(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-25
(45)【発行日】2022-09-02
(54)【発明の名称】冷凍機
(51)【国際特許分類】
F25D 23/00 20060101AFI20220826BHJP
F25D 11/00 20060101ALI20220826BHJP
A47F 3/04 20060101ALI20220826BHJP
F25D 21/04 20060101ALN20220826BHJP
【FI】
F25D23/00 302L
F25D11/00 101C
A47F3/04 H
F25D21/04 S
F25D21/04 D
(21)【出願番号】P 2019083672
(22)【出願日】2019-04-25
【審査請求日】2022-04-06
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000173809
【氏名又は名称】一般財団法人電力中央研究所
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】仲島 孔明
(72)【発明者】
【氏名】田代 雄亮
(72)【発明者】
【氏名】張 莉
(72)【発明者】
【氏名】長谷川 浩巳
(72)【発明者】
【氏名】斉川 路之
【審査官】笹木 俊男
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-205721(JP,A)
【文献】特開2015-226733(JP,A)
【文献】国際公開第2009/017039(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F25D 1/00 ~ 31/00
A47F 3/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体と、
前記筐体内に配置された、圧縮機と、凝縮器と、減圧装置と、デシカント材が塗布された第1塗布熱交換器および第2塗布熱交換器と、蒸発器と、凝縮器ファンと、蒸発器ファンと、風路切替装置とを備え、
前記筐体は、貯蔵室と、前記貯蔵室に連通しかつ前記蒸発器および前記蒸発器ファンが配置された庫内風路と、前記庫内風路から分離されかつ前記圧縮機、前記凝縮器、前記減圧装置および前記凝縮器ファンが配置された機械室風路とを含み、
前記第1塗布熱交換器および前記第2塗布熱交換器のいずれか一方は前記庫内風路に配置され、いずれか他方は前記機械室風路に配置されており、
前記風路切替装置は、前記庫内風路において前記蒸発器ファンから供給され前記第1塗布熱交換器を通過した空気が前記蒸発器に流れるとともに前記機械室風路において前記凝縮器ファンから供給され前記凝縮器を通過した空気が前記第2塗布熱交換器に流れる第1状態と、前記庫内風路において前記蒸発器ファンから供給され前記第2塗布熱交換器を通過した空気が前記蒸発器を流れるとともに前記機械室風路において前記凝縮器ファンから供給され前記凝縮器を通過した空気が前記第1塗布熱交換器に流れる第2状態とに、前記庫内風路および前記機械室風路を切替えるように構成されており、
前記筐体は、天井部と、前記天井部に向かい合う底部と、正面部と、前記正面部に向かい合う背面部とを含み、
前記天井部と前記底部とが向かい合う第1方向において、前記蒸発器は、前記凝縮器よりも前記天井部の近くに配置されており、
前記正面部と前記背面部とが向かい合う第2方向において、前記凝縮器は、前記蒸発器から間隔をあけて、前記蒸発器よりも前記正面部の近くに配置されており、
前記第1方向および前記第2方向の両方に交差する第3方向において、前記第1塗布熱交換器は、前記第2塗布熱交換器と並んで配置されている
、冷凍機。
【請求項2】
筐体と、
前記筐体内に配置された、圧縮機と、凝縮器と、減圧装置と、デシカント材が塗布された第1塗布熱交換器および第2塗布熱交換器と、蒸発器と、凝縮器ファンと、蒸発器ファンと、風路切替装置とを備え、
前記筐体は、貯蔵室と、前記貯蔵室に連通しかつ前記蒸発器および前記蒸発器ファンが配置された庫内風路と、前記庫内風路から分離されかつ前記圧縮機、前記凝縮器、前記減圧装置および前記凝縮器ファンが配置された機械室風路とを含み、
前記第1塗布熱交換器および前記第2塗布熱交換器のいずれか一方は前記庫内風路に配置され、いずれか他方は前記機械室風路に配置されており、
前記風路切替装置は、前記庫内風路において前記蒸発器ファンから供給され前記第1塗布熱交換器を通過した空気が前記蒸発器に流れるとともに前記機械室風路において前記凝縮器ファンから供給され前記凝縮器を通過した空気が前記第2塗布熱交換器に流れる第1状態と、前記庫内風路において前記蒸発器ファンから供給され前記第2塗布熱交換器を通過した空気が前記蒸発器を流れるとともに前記機械室風路において前記凝縮器ファンから供給され前記凝縮器を通過した空気が前記第1塗布熱交換器に流れる第2状態とに、前記庫内風路および前記機械室風路を切替えるように構成されており、
前記減圧装置は、前記第1塗布熱交換器に接続された第1膨張弁と、前記第2塗布熱交換器に接続された第2膨張弁とを含み、
前記第1状態において前記第1膨張弁が開かれるとともに前記第2膨張弁が閉じられ、 前記第2状態において前記第1膨張弁が閉じられるとともに前記第2膨張弁が開かれる
、冷凍機。
【請求項3】
筐体と、
前記筐体内に配置された、圧縮機と、凝縮器と、減圧装置と、デシカント材が塗布された第1塗布熱交換器および第2塗布熱交換器と、蒸発器と、凝縮器ファンと、蒸発器ファンと、風路切替装置とを備え、
前記筐体は、貯蔵室と、前記貯蔵室に連通しかつ前記蒸発器および前記蒸発器ファンが配置された庫内風路と、前記庫内風路から分離されかつ前記圧縮機、前記凝縮器、前記減圧装置および前記凝縮器ファンが配置された機械室風路とを含み、
前記第1塗布熱交換器および前記第2塗布熱交換器のいずれか一方は前記庫内風路に配置され、いずれか他方は前記機械室風路に配置されており、
前記風路切替装置は、前記庫内風路において前記蒸発器ファンから供給され前記第1塗布熱交換器を通過した空気が前記蒸発器に流れるとともに前記機械室風路において前記凝縮器ファンから供給され前記凝縮器を通過した空気が前記第2塗布熱交換器に流れる第1状態と、前記庫内風路において前記蒸発器ファンから供給され前記第2塗布熱交換器を通過した空気が前記蒸発器を流れるとともに前記機械室風路において前記凝縮器ファンから供給され前記凝縮器を通過した空気が前記第1塗布熱交換器に流れる第2状態とに、前記庫内風路および前記機械室風路を切替えるように構成されており、
前記筐体内に配置された三方弁をさらに備え、
前記三方弁は、前記蒸発器と、前記第1塗布熱交換器と、前記第2塗布熱交換器とに接続されており、前記第1状態において前記蒸発器と前記第1塗布熱交換器とをつなぎ、前記第2状態において前記蒸発器と前記第2塗布熱交換器とをつなぐように構成されている
、冷凍機。
【請求項4】
筐体と、
前記筐体内に配置された、圧縮機と、凝縮器と、減圧装置と、デシカント材が塗布された第1塗布熱交換器および第2塗布熱交換器と、蒸発器と、凝縮器ファンと、蒸発器ファンと、風路切替装置とを備え、
前記筐体は、貯蔵室と、前記貯蔵室に連通しかつ前記蒸発器および前記蒸発器ファンが配置された庫内風路と、前記庫内風路から分離されかつ前記圧縮機、前記凝縮器、前記減圧装置および前記凝縮器ファンが配置された機械室風路とを含み、
前記第1塗布熱交換器および前記第2塗布熱交換器のいずれか一方は前記庫内風路に配置され、いずれか他方は前記機械室風路に配置されており、
前記風路切替装置は、前記庫内風路において前記蒸発器ファンから供給され前記第1塗布熱交換器を通過した空気が前記蒸発器に流れるとともに前記機械室風路において前記凝縮器ファンから供給され前記凝縮器を通過した空気が前記第2塗布熱交換器に流れる第1状態と、前記庫内風路において前記蒸発器ファンから供給され前記第2塗布熱交換器を通過した空気が前記蒸発器を流れるとともに前記機械室風路において前記凝縮器ファンから供給され前記凝縮器を通過した空気が前記第1塗布熱交換器に流れる第2状態とに、前記庫内風路および前記機械室風路を切替えるように構成されており、
前記筐体内に配置された四方弁をさらに備え、
前記四方弁は、前記凝縮器と、前記蒸発器と、前記第1塗布熱交換器と、前記第2塗布熱交換器とに接続されており、前記第1状態において前記蒸発器と前記第1塗布熱交換器とをつなぎ、前記第2状態において前記蒸発器と前記第2塗布熱交換器とをつなぐように構成されている
、冷凍機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、冷凍機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ショーケースの様に食品および商品等を保存するための貯蔵室を有する冷凍機は、貯蔵室を低温に保つために、一般的に蒸発器の冷媒温度(蒸発温度)が0℃以下となるように運転される。貯蔵室の温度は、例えば、冷蔵用途では約0℃以上10℃以下であり、冷凍用途では-20℃以上-10℃以下である。蒸発温度が低いため、蒸発器を通過する空気の温度が露点以下となる。このため、蒸発器の表面に結露または着霜が発生する。結露が発生すると、結露水を冷凍機外へ排水する必要がある。着霜が発生すると、ヒータなどを使用して除霜してから融解水を冷凍機外へ排水する必要がある。
【0003】
従来、結露水の排水を不要とするとともに除霜および融解水の排水を不要とするために、吸着材(デシカント材)が塗布された塗布熱交換器を備えた冷凍機が提案されている。例えば、特開2016-205721号公報(特許文献1)には、デシカント材が塗布された第1塗布熱交換器および第2塗布熱交換器を備えた冷凍機が提案されている。
【0004】
この公報の
図9に記載された冷凍機では、吸着運転モードでは、第1塗布熱交換器に塗布されたデシカント材により除湿された空気が蒸発器に供給されるため、蒸発器での結露および着霜の発生が抑制される。また、第2塗布熱交換器に凝縮器の凝縮熱で加熱された空気が供給されるため、第2塗布熱交換器に付着している水分が除去される。他方、脱着モードでは、第2塗布熱交換器に塗布されたデシカント材により除湿された空気が蒸発器に供給されるため、蒸発器での着霜の発生が抑制される。また、第1塗布熱交換器に凝縮器の凝縮熱で加熱された空気が供給されるため、第1塗布熱交換器に付着している水分が除去される。したがって、蒸発器での結露および着霜の発生を抑制することが可能となるとともに第1塗布熱交換器および第2塗布熱交換機の脱着が可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記公報の
図9に記載された冷凍機では、冷凍機の筐体内に蒸発器および第1塗布熱交換器が配置されているが、冷凍機の筐体内に圧縮機、凝縮器および第2塗布熱交換器が配置されていない。このため、ショーケースとしての冷凍機を店舗内等で自由に配置することが困難である。
【0007】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、蒸発器での結露および着霜の発生を抑制することが可能となるとともに第1塗布熱交換器および第2塗布熱交換器の脱着が可能となり、かつ冷凍機の配置の自由度を向上させることができる冷凍機を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の冷凍機は、筐体と、筐体内に配置された、圧縮機と、凝縮器と、減圧装置と、デシカント材が塗布された第1塗布熱交換器および第2塗布熱交換器と、蒸発器と、凝縮器ファンと、蒸発器ファンと、風路切替装置とを備えている。筐体は、貯蔵室と、貯蔵室に連通しかつ蒸発器および蒸発器ファンが配置された庫内風路と、庫内風路から分離されかつ圧縮機、凝縮器、減圧装置および凝縮器ファンが配置された機械室風路とを含んでいる。第1塗布熱交換器および第2塗布熱交換器のいずれか一方は庫内風路に配置され、いずれか他方は機械室風路に配置されている。風路切替装置は、庫内風路において蒸発器ファンから供給され第1塗布熱交換器を通過した空気が蒸発器に流れるとともに機械室風路において凝縮器ファンから供給され凝縮器を通過した空気が第2塗布熱交換器に流れる第1状態と、庫内風路において蒸発器ファンから供給され第2塗布熱交換器を通過した空気が蒸発器を流れるとともに機械室風路において凝縮器ファンから供給され凝縮器を通過した空気が第1塗布熱交換器に流れる第2状態とに、庫内風路および機械室風路を切替えるように構成されている。筐体は、天井部と、天井部に向かい合う底部と、正面部と、正面部に向かい合う背面部とを含んでいる。天井部と底部とが向かい合う第1方向において、蒸発器は、凝縮器よりも天井部の近くに配置されている。正面部と背面部とが向かい合う第2方向において、凝縮器は、蒸発器から間隔をあけて、蒸発器よりも正面部の近くに配置されている。第1方向および第2方向の両方に交差する第3方向において、第1塗布熱交換器は、第2塗布熱交換器と並んで配置されている。
【発明の効果】
【0009】
本発明の冷凍機によれば、圧縮機と、凝縮器と、減圧装置と、デシカント材が塗布された第1塗布熱交換器および第2塗布熱交換器と、蒸発器と、凝縮器ファンと、蒸発器ファンと、風路切替装置とが筐体内に配置されている。このため、冷凍機の配置の自由度を向上させることができる。また、風路切替装置は、庫内風路において蒸発器ファンから供給され第1塗布熱交換器を通過した空気が蒸発器に流れるとともに機械室風路において凝縮器ファンから供給され凝縮器を通過した空気が第2塗布熱交換器に流れる第1状態と、庫内風路において蒸発器ファンから供給され第2塗布熱交換器を通過した空気が蒸発器を流れるとともに機械室風路において凝縮器ファンから供給され凝縮器を通過した空気が第1塗布熱交換器に流れる第2状態とに、庫内風路および機械室風路を切替えるように構成されている。このため、蒸発器での結露および着霜の発生を抑制することが可能となるとともに第1塗布熱交換器および第2塗布熱交換器の脱着が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の実施の形態1に係る冷凍機の冷凍サイクル図であって、第1塗布熱交換器が水分を吸着し、第2塗布熱交換器が水分を脱着する状態を示す図である。
【
図2】本発明の実施の形態1に係る冷凍機の冷凍サイクル図であって、第1塗布熱交換器が水分を脱着し、第2塗布熱交換器が水分を吸着する状態を示す図である。
【
図3】本発明の実施の形態1に係る冷凍機の構成を概略的に示す断面図であって、第1塗布熱交換器が水分を吸着する状態を示す図である。
【
図4】本発明の実施の形態1に係る冷凍機の構成を概略的に示す断面図であって、第2塗布熱交換器が水分を脱着する状態を示す図である。
【
図5】本発明の実施の形態1に係る冷凍機の構成を概略的に示す断面図であって、第1塗布熱交換器が水分を脱着する状態を示す図である。
【
図6】本発明の実施の形態1に係る冷凍機の構成を概略的に示す断面図であって、第2塗布熱交換器が水分を吸着する状態を示す図である。
【
図7】本発明の実施の形態1に係る冷凍機の庫内風路および機械室風路の構成を概略的に示す斜視図であって、第1塗布熱交換器が水分を吸着し、第2塗布熱交換器が水分を脱着する状態を示す図である。
【
図8】本発明の実施の形態1に係る冷凍機の庫内風路および機械室風路の構成を概略的に示す斜視図であって、第1塗布熱交換器が水分を脱着し、第2塗布熱交換器が水分を吸着する状態を示す図である。
【
図9】本発明の実施の形態2に係る冷凍機の冷凍サイクル図であって、第1塗布熱交換器が水分を吸着し、第2塗布熱交換器が水分を脱着する状態を示す図である。
【
図10】本発明の実施の形態2に係る冷凍機の冷凍サイクル図であって、第1塗布熱交換器が水分を脱着し、第2塗布熱交換器が水分を吸着する状態を示す図である。
【
図11】本発明の実施の形態2に係る冷凍機の変形例の冷凍サイクル図であって、第1塗布熱交換器が水分を吸着し、第2塗布熱交換器が水分を吸着する状態を示す図である。
【
図12】本発明の実施の形態2に係る冷凍機の変形例の冷凍サイクル図であって、第1塗布熱交換器が水分を脱着し、第2塗布熱交換器が水分を吸着する状態を示す図である。
【
図13】本発明の実施の形態3に係る冷凍機の冷凍サイクル図であって、第1塗布熱交換器が水分を吸着し、第2塗布熱交換器が水分を脱着する状態を示す図である。
【
図14】本発明の実施の形態3に係る冷凍機の冷凍サイクル図であって、第1塗布熱交換器が水分を脱着し、第2塗布熱交換器が水分を吸着する状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。なお、以下において、同一または相当部分には同一符号を付し、その説明は原則として繰り返さない。
【0012】
実施の形態1.
図1~
図8を参照して、本発明の実施の形態1に係る冷凍機1の構成について説明する。
図1および
図2に示されるように、本実施の形態に係る冷凍機1は、筐体2と、圧縮機3と、凝縮器4と、減圧装置5と、第1塗布熱交換器6aと、第2塗布熱交換器6bと、蒸発器7と、凝縮器ファン8と、蒸発器ファン9と、制御装置100とを主に備えている。
【0013】
圧縮機3と、凝縮器4と、減圧装置5と、第1塗布熱交換器6aと、第2塗布熱交換器6bと、蒸発器7と、凝縮器ファン8と、蒸発器ファン9と、制御装置100とは、筐体2内に配置されている。
【0014】
圧縮機3と、凝縮器4と、減圧装置5と、第1塗布熱交換器6aと、第2塗布熱交換器6bと、蒸発器7とが配管で接続されることにより、冷媒を循環可能な冷媒回路が構成されている。冷凍機1では、この冷媒回路中を冷媒が相変化しながら循環する冷凍サイクルが行われる。
図1および
図2では、冷媒回路中の冷媒の流れが破線矢印で示されている。また、以降の冷媒回路を示す図では冷媒回路中の冷媒の流れが破線矢印で示されている。
【0015】
圧縮機3は、吸入した冷媒を圧縮して吐出するように構成されている。圧縮機3は、容量可変に構成されている。圧縮機3は、制御装置100からの指示に基づいて周波数が変更されることで回転数が調整されることにより容量が変化するように構成されている。
【0016】
凝縮器4は、圧縮機3により圧縮された冷媒を凝縮するように構成されている。凝縮器4は、圧縮機3と、減圧装置5とに接続されている。凝縮器4は、例えば、複数のフィンと、複数のフィンを貫通する円管または扁平管の伝熱管とを有するフィンアンドチューブ型熱交換器である。
【0017】
減圧装置5は、凝縮器4により凝縮された冷媒を減圧するように構成されている。減圧装置5は、例えば、制御装置100からの指示に基づいて冷媒の流量を調整可能な電動膨張弁等である。本実施の形態では、減圧装置5は、第1膨張弁5aと、第2膨張弁5bとを含んでいる。第1膨張弁5aと、第2膨張弁5bとは、凝縮器4に並列に接続されている。第1膨張弁5aは、凝縮器4と、第1塗布熱交換器6aとに接続されている。第2膨張弁5bは、凝縮器4と、第2塗布熱交換器6bとに接続されている。第1膨張弁5aおよび第2膨張弁5bの各々は開閉可能に構成されている。
【0018】
第1塗布熱交換器6aおよび第2塗布熱交換器6bの各々は、減圧装置5により減圧された冷媒を蒸発させるように構成されている。第1塗布熱交換器6aおよび第2塗布熱交換器6bは、蒸発器7に並列に接続されている。第1塗布熱交換器6aは、第1膨張弁5aと、蒸発器7とに接続されている。
図1に示されるように、第1塗布熱交換器6aは、第1膨張弁5aが開かれた状態で、第1膨張弁5aにより減圧された冷媒を蒸発させるように構成されている。第2塗布熱交換器6bは、第2膨張弁5bと、蒸発器7とに接続されている。
図2に示されるように、第2塗布熱交換器6bは、第2膨張弁5bが開かれた状態で、第2膨張弁5bにより減圧された冷媒を蒸発させるように構成されている。なお、
図1および
図2では、第1膨張弁5aおよび第2膨張弁5bの各々の開かれた状態が白く示されており、閉じられた状態が黒く示されている。
【0019】
第1塗布熱交換器6aおよび第2塗布熱交換器6bの各々には、デシカント材(吸着材)が塗布されている。デシカント材は、無数の微細な穴を有している。デシカント材は、例えば、ゼオライトである。
【0020】
第1塗布熱交換器6aおよび第2塗布熱交換器6bの各々は、例えば、複数のフィンと、複数のフィンを貫通する円管または扁平管の伝熱管とを有するフィンアンドチューブ型熱交換器であり、複数のフィンおよび伝熱管の表面にデシカント材が塗布されたものである。
【0021】
第1塗布熱交換器6aおよび第2塗布熱交換器6bの各々は、冷却されることで周囲の空気中の水分を吸着し、加熱されることで周囲の空気中へ水分を脱着するように構成されている。
【0022】
蒸発器7は、減圧装置5により減圧された冷媒を蒸発させるように構成されている。蒸発器7は、第1塗布熱交換器6aおよび第2塗布熱交換器6bと、圧縮機3とに接続されている。蒸発器7は、例えば、複数のフィンと、複数のフィンを貫通する円管または扁平管の伝熱管とを有するフィンアンドチューブ型熱交換器である。
【0023】
凝縮器ファン8は、凝縮器4に付設されており、凝縮器4に対して熱交換流体としての空気を供給するように構成されている。凝縮器ファン8は、制御装置100からの指示に基づいて凝縮器ファン8の回転数が調整されることにより凝縮器4の周囲を流れる空気の量を調整することで空気と冷媒との間の熱交換量を調整するように構成されている。
【0024】
蒸発器ファン9は、蒸発器7に付設されており、蒸発器7に対して熱交換流体としての空気を供給するように構成されている。蒸発器ファン9は、制御装置100からの指示に基づいて蒸発器ファン9の回転数が調整されることにより蒸発器7の周囲を流れる空気の量を調整することで空気と冷媒との間の熱交換量を調整するように構成されている。
【0025】
制御装置100は、演算、指示等を行って冷凍機1の各手段、機器等を制御するように構成されている。制御装置100は、圧縮機3、減圧装置5、凝縮器ファン8、蒸発器ファン9などに電気的に接続されており、これらの動作を制御するように構成されている。
【0026】
図3および
図4に示されるように、本実施の形態に係る冷凍機1は、同一の筐体2内に圧縮機3と、凝縮器4と、減圧装置5と、第1塗布熱交換器6aと、第2塗布熱交換器6bと、蒸発器7と、凝縮器ファン8と、蒸発器ファン9と、制御装置100とが配置されるように構成されている。したがって、ショーケースとしての冷凍機1を店舗内等で自由に配置することが可能である。
【0027】
筐体2は、貯蔵室2aと、庫内風路2bと、機械室風路2cとを含んでいる。貯蔵室2aは、食品および商品等を保存するためのものである。庫内風路2bは、貯蔵室2aに連通している。庫内風路2bには、蒸発器7および蒸発器ファン9が配置されている。機械室風路2cは、庫内風路2bから分離されている。機械室風路2cには、圧縮機3、凝縮器4、減圧装置5および凝縮器ファン8が配置されている。
【0028】
筐体2は、天井部TPと、底部BPと、正面部FPと、背面部RPとを含んでいる。底部BPは、天井部TPに向かい合っている。背面部RPは、正面部FPに向かい合っている。天井部TPと底部BPとが向かい合う第1方向D1において、蒸発器7は、凝縮器4よりも天井部TPの近くに配置されている。第1方向D1において、蒸発器7は、庫内風路2bと機械室風路2cとを隔てる壁を挟んで、凝縮器4よりも天井部TP側に配置されている。
【0029】
正面部FPと背面部RPとが向かい合う第2方向D2において、凝縮器4は、蒸発器7から間隔をあけて、蒸発器7よりも正面部FPの近くに配置されている。第2方向D2において、凝縮器4は、第1塗布熱交換器6aおよび第2塗布熱交換器6bを挟んで、蒸発器7よりも正面部FP側に配置されている。つまり、第2方向D2において、凝縮器4は蒸発器7と離れて配置されている。
図3および
図4では、冷凍機1が店舗内等で設置された状態が示されているため、第1方向D1は上下方向であり、第2方向D2は前後方向である。
【0030】
図3~
図8に示されるように、第1塗布熱交換器6aおよび第2塗布熱交換器6bのいずれか一方は庫内風路2bに配置され、いずれか他方は機械室風路2cに配置されている。本実施の形態に係る冷凍機1は、風路切替装置10を備えている。風路切替装置10は、第1切替部材10aと、第2切替部材10bと、第3切替部材10cと、第4切替部材10dと、図示しないモータとを含んでいる。
【0031】
第1切替部材10a、第2切替部材10b、第3切替部材10cおよび第4切替部材10dの各々は、図示しないモータの軸に接続されている。制御装置100(
図1参照)からの指示に基づいて図示しないモータの軸が回転することにより、第1切替部材10a、第2切替部材10b、第3切替部材10cおよび第4切替部材10dの各々は回動するように構成されている。第1切替部材10a、第2切替部材10b、第3切替部材10cおよび第4切替部材10dの各々が回動することにより、庫内風路2bおよび機械室風路2cが切替えられる。風路切替装置10は、例えばダンパーである。
【0032】
風路切替装置10は、
図3、
図4および
図7に示される第1状態と、
図5、
図6および
図8に示される第2状態とに、庫内風路2bおよび機械室風路2cを切替えるように構成されている。
図1に示されるように、第1状態において第1膨張弁5aが開かれるとともに第2膨張弁5bが閉じられる。
図2に示されるように、第2状態において第1膨張弁5aが閉じられるとともに第2膨張弁5bが開かれる。
【0033】
図3および
図4に示されるように、第1状態は、第1塗布熱交換器6aが水分を吸着し、第2塗布熱交換器6bが水分を脱着する状態である。第1状態においては、第1塗布熱交換器6aが庫内風路2b内に配置され、第2塗布熱交換器6bが機械室風路2b内に配置されるように風路切替装置10により庫内風路2bおよび機械室風路2cが切り替えられる。具体的には、第1切替部材10aおよび第2切替部材10bの各々が庫内風路2bと機械室風路2cとを隔てる壁に設けられた開口を閉じ、第3切替部材10cおよび第4切替部材10dの各々が庫内風路2bを塞ぐことにより、第1塗布熱交換器6aが庫内風路2b内に配置され、第2塗布熱交換器6bが機械室風路2c内に配置される。
【0034】
図5および
図6に示されるように、第2状態は、第1塗布熱交換器6aが水分を脱着し、第2塗布熱交換器6bが水分を吸着する状態である。第2状態においては、第1塗布熱交換器6aが機械室風路2c内に配置され、第2塗布熱交換器6bが庫内風路2b内に配置されるように風路切替装置10により庫内風路2bおよび機械室風路2cが切り替えられる。具体的には、第1切替部材10aおよび第2切替部材10bの各々が庫内風路2bを塞ぎ、第3切替部材10cおよび第4切替部材10dの各々が庫内風路2bと機械室風路2cとを隔てる壁に設けられた開口を閉じることにより、第1塗布熱交換器6aが機械室風路2c内に配置され、第2塗布熱交換器6bが庫内風路2b内に配置される。
【0035】
図3、
図4および
図7に示されるように、第1状態においては、庫内風路2bにおいて蒸発器ファン9から供給され第1塗布熱交換器6aを通過した空気が蒸発器7に流れるとともに機械室風路2cにおいて凝縮器ファン8から供給され凝縮器4を通過した空気が第2塗布熱交換器6bに流れる。
【0036】
図5、
図6および
図8に示されるように、第2状態においては、庫内風路2bにおいて蒸発器ファン9から供給され第2塗布熱交換器6bを通過した空気が蒸発器7を流れるとともに機械室風路2cにおいて凝縮器ファン8から供給され凝縮器4を通過した空気が第1塗布熱交換器6aに流れる。
【0037】
図7および
図8に示されるように、第1方向D1および第2方向D2の両方に交差する第3方向D3において、第1塗布熱交換器6aは、第2塗布熱交換器6bと並んで配置されている。
図7および
図8では、冷凍機1が店舗内等で設置された状態が示されているため、第3方向D3は左右方向(横方向)である。
【0038】
次に、本実施の形態に係る冷凍機1の動作について説明する。
図1および
図2に示されるように、圧縮機3により圧縮された冷媒は、高温高圧のガス冷媒となり、凝縮器4へ流入する。凝縮器4では、高温高圧のガス冷媒と凝縮器ファン8によって送風されてきた空気との間で熱交換が行われることにより、高温高圧のガス冷媒は凝縮し低温高圧の液冷媒となる。低温高圧の液冷媒は、減圧装置5へ流入する。第1膨張弁5aは、冷媒回路において第1塗布熱交換器6aの上流に設置されている。第2膨張弁5bは、冷媒回路において第2塗布熱交換器6bの上流に設置されている。
【0039】
図1は、第1塗布熱交換器6aが水分を吸着し、第2塗布熱交換器6bが水分を脱着する際の運転を示している。
図1および
図3に示されるように、庫内風路2bに設置された蒸発器ファン9によって送風された庫内側空気A1は、第1塗布熱交換器6aへ流入し、その後、蒸発器7へ流入する。第1膨張弁5aが開けられることにより、凝縮器4によって凝縮された低温高圧の液冷媒は、減圧され、低温低圧の気液二相冷媒となる。
【0040】
低温低圧の気液二相冷媒が第1塗布熱交換器6aに流入することにより、第1塗布熱交換器6aは、冷却され、庫内側空気A1の水分を吸着する。第1塗布熱交換器6aによって除湿された庫内側空気A1は、蒸発器7でさらに冷却される。この際、第1塗布熱交換器6aによって除湿されているので、結露および着霜の発生が抑制される。低温低圧の気液二相冷媒は、第1塗布熱交換器6aおよび蒸発器7を通ることにより低温低圧のガス冷媒となり、圧縮機3に再度流入し、圧縮される。
【0041】
図1および
図4に示されるように、この運転中、第2塗布熱交換器6bに機械室側空気A2が当てられる。第2塗布熱交換器6bを乾燥させるため、第2膨張弁5bは閉じられる。このため、第2塗布熱交換器6bは冷媒によって冷却されない。この結果、第2塗布熱交換器6bは、凝縮器4を通過した機械室側空気A2によって加熱されることにより、水分を脱着する。
【0042】
図2は、第1塗布熱交換器6aが水分を脱着し、第2塗布熱交換器6bが水分を吸着する時の運転を示している。
図2に示される運転は、第1塗布熱交換器6aおよび第2塗布熱交換器6bに当てられる空気が切り替えられており、第1膨張弁5aおよび第2膨張弁5bの開閉が切り替えられている点で、
図1に示される運転と異なっている。
【0043】
図2および
図5に示されるように、
図1に示される運転で庫内側空気A1の水分を吸着した第1塗布熱交換器6aを脱着するために凝縮器4を通過した機械室側空気A2が第1塗布熱交換器6aに当てられる。これにより、十分に水分を吸着した第1塗布熱交換器6aを再度利用可能な状態とすることが可能となる。この際、第1膨張弁5aが閉じられる。このため、第1塗布熱交換器6aは冷媒によって冷却されない。
【0044】
図2および
図6に示されるように、
図1に示される運転で凝縮器4を通過した機械室側空気A2が当てられた第2塗布熱交換器6bは十分に乾燥されているため、庫内側空気A1を流すことで第2塗布熱交換器6bは十分に水分を吸着できる。
【0045】
図3~
図6を参照して、風路切替装置10の動作をさらに説明する。
図3に示されるように、第1塗布熱交換器6aが庫内風路2bに配置される際には、風路切替装置10の第1切替部材10aおよび第2切替部材10bが下げられることにより、機械室風路2cと第1塗布熱交換器6aとが隔てられる。この結果、蒸発器ファン9で送風された庫内側空気A1は、第1塗布熱交換器6aを通過し、蒸発器7を通り、貯蔵室2aへ吹出される。
【0046】
図4に示されるように、第2塗布熱交換器6bが機械室風路2cに配置される際には、風路切替装置10の第3切替部材10cおよび第4切替部材10dが上げられる。この結果、凝縮器ファン8で送風された機械室側空気A2は、第2塗布熱交換器6bを通過し、筐体2外に排気される。
【0047】
図5に示されるように、第1塗布熱交換器6aが機械室風路2cに配置される際には、風路切替装置10の第1切替部材10aおよび第2切替部材10bが上げられる。この結果、凝縮器ファン8で送風された機械室側空気A2は、第2塗布熱交換器6bを通過し、筐体2外に排気される。
【0048】
図6に示されるように、第2塗布熱交換器6bが庫内風路2bに配置される際には、風路切替装置10の第3切替部材10cおよび第4切替部材10dが下げられることにより、機械室風路2cと第2塗布熱交換器6bとが隔てられる。この結果、蒸発器ファン9で送風された庫内側空気A1は、第2塗布熱交換器6bを通過し、蒸発器7を通り、貯蔵室2aへ吹出される。
【0049】
図7および
図8を参照して、風路切替装置10の動作をさらに詳細に説明する。
図7および
図8は、凝縮器4と、第1塗布熱交換器6aと、第2塗布熱交換器6bと、蒸発器7の位置関係を示すとともに、風路切替装置10の動作の違いを示している。
【0050】
図7に示されるように、第1塗布熱交換器6aが庫内風路2bに配置されている際、第2塗布熱交換器6bが吸着した水分を脱着するように、冷凍機1は運転される。第1塗布熱交換器6aは庫内風路2bに配置され、第2塗布熱交換器6bは機械室風路2cに配置される。これにより、第1塗布熱交換器6aは庫内側空気A1の水分を吸着し、第2塗布熱交換器6bは機械室側空気A2で水分を脱着する。このため、第2塗布熱交換器6bは乾燥される。
【0051】
この運転が継続された後、
図8に示されるように、風路切替装置10が駆動する。
図8に示されるように、第2塗布熱交換器6bが庫内風路2bに配置されている際、第1塗布熱交換器6aが吸着した水分を脱着するように、冷凍機1は運転される。第2塗布熱交換器6bは庫内風路2bに配置され、第1塗布熱交換器6aは機械室風路2cに配置される。
【0052】
第1塗布熱交換器6aは、機械室側空気A2で水分を脱着する。このため、第1塗布熱交換器6aは乾燥される。他方、第2塗布熱交換器6bは、
図7で示されるように機械室側空気A2で乾燥されていたため、十分に庫内側空気A1の水分を吸着する。
図7に示される運転と
図8に示される運転とが交互に切り換えられることにより、蒸発器7に流入する空気は、水分が十分に取られた乾燥した空気となるため、蒸発器7での結露および着霜の発生を抑制することができる。
【0053】
次に、本実施の形態に係る冷凍機1の作用効果について説明する。
本実施の形態に係る冷凍機1によれば、圧縮機3と、凝縮器4と、減圧装置5と、第1塗布熱交換器6aおよび第2塗布熱交換器6bと、蒸発器7と、凝縮器ファン8と、蒸発器ファン9と、風路切替装置10とが筐体2内に配置されている。したがって、冷凍機1を店舗内等で自由に配置することが容易となる。このため、冷凍機1の配置の自由度を向上させることができる。また、風路切替装置10は、第1状態と、第2状態とに、庫内風路2bおよび機械室風路2cを切替えるように構成されている。第1状態では、庫内風路2bにおいて蒸発器ファン9から供給され第1塗布熱交換器6aを通過した空気が蒸発器7に流れるとともに機械室風路2cにおいて凝縮器ファン8から供給され凝縮器4を通過した空気が第2塗布熱交換器6bに流れる。したがって、第1塗布熱交換器6aは庫内風路2bを流れる空気の水分を吸着することで蒸発器7に結露および着霜が発生することを抑制することができ、第2塗布熱交換器6bは水分を脱着することができる。第2状態では、庫内風路2bにおいて蒸発器ファン9から供給され第2塗布熱交換器6bを通過した空気が蒸発器7を流れるとともに機械室風路2cにおいて凝縮器ファン8から供給され凝縮器4を通過した空気が第1塗布熱交換器6aに流れる。したがって、第2塗布熱交換器6bは庫内風路2bを流れる空気の水分を吸着することで蒸発器7に結露および着霜が発生することを抑制することができ、第1塗布熱交換器6aは水分を脱着することができる。このため、蒸発器7での結露および着霜の発生を抑制することが可能となるとともに第1塗布熱交換器6aおよび第2塗布熱交換器6bの脱着が可能となる。
【0054】
また、圧縮機3と、凝縮器4と、減圧装置5と、第1塗布熱交換器6aおよび第2塗布熱交換器6bと、蒸発器7と、凝縮器ファン8と、蒸発器ファン9と、風路切替装置10とが筐体2内に配置されているため、冷凍機をコンパクト化することが容易となる。
【0055】
また、凝縮器4および凝縮器ファン8が筐体2内に配置されているため、凝縮器ファン8の風量を抑えることが可能となるため、凝縮器ファン8の消費電力を低減させることが可能となる。
【0056】
また、風路切替装置10の第1切替部材10a、第2切替部材10b、第3切替部材10cおよび第4切替部材10dの各々が回動することにより、庫内風路2bおよび機械室風路2cが切替えられる。このため、風路切替装置10により庫内風路2bおよび機械室風路2cを確実に切替えることが可能となる。
【0057】
本実施の形態に係る冷凍機1によれば、第1方向D1において蒸発器7は凝縮器4よりも天井部TPの近くに配置されており、第2方向D2において凝縮器4は、蒸発器7から間隔をあけて、蒸発器7よりも正面部FPの近くに配置されている。したがって、蒸発器7は凝縮器4から離れて配置されているため、凝縮器4から蒸発器7に凝縮熱が伝達することを抑制することが容易となる。
【0058】
本実施の形態に係る冷凍機1によれば、第3方向D3において第1塗布熱交換器6aは、第2塗布熱交換器6bと並んで配置されている。このため、第2方向において第1塗布熱交換器6aが第2塗布熱交換器6bと並んで配置されている場合よりも風路切替装置10を簡略化することが容易となる。
【0059】
実施の形態2.
本発明の実施の形態2に係る冷凍機1は、特に説明しない限り、上記の本発明の実施の形態1に係る冷凍機1と同一の構成、動作および効果を有している。
【0060】
図9および
図10を参照して、本発明の実施の形態2に係る冷凍機1の構成について説明する。本実施の形態に係る冷凍機1では、減圧装置5は1つの膨張弁により構成されている。本実施の形態に係る冷凍機1は、三方弁20を備えている。三方弁20は、筐体2内に配置されている。三方弁20は、蒸発器7と、第1塗布熱交換器6aと、第2塗布熱交換器6bとに接続されている。三方弁20は、冷媒回路を切替可能に構成されている。
【0061】
三方弁20は、第1塗布熱交換器6aから蒸発器7に至る冷媒回路と、第2塗布熱交換器6bから蒸発器7に至る冷媒回路との合流位置に設置されている。三方弁20は、第1塗布熱交換器6aから蒸発器7に冷媒が流れるか、第2塗布熱交換器6bから蒸発器7に冷媒が流れるかに冷媒回路を切替えるように構成されている。
【0062】
図9に示されるように、三方弁20は、第1状態において蒸発器7と第1塗布熱交換器6aとをつなぐように構成されている。
図10に示されるように、三方弁20は、第2状態において蒸発器7と第2塗布熱交換器6bとをつなぐように構成されている。
【0063】
本実施の形態に係る冷凍機1によれば、三方弁20は、第1状態において蒸発器7と第1塗布熱交換器6aとをつなぎ、第2状態において蒸発器7と第2塗布熱交換器6bとをつなぐように構成されている。このため、減圧装置5を1つの膨張弁により構成することが可能となり、三方弁20を切替えることにより庫内風路2bおよび機械室風路2cを切替えることが可能となる。したがって、実施の形態1に係る冷凍機1のように複数の膨張弁の開度を制御する場合に比べて、冷凍機1の制御がシンプルとなるため、安定した運転を実現することが容易となる。
【0064】
続いて、
図11および
図12を参照して、本実施の形態に係る冷凍機1の変形例について説明する。本実施の形態に係る冷凍機1の変形例では、三方弁20は、四方弁に設けられた4つの接続口の内の1つの接続口が密封されていることにより構成されている。この三方弁20でも冷媒流れを切替えることが可能である。
【0065】
図11に示されるように、三方弁20は、第1状態において蒸発器7と第1塗布熱交換器6aとをつなぐように構成されている。
図12に示されるように、三方弁20は、第2状態において蒸発器7と第2塗布熱交換器6bとをつなぐように構成されている。
【0066】
本実施の形態に係る冷凍機1の変形例においても、実施の形態1に係る冷凍機1のように複数の膨張弁の開度を制御する場合に比べて、冷凍機1の制御がシンプルとなるため、安定した運転を実現することが容易となる。
【0067】
実施の形態3.
本発明の実施の形態3に係る冷凍機1は、特に説明しない限り、上記の本発明の実施の形態1に係る冷凍機1と同一の構成、動作および効果を有している。
【0068】
図13および
図14を参照して、本発明の実施の形態3に係る冷凍機1の構成について説明する。本実施の形態に係る冷凍機1では、減圧装置5は1つの膨張弁により構成されている。本実施の形態に係る冷凍機1は、四方弁30を備えている。四方弁30は、筐体2内に配置されている。四方弁30は、凝縮器4と、蒸発器7と、第1塗布熱交換器6aと、第2塗布熱交換器6bとに接続されている。四方弁30は、冷媒回路を切替可能に構成されている。
【0069】
四方弁30は、
図13に示されるように、凝縮器4から流入した冷媒が第2塗布熱交換器6bを経由して減圧装置5を通り、その後第1塗布熱交換器6aを経由して再び四方弁30を通って蒸発器7に流れるように構成されている。
【0070】
四方弁30は、
図13に示される冷媒回路を
図14に示される冷媒回路に切替えるように構成されている。
図14に示されるように、四方弁30は、凝縮器4から流入した冷媒が第1塗布熱交換器6aを経由して減圧装置5を通り、その後第2塗布熱交換器6bを経由して再び四方弁30を通って蒸発器7に流れるように構成されている。四方弁30は、
図13に示されるように冷媒が流れるか、
図14に示されるように冷媒が流れるかに冷媒回路を切替えるように構成されている。
【0071】
図13に示されるように、四方弁30は、第1状態において蒸発器7と第1塗布熱交換器6aとをつなぐように構成されている。
図14に示されるように、四方弁30は、第2状態において蒸発器7と第2塗布熱交換器6bとをつなぐように構成されている。
【0072】
図13に示されるように、機械室側空気A2が当てられる第2塗布熱交換器6bに高圧側の冷媒が流れる。この結果、第2塗布熱交換器6bは加熱され、水分を脱着しやすい状況となるため、第2塗布熱交換器6bが早く乾燥される。また、それに伴い、冷媒もさらに冷却されるため、過冷却度が増加し、冷房能力が増加する。したがって、省エネルギー運転が可能となる。
【0073】
図14に示されるように、第1塗布熱交換器6aを乾燥させる場合には、四方弁30を切替えることで、第1塗布熱交換器6aは高圧冷媒で加熱される。四方弁30を切替えることに合わせて、風路切替装置10(
図3および
図4参照)を切替えることで、機械室側空気A2が第1塗布熱交換器6aに流入するので、第1塗布熱交換器6aは水分を脱着する。
図13に示される運転と
図14に示される運転とを交互に行うことで、連続して第1塗布熱交換器6aおよび第2塗布熱交換器6bが吸脱着することを繰り返すことができる。
【0074】
本実施の形態に係る冷凍機1によれば、四方弁30は、第1状態において蒸発器7と第1塗布熱交換器6aとをつなぎ、第2状態において蒸発器7と第2塗布熱交換器6bとをつなぐように構成されている。このため、減圧装置5を1つの膨張弁により構成することが可能となり、四方弁30を切替えることにより庫内風路2bおよび機械室風路2cを切替えることが可能となる。したがって、実施の形態1に係る冷凍機1のように複数の膨張弁の開度を制御する場合に比べて、冷凍機1の制御がシンプルとなるため、安定した運転を実現することが容易となる。
【0075】
また、機械室側空気A2が当てられる第1塗布熱交換器6aまたは第2塗布熱交換器6bに高圧側の冷媒が流れるため、第1塗布熱交換器6aまたは第2塗布熱交換器6bが早く乾燥される。また、それに伴い、冷媒もさらに冷却されるため、過冷却度が増加し、冷房能力が増加する。したがって、省エネルギー運転が可能となる。
【0076】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0077】
1 冷凍機、2 筐体、2a 貯蔵室、2b 庫内風路、2c 機械室風路、3 圧縮機、4 凝縮器、5 減圧装置、5a 第1膨張弁、5b 第2膨張弁、6a 第1塗布熱交換器、6b 第2塗布熱交換器、7 蒸発器、8 凝縮器ファン、9 蒸発器ファン、10 風路切替装置、10a 第1切替部材、10b 第2切替部材、10c 第3切替部材、10d 第4切替部材、20 三方弁、30 四方弁、100 制御装置、A1 庫内側空気、A2 機械室側空気、BP 底部、D1 第1方向、D2 第2方向、D3 第3方向、FP 正面部、RP 背面部、TP 天井部。