(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-16
(45)【発行日】2022-08-24
(54)【発明の名称】超音波診断装置および超音波診断装置の制御方法
(51)【国際特許分類】
A61B 8/14 20060101AFI20220817BHJP
【FI】
A61B8/14 ZDM
(21)【出願番号】P 2019568879
(86)(22)【出願日】2018-11-19
(86)【国際出願番号】 JP2018042652
(87)【国際公開番号】W WO2019150715
(87)【国際公開日】2019-08-08
【審査請求日】2020-07-09
(31)【優先権主張番号】P 2018015382
(32)【優先日】2018-01-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(31)【優先権主張番号】P 2018103436
(32)【優先日】2018-05-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】306037311
【氏名又は名称】富士フイルム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100152984
【氏名又は名称】伊東 秀明
(74)【代理人】
【識別番号】100148080
【氏名又は名称】三橋 史生
(72)【発明者】
【氏名】松本 剛
(72)【発明者】
【氏名】井上 知己
(72)【発明者】
【氏名】江畑 徹郎
【審査官】永田 浩司
(56)【参考文献】
【文献】特表2017-509417(JP,A)
【文献】特開2009-056125(JP,A)
【文献】特開2009-273597(JP,A)
【文献】日本超音波医学会,超音波診断,1989年,第1版第2刷,p.135, p.407, p.439, p.479, p.493
【文献】森秀明,超音波検査,消化器疾患,2017年,48巻1号,pp.29-38
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 8/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項18】
前記超音波プローブとネットワークを介して接続されている請求項17に記載の超音波診断装置用プロセッサ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、超音波診断装置および超音波診断装置の制御方法に係り、特に、超音波プローブの操作をユーザに案内する超音波診断装置および超音波診断装置の制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、被検体の内部の画像を得るものとして、超音波診断装置が知られている。超音波診断装置は、一般的に、複数の素子が配列された振動子アレイが備えられた超音波プローブを備えている。この超音波プローブを被検体の体表に接触させた状態において、振動子アレイから被検体内に向けて超音波ビームが送信され、被検体からの超音波エコーを振動子アレイにおいて受信して素子データが取得される。さらに、超音波診断装置は、得られた素子データを電気的に処理して、被検体の当該部位に対する超音波画像を生成する。
【0003】
このような超音波診断装置を用いることにより、ユーザは、被検体内の部位を観察することができる。この際に、ユーザは、通常、超音波画像を目視することにより、観察の目標とする部位が超音波画像に含まれているか否かを判断するが、このような判断には熟練が必要である。そこで、超音波診断装置において、目標とする部位を容易に検出するための種々の工夫がなされている。
【0004】
例えば、特許文献1に開示されている医用画像処理装置は、予め取得された複数の超音波画像が入力され、それらの複数の超音波画像に対してそれぞれ画像解析を施すことにより、目標とする部位を自動的に検出する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、被検体内においては、例えば、総胆管と血管のように、互いに類似した構造を有する部位が存在する。このように、血管等の他の部位の構造と類似した構造を有する総胆管等の部位を、超音波診断装置を用いて観察するために、超音波プローブの操作手順を定めたワークフローが一般的に知られている。しかしながら、目標とする部位は他の部位の構造と類似した構造を有しているため、このようなワークフローに従って得られた超音波画像を目視することにより目標とする部位を特定することは、熟練したユーザであっても難しいという問題があった。
【0007】
特許文献1に開示されている技術では、大量に取得されたそれぞれの超音波画像に対して画像解析を行うことにより目的とする部位を検出するため、他の部位の構造と類似した構造を有する部位を検出することが可能だが、目標とする部位の検出に要する計算負荷が大きく、目標とする部位を素早く検出するためには高い計算能力を有する装置が必要である。このような装置は、通常、大掛かりな装置であることが多い。そのため、特許文献1の医用画像処理装置は、例えば、ユーザに対して迅速な行動が求められる救急救命現場等の環境においては、ユーザの迅速な行動を妨げることがあり、不向きである。
【0008】
本発明は、このような従来の問題点を解消するためになされたものであり、目標とする部位を容易に且つ迅速に検出することができる超音波診断装置および超音波診断装置の制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本発明の超音波診断装置は、超音波プローブと、超音波プローブから被検体に向けて超音波ビームの送信を行って超音波画像を取得する画像取得部と、画像取得部により取得された超音波画像に対して画像解析を行って被検体の撮像部位を認識する部位認識部と、目標部位を検出するために有効な少なくとも1つの周辺部位を記憶する周辺部位メモリと、目標部位の検出に際して、周辺部位メモリに記憶されている少なくとも1つの周辺部位を検出するようにユーザに超音波プローブの操作を案内し、部位認識部による認識結果に基づいて、目標部位を検出するようにユーザに超音波プローブの操作を案内する操作案内部とを備えたことを特徴とする。
【0010】
周辺部位メモリは、目標部位を検出するために有効な複数の周辺部位と複数の周辺部位に対する定められた検出順序を記憶し、操作案内部は、複数の周辺部位を定められた検出順序に従って順次検出するようにユーザに超音波プローブの操作を案内することができる。
【0011】
さらに、操作案内部は、部位認識部による認識結果に基づき、複数の周辺部位のうち一部の周辺部位の検出をスキップして次の周辺部位を検出するようにユーザに超音波プローブの操作を案内する、または、定められた検出順序を変更して複数の周辺部位を検出するようにユーザに超音波プローブの操作を案内することができる。
もしくは、ユーザが入力操作を行うための入力部をさらに備えることができる。
【0012】
操作案内部は、入力部を介してユーザにより入力された修正情報に基づき、複数の周辺部位のうち一部の周辺部位の検出をスキップして次の周辺部位を検出するようにユーザに超音波プローブの操作を案内する、または、定められた検出順序を変更して複数の周辺部位を検出するようにユーザに超音波プローブの操作を案内することができる。
【0013】
もしくは、操作案内部は、入力部を介してユーザにより入力された被検体の状態に関する被検体情報に基づき、複数の周辺部位のうち一部の周辺部位の検出をスキップして次の周辺部位を検出するようにユーザに超音波プローブの操作を案内する、または、定められた検出順序を変更して複数の周辺部位を検出するようにユーザに超音波プローブの操作を案内してもよい。
【0014】
もしくは、複数の周辺部位のうち1つの周辺部位を検出するようにユーザに超音波プローブの操作を案内してから1つの周辺部位が検出される前に定められた時間が経過した場合に、操作案内部は、1つの周辺部位の検出をスキップして次の周辺部位を検出するようにユーザに超音波プローブの操作を案内する、または、定められた検出順序を変更して複数の周辺部位を検出するようにユーザに超音波プローブの操作を案内してもよい。
【0015】
また、部位認識部は、入力部を介してユーザにより入力された被検体の状態に関する被検体情報に基づいて、被検体の撮像部位を認識することができる。
【0016】
また、周辺部位メモリは、目標部位を検出するために有効な複数の周辺部位および定められた検出順序を被検体毎に記憶し、操作案内部は、被検体毎に記憶された複数の周辺部位を被検体毎に記憶された定められた検出順序に従って順次検出するようにユーザに超音波プローブの操作を案内することができる。
【0017】
また、超音波診断装置は、表示部をさらに備え、操作案内部は、ユーザに向けた超音波プローブの操作の案内を表示部に表示することができる。
この際に、部位認識部により認識された少なくとも1つの周辺部位の輪郭を生成する輪郭生成部をさらに備え、表示部は、画像取得部により取得された超音波画像を表示し、輪郭生成部により生成された少なくとも1つの周辺部位の輪郭が、表示部に表示されている超音波画像に重畳表示されることが好ましい。
もしくは、音声発生部をさらに備え、操作案内部は、ユーザに向けた超音波プローブの操作の案内を音声発生部から発する音声により行うこともできる。
【0018】
また、目標部位は、総胆管であり、少なくとも1つの周辺部位は、門脈および胆嚢であることが好ましい。
もしくは、目標部位は、虫垂であり、少なくとも1つの周辺部位は、上行結腸、盲腸および回腸であることが好ましい。
もしくは、目標部位は、第5頸椎の神経根および第7頸椎の神経根であり、周辺部位は、第6頸椎の神経根であることが好ましい。
【0019】
本発明の超音波診断装置の制御方法は、超音波プローブから被検体に向けて超音波ビームの送受信が行われることにより生成された受信信号に基づいて超音波画像を取得し、取得された超音波画像に対して画像解析を行って被検体の撮像部位を認識し、目標部位の検出に際して、目標部位を検出するために有効な少なくとも1つの周辺部位を検出するようにユーザに超音波プローブの操作を案内し、部位認識部による認識結果に基づいて、目標部位を検出するようにユーザに超音波プローブの操作を案内することを特徴とする。
【0020】
本発明の超音波診断装置用プロセッサは、超音波プローブから被検体に向けて超音波ビームの送受信が行われることにより生成された受信信号に基づいて超音波画像を取得し、取得された超音波画像に対して画像解析を行って被検体の撮像部位を認識し、目標部位の検出に際して、目標部位を検出するために有効な少なくとも1つの周辺部位を検出するようにユーザに超音波プローブの操作を案内し、部位認識部による認識結果に基づいて、目標部位を検出するようにユーザに超音波プローブの操作を案内することを特徴とする。
また、超音波診断装置用プロセッサは、超音波プローブとネットワークを介して接続されることができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、目標部位を検出するために有効な少なくとも1つの周辺部位を記憶する周辺部位メモリと、目標部位の検出に際して、周辺部位メモリに記憶されている少なくとも1つの周辺部位を検出するようにユーザに超音波プローブの操作を案内し、部位認識部による認識結果に基づいて、目標部位を検出するようにユーザに超音波プローブの操作を案内する操作案内部とを備えるため、目標部位を容易に且つ迅速に検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】本発明の実施の形態1に係る超音波診断装置の構成を示すブロック図である。
【
図2】本発明の実施の形態1における受信部の内部構成を示すブロック図である。
【
図3】本発明の実施の形態1における画像生成部の内部構成を示すブロック図である。
【
図4】本発明の実施の形態1に係る超音波診断装置の動作を表すフローチャートである。
【
図5】本発明の実施の形態1に係る超音波診断装置の動作の具体例を表すフローチャートである。
【
図6】本発明の実施の形態1における案内表示の例を示す図である。
【
図7】本発明の実施の形態1における案内表示の他の例を示す図である。
【
図8】本発明の実施の形態1における案内表示のさらに他の例を示す図である。
【
図9】本発明の実施の形態1における案内表示のさらに他の例を示す図である。
【
図10】本発明の実施の形態2における案内表示の例を示す図である。
【
図11】本発明の実施の形態2における案内表示の他の例を示す図である。
【
図12】本発明の実施の形態2における案内表示のさらに他の例を示す図である。
【
図13】本発明の実施の形態2における案内表示のさらに他の例を示す図である。
【
図14】本発明の実施の形態3において検出される神経根が位置する第5頸椎、第6頸椎、第7頸椎を模式的に示す図である。
【
図15】本発明の実施の形態3において検出される第5頸椎の神経根を模式的に示す図である。
【
図16】本発明の実施の形態3に係る超音波診断装置の動作を表すフローチャートである。
【
図17】本発明の実施の形態4に係る超音波診断装置の構成を示すブロック図である。
【
図18】本発明の実施の形態4における輪郭線の例を示す図である。
【
図19】本発明の実施の形態4における輪郭線の他の例を示す図である。
【
図20】本発明の実施の形態4における輪郭線のさらに他の例を示す図である。
【
図21】本発明の実施の形態4における輪郭線のさらに他の例を示す図である。
【
図22】本発明の実施の形態5に係る超音波診断装置の動作を表すフローチャートである。
【
図23】本発明の実施の形態6に係る超音波診断装置の動作を表すフローチャートである。
【
図24】本発明の実施の形態7に係る超音波診断装置の構成を表すブロック図である。
【
図25】本発明の実施の形態8に係る超音波診断装置の構成を表すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、この発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
実施の形態1
図1に、本発明の実施の形態1に係る超音波診断装置1の構成を示す。
図1に示すように、超音波診断装置1は、振動子アレイ2を備えており、振動子アレイ2に送信部3および受信部4がそれぞれ接続されている。受信部4には、画像生成部5、表示制御部6および表示部7が順次接続されている。ここで、送信部3、受信部4および画像生成部5により、画像取得部8が構成されている。また、画像生成部5に、部位認識部9が接続され、部位認識部9に、操作案内部10が接続されている。部位認識部9と操作案内部10は、互いに双方向の情報の受け渡しが可能に接続されている。また、操作案内部10に、周辺部位メモリ11と表示制御部6がそれぞれ接続されている。
【0024】
さらに、表示制御部6、画像取得部8、部位認識部9および操作案内部10に、装置制御部12が接続されており、装置制御部12に、入力部13および格納部14が接続されている。装置制御部12と格納部14は、互いに双方向の情報の受け渡しが可能に接続されている。
また、振動子アレイ2は、超音波プローブ15に含まれており、表示制御部6、画像取得部8、部位認識部9、操作案内部10、装置制御部12により、超音波診断装置用のプロセッサ16が構成されている。
【0025】
図1に示す超音波プローブ15の振動子アレイ2は、1次元または2次元に配列された複数の振動子を有している。これらの振動子は、それぞれ送信部3から供給される駆動信号に従って超音波を送信すると共に、被検体からの超音波エコーを受信して受信信号を出力する。各振動子は、例えば、PZT(Lead Zirconate Titanate:チタン酸ジルコン酸鉛)に代表される圧電セラミック、PVDF(Poly Vinylidene Di Fluoride:ポリフッ化ビニリデン)に代表される高分子圧電素子およびPMN-PT(Lead Magnesium Niobate-Lead Titanate:マグネシウムニオブ酸鉛-チタン酸鉛固溶体)に代表される圧電単結晶等からなる圧電体の両端に電極を形成することにより構成される。
【0026】
画像取得部8の送信部3は、例えば、複数のパルス発生器を含んでおり、装置制御部12からの制御信号に応じて選択された送信遅延パターンに基づいて、振動子アレイ2の複数の振動子から送信される超音波が超音波ビームを形成するように、それぞれの駆動信号を、遅延量を調節して複数の振動子に供給する。このように、振動子アレイ2の複数の振動子の電極にパルス状または連続波状の電圧が印加されると、圧電体が伸縮し、それぞれの振動子からパルス状または連続波状の超音波が発生して、それらの超音波の合成波から、超音波ビームが形成される。
【0027】
送信された超音波ビームは、例えば、被検体の部位等の対象において反射され、超音波プローブ15の振動子アレイ2に向かって伝搬する。このように振動子アレイ2に向かって伝搬する超音波エコーは、振動子アレイ2を構成するそれぞれの振動子により受信される。この際に、振動子アレイ2を構成するそれぞれの振動子は、伝搬する超音波エコーを受信することにより伸縮して電気信号を発生させ、これらの電気信号を受信部4に出力する。
【0028】
画像取得部8の受信部4は、装置制御部12からの制御信号に従って、振動子アレイ2から出力される受信信号の処理を行う。
図2に示すように、受信部4は、増幅部17およびAD(Analog Digital)変換部18が直列接続された構成を有している。増幅部17は、振動子アレイ2を構成するそれぞれの素子から入力された受信信号を増幅し、増幅した受信信号をAD変換部18に送信する。AD変換部18は、増幅部17から送信された受信信号をデジタル化されたデータに変換し、これらのデータを画像取得部8の画像生成部5に送出する。
【0029】
画像取得部8の画像生成部5は、
図3に示すように、信号処理部19、DSC(Digital Scan Converter:デジタルスキャンコンバータ)20および画像処理部21が直列接続された構成を有している。信号処理部19は、装置制御部12からの制御信号に応じて選択された受信遅延パターンに基づき、受信信号の各データにそれぞれの遅延を与えて加算(整相加算)を施す、受信フォーカス処理を行う。この受信フォーカス処理により、超音波エコーの焦点が1つの走査ラインに絞り込まれた音線信号が生成される。また、信号処理部19は、生成された音線信号に対して、超音波が反射した位置の深度に応じて伝搬距離に起因する減衰の補正を施した後、包絡線検波処理を施して、被検体内の組織を表すBモード画像信号を生成する。このように生成されたBモード画像信号は、DSC20に出力される。
【0030】
画像生成部5のDSC20は、Bモード画像信号を通常のテレビジョン信号の走査方式に従う画像信号にラスター変換して超音波画像を生成する。画像生成部5の画像処理部21は、DSC20において得られた画像データに対して、明るさ補正、諧調補正、シャープネス補正および色補正等の各種の必要な画像処理を施した後、超音波画像を表示制御部6および部位認識部9に出力する。
【0031】
プロセッサ16の部位認識部9は、画像取得部8により取得された超音波画像に対して画像解析を行って、被検体の撮像部位を認識する。この際に、部位認識部9は、例えば、典型的なパターンデータをテンプレートとして予め記憶しておき、画像内をテンプレートでサーチしながらパターンデータに対する類似度を算出し、類似度が閾値以上かつ最大となった場所に計測対象が存在するとみなすことにより、撮像部位を認識することができる。類似度の算出には、単純なテンプレートマッチングの他に、例えば、Csurka et al.: Visual Categorization with Bags of Keypoints, Proc. of ECCV Workshop on Statistical Learning in Computer Vision, pp.59-74 (2004)に記載されている機械学習手法、あるいは、Krizhevsk et al.: ImageNet Classification with Deep Convolutional Neural Networks, Advances in Neural Information Processing Systems 25, pp.1106-1114 (2012)に記載されているディープラーニングを用いた一般画像認識手法等を用いることができる。
【0032】
ここで、被検体内においては、例えば、総胆管と血管のように、互いに類似した構造を有する部位が存在する。このように、総胆管等の部位は、血管等の他の部位の構造に類似した構造を有しているため、熟練したユーザが観察を行った場合であっても、正確に特定されることが困難な場合があった。超音波診断装置1の周辺部位メモリ11は、正確な特定が困難であり、観察の目標となる目標部位を検出するために有効な少なくとも1つの周辺部位を記憶するものである。また、周辺部位メモリ11は、目標部位を検出するために有効な複数の周辺部位を記憶している場合には、この複数の周辺部位に対する定められた検出順序も記憶している。
【0033】
また、周辺部位メモリ11としては、HDD(Hard Disc Drive:ハードディスクドライブ)、SSD(Solid State Drive:ソリッドステートドライブ)、FD(Flexible Disc:フレキシブルディスク)、MOディスク(Magneto-Optical disc:光磁気ディスク)、MT(Magnetic Tape:磁気テープ)、RAM(Random Access Memory:ランダムアクセスメモリ)、CD(Compact Disc:コンパクトディスク)、DVD(Digital Versatile Disc:デジタルバーサタイルディスク)、SDカード(Secure Digital card:セキュアデジタルカード)、USBメモリ(Universal Serial Bus memory:ユニバーサルシリアルバスメモリ)等の記録メディア、またはサーバ等を用いることができる。
【0034】
プロセッサ16の操作案内部10は、目標部位の検出に際して、周辺部位メモリ11に記憶されている少なくとも1つの周辺部位を検出するようにユーザに超音波プローブ15の操作を案内し、さらに、プロセッサ16の部位認識部9による認識結果に基づいて、目標部位を検出するようにユーザに超音波プローブ15の操作を案内する。本発明の実施の形態1に係る超音波診断装置1は、この操作案内部10により、目標部位を素早く検出することができるが、詳細については後に説明する。
【0035】
プロセッサ16の装置制御部12は、格納部14等に予め記憶されているプログラムおよび入力部13を介したユーザの操作に基づいて、超音波診断装置1の各部の制御を行う。
プロセッサ16の表示制御部6は、装置制御部12の制御の下、画像取得部8の画像生成部5により生成された超音波画像に所定の処理を施して、表示部7に超音波画像を表示させる。
【0036】
超音波診断装置1の表示部7は、表示制御部6の制御の下、画像を表示するものであり、例えば、LCD(Liquid Crystal Display:液晶ディスプレイ)等のディスプレイ装置を含む。
超音波診断装置1の入力部13は、ユーザが入力操作を行うためのものであり、キーボード、マウス、トラックボール、タッチパッドおよびタッチパネル等を備えて構成することができる。
【0037】
格納部14は、超音波診断装置1の動作プログラム等を格納するもので、超音波診断装置1の周辺部位メモリ11と同様に、HDD、SSD、FD、MOディスク、MT、RAM、CD、DVD、SDカード、USBメモリ等の記録メディア、またはサーバ等を用いることができる。
【0038】
なお、表示制御部6、画像取得部8、部位認識部9、操作案内部10および装置制御部12を有するプロセッサ16は、CPU(Central Processing Unit:中央処理装置)、および、CPUに各種の処理を行わせるための制御プログラムから構成されるが、デジタル回路を用いて構成されてもよい。また、これらの表示制御部6、画像取得部8、部位認識部9、操作案内部10および装置制御部12を部分的にあるいは全体的に1つのCPUに統合させて構成することもできる。
【0039】
次に、
図4に示すフローチャートを用いて、実施の形態1における超音波診断装置1の動作を詳細に説明する。ここで、
図4に示すフローチャートは、目標部位Mを検出するための超音波診断装置1の動作を表している。目標部位Mは、例えば、入力部13を介してユーザにより入力されることで設定されることができる。また、周辺部位メモリ11は、目標部位Mを検出するために有効な周辺部位として周辺部位AおよびBを記憶し、さらに、周辺部位Aの検出処理が行われてから周辺部位Bの検出処理が行われるような検出順序を記憶しているとする。
【0040】
まず、ステップS1において、操作案内部10は、周辺部位Aを探すようにユーザに対して案内を行う。この際に、操作案内部10は、例えば、周辺部位Aを探す旨の案内表示を、表示制御部6を介して表示部7に表示することができる。
ステップS1において周辺部位Aを探す旨の案内が行われると、ユーザは、操作案内部10による案内に従って周辺部位Aが検出されるように超音波プローブ15を操作する。このように、超音波プローブ15がユーザにより操作されている状態の下、ステップS2において、部位認識部9により周辺部位Aの検出処理が行われる。図示しないが、この際に、部位認識部9は、周辺部位Aを検出するために有効な少なくとも1つの補助部位を認識し、この認識結果を加味して、周辺部位Aを検出することもできる。
【0041】
続くステップS3において、操作案内部10は、周辺部位Aが検出されたか否かを判定する。周辺部位Aが検出されていない場合には、ステップS1に戻り、操作案内部10により周辺部位Aを探す旨の案内がなされ、ステップS2において周辺部位Aの検出処理がなされた後、ステップS3の判定が行われる。このようにして、周辺部位Aが検出されるまで、ステップS1~ステップS3の処理が繰り返される。
【0042】
周辺部位Aが検出されたとステップS3において判定された場合には、ステップS4に進み、周辺部位Bを探す旨の案内が操作案内部10により行われる。この際に、操作案内部10は、周辺部位Bを探す旨の案内表示を表示部7に表示させることができるが、検出した周辺部位Aの位置に基づいて、周辺部位Bを検出するために超音波プローブ15の移動方向、向き、傾き等を案内する旨の案内表示を表示部7に表示させることもできる。
【0043】
ステップS4において周辺部位Bを探す旨の案内が行われると、ユーザは、操作案内部10による案内に従って周辺部位Bが検出されるように超音波プローブ15を操作する。このように、超音波プローブ15がユーザにより操作されている状態の下、ステップS5において、部位認識部9により周辺部位Bの検出処理が行われる。図示しないが、この際に、部位認識部9は、周辺部位Aの認識結果を加味して、周辺部位Bを検出してもよい。例えば、周辺部位AおよびBの相対的な位置関係を周辺部位メモリ11等に予め記憶させておくことにより、部位認識部9は、周辺部位Aと周辺部位Bとの相対的な位置関係を加味して周辺部位Bを検出することができる。
【0044】
続くステップS6において、操作案内部10は、周辺部位Bが検出されたか否かを判定する。周辺部位Bが検出されていない場合には、ステップS4に戻り、操作案内部10により周辺部位Bを探す旨の案内がなされ、ステップS5において周辺部位Bの検出処理がなされた後、ステップS6の判定が行われる。このようにして、周辺部位Bが検出されるまで、ステップS4~ステップS6の処理が繰り返される。
【0045】
周辺部位Bが検出されたとステップS6において判定された場合には、ステップS7に進み、目標部位Mを探す旨の案内が操作案内部10により行われる。この際に、操作案内部10は、目標部位Mを探す旨の案内表示を表示部7に表示させることができるが、検出した周辺部位AおよびBの位置に基づいて、目標部位Mを検出するために超音波プローブ15の移動方向、向き、傾き等を案内する旨の案内表示を表示部7に表示させることもできる。
【0046】
ステップS7において目標部位Mを探す旨の案内が行われると、ユーザは、操作案内部10による案内に従って目標部位Mが検出されるように超音波プローブ15を操作する。このように、超音波プローブ15がユーザにより操作されている状態の下、ステップS8において、部位認識部9により目標部位Mの検出処理が行われる。図示しないが、この際に、部位認識部9は、周辺部位AおよびBの認識結果を加味して、目標部位Mを検出してもよい。例えば、周辺部位AおよびBと目標部位Mとの相対的な位置関係を周辺部位メモリ11等に予め記憶させておくことにより、部位認識部9は、周辺部位AおよびBと目標部位Mとの相対的な位置関係を加味して目標部位Mを検出することができる。
【0047】
続くステップS9において、操作案内部10は、目標部位が検出されたか否かを判定する。目標部位Mが検出されていない場合には、ステップS7に戻り、操作案内部10により目標部位Mを探す旨の案内がなされ、ステップS8において目標部位Mの検出処理がなされた後、ステップS9の判定が行われる。このようにして、目標部位Mが検出されるまで、ステップS7~ステップS9の処理が繰り返される。
【0048】
目標部位Mが検出されたとステップS9において判定された場合には、ステップS10に進む。ステップS10において、操作案内部10は、ユーザに対して、表示部7に目標部位Mの断面が表示されている旨を通知する。これにより、本発明の実施の形態1に係る超音波診断装置1の動作が終了する。
【0049】
次に、
図5~
図8を用いて、本発明の実施の形態1に係る超音波診断装置1の動作の具体例を紹介する。
図5に示すフローチャートは、目標部位Mとして総胆管を検出する場合の超音波診断装置1の動作を表している。また、ここでは、周辺部位メモリ11は、総胆管を検出するために有効な周辺部位A1、A2、Bとして、それぞれ門脈の短軸像、胆嚢の長軸像および門脈の長軸像を記憶し、さらに、周辺部位A1の検出処理と周辺部位A2の検出処理が行われてから、周辺部位Bの検出が行われるような検出順序を記憶しているとする。
【0050】
ここで、門脈の短軸像とは、図示しないが、門脈の中心軸に直交する平面で門脈を切断した横断面像のことを表し、門脈の長軸像とは、門脈の中心軸に沿って門脈を切断した縦断面像のことを表す。また、胆嚢の長軸像についても、門脈の長軸像と同様に、胆嚢の中心軸に沿って胆嚢を切断した縦断面像のことを表す。
【0051】
まず、ステップS11において、操作案内部10は、門脈の短軸像である周辺部位A1および胆嚢の長軸像である周辺部位A2を探すようにユーザに対して案内を行う。この際に、操作案内部10は、例えば
図6に示すように、周辺部位A1およびA2を探す旨の案内表示G1を超音波画像Uと共に表示部7に表示することができる。ここで、案内表示G1は、
図6に示されるように、テキストを含んでいてもよく、ユーザに対する案内を表す案内画像を含んでいてもよい。
【0052】
ステップS11において周辺部位A1およびA2を探す旨の案内が行われると、ユーザは、操作案内部10による案内に従って周辺部位A1およびA2が検出されるように超音波プローブ15を操作する。このように、超音波プローブ15がユーザにより操作されている状態の下、ステップS12において、部位認識部9により周辺部位A1およびA2の検出処理が行われる。この際に、部位認識部9は、例えば、
図6に示すように、補助部位Xとして下大静脈等を認識し、その認識結果を加味して周辺部位A1およびA2を検出することができる。
【0053】
続くステップS13において、操作案内部10は、周辺部位A1が検出されたか否かを判定する。周辺部位A1が検出されていない場合には、ステップS14に進み、周辺部位A1を探す旨の案内が操作案内部10により行われる。ステップS14において周辺部位A1を探す旨の案内がなされると、ステップS12に戻って周辺部位A1およびA2の検出処理が行われた後、ステップS13の判定が行われる。このようにして、周辺部位A1が検出されるまで、ステップS12~ステップS14の処理が繰り返される。
【0054】
周辺部位A1が検出されたとステップS13において判定された場合には、ステップS15に進む。ステップS15において、操作案内部10は、周辺部位A2が検出されたか否かを判定する。周辺部位A2が検出されていない場合には、ステップS16に進み、周辺部位A2を探す旨の案内が操作案内部10により行われる。ステップS16において周辺部位A2を探す旨の案内がなされると、ステップS12に戻って周辺部位A1およびA2の検出処理が行われる。続くステップS13では、周辺部位A1が検出されたか否かが判定されるが、周辺部位A1は既に検出されているため、ステップS15に進み、周辺部位A2が検出されたか否かが判定される。このようにして、周辺部位A2が検出されるまで、ステップS12、ステップS13、ステップS15およびステップS16の処理が繰り返される。
【0055】
続くステップS4~ステップS10の処理は、
図4に示すフローチャートにおけるステップS4~ステップS10と同様である。すなわち、まず、ステップS4において、操作案内部10は、門脈の長軸像である周辺部位Bを探すようにユーザに対して案内を行う。この際に、操作案内部10は、例えば
図7に示すように、周辺部位Bを探す旨の案内表示G2を超音波画像Uと共に表示部7に表示することができる。
【0056】
ステップS4において周辺部位Bを探す旨の案内がなされると、ステップS5において部位認識部9により周辺部位Bの検出処理がなされ、続くステップS6において操作案内部10により周辺部位Bが検出されたか否かの判定がなされる。周辺部位Bが検出されていない場合には、ステップS4に戻って周辺部位Bを探す旨の案内がなされ、続くステップS5とステップS6において、周辺部位Bの検出処理と、周辺部位Bが検出されたか否かの判定がなされる。このようにして、周辺部位Bが検出されるまでステップS4~ステップS6の処理が繰り返され、周辺部位Bが検出された場合には、ステップS7に進む。
【0057】
ステップS7において、操作案内部10は、総胆管である目標部位Mを探すようにユーザに対して案内を行う。この際に、操作案内部10は、例えば
図8に示すように、目標部位Mを探す旨の案内表示G3を超音波画像Uと共に表示部7に表示することができる。
【0058】
ステップS7において目標部位Mを探す旨の案内がなされると、ステップS8において部位認識部9により目標部位Mの検出処理がなされ、続くステップS9において操作案内部10により目標部位Mが検出されたか否かの判定がなされる。目標部位Mが検出されていない場合には、ステップS7に戻って目標部位Mを探す旨の案内がなされ、続くステップS8とステップS9において、目標部位Mの検出処理と、目標部位Mが検出されたか否かの判定がなされる。このようにして、目標部位Mが検出されるまでステップS7~ステップS9の処理が繰り返され、目標部位Mが検出された場合には、ステップS10に進む。
【0059】
ステップS10において、操作案内部10は、ユーザに対して、表示部7に目標部位Mの断面が表示されている旨を通知する。これにより、目標部位Mである総胆管を検出するための超音波診断装置1の動作が終了する。
【0060】
以上のように、本発明の実施の形態1に係る超音波診断装置1によれば、目標部位Mを検出するために有効な少なくとも1つの周辺部位を検出するように超音波プローブ15の操作をユーザに案内し、その少なくとも1つの周辺部位の認識結果に基づいて、目標部位Mを検出するように超音波プローブ15の操作をユーザに案内するため、不要な画像認識処理を行う必要がなく、超音波診断装置1の計算負荷を軽減しながら、目標部位Mを容易に且つ迅速に検出することができる。
【0061】
ここで、従来の超音波診断装置において、内部に血流が存在する血管等の部位の構造と類似した構造を有する総胆管等の部位を検出する際に、いわゆるドプラ計測を行うことにより、内部に血流が存在する血管等の部位と総胆管等の部位を弁別することが知られているが、通常、被検体の断層画像を表すBモード画像を取得する処理から、ドプラ計測を行うための処理に、超音波診断装置の処理を切り替える必要があり、ユーザに対して手間がかかる。一方、本発明の実施の形態1に係る超音波診断装置1によれば、目標部位Mを検出するためにドプラ計測を行う必要がなく、より迅速に目標部位Mを検出することができる。
【0062】
なお、超音波診断装置1は、
図4に示すフローチャートおよび
図5に示すフローチャートにおけるステップS7の処理がなされた時点で、すなわち目標部位Mを探す旨の案内が操作案内部10によりなされた時点で動作を終了し、ステップS8~ステップS10の処理を行わなくてもよい。この場合に、ユーザは、表示部7に表示された超音波画像を目視することにより、その超音波画像に目標部位Mの断面が含まれるか否かを判断してもよい。このような場合であっても、操作案内部10が、目標部位Mを検出するために有効な少なくとも1つの周辺部位を検出するようにユーザに超音波プローブ15の操作を案内し、部位認識部9による認識結果に基づいて、目標部位Mを検出するようにユーザに超音波プローブ15の操作を案内するため、ユーザが迅速に目標部位Mを特定することが可能である。
【0063】
また、
図5に示すフローチャートでは、周辺部位A1と周辺部位A2の検出が同時に行われるように周辺部位A1およびA2の検出順序が定められているが、このような場合には、周辺部位A1が検出されたか否かの判定処理と、周辺部位A2が検出されたか否かの判定処理のどちらを先に行うかは特に限定されない。例えば、
図5に示すフローチャートにおいて、ステップS15の処理を行った後にステップS13の処理を行うこともできる。
【0064】
また、本発明の実施の形態1における送信部3および受信部4は、プロセッサ16の画像取得部8に含まれているが、超音波プローブ15に含まれていてもよい。この場合には、超音波プローブ15に含まれる送信部3および受信部4と、プロセッサ16に含まれる画像生成部5により、画像取得部8が構成される。
【0065】
また、実施の形態1では、
図4および
図5のフローチャートに示されるように、目標部位Mを検出するために有効な複数の周辺部位が周辺部位メモリ11に記憶されている例が示されているが、目標部位Mを検出するために有効な1つの周辺部位のみが周辺部位メモリ11に記憶されていてもよい。この場合に、操作案内部10は、1つの周辺部位に対する認識結果に基づいて目標部位Mを検出するように超音波プローブ15の操作をユーザに案内する。
【0066】
さらに、周辺部位メモリ11は、目標部位Mを検出するために有効な1つの周辺部位となり得る複数の周辺部位の候補を記憶し、ユーザが、これらの周辺部位の候補の中から1つを選択して、目標部位Mを検出するための周辺部位として使用してもよい。例えば、周辺部位メモリ11が、1つの周辺部位の候補として部位CおよびDを記憶し、ユーザは、入力部13を介して部位CおよびDのうちいずれか1つを周辺部位として選択することができる。この場合に、操作案内部10は、部位CおよびDのうち入力部13を介してユーザにより選択された周辺部位が検出されるように超音波プローブ15の操作をユーザに案内し、選択された周辺部位に対する認識結果に基づいて目標部位Mを検出するように超音波プローブ15の操作をユーザに案内する。
【0067】
同様に、周辺部位メモリ11は、目標部位Mを検出するために有効な複数の周辺部位となり得る複数の周辺部位の組の候補を記憶し、ユーザが、これらの周辺部位の組の候補の中から1つの組を選択して、目標部位Mを検出するための複数の周辺部位として使用してもよい。例えば、周辺部位メモリ11は、複数の周辺部位の組の候補として、部位A、B、Cからなる組と、部位B、C、Dからなる組を記憶することができる。例えば、この場合には、入力部13を介してユーザにより複数の周辺部位の組の候補のうち1つの組が選択されることにより、操作案内部10は、選択された周辺部位の組に従って、目標部位Mを検出するように超音波プローブ15の操作をユーザに案内することができる。これにより、超音波診断装置1は、被検体の状態等に対して、より適切な周辺部位の組に従った案内をユーザに行うことができるため、より迅速に目標部位Mを検出することが可能である。
【0068】
また、周辺部位メモリ11は、目標部位Mを検出するために有効な複数の周辺部位と、その検出順序を被検体毎に記憶していてもよい。この場合に、例えば、入力部13を介してユーザにより被検体を識別するための識別情報が入力されることにより、操作案内部10は、識別情報により識別された被検体に対して記憶された複数の周辺部位を、この被検体に対して記憶された検出順序に従って順次検出するように、ユーザに超音波プローブ15の操作を案内することができる。これにより、被検体に合わせた適切な周辺部位および検出順序に従って、目標部位Mを検出するため、より迅速に目標部位Mを検出することが可能である。
【0069】
ここで、被検体内の複数の部位のうち、一部の部位は、被検体の状態によって大きさおよび形状等が変化することがある。例えば、一般的に、被検体が食事を行った直後の胆嚢は、被検体が食事を行う前の胆嚢と比較して収縮している。プロセッサ16の部位認識部9は、被検体の状態により部位の大きさおよび形状等が変化した場合であっても、撮像部位を認識することができる。例えば、部位認識部9は、入力部13を介してユーザにより入力された食前、食後等の被検体の状態に関する被検体情報に基づいて、被検体の撮像部位を認識するためのテンプレート等のアルゴリズムを変更することにより、被検体の状態により大きさおよび形状等が変化した部位を認識することができる。例えば、入力部13を介してユーザにより被検体が食後の状態である旨の被検体情報が入力された場合には、部位認識部9は、収縮した胆嚢に対応したアルゴリズムを用いて胆嚢の認識を行うことができる。ここで、被検体情報には、被検体の身長、体重、性別等の情報が含まれていてもよい。
【0070】
このように、部位認識部9が被検体の状態により大きさおよび形状等が変化した部位を認識することにより、目標部位Mを検出するために有効な少なくとも1つの周辺部位の検出が失敗する可能性を低減して、ユーザへの案内がスムーズに行われるため、超音波診断装置1は、より素早く目標部位Mを検出することができる。
【0071】
また、操作案内部10がユーザに対して超音波プローブ15の操作を案内する際に、案内の例として、
図6~
図8に示すように、案内表示G1、G2、G3を超音波画像Uと共に表示部7に表示することを説明しているが、例えば、
図9に示すように、目標部位Mを検出するために表示部7に表示する一連の案内表示G1~G3を超音波画像Uと共に表示し、操作案内部10による案内の進行状況に応じて案内表示G1~G3のいずれかを強調表示することができる。
図9に示す例では、案内表示G1~G3のうち周辺部位Bを探す旨の案内表示G2が強調表示されている。ここで、強調表示とは、特定の案内表示を他の案内表示とは異なる色で表示させる、特定の案内表示の枠を他の案内表示の枠とは異なる種類の線で構成する等、特定の案内表示を他の案内表示とは異なる表示態様で表示させることをいう。これにより、ユーザは、操作案内部10による案内の一連の内容および操作案内部10による案内の進行状況を容易に把握することができるため、目標部位Mを検出するために超音波プローブ15をよりスムーズに操作することができる。
【0072】
なお、
図9に示す例のように、目標部位Mを検出するための一連の案内表示が表示部7に表示される場合に、部位認識部9により既に検出がなされた部位に関する案内表示を、検出済みである旨を表す案内表示に変更することもできる。例えば、図示しないが、
図9に示す例において、周辺部位A1およびA2は既に検出済みであるため、「A1とA2を探せ」という案内表示G1を、「A1とA2を検出済み」という案内表示に変更することができる。これにより、ユーザは、操作案内部10による案内の進行状況をより明確に把握することができる。
【0073】
また、図示しないが、操作案内部10は、表示部7に表示された超音波画像Uに重畳して、例えば、超音波画像U内の周辺部位である門脈の短軸像の近傍に「門脈」というテキストを表示する等、部位認識部9により認識された部位の近傍に、その部位の名称を表すテキストおよび画像等を表示させることができる。この際に、操作案内部10は、例えば、部位の名称を表すテキストおよび画像等から部位認識部9により認識された部位に向かって延びる矢印等のマークを、超音波画像Uに重畳して表示させることもできる。これにより、超音波画像U内の周辺部位、補助部位および目標部位Mをユーザに明確に把握させて、目標部位Mをより容易に且つ迅速に検出することができる。
【0074】
また、図示しないが、操作案内部10は、目標部位Mを検出するために有効な周辺部位を検出するように超音波プローブ15の操作をユーザに案内する際に、現在取得されている超音波画像に並べて参考画像を表示することもできる。ここで、参考画像とは、現在、検出の対象となっている部位を含む画像の参考例である。参考画像としては、例えば、現在の超音波診断の対象である被検体に対して過去に取得した超音波画像、他の被検体の超音波画像、参考書等の文献に掲載された超音波画像等を用いることができる。このように、ユーザは、参考画像を参照しながら超音波プローブ15を操作するため、操作案内部10の案内に従って、超音波プローブ15をよりスムーズに操作することができる。
【0075】
また、図示しないが、超音波診断装置1は、加速度センサ、ジャイロセンサ、磁気センサ、GPS(Global Positioning System:全地球測位システム)等のセンサを含んで構成される姿勢角検出センサを超音波プローブ15に備えることができる。この姿勢角検出センサは、超音波プローブ15の傾きおよびその方向を表す姿勢角を検出するセンサである。これにより、操作案内部10は、目標部位Mを検出するために有効な少なくとも1つの周辺部位が検出された際の超音波プローブ15の姿勢角に基づいて、超音波プローブ15の操作をユーザに案内することができる。
【0076】
例えば、操作案内部10は、超音波プローブ15の現在の姿勢角が、目標部位Mを検出するために最適な被検体の断層画像が得られるような超音波プローブ15の姿勢角から大きく外れた際に、ユーザに注意を促すことができる。また、例えば、操作案内部10は、超音波プローブ15の現在の姿勢角が、目標部位Mを検出するために最適な被検体の断層画像が得られるような超音波プローブ15の姿勢角に近づくように、超音波プローブ15を操作する具体的な方向および角度等を案内することができる。
【0077】
実施の形態2
実施の形態1では、目標部位Mの具体的な例として、総胆管を検出する例が示されているが、他の部位を検出する場合にも、本発明が適用される。実施の形態2では、総胆管とは異なる目標部位Mの具体例として、
図10~
図13を用いて、虫垂が検出される場合の超音波診断装置1の動作を紹介する。ここでは、周辺部位メモリ11は、虫垂を検出するために有効な周辺部位Aとして上行結腸の短軸像を、周辺部位Bとして盲腸の長軸像を、周辺部位Cとして回腸の長軸像を記憶し、さらに、周辺部位A、周辺部位B、周辺部位Cの順番でそれぞれの周辺部位の検出が行われるような検出順序を記憶しているとする。
【0078】
ここで、上行結腸の短軸像とは、上行結腸の中心軸に直交する平面で上行結腸を切断した横断面像のことを表し、盲腸の長軸像とは、盲腸の中心軸に沿って盲腸を切断した縦断面像のことを表し、回腸の長軸像とは、回腸の中心軸に沿って回腸を切断した縦断面像のことを表す。
【0079】
まず、操作案内部10は、上行結腸の短軸像である周辺部位Aを探すようにユーザに対して案内を行う。この際に、操作案内部10は、例えば
図10に示すように、周辺部位Aを探す旨の案内表示G4を超音波画像Uと共に表示部7に表示することができる。ここで、案内表示G4は、
図10に示されるように、テキストを含んでいてもよく、ユーザに対する案内を表す案内画像を含んでいてもよい。
【0080】
周辺部位Aを探す旨の案内が行われると、ユーザは、操作案内部10による案内に従って周辺部位Aが検出されるように超音波プローブ15を操作する。このように、超音波プローブ15がユーザにより操作されている状態の下、部位認識部9により、周辺部位Aの検出処理が行われる。
【0081】
次に、操作案内部10は、周辺部位Aが検出されたか否かを判定する。周辺部位Aが検出されていない場合には、操作案内部10により、周辺部位Aを探す旨の案内が再度行われ、部位認識部9により、周辺部位Aの検出処理が行われる。このようにして、周辺部位Aが検出されるまで、操作案内部10による案内の処理および部位認識部9による周辺部位Aの検出処理が繰り返される。
【0082】
周辺部位Aが検出されたと操作案内部10により判定された場合には、操作案内部10は、例えば
図11に示すように、盲腸の長軸像である周辺部位Bを探すようにユーザに対して案内を行う。この際に、操作案内部10は、周辺部位Bを探す旨の案内表示G5を超音波画像Uと共に表示部7に表示することができる。ここで、操作案内部10は、例えば、案内表示G5において、超音波プローブ15の向きを90度回転させて周辺部位Bを含む断層画像を取得する旨のメッセージを表示する等、具体的な指示をユーザに向けて行うことができる。
【0083】
周辺部位Bを探す旨の案内が行われると、ユーザは、操作案内部10による案内に従って周辺部位Bが検出されるように超音波プローブ15を操作する。このように、超音波プローブ15がユーザにより操作されている状態の下、部位認識部9により、周辺部位Bの検出処理が行われる。また、この際に、部位認識部9は、例えば
図11に示すように、補助部位X1として上行結腸の長軸像等を認識し、その認識結果を加味して周辺部位Bを検出することができる。ここで、上行結腸の長軸像とは、上行結腸の中心軸に沿って上行結腸を切断した縦断画像のことを表す。
【0084】
次に、操作案内部10は、周辺部位Bが検出されたか否かを判定する。周辺部位Bが検出されていない場合には、操作案内部10により、周辺部位Bを探す旨の案内が再度行われ、部位認識部9により、周辺部位Bの検出処理が行われる。このようにして、周辺部位Bが検出されるまで、操作案内部10による案内の処理および部位認識部9による周辺部位Bの検出処理が繰り返される。
【0085】
周辺部位Bが検出されたと操作案内部10により判定された場合には、操作案内部10は、例えば
図12に示すように、回腸の長軸像である周辺部位Cを探すようにユーザに対して案内を行う。この際に、操作案内部10は、周辺部位Cを探す旨の案内表示G6を超音波画像Uと共に表示部7に表示することができる。ここで、操作案内部10は、例えば、案内表示G6において、超音波プローブ15を左側に傾けて周辺部位Cを含む断層画像を取得する旨のメッセージを表示する等、具体的な指示をユーザに向けて行うことができる。
【0086】
周辺部位Cを探す旨の案内が行われると、ユーザは、操作案内部10による案内に従って周辺部位Cが検出されるように超音波プローブ15を操作する。このように、超音波プローブ15がユーザにより操作されている状態の下、部位認識部9により、周辺部位Cの検出処理が行われる。
【0087】
次に、操作案内部10は、周辺部位Cが検出されたか否かを判定する。周辺部位Cが検出されていない場合には、操作案内部10により、周辺部位Cを探す旨の案内が再度行われ、部位認識部9により、周辺部位Cの検出処理が行われる。このようにして、周辺部位Cが検出されるまで、操作案内部10による案内の処理および部位認識部9による周辺部位Cの検出処理が繰り返される。
【0088】
周辺部位Cが検出されたと操作案内部10により判定された場合には、操作案内部10は、例えば
図13に示すように、虫垂の長軸像である目標部位Mを探すようにユーザに対して案内を行う。ここで、虫垂の長軸像とは、虫垂の中心軸に沿って虫垂を切断した縦断画像のことを表す。また、この際に、操作案内部10は、周辺部位Cを探す旨の案内表示G7を超音波画像Uと共に表示部7に表示することができる。ここで、操作案内部10は、例えば、案内表示G7において、超音波プローブ15の姿勢を維持しながら下方に動かして目標部位Mを含む断層画像を取得する旨のメッセージを表示する等、具体的な指示をユーザに向けて行うことができる。
【0089】
このようにして、目標部位Mを探す旨の案内がなされると、部位認識部9により目標部位Mの検出処理がなされ、操作案内部10により、目標部位Mが検出されたか否かの判定がなされる。この際に、部位認識部9は、例えば
図13に示すように、補助部位X2として回腸の長軸像を認識し、補助部位X3として盲腸の長軸像を認識し、それらの認識結果を加味して目標部位Mを検出することができる。目標部位Mが検出されていない場合には、操作案内部10により、目標部位Mを探す旨の案内がなされ、部位認識部9により、目標部位Mの検出処理が行われる。このようにして、目標部位Mが検出されるまで、操作案内部10による案内の処理および部位認識部9による目標部位Mの検出処理が繰り返される。
【0090】
目標部位Mが検出されたと操作案内部10により判定された場合には、操作案内部10は、ユーザに対して、表示部7に目標部位Mの断面が表示されている旨を通知する。これにより、目標部位Mである虫垂を検出するための超音波診断装置1の動作が終了する。
【0091】
以上のように、例えば虫垂のように、総胆管とは異なる目標部位Mを検出する場合でも、実施の形態1の態様と同様に、目標部位Mを検出するために有効な少なくとも1つの周辺部位を検出するように超音波プローブ15の操作をユーザに案内し、その少なくとも1つの周辺部位の認識結果に基づいて、目標部位Mを検出するように超音波プローブ15の操作をユーザに案内するため、不要な画像認識処理を行う必要がなく、超音波診断装置1の計算負荷を軽減しながら、目標部位Mを容易に且つ迅速に検出することができる。
【0092】
実施の形態3
人体の頸部には、頭部側から、第1頸椎~第7頸椎の7つの頸椎が存在しており、第1頸椎~第7頸椎には、脊髄が挿通されている。また、脊髄から、7つの頸椎のそれぞれを介して複数の神経が延びている。これらの神経の神経根は、疾患等の診断の際、いわゆる神経ブロック等の施術の際等に、超音波診断装置を用いて観察されることが多いが、第1頸椎~第7頸椎の神経根のうち、第5頸椎~第7頸椎の神経根は、互いに隣接し並走しているため、熟練度の低いユーザにとっては、超音波画像を観察することにより第5頸椎~第7頸椎の神経根を特定することが困難なことが多かった。
【0093】
また、第5頸椎~第7頸椎の神経根のうち、第6頸椎の神経根は、比較的容易に長軸像が描出されることが知られている。そこで、実施の形態3では、第6頸椎の神経根を周辺部位とし、第5頸椎の神経根および第7頸椎の神経根を目標部位として検出する場合の超音波診断装置1の動作を紹介する。
なお、第6頸椎の神経根の長軸像とは、第6頸椎の神経根の中心軸に沿って第6頸椎の神経根を切断した縦断面像のことを表す。
【0094】
ここで、
図14に、第5頸椎C5、第6頸椎C6、第7頸椎C7を模式的に示す。第5頸椎C5、第6頸椎C6、第7頸椎C7は、それぞれ、横突起K5、K6、K7を有している。また、
図15に示すように、脊髄Sから第5頸椎C5の横突起K5に沿って、第5頸椎C5の神経根N5が延びている。図示しないが、第5頸椎C5と同様に、脊髄Sから第6頸椎C6の横突起K6に沿って第6頸椎C6の神経根N6が延び、脊髄Sから第7頸椎C7の横突起K7に沿って第7頸椎C7の神経根N7が延びている。
【0095】
超音波診断装置1の周辺部位メモリ11は、第5頸椎C5の神経根N5および第7頸椎C7の神経根N7を検出するために有効な周辺部位として第6頸椎C6の神経根N6の長軸像を記憶し、さらに、第6頸椎C6の神経根N6、第5頸椎C5の神経根N5、第7頸椎C7の神経根N7の順番で検出が行われるような検出順序を記憶しているとする。
【0096】
図16に、実施の形態3に係る超音波診断装置1の動作を表すフローチャートを示す。
まず、ステップS31において、操作案内部10は、周辺部位として、第6頸椎C6の神経根N6の長軸像を探すようにユーザに対して案内を行う。この際に、操作案内部10は、例えば、第6頸椎C6の神経根N6を探す旨の案内表示を超音波画像Uと共に表示部7に表示することができる。ここで、この案内表示は、テキストを含んでいてもよく、ユーザに対する案内を表す案内画像を含んでいてもよい。
【0097】
第6頸椎C6の神経根N6を探す旨の案内が行われると、ユーザは、操作案内部10による案内に従って第6頸椎C6の神経根N6が検出されるように超音波プローブ15を操作する。このようにして、超音波プローブ15がユーザにより操作されている状態の下、ステップS32において、部位認識部9により、第6頸椎C6の神経根N6の検出処理が行われる。ここで、第6頸椎C6の神経根N6の長軸像は、椎骨動脈と隣接して一緒に描出されることが知られている。そのため、部位認識部9は、例えば、第6頸椎C6の神経根の検出処理を行う際に、椎骨動脈の検出処理も行い、神経根の長軸像と隣接して一緒に描出された椎骨動脈が検出された場合に、この神経根を、第6頸椎C6の神経根N6として検出することができる。ここで、部位認識部9は、いわゆるテンプレートマッチング等を用いて、超音波画像Uに描出されている第6頸椎C6の神経根N6および椎骨動脈を検出することができる。
【0098】
次に、ステップS33において、操作案内部10は、第6頸椎C6の神経根N6が検出されたか否かを判定する。第6頸椎C6の神経根N6が検出されていないとステップS33で判定された場合には、ステップS31に戻って操作案内部10により、第6頸椎C6の神経根N6を探す旨の案内が再度行われ、続くステップS32において部位認識部9により、第6頸椎C6の神経根N6の検出処理が行われる。このようにして、第6頸椎C6の神経根N6が検出されるまで、ステップS31~ステップS33の処理が繰り返される。
【0099】
ステップS33において第6頸椎C6の神経根N6が検出されたと操作案内部10により判定された場合には、ステップS34に進む。ステップS34において、操作案内部10は、目標部位として、第5頸椎C5の神経根N5の長軸像を探すようにユーザに対して案内を行う。この際に、操作案内部10は、第5頸椎C5の神経根N5の長軸像を探す旨の案内表示を超音波画像Uと共に表示部7に表示することができる。ここで、操作案内部10は、例えば、案内表示において、超音波プローブ15を上に移動させて、すなわち、超音波プローブ15を被検体の頭部側に移動させて、第5頸椎C5の神経根N5を含む断層画像を取得する旨のメッセージを表示する等、具体的な指示をユーザに向けて行うことができる。なお、第5頸椎C5の神経根N5の長軸像とは、第5頸椎C5の神経根N5の中心軸に沿って第5頸椎C5の神経根N5を切断した縦断画像のことを表す。
【0100】
ステップS34で第5頸椎C5の神経根N5の長軸像を探す旨の案内が行われると、ユーザは、操作案内部10による案内に従って第5頸椎C5の神経根N5の長軸像が描出されるように超音波プローブ15を操作する。このように、超音波プローブ15がユーザにより操作されている状態の下、ステップS35において部位認識部9により、第5頸椎C5の神経根N5の検出処理が行われる。ここで、第5頸椎C5の神経根N5、第6頸椎C6の神経根N6、第7頸椎C7の神経根N7が互いに類似の形状を有しているため、部位認識部9は、超音波画像U内に存在する神経根の長軸像らしい形状を、第5頸椎C5の神経根N5の長軸像として検出する。
【0101】
次に、ステップS36において、操作案内部10は、第5頸椎C5の神経根N5の長軸像が検出されたか否かを判定する。第5頸椎C5の神経根N5の長軸像が検出されていないとステップS36で判定された場合には、ステップS34に戻って操作案内部10により第5頸椎C5の神経根N5を探す旨の案内が再度行われ、続くステップS35において部位認識部9により第5頸椎C5の神経根N5の検出処理が行われる。このようにして、第5頸椎C5の神経根N5の長軸像が検出されるまで、ステップS34~ステップS36の処理が繰り返される。
【0102】
第5頸椎C5の神経根N5の長軸像が検出されたとステップS36で判定された場合には、ステップS37に進む。ステップS37において、操作案内部10は、目標部位として、第7頸椎C7の神経根N7の長軸像を探すようにユーザに対して案内を行う。この際に、操作案内部10は、第7頸椎C7の神経根N7の長軸像を探す旨の案内表示を超音波画像Uと共に表示部7に表示することができる。ここで、操作案内部10は、例えば、案内表示において、超音波プローブ15を下に移動させて、すなわち、超音波プローブ15を被検体の胴体部側に移動させて、第7頸椎C7の神経根N7を含む断層画像を取得する旨のメッセージを表示する等、具体的な指示をユーザに向けて行うことができる。なお、第7頸椎C7の神経根N7の長軸像とは、第7頸椎C7の神経根N7の中心軸に沿って第7頸椎C7の神経根N7を切断した縦断画像のことを表す。
【0103】
ステップS37において第7頸椎C7の神経根N7の長軸像を探す旨の案内が行われると、ユーザは、操作案内部10による案内に従って第7頸椎C7の神経根N7の長軸像が描出されるように超音波プローブ15を操作する。このように、超音波プローブ15がユーザにより操作されている状態の下、ステップS38において部位認識部9により、第7頸椎C7の神経根N7の検出処理が行われる。この際に、部位認識部9は、第5頸椎C5の神経根N5を検出する場合と同様に、神経根の長軸像らしい形状を第7頸椎C7の神経根N7として検出する。
【0104】
次に、ステップS39において、操作案内部10は、第7頸椎C7の神経根N7の長軸像が検出されたか否かを判定する。第7頸椎C7の神経根N7の長軸像が検出されていないとステップS39で判定された場合には、ステップS37に戻って操作案内部10により、第7頸椎C7の神経根N7を探す旨の案内が再度行われ、続くステップS38において部位認識部9により、第7頸椎C7の神経根N7の検出処理が行われる。このようにして、第7頸椎C7の神経根N7の長軸像が検出されるまで、ステップS37~ステップS39の処理が繰り返される。ステップS39において、第7頸椎C7の神経根N7の長軸像が検出されたと判定された場合には、実施の形態3に係る超音波診断装置の動作が終了する。
【0105】
ここで、従来、ユーザは、取得された超音波画像を観察することにより、第5頸椎C5の神経根N5、第6頸椎C6の神経根N6、第7頸椎C7の神経根N7を特定するが、第5頸椎C5の神経根N5、第6頸椎C6の神経根N6、第7頸椎C7の神経根N7は、互いに隣接し並走しているため、熟練度の低いユーザにとって、これらの神経根を超音波画像から特定することは困難なことが多かった。しかしながら、以上のように、第6頸椎C6の神経根N6を周辺部位とし、第5頸椎C5の神経根N5および第7頸椎C7の神経根N7を目標部位として、第6頸椎C6の神経根N6の検出結果に基づいて第5頸椎C5の神経根N5および第7頸椎C7の神経根N7を探すように超音波プローブ15の操作をユーザに案内することにより、ユーザの熟練度に関わらず、第5頸椎C5の神経根N5および第7頸椎C7の神経根N7を容易に且つ迅速に検出することができる。
【0106】
ところで、
図14に示すように、解剖学的に、第5頸椎C5の横突起K5と、第6頸椎C6の横突起K6と、第7頸椎C7の横突起K7は、互いに異なる形状を有している。実施の形態3では、部位認識部9は、神経根の長軸像らしい形状を検出することにより、第5頸椎C5の神経根N5の長軸像および第7頸椎C7の神経根N7を検出しているが、検出された神経根の周囲に存在する横突起の形状に基づいて、検出された神経根が第5頸椎C5の神経根N5であるか第7頸椎C7の神経根N7であるかを確認することができる。
【0107】
この場合には、例えば、ステップS36で第5頸椎C5の神経根N5の長軸像が検出されたことをトリガとして、操作案内部10により、第5頸椎C5の神経根N5の短軸像を探すようにユーザに対して案内が行われる。この際に、操作案内部10は、第5頸椎C5の神経根N5の短軸像を探す旨の案内表示を超音波画像Uと共に表示部7に表示することができる。ここで、操作案内部10は、例えば、案内表示において、超音波プローブ15の向きを90度回転させて第5頸椎C5の神経根N5の短軸像を含む断層画像を取得する旨のメッセージを表示する等、具体的な指示をユーザに向けて行うことができる。なお、第5頸椎C5の神経根N5の短軸像とは、第5頸椎C5の神経根N5の中心軸に直交する平面で第5頸椎C5の神経根N5を切断した横断画像のことを表す。
【0108】
第5頸椎C5の神経根N5の短軸像を探す旨の案内が行われると、ユーザは、操作案内部10による案内に従って第5頸椎C5の神経根N5の短軸像が描出されるように超音波プローブ15を操作する。このように、超音波プローブ15がユーザにより操作されている状態の下、部位認識部9により、第5頸椎C5の神経根N5の短軸像の検出処理が行われる。この際に、部位認識部9は、神経根の周囲に存在する横突起を検出する処理を行い、神経根と一緒に検出された横突起の形状が、第5頸椎C5の横突起K5に特有の形状である場合に、検出された神経根を第5頸椎C5の神経根N5として検出することができる。
【0109】
また、例えば、ステップS39で第7頸椎C7の神経根N7の長軸像が検出されたことをトリガとして、操作案内部10により、第7頸椎C7の神経根N7の短軸像を探すようにユーザに対して案内が行われる。この際に、操作案内部10は、第7頸椎C7の神経根N7の短軸像を探す旨の案内表示を超音波画像Uと共に表示部7に表示することができる。ここで、操作案内部10は、例えば、案内表示において、超音波プローブ15の向きを90度回転させて第7頸椎C7の神経根N7の短軸像を含む断層画像を取得する旨のメッセージを表示する等、具体的な指示をユーザに向けて行うことができる。なお、第7頸椎C7の神経根N7の短軸像とは、第7頸椎C7の神経根N7の中心軸に直交する平面で第7頸椎C7の神経根N7を切断した横断画像のことを表す。
【0110】
第7頸椎C7の神経根N7の短軸像を探す旨の案内が行われると、ユーザは、操作案内部10による案内に従って第7頸椎C7の神経根N7の短軸像が描出されるように超音波プローブ15を操作する。このように、超音波プローブ15がユーザにより操作されている状態の下、部位認識部9により、第7頸椎C7の神経根N7の短軸像の検出処理が行われる。この際に、部位認識部9は、神経根の周囲に存在する椎骨の形状を検出する処理を行い、神経根と一緒に検出された横突起の形状が、第7頸椎C7の横突起K7に特有の形状である場合に、検出された神経根を第7頸椎C7の神経根N7として検出することができる。
このように、部位認識部9が神経根の周囲に存在する椎骨の形状を検出することにより、第5頸椎C5の神経根N5および第7頸椎C7の神経根N7の検出精度を向上させることができる。
【0111】
また、部位認識部9は、第6頸椎C6の神経根N6の検出処理を行う際に、神経根の長軸像と一緒に椎骨動脈が検出された場合に、この神経根を第6頸椎C6の神経根N6として検出しているが、さらに、第5頸椎C5の神経根N5および第7頸椎C7の神経根N7の検出処理と同様に、神経根の周囲に存在する横突起の形状に基づいて、検出された神経根が第6頸椎C6の神経根N6であることを確認することもできる。この場合には、例えば、第6頸椎C6の神経根N6の長軸像が検出されたことをトリガとして、まず、第6頸椎C6の神経根N6の短軸像を探す旨の案内がなされ、さらに、第6頸椎C6の神経根N6の短軸像が検出されたことをトリガとして、第5頸椎C5の神経根N5の長軸像を探す旨の案内がなされる。ここで、第6頸椎C6の神経根N6の短軸像とは、第6頸椎C6の神経根N6の中心軸に直交する平面で第6頸椎C6の神経根N6を切断した横断画像のことを表す。
【0112】
ここで、操作案内部10により、第6頸椎C6の神経根N6の短軸像を探す旨の案内が行われると、ユーザは、操作案内部10による案内に従って第6頸椎C6の神経根N6の短軸像が描出されるように超音波プローブ15を操作する。このように、超音波プローブ15がユーザにより操作されている状態の下、部位認識部9により、第6頸椎C6の神経根N6の検出処理が行われる。部位認識部9は、第6頸椎C6の神経根N6の短軸像を検出する処理を行う際に、神経根の周囲に存在する横突起の形状を検出する処理を行い、神経根と一緒に検出された横突起の形状が、第6頸椎C6の横突起K6に特有の形状を有している場合に、この神経根を第6頸椎C6の神経根N6として検出することができる。これにより、第6頸椎C6の神経根N6に対する検出精度を向上させることができるため、ユーザが、第5頸椎C5の神経根N5および第7頸椎C7の神経根N7を精度良く探すことができる。
【0113】
また、部位認識部9は、第6頸椎C6の神経根N6を検出する際に、いわゆるテンプレートマッチング等の画像解析により、第6頸椎C6の神経根の長軸像と一緒に描出される椎骨動脈を検出しているが、椎骨動脈の内部には血流が存在しているため、いわゆるドプラ信号に基づいて椎骨動脈を検出することもできる。
【0114】
また、操作案内部10により、第5頸椎C5の神経根N5の長軸像を探す旨の案内がなされてから、第5頸椎C5の神経根N5の長軸像が検出されずに一定の時間が経過した場合には、ユーザが超音波プローブ15をどの位置に移動させればよいか迷っていると判断して、操作案内部10は、ユーザに対して、第6頸椎C6の神経根N6の長軸像を再度描出する旨の案内をすることができる。また、操作案内部10により、第7頸椎C7の神経根N7の長軸像を探す旨の案内がなされてから、第7頸椎C7の神経根N7の長軸像が検出されずに一定の時間が経過した場合も同様に、操作案内部10は、ユーザに対して、第6頸椎C6の神経根N6の長軸像を再度描出する旨の案内をすることができる。このようにして、再度、第6頸椎C6の神経根N6の長軸像を描出するようにユーザに案内を行うことにより、ユーザが、第6頸椎C6の神経根N6の位置を基準として第5頸椎C5の神経根N5および第7頸椎C7の神経根N7を描出しやすくなる。
【0115】
また、解剖学的に、第5頸椎C5の神経根N5、第6頸椎C6の神経根N6、第7頸椎C7の神経根N7は、互いに隣接し且つ近接した位置に存在している。そのため、第6頸椎C6の神経根N6の長軸像を描出してから第5頸椎C5の神経根N5の長軸像を描出するまでの間、第6頸椎C6の神経根N6の長軸像を描出してから第7頸椎C7の神経根N7の長軸像を描出するまでの間に、順次取得される超音波画像U内に描出される画像パターンは、通常、変化が少ない。そこで、操作案内部10により、第5頸椎C5の神経根N5の長軸像または第7頸椎C7の神経根N7の長軸像を探す旨の案内がなされた時点の超音波画像と、順次取得される超音波画像Uとの類似度が定められた閾値を超えた場合に、超音波プローブ15の位置が第5頸椎C5の神経根N5、第6頸椎C6の神経根N6、第7頸椎C7の神経根N7から遠ざかってしまったと判断して、操作案内部10は、第6頸椎C6の神経根N6の長軸像を再度描出する旨の案内をすることができる。
【0116】
また、操作案内部10は、第6頸椎C6の神経根N6、第5頸椎C5の神経根N5、第7頸椎C7の神経根N7の順に神経根を探す旨をユーザに案内しているが、第6頸椎C6の神経根N6、第7頸椎C7の神経根N7、第5頸椎C5の神経根N5の順に神経根を探す旨をユーザに案内することもできる。この場合にも、第6頸椎C6の神経根N6、第5頸椎C5の神経根N5、第7頸椎C7の神経根N7の順に神経根を探す旨をユーザに案内する場合と同様に、ユーザの熟練度に関わらず、第5頸椎C5の神経根N5および第7頸椎C7の神経根N7を容易に且つ迅速に検出することができる。
【0117】
また、第5頸椎C5の横突起K5の形状を検出することにより第5頸椎C5の神経根N5の短軸像が検出され、第7頸椎C7の横突起K7の形状を検出することにより第7頸椎C7の神経根N7が検出されているが、部位認識部9は、機械学習手法、ディープラーニングを用いた一般画像認識手法により、第5頸椎C5の神経根N5の短軸像および第7頸椎C7の神経根N7の短軸像を分類することもできる。同様に、第6頸椎C6の神経根N6の短軸像も、機械学習手法、ディープラーニングを用いた一般画像認識手法により分類されることができる。
【0118】
実施の形態4
図17に、実施の形態4に係る超音波診断装置1Aの構成を示す。実施の形態4の超音波診断装置1Aは、
図1に示す実施の形態1の超音波診断装置1において、装置制御部12の代わりに装置制御部12Aが備えられ、輪郭生成部22が追加されたものである。超音波診断装置1Aにおいて、部位認識部9に輪郭生成部22が接続されており、輪郭生成部22は、表示制御部6に接続されている。また、表示制御部6、画像取得部8、部位認識部9、操作案内部10、入力部13、格納部14および輪郭生成部22に、装置制御部12Aが接続されている。
さらに、表示制御部6、画像取得部8、部位認識部9、操作案内部10、装置制御部12Aおよび輪郭生成部22により、プロセッサ16Aが構成されている。
【0119】
プロセッサ16Aの輪郭生成部22は、装置制御部12Aの制御の下、部位認識部9により認識された少なくとも1つの周辺部位、補助部位および目標部位Mの輪郭を生成する。このようにして輪郭生成部22により生成された輪郭は、表示制御部6を介して、例えば、
図18~
図21に示すように、表示部7において、超音波画像Uに重畳して表示される。
図18に示す例では、上行結腸の短軸像である周辺部位Aの輪郭を表す輪郭線CL1が、超音波画像Uに重畳して表示されている。
図19に示す例では、盲腸の長軸像である周辺部位Bの輪郭線CL2と、上行結腸の長軸像である補助部位X1の輪郭線CL3が、超音波画像Uに重畳して表示されている。
図20に示す例では、回腸の長軸像である周辺部位Cの輪郭線CL4が超音波画像Uに重畳して表示されている。
図21に示す例では、虫垂の長軸像である目標部位Mの輪郭線CL5と、回腸の長軸像である補助部位X2の輪郭線CL6が、超音波画像Uに重畳して表示されている。
【0120】
このようにして、輪郭生成部22は、部位認識部9により周辺部位、補助部位および目標部位Mが検出される毎に、検出された少なくとも1つの周辺部位、補助部位および目標部位の輪郭を生成し、超音波画像Uに重畳して表示させる。
これにより、実施の形態4に係る超音波診断装置1Aによれば、超音波画像Uに含まれる周辺部位、補助部位および目標部位Mの位置をユーザに容易に把握させることができるため、周辺部位および目標部位をさらに容易に検出することができる。
【0121】
なお、実施の形態4では、虫垂を目標部位Mとして検出する場合に、輪郭生成部22が上行結腸、盲腸、回腸、虫垂の輪郭を生成する例を示しているが、輪郭生成部22は、虫垂とは異なる総胆管等の部位を目標部位Mとして検出する場合でも同様に、周辺部位、補助部位および目標部位Mの輪郭を生成することができる。
【0122】
また、輪郭生成部22は、生成された周辺部位、補助部位および目標部位Mの輪郭を、表示部7において強調表示させることもできる。例えば、輪郭生成部22は、生成された輪郭を表す輪郭線を、超音波画像Uに用いられている色とは異なる色で表示させることができる。また、例えば、輪郭生成部22は、生成された輪郭を表す輪郭線を、点滅表示させることもできる。これにより、ユーザは、超音波画像Uに含まれている周辺部位、補助部位および目標部位Mをより明確に把握することができる。
【0123】
また、輪郭生成部22は、部位認識部9により認識された周辺部位、補助部位および目標部位Mを表す領域、すなわち、生成された輪郭の内側の領域を、超音波画像Uに用いられている色とは異なる色で表示部7に表示させることができる。これにより、ユーザは、超音波画像Uに含まれている周辺部位、補助部位および目標部位Mをさらに明確に把握することができる。
【0124】
実施の形態5
実施の形態1、2、4では、目標部位Mを検出するために有効な複数の周辺部位のそれぞれを検出しているが、複数の周辺部位のうち一部の周辺部位の検出をスキップすることができる。ここで、実施の形態5に係る超音波診断装置1は、
図1に示す実施の形態1に係る超音波診断装置1と同一の構成を有している。
【0125】
図22に、実施の形態5に係る超音波診断装置1の動作を表すフローチャートを示す。このフローチャートにおけるステップS1~ステップS10は、
図4に示すフローチャートにおけるステップS1~ステップS10と同一である。
まず、ステップS1において周辺部位Aを探す旨の案内が操作案内部10によりなされると、ステップS2において周辺部位Aの検出処理が部位認識部9によりなされ、続くステップS3において周辺部位Aが検出されたか否かの判定が操作案内部10によりなされる。
【0126】
周辺部位Aが検出されていない場合には、ステップS21に進む。ステップS21において、操作案内部10は、ステップS1において周辺部位Aを探す旨の案内がなされた時点からの経過時間Tが閾値時間Tthを超えたか否かを判定する。経過時間Tが閾値時間Tth以下である場合には、ステップS1に戻り、操作案内部10により周辺部位Aを探す旨の案内がなされる。続くステップS2において周辺部位Aの検出処理がなされると、ステップS3において周辺部位Aが検出されたか否かが判定される。このようにして、ステップS1において周辺部位Aを探す旨の案内がなされてから閾値時間Tthが経過するまでに周辺部位Aが検出されない間は、ステップS1~ステップS3およびステップS21の処理が繰り返される。
【0127】
ステップS21において、経過時間Tが閾値時間Tthを超えたと判定された場合には、ステップS22に進み、操作案内部10により、周辺部位Aの検出がスキップされて、ステップS4に進む。また、ステップS3において、周辺部位Aが検出されたと判定された場合にも、ステップS4に進む。
【0128】
ステップS4において、周辺部位Bを探す旨の案内が操作案内部10によりなされると、ステップS5において部位認識部9により周辺部位Bの検出処理がなされ、続くステップS6において操作案内部10により周辺部位Bが検出されたか否かの判定がなされる。周辺部位Bが検出されてない場合には、ステップS4に戻り、周辺部位Bを探す旨の案内がなされる。次に、ステップS5において周辺部位Bの検出処理がなされ、ステップS6において周辺部位Bが検出されたか否かの判定がなされる。このようにして、周辺部位Bが検出されるまでステップS4~ステップS6の処理が繰り返される。
【0129】
周辺部位Bが検出されたとステップS6において判定された場合には、ステップS7に進む。ステップS7において、目標部位Mを探す旨の案内が操作案内部10によりなされると、ステップS8において部位認識部9により目標部位Mの検出処理がなされ、続くステップS9において操作案内部10により目標部位Mが検出されたか否かの判定がなされる。目標部位Mが検出されていない場合には、ステップS7に戻り、目標部位Mを探す旨の案内がなされる。次に、ステップS8において目標部位Mの検出処理がなされ、ステップS9において目標部位Mが検出されたか否かの判定がなされる。このようにして、目標部位Mが検出されるまでステップS7~ステップS9の処理が繰り返される。
【0130】
目標部位Mが検出されたとステップS9において判定された場合には、ステップS10に進み、操作案内部10により、目標部位Mの断面が表示部7に表示されている旨の通知がなされる。こうして、実施の形態5に係る超音波診断装置1の動作が終了する。
【0131】
以上のように、実施の形態5に係る超音波診断装置1によれば、操作案内部10による案内が行われてから閾値時間Tthが経過するまでに周辺部位が検出できない場合に、この周辺部位の検出をスキップするため、例えば被検体の状態等により検出が難しい周辺部位に対して複数回の検出処理をする必要がなく、目標部位Mをより迅速に検出することが可能である。
【0132】
なお、実施の形態5では、2つの周辺部位AおよびBのうち、周辺部位Aの検出処理をスキップしているが、周辺部位Aの代わりに周辺部位Bの検出処理をスキップすることもできる。
【0133】
また、実施の形態5では、操作案内部10による案内が行われてから閾値時間Tthが経過するまでに周辺部位が検出できない場合に、その周辺部位の検出処理をスキップしているが、周辺部位の検出処理をスキップするためのトリガは、これに限定されない。
【0134】
例えば、操作案内部10は、部位認識部9による周辺部位の認識結果に基づいて、目標部位Mを検出するために有効な複数の周辺部位のうち一部の周辺部位の検出処理をスキップすることができる。例えば、目標部位Mを検出するために有効な周辺部位として、周辺部位AおよびBが周辺部位メモリ11に記憶されている場合に、操作案内部10は、周辺部位Aが検出されたことにより周辺部位Bの検出が不要と判断して、周辺部位Bの検出処理をスキップすることができる。
【0135】
また、例えば、操作案内部10は、入力部13を介してユーザにより入力された修正情報に基づいて、目標部位Mを検出するために有効な複数の周辺部位のうち一部の周辺部位の検出処理をスキップすることができる。例えばユーザは、修正情報として、検出処理をスキップする周辺部位を、入力部13を介して入力することができる。例えば、目標部位Mを検出するために有効な複数の周辺部位として周辺部位AおよびBが周辺部位メモリ11に記憶されている場合に、修正情報として周辺部位Aをスキップする旨の情報を、ユーザが入力部13を介して入力することにより、操作案内部10は、周辺部位Aの検出処理をスキップする。
【0136】
また、例えば、操作案内部10は、入力部13を介してユーザにより入力された被検体の状態に関する被検体情報に基づいて、目標部位Mを検出するために有効な複数の周辺部位のうち一部の周辺部位の検出処理をスキップすることができる。例えば、目標部位Mを検出するために有効な複数の周辺部位に胆嚢が含まれ、入力部13を介してユーザにより、被検体が食後の状態であることが入力された場合に、操作案内部10は、胆嚢が通常とは異なる収縮した状態であると判断して、胆嚢の検出処理をスキップすることができる。
【0137】
実施の形態6
実施の形態5では、目標部位Mを検出するために有効な複数の周辺部位のうち一部の周辺部位の検出をスキップしているが、複数の周辺部位の検出順序を変更してユーザに対する案内を行うこともできる。ここで、実施の形態6に係る超音波診断装置1は、
図1に示す実施の形態1に係る超音波診断装置1と同一の構成を有している。
【0138】
図23に、実施の形態6に係る超音波診断装置1の動作を表すフローチャートを示す。このフローチャートにおけるステップS1~ステップS10は、
図4に示すフローチャートにおけるステップS1~ステップS10と同一であり、ステップS21は、
図22に示すフローチャートにおけるステップS21と同一である。
まず、ステップS1において周辺部位Aを探す旨の案内が操作案内部10によりなされると、ステップS2において周辺部位Aの検出処理が部位認識部9によりなされ、続くステップS3において周辺部位Aが検出されたか否かの判定が操作案内部10によりなされる。
【0139】
周辺部位Aが検出されていない場合には、ステップS21に進む。ステップS21において、操作案内部10は、ステップS1において周辺部位Aを探す旨の案内がなされた時点からの経過時間Tが閾値時間Tthを超えたか否かを判定する。経過時間Tが閾値時間Tth以下である場合には、ステップS1に戻り、操作案内部10により周辺部位Aを探す旨の案内がなされる。続くステップS2において周辺部位Aの検出処理がなされると、ステップS3において周辺部位Aが検出されたか否かが判定される。このようにして、ステップS1において周辺部位Aを探す旨の案内がなされてから閾値時間Tthが経過するまでに周辺部位Aが検出されない間は、ステップS1~ステップS3およびステップS21の処理が繰り返される。
【0140】
ステップS21において、経過時間Tが閾値時間Tthを超えたと判定された場合には、ステップS23に進む。ステップS23において、操作案内部10は、周辺部位Aの検出順序を変更する。例えば、操作案内部10は、周辺部位Aが検出された後に、周辺部位Bが検出されるような検出順序を、周辺部位Bが検出された後に、周辺部位Aが検出されるような検出順序に変更する。周辺部位Aの検出順序がステップS21において変更されると、ステップS4に進む。また、ステップS3において、周辺部位Aが検出されたと判定された場合にも、ステップS4に進む。
【0141】
ステップS4において、周辺部位Bを探す旨の案内が操作案内部10によりなされると、ステップS5において部位認識部9により周辺部位Bの検出処理がなされ、続くステップS6において操作案内部10により周辺部位Bが検出されたか否かの判定がなされる。周辺部位Bが検出されていないと判定された場合には、ステップS4に戻り、周辺部位Bを探す旨の案内がなされる。次に、ステップS5において周辺部位Bの検出処理がなされ、ステップS6において周辺部位Bが検出されたか否かの判定がなされる。このようにして、周辺部位Bが検出されるまでステップS4~ステップS6の処理が繰り返される。
【0142】
周辺部位Bが検出されたとステップS6において判定された場合には、ステップS24に進む。ステップS24において、操作案内部10は、周辺部位AがステップS2において既に検出されているか否かを判定する。周辺部位Aがまだ検出されていないと判定された場合には、ステップS3における周辺部位Aの検出が失敗したものと判断して、ステップS25に進む。
【0143】
ステップS25における処理は、ステップS1における処理と同一であり、周辺部位Aを探す旨の案内が操作案内部10によりなされる。続くステップS26における処理は、ステップS2における処理と同一であり、周辺部位Aの検出処理が、部位認識部9によりなされる。ここで、周辺部位Bの検出が既に完了しているため、例えば、部位認識部9は、周辺部位Bの認識結果を加味して周辺部位Aの検出処理を行うことができる。ステップS26に続くステップS27における処理は、ステップS3における処理と同様であり、ステップS26において周辺部位Aが検出されたか否かの判定が操作案内部10によりなされる。
【0144】
ステップS27において周辺部位Aが検出されていない場合には、ステップS25に戻り、周辺部位Aを探す旨の案内がなされる。続くステップS26において、周辺部位Aの検出処理がなされると、ステップS27において、周辺部位Aが検出されたか否かの判定がなされる。このようにして、ステップS26において周辺部位Aが検出されるまで、ステップS25~ステップS27の処理が繰り返される。周辺部位Aが検出されたとステップS27において判定された場合には、ステップS7に進む。
【0145】
また、ステップS24において、周辺部位Aが既に検出されていると判定された場合には、ステップS25~ステップS27を行うことなく、ステップS7に進む。
ステップS7において、目標部位Mを探す旨の案内が操作案内部10によりなされると、ステップS8において部位認識部9により目標部位Mの検出処理がなされ、続くステップS9において操作案内部10により目標部位Mが検出されたか否かの判定がなされる。目標部位Mが検出されていない場合には、ステップS7に戻り、目標部位Mを探す旨の案内がなされる。次に、ステップS8において目標部位Mの検出処理がなされ、ステップS9において目標部位Mが検出されたか否かの判定がなされる。このようにして、目標部位Mが検出されるまでステップS7~ステップS9の処理が繰り返される。
【0146】
目標部位Mが検出されたとステップS9において判定された場合には、ステップS10に進み、操作案内部10により、目標部位Mの断面が表示部7に表示されている旨の通知がなされる。こうして、実施の形態6に係る超音波診断装置1の動作が終了する。
【0147】
以上のように、実施の形態6に係る超音波診断装置1によれば、操作案内部10による案内が行われてから閾値時間Tthが経過するまでに周辺部位が検出できない場合に、この周辺部位の検出順序を変更するため、既に検出された周辺部位の認識結果を加味して、検出順序を変更した周辺部位の検出精度を向上させることができる。これにより、超音波診断装置1は、容易に且つ迅速に目標部位Mを検出することができる。
【0148】
なお、実施の形態6では、操作案内部10による案内が行われてから閾値時間Tthが経過するまでに周辺部位が検出できない場合に、その周辺部位の検出順序を変更しているが、周辺部位の検出順序を変更するためのトリガは、これに限定されない。
【0149】
例えば、操作案内部10は、部位認識部9による周辺部位の認識結果に基づいて、目標部位Mを検出するために有効な複数の周辺部位のうち一部の周辺部位の検出順序を変更してユーザに対する案内を行うことができる。例えば、目標部位Mを検出するために有効な周辺部位として、周辺部位A、BおよびCが、周辺部位A、B、Cの順の検出順序で周辺部位メモリ11に記憶されている場合に、操作案内部10は、周辺部位Aが検出されたことにより、周辺部位Bを検出するよりも周辺部位Cを検出する方が容易であると判断して、周辺部位A、B、Cの順の検出順序を、周辺部位A、C、Bの順に変更してユーザに対する案内を行うことができる。
【0150】
また、例えば、操作案内部10は、入力部13を介してユーザにより入力された修正情報に基づいて、目標部位Mを検出するために有効な複数の周辺部位のうち一部の周辺部位の検出順序を変更してユーザに対する案内を行うことができる。例えばユーザは、複数の周辺部位の検出順序を、修正情報として入力部13を介して入力することができる。例えば、目標部位Mを検出するために有効な周辺部位として、周辺部位AおよびBが、周辺部位A、Bの順の検出順序で周辺部位メモリ11に記憶されている場合に、ユーザが、周辺部位Aの検出順序を第2番目とし、周辺部位Bの検出順序を第1番目とする修正情報を入力することにより、周辺部位A、Bの検出順序を、周辺部位B、Aの順に変更してユーザに対する案内を行うことができる。
【0151】
また、例えば、操作案内部10は、入力部13を介してユーザにより入力された被検体の情報に関する被検体情報に基づいて、目標部位Mを検出するために有効な複数の周辺部位のうち一部の周辺部位の検出順序を変更して、ユーザに対する案内を行うことができる。例えば、目標部位Mを検出するために有効な複数の周辺部位に胆嚢が含まれ、入力部13を介してユーザにより、被検体が食後の状態であることが入力された場合に、操作案内部10は、胆嚢が通常とは異なる収縮した状態であると判断して、胆嚢の検出の際に他の周辺部位の認識結果を加味するために、胆嚢の検出順序をより後の順序に変更することができる。
【0152】
実施の形態7
実施の形態1において、操作案内部10は、超音波プローブ15の操作をユーザに案内する際に、
図6~
図9に示すような案内表示G1~G3を表示部7に表示させているが、超音波プローブ15の操作をユーザに案内する態様は、これに限定されない。例えば、操作案内部10は、超音波プローブ15の操作を、音声を用いてユーザに案内することができる。
【0153】
図24に、本発明の実施の形態7に係る超音波診断装置1Bの構成を表すブロック図を示す。この超音波診断装置1Bは、実施の形態1の超音波診断装置1において、装置制御部12の代わりに装置制御部12Bが備えられ、音声発生部23が追加されたものである。超音波診断装置1Bにおいて、表示制御部6、画像取得部8、部位認識部9、操作案内部10、入力部13および格納部14に、装置制御部12Bが接続されている。また、表示制御部6、画像取得部8、部位認識部9、操作案内部10、装置制御部12Bにより、プロセッサ16Bが構成されている。
この音声発生部23は、プロセッサ16Bの操作案内部10に接続されており、音声を発生するスピーカ等を含んで構成されている。そのため、操作案内部10は、ユーザに向けた超音波プローブ15の操作の案内を、音声発生部23から発する音声により行うことができる。
【0154】
以上のように、実施の形態7に係る超音波診断装置1Bによれば、実施の形態1に係る超音波診断装置1と同様に、目標部位Mを検出するために有効な少なくとも1つの周辺部位を検出するように超音波プローブ15の操作をユーザに案内し、その少なくとも1つの周辺部位の認識結果に基づいて、目標部位Mを検出するように超音波プローブ15の操作をユーザに案内するため、不要な画像認識処理を行う必要がなく、超音波診断装置1の計算負荷を軽減しながら、目標部位Mを容易に且つ迅速に検出することができる。
【0155】
なお、実施の形態7の態様は、実施の形態1に適用されることが説明されているが、実施の形態2~実施の形態6についても、同様に適用されることができる。
【0156】
実施の形態8
実施の形態1の超音波診断装置1は、表示部7および超音波プローブ15がプロセッサ16に直接的に接続される構成を有しているが、例えば、表示部7、超音波プローブ15、プロセッサ16が、ネットワークを介して互いに間接的に接続されることもできる。
図25に示すように、実施の形態8における超音波診断装置1Cは、表示部7と超音波プローブ15がネットワークNWを介して超音波診断装置本体31に接続されたものである。超音波診断装置本体31は、
図1に示す実施の形態1の超音波診断装置1において、表示部7と超音波プローブ15を除いたものである。超音波診断装置31において、表示制御部6および画像取得部8がネットワークNWに接続されている。
【0157】
ここで、ユーザにより超音波プローブ15が被検体に押し付けられた状態で、超音波プローブ15から被検体の内部に向けて超音波ビームが送信されると、超音波プローブ15の振動子アレイ2により、被検体の内部で反射された超音波エコーが受信されて受信信号が生成される。超音波プローブ15は、生成された受信信号を、ネットワークNWを介して超音波診断装置本体31に送信する。
このようにして超音波プローブ15から送信された受信信号は、ネットワークNWを介して超音波診断装置本体31の画像取得部8に受信され、画像取得部8により、受信信号に基づいて超音波画像が生成される。
【0158】
画像取得部8により生成された超音波画像は、表示制御部6および部位認識部9に送出される。表示制御部6は、画像取得部8から送出された超音波画像に対して所定の処理を施し、さらに、所定の処理が施された超音波画像を、ネットワークNWを介して表示部33に送信する。このようにして超音波診断装置31の表示制御部6から送信された超音波画像は、ネットワークNWを介して表示部7により受信され、表示部7に表示される。
【0159】
また、部位認識部9は、画像取得部8により送出された超音波画像に対して画像解析を行って、被検体の撮像部位を認識し、超音波画像に描出された周辺部位または目標部位Mを検出する。
操作案内部10は、目標部位Mの検出に際して、周辺部位メモリ11に記憶されている周辺部位を検出するように、ユーザに超音波プローブ15の操作を案内し、さらに、部位認識部9の認識結果に基づいて、目標部位Mを検出するように、ユーザに超音波プローブ15の操作を案内する。この際に、操作案内部10は、ユーザへの案内を表すテキストおよび画像等を表示制御部6に送出する。さらに、表示制御部6は、ユーザへの案内を表すテキストおよび画像等を、ネットワークNWを介して表示部7に送信する。表示制御部6から送信された、ユーザへの案内を表すテキストおよび画像等は、ネットワークNWを介して表示部7により受信され、表示部7に表示される。
【0160】
以上のように、本発明の実施の形態8に係る超音波診断装置1Cによれば、表示部7と超音波プローブ15がネットワークNWを介して超音波診断装置本体31と接続されている場合でも、実施の形態1の超音波診断装置1と同様に、目標部位Mを検出するために有効な周辺部位を検出するように超音波プローブ15の操作をユーザに案内し、その周辺部位の認識結果に基づいて、目標部位Mを検出するように超音波プローブ15の操作をユーザに案内するため、不要な画像認識処理を行う必要がなく、目標部位Mを容易に且つ迅速に検出することができる。
【0161】
また、表示部7と超音波プローブ15がネットワークNWを介して超音波診断装置本体31に接続されているため、超音波診断装置本体31を、いわゆる遠隔サーバとして使用することができる。これにより、例えば、ユーザは、表示部7と超音波プローブ15のみをユーザの手元に用意することにより、被検体の診断を行うことができるため、超音波診断の際の利便性を向上することができる。
また、例えば、いわゆるタブレットと呼ばれる携帯型の薄型コンピュータ、および、持ち運びが容易な表示装置等が表示部7として使用される場合には、ユーザは、より手軽に被検体の超音波診断を行うことができ、超音波診断の際の利便性をさらに向上させることが可能である。
【0162】
なお、表示部7と超音波プローブ15がネットワークNWを介して超音波診断装置本体31に接続されているが、この際に、表示部7、超音波プローブ15、超音波診断装置本体31は、ネットワークNWに有線接続されていてもよく、無線接続されていてもよい。
【0163】
また、実施の形態8の態様は、実施の形態1に適用されることが説明されているが、実施の形態2~実施の形態7についても、同様に適用されることができる。特に、実施の形態8の態様が実施の形態7に適用される場合には、表示部7と超音波プローブ15の他に、音声発生部23が、ネットワークNWを介して超音波診断装置本体31に接続されることができる。
【符号の説明】
【0164】
1,1A、1B、1C 超音波診断装置、2 振動子アレイ、3 送信部、4 受信部、5 画像生成部、6 表示制御部、7 表示部、8 画像取得部、9 部位認識部、10
操作案内部、11 周辺部位メモリ、12 装置制御部、13 入力部、14 格納部、15 超音波プローブ、16 プロセッサ、17 増幅部、18 AD変換部、19 信号処理部、20 DSC、21 画像処理部、22 輪郭生成部、23 音声発生部、31 超音波診断装置本体、A1,A2,B,C 周辺部位、C5 第5頸椎、C6 第6頸椎、C7 第7頸椎、CL1,CL2,CL3,CL4,CL5,CL6 輪郭線、G1,G2,G3,G4,G5,G6 案内表示、K5,K6,K7 横突起、M 目標部位、N5,N6,N7 神経根、NW ネットワーク、S 脊髄、T 経過時間、Tth 閾値時間、U 超音波画像、X,X1,X2 補助部位。