(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-22
(45)【発行日】2022-08-30
(54)【発明の名称】フリーザ
(51)【国際特許分類】
F25D 13/00 20060101AFI20220823BHJP
F25D 13/06 20060101ALI20220823BHJP
F25D 23/00 20060101ALI20220823BHJP
【FI】
F25D13/00 A
F25D13/06
F25D23/00 302L
(21)【出願番号】P 2018106845
(22)【出願日】2018-06-04
【審査請求日】2021-03-17
(73)【特許権者】
【識別番号】000148357
【氏名又は名称】株式会社前川製作所
(73)【特許権者】
【識別番号】599159978
【氏名又は名称】ムンタース株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100165179
【氏名又は名称】田▲崎▼ 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100175824
【氏名又は名称】小林 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100211122
【氏名又は名称】白石 卓也
(72)【発明者】
【氏名】福本 浩通
(72)【発明者】
【氏名】鱸 亮
(72)【発明者】
【氏名】吉川 直滋
【審査官】笹木 俊男
(56)【参考文献】
【文献】欧州特許出願公開第01808086(EP,A2)
【文献】特開2011-117646(JP,A)
【文献】特開2006-284122(JP,A)
【文献】特開2012-072981(JP,A)
【文献】特開2018-179397(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F25D 13/00
F25D 13/06
F25D 23/00
F25D 25/04
A23L 3/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象物を冷凍するためのフリーザであって、
前記対象物の搬入および搬出が可能な開口を有し、移送手段を介して前記対象物を移送させながら冷凍する冷凍庫と、
空気中の湿気を取り除く除湿装置と、
前記開口を通じて前記冷凍庫の内部に入り込もうとする湿り空気を吸い込み、前記除湿装置に送る吸込ダクトと、
前記除湿装置で除湿された乾燥空気を前記冷凍庫の内部に送る吐出ダクトと、を備え
、
前記吸込ダクトには、吸込口を有する吸込フードが接続されており、
前記吸込口は、前記開口の幅よりも大きいことを特徴とするフリーザ。
【請求項2】
前記吸込フードは、前記開口の近傍に配置されていることを特徴とする請求項
1に記載のフリーザ。
【請求項3】
前記吸込フードは、箱状をなすことを特徴とする請求項
1または
2に記載のフリーザ。
【請求項4】
前記吸込フードは、前記吸込口から吸引される湿り空気の流れを整流する吸込側整流板を備えることを特徴とする請求項
3に記載のフリーザ。
【請求項5】
前記吸込口は、前記開口の高さと同じ高さに位置していることを特徴とする請求項
1から
4の何れか一項に記載のフリーザ。
【請求項6】
前記吸込側整流板は、複数のパンチ孔が全面に設けられたパンチングプレートであることを特徴とする請求項
4に記載のフリーザ。
【請求項7】
前記吸込側整流板は、複数のスリット孔が全面に設けられたスリット板であることを特徴とする請求項
4に記載のフリーザ。
【請求項8】
前記吐出ダクトには、吐出口を有する吐出フードが接続されていることを特徴とする請求項
1から
7のいずれか一項に記載のフリーザ。
【請求項9】
前記吐出フードは、前記開口の近傍に配置されるとともに、前記吸込ダクトに接続された吸込フードよりも庫内内側に配置されていることを特徴とする請求項
8に記載のフリーザ。
【請求項10】
前記吐出フードは、箱状をなすことを特徴とする請求項
8または
9に記載のフリーザ。
【請求項11】
前記吐出フードは、前記吐出口から吐出される乾燥空気の流れを整流する吐出側整流板を備えることを特徴とする請求項1
0に記載のフリーザ。
【請求項12】
対象物を冷凍するためのフリーザであって、
前記対象物の搬入および搬出が可能な開口を有し、移送手段を介して前記対象物を移送させながら冷凍する冷凍庫と、
空気中の湿気を取り除く除湿装置と、
前記開口を通じて前記冷凍庫の内部に入り込もうとする湿り空気を吸い込み、前記除湿装置に送る吸込ダクトと、
前記除湿装置で除湿された乾燥空気を前記冷凍庫の内部に送る吐出ダクトと、を備え、
前記吸込ダクトには、吸込口を有する吸込フードが接続されており、
前記吐出ダクトには、吐出口を有する吐出フードが接続されており、
前記吐出口は、前記開口の幅よりも大きいことを特徴とする
フリーザ。
【請求項13】
対象物を冷凍するためのフリーザであって、
前記対象物の搬入および搬出が可能な開口を有し、移送手段を介して前記対象物を移送させながら冷凍する冷凍庫と、
空気中の湿気を取り除く除湿装置と、
前記開口を通じて前記冷凍庫の内部に入り込もうとする湿り空気を吸い込み、前記除湿装置に送る吸込ダクトと、
前記除湿装置で除湿された乾燥空気を前記冷凍庫の内部に送る吐出ダクトと、を備え、
前記吸込ダクトには、吸込口を有する吸込フードが接続されており、
前記吐出ダクトには、吐出口を有する吐出フードが接続されており、
前記吐出口は、前記開口の高さと同じ高さに位置していることを特徴とする
フリーザ。
【請求項14】
前記吐出側整流板は、複数のパンチ孔が全面に設けられたパンチングプレートであることを特徴とする請求項1
1に記載のフリーザ。
【請求項15】
前記吐出側整流板は、複数のスリット孔が全面に設けられたスリット板であることを特徴とする請求項1
1に記載のフリーザ。
【請求項16】
対象物を冷凍するためのフリーザであって、
前記対象物の搬入および搬出が可能な開口を有し、移送手段を介して前記対象物を移送させながら冷凍する冷凍庫と、
空気中の湿気を取り除く除湿装置と、
前記開口を通じて前記冷凍庫の内部に入り込もうとする湿り空気を吸い込み、前記除湿装置に送る吸込ダクトと、
前記除湿装置で除湿された乾燥空気を前記冷凍庫の内部に送る吐出ダクトと、を備え、
前記吸込ダクトには、吸込口を有する吸込フードが接続されており、
前記吐出ダクトには、吐出口を有する吐出フードが接続されており、
前記吐出フードは、前記吐出口から吐出される乾燥空気の流れを遮る邪魔板を更に備えることを特徴とする
フリーザ。
【請求項17】
前記邪魔板は、前記吐出口から吐出される乾燥空気の流れ方向が前記冷凍庫の内部に指向するように傾斜していることを特徴とする請求項1
6に記載のフリーザ。
【請求項18】
前記吸込フードおよび前記吐出フードは、互いに隣接していることを特徴とする請求項
8から1
7のいずれか一項に記載のフリーザ。
【請求項19】
前記冷凍庫に隣接して配置され、前記開口を通じて前記冷凍庫の内部に連通する別室を更に備えることを特徴とする請求項1から
18のいずれか一項に記載のフリーザ。
【請求項20】
前記吸込ダクトおよび前記吐出ダクトは、前記別室に接続されていることを特徴とする請求項
19に記載のフリーザ。
【請求項21】
前記除湿装置で除湿された乾燥空気を前記冷凍庫の内部に送り、前記冷凍庫の内部の気圧を大気圧よりも高い陽圧とする陽圧バルブを更に備えることを特徴とする請求項1から2
0のいずれか一項に記載のフリーザ。
【請求項22】
対象物を冷凍するためのフリーザであって、
前記対象物の搬入および搬出が可能な開口を有し、移送手段を介して前記対象物を移送させながら冷凍する冷凍庫と、
空気中の湿気を取り除く除湿装置と、
前記開口を通じて前記冷凍庫の内部に入り込もうとする湿り空気を吸い込み、前記除湿装置に送る吸込ダクトと、
前記除湿装置で除湿された乾燥空気を前記冷凍庫の内部に送る吐出ダクトと、
前記冷凍庫の内部の庫内空気を前記除湿装置に送り、前記冷凍庫の内部を減圧する減圧バルブ
と、備えることを特徴とする
フリーザ。
【請求項23】
前記除湿装置は、複数設けられていることを特徴とする請求項1から2
2のいずれか一項に記載のフリーザ。
【請求項24】
対象物を冷凍するためのフリーザであって、
前記対象物を搬入可能な冷凍庫入口と、前記対象物を搬出可能な冷凍庫出口と、を有し、移送手段を介して前記対象物を移送させながら冷凍する冷凍庫と、
空気中の湿気を取り除く除湿装置と、
前記冷凍庫に隣接して配置され、前記冷凍庫入口を通じて前記冷凍庫の内部に連通し、かつ湿り空気が流入する前室入口を有する前室と、
前記冷凍庫に隣接して配置され、前記冷凍庫出口を通じて前記冷凍庫の内部に連通し、かつ湿り空気が流入する後室出口を有する後室と、
前記前室入口を通じて前記前室に入り込もうとする湿り空気を、前記除湿装置に送る入口側吸込ダクトと、
前記後室出口を通じて前記後室に入り込もうとする湿り空気を、前記除湿装置に送る出口側吸込ダクトと、
前記除湿装置で除湿された乾燥空気を前記前室に送る入口側吐出ダクトと、
前記除湿装置で除湿された乾燥空気を前記後室に送る出口側吐出ダクトと、を備え
、
前記入口側吸込ダクト及び前記出口側吸込ダクトの少なくともいずれか一方には、吸込口を有する吸込フードが接続されており、
前記吸込口は、対応する前記前室入口又は前記後室出口の幅よりも大きいことを特徴とするフリーザ。
【請求項25】
対象物を冷凍するためのフリーザであって、
前記対象物を搬入可能な冷凍庫入口と、前記対象物を搬出可能な冷凍庫出口と、を有し、移送手段を介して前記対象物を移送させながら冷凍する冷凍庫と、
空気中の湿気を取り除く除湿装置と、
前記冷凍庫入口を通じて前記冷凍庫の内部に入り込もうとする湿り空気を、前記除湿装置に送る入口側吸込ダクトと、
前記冷凍庫出口を通じて前記冷凍庫の内部に入り込もうとする湿り空気を、前記除湿装置に送る出口側吸込ダクトと、
前記除湿装置で除湿された乾燥空気を前記冷凍庫入口の近傍で前記冷凍庫の内部に送る入口側吐出ダクトと、
前記除湿装置で除湿された乾燥空気を前記冷凍庫出口の近傍で前記冷凍庫の内部に送る出口側吐出ダクトと、を備え、
前記入口側吸込ダクト及び前記出口側吸込ダクトの少なくともいずれか一方には、吸込口を有する吸込フードが接続されており、
前記吸込口は、対応する前記冷凍庫入口又は前記冷凍庫出口の幅よりも大きいことを特徴とするフリーザ。
【請求項26】
対象物を冷凍するためのフリーザであって、
前記対象物を搬入可能な冷凍庫入口と、前記対象物を搬出可能な冷凍庫出口と、を有し、移送手段を介して前記対象物を移送させながら冷凍する冷凍庫と、
空気中の湿気を取り除く除湿装置と、
前記冷凍庫に隣接して配置され、前記冷凍庫入口を通じて前記冷凍庫の内部に連通し、かつ湿り空気が流入する前室入口を有する前室と、
前記冷凍庫に隣接して配置され、前記冷凍庫出口を通じて前記冷凍庫の内部に連通し、かつ湿り空気が流入する後室出口を有する後室と、
前記前室入口を通じて前記前室に入り込もうとする湿り空気を、前記除湿装置に送る入口側吸込ダクトと、
前記後室出口を通じて前記後室に入り込もうとする湿り空気を、前記除湿装置に送る出口側吸込ダクトと、
前記除湿装置で除湿された乾燥空気を前記前室に送る入口側吐出ダクトと、
前記除湿装置で除湿された乾燥空気を前記後室に送る出口側吐出ダクトと、
前記入口側吐出ダクトから分岐し、前記冷凍庫に接続された入口側分岐ダクトと、
前記出口側吐出ダクトから分岐し、前記冷凍庫に接続された出口側分岐ダクトと、
前記入口側分岐ダクトを通じて、前記除湿装置で除湿された乾燥空気を前記冷凍庫の内部に送り、前記冷凍庫の内部の気圧を大気圧よりも高い陽圧とする入口側陽圧バルブと、
前記出口側分岐ダクトを通じて、前記除湿装置で除湿された乾燥空気を前記冷凍庫の内部に送り、前記冷凍庫の内部の気圧を大気圧よりも高い陽圧とする出口側陽圧バルブと、を備え
、
前記入口側吸込ダクト及び前記出口側吸込ダクトの少なくともいずれか一方には、吸込口を有する吸込フードが接続されており、
前記吸込口は、対応する前記前室入口又は前記後室出口の幅よりも大きいことを特徴とするフリーザ。
【請求項27】
対象物を冷凍するためのフリーザであって、
前記対象物を搬入可能な冷凍庫入口と、前記対象物を搬出可能な冷凍庫出口と、を有し、移送手段を介して前記対象物を移送させながら冷凍する冷凍庫と、
空気中の湿気を取り除く除湿装置と、
前記冷凍庫に隣接して配置され、前記冷凍庫入口を通じて前記冷凍庫の内部に連通し、かつ湿り空気が流入する前室入口を有する前室と、
前記冷凍庫に隣接して配置され、前記冷凍庫出口を通じて前記冷凍庫の内部に連通し、かつ湿り空気が流入する後室出口を有する後室と、
前記除湿装置で除湿された乾燥空気を前記前室に送る入口側吐出ダクトと、
前記除湿装置で除湿された乾燥空気を前記後室に送る出口側吐出ダクトと、
前記入口側吐出ダクトに接続され
た入口側吐出フードと、
前記出口側吐出ダクトに接続され
た出口側吐出フードと、を備え
、
前記入口側吐出フード及び前記出口側吐出フードの少なくともいずれか一方の吐出口は、
対応する前記前室入口又は前記後室出口の幅よりも大きいことを特徴とするフリーザ。
【請求項28】
対象物を冷凍するためのフリーザであって、
前記対象物を搬入可能な冷凍庫入口と、前記対象物を搬出可能な冷凍庫出口と、を有し、移送手段を介して前記対象物を移送させながら冷凍する冷凍庫と、
空気中の湿気を取り除く第一除湿装置と、
前記第一除湿装置とは別個独立に設けられた第二除湿装置と、
前記冷凍庫に隣接して配置され、前記冷凍庫入口を通じて前記冷凍庫の内部に連通し、かつ湿り空気が流入する前室入口を有する前室と、
前記冷凍庫に隣接して配置され、前記冷凍庫出口を通じて前記冷凍庫の内部に連通し、かつ湿り空気が流入する後室出口を有する後室と、
前記前室入口を通じて前記前室に入り込もうとする湿り空気を、前記第一除湿装置に送る入口側吸込ダクトと、
前記後室出口を通じて前記後室に入り込もうとする湿り空気を、前記第二除湿装置に送る出口側吸込ダクトと、
前記第一除湿装置で除湿された乾燥空気を前記前室に送る入口側吐出ダクトと、
前記第二除湿装置で除湿された乾燥空気を前記後室に送る出口側吐出ダクトと、を備え
、
前記入口側吸込ダクト及び前記出口側吸込ダクトの少なくともいずれか一方には、吸込口を有する吸込フードが接続されており、
前記吸込口は、対応する前記前室入口又は前記後室出口の幅よりも大きいことを特徴とするフリーザ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フリーザに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、食品等を冷凍するためのフリーザが知られている。
フリーザの課題の一つとして、フリーザ庫内における冷却器の着霜がある。この要因としては、フリーザの開口(入口又は出口)からの外気の流入(湿り空気の流入)、フリーザを通過する商品の蒸散による水分等が挙げられる。着霜が進行すると伝熱が阻害され効率が低下するため、定期的に除霜(デフロスト)する必要がある。デフロスト運転の間はフリーザの冷却運転が止まるため、デフロスト回数が増えるほどフリーザの稼働効率が落ちる。そこで、フリーザ庫内の着霜を抑制するための構成が種々検討されている。
【0003】
例えば、特許文献1には、倉庫内の空気中の水分量を減少させる方法が開示されている。特許文献1では、倉庫内に連通する隔室に、隔室の空気中の水分量が倉庫内の空気中の水分量より低くなるように、空気除湿手段により除湿された空気を送っている。
例えば、特許文献2には、食品移送手段を介して食品を、トンネル内の所定温度域ゾーンに順次移送させながら冷凍を行う連続式トンネルフリーザが開示されている。特許文献2では、除去手段により最初の温度域ゾーン(非凍結温度域ゾーン)で食品の不要な水蒸気を液滴として除去した後、食品が冷凍温度域ゾーンに侵入可能に構成している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特許第5416343号公報
【文献】特許第3440157号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1の方法では、連続式トンネルフリーザのように移送手段を介して次々と被冷却物が移送される冷却装置には適さない。特許文献2では、連続式トンネルフリーザにおいて、凍結域前の隔室で不要な水分を液滴として除去する方法が開示されているが、凍結域内への水分の浸入を妨げきれないうえに、被冷却物が食品の場合、衛生面で問題がある。
【0006】
以上のような事情に鑑み、本発明は、フリーザ庫内の着霜を抑制しデフロストに係る時間を少なくすることで、フリーザの長時間運転を可能にすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様に係るフリーザは、対象物を冷凍するためのフリーザであって、前記対象物の搬入および搬出が可能な開口を有し、移送手段を介して前記対象物を移送させながら冷凍する冷凍庫と、空気中の湿気を取り除く除湿装置と、前記開口を通じて前記冷凍庫の内部に入り込もうとする湿り空気を吸い込み、前記除湿装置に送る吸込ダクトと、前記除湿装置で除湿された乾燥空気を前記冷凍庫の内部に送る吐出ダクトと、を備え、前記吸込ダクトには、吸込口を有する吸込フードが接続されており、前記吸込口は、前記開口の幅よりも大きいことを特徴とする。
【0008】
この構成によれば、冷凍庫の開口を通じて冷凍庫の内部(以下単に「庫内」ともいう。
)に入り込もうとする湿り空気を除湿装置に送る吸込ダクトを備えることで、吸込ダクトを通じて外気(湿り空気)が除湿装置へ送り込まれるため、湿り空気が庫内に流入することを抑制でき、着霜を抑制することができる。加えて、除湿装置で除湿された乾燥空気を庫内に送る吐出ダクトを備えることで、吐出ダクトを通じて乾燥空気が庫内へ送り込まれるため、庫内を乾燥させることができ、着霜を抑制することができる。加えて、外気が庫内に入ってくるところで捉え、捉えた空気を除湿装置で除湿し、除湿した空気を庫内へ戻すといった、空気の流れのサイクルが形成される。すなわち、庫内に入り込もうとする湿り空気を吸引し除湿装置へ送り、除湿した乾燥空気を庫内に吐出し流入させる空気の循環ラインが形成される。この循環ラインにより、庫内にダイレクトに流入する外気量を減少させることができ、庫内を乾燥雰囲気に維持しやすい。したがって、フリーザ庫内の着霜を抑制しデフロストに係る時間を少なくすることで、フリーザの長時間運転が可能となる。フリーザの長時間運転が可能となることで、生産量が増加し、デフロスト中の待機コストを抑制することができる。例えば、フリーザの長時間運転として、5日~6日の連続運転が可能になる。
また、吸込フードを通じて湿り空気が吸込ダクトを通過するため、湿り空気の吸込みが容易になる。さらに、吸込口の大きさを開口の幅以下とした場合と比較して、湿り空気を広い範囲で吸い込むことができる。
【0010】
本発明の一態様において、前記吸込フードは、前記開口の近傍に配置されていてもよい。
この構成によれば、開口を通じて庫内に入り込もうとする外気を捉えやすいため、吸込フードが開口から遠く離れて配置された場合と比較して、庫内に流入する湿り空気を減少させることができる。
【0011】
本発明の一態様において、前記吸込フードは、箱状をなしていてもよい。
この構成によれば、吸込口から吸い込んだ湿り空気が箱状の吸込フード内で混ざるため、流速が均一化された湿り空気を除湿装置に送ることができ、除湿装置の運転効率が向上する。
【0012】
本発明の一態様において、前記吸込フードは、前記吸込口から吸引される湿り空気の流れを整流する吸込側整流板を備えていてもよい。
この構成によれば、吸込側整流板によって湿り空気の流れが整流されるため、流れが整流された湿り空気を吸込ダクト内に流入させることができ、流速が均一化された湿り空気を除湿装置に送りやすい。
【0014】
本発明の一態様において、前記吸込口は、前記開口の高さと同じ高さに位置していてもよい。
この構成によれば、開口の大きさを最大限確保しつつ、吸込フードを開口の近傍に配置することができるため、吸込側整流板の整流機能を、より効果的に発揮することができる。
【0015】
本発明の一態様において、前記吸込側整流板は、複数のパンチ孔が全面に設けられたパンチングプレートであってもよい。
この構成によれば、複数のパンチ孔によって湿り空気の流れが整流されるため、吸込側整流板の整流機能を簡単な構成で発揮することができる。
【0016】
本発明の一態様において、前記吸込側整流板は、複数のスリット孔が全面に設けられたスリット板であってもよい。
この構成によれば、複数のスリット孔によって湿り空気の流れが整流されるため、吸込側整流板の整流機能を簡単な構成で発揮することができる。
【0017】
本発明の一態様において、前記吐出ダクトには、吐出口を有する吐出フードが接続されていてもよい。
この構成によれば、吐出フードを通じて乾燥空気が庫内に送り込まれるため、乾燥空気を所定の位置に吐出することができる。
【0018】
本発明の一態様において、前記吐出フードは、前記開口の近傍に配置されるとともに、前記吸込ダクトに接続された吸込フードよりも庫内内側に配置されていてもよい。
この構成によれば、開口の近傍で乾燥空気を庫内に送ることができ、かつ、吐出フードから吐出される乾燥空気が、開口から流入する湿り空気を押し出す空気の流れが形成される。したがって、吐出フードが開口から遠く離れて配置された場合と比較して、庫内に流入する湿り空気を減少させることができる。
【0019】
本発明の一態様において、前記吐出フードは、箱状をなしていてもよい。
この構成によれば、吐出口から吐出される乾燥空気が箱状の吐出フード内で混ざるため、流速が均一化された乾燥空気を庫内に送ることができ、着霜をより効果的に抑制することができる。
【0020】
本発明の一態様において、前記吐出フードは、前記吐出口から吐出される乾燥空気の流れを整流する吐出側整流板を備えていてもよい。
この構成によれば、吐出側整流板によって乾燥空気の流れが整流されるため、流速が均一化された乾燥空気を庫内に送りやすい。
【0021】
本発明の一態様に係るフリーザは、対象物を冷凍するためのフリーザであって、前記対象物の搬入および搬出が可能な開口を有し、移送手段を介して前記対象物を移送させながら冷凍する冷凍庫と、空気中の湿気を取り除く除湿装置と、前記開口を通じて前記冷凍庫の内部に入り込もうとする湿り空気を吸い込み、前記除湿装置に送る吸込ダクトと、前記除湿装置で除湿された乾燥空気を前記冷凍庫の内部に送る吐出ダクトと、を備え、前記吸込ダクトには、吸込口を有する吸込フードが接続されており、前記吐出ダクトには、吐出口を有する吐出フードが接続されており、前記吐出口は、前記開口の幅よりも大きいことを特徴とする。
この構成によれば、吐出口の大きさを開口の幅以下とした場合と比較して、乾燥空気の流れを広い範囲で整流することができる。
【0022】
本発明の一態様に係るフリーザは、対象物を冷凍するためのフリーザであって、前記対象物の搬入および搬出が可能な開口を有し、移送手段を介して前記対象物を移送させながら冷凍する冷凍庫と、空気中の湿気を取り除く除湿装置と、前記開口を通じて前記冷凍庫の内部に入り込もうとする湿り空気を吸い込み、前記除湿装置に送る吸込ダクトと、前記除湿装置で除湿された乾燥空気を前記冷凍庫の内部に送る吐出ダクトと、を備え、前記吸込ダクトには、吸込口を有する吸込フードが接続されており、前記吐出ダクトには、吐出口を有する吐出フードが接続されており、前記吐出口は、前記開口の高さと同じ高さに位置していることを特徴とする。
この構成によれば、開口の大きさを最大限確保しつつ、吐出フードを開口の近傍に配置することができるため、吐出側整流板の整流機能を、より効果的に発揮することができる。
【0023】
本発明の一態様において、前記吐出側整流板は、複数のパンチ孔が全面に設けられたパンチングプレートであってもよい。
この構成によれば、複数のパンチ孔によって乾燥空気の流れが整流されるため、吐出側整流板の整流機能を簡単な構成で発揮することができる。
【0024】
本発明の一態様において、前記吐出側整流板は、複数のスリット孔が全面に設けられたスリット板であってもよい。
この構成によれば、複数のスリット孔によって乾燥空気の流れが整流されるため、吐出側整流板の整流機能を簡単な構成で発揮することができる。
【0025】
本発明の一態様に係るフリーザは、対象物を冷凍するためのフリーザであって、前記対象物の搬入および搬出が可能な開口を有し、移送手段を介して前記対象物を移送させながら冷凍する冷凍庫と、空気中の湿気を取り除く除湿装置と、前記開口を通じて前記冷凍庫の内部に入り込もうとする湿り空気を吸い込み、前記除湿装置に送る吸込ダクトと、前記除湿装置で除湿された乾燥空気を前記冷凍庫の内部に送る吐出ダクトと、を備え、前記吸込ダクトには、吸込口を有する吸込フードが接続されており、前記吐出ダクトには、吐出口を有する吐出フードが接続されており、前記吐出フードは、前記吐出口から吐出される乾燥空気の流れを遮る邪魔板を更に備えることを特徴とする。
この構成によれば、邪魔板によって乾燥空気の流れを調整することができる。
【0026】
本発明の一態様において、前記邪魔板は、前記吐出口から吐出される乾燥空気の流れ方向が前記冷凍庫の内部に指向するように傾斜していてもよい。
この構成によれば、乾燥空気が庫内に向けて流されるため、着霜をより効果的に抑制することができる。
【0027】
本発明の一態様において、前記吸込フードおよび前記吐出フードは、互いに隣接していてもよい。
ところで、吸込フードおよび吐出フードが互いに遠く離れていると、吸込フードと吐出フードとの間に空気の淀みが生じ、庫内を乾燥させにくくなる可能性が高い。これに対し、この構成によれば、吸込フードおよび吐出フードが互いに隣接していることで、吸込フードと吐出フードとの間に空気の淀みが生じることを回避し、前記空気の循環ラインが形成され、庫内を乾燥させやすくすることができる。
【0028】
本発明の一態様において、前記冷凍庫に隣接して配置され、前記開口を通じて前記冷凍庫の内部に連通する別室を更に備えていてもよい。
この構成によれば、外気が庫内にダイレクトに流入する可能性をより一層低くすることができる。加えて、別室において開口周辺の作業ができるため、メンテナンス性が向上する。
【0029】
本発明の一態様において、前記吸込ダクトおよび前記吐出ダクトは、前記別室に接続されていてもよい。
この構成によれば、別室を乾燥雰囲気にすることで庫内に流れ込む湿り空気の量を抑制することができ、庫内の着霜を抑制することができる。
【0030】
本発明の一態様において、前記除湿装置で除湿された乾燥空気を前記冷凍庫の内部に送り、前記冷凍庫の内部の気圧を大気圧よりも高い陽圧とする陽圧バルブを更に備えていてもよい。
この構成によれば、開口を通じて庫内から庫外へ向かう空気の流れが生じるため、外気(湿り空気)が庫内に流入することを抑制でき、着霜をより効果的に抑制することができる。加えて、陽圧バルブの開閉により庫内圧力を調整することができる。
【0031】
本発明の一態様に係るフリーザは、対象物を冷凍するためのフリーザであって、前記対象物の搬入および搬出が可能な開口を有し、移送手段を介して前記対象物を移送させながら冷凍する冷凍庫と、空気中の湿気を取り除く除湿装置と、前記開口を通じて前記冷凍庫の内部に入り込もうとする湿り空気を吸い込み、前記除湿装置に送る吸込ダクトと、前記除湿装置で除湿された乾燥空気を前記冷凍庫の内部に送る吐出ダクトと、前記冷凍庫の内部の庫内空気を前記除湿装置に送り、前記冷凍庫の内部を減圧する減圧バルブと、備えることを特徴とする。
この構成によれば、減圧バルブを通じて庫内空気を除湿装置に送ることが可能となるため、庫内の気圧が過度に高くなることを抑制することができる。
【0032】
本発明の一態様において、前記除湿装置は、複数設けられていてもよい。
この構成によれば、除湿装置が1台のみ設けられている場合と比較して、着霜をより効果的に抑制することができる。
【0033】
本発明の一態様に係るフリーザは、対象物を冷凍するためのフリーザであって、前記対象物を搬入可能な冷凍庫入口と、前記対象物を搬出可能な冷凍庫出口と、を有し、移送手段を介して前記対象物を移送させながら冷凍する冷凍庫と、空気中の湿気を取り除く除湿装置と、前記冷凍庫に隣接して配置され、前記冷凍庫入口を通じて前記冷凍庫の内部に連通し、かつ湿り空気が流入する前室入口を有する前室と、前記冷凍庫に隣接して配置され、前記冷凍庫出口を通じて前記冷凍庫の内部に連通し、かつ湿り空気が流入する後室出口を有する後室と、前記前室入口を通じて前記前室に入り込もうとする湿り空気を、前記除湿装置に送る入口側吸込ダクトと、前記後室出口を通じて前記後室に入り込もうとする湿り空気を、前記除湿装置に送る出口側吸込ダクトと、前記除湿装置で除湿された乾燥空気を前記前室に送る入口側吐出ダクトと、前記除湿装置で除湿された乾燥空気を前記後室に送る出口側吐出ダクトと、を備え、前記入口側吸込ダクト及び前記出口側吸込ダクトの少なくともいずれか一方には、吸込口を有する吸込フードが接続されており、前記吸込口は、対応する前記前室入口又は前記後室出口の幅よりも大きいことを特徴とする。
この構成によれば、冷凍庫内を乾燥雰囲気に保ち、着霜を抑制することができる。
【0034】
本発明の一態様に係るフリーザは、対象物を冷凍するためのフリーザであって、前記対象物を搬入可能な冷凍庫入口と、前記対象物を搬出可能な冷凍庫出口と、を有し、移送手段を介して前記対象物を移送させながら冷凍する冷凍庫と、空気中の湿気を取り除く除湿装置と、前記冷凍庫入口を通じて前記冷凍庫の内部に入り込もうとする湿り空気を、前記除湿装置に送る入口側吸込ダクトと、前記冷凍庫出口を通じて前記冷凍庫の内部に入り込もうとする湿り空気を、前記除湿装置に送る出口側吸込ダクトと、前記除湿装置で除湿された乾燥空気を前記冷凍庫入口の近傍で前記冷凍庫の内部に送る入口側吐出ダクトと、前記除湿装置で除湿された乾燥空気を前記冷凍庫出口の近傍で前記冷凍庫の内部に送る出口側吐出ダクトと、を備え、前記入口側吸込ダクト及び前記出口側吸込ダクトの少なくともいずれか一方には、吸込口を有する吸込フードが接続されており、前記吸込口は、対応する前記冷凍庫入口又は前記冷凍庫出口の幅よりも大きいことを特徴とする。
この構成によれば、別室を備えない循環式の構成において、着霜を抑制することができる。
【0035】
本発明の一態様に係るフリーザは、対象物を冷凍するためのフリーザであって、前記対象物を搬入可能な冷凍庫入口と、前記対象物を搬出可能な冷凍庫出口と、を有し、移送手段を介して前記対象物を移送させながら冷凍する冷凍庫と、空気中の湿気を取り除く除湿装置と、前記冷凍庫に隣接して配置され、前記冷凍庫入口を通じて前記冷凍庫の内部に連通し、かつ湿り空気が流入する前室入口を有する前室と、前記冷凍庫に隣接して配置され、前記冷凍庫出口を通じて前記冷凍庫の内部に連通し、かつ湿り空気が流入する後室出口を有する後室と、前記前室入口を通じて前記前室に入り込もうとする湿り空気を、前記除湿装置に送る入口側吸込ダクトと、前記後室出口を通じて前記後室に入り込もうとする湿り空気を、前記除湿装置に送る出口側吸込ダクトと、前記除湿装置で除湿された乾燥空気を前記前室に送る入口側吐出ダクトと、前記除湿装置で除湿された乾燥空気を前記後室に送る出口側吐出ダクトと、前記入口側吐出ダクトから分岐し、前記冷凍庫に接続された入口側分岐ダクトと、前記出口側吐出ダクトから分岐し、前記冷凍庫に接続された出口側分岐ダクトと、前記入口側分岐ダクトを通じて、前記除湿装置で除湿された乾燥空気を前記冷凍庫の内部に送り、前記冷凍庫の内部の気圧を大気圧よりも高い陽圧とする入口側陽圧バルブと、前記出口側分岐ダクトを通じて、前記除湿装置で除湿された乾燥空気を前記冷凍庫の内部に送り、前記冷凍庫の内部の気圧を大気圧よりも高い陽圧とする出口側陽圧バルブと、を備え、前記入口側吸込ダクト及び前記出口側吸込ダクトの少なくともいずれか一方には、吸込口を有する吸込フードが接続されており、前記吸込口は、対応する前記前室入口又は前記後室出口の幅よりも大きいことを特徴とする。
【0036】
この構成によれば、入口側分岐ダクトを通じて、除湿装置で除湿された乾燥空気を冷凍庫の内部に送り、冷凍庫の内部の気圧を大気圧よりも高い陽圧とする入口側陽圧バルブと、出口側分岐ダクトを通じて、除湿装置で除湿された乾燥空気を冷凍庫の内部に送り、冷凍庫の内部の気圧を大気圧よりも高い陽圧とする出口側陽圧バルブと、を備えることで、冷凍庫入口または冷凍庫出口を通じて庫内から庫外へ向かう空気の流れが生じるため、外気(湿り空気)が庫内に流入することを抑制でき、着霜をより効果的に抑制することができる。したがって、循環式と陽圧式(ワンウエイ式)とを組み合わせた方式(微陽圧式)において、着霜を抑制することができる。
【0037】
本発明の一態様に係るフリーザは、対象物を冷凍するためのフリーザであって、前記対象物を搬入可能な冷凍庫入口と、前記対象物を搬出可能な冷凍庫出口と、を有し、移送手段を介して前記対象物を移送させながら冷凍する冷凍庫と、空気中の湿気を取り除く除湿装置と、前記冷凍庫に隣接して配置され、前記冷凍庫入口を通じて前記冷凍庫の内部に連通し、かつ湿り空気が流入する前室入口を有する前室と、前記冷凍庫に隣接して配置され、前記冷凍庫出口を通じて前記冷凍庫の内部に連通し、かつ湿り空気が流入する後室出口を有する後室と、前記除湿装置で除湿された乾燥空気を前記前室に送る入口側吐出ダクトと、前記除湿装置で除湿された乾燥空気を前記後室に送る出口側吐出ダクトと、前記入口側吐出ダクトに接続された入口側吐出フードと、前記出口側吐出ダクトに接続された出口側吐出フードと、を備え、前記入口側吐出フード及び前記出口側吐出フードの少なくともいずれか一方の吐出口は、対応する前記前室入口又は前記後室出口の幅よりも大きいことを特徴とする。
この構成によれば、各吐出ダクトを通じて乾燥空気が庫内へ送り込まれるため、庫内を乾燥させることができ、着霜を抑制することができる。したがって、陽圧式(ワンウエイ式)において、着霜を抑制することができる。
【0038】
本発明の一態様に係るフリーザは、対象物を冷凍するためのフリーザであって、前記対象物を搬入可能な冷凍庫入口と、前記対象物を搬出可能な冷凍庫出口と、を有し、移送手段を介して前記対象物を移送させながら冷凍する冷凍庫と、空気中の湿気を取り除く第一除湿装置と、前記第一除湿装置とは別個独立に設けられた第二除湿装置と、前記冷凍庫に隣接して配置され、前記冷凍庫入口を通じて前記冷凍庫の内部に連通し、かつ湿り空気が流入する前室入口を有する前室と、前記冷凍庫に隣接して配置され、前記冷凍庫出口を通じて前記冷凍庫の内部に連通し、かつ湿り空気が流入する後室出口を有する後室と、前記前室入口を通じて前記前室に入り込もうとする湿り空気を、前記第一除湿装置に送る入口側吸込ダクトと、前記後室出口を通じて前記後室に入り込もうとする湿り空気を、前記第二除湿装置に送る出口側吸込ダクトと、前記第一除湿装置で除湿された乾燥空気を前記前室に送る入口側吐出ダクトと、前記第二除湿装置で除湿された乾燥空気を前記後室に送る出口側吐出ダクトと、を備え、前記入口側吸込ダクト及び前記出口側吸込ダクトの少なくともいずれか一方には、吸込口を有する吸込フードが接続されており、前記吸込口は、対応する前記前室入口又は前記後室出口の幅よりも大きいことを特徴とする。
この構成によれば、空気中の湿気を取り除く第一除湿装置と、第一除湿装置とは別個独立に設けられた第二除湿装置と、を備えることで、除湿装置が1台のみ設けられている場合と比較して、着霜をより効果的に抑制することができる。したがって、除湿装置2台方式において、着霜を抑制することができる。
【発明の効果】
【0039】
本発明によれば、省エネルギー化を図りつつ、着霜を抑制することが可能なフリーザを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【
図9】実施形態の変形例に係る除湿ダクトの断面を含む図。
【
図10】実施形態の第一変形例に係るフリーザの概略図。
【
図11】実施形態の第一変形例に係る空気の流れの説明図。
【
図12】実施形態の第二変形例に係るフリーザの概略図。
【
図13】実施形態の第二変形例に係る空気の流れの説明図。
【
図14】実施形態の第三変形例に係るフリーザの概略図。
【
図15】実施形態の第三変形例に係る空気の流れの説明図。
【
図16】実施形態の第四変形例に係るフリーザの概略図。
【
図17】実施形態の第四変形例に係る空気の流れの説明図。
【発明を実施するための形態】
【0041】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。各図において、同一構成については同一の符号を付す。実施形態においては、フリーザの一例として、対象物として包装された食品(以下「包装食品」ともいう。)を用い、移送手段としてコンベアを用いたフリーザを挙げて説明する。
【0042】
[フリーザ1]
図1に示すように、フリーザ1は、対象物(包装食品)を搬入可能な冷凍庫入口2と、対象物を搬出可能な冷凍庫出口3と、を有し、コンベア4(移送手段)を介して対象物(不図示)を移送させながら冷凍する冷凍庫5と、空気中の湿気を取り除く除湿装置6と、冷凍庫5に隣接して配置され、冷凍庫入口2を通じて冷凍庫5の内部(庫内)に連通する前室11(別室)と、冷凍庫5に隣接して配置され、冷凍庫出口3を通じて庫内に連通する後室12(別室)と、前室入口15を通じて前室11に入り込もうとする外気(湿り空気)を除湿装置6に送る入口側吸込ダクト7と、後室出口16を通じて後室12に入り込もうとする湿り空気を除湿装置6に送る出口側吸込ダクト8と、除湿装置6で除湿された空気(乾燥空気)を前室11に送る入口側吐出ダクト9と、除湿装置6で除湿された乾燥空気を後室12に送る出口側吐出ダクト10と、を備える。
【0043】
庫内には、不図示の熱交換器(冷却器)が設けられている。冷凍庫5は、不図示の冷凍機から低温冷媒が冷却器に送られ、低温冷媒と庫内空気とが熱交換されることにより、庫内空気を冷却している。例えば、庫内空気は、-25℃の温度に保持される。
加えて、実施形態では、除湿装置6によって前室11、後室12および庫内の除湿を行っている。除湿装置6は、庫内空気に含まれる水蒸気量を、庫内空気温度に対する飽和水蒸気量以下にする。例えば、除湿装置6は、-25℃の庫内空気温度に対し飽和水蒸気量以下となるように除湿する。
【0044】
冷凍庫5は、コンベア4を介して対象物を移送させながら冷凍を行う、いわゆる連続式トンネルフリーザである。冷凍庫5は、一方向(水平方向)に延在する直方体箱状をなしている。冷凍庫入口2は、冷凍庫5の一側面に設けられている。冷凍庫出口3は、冷凍機本体の他側面(冷凍庫入口2とは反対側の面)に設けられている。
【0045】
前室11は、冷凍庫5の一側面に隣接して配置されている。前室11は、冷凍庫5の一側面に沿う直方体箱状をなしている。前室11は、冷凍庫5よりも小さい。前室11は、対象物を導入可能な前室入口15を有する。前室入口15は、前室11の一側面(冷凍庫入口2とは反対側の面)に設けられている。前室11の他側面は、冷凍庫5の一側面に面している。図中矢印E1は、対象物の導入方向を示す。
【0046】
後室12は、冷凍庫5の他側面(前室11とは反対側の面)に隣接して配置されている。後室12は、冷凍庫5の他側面に沿う直方体箱状をなしている。後室12は、冷凍庫5よりも小さい。後室12の一側面は、冷凍庫5の他側面に面している。後室12は、対象物を導出可能な後室出口16を有する。後室出口16は、後室12の他側面(冷凍庫出口3とは反対側の面)に設けられている。図中矢印E2は、対象物の導出方向を示す。
【0047】
冷凍庫5は、冷凍庫入口2、前室11および前室入口15を介して、不図示の前工程部(例えば、包装食品の製造装置)と連通している。冷凍庫5は、冷凍庫出口3、後室12および後室出口16を介して、不図示の後工程部(例えば、冷凍食品の保存庫)と連通している。コンベア4は、前室入口15から搬入された対象物を後室出口16に向けて移送する。
【0048】
[除湿装置6]
図2に示すように、除湿装置6は、不図示の吸着剤を担持し、吸着ゾーン18と再生ゾーン19とに分割されたデシカントロータ20と、前室入口15近傍および後室出口16近傍(以下「開口近傍」ともいう。)の空気を吸着ゾーン18に送る処理ファン21と、吸着ゾーン18に向かう空気中の塵埃を除去する処理フィルタ22と、吸着ゾーン18に向かう空気を冷却するプレクーラ23と、吸着ゾーン18を通過した空気を冷却するアフタークーラ24と、外気を再生ゾーン19に送る再生ファン25と、再生ゾーン19に向かう空気中の塵埃を除去する再生フィルタ26と、再生ゾーン19に向かう空気を加熱する加熱手段27と、を備える。
【0049】
開口近傍の空気は、処理ファン21によって、吸着ゾーン18に導入される。開口近傍の空気は、処理フィルタ22で塵埃などを除去される。処理フィルタ22を通過した空気は、プレクーラ23(例えば冷却コイル)で予冷され、相対湿度を高められる。相対湿度を高めた空気は、吸着ゾーン18に流入される。相対湿度を高められた空気は、吸着ゾーン18で吸着剤に水蒸気分(湿分)を吸着される。湿分を吸着された空気は、吸着時に吸着剤から発生する吸着熱によって高温化する。高温化した空気は、アフタークーラ24(例えば冷却コイル)で冷却され、低温乾燥空気となる。低温乾燥空気は、開口近傍に供給される。
図2において、矢印V1は吸着ゾーン18に向かう開口近傍の空気の流れ、矢印V2は開口近傍に向かう低温乾燥空気の流れをそれぞれ示す。
【0050】
デシカントロータ20に吸着された吸着剤を再生する側では、外気が、再生ファン25によって、再生ゾーン19に導入される。外気は、再生フィルタ26で塵埃などを除去される。再生フィルタ26を通過した空気は、加熱手段27(例えば加熱コイル)で加熱され、再生ゾーン19から湿分を脱離させるための熱量を供給される。熱量を供給された加熱空気は、再生ゾーン19に流入される。加熱空気は、保有熱によりデシカントロータ20に吸着されている湿分を脱離させる。脱離された湿分を含む空気は、外部に吐出される。
図2において、矢印V3は再生ゾーン19に向かう外気の流れ、矢印V4は外部に吐出される脱離された湿分を含む空気の流れをそれぞれ示す。
【0051】
実施形態によれば、除湿装置6としてデシカントロータ式除湿装置6を備えることで、空気中の湿分の吸着と、吸着した湿分の脱離とを一つの装置で連続して行うことができる。加えて、冷凍運転を継続しながら除湿を行うことができるため、運転効率が向上する。
【0052】
[入口側吸込フード30]
図1に示すように、入口側吸込ダクト7には、入口側吸込フード30が接続されている。入口側吸込フード30は、前室11において前室入口15の近傍に配置されている。入口側吸込フード30は、前室11における前室入口15上部の内壁に取り付けられている。
図3に示すように、入口側吸込フード30は、入口側吸込ダクト7に接続され、湿り空気の吸込みを行うことが可能とされている。
【0053】
図5に示すように、入口側吸込フード30は、湿り空気の吸込口40を有する箱状をなしている。入口側吸込フード30の吸込口40は、入口側吸込ダクト7の開口よりも大きい。入口側吸込フード30は、吸込口40から吸引される湿り空気の流れを整流する吸込側整流板42を備える。図中矢印M1は対象物の移送方向を示す。
【0054】
図4に示すように、入口側吸込フード30は、対象物の移送方向M1と直交し且つ水平方向と平行な方向T1に延在する直方体箱状をなしている。
図5に示すように、吸込口40は、入口側吸込フード30の下面に設けられている。吸込口40は、コンベア4の上面に向けて開口している。図中矢印J1は、吸込口40から吸い込まれる湿り空気の流れ方向を示す。
【0055】
吸込側整流板42は、入口側吸込フード30の下面に固定されている。
図6に示すように、吸込側整流板42は、入口側吸込フード30の延在方向(矢印T1方向)に長手を有する長方形板状をなしている。吸込側整流板42は、複数のパンチ孔43が全面に設けられたパンチングプレートである。下面視で、パンチ孔43は、円形状をなしている。
【0056】
ここで、対象物の移送方向M1と直交し且つ水平方向と平行な方向T1における前室入口15の長さW1(
図4参照)を「前室入口15の幅W1」、上下方向における前室入口15の上端位置H1(
図5参照)を「前室入口15の高さH1」とする。
図6に示すように、吸込口40の幅W2(吸込側整流板42の幅W2)は、前室入口15の幅W1(
図4参照)よりも大きい(W2>W1)。
図5に示すように、吸込口40の高さH2(吸込側整流板42の下端の高さH2)は、前室入口15の高さH1と実質的に同じ高さに位置している(H1≒H2)。
【0057】
[入口側吐出フード31]
図1に示すように、入口側吐出ダクト9には、入口側吐出フード31が接続されている。入口側吐出フード31は、前室11において前室入口15の近傍に配置されている。入口側吐出フード31は、入口側吸込フード30よりも庫内内側に配置されている。入口側吐出フード31は、入口側吐出ダクト9に接続され、乾燥空気の吐出を行うことが可能とされている。
【0058】
図5に示すように、入口側吐出フード31は、乾燥空気の吐出口50を有する箱状をなしている。入口側吐出フード31の吐出口50は、入口側吐出ダクト9の開口よりも大きい。入口側吐出フード31は、吐出口50から吐出される乾燥空気の流れを整流する吐出側整流板52と、吐出口50から吐出される乾燥空気の流れを遮る邪魔板54と、を備える。
【0059】
図4に示すように、入口側吐出フード31は、入口側吸込フード30の延在方向と平行な方向に延在する直方体箱状をなしている。入口側吸込フード30および入口側吐出フード31は、互いに隣接している。入口側吐出フード31は、不図示の連結プレートによって入口側吸込フード30と一体に結合されている。
図5に示すように、吐出口50は、入口側吐出フード31の下面に設けられている。吐出口50は、コンベア4の上面に向けて開口している。図中矢印J2は、吐出口50から吐出される乾燥空気の流れ方向を示す。
【0060】
吐出側整流板52は、入口側吐出フード31の下面に固定されている。吐出側整流板52は、入口側吐出フード31の延在方向に長手を有する長方形板状をなしている。吐出側整流板52は、吸込側整流板42と同様のパンチングプレートである。
【0061】
吐出側整流板52の長手方向の長さは、吸込側整流板42の長手方向の長さと同じである。吐出口50の幅(吐出側整流板52の幅)は、前室入口15の幅の幅W1(
図4参照)よりも大きい。
吐出口50の高さ(吐出側整流板52の下端の高さ)は、吸込側整流板42の下端の高さH2と実質的に同じ高さに位置している。吐出側整流板52の下端の高さは、前室入口15の高さH1と実質的に同じ高さに位置している。
図5に示すように、吐出側整流板52の短手方向の長さは、吸込側整流板42の短手方向の長さよりも短い。
【0062】
邪魔板54は、吐出口50から吐出される乾燥空気の流れ方向が庫内に指向するように傾斜している。邪魔板54は、下側ほど冷凍庫5の内方に位置するように直線状に傾斜する板状をなしている。邪魔板54の上端は、入口側吐出フード31における一側壁(冷凍庫入口2とは反対側の側壁)に連結されている。邪魔板54の下端は、吐出側整流板52の一端(冷凍庫入口2とは反対側の端部)に連結されている。
【0063】
[出口側吸込フード32]
図1に示すように、出口側吸込ダクト8の吸込口には、出口側吸込フード32が取り付けられている。出口側吸込フード32は、後室12において後室出口16の近傍に配置されている。出口側吸込フード32は、後室12における後室出口16上部の内壁に取り付けられている。出口側吸込フード32は、出口側吸込ダクト8に接続され、湿り空気の吸込みを行うことが可能とされている。出口側吸込フード32は、入口側吸込フード30と同様の構成を有するため、詳細説明は省略する。
【0064】
[出口側吐出フード33]
出口側吐出ダクト10の吐出口には、出口側吐出フード33が取り付けられている。出口側吐出フード33は、後室12において後室出口16の近傍に配置されている。出口側吐出フード33は、出口側吸込フード32よりも庫内内側に配置されている。出口側吐出フード33は、出口側吐出ダクト10に接続され、乾燥空気の吐出を行うことが可能とされている。出口側吐出フード33は、入口側吐出フード31と同様の構成を有するため、詳細説明は省略する。
【0065】
[空気の流れ]
図7に示すように、入口側吸込ダクト7は、前室入口15を通じて前室11に入り込もうとする外気(湿り空気)を除湿装置6に送る。以下、各空気ライン(各ダクト)において、空気の流れ方向上流側を単に「上流側」、空気の流れ方向下流側を単に「下流側」ともいう。入口側吸込ダクト7の上流端は、入口側吸込フード30の上面に接続されている。入口側吸込ダクト7の下流端は、除湿装置6(吸着ゾーン18)に接続されている。図中矢印A1は、入口側吸込ダクト7における湿り空気の流れを示す。
【0066】
出口側吸込ダクト8は、後室出口16を通じて後室12に入り込もうとする湿り空気を除湿装置6に送る。出口側吸込ダクト8の上流端は、出口側吸込フード32の上面に接続されている。出口側吸込ダクト8の下流端は、入口側吸込ダクト7の途中に接続されている。図中矢印A2は、出口側吸込ダクト8における湿り空気の流れを示す。
【0067】
入口側吐出ダクト9は、除湿装置6で除湿された空気(乾燥空気)を前室入口15の近傍で前室11の内部に送る。入口側吐出ダクト9の上流端は、除湿装置6(吸着ゾーン18)に接続されている。入口側吐出ダクト9の下流端は、入口側吐出フード31の上面に接続されている。図中矢印B1は、入口側吐出ダクト9における乾燥空気の流れを示す。
【0068】
出口側吐出ダクト10は、除湿装置6で除湿された乾燥空気を後室出口16の近傍で後室16の内部に送る。出口側吐出ダクト10の上流端は、入口側吐出ダクト9の途中に接続されている。出口側吐出ダクト10の下流端は、出口側吐出フード33の上面に接続されている。図中矢印B2は、出口側吐出ダクト10における乾燥空気の流れを示す。
【0069】
以上説明したように、上記実施形態に係るフリーザ1は、対象物を冷凍するためのフリーザであって、対象物を搬入可能な冷凍庫入口2と、対象物を搬出可能な冷凍庫出口3と、を有し、コンベア4を介して対象物を移送させながら冷凍する冷凍庫5と、空気中の湿気を取り除く除湿装置6と、冷凍庫5に隣接して配置され、冷凍庫入口2を通じて冷凍庫5の内部に連通し、かつ湿り空気が流入する前室入口15を有する前室11と、冷凍庫5に隣接して配置され、冷凍庫出口3を通じて冷凍庫5の内部に連通し、かつ湿り空気が流入する後室出口16を有する後室12と、前室入口15を通じて前室11に入り込もうとする湿り空気を、除湿装置6に送る入口側吸込ダクト7と、後室出口16を通じて後室12に入り込もうとする湿り空気を、除湿装置6に送る出口側吸込ダクト8と、除湿装置6で除湿された乾燥空気を前室11に送る入口側吐出ダクト9と、除湿装置6で除湿された乾燥空気を後室12に送る出口側吐出ダクト10と、を備える。
【0070】
この構成によれば、前室入口15を通じて前室11に入り込もうとする湿り空気を、除湿装置6に送る入口側吸込ダクト7と、後室出口16を通じて後室12に入り込もうとする湿り空気を、除湿装置6に送る出口側吸込ダクト8と、を備えることで、各吸込ダクト7,8を通じて外気(湿り空気)が除湿装置6へ送り込まれるため、湿り空気が前室11、後室12(別室)および庫内に流入することを抑制でき、着霜を抑制することができる。加えて、除湿装置6で除湿された乾燥空気を前室11に送る入口側吐出ダクト9と、除湿装置6で除湿された乾燥空気を後室12に送る出口側吐出ダクト10と、を備えることで、各吐出ダクト9,10を通じて乾燥空気が別室および庫内へ送り込まれるため、庫内を乾燥させることができ、着霜を抑制することができる。加えて、外気が別室に入ってくるところで捉え、捉えた空気を除湿装置6で除湿し、除湿した空気を庫内へ戻すといった、空気の流れのサイクルが形成される。すなわち、別室に入り込もうとする湿り空気を吸引し除湿装置6へ送り、除湿した乾燥空気を別室に吐出し流入させる空気の循環ラインが形成される。この循環ラインにより、別室および庫内にダイレクトに流入する外気量を減少させることができ、庫内を乾燥雰囲気に維持しやすい。したがって、フリーザ庫内の着霜を抑制しデフロストに係る時間を少なくすることで、フリーザの長時間運転が可能となる。フリーザの長時間運転が可能となることで、生産量が増加し、デフロスト中の待機コストを抑制することができる。例えば、フリーザの長時間運転として、5日~6日の連続運転が可能になる。
加えて、別室として前室11および後室12を備えることで、以下の効果を奏する。外気が庫内にダイレクトに流入する可能性をより一層低くすることができる。加えて、別室において開口周辺の作業ができるため、メンテナンス性が向上する。
加えて、吸込ダクト7,8および吐出ダクト9,10は、別室に接続されていることで、以下の効果を奏する。別室を乾燥雰囲気にすることで庫内に流れ込む湿り空気の量を抑制することができ、庫内の着霜を抑制することができる。
【0071】
上記実施形態において、吸込ダクト7,8には、吸込口40を有する吸込フード30,32が接続されていることで、以下の効果を奏する。
この構成によれば、吸込フード30,32を通じて湿り空気が吸込ダクト7,8を通過するため、湿り空気の吸込みが容易になる。
【0072】
上記実施形態において、吸込フード30,32は、開口15,16の近傍に配置されていることで、以下の効果を奏する。
この構成によれば、開口15,16を通じて別室に入り込もうとする外気を捉えやすいため、吸込フード30,32が開口15,16から遠く離れて配置された場合と比較して、庫内に流入する湿り空気を減少させることができる。
【0073】
上記実施形態において、吸込フード30,32は、箱状をなしていることで、以下の効果を奏する。
この構成によれば、吸込口40から吸い込んだ湿り空気が箱状の吸込フード30,32内で混ざるため、流速が均一化された湿り空気を除湿装置6に送ることができ、除湿装置6の運転効率が向上する。
【0074】
上記実施形態において、吸込フード30,32は、吸込口40から吸引される湿り空気の流れを整流する吸込側整流板42を備えることで、以下の効果を奏する。
この構成によれば、吸込側整流板42によって湿り空気の流れが整流されるため、流れが整流された湿り空気を吸込ダクト7,8内に流入させることができ、流速が均一化された湿り空気を除湿装置6に送りやすい。
【0075】
上記実施形態において、吸込口40は、開口15,16の幅W1よりも大きいことで、以下の効果を奏する。
この構成によれば、吸込口40の大きさを開口15,16の幅W1以下とした場合と比較して、湿り空気を広い範囲で吸い込むことができる。
【0076】
上記実施形態において、吸込口40は、開口15,16の高さH1と同じ高さに位置していることで、以下の効果を奏する。
この構成によれば、開口15,16の大きさを最大限確保しつつ、吸込側整流板42を開口15,16の近傍に配置することができるため、吸込側整流板42の整流機能を、より効果的に発揮することができる。
【0077】
上記実施形態において、吸込側整流板42は、複数のパンチ孔43が全面に設けられたパンチングプレートであることで、以下の効果を奏する。
この構成によれば、複数のパンチ孔43によって湿り空気の流れが整流されるため、吸込側整流板42の整流機能を簡単な構成で発揮することができる。
【0078】
上記実施形態において、吐出ダクト9,10には、吐出口50を有する吐出フード31,33が接続されていることで、以下の効果を奏する。
この構成によれば、吐出フード31を通じて乾燥空気が庫内に送り込まれるため、乾燥空気を所定の位置に吐出することができる。
【0079】
上記実施形態において、吐出フード31,33は、開口15,16の近傍に配置されるとともに、吸込ダクト7,8に接続された吸込フード30,32よりも庫内内側に配置されていることで、以下の効果を奏する。
この構成によれば、開口15,16の近傍で乾燥空気を庫内に送ることができ、かつ、吐出フード31,33から吐出される乾燥空気が、開口15,16から流入する湿り空気を押し出す空気の流れが形成される。したがって、吐出フード31,33が開口から遠く離れて配置された場合と比較して、庫内に流入する湿り空気を減少させることができる。
【0080】
上記実施形態において、吐出フード31,33は、箱状をなしていることで、以下の効果を奏する。
この構成によれば、吐出口50から吐出される乾燥空気が箱状の吐出フード31,33内で混ざるため、流速が均一化された乾燥空気を庫内に送ることができ、着霜をより効果的に抑制することができる。
【0081】
上記実施形態において、吐出フード31,33は、吐出口50から吐出される乾燥空気の流れを整流する吐出側整流板52を備えることで、以下の効果を奏する。
この構成によれば、吐出側整流板52によって乾燥空気の流れが整流されるため、流速が均一化された乾燥空気を庫内に送りやすい。
【0082】
上記実施形態において、吐出口50は、開口15,16の幅W1よりも大きいことで、以下の効果を奏する。
この構成によれば、吐出口50の大きさを開口15,16の幅W1以下とした場合と比較して、乾燥空気の流れを広い範囲で整流することができる。
【0083】
上記実施形態において、吐出口50は、開口15,16の高さH1と同じ高さに位置していることで、以下の効果を奏する。
この構成によれば、開口15,16の大きさを最大限確保しつつ、吐出フード31,33を開口15,16の近傍に配置することができるため、吐出側整流板52の整流機能を、より効果的に発揮することができる。
【0084】
上記実施形態において、吐出側整流板52は、複数のパンチ孔53が全面に設けられたパンチングプレートであることで、以下の効果を奏する。
この構成によれば、複数のパンチ孔53によって乾燥空気の流れが整流されるため、吐出側整流板52の整流機能を簡単な構成で発揮することができる。
【0085】
上記実施形態において、吐出フード31,33は、吐出口50から吐出される乾燥空気の流れを遮る邪魔板54を更に備えることで、以下の効果を奏する。
この構成によれば、邪魔板54によって乾燥空気の流れを調整することができる。
【0086】
上記実施形態において、邪魔板54は、吐出口50から吐出される乾燥空気の流れ方向が冷凍庫5の内部に指向するように傾斜していることで、以下の効果を奏する。
この構成によれば、乾燥空気が庫内に向けて流されるため、着霜をより効果的に抑制することができる。
【0087】
上記実施形態において、吸込フード30,32および吐出フード31,33は、互いに隣接していることで、以下の効果を奏する。
ところで、吸込フード30,32および吐出フード31,33が互いに遠く離れていると、吸込フード30,32と吐出フード31,33との間に空気の淀みが生じ、庫内を乾燥させにくくなる可能性が高い。これに対し、この構成によれば、吸込フード30,32および吐出フード31,33が互いに隣接していることで、吸込フード30,32と吐出フード31,33との間に空気の淀みが生じることを回避し、前記空気の循環ラインが形成され、庫内を乾燥させやすくすることができる。
【0088】
[変形例]
以下、実施形態の変形例について説明する。以下の変形例において、上記実施形態と同一の構成には同一の符号を付し、詳細説明は省略する。
【0089】
上記実施形態では、吸込側整流板42は、複数のパンチ孔43が全面に設けられたパンチングプレートである例を挙げて説明したが、これに限らない。例えば、
図8に示すように、吸込側整流板は、複数のスリット孔43Aが全面に設けられたスリット板42Aであってもよい。この構成によれば、複数のスリット孔43Aによって湿り空気の流れが整流されるため、吸込側整流板の整流機能を簡単な構成で発揮することができる。
【0090】
上記実施形態では、吐出側整流板52は、複数のパンチ孔53が全面に設けられたパンチングプレートである例を挙げて説明したが、これに限らない。例えば、吐出側整流板は、複数のスリット孔が全面に設けられたスリット板であってもよい。この構成によれば、複数のスリット孔によって乾燥空気の流れが整流されるため、吐出側整流板の整流機能を簡単な構成で発揮することができる。
【0091】
上記実施形態では、邪魔板54は、下側ほど冷凍庫5の内方に位置するように直線状に傾斜する板状をなしている例(
図5参照)を挙げて説明したが、これに限らない。例えば、
図9に示すように、邪魔板54は、下側ほど冷凍庫5の外方に位置するように直線状に傾斜する板状をなしていてもよい。
例えば、邪魔板54は、吐出口50から吐出される乾燥空気の流れ方向J2を変更可能に(吐出側整流板52とのなす角度を調整可能に)、回動可能に構成されていてもよい。
【0092】
上記実施形態では、フリーザ1は、別室として前室11および後室12を備える例を挙げて説明したが、これに限らない。例えば、
図10に示すように、フリーザ101は、別室(前室11および後室12)を備えていなくてもよい。
図11においては、本変形例のフリーザ101の各空気ラインにおける空気の流れを示す。
【0093】
入口側吸込フード30は、冷凍庫5において冷凍庫入口2の近傍に配置されている。入口側吸込フード30は、冷凍庫5における冷凍庫入口2上部の内壁に取り付けられている。
入口側吐出フード31は、冷凍庫5において冷凍庫入口2の近傍に配置されている。入口側吐出フード31は、入口側吸込フード30よりも庫内内側に配置されている。
【0094】
出口側吸込フード32は、冷凍庫5において冷凍庫出口3の近傍に配置されている。出口側吸込フード32は、冷凍庫5における冷凍庫出口3上部の内壁に取り付けられている。
出口側吐出フード33は、冷凍庫5において冷凍庫出口3の近傍に配置されている。出口側吐出フード33は、出口側吸込フード32よりも庫内内側に配置されている。
【0095】
上記実施形態では、フリーザ1は、空気が流れるラインとして吸込ダクト7,8および吐出ダクト9,10を備える例(循環式の例)を挙げて説明したが、これに限らない。例えば、
図12に示すように、フリーザ201は、除湿装置6で除湿された乾燥空気を庫内に送り、庫内の気圧を大気圧よりも高い陽圧とする陽圧バルブ220,221を更に備えていてもよい。
【0096】
本変形例のフリーザは、入口側吐出ダクト9から分岐し、冷凍庫5に接続された入口側分岐ダクト210と、出口側吐出ダクト10から分岐し、冷凍庫5に接続された出口側分岐ダクト211と、入口側吸込ダクト7から分岐し、冷凍庫5に接続された減圧ダクト212と、入口側分岐ダクト210を通じて、除湿装置6で除湿された乾燥空気を庫内に送り、庫内を陽圧とする入口側陽圧バルブ220と、出口側分岐ダクト211を通じて、除湿装置6で除湿された乾燥空気を庫内に送り、庫内を陽圧とする出口側陽圧バルブ221と、減圧ダクト212を通じて、庫内空気を除湿装置6に送り、庫内を減圧する減圧バルブ222と、を備える。
【0097】
入口側分岐ダクト210の上流端は、入口側吐出ダクト9の途中に接続されている。入口側分岐ダクト210の下流端は、冷凍庫5における冷凍庫入口2近傍の上面に接続されている。
図13において矢印C1は、入口側分岐ダクト210における乾燥空気の流れを示す。
出口側分岐ダクト211の上流端は、出口側吐出ダクト10の途中に接続されている。出口側分岐ダクト211の下流端は、冷凍庫5における冷凍庫出口3近傍の上面に接続されている。
図13において矢印C2は、出口側分岐ダクト211における乾燥空気の流れを示す。
減圧ダクト212の上流端は、冷凍庫5中央部の上面に接続されている。減圧ダクト212の下流端は、入口側吸込ダクト7の途中に接続されている。
図13において矢印D1は、減圧ダクト212における庫内空気の流れを示す。
【0098】
本変形例において、入口側分岐ダクト210を通じて、除湿装置6で除湿された乾燥空気を庫内に送り、庫内の気圧を大気圧よりも高い陽圧とする入口側陽圧バルブ220と、出口側分岐ダクト211を通じて、除湿装置6で除湿された乾燥空気を庫内に送り、庫内の気圧を大気圧よりも高い陽圧とする出口側陽圧バルブ221と、を備えることで、以下の効果を奏する。
この構成によれば、冷凍庫入口2または冷凍庫出口3を通じて庫内から庫外へ向かう空気の流れが生じるため、外気(湿り空気)が庫内に流入することを抑制でき、着霜をより効果的に抑制することができる。したがって、循環式と陽圧式(ワンウエイ式)とを組み合わせた方式(微陽圧式)において、着霜を抑制することができる。加えて、各陽圧バルブ220,221の開閉により庫内圧力を調整することができる。
【0099】
本変形例において、庫内空気を除湿装置6に送り、庫内を減圧する減圧バルブ222を更に備えることで、以下の効果を奏する。
この構成によれば、減圧バルブ222を通じて庫内空気を除湿装置6に送ることが可能となるため、庫内の気圧が過度に高くなることを抑制することができる。
【0100】
上記実施形態では、フリーザ1は、空気が流れるラインとして吸込ダクト7,8および吐出ダクト9,10を備える例を挙げて説明したが、これに限らない。例えば、
図14に示すように、フリーザ301は、吸込ダクト7,8を備えていなくてもよい。フリーザ301は、空気が流れるラインとして吐出ダクト9,10のみを備えていてもよい。
【0101】
本変形例のフリーザは、除湿装置6で除湿された乾燥空気を前室11に送る入口側吐出ダクト9と、除湿装置6で除湿された乾燥空気を後室12に送る出口側吐出ダクト10と、入口側吐出ダクト9に接続され、前室入口15の近傍に配置された入口側吐出フード31と、出口側吐出ダクト10に接続され、後室入口16の近傍に配置された出口側吐出フード33と、を備える。
図15においては、本変形例のフリーザ301の各空気ラインにおける空気の流れを示す。
【0102】
本変形例によれば、各吐出ダクト9、10を通じて乾燥空気が庫内へ送り込まれるため、庫内を乾燥させることができ、着霜を抑制することができる。したがって、陽圧式(ワンウエイ式)において、着霜を抑制することができる。
【0103】
上記実施形態では、除湿装置6が1台のみ設けられている例を挙げて説明したが、これに限らない。例えば、
図16に示すように、除湿装置6は、複数(
図16では2台)設けられていてもよい。
【0104】
本変形例のフリーザ401は、第一除湿装置461と、第一除湿装置461とは別個独立に設けられた第二除湿装置462と、前室入口15を通じて前室11に入り込もうとする湿り空気を、第一除湿装置461に送る入口側吸込ダクト7と、後室出口16を通じて後室12に入り込もうとする湿り空気を、第二除湿装置462に送る出口側吸込ダクト8と、第一除湿装置461で除湿された乾燥空気を前室11に送る入口側吐出ダクト9と、第二除湿装置462で除湿された乾燥空気を後室12に送る出口側吐出ダクト10と、を備える。
図17においては、本変形例のフリーザ401の各空気ラインにおける空気の流れを示す。
【0105】
本変形例において、第一除湿装置461と、第一除湿装置461とは別個独立に設けられた第二除湿装置462と、を備えることで、除湿装置が1台のみ設けられている場合と比較して、着霜をより効果的に抑制することができる。したがって、除湿装置2台方式において、着霜を抑制することができる。
【0106】
本変形例では、除湿装置が2台設けられている例を挙げて説明したが、これに限らない。例えば、除湿装置は、3台以上設けられていてもよい。すなわち、除湿装置の設置台数は、要求仕様に応じて変更してもよい。
【0107】
上記実施形態では、冷凍庫5が冷凍庫入口2および冷凍庫出口3を別個独立に有する例を挙げて説明したが、これに限らない。例えば、冷凍庫5は、対象物の搬入または搬出が可能な開口を有していてもよい。例えば、冷凍庫入口2および冷凍庫出口3は、共通の開口とされていてもよい。例えば、フリーザは、対象物の搬入または搬出が可能な開口を有し、移送手段を介して対象物を移送させながら冷凍する冷凍庫と、空気中の湿気を取り除く除湿装置と、開口を通じて冷凍庫の内部に入り込もうとする湿り空気を、除湿装置に送る吸込ダクトと、除湿装置で除湿された乾燥空気を冷凍庫の内部に送る吐出ダクトと、を備えていてもよい。
【0108】
上記実施形態では、フリーザが吸込フードおよび吐出フードを備える例を挙げて説明したが、これに限らない。例えば、フリーザは、吸込フードおよび吐出フードの少なくとも一方を備えていなくてもよい。
【0109】
上記実施形態では、対象物として包装食品を用い、移送手段として包装食品を搬送するコンベアを用いたフリーザを挙げて説明したが、これに限らない。例えば、対象物として包装されていない食品を用いてもよい。例えば、対象物として食品以外(例えば化学製品など)を用いてもよい。例えば、移送手段としてコンベア以外(例えば、搬送ロボットなど)を用いてもよい。
【0110】
上記実施形態では、フリーザとして、前室11、冷凍庫5および後室12が直線状に並ぶ直線タイプを挙げて説明したが、これに限らない。例えば、フリーザは、直線タイプに対して前室11および後室12の位置を変更したマルチレイヤードタイプなどに適用してもよい。
【0111】
なお、本発明の技術範囲は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
【符号の説明】
【0112】
1,101,201,301,401…フリーザ、2…冷凍庫入口、3…冷凍庫出口、4…コンベア(移送手段)、5…冷凍庫、6…除湿装置、7…入口側吸込ダクト、8…出口側吸込ダクト、9…入口側吐出ダクト、10…出口側吐出ダクト、11…前室、12…後室、30…入口側吸込フード、31…入口側吐出フード、32…出口側吸込フード、33…出口側吐出フード、40…吸込口、42…吸込側整流板、42A…スリット板、43…パンチ孔、43A…スリット孔、50…吐出口、52…吐出側整流板、54…邪魔板、210…入口側分岐ダクト、211…出口側分岐ダクト、212…減圧ダクト、220…入口側陽圧バルブ、221…出口側陽圧バルブ、222…減圧バルブ、461…第一除湿装置、462…第二除湿装置