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特許7130298粘着剤組成物およびそれを含む粘着フィルム
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  • 特許-粘着剤組成物およびそれを含む粘着フィルム 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-26
(45)【発行日】2022-09-05
(54)【発明の名称】粘着剤組成物およびそれを含む粘着フィルム
(51)【国際特許分類】
   C09J 133/08 20060101AFI20220829BHJP
   C09J 7/38 20180101ALI20220829BHJP
   C09J 11/06 20060101ALI20220829BHJP
【FI】
C09J133/08
C09J7/38
C09J11/06
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2020525924
(86)(22)【出願日】2019-02-12
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-01-28
(86)【国際出願番号】 KR2019001691
(87)【国際公開番号】W WO2019164166
(87)【国際公開日】2019-08-29
【審査請求日】2020-05-08
(31)【優先権主張番号】10-2018-0020040
(32)【優先日】2018-02-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】500239823
【氏名又は名称】エルジー・ケム・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100122161
【弁理士】
【氏名又は名称】渡部 崇
(72)【発明者】
【氏名】ソンウク・カン
(72)【発明者】
【氏名】ユンキョン・クォン
(72)【発明者】
【氏名】ビョンス・パク
(72)【発明者】
【氏名】フイ・ジェ・イ
(72)【発明者】
【氏名】サンフン・ハン
【審査官】井上 明子
(56)【参考文献】
【文献】特表2009-530444(JP,A)
【文献】特開2014-224227(JP,A)
【文献】特開2017-149890(JP,A)
【文献】特開2017-095654(JP,A)
【文献】特開2005-350513(JP,A)
【文献】特開2002-294159(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C09J 1/00 ー 201/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガラス転移温度値が0℃以下であるアクリル系第1重合体と、
下記化学式1で表される単量体に由来の単位を含み、下記化学式2または化学式3で表される単量体に由来の単位を含む第2重合体と、
架橋剤と、を含み、
前記アクリル系第1重合体は、前記第1重合体100重量部を基準として、アルキルアクリレート50~70重量部、アルキルメタクリレート5~40重量部、およびヒドロキシアルキルアクリレート1~30重量部を含み、
前記第2重合体の含量が、前記第1重合体100重量部を基準として0.1重量部~20重量部である、粘着剤組成物。
【化1】
(前記化学式1~3中、
は、水素またはメチル基であり、
は、水素;またはアルキル基であり、
は1官能アクリレートであり、
mは0~200の整数であり、
nは10~30の整数である。)
【請求項2】
前記第2重合体が、前記化学式1で表される単量体に由来の単位、および前記化学式2で表される単量体に由来の単位を含む、請求項1に記載の粘着剤組成物。
【請求項3】
前記化学式2または3で表される単量体に由来の単位の含量が、前記第2重合体100重量部を基準として1重量部~70重量部である、請求項1または2に記載の粘着剤組成物。
【請求項4】
前記化学式1で表される単量体に由来の単位の含量が、前記第2重合体100重量部を基準として30重量部~99重量部である、請求項1~のいずれか一項に記載の粘着剤
組成物。
【請求項5】
溶媒、分散剤、光開始剤、熱開始剤、および粘着付与剤からなる群から選択される1つ以上をさらに含む、請求項1~のいずれか一項に記載の粘着剤組成物。
【請求項6】
基材層と、
前記基材層上の一面に備えられ、請求項1からの何れか一項に記載の粘着剤組成物またはその硬化物を含む粘着シートと、を含む粘着フィルム。
【請求項7】
前記粘着シートの一面上に離型シートを含む、請求項に記載の粘着フィルム。
【請求項8】
前記粘着シートをステンレス(SUS304基板)に接合した後、23℃で2時間放置後の初期粘着力が39gf/cm以下であり、その後、70℃で20分熱処理した後の後期粘着力が118gf/cm以上である、請求項またはに記載の粘着フィルム。
【請求項9】
前記後期粘着力が、前記初期粘着力の3倍以上100倍以下である、請求項に記載の粘着フィルム。
【請求項10】
前記粘着シートの厚さが3μm以上500μm以下である、請求項のいずれか一項に記載の粘着フィルム。
【請求項11】
基材層を準備するステップと、
前記基材層上の一面に、請求項1からの何れか一項に記載の粘着剤組成物をコーティングして粘着シートを形成するステップと、を含む粘着フィルムの製造方法。
【請求項12】
前記基材層上の一面に粘着シートを形成するステップの後に、前記粘着シートを乾燥するステップをさらに含む、請求項1に記載の粘着フィルムの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2018年2月20日付で韓国特許庁に提出された韓国特許出願第10‐2018‐0020040号の出願日の利益を主張し、その内容のすべては本明細書に組み込まれる。
【0002】
本出願は、粘着剤組成物およびそれを含む粘着フィルムに関する。
【背景技術】
【0003】
従来、粘着初期から高い粘着力を有する粘着シートが知られている。また、かかる粘着シートを利用して基材を固定する場合、基材を固定するために、十分な粘着力を有する粘着シートが選択される。
【0004】
一方、粘着シートを基材に接合する過程で発生する気泡や不測の異物が流入される恐れがあり、これにより、美観や接着性の点で好適ではなく、粘着シートの再粘着が要求される場合もある。しかしながら、粘着力の高い粘着シートは、このような再粘着作業が困難である。
【0005】
そのため、このような気泡を低減する技術が考案されている。例えば、エンボス加工されたライナにより、減圧粘着剤の粘着面に凹凸の表面形態を形成する技術が考案されている。この場合、減圧粘着剤を基材に接合した時に、両者の間に気泡が混入されても、減圧粘着剤の表面の溝を介して空気が外部に流出されやすくなるため、再粘着せずに気泡を容易に除去できることになる。しかし、上述の減圧粘着剤は、溝を形成させるためにある程度の厚さが必要となる。また、この減圧粘着剤を基材に軽く粘着した場合は、溝の存在によって粘着面積が狭くなり、再作業(リワーク)や位置訂正などの作業は行いやすくなるものの、十分な接着力が得られない可能性もある。
【0006】
したがって、このような状況に鑑みて、基材の固定に必要な粘着力を発現するとともに、粘着シートと基材との間に異物や気泡が発生する場合、それを効率的に除去することができる粘着シートの開発が必要である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本出願は、粘着剤組成物およびそれを含む粘着フィルムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本出願の一実施態様は、ガラス転移温度値が0℃以下であるアクリル系第1重合体と、下記化学式1で表される単量体に由来の単位を含み、下記化学式2または化学式3で表される単量体に由来の単位を含む第2重合体と、架橋剤と、を含む粘着剤組成物を提供する。
【0009】
【化1】
【0010】
前記化学式1~3中、
は、水素またはメチル基であり、
は、水素;またはアルキル基であり、
は、1官能アクリレートであり、
mは、0~200の整数であり、
nは、10~30の整数である。
【0011】
また、他の一実施態様は、基材層と、前記基材層上の一面に備えられ、本出願の一実施態様に系る粘着剤組成物を含む粘着シートと、を含む粘着フィルムを提供する。
【0012】
最後に、本出願の一実施態様は、基材層を準備するステップと、前記基材層上の一面に、本出願の一実施態様に系る粘着剤組成物をコーティングして粘着シートを形成するステップと、を含む、粘着フィルムの製造方法を提供する。
【発明の効果】
【0013】
本出願の一実施態様に系る粘着剤組成物は、ガラス転移温度値が0℃以下であるアクリル系第1重合体と、前記化学式1で表される単量体に由来の単位および前記化学式2または3で表される単量体に由来の単位を含む第2重合体と、を含む粘着剤組成物で粘着シートを形成することで、前記粘着シートを初期に基材に粘着する際に、気泡および異物が発生するなどの誤付着の場合に、初期粘着力が低いため再作業(Rework)が可能な粘着シートを提供することができる。
【0014】
また、前記粘着シートは、特定工程の後に基材との粘着力が上昇する、優れた可変性能を有する粘着シートを提供することができる。
【0015】
特に、前記粘着剤組成物において、前記化学式1で表される単量体のn値が10以上の値を有する場合に、特に優れた可変性能を有する粘着シートを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本出願の一実施態様に系る粘着フィルムの積層構造を示した図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本明細書についてより詳細に説明する。
【0018】
本明細書において、ある部分がある構成要素を「含む」としたときに、これは、特に反対の記載がない限り、他の構成要素を除くのではなく、他の構成要素をさらに含み得ることを意味する。
【0019】
本発明が属する技術分野において通常の知識を有する者が容易に実施できるように、本発明の実施例について添付図面を参照して詳細に説明する。しかし、本発明は種々の異なる形態で実現可能であり、ここで説明する実施例に限定されない。
【0020】
本出願の一実施態様は、ガラス転移温度値が0℃以下であるアクリル系第1重合体と、下記化学式1で表される単量体に由来の単位を含み、下記化学式2または化学式3で表される単量体に由来の単位を含む第2重合体と、架橋剤と、を含む粘着剤組成物を提供する。
【0021】
【化2】
【0022】
前記化学式1~3中、
は、水素またはメチル基であり、
は、水素;またはアルキル基であり、
は、1官能アクリレートであり、
mは、0~200の整数であり、
nは、10~30の整数である。
【0023】
本出願の一実施態様において、前記Rは水素であってもよい。
【0024】
本出願の一実施態様において、前記Rはメチル基であってもよい。
【0025】
本出願の一実施態様において、前記Rは、水素;または炭素数1~30のアルキル基であってもよい。
【0026】
本出願の一実施態様において、前記Rは、(メタ)アクリル基を有する官能基であり、(メタ)アクリル基を有する官能基とは、(メタ)アクリル基自体を意味してもよく、また、官能基として(メタ)アクリル基を有し、且つ他の有機基をさらに含み得る意味である。
【0027】
本出願の一実施態様において、前記Rは、下記化学式4で表してもよい。
【0028】
【化3】
【0029】
前記化学式4中、
は、水素またはアルキル基であり、
xは、0以上の整数である。
【0030】
本出願の一実施態様において、前記Rは、水素;または炭素数1~30のアルキル基であってもよい。
【0031】
他の一実施態様において、前記Rは、水素;または炭素数1~10のアルキル基であってもよい。
【0032】
さらに他の一実施態様において、前記Rは、水素;またはメチル基であってもよい。
【0033】
本出願の一実施態様において、前記xは、0以上の整数であってもよく、好ましくは0以上100以下の整数、より好ましくは0以上50以下の整数であってもよい。
【0034】
本出願の一実施態様において、前記mは、0~200の整数であってもよい。
【0035】
他の一実施態様において、前記mは、0以上200以下の整数、好ましくは0以上190以下の整数、より好ましくは0以上150以下の整数であってもよい。
【0036】
本出願の一実施態様において、前記nは、10~30の整数であってもよい。
【0037】
他の一実施態様において、前記nは、10~30の整数、好ましくは10~28の整数、より好ましくは10~25の整数であってもよい。
【0038】
本出願の一実施態様において、前記Rが水素である場合、nは、13~30の整数、好ましくは13~28の整数、より好ましくは14~25の整数であってもよい。
【0039】
本出願の一実施態様において、前記Rがメチル基である場合、nは、16~30の整数、好ましくは16~28の整数、より好ましくは16~25の整数であってもよい。
【0040】
前記nが前記範囲である場合、前記化学式1で表される単量体に由来の単位のアルキル部は、長鎖(long chain)のアルキル基構造を有することになり、この場合、炭素数が少ない短鎖(short chain)のアルキル基を有する単量体に比べて、初期および後期粘着力の変化特性に特に優れるとともに、熱処理工程後に、単量体間の配列がさらに安定になり、粘着特性に特に優れた特性を有する。
【0041】
また、前記化学式1で表される単量体に由来の単位のアルキル部が環状を有する場合、鎖(Chain)状を有する本発明のような場合に比べて、単量体の配列が一定ではないため、後程の粘着特性が悪いことが分かる。
【0042】
特に、前記化学式1で表される単量体に由来の単位は、アルキル部の鎖が特定のn値以上の範囲を有することにより、粘着力の変化特性に優れるとともに、単量体間の配列が安定になるため、粘着特性に優れる。すなわち、前記第2重合体は、溶融温度(Tm)挙動を示すものであって、初期および後期粘着力の変化特性に特に優れるとともに、熱処理工程後に、単量体間の配列がさらに安定になるため、粘着特性に特に優れる特性を有する。
【0043】
本出願の一実施態様において、前記第2重合体に含まれるポリマーとして、前記化学式1で表される単量体に由来の単位は、1種以上であってもよい。
【0044】
本出願の一実施態様において、前記第2重合体に含まれるポリマーとして、前記化学式1で表される単量体に由来の単位は、1種以上であってもよい。
【0045】
本出願の一実施態様において、前記第2重合体に含まれるポリマーとして、前記化学式1で表される単量体に由来の単位は、1種以上3種以下であってもよい。
【0046】
本出願の一実施態様において、前記第2重合体に含まれるポリマーとして、前記化学式1で表される単量体に由来の単位は、2種以上であってもよい。
【0047】
すなわち、前記第2重合体に含まれるポリマーとして、前記化学式1で表される単量体に由来の単位が1種であるホモポリマー(homopolymer)であってもよく、また、前記化学式1で表される単量体に由来の単位が1種以上であるコポリマー(copolymer)であってもよい。
【0048】
本出願の一実施態様において、前記化学式1で表される単量体に由来の単位が1種以上であるコポリマー(copolymer)である場合、前記化学式1のnは、10以上30以下の整数の値を満たすことができる。すなわち、前記化学式1で表される単量体に由来の単位が1種であるホモポリマー(homopolymer)である場合に比べて、コポリマー(copolymer)形態を有する場合、前記化学式1のn値の範囲がより広く分布されても、後程の粘着フィルムの可変特性が発現される特徴を有することになる。
【0049】
本出願の一実施態様において、前記アクリル系第1重合体は、重量平均分子量が10万~500万である(メタ)アクリレート系樹脂を含んでもよい。
【0050】
前記重量平均分子量とは、分子量が均一ではないある高分子物質の分子量の基準として用いられる平均分子量の1つであって、分子量分布のある高分子化合物の成分分子種の分子量を重量分率で平均して得られる値である。
【0051】
前記重量平均分子量は、Gel Permeation Chromatography(GPC)分析により測定されることができる。
【0052】
本明細書において、(メタ)アクリレートは、アクリレートおよびメタクリレートを両方とも含む意味である。前記(メタ)アクリレート系樹脂は、例えば、(メタ)アクリル酸エステル系単量体および架橋性官能基含有単量体の共重合体であってもよい。
【0053】
前記(メタ)アクリル酸エステル系単量体としては、特に限定されないが、例えば、アルキル(メタ)アクリレートが挙げられ、より具体的には、炭素数1~12のアルキル基を有する単量体として、ペンチル(メタ)アクリレート、n-ブチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、メチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、n-オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、およびデシル(メタ)アクリレートの1種または2種以上を含んでもよい。
【0054】
前記架橋性官能基含有単量体は、特に限定されないが、例えば、ヒドロキシ基含有単量体、カルボキシル基含有単量体、および窒素含有単量体の1種または2種以上を含んでもよい。
【0055】
前記ヒドロキシル基含有化合物の例としては、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、6-ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート、8-ヒドロキシオクチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシエチレングリコール(メタ)アクリレート、または2-ヒドロキシプロピレングリコール(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
【0056】
前記カルボキシル基含有化合物の例としては、(メタ)アクリル酸、2-(メタ)アクリロイルオキシ酢酸、3-(メタ)アクリロイルオキシプロピル酸、4-(メタ)アクリロイルオキシブチル酸、アクリル酸二重体、イタコン酸、マレイン酸、またはマレイン酸無水物などが挙げられる。
【0057】
前記窒素含有単量体の例としては、(メタ)アクリロニトリル、N-ビニルピロリドン、またはN-ビニルカプロラクタムなどが挙げられる。
【0058】
前記(メタ)アクリレート系樹脂には、また、相溶性などのその他の機能性向上の点から、酢酸ビニル、スチレン、およびアクリロニトリルの少なくとも1つがさらに共重合されてもよい。
【0059】
本出願の一実施態様において、前記アクリル系第1重合体のガラス転移温度値は0℃以下であってもよい。
【0060】
他の一実施態様において、前記アクリル系第1重合体のガラス転移温度値は、-110℃以上0℃以下、好ましくは-90℃以上0℃以下、より好ましくは-70℃以上0℃以下であってもよい。
【0061】
前記アクリル系第1重合体のガラス転移温度値が前記範囲である場合、後の熱処理工程の時に、粘着力の上昇に優れるという特徴を有する。第1重合体のガラス転移温度(Tg)が0℃を超える場合には、重合体が流動しにくく、時間が経過するにつれて粘着力の上昇が低くなる場合がある。
【0062】
本明細書において、ガラス転移温度は、示差走査熱量計(DSC、Mettler社)を用いて、約10mgの試料を専用のパン(pan)に封入し、一定の昇温環境で加熱する時に、相変異が起こることに伴われる物質の吸熱および発熱量を温度によって表して測定した値である。
【0063】
具体的に、ガラス転移温度は、文献、カタログなどに記載の公称値であるか、または下記一般式(1)(Fox式)に基づいて計算された値である。
【0064】
[一般式(1)]
1/Tg=W1/Tg1+W2/Tg2+・・・+Wn/Tgn
【0065】
前記一般式(1)中、Tgは、重合体Aのガラス転移温度(単位:K)、Tgi(i=1、2、・・・n)は、単量体iが単独重合体を形成した時のガラス転移温度(単位:K)、Wi(i=1、2、・・・n)は、単量体iの全単量体成分中の質量分率を表す。
【0066】
前記一般式(1)は、重合体Aが、単量体1、単量体2、・・・、単量体nの、n種類の単量体成分を含む場合の計算式を意味する。
【0067】
本出願の一実施態様において、前記アクリル系第1重合体は、アルキルアクリレート50~70重量部、アルキルメタクリレート5~40重量部、およびヒドロキシアルキルアクリレート1~30重量部を含んでもよい。
【0068】
前記アクリル系第1重合体がアルキルアクリレート50~70重量部、アルキルメタクリレート5~40重量部、およびヒドロキシアルキルアクリレート1~30重量部を含むということは、アルキルアクリレート単量体、アルキルメタクリレート単量体、およびヒドロキシアルキルアクリレート単量体が上記の重量比で重合されることを意味する。
【0069】
本出願の一実施態様において、前記アクリル系第1重合体は、アルキルアクリレート50~70重量部、好ましくは55~70重量部、より好ましくは60~70重量部を含んでもよい。
【0070】
本出願の一実施態様において、前記アクリル系第1重合体は、アルキルメタクリレート5~40重量部、好ましくは7~35重量部、より好ましくは10~30重量部を含んでもよい。
【0071】
本出願の一実施態様において、前記アクリル系第1重合体は、ヒドロキシアルキルアクリレート1~30重量部、好ましくは5~25重量部、より好ましくは5~20重量部を含んでもよい。
【0072】
前記アルキルアクリレートおよびアルキルメタクリレートは、炭素数1~12のアルキル基を有する単量体として、ペンチル(メタ)アクリレート、n-ブチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、メチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、n-オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、およびデシル(メタ)アクリレートの1種または2種以上を含んでもよい。
【0073】
前記ヒドロキシアルキルアクリレートとしては、2-ヒドロキシエチルアクリレート、2-ヒドロキシプロピルアクリレート、4-ヒドロキシブチルアクリレート、6-ヒドロキシヘキシルアクリレート、8-ヒドロキシオクチルアクリレート、2-ヒドロキシエチレングリコールアクリレート、または2-ヒドロキシプロピレングリコールアクリレートなどが挙げられる。
【0074】
本出願の一実施態様において、第2重合体は、前記化学式1で表される単量体に由来の単位、および前記化学式2または3で表される単量体に由来の単位を含んでもよい。
【0075】
他の一実施態様において、第2重合体は、前記化学式1で表される単量体に由来の単位、および前記化学式2で表される単量体に由来の単位を含んでもよい。
【0076】
本出願の一実施態様において、前記第2重合体の含量は、第1重合体100重量部を基準として0.1重量部~20重量部であってもよい。
【0077】
他の一実施態様において、前記第2重合体の含量は、第1重合体100重量部を基準として0.5~17重量部、好ましくは1~13重量部を含んでもよい。
【0078】
前記粘着剤組成物が第1重合体および第2重合体を前記重量比率の範囲で有する場合、被着材との接合時に低い初期粘着力により、再作業(Rework)が容易であり、熱処理工程後には高い粘着力を有する特性を有する。
【0079】
本出願の一実施態様において、前記化学式2または3で表される単量体に由来の単位の含量は、第2重合体100重量部を基準として1重量部~70重量部であってもよい。
【0080】
他の一実施態様において、前記化学式2または3で表される単量体に由来の単位の含量は、第2重合体100重量部を基準として1重量部~50重量部、好ましくは1重量部~30重量部であってもよい。
【0081】
さらに他の一実施態様において、前記化学式2で表される単量体に由来の単位の含量は、第2重合体100重量部を基準として1重量部~50重量部、好ましくは1重量部~30重量部であってもよい。
【0082】
本出願の一実施態様において、前記化学式1で表される単量体に由来の単位の含量は、第2重合体100重量部を基準として30重量部~99重量部であってもよい。
【0083】
他の一実施態様において、前記化学式1で表される単量体に由来の単位の含量は、第2重合体100重量部を基準として35重量部~95重量部、好ましくは35重量部~90重量部であってもよい。
【0084】
第2重合体に対する、化学式1で表される単量体に由来の単位および化学式2で表される単量体に由来の単位の含量が前記範囲である場合、被着材との接合時に低い初期粘着力により、再作業(Rework)が容易であり、熱処理工程後には高い粘着力を有する効果がある。
【0085】
前記第2重合体は、前記化学式1で表される単量体に由来の単位および前記化学式2で表される単量体に由来の単位以外の単量体をさらに含んでもよく、前記単量体は上述の(メタ)アクリレートを含んでもよい。
【0086】
本出願の一実施態様において、前記粘着剤組成物は、溶媒、分散剤、光開始剤、熱開始剤、および粘着付与剤からなる群から選択される1つ以上をさらに含んでもよい。
【0087】
前記溶媒としては、一般に用いられる有機溶媒が使用可能であり、トルエン、エチルアセテートなどが使用でき、極性非プロトン性溶媒が用いられてもよく、具体的には、メチルエチルケトン(methylethly ketone)が使用できる。
【0088】
本明細書の一実施態様によると、前記架橋性化合物は、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、エチレン基の数が2~14のポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、2-トリスアクリロイルオキシメチルエチルフタル酸、プロピレン基の数が2~14のプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレートの酸性変形物とジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートの混合物(商品名としては、日本東亜合成社のTO-2348、TO-2349)などの多価アルコールをα、β-不飽和カルボン酸でエステル化して得られる化合物;トリメチロールプロパントリグリシジルエーテルアクリル酸付加物、ビスフェノールAジグリシジルエーテルアクリル酸付加物などのグリシジル基を含有する化合物に(メタ)アクリル酸を付加して得られる化合物;β-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートのフタル酸ジエステル、β-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートのトルエンジイソシアネート付加物などの水酸基またはエチレン性不飽和結合を有する化合物と多価カルボン酸とのエステル化合物、またはポリイソシアネートとの付加物;メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリル酸アルキルエステル;および9,9’-ビス[4-(2-アクリロイルオキシエトキシ)フェニル]フルオレンからなる群から選択される1種以上を含んでもよく、これらにのみ限定されず、当技術分野に公知の一般的なものなどが使用できる。
【0089】
本明細書の一実施態様によると、前記光開始剤は、トリアジン系化合物、ビイミダゾール化合物、アセトフェノン系化合物、O-アシルオキシム系化合物、チオキサントン系化合物、ホスフィンオキシド系化合物、クマリン系化合物、およびベンゾフェノン系化合物からなる群から選択される1または2以上の置換基で置換されたものであってもよい。
【0090】
具体的に、本明細書の一実施態様によると、前記光開始剤としては、2,4-トリクロロメチル-(4’-メトキシフェニル)-6-トリアジン、2,4-トリクロロメチル-(4’-メトキシスチリル)-6-トリアジン、2,4-トリクロロメチル-(ピプロニル)-6-トリアジン、2,4-トリクロロメチル-(3’,4’-ジメトキシフェニル)-6-トリアジン、3-{4-[2,4-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン-6-]フェニルチオ}プロパン酸、2,4-トリクロロメチル-(4’-エチルビフェニル)-6-トリアジン、または2,4-トリクロロメチル-(4’-メチルビフェニル)-6-トリアジンなどのトリアジン系化合物;2,2’-ビス(2-クロロフェニル)-4,4’,5,5’-テトラフェニルビイミダゾール、または2,2’-ビス(2,3-ジクロロフェニル)-4,4’,5,5’-テトラフェニルビイミダゾールなどのビイミダゾール系化合物;2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニルプロパン-1-オン、1-(4-イソプロピルフェニル)-2-ヒドロキシ-2-メチルプロパン-1-オン、4-(2-ヒドロキシエトキシ)-フェニル(2-ヒドロキシ)プロピルケトン、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2,2-ジメトキシ-2-フェニルアセトフェノン、2-メチル-(4-メチルチオフェニル)-2-モルホリノ-1-プロパン-1-オン(Irgacure-907)、または2-ベンジル-2-ジメチルアミノ-1-(4-モルホリノフェニル)-ブタン-1-オン(Irgacure-369)などのアセトフェノン系化合物;Ciba Geigy社のIrgacure OXE 01、Irgacure OXE 02のようなO-アシルオキシム系化合物;4,4’-ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノンまたは4,4’-ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノンなどのベンゾフェノン系化合物;2,4-ジエチルチオキサントン、2-クロロチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、またはジイソプロピルチオキサントンなどのチオキサントン系化合物;2,4,6-トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、ビス(2,6-ジメトキシベンゾイル)-2,4,4-トリメチルペンチルホスフィンオキシド、またはビス(2,6-ジクロロベンゾイル)プロピルホスフィンオキシドなどのホスフィンオキシド系化合物;3,3’-カルボニルビニル-7-(ジエチルアミノ)クマリン、3-(2-ベンゾチアゾリル)-7-(ジエチルアミノ)クマリン、3-ベンゾイル-7-(ジエチルアミノ)クマリン、3-ベンゾイル-7-メトキシ-クマリン、または10,10’-カルボニルビス[1,1,7,7-テトラメチル-2,3,6,7-テトラハイドロ-1H,5H,11H-Cl]-ベンゾピラノ[6,7,8-ij]-キノリジン-11-オンなどのクマリン系化合物などを単独で用いても、または2つ以上を混合して用いてもよいが、これらに限定されない。
【0091】
また、前記熱開始剤としては、当業界で公知のものが使用可能である。
【0092】
本出願の一実施態様において、基材層と、前記基材層上の一面に備えられ、本出願の一実施態様に系る粘着剤組成物またはその硬化物を含む粘着シートと、を含む粘着フィルムを提供する。
【0093】
本出願の一実施態様において、前記粘着シートの一面上に離型シートを含む粘着フィルムを提供する。
【0094】
前記粘着シートの一面上に離型シートを含むということは、前記粘着シートの前記基材層と接する面の反対面に離型シートが備えられることを意味する。
【0095】
本出願の一実施態様において、前記離型シートとしては、疎水性フィルムが使用でき、非常に薄い厚さの粘着シートを保護するための層であって、粘着シートの一面に付着する透明層のことである。前記離型シートとしては、機械的強度、熱安定性、水分遮蔽性、等方性などに優れたフィルムが使用できる。例えば、トリアセチルセルロース(TAC)のようなアセテート系、ポリエステル系、ポリエーテルスルホン系、ポリカーボネート系、ポリアミド系、ポリイミド系、ポリオレフィン系、シクロオレフィン系、ポリウレタン系、およびアクリル系樹脂フィルムなどが使用可能であるが、市販のシリコン処理離型シートであれば、これらに限定されない。
【0096】
本出願の一実施態様において、前記基材層は、PET(polyethylene terephthalate)、ポリエステル(polyester)、PC(Polycarbonate)、PI(polyimide)、PEN(polyethylene naphthalate)、PEEK(polyether ether ketone)、PAR(polyarylate)、PCO(polycylicolefin)、ポリノルボルネン(polynorbornene)、PES(polyethersulphone)、およびCOP(cycloolefin polymer)からなる群から選択されることができる。
【0097】
前記粘着シートは、前記基材層上に上述の粘着剤組成物をコーティングし、乾燥させた後、コーティング面上にさらに離型シートを覆い、40℃の条件で2日以上熟成させることで形成されることができる。
【0098】
本出願の一実施態様において、前記粘着シートをステンレス(SUS304基板)に接合した後の初期粘着力が39gf/cm以下であり、その後、熱処理した後の後期粘着力が118gf/cm以上であってもよい。
【0099】
他の一実施態様において、前記粘着シートをステンレス(SUS304基板)に接合した後、23℃で2時間放置した後の初期粘着力が39gf/cm以下であり、その後、70℃で20分熱処理した後の後期粘着力が118gf/cm以上であってもよい。
【0100】
前記初期粘着力および後期粘着力は、180°角度および1800mm/分の剥離速度で、テクスチャアナライザ(Texture analyzer(Stable Micro Systems社)を用いて測定し、本発明によって製造された粘着シートを、2kgのゴムローラーで1回往復してステンレス(304ミラー基板)に付着した後、初期2時間と、熱処理して2時間後にそれぞれ測定した。
【0101】
本出願の一実施態様において、前記粘着シートの初期粘着力は、39gf/cm以下、好ましくは31gf/cm以下、より好ましくは30gf/cm以下であってもよい。
【0102】
他の一実施態様において、前記粘着シートの初期粘着力は、2gf/cm以上であってもよい。
【0103】
本出願の一実施態様において、前記粘着シートの後期粘着力は、118gf/cm以上、好ましくは138gf/cm以上、より好ましくは157gf/cm以上であってもよい。
【0104】
他の一実施態様において、前記粘着シートの後期粘着力は、1181gf/cm以下、好ましくは984gf/cm以下であってもよい。
【0105】
本出願の一実施態様において、前記後期粘着力は、前記初期粘着力の3倍以上100倍以下、好ましくは5倍以上100倍以下、より好ましくは10倍以上100倍以下である粘着フィルムを提供する。
【0106】
本出願の一実施態様において、前記粘着シートの厚さは、3μm以上500μm以下、好ましくは5μm以上400μm以下、より好ましくは7μm以上200μm以下であってもよい。
【0107】
粘着シートの厚さが前記範囲である場合、誤付着時における再作業(Rework)特性に優れ、特に、粘着シートを除去する際に異物が残らない特性を有することになる。
【0108】
本出願の一実施態様において、基材層を準備するステップと、前記基材層上の一面に、本出願の一実施態様に系る粘着剤組成物をコーティングして粘着シートを形成するステップと、を含む、粘着フィルムの製造方法を提供する。
【0109】
本出願の一実施態様において、前記基材層上の一面に粘着シートを形成するステップの後に、前記粘着シートを乾燥するステップをさらに含んでもよい。
【0110】
前記乾燥するステップにおける温度は、50℃以上200℃以下であってもよい。
【発明を実施するための形態】
【0111】
以下、本発明が属する技術分野において通常の知識を有する者が容易に実施できるように、本発明の実施例について詳細に説明する。しかし、本発明は様々な異なる形態で実現可能であり、ここで説明する実施例に限定されない。
【実施例
【0112】
<製造例>
<第1重合体の重合>
エチルヘキシルアクリレート(Ethylhexylacrylate、EHA)/メチルメタクリレート(Methylmethacrylate、MMA)/ヒドロキシエチルアクリレート(Hydroxyethylacrylate、HEA)を65/25/15の重量比でEA(Ethyl Acetate)に投入した後、熱重合開始剤であるAIBN(アゾビスイソブチロニトリル)を投入し、重量平均分子量100万の第1重合体を製造した。
【0113】
<第2重合体の重合>
反応型シロキサン(Siloxane)としてFM-0721(Chisso社)および下記表1の(メタ)アクリレートを20/80の重量比でトルエンに投入した後、熱重合開始剤であるAIBN(アゾビスイソブチロニトリル)を投入し、重量平均分子量6万の第2重合体を製造した。
【0114】
<粘着シートの製造>
イソシアネート(Isocyanate)架橋剤(サンヨンインク社、DR7030HD)を第1重合体100重量部に対して1重量部添加した後、第2重合体を4重量部の割合で添加し、トルエン溶液で固形分が20%となるように希釈した。
【0115】
MPI社の両面静電気帯電防止(Anti-static、AS)処理されたポリエチレンテレフタレート(Polyethylene terephthalate、PET)フィルム(T91455)に、前記粘着シート組成物を15μmの厚さにコーティングした後、両面静電気帯電防止(Anti-static、AS)処理されたポリエチレンテレフタレート(Polyethylene terephthalate、PET)(RF12AS)を塗布した後、40℃で2日間エージング(Aging)することで、粘着シートを製造した。
【0116】
本願の実施例および比較例で用いられた粘着シート組成物の成分および重量比を下記表1に記載した。
【0117】
【表1】
【0118】
前記実施例1~4および比較例1~4の初期粘着力、後期粘着力、リワーク特性、および信頼性を測定した結果を下記表2に記載した。
【0119】
【表2】
【0120】
前記表2において、初期粘着力および後期粘着力は、180°角度および1800mm/分の剥離速度で、テクスチャアナライザ(Texture analyzer(Stable Micro Systems社)を用いて測定し、本発明によって製造された粘着シートを、2kgのゴムローラーで1回往復してステンレス(SUS304基板)に付着した後、初期2時間と、熱処理して2時間後にそれぞれ測定した。
【0121】
前記表2から分かるように、本出願に係る化学式1で表される単量体に由来の単位のアルキル部は、長鎖(long chain)のアルキル基構造を有することになり、この場合、炭素数が少ない短鎖(short chain)のアルキル基を有する単量体に比べて、初期および後期粘着力の変化特性に特に優れることを確認することができた。熱処理工程の後に、単量体間の配列がさらに安定になり、粘着特性に特に優れる特性を有する。
【0122】
具体的に、前記表2の実施例1~5の場合、単量体のn値が10以上の整数を有する場合であって、比較例2~4(n値が10未満の単量体)である場合に比べて、可変特性および信頼性に優れていることを確認することができた。特に、実施例5の場合、nの値が10以上である単量体2個をともに使用したコポリマーの場合であって、可変特性および信頼性が比較例1~4に比べて優れていることを確認することができた。これは、熱処理工程の後に、単量体間の配列がさらに安定になることにより、特に優れた粘着特性を示すためである。
【符号の説明】
【0123】
101 粘着シート
102 基材
103 粘着フィルム
図1