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  • 特許-ペットフード包装体およびその製造方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-23
(45)【発行日】2022-08-31
(54)【発明の名称】ペットフード包装体およびその製造方法
(51)【国際特許分類】
   A23K 50/40 20160101AFI20220824BHJP
   A23K 30/00 20160101ALI20220824BHJP
   B65D 30/10 20060101ALI20220824BHJP
   B65D 85/50 20060101ALI20220824BHJP
   A23K 50/48 20160101ALI20220824BHJP
【FI】
A23K50/40
A23K30/00
B65D30/10 M
B65D85/50 300
A23K50/48
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2016228098
(22)【出願日】2016-11-24
(65)【公開番号】P2018082660
(43)【公開日】2018-05-31
【審査請求日】2019-11-18
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000115108
【氏名又は名称】ユニ・チャーム株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】513143489
【氏名又は名称】ティケイ・エビス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100189337
【弁理士】
【氏名又は名称】宮本 龍
(74)【代理人】
【識別番号】100196058
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 彰雄
(74)【代理人】
【識別番号】100214215
【弁理士】
【氏名又は名称】▲高▼梨 航
(72)【発明者】
【氏名】吉賀 史里
(72)【発明者】
【氏名】池田 剛
(72)【発明者】
【氏名】園田 誠
(72)【発明者】
【氏名】南谷 美加代
【審査官】小島 洋志
(56)【参考文献】
【文献】登録実用新案第3111287(JP,U)
【文献】特開2016-049056(JP,A)
【文献】特表2016-537997(JP,A)
【文献】登録実用新案第3077324(JP,U)
【文献】特開2016-096737(JP,A)
【文献】特開2007-129979(JP,A)
【文献】特開2004-345716(JP,A)
【文献】実開平03-111955(JP,U)
【文献】実開平07-031657(JP,U)
【文献】特開平06-153810(JP,A)
【文献】特開2002-262785(JP,A)
【文献】特開平08-089148(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2002/0067865(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A23K 50/40
A23K 30/00
B65D 30/10
B65D 85/50
A23K 50/48
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の収容部を備えた包装容器の前記収容部に、複数種のペットフードがそれぞれ単独で、粒状のペットフードと混合して使用する場合の使い切り量で収容されているペットフード包装体であって、
前記包装容器は、1個の収容部を有する袋状の個容器の複数個が分離可能に連結されており、
前記ペットフードが固体の具材とスープ部を含み、
前記ペットフードの水分含有量が70質量%以上であり、
前記ペットフードに含まれる固体の具材のうち、最も含有量が多い具材を主具材、主具材以外の具材を副具材とするとき、前記複数種のペットフードは、主具材、副具材、またはスープ部分の1つ以上が異なっている、ペットフード包装体。
【請求項2】
前記ペットフードに含まれる固体の具材のうち、最も含有量が多い具材を主具材、主具材以外の具材を副具材とするとき、
前記複数種のペットフードは、主具材が互いに同じであり、副具材の1種以上が異なる、請求項1に記載のペットフード包装体。
【請求項3】
前記ペットフードに含まれる固体の具材のうち、最も含有量が多い具材を主具材、主具材以外の具材を副具材とするとき、
前記複数種のペットフードは、主具材が互いに異なり、副具材の1種以上も異なる、請求項1又は2に記載のペットフード包装体。
【請求項4】
前記ペットフードに含まれる固体の具材のうち、最も含有量が多い具材を主具材、主具材以外の具材を副具材とするとき、
前記複数種のペットフードは、主具材が互いに異なり、副具材が互いに同じである、請求項1又は2に記載のペットフード包装体。
【請求項5】
前記包装容器の表面に、前記連結されている個容器の一方とこれに隣接する他方に渡った一体の表示部が設けられている、請求項1~のいずれか一項に記載のペットフード包装体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はペットフード包装体およびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ペットフードの製品形態は、大袋に一括して収容されているものや、小袋に収容されたものが複数個、大袋にまとめて収容されているものなど様々である。
特許文献1には、持ち運びや管理のしやすさを目的として、鶏のささ身等の食材が1個ずつ真空包装されたユニットの複数個を、分割可能に連結させた形態のペットフード包装体が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2004-345716号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ペットの飼い主は、ペットが好んで食べるペットフードを選んで購入するが、毎回同じペットフードを与えていると食べ飽きが生じる場合がある。
本発明は、ペットフードの食べ飽きの防止または解消に好適なペットフード包装体およびその製造方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は以下のペットフード包装体およびペットフード包装体の製造方法である。
[1] 複数の収容部を備えた包装容器の前記収容部に、複数種のペットフードがそれぞれ単独で収容されているペットフード包装体。
[2] 前記包装容器は、1個の収容部を有する個容器の複数個が分離可能に連結されている、[1]のペットフード包装体。
[3] 前記個容器が袋状である、[2]のペットフード包装体。
[4] 前記ペットフードの水分含有量が70質量%以上である、[1]~[3]のいずれかのペットフード包装体。
[5] 前記ペットフードが固体の具材とスープ部を含む、[4]のペットフード包装体。
[6] 前記ペットフードに含まれる固体の具材のうち、最も含有量が多い具材を主具材、主具材以外の具材を副具材とするとき、
前記複数種のペットフードは、主具材が互いに同じであり、副具材の1種以上が異なる、[5]のペットフード包装体。
[7] 前記ペットフードに含まれる固体の具材のうち、最も含有量が多い具材を主具材、主具材以外の具材を副具材とするとき、
前記複数種のペットフードは、主具材が互いに異なり、副具材の1種以上も異なる、[5]のペットフード包装体。
[8] 前記ペットフードに含まれる固体の具材のうち、最も含有量が多い具材を主具材、主具材以外の具材を副具材とするとき、
前記複数種のペットフードは、主具材が互いに異なり、副具材が互いに同じである、[5]のペットフード包装体。
[9] 前記包装容器の表面に、前記連結されている個容器の一方とこれに隣接する他方に渡った一体の表示部が設けられている、[2]~[8]のいずれかのペットフード包装体。
[10] 複数の収容部を備えた包装容器の前記収容部に、複数種のペットフードをそれぞれ単独で同時に充填し、各収容部内を脱気し、一括的に封止する、ペットフード包装体の製造方法。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、ペットフードの食べ飽きの防止または解消に好適なペットフード包装体が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本発明のペットフード包装体の一実施形態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本明細書において、「ペット」とは人に飼育されている動物をいう。より狭義の意味では、ペットは飼い主に愛玩される動物である。また、「ペットフード」とは、ペット用の飼料をいう。本発明にかかるペットフードを「動物用飼料」又は「動物の餌」として販売することが可能である。
【0009】
<水分含有量の測定方法>
ペットフードの水分含有量(単位:質量%)は常圧加熱乾燥法で求められる。この方法で求められる水分含有量には具材(肉類のフレークおよび模造肉片を含む)中の水分も含まれる。
(常圧加熱乾燥法)
アルミ秤量缶の質量(W1グラム)を恒量値として予め測定する。このアルミ秤量缶に試料を入れて質量(W2グラム)を秤量する。つぎに強制循環式の温風乾燥器を使用して、135℃、2時間の条件で試料を乾燥させる。乾燥雰囲気中(シリカゲルデシケーター中)で放冷した後、質量(W3グラム)を秤量する。得られた各質量から下記式を用いて水分含有量を求める。
水分含有量(単位:質量%)=(W2-W3)÷(W2-W1)×100
【0010】
<ペットフード包装体>
本発明のペットフード包装体は、複数の収容部を備えた包装容器の各収容部に、互いに異なるペットフードがそれぞれ収容されている。
図1は本発明のペットフード包装体の一実施形態を示す斜視図である。符号1はペットフード包装体、2a、2bは収容部、3a、3bは個容器、4はミシン目を示す。
本実施形態のペットフード包装体1の包装容器5は、1個の収容部2a、2bをそれぞれ有する袋状の2個の個容器3a、3bが、ミシン目4により分離可能に連結されている。個容器3a、3bは収容部2a、2bの四方がシールされており、収容部2a、2bにはそれぞれペットフードが収容されている。一方の収容部2a内のペットフードと、他方の収容部2b内のペットフードとは互いに異なっている。それぞれの個容器3a、3bには、開口位置にノッチ(切り込み)6a、6bがそれぞれ形成されている。
本実施形態の包装容器5は、レトルト殺菌用包装材料からなっている。
【0011】
包装容器5の表面には、個容器3aと個容器3bとで同一の図柄が表示されている第1の表示部7a、7bと、個容器3aと個容器3bとで異なる図柄が表示されている第2の表示部8a、8bと、個容器3aと個容器3bとに渡った一体の図柄が表示されている第3の表示部9を有する。すなわち第3の表示部9は隣接する2個の個容器3a、3bにまたがって設けられている。
【0012】
[ペットフード]
ペットフード包装体1に収容されるペットフードの好ましい実施形態は、水分含有量が70質量%以上のウェットタイプのペットフードである。具体的には、固体の具材とスープ部分とからなるペットフードが好ましい。水分含有量の上限は98質量%以下が好ましく、90質量%以下がより好ましい。
【0013】
固体の具材は特に限定されない。例えば肉類(鶏肉、牛肉、羊肉、豚肉、肉類加工品等)、魚介類(マグロ、カツオ、イワシ、カマス、タイ、ヒラメ、サバ、アジ、魚肉加工品等)、乳類(蓄乳、乳タンパク濃縮物、チーズ等)、卵類(卵白、卵黄、卵類加工品等)、野菜類(キャベツ、ホウレンソウ、カボチャ、ブロッコリー、ピーマン、ニンジン、ゴボウ、ジャガイモ、アスパラガス、大豆、インゲン、グリーンピース、野菜類加工品等)、穀類(小麦、トウモロコシ、穀類加工品等)、きのこ類(シイタケ、マッシュルーム等)が挙げられる。
具材は2種以上を組み合わせることが好ましい。本明細書において、2種以上の具材を用いる場合、ペットフードに含まれる固体の具材のうち、最も含有量が多い具材を主具材、主具材以外の具材を副具材という。
主具材は鶏肉、牛肉、羊肉、豚肉、マグロ、カツオ、イワシ、カマス、タイ、ヒラメ、サバ及びアジからなる群(A)から選ばれる1種であることが好ましい。
固体の具材の合計に対して、主具材は50~99質量%が好ましく、60~95質量%がより好ましく、70~90質量%がさらに好ましい。
副具材は、上記に挙げた固体の具体の中から、主具材以外の1種以上を用いることが好ましい。
なお、ペットフードに含まれる固体の具材が2種類であり、それらの含有量が50質量%ずつである場合は、上記群(A)に含まれるものを主具材とし、群(A)に含まれないものを副具材とする。2種類とも群(A)に含まれる場合は、具材の最大長径が大きい方を主具材とし、他方を副具材とする。
【0014】
スープ部分は液状であってもよく、ゲル状であってもよい。一般的に、ゲル状のなかでも比較的流動性が低いものがゼリー状、比較的流動性が高いものがジュレ状と呼ばれるが、明確な境界はない。
スープ部分は水を含む。水以外の材料を含んでもよい。水以外の材料としては、調味料、増粘剤、糖類、油脂類、添加剤(例えば保存料、嗜好性向上剤等)が挙げられる。
スープ部分の水の含有量は、ペットフード全体の水分含有量が所望の値となるように調整する。
増粘剤は、公知のものを適宜使用できる。増粘剤が増粘多糖類を含むことが好ましい。増粘多糖類としては、アルギン酸、アルギン酸塩、アルギン酸エステル、アラビアガム、カードラン、カラギーナン、カルボキシメチルセルロース(CMC)、ローカストビーンガム、キサンタンガム、グァーガム、サイリウムシードガム、ジェランガム、タマリンドシードガム、タラガム、プルラン、ペクチン、メチルセルロース(MC)、グルコマンナン、およびマンナンからなる群から選ばれる1種以上が挙げられる。
【0015】
本実施形態のペットフードは、固体の具材とスープ部分を混合することにより得られる。
予めスープ部分の材料のみを混合しておいてもよく、具材とスープ部分の材料とを一括的に混合してもよい。
固体の具材とスープ部分の合計に対して、固体の具材が25~60質量%が好ましく、40~50質量%がより好ましい。固体の具材が上記範囲の下限値以上であると、良好な嗜好性が得られやすく、上限値以下であるとペットフードを収容部2a、2bに充填する際に良好な作業性が得られやすい。
【0016】
<ペットフード包装体の製造方法>
本実施形態のペットフード包装体1は、包装容器5の収容部2a、2bに、種類が異なるペットフードをそれぞれ単独で同時に充填し、収容部2a、2b内を脱気し、収容部2a、2bを一括的に封止する方法で製造できる。
この方法によれば、収容部を1個有する包装容器にペットフードを充填し、脱気して封止する方法で、2種類のペットフード包装体を別個に製造する場合に比べて、約2倍の製造効率が得られる。しかも、別体になっている2種類のペットフード包装体を組み合わせて大袋に収容する工程も不要である。
【0017】
また、ペットフード包装体1の長期保存を可能にする観点から、レトルト殺菌用包装材料からなる包装容器5の収容部2a、2bにペットフードを封入後、公知の加熱処理又は加圧処理によってレトルト殺菌処理を行うことが好ましい。レトルト殺菌処理はペットフードに対して十分な殺菌が行なえる条件であれば特に制限されないが、殺菌処理後にペットフードの風味が劣化しない条件であることが好ましい。レトルト殺菌処理は、例えば110~130℃の温度で、20分~50分程度の加熱処理を行う方法で実施できる。
【0018】
本実施形態のペットフード包装体1は、収容部2a、2bに、2種類のペットフードがそれぞれ単独で収容されている。
したがって、例えば1日の食事において、1回目の食事の際には一方の収容部2aに収容された一方のペットフードを与え、2回目の食事の際には他方の収容部2bに収容された他方のペットフードを与えることができる。これにより、連続して同種のペットフードを与えることを容易に防止することができ、ペットの食べ飽きを防止または解消できる。
【0019】
特に、本実施形態のペットフードはウェットタイプであり、粒状のペットフードに混合して給餌する方法に好適である。普段与えている粒状ペットフードに、ウェットタイプのペットフードを混合して風味に変化をつけることにより食べ飽きを防止または解消できる。
なお、普段与えている粒状ペットフードに対して食べ飽きが生じたときに、粒状のペットフード自体の種類を変えると、ペットが全く食べなくなる場合がある。
一方、ウェットタイプのペットフードは粒状のペットフードに比べて、ペットに好まれる(嗜好性が高い)傾向があり、ウェットタイプのペットフードの味を変えても安定した嗜好性が得られやすい。
本実施形態のペットフードを粒状のペットフードに混合して与えれば、粒状のペットフード自体の種類を変えずに食べ飽きを防止または解消できるため好ましい。
特にスープ部分がゼリー状またはジュレ状であるペットフードは、粒状のペットフードに絡まりやすいため、食べ飽きを防止または解消するのに好適である。
【0020】
本実施形態のペットフード包装体1において、収容部2a、2bにそれぞれ収容されている2種類のペットフードは、主具材、副具材、またはスープ部分の1つ以上が異なっている。
例えば、(i)主具材が互いに同じであり、副具材の1種以上が異なる態様、(ii)主具材が互いに異なり、副具材の1種以上も異なる態様、(iii)主具材が互いに異なり、副具材が互いに同じである態様のいずれであってもよい。
または(iv)主具材が互いに同じであり、副具材も互いに同じであり、スープ部分の組成が異なってもよい。スープ部分の組成が異なる場合、スープ部分の風味(フレーバー)およびスープ部分の流動性の一方または両方が異なることが好ましい。
【0021】
ペットは嗜好性が強く、ペットフードの味が変わると食べる量が減る、または全く食べない場合があるため、ペットの飼い主はペットフードの味を変えることに対して慎重になり、嗜好性が得られたペットフードを続けて購入する傾向がある。しかし本発明者等の知見によれば、毎回同じペットフードを与えると、食事に変化が無く、食べ飽きが生じるというペットの問題だけでなく、栄養のバランス面等の観点から多種の食材を与えたいという飼い主の要求が満たされない、という問題もある。
上記(i)の態様によれば、ペットフード包装体に収容されている複数種のペットフードの主具材が互いに同じであり副具材が異なるため、特に、ペットの嗜好性を安定して維持しつつ、手軽に食事に変化をつけるのに好ましい。したがって、食べ飽きを防止または解消できるとともに、飼い主にとっても、毎回同じペットフードを与えるのではなく、食材を変えた食事を与えることができるという満足感が得られやすい。
また、上記(ii)の態様によれば、ペットフード包装体に収容されている複数種のペットフードの主具材と副具材の両方が互いに異なるため、手軽に食事に変化をつけるのに好ましい。特に、多種の食材を与えたい飼い主の満足感が得られやすい。
また、上記(iii)の態様によれば、ペットフード包装体に収容されている複数種のペットフードの主具材が互いに異なり、副具材が同じであるため、手軽に食事に変化をつけるのに好ましい。特に、主具材にバリエーションを持たせたい飼い主の満足感が得られやすい。
また、上記(iv)の態様によれば、ペットフード包装体に収容されている複数種のペットフードの主具材と副具材の両方が同じであるため、特にペットの嗜好性を安定して維持しつつ、手軽に食事に変化をつけるのに好ましい。
【0022】
本実施形態において、収容部2a、2bには、それぞれ使い切り量のペットフードが収容されていることが好ましい。使い切り量であれば、開封後の使い残しを保存する必要がないため、容易に鮮度を保つことができる。
例えば、ウェットタイプのペットフードを、粒状のペットフードと混合して使用する場合の使い切り量としては20~40gが好ましく、25~35gがより好ましい。
【0023】
本実施形態のペットフード包装体1は、2個の個容器3a、3bをミシン目4で容易に分離可能であるため、それぞれの個容器3a、3bを使用直後に廃棄でき、衛生面で好ましい。2個の個容器3a、3bの連結部分は、これらを容易に分離できる構成であればよく、ミシン目以外の弱化線を設けてもよい。
また本実施形態のペットフード包装体1は、2個の個容器3a、3bが連結されていることにより、2個の個容器3a、3bに渡る一体の表示部(第3の表示部9)を設けることができる。したがって該表示部(第3の表示部9)の面積を大きくすることが可能であり、視認性を向上させることができる。
また、本実施形態のペットフード包装体1には、2個の個容器3a、3bで異なる図柄が表示されている第2の表示部8a、8bを設けることができるため、デザインの自由度が高い。
【0024】
なお、本実施形態のペットフード包装体1は2個の収容部2a、2bを有するものであるが、収容部の数は3個以上でもよい。収容部の数が3個以上である場合、収容部に充填するペットフードは3種以上であることが好ましい。収容部の数とペットフードの種類の数は同じであることが好ましい。
また本実施形態のペットフード包装体1の個容器3a、3bは袋状であるが、袋状でなくてもよい。例えば有底中空状であって開口部がフィルムで封止された個容器の複数個が、分離可能に連結された形状でもよい。
【実施例
【0025】
以下に実施例を用いて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
固体の具材は、以下のものを用いた。
鶏肉:フレーク状の鶏肉。
チーズ:ダイス状に成形されたプロセスチーズ。
牛肉:ダイス状に成形された牛肉。
鶏軟骨:ミンチ状に細かくされた鶏軟骨。
カボチャ:ダイス状にカットされたカボチャ。
ブロッコリー:ダイス状にカットされたブロッコリー。
他の野菜類:細断されたニンジンとインゲンとキャベツの混合物。
【0026】
(製造例1~8)
表1に示す配合で固体の具材およびスープ部分の材料を25℃で混合してウェットタイプのペットフードを調製した。ペットフードの水分含有量はいずれも約85質量%であった。
【0027】
(実施例1~4)
製造例1~8で製造したペットフードを2種類ずつ組み合せてペットフード包装体を製造した。包装容器は、図1に示す形状の、レトルト殺菌用包装材料からな包装容器5を用いた。
包装容器5の2つの収容部2a、2bに、表2に示すペットフードをそれぞれ30gずつ同時に充填し、収容部内を脱気してヒートシールした後、118℃で20~25分間加熱処理(レトルト処理)して、ペットフード包装体を得た。
【0028】
【表1】
【0029】
【表2】
【符号の説明】
【0030】
1 ペットフード包装体
2a、2b 収容部
3a、3b 個容器
4 ミシン目
5 包装容器
6a、6b ノッチ(切り込み)
7a、7b 第1の表示部
8a、8b 第2の表示部
9 第3の表示部
図1