IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社クラレの特許一覧

<>
  • 特許-靴成形体の製造方法 図1
  • 特許-靴成形体の製造方法 図2
  • 特許-靴成形体の製造方法 図3
  • 特許-靴成形体の製造方法 図4
  • 特許-靴成形体の製造方法 図5
  • 特許-靴成形体の製造方法 図6
  • 特許-靴成形体の製造方法 図7
  • 特許-靴成形体の製造方法 図8
  • 特許-靴成形体の製造方法 図9
  • 特許-靴成形体の製造方法 図10
  • 特許-靴成形体の製造方法 図11
  • 特許-靴成形体の製造方法 図12
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-22
(45)【発行日】2022-08-30
(54)【発明の名称】靴成形体の製造方法
(51)【国際特許分類】
   B29C 51/10 20060101AFI20220823BHJP
   B29C 51/30 20060101ALI20220823BHJP
   B29C 51/14 20060101ALI20220823BHJP
【FI】
B29C51/10
B29C51/30
B29C51/14
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2018189895
(22)【出願日】2018-10-05
(65)【公開番号】P2020059149
(43)【公開日】2020-04-16
【審査請求日】2021-06-24
(73)【特許権者】
【識別番号】000001085
【氏名又は名称】株式会社クラレ
(74)【代理人】
【識別番号】100133798
【弁理士】
【氏名又は名称】江川 勝
(74)【代理人】
【識別番号】100189991
【氏名又は名称】古川 通子
(72)【発明者】
【氏名】大門 竜也
【審査官】▲高▼村 憲司
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-089150(JP,A)
【文献】国際公開第2018/052052(WO,A1)
【文献】実開昭52-100073(JP,U)
【文献】実開昭62-185025(JP,U)
【文献】特開2018-024119(JP,A)
【文献】特開2012-096403(JP,A)
【文献】特表2018-505796(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0239556(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0305448(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29C 51/00 ー 51/46
B29D 35/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱軟化させた成形用シートを気圧により成形して靴成形体を製造する方法であって、
テーブルの上に靴形状を有する型を配する工程と、
枠に成形用シートを固定する工程と、
成形用シートを加熱して軟化させる工程と、
前記型を覆うように前記枠に固定された前記成形用シートを配置する工程と、
前記テーブルを上昇させて軟化された前記成形用シートに前記型を当接させて一次成形する工程と、
前記成形用シートの前記型の非対面側から軟化された前記成形用シートに気圧をかけて、及び/または、前記型に形成した真空孔から減圧することにより、該成形用シートに型をさらに密着させて二次成形することにより、前記成形用シートに前記靴形状を転写した靴成形体を形成する工程と、を備え、
前記枠は前記型を投影した投影線を膨張させた内側輪郭を有し
前記枠の厚さ(H2)に対する、前記型の高さ(H1)の比(H1/H2)が3以下であり、前記枠の形状を調整することにより靴成形体のシワの発生状態を調整することを特徴とする靴成形体の製造方法。
【請求項2】
前記枠の形状の調整は、前記靴成形体にシワを発生させず、前記靴成形体の周囲に形成される周辺部にシワを発生させる調整である請求項1に記載の靴成形体の製造方法。
【請求項3】
前記投影線上の各点から前記内側輪郭へ垂線を引いたとき、前記靴形状を有する型のかかと部分を投影した部分から引いた前記垂線の距離(L2)が最も長い請求項1または2に記載の靴成形体の製造方法。
【請求項4】
前記距離(L2)に対する、前記投影線上の各点から前記内側輪郭へ垂線を引いたときの前記靴形状を有する型の側面の中央部の平均距離(L1)の比(L1/L2)が0.4~1である請求項3に記載の靴成形体の製造方法。
【請求項5】
前記平均距離(L1)に対する、前記型の高さ(H1)の比(H1/L1)が0.9~1.8である請求項4に記載の靴成形体の製造方法。
【請求項6】
前記成形用シートは、繊維基材の表面に樹脂層を積層した皮革様シートである請求項1~5の何れか1項に記載の靴成形体の製造方法。
【請求項7】
前記成形用シートは、繊維基材の表面に保護フィルムを積層した積層シートである請求項1~5の何れか1項に記載の靴成形体の製造方法。
【請求項8】
前記気圧による成形は真空圧空成形機を用いた真空圧空成形であって、
前記真空圧空成形機は、
それぞれ上下駆動し、互いに対面する開口を有する上ボックス及び下ボックスと、前記上ボックスと前記下ボックスとの境界面に配されて前記成形用シートを支持する前記枠と、前記上ボックスに配されたヒータと、前記上ボックス及び前記下ボックスが閉じて形成されるチャンバーボックス内で上下駆動するテーブルと、前記上ボックスに接続された第一通気口及び前記下ボックスに接続された第二通気口とを備え、
前記枠に前記成形用シートを固定する工程と、
前記テーブルの上に前記型を配する工程と、
前記成形用シートを固定した前記枠を介在させて前記上ボックスと前記下ボックスとを閉じることにより、前記成形用シートを境界として気密な上空間及び下空間を形成させるとともに前記チャンバーボックスを形成する工程と、
前記チャンバーボックス内で前記ヒータで前記成形用シートを加熱して軟化させる工程と、
前記上空間を前記第一通気口を通じて真空状態にし、前記下空間を前記第二通気口を通じて真空状態にする工程と、
前記下ボックスから前記上ボックスに向けて前記テーブルを上昇させて軟化された前記成形用シートに前記型を当接させて一次成形する工程と、
前記上空間を前記第一通気口を通じて圧空状態にすることにより、前記上空間と前記下空間との気圧差により前記成形用シートの前記非対面側から軟化された前記成形用シートに気圧をかけて前記型に該成形用シートをさらに密着させて二次成形することにより、前記成形用シートに前記靴形状を転写した靴成形体を形成する工程と、を備える、請求項1~7の何れか1項に記載の靴成形体の製造方法。
【請求項9】
熱軟化させた成形用シートを気圧により成形して靴成形体を製造する方法であって、
テーブルの上に靴形状を有する型を配する工程と、
枠に成形用シートを固定する工程と、
成形用シートを加熱して軟化させる工程と、
前記型を覆うように前記枠に固定された前記成形用シートを配置する工程と、
前記テーブルを上昇させて軟化された前記成形用シートに前記型を当接させて一次成形する工程と、
前記成形用シートの前記型の非対面側から軟化された前記成形用シートに気圧をかけて、及び/または、前記型に形成した真空孔から減圧することにより、該成形用シートに型をさらに密着させて二次成形することにより、前記成形用シートに前記靴形状を転写した靴成形体を形成する工程と、を備え、
前記枠は前記型を投影した投影線を膨張させた内側輪郭を有し、
前記投影線上の各点から前記内側輪郭へ垂線を引いたとき、前記靴形状を有する型のかかと部分を投影した部分から引いた前記垂線の距離(L2)が最も長くなるように、前記枠の形状を調整することにより靴成形体のシワの発生状態を調整することを特徴とする靴成形体の製造方法。
【請求項10】
前記枠の形状の調整は、前記靴成形体にシワを発生させず、前記靴成形体の周囲に形成される周辺部にシワを発生させる調整である請求項9に記載の靴成形体の製造方法。
【請求項11】
前記距離(L2)に対する、前記投影線上の各点から前記内側輪郭へ垂線を引いたときの前記靴形状を有する型の側面の中央部の平均距離(L1)の比(L1/L2)が0.4~1である請求項9または10に記載の靴成形体の製造方法。
【請求項12】
前記平均距離(L1)に対する、前記型の高さ(H1)の比(H1/L1)が0.9~1.8である請求項11に記載の靴成形体の製造方法。
【請求項13】
前記成形用シートは、繊維基材の表面に樹脂層を積層した皮革様シートである請求項9~12の何れか1項に記載の靴成形体の製造方法。
【請求項14】
前記成形用シートは、繊維基材の表面に保護フィルムを積層した積層シートである請求項9~12の何れか1項に記載の靴成形体の製造方法。
【請求項15】
前記気圧による成形は真空圧空成形機を用いた真空圧空成形であって、
前記真空圧空成形機は、
それぞれ上下駆動し、互いに対面する開口を有する上ボックス及び下ボックスと、前記上ボックスと前記下ボックスとの境界面に配されて前記成形用シートを支持する前記枠と、前記上ボックスに配されたヒータと、前記上ボックス及び前記下ボックスが閉じて形成されるチャンバーボックス内で上下駆動するテーブルと、前記上ボックスに接続された第一通気口及び前記下ボックスに接続された第二通気口とを備え、
前記枠に前記成形用シートを固定する工程と、
前記テーブルの上に前記型を配する工程と、
前記成形用シートを固定した前記枠を介在させて前記上ボックスと前記下ボックスとを閉じることにより、前記成形用シートを境界として気密な上空間及び下空間を形成させるとともに前記チャンバーボックスを形成する工程と、
前記チャンバーボックス内で前記ヒータで前記成形用シートを加熱して軟化させる工程と、
前記上空間を前記第一通気口を通じて真空状態にし、前記下空間を前記第二通気口を通じて真空状態にする工程と、
前記下ボックスから前記上ボックスに向けて前記テーブルを上昇させて軟化された前記成形用シートに前記型を当接させて一次成形する工程と、
前記上空間を前記第一通気口を通じて圧空状態にすることにより、前記上空間と前記下空間との気圧差により前記成形用シートの前記非対面側から軟化された前記成形用シートに気圧をかけて前記型に該成形用シートをさらに密着させて二次成形することにより、前記成形用シートに前記靴形状を転写した靴成形体を形成する工程と、を備える、請求項9~14の何れか1項に記載の靴成形体の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、成形用シートを真空成形,圧空成形,真空圧空成形のような、熱軟化させた成形用シートを気圧により型に密着させる成形方法を用いて靴成形体を製造する製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
靴の甲皮材は、複数のパーツに生地を裁断した後、各パーツを足の甲にフィットするような形状に縫製して製造されている。近年、種々の分野の製品において、生産コストを低減させたり、環境負荷を低減させたり、リサイクル性を向上させたりする目的で、工程や素材数を減らした各種製品の製造方法の開発が求められている。
【0003】
ところで、熱軟化させたフィルムやシートを部材の表面に気圧を用いて貼りあわせる加飾成形方法が知られている。例えば、下記特許文献1は、型締めすることにより減圧チャンバーを形成する上チャンバーボックス及び下チャンバーボックスと、ヒータとを備えた成形機本体内の下チャンバーボックス内に成形体本体を載置し、成形体本体及び下チャンバーボックスを覆うように加飾成形用シートを配置した後、型締めすることにより、上チャンバーボックスと加飾成形用シートとの間及び下チャンバーボックスと加飾成形用シートとの間に形成される各空間を気密にし、型締めした状態で、ヒータにより、加飾成形用シートを加熱して軟化させ、 各空間を減圧し、上チャンバーボックスと加飾成形用シートとの間の空間に空気を供給することにより、成形体本体の表面に軟化された加飾成形用シートを密着させる工程と、を備える加飾成形体の製造方法を開示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2013-132783号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
熱軟化させた成形用シートを、気圧により型に密着させる成形方法は、例えば、靴の甲材の製造工程の簡略化に有望であると思われる。
【0006】
一例として、図10を参照して、成形用シートを靴形状を有する型(ラスト型)の形状に真空圧空成形することにより、靴成形体を製造する方法を説明する。
【0007】
図10の成形方法においては、はじめに、図10(a)に示すように、それぞれ上下駆動し、互いに対面する開口を有する上ボックス1及び下ボックス2と、ヒータ3と、上下駆動するテーブル4と、上ボックス1に接続された第一通気口5及び下ボックス2に接続された第二通気口6とを備える真空圧空成形機本体を準備する。第一通気口5及び第二通気口6にはそれぞれ通気ラインを開閉するバルブv1及びv2が配されている。
【0008】
真空圧空成形においては、図10(a)に示すように上ボックス1及び下ボックス2を開いた状態で、図10(b)に示すように下ボックス2のテーブル4上に型7を固定した基台8を支持させ、また、矩形の枠110に支持された成形用シート9を下ボックス2の開口部にセットする。成形用シート9は、図11に示すように矩形の枠110に熱圧着したり、テープを用いて固定されたりすることにより支持される。
【0009】
そして、図10(c)に示すように成形用シート9を固定した枠110を介在させて上ボックス1と下ボックス2とを閉じてチャンバーボックスを形成する。このようにして形成されるチャンバーボックスは成形用シート9を境界として気密な上空間11及び下空間12を形成する。そして、チャンバーボックス内のヒータ3で成形用シート9を加熱して軟化させる。また、第一通気口5から上空間11を減圧し、第二通気口6から下空間12を減圧することにより、上空間11及び下空間12を真空状態にする。
【0010】
そして、図10(d)に示すようにテーブル4を上昇させて軟化された成形用シート9に型7を当接させることにより、一次成形を行う。そして、図10(e)に示すように第一通気口5から上空間11に空気を導入して加圧することにより、上空間11を圧空状態にする。このように上空間11を圧空状態にすることにより、真空状態の下空間12との気圧差により、軟化された成形用シート9を型7にさらに密着させる二次成形が行われる。このようにして、型7の形状が成形用シート9に転写される。
【0011】
そして、図10(f)に示すように上ボックス1と下ボックス2とを開くことにより型7に支持された靴成形体115が現れ、図10(g)に示すように型7から靴成形体115を離型させることにより靴成形体115が取り出される。
【0012】
上述のようにして得られた靴成形体115は、図12に示すように、型7の靴の形状を転写された靴成形体115から周囲に延びる周辺部116に一体化されている。このように真空圧空成形によって靴成形体115を製造した場合、靴の甲材として用いられる靴成形体115に成形用シートが集中することによりシワ、特にかかと部分やつま先部分にシワwが形成されることがあった。靴成形体115を用いて靴を製造する場合、靴成形体115から靴の形に沿って周辺部116をトリミングして切除する。周辺部116に形成されるシワは製品の歩留まりを低下させるものではない。しかし、シワwが靴成形体115に形成された場合には、その靴成形体115をそのまま靴の製造に使用できず、シワwを延ばす後加工をしたり、廃棄したりしなければならず、良品の歩留まりを低下させたり、靴の製造に手間が掛かるという問題がある。
【0013】
本発明は上述した問題を解決すること、すなわち、真空成形,圧空成形,真空圧空成形のような、熱軟化させた成形用シートを気圧により成形する成形方法を用いて、靴成形体を製造する方法において、製品本体となる靴成形体にシワが発生することを抑制できる靴成形体の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明の一局面は、熱軟化させた成形用シートを気圧により成形して靴成形体を製造する方法であって、テーブルの上に靴形状を有する型を配する工程と、枠に成形用シートを固定する工程と、成形用シートを加熱して軟化させる工程と、型を覆うように枠に固定された成形用シートを配置する工程と、テーブルを上昇させて軟化された成形用シートに型を当接させて一次成形する工程と、成形用シートの型の非対面側から軟化された成形用シートに気圧をかけて、及び/または、前記型に形成した真空孔から減圧することにより、成形用シートに型をさらに密着させて二次成形することにより、成形用シートに靴形状を転写した靴成形体を形成する工程と、を備え、枠は型を投影した投影線を膨張させた内側輪郭を有し、該枠の形状を調整することにより靴成形体のシワの発生状態を調整する靴成形体の製造方法である。
【0015】
ここで、型を投影した投影線を膨張させた内側輪郭を有する成形用シートを支持する枠は、図2を参照すれば、型7を支持する基台8に型7の外形の輪郭を投影した投影線Pを膨張させた内側輪郭Cからなる空隙を有する枠10を準備する。成形用シートを、内部輪郭Cを覆うように枠10に固定して、加圧及び/または真空引きすることで、成形用シートが、内部輪郭Cの領域だけ使用され、かかと、つま先、側面等の各位置で同じタイミングで賦形されるように調整されることにより、図12に示したような矩形の枠を用いた場合のように、靴成形体のかかと部やつま先部にシワが発生することを抑制できる。
【0016】
また、上述した製造方法においては、枠の形状の調整は、靴成形体にシワを発生させず、靴成形体の周囲に形成される周辺部にシワを発生させる調整であることが好ましい。
【0017】
また、枠の厚さ(H2)に対する、型の高さ(H1)の比(H1/H2)が3以下である場合には、靴形状の型に成形体がより密着して全体的にシワがとくに発生しにくくなる点から好ましい。靴成形体を製造する場合においては、型の高い部分であるかかと部で賦形が不充分になってシワが発生しやすい傾向がある。H1/H2が3以下である場合には、かかと部でシワが発生しにくくなる。
【0018】
また、投影線上の各点から内側輪郭へ垂線を引いたとき、靴形状を有する型のかかと部分を投影した部分から引いた垂線の距離(L2)が最も長いことが、靴成形体のかかとに発生しやすいシワを周辺部に押し込むスペースを充分に保持させることにより、とくにかかと部分のシワの発生を抑制できる点から好ましい。
【0019】
また、距離(L2)に対する、投影線上の各点から内側輪郭へ垂線を引いたときの靴形状を有する型の側面の中央部の平均距離(L1)の比(L1/L2)が0.4~1である場合にも、とくに靴形状の成形体のシワが発生しやすいかかと部分のシワの発生を抑制できる点から好ましい。
【0020】
また、平均距離(L1)に対する、型の高さ(H1)の比(H1/L1)が0.9~1.8である場合には、とくに靴形状の成形体の側面のシワの発生を抑制できる点から好ましい。
【0021】
また、成形用シートは、繊維基材の表面に樹脂層を積層した皮革様シートであることが、樹脂層が気密性を保つために、熱軟化させた成形用シートを気圧により成形するための成形性に優れる点から好ましい。
【0022】
また、成形用シートは、繊維基材の表面に保護フィルムを積層した積層シートであることが、通気性を有する繊維基材であっても保護フィルムが気密性を保つために、熱軟化させた成形用シートを気圧により成形するための成形性に優れる点から好ましい。
【0023】
また、気圧による成形は真空圧空成形機を用いた真空圧空成形であって、真空圧空成形機は、それぞれ上下駆動し、互いに対面する開口を有する上ボックス及び下ボックスと、上ボックスと下ボックスとの境界面に配されて成形用シートを支持する枠と、上ボックスに配されたヒータと、上ボックス及び下ボックスが閉じて形成されるチャンバーボックス内で上下駆動するテーブルと、上ボックスに接続された第一通気口及び下ボックスに接続された第二通気口とを備え、枠に成形用シートを固定する工程と、テーブルの上に型を配する工程と、成形用シートを固定した枠を介在させて上ボックスと下ボックスとを閉じることにより、成形用シートを境界として気密な上空間及び下空間を形成させるとともにチャンバーボックスを形成する工程と、チャンバーボックス内でヒータで成形用シートを加熱して軟化させる工程と、上空間を第一通気口を通じて真空状態にし、下空間を第二通気口を通じて真空状態にする工程と、下ボックスから上ボックスに向けてテーブルを上昇させて軟化された成形用シートに型を当接させて一次成形する工程と、上空間を第一通気口を通じて圧空状態にすることにより、上空間と下空間との気圧差により成形用シートの非対面側から軟化された成形用シートに気圧をかけて型に成形用シートをさらに密着させて二次成形することにより、成形用シートに靴形状を転写した靴成形体を形成する工程と、を備える、靴成形体の製造方法であることが好ましい。
【発明の効果】
【0024】
本発明の靴成形体の製造方法によれば、真空成形,圧空成形,真空圧空成形のような、熱軟化させた成形用シートを気圧により成形する成形方法を用いて、靴成形体にシワが発生することを抑制できる成形が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1図1は、実施形態の靴成形体の製造方法である、靴形状の型(ラスト型)を用いた真空圧空成形の各工程を説明する説明図である。
図2図2は、枠10の形状を説明するための斜視説明図である。
図3図3は、枠10の形状を説明するための説明図である。
図4図4は、成形用シート9を枠10に固定した様子を説明する説明図である。
図5図5は、実施形態で成形された靴成形体15及び靴成形体15の周囲に延びる周辺部16の斜視模式図である。
図6図6は、実施形態の靴成形体の製造方法である、靴形状の型(ラスト型)を用いた真空成形の各工程を説明する説明図である。
図7図7は、実施形態で得られた靴成形体15を用いて靴を製造する工程の一例を説明する説明図である。
図8図8は、実施例1で得られた靴成形体の写真である。
図9図9は、実験番号1のシミュレーション結果の画像である。
図10図10は、成形用シートを靴形状を有する型(ラスト型)の形状に真空圧空成形する成形工程の各工程を説明する説明図である。
図11図11は、矩形の枠10の形状を説明するための斜視説明図である。
図12図12は、矩形の枠を用いた場合の、成形された靴成形体115及びその周囲に延びる周辺部116の斜視模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本実施形態の靴成形体の製造方法について、図面を参照して説明する。図1は、本実施形態の靴成形体の製造方法の一例である、靴形状の型(ラスト型)を用いた真空圧空成形の各工程を説明する説明図である。
【0027】
図1中、20は真空圧空成形機の本体である。真空圧空成形機の本体20は、それぞれ上下駆動し、互いに対面する開口を有する上ボックス1及び下ボックス2と、成形用シート9を加熱するためのヒータ3と、上下駆動するテーブル4と、上ボックス1に接続された第一通気口5及び下ボックス2に接続された第二通気口6とを備える。第一通気口5及び第二通気口6にはそれぞれ通気ラインを開閉するバルブv1及びv2が配されている。そして、第一通気口5及び第二通気口6は、それぞれバルブv1またはv2を介して、図略の真空タンク、または、圧空タンクに接続された気圧調整ラインに接続されている。また、7は靴形状を有する型(ラスト型)であり、8は型7を固定して支持する基台である。型7は靴形状の底面の巻き込み部を形成させるために、基台8上に形成された台座8aに型7の底面で固定されている。型としては、例えば、靴の木型のように、その底面に巻き込むような形状を有するものが、本発明の効果が顕著になる点から好ましい。型の素材は特に限定されないが、樹脂型、金型、木型等が特に限定なく用いられる。
【0028】
また、9は、加熱することにより軟化する成形用シートである。本実施形態では、靴の甲材に用いられる、繊維基材を含む不織布等の表面に気密性を保持する銀面調の樹脂層の表面を積層した人工皮革を例示している。また、10は、成形用シート9を支持する枠である。また、11は上ボックス1と下ボックス2とを閉じたチャンバーボックス内で、成形用シート9を境界として形成される気密な上空間であり、12は下空間である。また、15は、成形用シート9を靴形状に成形してなる靴成形体である。
【0029】
本実施形態の真空圧空成形においては、図1(a)に示すように上ボックス1と下ボックス2とを開いた状態で、図1(b)に示すように下ボックス2のテーブル4上に型7を固定した基台8を支持させ、また、枠10に支持された成形用シート9を下ボックス2の開口部にセットする。
【0030】
図2は、枠10の形状を説明するための斜視説明図である。また、図3も枠10の形状を説明するための説明図であり、(a)は枠10に型7を重ねた様子を上面視したときの平面模式図、(b)は(a)のA-A'断面における断面模式図である。
【0031】
図2及び図3(a)を参照すれば、枠10は型7の外形を基台8に投影した投影線Pを膨張させた形状の内側輪郭Cを有する。このような型の外形の輪郭の投影線を膨張させた内側輪郭を有する枠を用いることによれば、図12を参照して説明したような矩形の枠を用いた場合に本体部に発生するシワの発生を抑制することができる。
【0032】
なお、投影線を膨張させた内側輪郭は、投影線の全体をそのまま等倍率で拡大した輪郭のみではなく、本体部に発生するシワを抑制することができる限り、縦横等の比を代えて不定の倍率で投影線に基づいて拡大した輪郭であってもよい。
【0033】
図3(b)を参照し、枠10は、枠の厚さ(H2)に対する、型の高さ(H1)の比(H1/H2)が3以下、さらには2.5以下である場合には、靴形状の型に成形体がより密着して全体的にシワがとくに発生しにくくなる点から好ましい。靴成形体を製造する場合においては、型の高い部分である、かかと部で賦形が不充分になってシワが発生しやすい傾向がある。H1/H2が3以下である場合には、かかと部でシワが発生しにくくなる。なお、枠の厚さ(H2)とは、型7が固定されている基台8の面からの枠10の高さを意味する。また、型の高さ(H1)とは型を支持する基台の平面から型の最高点までの距離を意味する。H1/H2の下限は1であることが好ましい。
【0034】
また、図3を参照すれば、投影線P上の各点から内側輪郭Cへ垂線を引いたとき、靴形状を有する型7のかかと部分を投影した部分から引いた垂線の距離(L2)が最も長いことが、靴成形体のかかとに発生しやすいシワを周辺部に押し込むスペースを充分に保持させることにより、とくにかかと部分のシワの発生を抑制できる点から好ましい。なお、かかと部分を投影した部分とは、靴形状のかかとの最後端の部分を意味する。
【0035】
また、図3(a)を参照すれば、靴形状を有する型7のかかと部分を投影した部分から引いた垂線の距離(L2)に対する、投影線P上の各点から内側輪郭Cへ垂線を引いたときの靴形状を有する型7の側面の中央部Sの平均距離(L1=(L1+L1)/2)の比(L1/L2)が0.4~1、さらには0.4~0.8である場合にも、とくに靴形状の成形体のシワが発生しやすいかかと部分のシワの発生を抑制できる点から好ましい。なお、L1及びL1はそれぞれ両側面における距離であり、L1とL1とはほぼ同距離、具体的には、L1/L1=0.85~1.15程度になることが好ましい。L1/L2の下限は0.3程度であることが好ましい。なお、靴形状を有する型7の側面の中央部Sは、靴形状のつま先からかかとまでを結ぶ線分の中点から両側面に降ろした垂線と投影線Pが交差する部分を意味する。
【0036】
また、平均距離(L1)に対する、型の高さ(H1)の比(H1/L1)が0.9~1.8である場合には、とくに靴形状の成形体の側面のシワの発生を抑制できる点から好ましい。
【0037】
成形用シート9は、図4に示すように枠10に、例えば、熱圧着すること等により固定されたり、テープで固定されたりすることにより支持される。
【0038】
そして、図1(c)に示すように成形用シート9を固定した枠10を介在させて上ボックス1と下ボックス2とを閉じてチャンバーボックスを形成する。このようにして形成されるチャンバーボックスは成形用シート9を境界として気密な上空間11及び下空間12を形成する。そして、チャンバーボックス内のヒータ3で成形用シート9を加熱して軟化させる。また、第一通気口5から上空間11を減圧し、第二通気口6から下空間12を減圧することにより、上空間11及び下空間12を真空状態にする。
【0039】
そして、図1(d)に示すようにテーブル4を上昇させて軟化された成形用シート9に型7を当接させることにより、一次成形を行う。一次成形により、成形用シート9は型7に当接し、型7の形状を転写した靴の形状に変形する。
【0040】
そして、図1(e)に示すように第一通気口5から上空間11に空気を導入して加圧することにより、上空間11を圧空状態にする。このように上空間11を圧空状態にすることにより、真空状態の下空間12との気圧差により、軟化された成形用シート9を型7にさらに密着させる二次成形が行われる。このようにして、型7の形状が成形用シート9に正確に転写される。
【0041】
そして、図1(f)に示すように、上ボックス1と下ボックス2とを開くことにより、型7に支持された靴成形体15が現れる。そして、図1(g)に示すように型7から靴成形体15を離型させることにより靴成形体15が取り出される。
【0042】
上述のように成形された成形用シート9は、図5に示すように、型7の靴の形状を転写された靴成形体15と靴成形体15から周囲に延びる周辺部16とを含む。このような型の外形の輪郭の投影線を膨張させた内側輪郭を有する枠を用いた真空圧空成形によって靴成形体15を製造した場合、靴の甲材として用いられる靴成形体15に成形用シート9が集中することにより形成されるシワを発生しにくくすることができる。この場合、図5に示すように、周辺部16にシワが発生する。
【0043】
図7(a)に示すように、成形された成形用シート9は、型7の靴の形状を転写した靴成形体15と靴成形体15から周囲に延びる周辺部16とを含む。図7(b)は、図7(a)の成形された成形用シート9のB-B’断面における模式断面図である。図7(b)に示すように、靴成形体15は、靴の形状の外側表面が銀付調人工皮革の樹脂層Dであり、内側表面が繊維基材Rになるように成形されている。また、靴成形体15には、巻込み部Vが形成されている。巻込み部Vは、型を包むような形状に成形するときに、型の底面に沿って巻き込まれるように成形された形状の部分である。そして、図7(c)に示すように、靴成形体15を靴の形に沿ってトリミングすることにより、不要部である周縁部16を切除する。また、巻込み部Vを靴底を貼着するためののりしろ16bとして内側に折り返す。
【0044】
そして、図7(d)に示すように、巻込み部Vにラバーソール等の靴底17に貼着することにより、靴成形体15と靴底17とが一体化されて、靴の外形が完成する。
【0045】
なお、本実施形態の靴成形体の製造方法は、上述した真空圧空成形を用いる代わりに、真空成形法や、圧空成形法であってもよい。例えば、図6は、真空成形法の各工程を説明する説明図である。
【0046】
30は型27を収容した真空成形機である。型27は靴形状を有する型であり、真空孔vが設けられている。真空成形機30は、開口を有するボックス22と、成形用シート19を加熱するためのヒータ23と、上下駆動するテーブル24と、ボックス22に接続された第一通気口25及び真空孔vに接続された第二通気口26とを備える。第二通気口26は、テーブル24を支持する軸24aに沿って形成されている。そして、第一通気口25及び第二通気口26にはそれぞれ通気ラインを開閉するバルブv3及びv4が配されている。そして、第一通気口25は、図略のブロアーに接続されている。また、第二通気口26は、図略の真空ポンプに接続されている。
【0047】
本実施形態の真空成形においては、枠10’にクランプ支持された成形用シート19をヒータ23で加熱して軟化させる。そして、図6(b)に示すように、枠10’に支持された成形用シート19をボックス22の開口部にセットし、ボックス22内に気密な空間を形成する。枠10’は、図2及び図3を参照して説明したような、上述した真空圧空成形の場合と同様の形状的特徴を有する。
【0048】
そして、図6(c)に示すように、バルブv4を閉にし、バルブv3を開にし、第一通気口25に図略のブロアーから空気を送り、ボックス内部を高圧にして、軟化させた成形用シート19を気圧により延伸させる。
【0049】
そして、図6(d)に示すように、テーブル24を上昇させて軟化された成形用シート19に型27を当接させることにより、一次成形を行う。一次成形により、成形用シート19は型27に当接し、型27の形状を転写した靴の形状に変形する。
【0050】
そして、図6(e)に示すように、バルブv3を閉にし、バルブv4を開にし、真空孔vに接続された第二通気口26から図略の真空ポンプを用いて真空引きをし、軟化された成形用シート19を型27にさらに密着させる二次成形が行われる。このようにして、型27の形状が成形用シート19に正確に転写される。
【0051】
そして、図6(f)に示すように、型27から靴成形体35を離型させることにより靴成形体35が取り出される。
【0052】
上述のように真空成形された成形用シートも、上述した図5と同様に、型27の靴の形状を転写された靴成形体35と靴成形体35から周囲に延びる周辺部36とを含む。このような型の外形の輪郭の投影線を膨張させた内側輪郭を有する枠を用いた真空圧空成形によって靴成形体35を製造した場合、靴の甲材として用いられる靴成形体35に成形用シート19が集中することにより形成されるシワを発生しにくくすることができる。この場合にも、図5に示したように、周辺部にシワが発生する。
【0053】
以上、真空圧空成形及び真空成形を用いた例を参照して本実施形態の靴成形体の製造方法について詳しく説明した。本実施形態の靴成形体の製造方法は、熱軟化させた成形用シートを気圧により成形して靴成形体を製造する方法であれば特に限定なく適用され、例えば圧空成形においても、図2及び図3を参照して説明したような、形状的特徴を有する枠を用いることにより、同様の効果が得られる。
【0054】
以上説明した靴成形体の製造方法によれば、靴の甲皮材として用いられる靴成形体を容易に製造することができる。靴成形体の製造方法に用いられる成形用シートは、真空成形,圧空成形,真空圧空成形のような、熱軟化させて気圧により型に密着させる成形方法を用いて成形可能なシート、具体的には、単層の樹脂シートや、印刷層やエンボス層のような意匠層を備えた樹脂シート、不織布や織布等の繊維基材の表面に樹脂層や起毛面を備えた人工皮革や合成皮革等の皮革様シート等が用いられる。なお、繊維基材からなる通気性を有する成形用シートを用いる場合には、繊維基材の表面に保護フィルムを積層することにより気密性を保つことができる。
【実施例
【0055】
以下、本発明を実施例により具体的に説明する。なお、本発明の範囲は実施例に何ら限定されるものではない。
【0056】
[実施例1]
真空圧空成形機(布施真空(株)製、NGF-0406-T)を用いて、以下の条件で成形用シートを靴成形体に成形した。
・成形用シート:0.08dtexのポリエステル繊維の長繊維の絡合不織布にポリウレタンを含浸させた厚さ1.0mmの繊維基材の表面にポリウレタンの樹脂層を積層してなる、厚さT=1.1mm、引張弾性率E=5MPa(引張方向:MD方向)である銀付調人工皮革であって、440×294mmの断片。
・型:成人用25cmのスポーツシューズ形状を有する樹脂製のラスト型であって、型の最高点の高さ(H1)を台座で87.6mmに調整した型。
・成形条件 :加熱温度150℃、圧空圧力300kPa
・枠形状:厚さ(H2)40mmで内側輪郭の形状が、(L1)69mm、(L2)167mmに調整した648×448mmのステンレス製の枠。
その結果、成形された靴成形体にはシワが全く発生しなかった。
【0057】
[実施例2]
枠厚さH2を60mmに変更した以外は実施例1と同様にして真空圧空成形機を用いて成形用シートを靴成形体に成形した。その結果、成形された靴成形体にはシワが全く発生しなかった。
【0058】
[比較例]
枠形状を下記の枠形状に変更した以外は実施例1と同様にして真空圧空成形機を用いて成形用シートを靴成形体に成形した。
・枠形状:厚さ(H2)40mmで内側輪郭の形状が440×285mmの矩形であり、縁厚みが87.6mmであるステンレス製の枠。
その結果、成形された靴成形体のかかと部にシワが発生した。
【0059】
[シミュレーション実験]
非線形構造解析ソフトウェアMARC(エムエスシーソフトウェア株式会社)を用いて、型の高さ(H1)、枠の厚さ(H2)、枠の内側輪郭の形状(L1,L2)を変更したときのシワの発生状態をシミュレーション実験した。より具体的には、成形用シートを直方体要素(要素数:32340)に切り、台座・型・枠に該当する箇所を剛体(変形しない物体)として定義し、台座上昇、成形用シートの型の非対面側への荷重付与(面圧300kPa)に伴い、成形用シートが型に押し付けられる際に、シワが発生するか否かを解析完了時点にて確認/評価した。材料物性には、成形温度における成形用シートの引張弾性率(MD方向)を設定した。シミュレーション実験の結果を下記表1に示す。
【0060】
なお、評価はシミュレーション実験の結果の画像を観察し、以下の基準で判定した。
A:靴成形体にシワが発生しなかった。
B:靴成形体に10mm未満のシワが発生した。
C:靴成形体に10mm以上のシワが発生した。
【0061】
【表1】
【0062】
表1において、実験番号1は上記実施例1、実験番号2は上記実施例2、実験番号19は上記比較例と同条件でシミュレーションした実験結果である。実施例1、実施例2、比較例において発生したシワの位置及び形状は、シミュレーション実験の結果とほぼ一致していた。一例として、図8に実施例1で得られた成形体の写真、図9に実験番号1のシミュレーション結果の画像を示す。(a)は斜上方向からの画像、(b)は上方からの画像、(c)はかかと部分の拡大画像である。
【0063】
矩形の枠を用いた比較例においては、かかと部分に大きな皺が生じた。これらの結果はシミュレーション実験の結果に一致した。
【0064】
また、シミュレーション実験番号1~19の結果から、型を投影した投影線を膨張させた内側輪郭を有する枠の形状を調整することにより靴成形体のシワの発生状態を調整することができることが分かる。枠の厚さ(H2)に対する、型の高さ(H1)の比(H1/H2)が3以下である場合には、靴成形体にシワが発生しにくかった。
【符号の説明】
【0065】
1 上ボックス
2 下ボックス
3,23 ヒータ
4 テーブル
5,25 第一通気口
6,26 第二通気口
7,27 型
8 基台
8a 台座
9,19 成形用シート
10,10’,110 枠
11 上空間
12 下空間
15,115 靴成形体
16,116 周辺部
16b 周縁部
17 靴底
20 真空圧空成形機の本体
22 ボックス
25,35 靴成形体
30 型27を収容した真空成形機
C 内側輪郭
P 投影線
S 中央部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12