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特許7129383画像処理装置,画像処理方法,画像処理プログラムおよびそのプログラムを格納した記録媒体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-24
(45)【発行日】2022-09-01
(54)【発明の名称】画像処理装置,画像処理方法,画像処理プログラムおよびそのプログラムを格納した記録媒体
(51)【国際特許分類】
   G06F 16/583 20190101AFI20220825BHJP
   G06Q 30/06 20120101ALI20220825BHJP
【FI】
G06F16/583
G06Q30/06 330
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2019124707
(22)【出願日】2019-07-03
(65)【公開番号】P2021012427
(43)【公開日】2021-02-04
【審査請求日】2021-08-30
(73)【特許権者】
【識別番号】306037311
【氏名又は名称】富士フイルム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001830
【氏名又は名称】東京UIT国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】松本 徹也
(72)【発明者】
【氏名】山路 啓
(72)【発明者】
【氏名】園田 慎一郎
(72)【発明者】
【氏名】田中 伸也
(72)【発明者】
【氏名】吉澤 宏俊
【審査官】原 秀人
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-097213(JP,A)
【文献】特開2018-045623(JP,A)
【文献】特開2014-182650(JP,A)
【文献】国際公開第2011/161889(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0124145(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 16/00-16/958
G06Q 30/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
同一のイベントに関して撮影された複数の画像を記憶している記憶装置から,上記複数の画像を読み取る読取手段,および
上記読取手段によって読み取られた上記複数の画像のうち,一のユーザが撮影した第1の画像群から得られる第1の属性であって,上記一のユーザの人数よりも多い人数の他のユーザが撮影した第2の画像群から得られる第2の属性と異なる上記第1の属性を検出する属性検出手段,
を備えた画像処理装置。
【請求項2】
上記複数の画像のそれぞれから被写体を検出する被写体検出手段をさらに備え,
上記属性検出手段は,
上記第1の画像群から検出された第1の被写体から得られる第1の属性であって,上記第2の画像群から検出された第2の被写体から得られる第2の属性と異なる第1の属性を検出する,
請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
上記第1の被写体の数よりも上記第2の被写体の数の方が多い,
請求項2に記載の画像処理装置。
【請求項4】
上記複数の画像のそれぞれから主要被写体を検出する主要被写体検出手段をさらに備え,
上記属性検出手段は,
上記第1の画像群から検出された第1の主要被写体から得られる第1の属性であって,上記第2の画像群から検出された第2の主要被写体から得られる第2の属性と異なる第1の属性を検出する,
請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項5】
上記第1の主要被写体の数よりも上記第2の主要被写体の数の方が多い,
請求項4に記載の画像処理装置。
【請求項6】
上記第1の属性は,
上記一のユーザが周期的に撮影した複数の画像から得られる,
請求項1から5のうち,いずれか一項に記載の画像処理装置。
【請求項7】
上記第1の属性は上記第1の画像群の撮影タイミングから得られ,
上記第2の属性は上記第2の画像群の撮影タイミングから得られる,
請求項1から6のうち,いずれか一項に記載の画像処理装置。
【請求項8】
上記属性検出手段によって検出された上記第1の属性にもとづいて,上記イベントについての商品またはサービスの少なくとも一方についてのイベント関連情報を報知する第1の報知手段,
をさらに備えた請求項1から7のうち,いずれか一項に記載の画像処理装置。
【請求項9】
上記属性検出手段によって検出された上記第1の属性にもとづいて決定される時期に上記イベントについての商品またはサービスの少なくとも一方についての上記イベント関連情報を報知する,
請求項8に記載の画像処理装置。
【請求項10】
上記第1の報知手段は,
上記イベント関連情報を上記一のユーザに報知する,
請求項8または9に記載の画像処理装置。
【請求項11】
読取手段が,同一のイベントに関して撮影された複数の画像を記憶している記憶装置から,上記複数の画像を読み取り,
属性検出手段が,上記読取手段によって読み取られた上記複数の画像のうち,一のユーザが撮影した第1の画像群から得られる第1の属性であって,上記一のユーザの人数よりも多い人数の他のユーザが撮影した第2の画像群から得られる第2の属性と異なる上記第1の属性を検出する,
画像処理方法。
【請求項12】
画像処理装置のコンピュータを制御するプログラムであり,かつコンピュータが読み取り可能なプログラムであって,
同一のイベントに関して撮影された複数の画像を記憶している記憶装置から,上記複数の画像を読み取らせ,
読み取られた上記複数の画像のうち,一のユーザが撮影した第1の画像群から得られる第1の属性であって,上記一のユーザの人数よりも多い人数の他のユーザが撮影した第2の画像群から得られる第2の属性と異なる上記第1の属性を検出させるように画像処理装置のコンピュータを制御するプログラム。
【請求項13】
請求項12に記載のプログラムを格納した記録媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は,画像処理装置,画像処理方法,画像処理プログラムおよびそのプログラムを格納した記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
インターネットの検索サイトを用いてユーザが商品,サービスなどを検索する場合に,特定の商品名,サービス名などがわからないと,目的とする商品,サービスなどを購入するサイトにアクセスするまでに時間がかかることがある。このために,ユーザが撮影した画像を使用して商品,サービスなどの情報を取得するものがある(特許文献1)。また,店舗で買い物を行う際に,顧客の趣味嗜好に関連する情報を提供するものもある(特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2016-9459号公報
【文献】特開2017-117362号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
クリスマスなどのイベントでは,クリスマス・ツリーを家に飾り,チキンやクリスマス・ケーキを食べたり,シャンパンなどを飲んだりする家庭が多い。しかしながら,一部の家庭では,大多数の家庭が行う過ごし方と異なる過ごし方をすることがある。そのような一部の家庭に大多数の家庭と同じように,クリスマスに,クリスマス・ツリーを飾る商品や,チキン,クリスマス・ケーキ,シャンパンなど商品などの購入を促す案内をするのみであると,そのような家庭には物足りない案内となる。先行文献1に記載のものでは,ユーザが撮影した画像を使って商品やサービスについての情報を取得するものにすぎず,ユーザの家庭が大多数の家庭と異なり固有の過ごし方をする一部の家庭の場合に,その家庭に必要な情報を得ることは考えられていない。また,先行文献2に記載のものにおいても,店舗で買い物を行う際に,顧客の趣味嗜好に関連する情報を提供するものにすぎず,ユーザの家庭が大多数の家庭と異なり固有の過ごし方をする家庭の場合に,その家庭に必要な情報を提供することは考えられていない。
【0005】
この発明は,イベントなどにおいて固有の過ごし方をするユーザに適した情報を見つけることができるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明による画像処理装置は,同一のイベントに関して撮影された複数の画像を記憶している記憶装置から,複数の画像を読み取る読取手段,および読取手段によって読み取られた複数の画像のうち,一のユーザが撮影した第1の画像群から得られる第1の属性であって,一のユーザの人数よりも多い人数の他のユーザが撮影した第2の画像群から得られる第2の属性と異なる第1の属性を検出する属性検出手段を備えている。
【0007】
この発明は,画像処理方法も提供している。すなわち,読取手段が,同一のイベントに関して撮影された複数の画像を記憶している記憶装置から,複数の画像を読み取り,属性検出手段が,読取手段によって読み取られた複数の画像のうち,一のユーザが撮影した第1の画像群から得られる第1の属性であって,一のユーザの人数よりも多い人数の他のユーザが撮影した第2の画像群から得られる第2の属性と異なる第1の属性を検出する。
【0008】
この発明は,画像処理装置のコンピュータを制御するプログラムおよびそのプログラムを格納した記録媒体も提供している。
【0009】
また,同一のイベントに関して撮影された複数の画像を記憶している記憶装置から,複数の画像を読み取る読取手段を備え,プロセッサが,読取手段によって読み取られた複数の画像のうち,一のユーザが撮影した第1の画像群から得られる第1の属性であって,一のユーザよりも多い他のユーザが撮影した第2の画像群から得られる第2の属性と異なる第1の属性を検出する画像処理装置を提供してもよい。
【0010】
複数の画像のそれぞれから被写体を検出する被写体検出手段をさらに備えてもよい。この場合,属性検出手段は,たとえば,第1の画像群から検出された第1の被写体から得られる第1の属性であって,第2の画像群から検出された第2の被写体から得られる第2の属性と異なる第1の属性を検出する。
【0011】
第1の被写体の数よりも第2の被写体の数の方が多いことが好ましい。
【0012】
複数の画像のそれぞれから主要被写体を検出する主要被写体検出手段をさらに備えてもよい。この場合,属性検出手段は,たとえば,第1の画像群から検出された第1の主要被写体から得られる第1の属性であって,第2の画像群から検出された第2の主要被写体から得られる第2の属性と異なる第1の属性を検出する。
【0013】
第1の主要被写体の数よりも第2の主要被写体の数の方が多いことが好ましい。
【0014】
第1の属性は,たとえば,一のユーザが周期的に撮影した複数の画像から得られる。
【0015】
たとえば,第1の属性は第1の画像群の撮影タイミングから得られ,第2の属性は第2の画像群の撮影タイミングから得られる。
【0016】
属性検出手段によって検出された第1の属性にもとづいて,イベントについての商品またはサービスの少なくとも一方についてのイベント関連情報を報知する第1の報知手段をさらに備えてもよい。
【0017】
属性検出手段によって検出された第1の属性にもとづいて決定される時期にイベントについての商品またはサービスの少なくとも一方についての情報を報知してもよい。
【0018】
報知手段は,たとえば,情報を一のユーザに報知する。
【発明の効果】
【0019】
第1の属性は,イベントにおいて多くのユーザと異なる一のユーザの固有の過ごし方についての情報である。第1の属性がわかるので,イベントにおける一のユーザの固有の過ごし方が分かる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】画像処理システムの概要である。
図2】ストレージ・サーバの電気的構成を示すブロック図である。
図3】ストレージ・サーバの処理手順を示すフローチャートである。
図4】ハード・ディスクに格納されている画像の一例である。
図5】クリスマス・イベントの画像の一例である。
図6】ユーザの画像の一例である。
図7】情報の送信処理手順を示すフローチャートである。
図8】1のユーザを決定する処理手順を示すフローチャートである。
図9】ストレージ・サーバの処理手順を示すフローチャートである。
図10】撮影タイミングとユーザが撮影した画像との関係を示している。
【発明を実施するための形態】
【0021】
[第1実施例]
図1は,この発明の実施例を示すもので,画像処理システムの概要を示している。
【0022】
画像処理システムには,n(nは複数)個のクライアント・コンピュータ1-nが含まれており,これらのn個のクライアント・コンピュータ1-nがインターネットに接続されている。また,画像処理システムには,ストレージ・サーバ10および情報提供サーバ20も含まれており,これらのストレージ・サーバ10および情報提供サーバ20のそれぞれは,n個のクライアント・コンピュータ1-nのそれぞれとインターネットを介して通信可能である。
【0023】
クライアント・コンピュータ1-nはユーザが撮影した画像を表す画像ファイルをストレージ・サーバ10に送信するもので,ストレージ・サーバ10はユーザから送信された画像ファイルを受信し記憶するものである。情報提供サーバ20はユーザに情報を送信するものであるが,ストレージ・サーバ10がユーザに情報を送信してもよい。
【0024】
図1においてはn個のクライアント・コンピュータ1-nが図示されているが,1個のクライアント・コンピュータのみが画像処理システムに含まれるようにしてもよい。クライアント・コンピュータの数に関係なく,複数のユーザがクライアント・コンピュータを用いて画像データをストレージ・サーバ10にアップロードできればよい。また,クライアント・コンピュータ1-nの代わりにスマートフォンなどの通信機器を利用してもよい。
【0025】
また,情報提供サーバ20を利用せずに画像処理システムを構成してもよい。
【0026】
図2は,ストレージ・サーバ10の電気的構成を示すブロック図である。
【0027】
ストレージ・サーバ10(画像処理装置の一例である)の全体の動作はCPU(central processing unit)11によって統括される。
【0028】
ストレージ・サーバ10には,インターネットと接続するための通信装置12,メモリ・カード14にアクセスするためのメモリ・カード・リーダ・ライタ13,コンパクト・ディスク16に記録されているデータなどを読み取るコンパクト・ディスク・ドライブ15,ユーザから送信された画像ファイル等を記録するハード・ディスク18,およびハード・ディスク18に画像ファイルを書き込み,かつハード・ディスク18から画像ファイルを読み取るハード・ディスク・ドライブ17が含まれている。さらに,ストレージ・サーバ10には,メモリ19および表示装置19Aも含まれている。
【0029】
コンパクト・ディスク16(可搬型記録媒体)には,ストレージ・サーバ10の動作を制御するプログラムが格納されており,コンパクト・ディスク16に記録されているプログラムがコンパクト・ディスク・ドライブ15によって読み取られて,ストレージ・サーバ10にインストールされる。プログラムはコンパクト・ディスク16から読み取られてストレージ・サーバ10にインストールされずに,インターネットなどのネットワークを介してストレージ・サーバ10において受信し,受信したプログラムがストレージ・サーバ10にインストールされるようにしてもよい。情報提供サーバ20もストレージ・サーバ10と同様に,CPU,メモリ,通信装置などを備えている。
【0030】
この実施例は,あるイベントにおいて通常の過ごし方と異なる固有の過ごし方をしていると考えられる一のユーザを見つけ,その一のユーザに,固有の過ごし方に合う商品,サービスなどの情報を提供するものである。
【0031】
図3は,ストレージ・サーバ10の処理手順を示すフローチャートである。図3に示す処理は,一のユーザが撮影した複数の画像(第1の画像群)から第1の属性を検出し,他のユーザが撮影した複数の画像(第2の画像群)から第2の属性を検出するものである。第2の属性は必ずしも検出されなくともよい。図3に示す処理は,いつ開始されてもよいし,特定のイベントについて行われる時期よりも少し前の時期に開始されてもよい。第1の属性は,イベントの特徴とは異なる特徴であり,後述する一のユーザの画像群に固有の特徴である。第2の属性は,イベントの特徴と同じ特徴でも異なる特徴でもよく,後述する他のユーザの画像群に共通する特徴である。第1の属性と第2の属性とは異なる。
【0032】
ストレージ・サーバ10のハード・ディスク18(記憶装置の一例である)には,複数のユーザのクライアント・コンピュータ1-nから送信された複数の画像ファイルが格納されている。ハード・ディスク18に格納されている複数の画像ファイルが,ハード・ディスク・ドライブ17(読取手段の一例である)によって読み取られる(ステップ31)。読み取られた画像ファイルが,CPU11によって同一イベントごとに分類される(ステップ32)。
【0033】
図4は,ハード・ディスク18に格納されている複数のユーザの画像が同一イベントごとに分類されている様子を示している。
【0034】
クリスマスのイベントの画像として画像C1からC120がまとめられ,ニュー・イヤー・イベントの画像として画像Y1からYmまでがまとめられ,山登りのイベントの画像として画像M1からMpがまとめられている。その他のイベントについても同一イベントごとにまとめられる。
【0035】
画像ファイルのヘッダにイベントの記載がある場合にはその記載を用いて同一イベントの画像に分類したり,イベントについての画像のコンテストなどに応じて画像をユーザが応募した場合には,その応募に応じて送信された画像がそのイベントの画像として分類したり,イベントが行われる時期が決まっている場合にはその時期に撮影された画像を,そのイベントの画像として分類したりして,同一イベントごとに画像が分類される。もちろん,分類された画像がハード・ディスク18の特定の領域ごとに,分けられて記憶されるわけではなく,テーブルを作成し,そのテーブルに同一イベントの画像が分かるように画像ファイル名などが格納されてもよいし,画像ヘッダに同一イベントについての情報が記録されてもよい。同一イベントごとに画像ファイルが分類されなくとも,同一イベントについての画像ファイルを読み取ることができれば,必ずしも同一イベントごとに画像ファイルを分類する処理は必要ない。
【0036】
画像が同一イベントごとに分類されると,特定のイベント(どのイベントでもよいが,イベントに応じた時期に図3に示す処理が行われる場合には,その時期に対応したイベントが特定のイベントとなる)についての画像が,CPU11によってユーザごとに分類される(ステップ33)。画像ファイルのヘッダにユーザ名,ユーザIDまたはそれらに対応するデータが記録されている場合には,ユーザ名,ユーザIDまたはそれらに対応するデータを利用してユーザごとに画像が分類される。画像のコンテストなどに応募した画像であれば応募者のユーザ名が分かり,そのユーザ名と画像とを関連づけるテーブルなどが作成されるので,そのようなテーブルを利用してユーザごとに画像が分類される。この場合も,もちろん,ユーザごとに分類された画像がハード・ディスク18の特定の領域ごとに,分けられて記憶されるわけではなく,テーブルを作成し,そのテーブルに同一イベントの画像がユーザごとに分かるように画像ファイル名などが格納されてもよいし,画像ヘッダに同一イベントについて同一ユーザの情報が記録されてもよい。同一イベントの同一ユーザごとに画像ファイルが分類されなくとも,同一イベントの同一ユーザについての画像ファイルを読み取ることができれば,必ずしも同一イベントの同一ユーザごとに画像ファイルを分類する処理は必要ない。
【0037】
図5は,クリスマスという同一イベントの画像がユーザごとに分けられている様子を示している。
【0038】
画像C1から画像C20,画像C21から画像C40,画像C41から画像C60,画像C61から画像C80,画像C81から画像C100および画像C101から画像C120が,それぞれユーザU1の画像,ユーザU2の画像,ユーザU3の画像,ユーザU4の画像,ユーザU5の画像およびユーザU6の画像として分類されている。クリスマス・イベントの画像はユーザU1からU6の画像のみとする。
【0039】
つづいて,同一のイベントについて,ユーザごとに分類された画像に含まれる被写体(主要被写体でもよい)がCPU11(被写体検出手段,主要被写体検出手段の一例である)によって検出される(ステップ34)。主要被写体ではなく被写体が検出される場合には,たまたま映り込んだ被写体が検出されないようにするために,画像全体の大きさに比べて一定の大きさがある被写体を検出したり,画像に含まれている人物の近くにあるような被写体,人物が触れている被写体のように人物と関連すると判断できる被写体を検出したり,そのユーザの画像に一定回数以上の頻度で写っている被写体を検出することが考えられる。一つの画像から一つの被写体のみを検出するのではなく,複数の被写体を検出することが好ましい。主要被写体を検出する場合において主要被写体かどうかは,画像のおける位置(画像の中央部分に近いほど主要被写体と捉える),被写体のピントが合っているかどうか(ピントが合っているほど主要被写体と捉える),そのユーザの画像に一定回数以上の頻度で写っているかどうか,などにより判断できる。
【0040】
図6は,クリスマスのイベントとして撮影された画像の一例である。
【0041】
図6には,ユーザU1の画像C1からC20のうちの画像C1,ユーザU2の画像C21からC40のうちの画像C21,およびユーザU3の画像C41から画像C60のうちの画像C41が示されている。
【0042】
ユーザU1の画像C1からはクリスマス・ツリーS1およびケーキS2が検出され,ユーザU2の画像C21からもクリスマス・ツリーS21およびケーキS22が検出されている。ユーザU3の画像C41からは自転車S41およびサイクル・キャップS42が検出されている。ユーザU1の画像C1からC20のうち,画像C1以外の画像C2からC20についても同様に被写体が検出され,ユーザU2の画像C21からC40のうち,画像C21以外の画像C22からC40についても同様に被写体が検出され,ユーザU3の画像C41からC60のうち,画像C41以外の画像C42からC60についても同様に被写体が検出される。また,ユーザU1,U2およびユーザU3以外のユーザU4からU6までの画像についても同様に被写体が検出される。
【0043】
同一イベントについての複数のユーザU1からU6のすべての画像C1からC120の中から被写体が検出されると,同一イベントについての複数のユーザU1からU6のうち,特定の被写体を撮影したユーザの割合がしきい値(第1のしきい値。例えば,50%)未満のユーザが一のユーザとされる(ステップ35)。そして,そのようにして決定された一のユーザが撮影していた特定の被写体が第1の被写体となる。たとえば,自転車またはサイクル・キャップがユーザU1,U2,U4,U5およびU6の画像からは検出されずに,ユーザU3の画像から検出された場合には,ユーザU3は一人であり同一イベントの複数のユーザU1からU6の6人であるから,自転車またはサイクル・キャップを撮影したユーザの割合(本実施例の場合,1/6=16.7%)はしきい値未満となる。ゆえに,自転車またはサイクル・キャップが第1の被写体となり,ユーザU3が一のユーザとなる。しきい値は他の値としてもよい。また,被写体の代わりに主要被写体を検出してもよい。主要被写体かどうかは,画像における配置位置,たとえば,中心に近ければ主要被写体と捉える,ピントが合っていれば主要被写体と捉える,画像全体に対する大きさが一定以上であれば主要被写体と捉えるなどによりCPU11によって判断される。
【0044】
このようにして検出された被写体(主要被写体)は,そのイベントでは撮影されることが珍しい被写体(主要被写体)である。そのような珍しい被写体(主要被写体)を撮影するユーザは,そのイベントにおいて一般的に行われる過ごし方と異なる過ごし方を行っていると考えられる。
【0045】
上記において1人のユーザの同一イベントにおける画像のうち,1枚でも特定の被写体が検出された場合には,その特定の被写体が「検出された」とした。しかし,そのユーザの画像の数に対して,検出された被写体が出現する割合が第2のしきい値(第2のしきい値は,たとえば,10パーセントである。第2のしきい値は第1のしきい値と別の値としてよい)以上の場合に限って,その特定の被写体が「検出された」として,上記のようにユーザの割合を算出することとしてもよい。たまたま,特定のユーザが珍しい過ごし方をして,珍しい被写体が画像に写ってしまった場合に,そのような珍しい被写体にもとづいて一のユーザを決定してしまうのを未然に防止できる。上述した例であれば,ユーザU3の画像C41からC60の20の画像のうち,「自転車」または「サイクル・キャップ」が検出された画像の数が2以上であれば,ユーザU3の画像において「自転車」または「サイクル・キャップ」が検出されたと判断するが,「自転車」または「サイクル・キャップ」が検出された画像の数がいずれも2未満であれば,「自転車」および「サイクル・キャップ」のいずれも検出されなかったと判断する。
【0046】
同様に,同一イベントについての複数のユーザU1からU6のうち,特定の被写体を撮影したユーザの割合がしきい値(例えば,50%)以上のユーザが他のユーザとされる(ステップ35)。そして,そのようにして決定された他のユーザが撮影していた特定の被写体が第2の被写体となる。たとえば,クリスマス・イベントにおいて「クリスマス・ツリー」,「ケーキ」など被写体が,しきい値以上の割合の数のユーザの画像から検出された場合には,それらの「クリスマス・ツリー」,「ケーキ」などが第2の被写体の一例となる。
【0047】
上述したように,自転車またはサイクル・キャップがユーザU1,U2,U4,U5およびU6の画像からは検出されずに,ユーザU3の画像から検出された場合には,ユーザU3は一人であり同一イベントの複数のユーザU1からU6の6人であるから,ユーザU3が一のユーザであり,ユーザU1,U2,U4,U5およびU6が他のユーザとなる。
【0048】
一のユーザと他のユーザとがCPU11によって決定されると,一のユーザの画像である第1の画像群から検出された「自転車」および「サイクル・キャップ」(上述のように第1の被写体の一例である)からCPU11(属性検出手段の一例である)によって第1の属性が検出され,かつ他のユーザの画像である第2の画像群から検出された「クリスマス・ツリー」および「ケーキ」(上述のように第2の被写体の一例である)からCPU11によって第2の属性が検出される(ステップ37)。第1の属性と第2の属性とは,上述のように,同一イベントにおいて撮影された画像から得られる特徴のうち,互いに異なる特徴を表すものである。第1の属性は第1の被写体そのものでもよいし,第2の属性も第2の被写体そのものでもよいし,第1の被写体または第2の被写体に関連するものでもよい。たとえば,第1の被写体が「自転車」および「サイクル・キャップ」であれば第1の属性を「サイクリング」とし,第2の被写体が「クリスマス・ツリー」および「ケーキ」であれば第2の属性を「クリスマス」としてもよい。
【0049】
図7は,検出された第1の属性にもとづく情報を一のユーザに送信する処理手順を示すフローチャートである。図7に示す処理は,図3に示す処理が終了したことに応じて開始してもよいし,特定のイベントの時期の少し前の時期に開始してもよい。
【0050】
検出された第1の属性からCPU11によって商品,サービスが決定される(ステップ41)。商品は,たとえば,第1の属性を検出するために用いられた第1の被写体そのものである。たとえば,第1の被写体として「自転車」,「サイクル・キャップ」が検出されたとすると,商品として「自転車」,「サイクル・キャップ」が決定される。サービスは,たとえば,第1の属性を検出するために用いられた第1の被写体に関するサービスである。たとえば,第1の被写体として「自転車」,「サイクル・キャップ」が検出されたとすると,それらの販売サービス,レンタル・サービス,買取サービス,メンテナンス・サービス,それらを用いたレジャーなどについてのサービス(自転車を利用した旅行,サイクリングのイベントへの招待の提案)のなどである。
【0051】
商品,サービスが決定すると,それらの商品,サービスについての情報を送信する時期がCPU11によって決定される(ステップ42)。商品,サービスが決定した時が送信時期としてもよいし,特定のイベントの時期から少し前の時期に決定してもよい。送信時期となると(ステップ43でYES),決定した商品,サービスについての情報が,通信装置12(報知手段の一例である)によって,ストレージ・サーバ10から一のユーザのクライアント・コンピュータに送信される(ステップ44)。
【0052】
一のユーザに適した特有の情報を,一のユーザが知るようになる。特定のイベント時に,一のユーザは,特定のイベントに対応する一般的な情報とは異なり,一のユーザに特有の情報を知ることができるので,情報に対する一のユーザの満足度が向上する。また,一のユーザが他のユーザとは異なる過ごし方をしているという情報を,通信装置12によって一のユーザに知らせるようにしてもよい。
【0053】
図7に示す処理では,ストレージ・サーバ10から一のユーザのクライアント・コンピュータに,商品,サービスについての情報を送信しているが,ストレージ・サーバ10から一のユーザのクライアント・コンピュータに情報を送信せずに,ストレージ・サーバ10から情報提供サーバ20に情報を送信し,情報提供サーバ20から一のユーザのクライアント・コンピュータに情報を送信するようにしてもよい。一のユーザの送信先は,一のユーザからストレージ・サーバ10に画像ファイルを送信したときにストレージ・サーバ10において送信元を記憶することにより分かる。
【0054】
図8は,一のユーザを決定する他の処理手順を示すフローチャートである。
【0055】
上述したように,同一イベントを撮影した全ユーザに対する,ある特定の被写体(第1の被写体)を撮影したユーザの割合が,しきい値未満であると(ステップ51でYES),その特定の被写体(主要被写体)が,そのイベントごとに周期的に撮影されているかどうかがCPU11によって判断される(ステップ52)。ある特定の被写体(主要被写体)を含む画像の撮影日を読み取り,イベントが行われるごとに撮影される画像に,その特定の被写体が一定の頻度以上の割合で含まれていれば周期的に撮影されているとCPU11によって判断される。
【0056】
ある特定の被写体(主要被写体)が,そのイベントごとに周期的に撮影されているとCPU11によって判断されると(ステップ52でYES),その特定の被写体(主要被写体)を含む画像群のユーザが一のユーザとCPU11によって決定される(ステップ53)。これにより,第1の属性は一のユーザが周期的に撮影した複数の画像から得られるようになる(図3ステップ37)。
【0057】
たとえば,クリスマス・イベントの画像において,ある年にたまたまサイクリングをしたので画像から「自転車」の被写体が検出されたが,通常はクリスマス・イベントにはサイクリングをしないでクリスマス・ツリーを飾ってケーキを食べるという過ごし方をしている場合に,たまたまサイクリングをした画像から「自転車」の被写体を検出し,その「自転車」の被写体から第1の属性を検出してしまうことが未然に防止できる。イベントが周期的に行われる場合に有効となる。
【0058】
第1実施例によると,イベント時における一般的に過ごし方と異なる固有の過ごし方をしている一のユーザを,一のユーザが撮影した画像に含まれる被写体から見つけ,その一のユーザに適した商品,サービスなどの情報を一のユーザに知らせることができる。
【0059】
[第2実施例]
図9は,他の実施例を示すもので,ストレージ・サーバ10の処理手順を示すフローチャートである。図9のフローチャートは図3のフローチャートに対応している。
【0060】
図3に示す処理と同様に,ストレージ・サーバ10のハード・ディスク18からハード・ディスク・ドライブ17によって画像ファイルが読み取られ(ステップ61)。CPU11によって同一イベントごとに画像ファイルが分類される(ステップ62)。また,図5に示したものと同様に,CPU11によってユーザごとに同一イベントについての画像ファイルが分類される(ステップ63)。
【0061】
つづいて,同一イベントについてユーザごとに分類された画像ファイルによって表される画像の撮影タイミングが,CPU11によってユーザごとに検出される(ステップ64)。第1実施例のクリスマスなどのようにイベントの時期が決まっている場合は,そのイベントにおいてユーザが撮影する画像のタイミングを検出する必要はない。一方,「山登り」などのようなイベントのように,必ずしもイベントの時期が決まっていないイベントにおいては多くのユーザがイベントを行うと思われる時期(たとえば,イベントが「山登り」であれば夏の時期)以外にも,特定のユーザは他の時期(たとえば,イベントが「山登り」であれば春の時期)にイベントを行うことがある。このために,画像の撮影タイミングがCPU11によってユーザごとに検出される。
【0062】
図10は,山登りのイベントについての画像をユーザごとに撮影タイミングに従って分布させたものである。
【0063】
横軸が撮影タイミング(画像の撮影月),縦軸がユーザを示している。山登りのイベントを撮影したユーザは,ユーザU11からユーザU15までの5人であったものとする。バツ印がユーザU11からユーザU15によって撮影された画像を示している。
【0064】
ユーザU11が撮影した画像は,画像グループg11として表されており,撮影タイミングはほぼ7月に集まっている。ユーザU12が撮影した画像は,画像グループg12として表されており,撮影タイミングは7月から8月にかけて集まっている。ユーザU13が撮影した画像,画像グループg13として表されており,撮影タイミングは7月および8月に集まっている。ユーザU14が撮影した画像は,画像グループg14として表されており,撮影タイミングは4月から5月に集まっている。ユーザU15が撮影した画像は,画像グループg15として表されており,撮影タイミングは8月に集まっている。
【0065】
撮影タイミングが検出された同一イベントを撮影したユーザU11からU15のうち,特定のタイミングで撮影したユーザの割合がしきい値(第1のしきい値。例えば,50%)未満のユーザがCPU11によって一のユーザとされる(ステップ65)。たとえば,しきい値は,たとえば,50パーセントであるが,他の値としてもよい。
【0066】
たとえば,同一のイベントが山登りであり,図10に示すように,ユーザU11からU15により撮影された画像のうち,画像グループg14(第1の画像群の一例である)を構成する画像が春の時期(たとえば,4月および5月)に撮影されたものであり,画像グループg11,g12,g13およびg15(第2の画像群の一例である)を構成する残りの画像が夏の時期(たとえば,7月および8月)に撮影されたものであったとする。春の時期のタイミングで撮影したユーザはユーザU14であり,夏の時期のタイミングで撮影したユーザはユーザU11,U12,U13およびU15である。春の時期のタイミングで撮影したユーザはユーザU14の1人であり,夏の時期のタイミングで撮影したユーザはユーザU11,U12,U13およびU15の4人であるから,同一イベントの画像を撮影した全ユーザU11からU15に対する春の時期のタイミングで撮影したユーザU14の割合(本実施例の場合,1/5=20%)はしきい値未満となる。ゆえに,春の時期のタイミングで撮影した画像のユーザU14が一のユーザとなる。
【0067】
このようにして検出された撮影タイミングは,そのイベントで撮影される時期としては珍しいとCPU11によって判断される。そのような時期にそのイベント(たとえば,山登り)を行うユーザは,そのイベントが一般的に行われる時期と異なる時期にイベントを行っていると考えられる。
【0068】
それぞれのユーザの画像の数に対して,第2のしきい値(例えば,50%であるが,第1のしきい値と異なる値でもよい)以上の画像が撮影されたタイミングを,そのユーザの撮影タイミングとしてもよい。たまたま,特定のユーザが珍しい時期にイベントを行っただけの場合に,そのような時期にたまたま撮影された少ない画像にもとづいて一のユーザが決定してしまうのを未然に防止できる。
【0069】
同様に,同一イベントについての複数のユーザU11からU15のうち,特定のタイミングで撮影したユーザの割合のしきい値(第1のしきい値。例えば50%)以上のユーザがCPU11によって他のユーザとされる(ステップ66)。たとえば,図10においてユーザU11,U12,U13およびU15は夏の時期のタイミングで山のイベントの画像を撮影しており,その割合は4/5=80%であるから,ユーザU11,U12,U13およびU15が他のユーザとされる。第2の画像群は,上述のように画像グループg11,g12,g13およびg15である。
【0070】
一のユーザ(たとえば,ユーザU14)と他のユーザ(たとえば,ユーザU11,U12,U13およびU15)とがCPU11によって決定されると,一のユーザの画像である第1の画像群(たとえば,画像グループg14)から検出された撮影タイミング(たとえば,4月および5月)からCPU11によって第1の属性が検出され,かつ他のユーザの画像である第2の画像群(たとえば,画像グループg11,g12,g13およびg15)から検出された撮影タイミング(たとえば,7月および8月)からCPU11によって第2の属性が検出される(ステップ67)。第1の属性と第2の属性とは,同一イベントにおいて撮影された画像から得られる特徴のうち,互いに異なる特徴を表すものである。第1の属性は第1の撮影タイミングそのものでもよいし,第2の属性も第2撮影タイミングそのものでもよい。
【0071】
このようにして,イベントを行う時期が他のユーザと異なる一のユーザが分かると,図7を参照して説明したように,そのイベントを行う時期に適した時期に,一のユーザにイベントについての情報を送信できる(ステップ44)。もちろん,そのような情報はストレージ・サーバ10から一のユーザに送信するのではなく,ストレージ・サーバ10と異なる情報提供サーバ20から一のユーザに送信してもよい。
【0072】
撮影タイミングは撮影月に限らず,撮影年,撮影日,撮影時刻,四季などの季節にしたがって決まる撮影シーズンなどでもよい。また,検出した第1の属性および第2の属性のうち,少なくとも第1の属性を表示装置19Aに表示してもよい。
【0073】
第2実施例によると,イベントの過ごし方が固有の一のユーザではなく,イベントを行う時期が固有の一のユーザを見つけることができ,そのような一のユーザに適した時期に情報を知らせることができる。
【0074】
上述の第1実施例および第2実施例のいずれにおいても,画像処理システムの管理者は,ユーザの画像を解析すること,解析結果にもとづいてユーザに商品,サービスなどについての情報を送信することを,ユーザから承諾を得る。また,上述のように,ストレージ・サーバ10,情報提供サーバ20から,ユーザに商品,サービスについての情報を送信してもよいが,これらの情報を画像処理システムの管理者と異なる管理者のシステムから送信する場合には,得られた情報を画像処理システムの管理者と異なる管理者に,得られた情報を引き渡すことについてユーザの承諾を得る。引き渡す情報はユーザの電子メール・アドレスなど必要最小限の情報とする。さらに,ユーザの画像を解析して得られた被写体についての情報などを画像処理システムについての提携企業に提供するような場合については,ユーザについての情報,ユーザを特定できるような情報は提供しないし,ユーザを特定できないように匿名化して行い,ユーザから承諾を得るものとする。
【0075】
上述の処理を実行する処理部には,ソフトウエアを実行して各種の処理部として機能するCPU11のほかに,FPGA(field-programmable gate array)などのように製造後に回路構成を変更可能なプログラマブル・ロジック・ディバイス,ASIC(application specific integrated circuit)などの特定の処理を実行させるために専用に設計された回路構成を有するプロセッサである専用電気回路などが含まれる。
【0076】
1つの処理部は,これらの各種のプロセッサのうちの1つで構成されてもよいし,同種または異種の2つ以上のプロセッサの組合せ(たとえば,複数のFPGA,CPUとFPGAの組合せ)で構成されてもよい。複数の処理部を1つのプロセッサで構成する例としては,第1に,クライアント・コンピュータやサーバなどのコンピュータに代表されるように,1つ以上のCPUとソフトウエアの組合せで1つのプロセッサを構成し,このプロセッサが複数の処理部として機能する形態がある。第2に,システム・オン・チップなどに代表されるように,複数の処理部を含むシステム全体の機能を1つのIC(integrated circuit)チップで実現するプロセッサを使用する形態がある。このように,各種の処理部は,ハードウエア的な構造として各種のプロセッサを1つ以上用いて構成される。
【0077】
さらに,これらの各種のプロセッサのハードウエア的な構造は,より具体的には,半導体素子などの回路素子を組合せた電気回路である。
【符号の説明】
【0078】
1-n:コンピュータ,10:ストレージ・サーバ,11:CPU,12:通信装置,13:メモリ・カード・リーダ・ライタ,14:メモリ・カード,15:コンパクト・ディスク・ドライブ,16:コンパクト・ディスク,17:ハード・ディスク・ドライブ,18:ハード・ディスク,19:メモリ,19A:表示装置,20:情報提供サーバ,C1-C120:クリスマス・イベントの画像,Y1-Ym:ニュー・イヤー・イベントの画像,M1-Mp:山登りの画像,S1:クリスマス・ツリー,S2:クリスマス・ケーキ,S21:クリスマス・ツリー,S22:クリスマス・ケーキ,S41:自転車,S42:サイクル・キャップ,U1-U6:ユーザ,U11-U15:ユーザ,g11-g15:画像グループ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10