(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-22
(45)【発行日】2022-08-30
(54)【発明の名称】駆動制御装置、駆動制御方法、および駆動制御プログラム
(51)【国際特許分類】
H02P 29/00 20160101AFI20220823BHJP
G03B 5/00 20210101ALI20220823BHJP
G02B 7/04 20210101ALI20220823BHJP
G02B 7/08 20210101ALI20220823BHJP
H04N 5/232 20060101ALI20220823BHJP
【FI】
H02P29/00
G03B5/00 J
G02B7/04 E
G02B7/08 C
H04N5/232
(21)【出願番号】P 2020203678
(22)【出願日】2020-12-08
【審査請求日】2021-12-28
(31)【優先権主張番号】P 2020077448
(32)【優先日】2020-04-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】303046277
【氏名又は名称】旭化成エレクトロニクス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】岡田 啓太
(72)【発明者】
【氏名】合庭 洋明
【審査官】佐藤 彰洋
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-037035(JP,A)
【文献】特開2007-322462(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02P 29/00
G03B 5/00
G02B 7/04
G02B 7/08
H04N 5/232
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1動作状態において駆動装置により駆動対象物を駆動させる駆動力を発生させ、第2動作状態において前記駆動装置の前記駆動力を低減または停止させる制御を行う駆動制御部と、
前記駆動対象物の位置変化を検出する検出部と、
前記第2動作状態において予め定められた基準を超える位置変化が検出されたことに応じて、前記駆動制御部を前記第1動作状態に遷移させて前記駆動装置により前記駆動力を発生させて位置変化の継続を抑制する制御を行わせる状態制御部と
を備え
、
前記駆動装置は、
前記第1動作状態においてコイルを駆動することにより前記駆動対象物に設けられた磁石に磁力を印加して前記駆動対象物を駆動し、
前記第2動作状態において前記磁力を低減しまたは前記磁力の発生を停止して、外部からの力が加わった場合に前記駆動対象物が移動しうる状態にする
駆動制御装置。
【請求項2】
第1動作状態において駆動装置により駆動対象物を駆動させる駆動力を発生させ、第2動作状態において前記駆動装置の前記駆動力を低減または停止させる制御を行う駆動制御部と、
前記駆動対象物の位置変化を検出する検出部と、
前記第2動作状態において予め定められた基準を超える位置変化が検出されたことに応じて、前記駆動制御部を前記第1動作状態に遷移させて前記駆動装置により前記駆動力を発生させて位置変化の継続を抑制する制御を行わせる状態制御部と
を備え、
前記状態制御部は、前記予め定められた基準を超える位置変化の検出によって前記駆動制御部を前記第1動作状態に切り換えた後に、予め定められた期間が経過したことに応じて前記駆動制御部を前記第2動作状態に遷移させ
る
駆動制御装置。
【請求項3】
第1動作状態において駆動装置により駆動対象物を駆動させる駆動力を発生させ、第2動作状態において前記駆動装置の前記駆動力を低減または停止させる制御を行う駆動制御部と、
前記駆動対象物の位置変化を検出する検出部と、
前記第2動作状態において予め定められた基準を超える位置変化が検出されたことに応じて、前記駆動制御部を前記第1動作状態に遷移させて前記駆動装置により前記駆動力を発生させて位置変化の継続を抑制する制御を行わせる状態制御部と
を備え、
前記検出部は、前記駆動対象物の振動を検出する振動検出部を有し、
前記状態制御部は、前記振動検出部が前記振動を検出したことに応じて、前記駆動制御部を前記第2動作状態から前記第1動作状態へと遷移させ
る
駆動制御装置。
【請求項4】
前記駆動制御部は、前記予め定められた基準を超える位置変化の検出によって前記第1動作状態へと遷移したことに応じて、前記駆動装置により前記振動を抑制する前記駆動力を発生させる制御を行う請求項
3に記載の駆動制御装置。
【請求項5】
前記駆動対象物は筐体に収容されており、
前記駆動制御部は、前記予め定められた基準を超える位置変化の検出によって前記第1動作状態へと遷移したことに応じて、前記駆動対象物を前記筐体内の予め定められた固定位置へと移動させる制御を行う、
請求項1から
4のいずれか一項に記載の駆動制御装置。
【請求項6】
前記駆動対象物の目標位置を設定する目標位置設定部をさらに備え、
前記目標位置設定部は、前記予め定められた基準を超える位置変化の検出によって前記駆動制御部が前記第1動作状態へと遷移したことに応じて、前記固定位置を示す位置情報を出力し、
前記駆動制御部は、前記位置情報に基づいて、前記固定位置に前記駆動対象物を移動させる制御を行う、請求項
5に記載の駆動制御装置。
【請求項7】
前記固定位置は、前記駆動対象物の可動範囲の端点である、請求項
5または
6に記載の駆動制御装置。
【請求項8】
前記駆動制御部は、前記予め定められた基準を超える位置変化の検出によって前記第1動作状態へと遷移したことに応じて、前記駆動対象物を前記駆動対象物の可動範囲の端点における構造物と接触させない前記駆動力を前記駆動装置により発生させる制御を行う請求項1から
6のいずれか一項に記載の駆動制御装置。
【請求項9】
前記検出部は、前記駆動対象物の検出位置の変位量に基づいて、前記駆動対象物の前記予め定められた基準を超える位置変化を検出する、請求項1から
8のいずれか一項に記載の駆動制御装置。
【請求項10】
前記検出部は、前記検出位置の変位量が閾値より大きい場合に、前記駆動対象物の前記予め定められた基準を超える位置変化を検出する、請求項
9に記載の駆動制御装置。
【請求項11】
前記検出部は、前記検出位置の変位量と前記駆動対象物が前記変位量を変位するのに要した時間とに基づく速度または加速度の少なくとも1つが閾値より大きい場合に、前記駆動対象物の前記予め定められた基準を超える位置変化を検出する、請求項
9に記載の駆動制御装置。
【請求項12】
前記検出部は、前記駆動対象物が予め定められた参照位置を交差した回数に基づいて、前記予め定められた基準を超える位置変化を検出する、請求項1から
9のいずれか一項に記載の駆動制御装置。
【請求項13】
前記検出部は、前記駆動対象物が予め定められた複数の前記参照位置を交差した回数に基づいて前記予め定められた基準を超える位置変化を検出する、請求項
12に記載の駆動制御装置。
【請求項14】
前記駆動対象物は、撮像装置のレンズであり、
前記駆動制御部は、前記撮像装置による撮像を行う場合に、前記レンズを駆動して、合焦、ズーム、またはブレ抑止の少なくとも1つの制御を行う
請求項1から
13のいずれか一項に記載の駆動制御装置。
【請求項15】
請求項1から
14のいずれか一項に記載の駆動制御装置と、
前記駆動制御装置による制御に応じて前記駆動対象物を駆動する駆動装置と
を備える駆動システム。
【請求項16】
駆動制御装置が、第1動作状態において駆動装置により駆動対象物を駆動させる駆動力を発生させ、第2動作状態において前記駆動装置の前記駆動力を低減または停止させることと、
前記駆動制御装置が、前記駆動対象物の位置変化を検出することと、
前記駆動制御装置が、前記第2動作状態において予め定められた基準を超える位置変化が検出されたことに応じて、前記第1動作状態に遷移して前記駆動装置により前記駆動力を発生させる制御を行うことと
を備え
、
前記駆動装置は、
前記第1動作状態においてコイルを駆動することにより前記駆動対象物に設けられた磁石に磁力を印加して前記駆動対象物を駆動し、
前記第2動作状態において前記磁力を低減しまたは前記磁力の発生を停止して、外部からの力が加わった場合に前記駆動対象物が移動しうる状態にする
駆動制御方法。
【請求項17】
駆動制御装置が、第1動作状態において駆動装置により駆動対象物を駆動させる駆動力を発生させ、第2動作状態において前記駆動装置の前記駆動力を低減または停止させることと、
前記駆動制御装置が、前記駆動対象物の位置変化を検出することと、
前記駆動制御装置が、前記第2動作状態において予め定められた基準を超える位置変化が検出されたことに応じて、前記第1動作状態に遷移して前記駆動装置により前記駆動力を発生させる制御を行うことと、
前記駆動制御装置が、前記予め定められた基準を超える位置変化の検出によって前記第1動作状態に切り換えた後に、予め定められた期間が経過したことに応じて前記第2動作状態に遷移することと
を備える駆動制御方法。
【請求項18】
駆動制御装置が、第1動作状態において駆動装置により駆動対象物を駆動させる駆動力を発生させ、第2動作状態において前記駆動装置の前記駆動力を低減または停止させることと、
前記駆動制御装置が、前記駆動対象物の位置変化を検出することと、
前記駆動制御装置が、前記第2動作状態において予め定められた基準を超える位置変化が検出されたことに応じて、前記第1動作状態に遷移して前記駆動装置により前記駆動力を発生させる制御を行うことと、
を備え、
前記駆動装置は、前記駆動対象物の振動を検出する振動検出部を有し、
前記駆動制御装置は、前記振動検出部が前記振動を検出したことに応じて、前記第2動作状態から前記第1動作状態へと遷移する
駆動制御方法。
【請求項19】
コンピュータにより実行されて、前記コンピュータを、
第1動作状態において駆動装置により駆動対象物を駆動させる駆動力を発生させ、第2動作状態において前記駆動装置の前記駆動力を低減または停止させる制御を行う駆動制御部と、
前記駆動対象物の位置変化を検出する検出部と、
前記第2動作状態において予め定められた基準を超える位置変化が検出されたことに応じて、前記駆動制御部を前記第1動作状態に遷移させて前記駆動装置により前記駆動力を発生させる制御を行わせる状態制御部と
して機能させ
、
前記駆動装置は、
前記第1動作状態においてコイルを駆動することにより前記駆動対象物に設けられた磁石に磁力を印加して前記駆動対象物を駆動し、
前記第2動作状態において前記磁力を低減しまたは前記磁力の発生を停止して、外部からの力が加わった場合に前記駆動対象物が移動しうる状態にする
駆動制御プログラム。
【請求項20】
コンピュータにより実行されて、前記コンピュータを、
第1動作状態において駆動装置により駆動対象物を駆動させる駆動力を発生させ、第2動作状態において前記駆動装置の前記駆動力を低減または停止させる制御を行う駆動制御部と、
前記駆動対象物の位置変化を検出する検出部と、
前記第2動作状態において予め定められた基準を超える位置変化が検出されたことに応じて、前記駆動制御部を前記第1動作状態に遷移させて前記駆動装置により前記駆動力を発生させる制御を行わせる状態制御部と
して機能させ、
前記状態制御部は、前記予め定められた基準を超える位置変化の検出によって前記駆動制御部を前記第1動作状態に切り換えた後に、予め定められた期間が経過したことに応じて前記駆動制御部を前記第2動作状態に遷移させる
駆動制御プログラム。
【請求項21】
コンピュータにより実行されて、前記コンピュータを、
第1動作状態において駆動装置により駆動対象物を駆動させる駆動力を発生させ、第2動作状態において前記駆動装置の前記駆動力を低減または停止させる制御を行う駆動制御部と、
前記駆動対象物の位置変化を検出する検出部と、
前記第2動作状態において予め定められた基準を超える位置変化が検出されたことに応じて、前記駆動制御部を前記第1動作状態に遷移させて前記駆動装置により前記駆動力を発生させる制御を行わせる状態制御部と
して機能させ、
前記検出部は、前記駆動対象物の振動を検出する振動検出部を有し、
前記状態制御部は、前記振動検出部が前記振動を検出したことに応じて、前記駆動制御部を前記第2動作状態から前記第1動作状態へと遷移させる
駆動制御プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、駆動制御装置、駆動制御方法、および駆動制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、撮像装置におけるレンズ位置の制御方法に関する。特許文献1には、「モードマイコン32が電源スイッチ33のオフへの切換を検知すると、…所定期間経過後にレンズ保持枠13を光軸4から設定値Rに相当する位置まで瞬時に移動させ、その後、該移動したレンズ保持枠13を鏡筒2内壁近傍に徐々に移動させてレンズ保持枠13が鏡筒2の内壁に当接するようにしているので、防振制御により浮遊状態にあったシフトレンズ7が電源オフされても該シフトレンズ7が自重で落下してシフトレンズ7を保持しているレンズ保持枠13と鏡筒2の内壁との間で耳障りな衝突音が発生するのを回避することができる」と記載されている(段落0056)。
[先行技術文献]
[特許文献]
[特許文献1] 特開2000-066259号公報
【発明の概要】
【0003】
本発明の第1の態様においては、駆動制御装置を提供する。駆動制御装置は、第1動作状態において駆動装置により駆動対象物を駆動させる駆動力を発生させ、第2動作状態において駆動装置の駆動力を低減または停止させる制御を行う駆動制御部を備えてよい。駆動制御装置は、駆動対象物の位置変化を検出する検出部を備えてよい。駆動制御装置は、第2動作状態において予め定められた基準を超える位置変化が検出されたことに応じて、駆動制御部を第1動作状態に遷移させて駆動装置により駆動力を発生させて位置変化の継続を抑制する制御を行わせる状態制御部を備えてよい。
【0004】
駆動装置は、第1動作状態においてコイルを駆動することにより駆動対象物に設けられた磁石に磁力を印加して駆動対象物を駆動してよい。駆動装置は、第2動作状態において磁力を低減しまたは磁力の発生を停止して、外部からの力が加わった場合に駆動対象物が移動しうる状態にしてよい。
【0005】
状態制御部は、予め定められた基準を超える位置変化の検出によって駆動制御部を第1動作状態に切り換えた後に、予め定められた期間が経過したことに応じて駆動制御部を第2動作状態に遷移させてよい。
【0006】
検出部は、駆動対象物の振動を検出する振動検出部を有してよい。状態制御部は、振動検出部が振動を検出したことに応じて、駆動制御部を第2動作状態から第1動作状態へと遷移させてよい。
【0007】
駆動制御部は、予め定められた基準を超える位置変化の検出によって第1動作状態へと遷移したことに応じて、駆動装置により振動を抑制する駆動力を発生させる制御を行ってよい。
【0008】
駆動対象物は筐体に収容されていてよい。駆動制御部は、予め定められた基準を超える位置変化の検出によって第1動作状態へと遷移したことに応じて、駆動対象物を筐体内の予め定められた固定位置へと移動させる制御を行ってよい。
【0009】
駆動制御装置は、駆動対象物の目標位置を設定する目標位置設定部をさらに備えてよい。目標位置設定部は、予め定められた基準を超える位置変化の検出によって駆動制御部が第1動作状態へと遷移したことに応じて、固定位置を示す位置情報を出力してよい。駆動制御部は、位置情報に基づいて、固定位置に駆動対象物を移動させる制御を行ってよい。
【0010】
固定位置は、駆動対象物の可動範囲の端点であってよい。
【0011】
駆動制御部は、予め定められた基準を超える位置変化の検出によって第1動作状態へと遷移したことに応じて、駆動対象物を駆動対象物の可動範囲の端点における構造物と接触させない駆動力を駆動装置により発生させる制御を行ってよい。
【0012】
検出部は、駆動対象物の検出位置の変位量に基づいて、駆動対象物の予め定められた基準を超える位置変化を検出してよい。
【0013】
検出部は、検出位置の変位量が閾値より大きい場合に、駆動対象物の予め定められた基準を超える位置変化を検出してよい。
【0014】
検出部は、検出位置の変位量と駆動対象物が変位量を変位するのに要した時間とに基づく速度または加速度の少なくとも1つが閾値より大きい場合に、駆動対象物の予め定められた基準を超える位置変化を検出してよい。
【0015】
検出部は、駆動対象物が予め定められた参照位置を交差した回数に基づいて、駆動対象物の予め定められた基準を超える位置変化を検出してよい。
【0016】
検出部は、駆動対象物が予め定められた複数の参照位置を交差した回数に基づいて予め定められた基準を超える位置変化を検出してよい。
【0017】
駆動対象物は、撮像装置のレンズであってよい。駆動制御部は、撮像装置による撮像を行う場合に、レンズを駆動して、合焦、ズーム、またはブレ抑止の少なくとも1つの制御を行ってよい。
【0018】
本発明の第2の態様においては、駆動システムを提供する。駆動システムは、駆動制御装置を備えてよい。駆動システムは、駆動制御装置による制御に応じて駆動対象物を駆動する駆動装置を備えてよい。
【0019】
本発明の第3の態様においては、駆動制御方法を提供する。駆動制御方法は、駆動制御装置が、第1動作状態において駆動装置により駆動対象物を駆動させる駆動力を発生させ、第2動作状態において駆動装置の駆動力を低減または停止させることを備えてよい。駆動制御方法は、駆動制御装置が、駆動対象物の位置変化を検出することを備えてよい。駆動制御方法は、駆動制御装置が、第2動作状態において予め定められた基準を超える位置変化が検出されたことに応じて、第1動作状態に遷移して駆動装置により駆動力を発生させる制御を行うことを備えてよい。
【0020】
本発明の第4の態様においては、コンピュータにより実行される駆動制御プログラムを提供する。駆動制御プログラムは、コンピュータを、第1動作状態において駆動装置により駆動対象物を駆動させる駆動力を発生させ、第2動作状態において駆動装置の駆動力を低減または停止させる制御を行う駆動制御部として機能させてよい。駆動制御プログラムは、コンピュータを、駆動対象物の位置変化を検出する検出部として機能させてよい。駆動制御プログラムは、コンピュータを、第2動作状態において予め定められた基準を超える位置変化が検出されたことに応じて、駆動制御部を第1動作状態に遷移させて駆動装置により駆動力を発生させる制御を行わせる状態制御部として機能させてよい。
【0021】
なお、上記の発明の概要は、本発明の必要な特徴の全てを列挙したものではない。また、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となりうる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】本発明の実施形態に係る駆動システム10の構成を示す。
【
図2】本発明の実施形態に係る駆動システム10の、作動状態における動作フローを示す。
【
図3】本発明の実施形態に係る駆動システム10の、停止状態から開始する動作フローを示す。
【
図4】本実施形態に係る駆動システム10の、振動検出方法の第1例を示す。
【
図5】本実施形態に係る駆動システム10の、振動検出方法の第2例を示す。
【
図6】本実施形態に係る駆動システム10の、振動検出方法の第3例を示す。
【
図7】本発明の複数の態様が全体的または部分的に具現化されてよいコンピュータ2200の例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0024】
図1は、本実施形態に係る駆動システム10の構成を筐体20および駆動対象物30と共に示す。駆動システム10は、駆動装置40の第1動作状態において駆動装置40により駆動対象物30を駆動させる駆動力を発生して駆動対象物30を駆動する。また、駆動システム10は、駆動装置40の第2動作状態において駆動装置40の駆動力を低減または停止して駆動対象物30の駆動を停止する。本実施形態に係る駆動システム10は、第2動作状態において駆動対象物30に振動が発生する等により予め定められた基準を超える位置変化が発生したことに応じて、第2動作状態から第1動作状態へと遷移し、駆動対象物30を駆動して振動等の位置変化が継続するのを抑える。
【0025】
筐体20は、内部に駆動対象物30を収容する。筐体20は、駆動装置40、センサ50、および駆動制御装置100を収容する筐体と一体であってよく、駆動装置40、センサ50、および駆動制御装置100を収容する筐体に対して着脱可能な別の筐体であってもよい。
【0026】
駆動対象物30は、筐体20に収容され、駆動システム10によって駆動される。駆動対象物30は、例えばカメラまたはビデオカメラのような撮像装置等に設けられる、レンズ、ミラー、イメージセンサ、またはその他の光学部品であってよい。また、駆動対象物30は、駆動システム10によって位置または姿勢が駆動される他の部品であってもよく、駆動システム10は、そのような駆動対象物30を駆動していないときに駆動対象物30に発生した振動等を抑えるように構成されてよい。本実施形態においては、一例として駆動対象物30は撮像装置のレンズである。
【0027】
駆動装置40は、駆動制御装置100に接続され、駆動制御装置100による制御に応じて、筐体20内で駆動対象物30を駆動する。駆動装置40は、磁力、静電力、または機械的な力等の駆動力を用いて駆動対象物30を移動させる。例えば、駆動装置40は、コイルを駆動することにより、駆動対象物30に設けられた磁石に磁力を印加して駆動対象物30を移動させてよい。また例えば、駆動装置40は、カンチレバー型の圧電素子を用いて駆動対象物30を機械的に移動させてもよい。本実施形態において、駆動装置40は、レンズである駆動対象物30を有する撮像装置による撮像を行う場合に、当該レンズを駆動(移動または向きの変更等)する。
【0028】
センサ50は、駆動対象物30の近傍に設けられ、駆動対象物30の位置に応じた計測値を出力する。センサ50は、例えばホール素子等の磁気センサを用いて駆動対象物30に固定された位置検出用磁石の位置に応じた計測値を出力する。これに代えて、センサ50は、駆動対象物30の位置を電気的、磁気的、または光学的に計測することができる他の種類のセンサであってもよい。
【0029】
駆動制御装置100は、駆動装置40およびセンサ50に接続され、駆動装置40による駆動対象物30の駆動を制御する。駆動制御装置100は、一例として、駆動対象物30の駆動制御用の専用回路を含む集積回路(IC)である。また、駆動制御装置100は、駆動制御装置100内に設けたマイクロコントローラ等のプロセッサ上で駆動制御プログラムを実行することによって駆動制御装置100の少なくとも一部の機能を実現してもよい。駆動制御装置100は、取得部110と、目標位置設定部120と、駆動制御部140と、検出部145と、状態制御部160とを備える。
【0030】
取得部110は、駆動対象物30の目標位置を外部の装置またはユーザから入力する。目標位置設定部120は、取得部110および状態制御部160に接続される。目標位置設定部120は、駆動対象物30の目標位置を設定する。ここで、例えば撮像装置において撮像のためにレンズを駆動する場合等、駆動対象物30をその本来の目的のために実使用する場合には、目標位置設定部120は、取得部110が取得した目標位置を駆動対象物30の目標位置として設定する。目標位置設定部120は、駆動対象物30の振動等を抑えるために駆動制御部140および駆動装置40が第1動作状態に遷移された場合には、状態制御部160から指示される目標位置を駆動対象物30の目標位置として設定する。
【0031】
駆動制御部140は、目標位置設定部120、検出部145内の位置検出部130、および状態制御部160に接続される。駆動制御部140は、第1動作状態において駆動装置40により駆動対象物を駆動させる駆動力を発生させ、第2動作状態において駆動装置40の駆動力を低減または停止させる制御を行う。ここで、駆動制御部140は、第1動作状態において駆動対象物30の駆動を制御し、第2動作状態において駆動対象物30の駆動の制御を停止してもよい。本実施形態において、駆動制御部140は、撮像装置による撮像を行う場合に第1動作状態とされ、駆動対象物30を駆動して、合焦、ズーム、またはブレ抑止の少なくとも1つを行うための制御をする。
【0032】
ここで、第1動作状態とは、駆動対象物30を目標位置へと移動させ、または目標位置に静止させるように駆動装置40を作動させる動作状態または動作モード(例えば通常動作モードの状態)であり、「作動状態」とも表現される。駆動制御部140は、状態制御部160から作動状態である旨の指定を受けたことに応じて、作動状態へと遷移する。作動状態において、駆動制御部140は、駆動装置40に対して通常動作が可能となる電源電力を供給する制御を行い、駆動制御部140と同様に駆動装置40を作動状態としてよい。そして、駆動制御部140は、作動状態において、目標位置設定部120から供給される位置情報によって指定される目標位置に駆動対象物30を移動させるべく、駆動装置40内の駆動用スイッチング素子等をスイッチングさせるための駆動信号を駆動装置40へと供給する。これにより、駆動装置40は、駆動対象物30を駆動させる駆動力を発生して、駆動対象物30を駆動する。本実施形態において、駆動装置40は、作動状態においてコイルを駆動することにより駆動対象物30に設けられた磁石に磁力を印加して駆動対象物30を駆動する。なお、後述するように、駆動制御部140は、撮像装置による撮像を行わない場合であっても、駆動対象物30の振動等を抑えるために、停止状態(第2動作状態)から作動状態へと遷移する。
【0033】
第2動作状態とは、駆動装置40による駆動対象物30の駆動力を第1動作状態より低減または停止させる動作状態であり、駆動対象物30の駆動の制御を停止する状態であってよい。停止状態は、駆動対象物30を移動させる駆動力の発生を停止した動作状態または動作モードであってよく、外部からある程度の加速度が加わった場合に駆動対象物30の移動を制止できないほどに駆動力を低減する動作状態または動作モード(例えば動作停止モードまたは省電力モードの状態)であってもよい。第2動作状態は、「停止状態」とも表現される。停止状態は、駆動対象物30を、筐体20内の可動範囲内で自由に移動可能な状態に解放するものであってもよい。駆動制御部140は、状態制御部160から停止状態である旨の指定を受けたことに応じて、停止状態へと遷移する。停止状態において、駆動制御部140は、駆動装置40による駆動対象物30の駆動を制御することを停止してよい。この結果、駆動制御部140は、駆動装置40による駆動力の発生を停止し、または弱める。駆動制御部140は、停止状態において、駆動装置40を省電力モードに切り換えてもよく、駆動装置40への電源電力の供給を停止してもよい。これにより、駆動制御部140は、停止状態において、駆動装置40も駆動制御部140と同様に停止状態としてよい。また、駆動制御部140は、停止状態において、駆動制御部140の少なくとも一部(例えば駆動装置40へと駆動信号を供給する回路部分)を省電力モードに切り換え、またはこの部分への電源電力の供給を停止してもよい。
【0034】
本実施形態において、駆動装置40は、停止状態において磁力を低減しまたは磁力の発生を停止して、外部からの力が加わった場合に駆動対象物30が可動範囲内で移動しうる状態にする。換言すると、停止状態においては、外部から同じ力が加わった場合に、作動状態と比較して駆動対象物30がより大きく移動してしまう可能性がある。
【0035】
検出部145は、センサ50に接続される。検出部145は、駆動対象物30の位置を検出し、その位置を用いて駆動対象物30の位置変化を検出する。本実施形態において、検出部145は、位置検出部130と、振動検出部150とを有する。
【0036】
位置検出部130は、センサ50に接続される。位置検出部130は、センサ50からの計測値を用いて駆動対象物30の位置を検出する。
【0037】
振動検出部150は、位置検出部130に接続され、位置検出部130が検出した駆動対象物30の位置を用いて駆動対象物30の振動を検出する。ここで、「振動」とは、駆動装置40による駆動による駆動対象物30の移動ではなく、駆動システム10および駆動対象物30を含む撮像装置等の装置が落下したり、振られたり、使用者の走行または歩行等によって揺れたりすることに伴って外部からの力が加わって駆動対象物30の位置変化が生じることを示す。すなわち、振動検出部150による検出対象となる「振動」とは、必ずしも往復運動を伴うものではなく、将来往復運動になりうる駆動対象物30の動きにも限られない。本実施形態においては、振動検出部150は、駆動対象物30の、予め定められた基準を超える位置変化を検出したことをもって、振動を検出したとみなす。
【0038】
状態制御部160は、振動検出部150に接続される。状態制御部160は、駆動制御装置100の外部からの状態遷移指示に応じて、駆動制御部140の状態を作動状態または停止状態の間で遷移させる。また、状態制御部160は、停止状態において予め定められた基準を超える位置変化が検出部145により検出されたこと、すなわち本実施形態においては停止状態の間に振動検出部150が駆動対象物30の振動を検出したこと、に応じて、駆動制御部140を停止状態から作動状態へと遷移させる。この振動の検出によって作動状態へと遷移したことに応じて、駆動制御部140は、駆動装置40により駆動力を発生させて駆動対象物30の位置変化の継続を抑制する制御を行う。これにより駆動制御部140は、駆動装置40を駆動させて、停止状態において振動検出部150が検出した駆動対象物30の振動が継続するのを抑制させるべく、駆動装置40を必要に応じて作動状態とさせた上で制御することができる。
【0039】
図2は、本実施形態に係る駆動システム10の、作動状態における動作フローを示す。ステップ200(S200)において、状態制御部160は、駆動制御装置100の外部から作動状態への状態遷移指示を受けたか否かを判断する。作動状態への状態遷移指示がない場合、または停止状態への状態遷移指示があった場合(S200のNO)、状態制御部160は、駆動制御部140および駆動装置40を停止状態へと遷移させる。作動状態への状態遷移指示があった場合(S200のYES)、S210において、状態制御部160は、駆動制御部140および駆動装置40を作動状態へと遷移させる。
【0040】
S220において、取得部110は、駆動対象物30の目標位置を外部の装置等から取得する。S230において、目標位置設定部120は、作動状態である旨の指定を状態制御部160から受けて、取得された目標位置を駆動対象物30の目標位置として設定し、目標位置を示す位置情報を駆動制御部140へと出力する。
【0041】
S240において、位置検出部130は、センサ50からの計測値を用いて駆動対象物30の位置(検出位置)を検出する。S250において、駆動制御部140は、位置情報で示される駆動対象物30の目標位置および検出位置に基づいて、駆動対象物30を目標位置へと移動させるように駆動装置40を駆動させる制御を行う。駆動制御部140は、駆動対象物30の検出位置を駆動対象物30の目標位置へと近づけるように駆動対象物30を移動させる制御を行ってよい。これを受けて、駆動装置40は、駆動対象物30を駆動させる駆動力を発生し、駆動対象物30を目標位置へと向かって移動させる。
【0042】
S260において、駆動制御部140は、駆動対象物30の新たな検出位置を位置検出部130から受け取り、駆動対象物30を目標位置へと移動し終えたか否かを判断する。駆動対象物30の移動が完了していない場合、駆動制御部140は、処理をS220へと進めることにより、駆動対象物30の位置のフィードバック制御を行う。駆動制御装置100が駆動対象物30を目標位置へと移動し終えると、駆動システム10を含む装置は、駆動対象物30を使用して被写体の撮像等の駆動対象物30の実使用を行う。実使用が終わると、状態制御部160は、処理をS200へと進める。ここで、駆動対象物30の実使用が完了した後、状態制御部160は、駆動制御装置100の外部の装置等からの指示、または、最終の作動状態への状態遷移指示もしくは目標位置の指定からのタイムアウトの検出に応じて、駆動制御部140および駆動装置40を停止状態に遷移させてもよい。
【0043】
以上の動作に代えて、駆動制御部140は、駆動対象物30の検出位置を用いずに、駆動対象物30を目標位置へと移動させるオープンループ制御を行ってもよい。この場合、駆動制御装置100は、S220からS260のフィードバックループを繰り返す必要はなく、S240における駆動対象物30の位置の検出結果を用いる必要もない。
【0044】
図3は、本実施形態に係る駆動システム10の、停止状態から開始する動作フローを示す。S300において、振動検出部150は、停止状態中に、駆動対象物30に振動が有るか否かを検出する。ここで、振動検出部150は、駆動対象物30の、予め定められた基準を超える位置変化を「振動」として検出する。このような位置変化の基準は、
図4から6に例示するように、駆動対象物30の変位量の大きさについての基準、揺れの回数についての基準、揺れの大きさについての基準、またはその他の駆動対象物30の位置の変化の特性または変化量に対する任意の基準またはその組合せであってよい。振動検出部150が用いる振動検出方法によっては振動が検出されなかった場合(S310のNO)、S310において、状態制御部160は、処理をS360へと進める。
【0045】
駆動対象物30の振動が検出された場合(S310のYES)、S320において、状態制御部160は、駆動制御部140および駆動装置40を停止状態から作動状態へと遷移させる。停止状態において駆動制御部140の少なくとも一部または駆動装置40を省電力モードとしている場合には、状態制御部160は、これらを通常動作モードへと遷移させる。
【0046】
S330において、状態制御部160は、駆動対象物30の振動を抑えるために、駆動対象物30の目標位置を、筐体20内における予め定められた固定位置に設定することを目標位置設定部120へと指示する。ここで、状態制御部160は、この固定位置を予め設定したレジスタまたはメモリ等の記憶装置を有してよく、このような記憶装置に設定された固定位置を目標位置設定部120へと供給してよい。これにより、目標位置設定部120は、駆動対象物30の振動の検出によって駆動制御部140が作動状態へと遷移したことに応じて、この固定位置を示す位置情報を駆動制御部140へと出力する。
【0047】
S340において、駆動制御部140は、駆動対象物30の振動の検出によって作動状態へと遷移したことに応じて、駆動対象物30を筐体20内の予め定められた固定位置へと移動させる制御を行う。本実施形態において、駆動制御部140は、目標位置設定部120から出力された位置情報に基づいて、固定位置に駆動対象物30を移動させる制御を行う。
【0048】
S350において、状態制御部160は、駆動対象物30の振動の抑制が終了したか否かを判断する。例えば、状態制御部160は、駆動対象物30の振動の検出によって駆動制御部140を作動状態へと遷移させてから予め定められた振動抑制期間(例えば10秒等)が経過したことに応じて、振動の抑制が終了したと判断する。ここで、状態制御部160は、S260においてタイムアウトを用いる場合、タイムアウト時間と同じ長さの振動抑制期間を用いてもよい。これに代えて、状態制御部160は、振動を抑制するための駆動力を駆動対象物30に加えないよう駆動制御部140に対して指示し、駆動対象物30の振動が残っているか否かを検出することにより振動の抑制が終了したか否かを判断してもよい。振動の抑制が終了していない場合、状態制御部160は、処理をS340へと進める(S350のNO)。
【0049】
駆動対象物30の振動が検出されなかった場合(S310のNO)または振動の抑制が終了した場合(S350のYES)、S360において、状態制御部160は、作動状態への状態遷移指示を受けたか否かを判断する。作動状態への状態遷移指示を受けた場合(S360のYES)、状態制御部160は、駆動制御部140および駆動装置40を作動状態に遷移させる。この場合、状態制御部160は、駆動システム10の処理を
図2の動作フローへと進めてよい。
【0050】
作動状態への状態遷移指示を受けていない場合(S360のNO)、状態制御部160は、S370において、駆動制御部140および駆動装置40を停止状態に遷移させることにより、停止状態中の振動を検出する前の状態(S300)に戻す。
【0051】
以上に示した駆動システム10によれば、駆動制御部140および駆動装置40の停止状態において駆動対象物30の振動を検出すると、駆動制御部140および駆動装置40を一旦作動状態として駆動対象物30の振動を抑制するように駆動対象物30を駆動させることができる。例えば駆動システム10がバッテリ駆動のカメラまたはスマートフォン等の携帯端末の撮像ユニットに設けられている場合、駆動システム10は、バッテリの消耗を抑えるために、実際に撮像ユニットを使用する間を除いて駆動制御部140および駆動装置40を停止状態もしくは省電力モードに制御される。この場合、駆動システム10は、駆動対象物30に対する駆動力の供給を抑え、または停止するので、駆動対象物30は解放されて自由に移動するようになる。この状態において、携帯端末に大きな外部運動が加わると、駆動対象物30が筐体20内で大きく振動し、駆動対象物30が可動範囲の端点における筐体20の構造物にぶつかってカチカチといったような衝突音が発生してしまう。
【0052】
駆動システム10によれば、駆動対象物30の振動を検出したことに応じて駆動制御部140および駆動装置40を作動状態として駆動対象物30の振動を抑制させることができ、このような異音の発生を抑制することができる。
【0053】
なお、以上に示した駆動システム10では、S330からS340において、駆動制御部140は、駆動対象物30の振動の検出によって作動状態に遷移したことに応じて駆動対象物30を目標位置へと移動させるように駆動装置40を制御する。これに代えて、駆動制御部140は、駆動装置40により駆動対象物30の振動を抑制する他の任意の駆動力を発生させる制御を行ってもよい。例えば、駆動制御部140は、駆動対象物30を、位置検出部130により検出した現在の位置にとどめるように駆動装置40を制御してもよい。また例えば、駆動制御部140は、駆動装置40が有するコイルに一定の電流を流す制御を行う等により、駆動対象物30に対して適当な位置に向かう駆動力を与えてもよい。
【0054】
また、以上に示した駆動システム10においては、振動検出部150は、駆動対象物30の位置を検出するためのセンサ50からの計測値を利用して駆動対象物30の振動を検出する。これに代えて、振動検出部150は、駆動システム10を設けた携帯端末その他の装置が有するジャイロセンサまたは加速度センサ等の、装置内における駆動対象物30自体の位置検出に用いないセンサの計測値を用いて当該装置自体の振動を検出することにより、駆動対象物30の振動を検出してもよい。
【0055】
本実施形態においては、駆動対象物30は、筐体20内において、線形の可動範囲、すなわち一次元の位置によって表される可動範囲を有する。これに代えて、駆動対象物30は、二次元または三次元の位置によって表される可動範囲を有してもよい。この場合、駆動システム10は、次元毎に駆動装置40、センサ50、および駆動制御装置100を有し、次元毎に振動抑制処理を行ってよい。
【0056】
図4は、本実施形態に係る駆動システム10の、振動検出方法の第1例を示す。本図は、位置検出部130による駆動対象物30の検出位置の経時変化を示すグラフを用いて、駆動システム10による、駆動対象物30の振動の検出方法およびその抑制方法を示す。
【0057】
本図の例において、振動検出部150は、駆動対象物30の検出位置の変位量に基づいて、駆動対象物30の振動を検出する。より具体的には、振動検出部150は、駆動対象物30の検出位置の変位量が閾値より大きい場合に、駆動対象物30の振動を検出する。
【0058】
位置検出部130は、予め定められた周期(例えば1ms毎)に、駆動対象物30の位置を検出する。振動検出部150は、駆動制御部140および駆動装置40の停止状態において、駆動対象物30の検出位置の変位量に基づいて振動を検出する処理を行う。本図の例においては、時刻t1および時刻t2の間における駆動対象物30の検出位置の変位量は、X(移動量X)である。振動検出部150は、時刻t2において、この変位量Xが、振動を検出する基準となる閾値より大きい場合に、駆動対象物30の振動を検出する。ここで、振動検出部150は、変位量Xとして、時刻t1および時刻t2の間の位置の差の大きさ(絶対値)を用いてよい。
【0059】
なお、振動検出部150は、変位量Xとして、停止状態である期間中における任意の2時点間の位置の差、すなわち当該期間中における位置の差の最大値を用いてもよい。また、振動検出部150は、検出位置の変位量と駆動対象物30が当該変位量を変位するのに要した時間とに基づく速度または加速度の少なくとも1つが閾値より大きい場合に、駆動対象物30の振動を検出してもよい。例えば、振動検出部150は、予め定められた単位時間(例えば5ms)あたりの検出位置の変位量等を駆動対象物30の速度として算出し、この速度が速度の上限として設定された閾値よりも大きい場合に、駆動対象物30の振動を検出する。また、例えば、振動検出部150は、駆動対象物30の検出位置の変位量の変化率を駆動対象物30の加速度として算出し、この加速度が加速度の上限として設定された閾値よりも大きい場合に、駆動対象物30の振動を検出してもよい。また、振動検出部150は、速度および加速度の条件のAND条件によって振動を検出してもよく、OR条件によって振動を検出してもよい。
【0060】
時刻t2において振動検出部150が駆動対象物30の振動を検出すると、状態制御部160は、駆動制御部140および駆動装置40を停止状態から作動状態へと遷移させる。これに応じて、駆動制御部140は、駆動対象物30の振動を抑制するべく駆動装置40による駆動対象物30の駆動を開始させる。本図に示すように、状態制御部160は、駆動対象物30の振動の初動が検出された時点で駆動対象物30の駆動を開始させ、その振動が継続するのを抑制させるようにする。
【0061】
駆動制御部140は、駆動対象物30を筐体20内の予め定められた固定位置へと移動させるように駆動対象物30を駆動させる制御を行う。本図の例において、この固定位置は、筐体20内における駆動対象物30の可動範囲 の端点(負側の端点)である。例えば、駆動対象物30がレンズである場合、駆動対象物30は、レンズ筐体である筐体20内において負側の端点(限界位置)から正側の端点(限界位置)までの間で移動可能である。例えば駆動装置40がレンズを光軸に対して垂直に移動させるフォーカス用の駆動装置である場合、負側の端点は例えば無限遠における合焦位置に相当し、正側の端点は例えばマクロ撮影での最短撮影距離における合焦位置に相当する。本図の例において、駆動制御部140は、駆動対象物30を負側の端点である固定位置へと移動させる制御を行う。
【0062】
時刻t3において、駆動対象物30は、筐体20内における可動範囲の端点へと移動する。駆動システム10は、時刻t3の後振動抑制を終了させるまで駆動対象物30を可動範囲の端点の位置に維持するので、駆動対象物30を有する装置に更に振動が加わったとしても、駆動対象物30が振動するのを防ぐことができる。
【0063】
ここで、駆動制御部140は、駆動対象物30を筐体20内における可動範囲の端点へと移動した状態で、駆動対象物30を更に端点側(本例においては負側)へと付勢するべく駆動装置40の駆動を制御してよい。これにより、駆動システム10は、振動抑制が終了するまで、駆動対象物30を筐体20内における可動範囲の端点へと押し付けた状態、すなわち例えば駆動対象物30を可動範囲の端点に位置する構造物に押しつけた状態を維持することができる。このような制御により、駆動システム10は、駆動対象物30を有する装置に更に大きな振動が加わったとしても、駆動対象物30がこの端点から正側に離れて再び端点に衝突するのを抑えることができる。
【0064】
以上に代えて、駆動対象物30を移動させる固定位置は、駆動対象物30の可動範囲における正側の端点であってもよく、可動範囲内において正側および負側の端点の間の位置(例えば中点の位置)であってもよい。振動抑制が終了するまでの間、駆動対象物30を可動範囲内の端点間の位置に維持する場合、駆動制御部140は、駆動対象物30を可動範囲の端点における構造物と接触させない駆動力を駆動装置40により発生させる。これにより、駆動システム10は、よほど大きな振動が加わらない限りは、駆動対象物30が端点に衝突するのを防ぐことができる。
【0065】
図5は、本実施形態に係る駆動システム10の、振動検出方法の第2例を示す。本図は、
図4と同様に、位置検出部130による駆動対象物30の検出位置の経時変化を示すグラフを用いて、駆動システム10による、駆動対象物30の振動の検出方法およびその抑制方法を示す。
【0066】
本図の例において、振動検出部150は、駆動対象物30が予め定められた参照位置を交差した回数に基づいて、駆動対象物30の振動を検出する。例えば、振動検出部150は、駆動対象物30が参照位置を交差した回数が閾値を超えたことに応じて、駆動対象物30の振動を検出する。このようにして振動検出部150が検出する振動は、駆動対象物30の往復運動を伴う狭義の「振動」である。
【0067】
本図の例においては、時刻t1までの間、駆動制御部140および駆動装置40は停止状態にあり、駆動対象物30は、可動範囲内で図中の「参照位置」を4回交差して振動している。ここで参照位置を交差するとは、駆動対象物30の位置が、参照位置よりも小さな値から大きな値へと変化し、または参照位置よりも大きな値から小さな値へと変化することにより、参照位置を通って変化することを意味する。
【0068】
振動検出部150は、時刻t1において、駆動対象物30が参照位置を交差した回数が閾値3を超えたことに応じて、駆動対象物30の振動を検出する。これに応じて、状態制御部160は、駆動制御部140および駆動装置40を停止状態から作動状態へと遷移させ、
図4の場合と同様にして駆動対象物30を筐体20内の予め定められた固定位置へと移動させる。
【0069】
振動検出部150は、参照位置を交差した回数を用いて駆動対象物30の振動を検出することにより、参照位置の正側および負側の間で駆動対象物30が揺れ動く状態を「振動」として特定することができる。
【0070】
なお、振動検出部150は、駆動対象物30が、予め定められた長さの期間内に予め定められた参照位置を交差した回数に基づいて、駆動対象物30の振動を検出するようにしてもよい。例えば、振動検出部150は、駆動対象物30が予め定められた長さの期間である5秒以内に、駆動対象物30の可動範囲の端点間に位置する参照位置を交差した回数に基づいて、駆動対象物30の振動を検出してもよい。
【0071】
図6は、本実施形態に係る駆動システム10の、振動検出方法の第3例を示す。本図は、
図4と同様に、位置検出部130による駆動対象物30の検出位置の経時変化を示すグラフを用いて、駆動システム10による、駆動対象物30の振動の検出方法およびその抑制方法を示す。
【0072】
本図の例において、振動検出部150は、駆動対象物30が予め定められた複数の参照位置を交差した回数に基づいて駆動対象物30の振動を検出する。例えば、振動検出部150は、駆動対象物30が複数の参照位置のいずれかを交差した回数が閾値を超えたことに応じて、駆動対象物30の振動を検出する。
【0073】
本図の例においては、時刻t1までの間、駆動制御部140および駆動装置40は停止状態にあり、駆動対象物30は、可動範囲内で図中の参照位置1および2を合計8回交差して振動している。振動検出部150は、時刻t1において、駆動対象物30が参照位置1および2を交差した回数が閾値7を超えたことに応じて、駆動対象物30の振動を検出する。これに応じて、状態制御部160は、駆動制御部140および駆動装置40を停止状態から作動状態へと遷移させ、
図4の場合と同様にして駆動対象物30を筐体20内の予め定められた固定位置へと移動させる。
【0074】
振動検出部150は、互いに異なる複数の参照位置を交差した回数を用いて駆動対象物30の振動を検出することにより、例えば駆動対象物30の可動範囲の端点間の中点位置のような1箇所に参照位置を設けた場合においては検出できないような、正側または負側の端点により近い位置における駆動対象物30の振動を検出することができる。ここで、本図においては参照位置が2つの場合を例示するが、参照位置の数は、3でもよく(例えば、正側端点近く、中点、負側端点近く)、4以上であってもよい。
【0075】
なお、本例においても、
図5の例と同様に、振動検出部150は、駆動対象物30が、予め定められた長さの期間内に予め定められた複数の参照位置を交差した回数に基づいて、駆動対象物30の振動を検出ようにしてもよい。また、より大きい振動を検出対象とする場合には、振動検出部150は、駆動対象物30の位置が参照位置1および参照位置2を連続して交差するような、より具体的には第2番目の交点から第3番目の交点に至る変化、第4番目の交点から第5番目の交点に至る変化、第6番目の交点から第7番目の交点に至る変化のような、連続して複数の参照位置を交差する回数に基づいて駆動対象物30の振動を検出するようにしてもよい。
【0076】
更に、振動検出部150は、複数の検出条件の少なくとも1つが満たされたことに応じて、駆動対象物30の振動を検出してもよい。例えば、振動検出部150は、
図4から
図6に関連して示した検出条件の少なくとも1つが満たされた場合に、駆動対象物30の振動を検出してもよい。
【0077】
本発明の様々な実施形態は、フローチャートおよびブロック図を参照して記載されてよく、ここにおいてブロックは、(1)操作が実行されるプロセスの段階または(2)操作を実行する役割を持つ装置のセクションを表わしてよい。特定の段階およびセクションが、専用回路、コンピュータ可読媒体上に格納されるコンピュータ可読命令と共に供給されるプログラマブル回路、および/またはコンピュータ可読媒体上に格納されるコンピュータ可読命令と共に供給されるプロセッサによって実装されてよい。専用回路は、デジタルおよび/またはアナログハードウェア回路を含んでよく、集積回路(IC)および/またはディスクリート回路を含んでよい。プログラマブル回路は、論理AND、論理OR、論理XOR、論理NAND、論理NOR、および他の論理操作、フリップフロップ、レジスタ、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、プログラマブルロジックアレイ(PLA)等のようなメモリ要素等を含む、再構成可能なハードウェア回路を含んでよい。
【0078】
コンピュータ可読媒体は、適切なデバイスによって実行される命令を格納可能な任意の有形なデバイスを含んでよく、その結果、そこに格納される命令を有するコンピュータ可読媒体は、フローチャートまたはブロック図で指定された操作を実行するための手段を作成すべく実行され得る命令を含む、製品を備えることになる。コンピュータ可読媒体の例としては、電子記憶媒体、磁気記憶媒体、光記憶媒体、電磁記憶媒体、半導体記憶媒体等が含まれてよい。コンピュータ可読媒体のより具体的な例としては、フロッピー(登録商標)ディスク、ディスケット、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリメモリ(ROM)、消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EPROMまたはフラッシュメモリ)、電気的消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EEPROM)、静的ランダムアクセスメモリ(SRAM)、コンパクトディスクリードオンリメモリ(CD-ROM)、デジタル多用途ディスク(DVD)、ブルーレイ(登録商標)ディスク、メモリスティック、集積回路カード等が含まれてよい。
【0079】
コンピュータ可読命令は、アセンブラ命令、命令セットアーキテクチャ(ISA)命令、マシン命令、マシン依存命令、マイクロコード、ファームウェア命令、状態設定データ、またはSmalltalk(登録商標)、JAVA(登録商標)、C++等のようなオブジェクト指向プログラミング言語、および「C」プログラミング言語または同様のプログラミング言語のような従来の手続型プログラミング言語を含む、1または複数のプログラミング言語の任意の組み合わせで記述されたソースコードまたはオブジェクトコードのいずれかを含んでよい。
【0080】
コンピュータ可読命令は、汎用コンピュータ、特殊目的のコンピュータ、若しくは他のコンピュータ等のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサまたはプログラマブル回路に対し、ローカルにまたはローカルエリアネットワーク(LAN)、インターネット等のようなワイドエリアネットワーク(WAN)を介して提供され、フローチャートまたはブロック図で指定された操作を実行するための手段を作成すべく、コンピュータ可読命令を実行してよい。プロセッサの例としては、コンピュータプロセッサ、処理ユニット、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ等を含む。
【0081】
図7は、本発明の複数の態様が全体的または部分的に具現化されてよいコンピュータ2200の例を示す。コンピュータ2200にインストールされたプログラムは、コンピュータ2200に、本発明の実施形態に係る装置に関連付けられる操作または当該装置の1または複数のセクションとして機能させることができ、または当該操作または当該1または複数のセクションを実行させることができ、および/またはコンピュータ2200に、本発明の実施形態に係るプロセスまたは当該プロセスの段階を実行させることができる。そのようなプログラムは、コンピュータ2200に、本明細書に記載のフローチャートおよびブロック図のブロックのうちのいくつかまたはすべてに関連付けられた特定の操作を実行させるべく、CPU2212によって実行されてよい。
【0082】
本実施形態によるコンピュータ2200は、CPU2212、RAM2214、グラフィックコントローラ2216、およびディスプレイデバイス2218を含み、それらはホストコントローラ2210によって相互に接続されている。コンピュータ2200はまた、通信インターフェイス2222、ハードディスクドライブ2224、DVD-ROMドライブ2226、およびICカードドライブのような入/出力ユニットを含み、それらは入/出力コントローラ2220を介してホストコントローラ2210に接続されている。コンピュータはまた、ROM2230およびキーボード2242のようなレガシの入/出力ユニットを含み、それらは入/出力チップ2240を介して入/出力コントローラ2220に接続されている。
【0083】
CPU2212は、ROM2230およびRAM2214内に格納されたプログラムに従い動作し、それにより各ユニットを制御する。グラフィックコントローラ2216は、RAM2214内に提供されるフレームバッファ等またはそれ自体の中にCPU2212によって生成されたイメージデータを取得し、イメージデータがディスプレイデバイス2218上に表示されるようにする。
【0084】
通信インターフェイス2222は、ネットワークを介して他の電子デバイスと通信する。ハードディスクドライブ2224は、コンピュータ2200内のCPU2212によって使用されるプログラムおよびデータを格納する。DVD-ROMドライブ2226は、プログラムまたはデータをDVD-ROM2201から読み取り、ハードディスクドライブ2224にRAM2214を介してプログラムまたはデータを提供する。ICカードドライブは、プログラムおよびデータをICカードから読み取り、および/またはプログラムおよびデータをICカードに書き込む。
【0085】
ROM2230はその中に、アクティブ化時にコンピュータ2200によって実行されるブートプログラム等、および/またはコンピュータ2200のハードウェアに依存するプログラムを格納する。入/出力チップ2240はまた、様々な入/出力ユニットをパラレルポート、シリアルポート、キーボードポート、マウスポート等を介して、入/出力コントローラ2220に接続してよい。
【0086】
プログラムが、DVD-ROM2201またはICカードのようなコンピュータ可読媒体によって提供される。プログラムは、コンピュータ可読媒体から読み取られ、コンピュータ可読媒体の例でもあるハードディスクドライブ2224、RAM2214、またはROM2230にインストールされ、CPU2212によって実行される。これらのプログラム内に記述される情報処理は、コンピュータ2200に読み取られ、プログラムと、上記様々なタイプのハードウェアリソースとの間の連携をもたらす。装置または方法が、コンピュータ2200の使用に従い情報の操作または処理を実現することによって構成されてよい。
【0087】
例えば、通信がコンピュータ2200および外部デバイス間で実行される場合、CPU2212は、RAM2214にロードされた通信プログラムを実行し、通信プログラムに記述された処理に基づいて、通信インターフェイス2222に対し、通信処理を命令してよい。通信インターフェイス2222は、CPU2212の制御下、RAM2214、ハードディスクドライブ2224、DVD-ROM2201、またはICカードのような記録媒体内に提供される送信バッファ処理領域に格納された送信データを読み取り、読み取られた送信データをネットワークに送信し、またはネットワークから受信された受信データを記録媒体上に提供される受信バッファ処理領域等に書き込む。
【0088】
また、CPU2212は、ハードディスクドライブ2224、DVD-ROMドライブ2226(DVD-ROM2201)、ICカード等のような外部記録媒体に格納されたファイルまたはデータベースの全部または必要な部分がRAM2214に読み取られるようにし、RAM2214上のデータに対し様々なタイプの処理を実行してよい。CPU2212は次に、処理されたデータを外部記録媒体にライトバックする。
【0089】
様々なタイプのプログラム、データ、テーブル、およびデータベースのような様々なタイプの情報が記録媒体に格納され、情報処理を受けてよい。CPU2212は、RAM2214から読み取られたデータに対し、本開示の随所に記載され、プログラムの命令シーケンスによって指定される様々なタイプの操作、情報処理、条件判断、条件分岐、無条件分岐、情報の検索/置換等を含む、様々なタイプの処理を実行してよく、結果をRAM2214に対しライトバックする。また、CPU2212は、記録媒体内のファイル、データベース等における情報を検索してよい。例えば、各々が第2の属性の属性値に関連付けられた第1の属性の属性値を有する複数のエントリが記録媒体内に格納される場合、CPU2212は、第1の属性の属性値が指定される、条件に一致するエントリを当該複数のエントリの中から検索し、当該エントリ内に格納された第2の属性の属性値を読み取り、それにより予め定められた条件を満たす第1の属性に関連付けられた第2の属性の属性値を取得してよい。
【0090】
上で説明したプログラムまたはソフトウェアモジュールは、コンピュータ2200上またはコンピュータ2200近傍のコンピュータ可読媒体に格納されてよい。また、専用通信ネットワークまたはインターネットに接続されたサーバーシステム内に提供されるハードディスクまたはRAMのような記録媒体が、コンピュータ可読媒体として使用可能であり、それによりプログラムを、ネットワークを介してコンピュータ2200に提供する。
【0091】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【0092】
特許請求の範囲、明細書、および図面中において示した装置、システム、プログラム、および方法における動作、手順、ステップ、および段階等の各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」等と明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、および図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」等を用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。
【符号の説明】
【0093】
10 駆動システム、20 筐体、30 駆動対象物、40 駆動装置、50 センサ、100 駆動制御装置、110 取得部、120 目標位置設定部、130 位置検出部、140 駆動制御部、145 検出部、150 振動検出部、160 状態制御部、2200 コンピュータ、2201 DVD-ROM、2210 ホストコントローラ、2212 CPU、2214 RAM、2216 グラフィックコントローラ、2218 ディスプレイデバイス、2220 入/出力コントローラ、2222 通信インターフェイス、2224 ハードディスクドライブ、2226 DVD-ROMドライブ、2230 ROM、2240 入/出力チップ、2242 キーボード