(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-16
(45)【発行日】2022-08-24
(54)【発明の名称】集積回路用の電力グリッドレイアウト設計
(51)【国際特許分類】
H01L 21/82 20060101AFI20220817BHJP
H01L 21/822 20060101ALI20220817BHJP
H01L 27/04 20060101ALI20220817BHJP
【FI】
H01L21/82 L
H01L27/04 D
(21)【出願番号】P 2019515884
(86)(22)【出願日】2017-09-21
(86)【国際出願番号】 US2017052775
(87)【国際公開番号】W WO2018057778
(87)【国際公開日】2018-03-29
【審査請求日】2020-09-18
(32)【優先日】2016-09-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】591016172
【氏名又は名称】アドバンスト・マイクロ・ディバイシズ・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】ADVANCED MICRO DEVICES INCORPORATED
(73)【特許権者】
【識別番号】508301087
【氏名又は名称】エーティーアイ・テクノロジーズ・ユーエルシー
【氏名又は名称原語表記】ATI TECHNOLOGIES ULC
【住所又は居所原語表記】One Commerce Valley Drive East, Markham, Ontario, L3T 7X6 Canada
(74)【代理人】
【識別番号】100108833
【氏名又は名称】早川 裕司
(74)【代理人】
【識別番号】100111615
【氏名又は名称】佐野 良太
(74)【代理人】
【識別番号】100162156
【氏名又は名称】村雨 圭介
(72)【発明者】
【氏名】リチャード ティー. シュルツ
(72)【発明者】
【氏名】レジナ ティエン シュミット
(72)【発明者】
【氏名】ディレック ピー. ピーターソン
(72)【発明者】
【氏名】ティ-シュアン チェン
(72)【発明者】
【氏名】エリザベス シー. コンラッド
(72)【発明者】
【氏名】カテリーナ シモナ マタイス イオネスク
(72)【発明者】
【氏名】チャウ-ウェン ワン
【審査官】市川 武宜
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2013/0155753(US,A1)
【文献】特開2014-060355(JP,A)
【文献】特開2007-324409(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/82
H01L 21/822
H01L 27/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の複数の金属トラックを備える第1金属層であって、前記
第1の複数の金属トラックは、第1電圧である少なくとも1つの第1金属トラックと、第2電圧である少なくとも1つの第2金属トラックと、を備え、前記少なくとも1つの第1金属トラックと、前記少なくとも1つの第2金属トラックとは、前記第1金属層におい
て平行である、第1金属層と、
前記第1金属層上の絶縁層と、
前記絶縁層上の第2金属層であって、
前記第2金属層は第2の複数の金属トラックを備え、前記第2の複数の金属トラックは互いにピッチ距離を有し、前記第2金属層は標準セルレイアウトの金属ピンに使用される、第2金属層と、を備え、
前記
第2の複数の金属トラックの第3金属トラックは、互いに電気的に絶縁された
第1の複数の個別の金属部分を備え、前記第3金属トラックの第1
の個別の金属部分は、前記第1電圧である前記少なくとも1つの第1金属トラックに接続されており、前記第3金属トラックの第2
の個別の金属部分は、前記第2電圧である前記少なくとも1つの第2金属トラックに接続されて
おり、前記第1電圧及び前記第2電圧が前記第3金属トラックにルーティングされる、
集積回路。
【請求項2】
前記第3金属トラックの前記第1
の個別の金属部分は、前記絶縁層を貫通する第1ビアによって前記少なくとも1つの第1金属トラックに接続されて
おり、
前記第3金属トラックの前記第2の個別の金属部分は、前記絶縁層を貫通する第2ビアによって前記少なくとも1つの第2金属トラックに接続されており、
前記第1ビア及び前記第2ビアの各々は、前記第3金属トラックの長さに沿って配置されている、
請求項1の集積回路。
【請求項3】
前記第1ビアと前記第2ビアとの間の距離は、少なくとも、前記第1金属層の前記第1の複数の金属トラックのうち隣接する2つの金属トラック間の距離である、
請求項
2の集積回路。
【請求項4】
前記第2金属層において第4金属トラックを備え、前記第4金属トラックは、互いに電気的に絶縁された複数の個別の金属部分を
さらに備え、
各金属部分は、前記第4金属トラックと同じピッチで一方向の長さに沿ってルーティングされており、第4金属トラックの第1
の個別の金属部分は、前記第1電圧である前記少なくとも1つの第1金属トラックに接続されており、第4金属トラックの第2
の個別の金属部分は、前記第2電圧である前記少なくとも1つの第2金属トラックに接続されて
おり、前記第1電圧及び前記第2電圧は、少なくとも前記第1金属層の複数の金属トラックのうち隣接する2つの金属トラック間の距離である距離を有するビアを用いて、前記第4金属トラックと同じピッチでルーティングされる、
請求項1の集積回路。
【請求項5】
前記第1電圧である前記少なくとも1つの第1金属トラックは、前記集積回路の2つの標準セル間で共有されている、
請求項1の集積回路。
【請求項6】
前記第1
の個別の金属部分に接続された前記第1電圧である前記少なくとも1つの第1金属トラックの一部と、前記第2
の個別の金属部分に接続された前記第2電圧である前記少なくとも1つの第2金属トラックの一部とは、前記集積回路の標準セルに配置されている、
請求項1の集積回路。
【請求項7】
前記第1金属層において前記第1電圧である少なくとも1つの追加の第1金属トラックを備え、前記第1電圧である前記少なくとも1つの追加の第1金属トラックは、前記第3金属トラックの前記第1
の個別の金属部分に接続されている、
請求項1の集積回路。
【請求項8】
前記第1電圧である前記少なくとも1つの追加の第1金属トラックは、前記第1電圧である前記少なくとも1つの第1金属トラックとは異なる前記集積回路のセルに配置されている、
請求項7の集積回路。
【請求項9】
前記第1金属層の前記複数の金属トラックは第1方向に向けられており、前記第2金属層の前記第3金属トラックは第2方向に向けられており、前記第1方向は前記第2方向に対し
て垂直である、
請求項1の集積回路。
【請求項10】
集積回路の製造方法であって、
第1の複数の金属トラックを備える第1金属層を配置することであって、前記第1の複数の金属トラックは、第1電圧である少なくとも1つの第1金属トラックと、第2電圧である少なくとも1つの第2金属トラックと、を備え、前記少なくとも1つの第1金属トラックと、前記少なくとも1つの第2金属トラックとは、前記第1金属層において平行である、ことと、
前記第1金属層上に絶縁層を堆積することと、
前記絶縁層上に第2金属層を配置することであって、前記第2金属層は第2の複数の金属トラックを備え、前記第2の複数の金属トラックは互いにピッチ距離を有し、前記第2金属層は標準セルレイアウトの金属ピンに使用される、ことと、を含み、
前記第2の複数の金属トラックの第3金属トラックは、互いに電気的に絶縁された第1の複数の個別の金属部分を備え、前記第3金属トラックの第1の個別の金属部分は、前記第1電圧である前記少なくとも1つの第1金属トラックに接続されており、前記第3金属トラックの第2の個別の金属部分は、前記第2電圧である前記少なくとも1つの第2金属トラックに接続されており、前記第1電圧及び前記第2電圧が前記第3金属トラックにルーティングされる、
製造方法。
【請求項11】
前記第3金属トラックの前記第1の個別の金属部分を、前記絶縁層を貫通する第1ビアによって前記少なくとも1つの第1金属トラックに接続することと、
前記第3金属トラックの前記第2の個別の金属部分を、前記絶縁層を貫通する第2ビアによって前記少なくとも1つの第2金属トラックに接続することと、を含み、
前記第1ビア及び前記第2ビアの各々は、前記第3金属トラックの長さに沿って配置されている、
請求項10の製造方法。
【請求項12】
前記第1ビアと前記第2ビアとの間の距離は、少なくとも、前記第1金属層の前記第1の複数の金属トラックのうち隣接する2つの金属トラック間の距離である、
請求項11の
製造方法。
【請求項13】
前記第2金属層において第4金属トラックを形成することであって、前記第4金属トラックは、互いに電気的に絶縁された複数の個別の金属部分をさらに備え、各金属部分は、前記第4金属トラックと同じピッチで一方向の長さに沿ってルーティングされており、第4金属トラックの第1の個別の金属部分は、前記第1電圧である前記少なくとも1つの第1金属トラックに接続されており、第4金属トラックの第2の個別の金属部分は、前記第2電圧である前記少なくとも1つの第2金属トラックに接続されており、前記第1電圧及び前記第2電圧は、少なくとも前記第1金属層の複数の金属トラックのうち隣接する2つの金属トラック間の距離である距離を有するビアを用いて、前記第4金属トラックと同じピッチでルーティングされる、ことを含む、
請求項
10の
製造方法。
【請求項14】
前記第1電圧である前記少なくとも1つの第1金属トラックは、前記集積回路の2つの標準セル間で共有されている、
請求項
10の
製造方法。
【請求項15】
前記第1の個別の金属部分に接続された前記第1電圧である前記少なくとも1つの第1金属トラックの一部と、前記第2の個別の金属部分に接続された前記第2電圧である前記少なくとも1つの第2金属トラックの一部とは、前記集積回路の標準セルに配置されている、
請求項
10の
製造方法。
【請求項16】
前記第1金属層において前記第1電圧である少なくとも1つの追加の第1金属トラックを備え、前記第1電圧である前記少なくとも1つの追加の第1金属トラックは、前記第3金属トラックの前記第1の個別の金属部分に接続されている、
請求項
10の
製造方法。
【請求項17】
前記第1電圧である前記少なくとも1つの追加の第1金属トラックは、前記第1電圧である前記少なくとも1つの第1金属トラックとは異なる前記集積回路のセルに配置されている、
請求項
16の
製造方法。
【請求項18】
前記第1金属層の前記複数の金属トラックは第1方向に向けられており、前記第2金属層の前記第3金属トラックは第2方向に向けられており、前記第1方向は前記第2方向に対して垂直である、
請求項
10の
製造方法。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
個々のトランジスタのサイズは、プロセスの開発の進歩や機能密度を高める必要性によって着実に縮小してきた。現在のスケーリングは、7nmに向かって進歩しており、スケーリングが下方に進歩するにつれてエレクトロマイグレーション及びIR(電圧)降下がより重要になる技術を超えている。このような技術は、ロジックのスケーリングとコストとの対比に絶えず挑戦している。ルーティングの輻輳及びセルの配置を改善しようとする試みは、選択された技術が、費用対効果の高い方法で実装されているかどうかに影響を及ぼす可能性がある。
【0002】
このような技術は、通常、一方向性の金属機構(例えば、金属トラック又は金属レール)を使用する。しかしながら、一方向性の金属機構は、金属レールのピッチがより狭くなり、セルの配置に利用可能なルーティングトラックをより多く占有するので、集積回路レイアウト内での効果的なセル配置及び電力ルーティングに関して課題が生じる。よって、機構密度が高くなるにつれて、例えば電力グリッドレイアウト等の集積回路レイアウトにおいて、より適切なセル配置設計を生成し、より最適なルーティング効果を提供することが絶えず必要とされている。
【0003】
図1Aは、2つの積層金属層を有する一般的な集積回路レイアウトの一実施形態の平面図である。集積回路レイアウト100は、金属トラック102を有する第1金属層を含む。レイアウト100は、金属トラック104を有する第2金属層も含む。金属トラック102は、ビア接続106を介して金属トラック104に接続されてもよい。ビア接続106は、金属層間の絶縁層を通るビア又は他の電気的接続であってもよい。
【0004】
特定の集積回路レイアウトでは、
図1Bに示すように、レイアウト100は、第1金属層内の金属トラック120A,120Bの交互列を含む。金属トラック102Aは接地トラック(例えば、Vssトラック)であってもよく、金属トラック102Bは電力(供給)トラック(例えば、Vddトラック)であってもよい。次に、第2金属層は、金属トラック102Aに接続する金属トラック104Aと、金属トラック102Bに接続する金属トラック104Bと、を含むことができる。
図1Bに示すように、ビア接続106は、対応する金属トラックを接続するように形成されている。
【0005】
図1A及び
図1Bに示すように、2つの並行する金属トラックを使用することに関する問題は、標準セルが、並行する金属トラックの下で標準セルの配置を許可しない第2金属層の金属ピンを有することである。
図2は、金属ピン112を有する標準セル110の一実施形態を示す図である。金属ピン112は、標準セル110用の第2金属層の一部として形成されてもよい。標準セル110は、1つの空のトラック114を有することができるが、金属ピン112の存在は、
図1Bに示すように、標準セルが金属トラック104A,104Bの下に容易に合わせることを抑制する可能性がある。標準セル110は、金属トラック104A,104Bの下に容易に合わせることが抑制されるので、並行する金属トラックが使用される場合には、標準セル用のスペースがより小さくなる。よって、標準セル用のスペースを提供しながら、金属層内に電源トラック及び接地トラックを提供するレイアウトが必要とされている。
【0006】
また、従来のデカップリングコンデンサは、通常、電力グリッドとは別に構築されている。このようなデカップリングコンデンサは、集積回路上の貴重な面積を占める可能性があるが、多くのデカップリングコンデンサは、通常、設計に適している。よって、集積回路レイアウト内の面積を占有することなくデカップリングコンデンサを提供する必要がある。
【0007】
本開示に記載された実施形態の方法及び装置の特徴及び利点は、添付の図面と併せて採用した場合、本開示に記載された実施形態に従って、現時点では好ましいがそれでもなお例示的な実施形態の以下の詳細な記載を参照することによって、より十分に理解すことができるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1A】2つの積層金属層を有する典型的な集積回路レイアウトの一実施形態の平面図である。
【
図1B】2つの積層金属層において電源接続と接地接続とを有する典型的な集積回路レイアウトの平面図である。
【
図2】金属ピンを有する標準セルの一実施形態を示す図である。
【
図3A】2つの積層金属層を有する集積回路レイアウトの一実施形態の平面図である。
【
図3B】2つの積層金属層において電源接続と接地接続とを有する典型的な集積回路レイアウトの平面図である。
【
図4】集積回路レイアウトにおける第1金属層の一実施形態の平面図である。
【
図5】集積回路レイアウトにおける第1金属層の4つのセル列の一実施形態の平面図である。
【
図6】集積回路レイアウトにおける第2金属層の一実施形態の平面図である。
【
図7】集積回路レイアウトにおける第3金属層の一実施形態の平面図である。
【
図8】集積回路レイアウトにおける第4金属層の一実施形態の平面図である。
【
図9】集積回路レイアウトにおける第5金属層の一実施形態の平面図である。
【
図10】集積回路レイアウトにおける第6金属層の一実施形態の平面図である。
【
図11】集積回路レイアウトにおける第7金属層の一実施形態の平面図である。
【
図12】集積回路レイアウトにおける第8金属層の一実施形態の平面図である。
【
図13】集積回路レイアウトにおける第9金属層の一実施形態の平面図である。
【
図14】例示的なコンピュータシステムの一実施形態のブロック図である。
【
図15】コンピュータアクセス可能記憶媒体の一実施形態のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下の説明では、本明細書に提示されている方法及びメカニズムの十分な理解を提供するために、多くの具体的な詳細が述べられている。しかしながら、当業者であれば、これらの具体的な詳細がなくても様々な実施形態を実施可能であることを理解できるであろう。いくつかの例では、本明細書で説明するアプローチが曖昧になるのを避けるために、周知の構造、コンポーネント、信号、コンピュータプログラム命令及び技術が詳細に示されていない。説明を簡単且つ明瞭にするために、図に示される要素が必ずしも一定の縮尺で描かれていないことを理解されたい。例えば、いくつかの要素の寸法は、他の要素と比較して誇張されている場合がある。
【0010】
図3Aは、2つの積層金属層を有する集積回路レイアウトの一実施形態の平面図である。特定の実施形態において、集積回路レイアウト200は、第1金属層の金属トラック202と、第2金属層の金属トラック204と、を含む。第1金属層と、第2金属層とは、絶縁層によって隔てられてもよい。特定の実施形態において、第1金属層は、集積回路内の底部金属層(例えば、アクティブ層の上の第1金属層)である。
図3Aに示すように、トラック202は「水平」トラックであり、トラック204は「垂直」トラックである。トラックの向きは、トラックの向きの一実施形態を表しており、他の向き(例えば、トラック202が「垂直」であり、トラック204が「水平」である)も可能であることを理解されたい。
【0011】
図3Aに示すように、レイアウト200は、トラック間のピッチ距離によって隔てられた第2金属層の単一のトラック204を含む(例えば、トラック204は、
図1Aに示すように、第2金属層の「並行」トラックではない)。特定の実施形態において、トラック204は、トラックの長さに沿って別々の金属部分206を含む。金属部分206は、トラック204の長さに沿って互いに電気的に絶縁されていてもよい。よって、トラック204は、別々の金属部分206を形成するために、長さに沿って「切断」された単一の金属レールである。トラック204に沿った金属部分206は、本技術分野において知られているプロセス技術を用いて形成することができる。
【0012】
特定の実施形態において、金属部分206は、第1金属層のトラック202の上に配置されるように形成されている。トラック202は、連続する金属トラックであってもよい。例えば、トラック202は、第1金属層のトラックの長さに沿って連続的に延在する金属である。金属部分206の下に位置するトラック202の金属の一部に金属部分206を(例えば、金属層間の絶縁層を介して)接続するために、ビア接続208が使用されてもよい。よって、各金属部分206は、金属部分の下のトラック202の一部に対して異なる又は別々の接続を有する(例えば、トラック204内の各金属部分は、金属部分の下のトラック202の一部に対して別々に接続される)。
【0013】
金属部分206は、電気的に絶縁され、各金属部分の下のトラック202の一部に対して個別に接続されるので、金属部分206を使用して、単一の金属トラック204に沿って異なる電源接続を提供することができる。
図3Bは、2つの積層金属層内に電源接続と接地接続とを有する集積回路レイアウト200の一実施形態の平面図である。特定の実施形態において、レイアウト200は、第1金属層の金属トラックの交互列202A,202Bを含む(
図1Bに示すレイアウトと同様である)。
図3Bに示すように、金属トラック202Aは、接地トラック(例えば、Vssトラック)であってもよく、金属トラック202Bは、電源(供給)トラック(例えば、Vddトラック)であってもよい。
【0014】
特定の実施形態において、金属部分206Aは、ビア接続208Aを用いて金属トラック202Aに接続されており、金属部分206Bは、ビア接続208Bを用いて金属トラック202Bに接続されている。よって、金属部分206Aは、第2金属層の接地電圧をルーティングし、金属部分206Bは、同じ金属トラック(金属トラック204)の第2金属層の電源電圧をルーティングする。よって、電源及び接地は、単一の金属トラック204の第2金属層において同じピッチでルーティングされる。
【0015】
第2金属層内に別々の金属部分206A,206Bを有することにより、単一の金属トラック204を使用して、接地電圧と、電源電圧と、を第2金属層にルーティングすることが可能になる。単一の金属トラック204は、レイアウト200の内側の標準セル(例えば、
図2に示す標準セル110)に対してより多くのスペースを提供することができる。例えば、
図3Bに示すように、空のトラック114を金属トラック204と重なるように配置することができ、追加の金属トラックが標準セル110に存在しないことによって、第1金属層の金属ピン112を有する標準セルが、単一の金属トラック204の下に合わせるのを可能にする。
【0016】
図4~
図13は、集積回路用の集積回路レイアウト又は電力グリッドレイアウトにおいて使用することができる金属層の実施形態の平面図である。
図4~
図13に示す金属層は、1つ以上の絶縁層及び/又は本技術分野で知られている他の層によって隔てられてもよいことを理解されたい。
図4は、集積回路レイアウトにおける第1金属層の一実施形態の平面図である。集積回路レイアウト300は、第1金属層302を含む。第1金属層302は、アクティブ層304の上に配置することができる。アクティブ層304は、例えば、第1金属層302の下にトランジスタ用の拡散層306を含むことができる。いくつかの実施形態において、拡散層306Aは、PMOSトランジスタの列の一部であり、拡散層306Bは、NMOSトランジスタの列の一部である。
【0017】
図4は、複数の平行な金属トラック310を有する第1金属層302の単一のセル列308(高さが矩形で示されている)を示している。特定の実施形態において、セル308の境界の内側の金属トラック310(例えば、セルの端部又は境界を跨らないトラック、及び/又は、別のセルと共有されないトラック)は、電源トラック(例えば、Vddトラック)及び接地トラック(例えば、Vssトラック)として使用される。例えば、
図4に示すように、トラック310Aは、PMOSトランジスタの列の拡散層306Aの電源トラックとして使用され、トラック310Bは、NMOSトランジスタの列の拡散層306Bの接地トラックとして使用される。
【0018】
トラック310A,310Bの各々は、PMOSトランジスタの列及びNMOSトランジスタの列を跨ぐことができる。トラック310A,310Bは、ビア接続312を使用してアクティブ層304に接続されてもよい。トラック310A,310Bがトランジスタを跨ぐようにすることで、トラックが使用される場所(例えば、トランジスタ内)に電力を供給する際のIR(電圧)降下を最小限に抑えることができる。したがって、
図4に示すトラック310A,310Bの配置を使用して、電源及び設置をより効率的にトランジスタに提供することができる。
【0019】
図5は、集積回路レイアウト300における第1金属層302の4つのセル列308の一実施形態の平面図である。
図5に示す特定の実施形態では、各セル列308は、2つのトラック310Aと、2つのトラック310Bと、を含む。したがって、各セル列308は、第1金属層302の下のトランジスタを跨ぐ接地トラック及び電源トラックを有することができる。
【0020】
特定の実施形態において、各セル列308は、隣接するセル列のトラックに対して反転したトラックを有する。例えばセル列308B,308Dは、(
図4に示すセル列308の実施形態と同様に)セル列の上部のトラック310Aと、セル列の下部のトラック310Bと、を有する。セル列308A,308Cは、セル列の上部のトラック310Bと、セル列の下部のトラック310Aと、を有する。
図5に示すように、セル列内のトラックの位置を交互にすることによって、隣接するセル列における同様のトラック(例えば、トラック310A又はトラック310B)を、セルの境界付近でクラスタ化することが可能になる。例えば、トラック310Aは、楕円314で示すようにクラスタ化され、トラック310Bは、楕円316で示すようにクラスタ化される。同様のトラックをクラスタ化することによって、本明細書で説明するように、トラックへのより効率的な接続を可能にするレイアウトを提供することができる。
【0021】
特定の実施形態では、1つ以上のルーティングトラックが、第1金属層302のトラック310A及び/又はトラック310Bの間に配置されている。ルーティングトラックは、図面の簡素化するために、図示されていない。集積回路レイアウト300の所望の設計に応じて、トラック310A及び/又はトラック310B間の様々な数のルーティングトラックを使用できることを理解されたい。
【0022】
図6は、集積回路レイアウト300における第2金属層314の一実施形態の平面図である。第2金属層314は、複数のトラック318を含んでもよい。トラック318は、第1金属層302のトラック310に対して垂直方向に向いてもよい。特定の実施形態では、トラック318は、所定の電源接続又は接地接続を有していない。よって、電源接続又は接地接続は、トラック318に沿って必要とされる場所に設けられてもよい。例えば、トラック318は、共有トラック(例えば、連続する金属トラック)又は分離された金属部分を有するトラック(例えば、個別又は異なる接続を有する非共有トラック)であってもよい。いくつかの実施形態では、1つ以上のトラック318は、如何なる接続にも使用されない。
【0023】
図7は、集積回路レイアウト300における第3金属層320の一実施形態の平面図である。特定の実施形態では、第3金属層320は、
図5に示す第1金属層302とほぼ同様のトラック310A,310Bのレイアウトを有する。また、第3金属層320は、トラック310Aのクラスタ314と、トラック310Bのクラスタ316と、を含んでもよい。
【0024】
特定の実施形態では、第3金属層320のトラック310A,310Bにビア接続322が形成されている。ビア接続322を使用して、トラックを第3金属層320の上及び/又は下の他の金属層に接続することができる。
図7に示すように、ビア接続322は、トラックに沿った1つ以上の位置で個々のトラック310A及び/又は310Bに形成されている。トラック310A,310Bに沿って個々のビア接続322を設けることによって、必要な位置でトラックへの接続を行うことが可能になる。また、必要に応じて、2つ以上のビア接続322の組み合わせを接続して、電源接続及び/又は接地接続を結び付けることができる。
【0025】
特定の実施形態では、1つ以上のルーティングトラックが、第3金属層320のトラック310A及び/又はトラック310Bの間に配置されている。ルーティングトラックは、図面を簡素化するために、図示されていない。集積回路レイアウト300の所望の設計に応じて、トラック310A及び/又はトラック310B間で様々な数のルーティングトラックを使用できることを理解されたい。
【0026】
図8は、集積回路レイアウト300における第4金属層324の一実施形態の平面図である。第4金属層324は、トラック326を含んでもよい。トラック326は、第3金属層320のトラック310A,310Bに対して垂直方向に向いてもよい。特定の実施形態では、トラック326は、トラックの長さに沿って別々の金属部分328を含む。例えば、トラック326及び金属部分328は、
図3A及び
図3Bに示すトラック204及び金属部分206とほぼ同様であってもよい。金属部分328は、トラック326の長さに沿って互いに電気的に絶縁されていてもよい。よって、トラック326は、別々の金属部分328を形成するために、長さ方向に沿って「切断」された又は分離された単一の金属レールであってもよい。単一の金属レール(例えば、トラック)をその長さに沿って切断すると、単一の金属レールに沿って共有される別々の金属部分328が形成される。
【0027】
特定の実施形態では、トラック326に沿った金属部分328は、トラックに沿った異なるタイプの接続間で交互になっている。例えば、金属部分328は、金属部分328Aと、金属部分328Bと、の間で交互になってもよい。金属層324を横切る金属部分328A,328Bの交互の列は、金属部分の束ねられた列を形成することができる。例えば、
図8に示すように、楕円330は、金属部分328Aの束ねられた列を含み、楕円332は、金属部分328Bの束ねられた列を含む。各々の束ねられた列は、第4金属層324の各トラック326に沿って1つの金属部分328を含む。各々の束ねられた列に複数の金属部分328を有することは、第4金属層324の上及び/又は下の他の金属層のトラックに直交する冗長接続を提供することができる。
【0028】
いくつかの実施形態では、金属部分328Aは、他の金属層の電源トラックに接続し、金属部分328Bは、他の金属層の接地トラックに接続する。例えば、金属部分328Aは、
図7に示すように、第3金属層320のトラック310Aに接続することができる。金属部分328Aは、ビア接続322Aを用いてトラック310Aに接続することができる。金属部分328Bは、第3金属層320のトラック310Bに接続することができる。金属部分328Bは、ビア接続322Bを用いてトラック310Bに接続することができる。
【0029】
特定の実施形態では、
図8に示すように、金属部分328A及び/又は金属部分328Bは、隣接するセル列308を跨いでいるか、重なっている。例えば、金属部分328Aは、セル列308A,308Bに跨ってもよく、金属部分328Bは、セル列308B,308Cに跨ってもよい。また、金属部分328A及び/又は金属部分328Bは、第3金属層320のセル列に跨る対応するトラック310A及び/又はトラック310Bのクラスタ(例えば、
図7に示す楕円314,316によって表されるトラックのクラスタ)上に配置されてもよい。よって、第4金属層324の金属部分328A及び/又は金属部分328Bを用いて、第3金属層320のクラスタの下層のトラック310A及び/又はトラック310Bを結び付ける又は留める(例えば、電気的に接続する)ことができる。特定の実施形態では、金属部分328A及び/又は金属部分328Bは、下層の4つのトラック310A及び/又はトラック310Bの全てを結び付ける。いくつかの実施形態では、金属部分328A及び/又は金属部分328Bは、下層のトラック310A及び/又はトラック310Bのうち少数のトラックを結び付ける。例えば、金属部分は、同じセル列に存在してもよいし存在しなくてもよい、下層の2つのトラックのみを結び付けてもよい。いくつかの実施形態では、各ビア接続が下層の各トラックに別々に接続することができるので、金属部分328と、下層のトラック310との間に選択された数のビア接続322を設けることによって、結び付けられる下層のトラックの数が決定される。
【0030】
特定の実施形態では、1つ以上のルーティングトラックが、第3金属層320のトラック310A及び/又はトラック310Bの間に配置されている。
図8に示すように、2つのルーティングトラック334が、トラック326間に配置されている。しかしながら、集積回路レイアウト300の所望の設計に応じて、トラック326間のルーティングトラック334の数を変更することができる。
【0031】
図9は、集積回路レイアウト300における第5金属層336の一実施形態の平面図である。特定の実施形態では、第5金属層336は、セル列308の標準的なセットである。例えば、金属トラック338は、各セル列の境界に配置された電源金属トラック338A又は接地金属トラック338Bであってもよい。電源金属トラック338A及び接地金属トラック338Bは、第5金属層336において交互になっていてもよい。いくつかの実施形態では、金属トラック338は、2倍幅のトラック、又は、各セル列のトラックの一部を有する「並行」なトラック(例えば、トラックは、セル列の境界を跨ぐ)である。特定の実施形態では、ルーティングトラック340が、各セル列308の内側のトラック338間に配置されている。
【0032】
図10は、集積回路レイアウト300における第6金属層342の一実施形態の平面図である。第6金属層342は、金属トラック344Aと、金属トラック344Bと、を含んでもよい。特定の実施形態では、金属トラック344Aは、単一幅の金属トラックであり、金属トラック344Bは、2倍幅の金属トラックである。特定の実施形態では、少なくとも1つの金属トラック344Aは、レイアウト300の内側(又は、レイアウト内の電力グリッドセルの内側)の少なくとも1つの金属トラック344Bに隣接して(又は、接して)配置されている。
【0033】
いくつかの実施形態では、
図10に示すように、金属トラック344Aは、金属トラック344Bの両側、且つ、ルーティングトラック346間に配置されている。例えば、金属トラック344Bは、
図10の中央において、両側に金属トラック344Aを有し、金属トラック344Bの外側にルーティングトラック346を有している。よって、金属トラック344A及び金属トラック344Bは、ルーティングトラック346の内側に配置されている。ルーティングトラック346は、例えば、信号のルーティングトラックであってもよい。しかしながら、ルーティングトラック346は、レイアウト300内に任意に配置されてもよい。例えば、いくつかの実施形態では、ルーティングトラック346は、他の対の金属トラック344A,344B間に配置されてもよいし、1つ以上のルーティングトラックがレイアウト300に存在しなくてもよい。
【0034】
特定の実施形態では、金属層342は、(ルーティングトラック346が金属トラック間にあるかどうかに関わらず)金属トラック344A,344B間に絶縁材料348を含む。絶縁材料348は、例えば、酸化物又は別の電気絶縁材料であってもよい。絶縁材料348は、金属トラックが金属層342内で互いに隣接又は接していたとしても、金属トラック344Aと金属トラック344Bとを電気的に絶縁してもよい。
【0035】
金属トラック間に絶縁材料348を有するレイアウト300において金属トラック344Aと金属トラック344Bとが互いに隣接又は接していると、金属トラックに異なる電圧が使用される場合(例えば、電圧が電源及び接地である場合)に、レイアウトに静電容量が生じる(例えば、電力グリッドに静電容量が生じる)。よって、ルーティングトラック346無しに互いに隣接する金属トラック344A及び金属トラック344Bの各対は、レイアウト300内にビルトイン静電容量を生成する。レイアウト300内(例えば、電力グリッド無い)のこのビルトイン静電容量は、レイアウト300を使用する集積回路において使用されるデカップリングコンデンサの必要性を低減又は排除することができる。特定の実施形態では、レイアウト300は、デカップリングコンデンサが必要とされる可能性のある位置において互いに隣接する又は接する金属トラック344A及び金属トラック344Bを有するように設計されてもよい。
【0036】
特定の実施形態では、金属トラック344Aは、電源トラック(Vdd)であり、金属トラック344Bは、接地トラック(Vss)である。よって、
図10に示す実施形態では、接地トラック(Vss)は、電源トラック(Vdd)の2倍の幅を有する。しかしながら、電源トラック及び接地トラックの幅及び/又は位置が入れ替えられてもよいことを理解されたい。例えば、金属トラック344Aが接地トラックであって、金属トラック344Bが電源トラックであってもよいし、金属トラック344A及び金属トラック344Bの位置がレイアウト300内で入れ替えられてもよい。また、レイアウト300内の第6金属層342又は任意の他の金属層として他の電圧トラックが考えられる。
【0037】
図11は、集積回路レイアウト300における第7金属層350の一実施形態の平面図である。特定の実施形態では、第7金属層350は、
図9に示す第5金属層336とほぼ同様の金属トラック338と、ルーティングトラック340と、を含む。いくつかの実施形態では、第7金属層350の金属トラック338は、第5金属層336の金属トラック338とは異なる幅を有してもよい。
【0038】
図12は、集積回路レイアウト300における第8金属層352の一実施形態の平面図である。特定の実施形態では、第8金属層352は、
図10に示す第6金属層342とほぼ同様の金属トラック344と、ルーティングトラック346と、絶縁材料348と、を含む。
【0039】
図13は、集積回路レイアウト300における第9金属層354の一実施形態の平面図である。特定の実施形態では、第9金属層354は、
図10及び
図12に示す第6金属層342とほぼ同様の金属トラック344と、ルーティングトラック346と、絶縁材料348と、を含む。しかしながら、
図13に示す金属トラック344,ルーティングトラック346及び絶縁材料348の実施形態は、
図10及び
図12に示す実施形態に対してほぼ垂直方向に向いている。また、ルーティングトラック346は、セル列308間の境界に沿ってルーティングトラックが存在しないように、より少数のルーティングトラックを含んでもよい(例えば、
図13に示すルーティングトラック346の実施形態では、セル列の境界の両側に1つのトラックを有する2つのトラックのみを有する)。
【0040】
図4~
図13は、集積回路レイアウト300(例えば、集積回路用の電力グリッドレイアウト)における9つの金属層を示しているが、追加の金属層を集積回路レイアウトに含めることができることを理解されたい。追加の金属層は、(例えば、
図9に示す実施形態と同様の)標準的なセル列設計、又は、本明細書に記載された金属層に関する任意のセル列設計を含んでもよい。また、
図4~
図13は、特定の金属層におけるセル列設計の特定の実施形態を示しているが、レイアウト300内の金属層間でセル列設計を変更可能であることが当業者によって理解されるであろう。例えば、第3金属層320のセル列設計は、他の奇数の金属層で使用されてもよいし、及び/又は、第4金属層324のセル列設計は、他の偶数の金属層で使用されてもよい。さらに、セル列設計は、奇数の金属層と、偶数の金属層との間で入れ替えられてもよい(例えば、任意の金属層におけるセル列設計の向きは、示された向きに対して垂直であってもよい)。よって、集積回路レイアウトは、本明細書に記載された実施形態及び添付の特許請求の範囲の趣旨及び範囲から逸脱することなく、本明細書に記載された金属層のセル列設計の任意の組み合わせを有するように設計されてもよい。
【0041】
特定の実施形態では、本明細書に記載された1つ以上の集積回路レイアウトは、非一時的なコンピュータ可読媒体に記憶された命令を実行する1つ以上のプロセッサ(例えば、コンピュータプロセッサ)を使用して設計及び/又は実装されてもよい。例えば、
図4~
図13に示すレイアウト300は、コンピュータ可読記憶媒体(例えば、非一時的なコンピュータ可読記憶媒体)にプログラム命令として記憶された命令を実行する1つ以上のプロセッサによって実行される1つ以上のステップを用いて設計及び/又は実装されてもよい。
【0042】
図4~
図13に示すレイアウト300の様々な部分は、様々な電子設計自動化(EDA)ツール又はコンピュータ支援設計(CAD)ツールによって設計及び/又は実装されてもよい。このようなEDA又はCADツールの例には、SynopsysのDesign Compiler(登録商標)、CadenceのEncounter(登録商標)RTL Compiler、SynopsisのIC Compiler等が含まれる。このようなEDA又はCADツールは、コンピュータプロセッサによって実行されると、レイアウト300等の集積回路レイアウトをプロセッサに生成させ、より具体的には、集積回路の製造に使用する1つ以上のファイルを生成させるコンピュータプログラム命令の1つ以上のモジュールを含んでもよい。
【0043】
図14は、例示的なコンピュータシステム410の一実施形態のブロック図である。例示的なコンピュータシステム410を使用して、本明細書に記載された1つ以上の実施形態を実施することができる。いくつかの実施形態では、コンピュータシステム410は、
図4~
図13に示すレイアウト300等のように本明細書に記載された1つ以上の実施形態を実施するために、ユーザによって操作可能である。
図14の実施形態では、コンピュータシステム410は、プロセッサ412と、メモリ414と、様々な周辺デバイス416と、を含む。プロセッサ412は、メモリ414及び周辺デバイス416に接続されている。プロセッサ412は、プロセス200用の命令(ソフトウェアに存在し得る)を含む命令を実行するように構成されている。様々な実施形態では、プロセッサ412は、任意の所望の命令セットを実装してもよい。いくつかの実施形態では、コンピュータシステム410は、2つ以上のプロセッサを含んでもよい。さらに、プロセッサ412は、1つ以上のプロセッサ又は1つ以上のプロセッサコアを含んでもよい。
【0044】
プロセッサ412は、任意の所望の方法でメモリ414及び周辺デバイス416に接続することができる。例えば、いくつかの実施形態では、プロセッサ412は、様々な相互接続を介してメモリ414及び/又は周辺デバイス416に接続されてもよい。代替的又は追加的に、プロセッサ412、メモリ414及び周辺デバイス416を接続するために、1つ以上のブリッジチップが使用されてもよい。
【0045】
メモリ414は、任意のタイプのメモリシステムを有してもよい。例えば、メモリ414は、DRAM、より具体的には、ダブルデータレート(DDR)SDRAM、RDRAM等を有してもよい。メモリ414とインタフェースするためのメモリコントローラを含むことができ、及び/又は、プロセッサ412がメモリコントローラを含んでもよい。メモリ414は、使用中にプロセッサ412によって実行される命令、使用中にプロセッサによって操作されデータ等を記憶することができる。
【0046】
周辺デバイス416は、コンピュータシステム410に含まれるか接続される任意のタイプのハードウェアデバイス(例えば、
図15に示すコンピュータアクセス可能記憶媒体500や、ビデオハードウェア、オーディオハードウェア、ユーザインタフェースデバイス、ネットワーキングハードウェア等の他の入出力(I/O)デバイスをオプションで含むストレージデバイス)を表してもよい。
【0047】
図15を参照すると、コンピュータアクセス可能記憶媒体500の一実施形態のブロック図は、集積回路設計に含まれるレイアウト300(
図4~
図13に示す)を表す1つ以上のデータ構造と、レイアウト300を形成するプロセスを表す1つ以上のコードシーケンス502と、を含む。各コードシーケンスは、コンピュータ内のプロセッサによって実行されると、対応するコードシーケンスについて記述された動作を実行する1つ以上の命令を含むことができる。一般的に言えば、コンピュータアクセス可能記憶媒体は、命令及び/又はデータをコンピュータに提供するために、使用中にコンピュータによってアクセス可能な任意の記憶媒体を含むことができる。例えば、コンピュータアクセス可能記憶媒体は、磁気又は光学媒体等の非一時的な記憶媒体(例えば、ディスク(固定若しくは取り外し可能)、テープ、CD-ROM、DVD-ROM、CD-R、CD-RW、DVD-R、DVD-RW又はBlu-Ray(登録商標))等を含んでもよい。記憶媒体は、揮発性又は不揮発性メモリ媒体(例えば、RAM(例えば、同期型ダイナミックRAM(SDRAM)、ラムバスDRAM(RDRAM)、スタティックRAM(SRAM)等)、ROM、フラッシュメモリ等)をさらに含んでもよい。記憶媒体は、記憶媒体が命令/データを提供するコンピュータ内に物理的に含まれてもよい。或いは、記憶媒体は、コンピュータに接続されてもよい。例えば、記憶媒体は、ネットワーク接続ストレージ等のように、ネットワーク又は無線リンクを介してコンピュータに接続されてもよい。記憶媒体は、ユニバーサルシリアルバス(USB)等の周辺機器インタフェースを介して接続されてもよい。概して、コンピュータアクセス可能記憶媒体500は、非一時的な方法でデータを記憶することができ、この場合、非一時的とは、命令/データを信号で送信しないことを指してもよい。例えば、非一時的な記憶装置は、揮発性(及び、電源遮断に応じて、記憶された命令/データを失う可能性がある)であってもよいし、不揮発性であってもよい。
【0048】
概して、コンピュータアクセス可能記憶媒体500に保持されるレイアウト300のデータベースは、プログラムによって読み出され、レイアウト300を含むハードウェアを製造するために直接的又は間接的に使用可能なデータベースであってもよい。例えば、データベースは、Verilog、VHDL等のハイレベル設計言語(HDL)におけるハードウェア機能の動作レベル記述又はレジスタ転送レベル(RTL)記述を含む。記述は、合成ツールによって読み取られ、合成ツールは、記述を合成して、集積回路のレイアウトの生成に使用される集積回路のネットリストを生成することができる。次に、ネットリストを配置してルーティングし、マスクに適用される幾何学的形状を記述するデータセットを生成することができる。次いで、マスクは、レイアウト300に対応する1つ以上の半導体回路を製造するために、様々な半導体製造工程で使用されてもよい。或いは、コンピュータアクセス可能記憶媒体500上のデータベースは、必要に応じて、ネットリスト(合成ライブラリを伴う又は伴わない)であってもよいし、データセットであってもよい。
【0049】
本開示で説明された実施形態の様々な態様のさらなる変更及び代替形態が、この説明に鑑みて当業者に明らかとなるであろう。したがって、この説明は、単なる例示として解釈されるべきであり、発明を実施する一般的な方法を当業者に教示することを目的としている。本明細書に示して説明した実施形態は、現在好ましい実施形態として解釈されるべきであることを理解されたい。この説明の利益を得た後に当業者に明らかとなるように、本明細書に図示及び記載されたものの代わりの要素及び材料が用いられてもよいし、部品及びプロセスが逆にされてもよいし、実施形態の特定の機能が独立して利用されてもよい。以下の特許請求の範囲の趣旨及び範囲から逸脱することなく、本明細書に記載された要素が変更されてもよい。