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特許7128948材料を選択的にエッチングするための改善
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-23
(45)【発行日】2022-08-31
(54)【発明の名称】材料を選択的にエッチングするための改善
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/306 20060101AFI20220824BHJP
【FI】
H01L21/306 D
H01L21/306 E
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2021500192
(86)(22)【出願日】2019-06-14
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-10-21
(86)【国際出願番号】 US2019037299
(87)【国際公開番号】W WO2020009793
(87)【国際公開日】2020-01-09
【審査請求日】2021-03-12
(31)【優先権主張番号】62/694,578
(32)【優先日】2018-07-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】505307471
【氏名又は名称】インテグリス・インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】ワン, チェー チュイ
(72)【発明者】
【氏名】ウー, シン-チェン
(72)【発明者】
【氏名】スー,チア-ユン
【審査官】加藤 芳健
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2018/061582(WO,A1)
【文献】特表2016-527707(JP,A)
【文献】特開2014-093407(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/306
H01L 21/304
H01L 21/301
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
酸化アルミニウムまたは窒化アルミニウム材料を選択的に除去する方法であって、
フッ化物供給源を含むエッチング剤;および
金属腐食防止剤
を含む水性エッチング組成物に、材料を接触させることを含み、
組成物が3~8の範囲のpHを有する、方法。
【請求項2】
エッチング剤が、HF、フッ化アンモニウム、およびテトラアルキルアンモニウムフルオリドから選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
組成物中のエッチング剤の量が、組成物の総重量を基準として0.001~0.5重量/重量%の範囲である、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
組成物が、複素環式窒素化合物金属腐食防止剤を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
組成物が、式(I)
[式中、R、R、R、およびRは独立して、第四級化基から選択され、Rは、少なくとも8個の炭素原子を含む]
の第四級アンモニウムカチオンを含むquat金属腐食防止剤を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
組成物が、3~5の範囲のpHを有する、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
組成物が、有機溶媒、任意選択で、スルホキシド、グリコール、エーテル、および炭酸エステルのうちの1種または複数を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
フッ化物供給源を含むエッチング剤;および金属腐食防止剤を含む、酸化アルミニウムまたは窒化アルミニウム材料を選択的に除去するための水性エッチング組成物であって、3~8の範囲のpHを有する、水性エッチング組成物。
【請求項9】
フッ化物供給源、任意選択でHFを含むエッチング剤;
置換されていてもよいベンゾトリアゾール金属腐食防止剤;
式(I)
[式中、R、R、R、およびRは独立して、第四級化基から選択され、Rは、少なくとも8個の炭素原子を含む]
の第四級アンモニウムカチオンを含む第四級アンモニウム塩金属腐食防止剤;
pH緩衝剤;および

を含む、酸化アルミニウムまたは窒化アルミニウム材料を選択的に除去するための水性エッチング組成物。
【請求項10】
置換されていてもよいベンゾトリアゾール金属腐食防止剤が、5-メチル-ベンゾトリアゾールを含み、第四級アンモニウム塩金属腐食防止剤が、ベンジルジメチルドデシルアンモニウムクロライドを含む、請求項9に記載の組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、超小型電子基板から、材料を選択的に除去するための方法および組成物に関する。特に、排他的ではないが、本発明は、超小型電子基板から、酸化アルミニウムを選択的に除去するための方法および組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体業界において、ウェットエッチングプロセスを用いて異なる時間に、ある特定の材料を選択的にエッチングまたは除去するには種々の要件がある。
【0003】
例えば、超小型電子装置のサイズが減少するにつれて、ビアおよびトレンチについての限界寸法を達成することは、より困難となる。したがって、ビアおよびトレンチのより良好なプロファイル制御を提供するために、ハードマスクおよびエッチング停止層が用いられる。チタンまたは窒化チタンのハードマスクおよびエッチング停止層を作製すること、ならびにビアおよび/またはトレンチを形成した後、ウェットエッチングプロセスによってハードマスクおよびエッチング停止層を除去することは、公知である。
【0004】
ウェットエッチングプロセスが、下にある金属導体層および/または低k誘電材料に悪影響を与えることなく、適切な材料を効果的に除去する除去化学を用いることは、必須である。言い換えれば、除去化学は、選択的であることが要求される。
【0005】
最近の製作手法は、後にウェットエッチングによる除去を要する、酸化アルミニウムドライエッチング停止層を利用している。いくつかの適用では、このような除去は、タングステンおよび/またはコバルトに悪影響を与えることなく起こらなければならない。
【0006】
この文脈において、例えば、タングステンおよび/またはコバルトの存在下、超小型電子基板から酸化アルミニウムを選択的に除去するための、新たな組成物の必要性が存在する。
【0007】
超小型電子基板から材料を除去するための組成物および方法を提供することが、目的である。
【発明の概要】
【0008】
本発明の態様は、水性エッチング組成物に接触させることによって、超小型電子基板から材料を選択的に除去する方法に関する。
【0009】
本発明の第1の態様は、超小型電子基板から、酸化または窒化アルミニウム材料を選択的に除去する方法であって、フッ化物供給源を含むエッチング剤;および金属腐食防止剤を含む水性エッチング組成物に、材料を接触させることを含み、組成物が3~8の範囲内のpHを有する、方法を提供する。
【0010】
この方法は、酸化または窒化アルミニウム材料の除去について、有用に高いエッチング速度を達成できることが見出されている。超小型電子基板に存在しうるような、金属(例えば、タングステン、コバルト)および低k誘電材料について、有用に低いエッチング速度も達成されうる。
【0011】
本発明の態様は、水性エッチング組成物自体にも関する。
【0012】
本発明の第2の態様は、フッ化物供給源を含むエッチング剤;および金属腐食防止剤を含む水性エッチング組成物であって、3~8の範囲内のpHを有する、組成物を提供する。
【0013】
さらに、本発明の態様は、所望の結果を達成するための、水性エッチング組成物の使用に関する。
【0014】
本発明の第3の態様は、金属または低k誘電材料のエッチング速度と比較して高い、酸化または窒化アルミニウム材料のエッチング速度を達成する目的のための、フッ化物供給源を含むエッチング剤;および金属腐食防止剤を含む水性エッチング組成物の、エッチングプロセスにおける使用であって、組成物が3~8の範囲内のpHを有する、使用を提供する。
【0015】
本発明の特定の実施形態は、下の発明を実施するための形態に述べるように、性能または個別対応化における特定の便益を提供することができる。
【0016】
本発明の各態様の特徴は、他の態様のいずれかに関連して記載される通りであってもよい。この出願の範囲内において、本明細書に述べる種々の態様、実施形態、実施例、および代替形態、ならびに特にこれらの個々の特徴が、独立して、または任意の組合せにおいて取り入れられうることが、明白に意図される。すなわち、すべての実施形態および/または任意の実施形態の特徴は、このような特徴が相容れない場合を除き、任意の方法および/または組合せで組み合わせることができる。
【0017】
本開示は、添付図面に関連する、種々の説明のための実施形態の以下の記載を考慮すると、より完全に理解されうる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明についての例示として調製した、種々の組成物を含む表1を示す図である。
図2】本発明についての例示として調製した、種々の組成物を含む表2を示す図である。
図3】本発明についての例示として調製した、種々の組成物を含む表3を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明の種々の態様は、フッ化物供給源を含むエッチング剤;および金属腐食防止剤を含む水性エッチング組成物でであって、3~8の範囲内のpHを有する、組成物に関する。
【0020】
組成物は、有利には、超小型電子基板から、材料を選択的に除去またはエッチングするために用いられうる。有利な結果は、超小型電子基板から、酸化または窒化アルミニウム材料を除去する場合に達成されている。しかしながら、組成物は、他の材料を除去するためにも用いることができる。
【0021】
「超小型電子基板」という用語は、本明細書において、最終的に超小型電子装置または超小型電子アセンブリである、またはこれらになるであろう任意の基板または構造を含んで用いられる。非限定例としては、半導体基板、フラットパネルディスプレイ、相変化メモリ装置、ソーラーパネル、ならびに太陽電池装置、光起電力装置、および超小型電子、集積回路、エネルギー収集、またはコンピュータチップの用途に用いるために製造される微小電気機械システム(MEMS)を含む他の製品が挙げられる。
【0022】
超小型電子基板は多くの場合、金属、例えば、タングステン、コバルト、銅、またはルテニウムを含む。有利には、組成物を、このような金属を保持するために適応させてもよい。
【0023】
超小型電子基板は、低k誘電材料も含む。このような材料は、約3.5未満の誘電率を有することができる。好適には、低k誘電材料としては、ケイ素含有有機重合体、ケイ素含有ハイブリッド有機/無機材料、有機ケイ酸塩ガラス(OSG)、TEOS、フッ素化ケイ酸塩ガラス(FSG)、二酸化ケイ素、および炭素ドープ酸化物(CDO)ガラスなどの低極性材料が挙げられる。低k誘電材料は、様々な密度および様々な空隙率を有しうることを理解されたい。
【0024】
「酸化または窒化アルミニウム材料」という用語は、本明細書において、アルミニウムが、酸素および窒素の少なくとも一方と組み合わせられた化合物を指して用いられる。このような化合物は、任意の有効な化学量論を有しうる。したがって、材料は、任意の化学量論における酸化アルミニウム;任意の化学量論における窒化アルミニウム;任意の化学量論における酸窒化アルミニウム;またはこれらの組合せを含みうる、またはこれらからなりうる。種々の実施形態では、材料は、酸化アルミニウムまたは窒化アルミニウムを含む、またはこれらからなる。種々の実施形態では、材料は、酸化アルミニウムを含む、または酸化アルミニウムからなる。
【0025】
種々の実施形態では、組成物は、金属および/または低k誘電材料のエッチングを最小化しながら、材料(例えば、酸化または窒化アルミニウム材料)を選択的に除去するために用いられうる。エッチングが有利に最小化されうる金属の非限定例は、タングステン、コバルト、銅、およびルテニウムである。しかしながら、組成物を、他の材料のエッチングを最小化するために適応させてもよい。
【0026】
組成物は、フッ化物供給源を含むエッチング剤を含む。エッチング剤は、組成物によって材料を除去することができるエッチング速度を、強化するために含まれる。
【0027】
好適には、組成物は、複数のエッチング剤からなるエッチング剤成分を含みうる。好適には、エッチング剤成分は、フッ化物供給源を提供する複数のエッチング剤からなりうる。フッ化物供給源としては、イオン性フッ化物(F)および共有結合性フッ素が挙げられる。したがって、フッ化物は、種として含まれてもよく、in situで発生してもよい。
【0028】
いくつかの実施形態では、エッチング剤としては、限定するものではないが、HF、フッ化アンモニウム、テトラフルオロホウ酸、ヘキサフルオロケイ酸、B-FまたはSi-F結合を含有する他の化合物、テトラブチルアンモニウムテトラフルオロボレート、テトラアルキルアンモニウムフルオリド、およびこれらの組合せが挙げられる。好適には、エッチング剤は、フッ素放出酸でありうる。簡便には、エッチング剤は、HF、フッ化アンモニウム、およびテトラアルキルアンモニウムフルオリドから選択されうる。
【0029】
好適には、組成物は、テトラアルキルアンモニウムフルオリドを実質的に欠いていてもよい。
【0030】
種々の実施形態では、組成物は、組成物の総重量を基準として0.001~0.5重量/重量%の範囲内において、本明細書のいずれかの場所に記載するエッチング剤またはエッチング剤成分を含む。好適には、エッチング剤またはエッチング剤成分の量は、0.01~0.1重量/重量%の範囲内でありうる。
【0031】
エッチング剤またはエッチング剤成分は、組成物中で唯一のエッチング剤であってもよい。種々の実施形態では、エッチング剤は、組成物の総重量を基準として0.001~0.5重量/重量%の範囲内であってもよく、好適には、0.01~0.1重量/重量%の範囲内でありうる。
【0032】
組成物は、金属腐食防止剤を含む。金属腐食防止剤は、超小型電子基板に存在しうるような1種または複数の金属のエッチングまたは除去を、緩和するために含まれる。好適には、組成物は、複数の金属腐食防止剤からなる金属腐食防止剤成分を含みうる。
【0033】
組成物中に用いられる金属腐食防止剤としては、限定するものではないが、5-アミノ-1,3,4-チアジアゾール-2-チオール(ATDT)、2-アミノ-5-エチル-1,3,4-チアジアゾール、ベンゾトリアゾール(BTA)、1,2,4-トリアゾール(TAZ)、トリルトリアゾール、5-メチル-ベンゾトリアゾール(mBTA)、5-フェニル-ベンゾトリアゾール、5-ニトロ-ベンゾトリアゾール、ベンゾトリアゾールカルボン酸、3-アミノ-5-メルカプト-1,2,4-トリアゾール、1-アミノ-1,2,4-トリアゾール、ヒドロキシベンゾトリアゾール、2-(5-アミノ-ペンチル)-ベンゾトリアゾール、1-アミノ-1,2,3-トリアゾール、1-アミノ-5-メチル-1,2,3-トリアゾール、3-アミノ-1,2,4-トリアゾール(3-ATA)、3-メルカプト-1,2,4-トリアゾール、3-イソプロピル-1,2,4-トリアゾール、5-フェニルチオール-ベンゾトリアゾール、ハロ-ベンゾトリアゾール(ハロ=F、Cl、Br、またはI)、ナフトトリアゾール、2-メルカプトベンズイミダゾール(MBI)、2-メルカプトベンゾチアゾール、4-メチル-2-フェニルイミダゾール、2-メルカプトチアゾリン、5-アミノ-1,2,4-トリアゾール(5-ATA)、デデシル(dedecyl)硫酸ナトリウム(SDS)、ATA-SDS、3-アミノ-5-メルカプト-1,2,4-トリアゾール、3,5-ジアミノ-1,2,4-トリアゾール、ペンチレンテトラゾール、5-フェニル-1H-テトラゾール、5-ベンジル-1H-テトラゾール、5-メチルテトラゾール、5-メルカプト-1-メチル-テトラゾール、1-フェニル-1H-テトラゾール-5-チオール、Ablumine O(Taiwan Surfactant)、2-ベンジルピリジン、スクシンイミド、2,4-ジアミノ-6-メチル-1,3,5-トリアジン、チアゾール、トリアジン、メチルテトラゾール、1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノン、1,5-ペンタメチレンテトラゾール、1-フェニル-5-メルカプトテトラゾール、ジアミノメチルトリアジン、イミダゾリンチオン、4-メチル-4H-1,2,4-トリアゾール-3-チオール、4-アミノ-4H-1,2,4-トリアゾール、3-アミノ-5-メチルチオ-1H-1,2,4-トリアゾール、ベンゾチアゾール、イミダゾール、ベンズイミダゾール、2-アミノベンズイミダゾール、1-メチルイミダゾール、インジアゾール(indiazole)、アデニン、スクシンイミド、アデノシン、カルバゾール、サッカリン、尿酸、およびベンゾインオキシムが挙げられる。追加の腐食防止剤としては、ベンザルコニウムクロライド、ベンジルジメチルドデシルアンモニウムクロライド、ミリスチルトリメチルアンモニウムブロマイド、ドデシルトリメチルアンモニウムブロマイド、ヘキサデシルピリジニウムクロライド、Aliquat 336(Cognis)、ベンジルジメチルフェニルアンモニウムクロライド、Crodaquat TES(Croda Inc.)、Rewoquat CPEM(Witco)、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムp-トルエンスルホネート、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、1-メチル-1’-テトラデシル-4,4’-ビピリジウム(bipyridium)ジクロライド、アルキルトリメチルアンモニウムブロマイド、アンプロリウム塩酸塩、ベンゼトニウムヒドロキシド、ベンゼトニウムクロライド、ベンジルジメチルヘキサデシルアンモニウムクロライド、ベンジルジメチルテトラデシルアンモニウムクロライド、ベンジルドデシルジメチルアンモニウムブロマイド、ベンジルドデシルジメチルアンモニウムクロライド、セチルピリジニウムクロライド、コリンp-トルエンスルホネート塩、ジメチルジオクタデシルアンモニウムブロマイド、ドデシルエチルジメチルアンモニウムブロマイド、ドデシルトリメチルアンモニウムクロライド、デシルトリメチルアンモニウムクロライド(DTAC)、エチルヘキサデシルジメチルアンモニウムブロマイド、ジラール試薬、ヘキサデシル(2-ヒドロキシエチル)ジメチルアンモニウムジヒドロゲンホスフェート、デキサデシルピリジニウム(dexadecylpyridinium)ブロマイド、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムブロマイド、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムクロライド、メチルベンゼトニウムクロライド、Hyamine(登録商標)1622、Luviquat(商標)、N,N’,N’-ポリオキシエチレン(10)-N-獣脂-1,3-ジアミノプロパン液、オキシフェノニウムブロマイド、テトラヘプチルアンモニウムブロマイド、テトラキス(デシル)アンモニウムブロマイド、トンゾニウムブロマイド、トリドデシルアンモニウムクロライド、トリメチルオクタデシルアンモニウムブロマイド、1-メチル-3-n-オクチルイミダゾリウムテトラフルオロボレート、1-デシル-3-メチルイミダゾリウムテトラフルオロボレート、1-デシル-3-メチルイミダゾリウムクロライド、トリドデシルメチルアンモニウムブロマイド、ジメチルジステアリルアンモニウムクロライド、セチルトリメチルアンモニウムブロマイド、ミリスチルトリメチルアンモニウムブロマイド、およびヘキサメトニウムクロライドなどのカチオン性第四級塩、ならびにこれらの組合せが挙げられる。
【0034】
金属腐食防止剤の特定の性質を、所望の用途または金属に適応させることができる。種々の実施形態では、複素環式窒素化合物が、腐食防止剤として採用されうる。
【0035】
種々の実施形態では、置換されていてもよいベンゾトリアゾール腐食防止剤が用いられうる。ベンゾトリアゾールについての好適な置換基は、例えば上に列挙した化合物から推論されうる。種々の実施形態では、置換されていてもよいベンゾトリアゾール腐食防止剤は、5-メチル-ベンゾトリアゾールを含む。
【0036】
組成物中に用いられる他の金属腐食防止剤としては、PolyFox PF-159(OMNOVA Solutions)、ポリ(エチレングリコール)(「PEG」)、ポリ(プロピレングリコール)(「PPG」)などの非イオン性界面活性剤、Pluronic F-127(BASF)、ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノオレエート(Tween 80)、ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノパルミテート(Tween 40)、ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノラウレート(Tween 20)などのエチレンオキシド/プロピレンオキシドブロック共重合体、Pluronic L31、Pluronic 31R1、Pluronic 25R2およびPluronic 25R4などのポリオキシプロピレン/ポリオキシエチレンブロック共重合体、ドデシルベンゼンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ドデシルホスホン酸(DDPA)、ビス(2-エチルヘキシル)ホスフェート、ベンジルホスホン酸、ジフェニルホスフィン酸、1,2-エチレンジホスホン酸、フェニルホスホン酸、桂皮酸などのアニオン性界面活性剤、ならびにこれらの組合せが挙げられる。
【0037】
カチオン性界面活性剤も、金属腐食防止剤として有用でありうる。
【0038】
有利には、第四級アンモニウム塩またはカチオン(quat)が、金属腐食防止剤として採用されうる。第四級アンモニウム塩は、腐食防止剤(例えば、タングステン、銅、コバルト、およびルテニウムについて)と湿潤剤との両方として、機能することができる。
【0039】
好適には、金属腐食防止剤は、式(I)
[式中、R、R、R、およびRは独立して、第四級化基から選択され、Rは、少なくとも8個の炭素原子を含む]
の第四級アンモニウムカチオンを含みうる。
【0040】
第四級化基としては、置換されているまたは非置換のアルキル、アルコキシ、およびアリール基が挙げられる。置換基は、当技術分野において公知の、任意の好適なタイプのものであってよい。
【0041】
有利には、Rは、置換されているまたは非置換のアリール第四級化基、例えば、ベンジルまたはフェニルを含みうる。
【0042】
任意選択で、RおよびRは独立して、置換されているまたは非置換のアルキルまたはアルコキシ基、特に1~5個の範囲内で炭素原子を、より詳細には1~3個の範囲内で炭素原子を有する基から選択されうる。好適には、RおよびRの一方または両方は、メチルでありうる。
【0043】
は、好適には、アルキルまたはアルコキシ基であってもよく、任意選択で、少なくとも10個の炭素原子、少なくとも12個の炭素原子、またはさらには少なくとも14個の炭素原子を含んでもよい。
【0044】
例えば、第四級アンモニウムカチオンは、式(II)
のものでありうる。
【0045】
第四級アンモニウム塩のアニオンは、任意の好適なタイプのものであってよい。第四級塩は、最も多くの場合、塩化物または臭化物として市販されているが、ハロゲン化物アニオンを、硫酸イオン、メタンスルホン酸イオン、硝酸イオン、水酸化物イオン等のような非ハロゲン化物アニオンによってイオン交換することが容易であることは、当業者には明らかであろう。このような第四級塩も、本明細書において企図される。
【0046】
種々の実施形態では、金属腐食防止剤成分は、第四級アンモニウムカチオンの混合物、例えばベンザルコニウムクロライドを含みうる。
【0047】
種々の実施形態では、組成物は、組成物の総重量を基準として0.0001~2重量/重量%の範囲内において、本明細書のいずれかの場所に記載する金属腐食防止剤または金属腐食防止剤成分を含む。好適には、金属腐食防止剤または金属腐食防止剤成分の量は、0.001~1重量/重量%の範囲内でありうる。
【0048】
種々の実施形態では、組成物は、0.1重量/重量%~1重量/重量%の範囲内において、本明細書のいずれかの場所に記載する金属腐食防止剤、例えば、置換されていてもよいベンゾトリアゾールを含む。
【0049】
種々の実施形態では、組成物は、0.001重量/重量%~0.01重量/重量%の範囲内において、本明細書のいずれかの場所に記載する金属腐食防止剤、例えば、第四級アンモニウム塩金属腐食防止剤を含む。
【0050】
金属腐食防止剤または金属腐食防止剤成分は、組成物中で唯一の金属腐食防止剤であってもよい。種々の実施形態では、金属腐食防止剤の量は、組成物の総重量を基準として0.0001~2重量/重量%の範囲内であってもよく、好適には、0.001~1重量/重量%の範囲内でありうる。
【0051】
組成物は、3~8の範囲内のpHを有する。有利には、pHは、3~5の範囲内、または3.5~4.5の範囲内でありうる。
【0052】
組成物は、所望のpH範囲を確実に達成するために、pH調整剤を含んでもよい。組成物は、1種または複数のpH調整剤を含むpH調整剤成分を含んでもよい。
【0053】
pH調整剤は、任意の好適なタイプのものであってよい。好適には、pH調整剤は、アンモニウム塩を含みうる。pH調整剤の一例は、亜硫酸アンモニウムである。
【0054】
有利には、pH調整剤は、pH緩衝剤でありうる。当技術分野において公知であるように、pH緩衝剤は、弱酸もしくは弱塩基(またはこれらの塩)であってもよい。好適な緩衝剤の一例は、酢酸アンモニウムである。
【0055】
種々の実施形態では、組成物は、組成物の総重量を基準として0.01~2%の範囲内において、本明細書のいずれかの場所に記載するpH調整剤またはpH調整剤成分を含む。好適には、pH調整剤またはpH調整剤成分の量は、0.1~1重量/重量%の範囲内でありうる。
【0056】
組成物は水性であり、そのため、溶媒として働く水を含む。好適には、水は、組成物の残りの量を占めうる。
【0057】
水に加えて、組成物は、1種または複数の水混和性有機溶媒を含む、有機溶媒成分を含んでもよい。好適なタイプの有機溶媒としては、例えば、第一級または第二級アルコール、スルホキシド類、グリコール類、尿素類、およびエーテル類が挙げられる。
【0058】
好適な有機溶媒としては、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、2-エチル-1-ヘキサノール、ヘプタノール、オクタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキシレングリコール、ブチレンカーボネート、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、重炭酸コリン、ジプロピレングリコール、ジメチルスルホキシド、スルホラン、テトラヒドロフルフリルアルコール(THFA)、1,2-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、テトラメチル尿素、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールフェニルエーテル、プロピレングリコールメチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテル(DPGME)、トリプロピレングリコールメチルエーテル(TPGME)、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールエチルエーテル、プロピレングリコールn-プロピルエーテル、ジプロピレングリコールn-プロピルエーテル(DPGPE)、トリプロピレングリコールn-プロピルエーテル、プロピレングリコールn-ブチルエーテル、ジプロピレングリコールn-ブチルエーテル、トリプロピレングリコールn-ブチルエーテル、プロピレングリコールフェニルエーテル、2,3-ジヒドロデカフルオロペンタン、エチルペルフルオロブチルエーテル、メチルペルフルオロブチルエーテル、アルキルカーボネート、4-メチル-2-ペンタノール、ジメチルスルホキシド(DMSO)、およびこれらの組合せが挙げられる。
【0059】
有機溶媒の存在は、性能を強化することができる。種々の実施形態では、組成物は、組成物の総重量を基準として0.1~10重量/重量%の範囲内において、本明細書のいずれかの場所に記載する有機溶媒または有機溶媒成分を含む。好適には、有機溶媒または有機溶媒成分の量は、0.5~5重量/重量%の範囲内でありうる。
【0060】
有機溶媒または有機溶媒成分は、組成物中で唯一の有機溶媒であってもよい。種々の実施形態では、金属有機溶媒の量は、組成物の総重量を基準として0.1~10重量/重量%の範囲内であってもよく、好適には、0.5~5重量/重量%の範囲内でありうる。
【0061】
実施形態では、組成物は、有機溶媒を実質的に欠いている。
【0062】
組成物は、本明細書において定義される成分のいずれかを組み合わせることによって得られる、多種多様な具体的な配合物において具体化されうる。
【0063】
種々の実施形態では、組成物は、以下の構成要素の組合せ:
フッ化物供給源、任意選択でHFを含むエッチング剤;
置換されていてもよいベンゾトリアゾール金属腐食防止剤;
式(I)
[式中、R、R、R、およびRは独立して、第四級化基から選択され、Rは、少なくとも8個の炭素原子を含む]
の第四級アンモニウムカチオンを含む第四級アンモニウム塩金属腐食防止剤;
pH緩衝剤;および

を含む(それぞれ、本明細書の他の場所でさらに定義する通りであってよく、本明細書の他の場所で定義する量を占めうる)。
【0064】
組成物はまた、所望される場合、さらなる成分を含んでもよい。
【0065】
組成物は、任意選択で、低k誘電層の化学的侵食を低減するために、少なくとも1種の低k不活性化剤を含んでもよい。好適な低k不活性化剤としては、限定するものではないが、ホウ酸、アンモニウムペンタボレート、ナトリウムテトラボレートなどのホウ酸塩、3-ヒドロキシ-2-ナフトエ酸、マロン酸、およびイミノジ酢酸が挙げられる。
【0066】
存在する場合、組成物は、組成物の総重量を基準として約0.01重量%~約2重量%の低k不活性化剤を含んでもよい。
【0067】
組成物は、任意選択で、エッチング剤供給源の活性を低減するために、少なくとも1種のケイ素含有化合物を含んでもよい。一実施形態では、少なくとも1種のケイ素含有化合物は、アルコキシシランを含む。企図されるアルコキシシランは、一般式SiR[式中、R、R、R、およびRは、互いに同じであり、または異なり、直鎖C1~C6アルキル基(例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル)、分枝状C1~C6アルキル基、C1~C6アルコキシ基(例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、ペントキシ、ヘキソキシ)、フェニル基、およびこれらの組合せからなる群から選択される]を有する。アルコキシシランとして特徴付けられるためには、R、R、R、またはRのうちの少なくとも1つが、C1~C6アルコキシ基でなければならないことを、当業者は理解するべきである。企図されるアルコキシシランとしては、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、テトラエトキシシラン(TEOS)、N-プロピルトリメトキシシラン、N-プロピルトリエトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、ヘキシルトリエトキシシラン、およびこれらの組合せが挙げられる。アルコキシシランの代わりに、またはこれに加えて用いることができる他のケイ素含有化合物としては、ヘキサフルオロケイ酸アンモニウム、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム、ケイ酸テトラメチルアンモニウム(TMAS)、およびこれらの組合せが挙げられる。好ましくは、ケイ素含有化合物は、TEOS、TMAS、およびケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウムを含む。
【0068】
存在する場合、ケイ素含有化合物の量は、組成物の総重量を基準として約0.001重量%~約2重量%の範囲内である。
【0069】
湿潤化を確実にするため、界面活性剤、好ましくは耐酸化性フッ素化アニオン性界面活性剤を、水性組成物に加えることができる。本発明の組成物中に企図されるアニオン性界面活性剤としては、限定するものではないが、業界において公知のフルオロ界面活性剤、および同様に業界において公知のアンモニウムフルオロアルキルスルホネートが挙げられる。
【0070】
組成物は、当然のことであるが、本明細書に明示的に記載されるように、またはより一般的に、任意選択の、またはさらなる成分を実質的に欠いていてもよい。好適には、組成物は、本明細書のいずれかの場所に定義する構成要素からなってもよく、またはこれらから本質的になってもよい。
【0071】
有利には、組成物は、酸化剤を実質的に欠いていてもよい。例えば、組成物は、過酸化物を実質的に欠いていてもよい。
【0072】
「実質的に欠いている」とは、この明細書全体を通じて、組成物の総重量を基準として、1重量%未満、好ましくは0.5重量%未満、より好ましくは0.1重量%未満、さらにより好ましくは0.05重量%未満、または0.01重量%未満、最も好ましくは0重量%として定義する。
【0073】
本発明はまた、超小型電子基板から材料を選択的に除去する方法を受け入れ、方法は、本明細書のいずれかの場所に記載する水性エッチング組成物に、材料を接触させることを含む。
【0074】
本発明の種々の態様は、超小型電子基板から、酸化アルミニウムまたは窒化アルミニウム材料を選択的に除去する方法であって、フッ化物供給源を含むエッチング剤;および金属腐食防止剤を含む水性エッチング組成物に、材料を接触させることを含み、組成物は、3~8の範囲内のpHを有する、方法に関する。
【0075】
使用に先立って希釈される濃縮形態の組成物を作製することが通常の実施であることは、理解されるであろう。例えば、組成物が濃縮形態において製造され、その後、製造業者において使用の前に、および/または研究室における使用中に、少なくとも1種の溶媒によって希釈されてもよい。希釈比率は、約0.1部の希釈剤:1部の組成物濃縮物~約100部の希釈剤:1部の組成物濃縮物の範囲内でありうる。
【0076】
方法は、任意の好適な温度において実行されうる。任意選択で、温度は、30~80℃の範囲内、例えば45~65℃の範囲内であってもよい。
【0077】
組成物は、特定のエッチング速度または特定のエッチング比率を達成するために、本発明の方法において用いられうる。
【0078】
種々の実施形態では、任意選択で、下に定義する酸化アルミニウムエッチング試験において、少なくとも50オングストローム/分、またはさらには少なくとも100オングストローム/分の酸化アルミニウムのエッチング速度が達成される。
【0079】
種々の実施形態では、任意選択で、下に定義する窒化アルミニウムエッチング試験において、少なくとも50オングストローム/分、またはさらには少なくとも100オングストローム/分の窒化アルミニウムのエッチング速度が達成される。
【0080】
種々の実施形態では、任意選択で、下に定義するタングステンエッチング試験において、最大で4オングストローム/分、またはさらには最大で2オングストローム/分のタングステンのエッチング速度が達成される。
【0081】
種々の実施形態では、任意選択で、下に定義するコバルトエッチング試験において、最大で4オングストローム/分、またはさらには最大で2オングストローム/分のコバルトのエッチング速度が達成される。
【0082】
種々の実施形態では、任意選択で、下に定義する低k誘電体エッチング試験において、最大で4オングストローム/分、またはさらには最大で2オングストローム/分の低k誘電体のエッチング速度が達成される。
【0083】
種々の実施形態では、酸化アルミニウムとタングステンとの間のエッチング速度比率は、少なくとも50:1、または有利には少なくとも100:1である。
【0084】
種々の実施形態では、酸化アルミニウムとコバルトとの間のエッチング速度比率は、少なくとも50:1、または有利には少なくとも100:1である。
【0085】
本発明の種々の態様は、金属または低k誘電材料のエッチング速度と比較して高い、酸化アルミニウムおよび/または窒化アルミニウムのエッチング速度を達成する目的のために、本明細書のいずれかの場所に記載する水性エッチング組成物の、エッチングプロセスにおける使用に関する。
【0086】
酸化アルミニウムおよび/または窒化アルミニウムの高いエッチング速度は、特に、タングステンおよび/またはコバルトと比較されうる。
【0087】
この明細書全体を通じて、「含む(comprise)」および「含有する(contain)」という語、ならびにこれらの語の変形、例えば、「含む(comprising)」および「含む(comprises)」は、「限定するものではないが含むこと」を意味し、他の成分、整数、または工程を除外しない。しかしながら、「含む(comprising)」という語が用いられる場合は必ず、「含む(comprising)」が、「からなる(consisting of)」または「から本質的になる(consisting essentially of)」として読み取られる実施形態も、明示的に受け入れられる。
【0088】
この明細書全体を通じて、文脈がそうでないことを要求しない限り、特に、不定冠詞が用いられる場合、単数形は複数形を包含し、文脈がそうでないことを要求しない限り、明細書は、複数および単数を企図するものとして理解されたい。以下の非限定例は、例示として提供するにすぎない。
【実施例
【0089】
一般的方法論
図1図2、および図3に示すように、種々の組成物を調製し、それらのpHを測定した。次いで、5gの配合物を45gのDIWに加えることによって、各配合物を10倍に希釈した。10倍希釈配合物のpHを決定した(dil pH)。
【0090】
組成物のエッチング速度を研究した。エッチング速度試験のそれぞれでは、関連する材料のクーポンを、以下の時間:Co-15分;Al-0.5分;AlN-0.5分;W-2分の間、所定の温度における組成物に挿入した。
【0091】
起こったエッチングの程度は、XRF(株式会社リガクのZSX-400)によって測定した。
【0092】
研究1
図1に参照するように、表1に示す7種の組成物(1~7)を調製した。組成物はそれぞれ、フッ化物供給源(「フッ化物放出酸」)を含むエッチング剤、金属腐食防止剤(「複素環式窒素化合物1」、「カチオン性界面活性剤」)、pH緩衝剤(「pH調整剤2」)、および水を含んでいた。
【0093】
組成物2~7は加えて、残留物除去のための化学的湿潤化の増大を支援するために、溶媒(「スルホキシド」、「グリコール」、「有機エーテル1」、「有機エーテル2」、「有機炭酸エステル」)を含んでいた。組成物のそれぞれのpHは、3~5の範囲内であった。
【0094】
コバルトについてのエッチング速度は、組成物1、2、3、5、および6、および7のそれぞれについて、低かった。とりわけ、コバルトについてのエッチング速度は、高レベルのグリコールを含有する組成物4について高かった。酸化アルミニウムのエッチング速度は、組成物1、2、3、5、および6、および7のそれぞれについて、高かった。組成物4の酸化アルミニウムのエッチング速度は、試験しなかった。
【0095】
研究2
図2に参照するように、表2に示す4種の追加の組成物(8~11)を調製した。組成物はそれぞれ、フッ化物供給源(「フッ化物放出酸」)を含むエッチング剤、金属腐食防止剤(「複素環式窒素化合物1」または「複素環式窒素化合物2」、「カチオン性界面活性剤」)、pH緩衝剤(「pH調整剤2」)、有機溶媒(「グリコール」)、および水を含んでいた。
【0096】
組成物8と比較して、組成物9および11は、異なる/追加の金属腐食防止剤(「複素環式窒素化合物1」の代わりに、「複素環式窒素化合物2」)を含んでおり、組成物10は、上昇した濃度の「複素環式窒素化合物1」を含んでいた。組成物のそれぞれのpHは、3~5の範囲内であった。
【0097】
コバルトについてのエッチング速度は、組成物8~11のそれぞれについて、低かった。とりわけ、「複素環式窒素化合物1」の濃度を上昇させた場合、小さな改善が証拠付けられた。試験した場合、酸化アルミニウムのエッチング速度は高かった。
【0098】
研究3
図3に参照するように、表3に示す3種の追加の組成物(12~14)を調製した。組成物はそれぞれ、フッ化物供給源(「フッ化物放出酸」)を含むエッチング剤、金属腐食防止剤(「カチオン性界面活性剤」)、および水を含んでいた。
【0099】
さらなるタイプの金属腐食防止剤(「複素環式窒素化合物1」)、およびpH緩衝剤(「pH調整剤1」)を加えることの影響を試験した。pH緩衝剤とさらなる金属腐食防止剤との組合せは、コバルトのエッチング速度を著しく低下させることが見出された。
図1
図2
図3