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特許7127555画像形成装置、情報処理方法及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-22
(45)【発行日】2022-08-30
(54)【発明の名称】画像形成装置、情報処理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   H04N 1/00 20060101AFI20220823BHJP
   B41J 29/38 20060101ALI20220823BHJP
   B41J 29/42 20060101ALI20220823BHJP
   G03G 21/00 20060101ALI20220823BHJP
   G06F 3/12 20060101ALI20220823BHJP
【FI】
H04N1/00 002A
H04N1/00 912
B41J29/38
B41J29/42 F
G03G21/00 500
G03G21/00 386
G03G21/00 396
G06F3/12 304
G06F3/12 310
G06F3/12 334
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2019007336
(22)【出願日】2019-01-18
(65)【公開番号】P2020120168
(43)【公開日】2020-08-06
【審査請求日】2021-10-21
(73)【特許権者】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】中尾 友哉
【審査官】野口 俊明
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-241494(JP,A)
【文献】特開2015-186208(JP,A)
【文献】特開2014-219915(JP,A)
【文献】特開2014-050015(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 1/00
B41J 29/38
B41J 29/42
G03G 21/00
G06F 3/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成装置に接続され、かつ、前記画像形成装置に対する操作を受け付ける操作装置を有する画像形成装置であって、
前記画像形成装置又は前記操作装置において、第1アプリケーションによって所定の処理を行う処理部と、
前記第1アプリケーションによる処理においてエラーを検出するエラー検出部と、
前記エラーが検出されると、前記エラーを解消させる操作を行う第2アプリケーションを起動させる制御部と、
前記エラーの内容に基づくエラーデータを前記第1アプリケーションから前記第2アプリケーションに伝える伝達部と、
前記エラーデータに基づいて、前記第2アプリケーションの操作画面を表示する表示部と
を備える
画像形成装置。
【請求項2】
前記エラーデータは、
前記第2アプリケーションの種類及び前記操作画面を特定するデータを含む
請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記表示部は、
前記エラーの原因となる項目を強調して表示する、前記項目を修正して表示する又は前記項目の修正候補を表示する
請求項1又は2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記操作画面によって、前記エラーの原因となる項目が修正されると、前記画像形成装置又は前記操作装置にインストールしているすべてのアプリケーションに通知する
請求項1乃至3のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記第1アプリケーションは、送信先に送信データを送信するアプリケーションであって、
前記エラー検出部は、前記送信先に前記送信データが送信できないと、前記エラーを検出し、
前記操作画面は、前記送信先を示すアドレスを編集する画面である
請求項1乃至4のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記操作装置は、複数のアプリケーションを起動させ、
前記複数のアプリケーションにおいて、OSを介して前記エラーデータが送受信される
請求項1乃至5のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項7】
画像形成装置に接続され、かつ、前記画像形成装置に対する操作を受け付ける操作装置を有する画像形成装置が行う情報処理方法であって、
画像形成装置が、前記画像形成装置又は前記操作装置において、第1アプリケーションによって所定の処理を行う処理手順と、
画像形成装置が、前記第1アプリケーションによる処理においてエラーを検出するエラー検出手順と、
画像形成装置が、前記エラーが検出されると、前記エラーを解消させる操作を行う第2アプリケーションを起動させる制御手順と、
画像形成装置が、前記エラーの内容に基づくエラーデータを前記第1アプリケーションから前記第2アプリケーションに伝える伝達手順と、
画像形成装置が、前記エラーデータに基づいて、前記第2アプリケーションの操作画面を表示する表示手順と
を含む
情報処理方法。
【請求項8】
請求項7に記載の情報処理方法をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置、情報処理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、画像形成装置において、アプリケーションを実行させる方法が知られている。
【0003】
そして、画像形成装置が行う所定の処理においてエラーが発生した場合に、エラーメッセージを含むエラー画面を表示し、また、エラー画面に対するユーザの操作に応じて、エラーを解決するために設定値を変更する画面を表示する。このようにして、ユーザが設定値を変更することでエラーを解消させる方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の方法では、エラーが発生したアプリケーションと、エラーを解決するアプリケーションとが異なる場合には、エラーを解決するアプリケーションにエラーの内容が引き継がれない場合が多い。そのため、ユーザは、エラーが発生すると、例えば、エラーを解消させるのに用いるアプリケーションを起動させる作業等を行う。このような作業が発生するため、ユーザの手間がかかる場合が多い。
【0005】
本発明の一態様は、エラーが起きた場合におけるユーザの手間を少なくすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一実施形態による、画像形成装置に接続され、かつ、前記画像形成装置に対する操作を受け付ける操作装置を有する画像形成装置は、
前記画像形成装置又は前記操作装置において、第1アプリケーションによって所定の処理を行う処理部と、
前記第1アプリケーションによる処理においてエラーを検出するエラー検出部と、
前記エラーが検出されると、前記エラーを解消させる操作を行う第2アプリケーションを起動させる制御部と、
前記エラーの内容に基づくエラーデータを前記第1アプリケーションから前記第2アプリケーションに伝える伝達部と、
前記エラーデータに基づいて、前記第2アプリケーションの操作画面を表示する表示部と
を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明の実施形態によって、エラーが起きた場合におけるユーザの手間を少なくできる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】画像形成装置の全体構成例を示す概要図である。
図2】操作装置及び本体部のハードウェア構成例を示すブロック図である。
図3】操作装置の外観例を示す概要図である。
図4】操作装置及び本体部のソフトウェア構成例を示すブロック図である。
図5】システム構成例を示すシステム図である。
図6】アプリケーションの構成例を示すブロック図である。
図7】第1実施形態における全体処理の例を示すシーケンス図である。
図8】第1アプリケーション用の操作画面例を示す図である。
図9】エラー画面の表示例を示す図である。
図10】操作画面の表示例(その1)を示す図である。
図11】操作画面の表示例(その2)を示す図である。
図12】初期設定アプリが表示する送信初期ユーザ名・パスワードの設定画面の表示例を示す図である。
図13】第2実施形態における全体処理の例を示すシーケンス図である。
図14】第2実施形態における第1アプリケーション用の操作画面例を示す図である。
図15】第2実施形態における操作画面の表示例を示す図である。
図16】画像形成装置の機能構成例を示す機能ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、発明を実施するための最適な形態について、図面を参照して説明する。
【0010】
<第1実施形態>
<画像形成装置例>
図1は、画像形成装置の全体構成例を示す概要図である。図示するように、画像形成装置100は、例えば、MFP(Multifunction Peripheral)等である。そのため、例えば、画像形成装置100は、コピー機能、スキャナ機能、ファクシミリ機能及びプリンタ機能等の画像処理機能を有する。なお、画像形成装置100は、他に機能(例えば、エラー表示機能等である。)を更に有してもよい。
【0011】
この例では、画像形成装置100は、操作装置110を有する構成である。一方で、画像形成装置100は、操作装置110以外の構成(以下「本体部120」という。)を有する構成である。
【0012】
操作装置110に対して、ユーザは、画像形成装置100に対する様々な操作を入力する。そして、画像形成装置100は、操作装置110及び本体部120により、操作に基づいた画像処理を実行する。
【0013】
<ハードウェア構成例>
図2は、操作装置及び本体部のハードウェア構成例を示すブロック図である。まず、操作装置110は、例えば、CPU(Central Processing Unit、以下「CPU211」という。)、ROM(Read-Only Memory、以下「ROM212」という。)、RAM(Random Access Memory、以下「RAM213」という。)、フラッシュメモリ214、操作パネル215、接続インタフェース(以下「接続I/F216」という。)、通信インタフェース(以下「通信I/F217」という。)を有するハードウェア構成の装置である。また、図示するように、これらのハードウェア資源は、バス218によって相互に接続される。
【0014】
CPU211は、演算装置及び制御装置の例である。そして、CPU211は、RAM213等の主記憶装置をワークエリアとして、ROM212又はフラッシュメモリ214等に記憶された各種プログラムを実行する。このような制御及び演算により、CPU211は、操作装置110等を制御し、かつ、各種機能を実現する。
【0015】
フラッシュメモリ214は、不揮発性の記憶媒体の例である。例えば、フラッシュメモリ214は、プログラム及びデータ等を記憶する。
【0016】
操作パネル215は、入力装置及び出力装置の例である。すなわち、操作パネル215は、操作画面及び処理結果等を表示する。一方で、操作パネル215は、ユーザによる操作を受け付ける。
【0017】
接続I/F216は、通信路230を介して本体部120と通信をするインタフェースである。例えば、接続I/F216は、コネクタ及びケーブル等である。具体的には、接続I/F216は、USB(Universal Serial Bus)等によって通信を行う。
【0018】
通信I/F217は、ネットワーク260を介して外部装置と通信をするインタフェースである。例えば、通信I/F217は、アンテナ等である。図示する例では、通信I/F217は、無線LAN(Local Area Network)AP(アクセスポイント)(以下「無線LANAP240」という。)に接続し、通信を行う。
【0019】
一方で、本体部120は、例えば、CPU221、ROM222、RAM223、HDD(Hard Disk Drive、以下「HDD224」という。)、エンジン部225、接続I/F226及び通信I/F227を有するハードウェア構成の装置である。また、図示するように、これらのハードウェア資源は、バス228によって相互に接続される。
【0020】
CPU221は、演算装置及び制御装置の例である。すなわち、図示するように、本体部120用となる演算装置及び制御装置は、操作装置110用のCPU211とは別であるハードウェア構成が望ましい。
【0021】
ROM222及びRAM223は、CPU221と同様に、本体部120用の記憶装置の例である。したがって、CPU221は、RAM223等の主記憶装置を利用して、ROM222及びHDD224等の補助記憶装置に記憶されるプログラム等に基づく処理を実行する。
【0022】
エンジン部225は、コピー機能、スキャナ機能、ファクシミリ機能及びプリンタ機能等の画像処理機能を実現するための処理装置等である。具体的には、エンジン部225は、例えば、処理IC(Integrated Circuit)等である。具体的には、エンジン部225は、原稿をスキャンして読み取るスキャナ、用紙等のシート材への印刷を行うプロッタ、ファクシミリ通信を行う通信部又はこれらの組み合わせを有する。なお、エンジン部225は、印刷済みのシート材を仕分ける装置、いわゆるフィニッシャ又は原稿を自動給送するADF(Auto Document Feeder)等を含んでもよい。
【0023】
接続I/F226は、通信路230を介して操作装置110と通信をするインタフェースである。例えば、接続I/F216は、コネクタ及びケーブル等である。具体的には、接続I/F226は、USB等によって通信を行う。
【0024】
通信I/F227は、ネットワーク260を介して外部装置と通信をするインタフェースである。例えば、通信I/F227は、ケーブル250等である。
【0025】
<操作装置の例>
図3は、操作装置の外観例を示す概要図である。例えば、操作装置110は、図示するような外観の装置である。具体的には、操作装置110は、例えば、操作パネル215等により、画像形成装置が提供する様々な機能の操作画面を表示する。この例では、操作画面は、「コピー」、「スキャナ」、「ファックス」及び「プリンタ」の機能に対する操作を受け付ける。また、図示する例は、いわゆるトップ画面であり、例えば、「コピー」のボタンが押されると、操作画面は、「コピー」の機能について詳細な設定を行う用の操作画面を表示する。
【0026】
さらに、図示する例は、「初期設定」及び「アドレス帳」が設定できる構成の例である。
【0027】
また、操作画面においてボタンが押されると、次に遷移して表示される画面又は設定を行う設定値等は、メニュー構成等によって設定される。
【0028】
「初期設定」のボタンが押されると、操作装置及び画像形成装置に、様々な初期設定を行うことができる操作画面が表示される。初期設定では、例えば、通信関係の設定が行われる。
【0029】
「アドレス帳」のボタンが押されると、様々なアプリケーションから参照されるアドレスを保存するデータ、いわゆるアドレス帳を編集する操作画面が表示される。
【0030】
なお、操作装置110は、図示するような操作パネル215で実現されるに限られない。例えば、操作パネル215には、タッチパネル以外に、ハードキー等があってもよい。すなわち、操作画面を操作するのにインタフェースとなる構成は、図示する以外の構成でもよい。
【0031】
<操作装置及び本体部のソフトウェア構成例>
図4は、操作装置及び本体部のソフトウェア構成例を示すブロック図である。図示する例は、操作装置110及び本体部120にインストールされるプログラムによって構成されるソフトウェアの階層構造を示す。
【0032】
まず、本体部120について説明する。この例では、本体部120には、補助記憶装置等に、例えば、アプリケーション層421、サービス層422及びOS層(Operating System層、以下「OS層423」という。)を構築するプログラムがインストールされる。
【0033】
アプリケーション層421に区別されるプログラムは、画像形成装置100が有するハードウェア資源を動作させて様々な機能を実現する。具体的には、アプリケーション層411に区別されるプログラムは、例えば、コピーアプリ、ファクシミリアプリ、スキャナアプリ及びプリンタアプリ等である。
【0034】
サービス層422に区分されるプログラムは、アプリケーション層421と、OS層423との間に介在するプログラムである。例えば、サービス層422に区分されるプログラムは、本体部120が有するハードウェア資源をアプリケーション層421のプログラムが利用したり、又は、本体部120が有するハードウェア資源の状態をアプリケーション層421に通知したりするインタフェース等を実現する。
【0035】
また、サービス層422に区分されるプログラムは、ハードウェア資源に対する動作要求を受け付けたり、又は、受け付けた動作要求の調停を行ったりする。ほかにも、サービス層422に区分されるプログラムは、ハードウェア資源において検知されたエラーをアプリケーション層421にエラー通知として送信する。なお、サービス層422が受け付ける動作要求には、例えば、スキャナによる読み取り、又は、プロッタによる印刷を行う等の動作要求が含まれる。
【0036】
なお、サービス層422に区分されるプログラムが実現させるインタフェースとしての役割は、操作装置110のアプリケーション層411に対しても同様である。すなわち、操作装置110のアプリケーション層411に区分されるプログラムは、サービス層422にアクセスして本体部120のハードウェア資源を動作させ、画像処理機能等を実現させることができる。
【0037】
OS層423に区分されるプログラムは、いわゆる基本ソフトウェアと呼ばれるプログラム等である。そして、OS層423に区分されるプログラムは、本体部120が有するハードウェア資源を制御する基本機能を提供する。まず、サービス層422に区分されるプログラムは、アプリケーション層421に区分されるプログラムが発するハードウェア資源に対する動作要求をOS層423が解釈可能なコマンドに変換してOS層423に渡す。そして、OS層423に区分されるプログラムが当該コマンドを実行することにより、ハードウェア資源に対する動作要求に基づいて、画像処理機能が実現される。また、OS層423に区分されるプログラムが実行されると、ハードウェア資源は、検知されたエラーを受信する。次に、ハードウェア資源は、受信したエラー通知をアプリケーション層421に対して送信するサービス層422に渡す。
【0038】
次に、操作装置110について説明する。この例では、操作装置110には、補助記憶装置等に、例えば、アプリケーション層411、サービス層412及びOS層413を構築するプログラムがインストールされる。
【0039】
ただし、アプリケーション層411に区分されるプログラムが実現する機能及びサービス層412が受け付け可能な動作要求の種類等は、本体部120とは異なる。具体的には、操作装置110において、アプリケーション層411に区分されるプログラムは、主に本体部120によって実現される画像処理機能に関する操作及び表示を行うためのユーザインタフェース機能を提供する。
【0040】
なお、この例では、操作装置110と、本体部120とで、それぞれのOSは、独立して動作する。また、操作装置110及び本体部120が相互に通信可能であれば、それぞれのOSは、同じ種類でなくともよい。例えば、操作装置110は、Android(登録商標)を用い、かつ、本体部120は、Linux(登録商標)を用いる構成等でもよい。
【0041】
このように、画像形成装置100では、例えば、操作装置110及び本体部120が異なるOSにより制御される。そのため、操作装置110及び本体部120の間における通信は、一装置内のプロセス間通信ではなく、異なる装置間の通信となる。例えば、通信は、操作装置110が受け付けたユーザによる操作を本体部120へ送信するコマンド通信、又は、本体部120が操作装置110へ表示画面の表示を指示するイベント通信(例えば、エラー通知又はエラー解除通知等である。)等である。
【0042】
<システム構成例>
例えば、画像形成装置100は、以下のような画像形成システム500を構成する。
【0043】
図5は、システム構成例を示すシステム図である。例えば、画像形成システム500は、ネットワークで接続されるPC(Personal Computer、以下「PC501」及び「PC501」という。)及び画像形成装置100等を有するシステムである。
【0044】
例えば、画像形成システム500では、画像形成装置100は、ネットワーク又はケーブル等を介して、PC501及びPC502等と接続する。
【0045】
そして、画像形成システム500では、例えば、画像形成装置100は、PC501及びPC502から印刷の指示及び画像データ等を受け取ると、用紙等の記録媒体に印刷を行う。さらに、画像形成システム500では、例えば、画像形成装置100は、スキャナ処理で生成した画像データをPC501及びPC502等に送信する。
【0046】
なお、画像形成システム500で行われる処理及びデータの送受信は、画像形成装置100、PC501及びPC502等にインストールされるアプリケーションによって変更及び追加が可能である。
【0047】
また、画像形成システム500が有する情報処理装置は、図示するような構成及び台数でなくともよい。すなわち、画像形成システム500は、情報処理装置を1 台有する構成でもよいし、又は、3 台以上有する構成でもよい。また、画像形成システム500は、サーバ及び通信機器等を有する構成でもよい。
【0048】
以下、図示する構成において、画像形成装置100及びPC501が以下のようなアプリケーション構成である場合を例に説明する。
【0049】
図6は、アプリケーションの構成例を示すブロック図である。例えば、操作装置110には、あらかじめスキャナアプリAP1及びアドレス帳編集アプリAP2がインストールされる。
【0050】
以下、図示するようなアプリケーションを利用して、いわゆる「Scan to Folder」(「S2F」という場合もある。)を実現する場合を例に説明する。具体的には、S2Fでは、画像形成装置100が有するスキャナによって、用紙に画像形成された画像を読み取り、画像データを生成する。その後、生成された画像データは、接続される情報処理装置にあらかじめ設定されるフォルダ等の領域(以下「共有フォルダFD」という。)に送信される。以上のようにして、S2Fは、用紙に画像形成されている画像をデータ化及び共有するサービスである。
【0051】
スキャナアプリAP1は、S2Fにおけるスキャンについてのアプリケーションである。したがって、スキャナアプリAP1は、スキャナ等の読取装置を制御して画像データを生成する。そして、画像データを生成すると、スキャナアプリAP1は、配信モジュールに対して画像データを送信するように要求する。また、スキャナアプリAP1は、スキャナに関する設定(例えば、解像度等である。)を受け付ける操作画面を表示してもよい。一方で、スキャナに関する設定は、初期設定等で設定され、スキャナアプリAP1が設定を読み出す構成でもよい。
【0052】
アドレス帳編集アプリAP2は、アドレス帳データDADを編集するのに用いられるアプリケーションの例である。この例では、配信モジュールMSは、画像データを送信するのに、送信先を特定するため、アドレス帳データDADを読み込む。なお、アドレス帳データDADは、外部装置等に記憶されてもよい。そして、アドレス帳データDADにあらかじめ登録されるアドレスを送信先と特定する。
【0053】
これに対して、アドレス帳編集アプリAP2は、アドレスを示す数値等を入力又は変更させる操作を行う操作画面を表示する。なお、アドレスは、IP(Internet Protocol)アドレス等に限られず、パス、フォルダ名、コンピュータ名又はこれらの組み合わせ等でもよい。さらに、送信先は、セキュリティ上、アクセスを許可するのに、ID(Identification)及びパスワード等を要求する構成がある。このような場合には、アドレスに対応して、ID及びパスワード等が入力されてもよい。
【0054】
例えば、アドレス帳は、以下のようなデータ構造である。
【0055】
【表1】
上記(表1)に示すアドレス帳は、ユーザごとに、識別情報となる「ID」がある。
【0056】
そして、「ID」に対して、「ユーザ名」、送信に用いる「プロトコル」、共有フォルダのアドレスとなる「パス名」、アクセスに用いる「ログイン名」及びアクセスに用いる「ログインパスワード名」等が入力される。図示するように、アドレス帳には、「メールアドレス設定情報」等が入力されてもよい。
【0057】
なお、アドレス帳のデータ構成は、上記(表1)に示す構成に限られない。したがって、図示する以外の項目が更にあってもよい。
【0058】
配信モジュールMSは、ネットワークを介して、接続される情報処理装置とデータを送受信する。送信を行う際には、アドレス帳データDADを読み込む。また、配信モジュールMSは、例えば、SMB(Server Message Block)プロトコル等を使用してデータを共有フォルダFDに送信する。
【0059】
なお、アプリケーションの構成は、図示する構成に限られない。例えば、アプリケーションは、画像形成装置の本体側にインストールされてもよい。また、アプリケーションは、1つのソフトウェアに限られない。つまり、アプリケーションは、複数のソフトウェア、情報処理装置及びモジュール等が連携して1つの処理を実現させる構成でもよい。さらに、アドレス帳等のデータは、画像形成装置が記憶しなくともよい。すなわち、データは、外部装置が有し、画像形成装置等は、ネットワークを介して、使用する場合に、データにアクセスする構成でもよい。
【0060】
また、アドレスは、初期設定等で入力されてもよい。すなわち、画像形成装置100が初期設定モジュール等を有し、初期設定モジュール等がアドレスを記憶又は取得する構成等でもよい。
【0061】
<全体処理例>
図7は、第1実施形態における全体処理の例を示すシーケンス図である。例えば、画像形成装置100は、第1アプリケーションをスキャナアプリAP1とし、かつ、第2アプリケーションをアドレス帳編集アプリAP2とすると、以下のような処理を行う。
【0062】
アドレスの入力例(ステップS101)
ステップS101では、スキャナアプリAP1は、ユーザURによるアドレスを入力する操作を受け付ける。つまり、ユーザURは、S2Fで送信先となるPC501が有する共有フォルダを特定できる情報を入力する操作を行う。なお、アドレスを入力する操作は、アドレス帳に登録済みのアドレスを選択してもよいし、直接、アドレスとなる数値又は文字等を入力してもよい。
【0063】
スキャナ処理の例(ステップS102)
ステップS102では、スキャナアプリAP1は、スキャナ処理を行う。すなわち、この例では、スキャナアプリAP1は、所定の処理としてスキャナ処理を行う。具体的には、スキャナアプリAP1は、ユーザURによる操作等があると、読取装置等を起動して用紙に画像形成されている画像を読み取る。そして、スキャナアプリAP1は、読み取った画像を示す画像データを生成する。
【0064】
送信要求例(ステップS103)
ステップS103では、スキャナアプリAP1は、画像データの送信を配信モジュールMSに要求する。すなわち、スキャナアプリAP1は、ステップS101で入力された送信先に画像データを送信するように、配信モジュールMSに送信データの例である画像データを渡す。そして、スキャナアプリAP1は、渡した画像データを送信先の例であるPC501に送信するように配信モジュールMSに要求する。
【0065】
送信データの送信例(ステップS104)
ステップS104では、配信モジュールMSは、送信データを送信先に送信する。例えば、配信モジュールMSは、SMBプロトコルを利用してPC501に画像データを送信する。
【0066】
以上のようなステップS101乃至ステップS103の処理は、例えば、以下のような操作画面で操作が行われる。
【0067】
図8は、第1アプリケーション用の操作画面例を示す図である。例えば、ユーザは、図示するような操作画面に対して、S2Fに関する操作を行う。
【0068】
具体的には、アプリ選択ボタンCHによって、使用するアプリケーションを選択する。図示するように、「スキャナー(フォルダー送信)」が選択されると、S2Fを実行するためのアプリケーションが起動する。
【0069】
アドレス表示ADR1には、アドレス帳から読み出されたアドレスが表示される。そして、ユーザは、アドレス表示ADR1から送信先にするアドレスを選択する操作を行う。
【0070】
条件設定SETには、スキャナ処理の条件が設定される。図示する例は、白黒若しくはカラーの選択、ファイル形式、解像度、及び、片面若しくは両面とするかの条件が設定される例である。なお、条件設定SETで設定できる条件は、アプリケーションによって異なる。
【0071】
この例では、「スタート」が押されると、条件等が確定する。そして、S2Fが開始されて、画像データ等が送信データとして送信先に送信される(ステップS104)。
【0072】
この後、配信モジュールMSは、送信先に送信データが送信されたか否かを判断する。まず、送信先に送信データが送信できた場合、すなわち、送信データの送信に成功した場合には、画像形成装置は、全体処理を終了する。
【0073】
一方で、送信先に送信データが送信できない場合には、画像形成装置は、エラーを検出する。例えば、エラーが検出される場合は、以下のような場合である。
【0074】
(エラーの原因例)
・サーバ接続エラー
・認証エラー
・フォルダ接続エラー
・権限エラー
・記憶領域不足エラー
・その他のエラー(ネットワークの断線等)
すなわち、上記のような状態が検出された場合又は送信データの送信結果等に基づいて、画像形成装置は、エラーを検出する。例えば、上記のような原因は、SMBプロトコルが出力するコード等で特定される。なお、原因の特定方法は、OS(Operating System)、他のアプリケーション又はセンサ等による検出であってもよい。そして、このようなエラーを検出すると(図における[エラーの場合])、画像形成装置は、ステップS105に進む。
【0075】
エラー検出の通知(ステップS105)
ステップS105では、配信モジュールMSは、エラー検出を通知する。なお、エラーの原因等を示すデータが合わせて通知されてもよい。
【0076】
エラー画面の表示例(ステップS106)
ステップS106では、スキャナアプリAP1は、エラー画面を表示する。例えば、スキャナアプリAP1は、以下のようなエラー画面を表示する。
【0077】
図9は、エラー画面の表示例を示す図である。例えば、エラー画面PN1は、操作装置によって表示される。
【0078】
まず、エラー画面PN1は、エラーが起きている状態及びエラーの原因を表示する。なお、エラー画面PN1が示す内容は、ステップS105に通知される内容等で把握できるとする。
【0079】
以下、エラー画面PN1が示すように、アドレス帳にあらかじめ入力されたPC501を示すIPアドレスが誤っており、エラーの原因となっている場合を例に説明する。例えば、アドレス帳に入力されているIPアドレスにアクセスしようとしても、該当するコンピュータが存在しない場合又はPC501のIPアドレスが変更されたが、アドレス帳が変更に対応するように更新されていない場合等に、このようなエラーが生じる場合がある。
【0080】
なお、エラー画面PN1が表示する内容及びGUI(Graphical User Interface)は、エラーの内容によって異なる。
【0081】
また、図示する例では、ボタンBTNを押すと、エラーを解消する操作に用いられる第2アプリケーションの例であるアドレス帳編集アプリAP2が起動する。したがって、ステップS106では、エラー画面PN1は、ボタンBTNを押す操作を受け付ける。そして、ボタンBTNが押されると、画像形成装置は、ステップS107に進む。
【0082】
エラーデータの伝達及び第2アプリケーションの起動例(ステップS107)
ステップS107では、スキャナアプリAP1は、エラーデータをアドレス帳編集アプリAP2に伝え、かつ、アドレス帳編集アプリAP2を起動させる。
【0083】
エラーデータは、スキャナアプリAP1に起きているエラーの内容に基づいて生成されるデータである。つまり、エラーデータは、例えば、エラーの内容、種類、原因又はこれらの組み合わせ等を示すデータである。
【0084】
具体的には、まず、OSの種類がAndroid(登録商標)等であると、複数のアプリケーションを起動させることができる。そして、例えば、OSによる「Intent」機能(以下単に「インテント」という。)を用いると、起動先のアプリケーションのアプリケーション名及びプロダクトID等のアプリケーション識別情報を指定することで、OSを介して、一方のアプリケーションから他方のアプリケーションを起動させることができる。また、インテントを用いると、一方のアプリケーションで用いたデータ等は、OSを介して他方のアプリケーションへ渡すことができる。例えば、インテントを用いると、OSを介して新しく起動させるアプリケーション、すなわち、第2アプリケーションのアクションと、OSを介して第1アプリケーションから第2アプリケーションへ渡すデータ等とを指定できる。
【0085】
したがって、エラーデータは、インテントを用いるのに利用されるデータを含むのが望ましい。例えば、エラーデータは、第2アプリケーションの種類を特定できるデータを少なくとも含むのが望ましい。具体的には、アドレス帳編集アプリAP2に対して、識別番号等があらかじめ設定される。つまり、アドレス帳編集アプリAP2を示す識別番号が分かれば、対象となるアプリケーションの種類は、アドレス帳編集アプリAP2であると特定される。このように、識別番号等といった第2アプリケーションの種類を特定できるデータがエラーデータに含まれると、エラーに対して適切なアプリケーションを特定し、起動させることができる。
【0086】
また、エラーデータは、操作画面を特定できるデータを含むのが望ましい。第2アプリケーションは、複数の操作画面を表示させることが可能な場合が多い。そして、エラーを解消させる操作を行う場合には、第2アプリケーションが表示可能な操作画面のうち、エラーを解消させる操作を行うのに適した操作画面が表示されるのが望ましい。したがって、エラーデータには、エラーを解消させる操作を行うのに適した操作画面を特定できる、操作画面の識別番号等が含まれるのが望ましい。
【0087】
さらに、エラーデータの送受信は、インテント等を用いることで、OSを介する構成が望ましい。このような構成であると、複数のアプリケーションの間、すなわち、異なるアプリケーションの間であっても、エラーの内容等が共有できる。
【0088】
例えば、第2アプリケーションが起動すると、以下のような操作画面が表示される。
【0089】
操作画面の表示例(ステップS108)
ステップS108では、アドレス帳編集アプリAP2は、操作画面を表示する。具体的には、アドレス帳編集アプリAP2は、エラーデータに基づいて以下のような操作画面を表示する。
【0090】
図10は、操作画面の表示例(その1)を示す図である。例えば、ステップS108によって、図示するような宛先用操作画面PN2が表示されるとする。
【0091】
宛先用操作画面PN2は、例えば、送信先を示すアドレスが設定される項目の例として「パス名」を表示する。
【0092】
例えば、上記のように、送信先を示すアドレスが誤っているのがエラーの原因と判断される場合には、宛先用操作画面PN2が表示される。一方で、例えば、認証エラーとなる場合等には、アドレス帳編集アプリAP2は、エラーデータに基づいて以下のような操作画面を表示する。
【0093】
図11は、操作画面の表示例(その2)を示す図である。例えば、ステップS108によって、図示するような認証用操作画面PN3が表示されるとする。
【0094】
例えば、認証エラーとなる場合には、ID又はパスワード等の入力ミスが原因の場合がある。したがって、認証用操作画面PN3は、ID又はパスワード等の認証に用いられるデータを操作するための操作画面である。
【0095】
認証用操作画面PN3は、IDを示す項目の例として「ログインユーザー名」を表示する。また、認証用操作画面PN3は、パスワードを示す項目の例として「ログインパスワード」を表示する。
【0096】
また、フォルダ認証情報として、ユーザごとに設定されたログインユーザー名及びログインパスワードを使わず、初期設定アプリAP3で設定された送信初期ユーザ名・パスワードを使用するように、設定を切り替えることもできる。
【0097】
図10及び図11のように、送信先に関する設定を行うための宛先系操作画面と、認証に関する設定を行うための認証系操作画面とがある画面構成の場合がある。なお、宛先系操作画面及び認証系操作画面は、1つのウィンドウ内で分かれて存在してスクロールで切り替えられる画面構成でもよいし、別のウィンドウとなる画面構成でもよい。
【0098】
エラーデータは、例えば、宛先系操作画面及び認証系操作画面がある場合には、宛先系操作画面又は認証系操作画面の識別情報を含むのが望ましい。
【0099】
また、エラーデータは、アドレス帳を識別する情報を含むのが望ましい。アドレス帳は、ユーザごとに異なるアドレス帳、すなわち、複数のアドレス帳が存在する場合が多い。そこで、エラーデータは、第2アプリケーションが用いるアドレス帳を特定するデータを含むのが望ましい。なお、第2アプリケーションが用いるデータがアドレス帳以外の場合がある。このような場合においても、第2アプリケーションが用いるデータが複数存在する場合がある。したがって、複数のデータのうち、エラーの内容に基づいて、第2アプリケーションがどのデータを用いるのがよいか分かるように、用いるデータを特定する識別情報がエラーデータに含まれるのが望ましい。
【0100】
なお、操作画面では、エラーの原因となる項目が強調されるのが望ましい。例えば、「パス名」の設定が誤っている場合等には、「パス名」は、色分け、点滅、「パス名」以外の箇所がグレーアウト、その他の装飾又はこれらの組み合わせによって強調されて表示されるのが望ましい。このように、修正の対象となる箇所が強調されると、ユーザがどの箇所を操作すればよいか分かりやすくできる。
【0101】
また、操作画面では、項目が修正されて表示されてもよい。例えば、「パス名」の設定が誤っている場合には、操作画面には、ネットワーク上を検索して、数値が近いアドレスのコンピュータを示すIPアドレス、又は、誤って入力されているコンピュータ名と似た名称のコンピュータに修正した表示がされる。つまり、操作画面には、正しいと推定されるアドレス等が表示される。このように、項目が修正されると、ユーザは、修正を行う操作を省略できる。
【0102】
ほかにも、操作画面では、項目の修正候補が表示されてもよい。例えば、「パス名」の設定が誤っている場合には、操作画面には、ネットワーク上を検索してアクセスが可能なコンピュータの一覧等が修正候補として表示されるのが望ましい。そして、一覧から1つのコンピュータを選択する操作を行うと、アドレス帳に記憶されるアドレス等が、修正候補のアドレスに置換するように修正される。なお、修正候補の表示方法は、あらかじめ設定されてもよい。このように、項目の修正候補が表示されると、ユーザは、正しいコンピュータを探す手間等を少なくできる。
【0103】
なお、操作画面では、修正した送信先にデータが送信できるか否かチェックができてもよい。
【0104】
また、項目が修正された場合には、画像形成装置又は操作装置にインストールされているアプリケーションに対して通知がされるのが望ましい。例えば、アドレス帳のように、複数のアプリケーションで使用される可能性が高いデータ等が変更された場合には、修正が行われたことが通知されるのが望ましい。
【0105】
アドレス帳のように、様々なアプリケーションで使用されるデータ等は、様々なアプリケーションが参照している可能性が高い。そのため、修正された場合には、アプリケーションは、アドレス帳から参照しているデータを更新したり、又は、修正されたアドレス帳にアクセスして修正されたデータを使うようにしたりするのが望ましい。このように、修正が通知されると、アドレスの修正等が、他のアプリケーションにも反映できる。
【0106】
以上のように、エラーの原因となる項目を強調、項目を修正又は項目の修正候補を表示する場合には、第1アプリケーションから第2アプリケーションに、対象となる項目を特定するデータが更に送られるのが望ましい。
【0107】
エラー修正操作の入力例(ステップS109)
ステップS109では、アドレス帳編集アプリAP2は、エラーを修正する操作を入力する。すなわち、アドレス帳編集アプリAP2は、例えば、図10又は図11等の操作画面を表示して、送信データを送信できるアドレス、いわゆる「正しい」アドレスを入力する操作と、「OK」ボタンの押下操作を受け付ける。
【0108】
アドレス帳の更新例(ステップS110)
ステップS110では、「OK」ボタンの押下操作を受け付けたことに応じて、アドレス帳編集アプリAP2は、アドレス帳を更新する。すなわち、アドレス帳編集アプリAP2は、元の誤ったアドレスをステップS109で入力されたアドレス等に置換する。そして、更新が完了すると、完了がスキャナアプリAP1に通知される。一方、アドレス帳編集アプリAP2は、「キャンセル」ボタンの押下操作を受け付けたことに応じて、アドレス帳を更新せずに、インテントを用いてスキャナアプリを起動させる。
【0109】
具体的には、アドレス帳編集アプリAP2は、スキャナアプリAP1の識別情報を含むインテントを作成する。このようにして、アドレス帳編集アプリAP2は、OSを介してスキャナアプリAP1を起動させる。また、アドレス帳編集アプリAP2は、インテントを用いて、誤ったアドレスが更新されたことを示す情報又は画像データの送信を再度実行する指示をスキャナアプリに渡す。そして、スキャナアプリAP1は、渡された情報に従って、処理を実行する。
【0110】
なお、アドレス帳編集アプリAP2は、スキャナアプリAP1から起動されたとき、起動元のスキャナアプリAP1の識別情報を保持しておき、「正しい」アドレスの入力操作保持している識別情報に基づいて、起動対象のアプリケーションを判断する。
【0111】
再実行の要求例(ステップS111)
ステップS111では、スキャナアプリAP1は、画像データの送信を再度実行するように、配信モジュールMSに要求する。すなわち、スキャナアプリAP1は、更新されたアドレス帳で画像データを送信するように配信モジュールMSに要求する。
【0112】
送信データの送信例(ステップS112)
ステップS112では、配信モジュールMSは、送信データを送信先に送信する。例えば、配信モジュールMSは、ステップS104と同様に実行する。ただし、送信に用いられるアドレス等は、修正された後のアドレスである。
【0113】
以降の処理は、例えば、ステップS104と同様である。
【0114】
なお、初期設定アプリAP3で設定された送信初期ユーザ名・パスワードを使用するようにアドレス帳が設定された場合に、スキャナアプリAP1は、インテントを用いてアドレス帳アプリを起動させずに、初期設定アプリAP3を起動させ、送信初期ユーザ名・パスワードの設定画面を表示させてもよい。
【0115】
図12は、初期設定アプリが表示する送信初期ユーザ名・パスワードの設定画面の表示例を示す図である。図示する例では、「SMB送信ユーザー名」及び「FTP送信ユーザー名」にIDを示す文字又は数値等が設定される。一方で、「SMB送信パスワード」及び「FTP送信パスワード」にパスワードを示す文字又は数値等が設定される。例えば、ID又はパスワードが誤っているような場合には、図示するような操作画面が表示される。
【0116】
<第2実施形態>
第2実施形態では、例えば、第1実施形態と同様の全体構成及びハードウェア構成が用いられる。以下、異なる点を中心に説明する。
【0117】
第2実施形態は、対象とするサービスが「Scan to メール」(以下「S2メール」という。)となる点が異なる。つまり、スキャナによる読み取りによって生成された画像データは、メールに添付されてアドレスが示す送信先に送られる。S2メールの場合には、全体処理は、例えば、以下のように行われる。
【0118】
<全体処理例>
図13は、第2実施形態における全体処理の例を示すシーケンス図である。図示するように、第1実施形態と比較すると、まず、送信先がSMTP(Simple Mail Transfer Protocol)サーバ(以下「SMTPサーバ503」という。)となる点が異なる。また、第2アプリケーションが初期設定アプリAP3となる点が異なる。
【0119】
したがって、S2メールでは、SMTPサーバ503は、送信されたメール(画像データが添付されたメールである。)を入力されたアドレスに送信する。
【0120】
メール送信要求例(ステップS201)
ステップS201では、スキャナアプリAP1は、画像データを添付したメールの送信を配信モジュールMSに要求する。すなわち、スキャナアプリAP1は、ステップS101で入力された送信先に画像データを添付したメールを送信するように、配信モジュールMSに送信データの例である画像データが添付されたメールのデータを渡す。そして、スキャナアプリAP1は、渡したメールを送信先の例であるSMTPサーバ503に送信するように配信モジュールMSに要求する。
【0121】
メールの送信例(ステップS202)
ステップS202では、配信モジュールMSは、メールを送信先に送信する。
【0122】
以上のようなステップS101、ステップS102、ステップS201及びステップS202の処理は、例えば、以下のような操作画面で操作が行われる。
【0123】
図14は、第2実施形態における第1アプリケーション用の操作画面例を示す図である。例えば、アプリ選択ボタンCHによって、「スキャナー(メール送信)」が選択されると、図示するようなS2メールに関する設定を行う操作画面が表示される。
【0124】
図示する例では、S2Fと同様に、条件設定SETによって、スキャナ処理の条件が設定される。
【0125】
また、送信先は、S2Fと同様に、アドレス帳から読み出されたアドレス表示ADR2から選択される。
【0126】
第1実施形態と同様に、スキャナ処理によって生成された画像データが送信できない場合には、ステップS105以降の処理が行われる。第1実施形態と比較すると、エラーの内容が異なるため、修正の対象となる項目が異なる。
【0127】
第2実施形態では、エラーは、例えば、以下のような原因がある。
【0128】
・設定されているSMTPサーバのIPアドレスが存在しないエラー
つまり、上記の例では、SMTPサーバの設定において、IPアドレスが誤っている場合等である。以下、SMTPサーバの設定は、初期設定で行われるとする。この場合に、ステップS107では、スキャナアプリAP1が、インテントを用いて初期設定アプリAP3を起動させ、エラーデータを初期設定アプリAP3に渡す。
【0129】
初期設定を行うための操作画面の表示例(ステップS203)
ステップS203では、初期設定アプリAP3は、初期設定を行うための操作画面を表示する。例えば、初期設定アプリAP3は、以下のような操作画面を表示する。
【0130】
図15は、第2実施形態における操作画面の表示例を示す図である。例えば、図示する操作画面において、「サーバー名」という項目に、IPアドレスが設定される。したがって、IPアドレスが誤っていると判断される場合には、図示するような画面を表示して、「サーバー名」をユーザに修正させる。
【0131】
なお、SMTPサーバについての設定は、例えば、以下のような設定である。
【0132】
【表2】
上記(表2)では、「サーバ名」にIPアドレスが入力される例である。そして、他の設定として、通信に用いられる「ポート番号」、SSL(Secure Sockets Layer)を利用かするか否かの設定である「SSL利用」、並びに、SMTPを使用する上でのID及びパスワードを示す「ユーザ名」及び「パスワード」が設定される例である。
【0133】
なお、設定は、上記(表2)に示す設定に限られず、他の設定が更にあってもよい。
【0134】
上記の例では、インテント機能によって、第1アプリケーションから第2アプリケーションに送信されるエラーデータは、SMTPサーバを利用する上でのアドレス等の設定がエラーの原因であるか、又は、SMTPサーバを利用する上でのID及びパスワードがエラーの原因であるかによって、図12及び図15等に示す画面を特定できる情報、すなわち、操作画面設定情報を含むのが望ましい。上記のとおり、エラーの原因によって、用いられる操作画面が異なるため、エラーの原因に適した操作画面が表示されると、ユーザは、作業負荷が軽減できる。
【0135】
SMTPサーバ503の設定が、例えば、初期設定等でされる場合には、ステップS107で起動する第2アプリケーションの種類は、初期設定アプリ等である。一方で、アドレス帳に入力されるアドレスが誤っている場合には、ステップS107で起動する第2アプリケーションの種類は、第1実施形態と同様にアドレス帳アプリ等である。ただし、この場合には、メールアドレスが対象の項目となるため、送信先のユーザに対応するアドレス帳のページ等を示す操作画面が表示される。このような構成であると、ユーザが設定を修正するアプリケーションを探して起動させる操作を行う手間等を少なくできる。
【0136】
<機能構成例>
図16は、画像形成装置の機能構成例を示す機能ブロック図である。例えば、画像形成装置100は、処理部100F1、エラー検出部100F2、制御部100F3、伝達部100F4及び表示部100F5等を含む機能構成である。
【0137】
処理部100F1は、画像形成装置100又は操作装置110において、第1アプリケーションA1によって所定の処理を行う処理手順を行う。例えば、処理部100F1は、CPU211及びCPU221等によって実現される。
【0138】
エラー検出部100F2は、第1アプリケーションA1による処理においてエラーを検出するエラー検出手順を行う。例えば、エラー検出部100F2は、CPU211及びCPU221等によって実現される。
【0139】
制御部100F3は、エラー検出部100F2によってエラーが検出されると、エラーを解消させる操作を行う第2アプリケーションA2を起動させる制御手順を行う。例えば、制御部100F3は、CPU211及びCPU221等によって実現される。
【0140】
伝達部100F4は、エラーの内容に基づくエラーデータDEを第1アプリケーションA1から第2アプリケーションA2に伝える伝達手順を行う。例えば、伝達部100F4は、CPU211及びCPU221等によって実現される。
【0141】
表示部100F5は、エラーデータDEに基づいて、第2アプリケーションA2の操作画面を表示する表示手順を行う。例えば、表示部100F5は、操作パネル215等によって実現される。
【0142】
画像形成装置100又は操作装置110に、アプリケーションをインストールすることで、画像形成装置100又は操作装置110に様々な処理を実行させることができる。ただし、あるアプリケーションでエラーが発生した場合であっても、エラーの原因となる点は、エラーが発生しているアプリケーションでなく、他のアプリケーションでないと修正できない場合がある。
【0143】
エラーが発生した場合において、単にエラーメッセージを表示しただけでは、ユーザは、エラーを解消するためにどのような操作をしたらエラーを解消できるか、エラーの原因は何か、又は、具体的にどのアプリケーションを用いて操作するとエラーを解消できるかが分からない場合がある。このような場合には、ユーザには、エラーメッセージ等を控えてヘルプ等を参照して調べる手間が発生する場合が多い。
【0144】
また、エラーが分かる場合であっても、エラーを解消させるアプリケーションの操作画面に移るため、いわゆる「ホーム」画面まで戻り、操作画面まで辿り着くように操作する手間が発生する場合が多い。
【0145】
一方で、図示するような機能構成であると、エラーの内容、すなわち、エラーデータに基づいて、画像形成装置は、エラーが発生している切替元となる第1アプリケーションA1から、エラーを解消させる切替先となる第2アプリケーションA2に切り替える。したがって、ユーザは、第2アプリケーションを起動させる操作を行う作業負荷を軽減できる。
【0146】
また、第1アプリケーションA1から第2アプリケーションに、エラーに基づいて、エラーを解消する操作を行うのに適した操作画面を選び、選ばれた操作画面の識別情報等がエラーデータとして送られる。このようにすると、第2アプリケーションは、適切な操作画面を表示させることができる。したがって、エラーを解消させるための作業用の操作画面を表示させるため、「ホーム」から操作画面まで画面を遷移させる操作を少なくできる。
【0147】
ゆえに、エラーが起きた場合におけるユーザの手間を少なくできる。
【0148】
<その他の実施形態>
なお、本発明に係る各処理の全部又は一部は、低水準言語又は高水準言語で記述され、コンピュータに情報処理方法を実行させるためのプログラムによって実現されてもよい。すなわち、プログラムは、画像形成装置又は画像形成システム等のコンピュータに各処理を実行させるためのコンピュータプログラムである。
【0149】
したがって、プログラムに基づいて情報処理方法が実行されると、コンピュータが有する演算装置及び制御装置は、各処理を実行するため、プログラムに基づいて演算及び制御を行う。また、コンピュータが有する記憶装置は、各処理を実行するため、プログラムに基づいて、処理に用いられるデータを記憶する。
【0150】
また、プログラムは、コンピュータが読み取り可能な記録媒体に記録されて頒布することができる。なお、記録媒体は、磁気テープ、フラッシュメモリ、光ディスク、光磁気ディスク又は磁気ディスク等のメディアである。さらに、プログラムは、電気通信回線を通じて頒布することができる。
【0151】
なお、本発明に係る実施形態は、画像形成システムによって実現されてもよい。また、画像形成システムは、各処理を冗長、分散、並列、仮想化又はこれらを組み合わせて実行してもよい。
【0152】
以上、実施形態における一例について説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されない。すなわち、本発明の範囲内で種々の変形及び改良が可能である。
【符号の説明】
【0153】
100 画像形成装置
110 操作装置
500 画像形成システム
100F1 処理部
100F2 エラー検出部
100F3 制御部
100F4 伝達部
100F5 表示部
DE エラーデータ
【先行技術文献】
【特許文献】
【0154】
【文献】特開2010-200007号公報
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16