校法人東京理科大学
(73)【特許権者】
【識別番号】599035627
【氏名又は名称】学校法人加計学園
(74)【代理人】
【識別番号】100106002
【弁理士】
【氏名又は名称】正林 真之
(72)【発明者】
【氏名】飯田 努
(72)【発明者】
【氏名】麻原 寛之
【審査官】青木 洋平
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2013/0049472(US,A1)
【文献】特開2005-056654(JP,A)
【文献】特開2012-088106(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0130421(US,A1)
【文献】特開平07-128375(JP,A)
【文献】特開2002-058102(JP,A)
【文献】特開平04-280484(JP,A)
【文献】特開2001-284662(JP,A)
【文献】特開2009-218320(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2006/0043975(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第102540099(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01R 31/36-31/396
H01M 10/42
H01M 10/48
H02J 7/02
H02J 7/00
H02J 7/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
直列接続された複数の電池と、
該複数の電池に対して、それぞれ並列に接続された複数の故障検出器と、
前記複数の電池に対して、それぞれ並列に接続された複数のスイッチと、
前記複数の電池にそれぞれ並列に接続される複数のダイオードと、を備え、
前記複数の電池の各電池は、熱電素子を用いた熱電池であり、
前記故障検出器は、対応する前記電池により生ずる電圧を検出するコンパレータであり、
前記故障検出器は対応する前記電池の故障を検出した場合に、故障した電池に対応する前記スイッチを導通状態とする、電池装置。
【請求項2】
前記直列接続された複数の電池の出力側に接続されたDC-DCコンバータを備えた、請求項に記載の電池装置。
【請求項3】
前記複数の故障検出器からの故障検出信号を受け、故障した電池を検出する故障監視装置を備えた、請求項1又は請求項2に記載の電池装置。
【請求項4】
請求項に記載の電池装置の複数と、複数の該電池装置とネットワークを介して接続され、前記故障監視装置から出力される検出信号に基づいて、故障が生じた電池と故障が生じた電池を含む電池装置とを管理する故障情報管理センター装置と、該故障情報管理センター装置と接続され、該故障情報管理センター装置から送信される情報に基づいて修理が必要な電池装置と電池を特定して修理を指示するサービス管理センター装置と、を備えた故障監視システム。
【請求項5】
直列接続された複数の電池を備えた電池装置の電池の電圧出力方法であって、
前記電池装置は、前記複数の電池に対して、それぞれ並列に接続された複数の故障検出器と、前記複数の電池に対して、それぞれ並列に接続された複数のスイッチと、前記複数の電池にそれぞれ並列に接続される複数のダイオードと、を備え、前記複数の電池の各電池は、熱電素子を用いた熱電池であり、前記故障検出器は、対応する前記電池により生ずる電圧を検出するコンパレータであり、
前記複数の故障検出器が、直列接続された前記複数の電池のそれぞれの故障を検出し、
前記複数の電池のうちの少なくとも1つの電池の故障を、故障した電池に対応する前記故障検出器が検出した場合に、前記故障検出器が前記故障した電池に並列に接続された前記スイッチを導通状態とする、電池の電圧出力方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の電池を直列接続した電池装置、故障監視システム及び電池の電圧出力方法に関する。
【背景技術】
【0002】
複数の電池を直列接続した電池装置としては、例えば、特許文献1に、直列接続された複数の電池セルと、複数の電池セルに対してそれぞれ設けられるとともに、電池セルのセル電圧と閾値とをそれぞれ比較する複数のコンパレータを有する電池状態監視装置と、を備えた電池装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2012-088106号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の電池装置は、電池状態監視装置が、複数のコンパレータの出力に基づいて複数の電池セルの状態をそれぞれ監視する。
複数の電池を直列接続した電池装置は、複数の電池の一つに断線等の故障が生ずると、電池装置から電圧が出力されなくなる。
【0005】
本発明は、複数の電池の一又は複数が故障しても電圧を出力できる、電池装置、故障監視システム、及び電池の電圧出力方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1) 本発明に係る電池装置は、直列接続された複数の電池と、該複数の電池に対応して設けられた複数の故障検出器と、前記複数の電池に対して、それぞれ並列に接続された複数のスイッチと、を備え、前記故障検出器は対応する前記電池の故障を検出した場合に、故障した電池に対応する前記スイッチを導通状態とする、電池装置である。
【0007】
(2) 上記(1)の電池装置において、前記故障検出器は対応する前記電池により生ずる電圧を検出するコンパレータであることが好ましい。
【0008】
(3) 上記(1)又は(2)の電池装置において、前記複数の電池にそれぞれ並列に接続される複数のダイオードを備えることが好ましい。
【0009】
(4) 上記(1)から(3)のいずれかの電池装置において、前記直列接続された複数の電池の出力側に接続されたDC-DCコンバータを備えることが好ましい。
【0010】
(5) 上記(1)から(4)のいずれかの電池装置において、前記複数の故障検出器からの故障検出信号を受け、故障した電池を検出する故障監視装置を備えることが好ましい。
【0011】
(6) 本発明に係る故障監視システムは、上記(5)の電池装置の複数と、複数の該電池装置とネットワークを介して接続され、前記故障監視装置から出力される検出信号に基づいて、故障が生じた電池と故障が生じた電池を含む電池装置とを管理する故障情報管理センター装置と、該故障情報管理センター装置と接続され、該故障情報管理センター装置から送信される情報に基づいて修理が必要な電池装置と電池を特定して修理を指示するサービス管理センター装置と、を備えた故障監視システムである。
【0012】
(7) 本発明に係る、電池の電圧出力方法は、直列接続された複数の電池を備えた電池装置の電池の電圧出力方法であって、
前記複数の電池に対応して設けられた複数の故障検出器が、直列接続された前記複数の電池のそれぞれの故障を検出し、
前記複数の電池のうちの少なくとも1つの電池の故障を、故障した電池に対応する前記故障検出器が検出した場合に、前記故障検出器が前記故障した電池に並列に接続されたスイッチを導通状態とする、電池の電圧出力方法である。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、直列接続された複数の電池の一又は複数が故障しても電圧を出力できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の第1の実施形態の電池装置の構成を示すブロック図である。
図2】故障検出器及びスイッチの一構成例を示すブロック図である。
図3】電池が故障した場合の第1の実施形態の電池装置の電池の電圧出力動作を説明するためのブロック図である。
図4】本発明の第2の実施形態の電池装置を示すブロック図である。
図5】本発明の第3の実施形態の電池装置を示すブロック図である。
図6】本発明の第4の実施形態の故障監視システムの構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施形態について図面を用いて詳細に説明する。
(第1の実施形態)
図1は本発明の第1の実施形態の電池装置の構成を示すブロック図である。図1に示すように、電池装置1は直列接続されたn個の電池10~30、電池10~30のそれぞれに対して設けられたn個の故障検出器11~31、電池10~30のそれぞれに対して設けられ、電池と並列に接続されたn個のスイッチ12~32、及びn個のダイオード13~33を備えている。n個のダイオード13~33は設けなくともよい。なお、スイッチを半導体チップ内に形成した場合は寄生ダイオードとして形成することもできる。
【0016】
電池10~30は、例えば、ゼーベック素子等の熱電素子を一又は複数直列接続した熱電池が用いられる。電池10~30はそれぞれの端子間に電位差ΔVを与えるものとする。電池10~30が正常に動作している場合、電池10の電位差ΔVはV-0(V)、電池20の電位差ΔVはV-V(V)、電池30の電位差ΔVはV-Vn-1(V)となる。
【0017】
故障検出器11~31のそれぞれは、電池10~30のそれぞれの2つの端子に接続され、電池による生ずる電圧、すなわち端子間の電位差により、電池10~30のそれぞれの断線等の故障を検出し、故障が検出された場合は検出信号を出力して、スイッチ12~32のうちの故障が検出されたスイッチをオンして導通状態に切り替える。故障は、熱電素子間の配線の断線、熱電素子の破損等がある。
【0018】
図2は、故障検出器11及びスイッチ12の一構成例を示すブロック図である。図2では故障検出器11とスイッチ12のみを示しているが、故障検出器21~31及びスイッチ22~32も故障検出器11及びスイッチ12と同じ構成となっている。図2に示すように、故障検出器11はコンパレータ111からなり、スイッチ12はMOSトランジスタ121からなる。コンパレータ111の反転入力端子(-)の電圧が非反転入力端子(+)の電圧より高い場合には(V>GND)、Lowレベル(例えば0V)の電圧がMOSトランジスタ121のゲートに与えられ、MOSトランジスタ121がオフ状態となる。一方、電池10の断線等の故障によりコンパレータ111の反転入力端子(-)と非反転入力端子(+)との電位差がなくなると、Highレベルの電圧がMOSトランジスタ121のゲートに与えられ、MOSトランジスタ121がオン状態となる。
【0019】
なお、断線等の故障によりコンパレータ111の反転入力端子(-)と非反転入力端子(+)との電位差がなくなる前に電池10の電位差が低下した場合に、MOSトランジスタ121がオン状態となるように非反転入力端子(+)に閾値電圧を与えてもよい。例えば、コンパレータ111の非反転入力端子(+)に電源を接続して、GNDから閾値電圧V(V<V)とすると、反転入力端子(-)の電圧が電圧Vから閾値電圧Vより低下すると、Highレベルの電圧がMOSトランジスタ121のゲートに与えられ、MOSトランジスタ121がオン状態となる。このように、コンパレータ111は電池の故障による電圧の低下を検出して、スイッチとなるMOSトランジスタ121の導通を制御することもできる。
【0020】
以下、電池20が断線等により故障した場合を例にとって、図1に示した電池装置の動作について説明する。
図3は電池20が故障した場合の第1の実施形態の電池装置の電池の電圧出力動作を説明するためのブロック図である。
電池10は正常なので、故障検出器11はスイッチ12をオフ状態に維持し、電池10は電圧Vを電池20に対して出力する。電池20は断線等により故障しており、故障検出器11は電池20の故障を検出して、スイッチ22をオン状態として、電池20の端子間を短絡状態とする。すると、電池20と接続される次の段の不図示の電池は、電圧Vが入力され、電圧Vに電圧ΔVを加えた電圧V(=V+ΔV)を出力する。こうして、電池20が故障しても、電池10~30は直列接続状態が維持され、電池30は、電圧Vn-2が入力され、電圧Vn-2に電圧ΔVを加えた電圧Vn-1(=Vn-1+ΔV)を出力する。電池20が正常な状態に比べると、電池30から出力される電圧は電圧Vから電圧Vn-1となり、電圧ΔV分だけ低くなるが、出力される電圧が0Vになることはない。
【0021】
ダイオード13~33は、電池10~30のいずれかが断線等で故障したが、その電池に並列接続される故障検出器又はスイッチが動作しなかった場合に、故障した電池に並列接続したダイオードが導通して、電池10~30の直列接続状態を維持する。ダイオードには電圧降下があるが、電池故障時には正常動作ではスイッチがオン状態となるためダイオードでの電圧降下が生じない。
【0022】
以上説明したように、本実施形態の電池装置によれば、複数の電池の一又は複数が故障しても電圧を出力できる。
【0023】
(第2の実施形態)
図4は、第1の実施形態の電池装置にDC-DCコンバータ40を接続した、本発明の第2の実施形態の電池装置を示すブロック図である。図4において、図1の電池装置と同一構成部材については同一符号を付して説明を省略する。
図4に示すように、電池装置1Aは、直列接続した電池10~30の最終段の電池30の出力端子側にDC-DCコンバータ40が接続されている。本実施形態の電池装置1Aは電池30から出力される電圧をDC-DCコンバータ40で電圧変換して出力する。電池10~30が、例えば、ゼーベック素子を用いた熱電池である場合、最終段の電池30から出力される電圧が低く、最終段の電池30の出力端子を直接機器に接続できない場合がある。このような場合、本実施形態の電池装置によれば、最終段の電池30の出力端子をDC-DCコンバータ40を介して機器に接続することで、機器の動作に適する電圧に変換して機器を動作させることができる。電池装置1Aは機器の一部として含まれてもよい。また、DC-DCコンバータ40を機器の一部として、電池装置1と、DC-DCコンバータ40を含む機器とを別体としてもよい。
【0024】
(第3の実施形態)
図5は、第1の実施形態の電池装置に故障監視装置50を接続した、本発明の第3の実施形態の電池装置を示すブロック図である。図5において、図1の電池装置と同一構成部材については同一符号を付して説明を省略する。
図5に示すように、電池装置1Bは、故障検出器11~31が故障監視装置50に接続される。故障検出器11~31のうち故障を検出した故障検出器は、検出信号をスイッチに検出信号を送ってスイッチをオン状態とするとともに、検出信号を故障監視装置50に送る。故障監視装置50は、電池10~30の内、どの電池が故障したかを記憶する。故障監視装置50は、必要に応じて、電池装置1Bの管理者に液晶表示装置の表示画面にどの電池が故障したかを表示する等で報知する。また、故障監視装置50がスマートフォン等の通信端末と通信可能な通信部を備え、故障監視装置50が電池10~30の内、どの電池が故障したかを通信端末に送信して報知するようにしてもよい。なお、故障監視装置50は、電池装置1Bの電池30に接続され、電圧が供給される機器の電圧の低下許容レベルであれば、電池10~30の故障の数が一定数に達するまで報知しないように設定されてもよい。例えば、故障監視装置50は電池10~30のうち、1つが故障しても報知しないが、一定値以上、例えば、3個以上故障した場合は報知を行うようにすることができる。
【0025】
本実施形態の電池装置によれば、故障監視装置を備えることで、電池の故障を報知することが可能となる。また、一定値以上の電池が故障したときに報知を行うようにすることができる。
【0026】
(第4の実施形態)
図6は、本発明の第4の実施形態の故障監視システムの構成を示すブロック図である。
故障監視システム100は、図5に示したm個の電池装置1B-1~1B-m、m個の電池装置1B-1~1B-mの最終段の電池30に接続されるm個の電池利用装置2-1~2-m、ネットワーク3、ネットワーク3を介して電池装置1B-1~1B-mと接続される故障情報管理センター装置4、故障情報管理センター装置4と接続されるサービス管理センター装置5、及びサービス管理センター装置5と接続されるサービス端末6-1~6-3を含んでいる。電池利用装置2-1~2-mのそれぞれは、図4に示した、電池10~30の最終段の電池30の出力端子側に接続されるDC-DCコンバータ40を含んでいてもよい。
【0027】
m個の電池装置1B-1~1B-mの故障監視装置50のそれぞれは、電池10~30のいずれかに故障が生じた場合には、故障を示す情報と、故障が生じた電池に割り振られた電池管理番号と、故障が生じた電池を含む電池装置それぞれに割り振られた電池装置管理番号とを、ネットワーク3を介して故障情報管理センター装置4に、故障検出信号として送信する。また、故障監視装置50は電池に故障が生じた場合に、管理者に報知し、管理者が故障監視装置50に指示して又は自身の通信端末を用いて、故障情報管理センター装置4に、故障を示す情報と、故障が生じた電池に割り振られた電池管理番号と、故障が生じた電池を含む電池装置それぞれに割り振られた電池装置管理番号とを、ネットワーク3を介して故障情報管理センター装置4に送信するようにしてもよい。
【0028】
故障情報管理センター装置4は、m個の電池装置1B-1~1B-mの各電池装置ごとに故障が生じた電池を管理する。そして、電池の交換又は電池装置の交換が必要と判断した場合には、サービス管理センター装置5に、通知を受けた日時と、故障が生じた電池の電池管理番号と、故障が生じた電池を含む電池装置の電池装置管理番号とを送信する。
【0029】
例えば、故障情報管理センター装置4は、電池装置1B-1から電池10が故障した旨の通知を受けたときには、故障情報管理テーブルに、通知を受けた日時と、電池装置管理番号と、電池管理番号とを記録するが、特に、修理の必要なしと判断し、サービス管理センター装置5には修理の指示を行わない。その後、故障情報管理センター装置4は、電池装置1B-1から電池20と30が故障した旨の通知を受けたときには、電池の故障の数が3個以上となったため、修理が必要と判断し、サービス管理センター装置5に修理依頼指示を行う。修理依頼指示には、故障が生じた電池を含む電池装置の電池装置管理番号と、故障が生じた3つの電池の電池管理番号とを含む。
【0030】
サービス管理センター装置5は修理依頼指示を受けると、電池装置管理番号から修理が必要な電池装置の場所を特定し、サービス管理センター装置5に接続されるサービス端末6-1~6-3のうち、その場所に近いサービス端末に修理指示を行う。修理指示には、故障が生じた電池を含む電池装置の電池装置管理番号と、故障が生じた複数の電池の電池管理番号とを含む。
【0031】
修理指示を受けたサービス端末は、電池装置管理番号に基づいて修理が必要な電池装置の場所を特定し、サービス要員に、電池装置ごと交換を行う場合は交換用の電池装置、電池ごとに交換を行う場合は交換する電池の数分の電池の準備を指示する。なお、サービス管理センター装置5はサービス端末を介さずにサービス要員に直接指示してもよい。
【0032】
サービス管理センター装置5又はサービス端末6-1~6-3は、サービス端末への修理指示又はサービス要員に対する修理指示を行う場合に、故障が生じた電池の数によって優先順位をつけてもよい。例えば、サービス管理センター装置5又はサービス端末6-1~6-3は、故障が生じた電池の数が4個の場合は、故障が生じた電池の数が3個の場合よりも早く修理を行うように指示することができる。
また、サービス要員は、修理を行う電池装置が複数ある場合に、効率的に修理を行うことができるように、距離的に近い場所に配置された電池装置をまとめて修理できるようにスケジュールを組むこともできる。
【0033】
本実施形態の故障監視システムによれば、電池が故障した場合に、修理が必要なときに迅速に修理を行うことができるシステムを構築することができる。
【0034】
以上説明した各実施形態の電池装置は、直列接続された電池の一部に故障が生じても出力電力が0ワットになることがなくなる。
以上説明した各実施形態の電池装置は、ゼーベック素子を用いた熱電池を用いる場合、自動車のエンジンまわり、工場に排熱パイプ等の熱源に設置することができる。
【0035】
上述した各実施形態は、本発明の好適な実施形態ではあるが、上記実施形態のみに本発明の範囲を限定するものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更を施した形態での実施が可能である。
例えば、電池10~30は、ゼーベック素子等の熱電素子を用いた熱電池の代わりに、太陽電池、蓄電池等を用いることができる。また、故障検出器はコンパレータに限定されず他の電圧低下検出器を用いてもよい。
スイッチ12はMOSトランジスタの代わりにバイポーラトランジスタで構成されてもよい。
【符号の説明】
【0036】
1、1A、1A-1~1A-m、1B、1B-1~1B-m 電池装置
2-1~2-m 電池利用装置
3 ネットワーク
4 こしょう情報管理センター装置
5 サービス管理センター装置
6-1~6-3 サービス端末
10~30 電池
11~31 故障検出器
12~32 スイッチ
13~33 ダイオード
40 DC-DCコンバータ
50 故障監視装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6