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特許7131024情報処理システム、情報処理装置、制御プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-08-29
(45)【発行日】2022-09-06
(54)【発明の名称】情報処理システム、情報処理装置、制御プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/12 20060101AFI20220830BHJP
   H04N 1/00 20060101ALI20220830BHJP
   B41J 29/38 20060101ALI20220830BHJP
【FI】
G06F3/12 363
G06F3/12 322
G06F3/12 303
H04N1/00 127Z
B41J29/38 201
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2018065116
(22)【出願日】2018-03-29
(65)【公開番号】P2019175301
(43)【公開日】2019-10-10
【審査請求日】2020-12-11
(73)【特許権者】
【識別番号】000006747
【氏名又は名称】株式会社リコー
(74)【代理人】
【識別番号】100186853
【弁理士】
【氏名又は名称】宗像 孝志
(72)【発明者】
【氏名】向井 一宏
【審査官】白石 圭吾
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-251781(JP,A)
【文献】特開2011-090698(JP,A)
【文献】特開平11-065784(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/09 - 3/12
H04N 1/00
B41J 29/00 - 29/70
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報処理装置と画像処理装置とがネットワークを介して接続され、画像形成出力を実行する処理実行情報に基づいて前記画像処理装置に前記画像形成出力を実行させる情報処理システムであって、
前記情報処理装置は、
ユーザごとに割り当てられたカードIDを、前記ネットワークを介して取得し、前記カードIDに基づいて前記ユーザを認証する認証処理を実行する認証処理部と、
認証された前記ユーザによって予め設定された前記処理実行情報に基づく画像形成処理を前記画像処理装置に実行させる際の実行順位を示す優先実行設定情報および前記処理実行情報に基づいて前記画像処理装置における前記画像形成出力の実行を制御する処理実行制御部と、
前記処理実行情報を記憶する処理実行情報記憶部と、
前記ユーザが前記優先実行設定情報を設定するための画面を表示させる画面表示制御部と、
前記ユーザが前記画面を介して入力した優先実行設定情報を当該ユーザごとに記憶する優先実行設定情報記憶部と、
を含み、
前記処理実行制御部は、
前記優先実行設定情報記憶部に記憶されている、認証された前記ユーザに対応する前記優先実行設定情報に基づいて、前記画像処理装置に実行させる前記処理実行情報を決定し、決定した前記処理実行情報および当該処理実行情報の実行命令を当該画像処理装置に送信し、
前記画像処理装置は、
受信した前記処理実行情報に基づいて前記画像形成出力を実行する画像形成部を含む、
ことを特徴とする情報処理システム。
【請求項2】
前記優先実行設定情報として、前記処理実行情報のファイル名に基づく実行順位を優先するように設定されているとき、
前記処理実行制御部は、
記憶された前記処理実行情報のうち、当該処理実行情報のファイル名に基づいて前記画像処理装置に実行させる前記処理実行情報を決定し、決定した前記処理実行情報および当該処理実行情報の実行命令を当該画像処理装置に送信する、
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項3】
前記優先実行設定情報として、前記処理実行情報の作成日時に基づく実行順位を優先するように設定されているとき、
前記処理実行制御部は、
記憶された前記処理実行情報のうち、当該処理実行情報の作成日時に基づいて前記画像処理装置に実行させる前記処理実行情報を決定し、決定した前記処理実行情報および当該処理実行情報の実行命令を当該画像処理装置に送信する、
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項4】
前記優先実行設定情報として、前記処理実行情報を前記処理実行情報記憶部に記憶させた日時に基づく実行順位を優先するように設定されているとき、
前記処理実行制御部は、
記憶された前記処理実行情報のうち、当該処理実行情報を前記処理実行情報記憶部に記憶させた日時に基づいて前記画像処理装置に実行させる前記処理実行情報を決定し、決定した前記処理実行情報および当該処理実行情報の実行命令を当該画像処理装置に送信する、
ことを特徴とする請求項2に記載の情報処理システム。
【請求項5】
前記優先実行設定情報として、前記処理実行情報のデータサイズに基づく実行順位実行順位を優先するように設定されているとき、
前記処理実行制御部は、
記憶された前記処理実行情報のうち、当該処理実行情報のデータサイズに基づいて前記画像処理装置に実行させる前記処理実行情報を決定し、決定した前記処理実行情報および当該処理実行情報の実行命令を当該画像処理装置に送信する、
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項6】
ネットワークを介して接続された画像処理装置に対して画像形成出力を実行する処理実行情報に基づいて前記画像形成出力を実行させる情報処理装置であって、
ユーザごとに割り当てられたカードIDを、前記ネットワークを介して取得し、前記カードIDに基づいて前記ユーザを認証する認証処理を実行する認証処理部と、
認証された前記ユーザによって予め設定された前記処理実行情報の実行順位を示す優先実行設定情報および前記処理実行情報に基づいて前記画像処理装置における前記画像形成出力の実行を制御する処理実行制御部と、
前記処理実行情報を記憶する処理実行情報記憶部と、
前記ユーザが前記優先実行設定情報を設定するための画面を表示させる画面表示制御部と、
前記ユーザが前記画面を介して入力した優先実行設定情報を当該ユーザごとに記憶する優先実行設定情報記憶部と、
を含み、
前記処理実行制御部は、
前記優先実行設定情報記憶部に記憶されている、認証された前記ユーザに対応する前記優先実行設定情報に基づいて、前記画像処理装置に実行させる前記処理実行情報を決定し、決定した前記処理実行情報および当該処理実行情報の実行命令を当該画像処理装置に送信する、
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項7】
ネットワークを介して接続された画像処理装置に対して画像形成出力を実行する処理実行情報に基づいて前記画像形成出力を実行させる情報処理装置に、
ユーザごとに割り当てられたカードIDを、前記ネットワークを介して取得し、前記カードIDに基づいて前記ユーザを認証する認証処理を実行するステップと、
認証された前記ユーザによって予め設定された前記処理実行情報の実行順位を示す優先実行設定情報および前記処理実行情報に基づいて前記画像処理装置における前記画像形成出力の実行を制御するステップと、
前記処理実行情報を記憶する処理実行情報記憶ステップと、
前記ユーザが前記優先実行設定情報を設定するための画面を表示させる画面表示ステップと、
前記ユーザが前記画面を介して入力した優先実行設定情報を当該ユーザごとに記憶する優先実行設定情報記憶ステップと、
を実行させ、
前記画像処理装置における前記画像形成出力の実行を制御するステップにおいて、
前記優先実行設定情報記憶ステップおいて記憶され、認証された前記ユーザに対応する前記優先実行設定情報に基づいて、前記画像処理装置に実行させる前記処理実行情報を決定し、決定した前記処理実行情報および当該処理実行情報の実行命令を当該画像処理装置に送信するステップを実行させる、
ことを特徴とする制御プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理システム、情報処理装置、制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、情報の電子化が推進される傾向にあり、電子化された情報の出力に用いられるプリンタやファクシミリおよび書類の電子化に用いるスキャナなどの画像処理装置は欠かせない機器となっている。このような画像処理装置は、撮像機能、画像形成機能および通信機能などを備えることにより、プリンタ、ファクシミリ、スキャナ、複写機などのサービスを利用可能なMFP(MultiFunction Peripheral:複合機)として構成されることが多い。
【0003】
このような画像処理装置を含んで構成される情報処理システムには、印刷対象のデータを出力する印刷ジョブを予めサーバに記憶させておき、ユーザの任意のタイミングで印刷ジョブを実行する、いわゆる、プルプリント機能を備えたものがある(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
特許文献1では、ユーザIDなどのユーザ識別情報が記憶されたカードによって認証処理を実行し、認証されたユーザに対応付けられた印刷ジョブをサーバから取得する。そして、画像処理装置のディスプレイパネルから選択された印刷ジョブ、もしくは、取得した全ての印刷ジョブを実行する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
任意の印刷ジョブを実行したい場合、特許文献1に開示された技術では、ユーザが画像処理装置のディスプレイパネルを操作して実行する印刷ジョブを選択する必要がある。したがって、ディスプレイパネルの表示態様によっては、ユーザが任意の印刷ジョブを選択するために煩雑な操作が必要となる場合がある。
【0006】
本発明は、このような課題を解決するためになされたものであり、セキュリティの安全性を保ち、印刷ジョブを利便性よく実行可能とすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明の一態様は、情報処理装置と画像処理装置とがネットワークを介して接続され、画像形成出力を実行する処理実行情報に基づいて前記画像処理装置に前記画像形成出力を実行させる情報処理システムであって、前記情報処理装置は、ユーザごとに割り当てられたカードIDを、前記ネットワークを介して取得し、前記カードIDに基づいて前記ユーザを認証する認証処理を実行する認証処理部と、認証された前記ユーザによって予め設定された前記処理実行情報に基づく画像形成処理を前記画像処理装置に実行させる際の実行順位を示す優先実行設定情報および前記処理実行情報に基づいて前記画像処理装置における前記画像形成出力の実行を制御する処理実行制御部と、前記処理実行情報を記憶する処理実行情報記憶部と、前記優先実行設定情報を設定させるための画面を表示させる画面表示制御部と、前記ユーザごとに前記優先実行設定情報を記憶する優先実行設定情報記憶部と、を含み、前記処理実行制御部は、前記優先実行設定情報記憶部に記憶されている、認証された前記ユーザに対応する前記優先実行設定情報に基づいて、前記画像処理装置に実行させる前記処理実行情報を決定し、決定した前記処理実行情報および当該処理実行情報の実行命令を当該画像処理装置に送信し、前記画像処理装置は、受信した前記処理実行情報に基づいて前記画像形成出力を実行する画像形成部を含む、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、セキュリティの安全性を保ち、印刷ジョブを利便性よく実行可能とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の実施形態に係る情報処理システムの運用形態を示す図。
図2】本発明の実施形態に係る情報処理装置のハードウェア構成を示すブロック図。
図3】本発明の実施形態に係る画像処理装置の機能構成を示す機能ブロック図。
図4】本発明の実施形態に係るPCの機能構成を示す機能ブロック図。
図5】本発明の実施形態に係るサーバの機能構成を示す機能ブロック図。
図6】本発明の実施形態に係るPCに表示される画面を例示した図。
図7】本発明の実施形態に係る認証情報の構成を示す図。
図8】本発明の実施形態に係る優先実行情報の構成を示す図。
図9】本発明の実施形態に係るジョブ記憶部の構成を示す図。
図10】本発明の実施形態に係るユーザ登録を行う処理の流れを示すシーケンス図。
図11】本発明の実施形態に係るジョブ登録を行う処理の流れを示すシーケンス図。
図12】本発明の実施形態に係る優先実行情報を登録処理の流れを示すシーケンス図。
図13】本発明の実施形態に係るジョブを実行する処理の流れを示すシーケンス図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態を詳細に説明する。本実施形態においては、スキャナやプリント、メール配信などを実行するMFP(Multi Function Peripheral:複合機)やプリンタなどの画像処理装置およびクラウドコンピューティングによって提供されるコンピュータ資源を含んで構成される情報処理システム1について説明する。
【0011】
図1は、本実施形態に係る情報処理システム1の運用形態を例示した図である。図1に示すように、情報処理システム1は、画像処理装置2、サーバ4、PC(Personal Computer)3がネットワーク5を介して接続されて構成されている。なお、図1に示す以上の数の画像処理装置2を含んで構成されていてもよい。
【0012】
画像処理装置2は、撮像機能、画像形成機能および通信機能などを備えることにより、プリンタ、ファクシミリ、スキャナ、複写機として利用可能なMFPである。
【0013】
また、画像処理装置2は、画像情報に基づいてCMYKもしくはモノクロの描画情報を生成し、生成された描画情報に基づいて画像形成出力を実行するカラープリンタやモノクロプリンタとしての機能を有する。
【0014】
さらに、画像処理装置2は、スキャナで読み取った画像に基づいて文書データを生成するためのソフトウェアが搭載されている。画像処理装置2は、ネットワーク5を介して他の画像処理装置2、サーバ4およびPC3とデータの送受信を実行する。
【0015】
サーバ4は、カード情報読取装置109を介して画像処理装置2が取得したカードID、ユーザ名およびパスワードなどのユーザを識別可能な認証情報に基づいて、認証処理を実行する認証装置として機能する。また、サーバ4は、サーバ4に記憶された印刷ジョブを実行する際に参照される優先実行情報を認証されたユーザごとに、記憶している。優先実行情報についての詳細は後述する。
【0016】
なお、本実施形態において、カードIDとは、ユーザに割り当てられたICカードなどの記憶媒体に記憶された情報や、QRコード(登録商標)などの符号化図形を復号して得られる情報である。
【0017】
PC3は、情報処理システム1のユーザによって操作され、情報処理システム1を利用するユーザの認証情報や、画像処理装置2において実行される印刷ジョブなどの処理実行情報をサーバ4に記憶させるために用いられる。
【0018】
このような構成により、本実施形態に係る情報処理システム1においては、サーバ4に記憶されたジョブを実行する際に、ユーザが所望するジョブが優先して実行可能なようにする。次に、本実施形態に係る画像処理装置2などの情報処理装置のハードウェア構成について図2を参照して説明する。図2は、本実施形態に係る画像処理装置2のハードウェア構成を示すブロック図である。
【0019】
本実施形態に係る画像処理装置2は、一般的なPC(Personal Computer)やサーバ4、PC3を実現するハードウェア等の情報処理装置と同様の構成を有する。すなわち、本実施形態に係る画像処理装置2は、CPU(Central Processing Unit)10、RAM(Random Access Memory)20、ROM(Read Only Memory)30、HDD(Hard Disk Drive)等の記憶媒体40、I/F50がバス90を介して接続されている。
【0020】
また、上記の構成に加え、画像処理装置2は、スキャナ、プリンタ等を実現するためのエンジン80が、さらに、I/F50を介してLCD(Liquid Crystal Display)60などの表示部やキーボードなどの操作部70が接続されて構成されている。
【0021】
CPU10は演算手段であり、画像処理装置2全体の動作を制御する。RAM20は、情報の高速な読み書きが可能な揮発性の記憶媒体であり、CPU10が情報を処理する際の作業領域として用いられる。ROM30は、読み出し専用の不揮発性記憶媒体であり、ファームウェア等のプログラムが格納されている。
【0022】
記憶媒体40は、HDDなどの情報の読み書きが可能な不揮発性の記憶媒体であり、OS(Operating System)や各種の制御プログラム、アプリケーション・プログラム(以後、アプリケーション)等が格納されている。I/F50は、バス90と、LCD60および操作部70などの各種のハードウェアやネットワーク5等を接続し制御する。
【0023】
LCD60は、I/F50を介して受信した画像処理装置2の状態をユーザが確認するユーザインタフェースである。操作部70は、キーボードなどによって構成され、ユーザが画像処理装置2に情報を入力するためのユーザインタフェースである。なお、LCD60および操作部70を、動作原理方式として抵抗膜方式、表面弾性波方式、静電容量方式等が用いられたタッチパネルとして構成してもよい。
【0024】
このようなハードウェア構成において、ROM30に格納されたプログラムや記憶媒体40からRAM20に読み出されたプログラムに従ってCPU10が演算を行うことにより、図3において説明するコントローラ100内部の機能が構成される。このようにして構成されたコントローラ100内部の機能と、ハードウェアとの組み合わせによって、画像処理装置2の機能を実現する機能ブロックが構成される。
【0025】
さらに、このようなハードウェア構成において、ROM30や記憶媒体40もしくは光学ディスクなどの記録媒体に格納されたプログラムがRAM20に読み出され、CPU10がそれらのプログラムに従って演算を行うことにより、PC3のソフトウェア制御部が構成される。このようにして構成されたソフトウェア制御部と、ハードウェアとの組み合わせによって、図4において説明するPC3の機能を実現する機能ブロックがそれぞれ構成される。
【0026】
また、このようなハードウェア構成において、ROM30や記憶媒体40もしくは光学ディスクなどの記録媒体に格納されたプログラムがRAM20に読み出され、CPU10がそれらのプログラムに従って演算を行うことにより、サーバ4におけるコントローラ300内部の機能が構成される。このようにして構成されたコントローラ300内部の機能と、ハードウェアとの組み合わせによって、図5において説明するサーバ4の機能を実現する機能ブロックがそれぞれ構成される。
【0027】
次に、本実施形態に係る画像処理装置2の機能構成について図3を参照して説明する。図3は、本実施形態に係る画像処理装置2の機能構成を示すブロック図である。図3に示すように、画像処理装置2は、コントローラ100、ADF101、スキャナユニット102、排紙トレイ103、給紙テーブル105、プリントエンジン106、排紙トレイ107、ネットワークI/F108を有する。上記の構成に加え、画像処理装置2は、ネットワークI/F108を介してICカードなどの記憶媒体に記憶されている情報を読み取るカード情報読取装置109と接続されている。
【0028】
また、コントローラ100は、主制御部110、エンジン制御部120、画像処理部130、操作表示制御部140、入出力制御部150を含む。なお、図3においては、電気的接続を実線の矢印で示しており、原稿もしくは文書束の流れを破線の矢印で示している。
【0029】
ネットワークI/F108は、画像処理装置2がネットワークを介して他の機器と通信するためのインタフェースであり、Ethernet(登録商標)やUSB(Universal Serial Bus)インタフェースが用いられる。ネットワークI/F108はTCP/IPプロトコルによる通信が可能であり、図2に示すI/F50によって実現される。また、画像処理装置2は、カード情報読取装置109が読み取ったカードIDをネットワークI/F108を介して取得する。
【0030】
コントローラ100は、ソフトウェアとハードウェアとの組み合わせによって構成される。具体的には、ROM30や不揮発性メモリならびに光学ディスク等の不揮発性の記憶媒体40に格納されたプログラムが、RAM20などの揮発性メモリ(以下、メモリ)にロードされ、CPU10がそのプログラムに従って動作することにより構成されるソフトウェア制御部と集積回路などのハードウェアとによってコントローラ100が構成される。コントローラ100は、画像処理装置2全体を制御する制御部として機能する。
【0031】
主制御部110は、コントローラ100に含まれる各部を制御する役割を担い、コントローラ100の各部に命令を与える。すなわち、主制御部110が、画像処理装置2に搭載されているコピー、プリント、スキャン、FAXなどの機能を実行するための制御を実行するためにコントローラ100に含まれる各部を制御する。
【0032】
エンジン制御部120は、プリントエンジン106やスキャナユニット102などを制御もしくは駆動する駆動手段としての役割を担う。画像処理部130は、主制御部110の制御に従い、印刷出力すべき画像情報に基づいて描画情報を生成する。この描画情報とは、画像形成部であるプリントエンジン106が画像形成動作において形成すべき画像を描画するための情報である。
【0033】
また、画像処理部130は、スキャナユニット102から入力される撮像データを処理し、画像データを生成する。この画像データとは、スキャナ動作の結果物として画像処理装置2の記憶領域に格納され、ネットワークI/F108を介して他の情報処理端末や記憶装置に送信される情報である。
【0034】
操作表示制御部140は、ディスプレイパネル104に情報表示を行いもしくはディスプレイパネル104を介して入力された情報を主制御部110に通知する。入出力制御部150は、ネットワークI/F108を介して入力される情報を主制御部110に入力する。また、主制御部110は、入出力制御部150を制御し、ネットワークI/F108およびネットワークを介してネットワークに接続された他の機器にアクセスする。
【0035】
画像処理装置2がプリンタとして動作する場合は、まず、入出力制御部150がネットワークI/F108を介して印刷ジョブを受信する。すなわち、入出力制御部150が、印刷データ取得部として機能する。入出力制御部150は、受信した印刷ジョブを主制御部110に転送する。主制御部110は、印刷ジョブを受信すると、画像処理部130を制御して印刷ジョブに含まれる文書情報もしくは画像情報に基づいて描画情報を生成する。
【0036】
画像処理部130によって描画情報が生成されると、エンジン制御部120はプリントエンジン106を制御し、上記生成された描画情報に基づき、給紙テーブル105から搬送される用紙に対して画像形成を実行させる。すなわち、画像処理部130、エンジン制御部120およびプリントエンジン106が印刷出力部として機能する。
【0037】
プリントエンジン106の具体的態様としては、インクジェット方式による画像形成機構や電子写真方式による画像形成機構などを用いることが可能である。プリントエンジン106によって画像形成が施された文書は排紙トレイ107に排紙される。
【0038】
画像処理装置2がスキャナとして動作する場合は、ユーザによるディスプレイパネル104の操作もしくはネットワークI/F108を介して外部の装置から入力されるスキャン実行指示に応じて、操作表示制御部140もしくは入出力制御部150が主制御部110にスキャン実行信号を転送する。主制御部110は、受信したスキャン実行信号に基づき、エンジン制御部120を制御する。
【0039】
エンジン制御部120は、ADF101を駆動し、ADF101にセットされた撮像対象の原稿Sを上述したようにスキャナユニット102に搬送する。また、エンジン制御部120は、スキャナユニット102を駆動し、ADF101から搬送される原稿を撮像(スキャン)する。
【0040】
また、ADF101に原稿がセットされておらず、スキャナユニット102に直接原稿がセットされた場合、スキャナユニット102は、エンジン制御部120の制御に従い、セットされた原稿を撮像する。すなわちスキャナユニット102が撮像部として動作するとともに、エンジン制御部120が、読取制御部として機能する。
【0041】
撮像動作においては、スキャナユニット102に含まれるCCD等の撮像素子が原稿を光学的に走査し、光学情報に基づいて生成された撮像情報が生成される。エンジン制御部120は、スキャナユニット102が生成した撮像情報を画像処理部130に転送する。画像処理部130は、主制御部110の制御に従い、エンジン制御部120から受信した撮像情報に基づき画像情報を生成する。
【0042】
画像処理部130が生成した画像情報は主制御部110が取得し、主制御部110が記憶媒体40等の画像処理装置2に装着された記憶媒体に保存する。すなわち、スキャナユニット102、エンジン制御部120および画像処理部130が連動して、画像入力部として機能する。画像処理部130によって生成された画像情報は、ユーザの指示に応じてそのまま記憶媒体40等に格納されもしくは入出力制御部150およびネットワークI/F108を介して外部の装置に送信される。
【0043】
また、画像処理装置2が複写機として動作する場合は、エンジン制御部120がスキャナユニット102から受信した撮像情報もしくは画像処理部130が生成した画像情報に基づき、画像処理部130が描画情報を生成する。その描画情報に基づいてプリンタ動作の場合と同様に、エンジン制御部120がプリントエンジン106を駆動する。なお、描画情報と撮像情報との情報形式が同一である場合は、撮像情報をそのまま描画情報として用いることも可能である。
【0044】
本実施形態に係る画像処理装置2は、サーバ4から受信した印刷ジョブを実行し、印刷物を出力する。本実施形態において、サーバ4は、ユーザが操作するPC3から受信した印刷ジョブを記憶する。次に、本実施形態に係るPC3の構成について図4を参照して説明する。
【0045】
図4に示すように、PC3は、コントローラ300、ユーザインタフェースデバイス301、ネットワークI/F302を有する。また、コントローラ300は、操作制御部310、表示制御部320、ジョブ制御部330、ネットワーク制御部340を含む。
【0046】
コントローラ300は、ソフトウェアとハードウェアとの組み合わせによって構成される。具体的には、ROM30や不揮発性メモリならびに記憶媒体40や光学ディスク等の不揮発性記憶媒体に格納されたプログラムが、RAM20等の揮発性メモリにロードされ、そのプログラムに従ってCPU10が演算を行うことにより構成されるソフトウェア制御部と集積回路などのハードウェアとによって構成される。コントローラ300は、サーバ4全体を制御する制御部であり、要旨となる機能を実現する。
【0047】
ユーザインタフェースデバイス301は、図2に示すLCD60や操作部70等、ユーザがサーバ4を操作するためのインタフェースである。なお、ユーザインタフェースデバイス301は、LCD60および操作部70が一体型のタブレット端末として構成されてもよいし、LCD60と操作部70とが設けられたデスクトップ型端末として構成されてもよい。
【0048】
ネットワークI/F302は、PC3がネットワークを介して他の機器と通信するためのインタフェースであり、Ethernet(登録商標)やUSB(Universal Serial Bus)インタフェースが用いられる。ネットワークI/F302は、図2に示すI/F50によって実現される。
【0049】
操作制御部310は、ユーザインタフェースデバイス301に対するユーザの操作によって入力された情報を取得する。表示制御部320は、ユーザインタフェースデバイス301に情報表示を行う。ユーザインタフェースデバイス301に対するユーザの操作によって印刷ジョブが生成される。
【0050】
ユーザは、ユーザインタフェースデバイス301を操作して、印刷対象の画像情報を選択し、画像を出力する際の条件として、例えば、モノクロもしくはカラー、印刷部数、集約の有無、両面印刷の要否、出力先、画像品質などを設定する。
【0051】
ジョブ制御部330は、ユーザが指定した画像を出力する際の条件に基づいて、PC3に記憶されている印刷対象の画像情報を出力する印刷ジョブを生成する。本実施形態において、印刷ジョブは、印刷対象の画像情報の出力命令とともに、画像情報を出力する際の条件が設定されている処理実行情報である。
【0052】
ネットワーク制御部340は、ネットワークI/F302を介して入力される情報を取得するとともに、ネットワークI/F302を介して他の機器に情報を送信する。なお、PC3は、ネットワークI/F302を介して接続された端末から受信した情報に基づいて印刷ジョブの生成を行う構成であってもよい。このような構成により、PC3は、印刷ジョブをサーバ4に送信する。
【0053】
次に、本実施形態に係るサーバ4の機能構成について、図5を参照して説明する。図5は、本実施形態に係るサーバ4の機能構成を示すブロック図である。図5に示すように、本実施形態に係るサーバ4は、コントローラ400、ネットワークI/F402を有する。また、コントローラ400は、認証処理部410、認証情報記憶部420、ネットワーク制御部430、UI制御部440、ジョブ実行制御部450、ジョブ記憶部460を含む。
【0054】
ネットワークI/F402は、サーバ4がネットワークを介して他の機器と通信するためのインタフェースであり、Ethernet(登録商標)やUSB(Universal Serial Bus)インタフェースが用いられる。ネットワークI/F402は、図2に示すI/F50によって実現される。
【0055】
コントローラ400は、ソフトウェアとハードウェアとの組み合わせによって構成される。具体的には、ROM30や不揮発性メモリならびに記憶媒体40や光学ディスク等の不揮発性記憶媒体に格納されたプログラムが、RAM20等の揮発性メモリにロードされ、そのプログラムに従ってCPU10が演算を行うことにより構成されるソフトウェア制御部と集積回路などのハードウェアとによって構成される。コントローラ400は、サーバ4全体を制御する制御部であり、要旨となる機能を実現する。
【0056】
認証処理部410は、PC3から受信したカードID、ユーザ名およびパスワードなどの認証情報を認証情報記憶部420に記憶させる。また、画像処理装置2から、カード情報読取装置109が読み取ったカードIDを取得し、カードIDに基づいて認証処理を行う。
【0057】
認証情報記憶部420は、認証処理部410から受信したカードID、ユーザ名およびパスワードなどの情報を記憶する記憶部である。図6に示すように、認証情報記憶部420は、カードID、ユーザ名およびパスワードのそれぞれを関連付けて認証情報データテーブル421に記憶する。なお、本実施形態では、ユーザ名として、“tanaka”、“nishida”、“yamada”、“mori”、“saitoh”、“yamashita”・・・、のユーザの認証情報が記憶されていると仮定する。
【0058】
ネットワーク制御部430は、ネットワークI/F402を介して入力される情報を取得するとともに、ネットワークI/F402を介して他の機器に情報を送信する。UI制御部440は、サーバ4に認証情報や印刷ジョブを記憶させるために、PC3に表示されるインタフェースを提供する。UI制御部440は、サーバ4に認証情報や印刷ジョブを記憶させるためにPC3で実行されるソフトウェアとして構成されてもよく、図7に示すような画面441をPC3に表示させる画面表示制御部として機能する。
【0059】
ユーザは、PC3に表示された画面441に基づいて操作を実行する。例えば、画面441の“ユーザ名”の項目、“カードID”の項目、“パスワード”の項目に対して設定値を入力する。ユーザの操作に基づいてそれぞれの項目に入力された設定値、すなわち、“ユーザ名”、“カードID”、“パスワード”が認証情報として認証情報記憶部420に記憶される。
【0060】
また、画面441においては、サーバ4に記憶されている印刷ジョブの実行順位をユーザごとに定義するためにユーザによって設定される優先実行情報である“優先実行設定”の項目が表示される。“優先実行設定”は、認証情報をサーバ4に記憶させる際に設定してもよいし、印刷ジョブを送信する際に設定する構成であってもよい。“優先実行設定”の項目において設定された実行順位の設定値は「優先実行設定情報」として、ユーザ名と関連付けられて、「優先実行設定情報」として、ジョブ実行制御部450に送信される。
【0061】
ジョブ実行制御部450は、図8に示すようなデータ構造からなる優先実行設定情報を記憶する。また、ジョブ実行制御部450は、認証されたユーザごとに、優先実行設定情報に基づいて、どの印刷ジョブを実行するかを制御する。したがって、ジョブ実行制御部450は、処理実行制御部および優先実行設定情報記憶部として機能する。
【0062】
図8は、本実施形態に係る優先実行設定情報の構成を示す図である。図8に示すように、ジョブ実行制御部450は、印刷ジョブの実行順位を定義する実行順位の設定値とユーザ名とを関連付けてデータテーブル451に記憶する。優先実行設定情報は、画面441の“優先実行設定”の項目において、ユーザによって選択された設定種別に関する実行順位の設定値とユーザ名とが、PC3からサーバ4に送信される。
【0063】
ジョブ記憶部460は、PC3から受信した印刷ジョブを記憶する処理実行情報記憶部である。ジョブ記憶部460は、図9に示すように、PC3から受信した印刷ジョブと、その印刷ジョブの“ジョブ名”、“作成ユーザ名”、“ジョブ作成日時”、“データサイズ”、“ジョブ登録日時”を関連付けてジョブデータテーブル461に記憶する。
【0064】
このような構成によって、本実施形態に係る情報処理システム1においては、認証されたユーザに対してのみ画像処理装置2に搭載されている機能を利用可能とする処理を実行する。また、認証されたユーザが利用可能である画像処理装置2の機能をユーザの属性に応じて変更することが本発明の要旨のひとつである。
【0065】
次に、図10を参照して、本実施形態に係る認証情報をサーバ4に記憶する処理の流れについて説明する。まず、ユーザは、ユーザインタフェースデバイス301に表示される画面411を操作して、“ユーザ名”の項目、“カードID”の項目、“パスワード”の項目に対して設定値を入力する(S101)。ユーザインタフェースデバイス301から入力された“ユーザ名”、“カードID”、“パスワード”は、操作制御部310によってジョブ制御部330に送信される。
【0066】
ジョブ制御部330は、“ユーザ名”、“カードID”、“パスワード”の情報を受信すると、これらの情報とともに、ユーザ登録要求を認証処理部410に送信する(S102)。認証処理部410は、ユーザ登録要求を受信すると、“ユーザ名”、“カードID”、“パスワード”の情報を認証情報記憶部420に送信する(S103)。
【0067】
認証情報記憶部420は、受信した“ユーザ名”、“カードID”、“パスワード”をそれぞれ関連付けて記憶する(S104)。認証情報記憶部420に認証情報が記憶されると、認証処理部410は、ユーザ登録が完了したことをジョブ制御部330に通知する(S105)。
【0068】
ジョブ制御部330は、ユーザ登録が完了した旨の通知を受信すると、表示制御部320を介してユーザ登録が完了したことをユーザに通知する画面をユーザインタフェースデバイス301に表示させ(S106)、本処理を終了する。
【0069】
なお、“ユーザ名”、“カードID”、“パスワード”の設定値を画面411に入力する際に、カード情報読取装置109にカードIDが記憶されたICカードなどをかざして取得されたカードIDを用いるようにしてもよい。
【0070】
このようにして認証情報記憶部420に記憶された“ユーザ名”、“カードID”、“パスワード”を含む認証情報に基づいて、認証処理部410は認証処理を実行する。
【0071】
次に、図11を参照して、本実施形態に係る優先実行情報をサーバ4に記憶する処理の流れについて説明する。なお、本処理は、ユーザ登録されたユーザによって、認証処理がなされた後に実行される。認証されたユーザは、ユーザインタフェースデバイス301を操作して、サーバ4に送信する印刷ジョブを生成するための情報を入力する(S201)。
【0072】
印刷ジョブを生成するための情報とは、印刷対象の文書ファイルを指定する情報やユーザが指定した画像を出力する際の条件の情報などである。ユーザインタフェースデバイス301から入力された印刷ジョブを生成するための情報は、操作制御部310によってジョブ制御部330に送信される。
【0073】
ジョブ制御部330は、印刷ジョブを指定する情報を受信すると、印刷ジョブを生成する。次に、ジョブ制御部330は、生成した印刷ジョブおよび認証されたユーザ名とともに、ジョブ登録要求をジョブ実行制御部450に送信する(S202)。
【0074】
ジョブ実行制御部450は、ジョブ登録要求を受信すると、“ユーザ名”、印刷ジョブの名前の情報である“ジョブ名”の情報、印刷ジョブが生成された日時の情報である“ジョブ作成日時”の情報をジョブ記憶部460に送信する(S203)。
【0075】
ジョブ記憶部460は、受信した“ユーザ名”、“ジョブ名”、“ジョブ作成日時”に加え、“ユーザ名”、“ジョブ名”、“ジョブ作成日時”を受信した日時の情報を“ジョブ登録日時”、印刷ジョブのデータサイズの情報を“データサイズ”として、それぞれの情報を関連付けて記憶する(S204)。ジョブ記憶部460に印刷ジョブが記憶されると、ジョブ実行制御部450は、ジョブ登録が完了したことをジョブ制御部330に通知する(S205)。
【0076】
ジョブ制御部330は、ジョブ登録が完了した旨の通知を受信すると、表示制御部320を介してジョブ登録が完了したことをユーザに通知する画面をユーザインタフェースデバイス301に表示させ(S206)、本処理を終了する。
【0077】
ジョブ記憶部460に記憶された印刷ジョブを実行する際に、本実施形態においては、ユーザによって設定された優先実行設定情報、すなわち、印刷ジョブを実行する際の優先順位に従って印刷ジョブを実行する。
【0078】
次に、図12を参照して、本実施形態に係る印刷ジョブを実行する際の優先順位を設定する処理の流れについて説明する。本処理は、図11のユーザ登録処理を行う際に、画面411に入力された設定値に基づいてユーザ登録と並列に実行されてもよいし、また、認証されたユーザが、画面441を操作して実行される処理であってもよい。
【0079】
まず、ユーザは、ユーザインタフェースデバイス301に表示される画面411を操作して“優先実行設定”の項目、すなわち、優先実行設定情報を設定する項目に対して設定値を入力する(S301)。
【0080】
“優先実行設定”の項目には、図7に示すように、印刷ジョブを実行する際の実行順位を設定するための設定値である、“ジョブ登録順”、“アルファベット順”、“ジョブの作成日順”、“データサイズ順”、“ジョブ名入力”、“設定なし”のそれぞれを選択する選択項目が含まれる。
【0081】
なお、優先実行設定情報に含まれる「設定値」、すなわち、印刷ジョブを実行する際の実行順位を示す値は、言い換えると、各印刷ジョブに対する実行の優先度を与える情報となる。
【0082】
したがって、本実施形態に係る実行順位は、いわゆる優先度にも相当し得るものであるが、単に、印刷ジョブの生成順や蓄積された順など、印刷ジョブの実行の順番を一意に決定しうる情報に基づくものに限定されるものではない。本実施形態に係る印刷ジョブの実行順位(優先度)は、ユーザが適宜設定可能であって、ユーザが「優先したい要素」に基づいて設定されるものである。
【0083】
ユーザは、“ジョブ登録順”、“アルファベット順”、“ジョブの作成日順”、“データサイズ順”、“ジョブ名入力”、“設定なし”の選択項目からいずれかをユーザインタフェースデバイス301を操作して選択する。ユーザインタフェースデバイス301から入力されたユーザが選択した“優先実行設定”の選択項目の情報は、操作制御部310によってジョブ制御部330に送信される。
【0084】
ここでは、“ユーザ名”が“nishida”のユーザによって、“アルファベット順”の設定項目が選択されたと仮定して、以後の説明を行う。
【0085】
ジョブ制御部330は、“優先実行設定”の選択項目が“アルファベット順”の情報を受信すると、受信した“優先実行設定”の選択項目の情報および“優先実行設定”を選択したユーザの“ユーザ名”の情報をジョブ実行制御部450に送信する(S302)。
【0086】
すなわち、ジョブ制御部330は、S302の処理において、“ユーザ名”が“nishida”のユーザによって、“アルファベット順”の設定項目が選択されたことをジョブ実行制御部450に送信する。
【0087】
ジョブ実行制御部450は、“優先実行設定”の選択項目の情報および認証されたユーザの“ユーザ名”の情報を受信すると、データテーブル451に、“優先実行設定”の選択項目と、“ユーザ名”とを関連付けて記憶し、その旨をジョブ制御部330に通知する(S303)。
【0088】
すなわち、ジョブ実行制御部450は、S303の処理において、データテーブル451に“ユーザ名:nishida”のユーザの“優先実行設定情報”が“アルファベット順”であることを記憶する。
【0089】
ジョブ制御部330は、“優先実行設定”の選択項目を記憶した旨の通知を受信すると、表示制御部320を介してジョブ登録が完了したことをユーザに通知する画面をユーザインタフェースデバイス301に表示させ(S304)、本処理を終了する。
【0090】
そして、ジョブ実行制御部450は、認証されたユーザから印刷ジョブの実行命令を受信すると、“優先実行設定情報”にしたがって、どの印刷ジョブを実行するかを選択する。次に、図13を参照して本実施形態に係る印刷ジョブを実行する処理の流れについて説明する。
【0091】
まず、ユーザは、カード情報読取装置109に対してICカードを接近させて、ICカードに記憶されているカードIDをカード情報読取装置109に読み取らせる(S401)。カード情報読取装置109は、カードIDを読み取って、読み取ったカードIDを認証処理部410に送信する(S402)。
【0092】
ここでは、ユーザ名“nishida”のユーザが、カードIDが“5bla32*”のカードをカード情報読取装置109に読み取らせたと仮定して、以後の説明を行う。
【0093】
認証処理部410は、受信したカードID、すなわち、カードID“5bla32*”が認証情報データテーブル421に記憶されているか否かに基づいて認証処理を実行する(S403)。このとき、認証処理部410は、受信したカードIDが認証情報データテーブル421に記憶されている場合に、そのカードIDによって特定されるユーザが認証済みのユーザであると判定する認証処理を行う。
【0094】
カードID“5bla32*”は、図6に示すように、認証情報データテーブル421に記憶されているので、ユーザ名“nishida”のユーザは、認証される。
【0095】
認証処理部410は、認証処理を行うと、そのユーザの認証情報をジョブ実行制御部450に送信する(S404)。ここで、認証処理部410は、ユーザ名“nishida”のユーザ名、カードID、パスワードを含む認証情報をジョブ実行制御部450に送信する。
【0096】
ジョブ実行制御部450は、認証情報を受信すると、データテーブル451を参照して、受信した認証情報の“ユーザ名”と同一のユーザ名を含む”優先実行設定情報”を取得する(S405)。
【0097】
S405の処理において、ジョブ実行制御部450は、ユーザ名“nishida”のユーザが、“アルファベット順”に印刷ジョブを実行する際の優先順位を設定していることを示す”優先実行設定情報”を取得する。
【0098】
次に、ジョブ実行制御部450は、S405で取得した“優先実行設定情報”に従って、実行する印刷ジョブを決定する(S406)。ユーザ名“nishida”の“優先実行設定情報”においては、印刷ジョブを“アルファベット順”に実行することが設定されている。
【0099】
図9に示すように、ジョブデータテーブル461には、ユーザ名“nishida”の印刷ジョブとして、ジョブ記憶部460にファイル名が“bluetrain.JDF”、“applemon.JDF”の印刷ジョブが記憶されている。ジョブ実行制御部450は、ユーザ名“nishida”の“優先実行設定情報”の設定にしたがって、これらの印刷ジョブのうち、ファイル名が“applemon.JDF”を実行する印刷ジョブとして決定する。
【0100】
ジョブ実行制御部450は、“applemon.JDF”の印刷ジョブをジョブ記憶部460から取得し(S407)、取得した“applemon.JDF”の印刷ジョブとともに印刷ジョブの実行要求を画像処理装置2に送信する(S408)。画像処理装置2は、印刷ジョブの実行要求に従って、受信した“applemon.JDF”の印刷ジョブを実行する(S409)。
【0101】
以上説明したように、本実施形態に係る情報処理システム1においては、印刷ジョブを予めサーバ4に記憶させておき、認証されたユーザが定めた実行順位にしたがって印刷ジョブを実行することができる。そのため、任意の印刷ジョブの実行を選択するためにユーザが煩雑な操作をする必要がないため、印刷ジョブを利便性よく実行することが可能となる。
【符号の説明】
【0102】
1 情報処理システム
2 画像処理装置
3 PC
4 サーバ
5 ネットワーク
10 CPU
20 RAM
30 ROM
40 記憶媒体
50 I/F
60 LCD
70 操作部
80 エンジン
90 バス
100 コントローラ
109 カード情報読取装置
110 主制御部
120 エンジン制御部
130 画像処理部
140 操作表示制御部
150 入出力制御部
330 ジョブ制御部
410 認証処理部
420 認証情報記憶部
450 ジョブ実行制御部
460 ジョブ記憶部
【先行技術文献】
【特許文献】
【0103】
【文献】特開2009-220331号公報
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13